以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る作業機1の全体構成を示す概略平面図である。図2は、作業機1の概略側面図である。本実施形態では、作業機1として旋回作業機であるバックホーが例示されている。
図1、図2に示すように、作業機1は、機体(旋回台)2と、走行装置3と、作業装置4とを備えている。機体2上にはキャビン5が搭載されている。キャビン5の室内には、運転者(オペレータ)が着座する運転席(座席)6が設けられている。言い換えると、運転席6は機体2に搭載され、キャビン5は運転席6を包囲している。運転席6は、運転者が座る部位である座部6Aと、運転者の背を受ける部位である背もたれ部6Bとを有する。
本発明の実施形態においては、作業機1の運転席6に着座した運転者の前側(図1、図2の矢印A1方向)を前方、運転者の後側(図1、図2の矢印A2方向)を後方、運転者の左側(図1の矢印B1方向)を左方、運転者の右側(図1の矢印B2方向)を右方として説明する。
また、図1に示すように、前後方向K1に直交する方向である水平方向を機体幅方向K
2(機体2の幅方向)として説明する。機体2の幅方向の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体外方(機体幅方向の外方)として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向K2であって機体2の幅方向の中心から離れる方向のことである。機体外方とは反対の方向を、機体内方(機体幅方向の内方)として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向K2であって機体2の幅方向の中心に近づく方向である。
図1、図2に示すように、走行装置3は、機体2を走行可能に支持する装置である。この走行装置3は、走行フレーム3Aと、走行フレーム3Aの左側に設けられた第1走行装置3Lと、走行フレーム3Aの右側に設けられた第2走行装置3Rとを有する。第1走行装置3L及び第2走行装置3Rは、クローラ式の走行装置である。第1走行装置3Lは、第1走行モータM1によって駆動される。第2走行装置3Rは、第2走行モータM2によって駆動される。第1走行モータM1及び第2走行モータM2は、油圧モータ(油圧アクチュエータ)によって構成されている。
走行装置3の前部には、ドーザ装置7が装着されている。ドーザ装置7は、ドーザシリンダ(油圧アクチュエータ)を伸縮することにより昇降(ブレードを上げ下げ)させることができる。
図2に示すように、機体2は、走行フレーム3A上に旋回ベアリング8を介して旋回軸心X1回りに旋回可能に支持されている。旋回軸心X1は、旋回ベアリング8の中心を通る上下方向に延伸する軸心である。
図1、図3に示すように、キャビン5は、機体2の幅方向K2の一側部(左側部)に搭載されている。このキャビン5は、旋回軸心X1を通り且つ前後方向K1に延伸する中央線Y1より機体幅方向K2の一側部(左側部)寄りに配置されている。また、キャビン5は、機体2に前部寄りに設けられている。
図1、図3に示すように、機体2の幅方向K2の他側部(右側部)には、原動機E1が搭載されている。原動機E1は、機体2に縦置きに搭載されている。縦置きとは、原動機E1のクランク軸の軸心が前後方向に延伸する状態に配置されることである。
原動機E1は、中央線Y1より機体幅方向K2の他側部(右側部)寄りに配置されている。原動機E1は、ディーゼルエンジンである。なお、原動機E1は、ガソリンエンジン、LPGエンジン又は電動モータであってもよいし、エンジン及び電動モータを有するハイブリッド型であってもよい。
原動機E1の後部には、油圧ポンプP1が設けられている。油圧ポンプP1は、原動機E1によって駆動されて油圧駆動部に使用される作動油を加圧して吐出する。油圧駆動部は、例えば、作業機1に装備された油圧アクチュエータ等である。原動機E1の前方には、ラジエータR1、オイルクーラO1及びコンデンサD1が配置されて機体2に搭載されている。
ラジエータR1は、原動機E1の冷却水を冷却する冷却機器であり、オイルクーラO1は、作動油を冷却する冷却機器である。また、コンデンサD1は、作業機1に装備された空調装置(エアコンディショナ)の冷媒を冷却する冷却機器(凝縮器)である。
ラジエータR1は、原動機E1の前方に配置され、オイルクーラO1は、ラジエータR1の前面に対向する位置(第1位置)に配置されている。コンデンサD1は、オイルクーラO1の前面に対向して配置されている。
ラジエータR1と原動機E1との間には、原動機E1を冷却する冷却風を発生させる冷却ファンF1が設けられている。冷却ファンF1は、原動機E1によって駆動されて前方から後方に流れる冷却風を発生させる。
図2、図3に示すように、機体2は、旋回軸心X1回りに旋回する基板(以下、旋回基板という)9を有する。旋回基板9は、鋼板等から形成されており、機体2の底部を構成する。原動機E1は、この旋回基板9に搭載されている。旋回基板9の上面の中央側には、補強部材である縦リブ9L,9Rが前部から後部にわたって設けられている。縦リブ9Lは、機体2の幅方向K2の中央から一側寄りに配置され、縦リブ9Rは他側寄りに配置されている。また、旋回基板9に、縦リブ9L,9Rの他、機体2に搭載される機器等の搭載物を支持する支持部材等が設けられることにより、機体2の骨格となる旋回フレーム
が構成される。旋回フレームの水平方向の周囲は、旋回カバー12によって覆われる(図4、図5参照)。
機体2の後部には、ウエイト10が設けられている。ウエイト10は、機体2の後部に配置されて下部が旋回基板9に取り付けられている。また、ウエイト10は、旋回基板9から上方に突出状とされている。さらに、ウエイト10は、キャビン5及び運転席6より後方に配置されている。
図3、図4、図5に示すように、ウエイト10は、旋回基板9の後部の機体幅方向K2の幅よりも幅狭(機体2後部の幅の略1/2)に形成されていて旋回基板9の機体幅方向K2の中央側に配置されている。ウエイト10の上端は、キャビン5及び運転席6の上下中途部の高さ位置に位置している。即ち、ウエイト10は、旋回基板9からキャビン5及び運転席6の上下中途部位置までの高さに形成されている。
図1〜図3に示すように、機体2の後部には、機体幅方向K2に沿って並べて配置された燃料タンクT1及び作動油タンクT2が搭載されている。燃料タンクT1は、原動機E1の燃料を貯留するタンクである。作動油タンクT2は、作動油を貯留するタンクである。燃料タンクT1及び作動油タンクT2は、ウエイト10と後述の運転部42との間に配置されている。
燃料タンクT1及び作動油タンクT2は、キャビン5及び運転席6より後方に配置されている。燃料タンクT1及び作動油タンクT2は、下部が旋回基板9に固定された取付部材に取り付けられていて、旋回基板9(機体2の下部)から上方に突出状とされている。燃料タンクT1及び作動油タンクT2の後方に、ウエイト10が配置されている。また、燃料タンクT1及び作動油タンクT2は、ウエイト10の機体幅方向K2の幅内に収まる形で該ウエイト10の前面に対向して配置されている。燃料タンクT1は作動油タンクT2に対して機体幅方向K2の一側(左側)に位置し、作動油タンクT2は燃料タンクT1に対して機体幅方向K2の他側(右側)に位置している。
図4、図5に示すように、燃料タンクT1及び作動油タンクT2の上端は、キャビン5及び運転席6の上下方向中途部(キャビン5の上下方向の略中央部)の高さ位置に位置している。また、燃料タンクT1の上端は、ウエイト10の上端の高さ位置と略同じであり、作動油タンクT2の上端はウエイト10の上端よりも低い位置になっている。また、燃料タンクT1及び作動油タンクT2は、高さが比較的高く且つ水平方向の断面積が比較的小さい形状(縦長形状)、具体的には左右方向の幅および前後方向の幅よりも上下方向の高さの方が高い形状に形成されている。これにより、機体2が傾いた場合等であっても燃料タンクT1内の燃料を適切に供給し、燃料を有効利用することができる。なお、燃料タンクT1の形状は、左右方向の幅と前後方向の幅との和よりも高さが高い形状であってもよい。
図4〜図6に示すように、キャビン5の下部の後方には、スペース46が設けられている。このスペース46は、キャビン5の後方の機体外方寄りに形成されている。スペース46は、第1形成面47と、第2形成面48と、ステップ(床面)49とを有して形成されている。
第1形成面47は、キャビン5より後方に配置された後部搭載部材の側面で形成されている。この後部搭載部材の側面は、キャビン5の下部の後方に位置し且つ機体外方を向く側面である。後部搭載部材は、本実施形態では、第1カバー18A及びウエイト10である。第1カバー18Aは、燃料タンクT1を覆うカバー部材であって、ウエイト10と運転部42との間に設けられている。また、第1カバー18Aは、燃料タンクT1の上方を覆う上壁部50と、燃料タンクT1の左の側方を覆う側壁部51とを有する。後部搭載部材の側面、即ち、第1形成面47は、第1カバー18Aの側面(側壁部51の外側面)と、ウエイト10の左の側面10aとで形成されている。第1形成面47は、キャビン5の機体幅方向K2の中央部より機体2の幅方向中央部寄りに位置している。なお、第1形成面47は、第1カバー18Aの側面とウエイト10の側面10aとで形成される構成に限らず、例えば、燃料タンク(後部搭載部材)T1の側壁によって形成してもよい。
第2形成面48は、キャビン5の背面である。
ステップ49は、キャビン5の下端部側に設けられていてスペース46の下面を形成する。即ち、ステップ(床面)49の上方空間がスペース46である。また、ステップ49は、機体2の上面を形成する部材であり、作業者が乗ることが可能である。また、ステップ49の近傍に燃料タンクT1が配置されている。
以上のように、スペース46は、第1形成面47、第2形成面48、ステップ49によって、キャビン5の下端部から上方に向けて且つ上方開放状に形成されている。また、スペース46は、左方(機体外方)及び後方にも開放状である。
図5に示すように、キャビン5の背面側には、室内からキャビン5の後方を視認可能な後部窓52が設けられている。この後部窓52は、キャビン5の背面の左部(機体外方側)で、且つスペース46の前方に設けられている。また、後部窓52は、キャビン5の上部から下部にわたって形成されている。後部窓52の機体幅方向K2の幅は、スペース46の前部の機体幅方向K2の一端部から他端部にわたる幅に形成され、後部窓52の下部は、スペース46に対応している。
後部窓52は、開閉可能である。図6に示すように、後部窓52は、右端側がヒンジ56によって縦軸(上下方向に延伸する軸心)回りに回転可能に支持されている。これによって、後部窓52は、図6に仮想線で示すように、後方に向けて開き、且つスペース46内に侵入する。なお、後部窓52はスライド式あるいは着脱式の窓であってもよい。
また、ステップ49は、燃料タンクT1の側方に設けられている。図6に示すように、第1カバー18Aの上壁部50は、燃料タンクT1の上部(上壁)に設けられていて燃料を給油するための給油口の上方に形成された開口55を有する。開口55は、蓋部材54によって開閉可能に塞がれる。これにより、本実施形態では縦長形状の燃料タンクT1を搭載しているので燃料の給油口の位置が高くなるが、作業者がステップ49に乗って給油作業を行うことで容易に給油することができる。
図4に示すように、ステップ49の下方の機体2内には、燃料タンクT1に燃料を補給する燃料給油装置57を備えている。燃料給油装置57は、給油ポンプと、吸引ホースと、送油ホースとを有し、給油ポンプによって吸引ホースを介して燃料補給用の容器内の燃料を吸い込み、この吸い込んだ燃料を送油ホースによって燃料タンクT1に送る。
また、図4に示すように、ステップ49の下方の機体2内には、燃料に混入した水分を除去するセディメンタ58、原動機E1に燃料を送る燃料ポンプ59等が収容されている。
また、ステップ49は開閉可能になっており、ステップ49を開くことで、燃料給油装置57、燃料ポンプ59、及びセディメンタ58等に容易にアクセスできるようになっている。ステップ49の開閉機構は特に限定されず、例えば、ヒンジ式、スライド式、あるいは着脱式であってもよい。
図6で示すように、キャビン5の機体外方側の側面(左側)には、ドア53が設けられている。ドア53は、後部がヒンジ61によって縦軸回りに回転可能に支持されていて前部が機体幅方向K2に移動して乗降口62を開閉する。
図7は、ドア53をヒンジドアに代えてスライドドア又はリンクドアにしたものである。ドア53は、キャビン5に沿って後方に移動して開く。また、ドア53は、後部がスペース46に入り込む(収容される)位置まで開く。これにより、ドア53を開放したまま旋回作業を行った場合であっても、ドア53が機体2の旋回軌道内に収容されるので、ドア53が機体周辺の物体に接触して破損するリスクを低減できる。
図4に示すように、キャビン5の下方で且つ機体2内には、空調装置のエアコン本体63が設けられている。エアコン本体63は、エバポレータ及び送風ファンを有する。エアコン本体63から吹き出された空調空気は、右側の中間ピラー64内を通り、且つ中間ピラー64の上部に設けられた吹出し口65から運転席6側に吹き出される。また、エアコン本体63から吹き出された空調空気は、キャビン5の前部に設けられたダクト66内を通り、ダクト66の上部に設けられた吹出し口67からフロントガラス68の上部ガラス68Aに吹き出される。上部ガラス68Aは、上下に直線状に可動可能であり、下方に移動させることにより、キャビン5の前面上部を開放させることができる。フロントガラス
68の下部ガラス68Bは固定状である。
図4に示すように、上部ガラス68Aの上部には、上部ガラス68Aを移動操作する際に把持する把持部60L,60Rが設けられている。図6に示すように、把持部60Lは、上部ガラス68Aの左側に設けられ、把持部60Rは、上部ガラス68Aの右側に設けられている。
図3に示すように、旋回基板9は、旋回ベアリング8に連結され、機体2は、旋回モータM3によって旋回駆動される。旋回モータM3は、油圧モータ(油圧アクチュエータ、油圧機器)である
図3、図37に示すように、旋回ベアリング8は、走行フレーム3Aに固定されたインナレース8Aと、旋回基板9に固定されたアウタレース8Bとを有する。インナレース8Aの内周部には、内歯が形成され、この内歯には、ピニオン11が噛合している。このピニオン11は、旋回モータM3の出力軸に取り付けられ、旋回モータM3は、旋回基板9に固定されている。したがって、旋回モータM3によってピニオン11を駆動することにより、機体2が旋回する。旋回ベアリング8の中心が機体2の旋回中心(旋回軸心X1)である。
図1、図3に示すように、旋回軸心X1位置には、スイベルジョイント(油圧機器)S1が設けられている。スイベルジョイントS1は、作動油を流通させる油圧機器であって、機体2側の油圧機器と走行装置3側の油圧機器との間で作動油を流通させる回転継手(ロータリジョイント)である。スイベルジョイントS1の前方に旋回モータM3が配置されている。スイベルジョイントS1の後方にコントロールバルブ(油圧機器)V1が配置されている。コントロールバルブV1は、作業機1に装備された油圧シリンダや油圧モータ等の油圧アクチュエータを制御する制御弁が集約して構成された油圧機器である。コントロールバルブV1を構成する制御弁は、後述の制御装置U1によって電気的に制御される制御弁であり、例えば、パイロット式の電磁弁が採用される。パイロット式の電磁弁は、ソレノイドによって制御されるパイロット圧によりメインスプールを動かして作動油の流れを制御する弁である。コントロールバルブV1を構成する制御弁は、例えば、第1走行モータM1、第2走行モータM2、旋回モータM3、ドーザシリンダ、スイングシリンダC2、ブームシリンダC3、アームシリンダC4、バケットシリンダC5を制御する制御弁である。
コントロールバルブV1の後方に作動油タンクT2が配置されている。作動油タンクT2の右側方であって前部寄りに油圧ポンプP1が配置されている。
旋回モータM3からスイベルジョイントS1、コントロールバルブV1、作動油タンクT2を経て油圧ポンプP1に至る配置ゾーンが、これら油圧機器を配置する油圧機器配置部13である。また、言い換えると、キャビン5と原動機E1との間に油圧機器が配置される油圧機器配置部13が設けられ、該油圧機器配置部13に配置される油圧機器は、スイベルジョイントS1、旋回モータM3、コントロールバルブV1を含む。油圧機器配置部13は、スイベルジョイントS1、旋回モータM3、コントロールバルブV1を配置する第1配置部(配置部)13Aと、作動油タンクT2及び油圧ポンプP1を配置する第2配置部13Bとを有する(図1参照)。
図3に示すように、キャビン5の下方には、制御装置U1が設けられている。制御装置U1は、コントロールバルブV1を構成する制御弁を制御する。制御装置U1は、コントロールバルブV1の左側方で且つ縦リブ9Lの右側方に配置されている。
スイベルジョイントS1、旋回モータM3、及びコントロールバルブV1は、これら各機器の一部または全部がキャビン5から機体幅方向K2に外れた位置に設けられている。これにより、メンテナンス時等において、キャビン5を下ろさずに上記各機器に、アクセスできる。
図1に示すように、機体2には、作業機1に設けられた搭載部材を覆うカバー装置14が設けられている。カバー装置14は、第1カバー体(カバー体)15、第2カバー体16、第3カバー体(カバー部材)17、第4カバー体(後部カバー体)18を有する。
第1カバー体15は、機体2の右部の前部に位置し、ラジエータR1、オイルクーラO
1、コンデンサD1を覆っている。第1カバー体15の前部の側面には、第1カバー体15内に外気を取り入れる外気取入口19が設けられている。冷却ファンF1によって吸引されることにより外気取入口19から外気が取り入れられる。
第2カバー体16は、第1カバー体15の後方に位置し、原動機E1を覆っている。即ち、第2カバー体16は、原動機E1を収容する原動機室(エンジンルーム)ERを形成するボンネットである(以下、ボンネットという)。
第3カバー体17は、第1カバー体15及び第2カバー体16と、キャビン5(運転席6)との間に位置し、機器配置部13を覆っている。本実施形態では、第3カバー体17は、原動機E1とキャビン5との間の機器配置部13である第1配置部13Aを覆っている。即ち、第3カバー体17は、スイベルジョイントS1、旋回モータM3、及びコントロールバルブV1を覆っている。
第4カバー体18は、旋回基板9の後部に位置し、燃料タンクT1及び作動油タンクT2等を覆っている。第4カバー体18は、第1カバー18A、第2カバー18B、第3カバー18Cを有する。第1カバー18Aは、燃料タンクT1の上方及び左方を覆っている(図4参照)。第2カバー18Bは、作動油タンクT2及び油圧ポンプP1の一部の上方を覆っている。第3カバー18Cは、ウエイト10の右側に位置し、油圧ポンプP1の後方を覆っている。また、第3カバー18Cは、開閉可能とされている。
図3に示すように、機体2は、機体幅方向K2の中央のやや右寄りの前部に支持ブラケット20を有している。支持ブラケット20は、縦リブ9L,9Rの前部に固定され、機体2から前方に突出状に設けられている。
図1、図2に示すように、支持ブラケット20の前部(機体2から突出した部分)には、スイング軸26を介してスイングブラケット21が縦軸回りに揺動可能に取り付けられている。したがって、スイングブラケット21は、機体幅方向K2に(スイング軸26を中心として水平方向に)回動可能である。また、スイング軸26は、運転部42よりも機体幅方向K2の他方側に位置している。
