以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る作業機1の全体構成を示す概略側面図である。図2は、作業機1の概略平面図である。本実施形態では、作業機1としてホイールローダが例示されている。
図1、図2に示すように、本実施形態のホイールローダは、アーティキュレート式の作業機1であり、該作業機1の機体2は前部機体2Aと後部機体2Bとから構成されている。前部機体2Aには、左の前輪3L及び右の前輪3Rが設けられている。前輪3Lは、前部機体2Aの左方に設けられ、前輪3Rは、前部機体2Aの右方に設けられている。後部機体2Bには、左の後輪4L及び右の後輪4Rが設けられている。後輪4Lは、後部機体2Bの左方に設けられ、後輪4Rは、後部機体2Bの右方に設けられている。前輪3L,3R及び後輪4L,4Rは、機体2を走行可能に支持する走行装置17の一部を構成する。後部機体2Bには、オペレータ(運転者)が着座する運転席(座席)13が搭載されている。運転席13は、後輪4Lと後輪4Rとの間に配置され、機体2における機体幅方向K2の中央部に設けられている。
本実施形態においては、運転席13に着座したオペレータの前側(図1、図2の矢印A1方向)を前方、オペレータの後側(図1、図2の矢印A2方向)を後方、オペレータの左側(図1の手前側、図2の矢印B1方向)を左方、オペレータの右側(図1の奥側、図2の矢印B2方向)を右方として説明する。
また、機体前後方向K1に直交する方向である水平方向を機体幅方向K2(図2参照)として説明する。また、機体2の幅方向の中央部から右方、或いは、左方へ向かう方向を機体外方として説明する。つまり、機体外方とは、機体幅方向K2において機体2の中心から離れる方向である。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。つまり、機体内方とは、機体幅方向K2において機体2の中心に近づく方向である。
図1に示すように、後部機体2Bの前端側には機体連結部材5が機体前後方向K1の軸心回りに所定範囲回転自在に設けられ、この機体連結部材5に前部機体2Aの後端側が縦軸(上下方向に延伸する軸心)回りに機体幅方向K2に揺動自在に連結されている。
前記機体連結部材5と前部機体2Aとにわたって油圧シリンダからなるステアリングシリンダ6が設けられている。このステアリングシリンダ6を伸縮させることにより、後部機体2Bに対して前部機体2Aが機体幅方向K2に揺動して作業機1が左及び右に旋回可能とされている。
後部機体2Bには、運転席13を包囲する運転席保護装置としてのキャビン14が設けられている。キャビン14の室内には、ステアリングシリンダ6を操作するステアリング15(ステアリングホイール)と、作業装置7を操縦する操縦レバー16とが設けられている。ステアリング15は、運転席13の前方に配置され、操縦レバー16は、運転席13の側方(右側方)に配置されている。
以下の説明において、キャビン14の室内をキャビン室内といい、キャビン14の室外をキャビン室外という。
図1に示すように、後部機体2Bには、原動機352が搭載される。原動機352は、例えば、ディーゼルエンジンである。また、運転席保護装置としては、キャビン14の代わりにキャノピであってもよい。
図1、図2に示すように、前部機体2Aには、作業装置7(フロント作業装置)が設けられている。この作業装置7は、前部機体2A(機体2)に上下揺動可能に支持されたリフトアーム8を有する。リフトアーム8は、機体幅方向K2に間隔をあけて配置された左の第1アーム8L及び右の第2アーム8Rを有する。第1アーム8Lは、基端側(後端側)が前部機体2Aの左側に立設された第1支持フレーム10Lの上部に機体幅方向K2に延伸する軸心回りに回転自在に支持されている。したがって、第1アーム8Lは上下揺動可能である。第2アーム8Rは、基端側が前部機体2Aの右側に立設された第2支持フレーム10Rの上部に機体幅方向K2に延伸する軸心回りに回転自在に支持されている。したがって、第2アーム8Rも上下揺動可能である。第1支持フレーム10Lの上部の左側には、作業灯(ライト)33Lが設けられている。第2支持フレーム10Rの上部右側にも、作業灯(ライト)33Rが設けられている。
図5に示すように、第1アーム8L及び第2アーム8Rは、機体幅方向K2に間隔をあけて且つ該間隔が前方に行くに従って漸次広がるように設けられている。これにより、運転席13に着座したオペレータの左斜め前方及び右斜め前方の視界性が向上する。これにより、前輪3L及び前輪3Rの確認を容易に行える。したがって、前輪3L及び前輪3Rを見ながらの作業も容易に行える。また、作業具9の機体外方側の部分を見ながらの作業も行える。例えば、作業具9としてパレットフォークを取り付けた場合に、パレットフォークの爪先を見ながら作業することも可能である。
図1、図2に示すように、第1アーム8L及び第2アーム8Rは、リフトアーム8の長手方向の中途部に設けられた連結パイプ26によって連結されている。
図1に示すように、第1アーム8Lの長手方向の中途部と第1支持フレーム10Lの上下方向の中途部とにわたってリフトシリンダ11Lが設けられている。第2アーム8Rの長手方向の中途部と第2支持フレーム10Rの上下方向の中途部とにわたってリフトシリンダ11Rが設けられている。リフトシリンダ11L及びリフトシリンダ11Rは、複動型の油圧シリンダによって構成されている。リフトシリンダ11L及びリフトシリンダ11Rを伸縮させることによりリフトアーム8が(第1アーム8L及び第2アーム8Rが同時に)上下に揺動する。
図1、図2に示すように、作業装置7は、リフトアーム8の前部に着脱可能に装着される作業具9を有する。作業具9は、標準装備としてバケットが装着され、バケットの代わりに、パレットフォーク、マニアフォーク等の作業具(アタッチメント)や、スイーパー、モアー、ブレーカ等の油圧アクチュエータを有する作業具(油圧アタッチメント)を取り付け可能である。作業具9の背面下部は、リフトアーム8の先端側(前端側)に連結され且つ枢支される。
図1に示すように、作業機1は、作業具9を駆動する作業具シリンダ12を有する。作業具シリンダ12は、複動型の油圧シリンダによって構成されている。また、連結パイプ26には、ブラケット部材27が固定され、ブラケット部材27には、揺動リンク28の上下方向の中途部が枢支されている。揺動リンク28の上部には、作業具シリンダ12の一端が連結される。作業具シリンダ12の他端は、第1支持フレーム10Lと第2支持フレーム10Rとを連結する連結部材29に設けられたブラケット部材30に枢支されている(図12参照)。揺動リンク28の下部には、連動リンク31の後部が枢支されている。連動リンク31の前部は、作業具9の背面上部に枢支(係合)される。作業具シリンダ12を伸縮させることにより、揺動リンク28が揺動すると共に連動リンク31が前後移動する。これにより、作業具9がリフトアーム8との連結点を中心に上下に揺動する。
前輪3Lは、第1支持フレーム10Lより前方で且つ第1アーム8Lより左方に設けられている。また、前輪3Lは、作業具9の左部の後方に位置する。前輪3Rは、第2支持フレーム10Rより前方で且つ第2アーム8Rより右方に設けられている。また、前輪3Rは、作業具9の右部の後方に位置する。
図3に示すように、後部機体2Bは、機体フレーム71を有している。機体フレーム71は、後輪4L及び後輪4Rによって走行可能に支持されている。機体フレーム71の前部に、機体連結部材5が取り付けられている。図1に示すように、機体フレーム71の後部には、原動機352を上方から覆うボンネット301と、ボンネット301の下方に配置されたウエイト302とが設けられている。図19に示すように、ボンネット301及びウエイト302は、原動機352を収容する原動機室(エンジンルーム)E1を構成している。
図3〜図5Bに示すように、キャビン14は、弾性材を有するマウント部材303を有する。マウント部材303は、複数個設けられている。本実施形態では、4つのマウント部材(第1マウント部材303A、第2マウント部材303B、第3マウント部材303C、第4マウント部材303D)が設けられている。
第1マウント部材303Aは、キャビン14の左前部の下端に設けられ、第2マウント部材303Bは、キャビン14の右前部の下端に設けられている。第3マウント部材303Cは、キャビン14の左後部の下端に設けられ、第4マウント部材303Dは、キャビン14の右後部の下端に設けられている。キャビン14は、機体フレーム71(機体2)に、マウント部材303を介して搭載されていて、該機体フレーム71に防振支持されている。
