以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る作業機1の全体構成を示す概略側面図である。図2は、作業機1の作業装置を省略した概略平面図である。本実施形態では、作業機1として旋回作業機であるバックホーが例示されている。
図1、図2に示すように、作業機1は、機体(旋回台)2と、走行装置3と、作業装置4とを備えている。機体2にはキャビン5が搭載されている。キャビン5の室内には、オペレータ(運転者)が着座する運転席(座席)6が設けられている。運転席6は、キャビン5によって包囲されている。
本発明の実施形態においては、作業機1の運転席6に着座したオペレータの前側(図1、図2の矢印A1方向)を前方、オペレータの後側(図1、図2の矢印A2方向)を後方、オペレータの左側(図1の手前側、図2の矢印B1方向)を左方、オペレータの右側(図1の奥側、図2の矢印B2方向)を右方として説明する。
また、前後方向K1に直交する方向である水平方向を機体幅方向K2(図2参照)として説明する。機体2の幅方向の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向K2であって機体2の幅方向の中心から離れる方向のことである。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向K2であって機体2の幅方向の中心に近づく方向である。
図1に示すように、走行装置3は、走行フレーム9と、走行機構10とを有する。走行機構10は、油圧モータで駆動されるクローラ式の走行機構によって構成されている。本実施形態では、走行装置3は、クローラ式の走行装置である。走行機構10は、走行フレーム9の左側と右側とに設けられている。走行装置3の前部には、ドーザ装置7が装着されている。ドーザ装置7は、油圧シリンダによって上げ下げ可能である。
図1に示すように、作業装置4は、ブーム15と、アーム16と、バケット(作業具)17とを有する。ブーム15の基部は、スイングブラケット14に横軸(機体幅方向K2に延伸する軸心)回りに回動自在(上下に揺動自在)に枢着されている。スイングブラケット14は、機体2の前部に設けられた支持ブラケット18に縦軸(上下の方向に延伸する軸心)回りに回動可能に支持されている。アーム16は、ブーム15の先端側に横軸回りに回動自在(前後或いは上下に揺動自在)に枢着されている。バケット17は、アーム16の先端側にスクイ動作及びダンプ動作可能に設けられている。作業機1は、バケット17に代えて或いは加えて、油圧アクチュエータにより駆動可能な他の作業具(油圧アタッチメント)を装着することが可能である。この他の作業具としては、油圧ブレーカ、油圧圧砕機、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等が例示できる。
スイングブラケット14は、油圧シリンダの伸縮によって縦軸回りに揺動する。ブーム15は、ブームシリンダC3の伸縮によって揺動する。アーム16は、アームシリンダC4の伸縮によって揺動する。バケット17は、バケットシリンダ(作業具シリンダ)C5の伸縮によってスクイ動作及びダンプ動作する。ブームシリンダC3、アームシリンダC4、バケットシリンダC5は、油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)によって構成されている。
図1に示すように、機体2は、走行フレーム9上に旋回ベアリング8を介して縦軸回りに回転可能(左及び右に旋回可能)に支持されている。
図3〜図6に示すように、機体2は、骨格となる旋回フレーム41を有する。旋回フレーム41は、機体2の底部を構成する旋回基板42を有する。旋回基板42の後部には、原動機E1が搭載されている(図6参照)。旋回基板42は、厚板によって形成され、図4に示すように、下面側が旋回ベアリング8のアウタレース8Aにボルト固定されている。旋回ベアリング8のインナレース8Bは、走行フレーム9にボルト固定されている。アウタレース8Aとインナレース8Bとはボールを介して相対回転自在に結合されている。
図3に示すように、旋回基板42の前部の機体幅方向K2中央側には、旋回基板42を回転駆動する旋回モータM1が取り付けられている。旋回基板42の前部には、支持ブラケット18が前方突出状に固定されている。支持ブラケット18は、旋回モータM1の前方に配置されている。
図4、図5に示すように、旋回基板42上には、補強リブ43が旋回基板42の前部(一端側)から後部に向けて(原動機E1に向けて)設けられている。補強リブ43は、旋回基板42に溶接固定されており、旋回基板42を補強する。補強リブ43は、旋回基板42の左側に設けられた第1リブ43Lと、旋回基板42の右側に設けられた第2リブ43Rとを含む。旋回基板42の後部には、機体幅方向K2に長いブロック状の第1ウエイト取付部44が固定されている。第1リブ43L(補強リブ43)は、前部リブ232Lと後部リブ233Lとを有し、支持ブラケット18の後部の左部から第1ウエイト取付部44の左部にわたって設けられている。第2リブ43R(補強リブ43)は、前部リブ232Rと後部リブ233Rとを有し、支持ブラケット18の後部の右部から第1ウエイト取付部44の右部にわたって設けられている。
第1ウエイト取付部44の機体幅方向K2の中央部には、矩形柱状の第2ウエイト取付部45が立設されている。第1ウエイト取付部44及び第2ウエイト取付部45に、ウエイト46が取り付けられている(図6参照)。ウエイト46は、機体2の後部に設けられている。
図4、図5に示すように、旋回基板42の前後中央部より後方寄りに仕切り板47が設けられている。仕切り板47は、主仕切り板48と、副仕切り板49とを有する。主仕切り板48は、第2リブ43Rの左側面から第1リブ43Lを横切って旋回基板42の左端部にわたって機体幅方向K2に延在している。主仕切り板48は、旋回基板42上に溶接固定されて立設されている。副仕切り板49は、旋回基板42の左部において主仕切り板48の背面に重ね合わされて取り付けられている。
旋回基板42の後部には、該旋回基板42を貫通して形成された略矩形形状の縁部から構成される第1開口31及び第2開口32が形成されている。第1開口31及び第2開口32は、原動機E1を冷却した後の冷却風を排出する。第1開口31は、主仕切り板48の後方で且つ第1リブ43Lと第2リブ43Rとの間に形成されている。第1開口31には、開口部を覆うように多数の孔を有する多孔板で形成された第1蓋板33が配置されている。第2開口32は、第1開口31の左方で且つ第1リブ43Lの左方に形成されている。第2開口32には、開口部を覆うように多数の孔を有する多孔板で形成された第2蓋板34が配置されている。
図6に示すように、旋回フレーム41の後方は、ウエイト46によって覆われている。図7に示すように、旋回フレーム41の左側方及び右側方並びに前方は、旋回フレーム41に取り付けられた旋回カバー(外装部材)51によって覆われている。旋回フレーム41の左側後部に補助カバー(外装部材)54が設けられている。補助カバー54は、旋回カバー51の左側部の後部上方からウエイト46の左部の上部にわたって、旋回フレーム41を覆っている。旋回カバー51の前面部には、支持ブラケット18を突出させる切欠きが形成されている。旋回フレーム41の前部の左側上方は、ステップ52によって覆われている。ステップ52は、旋回フレーム41に設けられた複数のステップ取付部53a〜53gに取り付けられている(図3、図6参照)。
図2に示すように、キャビン5は、機体2の左寄りで且つ前部寄りに搭載されている。このキャビン5の前部の下面側は、ステップ52で覆われている。即ち、ステップ52は、キャビン5の床面を構成している(図28、図29参照)。図6に示すように、原動機E1の前方で且つステップ52の後部に運転席6が搭載されている。
図2に示すように、原動機E1は、機体2の後部に搭載されている。原動機E1は、ディーゼルエンジンである。なお、原動機E1は、ガソリンエンジン、LPGエンジン又は電動モータであってもよいし、エンジン及び電動モータを有するハイブリッド型であってもよい。原動機E1は、キャビン5の後部側に配置されている。
原動機E1の左側には、油圧ポンプP1及び排気ガス浄化装置D1が設けられている。油圧ポンプP1は、原動機E1の動力によって駆動される。この油圧ポンプP1は、作業機1に装備された油圧モータ、油圧シリンダ等の油圧アクチュエータを駆動させる作動油(油圧)を吐出する。また、油圧ポンプP1は、油圧バルブを作動させるパイロット圧や、信号用の油圧を吐出する。また、油圧ポンプP1は、例えば、複数のポンプによって構成される。
排気ガス浄化装置D1は、原動機E1から排出される排気ガスを浄化する装置であり、例えば、DPF(Diesel particulate filter)である。
原動機E1は、図5に示す複数の支持台(第1支持台50A、第2支持台50B、第3支持台50C、第4支持台50D)に、防振部材を介して支持される。第1支持台50Aは、旋回基板42の左部で且つ主仕切り板48の後方に設けられていて、原動機E1の左前側を支持する。第2支持台50Bは、旋回基板42の機体幅方向K2の中央側で且つ主仕切り板48の後方に設けられていて、原動機E1の右前側を支持する。第3支持台50Cは、第1ウエイト取付部44上の左部に固定されていて、原動機E1の左後側を支持する。第4支持台50Dは、第2ウエイト取付部45の右側に配置され且つ第1ウエイト取付部44上に固定されていて、原動機E1の右後側を支持する。
図6に示すように、原動機E1は、ボンネット22によって覆われている。ボンネット22は、原動機E1を収容する原動機室E2を形成する。原動機室E2は、旋回基板42上に形成される。排気ガス浄化装置D1は、原動機室E2内に設けられている。ボンネット22は、原動機E1の前方(上部前方)を覆う隔壁部材(隔壁板)22Aと、原動機E1の後方を覆うボンネット後部22Bとを有する。ボンネット22内には、ボンネット22を支持する支持フレーム11が設けられている。この支持フレーム11は、機体2に立設されている。隔壁部材22Aは、原動機室E2と運転席6の配置側(原動機室E2よりも運転席6側の領域)とを隔てる部材である。言い換えると、隔壁部材22Aは、原動機室E2とキャビン5の室内とを隔てる部材である。隔壁部材22Aは、例えば、板金製である。隔壁部材22Aを板金によって形成することにより、樹脂製の隔壁部材に比べて遮音性が向上する。また、ハーネス等の配策部品を支持する支持ブラケットを溶接やネジ止め等によって隔壁部材22Aに簡単に取り付けることができる。また、隔壁部材22Aにより機体2の強度を向上させることができる。隔壁部材22Aは、支持フレーム11に固定されている。また、隔壁部材22Aの下方に仕切り板47が設けられている。仕切り板47は、原動機室E2の下部前方を仕切っている。ボンネット後部22Bは、支持フレーム11に上下に揺動可能に支持され、上下に揺動することで原動機室E2を開閉する。
図6に示すように、ボンネット後部22Bの下方には、ウエイト46が配置され、ウエイト46によって原動機E1の下部の後方が覆われている。
図7に示すように、隔壁部材22Aとボンネット後部22Bとの左端部間は機体外方に向けて開放状とされ、この開放部分は、図1に示すように、キャビン5の左側部の後下部によって塞がれている。図7に示すように、原動機E1の下部の左方は、旋回カバー51の左側部及び補助カバー54によって覆われている。
図8、図9に示すように、支持フレーム11は、旋回基板42に設けられた複数のフレーム取付部(第1フレーム取付部55A、第2フレーム取付部55B、第3フレーム取付部55C、第4フレーム取付部55D)に取り付けられている。第1フレーム取付部55Aは、主仕切り板48の上端の左部と旋回基板42に立設された補強板56Aの上端とに固定されている。第2フレーム取付部55Bは、主仕切り板48の上端の右部と旋回基板42に立設された補強板56Bの上端とに固定されている。第3フレーム取付部55Cは、第1ウエイト取付部44の左側に配置され、旋回基板42に立設されている。第4フレーム取付部55Dは、第1ウエイト取付部44上の右部に立設されている。
図10〜図13に示すように、支持フレーム11は、複数の脚体(第1前脚57L、第2前脚57R、第1後脚58L、第2後脚58R)と、上部プレート59とを有する。複数の脚体及び上部プレート59は、板材によって形成されている。
図6に示すように、第1前脚57Lと第2前脚57Rは、原動機E1の前部側に配置されている。図10に示すように、第1前脚57Lと第2前脚57Rは、機体幅方向K2に間隔をあけて配置されている。また、第1前脚57L及び第2前脚57Rは、板厚方向S1を機体幅方向K2に一致させて配置されている。
図10、図11に示すように、第1前脚57Lは、前面が隔壁部材22Aの左部の背面に面当たりで当接して溶接等によって固定されている。隔壁部材22Aの左部は、第1前脚57Lより左方に突出している。第1前脚57Lは、本体部62aと、上部62bとを有する。本体部62aは、縦方向に延伸していて下端に第1フレーム取付部55Aにボルト固定される第1前取付板60Lが固定されている。上部62bは、本体部62aの上部から後方に向けて延出している。上部62bの前部に切欠き部62cが形成されている。切欠き部62cは、上部62bの上面側に形成されている。
第2前脚57Rは、隔壁部材22Aの右側に配置されている。第2前脚57Rは、第1前脚57Lより前方寄りに配置されている。第2前脚57Rの左側面に、隔壁部材22Aの右端が溶接固定されている。第2前脚57Rは、本体部63aと、上部63bとを有する。本体部63aは、縦方向に延伸していて下端に第2フレーム取付部55Bにボルト固定される第2前取付板60Rが固定されている。上部63bは、本体部63aの上部から後方に向けて延出している。
図12に示すように、第1前取付板60Lと第2前取付板60Rとは、連結板64によって連結されている。
図13に示すように、上部プレート59は、第1前脚57Lの上部62bと第2前脚57Rの上部63bとに固定されている。図6に示すように、上部プレート59と、該上部プレート59の後端側に上方突出状に設けられたカバープレート20とによって、隔壁部材22Aとボンネット後部22Bとの上部間が塞がれている。上部プレート59の上部右側には、取付プレート74が固定されている。
図6に示すように、第1後脚58Lと第2後脚58Rは、原動機E1の後部側に配置されている。図10に示すように、第1後脚58Lと第2後脚58Rは、機体幅方向K2に間隔をあけて配置されている。第1後脚58L及び第2後脚57Rは、板幅方向S2を機体幅方向K2に一致させて配置されている。
図12に示すように、第1後脚58Lの上部は、上部プレート59の左側に固定された取付部材65に取り付けられている。第1後脚58Lの下端には、第3フレーム取付部55Cにボルト固定される第1後取付板61Lが固定されている。図10に示すように、第1後脚58Lは、第1前脚57Lより機体内方寄りに位置する。
図12に示すように、第2後脚58Rの上部は、上部プレート59の下面に固定されている。第2後脚58Rの下端には、第4フレーム取付部55Dにボルト固定される第2後取付板61Rが固定されている。図10に示すように、第2後脚58Rは、第2前脚57Rより機体外方寄りに位置する。
図12に示すように、第2後脚58Rの上部と取付部材65とは、連結板66によって連結されている。
なお、支持フレーム11の後側の脚体は少なくとも1本設けられていればよい。
図10及び図11に示すように、第1前脚57Lの板厚t1及び第2前脚57Rの板厚t2は、第1後脚58Lの板厚t3及び第2後脚58Rの板厚t4よりも薄い。これにより、支持フレーム11の軽量化が図られている。この支持フレーム11の軽量化は、板金製の隔壁部材22Aを第1前脚57Lと第2前脚57Rとにわたって固定して機体幅方向K2の強度を強くすること、及び、第1前脚57L及び第2前脚57Rの板厚方向S1を機体幅方向K2に一致させて前後方向K1の強度を強くすることにより実現できる。
第1前脚57Lの板厚t1と第2前脚57Rの板厚t2は、同厚であってもよいし、異なっていてもよい。
図11に示すように、隔壁部材22Aは、実質的にキャビン5の室内と原動機室E2とを仕切る隔壁本体67と、隔壁本体67の上端から後方に延出する上部延出部68と、隔壁本体67の下端から前方に延出する下部延出部69とを有する。隔壁本体67は、上部側の第1部位67Aと、下部側の第2部位67Bとを有する。第1部位67A及び第2部位67Bは、上方に向かうに従って後方に移行する傾斜状に形成されている。第1部位67A及び第2部位67Bの上下方向に対する傾斜角度は、第1部位67Aが第2部位67Bに比べて大である。したがって、隔壁部材22Aは中途部で屈曲されている。
上部延出部68の左部は、切欠き部62cに挿入されて第1前脚57Lの上部62b上に溶接固定されている。上部延出部68の左部上に左のシールブロック70Lが設けられ、上部延出部68の右部上に右のシールブロック70Rが設けられている。シールブロック70L,70Rは、弾性部材で形成され、変形可能である。
第1前脚57L及び第2前脚57Rは、板材をレーザーカット等によってカットすることにより形成された加工品である。第1前脚57Lを、レーザーカット等によって形成することにより、第1前脚57Lの前面(カットされた面)の形状を隔壁部材22Aの背面の形状に精度よく合わせることができ、第1前脚57Lの前面を隔壁部材22Aの背面に精度よく当接させることができる。
なお、本実施形態では第2前脚57Rの側面に隔壁部材22Aの端部を溶接固定しているが、これに限らず、例えば、第2前脚57Rを隔壁部材22Aの背面に溶接固定してもよい。
図10に示すように、隔壁部材22Aは、原動機室E2内にアクセスするための点検開口71を有すると共に、点検開口71を塞ぐ閉塞プレート72を有する。点検開口71は、第1部位67Aを貫通して形成されている。閉塞プレート72は、第1部位67Aに前面側からボルト固定されている。閉塞プレート72は、点検開口71の周囲に設けられたシール材を介して隔壁部材22Aに当接している。閉塞プレート72には、取っ手部材73が設けられている。取っ手部材73は、閉塞プレート72の上部の機体幅方向K2の中途部に設けられ、閉塞プレート72から上方に突出している。
図14に示すように、運転席6の左の側方には、左のコンソール79Lが設けられている。コンソール79Lには、アンロードレバー76、左の操作レバー77L及び左のアームレスト78L等が設けられている。運転席6の右の側方には、右のコンソール79Rが設けられている。コンソール79Rは、右の操作レバー77R、右のアームレスト78R、ドーザレバー(レバー)80、ジョグダイヤル81Aを含む第1操作具81及び第2操作具82等が設けられている。