図1に示すように、スイングブラケット21は、スイベルジョイントS1の前方に位置している。また、スイングブラケット21は、旋回軸心X1の前方で且つ後述するブーム22が機体正面方向を向いている状態のときに少なくとも一部が中央線Y1とオーバーラップする位置に配置されている。また、スイング軸26の軸心X2を通る前後方向の線Y2と、キャビン5の右側面5Aとの間(略中央)に中央線Y1が位置している。また、線Y2は、原動機E1と運転部42との間を通っている。
スイングブラケット21には、作業装置4が取り付けられている。
図2に示すように、作業装置4は、ブーム22と、アーム23と、バケット(作業具)24とを有している。ブーム22の基部22Aは、ブーム枢軸27を介してスイングブラケット21の上部に横軸(機体幅方向K2に延伸する軸心)回りに回動可能に枢着されている。これによって、ブーム22が上下方向に揺動可能とされている。また、ブーム22は、図2に示す最上げ位置において、長手方向の中央部が後方に凸となるように屈曲している。
アーム23は、ブーム22の先端側に横軸回りに回動可能に枢着されている。これによって、アーム23が前後或いは上下に揺動可能とされている。バケット24は、アーム23の先端側にスクイ動作及びダンプ動作可能に設けられている。スクイ動作とは、バケット24をブーム22に近づける方向に揺動させる動作であり、例えば、土砂等を掬う場合の動作である。また、ダンプ動作とは、バケット24をブーム22から遠ざける方向に揺動させる動作であり、例えば、掬った土砂等を落下(排出)させる場合の動作である。
作業機1は、バケット24に代えて或いは加えて、油圧アクチュエータにより駆動可能な他の作業具(油圧アタッチメント)を装着することが可能である。他の作業具としては、油圧ブレーカ、油圧圧砕機、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等が例示できる。
スイングブラケット21は、機体2内に備えられたスイングシリンダC2の伸縮によって揺動可能とされている。ブーム22は、ブームシリンダC3の伸縮によって揺動可能と
されている。アーム23は、アームシリンダC4の伸縮によって揺動可能とされている。バケット24は、バケットシリンダ(作業具シリンダ)C5の伸縮によってスクイ動作及びダンプ動作可能とされている。スイングシリンダC2、ブームシリンダC3、アームシリンダC4、バケットシリンダC5は、油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)によって構成されている。
図1に示すように、スイングシリンダC2は、キャビン5の下方の機体2内に設けられている。スイングシリンダC2の基端側の取付部25は、旋回基板9に取り付けられ、且つ運転席6の下方に位置している。なお、キャビン5の下方に、工具箱が設けられていてもよい。
図1に示すように、ブーム22の基部22Aは、キャビン5よりも中央線Y1側に位置している。言い換えると、原動機E1とキャビン5との間の前方に、スイングブラケット21及びブーム22の基部22Aが配置されている。したがって、スイングブラケット21が前方(正面)を向く状態でブーム22を上昇させる(最上げ位置にする)と、側面視においてブーム22の下部がキャビン5とオーバーラップし、ブーム22とアーム23との接続部がスイングブラケット21の略鉛直上方に配置される(図2参照)。
また、ブーム22の最上げ位置において、バケット24をスクイ動作させた状態で、アーム23をブーム22に近づける方向に揺動させると、図2に実線で示すように、バケット24の略全体がドーザ装置7の前端よりも後方(A2方向)に配置され、バケット24の一部はスイングブラケット21の前端よりも後方に配置される。
このように、ブーム22の最上げ位置のときにバケット24の一部がスイングブラケット21の前端よりも後方に位置するように、アーム23及びバケット24を機体2に近づけることができるので、機体2を旋回させる際において、作業装置4を小さい半径で旋回動作させることができる。これにより、例えば、ダンプカーの荷台に土砂等を積む作業やアーム23の先端側に設けたフックに運搬物を吊って吊り作業を行う場合等に動作を安定させることができる。また、ブーム22の最上げ位置のときにバケット24の位置を機体2に近づけるとともに高くすることができるので、ダンプカーの荷台に土砂等を積む際に、作業機2を荷台に近づけることができ、作業性を高めることができる。また、図2に実線で示す状態からアーム23をブーム22から遠ざかる方向に揺動させると、バケット24の底部の軌跡が上向きとなるので、ダンプカーの荷台に土砂等を積む際のダンプ動作がスムーズに行える。
図8に実線で示すように、スイングブラケット21が前方を向く姿勢でブーム22を上昇させると、機体幅方向K2においてブーム22がキャビン5とオーバーラップする。この状態から、矢印で示すように、スイングブラケット21を右側に揺動させると、ブーム22はキャビン5に近接して干渉するおそれがある。また、仮想線で示すように、スイングブラケット21を右側に揺動させた状態で、ブーム22を上昇させる場合においても、ブーム22はキャビン5に近接して干渉するおそれがある。
そこで、作業機1は、ブーム22がキャビン5と干渉するのを防止する干渉防止機能を有する。この干渉防止機能について図9を参照して説明する。
図9に示すように、ブームシリンダC3は、コントロールバルブV1の内の1つの制御弁であるブーム制御弁74によって制御される。ブーム制御弁74は、ブーム22を停止状態にする中立位置74Aと、ブーム22を上昇させる上昇位置74Bと、ブーム22を下降させる下降位置74Cとを有する。また、ブーム制御弁74は、上昇位置74Bに切り替える第1ソレノイド74Dと、下降位置74Cに切り替える第2ソレノイド74Eとを有する。第1ソレノイド74D及び第2ソレノイド74Eは、制御装置U1に接続されている。
ブーム22を操作する操作部材(例えば、後述の第2操縦ハンドル82R)の操作方向及び操作量は、角度センサによって検出されて制御装置U1に送られる。制御装置U1は、取得した操作方向及び操作量に基づいて、第1ソレノイド74D又は第2ソレノイド74Eに信号を出力する。これによって、ブームシリンダC3を伸縮させてブーム22を上下に揺動させる。
支持ブラケット20又はスイングブラケット21には、第1角度センサ71が設けられている。この第1角度センサ71は、スイングブラケット21の支持ブラケット20に対するスイング軸26回りの回転角度(スイング角)を検出するセンサである。スイングブラケット21又はブーム22には、第2角度センサ71が設けられている。第2角度センサ71は、ブーム22のスイングブラケット21に対するブーム枢軸27回りの回転角度を検出するセンサである。第1角度センサ71及び第2角度センサ71は、例えば、ポテンショメータによって形成されている。
第1角度センサ71と第2角度センサ71とでブーム22の位置を検出する検出装置45が構成されている。第1角度センサ71及び第2角度センサ71は、制御装置U1に接続されている。
制御装置U1は、検出装置45(第1角度センサ71及び第2角度センサ71)の検出信号を取得する。制御装置U1は、位置検出部73と、ブーム停止部75とを有する。
位置検出部73は、第1角度センサ71及び第2角度センサ71からの検出信号に基づいてブーム22の位置を検出する。ブーム停止部75は、位置検出部73によって検出されたブーム22の位置に基づいて、ブーム22がキャビン5に干渉する前に(ブーム22がキャビン5に近接した際に)ブーム22を停止させる信号をブーム制御弁74に出力する。具体的には、ブーム停止部75は、ブーム22を上昇させた状態から右にスイングさせる操作が行われた場合、及びブーム22を右にスイングさせた状態から上昇させる操作が行われた場合などに、操作に対応する動作を行うとブーム22がキャビン5に近接するか否かを判断し、近接すると判断した場合にはブーム22がキャビン5に干渉しないようにブーム22の動作を停止または制限する。
図2、図4、図6に示すように、運転席6は、キャビン5内の後部に配置されている。キャビン5内には、操縦装置41が設けられている。操縦装置41は、運転席6の前方に設けられている。運転席6と操縦装置41とで作業機1を運転(操縦)する運転部42が構成されている。なお、本実施形態では、運転部42がキャビン5内に配置されている構成(キャビン仕様)について説明するが、これに限らず、運転部42の前後方向K1及び機体幅方向K2が外部に開放され、上方が屋根で覆われた構成(キャノピ仕様)であってもよく、運転部42の前後方向K1、機体幅方向K2および上方が外部に開放された構成であってもよい。
図4、図10に示すように、運転席6は、キャビン5の底部を構成する床部5Bに支持されている。床部5B上で且つ機体幅方向K2の中央部には、シート台76が取り付けられている。シート台76上には、サスペンション装置77が設けられており、このサスペンション装置77上にスライドレール78を介して運転席6が前後位置調整可能に設けられている。
運転席6は、縦軸回りに回転自在であってもよい。即ち、シート台76に、座部6Aの中心を縦軸回りに回転自在に支持し、運転席6の向きを縦軸回りに左又は右に自由に変更できるようになっていてもよい。
また、図20に示すように、スライドレール78は、後方に行くに従って上方に移行する傾斜状に形成されていてもよい。スライドレール78は、固定レール78Aと、可動レール78Bとを有する。固定レール78A及び可動レール78Bは、後方に行くに従って上方に移行する傾斜状である。固定レール78Aは、シート台76に固定された固定台111に取り付けられる。可動レール78Bは、座部6Aの下面に固定された可動台112に取り付けられる。可動レール78Bは、固定レール78Aに沿って移動可能であり、且つ固定レール78Aに固定可能である。
後傾状のスライドレール78にすることにより、運転席6を後方に行くに従って上方に移行する傾斜方向に位置調整可能とすることができる。即ち、可動レール78Bを後方に移動させると、座部6Aの位置が高くなり、身長の高い運転者に対応した調整をすることができる。
図4、図6、図13に示すように、操縦装置41は、操縦台81と、操縦部材82と、肘置き部材83と、モニタ84と、走行操作部材85と、ドーザレバー(操作レバー)8
0とを有する。
図10、図11、図12に示すように、操縦台81は、運転席6の前方で且つキャビン5の機体幅方向K2の中央側に設けられている。操縦台81は、床部5Bに立設された基台86と、基台86に上下位置調整可能に支持された支持台87とを有する。
図10〜図12、図14に示すように、基台86は、第1支柱88L、第2支柱88R、連結プレート89、第1補強板90L及び第2補強板90Rを有する。第1支柱88Lと第2支柱88Rは、上下方向の軸心を有する円柱体によって形成され、床部5Bに立設されている。第1支柱88Lは、キャビン5の機体幅方向K2の中央より左方に配置され、第2支柱88Rは、キャビン5の機体幅方向K2中央より左方に配置されている。
図15に示すように、第1支柱88L、第2支柱88Rの下部には、複数のロック穴(第1ロック穴94A〜第5ロック穴94E)が上下方向に間隔をあけて形成されている。
図10、図11、図14に示すように、連結プレート89は、第1支柱88Lと第2支柱88Rの下部間に配置され、第1支柱88Lと第2支柱88Rを連結している。第1補強板90Lは、第1支柱88Lの前面の下部に固定され、第2補強板90Rは、第2支柱88Rの前面の下部に固定されている。第1補強板90L及び第2補強板90Rの下端は、床部5Bに固定されている。
図11、図12、図14に示すように、支持台87は、基台86の上部に上下位置調整可能に取り付けられた取付体92と、取付体92に固定された取付台93とを有する。本実施形態では、取付台93は、取付体92を介して基台86に上下位置調整可能に支持されている。
図14に示すように、取付体92は、取付台93の下面側に設けられている。取付体92は、第1可動部材92Lと、第2可動部材92Rと、複数の補強板(第1補強板92A〜第5補強板92E)と、第1固定装置(固定装置)91Lと、第2固定装置(固定装置)91Rとを有する。第1可動部材92L及び第2可動部材92Rは、上下方向の軸心を有する筒体(円筒体)によって構成されている。第1可動部材92Lは、第1支柱88Lに上下移動可能に嵌められ、第2可動部材92Rは、第2支柱88Rに上下移動可能に嵌められている(図15参照)。これによって、取付体92が、基台86に対して上下移動可能とされている。
図14、図15に示すように、第1可動部材92L及び第2可動部材92Rには、径方向に貫通する挿通穴101が形成されている。第1可動部材92L及び第2可動部材92Rを上下に移動させることにより、挿通穴101を、複数のロック穴(第1ロック穴94A〜第5ロック穴94E)のいずれかと一致させることができる。
第1補強板92Aは、第1可動部材92Lから後方に行くに従って機体外方(左方)に移行する傾斜方向に延びている。第2補強板92Bは、第2可動部材92Rから後方に行くに従って機体内方(右方)に移行する傾斜方向に延びている。第3補強板92Cは、第1可動部材92Lから前方に行くに従って機体外方(左方)に移行する傾斜方向に延びている。第4補強板92Dは、第2可動部材92Lから後方に行くに従って機体内方(右方)に移行する傾斜方向に延びている。第5補強板92Eは、第1可動部材92Lと第2可動部材92Lとを連結している。
第1固定装置91L及び第2固定装置91Rは、基台86に対して取付体92(支持台87)を固定する装置である。第2固定装置91Rは、第1固定装置91Lと同様の構成であるので、第1固定装置91Lを説明し、第2固定装置91Rの説明は省略する。
図14、図15に示すように、第1固定装置91Lは、支持部材96と、ロック部材97と、撮み98と、付勢部材99とを有する。支持部材96は、第1可動部材92L(第2可動部材92R)に固定された上壁96A及び下壁96Bと、上壁96Aと下壁96Bとを連結する支持壁96Cとを有する。
ロック部材97は、棒材によって形成され、一端側は、挿通穴101に挿通可能であると共に第1ロック穴94A〜第5ロック穴94Eのいずれかに選択的に挿通可能である。ロック部材97を、挿通穴101と、第1ロック穴94A〜第5ロック穴94Eのいずれかに挿通することにより、基台86に対する取付体92の上下移動が規制される。ロック
部材97の他端側は、支持壁96Cを貫通している。このロック部材97の他端側には、撮み98が固定されている。ロック部材97は、第1可動部材92L(第2可動部材92R)の径方向に移動可能である。
撮み98を把持してロック部材97をロック穴(第1ロック穴94A〜第5ロック穴94E)から抜脱することにより、基台86に対する支持台87の上下移動が許容される。この状態で、支持台87を上下に移動し、任意の位置でロック部材97を挿通穴101及びロック穴に挿通することで、基台86に対する支持台87の上下位置が固定される。以上により、支持台87の上下位置調整(高さ調整)を行うことができる。
付勢部材99は、ロック部材97に設けたバネ受け部材100と支持壁96Cとの間に設けられ、ロック部材99を挿通穴101及びロック穴に挿通させる方向に付勢している。
図11に示すように、取付台93は、板材によって形成され、板面が上下を向くように配置されている。
図14に示すように、取付台93は、主部93Aと、第1延出部93Lと、第2延出部93Rとを有する。主部93Aは、機体幅方向K2に長い横長に形成されている。第1延出部93Lは、主部93Aの機体幅方向K2の一側部から後方に延びる。詳しくは、第1延出部93Lは、主部93Aの機体外方側の部位(左部)から後方に行くに従って機体外方に移行する傾斜方向に延出されている。第2延出部93Rは、主部93Aの機体幅方向K2の他側部から後方に延びる。詳しくは、第2延出部93Rは、主部93Aの機体内方側の部位(右部)から後方に行くに従って機体内方に移行する傾斜方向に延出されている。
主部93Aの中央部背面側の縁部、第1延出部93Lの右縁部、第2延出部93Rの左縁部によって、取付台93の後部側に後方に開放状の凹部93Bが形成されている。この凹部93Bは、後方に行くに従って拡開状とされている。凹部93Bを形成することにより、上部ガラス68Aを上下に移動操作する際等において、運転者は、上部ガラス68Aに容易に近づくことができる。
操縦部材82は、運転者が把持して操作する部材(グリップ)である。図11〜図13に示すように、操縦部材82は、第1操縦ハンドル82Lと、第2操縦ハンドル82Rとを含む。第1操縦ハンドル82Lは、主部93Aの機体幅方向K2の中心部よりも一方側(左部)に設けられている。第2操縦ハンドル82Rは、主部93Aの機体幅方向K2の中心部よりも他方側(右部)であって第1操縦ハンドル82Lの側方に設けられている。
第1操縦ハンドル82Lと第2操縦ハンドル82Rとは、ともに作業機1に装備された2つの操作対象を操作可能な装置である。第1操縦ハンドル82Lは、例えば、第1の操作対象である機体2を旋回操作可能であり、且つ第2の操作対象であるアーム23を揺動操作可能である。また、第2操縦ハンドル82Rは、例えば、第1の操作対象であるバケット24を揺動操作可能であり、且つ第2の操作対象であるブーム15を揺動操作可能である。操縦部材82の操作方向及び揺動量は、角度センサによって検出される。この角度センサの検出信号は制御装置U1に送られる。制御装置U1は、角度センサからの検出信号に基づいて、操作対象を制御する制御弁を制御する。
第1操縦ハンドル82L及び第2操縦ハンドル82Rは、取付台93に揺動操作可能に支持され、前及び後(前後方向K1)と、左及び右(機体幅方向K2)と、前後方向K1と機体幅方向K2との間の任意の斜め方向に操作可能である。図11、図12に示すように、第1操縦ハンドル82L及び第2操縦ハンドル82Rの揺動支点W1は、ハンドルの内部に設けられている。したがって、第1操縦ハンドル82L及び第2操縦ハンドル82R並びにこれらを支持する支持機構等を含む構造体は、高さの低いコンパクトな構造とされている。これにより、第1操縦ハンドル82L及び第2操縦ハンドル82Rは、手元操作量を小さくすることができ、機体2が揺れた場合でも、安定して操作をすることができるハンドル構造とされている。
なお、水滴の落下対策として操縦台81の周囲を前傾した構造とするようにしてもよい。図12に示すように、取付台93の下面側には、ヒューズボックス113が設けられて
いる。
肘置き部材83は、運転者が肘を置く部材である。図13に示すように、肘置き部材83は、取付台93(操縦台81)に設けられている。肘置き部材83は、取付台93(操縦台81)から運転席6に向けて延びる。本実施形態では、肘置き部材83は、操縦部材82の後側から後方に延びる。
肘置き部材83は、第1アームレスト83Lと、第2アームレスト83Rとを含む。第1アームレスト83Lは、第1操縦ハンドル82Lの後側から後方に延びる。詳しくは、第1アームレスト83Lは、第1操縦ハンドル82Lの後側から後方に行くに従って機体外方(左方)に移行する傾斜方向に延びる。また、第1アームレスト83Lは、第1延出部93Lの上方に該第1延出部93Lに沿って配置されている。第1アームレスト83Lは、第1延出部93Lに支持部材103Lを介して取り付けられている。
第2アームレスト83Rは、第2操縦ハンドル82Rの後側から後方に延びる。詳しくは、第2アームレスト83Rは、第2操縦ハンドル82Rの後側から後方に行くに従って機体内方(右方)に移行する傾斜方向に延びる。また、第2アームレスト83Rは、第2延出部93Rの上方に該第2延出部93Rに沿って配置されている。第2アームレスト83Rは、第2延出部93Rに支持部材103Rを介して取り付けられている。