図4に示すように、キャビン14は、骨格を構成するキャビンフレーム304を有する。キャビンフレーム304は、複数の前支柱(第1前支柱142L、第2前支柱142R)と、複数の後支柱(第1後支柱305L、第2後支柱305R)とを有している。
図4に示すように、第1前支柱142Lは、キャビン14前部の左側に設けられている。詳しくは、第1前支柱142Lは、運転席13よりも前方且つ左側方(一側方)に配置されている(図5A参照)。第2前支柱142Rは、キャビン14前部の右側に設けられている。詳しくは、第2前支柱142Rは、運転席13よりも前方且つ右側方(他側方)に配置されている(図5A参照)。第1後支柱305Lは、第1前支柱142Lの後方に設けられている。詳しくは、第1後支柱305Lは、キャビン14左側面の機体前後方向K1の中間部に配置されている。第2後支柱305Rは、第2前支柱142Rの後方に設けられている。詳しくは、第2後支柱305Rは、キャビン14右側面の機体前後方向K1の中間部に配置されている。
図4に示すように、第1後支柱305Lの下端は、第1前支柱142Lの下端よりも高い位置に形成されている。第1後支柱305Lは、第1傾斜フレーム306L及び第1連結フレーム307Lによって第1前支柱142Lに連結されている。第1傾斜フレーム306Lは、第1後支柱305Lの下端から前下がりの傾斜方向に延びている。第1連結フレーム307Lは、第1傾斜フレーム306Lの下端から前方に延びていて第1前支柱142Lの下端に連結されている。
図5Bに示すように、第2後支柱305Rの下端は、第2前支柱142Rの下端よりも高い位置に形成されている。第2後支柱305Rは、第2傾斜フレーム306R及び第2連結フレーム307Rによって第2前支柱142Rに連結されている。第2傾斜フレーム306Rは、第2後支柱305Rの下端から前下がりの傾斜方向に延びている。第2連結フレーム307Rは、第2傾斜フレーム306Rの下端から前方に延びていて第2前支柱142Rの下端に連結されている。
図4に示すように、キャビンフレーム304は、第1前支柱142Lの上端から後方に延びる第1アッパフレーム308Lを有している。第1アッパフレーム308Lは、第1後支柱305Lの上端に連結されていると共に第1後支柱305Lよりも後方に延出している。
図5Bに示すように、キャビンフレーム304は、第2前支柱142Rの上端から後方に延びる第2アッパフレーム308Rを有している。第2アッパフレーム308Rは、第2後支柱305Rの上端に連結されていると共に第2後支柱305Rよりも後方に延出している。
図4に示すように、第1前支柱142L、第1後支柱305L、第1傾斜フレーム306L、第1連結フレーム307L及び第1アッパフレーム308Lによって形成される開口は、オペレータが乗り降りする乗降口(乗降用通路)309とされている。つまり、運転席13の左側方(一側方)に乗降用通路が設けられている。したがって、第1前支柱142Lは、乗降口309の前部を形成し、第1後支柱305Lは、乗降口309の後部を形成している。
図1に示すように、乗降口309は、乗降ドア(ドア)172によって開閉可能に塞がれている。詳しくは、乗降ドア172は、第1前支柱142Lと第1後支柱305Lとの間に設けられ、第1後支柱305Lにヒンジ部材によって縦軸回りに回転可能に支持されている。キャビン14の左側面には、オペレータがキャビン14に乗り降りする際の補助となる乗降ステップ311や手摺り312が設けられている。乗降ステップ311は、乗降ドア172の下方に設けられている。手摺り312は、図4に示すように、第1前支柱142Lと第1後支柱305Lとに設けられている。乗降ドア172は、光の透光性を有するパネル172Aを含む。例えば、パネル172Aは、透明なガラス板によって形成されている。パネル172Aは、乗降口309を覆う大きさ及び形状に形成されている。また、乗降ドア172は、パネル172Aの内側に設けられ且つパイプ材等の棒状部材で形成されたフレーム部材(図示省略)を有している。
図5Bに示すように、キャビン14は、右側面に、第2前支柱142R、第2後支柱305R、第2傾斜フレーム306R、第2連結フレーム307R及び第2アッパフレーム308Rによって形成される開口(開放部)313を有している。この開口313は、図3に示すように、扉314によって開閉可能に塞がれている。詳しくは、扉314は、第2前支柱142Rと第2後支柱305Rとの間に設けられ、第2後支柱305Rにヒンジ部材315によって縦軸回りに回転可能に支持されている。したがって、開口313を塞いだ状態から扉314を開くと、開口313を介して運転席13の前方の床部75上の空間と機体2外部とが連通する。また、扉314は、光の透光性を有するパネル314Aを含む。例えば、パネル314Aは、透明なガラス板によって形成されている。パネル314Aは、開口313を覆う大きさ及び形状に形成されている。また、扉314は、パネル314Aの内側に設けられ且つパイプ材等の棒状部材で形成されたフレーム部材316を有している(図7B参照)。
扉314を開くことにより、乗降口309とは反対側からキャビン室内に物を出し入れしたり、キャビン室内の清掃をしたりすることができる。また、本実施形態では、開口313の下端は、床部75(図8A参照)の上面、又は床部75に敷かれたゴムマット332の上面と同一又はそれより低い高さになっている。これにより、床部75上又はゴムマット332上の塵芥等を容易に掃き出すことができる。また、扉314は、主要部分が光の透光性を有するパネル314Aであるので、キャビン14の右側方の視界性を向上させることができる。
図3に示すように、第1前支柱142Lと第2前支柱142Rとの間には、上部に前面パネル141が設けられ、下部にカバーパネル147が設けられている。前面パネル141は、透明なガラス板等によって形成されていて光の透光性を有する。カバーパネル147は、不透明な部材によって形成されている。第1アッパフレーム308Lと第2アッパフレーム308Rとの間には、ルーフ317が設けられている。キャビンフレーム304の後部には、透明なガラス板等によって形成されていて光の透光性を有するリヤパネル318が設けられている。リヤパネルは、キャビンフレーム304の側面後部及び背面を覆う。
図5Bに示すように、運転席13は、座部13Aと背もたれ部13Bとを有する。座部13Aは、オペレータが着座する(臀部及び太股部を載せる)部位である。背もたれ部13Bは、着座したオペレータが背中をもたれかける部位であって、座部13Aの後部に上方に延びるように設けられている。
図5B、図7Bに示すように、運転席13の右側方(他側方)には、操縦台319が設けられている。操縦台319の前部の機体内方側に、操縦レバー16が設けられている。操縦台319には、アームレスト320が設けられている。アームレスト320は、操縦レバー16の後方に配置されている。また、アームレスト320は、運転席13の右側方に配置されている。
操縦台319は、コンソールボックス319Aを有する。コンソールボックス319Aは、キャビンフレーム304に取り付けられている。コンソールボックス319Aの上面におけるアームレスト320の側方及び後方には、各種のスイッチ類が集中配置されている。図4に示すように、操縦台319は、支持ブラケット321を有する。図4、図7Aに示すように、支持ブラケット321は、後述するフロアフレーム72の傾斜壁72aに固定されている。支持ブラケット321は、コンソールボックス319Aの前部の内部に設けられている。支持ブラケット321にコンソールボックス319Aの前部が取り付けられて支持される。
操縦レバー16は、支持ブラケット321に支持されている。詳しくは、支持ブラケット321にリモコン弁322が取り付けられ(図7A参照)、リモコン弁322に操縦レバー16が連動部材等を介して取り付けられている(図5B参照)。つまり、操縦レバー16は、リモコン弁322を介して支持ブラケット321に支持されている。リモコン弁322は、リフトシリンダ11L、11Rを制御する制御弁及び作業具シリンダ12を制御する制御弁をパイロット操作するパイロット操作弁である。リモコン弁322は、図7Aに示すように、支持ブラケット321の下部側に配置されており、支持ブラケット321に取り付けられた取付板333に固定されている。リモコン弁322は、支持ブラケット321と共にコンソールボックス319Aによって覆われている。操縦レバー16は、コンソールボックス319Aから突出しており、基部がブーツ部材334によって覆われている(図5A参照)。