運転席6は、オペレータの臀部を支持する座部6Aと、オペレータの背中を支持する背もたれ部6Bとを有する。
アンロードレバー76は、図1、図14に示す状態では、油圧機器(例えば、作業装置4を駆動する油圧シリンダや機体2を旋回させる旋回モータM1等)に対して作動油の供給が許容される。アンロードレバー76は、図1、図14に示す状態から上方に揺動可能である。アンロードレバー76を上方に揺動した状態では、油圧機器に対して作動油の供給ができなくなる。また、アンロードレバー76を上方に揺動すると、コンソール79Lが、後部の下部を支点として上方に揺動する。これにより、操作レバー77L、コンソール79Lがオペレータの乗り降りに邪魔にならず、オペレータの乗り降りがし易くなる。図1に示すように、キャビン5は、左側にオペレータが乗り降りするための乗降口29を有し、乗降口29はドア28によって開閉可能である。
操作レバー77Lは、2つの操作対象を操作可能であり、例えば、機体2の旋回操作及びアーム16の揺動操作が可能である。操作レバー77Lは、アームレスト78Lの前方に配置されている。
アームレスト78Lは、運転席6の左側方に配置され、オペレータの左側の腕(前腕(肘から手首までの部分)の一部または全部)を載置可能である。例えば、オペレータは、アームレスト78Lに前腕を載置した状態で操作レバー77Lを操作可能である。
操作レバー77Rも、2つの操作対象を操作可能であり、例えば、ブーム15の揺動操作及びバケット17の揺動操作が可能である。操作レバー77Rは、コンソール79Rと運転席6との間であって、アームレスト78Rの前方に配置されている。操作レバー77Rは、ジョグダイヤル81Aの運転席6側の側方に位置している。
アームレスト78Rは、運転席6の右側方に配置され、オペレータの右側の腕(前腕)を載置可能である。例えば、オペレータは、アームレスト78Rに前腕を載置した状態で操作レバー77Rを操作可能である。
ドーザレバー80は、ドーザ装置7を操作するレバーである。ドーザレバー80は、アームレスト78Rの側方であって、運転席6側とは反対側の側方(右側方)に配置されている。ドーザレバー80の前方に、ジョグダイヤル81Aが配置されている。即ち、ドーザレバー80は、ジョグダイヤル81Aの後方且つアームレスト78Rの側方に配置されている。
ジョグダイヤル(第1操作具)81Aは、オペレータが、後述する表示装置191(図56参照)等の操作を行う操作具である。
第2操作具82は、作業機1に装備された空調装置を操作する操作具であって、電源を入り切りする電源スイッチ82a、温度を調節する温度ダイヤル82b、風量を調節する風量ダイヤル83cを含む。
図15、図16に示すように、運転席6の下方には、支持台83が設けられている。支持台83は、ステップ52(機体2)に取り付けられている。支持台83には、第1レール装置(左の第1スライドレール84L及び右の第1スライドレール84Rを含む)を介して可動体85が前後位置調整可能に支持されている。可動体85には、第2レール装置(左の第2スライドレール86L及び右の第2スライドレール86Rを含む)を介して運転席6が前後位置調整可能に支持されている。
可動体85は、支持台83に第1スライドレール84L,84Rを介して取り付けられたスライドフレーム87と、スライドフレーム87上に取り付けられたサスペンション88とを有する。スライドフレーム87は、サスペンション88が取り付けられた第1取付部87Aと、第1取付部87Aから左方に延出する第2取付部87Lと、第1取付部87Aから右方に延出する第3取付部87Rとを有する。第2取付部87Lにコンソール79Lが取り付けられ、第3取付部87Rにコンソール79Rが取り付けられている。
サスペンション88に、第2スライドレール86L,86Rを介して運転席6が取り付けられている。サスペンション88は、運転席6に作用するオペレータの荷重を支持すると共に、下方からの振動や衝撃が運転席6に伝わるのを緩和する緩衝装置である。また、サスペンション88は、運転席6の高さを調整する高さ調整機構を有していてもよい。
図17に示すように、第1スライドレール84L,84Rは、前後方向K1に長く形成され、ロアレール89と、アッパレール90とを有する。図18に示すように、ロアレール89は、支持台83に取り付けられている。アッパレール90は、ロアレール89に前後方向K1に移動可能に嵌められていると共にスライドフレーム87に取り付けられている。これにより、支持台83に対して可動体85が前後方向K1に移動可能とされている。
図19に示すように、アッパレール90の前部には、ロアレール89の前端に当接することによりロアレール89に対するアッパレール90の後方移動を規制する規制部材93が取り付けられている。
図20に示すように、ロアレール89は、前後方向K1に間隔をあけて設けられ且つ前部から後部にわたって形成された多数の係合部91Aを有する。図18に示すように、アッパレール90内には、係合部91Aに係合する係合部材92Aが設けられている。係合部材92Aが係合部91Aに係合している状態では、ロアレール89に対するアッパレール90の前後移動が規制(第1スライドレール84L,84Rがロック)される。
図17に示すように、アッパレール90には、操作杆94が取り付けられている。操作杆94は、一端部94aが左の第1スライドレール84Lのアッパレール90に取り付けられ、他端部94bが右の第1スライドレール84Lのアッパレール90に取り付けられている。操作杆94は、係合部材92Aに連動しており、操作杆94を引き上げることにより、係合部材92Aが係合部91Aから離反する。これにより、ロアレール89に対するアッパレール90の前後移動が許容される。操作杆94の操作力を解除すると、操作杆94は、バネの付勢力により下方に引き下げられ、係合部材92Aが係合部91Aに係合する。
図21に示すように、第2スライドレール86L,86Rは、前後方向K1に長く形成され、ロアレール95と、アッパレール96とを有する。図18に示すように、ロアレール95は、サスペンション88に取り付けられている。アッパレール96は、ロアレール95に前後方向K1に移動可能に嵌められていると共に運転席6に取り付けられている。これにより、可動体85に対して運転席6が前後方向K1に移動可能とされている。
図20に示すように、ロアレール95は、前後方向K1に間隔をあけて設けられ且つ前部から後部にわたって形成された多数の係合部91Bを有する。図18に示すように、アッパレール96内には、係合部91Bに係合する係合部材92Bが設けられている。係合部材92Bが係合部91Bに係合している状態では、ロアレール95に対するアッパレール96の前後移動が規制(第2スライドレール86L,86Rがロック)される。
図21に示すように、アッパレール96には、操作杆97が取り付けられている。操作杆97は、一端部97aが左の第1スライドレール84Lのアッパレール96に取り付けられ、他端部97bが右の第1スライドレール84Lのアッパレール96に取り付けられている。操作杆97は、係合部材92Bに連動しており、操作杆97を引き上げることにより、係合部材92Bが係合部91Bから離反する。これにより、ロアレール95に対するアッパレール96の前後移動が許容される。操作杆97の操作力を解除すると、操作杆97は、バネの付勢力により下方に引き下げられ、係合部材92Bが係合部91Bに係合する。
可動体85に対して運転席6を前後方向K1に位置調整することにより、オペレータと操作レバー77L,77Rとの前後方向K1の位置関係を調整することができる。これにより、肘の曲がりの楽な姿勢でオペレータが操作レバー77L,77Rを操作することができる状態に運転席6の位置を設定することができる。また、可動体85を前後に位置調整することにより、オペレータと操作レバー77L,77Rとの前後方向K1の位置関係を保持したまま、運転席6の前後位置を調整することができる。
図15に示すように、運転席6の後部には、少なくとも1つのストッパ98が設けられている。ストッパ98の後方には、ストッパ98が当接可能な少なくとも1つの当接部材99が設けられている。ストッパ98が当接部材99に当接することで運転席6の後方移動を規制することが可能である。また、ストッパ98は、運転席6が隔壁部材22Aに干渉する前に当接部材99に当接する。これにより、運転席6が隔壁部材22Aと干渉するのを防止することができる。
図16に示すように、ストッパ98は、本実施形態では、座部6Aの後部の左方と、座部6Aの後部の右方とに設けられている。なお、ストッパ98は、1つであってもよいし、3つ以上設けられていてもよい。当接部材は、ストッパの数に対応する数設けられていてもよいし、複数のストッパに対して1つの当接部材が設けられてもよい。
図22に示すように、ストッパ98は、運転席6の骨格を形成するシートフレーム6Cに取り付けられた支持ブラケット100に前後方向K1に位置調整可能に取り付けられている。ストッパ98は、当接部材99に当接する当たり部98aと、当たり部98aから前方に突出するネジ軸98bとを有する。ネジ軸98bは、棒材の外周面に雄ネジが形成された部材である。具体的には、ネジ軸98bは、ボルトによって構成され、該ボルトの頭部が当たり部98a内に埋設されている。
図22に示すように、支持ブラケット100は、シートフレーム6Cに取り付けられた第1部位100aと、第1部位100aの後端から上方に延出された第2部位100bとを有する。第2部位100bは、前後方向K1の軸心を有するネジ穴102を有する。ネジ穴102は、支持ブラケット100を貫通して形成された貫通穴の内周面に雌ネジを形成した穴である。このネジ穴102にネジ軸98bがねじ込まれている。ネジ軸98bを螺進(ねじ込む)又は螺退する(緩める)ことにより、当接部材99に対してストッパ98が前後方向K1に位置調整可能である。ネジ軸98bには、ストッパ98の位置を固定するロックナット101がねじ込まれている。
図8、図10に示すように、当接部材99は、隔壁部材22Aの前面側に取り付けられている。当接部材99は、隔壁部材22Aの上部の左部と、隔壁部材22Aの上部の右部とに設けられている。左の当接部材99Lに左のストッパ98Lが当接し、右の当接部材99Rに右のストッパ98Rが当接する。
図22に示すように、当接部材99は、当接板99aと、当接板99aの背面に固定された取付片99bとを有する。取付片99bは、閉塞プレート72に溶接固定されている。図10に示すように、当接板99aは、上部から下部にわたって縦長に形成されている。縦長とは、機体幅方向K2の幅に対して上下方向の長さが長いことである。当接板99aの前面は、ストッパ98が当接する当接面であり、鉛直面(鉛直方向に沿った面)とされている。
図10、図23に示すように、隔壁部材22Aは、下部(隔壁本体67の第2部位67B)に、第1スライドレール84Lに対応する部位に形成された左の第1挿通穴103Lと、第1スライドレール84Rに対応する部位に形成された右の第1挿通穴103Rとを有している。第1挿通穴103Lには、第1スライドレール84Lの後端側が挿通され、第1挿通穴103Rには、第1スライドレール84Rの後端側が挿通される。第1挿通穴103Lは、左の第1カバー板104Lで塞がれ、第1挿通穴103Rは、右の第1カバー板104Rで塞がれている。第1カバー板104L,104Rは、第1スライドレール84L,84Rとの干渉を避けるために後方に向けて凹まされている。即ち、隔壁部材22Aは、第1レール装置(第1スライドレール84L,84R)の後端側を挿入すべく後方に凹む第1凹部107を有する。
図10、図23に示すように、隔壁部材22Aは、上部(閉塞プレート72)に、第2スライドレール86Lに対応する部位に形成された左の第2挿通穴105Lと、第2スライドレール86Rに対応する部位に形成された右の第2挿通穴105Rとを有している。第2挿通穴105Lには、第2スライドレール86Lの後端側が挿通され、第2挿通穴105Rには、第2スライドレール86Rの後端側が挿通される(図23の仮想線参照)。第2挿通穴105Lは、左の第2カバー板106Lで塞がれ、第2挿通穴105Rは、右の第2カバー板106Rで塞がれている。第2カバー板106L,106Rは、第2スライドレール86L,86Rとの干渉を避けるために後方に向けて凹まされている。即ち、隔壁部材22Aは、第2レール装置(第2スライドレール86L,86R)の後端側を挿入すべく後方に凹む第2凹部108を有する。
隔壁部材22Aに、第1凹部107及び第2凹部108を設けることにより、運転席6及び可動体85を隔壁部材22Aに近づけることができ、運転席6の前方空間を広くすることができる。
隔壁部材22Aに、第1挿通穴103L,103R及び第2挿通穴105L,105Rを設けると共に第1挿通穴103L,103Rを塞ぐ第1カバー板104L,104R及び第2挿通穴105L,105Rを塞ぐ第2カバー板106L,106Rを設けることにより、隔壁部材22Aに、第1凹部107及び第2凹部108を容易に設けることができる。また、原動機E1の熱が運転席6側(キャビン5の室内)に伝達するのを抑制することができる。
運転席6がサスペンション88によって支持されているため、オペレータが運転席6に着座したときには、オペレータの体重によって運転席6は沈み込む。このことを考慮して、オペレータが運転席6に着座していないときには、図23に示すように、第2スライドレール86L,86Rは、第2カバー板106L,106R(第2挿通穴105L,105R)の上部に位置する。
また、当接部材99を縦長に形成することで、運転席6の沈み込みや、運転席6の高さ調整に対応することができる。
可動体85を移動領域の後端に移動させた際に、ストッパ98が当接部材99に当たらない状態であるときには、規制部材93によって可動体85及び運転席6の後方移動が規制される。可動体85を移動領域の後端に移動させた際に、ストッパ98が当接部材99に当たる状態であるときには、ストッパ98によって可動体85及び運転席6の後方移動が規制される。また、運転席6だけを後方に移動させるときには、ストッパ98によって運転席6の後方移動が規制される。即ち、ストッパ98は、可動体85を後方移動したときの位置規制及び運転席6だけを後方移動したときの位置規制の両方の位置規制を行う。
可動体85を移動領域の後端側に移動させ且つストッパ98の後方移動が当接部材99で規制される状態で、運転席6は、可動体85に対して後方に位置調整可能な余裕を有している。したがって、この状態から可動体85を前方移動させると、運転席6は後方に移動可能である。そして、運転席6を後方に移動させることで操作レバー77L,77Rと運転席6の前後方向距離を広げることができる。これにより、運転時において、オペレータが操作レバー77L,77Rを操作しやすい、快適な姿勢(肘が曲がりすぎず、腕を適度に伸ばした姿勢)にすることができる。
また、オペレータが乗り降りする際には、可動体85を移動領域の後端側に移動させた状態でストッパ98が当接部材99に当たる位置になるように、可動体85に対する運転席6の前後位置を調整することにより、運転席6及び可動体85を隔壁部材22Aに近接させた状態にすることができる。即ち、乗り降り時には、操作レバー77Lが邪魔にならないように、運転席6及び操作レバー77Lを隔壁部材22Aに近接させた状態にスライドさせることができる。
また、第1スライドレール84L,84Rは、可動体85を後方に移動させてストッパ98が当接部材99に当接した後、ストッパ98と当接部材99との間に隙間のできる状態で、前後移動不能にロックされる。即ち、ストッパ98が当接部材99に当接した状態では、係合部材92Aが係合部91Aに係合せず、ストッパ98が当接部材99に当接した状態から可動体85を少し前に移動させると係合部材92Aが係合部91Aに係合して第1スライドレール84L,84Rがロックされる。
運転席6がサスペンション88によって支持されているため、運転席6にオペレータが座ったときや機体2の上下振動によって、機体2と運転席6とが上下に相対移動する。ストッパ98が当接部材99に当接した状態で第1スライドレール84L,84Rがロックされると、ストッパ98と当接部材99とが擦れ合う。そこで、ストッパ98と当接部材99との間に隙間を設けることにより、ストッパ98と当接部材99との擦れ合いを防止することができる。
また、上記と同様の理由で、第2スライドレール86L,86Rは、ストッパ98が当接部材99に当接した後、ストッパ98と当接部材99との間に隙間のできる状態で、前後移動不能にロックされる。
図24、図25に示すように、キャビン5は、キャビンフレーム111を有する。キャビンフレーム111は、左の前支柱112L、右の前支柱112R、左の後支柱113L、右の後支柱113Rを有する。左の後支柱113Lは、左の前支柱112Lの後方に位置する。右の後支柱113Rは、右の前支柱112Rの後方に位置する。前支柱112L,112Rと後支柱113L,113Rの上端の高さは略同じ高さであり、後支柱113L,113Rの下端の高さは前支柱112L,112Rの下端の高さより高い位置に位置している。
前支柱112Lと後支柱113Lの上部同士は、左の上部枠材114Lによって連結され、前支柱112Rと後支柱113Rの上部同士は、右の上部枠材114Rによって連結されている。上部枠材114Lと上部枠材114Rとの間には、運転室(キャビン5の室内)の上方を覆うルーフ115が設けられている。
前支柱112Lと前支柱112Rとの間には、運転室の前方を覆うと共にオペレータが室内からキャビンの前方を透視可能なフロントパネルが設けられる。前支柱112Lと前支柱112Rとの下端部同士は、前下枠板117で連結されている。前下枠板117は、ステップ52の前部の上方に位置する(図26参照)。キャビン5の前部には、該キャビン5をステップ52の上面に防振支持する前マウント装置(前マウント部材118L、前マウント部材118Rを含む)が設けられている。前下枠板117の左部には、左の前マウント部材118Lが取り付けられ、前下枠板117の右部には、右の前マウント部材118Rが取り付けられている。
図26に示すように、前マウント部材118Lは、ステップ52の上面に載置されると共にステップ取付部53aにステップ52と共締めで取り付けられる。前マウント部材118Rは、ステップ52の上面に載置されると共にステップ取付部53bにステップ52と共締めで取り付けられる。
後支柱113Lと後支柱113Rとの間には、運転室の上部の後方を覆うと共にオペレータが室内からキャビン5の後方を透視可能なリヤパネルが設けられる。図24、図25に示すように、後支柱113Lと後支柱113Rとの下端部同士は、後下枠板119で連結されている。後下枠板119は、上部プレート59の上方に位置する(図27参照)。キャビン5の後部には、該キャビン5を上部プレート59の上面に防振支持する後マウント装置(後マウント部材120L、後マウント部材120Rを含む)。後下枠板119の左部には、左の後マウント部材120Lが取り付けられ、後下枠板119の右部には、右の後マウント部材120Rが取り付けられている。