本実施形態の操縦装置41では、運転者は、第1アームレスト83Lに左腕の肘を置くと共に左手で第1操縦ハンドル82Lを把持し、第2アームレスト83Rに右腕の肘を置くと共に右手で第2操縦ハンドル82Rを把持する。したがって、運転者は、運転席6に座した状態において上体を前傾姿勢とした状態で操縦部材82を操作することになる。これにより、運転者は、上体をキャビン5の前面側に近づける状態で第1操縦ハンドル83L及び第2操縦ハンドル83Rを操作する姿勢となる。
また、本実施形態では、操縦部材82及び肘置き部材83を運転席6の前方に位置させることで、キャビン5の左及び右の側面を運転席6に近づけ、キャビン5の機体幅方向K2の寸法をコンパクトにしている。
また、第1アームレスト83Lは運転席6より左方に大きくはみ出しており、第2アームレスト83Rは運転席6より右方に大きくはみ出しており、第1アームレスト83Lと第2アームレスト83Rとの間隔を広く採っている。
また、第1アームレスト83Lと第2アームレスト83Rとは、後方に行くに従って機体幅方向K2の相互間隔が広がるように傾斜状に設けられている。
また、図13に示すように、第1アームレスト83L及び第1延出部93Lは、座部6Aの左部と上下方向で一部オーバーラップしている。第2アームレスト83R及び第2延出部と93Rは、座部6Aの右部と上下方向で一部オーバーラップしている。本実施形態では、操縦装置41(操縦台81)と運転席6とを前後方向で近接して配置し、且つ操縦装置41に運転席6を近づけることにより、運転部42(キャビン5)を前後にコンパクトに構成している。
図20に仮想線で示すように、第1アームレスト83L(肘置き部材83)は、操縦台81に前部が枢支されていて後部が上方に揺動可能とされていてもよい。本実施形態の場合、第1アームレスト83Lと共に第1延出部93Lも上方に揺動可能とされる。
また、第1アームレスト83L及び第2アームレスト83Rは、取付台93に、前後方向K1に位置調整可能に支持するのがよい。これにより、身長の高い運転者に対して腕の角度を安定させることができる。また、乗降時に、第1アームレスト83Lを前側に位置移動して乗降通路幅を広くすることができる。
図11、図13に示すように、モニタ84は、取付台93の上面側に配置され、第1操縦ハンドル82Lと第2操縦ハンドル82Rとの間に設けられている。詳しくは、モニタ84は、取付台93の機体幅方向K2の中央部に配置され、第1操縦ハンドル82Lは、モニタ84の機体幅方向K2の一側方に配置され、第2操縦ハンドル82Rは、モニタ84の機体幅方向K2の他側方に配置されている。また、第1操縦ハンドル82L、第2操縦ハンドル82R及びモニタ84は、機体幅方向K2で並べて配置されている。モニタ84は、第1操縦ハンドル82L及び第2操縦ハンドル82Rを把持して前傾姿勢で作業機
1を運転する運転者の正面に位置する。
モニタ84は、後面(運転席6側)に、下方に行くに従って後方に移行する傾斜面を有し、この傾斜面に、表示を行う表示部(画面)84Aを設けている。即ち、表示部(画面)84Aは、後下がりに傾斜する傾斜面になっており、前傾姿勢で操縦部材82を操作する運転者にとって表示部(画面)84Aを視認しやすい。
表示部84Aは、作業機1の基本情報や、作業機1の周囲の画像や、作業機1の様々な設定を行うのに必要な情報等が表示される。基本情報は、例えば、運転状況、モード変更、各種設定、ワーニング、燃料残量、時間(時刻)等である。作業機1の周囲の画像としては、例えば、作業機1の後方の画像である。図4に示すように、ウエイト10の上部に機体2の後方を撮像可能な撮像装置43(カメラ等)が設けられ、この撮像装置43で撮像した画像が表示部84Aに表示可能である。モニタ84と撮像装置43とは、CAN(Controller Area Network)やフレックスレイ(FlexRay)等の車載用通信ネットワークによって、相互通信が可能である。撮像装置43は、遠隔操作等によって向き変更可能とすることで、機体2の周囲の画像を撮像可能としてもよい。また、機体2の後方以外の画像を表示部84Aに表示させるための撮像装置を、キャビン5や機体2或いはカバー装置14等に適宜設けてもよい。
作業機1の様々な設定を行うのに必要な情報は、例えば、高さ制御設定、AI制御設定、アーム制限設定等の機械設定に必要な情報である。
モニタ84の表示部84Aの下側には、複数の操作スイッチ(第1スイッチ84B、第2スイッチ84C、第3スイッチ84D)が設けられている。
第1スイッチ84Bは、例えば、原動機E1の回転数を変更するスイッチである。回転数の変更は、段階的に変更可能である。また、回転数の変更は、連続的に変更可能であってもよい。
第2スイッチ84Cは、例えば、作業機1の作業速度を設定するスイッチである。作業速度は段階的に設定可能である。作業速度の設定は、連続的に変更可能であってもよい。作業速度は、例えば、ブーム22、アーム23、バケット24、スイングブラケット21の揺動速度や、機体2の旋回速度である。また、第2スイッチ84Cは、操縦部材82の操作対象に対する操作をできないようにする操作不能状態と、操縦部材82の操作対象に対する操作を可能にする操作可能状態とに切り替えるスイッチであってもよい。この場合、第2スイッチ84Cは、操作不能状態か操作可能状態かを表示する表示ランプを兼ねていてもよい。また、第2スイッチ84Cは、作業速度の設定と、操作不能状態及び操作可能状態の切り替えとを兼用するスイッチであってもよい。
第3スイッチ84Dは、作業機1に装備されたライト、例えば、ブーム灯、前照灯、後照灯等を点灯及び消灯するスイッチである。また、第3スイッチ84Dは、原動機E1を始動するキースイッチであってもよい。また、第3スイッチ84Dは、キースイッチとライトのON、OFFを行うスイッチを兼用してもよい。
第1スイッチ84B、第2スイッチ84C及び第3スイッチ84Dで操作した状態が、表示部84Aに表示されるようになっていてもよい。
図13に示すように、第1操縦ハンドル82L(モニタ84)の左側方には、画面に表示される表示項目の操作をする複数の操作具(第1操作具44A、第2操作具44B、第3操作具44C)が設けられている。第2操作具44B及び第3操作具44Cは、第1操作具44Aの前方において機体幅方向K2で並べて配置されている。例えば、第1操作具44Aは、回転操作が可能な操作具であり、第2操作具44B及び第3操作具44Cは、押圧操作可能なスイッチである。第1操作具44Aは、回転操作を行うことにより、表示部84Aに表示される複数の選択項目のうちの選択項目候補を変更する。第3操作具44Cを押圧操作することにより選択項目を決定する。また、第2操作具44Bは、押圧操作することにより決定した選択項目のキャンセルを行う。
なお、第1操作具44A、第2操作具44B、第3操作具44Cは、第1操縦ハンドル82L(モニタ84)の右側方に設けてもよい。また、選択項目候補の変更、選択項目の決定及び選択項目のキャンセルを、単一の操作具によって行うようにしてもよい。また、
表示部84Aは、表示及び操作具を兼用するタッチパネル、即ち、オペレータによる表示部へのタッチ操作を受け付けるタッチ操作部を有するものであってもよい。
運転者は、肘置き部材83に肘をついたまま(肘を中心として)、操縦部材82からモニタ84(表示部84A、第1スイッチ84B、第2スイッチ84C又は第3スイッチ84D等)に容易に手を移動させることができる。また、肘置き部材83に肘をついたまま、表示部84A、第1スイッチ84B、第2スイッチ84C又は第3スイッチ84D等を操作することができる。
また、第1アームレスト83Lに肘をついたまま、第1操縦ハンドル82Lから第1操作具44A、第2操作具44B及び第3操作具44Cに容易に手を移動させることができる。また、肘置き部材83に肘をついたまま、第1操作具44A、第2操作具44B及び第3操作具44Cを容易に操作することができる。
第2操縦ハンドル82R(モニタ84)の右側方には、原動機E1を停止させる停止スイッチ102が設けられている。第2アームレスト83Rに肘をついたまま、第2操縦ハンドル82Rから停止スイッチ102に手を移動させることが容易である。また、図6に示すように、モニタ84の前方に吹出し口67が設けられている。
走行操作部材85は、足踏み操作により走行装置3を操作するペダルである。
図6、図13に示すように、走行操作部材85は、運転席6の機体幅方向K2の一側部の前方に配置された第1走行ペダル85Lと、運転席6の機体幅方向K2の他側部の前方に配置された第2走行ペダル85Rとを含む。第1走行ペダル85Lは、第1走行装置3L(第1走行モータM1)を操作するペダルである。第2走行ペダル85Rは、第2走行装置3R(第2走行モータM2)を操作するペダルである。
第1走行ペダル85L及び第2走行ペダル85Rは、作業機1の前進及び後進の操作、操向の操作を行うペダルである。即ち、第1走行ペダル85L及び第2走行ペダル85Rを前に踏み込むと前進し、後に踏み込むと後進する。また、第1走行ペダル85L及び第2走行ペダル85Rの踏み込み方向及び踏み込み量が同じであると直進走行し、第1走行ペダル85Lと第2走行ペダル85Rの踏み込み量が異なると旋回走行する。第1走行ペダル85Lの踏み込み量によって第1走行モータM1の回転数の変更が可能であり、第2走行ペダル85Rの踏み込み量によって第2走行モータM2の回転数が変更可能である。
本実施形態の作業機1においては、直進走行する際には、直進性をだすために、第1走行ペダル85L及び第2走行ペダル85Rを最大位置まで踏み込む(ベタ踏みする)。走行速度の変更は、操縦部材82に設けられた増減速スイッチによって可能である。
図13に示すように、増減速スイッチは、第1操縦ハンドル82Lに設けられた減速スイッチ106と、第2操縦ハンドル82Rに設けられた増速スイッチ107である。運転者は、操縦部材82を把持した状態で、作業機1の走行速度の増速又は減速を行うことができる。増速スイッチ107は、走行速度を増加させるスイッチである。増速スイッチ107は、例えば、モーメンタリースイッチであって、押す毎に変速段が増加する。減速スイッチ106は、走行速度を減少させるスイッチである。減少スイッチ106は、例えば、モーメンタリースイッチであって、押す毎に変速段が減少する。走行速度の増速及び減速は連続的であってもよい。即ち、減速スイッチ106を押している間、減速し、増速スイッチ107を押している間、増速する。
図4、図6に示すように、運転席6(シート台77)の側方の床部5B上には、運転者の足を置くための足置き部79が設けられている。足置き部79は、運転席6及びシート台77の一側方(左の側方)の第1部分79Lと、運転席6及びシート台77の他側方(右の側方)の第2部分79Rとを含む。
図6に示すように、第1走行ペダル85Lは、第1部分79Lの前方に位置し、第2走行ペダル85Rは、第2部分79Rの前方に位置する。第1走行ペダル85Lと第1部分79Lとの間には、足の移動の妨げとなるものはなく、第1走行ペダル85Lから第1部分79Lへ床部5B上を足が移動可能である。また、第2走行ペダル85Rと第2部分79Rとの間にも、足の移動の妨げとなるものはなく、第2走行ペダル85Rから第2部分79Rへ床部5B上を足が移動可能である。
運転者は、足置き部79に足を置くと、膝より後側に足が位置する状態に脚を折り曲げた姿勢となり、走行装置3の操作をしないときには、この姿勢で脚を休めることができる。また、運転時には、上体が前傾姿勢であるので、足を後方に位置させることで、姿勢が楽になる。
また、足置き部79は、運転席6の前後位置調整に対応する前後長さを有する。即ち、足置き部79は、運転席6を前後に位置調整しても、運転席6の移動に対応して運転者の足を移動できる前後長さを有している。
図13に示すように、第1走行ペダル85Lは、取付台93の機体幅方向K2の一側部(第1延出部93L)の下方に設けられ、第2走行ペダル85Rは、取付台93の機体幅方向K2の他側部(第2延出部93R)の下方に設けられている。走行操作部材85の操作時には、取付台93の下方に運転者の脚が挿入状とされる。即ち、左の脚が第1延出部93Lと第1走行ペダル85Lとの間に挿入され、右の脚が第2延出部93Rと第2走行ペダル85Rとの間に挿入される。
図13に示すように、第1走行ペダル85Lと第2走行ペダル85Rとの機体幅方向K2の相互間隔は、前方に行くに従って漸次広くなっている。また、運転席6の機体幅方向K2の一側部の下方に、第1走行ペダル85Lの後部が位置している。詳しくは、第1走行ペダル85Lの後端部が、座部6Aの左部の前端部と平面視でオーバーラップしている。また、運転席6の機体幅方向K2の他側部の下方に、第2走行ペダル85Rの後部が位置している。詳しくは、第2走行ペダル85Rの後端部が、座部6Aの右部の前端部と平面視でオーバーラップしている。
図12、図16に示すように、第1走行ペダル85L及び第2走行ペダル85Rは、前方に行くに従って下方に移行する傾斜状(前傾状)である。運転者は、上体を前傾姿勢にして操縦部材82を操作するので、第1走行ペダル85L及び第2走行ペダル85Rが前傾状になっていることにより、ペダルの踏み込み操作がしやすい。
図12、図13に示すように、第1走行ペダル85Lは、第1ペダル軸104Lによって前後に揺動可能に支持されている。この第1ペダル軸104Lは、第1走行ペダル85Lの上面側に位置している。また、第1ペダル軸104Lは、第1走行ペダル85Lの前後中央部より後方に配置されている。さらに、第1ペダル軸104Lは、後方に行くに従って機体外方に移行する傾斜状に配置されていて、第1走行ペダル85Lの長手方向に直交する方向に平行である。
第2走行ペダル85Rは、第2ペダル軸104Rによって前後に揺動可能に支持されている。この第2ペダル軸104Rは、第2走行ペダル85Rの上面側に位置している。また、第2ペダル軸104Rは、第2走行ペダル85Lの前後中央部より後方に配置されている。さらに、第2ペダル軸104Rは、後方に行くに従って機体外方に移行する傾斜状に配置されていて、第2走行ペダル85Rの長手方向に直交する方向に平行である。
第1ペダル軸104L及び第2ペダル軸104Rは、運転者が第1走行ペダル85L及び第2走行ペダル85Rに足を載せたときに、土踏まずに対応した位置に位置する。
図16は、第1走行ペダル85Lの側面図を示し、図17は、第1走行ペダル85Lの平面図を示す。第2走行ペダル85Rの支持構造は、第1走行ペダル85Lの支持構造と同様であるので、第1走行ペダル85Lの支持構造を説明し、第2走行ペダル85Rの支持構造の説明は省略する。
図16、図17に示すように、第1ペダル軸104L(第2ペダル軸104R)は、第1走行ペダル85L(第2走行ペダル85R)に固定された筒状の回転軸109と、回転軸109に挿通された支軸110とを有する。支軸110は、床部5Bに立設されたペダルブラケット108A,108Bに固定されている。ペダルブラケット108Aは、第1ペダル軸104Lの機体外方に位置し、ペダルブラケット108Bは、第1ペダル軸104Lの機体内方に位置する。
第1走行ペダル85L(第2走行ペダル85R)は、第1ペダル軸104L及びペダルブラケット108A,108Bを介して、床部5Bに前後に揺動可能に支持されている。
また、第1走行ペダル85Lは、ペダル規制機構114によって揺動規制される。ペダ
ル規制機構114は、ロッド部材116と、ロッド部材116を支持するホルダ部材117と、第1走行ペダル85Lの動きをロッド部材116に伝える伝動機構118とを有する。
ロッド部材116は、第1走行ペダル85Lの下方であって床部5Bの下面側に該床部5Bに沿って配置されている。ロッド部材116の前部は、ホルダ部材117に挿通されている。ホルダ部材117は、ロッド部材116を軸心方向に摺動可能に支持する支持部117Aと、収容部117Bとを有する。
収容部117B内には、ロッド部材116に係合するバネ受け部材119A,119Bと、バネ受け部材119Aとバネ受け部材119Bとの間に圧縮状に設けられた付勢部材120とが設けられている。付勢部材120は、コイルバネによって形成され、該付勢部材120にロッド部材116が挿通されている。ホルダ部材117の前部には、取付片122が固定され、取付片122は床部5Bの下面に固定されたステー121に枢支されている。
伝動機構118は、リンク123、第1アーム124、回動部材125、第2アーム126を有する。リンク123の上端は、第1走行ペダル85Lの下面で且つ第1ペダル軸104Lより前側に固定された取付片127に枢支されている。リンク123は、床部5Bを貫通して形成された挿通穴128を挿通しており、下端側が第1アーム124に枢支されている。第1アーム124は、床部5Bの下面に固定されたステー129に回転可能に支持された回動部材125に固定されている。第2アーム126は、回動部材125に固定されていると共にロッド部材116の後端側に枢支されている。
第1走行ペダル85Lを前側に踏み込むと、リンク123が下方に押動されると共に第1アーム124、回動部材125及び第2アーム126が一体回転してロッド部材116を前方に押動する。すると、バネ受け部材119Aがロッド部材116と一体移動して付勢部材120を圧縮する。バネ受け部材119Aがバネ受け部材119Bに当接すると、第1走行ペダル85Lの前側の踏み込み方向の揺動が規制される。
また、第1走行ペダル85Lを後側に踏み込むと、リンク123が上方に引動されると共に第1アーム124、回動部材125及び第2アーム126が一体回転してロッド部材116を後方に引動する。すると、バネ受け部材119Bがロッド部材116と一体移動して付勢部材120を圧縮する。バネ受け部材119Bがバネ受け部材119Aに当接すると、第1走行ペダル85Lの後側の踏み込み方向の揺動が規制される。
第1走行ペダル85Lの前又は後への踏み込みを解除すると、付勢部材120によって、第1走行ペダル85Lが中立に戻される。付勢部材120によって、第1走行ペダル85Lに操作荷重が付与される。
また、第1走行ペダル85Lは、角度センサ131によって、踏み込み量及び踏み込み方向の検出が行われる。角度センサ131は、例えば、ポテンショメータによって形成されている。角度センサ131は、回動部材125の回転角度及び回転方向を検出することにより、第1走行ペダル85Lの踏み込み量と踏み込み方向とを検出する。角度センサ131からの検出信号は、制御装置U1に送られる。制御装置U1は、角度センサ131の検出信号に基づいて、第1走行モータM1を制御する制御弁を制御する。
また、第1走行ペダル85Lの前部は、自然なペダル操作感を与えるためにダンパ装置132によって支持されている。
ドーザレバー80は、ドーザ装置7を操作する操作レバーである。
図18、図19に示すように、ドーザレバー80は、運転者が把持するグリップ80Aと、グリップ80Aが取り付けられたレバーシャフト80Bとを有する。図13に示すように、ドーザレバー80は、取付台93の右側に設けられている。取付台93の右側には、後述のレバー規制機構136との干渉を避けるための切欠き部130を設けられている。
図18、図19に示すように、ドーザレバー80は、レバー支持部134に支持されている。レバー支持部134は、取付台93の上面に固定された支持ブラケット134Aと、支持ブラケット134Aに固定された支持筒134Bと、支持筒134Bに回転可能に
支持された回動部材134Cとを有する。回動部材134Cにレバーシャフト80Bの下端が固定されている。これにより、ドーザレバー80が取付台93に前後に揺動操作可能に支持されている。
図18、図19に示すように、取付台93の下面側には、ドーザレバー80の揺動を規制するレバー規制機構133が設けられている。レバー支持機構133は、ロッド部材(連動部材)135と、ロッド部材135を支持するホルダ部材136と、ドーザレバー80の動きをロッド部材135に伝える連動アーム137とを有する。