図4、図5A、図5Bに示すように、作業機1(キャビン14)は、運転席右側の開口313からのオペレータの乗降を遮断する遮断部材325を有している。すなわち、本実施形態では、開口313はオペレータが乗り降りするための乗降口(乗降用通路)とはされていない。このため、本実施形態では、キャビン14の右側面には乗降ステップや手摺り等は設けられていない。遮断部材325は、パイプ材等の棒状部材で形成され、操縦台319と第2前支柱142Rとにわたって設けられている。これにより、開口313が乗り降りするための通路ではないことをオペレータに認識させることができると共に、遮断部材325が乗り降りの邪魔になることからオペレータがキャビン14の右側(乗降用通路とは反対側)から乗り降りするのを抑制することができる。
図5Bに示すように、遮断部材325は、機体前後方向K1(水平方向)に延伸して配置されており、且つ操縦レバー16の上端よりも下方且つ座部13Aの底面よりも上方に配置されている。これにより、遮断部材325を、オペレータが乗降口309とは反対側から乗り降りするのを抑制しつつ運転席13に着座したオペレータの視界の邪魔にならない位置に配置することができる。
図7Bに示すように、遮断部材325は、運転席13に着座したオペレータの視線方向に沿って操縦レバー16と重畳する位置に配置されている。つまり、オペレータが運転席13に着座した際に、オペレータから遮断部材325を見ると、遮断部材325の一部または全部が操縦レバー16で隠れる位置にある。これにより、遮断部材325がオペレータの視界の邪魔になるのを防止することができる。
図6に示すように、遮断部材325は、前部が第2前支柱142Rに取り付けられ、後部が支持ブラケット321に取り付けられている。詳しくは、第2前支柱142Rに取付片326が固定されると共に、遮断部材325の前部に取付ステー(第1取付ステーという)327が固定されている。取付片326及び第1取付ステー327に機体外方側からボルト328が貫通されており、ボルト328は、第1取付ステー327の機体内方側の面に固定されたナットにねじ込まれている。これにより、遮断部材325の前部が第2前支柱142Rに取り付けられる。また、遮断部材325の後部に取付ステー(第2取付ステーという)329が固定されている。板面が機体前後方向K1を向く第1部位329aと、第1部位329aの機体内方側の端部から後方に延出する第2部位329bとを有する。第1部位329aの上部に遮断部材325が固定されている。第2部位329b及び支持ブラケット321の機体外方側の側壁321aに機体外方側からボルト330が貫通されており、ボルト330は、側壁321aの機体内方側の面に固定されたナットにねじ込まれている。これにより、遮断部材325の後部が支持ブラケット321に取り付けられる。
ボルト328及びボルト330を取り外すと、遮断部材325を取り外すこともできる。しかし、遮断部材325の後部及び第2取付ステー329は支持ブラケット321と共にコンソールボックス319A内に収容されているので、容易には外せないように構成されている。
図6に示すように、第2部位329bは、ボルト330を挿通するボルト挿通孔331を有している。ボルト挿通孔331は、機体前後方向K1に長い長穴に形成されている。これにより、遮断部材325の取付けに際して、取付誤差(製作誤差)を吸収することができる。
なお、本実施形態では、遮断部材325を、キャビン14を搭載した作業機1に適用した場合を例示したが、これに限定されることはない。例えば、遮断部材325は、前支柱の後方に運転席13の前方の床部75上の空間と機体2外部とを連通させる開放部を有するキャノピを搭載した作業機1にも適用できる。
図4に示すように、作業機1は、機体フレーム71(機体2)に搭載されたフロアフレーム72を有する。フロアフレーム72は、キャビンフレーム304の下部に固定されている。即ち、フロアフレーム72は、キャビン14の下部を構成している。したがって、フロアフレーム72は、マウント部材303を介してキャビン14と共に機体フレーム71に防振支持されている。
図8A、図8Bに示すように、フロアフレーム72は、左の第1側壁73Lと、右の第2側壁73Rとを有する。第1側壁73Lと第2側壁73Rとの下部間に、底壁(設置部)74が設けられている。フロアフレーム72は、底壁74の前方側に設けられた床部(ステップ)75を有する。底壁74は、床部75より下方に位置している。したがって、底壁74の前端側と床部75の後端側との間に間隔があけられている。床部75には、ゴムマット332が敷かれる(図5A参照)。
図8Aに示すように、床部75は、点検開口77aを有する床部本体77と、点検開口77aを塞ぐ開閉カバー78とを有する。開閉カバー78は、ボルト等によって床部本体77に着脱可能に取り付けられている。床部本体77は、第1部位79、第2部位80及び第3部位81を有する。
図8A、図8Bに示すように、第1部位79は、床部本体77の左部を構成している。第1部位79の後部79aは、前部79bより機体幅方向K2の幅が幅狭に形成されている。詳しくは、後部79aは、第1側壁73Lより機体外方側(左方側)に位置しており、前部79bは、後部79aから前方に延出する部位及び該部位から後部79aよりも機体内方(右方)に延出する部位を有する。
第2部位80は、床部本体77の右部を構成している。第2部位80の後部80aは、前部80bより機体幅方向K2の幅が幅狭に形成されている。詳しくは、後部80aは、第2側壁73Rより機体外方側(右方側)に位置しており、前部80bは、後部80aから前方に延出する部位及び該部位から後部80aよりも機体内方(左方)に延出する部位を有する。
フロアフレーム72は、後部80aの後端から後方に向かうにつれて上方に移行する傾斜方向に延びる傾斜壁72aを有している。この傾斜壁72aに支持ブラケット321が固定される(図7A参照)。
第3部位81は、機体幅方向K2の中央部に位置していると共に、第1部位79の前部79bと第2部位80の前部80bとの間に位置している。第3部位81は、前部79bと前部80bとを連結している。詳しくは、第3部位81は、前部79bと前部80bの後側同士を連結している。第3部位81は、下方に凹む凹部に形成されている。
第1部位79の後部79aと第2部位80の後部80aとの間は開口しており、この開口が点検開口77aである。ゴムマット332及び開閉カバー78を外すと、点検開口77aを介して機体フレーム71内に配備された機器等の点検を行うことができる。
図5Aに示すように、キャビン室内の前部には、ステアリング15を支持するステアリングコラム87が設けられている。ステアリングコラム87は、キャビン室内の機体幅方向K2の中央部に位置している。
図8Aに示すように、ステアリングコラム87は、フロアフレーム72の前部に立設されたコラムフレーム(フレーム部材)88を有する。また、図5Aに示すように、ステアリングコラム87は、コラムフレーム88を覆うコラムカバー89を有する。
図8Aに示すように、コラムフレーム88は、フロアフレーム72の前部の機体幅方向K2中央部に設けられている。コラムフレーム88は、第3部位81より前方に位置している。コラムフレーム88は、機体幅方向K2で間隔をあけて配置された第1側壁88L及び第2側壁88Rを有する。第1側壁88Lは、コラムフレーム88の左部を構成し、床部75に立設されている。第2側壁88Rは、コラムフレーム88の右部を構成し、床部75に立設されている。
図9に示すように、コラムフレーム88は、第1連結部材83と、第2連結部材84とを有する。第1連結部材83は、第1側壁88Lと第2側壁88Rの後部の上部同士を連結している。第2連結部材84は、第1側壁88Lと第2側壁88Rの下部同士を連結している。第2連結部材84の下面側にステアリングシリンダ6を制御するステアリングバルブ90が取り付けられている。
図5Aに示すように、ステアリングコラム87の前面側は、開放状である。図3に示すように、前面パネル141及びカバーパネル147でステアリングコラム87の前面側が覆われる。
図9A、図9Bに示すように、コラムフレーム88の左方には、ブレーキペダル(第1ブレーキペダルという)111Lが配置されている。コラムフレーム88の右方には、第1ブレーキペダル111Lとは異なる他のブレーキペダル(第2ブレーキペダルという)111Rが配置されている。コラムフレーム88の上部には、機体幅方向K2に延伸する軸心を有するブレーキシャフト112が設けられている。ブレーキシャフト112は、1本の棒材で形成され、第1側壁88Lと第2側壁88Rの上部且つ前部を貫通し且つこれら側壁88L、88Rに軸心回りに回転可能に支持されている。