図27に示すように、後マウント部材120Lは、上部プレート59の上面の左部に載置されて取り付けられ、後マウント部材120Rは、上部プレート59の上面の右部に載置されて取り付けられる。
図24、図25に示すように、キャビン5の左の側壁部は、第1側枠116を有する。第1側枠116は、前支柱112Lと後支柱113Lとの間の後部に設けられている。第1側枠116は、前支柱112Lの後方に間隔をあけて配置された中間支柱116aと、中間支柱116aの下部から後方に延びる後下部枠(内層部材)116bとを有する。前支柱112Lと中間支柱116aとの下端部同士は、下側枠121で連結されている。下側枠121は、ステップ52の左部の上方に位置する(図28参照)。前支柱112Lと中間支柱116aとの間に、運転室の前部の左側方を覆うドア28が設けられる(図1参照)。ドア28は、キャビン5の左の側壁部の一部を構成する。中間支柱116aと後支柱113Lとの間には、運転室の後上部の左側方を覆うと共に透視性を有するサイドパネルが設けられる。サイドパネルは、キャビン5の左の側壁部の一部を構成する。なお、キャビン5の左の側壁部は、キャビン5の室内側に設けられる内装材等を含む。
図28に示すように、後下部枠116bは、前下壁122Aと、背面壁122Bと、後下壁122Cを有する。前下壁122Aは、ステップ52の左部の上方に位置し、下側枠121から後方に向けて延びるように延在している。背面壁122Bは、前下壁122Aの後端から上方に向けて延びるように延在している。背面壁122Bは、上部の第1部位122aと、下部の第2部位122bとを有する。第2部位122bは、前下壁122Aの後端から後方に向かうに従って上方に移行する傾斜方向に延出しており、隔壁本体67の第2部位67Bの前方に位置している。第1部位122aは、第2部位122bの上端から後方に向かうに従って上方に移行する傾斜方向に延出してる。第1部位122aは、第2部位122bより上下方向に対する傾斜角度が緩い傾斜角度に形成されている。第1部位122aは、隔壁本体67の第1部位67Aの前方に位置している。後下壁122Cは、背面壁122Bの上端から後方に向けて延出している。後下壁122Cは、上部プレート59の上方に位置する。
図24、図25に示すように、キャビン5の右の側壁部は、第2側枠123と横枠部材124とを有する。第2側枠123及び横枠部材124は、前支柱112Rと後支柱113Rとの間に設けられている。第2側枠123は、前支柱112Rと後支柱113Rとの間の下部に設けられている。また、第2側枠123は、前支柱112Rと後支柱113Rとにわたって設けられている。前支柱112Rと後支柱113Rとの間で且つ第2側枠123上方には、オペレータが室内からキャビン5の側方を透視可能で且つ開閉可能な開閉窓が設けられる。開閉窓は、キャビン5の右の側壁部の一部を構成する。第2側枠123の上部には、開口123aが形成され、この開口123aには、オペレータが室内からキャビン5の側方を透視可能な窓が設けられる。この窓は、キャビン5の右の側壁部の一部を構成する。開口123aを通して左の走行機構10の端部を視認可能である。なお、キャビン5の右の側壁部は、キャビン5の室内側に設けられる内装材等を含む。
横枠部材124は、前支柱112Rと後支柱113Rとの間の下部であって、第2側枠123の上下中途部(開口123aの下方)に設けられている。横枠部材124は、後方に向かうに従って上方に移行する傾斜状に配置され、前支柱112Rと後支柱113Rとを連結している。
図29に示すように、第2側枠123は、前下壁125Aと、背面壁125Bと、後下壁125Cとを有する。前下壁125Aは、前支柱112Rの下端から後方に向けて延びるように延在しており、ステップ52の右部の上方に位置している。背面壁125Bは、前下壁125Aの後端から上方に向けて延びるように延在している。背面壁125Bは、上部の第1部位125aと、下部の第2部位125bとを有する。第2部位125bは、前下壁125Aの後端から後方に向かうに従って上方に移行する傾斜方向に延びるように延在しており、隔壁本体67の第2部位67Bの前方に位置している。第1部位125aは、第2部位125bの上端から後方に向かうに従って上方に移行する傾斜方向に延出している。第1部位125aは、第2部位125bより上下方向に対する傾斜角度が緩い傾斜角度に形成されている。第1部位125aは、隔壁本体67の第1部位67Aの前方に位置している。後下壁125Cは、背面壁125Bの上端から後方に向けて延出している。後下壁125Cは、上部プレート59の上方に位置する。
図30は、キャビン5の底面を示している。図30に示すように、キャビン5は、下端に、下方に開口し且つキャビン5の室内に連通する開口部126を有する。開口部126は、前下枠板117、後下枠板119、下側枠121、後下部枠116bの前下壁122A、背面壁122B及び後下壁122C、第2側枠123の前下壁125A、背面壁125B及び後下壁125Cによって形成されている。
図31に示すように、前下枠板117、後下枠板119及び下側枠121の下面と、後下部枠116bの前下壁122A及び後下壁122Cの下面と、第2側枠123の前下壁125A及び後下壁125Cの下面と、後下部枠116bの背面壁122B及び第2側枠123の背面壁125Bの背面とは、開口部126を取り囲むシール材127が接着等によって取り付けられるシール取付面128を構成している。
図31に示すように、シール材127は、略矩形形状に形成され、前部位127a、左側部位127b、右側部位127c、後部位127dを有する。前部位127aは、前下枠板117の前部に前支柱112Lから前支柱112Rにわたって取り付けられている。前部位127aの後方側に前マウント部材118L,118Rが設けられている。
左側部位127bは、前部位127aの左端部から後方に向けて延びるように延在しており、前支柱112Lから後支柱113Lにかけて設けられている。左側部位127bは、下側枠121及び後下部枠116bの前下壁122A、背面壁122B及び後下壁122Cに取り付けられている。
右側部位127cは、前部位127aの右端部から後方に向けて延びるように延在しており、前支柱112Rから後支柱113Rにかけて設けられている。右側部位127cは、第2側枠123の前下壁125A、背面壁125B及び後下壁125Cに取り付けられている。
後部位127dは、左側部位127bの後端部と右側部位127cの後端部とを接続している。後部位127dは、後下枠板119の前部に後支柱113Lから後支柱113Rにわたって取り付けられている。
図32に示すように、機体2側に、シール材127が当接するシール当接面(第1当接面129、第2当接面130、第3当接面131、第4当接面132)が設けられている。第1当接面129は、ステップ52の上面に設けられている。第1当接面129は、第1シール面129aと、第2シール面129bと、第3シール面129cとを有する。
図28、図32に示すように、第1シール面129aは、ステップ52の左部(機体幅方向K2の一側部)に設けられ、シール材127の左側部位127bが当接する。
図29、図32に示すように、第2シール面129bは、ステップ52の右部(機体幅方向K2の他側部)に設けられ、シール材127の右側部位127cが当接する。
図26、図32に示すように、第3シール面129cは、ステップ52の前部に設けられ、第1シール面129aと第2シール面129bの前部同士を接続している。第3シール面129cに、シール材127の前部位127aが当接する。したがって、前マウント部材118L,118Rは、第3シール面129cの後方に配置されている。
図10、図28、図32に示すように、第2当接面130は、隔壁部材22Aの前面の左部(機体幅方向K2の一側部)に設けられている。第1シール面129aから第2当接面130にわたってシール材127の左側部位127bが当接している。
図29、図32に示すように、第3当接面131は、隔壁部材22Aの前面の右部(機体幅方向K2の他側部)に設けられている。第2シール面129bから第3当接面131にわたってシール材127の右側部位127cが当接している。
図27、図32に示すように、第4当接面132は、上部プレート59の上面に設けられている。第4当接面132には、シール材127の後部位127d、左側部位127bの後端部及び右側部位127cの後端部が当接している。即ち、シール材127は、第2当接面130から第4当接面132を経て第3当接面131にわたって当接している。
図32に示すように、左側部位127bの後端部は、シールブロック70L上を経て第2当接面130(隔壁部材22A)から第4当接面132(上部プレート59)にわたっている。右側部位127cの後端部は、シールブロック70R上を経て第3当接面131(隔壁部材22A)から第4当接面132(上部プレート59)にわたっている。後マウント部材120は、第4当接面132の後方に配置されている。
以上のように、キャビン5下部の開口部126の周囲が全周にわたってシールされる。これにより、キャビン5の室内への騒音の侵入防止効果が向上され、耳元騒音の低減が図れる。また、キャビン5の室内への埃等の侵入防止効果も向上することができ、快適な操縦空間(運転空間)を実現できる。
図1に示すように、キャビン5の室内の運転席6下方には、エアコン本体136が設けられている。エアコン本体136は、作業機1に装備された空調装置の本体部を構成する。エアコン本体136は、ケース及びケース内に収容された送風機、エバポレータ等を有する。
図2に示すように、空調装置の冷却系のコンプレッサG1は原動機E1の右側の前部に設けられている。冷却系の膨張弁G2、放熱器(コンデンサー)G3は、ラジエータR1の側方に配置されている。空調装置の加熱系は、原動機E1の熱を利用している。
図37に示すように、エアコン本体136は、ステップ52の後部に配置されている。ステップ52の後部には、切欠き133が形成され、切欠き133の下方に取付部材109が設けられている(図7参照)。取付部材109は、ステップ52の下方に間隔をあけて配置された取付壁109bと、取付壁109aの前縁部及び両側の側縁部からステップ52の下面に向けて延出されて該下面に固定された延出壁109aとを有する。取付部材109は、上方及び後方が開口している。エアコン本体136の下部は、切欠き133を挿通している。エアコン本体136の下部は、取付壁109aに取り付けられている。したがって、エアコン本体136は、取付部材109を介してステップ52に取り付けられている。エアコン本体136の下部の後方にグロメット137が配置され、該グロメット137に、エアコン本体136に接続される配管類(第1配管141A〜第4配管141D)が挿通されている。
図8に示すように、グロメット137は、仕切り板47(主仕切り板48)の上部に設けられている。詳しくは、グロメット137は、仕切り板47の機体幅方向K2の中途部に位置すると共に隔壁部材22Aと仕切り板47(主仕切り板48)との間に設けられている。
図33に示すように、グロメット137に挿通される配管類は、暖房用の第1配管141A及び第2配管141Bと、冷房用の第3配管141C及び第4配管141Dである。第1配管141A及び第2配管141Bは、一方が原動機E1からエアコン本体136へ配策される熱媒供給用の配管であり、他方がエアコン本体136から原動機E1へ配策される熱媒戻し用の配管である。第3配管141C及び第4配管141Dは、一方が、コンプレッサG1から放熱器G3及び膨張弁G2を経てエアコン本体136に配策される冷媒供給用の配管であり、他方がエアコン本体136からコンプレッサG1へ配策される冷媒戻し用の配管である。
図9、図33に示すように、グロメット137は、主仕切り板48に設けられた切欠き凹部138に挿入されると共に隔壁部材22Aの下部延出部69に設けられたシール体140によって押さえられている。
図33、図34に示すように、切欠き凹部138は、上端から下方に向けて凹設されている。切欠き凹部138は、下端の縁部である底縁部138aと、機体幅方向K2で対向する第1側縁部138b及び第2側縁部138cとから上方開放状の正面視矩形状に形成されている。
図33に示すように、グロメット137は、四角ブロック状に形成されている。グロメット137は、配管類が通る複数の管挿通部(第1管挿通部144、第2管挿通部145、第3管挿通部146、第4管挿通部147)を有する。第1管挿通部144は、第1配管141Aを通す穴である。第2管挿通部145は、第2配管141Bを通す穴であって、第1管挿通部144に機体幅方向K2で隣接すると共に第1管挿通部144より上方に形成されている。第3管挿通部146は、第3配管141Cを通す穴であって、第2管挿通部145に機体幅方向K2で隣接すると共に第2管挿通部145より下方に形成されている。第4管挿通部147は、第4配管141Dを通す穴であって、第3管挿通部146に機体幅方向K2で隣接すると共に第3管挿通部146より上方に形成されている。即ち、複数の管挿通部は、機体幅方向K2について隣り合う管挿通部同士が上下に位置ずれするように設けられている。
図33、図36に示すように、グロメット137は、上部の第1部材142と、下部の第2部材143とに2分割されている。第1管挿通部144は、第1部材142に形成された凹部144Aと第2部材143に形成された凹部144Bとによって構成されている。第2管挿通部145は、第1部材142に形成された凹部145Aと第2部材143に形成された凹部145Bとによって構成されている。第3管挿通部146は、第1部材142に形成された凹部146Aと第2部材143に形成された凹部146Bとによって構成されている。第4管挿通部147は、第1部材142に形成された凹部147Aと第2部材143に形成された凹部147Bとによって構成されている。即ち、グロメット137は、複数の管挿通部を二分する割面148で上下に分割されている。
図33、図36に示すように、グロメット137は、切欠き凹部138の縁部が挿入される溝149を有する。溝149は、グロメット137の下面に形成された機体幅方向K2の第1溝部149aと、グロメット137の一側面に形成された上下方向の第2溝部149bと、グロメット137の他側面に形成された上下方向の第3溝部149cとを有する。第2溝部149b及び第3溝部149cは、第2部材143の下端から第1部材142の中途部にわたって形成されている。第1溝部149aに底縁部138aが挿入し、第2溝部149bに第1側縁部138bが挿入し、第3溝部149cに第2側縁部138cが挿入する。
図34に示すように、シール体140は、四角ブロック状に形成され、下部延出部69が挿入する係合溝140aを有する。
図33、図35に示すように、グロメット137は、主仕切り板48に取り付けられた抜止め板139によって切欠き凹部138からの抜止めがなされている。抜止め板139は、上壁139aと、第1延出片139bと、第2延出片139cと、第1取付片139dと、第2取付片139eとを有する。
上壁139aは、グロメット137の上端部の後方に位置する基板部139fと、基板部139fから前方に突出してグロメット137を押さえる押え板部139gとを有する。押え板部139g上にシール体140が当接する。第1延出片139bは、基板部139fの左端から下方に延出している。第2延出片139cは、基板部139fの右端から下方に延出している。第1取付片139dは、第1延出片139bの下端から左方に延出している。第2取付片139eは、第2延出片139cの下端から右方に延出している。
図33に示すように、主仕切り板48の背面には、第1取付片139dの下方に位置する第1ステー151Lと、第2取付片139eの下方に位置する第2ステー151Rとが固定されている。第1ステー151Lに第1取付片139dがボルト固定され、第2ステー151Rに第2取付片139eがボルト固定されている。
図38に示すように、キャビン5は、エアコン本体136に対してキャビン5の室外の空気(外気)を導入する外気導入部152を有する。外気導入部152は、エアコン本体136の側方であって、キャビン5の左の側面の後部に設けられている。エアコン本体136は、送風機の吸引力によって内部に外気を取り入れる吸気部136aを有し、この吸気部136aの側方近傍に外気導入部152が設けられている。吸気部136aは、外気導入ダクト155を介して外気導入部152に接続されている。エアコン本体136が外気導入部152の側方の近傍に配置されることにより、外気を導入する際の圧損が少なく、大容量の外気導入に対応することができる。
図1に示すように、外気導入部152は、キャビン5の後部の下部に設けられている。外気導入部152は、図39に示す内層部材を有する。内層部材は、キャビン5の左側部に設けられた第1側枠116の後下部枠116bによって構成されている(図24参照)。以下、後下部枠116bを内層部材という。
図39に示すように、内層部材116bは、第1外気導入口154を有している。第1外気導入口154に外気導入ダクト155が接続される(図38参照)。内層部材116bは、中間支柱116aと背面壁122Bとの間の下部に平板状のプレート部156を有している。このプレート部156の上部に第1外気導入口154が形成されている。第1外気導入口154は、内層部材116bを貫通して形成された前後方向に長い横長矩形状の縁部によって形成されている。第1外気導入口154は、キャビン5の室内に連通している。プレート部156の上方には、機体外方に突出する突出部157が中間支柱116aから背面壁122Bにわたって設けられている。プレート部156の後方側は、背面壁122B及び後下壁122Cで形成される開放部122Dとされている。開放部122Dは、背面壁122Bの後方で且つ後下壁122Cの下方である。背面壁122Bの機体外方側の端部には、フランジ壁122dが設けられている。後下壁122Cの機体外方側の端部にも、フランジ壁122eが設けられている。
図39、図40に示すように、外気導入部152は、内層部材116bの機体外方側に対向配置された中層部材158を有する。中層部材158は、内層部材116bに溶接によって固定されている。中層部材158は、上壁部158aと、覆い壁部158bと、第1取付壁部158cと、第2取付壁部158dとを有する。上壁部158aは、内層部材116bの上部及び開放部122Dの上部を覆っている。覆い壁部158bは、プレート部156及び突出部157を覆っている。覆い壁部158bは、第1外気導入口154の外方を覆っている。即ち、中層部材158は、第1外気導入口154の外方を覆っている。