ロッド部材135は、取付台93の下面側に且つ該下面に沿って配置されている。ロッド部材135の後部は、ホルダ部材136に挿通されている。ロッド部材135の前部は、連動アーム137の先端部(下端部)に枢支されている。連動アーム137の基端部(上端部)は、回動部材134Cに固定されている。したがって、ロッド部材135は、ドーザレバー80の揺動に追従して動く。
ホルダ部材136は、ロッド部材135を軸心方向に摺動可能に支持する支持部136Aと、収容部136Bとを有する。収容部136B内には、ロッド部材135に係合するバネ受け部材140A,140Bと、バネ受け部材140Aとバネ受け部材140Bとの間に圧縮状に設けられた中立バネ141とが設けられている。中立バネ141は、コイルバネによって形成され、該中立バネ141にロッド部材135が挿通されている。即ち、中立バネ141は、ロッド部材135に沿って設けられている。ホルダ部材136の後部には、取付片142が固定され、取付片142は取付台93の下面に固定されたステー143に枢支されている。
ドーザレバー80を前側に揺動させると、連動アーム137が後方に揺動してロッド部材135が後方で且つ取付台93下面に沿う方向に押動される。すると、バネ受け部材140Aがロッド部材135と一体移動して中立バネ141を圧縮する。バネ受け部材140Aがバネ受け部材140Bに当接すると、ドーザレバー80の前側への揺動が規制される。
また、ドーザレバー80を後側に揺動させると、連動アーム137が前方に揺動してロッド部材135が前方で且つ取付台93下面に沿う方向に引動される。すると、バネ受け部材140Bがロッド部材135と一体移動して中立バネ141を圧縮する。バネ受け部材140Bがバネ受け部材140Aに当接すると、ドーザレバー80の後側への揺動が規制される。
ロッド部材135が取付台93の下面に沿う方向に所定範囲で動くことにより、ドーザレバー80の揺動が規制される。
ドーザレバー80の揺動操作を解除すると、中立バネ141によって、ドーザレバー80が揺動した位置から中立に戻される。また、中立バネ141によって、ドーザレバー80に操作荷重が付与される。
また、ドーザレバー80は、角度センサ144によって、揺動量及び揺動方向の検出が行われる。角度センサ144は、例えば、ポテンショメータによって形成されている。角度センサ144は、回動部材125の回転角度及び回転方向を検出することにより、第1走行ペダル85Lの踏み込み量と踏み込み方向とを検出する。角度センサ144からの検出信号は、制御装置U1に送られる。制御装置U1は、角度センサ144の検出信号に基づいて、ドーザシリンダを制御する制御弁を制御する。
図21に示すように、旋回基板9の機体幅方向K2の他側部(右部)には、前支持フレーム(支持フレーム)146と、後支持フレーム(支持フレーム)147とが設けられている。前支持フレーム146は、旋回基板9の前部側に設けられ、後支持フレーム147は、旋回基板9の後部側に設けられている。これら前支持フレーム146及び後支持フレーム147にカバー装置14等が支持される。
図22に示すように、前支持フレーム146は、機体幅方向K2で並べて配置された第1前支柱146A及び第2前支柱146Bと、第1前支柱146Aと第2前支柱146Bとの上部同士を連結する前梁部材146Cとを有する。第1前支柱146Aは、縦リブ9Rの右側方に位置し、ベース板146Dを介して旋回基板9に立設されている。第2前支
柱146Bは、旋回基板9の右端側に位置し、ベース板146Eを介して旋回基板9に立設されている。
図23に示すように、後支持フレーム147は、第1後支柱(第1支柱)147Aと、第2後支柱(第2支柱)147Bと、第3後支柱147Cと、第1後梁部材(梁部材)147Dと、第2後梁部材147Eと、上部枠材147Fとを有する。
第1後支柱147A、第2後支柱147B及び第3後支柱147Cは、機体幅方向K2で並べて配置されている。第1後支柱147Aは、縦リブ9Rの右側方に位置し、ベース板147Gを介して旋回基板9に立設されている。第2後支柱147Bは、旋回基板9の右端側に位置し、ベース板147Hを介して旋回基板9に立設されている。第3後支柱147Cは、第1後支柱147Aの左側方で且つ旋回基板9の機体幅方向K2の略中央部に位置し、ベース板147Iを介して旋回基板9に立設されている。第1後梁部材147Dは、第1後支柱147Aと第2後支柱147Bの上部同士を連結している。第2後梁部材147Eは、第2後支柱147Bと第3後支柱147Cの上部同士を連結している。上部枠材147Fは、第2後梁部材147Eの左端部から後方に突出している。
図25に示すように、前支持フレーム146の前方側に、ラジエータR1、オイルクーラO1及びコンデンサD1(冷却機器ユニットという)及び冷却機器ユニットを覆う第1カバー体15が配置されている。
第1カバー体15は、冷却機器ユニットの左の側方を覆う第1側面部15aと、右の側方を覆う第2側面部15bと、上方を覆う上面部15cと、前方を覆う前面部15dとを有し、下方及び後方は開放状とされている。また、第1カバー体15は、後上部が図示省略のヒンジ等を介して前支持フレーム146の前梁部材146Cに枢支されていて、前部を上下に揺動させることにより冷却機器ユニットの配置部を開閉する。
図25において、符号Z1は、第1カバー体15を閉めた状態を示しており、符号Z2は、第1カバー体15を閉めた状態を示している。第1カバー体15を上方に持ち上げて開くことにより、冷却機器ユニットの配置部分を(オイルクーラO1及びコンデンサD1の前方を)開放することができる。第1カバー体15の前部の側面(第2側面部15bの前部)に形成された外気取入口19は、コンデンサD1の前方側に位置している。また、外気取入口19とコンデンサD1との間には、外気取入口19からコンデンサD1へ流れる冷却風(外気)の流れを大きく阻害するものは設けられていない。
図26、図27に示すように、ラジエータR1は、ラジエータブラケット148に取り付けられている。ラジエータブラケット148は、前支持フレーム146に取り付けられている。ラジエータR1の背面側には、シュラウド176が取り付けられている。シュラウド176は、前支持フレーム146の内側に配置されている。
図30〜図32に示すように、ラジエータブラケット148は、前支持フレーム146の上部に取り付けられた第1ブラケット149と、前支持フレーム146の下部に取り付けられた第2ブラケット150とを有する。ラジエータR1は、第1ブラケット149と第2ブラケット150との間に設けられている。前梁部材146Cの下面の機体幅方向K2の一側部(左部)には、取付ステー151Lが固定され、他側部(右部)には、取付ステー151Rが固定されている。
第1ブラケット149は、機体幅方向K2で並べて設けられた第1取付部152L及び第1取付部152Rと、第1取付部152L,152R同士を連結する連結プレート153とを有する。取付ステー151Lに第1取付部152L及び連結プレート153の左部が取り付けられ、取付ステー151Rに第1取付部152R及び連結プレート153の右部が取り付けられている。
第1取付部152L,152Rは、前支持フレーム146から前方に突出状とされている。また、第1取付部152L,152Rは、連結プレート153に連結された第1部位154aと、第1部位154aの前方に間隔をおいて配置された第2部位154bと、第1部位154aと第2部位154bの下端同士を連結する第3部位154cとを有する。第3部位154cには、ラジエータR1の上部を支持する弾性部材からなる上支持部156が設けられている。
第2ブラケット150は、第1前支柱146Aの下部に取り付けられた取付壁150Lと、第2前支柱146Aの下部に取り付けられた取付壁150Rとを有する。取付壁150L,150Rは、前支持フレーム146から前方に突出状とされている。取付壁150Lの前部と取付壁150Rの前部とにわたって前受け壁157が設けられ、取付壁150Lの後部と取付壁150Rの後部とにわたって後受け壁158が設けられている。
前受け壁157の機体幅方向K2の一側部には第2取付部159Lが設けられ、他側部には、第2取付部159Rが設けられている。第2取付部159L,159Rは、第1取付部152L,152Rの下方側に設けられている。第2取付部159L,159Rは、弾性部材で形成され、上方及び下方に開放状の挿通穴161を有する。
後受け壁158には、ラジエータR1の下部を支持する弾性部材からなる下支持部160が設けられている。第2取付部159L,159Rは、下支持部160より下方に設けられている。
図26、図27に示すように、オイルクーラO1は、オイルクーラブラケット162に取り付けられている。オイルクーラブラケット162にコンデンサD1が取り付けられている。オイルクーラブラケット162は、ラジエータブラケット148に取り外し可能に取り付けられている。
図25に示すように、オイルクーラO1及びコンデンサD1に対してラジエータR1とは反対側に、オイルクーラO1及びコンデンサD1を移動させるための移動空間163が形成されている。したがって、図28、図29に示すように、オイルクーラブラケット162をラジエータブラケット148から取り外すことによりオイルクーラO1を第1位置から離間した位置に移動可能であり、オイルクーラO1を移動させることにより、ラジエータR1とオイルクーラO1との間に、これらを清掃するのに十分な空間である清掃空間164が形成される。
図30〜図32に示すように、オイルクーラブラケット162は、上ブラケット165と、上ブラケット165の下方に配置された下ブラケット166と、上ブラケット165と下ブラケット166を連結する連結ブラケット167L,167Rとを有する。連結ブラケット167Lは、上ブラケット165と下ブラケット166の左側同士を連結している。連結ブラケット167R上ブラケット165と下ブラケット166の右側同士を連結している。
オイルクーラO1は、オイルクーラブラケット162の前側に配置されており、上部が上ブラケット165に固定され、下部が下ブラケット166に固定される(図26参照)。
上ブラケット165は、第1取付部152Lの第2部位154bに固定具145Lによって着脱可能に固定される固定部165Lと、第1取付部152Rの第2部位154bに固定具145Rによって着脱可能に固定される固定部165Rとを有する。固定具145L,145Rは、例えば、ボルトである。なお、固定具を引っ掛けバンドにすることにより、工具レスで第1取付部152L,152Rに対して固定部165L,165Rを着脱可能に固定することができる。この場合、固定部をピンで構成すると共に第1取付部をヒンジによって可動式に構成する。第1取付部に固定部を固定するには、固定部に対して第1取付部を上から下ろしてきてゴムマウントを介して係合する。その状態で引っ掛けバンドによって第1取付部に対して固定部を止める。
下ブラケット166は、第2取付部159Lに係脱自在に係合する係合部168Lと、第2取付部159Rに係脱自在に係合する係合部168Rとを有する。係合部168L,168Rは、挿通穴161に上から挿入される係合部材169と、第2取付部159L,159Rの上面に当接して受持される当接部170とを有する。係合部材169はピンで形成される。当接部170は板材で形成される。
挿通穴161に対して係合部材169上下方向で抜き差しすることにより、ラジエータブラケット148の下部に対してオイルクーラブラケット162の下部を容易に取付け及び取外しすることができる。
図26、図27に示すように、オイルクーラブラケット162には、コンデンサブラケ
ット171が取り付けられている。このコンデンサブラケット171にコンデンサD1が取り付けられる。
図30〜図32に示すように、コンデンサブラケット171は、連結ブラケット167L,167Rの上下から突出するアーム部172a〜アーム部172dを有する。アーム部172aとアーム部172bの先端部同士は、上横材173Aによって連結され、アーム部172cとアーム部172dの先端部同士は、下横材173Bによって連結されている。上横材173Aと下横材173Bの左部同士は、第1縦材174Lによって連結され、上横材173Aと下横材173Bの右部同士は、第2縦材174Rによって連結されている。
第1縦材174Lに取付片175a及び取付片175cが設けられ、第2縦材174Lに取付片175b及び取付片175dが設けられている。図27に示すように、取付片175a〜取付片175dに、コンデンサD1が取り付けられている。
図26、図27に示すように、オイルクーラブラケット162の左部には、ホースガイド177が設けられている。
図25に示すように、第1カバー体15の第1側面部15aの後縁部の下部には、ホースガイド177との干渉を避けるために切り欠かれた切欠き部180が形成されている。この切欠き部180を介してホースガイド177が第1カバー体15の内部から機体内方側へ突出している。ホースガイド177には、作動油を流通させる油圧ホース178A,178Bと、空調装置用の冷媒を流通させる冷媒ホース179A,179Bとが挿通されている。油圧ホース178A,178B及び冷媒ホース179A,179B(以下、単にホースともいう)は、第1カバー体15の機体内方側からホースガイド177を介して第1カバー体15の内部に導入される。油圧ホース178A,178BはオイルクーラO1に接続され、冷媒ホース179A,179BはコンデンサD1に接続される。
ホースを側方(機体内方側の側方)から導入することにより、ラジエータブラケット148からオイルクーラブラケット162を取り外す際に、ホースが邪魔にならず、ラジエータブラケット148に対してオイルクーラブラケット162をスムーズに離間させることができる。また、これらホースを側方から導入することにより、ラジエータR1に対してオイルクーラO1を離反させる際に、ホースが容易に可動し(十分に撓み)、ラジエータR1とオイルクーラO1との間隔を十分に開けることができる。
図33、図34に示すように、ボンネット16は、第1ボンネット側部181と、第2ボンネット側部182と、ボンネット上部183と、ボンネット後部184とを有する。
第1ボンネット側部181は、原動機E1の機体内方側(運転席側)を覆っており、原動機室ERの機体内方側の側面を形成する。第2ボンネット側部182は、原動機E1の機体外方側(運転席6とは反対側)を覆っており、原動機室ERの機体外方側の側面を形成する。第1ボンネット側部181及び第2ボンネット側部182は、原動機室ERにおける、原動機室ER上を流れる空気(冷却風)の流れ方向に略垂直な方向の側面を構成する。
ボンネット上部183は、原動機E1の上方を覆っており、原動機室ERの上面(天井部)を形成する。ボンネット後部184は、油圧ポンプP1が配置された側に設けられた壁部であって、原動機E1の後方を覆っており、原動機室ERの背面を形成する。
原動機室ERの前方側は、前支持フレーム146、シュラウド176、前支持フレーム146とボンネット16の内面との間を仕切る仕切部材及び前支持フレーム146とシュラウド176との間を仕切る仕切部材等によって、第1カバー体15の内部と仕切られている。ボンネット16の下面側は開放状とされており、原動機室ERの下面(底部)は、旋回基板9によって形成される。したがって、原動機室ERは、旋回基板9上に形成されている。原動機E1は、図示省略のマウント部材によって原動機室ER内で防振支持されている。
図35、図36に示すように、第1ボンネット側部181は、板材によって形成され、主体の部材である第1側板181Aと、蓋板181Bとを有する。第1ボンネット側部181は、平板状(あるいは冷却風の流れ方向に沿って滑らかに変化する表面形状)に形成
され、原動機E1を冷却する冷却風の流れを阻害しない(整流する)。第1ボンネット側部181は、原動機E1に近接して配置されている。これにより、原動機E1の左の側部を流れる冷却風の流れがよくなり、冷却効率の向上が図れる。
図33に示すように、第1側板181Aは、原動機E1を点検するための開口181Cを有し、開口181Cは、第1側板181Aを貫通して形成されている。図35に示すように、開口181Cは、蓋板181Bによって塞がれ、蓋板181Bは第1側板181Aにボルト等によって着脱可能に取り付けられる。
図21に示すように、第1ボンネット側部181(第1側板181A)は、前支持フレーム146から後支持フレーム147にわたって設けられている。図22に示すように、第1ボンネット側部181の前部は、第1前支柱146Aに固定されている。図23に示すように、第1ボンネット側部181の後部は、第1後支柱147Aに固定されている。
図21、図33に示すように、第1ボンネット側部181は、前支持フレーム146から前方に突出している。第1ボンネット側部181の前縁部は、第1カバー体15の第1側面部15aの後縁部に近接している。図25に示すように、第1ボンネット側部181の前縁部の下部には、ホースガイド177との干渉を避けるために切り欠かれた切欠き部181Dが形成されている。この切欠き部181Dは、切欠き部180と協同して、ホースガイド177を挿通する挿通部を形成している。
図35、図36に示すように、第1ボンネット側部181の内面側(右面側)には、第1下カバー取付部186と、第1後カバー取付部187とが設けられている。第1下カバー取付部186は、第1ボンネット側部181の内面上部(開口181Cの上方)に設けられている。第1下カバー取付部186は、前部の第1部位186Aと、中間部の第2部位186Bと、後部の第3部位186Cとを有する。
第1部位186Aの前部は、第1前支持フレーム146の上端部の後側に後上がり傾斜状(後方に行くに従って上方に移行する傾斜状)に設けられている。第1部位186Aの中間部は後方に向けて水平状に形成されている。第1部位186Aの後部は、後下がり傾斜状(後方に行くに従って下方に移行する傾斜状)に形成されている。
第2部位186Bは、第1部位186Aの後端から後方に向けて水平状に形成されている。第3部位186Cは、第2部位186Bの後端から上方に向けて延びていると共に前後に折れ曲がったジグザグ状に形成されている。
第1後カバー取付部187は、第1ボンネット側部181の後部で且つ第3部位186Cより後方に設けられている。また、第1後カバー取付部187は、第1ボンネット側部181の上端から下端にわたって設けられている。第1後カバー取付部187の上部187Aは、前方に向けて突出状に形成されている。この上部187Aは、第3部位186Cの上部の前方に向けて凹んだ部分に対応して突出している。第1後カバー取付部187の中間部187Bは、第1ボンネット側部181の後縁部に沿って上下方向に延伸していると共に下端部で前下がり傾斜状(下方に行くに従って前方に移行する傾斜状)とされている。第1後カバー取付部187の下部187Cは、上下方向に延伸して設けられている。
図35、図36に示すように、第1ボンネット側部181の外面側(左面側)には、第1樋部188と、第2樋部189とが設けられている。第1樋部188及び第2樋部189は、溝型材で形成されている。第1樋部188は、開口181Cの上方に位置し、前端から後端にかけて後上がり傾斜状(後方に行くに従って上方に移行する傾斜状)であり、上側に開口している。また、第1樋部188の後端部は、上下方向に延伸しており、前側が開口している。
第2樋部189は、第1ボンネット側部181の前縁部の上部に沿って上下方向に延伸して設けられ、前側が開口している。