ブレーキシャフト112の左部は、第1側壁88Lの外側に固定された軸受ボス113から左方に突出している。この突出部分に第1ブレーキペダル111Lの上部114Lが固定されている。したがって、第1ブレーキペダル111Lは、ブレーキシャフト112と一体回転する。第1ブレーキペダル111Lの下部には、オペレータが踏込み操作する踏み部115Lが設けられている。つまり、第1ブレーキペダル111Lは、吊り下げ式のブレーキペダルである。
図10に示すように、ブレーキシャフト112の右部は、第2側壁88Rから機体外方に突出している。このブレーキシャフト112の右部に第2ブレーキペダル111Rの上部に設けられたペダルボス114Rが取り付けられている。したがって、第2ブレーキペダル111Rも、ブレーキシャフト112と一体回転する。第2ブレーキペダル111Rの下部にも、オペレータが踏込み操作する踏み部115Rが設けられている。つまり、第2ブレーキペダル111Rも、吊り下げ式のブレーキペダルである。
図10に示すように、ブレーキシャフト112は、右部に、スプラインによって形成された結合部116を有する。結合部116は、ブレーキシャフト112の右端まで形成されている。第2側壁88Rの内側上部には、ブレーキシャフト112を支持する軸受筒117が固定されている。軸受筒117は、第2側壁88Rを貫通し、該第2側壁88Rから機体内方に向けて突出している。軸受筒117は、軸心方向の両端が開口状であり、該軸受筒117を結合部116が挿通している。結合部116は、軸受筒117の左端部から突出している。軸受筒117の左方には、ブレーキアーム118が配置されている。ブレーキアーム118は、結合部116に嵌められるアームボス119と、アームボス119に固定されたアーム部120とを有する。アームボス119は、結合部116にスプライン結合されていて、ブレーキシャフト112と一体回転する。また、アームボス119は、軸受筒117に挿入される軸受部119aを有する。ブレーキシャフト112は、軸受部119a及びブッシュ121を介して軸受筒117に支持される。
図10に示すように、結合部116は、軸受筒117の右端部から機体外方(第1ブレーキペダル111Lの配置側とは反対側の側方)に突出する突出部116aを有している。ペダルボス114Rは、突出部116aに右方から嵌められてスプライン結合されることで、ブレーキシャフト112と一体回転する。ペダルボス114Rは、軸受筒117に挿入される軸支部132を有する。軸支部132の外周には、軸受筒117の内周側に設けられたブッシュ133が嵌められている。ブレーキシャフト112は、軸支部132及びブッシュ133を介して軸受筒117に支持される。
図11に示すように、アーム部120の後部には、連結リンク122の一端が枢支され、該連結リンク122の他端は、マスタシリンダ123のピストンロッド124の上部に連結されている。したがって、第1ブレーキペダル111L又は第2ブレーキペダル111Rを踏み込むことにより、ブレーキシャフト112の回転に伴ってブレーキアーム118の後部が下方に揺動すると共に連結リンク122を介してピストンロッド124が押し込まれる。これにより、マスタシリンダ123が作動すると共に、図示省略のブレーキ装置が作動する。
図11に示すように、アーム部120には、第1当接部120aと、第2当接部120bとが設けられている。第1当接部120aと第2当接部120bとの間には、規制ロッド129が設けられている。図9A、図9Bに示すように、規制ロッド129は、第2側壁88Rに機体内方に向けて突出状に固定されている。第1当接部120aが規制ロッド129に当接することにより、第1ブレーキペダル111L及び第2ブレーキペダル111Rの踏込み方向とは反対方向(反踏込み方向)の揺動が規制される。この規制ロッド129に第1当接部120aが当接した状態におけるブレーキペダル111L、111Rの位置が踏込み前の位置である。また、第2当接部120bが規制ロッド129に当接することにより、第1ブレーキペダル111L及び第2ブレーキペダル111Rの踏込み方向の揺動が規制される。
図9A、図9Bに示すように、第1側壁88Lと第2側壁88Rとの間における右側に、ブレーキペダル111L、111Rを操作する前の位置(非操作時の設定位置)に戻す戻しバネ131が配置されている。戻しバネ131は、捩りコイルバネによって構成され、ブレーキシャフト112の周囲を囲むように設けられている。本実施形態では、戻しバネ131は、軸受筒117の外周を包囲するように設けられている。戻しバネ131の一端(左側の端部)131aは、ブレーキアーム118に係止されている(図11参照)。戻しバネ131の他端(右側の端部)131bは、規制ロッド129に引っ掛けられている。これにより、戻しバネ131は、第1ブレーキペダル111L及び第2ブレーキペダル111Rを反踏込み方向に付勢している。
図11に示すように、アーム部120の先端側には、連結ロッド335が機体外方に突出状に固定されている。この連結ロッド335の一端側(機体外方側の端部)にケーブル336の一端が枢支連結されている。詳しくは、ケーブル336は、インナケーブル336Aとアウタケーブル336Bとを有し、インナケーブル336Aの一端が連結ロッド335に連結されている。第2側壁88Rの機体内方側の面には、第1ケーブルステー337が固定されている。第1ケーブルステー337は、第2側壁88Rの後部且つ下部に設けられている。第1ケーブルステー337にケーブル336の一端側が取り付けられている。詳しくは、第1ケーブルステー337にアウタケーブル336Bが取り付けられている。図12に示すように、ケーブル336は、フロアフレーム72に形成されたケーブル挿通穴348を通してフロアフレーム72の下方に配策されている。図8Bに示すように、ケーブル挿通穴348は、床部本体77の第2部位80の前部80bに形成されている。
ケーブル336は、ブレーキアーム118(ブレーキペダル111L、111R)とインチングバルブ(バルブ)338とを連動連結するケーブルである(図11及び図12参照)。
図13に示すように、インチングバルブ338は、フロアフレーム72の底壁74の前端側で且つ下方に配置されている。インチングバルブ338は、運転席13の下方で、底壁74に取り付けられている。図12は、フロアフレーム72を下方から見た底面図である。図12に示すように、インチングバルブ338は、底壁74の右側に配置されている。
図14に示すように、インチングバルブ338は、バルブブラケット339に取り付けられ、バルブブラケット339は、底壁74に固定された取付ブラケット340に取り付けられている。バルブブラケット339は、インチングバルブ338が取り付けられるバルブ取付部339aと、バルブ取付部339aから上方に延出されたブラケット取付部339bとを有する。取付ブラケット34は、前端部が底壁74の前端からやや突出するように底壁74の上面に固定されている。取付ブラケット340は、取付面(前面)が前方を向くように底壁74上に立設された取付壁340aと、取付壁340aの機体幅方向K2の一端側から後方に延びる第1側壁340bと、取付壁340aの機体幅方向K2の他端側から後方に延びる第2側壁340cとを有する。取付壁340aの前面にブラケット取付部339bの上部が重ね合わされてボルト341によって取り付けられている。
図14に示すように、ブラケット取付部339bにケーブル336の他端側が取り付けられる第2ケーブルステー342が取り付けられている。第2ケーブルステー342は、第1壁部342aと、第2壁部342bと、第3壁部342cとを有する。第1壁部342aは、ブラケット取付部339bの前面に重ね合わされてボルト343によって固定される。第2壁部342bは、第1壁部342aの機体外方側の端部から前方に延出されている。第3壁部342cは、第2壁部342bから機体内方側へ延出されている。詳しくは、第3壁部342cは、機体内方に向かうにつれて前方に移行する傾斜方向に延出されている。第3壁部342cにアウタケーブル336Bが取り付けられている。
図14に示すように、インチングバルブ338は、矩形のブロック状の形状を呈するバルブ本体338Aと、バルブ本体338Aを操作するバルブレバー338Bとを有する。バルブ本体338Aは、バルブブラケット339に水平状に取り付けられている。バルブ本体338Aは、背面338aに第1接続部346を有し、一側面(左側面)338bに第2接続部347を有し、上面338c側に操作軸345を有する。