第1取付壁部158cは、覆い壁部158bの後端から後方に延出されている。第2取付壁部158dは、上壁部158aの下端から下方に延出され、第1取付壁部158cに接続されている。覆い壁部158bの後方側は、第1取付壁部158c及び第2取付壁部158dで形成される開放部164とされている。開放部164は、第1取付壁部158cの後方で且つ第2取付壁部158dの下方である。
図41、図42に示すように、中層部材158は、内層部材116bのプレート部156と機体幅方向K2で間隔をあけて設けられている。突出部157は、中層部材158に当接して溶接されている。プレート部156と該プレート部156に対向する覆い壁部158bとの間の空間部の上方が突出部157によって閉塞されている。中層部材158の下端部158eは、内層部材116bに向けて屈曲されると共に、内層部材116bの前下壁122Aに溶接によって固定されている。これにより、プレート部156と覆い壁部158bとの間の下方は、下端部158e及び前下壁122Aによって閉塞されている。第1取付部158cは、フランジ壁122dに溶接によって取り付けられている。これにより、プレート部156と覆い壁部158bとの間の後方は、背面壁122Bによって閉塞されている。中間支柱116aの機体外方側は支柱カバー159で覆われている。支柱カバー159は、中層部材158の前端部に固定されている。
図40、図41に示すように、プレート部156と中層部材158との間の空間部は、中間支柱116aと支柱カバー159との間に連通している。
図44に示すように、支柱カバー159の下端部159aには、水排出用隙間162が形成されている。水排出用隙間162は、下側枠121の後端部121aと、122Aの前端部122cと、支柱カバー159の下端部159aとによって形成されている。
図39、図40に示すように、中層部材158は、第1外気導入口154に対して水平方向に重畳しないように位置ずれした第2外気導入口160を有している。すなわち、第2外気導入口160は、第1外気導入口154との非対向部に形成されている。本実施形態では、第2外気導入口160は、覆い壁部158bに形成され、第1外気導入口154より下方に設けられている。即ち、第1外気導入口154は、第2外気導入口160に対して上方に位置ずれしている。
第2外気導入口160は、複数の孔160aによって形成されている。複数の孔160aは、前後方向K1に長い横長の孔(長孔)によって形成され、上下方向に平行状に並べて設けられている。図42に示すように、中層部材158の機体内方には、孔160aの上端から下方に延びる庇状部161が設けられている。すなわち、中層部材158は、前記各長孔の上縁部に、鉛直方向に対して内層部材116b側に傾斜した庇状部161を備えている。
図40に示すように、覆い壁部158bの外面の後部(第1取付壁部158cの前方)には、上下方向に長いシール材165が設けられている。シール材165は、覆い壁部158bの下端部から上端にわたって設けられている。
図40、図43に示すように、外気導入部152は、中層部材158の機体外方側に設けられた外層部材(外装部材)163を有する。外層部材163は、覆い壁部158bを覆う前部部位163Aと、開放部164を覆う後部部位163Bとを有する。即ち、外層部材163は、第2外気導入口160の外方を覆っている。
図41、図42に示すように、外層部材163は、中層部材158と間隔をあけて対向配置されている。外層部材163には、機体内方に突出して中層部材158に当接する突出部167が設けられている。この突出部167は、ボルト168によって中層部材158に取り付けられている。
図41、図42、図43に示すように、外層部材163は、前部部位163Aに第2外気導入口160に対して水平方向に重畳しないように位置ずれした第3外気導入口166を形成する。すなわち、第3外気導入口166は、第2外気導入口160との非対向部に形成されている。第3外気導入口166は、外層部材163の外縁部と中層部材158との間の隙間である。したがって、外層部材163は、第2外気導入口160に対して水平方向に重畳しないように位置ずれした第3外気導入口166を形成する。第3外気導入口166は、前隙間166a、上隙間166b及び下隙間166cである。前隙間166aは、外層部材163の前縁部163aと中層部材158との間の隙間である。上隙間166bは、外層部材163の上縁部163bと中層部材158との間の隙間である。下隙間166cは、外層部材163の下縁部163cと中層部材158との間の隙間である。
図40、図41に示すように、前部部位163Aの後部(外層部材163の前後方向の中途部)の内面は、シール材165に当接している。したがって、外層部材163と中層部材158との間で且つ第2外気導入口160の後方は、外層部材163の上縁部163bから下縁部にわたってシール材165によって塞がれている。これにより、第2外気導入口160が、外層部材163の後縁側から原動機室E2内の空気を吸い込むのをシール材165によって防止している。前隙間166aの幅は、上隙間166b及び下隙間166cの幅よりも大きい。詳しくは、前隙間166aの幅は、上部及び下部に比べて中間部(前隙間166aの大部分を占める部位)が広く形成され、この中間部が、上隙間166b及び下隙間166cの幅よりも大きい。
第1外気導入口154と第2外気導入口160と第3外気導入口166の開口面積は、略等しい。これにより、第3外気導入口166から第2外気導入口160へ流れる空気の圧損、及び第2外気導入口160から第1外気導入口154へ流れる空気の圧損を少なくすることができる。
第3外気導入口166(前隙間166a、上隙間166b、下隙間166c)から取り入れられた外気は、第2外気導入口160、第1外気導入口154、外気導入ダクト155を通ってエアコン本体136内に導入される。洗車時、雨天時等において、前隙間166aや上隙間166bから入った水は、第2外気導入口160に直接当たらないので、第2外気導入口160から浸入するおそれは低い。また、前隙間166aや上隙間166bから入った水は、下隙間166cから外部に抜ける。第2外気導入口160からプレート部156と覆い壁部158b(中層部材158)との間に水が浸入したとしても、第1外気導入口154は、第2外気導入口160に対して上方に位置ずれしているので、該浸入した水が第1外気導入口154を介してキャビン5の室内側へ浸入しにくい。第2外気導入口160からプレート部156と中層部材158との間に水が浸入したとしても、該浸入した水は、庇状部161によって下方へ落とされる。下に落ちた水は、下端部158e及び前下壁122A上に溜まり、この溜まった水は、水排出用隙間162から外部に排出される。
以上のように、外気導入部152は、内層部材153、中層部材158及び外層部材163の三層構造とされると共に、第1外気導入口154、第2外気導入口160及び第3外気導入口166が相互に位置ずれしている(一直線上に並ばない位置に配置されている)ことから、外部からエアコン本体136への水の浸入の防止効果が高い構造に形成されている。また、本実施形態では、外気導入部152をキャビン5の機体外方側の側方に設けることで外気導入部152をエアコン本体136の吸気部136aの近傍に配置している。これにより、外気導入部152と吸気部136aとを接続する外気導入ダクト155の長さを短くして吸気の圧力損失を低減し、吸気効率を向上させることができる。
図40、図43に示すように、外層部材163の後部部位163Bは、開口部169と、開口部169を開閉する開閉蓋170とを有する。
なお、エアコン本体136は、外気を取り入れる状態と、キャビン5の室内の空気(内気)を取り入れる状態とに切り換える切換機構を具備している。内気は、運転席6の後方から取り入れる。
図38に示すように、エアコン本体136は、空調空気を送り出す送風口136bを有する。送風口136bは、右方に向けて空調空気を送風する。キャビン5の室内の右部には、エアコン本体136から送り出された空調空気を流通させると共にキャビン5の室内に送出するダクト装置171が設けられている。ダクト装置171は、第1送風ダクト(送風ダクト)172と、第2送風ダクト173と、接続ダクト174とを有する。
図38、図45及び図46に示すように、第1送風ダクト172は、キャビン5の室内の右前部に配置されている。第1送風ダクト172は、右の前支柱112Rの前側に縦向きに配置されている。第1送風ダクト172は、キャビン5に取り付けられている。第1送風ダクト172は、エアコン本体136からの空調空気をキャビン5の室内に吹き出す第1吹き出し部(吹き出し部)を有する。第1吹き出し部は、複数の吹き出し口(第1吹き出し口175a〜第1吹き出し口175d)を含む。第1吹き出し口175aは、第1送風ダクト172の上部に設けられ、空調空気をオペレータU1の頭部(顔面)に向けて吹き出す。第1吹き出し口175bは、第1吹き出し口175aの前側に設けられ、デフロスターとしての機能を有し、空調空気をキャビン5の前面のフロントパネルに向けて吹き出す。第1吹き出し口175cは、第1送風ダクト172の下部に設けられ、空調空気をオペレータU1の足元に向けて吹き出す。第1吹き出し口175cは、主として暖房用の吹き出し口として使用される。第1吹き出し口175dは、第1吹き出し口175cの前方に配置され、空調空気を第1送風ダクト172の下部から左方に向けて吹き出す。第1送風ダクト172は、下部の後部に空調空気を取り入れる取入れ口176を有する。取入れ口176は、後方に向けて開口しており、後方から接続ダクト174が接続される。
図38、図45及び図46に示すように、第2送風ダクト173は、キャビン5の室内の右後部に配置されている。第2送風ダクト173は、右の後支柱113Rの前側に縦向きに配置されている。第2送風ダクト173は、キャビン5に取り付けられている。第2送風ダクト173は、エアコン本体136からの空調空気をキャビン5の室内に吹き出す第2吹き出し部(吹き出し部)を有する。第2吹き出し部は複数の吹き出し口(第2吹き出し口177a〜第2吹き出し口177cを含む)を含む。第2吹き出し口177aは、空調空気をオペレータU1の頭部(首筋)に向けて吹き出す。第2吹き出し口177bは、デフロスターとしての機能を有し、空調空気をキャビン5の後面のリヤパネルに向けて吹き出す。第2吹き出し口177cは、背もたれ部6Bの側方位置に配置され、空調空気を前方に向けて吹き出す。第2送風ダクト173は、接続ダクト174に接続される接続管178を有する。接続管178は、ホース等によって構成される
図38に示すように、接続ダクト174は、エアコン本体136と、第1送風ダクト172及び第2送風ダクト173とを接続している。接続ダクト174は、エアコン本体136から送り出された空調空気を第1送風ダクト172及び第2送風ダクト173へ導く。
図38、図47、図48、図49に示すように、接続ダクト174は、第1ダクト部材179と、第2ダクト部材180と、第3ダクト部材181とを有する。第1ダクト部材179は、第1導風部182と、第2導風部183とを有する。第1導風部182は、送風口136bの右側方に配置されていて機体幅方向K2に延びるように延在している。第2導風部183は、取入れ口176の後方に配置されていて前後方向K1に延びるように延在している。第1導風部182と第2導風部183とは、筒状に形成され、第1導風部182の右端部と第2導風部183の後端部とが接続されて一体化されている。
図47、図48、図49に示すように、第1導風部182の前部には、空調空気を前方に向けて吹き出す第3吹き出し口184が設けられている。第1ダクト部材179は、第1導風部182と第2導風部183との接続部分の後部に設けられたダクト接続部185を有する。ダクト接続部185には、接続管178が接続される。第1導風部182の前部の下部には、ステップ52に取付部材を介して取り付けられる取付片186a,186bが設けられている(図47参照)。
図48、図49に示すように、第2ダクト部材180は、第1導風部182と送風口136bとの間に配置されていて、送風口136bから送り出された空調空気を第1導風部182に導く。第2ダクト部材180の左部は、送風口136b(エアコン本体136)に接続されている。第2ダクト部材180は、第1ダクト部材179に対して進退する方向に伸縮可能であり、第1ダクト部材179に支持されている。詳しくは、第2ダクト部材180は、一端側が第1導風部182の断面形状に対応する断面形状の筒状に形成されていて第1導風部182の内側に嵌められており、他端側が送風口136bの形状に対応する断面形状の筒状に形成されていて送風口136bの外側に嵌められている。そして、第2ダクト部材180を伸縮させることにより、第2ダクト部材180を第1導風部182及び送風口136bに対して容易に着脱できるようになっている。
図48、図49に示すように、第3ダクト部材181は、第1導風部182と取入れ口176との間に配置されていて、第1導風部182から第2導風部183を経て送られる空調空気を取入れ口176に導く。第3ダクト部材181の前部は、取入れ口176に接続されている。第3ダクト部材181は、第1送風ダクト172に対して進退する方向に伸縮可能であり、第1ダクト部材179に支持されている。詳しくは、第3ダクト部材181は、一端側が第2導風部183の断面形状に対応する断面形状の筒状に形成されていて第2導風部183の外側に嵌められており、他端側が取入れ口176の断面形状に対応する断面形状の筒状に形成されていて取入れ口176の外側に嵌められている。そして、第3ダクト部材181を伸縮させることにより、第3ダクト部材181を第2導風部183および取入れ口176に対して容易に着脱できるようになっている。
図47に示すように、第3ダクト部材181の前部の下部には、ステップ52に取付部材を介して取り付けられる取付片186cが設けられている。
第1導風部182、第2導風部183、第2ダクト部材180及び第3ダクト部材181の断面形状は、限られた設置スペースを有効に利用して断面積を大きくすることで送風時の圧損を低減し、大容量の風を流通させるために、矩形又は矩形に近似した形状にするのが好ましい。しかしながら、断面円形の筒状であってもよい。
図49に示すように、第1導風部182と第2ダクト部材180との接続部分には、第1クッション材187が設けられ、第2導風部183と第3ダクト部材181との接続部分には、第2クッション材188が設けられている。また、第2ダクト部材180と送風口136bとの接続部分には、第3クッション材189が設けられ、第3ダクト部材181と取入れ口176との接続部分には第4クッション材190が設けられている。
図50、図51に示すように、第1クッション材187は、第2ダクト部材180と第1導風部182との間に設けられている。詳しくは、第1クッション材187は、第2ダクト部材180の端部接続口180aと第1導風部182の端部接続口182aとの間に設けられていて、端部接続口180aを取り囲む環状に形成されている(図47に示す第3クッション材189を参照)。第1クッション材187は、例えば、端部接続口180aに固着される。
図50、図51に示すように、第3クッション材189は、第2ダクト部材180と送風口136bとの間に設けられている。詳しくは、第3クッション材189は、第2ダクト部材180の端部接続口180cと送風口136bの端部接続口136cとの間に設けられていて、端部接続口136cを取り囲む環状に形成されている(図47参照)。第3クッション材189は、例えば、端部接続口136cに固着される。
図50、図51に示すように、端部接続口180aには、第2ダクト部材180の外方に向けて突出し且つ周方向全周にわたって設けられた環状の第1突条180bが形成されている。端部接続口182aには、第1突条180bに係合することで第2ダクト部材180の機体幅方向K2の移動を規制する第1係合部182bが設けられている。第1係合部182bは、弾性変形可能である。第2ダクト部材180を強制的に第1導風部182内に押し込むことにより、第1係合部182bが第1突条180bに押圧されて外方に弾性的に拡開し、第2ダクト部材180の移動を許容する。
図52、図53に示すように、第2クッション材188は、第3ダクト部材181と第2導風部183との間に設けられている。詳しくは、第3クッション材188は、第3ダクト部材181の端部接続口181aと第2導風部183の端部接続口183aとの間に設けられていて、端部接続口183aを取り囲む環状に形成されている(図47に示す第4クッション材190を参照)。第2クッション材188は、例えば、端部接続口183aに固着される。
図52、図53に示すように、第4クッション材190は、第3ダクト部材181と取入れ口176との間に設けられている。詳しくは、第4クッション材190は、第3ダクト部材181の端部接続口181bと取入れ口176の端部接続口176aとの間に設けられていて、端部接続口181bを取り囲む環状に形成されている(図47参照)。第4クッション材190は、例えば、端部接続口176aに固着される。
図52、図53に示すように、端部接続口183aには、第2導風部183の外方に向けて突出し且つ周方向全周にわたって設けられた環状の第2突条183bが形成されている。端部接続口181aには、第2突条183bに係合することで第3ダクト部材181の前後方向K1の移動を規制する第2係合部181cが設けられている。第2係合部181cは、弾性変形可能である。
端部接続口181bには、第3ダクト部材181の外方に向けて突出し且つ周方向全周にわたって設けられた環状の第3突条181dが設けられている。端部接続口176aには、第3突条181dに係合することで第3ダクト部材181の前後方向K1の移動を規制する第3係合部176bが設けられている。第3係合部176bは、弾性変形可能である。
第3ダクト部材181を後方に強制的に移動することにより、第2突条183bに押圧されて第2係合部181cが弾性的に拡開し且つ第3突条181dに押圧されて第3係合部176bが弾性的に拡開する。これにより、第3ダクト部材181の移動が許容される。
エアコン本体136及び接続ダクト174は、機体2に固定され、第1送風ダクト172は、機体2に防振支持されたキャビン5に固定されており、機体2とキャビン5との振動の位相は異なる。第1クッション材187〜第4クッション材190は、機体2の振動を吸収し、機体2とキャビン5との振動の位相が異なることに起因する第1送風ダクト172及びエアコン本体136の破損を防止することができる。また、第1クッション材187〜第4クッション材190は、シール材としての機能を有する。