図21に示すように、第1ボンネット側部181の運転席6(キャビン5)側の側方に第3カバー体17が設けられている。本実施形態では、第3カバー体17は、第1ボンネット側部181の左の側方に配置されている。また、第3カバー体17は(第3カバー体17における原動機E1側の側面は)、第1ボンネット側部181と機体幅方向K2に隣接し且つ対向するように配置されている。また、第3カバー体17は、第1ボンネット側
部181の側方を覆っている。さらに、第3カバー体17は、キャビン5と機体幅方向K2に隣接して配置されている。
第1ボンネット側部181とキャビン5との間に第3カバー体17を設けることにより、原動機E1の音が運転席6側に伝わるのを抑制している。即ち、第1ボンネット側部181と第3カバー体17とによって、原動機室ERの運転席6側の構造を2重構造の遮音構造としている。これにより、原動機E1の音が運転席6側に伝播するのを抑制できる。
図37に示すように、第3カバー体17は、後端上部がヒンジ190によって後支持フレーム147の第2後梁部材147Eに取り付けられている。これにより、第3カバー体17は、図37に示す閉じた位置から仮想線で示す開いた状態に揺動することができる。
第3カバー体17は、第1ボンネット側部181側に位置する第1側面部17Aと、第1ボンネット側部181とは反対側の第2側面部17Bと、油圧機器配置部13の第1配置部13A上方を覆う上面部17Cと、第1配置部13Aの前方を覆う前面部17Dとを有し、下方及び後方は開放状とされている。
図37に示すように、第1側面部17Aは、第1切欠き縁部191aと、第2切欠き縁部191bとから形成された切欠き部191が形成されている。第1切欠き縁部191aは、第1樋部188に沿って前下がり傾斜状に形成されている。第2切欠き縁部191bは、第1切欠き縁部191aの前端から下方に行くに従って前方に移行する傾斜状に形成されている。また、第2切欠き縁部191bは、第2樋部189の前方に間隔をおいて配置されている。この第1切欠き縁部191aと第2樋部189とで形成される隙間192は、油圧ホース178A,178B及び冷媒ホース179A,179Bを通す通路として使用される。なお、第1切欠き縁部191aと第1樋部188との間及び第2切欠き縁部191bと第2樋部189との間はシール材によってシールされる。
図34に示すように、第2ボンネット側部182は、第2側板(側板)182Aと、開閉可能な開閉ボンネット193とを有する。開閉ボンネット193は、第2側板182Aの機体外方側に配置されている。
図38、図39に示すように、第2側板182Aは、板材によって平板状(あるいは冷却風の流れ方向に沿って滑らかに変化する表面形状)に形成され、原動機E1を点検するための点検穴182Bを有する。点検穴182Bは、第2側板(側板)182Aを貫通して形成されている。また、図38、図42に示すように、第2側板182Aの上部の後部には、下方に向けて凹設された切欠き部182Cが形成されている。
図21に示すように、第2側板182Aは、前支持フレーム146から後支持フレーム147にわたって設けられている。図22に示すように、第2側板182Aの前部は、第2前支柱146Bに固定されている。図23に示すように、第2側板182Aの後部は、第2後支柱147Bに固定されている。
図38、図39に示すように、第2側板182Aの内面側(左面側)には、第2下カバー取付部194と、第2後カバー取付部195とが設けられている。第2下カバー取付部194は、第2側板182Aの内面上部(点検穴182Bの上方)に設けられている。
第2下カバー取付部194は、前部の第1部位194Aと、中間部の第2部位194Bと、後部の第3部位194Cとを有し、側面視において、第1下カバー取付部186と同様の形状に形成されている。
即ち、第1部位194Aの前部は、第1前支持フレーム146の上端部の後側に後上がり傾斜状に設けられている。第1部位194Aの中間部は後方に向けて水平状に形成されている。第1部位194Aの後部は、後下がり傾斜状に形成されている。
第2部位194Bは、第1部位194Aの後端部から後方に向けて水平状に形成されている。第3部位194Cは、第2部位194Bの後端部から上方に向けて延びていると共に前後に折れ曲がったジグザグ状に形成されている。
第2後カバー取付部195は、第2側板182Aの後部で且つ第3部位194Cより後方に設けられている。また、第2後カバー取付部195は、第2側板182Aの上端から下端にわたって設けられている。第2後カバー取付部195は、上部195Aと、中間部195Bと、下部195Cとを有し、側面視において、第1後カバー取付部187と同様
の形状に形成されている。
第2後カバー取付部195の上部195Aは、前方に向けて突出状に形成されている。この上部195Aは、第3部位194Cの上部の前方に向けて凹んだ部分に対応して突出している。第2後カバー取付部195の中間部195Bは、第2側板182Aの後縁部に沿って上下方向に延伸していると共に下端部で前下がり傾斜状とされている。第2後カバー取付部195の下部195Cは、上下方向に延伸して設けられている。
図40、図41に示すように、開閉ボンネット193は、外部側の壁部である外カバー部材193Aと、内部側の壁部である内カバー部材193Bとを有する二重構造とされている。
図42に示すように、外カバー部材193Aは、前縁部及び下縁部が第2側板182Aの前縁部及び下縁部に側面視で一致している。外カバー部材193Aの上部は、第2側板182Aの上部の切欠き部182Cを覆っている。外カバー部材193Aの後縁部は、第2側板182Aの後縁部より前方に位置している。
図40に示すように、外カバー部材193Aの後縁部は、後支持フレーム147に固定された支持部材196にヒンジ197を介して縦軸回りに回転可能に支持されている。これにより、開閉ボンネット193が開閉可能とされている。外カバー部材193Aの後端部と第3カバー18Cの右端部との間は、コーナカバー198によって塞がれている。
図42に示すように、内カバー部材193Bは、点検穴182Bを塞いでいる。図40に示すように、内カバー部材193Bの外周部には、フランジ部193Cが設けられ、このフランジ部193Cに点検穴182Bの周囲に当接するシール部材193Dが設けられている。また、内カバー部材193Bの内面193E(原動機室ER側の面)は、オルタネータ199や燃料フィルタ等との干渉を避けるために機体外方に向けて凹設されている。また、内カバー部材193Bの内面193Eは、なだらか(滑らか)に形成されていて、原動機E1を冷却する冷却風の流れを阻害しない(整流する)。第2側板182A及び内カバー部材193Bは、原動機E1に近接して配置されている。これにより、原動機E1の右の側部を流れる冷却風の流れがよくなり、冷却効率の向上が図れる。
図34、図43に示すように、ボンネット上部183は、上カバー206と、上カバー206の下方に設けられた下カバー207とを有する。上カバー206は、メインカバー206Aと、メインカバー206Aの後方に設けられたリヤカバー206Bとを有する。
図43に示すように、前後方向K2において、メインカバー206Aは、前支持フレームの上方から第1下カバー取付部186の第3部位186C及び第2下カバー取付部195の第3部位195Cの手前までを覆っている。また、リヤカバー206Bは、メインカバー206Aの後端部から後支持フレーム147までを覆っている。
図34に示すように、機体幅方向K2において、上カバー206は、第1ボンネット側部181の上方から第2ボンネット側部182の右端部までを覆っている。また、上カバー206の左端側は、第1ボンネット側部181から運転席6側(機体内方)にはみ出している。また、上カバー206の右端側は、第2側板182Aから運転席6とは反対側(機体内方)にはみ出している。
図34、図43に示すように、リヤカバー206Bには、冷却風を排出させる排気部200が設けられている。排気部200は、外周枠材211と、複数の横枠材212A,212B,212Cとを有する。外周枠材211は、第1側材211Aと、第2側材211Bと、前材211Cと、後材211Dとを有する。第1側材211Aと第2側材211Bとは機体幅方向K2で間隔を開けて設けられている。前側材211Cと後材211Dとは前後方向K2で間隔を開けて設けられている。
複数の横枠材212A,212B,212Cは、外周枠211の内側であって、前材211Cと後材211Dとの間に前後方向K1に間隔を開けて設けられている。したがって、前材211Cと横枠材212Aとの間、横枠材212Aと横枠材212Bとの間、横枠材212Bと横枠材212Cとの間、横枠材212Cと後材211Dの間を空気の流通が可能である。
なお、排気部200の上方に、雨避け(水避け)のカバーを設けてもよい。
図43に示すように、前後方向K1において、下カバー207は、前支持フレーム146から第1下カバー取付部186の第3部位186C及び第2下カバー取付部194の第3部位194Cの上端にわたって設けられている。また、下カバー207は、第1下カバー取付部186及び第2下カバー取付部194の形状に沿って形成されている。下カバー207の前端部は、前支持フレーム146の上端に固定されている。下カバー207の中間部は、原動機E1の上部に近接していて、冷却効率の向上が図られている。また、下カバー207の後部は、上方に向けて延びていると共に前後に折れ曲がったジグザグ状に形成されている。
図34、図41に示すように、機体幅方向K2において、下カバー207は、第1下カバー取付部186から第2下カバー取付部194にわたって設けられている。下カバー207の機体幅方向K2の左端部が第1下カバー取付部186に固定され、右端部が第2下カバー取付部194に固定されている。また、本実施形態では、下カバー207は、前支持フレーム146から第2部位186B,194Bの後端に至る第1板材207Aと、第3部位184C,194Cの下端から上端に至る第2板材207Bとから形成されている。
下カバー207は、原動機E1の上部(原動機室ERの上部)を流れる冷却風の流れを阻害しない平坦な形状(あるいは冷却風の流れ方向に沿って表面形状が滑らかに変化する形状)に形成されている。即ち、下カバー207は、冷却風を良好に案内し、整流する。なお、下カバー207は、一枚の板材で形成されていてもよいし、3枚以上の板材によって形成されていてもよい。
ボンネット上部183は、上カバー206と下カバー207との二重構造であるので、原動機E1の音がボンネット16の外部に漏れるのを抑制することができる。
図43に示すように、下カバー207は、原動機室ERとメインカバー206Aとの間を仕切っており、下カバー207とメインカバー206Aとの間に、吸気室204が形成されている。即ち、吸気室204は、上カバー207と下カバー207とで仕切られた室である。
図33に示すように、吸気室204の左側面は、第1ボンネット側部181の上部によって形成されている。また、図42に示すように、吸気室204の右側面は、開閉ボンネット193の外カバー部材193Aの上部によって形成されている。
図43に示すように、吸気室204には、原動機E1に吸引される空気を浄化するエアクリーナ201が設けられている。なお、メインカバー206A等に、吸気室204に外気を取り入れる取入れ口が形成される。また、吸気室204に、原動機E1の冷却水を貯留可能なリザーブタンク等を設けてもよい。
図33、図43に示すように、原動機E1の後部には、該原動機E1から排出される排気ガス(以下、排ガスという)を浄化する排気ガス浄化装置202が設けられている。この排気ガス浄化装置202の上部には、浄化したガスを排出する排気口部203が設けられている。この排気口部203は、排気部200の下方に設けられている。また、排気口部203における排ガスの出口は上方を向いていて、排ガスは排気部200に向けて排出される。したがって、排ガスは原動機室ERの内部に排出されると共に、冷却風と混ざって排気部200からボンネット16の外部に排出される。なお、排気口部203に消音器を接続し、該消音器を介して排ガスを排気してもよい。
図41に示すように、ボンネット後部184は、板材によって形成されていて、第1ボンネット側部181と第2側板182Aとの後部間にわたって設けられている。また、ボンネット後部184は、第1後カバー取付部187と第2後カバー取付部195とにわたって設けられ、左端部は、第1後カバー取付部187の背面に固定され、右端部は、第2後カバー取付部195の背面に固定されている。
図35、図38に示すように、ボンネット後部184は、第1ボンネット側部181及び第2側板182Aの上端から下端にわたって設けられ、下端部184eは、第1ボンネット側部181及び第2側板182Aの下端から下方に突出している。また、ボンネット後部184は、側面視において、第1後カバー取付部187及び第2後カバー取付部19
5の形状に沿って形成されている。したがって、ボンネット後部184の上部は、下カバー207の後部に対向しており、且つ下カバー207の前方に向けて凹んだ部分に対応する部位が、前方に向けて突出状に形成されている。
本実施形態では、ボンネット後部184は、第1後カバー取付部187の上部187A及び第2後カバー取付部195の上部195Aに対応する上部板184Aと、中間部187B及び中間部195Bに対応する中間板184Bと、下部187C及び下部195Dに対応する下部板184Cによって形成されている。なお、ボンネット後部184は、一枚の板材で形成されていてもよいし、2枚又は4枚以上の板材によって形成されていてもよい。
図35に示すように、旋回基板9と第1側部ボンネット181との間には、第1仕切り体(仕切り体)208が設けられている。第1仕切り体208は、原動機E1の底部に配置されたオイルパン217の一側方に配置されている。第1仕切り体208は、原動機室ERの左下端部(底部)を構成しており、第1側部ボンネット181の下方から運転席6側に原動機E1の音が回り込むのを防止する。
第1仕切り体208は、前部及び中間部を構成する第1前仕切り部材(第1仕切り部材)208Aと、後部を構成する第1後仕切り部材208Bとを有する。第1前仕切り部材208Aは、第1前支柱146Aから横補強板216にわたって設けられている。
図21に示すように、横補強板216は、旋回基板9を補強する部材であって、旋回基板9の後部上面に機体幅方向K2に延伸して設けられている。第1前仕切り部材208Aは、オイルパン217の機体幅方向K2の一側方に配置されている。第1前仕切り部材208Aのオイルパン217側の面は、冷却風を案内する案内面218Lとされている。案内面218Lの前後方向K1の中間部は、オイルパン217に近接して設けられている。
図21、図35に示すように、第1後仕切り部材208Bは、横補強板216から第1後支柱147Aの手前まで設けられている。図44,図46に示すように、第1後仕切り部材208Bは、上壁219aと、下壁219bと、側壁219cとを有する。側壁219cは、上壁219aと下壁219bの左端部同士を連結している。下壁219bは、旋回基板9上に固定されている。
図38に示すように、旋回基板9と第2側板182Aとの間には、第2仕切り体(仕切り体)209が設けられている。第2仕切り体209は、オイルパン217の他側方に配置されている。第2仕切り体209は、原動機室ERの右下端部(底部)を構成しており、第2側部ボンネット182の下方から運転席6とは反対側に原動機E1の音が回り込んで漏れるのを防止する。
第2仕切り体209は、前部及び中間部を構成する第2前仕切り部材(第2仕切り部材)209Aと、後部を構成する第2後仕切り部材209Bとを有する。第2前仕切り部材209Aは、第2前支柱146Bから横補強板216にわたって設けられている。
図21に示すように、第2前仕切り部材209Aは、オイルパン217の機体幅方向K2の他側方に配置されている。第2前仕切り部材209Aのオイルパン217側の面は、冷却風を案内する案内面218Rとされている。案内面218Rの前後方向K1の中間部は、オイルパン217に近接して設けられている。
第1前仕切り部材208Aと第2前仕切り部材209Aとの機体幅方向K2の間隔は、前後部で広く、中途部で狭くなっている。この間隔が狭くなったところにオイルパン217が位置している。第1前仕切り部材208Aと第2前仕切り部材209との間の間隔が狭くなったところにオイルパン217が位置していることにより、オイルパン217の機体幅方向K2の両側方に流れる冷却風が良好に流れ、オイルパン21内のエンジンオイルを良好に冷却することができる。
図33に示すように、オイルパン217と旋回基板9との間隔も狭く、オイルパン217の下方を冷却風が良好に流れる。旋回基板9の原動機E1の下方には、開口部は形成されていなく、原動機E1の下部(原動機室ERの下部)を流れる冷却風は原動機E1の後方に流れる。
また、旋回基板9の原動機E1の下方に開口部が形成されていないので、機体2の右側
に原動機E1を配置したものであっても、第2走行装置3Rによって巻き上げられた埃が原動機室ERに侵入することはなく、第2走行装置3R上(クローラ上)の異物によりオイルパン217を損傷することもない。
図21、図38に示すように、第2後仕切り部材209Bは、横補強板216から第2後支柱147Bの手前まで設けられている。図44,図46に示すように、第2後仕切り部材209Bは、上壁220aと、下壁220bと、側壁220cとを有する。側壁220cは、上壁220aと下壁220bの右端部同士を連結している。下壁220bは、旋回基板9上に固定されている。
図33に示すように、原動機E1の背面下部にポンプハウジング210が取り付けられ、このポンプハウジング210に油圧ポンプP1が後方突出状に取り付けられている。したがって、油圧ポンプP1は、原動機E1における冷却風の流れ方向の下流側に取り付けられている。
図44、図45に示すように、油圧ポンプP1の下方には、案内部材213が設けられている。案内部材213は、油圧ポンプP1の下方から後方に延びていて冷却風を後方に案内する。案内部材213は、旋回基板9の後端側にまで延びている(図21参照)。案内部材213の前端部は、横補強板216を前後方向K1に貫通している。
案内部材213は、上部壁213Aと、第1立壁213Bと、第2立壁213Cとを有し、中空状に形成されている。上部壁213Aは、油圧ポンプP1の下方に位置し、前部は、油圧ポンプP1の真下に位置している。第1立壁213Bは、上部壁213Aの機体幅方向K2の一端部(左端部)から下方に延びていて、下端が旋回基板9(機体2)に固定されている。第2立壁213Cは、上部壁213Aの機体幅方向K2の他端部(右端部)から下方に延びていて、下端が旋回基板9(機体2)に固定されている。案内部材213は、前方及び後方に開放状とされ、下方は、旋回基板9によって閉塞されている。したがって、原動機E1の下部から後方に流れてきた冷却風は、案内部材213の中を通って機体2(旋回基板9)の後部に案内される。原動機E1に対して油圧ポンプP1を着脱する際に、案内部材213の上部壁213Aで油圧ポンプP1を支持した状態で油圧ポンプP1を移動させることができる。これにより、油圧ポンプP1の着脱を容易にすることができる。
ポンプハウジング210に油圧ポンプP1を取付ける場合、上部壁213Aに油圧ポンプP1を支持し、且つ該上部壁213Aに支持した状態で油圧ポンプP1を移動させることが可能である。また、ポンプハウジング210から油圧ポンプP1を取り外すときも同様に、上部壁213Aに油圧ポンプP1を支持可能である。これにより、油圧ポンプP1の着脱を容易に行える。
図44、図46に示すように、第1立壁213Bの前部の左面には、第1当て板221Lが固定されている。第1当て板221Lは、第1後仕切り部材208Bの後部と対向する位置に設けられている。第2立壁213Cの前部の右面には、第2当て板221Rが固定されている。第2当て板221Rは、第2後仕切り部材209Bの後部と対向する位置に設けられている。