図12に示すように、第1接続部346は、油圧ホース(第1油圧ホース)350を介して油圧ポンプ349の吐出回路351に接続される。油圧ポンプ349は、例えば、定容量型のポンプであり、原動機352の側方に連結されて該原動機352の動力によって駆動される。また、油圧ポンプ349は、作動油タンク(タンク)344に貯留された作動油を吐出する。具体的には、油圧ポンプ349は、油圧駆動装置353を油圧制御する作動油(パイロット油)を吐出する。作動油タンク344は、インチングバルブ338の左側方(第2接続部347が設けられている側の側方)に配置されている。第2接続部347は、油圧ホース(第2油圧ホース)354を介して作動油タンク344に接続されている。
油圧駆動装置353は、例えば、HST(Hydro Static Transmission)で構成され、走行装置17を油圧によって駆動する。詳しくは、本実施形態のHST353は、原動機352の動力によって駆動される斜板形可変容量ポンプからなるHSTポンプ355と、このHSTポンプ355と一対の油路356a、356bにより閉回路接続されていてHSTポンプ355からの吐出油によって駆動されることにより走行装置17を駆動するHSTモータ357とを有している。
HSTポンプ355は、中立位置から一方側及び他方側に揺動する斜板355Aの揺動によって、吐出する作動油の方向を変更することができる。HSTモータ357は、HSTポンプ355から油路356a又は油路356bに作動油が吐出されることにより回転方向が切り換えられ、走行装置17に対して前進動力又は後進動力を出力する。
HST353は、HSTポンプ355の斜板355Aの角度を設定するサーボシリンダ358を有している。サーボシリンダ358は、前進油路360と後進油路361とによって前後進切換弁359に接続されている。前後進切換弁359は、供給油路362を介して油圧ポンプ349の吐出回路351に接続され、タンク油路363を介して作動油タンク344に接続されている。
サーボシリンダ358は、前後進切換弁359から前進油路360にパイロット油が供給された場合は、斜板355Aを前進側に揺動させ、前後進切換弁359から後進油路361にパイロット油が供給された場合は、斜板355Aを後進側に揺動させ、前進油路360及び後進油路361にパイロット油が供給されていない場合は、斜板355Aを中立位置に保持する。
バルブ本体338A(インチングバルブ338)は、ロータリバルブによって形成され、操作軸345は、バルブ本体338Aのロータリスプールに一体形成(或いは別体で形成されて連結)される。操作軸345は、縦軸回りに回動可能とされていて、縦軸回りに回動することにより、インチングバルブ338がオフ状態(閉じ状態)とオン状態(開き状態)とに切り換えられる。インチングバルブ338がオフ状態に切り換えられると、第1接続部346と第2接続部347とを接続する接続油路が遮断される。これにより、油圧ポンプ349から吐出したパイロット油は前後進切換弁359に供給可能とされ、前後進切換弁359の切換に応じて、斜板355Aが前進側又は後進側に揺動する。インチングバルブ338がオン状態(開き状態)に切り換えられると、第1接続部346と第2接続部347とを接続する接続油路が開通する。これにより、油圧ポンプ349から吐出したパイロット油は、作動油タンク344に排出され、前後進切換弁359に供給されない。このとき、斜板355Aが前進側又は後進側に揺動している場合は、斜板355Aが中立側に動き、走行装置17は減速ないし停止する。なお、操作軸345の回動角度によってインチングバルブ338のバルブ開度が変化するため(作動油タンク344へ排出されるパイロット油の排出量が変化するため)、走行装置17の減速をインチングバルブ338によって調整することができる。
図14に示すように、バルブレバー338Bは、一端側が操作軸345に挟持固定されている。したがって、バルブレバー338Bは、操作軸345と共に縦軸(操作軸345の軸心)回りに回動可能である。バルブレバー338Bの他端側には、ケーブル336の他端側が連結されている。詳しくは、バルブレバー338Bの他端側にインナケーブル336Aの他端側が連結されている。したがって、インチングバルブ338は、ブレーキペダル(ペダル)111L,111Rにケーブル336を介して連動している。
ブレーキペダル111L,111Rを踏込み操作していない状態では、図14に示すように、バルブレバー338Bは、操作軸345から前方に突出した状態であり、この状態ではインチングバルブ338はオフ状態である。ブレーキペダル111L,111Rを踏込み操作すると、ブレーキアーム118(アーム部120)が下方に揺動し、ケーブル336(インナケーブル336A)が押動される。すると、バルブレバー338Bは、ケーブル336によって押動されて、操作軸345と共に縦軸回りに回動する。つまり、ブレーキペダル111L,111Rを踏込むと、バルブレバー338Bは、縦軸(操作軸345の軸心)回りに左方に揺動し、操作軸345を回動させる。これにより、インチングバルブ338がオン状態となって斜板355Aが中立に戻り、HST353から走行装置17へ動力が出力されなくなる。したがって、ブレーキペダル111L,111Rを踏込むことにより、ブレーキ装置が作動して走行装置17が制動されると共に、HST353が中立状態となる。
上記の構成では、ブレーキペダル111L,111Rとインチングバルブ338とは、機体2にマウント部材303を介して支持されたフロアフレーム72に取り付けられている。つまり、ブレーキペダル111L,111Rとインチングバルブ338とは、同一振動系に取り付けられている。したがって、ブレーキペダル111L,111R、ケーブル336及びインチングバルブ338は、機体2の振動によってフロアフレーム72と共に動くので、インチングバルブ338が走行振動や作業振動の影響を受けるのを抑制することができる。
また、ブレーキペダル111L,111Rとインチングバルブ338とをケーブル336によって連動することにより、インチングバルブ338の搭載位置の自由度を高めることができる。
また、機体2の振動は、上下方向の振動(上下振動)が多いが、バルブレバー338Bは、バルブ本体338Aに縦軸回りに回動可能に取り付けられていて縦軸回りに回動することでインチングバルブ338を作動させる構造であるので、機体2の上下振動によってバルブレバー338Bが動かされることを抑制し、上下振動によってバルブレバー338Bが動かされて走行速度が低下するのを防止することができる。
図13に示すように、底壁74には、シート台76が取り付けられ、シート台76に運転席13が取り付けられる。詳しくは、運転席13は、シート台76に取り付けられたサスペンション装置364に取り付けられる。シート台76は、上壁76aと、上壁76aの前端から下方に延出された前壁76bとを有する。前壁76bの下端から取付壁76cが延出され、取付壁76cが底壁74前部にボルト固定されている。シート台76は、開閉カバー78が取り付けられる支持脚76dを有する。詳しくは、支持脚76dは、取付壁76cの前端から上方に延出されると共に上部が前方に向けて屈曲されている。該支持脚76dの上部に開閉カバー78の後部がボルト等によって着脱可能に取り付けられている。開閉カバー78の後部の下方に取付ブラケット340、インチングバルブ338、バルブブラケット339及び第2ケーブルステー342が配置されている。したがって、床部75に敷かれたゴムマット332及び開閉カバー78を取り外すと、インチングバルブ338にアクセス可能である。これにより、インチングバルブ338等の点検や組み付け等が行える。
キャビン14に対してインチングバルブ338を組み付けるにあたっては、先ず、キャビン14を機体フレーム71に組み付ける前に、インチングバルブ338及び第2ケーブルステー342をバルブブラケット339に取り付けてサブアッセンブリしておく。第1油圧ホース350は油圧ポンプ349側に接続し、第2油圧ホース354は作動油タンク344に接続しておく。キャビン14は、ブレーキペダル111L,111R、ブレーキアーム118、ケーブル336等を組み付けると共に開閉カバー78を取り外した状態で、機体フレーム71に対して上方から吊り下ろしてマウント部材303を介して組み付ける。キャビン14を機体フレーム71に組み付けた後に、点検開口77aを介してケーブル336を第2ケーブルステー342に取り付けると共に第1油圧ホース350及び第2油圧ホース354をインチングバルブ338に取り付ける。この状態でバルブブラケット339を取付ブラケット340に取り付ける。以上によって、インチングバルブ338等の組付けを容易に行える。