メンテナンス時等においては、図54に示すように、ダクト接続部185から接続管178を外し、且つ第2ダクト部材180を右方にスライド(収縮)させて第1導風部182内に挿入すると共に第3ダクト部材181を後方にスライド(収縮)させて第2導風部183の外側に位置させて接続ダクト174を縮める。これにより、接続ダクト174を送風口136bと取入れ口176との間から簡単に取り外すことができる。
また、キャビン5を機体2に組み付ける際には、先ず、接続ダクト174を縮めた収縮状態(図54に示した状態)にして機体2(ステップ52)上の邪魔にならない場所に仮置きしておく。キャビン5を機体2に組み付けた後、接続ダクト174を送風口136bと取入れ口176との間に配置すると共に、上記と逆の手順で接続ダクト174を送風口136b及び取入れ口176に接続すると共に接続ダクト174に第2送風ダクト173を接続する。これにより、効率的に組立できる。
図55に示すように、右のコンソール79Rは、運転席6とキャビン5(右の側壁部5A)との間に配置されている。コンソール79Rの前方には、ジョグダイヤル81Aで操作される表示装置191が設けられている。表示装置191は、ジョグダイヤル81Aの前方に配置されている。また、表示装置191は、運転席6の斜め前方(右斜め前方)に設けられている。詳しくは、表示装置191は、作業装置4の作業状態を見る際の邪魔にならない位置である前支柱112Rと運転席6との間に設けられている。また、表示装置191は、操作レバー77Rの前方に配置されている。詳しくは、表示装置191は、ジョグダイヤル81Aと操作レバー77Rとの間の前方に配置されている。言い換えると、表示装置191は、操作レバー77Rとドーザレバー80との間の前方に配置されている。
図56、図57に示すように、表示装置191は、表示画面の一部または全部が操作レバー77Rの上端部よりも上方に配置されている。また、オペレータは表示装置191を見下ろすかたちで表示装置191を視認する。これにより、操作レバー77Rは、オペレータが表示装置191をみる際の邪魔にならない。
図56に示すように、表示装置191は、第1送風ダクト172の上部に設けられている。詳しくは、図58に示すように、第1送風ダクト172の上部に、取付ブラケット192が設けられ、この取付ブラケット192に表示装置191を取り付ける取付プレート193が設けられている。取付プレート193には、表示装置191の接続端子191bを挿通する通し穴193aが形成されている。取付ブラケット192は、第1送風ダクト172をキャビン5に支持するブラケットである。表示装置191の下方に第1吹き出し口175aが設けられ、表示装置191の前側に第1吹き出し口175bが設けられている。
図55〜図57に示すように、表示装置191は、表示を行う表示部(表示面)191aを有する。表示部191aは、背もたれ部6Bを向いていると共にやや上向きに設けられている。即ち、表示部191aは、表示画面法線方向が運転席6に着座したオペレータの顔側を向くように前後方向K1及び鉛直方向に対して傾斜して配置されている。
表示部191aは、例えば、作業機1の基本情報や、作業機1の周囲の画像や、作業機1の様々な設定を行うのに必要な情報等が表示される。基本情報は、例えば、運転状況、モード変更、各種設定、ワーニング、燃料残量、時間(時刻)等である。作業機1の周囲の画像としては、例えば、作業機1の側方や後方の画像である。作業機1の様々な設定を行うのに必要な情報は、例えば、高さ制御設定、AI(オートアイドル)制御設定、アーム制限設定等の機械設定に必要な情報である。上記した表示部191aに表示される表示項目は例示であって限定的なものではない。
図55に示すように、ジョグダイヤル81Aの近傍(左側)には、オペレータが押圧操作を行う1又は複数のボタン操作部が設けられている。ボタン操作部は、本実施形態では、複数設けられている。具体的には、ボタン操作部は、第1スイッチ194と、第2スイッチ195とである。第1スイッチ194と第2スイッチ195とは、前後(上下)に並べて設けられている。ジョグダイヤル81A、第1スイッチ194及び第2スイッチ195は、表示部191aに表示される表示項目の操作をする第1操作具81である。ジョグダイヤル81Aは、回転操作が可能であり、回転操作を行うことにより、表示部191aに表示される複数の選択項目のうちの選択項目候補を変更する。また、ジョグダイヤル81Aは、押圧操作が可能であり、押圧操作することにより選択項目を決定する。第1スイッチ194は、押圧操作することにより表示部191aをホーム画面(最初の画面)に戻す。第2スイッチ195は、押圧操作することにより決定した選択項目のキャンセルを行う。なお、第1スイッチ194と第2スイッチ195は、その機能が逆であってもよい。
図55に示すように、ジョグダイヤル81Aは、ドーザレバー80の前方の空いたスペースを利用して配置されている。第2操作具82は、ドーザレバー80の後方に配置されている。また、ジョグダイヤル81Aは、アームレスト78Rの前方側であって、操作レバー77Rの側方(右側方)且つ操作レバー77Rの近傍に配置されている。ドーザレバー80は、操作レバー77Rの後方側であって、アームレスト78Rの側方(右側方)に配置されている。操作レバー77Rとドーザレバー80との間には、オペレータの手を通すことのできる間隔が設けられている。また、ジョグダイヤル(第1操作具)81は、運転席6に着座したオペレータがアームレスト78Rに腕(前腕)を乗せたまま操作レバー77Rとジョグダイヤル81Aとを操作可能な位置に配置されている。オペレータは、アームレスト78Rに腕を乗せた状態でジョグダイヤル81Aを操作することで、表示装置191の操作の負担を軽減することができる。また、オペレータは、操作レバー77Rからジョグダイヤル81Aへ、又はジョグダイヤル81Aから操作レバー77Rへ容易に手を移し変えることができ、操作性がよい。
図55〜図57に示すように、ジョグダイヤル81Aは、表示装置191の後方で且つ表示装置191よりも下方に配置されている。また、表示装置191及びジョグダイヤル81Aは、運転席6の背もたれ部6Bの側方且つ前方に配置されている。ジョグダイヤル81Aは、運転席6に着座して表示装置191を閲覧するオペレータの視野内の位置に配置されている。言い換えると、表示装置191とジョグダイヤル81Aとは、運転席6に着座したオペレータが同一視界内で視認可能な近い位置(範囲)に設けられている。これにより、オペレータは、表示装置191を見ながらジョグダイヤル81Aを操作可能であり、直感的に表示装置191の操作をしやすい。
図55〜図57に示すように、表示装置191の下方に携帯端末196を保持する携帯端末保持部197が設けられている。携帯端末保持部197は、運転席6に着座したオペレータが携帯端末196の表示面196aの少なくとも一部を視認可能な状態で携帯端末196を保持する。また、携帯端末保持部197は、携帯端末196の表示面196aが運転席6に着座したオペレータ側を向くように前後方向K1に対して傾斜した状態で携帯端末196を保持する。携帯端末保持部197は、運転席6の座部6Aの側方且つ前方に配置されている。
携帯端末196は、例えば、スマートフォンである。
ジョグダイヤル81Aは、高さ方向において表示装置191と携帯端末保持部197との間に配置されている。また、表示装置191、ジョグダイヤル81A及び携帯端末保持部197は、背面視において、上下方向に並ぶように配置されている。以上のように、表示装置191、ジョグダイヤル81A及び携帯端末保持部197は、運転席6に着座したオペレータが同一視界内で視認可能な近い範囲に設けられている。これにより、表示装置191と携帯端末196とを同時に閲覧したり、表示装置191と携帯端末196とに容易に視線を移し変えたりすることができ、オペレータは、作業中に表示装置191だけでなく携帯端末196も容易に確認することができる。また、オペレータは、ジョグダイヤル81Aを操作しながら表示装置191及び携帯端末196を視認可能である。これにより、例えば、携帯端末196を無線通信によって表示装置191に連携させることにより、表示装置191で表示可能な2つの表示内容のうちの一方を表示部191aに表示させると共に他方を携帯端末196に表示させて、2つの異なる表示内容を近接した範囲で表示させることも可能である。
図56、図57に示すように、携帯端末保持部197の下方の近傍に(下方に隣接して)、携帯端末196の充電に使用可能な電源ソケット198が配置されている。これにより、携帯端末196を携帯端末保持部197に保持させた状態で、充電ケーブルを介して電源ソケット198に繋ぐことが可能である。
図59、図60に示すように、運転席6の背もたれ部6Bの側方にリヤコンソール199が設けられている。リヤコンソール199は、小物入れ200と、小物入れ200に隣接する音響機器201とを有する。音響機器201は、例えば、ラジオユニットである。小物入れ200と音響機器201とを隣接して設けることにより、小物入れ200に入れたスマートフォンやポータブルオーディオを音響機器201の外部入力端子に接続し、キャビン5に装備されたスピーカを利用して、スマートフォンやポータブルオーディオに録音した音楽等を聞くことができる。
携帯端末保持部197、電源ソケット198及びリヤコンソール199は、キャビン5の室内の狭小空間を有効利用し、オペレータの外部視界、表示装置191の視界、音響機器201の操作部の視界をそれぞれ邪魔せず、また、その他の操縦装置(操作レバー77R、ドーザレバー80、ジョグダイヤル81A、各種スイッチ類等)の操作性も害することなく設けられている。
図59に示すように、キャビン5は、右の室内側に設けられた内装部材202を有する。内装部材202は、キャビン5の下部に前部から後部にわたって設けられており、第1送風ダクト172を覆っている。内装部材202に、携帯端末保持部197、電源ソケット198及びリヤコンソール199が取り付けられている。内装部材202は、飲料容器を保持するドリンクホルダ203を有する。
図56に示すように、ドリンクホルダ203は、第1送風ダクト172と接続ダクト174との接続部分の近傍に配置されている。接続ダクト174及び第1送風ダクト172を流れる空調空気によって、冷房時には、ドリンクホルダ203に保持した飲料容器を保冷することができ、暖房時には、飲料容器を保温することができる。
図55に示すように、コンソール79Rは、コンソールカバー204を有する。コンソールカバー204は、キャビン5の側壁部5A(右の側壁部)に沿って前後方向K1に延伸している。コンソールカバー204は、第1カバー211と、第2カバー212とを含む。第1カバー211は、運転席6の側方(右側方)に配置されている。第1カバー211は、運転席6の前部から後部にわたって設けられている。第2カバー212は、第1カバー211の側方であって運転席6側とは反対側の側方(右側方)に配置されている。また、第2カバー212は、第1カバー211と横枠部材124(キャビン5の右の側壁部5A)との間に配置されている。第2カバー212は、第1カバー211の前部から後部にわたって設けられている。
図55に示すように、第1カバー211の前部には、操作レバー77Rが配置されている。第1カバー211の中途部には、アームレスト78Rが配置されている。第1カバー211の後部には、各種の操作スイッチ類213が設けられている。
第2カバー212は、第1分割体212Aと、第2分割体212Bとに分割されている。即ち、コンソールカバー204は、第1分割体212Aと、第2分割体212Bとを有する。第1分割体212Aは、第2分割体212Bの前方に位置している。この第1分割体212Aは、ジョグダイヤル81Aが取り付けられるジョグダイヤル取付体であり、ジョグダイヤル取付体は前上がり傾斜状である。この傾斜状のジョグダイヤル取付体の上部にジョグダイヤル81Aが取り付けられている。これにより、アームレスト78Rに腕を載せた状態でジョグダイヤル81Aの操作が容易に行える。
図61に示すように、第1分割体212Aは、立上がり部214と、取付部(突出部)215とを有する。立上がり部214は、第2分割体212Bから前方に向かうに従って上方に移行する傾斜方向に立ち上がっている。取付部215は、立上がり部214の前部に設けられていると共に、横枠部材124の上方に位置している。
図55に示すように、取付部(突出部)215は、コンソールカバー204の前端部に設けられている。取付部215は、キャビン5の側壁部(右の側壁部)5A側に突出している。即ち、コンソールカバー204は、キャビン5の側壁部5A側に突出した突出部を有する。また、取付部(突出部)215は、キャビン5の側壁部5Aにおける当該取付部215よりも下方に配置される部分の少なくとも一部と平面視で重畳した状態で後述のコンソール支持部218に取り付けられている。本実施形態では、例えば、取付部215は、横枠部材124の一部であって、当該取付部215の下方に位置する部分と平面視でオーバーラップしている。
図55、図56、図57に示すように、取付部215に、ジョグダイヤル81A、第1スイッチ194及び第2スイッチ195が取り付けられている操作具取付面215aが設けられている。操作具取付面215aは、取付部215における運転席に着座したオペレータ側の面に設けられている。また、操作具取付面215aは、前方に向かうに従って(前方に向かうほど)上方に傾斜している。且つ、操作具取付面215aは、キャビン5の側壁部(右の側壁部)側へ向かうほど後方へ傾斜している。言い換えると、操作具取付面215aは、後方に向かうに従って運転席6から遠ざかる側に傾斜している。上記構成により、ジョグダイヤル81A、第1スイッチ194及び第2スイッチ195の操作性を向上することができる。
図55に示すように、立上がり部214は、前後方向K1に延びるように延在していると共に横枠部材124と平面視で間隔をあけて設けられている。取付部215は、操作レバー77Rから離れる方向(右方)に傾いて横枠部材124と平面視でオーバーラップしている。これにより、ジョグダイヤル81A、第1スイッチ194及び第2スイッチ195を操作レバー77Rから適度に離すことができ、操作レバー77Rが邪魔にならずにジョグダイヤル81A、第1スイッチ194及び第2スイッチ195を操作することができる。
図61に示すように、立上がり部214は、上方から下方に向けて凹む凹部216を有する。
図55に示すように、第2分割体212Bは、第1分割体212Aから後方向に向けて突出していて前後方向K1に延びるように延在している。第2分割体212Bは、横枠部材124と平面視で間隔をあけて設けられている。第2分割体212Bの後部に第2操作具82が設けられている。第2操作具82の前方には、ドーザレバー80を挿通するガイド溝217が設けられている。ドーザレバー80は、コンソール79Rに前後に揺動操作可能に設けられており、ガイド溝217は、ドーザレバー80の操作方向の移動を許容すべく前後に長く形成されている。図55、図62に示すように、ガイド溝217は、第1分割体212Aに形成された第1溝部217aと、第2分割体212Bに形成された第2溝部217bとを含む。即ち、ガイド溝217は、第1分割体212Aと第2分割体212Bとにわたって形成されている。
図61、図62、図63に示すように、コンソール79Rは、コンソールカバー204が取り付けられるコンソール支持部218を有する。
コンソール支持部218は、スライドフレーム87の第3取付部87Rに取り付けられるベースプレート218Aを有する。コンソール支持部218は、ベースプレート218Aに立設された縦プレート218Bを有する。
コンソール支持部218は、縦プレート218Bの前部の左面側に設けられた第1バルブ取付部218Cを有する。第1バルブ取付部218Cには、操作レバー77Rで操作されるバルブであって、ブームシリンダC3及びバケットシリンダC5を制御するパイロットバルブ(図示省略)が取り付けられる。
コンソール支持部218は、縦プレート218Bの前後中途部の上部に設けられた第2バルブ取付部218Dを有する。第2バルブ取付部218Dには、ドーザレバー80によって操作されるバルブであって、ドーザシリンダを制御するドーザ用制御バルブ219が取り付けられている。ドーザレバー80は、ドーザ用制御バルブ219に前後揺動可能に取り付けられている。
図63に示すように、コンソール支持部218は、縦プレート218Bの前部の右面側に設けられた前取付フレーム218Eを有する。前取付フレーム218Eは、第1壁部218a〜第5壁部218eを有する。第1壁部218aは、縦プレート218Bの右側面にボルト固定されている。第2壁部218bは、第1壁部218aから上方に延出されている。第3壁部218cは、第2壁部218bの前上部から前方に向かうに従って上方に移行する傾斜方向に突出されている。第4壁部218dは、第3壁部218cより高い位置に位置し、第2壁部218bの後上部から後方に向かうに従って上方に移行する傾斜方向に突出している。第5壁部218eは、第3壁部218cの後端と第4壁部218dの前端とを連結している。
第3壁部218cは、第1分割体212Aが取り付けられる壁部であり、該第3壁部218cに凹部216の底部がネジ220aによって取り付けられている。(図61、図62参照)。第4壁部218dは、第2分割体212Bが取り付けられる壁部であり、該第4壁部218dに第2分割体212Bの前部の左側の壁部(第2溝部217bの左側の壁部)がネジ220bによって取り付けられている(図62参照)。
コンソール支持部218は、縦プレート218Bの後上部に設けられた後取付フレーム218Fを有する。後取付フレーム218Fは、第1壁部218f〜第3壁部218hを有する。第1壁部218fは、縦プレート218Bの後部の上部にボルト固定されている。第2壁部218gは、第1壁部218fの後端から左方に延出されている。第3壁部218hは、第2壁部218gの上端から後方に延出されている。図61に示すように、第3壁部218hの右部に、第2分割体212Bの後部の左部下端がネジ220cによって取り付けられている。
第1分割体212Aは、上から第3壁部218cに載せることができ、ネジ220aは、上から締め付けることができる。また、第2分割体212Bは、第4壁部218d及び第3壁部218hに上から載せることができ、ネジ220b,220cは、上から締め付けることができる。
上記のように、第1分割体212Aと第2分割体212Bとは、それぞれ別々にコンソール支持部218に取り付けられている。また、上述したように、第1分割体212Aは、突出部を有し、且つ突出部がキャビン5の側壁部5Aの少なくとも一部と平面視で重畳した状態でコンソール支持部218に取り付けられている。具体的には、第1分割体212Aは、取付部215が横枠部材124と平面視でオーバーラップした状態で、第2分割体212Bとは別にコンソール支持部218に取り付けられている。