図44に示すように、案内部材213の機体幅方向K2の一側(左側)に第1仕切り板214Lが設けられ、他側(右側)に第2仕切り板214Rが設けられている。第1仕切り板214L及び第2仕切り板214Rは、板面が前後を向くように配置されている。
図46に示すように、第1仕切り板214Lは、第1後仕切り部材208B及び第1当て板221Lの後端に固定されている。第2仕切り板214Rは、第2後仕切り部材209B及び第2当て板221Rの後端に固定されている。
図37に示すように、第1仕切り板214L及び第2仕切り板214Rには、ボンネット後部184の下部が接続されている。詳細には、第1仕切り板214Lの背面の上部には、ボンネット後部184の下端部184eの左部184e1が固定され、第2仕切り板214Rの背面の上部には、ボンネット後部184の下端部184eの右部184e2が固定されている。
原動機室ERの後部は、後支持フレーム147、ボンネット後部184、第1仕切り板
214L及び第2仕切り板214Rによって構成された壁体で仕切られている。この壁体の後方には、第4カバー体18が設けられている。この第4カバー体18は、ボンネット後部184の後方に設けられた部材である作動油タンクT2及び燃料タンクT1等を覆う後部カバー体である。
ボンネット後部184を含む上記壁体及び第4カバー体18によって、原動機E1の後方が2重構造の遮音構造とされ、原動機E1の音が原動機室ERから外部に伝わるのを抑制することができる。
上記したように、原動機室ERの周囲を2重構造の遮音構造とし、2重構造の内壁を平坦または冷却風の流れ方向に沿って表面形状が滑らかに変化する形状にすることで冷却効率を高めてヒートバランスの向上を図ることができる。また、吸音材を、廃止もしくは最小限にすることができる。また、冷却ファンF1の回転数低下による騒音低減も見込める。
図43に矢印で示すように、冷却ファンF1によって発生した冷却風であって、原動機室ERの上部を流れる冷却風は、下カバー207の下方を流れて該下カバー207の後部に至る。下カバー207の後部に流れてきた冷却風は、下カバー207の後部(第2板材207B)とボンネット後部184の上部(上部板184A)との間を上昇し、排気部200からボンネット15の外部に排出される。
即ち、原動機室ERの上部には、原動機E1とボンネット上部183との間を流れる冷却風をボンネット上部183を通過させて外部に排出させる第1冷却ルート(第1冷却通路)226が形成されている。この第1冷却ルート226は、下カバー207の後部とボンネット後部184の上部とで形成されていて冷却風を排気部200に導く排気路228を有する。この排気路228は、原動機E1と原動機室ERの天井部との間を流れる冷却風を原動機室ERの外部に排出する第1排出部である。この排気路228に、原動機E1の排ガスが排出口部203を介して排出され、冷却風と排ガスが第1排出部を介して原動機室ERの外部に排出される。
本実施形態では、第1冷却ルート226は、第1ボンネット側部181の上部、第2ボンネット側部182の上部、下カバー207、ボンネット後部184の上部及び排気部200を有して構成されている。
図33に矢印で示すように、冷却ファンF1によって発生した冷却風であって、原動機室ERの下部を流れる冷却風は、原動機E1と旋回基板9との間及び原動機E1の両側方を通って後方に流れる。図45に矢印で示すように、原動機E1の後方に流れてきた冷却風は、案内部材213の中を通って原動機E1の後方に流れる。この案内部材213は、原動機E1と原動機室ERの底部との間を流れる冷却風を原動機室ERの外部に排出する第2排出部である。
即ち、原動機室ERの下部には、原動機E1と旋回基板9との間を流れる冷却風を原動機E1の後方へ流す第2冷却ルート227が形成されている。
第2冷却ルート227は、第1ボンネット側部181の下部、第2ボンネット側部182の下部、旋回基板9、第1仕切り体208、第2仕切り体209及び案内部材213等を有して構成されている。
図45に示すように、油圧ポンプP1は、ポンプ仕切り222によって覆われていて、原動機室ERから隔離され(仕切られ)ている。したがって、ポンプ仕切り222によって原動機室ERと油圧機器配置部13(第2配置部13B)とが仕切られ、油圧ポンプP1は、油圧機器配置部13に位置する。このポンプ仕切り222は、ボンネット後部184及び横補強板216と共に、原動機室ERにおける、原動機E1上を流れる冷却風の流れ方向の下流側の壁部である下流側壁部を構成している。第1排出部は、原動機室ERの天井部、下流側壁部、または原動機室ERの底部と下流側壁部との間に設けられる。また、第2排出部は、原動機室ERの底部、下流側壁部、または原動機室ERの底部と下流側壁部との間に設けられる。また、第2排出部を構成する案内部材213は、下流側壁部における第1仕切り体208と第2仕切り体209との間の領域に対応する位置を貫通して油圧ポンプP1の下方を通って配置されている。
また、ポンプ仕切り222は、油圧ポンプP1を包囲する筒状であって、原動機E1(ポンプハウジング210)とボンネット後部184との間に設けられている。ポンプ仕切り222は、弾性部材によって形成されている。また、ポンプ仕切り222は、油圧ポンプP1を取り囲む周壁222Aを有する。周壁222Aの前端部には、径内側に延出する鍔部222Bが設けられ、鍔部222Bの内側には、取付板224が設けられている。取付板224は、ボルト等によってポンプハウジング210の背面210aに固定されている。取付板224の外周部に周壁222Aの前部が嵌められて取り付けられている。周壁222Aの後部は、ボンネット後部181に形成された挿通穴223の縁部に嵌められて取り付けられている。したがって、ポンプ仕切り222は挿通穴223から原動機室ER側に突出している。
周壁222Aの前部には、前後方向K1に伸縮可能な蛇腹部222Cが設けられていて、ポンプ仕切り222は前後方向K1に容易に形状変化(延び縮み)する。
ポンプ仕切り222は、後方に開放状とされていて、油圧ポンプP1の後部がポンプ仕切り222から後方(油圧機器配置部13の第2配置部13B)に突出している。
ポンプ仕切り222によって、油圧ポンプP1を砂塵から保護することができ、サービス性が向上する。
次に、図47、図48を参照して作動油タンクT2の構造を説明する。
作動油タンクT2は、作動油を貯留するタンク本体28を有する。タンク本体28は、上壁28Aと、上壁28Aの下方に位置する下壁28Bと、上壁28Aと下壁28Bとを連結する複数の縦壁(第1縦壁28C〜第7縦壁28I)とを有する。タンク本体28は角柱状を呈しており、複数のコーナ部を有する。本実施形態では、作動油タンクT2は、縦長の直方体形状(四角柱状)に形成されている。
上壁28Aは、該上壁28Bを貫通して形成された開口33有する。上壁28Bの上面の開口33の周囲には、取付座34が設けられている。取付座34には、開口33を塞ぐタンクカバーが取り付けられる。
下壁28Bには、ドレンパイプ35が取り付けられている。ドレンパイプ35は、栓部材によって開閉可能に塞がれる。下壁28Bの下面には、旋回基板9上に固定された取付台に取り付けられる取付板36が固定されている。
第1縦壁28C〜第7縦壁28Iは、上下方向に延伸する壁部である。第1縦壁28Cは、正面側の壁部である。第2縦壁28Dは、背面側の壁部であり、第1縦壁28Cに対向している。
第3縦壁28Eは、右の壁部であり、第1縦壁28Cから第2縦壁28Dに向かう方向に沿って形成されている。第4縦壁28Fは、左の壁部であり、第3縦壁28Eに対向している。第5縦壁28Gは、第1縦壁28Cと第3縦壁28Eとを連結する壁部であり、タンク本体28の四隅の一角である第1コーナ部(右前のコーナ部)を構成している。第5縦壁28Gは、第1縦壁28C及び第3縦壁28Eに対して傾斜している。
第6縦壁28Hは、第2縦壁28Dと第3縦壁28Eとを連結する壁部であり、タンク本体28の四隅の他の一角である第2コーナ部(右後のコーナ部)を構成している。第6縦壁28Hは、第2縦壁28D及び第3縦壁28Eに対して傾斜している。第7縦壁28Iは、第2縦壁28Dと第4縦壁28Fとを連結する壁部であり、タンク本体28の四隅のさらに他の一角である第3コーナ部(左後のコーナ部)を構成している。第7縦壁28Iは、第2縦壁28D及び第4縦壁28Fに対して傾斜している。
第1縦壁28Cと第4縦壁28Fとのコーナ部である第4コーナ部(左前のコーナ部)28Jは、直角に形成されている。
作動油タンクT2は、タンク本体28の内部を、上部側の上室28Kと下部側の下室28Lとに仕切る隔壁31を有する。隔壁31は、タンク本体28の上下方向の略中央部に設けられている。また、隔壁31は、中央部に、該隔壁31を上下に貫通して形成された挿通穴32を有する。
挿通穴32には、上下方向の軸心を有する筒状の通路形成部材37が挿通されている。通路形成部材37の上部には、リング状の取付板39が固定されている。取付板39は、
隔壁31の上面に固定されていると共に通路形成部材37と挿通穴32との隙間を塞いでいる。通路形成部材37の内周面は、上室28Kと下室28Lとを連通するメイン通路38とされている。
隔壁31は、平面視略矩形に形成され、四隅に斜めにカットして形成された第1角縁部31a〜第4角縁部31dを有する。第1角縁部(縁部)31aは、第1コーナ部(第5縦壁28G)に対応し、第2角縁部(縁部)31bは、第2コーナ部(第6縦壁28G)に対応し、第3角縁部(縁部)31cは、第3コーナ部(第7縦壁28I)に対応し、第4角縁部(縁部)31dは、第4コーナ部28Jに対応している。
第1角縁部31aと第1コーナ部との間には第1通路40Aが形成され、第2角縁部31bと第2コーナ部との間には第2通路40Bが形成され、第3角縁部31cと第3コーナ部との間には第3通路40Cが形成され、第4角縁部31dと第4コーナ部28Jとの間には第4通路40Dが形成されている。第1通路40A〜第4通路40Dは、隔壁31の縁部とタンク本体28の内面とで形成された隙間(隙間通路)であり、上室と下室と連通させる。
第1縦壁28Cには、リターンパイプ29と、サクションパイプ30とが取り付けられている。リターンパイプ29は、油圧機器に使用されて作動油タンクT1(タンク本体28)に戻ってくる戻りの作動油をタンク本体28内に流入させるパイプである。サクションパイプ30は、油圧ホース、継手等を介して油圧ポンプP1に接続され、該油圧ポンプP1に吸引される下室28Lの作動油をタンク外部に流出させる。
リターンパイプ29は、メイン通路38に対して第1縦壁28Cの壁面に沿う水平方向にオフセットしている。詳しくは、リターンパイプ29は、メイン通路38より第3縦壁28Eに且つメイン通路38から外れた位置にオフセットしている。すなわち、リターンパイプ29は、リターンパイプ29から上室28K内に流入する作動油の流れ方向(リターンパイプ29の流出口29aにおける管軸方向)がメイン通路38に向かう方向とは異なる方向を向くように配置されている。
リターンパイプ29は、戻りの作動油が入ってくる流入口29aと、作動油を上室28Kに流入させる流出口29bとを有する。リターンパイプ29の流入口29a側の管部29dは、上方側を向いている。リターンパイプ29の流出口29b側の管部29cは、水平方向に設けられている。また、管部29cは、第1縦壁28Cに略直交する方向に設けられている。また、管部29cは、隔壁31の若干上方側(近傍)で第1縦壁28cを貫通し且つ第1縦壁28cに固定されている。
流出口29b(リターンパイプ29)は、作動油の流れ方向が第2縦壁28Dを向き且つメイン通路38から第3縦壁28E側に偏倚した方向になるように配置されている。また、流出口29b(リターンパイプ29)は、作動油の流れ方向がメイン通路38に向う方向Y4に対して水平方向に所定角度傾斜した方向を向くように構成されていてもよい。
また、流出口29bは、メイン通路38の中央X3を通る水平方向の線Y3に平行な方向を向き且つメイン通路38から外れた位置に戻りの作動油を流出させるようになっていてもよい。なお、図例では、線Y3は、第1縦壁28Cと直交する線(第3縦壁28Eに平行な線)を示しているが、これに限定されることはない。
また、流出口29bは、上室28Kの上下方向の中央部より隔壁31に近づけて配置されている。これにより、作動油の油面が下がった場合に、流出口29bが油面より上に露出するのを防止している。
サクションパイプ30は、上下方向において、下壁28Bと隔壁31の中央より隔壁31寄りに設けられている。また、サクションパイプ30は、機体幅方向K2において、タンク本体28の機体幅方向K2の中央より第4縦壁28F寄りに設けられている。サクションパイプ30の吸入口30a側は、メイン通路38と平面視で一部オーバーラップしている。吸入口30aは、第2縦壁28Dを向いている。
流出口29bから上室28Kに流入する戻りの作動油は、メイン通路38の周囲を流れる作動油の流れ(タンク本体28の縦壁の壁面に沿った流れ)を生じさせ、戻りの作動油が上室28K内の作動油と良好に混ざり合う。
上室28Kの作動油は、下室28Lの作動油が油圧ポンプP1によって吸引されることにより、タンク本体28の中央部のメイン通路38と四隅の隙間通路(第1通路40A〜第4通路40D)とから下室28Lに流入し、下室28Lの作動油と良好に混ざり合う。
メイン通路38の周囲を流れる作動油の流れと、メイン通路38及び四隅の隙間通路から下室28Lに流れる作動油の流れとによって、作動油が良好に混ざり合い、作動油の温度むらを抑制することができる。また、隔壁31によって、タンク本体28が補強される。
また、第1コーナ部28G、第2コーナ部28H及び第3コーナ部28Iが傾斜状である(面取りされている)ので、タンク本体28の縦壁の壁面に沿った作動油の流れを生じさせやすい。また、タンク本体28の隅部に、よどみが形成されるのを抑制することができる。
また、油圧ポンプP1が吸引を停止したとき、下室28L内の作動油に混入している気泡は、メイン通路38と第1通路40A〜第4通路40Dを介して上室28Kに良好に抜ける。また、作動油タンクT2が傾いていても、下室28L内の作動油に混入した気泡は、タンク本体28の四隅の隙間通路のいずれかから抜ける。
本実施形態の作業機1は、以下の効果を奏する。
作業機1は、機体2と、機体2の幅方向K2の一側部に搭載された、運転席6と操縦装置41とを有する運転部42と、機体2の幅方向K2の他側部に搭載された原動機E1と、運転部42と原動機E1との間に設けられていて油圧機器が配置される油圧機器配置部13と、を備えている。
この構成によれば、油圧機器配置部13に配置された油圧機器にアクセスするのに運転部42が妨げとはならない。即ち、油圧機器に容易にアクセスすることができる。
また、機体2は、上下方向に延伸する旋回軸心X1回りに旋回可能であり、運転部42は、旋回軸心X1を通り且つ前後方向K1に延伸する中央線Y1より機体幅方向K2の一側部寄りに配置され、原動機E1は、中央線Y1より機体幅方向K2の他側部寄りに配置されていてもよい。
この構成によれば、機体2の幅方向K2のバランスを良好にすることができる。
また、油圧機器配置部13に配置される油圧機器は、作動油を流通させるスイベルジョイントS1と、機体2を旋回させる旋回モータM3と、複数の油圧アクチュエータを制御するコントロールバルブV1とを含んでいてもよい。
この構成によれば、運転部42を下ろさずに、スイベルジョイントS1、旋回モータM3及びコントロールバルブV1にアクセスすることが可能である。
また、機体2は、上下方向に延伸する旋回軸心X1回りに旋回可能であり、スイベルジョイントS1は、旋回軸心X1位置に配置され、旋回モータM3はスイベルジョイントS1の前方に配置され、コントロールバルブV1は、スイベルジョイントS1の後方に配置されていてもよい。
この構成によれば、スイベルジョイントS1、旋回モータM3及びコントロールバルブV1を油圧機器配置に機体幅方向K2にコンパクトに収めることができ、機体2の幅方向K2の大型化を抑制することができる。
また、油圧機器配置部13に配置される油圧機器は、当該油圧機器の少なくとも一部が運転部42よりも(機体幅方向K2の)他側部側に配置されていてもよい。この構成によれば、運転部42を下ろさずに油圧機器にアクセスすることができる。
また、制御装置U1を油圧機器配置部13に設けてもよい。
この構成によれば、運転部42を下ろさずに制御装置U1にアクセスすることができる。即ち、制御装置U1に容易にアクセスすることができる。
また、原動機E1の燃料を貯留する燃料タンクT1と、油圧アクチュエータを作動させる作動油を貯留する作動油タンクT2とを備え、燃料タンクT1と作動油タンクT2とは、機体2における運転部42より後方に、機体幅方向K2で並べて搭載されていてもよい。
この構成によれば、燃料タンクT1と作動油タンクT2とを、運転部42より後方に配
置することにより、作業機1の重量バランスを良好にすることができる。また、燃料タンクT1と作動油タンクT2とを、高さが高く且つ水平方向の断面積の小さい形状(縦長形状)に形成することができ、機体2に幅方向K2にコンパクトに配置することができる。
また、機体2に前方突出状に設けられた支持ブラケット20と、支持ブラケット20に、揺動可能に支持されたスイングブラケット21と、スイングブラケット21を揺動させるスイングシリンダC2と、を備え、スイングシリンダC2は、一端側がスイングブラケット21に取り付けられ、他端側が運転部42の下方で機体2に取り付けられていてもよい。
この構成によれば、スイングシリンダC2を運転部42の下方にコンパクトに配置することができる。
また、原動機E1の前方に配置されたラジエータR1と、ラジエータR1と原動機E1との間に配置されていて後方に流れる冷却風を発生する冷却ファンF1と、ラジエータR1を覆うカバー体(第1カバー体15)であって、前部の側面に該カバー体内に外気を取り入れる外気取入口19を有するカバー体とを備えていてもよい。
この構成によれば、作業機1を前進させているときに、例えば、樹木の枝等の障害物が外気取入口19に刺さるのを防止することができる。
作業機1は、上下方向に延伸する旋回軸心X1回りに旋回可能な機体2と、機体2の一側部に搭載された運転席6と、機体2の他側部に配置された原動機E1と、運転席6より後方で機体2に搭載された燃料タンクT1と、を備え、燃料タンクT1は、機体幅方向K2に沿った幅および機体前後方向K1に沿った幅よりも高さ方向の幅の方が広い。
この構成によれば、燃料タンクT1を運転席6より後方に設けることで、高さ方向の制約が解消され、高さの高い且つ水平方向の断面積の小さい形状の(縦長形状の)燃料タンクT1を形成することができる。これによって、機体2が傾いた場合であっても燃料タンクT1内の燃料を有効に使用することができる。
また、燃料タンクT1は、機体幅方向K2に沿った幅と機体前後方向K1に沿った幅との和よりも高さ方向の幅の方が広い形状であってもよい。
この構成によれば、燃料タンクT1は、高さを高くして水平方向の断面積を小さくすることができるので、燃料タンクT1内の燃料をより有効に使用できる。
また、燃料タンクT1の後方に配置されたウエイト10を備え、燃料タンクT1は、ウエイト10に対向するように配置されていてもよい。
この構成によれば、縦長形状の燃料タンクT1をウエイト10によって有効に保護することができる。
また、燃料タンクT1の後端面の略全域がウエイト10に対向していてもよい。この構成によれば、燃料タンクT1をウエイト10によってより有効に保護することができる。
また、燃料タンクT1の側方、且つウエイト10に対向する位置に、油圧アクチュエータを駆動する作動油を貯留する作動油タンクT2を備えていてもよい。この構成によれば、燃料タンクT1と作動油タンクT2とをウエイト10によって有効に保護することができる。