図15に示すように、フロアフレーム72の後部には、キャビン室内の空調用のエアコン本体70が配置されている。また、エアコン本体70は、フロアフレーム72の機体幅方向K2の中央部から左方に偏倚した位置に配置されている。エアコン本体70の上方には、エアコン本体70に内気(キャビン室内の空気)及び外気(キャビン室外の空気)をエアコン本体70に導入する導入ダクト365が設けられている。エアコン本体70の右側方には、エアコン本体70から吹き出された空調空気をキャビン14の前部に導く第1案内ダクト366が配置されている。第1案内ダクト366の右側方には、第1案内ダクト366を流れる空調空気をキャビン14の後部に導く第2案内ダクト367が配置されている。
図13に示すように、エアコン本体70は、運転席13の下方(シート台76内)に配置され、底壁74に取り付けられている。エアコン本体70は、ケース70A及びケース70A内に収容された送風機70B、エバポレータ等を有していて、作業機1に装備された空調装置の本体部を構成している。また、エアコン本体70は、フロアフレーム72の背面の下部を構成する背面下部壁371の前方に配置されている。背面下部壁371は、図8Bに示すように、第1側壁73Lと第2側壁73Rとにわたって設けられている。また、背面下部壁371は、底壁74の後端部から上方に立ち上がる第1壁部371aと、第1壁部371aの上端から後方に向かうにつれて上方に移行する傾斜状の第2壁部371bとを有している。第2壁部371bの左部分の壁部371cは、第2壁部371bの中央部分及び右部分よりも上方に延出している。
図13に示すように、導入ダクト365は、エアコン本体70の内部に連通するダクト本体365aと、ダクト本体365aから後方に向かうにつれて上方に移行する傾斜方向に延出する延出ダクト365bとを有する。延出ダクト365bの上端は開口している。この延出ダクト365bの上部が空気を導入する導入口365cとされている。
図15に示すように、フロアフレーム72の後部には、エアコン本体70に内気及び外気を導入する内外気導入部368が設けられている。内外気導入部368は、フロアフレーム72の上部に設けられている。詳しくは、背面下部壁371の上方に設けられている。また、内外気導入部368は、運転席13の後方に配置されている(図19参照)。また、内外気導入部368は、内気導入状態と外気導入状態とに切り換える内外気切換部370と、内外気切換部370で導入した内気或いは外気に含まれる塵埃を捕集するフィルタ372(図18参照)を収容するフィルタ収容部369とを有している。内外気切換部370とフィルタ収容部369とは、機体幅方向K2で隣接して並設されている。詳しくは、内外気切換部370は、機体幅方向K2の略中央部に設けられ、フィルタ収容部369は、内外気切換部370の側方であって前記エアコン本体70に対応する側の側方に設けられている。エアコン本体70に取り込まれる空気の流れをおおまかに説明すると、内気或いは外気は、エアコン本体70内の送風機70Bによって吸引されて内外気切換部370に取り入れられ、該内外気切換部370に取り入れられた空気は、フィルタ収容部369を通って導入口365cから導入ダクト365内に入ってエアコン本体70に取り込まれる。
図8B、図16に示すように、内外気導入部368は、内外気切換部370及びフィルタ収容部369の一部を形成する内外気導入ボックス373を有している。内外気導入ボックス373は、前壁374、後壁375、上壁376、底壁377、第1側壁73L及び第2側壁73Rを有して構成される。
前壁374は、背面下部壁371の上方に位置し、機体幅方向K2の中央側が接続壁384を介して背面下部壁371の上端に接続されている。後壁375は、前壁374の後方に間隔をあけて配置されている。上壁376は、前壁374上端から後壁375にわたって設けられている。底壁377は、前壁374と後壁375とにわたって形成されている。第1側壁73Lは、内外気導入ボックス373の左側面を構成している。第2側壁73Rは、内外気導入ボックス373の右側面を構成している。内外気導入ボックス373は、機体幅方向K2に関して内部を仕切る部材は設けられていない。つまり、内外気導入ボックス373の内部は、機体幅方向K2において連通している。したがって、内外気切換部370の内部とフィルタ収容部369の内部とは連通している。
前壁374は、上方にむかうにつれて後方に移行する傾斜状に形成されている。前壁374は、機体幅方向K2の中央部に、矩形の開口縁部によって形成された開口部378を有している。開口部378は、機体前方から前壁374に取り付けられた閉鎖板380によって塞がれている。閉鎖板380には、内気を取り入れる内気導入口381が形成されている。図15に示すように、内気導入口381は、閉鎖板380の下部に形成された下導入口382Aと、閉鎖板380の上部に形成された上導入口382Bとを有する。図17に示すように、下導入口382A及び上導入口382Bは、多数の小孔の集合体によって構成されている。
図16に示すように、前壁374は、左部に、切欠き部379を有している。切欠き部379は、上縁部379aと、上縁部379aの右端から下方に延びる側縁部379bとから形成されていて、左方及び下方に開放状に形成されている。切欠き部379は、壁部371cに対応する位置に形成されている。
図16に示すように、底壁377は、機体幅方向K2で段付き状に形成されている。底壁377は、機体幅方向K2中央部の第1部位377aと、第1部位377aの左方に位置する第2部位377bと、第1部位377aの右方に位置する第3部位377cとを有している。第1部位377aは、第2部位377bより高い位置に形成されている。第3部位377cは、第1部位377aより高い位置に形成されている。第1部位377aは、開口部378の下端縁部から後壁375に向けて後方に延びている。第1部位377aは、内外気切換部370の底部を構成している。第1部位377aには、外気を取り入れる外気導入口387が形成されている。外気導入口387は、機体前後方向K1に長い複数の長孔388を機体幅方向K2に並べて形成することで構成されている。
図16、図18に示すように、第2部位377bは、壁部371cの上端より低い位置から後壁375に向けて延びている。第2部位370bは、フィルタ収容部369の底部を構成している。後壁375の左部におけるフィルタ収容部369を構成する部位には、点検用開口部385が形成されている。点検用開口部385は、機体前方から後壁375に取り付けられた閉鎖部材386によって塞がれている。
図16に示すように、底壁377は、第1部位377aと第2部位377bとを連結する第1縦壁377dと、第1部位377aと第3部位377cとを連結する第2縦壁377eとを有している。
図19に示すように、フロアフレーム72の後方には、原動機室E1の前面を形成する仕切り部材389が設けられている。仕切り部材389は、複数の板材で形成されている。なお、単一の板材で形成されていてもよい。仕切り部材389とフロアフレーム72との間には、燃料タンク390が配置されている。燃料タンク390は、第1部位377a及び第3部位377cの下方に設けられている。第1部位377a及び第3部位377cは、第2部位377bよりも高い位置に形成されているので、燃料タンク390の高さを高くすることができ、燃料タンク390の容量を大きくすることができる。外気導入口387は、燃料タンク390の上方に設けられている。したがって、外気は、機体フレーム71の内部であって、仕切り部材389の前方の燃料タンク390の収容部分から内外気導入部368(内外気切換部370)に取り入れられる。機体フレーム71の底部71Aには、底部開口71Bが形成されている。また、外気は、底部開口71Bから機体フレーム71の内部に取り入れられる。外気は、機体フレーム71の内部であって、原動機室E1とは隔離した部分から取り入れられる。これにより、原動機352から排出される排気ガスの影響及び原動機352の熱の影響を受けない部分から外気を取り入れることができる。
図17に示すように、内外気切換部370は、外気を取り入れず内気のみを取り入れる状態と外気と内気とを取り入れる状態とに切り換える内外気切換機構400を有する。なお、内外気切換部370の構成はこれに限るものではなく、例えば、内気のみを取り入れる状態と、外気のみを取り入れる状態とに切り換える構成であってもよい。