キャビン5は、機体2に運転席6及び運転席6の周囲の部材を組み付けた状態で、上から吊り降ろして機体2に組み付けられる。キャビン5を機体2に組み付けた状態では、コンソール79Rとキャビン5との間の隙間は狭い。それ故、コンソール79Rを運転席6側に取り付けた状態でキャビン5を組み付けるとコンソール79Rを損傷させるおそれがある。特に、本実施形態のようにキャビン5を機体2に組み付けた状態では、第1分割体212A(取付部215)がキャビン5の側壁部5Aの一部(横枠部材124)と平面視で重畳しているので、コンソール79Rを運転席6側に取り付けた状態でキャビン5を組み付けるのが困難である。
そこで、キャビン5を組み付ける際には、第1分割体212Aをコンソール支持部218から外した状態にしてキャビン5を組み付ける。キャビン5を組み付けた後に、第1分割体212Aをコンソール支持部218に取り付ける。これにより、キャビン5の側壁部5Aと第1分割体212Aとが干渉することを防止するとともに、キャビン5を効率よく組み付けることができる。また、ガイド溝217が第1分割体212Aと第2分割体212Bとにわたって形成されているので(ガイド溝217が分割状であるので)、キャビン5を組み付け後、すでに運転席6側に組み付けられているドーザレバー80をグリップが取り付けられた状態で容易にガイド溝217に挿通させることができる。
また、第1分割体212Aと第2分割体212Bとは、上方からコンソール支持部218に取り付けることができるので、第1カバー211とキャビン5との間の狭い空間にも容易に取り付けることができる。メンテナンス時においても、第1分割体212A及び第2分割体212Bが上方に取り外すことができるので、容易にメンテナンスが行える。
以上のように、作業機1の製造工程は、
キャビン5における側壁部5Aを含む部分を上方から吊り降ろしてキャビン5内に運転席6およびコンソール支持部218を収容する第1工程と、
第1工程の後、コンソールカバー204における突出部(取付部215)を含む部分をコンソール支持部218に取り付ける第2工程とを含む。
図2に示すように、機体2の右部に、側部カバー21が設けられている。側部カバー21は、バッテリBT1、コントロールバルブV1、作動油タンクT2、ラジエータR1、オイルクーラO1及び制御装置24等の機器類を覆うカバー体である。側部カバー21は、機体2の前部から後部にわたって設けられていて旋回フレーム41の上方を覆っている。側部カバー21は、キャビン5及びステップ52の側方(右側方)に配置されている。原動機室E2の右側は、側部カバー21内の後部に連通している。側部カバー21の後部の右側面には、側部カバー21の後部及び原動機室E2へ空気を取り入れるための開口が形成される。
図2、図7に示すように、側部カバー21は、第1カバー部材26と、第2カバー部材27とを有する。図2に示すように、第1カバー部材26内には、バッテリBT1、コントロールバルブV1、作動油タンクT2、ラジエータR1及びオイルクーラO1が収容されている。
図2に示すように、第2カバー部材27は、第1カバー部材26とキャビン5との間に配置されている。第2カバー部材27内には、制御装置24が収容されている。したがって、制御装置24は、キャビン5の室外に設けられている。
図7、図65に示すように、第2カバー部材27は、制御装置24の上方から制御装置24の前方にかけて覆う周壁部27aと、制御装置24のキャビン5側の側方を覆う側壁部27bとを有する。図65に示すように、第2カバー部材27は、第1カバー部材26内に連通している。
制御装置24を側部カバー21内に設けることにより、制御装置24自体や制御装置24に配策されるハーネス、あるいは制御装置24を支持するブラケット部材が傷つくことを防止できる。
バッテリBT1は、作業機1に装備された電装品に電力を供給する蓄電池である。コントロールバルブV1は、作業機1に装備された各油圧アクチュエータを制御する各制御弁を集約したバルブユニットである。作動油タンクT2は、油圧ポンプP1に供給する作動油を貯留するタンクである。ラジエータR1は、原動機E1の冷却液を冷却する冷却器である。オイルクーラO1は、作動油タンクT2に戻る作動油を冷却する冷却器である。バッテリBT1は、機体2の前部に配置され、ラジエータR1及びオイルクーラO1は、機体の後部に配置され、コントロールバルブV1及び作動油タンクT2は、バッテリBT1とラジエータR1及びオイルクーラO1との間に配置されている。また、ラジエータR1及びオイルクーラO1は、原動機E1の右側方に配置され、ラジエータR1と原動機E1との間には、原動機E1の動力によって駆動される冷却ファンF1が設けられている。冷却ファンF1は、吸い込み式のファンであり、オイルクーラO1の右側方から空気を吸い込んで原動機E1側へと流す。
制御装置24は、作動油タンクT2の左側方に配置されている。制御装置24は、第1制御器24Aと、第2制御器24Bとを含む。第1制御器24A及び第2制御器24Bは前後に並べて配置されている。図例では、第1制御器24Aは、第2制御器24Bの前方に配置されている。第1制御器24Aと第2制御器24Bとは、相互に通信可能に接続されている。第1制御器24A及び第2制御器24Bは、CPUやEEPROMなどを備えたマイクロコンピュータを利用して構成してある。
第1制御器24Aは、作業機1の全体の動作を制御するメインECUと呼称される電子制御ユニットであって、作業機1に装備された電気機器を制御する。例えば、第1制御器24Aは、油圧回路に設けた電磁弁を制御して作動油の流量制御を行ったり、排気ガス浄化装置D1のフィルタ再生制御を行ったりする。
第2制御器24Bは、原動機E1の制御を行う原動機ECU(エンジンECU)と呼称される電子制御ユニットである。例えば、第2制御器24Bは、サプライポンプや各インジェクタなどの作動を制御して燃料噴射量を調節することにより、原動機E1の回転数を制御する。
図64は、第2カバー部材27を取り外した状態を示した図である。図64に示すように、第2カバー部材27内には、機体2に取り付けられたフレーム部材206が配置されている。フレーム部材206は、第1フレーム構成部材208と第2フレーム構成部材207とを有する。
図66、図67に示すように、第1フレーム構成部材208は、前後方向K1に長い厚板材によって形成され、支持フレーム11の上部に取り付けられ且つ支持フレーム11から前方に突出している。詳しくは、第1フレーム構成部材208は、板面が上下を向くように配置され、後部が取付プレート74上に重ね合わされてボルト固定されていると共に該取付プレート74から前方に突出している。図65に示すように、第1フレーム構成部材208は、周壁部27aの上部の後部側で且つ下面側に配置されている。
第2フレーム構成部材207は、パイプ材等の棒材によって形成されており、一端側が第1フレーム構成部材208に固定され、他端側が機体2に取り付けられている。詳しくは、第2フレーム構成部材207は、第1フレーム部207aと、第2フレーム部207bとを含む。第1フレーム部207aは、後部が第1フレーム構成部材208の下面に固着されていて第1フレーム構成部材208から前方に突出している。第1フレーム部207aの前部は、前方に向かうに従って下方に移行する傾斜状である。第1フレーム部207aの前部は、周壁部27aの上部の前部側で且つ下面側に配置されている。第2フレーム部207bは、第1フレーム部207aの前部から下方に向けて延出されている。第2フレーム部207bは、下部がブラケット部材221を介して機体2に取り付けられている。ブラケット部材221は、支柱部材221aと、プレート部材221bとを有する。支柱部材221aは、旋回基板42に立設されている。プレート部材221bは、後部が支柱部材221aの上端に固定されると共に前部が支持ブラケット18に取り付けられている。プレート部材221bの後部に第2フレーム部207bの下部が取り付けられている。
図65に示すように、制御装置24は、フレーム部材206に対して側方(左側方)に位置ずれして設けられている。
図66、図67に示すように、フレーム部材206は、第2カバー27を取り付けるカバー取付部222と、制御装置24を取り付ける装置取付部223とを有する。カバー取付部222は、複数の取付片(取付片222a〜取付片222c)で構成されている。取付片222aは、第1フレーム構成部材208の後部の左部に固定されている。取付片222bは、第1フレーム部207aの中途部に固定されている。取付片222cは、第2フレーム部207bの中途部に固定されている。支持ブラケット18の右部の上部に、第2カバー27の前部が取り付けられる取付片222dが設けられている。
図7に示すように、第2カバー27は、複数のボルト(ボルト224a〜ボルト224c)によって取り付けられる。ボルト224aは、周壁部27aの後部を取付片222aに取り付けている。ボルト224bは、側壁部27bの上部の前後方向K1中途部を取付片222bに取り付けている。ボルト224cは、側壁部27bの前部を取付片222cに取り付けている。ボルト224dは、側壁部27bの前部を取付片222dに取り付けている。
図66、図67に示すように、装置取付部223は、複数の取付片(取付片223a〜取付片223d)で構成されている。取付片223a及び取付片223bは、第1フレーム構成部材208の前部に固定されている。取付片223a及び取付片223bに第2制御器24Bが取り付けられている。取付片223cは、第1フレーム部207aの中途部に固定されている。取付片223dは、第2フレーム部207bの上部に固定されている。取付片223c及び取付片223dに第1制御器24Aが取り付けられている。
図65に示すように、第1カバー26の内側には、該第1カバー26を支持する枠体225が設けられている。枠体225は、上部の右部がヒンジ機構226を介して第1フレーム構成部材208に連結されている。枠体225は、下部が係止機構227を介して機体2に係止される。係止機構227を解除することにより、第1カバー26は、ヒンジ機構226によって上下に揺動可能である。
図65に示すように、キャビン5と第2カバー27との間には、工具等の入る隙間Y1が設けられている。第2カバー部材27は、キャビン5を搭載した状態で着脱可能である。第2カバー部材27は、フレーム部材206から取り外すこと及びフレーム部材206に取り付けることにより、開閉可能である。第2カバー部材27を取り外すことにより、制御装置(第1制御器24A、第2制御器24B)を目視で容易に確認でき、且つ容易にフレーム部材206から取り外すことができる。
フレーム部材206は、側部カバー21の取り付けと制御装置24の取り付けとを兼用しており、部材の兼用化が図られている。
また、例えば、フレーム部材を一枚の帯板材を屈曲して形成すると重量アップとなるが、本実施形態では、フレーム部材206を第1フレーム構成部材208と第2フレーム構成部材207とで形成することで軽量化が図られている。即ち、フレーム部材206を、強度が必要なところは厚板材の第1フレーム構成部材208で形成し、その他は棒材の第2フレーム構成部材207で形成している。これにより、フレーム部材206の軽量化を図ることができる。
図68、図70に示すように、ステップ52は、主板271と、主板271に着脱可能に取り付けられたカバー板(第1板273A〜第4板273Dを含む)とを有する。主板271は、フラットな一枚の板材で形成されている。主板271の上面に第1当接面129が設けられている(図32参照)。これにより、ステップ52とキャビン5と間のシール性の向上(シール材127の密着性の確保)を図っている。
図70、図71に示すように、主板271は、該主板271を上下方向に貫通して形成された切欠き部272を有する。切欠き部272は、第1切欠き272Aと、第2切欠き272Bと、第3切欠き272Cとを含む。第1切欠き272Aは、主板271の右部の後部に設けられている。
第2切欠き272Bは、第1切欠き272Aから主板271の右の外縁部52a(制御装置24が配置された側の縁部)にかけて形成されている。詳しくは、第2切欠き272Bは、一端が第1切欠き272Aに接続し他端が外縁部52aに接続し且つ間隔をあけて互いに対向する第1縁部274及び第2縁部275で形成されている。また、第2切欠き272Bは、第1切欠き272Aの前部に連続している。
第3切欠き272Cは、連続状に形成された第1部分276A、第2部分276B及び第3部分276Cを含む。第1部分276Aは、第1切欠き272Aの前部に連続しており、且つ第1切欠き272Aから前方に延びている。第2部分276Bは、第1部分276Aから左方に延びている。第3部分276Cは、第2部分276Bの中途部から前方に延びている。
図70に示すように、カバー板は、切欠き部272を塞ぐ部材である。第1板273Aは、第1切欠き272Aの前部を塞いでいる。第1切欠き272Aの後部は、グロメット277で塞がれている。グロメット277は、ゴム等の弾性材によって形成され、ベース壁部277Aと、ベース壁部277Aから上方に延びる第1筒部277B及び第2筒部277Cを有する(図68参照)。グロメット277には、第1筒部277Bの上端からベース壁部277Aの端部に至るスリット277Dと、第2筒部277Cの上端からベース壁部277Aの端部に至るスリット277Eとが形成されている。
第2板273Bは、第2切欠き272Bを塞いでいる。詳しくは、図72に示すように、第2板273Bは、第1縁部274が形成された第1部位279と第2縁部275が形成された第2部位280とをステップ52の上面側で接続している。これにより、ステップ52とキャビン5とのシール性を確保している。第2板273Bは、ボルト281Aによって第1部位279に着脱可能に固定され、ボルト281Bによって第2部位280に着脱可能に固定されている。ボルト281A及びボルト281Bは、シール材127の右側部位127cから外れた位置に設けられている(図70参照)。
第3板273Cは、第1部分276Aを塞いでいる。第4板273Dは、第2部分276Bと第3部分276Cの後部とを塞いでいる。
図72に示すように、ステップ52は、第1部位279と第2部位280とをステップ52の下面側で接続する接続部材278を有する。詳しくは、接続部材278は、第1縦壁278Aと、第2縦壁278Bと、連結壁278Cとを有する。第1縦壁278Aは、上端が第1部位279の下面に溶接固定されていて第1部位279から下方に突出している。第2縦壁278Bは、上端が第2部位280の下面に溶接固定されていて第2部位280から下方に突出している。第1縦壁278Aと第2縦壁278Bとは前後方向K1で対向している。連結壁278Cは、第1縦壁278Aと第2縦壁278Bの下端同士を連結している。
図68、図69、図71に示すように、キャビン5の室内からステップ52の下面側を通って制御装置24へメインハーネス(ハーネス)282が配策されている。メインハーネス282は、ステップ52の下面から第1切欠き272Aを通ってキャビン5の室内へ配策される。詳しくは、メインハーネス282は、第1切欠き272Aの後部を通って配策され且つ第1筒部277Bを挿通している。メインハーネス282は、スリット277Dの隙間を弾性的に広げることにより第1筒部277Bに挿通させることができる。第1切欠き272Aの後部は、メインハーネス282を通すハーネス挿通部283とされ、第1板273Aは、ハーネス挿通部283を残して第1切欠き272Aを塞ぐ。図68に示すように、メインハーネス282は、例えば、キャビン5の室内においてリレーヒューズボックス(電気部品)284に接続される。また、図示を省略しているが、キャビン5の室内においてメインハーネス282から多数のハーネスが分岐され、この分岐されたハーネスは、キャビン5の室内に装備された電装部品に接続される。
また、メインハーネス282は、ステップ52の下面から接続部材278と第2板273Bとの間を通ってキャビン5の側方に配策されると共に、制御装置24に接続される。また、図示を省略しているが、キャビン5の室外においてメインハーネス282から多数のハーネスが分岐され、この分岐されたハーネスは、キャビン5の室外に装備された電装部品に接続される。
なお、第2筒部277Cには、油圧ホースが挿通される。油圧ホースは、スリット277Eの隙間を弾性的に広げることにより第2筒部277Cを挿通させることができる。
図69に示すように、ステップ52の下面の前部には、第1電装品285や第2電装品286等の電装部品が設けられている。第1電装品285は、例えば、走行レバー287L,287Rによって操作されて走行装置3を制御する電磁弁である。第2電装品286は、例えば、警告音等を発する報知器等である。
これら第1電装品285、第2電装品286に、メインハーネス282から分岐され且つステップ52の下面に配策された分岐ハーネス(ハーネス)288が接続されている。
第3切欠き272Cは、第1切欠き272Aから第1電装品285及び第2電装品286側にわたって形成されている。
メインハーネス282及び分岐ハーネス288は、切欠き部272を介してステップ52の下面側に上から下ろすことができる。したがって、主板271は、ハーネスを上からステップ52の下面側に挿通することの可能な切欠き部272を有する。
メインハーネス282は、分岐ハーネス288及びメインハーネス282から分岐された他のハーネスが接続された状態で、キャビン5を機体2に組み付ける前に配策される。メインハーネス282は、第1板273A〜第4板273D及びグロメット277を外した状態で配策される。第1板273A〜第4板273Dを外しておくことにより、メインハーネス282は、切欠き部272を介してステップ52の下面側に上から下ろして配策することができる。これにより、キャビン5の室内からステップ52の下面側を通って制御装置24へメインハーネス282を容易に配策することができる。また、同時に分岐ハーネス288もステップ52の下面側に配策することができる。メインハーネス282及び分岐ハーネス288を配策した後、第1板273A〜第4板273Dを取り付けると共にグロメット277を取付け、その後、キャビン5を機体2に組み付ける。メインハーネス282及び分岐ハーネス288を、切欠き部272を介してステップ52の下面側に上から下ろして配策可能としたことにより、組立の工数を低減することができる。
図4、図5に示すように、第1リブ43L(補強リブ43)は、前部リブ232Lと、後部リブ233Lとを有する。前部リブ232Lは、板金リブ(板金製のリブ)であり、後部リブ233Lは、鋳鋼リブ(鋳鋼製のリブ)である。