また、機体2は、燃料タンクT1の側方に設けられたステップ49を有していてもよい。
この構成によれば、燃料タンクT1を縦長形状に形成しても、燃料タンクT1横のステップ49に乗ることで、燃料タンクT1に燃料を容易に給油することができる。また、メンテナンス等の作業を容易にすることができる。
また、ステップ49の下方に配置されていて、燃料タンクT1に燃料を補給する燃料給油装置57を備えていてもよい。
この構成によれば、燃料給油装置57に容易にアクセスすることができると共に、縦長形状の燃料タンクT1に対して燃料を容易に補給することができる。
作業機1は、機体2と、機体2に搭載された、運転席6と操縦装置41とを有する運転部42と、運転部42より後方に配置された後部搭載部材と、後部搭載部材の側面であって運転部42の後方且つ後部搭載部材の側方に設けられた床面(ステップ49)とを備え
、床面の上方空間(スペース46)が機体外部に開放されている。
この構成によれば、運転部42の後方に機体外部に開放されたスペース46を形成でき、このスペース46を有効利用することができる。例えば、ステップ49上に乗って、清掃作業やメンテナンス作業、給油作業等をすることができる。
また、運転部42はキャビン5内に配置されており、キャビン5は、後部窓52を有し、後部窓52は、キャビン5と前記空間(スペース46)とを連通させる位置に設けられていてもよい。
この構成によれば、キャビン5の通気性・換気性を向上させることができる。また、後部窓52を通してキャビン5の室外を見る際の視界性が向上する。
また、後部搭載部材は、機体2の後部に搭載されたウエイト10と、ウエイト10と運転部42との間に設けられたカバー部材(第1カバー18A)とを有し、前記空間(スペース46)における機体幅方向K2の一側である第1形成面47は、ウエイト10の側面とカバー部材の側面とで規定されていてもよい。
この構成によれば、運転部42の後方のスペース46を容易に形成することができる。
また、第1形成面47は、運転部42の機体幅方向K2の中央部より機体2の幅方向K2の中央部寄りに位置していてもよい。
この構成によれば、スペース46の幅を広くすることができる。
また、運転部42は、機体外方側の側面にドア53を備えており、ドア53の少なくとも一部は開放時に前記空間に収容されてもよい。
この構成によれば、ドア53を開放した時に機体2の旋回軌道内に収容することができるので、ドア53が機体周辺の物体に接触して破損するリスクを低減できる。
作業機1は、上下方向に延伸する旋回軸心X1回りに旋回可能な機体2と、機体2に搭載された、運転席6と操縦装置41とを有する運転部52と、機体2に前方突出状に設けられた支持ブラケット20と、支持ブラケット20にスイング軸26を中心として水平方向に回動可能に支持されたスイングブラケット21と、スイングブラケット21に上下方向に揺動可能に枢支されたブーム22とを備え、運転部42は、旋回軸心X1を通り且つ前後方向に延伸する中央線Y1より機体幅方向K2の一方側に配置されており、スイング軸26は、運転部42よりも機体幅方向K2の他方側に位置している。
この構成によれば、旋回軸心X1を通り且つ前後方向に延伸する中央線Y1に対して機体幅方向K2の一側部にキャビン5が設けられており、スイング軸26は運転部42よりも機体幅方向K2の他方側に位置している。即ち、運転部42の側方であってブーム22を配置した側に中央線Y1が位置している。これによって、ブーム22を中央線Y1に近づけて配置することができ、作業機1の機体幅方向K2の重量バランスを向上させることができる。
また、スイング軸26の軸心X2を通る前後方向の線Y2と、運転部42の前記他方側の側面との間に中央線Y1が位置していてもよい。
この構成によれば、支持ブラケット20、スイングブラケット21及びブーム22を中央線Y1の近くに配置することができ、作業機1の機体幅方向K2の重量バランスを向上させることができる。
また、スイングブラケット21は、ブーム22が機体正面方向を向いている状態のときに当該スイングブラケット21の一部が中央線Y1とオーバーラップする位置に配置されていてもよい。
この構成によっても、支持ブラケット20、スイングブラケット21及びブーム22を中央線Y1の近くに配置することができ、作業機の機体幅方向K2の重量バランスを向上させることができる。
また、機体2における中央線Y1に対して機体幅方向K2の他側部に配置された原動機E1を備え、スイング軸26の軸心X2を通る前後方向K1の線Y2が原動機E1と運転部42との間を通る構成であってもよい。
上記の構成によれば、機体2の一側部にキャビン5が配置され、機体2の他側部に原動
機E1が配置され、キャビン5と原動機E1との間の前方にスイングブラケット21及びブーム22の基部22Aが位置するので、機体2の幅方向K2の重量バランスを良好にすることができる。
また、ブーム22の位置とスイングブラケット21の支持ブラケット20に対する回転角度とを検出する検出装置45と、検出装置45の検出信号を取得すると共に、ブーム22を制御する制御装置U1と、を備え、制御装置U1は、ブーム22が運転部42に干渉する前にブーム22を停止させてもよい。
この構成によれば、ブーム22が運転部42に干渉するのを防止することができる。
作業機1は、運転席6と、運転席6の前方に配置された操縦台81と、操縦台81に設けられ、且つ把持して操作される操縦部材82と、操縦台81から運転席6側に延びる肘置き部材83と、を備えている。
この構成によれば、運転者は、操縦部材82を把持して操作する際、肘置き部材83に肘をついて操縦部材82を操作することができる。これにより、長時間操作による運転者の疲労を軽減することができる。
また、運転席6の前方に設けた操縦台81に、操縦部材82と肘置き部材83とを設けることにより、運転者は、運転席6に座した状態において前傾姿勢で操縦部材82を操作することとなる。これにより、例えば、運転席6をキャビン5内に設けた作業機1においては、運転者の顔が、フロントガラスに近づくので、視界性が向上する。また、肘置き部材83が運転席6の側方にないので、肘置き部材83が、身体幅の自由度の制約となることがない。
また、操縦台81は、基台86と、基台86に上下位置調整可能に支持された取付台93とを有し、操縦部材82及び肘置き部材83は、取付台93に設けられていてもよい。
この構成によれば、操縦部材82及び肘置き部材83の高さを、運転者の身長に対応して調整することができる。
また、操縦部材82は、第1操縦ハンドル82Lと、第1操縦ハンドル82Lの側方に位置する第2操縦ハンドル82Rとを含み、肘置き部材83は、第1操縦ハンドル82Lの後側から後方に延びる第1アームレスト83Lと、第2操縦ハンドル82Rの後側から後方に延びる第2アームレスト83Rとを含み、第1アームレスト83Lと第2アームレスト83Rとは、後方に行くに従って相互間隔が広がるように互いの対向面が傾斜状に設けられていてもよい。
この構成によれば、運転者は、胴体から肘を遠ざけて、(肘を張った)楽な姿勢で第2操縦ハンドル82R及び第2操縦ハンドル82Rを操作することができる。また、第1アームレスト83Lと第2アームレスト83Rとの機体幅方向K2の間隔を広く採ることができる。
また、走行装置3と、運転席6を支持する床部5Bと、床部5Bに設けられ、足踏み操作により走行装置3を操作する走行操作部材85と、を備え、走行操作部材85は、第1アームレスト83Lの下方に位置する第1走行ペダル85Lと、第2アームレスト83Rの下方に位置する第2走行ペダル85Rとを含んでいてもよい。
この構成によれば、運転者は、運転席6の前方側で肘をついて第1操縦ハンドル82L及び第2操縦ハンドル82Rを把持し、且つ第1アームレスト83Lの下方の第1走行ペダル85Lに一方の脚を置き、第2アームレスト83Rの下方の第2走行ペダル85Rに他方の足を置いた姿勢で操作する。即ち、運転者は、従来より、ひざを曲げた姿勢となり、伸長の高い運転者ほど、上体が上に移動する姿勢となる。これにより、運転席6の前後位置の調整範囲を小さくすることができる。即ち、運転席6の前後位置を調整する装置をコンパクトにすることができる。また、例えば、運転席6をキャビン5に設けた作業機1においては、キャビン5の前後方向K1の寸法をコンパクトにすることができる。
また、操縦台81は、基台86と、基台86の上部に設けられた取付台93とを有し、取付台93は、第1操縦ハンドル82L及び第2操縦ハンドル82Rが取り付けられた主部93Aと、主部93Aの機体幅方向の一側部から後方に延びると共に第1アームレスト83Lが取り付けられた第1延出部93Lと、主部93Aの機体幅方向の他側部から後方
に延びると共に第2アームレスト83Rが取り付けられた第2延出部93Rとを有していてもよい。
この構成によれば、第1アームレスト83L及び第2アームレスト83Rを容易に支持することができると共に、第1アームレスト83L及び第2アームレスト83Rの支持強度を確保することができる。
また、運転席6は、座部6Aと、背もたれ部6Bとを有し、座部6Aと第1延出部93Lとが上下方向で一部オーバーラップし、座部6Aと第2延出部93Rとが上下方向で一部オーバーラップしていてもよい。
この構成によれば、運転席6が操縦台81に近づき、運転席6及び操縦台81を含む運転部42をコンパクトに構成することができる。
また、肘置き部材83は、操縦台81に前部が枢支されていて後部が上方に揺動可能であってもよい。
この構成によれば、運転者の乗り降りの容易化を図ることができる。
また、運転席6の前後位置を調整するスライドレール78であって、運転席6を後方に行くに従って上方に移行する傾斜方向に位置調整可能なスライドレール78を備えていてもよい。
この構成によれば、運転席6の前後位置を調整することにより、運転席6の上下位置も同時に調整することができる。また、運転席6の前後位置の調整と上下位置の調整とを同時に行うことにより、運転者の身長に対応した運転席6の調整を、前後方向に小さい移動範囲で行うことができ、運転席6の前後位置を調整する装置をコンパクトにすることができる。また、例えば、運転席6をキャビン5内に設けた作業機においては、キャビン5の前後方向K1の寸法をコンパクトにすることができる。
また、揺動操作可能な操作レバー(ドーザレバー80)と、操作レバーの揺動を規制するレバー規制機構133と、を備え、操縦台81は、基台86と、基台86の上部に設けられていて操作レバーが取り付けられる取付台93とを有し、レバー規制機構133は、操作レバーの揺動に追従して動く連動部材(ロッド部材135)と、連動部材を付勢して操作レバーを揺動位置から中立位置に戻す中立バネ141とを有し、連動部材は、取付台93の下面側に沿って配置され且つ該下面に沿う方向に所定範囲で動き、中立バネ141は、連動部材に沿って設けられていてもよい。
この構成によれば、レバー規制機構133の上下幅を薄くすることができる。これにより、取付台93の下方空間を広くすることができ、例えば、操作レバーの下方にペダルを設けた場合に、運転者の脚を配置するスペースを確保することができる。
作業機1は、床部5Bと、床部5B上に配置された運転席6と、運転席6の側方の床部5B上に設けられていて運転者が足を置く足置き部79と、を備えている。
この構成によれば、運転者は、膝より後方に足を位置させた状態に脚を曲げて休めることができる。
また、走行装置3と、足置き部79の前方に設けられ、足踏み操作により走行装置3を操作する走行操作部材85と、を備えていてもよい。
この構成によれば、足置き部79と走行操作部材85の相互間の足の移動が容易に行える。
また、足置き部79は、運転席6の一側方に位置する第1部分79Lと、運転席6の他側方に位置する第2部分79Rとを含み、走行操作部材85は、第1部分79Lの前方に位置する第1走行ペダル85Lと、第2部分79Rの前方に位置する第2走行ペダル85Rとを含んでいてもよい。
この構成によれば、第1部分79Lと第1走行ペダル85Lの相互間の足の移動及び第2部分79Rと第2走行ペダル85Rの相互間の足の移動が容易である。
また、運転者が運転席6に座ったままの状態で、第1走行ペダル85Lから第1部分79Lへ床部5B上を一方の足を移動可能であり、第2走行ペダル85Rから第2部分79Rへ床部5B上を他方の足を移動可能である。
この構成によれば、第1走行ペダル85Lと第1部分79Lとの間の足の移動及び第2
走行ペダル85Rと第2部分79Rとの間の足の移動を容易に行える。
また、運転席6の前方に配置された操縦台81と、操縦台81に設けられていて把持して操作される操縦部材82とを備え、操縦台81は、床部5Bに立設された基台86と、基台86の上部に取り付けられた取付台93とを有し、操縦部材82は、取付台93の機体幅方向K2の一側に設けられた第1操縦ハンドル82Lと、取付台93の機体幅方向K2の他側に設けられた第2操縦ハンドル82Rとを含み、走行操作部材85は、取付台93の機体幅方向K2の一側部の下方に設けられた第1走行ペダル85Lと、取付台93の機体幅方向K2の他側部の下方に設けられた第2走行ペダル85Rとを含んでいてもよい。
この構成によれば、運転席6の前方の操縦台81側に位置する第1走行ペダル85L及び第2走行ペダル85Rから運転席6の側方の床部5B上の足置き部79に足を移動させることにより、運転者は、運転席6の側方であって、膝より後方に足を位置させた状態に膝を曲げて脚を休めることができる。
また、運転席6の前後位置を調整するスライドレール78であって、運転席6を後方に行くに従って上方に移行する傾斜方向に位置調整可能なスライドレール78を備えていてもよい。
この構成によれば、スライドレール78に沿って運転席6を移動させることにより、運転席6の前後位置と上下位置とを同時に調整することができる。また、運転席6の前後位置及び上下位置を調整する装置をコンパクトにすることができる。また、例えば、運転席6をキャビン5内に設けた作業機1においては、キャビン5の前後方向K1の寸法をコンパクトにすることができる。
作業機1は、運転席6と、走行装置3と、足踏み操作により走行装置3を操作する走行操作部材85と、を備え、走行操作部材85は、運転席6の機体幅方向の一側部の前方に配置された第1走行ペダル85Lと、運転席6の機体幅方向K2の他側部の前方に配置された第2走行ペダル85Rとを含む。
この構成によれば、運転者は、左と右の脚の間隔を広げた状態で第1走行ペダル85L及び第2走行ペダル85Rを操作することができる。これにより、第1走行ペダル85L及び第2走行ペダル85Rの操作性を向上させることができる。
また、第1走行ペダル85Lと第2走行ペダル85Rとの間隔は、前方に行くに従って漸次広くなっていてもよい。
この構成によれば、運転者は、楽な姿勢でペダルの操作を行うことができ、第1走行ペダル85L及び第2走行ペダル85Rの操作性を向上させることができる。
また、第1走行ペダル85L及び第2走行ペダル85Rは、前方に行くに従って下方に移行する傾斜状であってもよい。
この構成によれば、例えば、運転席6を第1走行ペダル85L及び第2走行ペダル85Rに近づけて操作する場合、ペダルが前下がり傾斜状であるので、足首の屈曲を小さくすることができ、ペダル上に足を楽に載せることができると共に、ペダルの踏み込み操作が容易に行える。
また、第1走行ペダル85Lの上面側に位置していて第1走行ペダル85Lを前後に揺動可能に支持する第1ペダル軸104Lと、第2走行ペダル85Rの上面側に位置していて第2走行ペダル85Rを前後に揺動可能に支持する第2ペダル軸104Rと、を備えていてもよい。
この構成によれば、土踏まずを第1ペダル軸104L、第2ペダル軸104Rに合わせて、第1走行ペダル85L及び第2走行ペダル85Rに足を載せることにより、傾斜地などでも、足の踏ん張りが効き、疲れにくい。
また、第1ペダル軸104Lは、第1走行ペダル85Lの前後方向K1の中央部より後方に設けられ、第2ペダル軸104Rは、第2走行ペダル85Rの前後方向K1の中央部より後方に設けられていてもよい。
この構成によれば、第1ペダル軸104L及び第2ペダル軸104Rを土踏まずの位置に容易に合わせることができる。
また、運転席6を支持する床部5Bと、床部5Bに立設された基台86及び基台86の上部に取り付けられた取付台93を有し、運転席6の前方に配置された操縦台81と、取付台93の機体幅方向K2の一側部に設けられた第1操縦ハンドル82Lと、取付台93の機体幅方向K2の他側部に設けられた第2操縦ハンドル82Rと、を備え、第1走行ペダル85Lは、取付台93の機体幅方向K2の一側部の下方に設けられ、第2走行ペダル85Rは、取付台93の機体幅方向K2の他側部の下方に設けられていてもよい。
この構成によれば、身長の高い者ほど上方の空間を使う姿勢となり、運転席6の配置部分の前後方向のコンパクト化を図ることができる。また、例えば、運転席6をキャビン5内に設けた作業機1にあっては、キャビン5の前後方向K1の寸法をコンパクトにすることができる。
また、運転席6の機体幅方向K2の一側部の下方に、第1走行ペダル85Lの後部が位置し、運転席6の機体幅方向K2の他側部の下方に、第2走行ペダル85Rの後部が位置していてもよい。
この構成によれば、運転席6を第1走行ペダル85L及び第2走行ペダル85Rに近づけることができ、運転席6、第1走行ペダル85L及び第2走行ペダル85Rを含む運転部42の前後方向K1の寸法をコンパクトに形成することができる。
作業機1は、運転席6と、運転席6の前方に設けられた操縦台81と、操縦台81における機体幅方向K2の一方側に設けられた第1操縦ハンドル82L及び他方側に設けられた第2操縦ハンドル82Rと、第1操縦ハンドル82Lと第2操縦ハンドル82Rとの間に設けられたモニタ84と、を備えている。
この構成によれば、第1操縦ハンドル82Lと第2操縦ハンドル82Rとの間にモニタ84を設けていることから、第1操縦ハンドル82L及び第2操縦ハンドル82Rを把持して操作している際にモニタ84を確認する時の目線の移動を小さくすることができる。これにより、モニタ84の視認性の向上、操縦部材82の操作性の向上を図ることができる。
また、走行装置3と、運転席6の前方の床部5Bに設けられていて足踏み操作されて走行装置3を操作する走行操作部材85と、を備えていてもよい。
この構成によれば、足踏み操作される走行操作部材85によって走行装置3を操作するようにすることで、第1操縦ハンドル82Lと第2操縦ハンドル82Rとの間にモニタ84を設けることができる。また、第1操縦ハンドル82L及び第2操縦ハンドル82Rを把持したまま走行操作部材85によって走行装置3を操作することができる。
また、操縦台81は、床部5Bに立設された基台86と、基台86の上部に固定された取付台93とを有し、モニタ84は、取付台93の機体幅方向K2の中央部に配置され、第1操縦ハンドル82Lは、取付台93の機体幅方向K2の一側部に配置され、第2操縦ハンドル82Rは、取付台93の機体幅方向K2の他側部に配置され、走行操作部材85は、取付台93の機体幅方向K2の一側部の下方に配置された第1走行ペダル85Lと、取付台93の機体幅方向K2の他側部の下方に配置された第2走行ペダル85Rとを有していてもよい。
この構成によれば、第1操縦ハンドル82L及び第2操縦ハンドル82Rの下方に運転者の脚を配置できるスペースが形成され、運転席6を操縦台81に近づけることができる。延いては、操縦台81及び運転席6を含む運転部42の前後方向K1の寸法をコンパクトにすることができる。