内外気切換部370は、内外気導入ボックス373、閉鎖板380及び内外気切換機構400を有して構成されている。
内外気切換機構400は、外気を取り入れる外気導入位置P1(実線参照)と、外気を取り入れずに内気を取り入れる内気導入位置P2(二点鎖線参照)とに位置変更可能な切換えダンパ391を有する。切換えダンパ391は、閉鎖板380の後方側(内外気切換部370の内部側)に配置されている。切換えダンパ391は、外気導入位置P1において上導入口382Bより下方に配置されている。したがって、切換えダンパ391は、外気導入位置P1で、下導入口382Aを塞ぐ。つまり、切換えダンパ391を外気導入位置P1に切り換えると、上導入口382Bからの内気と外気導入口387からの外気とが内外気切換部370(内外気導入ボックス373)内に取り入れられる。また、切換えダンパ391は、内気導入位置P2では、外気導入口387を塞ぐ。したがって、切換えダンパ391を内気導入位置P2に切り換えると、外気は取り入れられず、内気が下導入口382Aと上導入口382Bとから内外気導入ボックス373内に取り入れられる。
図17に示すように、切換えダンパ391は、プレート部材392と、第1クッション部材393と、第2クッション部材394と、当接部材398とを有する。第1クッション部材393は、プレート部材392の一側面に固定され、外気導入位置P1で下導入口382Aを塞ぐ。第2クッション部材394は、プレート部材392他側面に固定され、内気導入位置P2で外気導入口387を塞ぐ。当接部材398は、プレート部材392に固定され、外気導入位置P1で閉鎖板380に当接し、内気導入位置P2で第1部位377aに当接する。
内外気切換機構400は、切換えダンパ391を操作する切換レバー395と、切換レバー395を枢支する支持ボス(円筒部材)399とを有する。切換レバー395は、レバー基部395aと把持部395bとを有する。支持ボス399は、内気導入口381より下方且つ外気導入口387より前方に配置されている。支持ボス399は、機体幅方向K2に延伸する軸心を有すると共に、閉鎖板380の下部に固定されている。レバー基部395aは、支持ボス399に機体幅方向K2の軸心回りに回動可能に支持されている。レバー基部395aに、プレート部材392が固定されている。したがって、切換えダンパ391は、切換レバー395を上下に揺動操作することでレバー基部395aの軸心回りに回動し、外気導入位置P1と内気導入位置P2とに位置変更する。また、切換レバー395は、閉鎖板380より前方(運転席13側)に突出していて、オペレータが運転席13側から操作可能である。
図17に示すように、内外気切換機構400は、切換えダンパ391を外気導入位置P1と内気導入位置P2とに保持する付勢部材396を有する。付勢部材396は、捩りコイルバネによって形成され、一端側が当接部材398に設けられたピン398aに係止されている。内外気切換機構400は、付勢部材396の他端側を係止するブラケット397を有している。ブラケット397は、閉鎖板380の背面に固定され且つ閉鎖板380から後方側に突出している。ブラケット397の後部にピン397aが固定され、該ピン397aに、付勢部材396の他端側が係止されている。付勢部材396の付勢力は、外気導入位置P1では、切換えダンパ391を閉鎖板380に押し付ける方向に作用し、内気導入位置P2では、切換えダンパ391を第1部位377aに押し付ける方向に作用する。なお、プレート部材392には、当接部材398、付勢部材396及びブラケット397と干渉しないように切欠き開口が形成されている。また、第1クッション部材393及び第2クッション部材394は、当接部材398、付勢部材396及びブラケット397の左と右とに分離されている(図20参照)。
図18、図20に示すように、フィルタ収容部369は、フィルタ372が取り付けられるフィルタブラケット401を有する。フィルタ収容部369は、内外気導入ボックス373、フィルタ372及びフィルタブラケット401を有して構成されている。
図15に示すように、フィルタブラケット401は、切欠き部379を覆うように、前壁374及び第1側壁73Lにボルト固定されている。
図18、図20に示すように、フィルタ372は、フィルタブラケット401の後部に取り付けられている。フィルタ372は、空気が厚さ方向に流通することで塵埃を捕集する平板状のフィルタである。フィルタ372は、フィルタ面372aが前後を向くように縦向きに配置されている。詳しくは、フィルタ372は、上方に向かうにつれて後方に移行する傾斜状に取り付けられている。内外気切換部370は、フィルタ収容部369におけるフィルタ372の背面側に連通している。詳しくは、フィルタ372と後壁375との間に、空気が流通可能な第1流通路402が形成され、この第1流通路403が内外気切換部370の内部に連通している。
図18に示すように、導入ダクト365は、フィルタ収容部369におけるフィルタ372の前面側に連通している。詳しくは、フィルタ372とフィルタブラケット401の前部401aとの間に、空気が流通可能な第2流通路403が形成され、フィルタ372の前面側且つ下方側で導入ダクト365(導入口365c)がフィルタ収容部369に接続されており、第2流通路403が導入ダクト365に連通している。
内外気切換部370に取り入れられた内気及び外気は、第1流通路402に至り、第1流通路402からフィルタ372を通過して第2流通路403に至り、第2流通路403から導入ダクト365を通ってエアコン本体70に取り込まれる。
以上のように、本実施形態の作業機1は、機体2と、機体2に搭載された運転席13と、乗降用通路(乗降口309)とは反対側の他側方に設けられて運転席13の前方の床部75上の空間と機体外部とを連通させる開口(開放部)313と、開口313から運転者が乗降するのを遮断する遮断部材325と、を備えている。
この構成によれば、遮断部材325によって乗降用通路(乗降口309)とは反対側の開口313からオペレータが乗り降りするのを抑制することができる。
また、乗降口309に配置されたドア172と開口313に設けられた扉314とを有するキャビン14を備え、遮断部材325は扉314を介した運転者の乗降を遮断する。
この構成によれば、遮断部材325によって乗降用通路(乗降口309)とは反対側の扉314からオペレータが乗り降りするのを抑制することができる。
また、運転席13の他側方の前方に配置された前支柱(第2前支柱142R)と、前支柱(第2前支柱142R)の後方且つ運転席13の他側方に配置された後支柱(第2後支柱305R)とを備え、扉314は、前支柱(第2前支柱142R)と後支柱(第2後支柱305R)との間に開閉可能に設けられている。
この構成によれば、扉314を開くことにより、乗降口309とは反対側からキャビン室内に物を出し入れしたり、キャビン14の床部75を清掃したりすることができる。
また、運転席13の他側方に設けられた操縦台319と、運転席13の他側方の前方に配置された前支柱(第2前支柱142R)とを備え、遮断部材325は、操縦台319と前支柱(第2前支柱142R)とにわたって設けられている。
この構成によれば、遮断部材325を運転席13から離して配置することができ、遮断部材325が運転席13に着座したオペレータの邪魔になるのを防止することができる。
また、操縦台319は、前部に操縦レバー16を有し、遮断部材325は、運転席13に着座したオペレータの視線方向に沿って操縦レバー16と重畳する位置に配置されている。
この構成によれば、遮断部材325を設けても、該遮断部材325がオペレータの側方視界の邪魔になるのを防止することができる。
また、運転席13は、座部13Aと、背もたれ部13Bとを有し、遮断部材325は、棒状部材によって形成されて機体前後方向K1に延伸し、且つ操縦レバー16の上端よりも下方且つ座部13Aの底面よりも上方に配置されている。
この構成によれば、オペレータの乗り降りを防止しつつ、遮断部材325がオペレータの視界性を妨げるのを防止することができる。
また、前支柱(第2前支柱142R)に固定された取付片326を備え、操縦台319は、操縦レバー16を支持する支持ブラケット321と、支持ブラケット321を覆うコンソールボックス319Aとを有し、遮断部材325は、前部が取付片326に取り付けられ、後部がコンソールボックス319A内において支持ブラケット321に取り付けられている。