図5に示すように、前部リブ232Lは、縦向き(板厚方向を水平方向に一致させた状態)にして旋回基板42上に立設されている。
図4に示すように、前部リブ232Lは、旋回基板42の前部から原動機室E2の前部に至るように設けられている。詳しくは、前部リブ232Lの前部は、支持ブラケット18の左部の後部に溶接固定されている。前部リブ232Lの後部は、仕切り板47(主仕切り板48)を通過して原動機室E2の前部に位置している。また、前部リブ232Lは、支持ブラケット18から後方に向かうに従って左方に移行する傾斜方向に延びるように延在している。
図73、図74に示すように、後部リブ233Lは、原動機室E2に配置されている。後部リブ233Lは、前部リブ232Lの後部の左側面から後方に向けて突出しており、後端は第1ウエイト取付部44に当接している。後部リブ233Lの前部は、前部リブ232Lの後部と側面視でオーバーラップしており、且つ前部リブ232Lの後部に溶接固定されている。後部リブ233Lは、リブ本体234と、原動機E1を支持する原動機支持部235とを有する。
図73、図74に示すように、リブ本体234(後部リブ233L)は、後部に対して前部の高さが高く、後部が後方に向かうに従って高さが漸次低くなるように形成されている。リブ本体234の前部には、機体幅方向K2に貫通し且つ前後方向K1に長い管類通し穴(貫通穴)236が形成されている。管類通し穴236は配管類を通す穴である。管類通し穴236は、後部リブ233Lを水平方向に貫通する。管類通し穴236には、例えば、油圧ポンプP1とコントロールバルブV1とを接続するデリバリホースが挿通される。前部リブ232Lの後部には、管類通し穴236に対応して切り欠かれた切欠き237が形成されている。
図73に示すように、原動機支持部235は、リブ本体234の前部に設けられている。原動機支持部235は、第1支柱部235Aと、第2支柱部235Bと、連結壁部235Cとを有する。第1支柱部235A及び第2支柱部235Bは、リブ本体234から上方に突出している。第2支柱部235Bは、第1支柱部235Aの後方に間隔をあけて設けられている。連結壁部235Cは、第1支柱部235Aと第2支柱部235Bとを連結している。第1支柱部235A及び第2支柱部235Bに第1支持台50Aがボルト固定されている。第1支持台50Aに原動機マウント239を介して原動機E1が防振支持されている。リブ本体234(後部リブ233L)の幅W1は、前部リブ232Lの幅(板厚)t5よりも広い。リブ本体234の高さH1は、前部リブ232Lの高さH2よりも低い。
図4、図5に示すように、第2リブ43R(補強リブ43)は、前部リブ232Rと、後部リブ233Rとを有する。前部リブ232Rは、板金リブ(板金製のリブ)であり、後部リブ233Rは、鋳鋼リブ(鋳鋼製のリブ)である。
図5に示すように、前部リブ232Rは、縦向きにして旋回基板42上に立設されている。
図4に示すように、前部リブ232Rは、旋回基板42の前部から原動機室E2の前部に至るように設けられている。詳しくは、前部リブ232Rの前部は、支持ブラケット18の右部の後部に溶接固定されている。前部リブ232Rの後部は、仕切り板47の右側方を通過して原動機室E2の前部に位置している。また、前部リブ232Rは、支持ブラケット18から後方に向かうに従って右方に移行する傾斜方向に延びるように延在している。
図75、図76に示すように、後部リブ233Rは、原動機室E2に配置されている。後部リブ233Rは、前部リブ232Rの後部の右側面から後方に向けて突出しており、後端は第1ウエイト取付部44に当接している。後部リブ233Rの前部は、前部リブ232Rの後部と側面視でオーバーラップしており、且つ前部リブ232Rの後部に溶接固定されている。前部リブ232Rと後部リブ233Rとがオーバーラップする部位には管類通し穴238が形成されている。即ち、補強リブ43は、前部リブ232Rと後部リブ233Rとがオーバーラップする部位に形成された、配管類を通す管類通し穴238を有する。管類通し穴238は配管類を通す穴である。管類通し穴238には、例えば、油圧ポンプP1とコントロールバルブV1とを接続するデリバリホースが挿通される。管類通し穴238は、前部リブ232Rの後部に形成された第1穴(第2貫通穴)238Aと、後部リブ233Rの前部に形成された第2穴(貫通穴)238Bとを含む。第1穴238Aは、前部リブ232Rを水平方向に貫通し、第2穴238Bは、後部リブ233Lを水平方向に貫通する。第1穴238Aは、第2穴238Bと連通している。
図73、図74に示すように、後部リブ233Rは、後部に対して前部の高さが高く、後部が後方に向かうに従って高さが漸次低くなるように形成されている。後部リブ233Rの幅W2は、前部リブ232Rの幅(板厚)t6よりも広い。リブ本体234の高さH3は、前部リブ232Rの高さH4よりも低い。
補強リブ43の原動機室E2側を鋳鋼で形成することにより、補強リブ43の補強を削減することができ、部品を簡素化することができる。
また、補強リブ43の原動機室E2内の部位を鋳鋼化することで、高さを低くしても幅を広くすることで強度を確保でき、高さを低くすることで、原動機E1の機体幅方向K2及び前後方向K1に対する配置位置の自由度が高まる。これにより、原動機E1をラジエータR1等の冷却器からの距離を離すことができ、原動機E1を冷却器から離すことにより、冷却器の冷却性能を向上させることができる。
図7に示すように、補強リブ43の原動機室E2内の部位の高さを低くすることにより、原動機室E2の下部を流れる冷却風の流れを向上させることができ、原動機E1の冷却性能を向上させることができる。
また、前部リブ232L,232Rを板金で形成することにより、旋回ベアリング8の取り付けを良好に行える。即ち、旋回ベアリング8のアウタレース8Aは、旋回基板42にボルト固定され、このボルトを挿通するためのボルト挿通孔が旋回基板42に形成されるが、前部リブ232L,232Rの機体幅方向K2の幅を広く形成すると前部リブ232L,232Rがボルト挿通孔とオーバーラップするおそれが生じる。前部リブ232L,232Rを板金で形成することにより、前部リブ232L,232Rの幅を狭くすることができ、旋回ベアリング8の取り付けを良好に行える。
前部リブ232L,232Rと後部リブ233L,233Rとの接合部分は、強度的に不安定になる。これに対して、後部リブ233L,233Rの前部を後部より高くすることで、前部リブ232L,232Rと後部リブ233L,233Rとのつなぎ目の強度確保を図っている。
本実施形態では、補強リブ43は、前部リブ232L,232Rを板金で形成し、後部リブ233L,233Rを鋳鋼で形成したが、前部リブ及び後部リブを鋳鋼で一体形成してもよい。即ち、補強リブ43は、少なくとも後部部分(原動機室E2側)が鋳鋼で形成されていればよい。
また、第1リブ43Lと第2リブ43Rとのうちの一方のリブが板金リブと鋳鋼リブで構成され、他方のリブが板金で一体形成若しくは鋳鋼で一体形成されていてもよい。即ち、第1リブ43Lと第2リブ43Rとのうち、少なくとも一方のリブの原動機室E2側に鋳鋼リブを有していればよい。
図78、図79、図80に示すように、排気ガス浄化装置D1は、浄化処理した原動機E1からの排気ガスを排出する排気部246を有し、この排気部246に排気装置247が取り付けられている。排気ガス浄化装置D1を通過した排気ガスは、排気装置247を介して大気に排気される。排気装置247は、排気導管248と、排気管249とを有する。排気導管248は、排気部246からの排気ガスを排気管249へ導く。排気管249には、排気導管248の排気側が排気管249との間に空気の流通が可能な隙間をあけて挿入されている。排気管249は、排気導管248からの排気ガスを大気に排気する。
図81、図82に示すように、排気導管248の下部に接合フランジ250が固定されている。接合フランジ250は、排気部246に固定された接合フランジ251にボルト252によって固定されている。これにより、排気導管248は、排気ガス浄化装置D1の排気側に接続されている。排気導管248は、排気部246及び排気管249に連通しており、排気部246からの排気ガスを排気管249に導く。
図82に示すように、排気導管248は、第1管部248Aと、第2管部248Bとを有する。第1管部248Aの下部に接合フランジ250が固定されている。したがって、第1管部248Aは、排気ガス浄化装置D1の排気側に接続され、該第1管部248Aに排気部246から排気ガスが導入される。第1管部248Aは、排気部246から上方に突出(延伸)するように設けられている。第1管部248Aは、排気管249の下方位置から水平方向に位置ずれしている。本実施形態では、第1管部248Aは、排気管249の下方位置から機体幅方向K2(左方)に位置ずれしている。
図82に示すように、第2管部248Bは、第1管部248Aの上部から鉛直方向に対して傾斜した方向に延伸する。言い換えると、第1管部248Aから上方に行くに従って排気管249に向けて移行する傾斜状に形成されている。本実施形態では、第2管部248Bは、上方に行くに従って右方に移行する傾斜状である。
図79、図81に示すように、接合フランジ250は、後部に、下方に向けて延出された取付壁250aを有する。取付壁250aには、排気部246を後方から覆うカバー部材253が取り付けられている。カバー部材253の上壁253aには、ボルト252に係合させる工具を挿通可能な挿通孔253bが形成されている。
図81、図82に示すように、排気管249は、上部の尾管部254と、中間部の多孔管部255と、下部のスカート部256とを含む。尾管部254は、上部に、上方に向かうに従って後方に移行する傾斜方向に指向する排気口254aを有している。この排気口254aから排気ガスが大気に排出される。
図78に示すように、尾管部254は、上部がボンネット後部22Bに形成された開口部257からボンネット22の外部に突出している。尾管部254は、ボンネット後部22Bに取り付けられたパイプカバー258によって覆われている。パイプカバー258は、排気口254aと外部とを連通する開口を有する。
図81、図82に示すように、多孔管部255は、多数の小孔255aを有する管である。例えば、多孔管部255は、パンチングメタル(金属等の板にパンチングプレスの金型で穴を開けた加工をした板)を筒状に加工して形成される。多孔管部255は、尾管部254の下方に上下方向に沿って配置され、溶接等によって尾管部254の下端に取り付けられている。多孔管部255は、尾管部254に連通している。また、多孔管部255は、第1管部248Aの軸心に対して偏心した位置に上下方向に延伸して配置されている。
図82に示すように、多孔管部255は、小孔255aを形成する際に生じるかえり(バリ)255bが外面側に位置するように形成されている。これにより、多孔管部255内を流れる排気ガスの流れを良好にでき、多孔管部255内を流れる排気ガスの背圧を低くことができる。
図80、図82に示すように、スカート部256は、多孔管部255の下方に位置しており、溶接によって多孔管部255の下端に固定される。スカート部256は、第1部位256Aと、第2部位256Bと、第3部位256Cとを有する。第1部位256Aは、多孔管部255の下端に接合され、第2部位256Bは、第1部位256Aの下端に接合され、第3部位256Cは、第2部位256Bの下端に接合されている。第1部位256A及び第2部位256Bは、直管によって形成され、第3部位256Cは、軸心方向一端から他端に向かうに従って漸次拡径する管によって形成されている。
図82に示すように、第2管部248Bは、スカート部256の下部(第3部位256C)に挿入され、スカート部256(排気管249の下部)は、第2管部248Bに向けて屈曲している。詳しく説明すると、第1部位256Aは、上端部256aが軸心方向に直交状に形成され、下端部256bが下方に向かうに従って左方に移行する傾斜状に形成されている。第2部位256Bは、上端部256cが第1部位256Aの下端部256bに一致する傾斜状であり、下端部256dが下方に向かうに従って左方に移行する傾斜状であって水平方向に対して上端部256cより傾斜角度の大きい傾斜状である。第3部位256Cは、上端部256eが第2部位256Bの下端部256dに一致する傾斜状であり、下端部256fが上端部256eと平行である。
第2管部248Bとスカート部256の下部(第3部位256C)との間には隙間266が設けられ、この隙間266は、下方に向かうに従って漸次拡大している。
排気導管248は、排気管249に空気流通可能な隙間をあけて挿入されているので、排気導管248から排気管249へ流れる排気ガスの排気流によって(エジェクター効果によって)、原動機室E2内の空気が隙間266を通って排気管249に流れ込み、排気ガスの排気温度を低下させる。
図81、図82に示すように、多孔管部255の外周には、多孔管部255の周囲を覆う外筒259が設けられている。外筒259は、多孔管部255と略同芯状に設けられ、多孔管部255との間に隙間が形成されている。この隙間の上端は、上蓋板260で塞がれ、下端は下蓋板261で塞がれている。上蓋板260及び下蓋板261はリング状に形成されている。上蓋板260は、尾管部254の下部の外側に嵌められて固定されている。下蓋板261は、多孔管部255の下部の外側に嵌められて固定されている。
図78に示すように、多孔管部255及び外筒259は、原動機室E2内に設けられている。外筒259及び排気管249は、ブラケット262を介してカバープレート20に支持されている。ブラケット262は、外筒259と機体2側とを接続して外筒259及び排気管249を支持する支持部材である。カバープレート20の下部は、プレート部材263を介して連結板66に取り付けられている。ブラケット262は、外筒259が固定された上壁262aと、カバープレート20に取り付けられた取付壁262bとを有する。取付壁262bは、カバープレート20に機体幅方向K2に位置調整可能に取り付けられている。
図81、図82に示すように、多孔管部255と外筒259との間には、吸音材264が充填されている。吸音材264は、例えば、グラスウールである。吸音材264と多孔管部255との間には、遮断材265が設けられている。遮断材265は、多孔管部255の外面を覆う筒状に形成されている。遮断材265は、吸音材264が小孔255aを介して多孔管部255内に侵入するのを遮断する材料で形成される。例えば、遮断材265は、ステンレスウールで形成される。遮断材265を設けることにより、吸音材264が排気管249から外部に飛散するのを防止できる。また、本実施形態では、遮断材265としてステンレスウールを用いることにより、吸音材264の排気管249内への飛散を防止する効果に加えて、消音効果を得ることができる。なお、本実施形態では、多孔管部255と外筒259との間にスレンレスウールとグラスウールとを充填しているが、これに限らず、例えば、ステンレスウールのみを充填してもよく、グラスウールのみを充填してもよく、グラスウール及びステンレスウールに加えて、あるいはグラスウール及びステンレスウールの一方または両方に代えて他の吸音材(例えばシリコンウール、ロックウール、セラミックウールなど)を充填してもよい。
多孔管部255、外筒259及び吸音材264は、吸音型消音器を構成している。この消音器により排気音を低減することができる。また、消音器は、排気管249の中途部に多孔管部255を設けると共に、多孔管部255と外筒259との間に吸音材264を充填した構造とされていることにより、コンパクトな構造で排気音の低減を図ることができる。また、消音器は、コンパクトであるので、ボンネット22内に格納することができ、作業機1の外観を損なわない。また、外筒259の長さ及び外径は自由に調整できるので、外筒259の長さ及び外径の少なくとも一方を調整することにより、騒音低減の程度を調整することができる。
また、第1管部248Aを排気管249の下方位置から水平方向に位置ずれさせると共に第2管部248Bを上方に向かうに従って排気管249に向けて移行する傾斜状に形成し且つ排気管249の下部を第2管部248Bに向けて屈曲させることにより、排気導管248と排気管249との連通部分を上下方向にコンパクトに形成でき、排気装置247をコンパクトに構成することができる。
図2に示すように、機体2の左前部には、原動機E1用の燃料を貯留する燃料タンクT1が搭載されている。図4に示すように、燃料タンクT1は、第1リブ43Lの左方で且つ仕切り板47の前方に配置されている。仕切り板47は、原動機E1及び給油部291の配置側(原動機室E2)と燃料タンクT1の配置側とを仕切っている。
図83に示すように、燃料タンクT1は、ステップ52の下方、即ち、機体2内に配置されている。なお、燃料タンクT1は、旋回基板42上に載置され、ブラケットによって上方移動が規制されると共にバンドによって第1リブ43L及び仕切り板47に押し付けられて位置固定される。
給油部291は、燃料タンクT1に補給する燃料が注入される部材である。図83に示すように、給油部291は、隔壁部材22Aの後方(原動機室E2内)に配置され、燃料タンクT1と給油部291とは、仕切り板47を貫通して設けられた接続管292で接続されている。接続管292の一端側は、燃料タンクT1の側面に接続されている。燃料タンクT1の側面とは、上面と下面との間の縦向きの壁面をいい、前面、左面、右面及び後面を含む。接続管292を燃料タンクT1の側面に接続することにより、接続管292を低い位置に配置でき、仕切り板47に接続管292を挿通させることができる。仕切り板47に接続管292を挿通させることにより、原動機E1及び給油部291の配置側と燃料タンクT1の配置側との仕切り構造を簡素化することができる。
図85、図86に示すように、仕切り板47は、燃料タンクT1の後方位置に形成された通し穴294を有する。通し穴294は、接続管292を挿通させる穴である。燃料タンクT1は、通し穴294に対応する側面である後面に、燃料を流入させる流入管部293を有する。流入管部293の軸方向は、仕切り板47の板面法線方向に対して略平行である。
図83に示すように、給油部291は、下部に、燃料を供給する供給管部295を有する。流入管部293と供給管部295とが接続管292によって接続される。
図85に示すように、接続管292は、第1部位292aと、第2部位292bとを有する。第1部位292aは、流入管部293に接続している。第1部位292aは、流入管部293から通し穴294に向けて延伸すると共に該通し穴294を通る。第2部位292bは、第1部位292aから上方側に向けて延伸して供給管部295に接続される。通し穴294と接続管292との間の隙間は、シール材296によってシールされる。接続管292は、仕切り板47を直交状に挿通するだけなので、原動機E1の配置側と燃料タンクT1の配置側との間の仕切り構造を簡素化することができる。