また、操縦台81における第1操縦ハンドル82Lの後側から後方に延びる第1アームレスト83Lと、操縦台81における第2操縦ハンドル82Rの後側から後方に延びる第2アームレスト83Rとを備え、第1操縦ハンドル82L及び第2操縦ハンドル82Rは、運転席6に座した運転者が第1アームレスト83Lに一方の肘を置いて第1操縦ハンドル82Lを把持し、第2アームレスト82Rに他方の肘を置いた状態で第2操縦ハンドル82Rを把持したときに、運転者が前傾姿勢になる位置に配置されていてもよい。
この構成によれば、運転者の目がモニタ84に近づくので、モニタ84の視認性を向上させることができる。
また、運転席6及び操縦台81が搭載された機体2と、機体2の周囲を撮像する撮像装置43と、を備え、モニタ84は、撮像装置43が撮像した画像を表示可能であってもよい。
この構成によれば、運転者は、第1操縦ハンドル82L及び第2操縦ハンドル82Rを把持した操作姿勢のまま、容易に機体2の周囲の確認を行うことができる。例えば、運転者が前傾姿勢で第1操縦ハンドル82L及び第2操縦ハンドル82Rを把持していると、機体2の後方確認が行い難いが、第1操縦ハンドル82Lと第2操縦ハンドル82Rとの間にモニタ84を設けることで、後方確認が容易に行える。
なお、第1操縦ハンドル82L、第2操縦ハンドル82R及びモニタ84は、機体幅方向K2で並べて配置されていてもよい。
この構成によれば、第1操縦ハンドル82L、第2操縦ハンドル82R及びモニタ84をコンパクトに配置することができる。
作業機1は、基板9と、基板9上に形成された原動機室ERと、原動機室ER内に収容された原動機E1と、原動機E1を冷却する冷却風を発生する冷却ファンF1と、原動機E1と原動機室ERの天井部(ボンネット上部183)との間を流れる冷却風を原動機室ERの外部に排出する第1排出部(排気路228)と、原動機E1と原動機室ERの底部(基板9、第1仕切り体208、第2仕切り体209)との間を流れる冷却風を原動機室ERの外部に排出する第2排出部(案内部材213)と、を備えている。
この構成によれば、原動機E1の上部および下部を冷却する冷却風の流れを円滑にして原動機E1の冷却効率を向上させることができる。
また、原動機E1の排気ガスを排出する排気口部203が原動機室ER内に配置されており、第1排出部(排気路228)は、原動機E1と天井部(ボンネット上部183)との間を流れる冷却風と、排気口部203から排出される原動機E1の排気ガスとを、原動機室ERの外部に排出する。
この構成によれば、原動機E1の排気ガスを排気する排気管が原動機室ERの外に出ないので、突出物をなくすことができると共に、原動機E1の排気ガスの排気温度の低減と、排気音の低減とを図ることができる。
また、原動機室ERは、原動機E1上を流れる冷却風の流れ方向の下流側の壁部である下流側壁部(ボンネット後部184,ポンプ仕切り222,横補強板216)を備え、第1排出部(排気路228)は、天井部(ボンネット上部183)、下流側壁部、または天井部と下流側壁部との間に設けられており、第2排出部(案内部材213)は、底部(基板9、第1仕切り体208、第2仕切り体209)、下流側壁部、または底部と下流側壁部との間に設けられていてもよい。
上記の構成によれば、原動機E1と原動機室ERの天井部との間を流れる冷却風、および原動機E1と原動機室ERの底部との間を流れる冷却風を、原動機室ERの外部に適切に排出できる。
また、原動機E1における当該原動機E1上を流れる冷却風の流れ方向の下流側に取り付けられた油圧ポンプP1と、原動機E1の底部に配置されたオイルパン217とを備え、原動機室ERは、オイルパン217の一側方に配置された第1仕切り体208と、オイルパン217の他側方に配置された第2仕切り体209とを備え、第2排出部は、下流側壁部における第1仕切り体と第2仕切り体との間の領域に対応する位置を貫通して油圧ポンプP1の下方を通る中空の案内部材213を備え、案内部材213は、第1仕切り体208と第2仕切り体209との間を流れる冷却風を原動機室ER内から油圧ポンプP1の下方を通って原動機室ERの外部に案内する。
上記の構成によれば、原動機E1の下方を流れる冷却風を適切に排出できる。
また、天井部における原動機E1側の面は、表面形状が平坦または冷却風の流れ方向に沿って滑らかに変化する形状であってもよい。また、原動機室ERは、当該原動機室ER上を流れる空気の流れ方向に略垂直な方向の側面に側方壁部(第1ボンネット側部181,第2ボンネット側部182)を備え、側方壁部における原動機E1側の面は、表面形状が平坦または冷却風の流れ方向に沿って滑らかに変化する形状であってもよい。
また、天井部は、上カバー206と上カバー206の下方に設けられた下カバー207とを備え、上カバー206と下カバー207とで仕切られた吸気室204内に、原動機E1に吸引される空気を浄化するエアクリーナ201を備えている。
上記の構成によれば、エアクリーナ201が冷却風の流れを阻害するのを防止することができる。
作業機1は、機体2と、機体2に搭載された運転席6と、機体2における運転席6の側方に搭載された原動機E1と、原動機E1の運転席6側の側方を覆う第1ボンネット側部181と、第1ボンネット側部181と運転席6との間に設けられた機器(スイベルジョイントS1、旋回モータM3、コントロールバルブV1)の配置部を覆うカバー部材(第3カバー体17)と、を備え、カバー部材における原動機E1側の側面は、第1ボンネット側部と隣接し且つ対向するように配置されていて第1ボンネット側部の側方を覆っている。
この構成によれば、第1ボンネット側部181とカバー部材とで、原動機室ERの運転席6側の側方に2重構造の遮音機構を形成することができる。これにより、原動機E1の音が運転席6側に伝わるのを効果的に抑制することができる。
また、第1ボンネット側部181における原動機E1側の面は、表面形状が平坦または原動機E1を冷却する冷却風の流れ方向に沿って滑らかに変化する形状とされていてもよい。
この構成によれば、原動機E1の側方を流れる冷却風の流れをよくすることができる。
また、原動機E1の運転席6とは反対側の側方を覆う第2ボンネット側部182を備え、第2ボンネット側部182は、原動機E1を収容する原動機室ERの側方を開閉自在に覆う開閉ボンネット193を有し、開閉ボンネット193は、外部側の壁部である外カバー部材193Aと、内部側の壁部である内カバー部材193Bとを有していてもよい。
この構成によれば、原動機E1の運転席6とは反対側の側方を外カバー部材193Aと内カバー部材193Bとで2重構造の遮音構造とすることができる。これにより、原動機E1の音が原動機室ERから漏れるのを抑制することができる。また、第2ボンネット側部182を2重構造に形成しても、開閉ボンネット193を開けることにより、1アクションで原動機E1にアクセスすることができる。
また、内カバー部材193Bにおける原動機E1側の面は、表面形状が平坦または原動機E1を冷却する冷却風の流れ方向に沿って滑らかに変化する形状とされていてもよい。
この構成によれば、原動機E1の側方を流れる冷却風の流れをよくすることができる。
また、原動機E1の上方を覆うボンネット上部183を備え、第2ボンネット側部182は、第1ボンネット側部181と共にボンネット上部183を支持し且つ開閉ボンネット193で開閉される開口182Bが形成された側板182Aを有していてもよい。
この構成によれば、側板182Aは、ボンネット上部183を支持する機能と、開閉ボンネット193で開閉される開口182Bの周囲を覆う機能とを有しており、構造の簡素化を図ることができる。
また、ボンネット上部183は、上カバー206と、上カバー206の下方に設けられた上カバー207とを有し、上カバー207は、第1ボンネット側部181と側板182Aとにわたって設けられ、上カバー206は、第1ボンネット側部181から運転席6側にはみ出しており且つ側板182Aから運転席6とは反対側にはみ出していてもよい。
この構成によれば、上カバー206上の水が第1ボンネット側部181や側板182A側に侵入するのを防止することができ、延いては、水が原動機室ERに侵入するのを防止することができる。延いては、錆の防止が図れる。
また、第1側部ボンネット181と側板182Aとにわたって設けられ、原動機E1の後方を覆うボンネット後部184と、ボンネット後部184の後方に設けられた部材を覆う後部カバー体(第4カバー体18)とを備えていてもよい。
この構成によれば、ボンネット後部184と後部カバー体とによって、原動機E1の後方を2重構造の遮音構造とすることができる。これにより、原動機E1の音が原動機室ERから漏れるのを抑制することができる。
機体2の底部を構成する基板9と、基板9と第1側部ボンネット181との間に設けられた仕切り体(第1仕切り体208)とを備えていてもよい。
この構成によれば、仕切り体によって、第1側部ボンネット181の下方から運転席6側に原動機E1の音が回り込むのを防止することができる。
作業機1は、機体2と、機体2に搭載された原動機E1と、原動機E1に取り付けられた油圧ポンプP1と、原動機E1を収容する原動機室ERと油圧ポンプP1が配置される油圧機器配置部13とを仕切るポンプ仕切り222と、を備えている。
この構成によれば、ポンプ仕切り222によって、油圧ポンプP1が配置された油圧機器配置部13を原動機室ERから仕切ることができ、原動機E1の熱による油圧機器配置部13内の温度上昇を抑制することができる。
また、原動機E1を覆うボンネット(第2カバー体16)を備え、ポンプ仕切り222は、原動機E1とボンネットとの間に設けられて油圧ポンプP1の周囲を覆っていると共に油圧機器配置部13側に向けて開放していてもよい。
この構成によれば、原動機室ERと油圧機器配置部13とを良好に仕切ることができると共に原動機E1の熱が油圧機器配置部13に伝わることを抑制できる。
また、ポンプ仕切り222は、ボンネットに形成された挿通穴223から原動機室E1側に突出した筒状であり、ポンプ仕切り222における油圧機器配置部13側の端部は、ボンネットに形成された挿通穴223の縁部に取り付けられ、油圧ポンプP1における油圧機器配置部13側の一部は、ポンプ仕切り222から油圧機器配置部13側に突出していてもよい。
この構成によれば、原動機E1の熱が油圧機器配置部13に伝わることを抑制できる。
また、油圧ポンプP1の下方に設けられて原動機室ERから排出される冷却風を原動機室ERの外部に案内する案内部材213と、案内部材213の一側に設けられて原動機室ERと油圧機器配置部13とを仕切る第1仕切り板214Lと、案内部材213の他側に設けられて原動機室ERと油圧機器配置部13とを仕切る第2仕切り板214Rと、を備え、ボンネットの下部は、第1仕切り板214Lと第2仕切り板214Rとに接続されていてもよい。
この構成によれば、原動機室ERの後部を仕切りつつ、原動機E1の下部を流れる冷却風を後方に流す冷却ルートを形成することができ、原動機室ERの後部の仕切りと冷却効率の向上とを図ることができる。
また、油圧ポンプP1の一側方で機体2に立設された第1支柱(第1後支柱147A)と、油圧ポンプP1の他側方に設けられた第2支柱(第2後支柱147B)と、第1支柱と第2支柱の上部同士を連結する梁部材(第1梁部材147D)とを有する支持フレーム(後支持フレーム147)を備え、ボンネットは、原動機E1に対して一側方に配置されていて第1支柱に固定された第1側板181Aと、原動機E1に対して他側方に配置されていて第2支柱に固定された第2側板182Aと、第1側板181Aと第2側板182Aにわたって設けられた壁部(ボンネット後部184)とを有していてもよい。
この構成によれば、ボンネットの支持をしっかりと行える。
作業機1は、機体2と、機体2に搭載されたラジエータR1と、ラジエータR1に対向する第1位置に配置されたオイルクーラO1と、ラジエータR1が取り付けられるラジエータブラケット148と、オイルクーラO1が取り付けられるオイルクーラブラケット162と、を備え、オイルクーラブラケット162は、ラジエータブラケット148に取り外し可能に取り付けられ、且つラジエータブラケット148から取り外すことによりオイルクーラO1を第1位置よりもラジエータR1から離間した位置に移動可能である。
この構成によれば、オイルクーラブラケット162をラジエータブラケット148から取り外すことにより、ラジエータR1とオイルクーラO1との間に、清掃するのに十分な空間を作り出すことができ、ラジエータR1とオイルクーラO1との清掃が容易に行える。
また、オイルクーラO1のラジエータR1とは反対側に、オイルクーラO1を移動させるための移動空間が設けられていてもよい。
この構成によれば、ラジエータR1とオイルクーラO1との間に容易に清掃空間164を形成することができる。
また、オイルクーラO1の前方に清掃空間164を形成可能な移動空間163を設けると、オイルクーラO1の前方に冷却風の流れを大きく阻害するものがなくなるので、冷却風の吸い込み抵抗を減少させることができる。
また、ラジエータブラケット148は、第1取付部152L,152Rと、第1取付部152L,152Rの下方に設けられた第2取付部159L,159Rとを有し、オイルクーラブラケット162は、第1取付部152L,152Rに固定具145L,145Rによって着脱可能に固定される固定部165L,165Rと、第2取付部159L,159Rに係脱自在に係合する係合部168L,168Rとを有し、第2取付部159L,159Rは、上方開放状の挿通穴161を有し、係合部168L,168Rは、挿通穴161に上から挿入される係合部材169と、第2取付部159L,159Rの上面に当接して受持される当接部170とを有していてもよい。
この構成によれば、挿通穴161に対して係合部材169を抜き差しすることにより第2取付部159L,159Rに対して係合部168L,168Rを着脱することができ、オイルクーラブラケット162の取り付け、取り外しが容易に行える。
また、ラジエータブラケット148は、ラジエータR1の下部を支持する下支持部160を有し、第2取付部159L,159Rは、下支持部160より下方に設けられていてもよい。
この構成によれば、ラジエータR1の下部を下支持部160に取り付ける際に、第2取付部159L,159Rが邪魔にならず、ラジエータR1の取り付けを容易に行うことができる。
また、機体2に立設された支持フレーム(前支持フレーム146)を備え、ラジエータブラケット148は、支持フレームの上部に取り付けられ且つ第1取付部152L,152Rを有する第1ブラケット149と、支持フレームの下部に取り付けられ且つ第2取付部159L,159Rを有する第2ブラケット150とを有していてもよい。
この構成によれば、ラジエータブラケット148及びラジエータR1を支持フレームに組み付けた状態(サブアセンブリした状態)で支持フレームを機体2に取り付けることができ、組付けの容易化を図ることができる。
また、機体2の側部の前部に立設された支持フレーム(前支持フレーム146)と、ラジエータR1及びオイルクーラO1を覆うカバー体であって、支持フレームに上下揺動可能に支持されたカバー体(第1カバー体15)と、を備え、ラジエータR1は、支持フレームの前側に配置され、オイルクーラO1は、ラジエータR1の前側に配置され、カバー体は、支持フレームに枢支されていて、上方に揺動することでオイルクーラO1の前方を開放可能であってもよい。この構成によれば、カバー体を上方に揺動して開くと、オイルクーラO1の前方が開放状となり、オイルクーラO1の移動が容易に行える。これにより、ラジエータR1及びオイルクーラO1の清掃が容易に行える。
また、ラジエータR1及びオイルクーラO1を覆うカバー体(第1カバー体15)と、ラジエータR1の後方に配置された原動機E1と、原動機E1とラジエータR1との間に配置されていて、後方に流れる冷却風を発生させる冷却ファンF1とを備え、カバー体は、前部の側面に該カバー体内に外気を取り入れる外気取入口19を有していてもよい。
この構成によれば、カバー体の前部の側面に外気取入口19を設けることにより、作業機1を前進しているときに、例えば、樹木の枝等の障害物が外気取入口19に刺さるのを防止することができる。
また、空調装置の冷媒を冷却するコンデンサD1と、オイルクーラブラケット162に取り付けられていて、コンデンサD1が取り付けられるコンデンサブラケット171とを備えていてもよい。この構成によれば、コンデンサD1の清掃も容易に行うことができる。
作動油タンク構造は、作動油を貯留するタンク本体28と、タンク本体28の内部を、上部側の上室28Kと下部側の下室28Lとに仕切る隔壁31と、隔壁31の中央部に設
けられていて上室28Kと下室28Lとを連通するメイン通路38と、下室28Lの作動油をタンク外部に流出させるサクションパイプ30と、タンク本体28に戻ってくる作動油を上室28Kに流入させるリターンパイプ29と、を備え、リターンパイプ29は、当該リターンパイプから上室28K内に流入する作動油の流れ方向がメイン通路38に向かう方向とは異なる方向を向くように配置されている。
この構成によれば、戻りの作動油は、上室28K内におけるメイン通路38から外れた位置に流入し、メイン通路38の周囲を流れる作動油の流れを生じさせる。これにより、戻りの作動油がタンク本体28内の作動油と良好に混ざり合い、作動油の温度むらを抑制することができる。
また、隔壁31によって、タンク本体28を補強することができる。タンク本体28が補強されることにより、タンク本体28の内圧による変形や異音の発生を防止することができる。
また、リターンパイプ29は、前記流れ方向がメイン通路38に向う方向に対して水平方向に傾斜した方向を向くように配置されていてもよい。
この構成によれば、メイン通路38の周囲を流れる作動油の流れを良好に生じさせる。
また、タンク本体28は、上壁28Aと、下壁28Bと、上壁28Aと下壁28Bとを連結する複数の縦壁とを有し、複数の縦壁は、リターンパイプ29が取り付けられた第1縦壁28Cと、第1縦壁28Cに対向する第2縦壁28Dと、第1縦壁28Cから第2縦壁28Dに向かう方向に沿って設けられた第3縦壁28Eとを含み、リターンパイプ29は、前記流れ方向が第2縦壁28Dを向き且つメイン通路38から第3縦壁28E側に偏倚した方向になるように配置されていてもよい。
この構成によれば、タンク本体28の内面に沿った作動油の流れを良好に生じさせ、戻りの作動油をタンク本体28内の作動油と良好に混ざり合わせることができる。
また、リターンパイプ29は、上室28Kの上下中央部より隔壁31に近づけて配置されていてもよい。
この構成によれば、タンク本体28内の作動油の油面が下がっても、リターンパイプ29の流出口29bを油面の下側に位置させることができる。
また、隔壁31の縁部と、タンク本体28の内面とで形成された、上室28Kと下室28Lとを連通させる隙間通路(第1通路40A〜第4通路40D)を備えていてもよい。
この構成によれば、タンク本体28が傾いたときでも、下室28Lの作動油に含まれる気泡を上室28Kへと抜くことができる。また、上室28Kの作動油は、メイン通路38と隙間通路とを通して下室28Lに流れるので、上室28Kの作動油と下室28Lの作動油とを良好に混ざり合わせることができる。
また、タンク本体28は、角柱状に形成され、隙間通路は、タンク本体28の複数のコーナ部28G〜28Jに設けられた通路(第1通路40A〜第4通路40D)を含んでいてもよい。
この構成によれば、タンク本体28が傾いても、下室28Lの作動油に含まれる気泡をタンク本体28の複数の通路のいずれかから上室28Kへと抜くことができる。また、下室28Lの作動油がサクションパイプ30を介して吸引されることにより、上室28Kの作動油は、メイン通路38とタンク本体28の複数のコーナ部の通路40A〜40Dとを通して下室28Lに流れるので、上室28Kの作動油と下室28Lの作動油とをさらに良好に混ざり合わせることができる。
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。