この構成によれば、遮断部材325を取り外すこともできる。また、コンソールボックス319Aを取り外さないと遮断部材325を取り外すことができないので、遮断部材325を簡単に取り外すのを防止することができる。
また、扉314は、光の透過性を有する。
この構成によれば、オペレータは扉314を通して側方を視認することができ、オペレータの側方視界を向上させることができる。
また、本実施形態の作業機1は、機体2と、機体2を走行可能に支持する走行装置17と、走行装置17を油圧によって駆動する油圧駆動装置353と、機体2にマウント部材303を介して支持されたフロアフレーム72と、走行装置17の制動操作を行うためのペダル(ブレーキペダル111L,111R)と、ペダル(ブレーキペダル111L,111R)の操作に応じて油圧駆動装置353に供給する前記作動油の流量を変化させるインチングバルブ338と、ペダル(ブレーキペダル111L,111R)とインチングバルブ338とを連動するケーブル336とを備え、ペダル(ブレーキペダル111L,111R)及びインチングバルブ338はフロアフレーム72に取り付けられている。
この構成によれば、ペダル(ブレーキペダル111L,111R)とインチングバルブ338とをケーブル336によって連動することにより、インチングバルブ338の搭載位置の自由度を高めることができる。また、ペダル(ブレーキペダル111L,111R)とインチングバルブ338とを、機体2にマウント部材303を介して支持されたフロアフレーム72に取り付けること、即ち、同一振動系に取り付けることにより、インチングバルブ338が走行振動や作業振動の影響を受けるのを抑制することができる。
また、フロアフレーム72は、運転席13を支持する設置部(底壁74)を有し、インチングバルブ338は、運転席13の下方で設置部(底壁74)に取り付けられている。
この構成によれば、運転席13の下方側にスペースを利用してインチングバルブ338を配置することができる。
また、フロアフレーム72は、点検開口77aを有し、インチングバルブ338は、点検開口77aより下方に配置されていて該点検開口77aを介してアクセス可能である。
この構成によれば、点検開口77aを介してインチングバルブ338の組み付けや点検を容易に行うことができる。
また、フロアフレーム72は、設置部(底壁74)の前方の床部75を有し、床部75は、点検開口77aを有する床部本体77と、点検開口77aを塞ぐ開閉カバー78とを有し、インチングバルブ338は、開閉カバー78の下方に配置されている。
この構成によれば、開閉カバー78を取り外せば、インチングバルブ338の組み付けや点検を容易に行うことができる。
また、インチングバルブ338は、ケーブル336に連結されたバルブレバー338Bと、バルブレバー338Bが取り付けられるバルブ本体338Aとを有し、バルブ本体338Aは、ペダル(ブレーキペダル111L,111R)の踏込み操作によってバルブレバー338Bが縦軸回りに回動することで油圧駆動装置に供給する前記作動油の流量を変化させる。
この構成によれば、上下方向の振動によってバルブレバー338Bが動かされることを抑制し、上下方向の振動によってバルブレバー338Bが動かされることによる速度低下を防止することができる。
また、作動油を吐出する油圧ポンプ349を備え、作動油タンク344は、インチングバルブ338の側方に配置され、バルブ本体338Aは、油圧ポンプ349の吐出回路351に接続される第1接続部346を背面338aに有し、作動油タンク344に接続される第2接続部347を作動油タンク344側の側面338bに有し、バルブレバー338Bが連結される操作軸345を上面338c側に有する。
この構成によれば、バルブ本体338Aと作動油タンク344との接続を簡素化することができると共に、インチングバルブ338と作動油タンク344とを接続する油圧ホースを短くすることができる。また、バルブ本体338Aの後方に油圧ポンプ349を配置することで、バルブ本体338Aと油圧ポンプ349との接続を簡素化することができる。バルブレバー338Bと操作軸345との結合構造も簡素化することができる。
また、フロアフレーム72の前部に立設され且つペダル(ブレーキペダル111L,111R)が取り付けられるフレーム部材(コラムフレーム88)と、フレーム部材(コラムフレーム88)に固定され且つケーブル336の一端側が取り付けられる第1ケーブルステー337と、設置部(底壁74)に固定された取付ブラケット340と、取付ブラケット340に取り付けられ且つインチングバルブ338が取り付けられるバルブブラケット339と、バルブブラケット339に取り付けられ且つケーブル336の他端側が取り付けられる第2ケーブルステー342とを備えている。
この構成によれば、バルブブラケット339にインチングバルブ338及び第2ケーブルステー342を取り付けてサブアッセンブリした状態でフロアフレーム72に取り付けることができ、インチングバルブ338の組付けを容易に行うことができる。
また、本実施形態の作業機1は、機体2と、機体2に搭載されたキャビン14と、キャビン14の室内の空調用のエアコン本体70と、エアコン本体70にキャビン14の室内の内気及び室外の外気を導入する内外気導入部368と、を備え、内外気導入部368は、内気を取り入れる内気導入口381と、外気を取り入れる外気導入口387と、外気導入口387から外気を導入する外気導入位置P1と外気導入口387を塞ぐ内気導入位置P2とに位置変更可能な切換えダンパ391とを含む内外気切換部370と、内外気切換部370に隣接して設けられると共に内外気切換部370及びエアコン本体70に連通しており、且つ内外気切換部370からエアコン本体70へ流通する内気及び外気に含まれる塵埃を捕集するフィルタ372を収容するフィルタ収容部369とを有する。
この構成によれば、外気を導入する状態と導入しない状態とを切り換える内外気切換部370と、内外気切換部370からエアコン本体70へ流通する内気及び外気から塵埃を除去するフィルタ372を収容するフィルタ収容部369とを隣接して設けることにより、フィルタ372を共通化できる。また、内気導入口381と、外気導入口387と、切換えダンパ391とを一箇所に設けているので、内外気切換部370をコンパクトに形成できる。
また、原動機352と、原動機352を収容する原動機室E1の前面を形成する仕切り部材389と、を備え、外気導入口387は、機体2内で且つ仕切り部材389の前方側に配置されている。
この構成によれば、外気の取り入れが、原動機352から排出される排気ガスの影響を受けるのを小さくすることができる。
また、機体2に搭載された運転席13を備え、内外気導入部368は、運転席13の後方に配置されており、且つ後方に向かうにつれて上方に移行する傾斜状の前壁374と、前壁374から後方に延びる底壁377とを有し、内気導入口381は、前壁374側であって底壁377より上方に形成され、外気導入口387は、底壁377に形成され、内外気切換部370は、内気導入口381より下方且つ外気導入口387より前方に配置された支持ボス399と、運転席13側から操作可能で、且つ支持ボス399に枢支されると共に切換えダンパ391が固定された切換レバー395とを有している。
この構成によれば、内気導入口381と外気導入口387との位置関係を近くすることができ、内外気切換部370をコンパクトに形成することができる。
また、内外気切換部370の下方に配置された燃料タンク390を備え、底壁377は、内外気切換部370の底部を構成する第1部位377aと、フィルタ収容部369の底部を構成する第2部位377bとを有し、第1部位377aは、第2部位377bよりも高い位置に形成されている。
この構成によれば、燃料タンク390の高さを高くすることができ、燃料タンク390の容量を大きくすることができる。
また、エアコン本体70の上方に配置されていてエアコン本体70に連通する導入ダクト365を備え、内外気切換部370とフィルタ収容部369とは、機体幅方向K2で並設されており、フィルタ372は、フィルタ面372aが前後を向く縦向きに配置され、内外気切換部370は、フィルタ収容部369におけるフィルタ372の背面側に連通し、導入ダクト365は、フィルタ372の前面側且つ下方側でフィルタ収容部369に接続される導入口365cを有している。
この構成によれば、フィルタ収容部369をコンパクトに形成することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。