図86、図87に示すように、主仕切り板48は、接続管292(第1部位292a)の一部を径方向から挿入可能な第1凹部294Aを有する。副仕切り板49は、第1凹部294Aと協同して通し穴294を形成する第2凹部294Bを有する。副仕切り板49を取り外した状態で、第1凹部294Aに接続管292を挿入し、その後、副仕切り板49を主仕切り板48に取り付けることにより接続管292を簡単に通し穴294に通すことができる。これにより、接続管292を、燃料タンクT1と給油部291とに接続した状態で、通し穴294に挿通することができる。
図86に示すように、仕切り板47は、燃料ホース304を通すホース通し穴303を有する。燃料ホース304は、原動機E1に燃料を供給するホースである。ホース通し穴303は、主仕切り板48に形成された第1凹部303Aと、副仕切り板49に形成された第2凹部303Bとから形成される。第1凹部303Aには、燃料ホース304の一部を径方向から挿入可能である。これにより、燃料ホース304を、燃料タンクT1に接続した状態で、ホース通し穴303に挿通することができる。
なお、燃料は、燃料タンクT1から燃料ホース304、ウォーターセパレータ、燃料ポンプ、燃料フィルタ等を介して原動機E1に供給される。
燃料タンクT1に燃料を流入させるための接続管292を燃料タンクT1の側面に接続した場合、流入管部293の上方の空気が抜けないと、燃料タンクT1に燃料が満量入らない。
そこで、図83に示すように、燃料タンクT1の上部と給油部291とを、燃料タンクT1内の空気を抜くエア抜き管297で接続している。給油時において、エア抜き管297により燃料タンクT1内の空気を抜くことで、燃料タンクT1に燃料を流入管部293の上方まで入れることができる。
図84に示すように、燃料タンクT1の上部に第1接続部298を設け、供給管部295の下部に第2接続部299を設け、第1接続部298と第2接続部299とをエア抜き管297で接続している。燃料タンクT1の上部にエア溜まり部305を形成し、このエア溜まり部305の機体外方の側面に第1接続部298を取り付けている。第2接続部299は、第1接続部298より若干高い位置に設けられている。したがって、エア抜き管297は、燃料タンクT1から給油部291に向かう(後方に向かう)に従って上方に移行する傾斜状に設けられている。これにより、機体2が傾いた状態で時でも良好にエア抜きが行える。また、エア抜き管297の水平方向に対する上向き傾斜角度は、燃料タンクT1内のエアを適切に抜くことができる角度であれば特に限定されるものではないが、本実施形態では、作業機1を水平にした状態で、例えば、略3°に設定している。
図83、図84に示すように、給油部291は、燃料を貯留可能なサブタンク300と、サブタンク300に燃料を注入する給油口301とを有する。サブタンク300を設けることにより、燃料の貯留容量を増量している。供給管部295は、サブタンク300から下方に延出されている。サブタンク300に注入された燃料は、供給管部295から接続管292、流入管部293を介して燃料タンクT1に流入する。
図83に示すように、サブタンク300は、外層部材163の後部部位163Bの機体内方に位置している。給油口301は、燃料キャップ302によって開閉可能に閉鎖されている。給油口301は、サブタンク300の機体外方側に設けられている。給油口301は、開閉蓋170の機体内方に位置しており、開閉蓋170を開けると、給油口301にアクセスすることができる。
図83、図84に示すように、サブタンク300は、支持フレーム11に取り付けられたカバープレート306に支持されている。図88に示すように、サブタンク300の機体内方側は、カバープレート306の側面部306Aで覆われている。サブタンク300の後方側は、カバープレート306の後面部306Bで覆われている。後面部306Bの機体外方側の端部と外層部材163の後部部位163Bの内面との間は、シール材318でシールされている。サブタンク300は、カバープレート306に取り付けられたブラケット307A及びブラケット307Bによってカバープレート306に支持されている。
図89、図90に示すように、外層部材163の後部部位163Bの下方には、補助カバー54が設けられ、外層部材163の前部部位163A及び補助カバー54の下方には、旋回カバー51の左側部315の後部(カバー後部315aという)が設けられている。補助カバー54には、機体外方から機体内方に向けて凹設された凹設部314が設けられている。凹設部314の底面314aとカバー後部315aの上面315bとは、略同じ高さに形成されている。ドア28は、後部側がヒンジによって縦軸回りに揺動自在に支持されることで開閉自在とされている。ドア28は、全開したときには、前部が後方を向くように開くと共に凹設部314内に入り込む。補助カバー54の上面54aは、前方に向かうに従って下方に移行する傾斜面に形成されている。
図89、図90に示すように、給油部291には、サブタンク300を上方側から覆うタンクカバー308が設けられている。タンクカバー308は、ゴム等の弾性材で形成されている。
図90、図91に示すように、タンクカバー308は、第1壁部308a〜第7壁部308gを有する。第1壁部308aは、サブタンク300の上面側を覆っている。また、第1壁部308aは、カバープレート306に取り付けられている。第1壁部308aは、前側の前部部位308a1と、後側の後部部位308a2とを有する。前部部位308a1と後部部位308a2との間から給油口301が上方に突出している。また、前部部位308a1と後部部位308a2との間でサブタンク300が露出しており、この露出した部分にブラケット307A及びブラケット307Bが取り付けられる(図88参照)。
図90、図91に示すように、第2壁部308bは、第1壁部308aの機体外方側の端部(左端部)から下方に延出しており、サブタンク300の左側面を覆っている。第2壁部308bは、給油口301の下方に位置し且つ機体外方から機体内方に向けて凹設された凹部308kを有する。第3壁部308cは、第2壁部308bの下端から機体外方に延出している。第4壁部308dは、第3壁部308cの機体外方側の端部(左端部)から下方に延出している。第3壁部308c及び第4壁部308dは、補助カバー54の上面54aに沿って前方に向かうに従って下方に移行する傾斜状に形成されている。第4壁部308dの下端には、補助カバー54の上面54aに当接するシール部308hが設けられている。
図90、図91に示すように、第5壁部308eは、供給管部295の上部の機体外方を覆っている。第5壁部308eは、第2壁部308bの前部下端及び第3壁部308cの前部に接続している。第6壁部308fは、第5壁部308eの下端から機体外方に延出しており、機体外方側の端部がカバー後部315aの上面315bの機体内方側の端部に至っている。第6壁部308fの前側縁部には、第5壁部308eの前下端から第6壁部308fの左端にわたって突条部308jが設けられている。第7壁部308gは、第3壁部308cの前端と第6壁部308fの後端とを連結している。第7壁部308gは、第5壁部308eに接続している。
カバープレート306及びタンクカバー308は、開閉蓋170を開いたときに、原動機E1の熱(原動機室E2の熱気)が開口部169から外部に放出されるのを防止している。また、タンクカバー308は、シール部308hによって外層部材163の下端と補助カバー54の上面54aとの間の隙間(作業機1の外装を構成する外装部材の隙間)から原動機E1の熱が漏れるのを防止している。これにより、ドア28を全開にしたときに、外層部材163と補助カバー54との隙間から漏れた原動機E1の熱が乗降口29の後端とドア28との間の隙間から運転席6へ伝わることを防止できる。また、給油口301から垂れた燃料は、凹部308kを通過して第3壁部308cに落ちる。第3壁部308cに落ちた燃料は、第3壁部308c上を前方に伝わると共に第7壁部308gを伝って第6壁部308fに至り、第6壁部308fの機体外方の端部から機体2の外部に排出される。第3壁部308c、第7壁部308g及び第6壁部308fは、給油口301から垂れる燃料を案内する案内路を形成している。言い換えると、タンクカバー308は、給油口301から垂れる燃料を機体2の外部に案内する案内路を有している。
本実施形態の作業機1は、以下の効果を奏する。
作業機1は、原動機E1と、原動機用の燃料を貯留する燃料タンクT1と、原動機E1及び燃料タンクT1が搭載された機体2と、燃料タンクT1に補給する燃料が注入される給油部291と、燃料タンクT1の側面と給油部291とを接続する接続管292と、を備え、機体2は、原動機E1及び給油部291の配置側と燃料タンクT1の配置側とを仕切り且つ接続管292を通す通し穴294が設けられた仕切り板47を有する。
この構成によれば、接続管292を燃料タンクT1の側面に接続している。したがって、接続管292を仕切り板47の通し穴294に挿通することができる。これにより、原動機E1の配置側と燃料タンクT1の配置側との間の仕切り構造を簡素化することができる。
また、燃料タンクT1は、通し穴294に対応する側面に燃料が流入する流入管部293を有し、給油部291は、前記接続管に燃料を供給する供給管部295を有し、接続管292は、流入管部293から通し穴294に向けて延伸すると共に通し穴294を通る第1部位292aと、第1部位292aから上方側に向けて延伸して供給管部295に接続される第2部位292bとを有する。
この構成によれば、燃料タンクT1と給油部291との接続構造を簡素化することができる。
また、流入管部293の軸方向は仕切り板47の板面法線方向に対して略平行である。
これにより、原動機E1の配置側と燃料タンクT1の配置側との間の仕切り構造をより簡素化することができる。
また、燃料タンクT1の上部と給油部291または接続管292とを接続していて燃料タンクT1内の空気を抜くエア抜き管297を備えている。
この構成によれば、燃料タンクT1の側面に接続管292を接続した構造であっても燃料タンクT1に流入管部293よりも上方まで燃料を入れることができる。
また、エア抜き管297は、燃料タンクT1から給油部291または接続管292との接続部に向かうに従って上方に移行する傾斜状に設けられている。
この構成によれば、傾斜地でも燃料タンクT1内のエアを良好に抜くことができる。
また、仕切り板47は、機体2に固定され且つ接続管292の一部を径方向から挿入可能な第1凹部294Aを有する主仕切り板48と、主仕切り板48に取り付けられ且つ第1凹部294Aと協同して通し穴294を形成する第2凹部294Bを有する副仕切り板49とを含む。
この構成によれば、接続管292を通し穴294に容易に通すことができる。
また、給油部291は、燃料を貯留可能なサブタンク300と、サブタンク300に燃料を注入する給油口301とを有する。
この構成によれば、燃料の貯留容量の増量を図ることができる。
また、サブタンク300を覆うカバーであって、作業機の機体2の外装を構成する外装部材の隙間から原動機E1の熱が漏れるのを防止するタンクカバー308を備えている。
この構成によれば、原動機E1の熱が外部に漏れるのを防止することができる。
また、タンクカバー308は、給油口301から垂れる燃料を機体2の外部に案内する案内路を有している。
この構成によれば、給油口301から垂れる燃料を機体2の外部に排出することができる。
また、作業機1は、キャビン5と、キャビン5を搭載した機体2と、キャビン5の側方に配置されていて機器類を収容する第1カバー部材26と、第1カバー部材26とキャビン5との間に配置され且つ開閉可能な第2カバー部材27とを有するカバー体(側部カバー21)と、第2カバー部材27内に収容された制御装置24と、を備えている。
この構成によれば、第2カバー部材27を開くことにより、制御装置24にアクセスできる。これにより、制御装置24のメンテナンスを容易に行うことができる。
また、第2カバー部材27は、キャビン5を搭載した状態で着脱可能である。
この構成によれば、機体2からキャビン5を下ろさずに制御装置24のメンテナンスを行うことができる。
また、第2カバー部材27内に配置されると共に機体2に取り付けられたフレーム部材206を備え、フレーム部材206は、第2カバー部材27を取り付けるカバー取付部222と、制御装置24を取り付ける装置取付部223とを有する。
この構成によれば、フレーム部材206が、第2カバー部材27の取付部材と制御装置24とを兼用しているので、構造の簡素化とコストダウンを図ることができる。
また、機体2に搭載された原動機E1と、原動機E1を覆うボンネット22と、機体2に立設されていてボンネット22を支持する支持フレーム11とを備え、フレーム部材206は、支持フレーム11に取り付けられていると共に第1カバー部材26を支持する第1フレーム構成部材208と、一端側が第1フレーム構成部材208に固定され他端側が機体2に取り付けられた第2フレーム構成部材207とを有する。
この構成によれば、フレーム部材206を、第1カバー部材26を支持する第1フレーム構成部材208と、第1フレーム構成部材208を支持する第2フレーム構成部材207とにわけることにより、フレーム部材206の軽量化を図ることができる。
また、制御装置24は、当該作業機に装備された電気機器を制御する第1制御器24Aと、原動機E1を制御すると共に第1制御器24Aと前後方向で並べて配置された第2制御器24Bとを含む。
この構成によれば、キャビン5と第1カバー部材26とに挟まれた第2カバー部材27内に第1制御器24A及び第2制御器24Bをコンパクトに収めることができる。
作業機1は、後部に原動機E1が搭載された旋回基板42と、旋回基板42上に前部から後部に向けて設けられている補強リブ43と、を備え、補強リブ43は、少なくとも後部部分が鋳鋼で形成されている。
この構成によれば、補強リブ43の原動機室E2側を、横幅が広く且つ高さが低い形状に形成することができる。これにより、補強リブ43の高さを低くしても十分な強度を持たせることができると共に補強リブ43を低くすることにより原動機E1の配置の自由度を高くすることができる。また、高さを低くすることができるので、原動機E1の下側を流れる風が流れやすくなり、冷却性能を向上させることができる。
また、旋回基板42上に原動機E1が搭載される原動機室E2を備え、補強リブ43は、旋回基板42の前部から原動機室E2の前部に至る板金製の前部リブ232L,232Rと、原動機室E2に設けられていて前部リブ232L,232Rの後部から後方に突出する鋳鋼製の後部リブ233L,233Rとを有する。
この構成によれば、補強リブ43を、板金製の部位と鋳鋼製の部位とにわけることにより、鋳鋼製の部位を形成する型を小さくすることができ、補強リブ43の鋳鋼製の部位を安価に形成することができる。
また、後部リブ233L,233Rは、原動機E1を支持する原動機支持部235を有する。
この構成によれば、原動機E1の配置の自由度を高くすることができると共に部材の兼用化によるコスト低下を図ることができる。
また、後部リブ233L,233Rは、当該後部リブ233L,233Rを水平方向に貫通する貫通穴(配管通し穴236,第2穴238B)を有している。
上記の構成によれば、後部リブ233L,233Rを軽量化して製造コストを低減することができる。また、原動機E1の下側を風が流れやすい構造にすることができるので、冷却性能を向上させることができる。
また、前部リブ232Rと後部リブ233Rとは側面視で一部がオーバーラップしており、前部リブ232Rは、前部リブ232Rを水平方向に貫通し、且つ前記貫通穴(第2穴238B)と連通する第2貫通穴(第1穴238A)を有している。
上記の構成によれば、後部リブ233Rの貫通穴(第2穴238B)を後部リブ233Rと前部リブ232Rとがオーバーラップする領域に設けることにより、貫通穴(第1穴238A)を形成しても十分な強度を確保できる。
また、貫通穴(配管通し穴236,第2穴238B)は、配管類を通す管類通し穴238であってもよい。
上記の構成によれば、配管類を容易に配策することができる。
また、後部リブ233L,233Rは、前部が側面視で前部リブ232L,232Rとオーバーラップしており、後部は後方に行くに従って高さが低く形成されている。
この構成によれば、前部リブと後部リブとの接続部分の強度の安定性を確保できると共に、後部リブの高さを低くして原動機E1の配置の自由度の向上及び冷却性能を向上を図ることができる。
また、補強リブ43は、旋回基板42の左側に設けられた第1リブ43Lと、旋回基板42の右側に設けられた第2リブ43Rとを含み、第1リブ43Lと第2リブ43Rの少なくとも一方の後部部分が鋳鋼で形成されている。
この構成によれば、原動機E1の配置の自由度及び原動機E1の冷却性能の向上を図ることができる。
また、作業機1は、原動機E1と、原動機E1の排気ガスを導く排気導管248と、排気導管248が空気流通可能な隙間をあけて挿入されていて排気導管248からの排気ガスと前記隙間から導入された空気とを大気に排気する排気管249であって、多数の小孔255aを有する多孔管部255を含む排気管249と、多孔管部255の周囲を覆う外筒259と、多孔管部255と外筒259との間に充填された吸音材264と、を備えている。
この構成によれば、コンパクトな構造で排気音の低減を図ることができる。なお、外筒259の長さ及び外径は、必要とされる騒音低減効果の程度に応じて適宜調整すればよい。
また、多孔管部255は、パンチングメタルで形成されていて多数の小孔255aのかえり255bが外面側に配置されている。
この構成によれば、多孔管部255を流れる排気流の圧損を低減して排気効率を高めるとともに排気騒音を低減することができる。
また、吸音材264と多孔管部255との間に、吸音材264が多数の小孔255aを介して多孔管部255内に侵入するのを遮断する遮断材265を備えている。
この構成によれば、吸音材264が排気管249から飛散するのを防止することができる。
また、吸音材264はグラスウールであり、遮断材249は多孔管部255の外周面に巻き付けられたステンレスウールであってもよい。
上記の構成によれば、遮断材249としてのステンレスウールにより吸音材264としてのグラスウールが排気管249から飛散するのを防止するとともに、ステンレスウールによって吸音効果を高めることができる。
また、原動機E1が収容される原動機室E2を構成するボンネット22と、原動機E1から排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置D1と、を備え、排気導管248は、排気ガス浄化装置D1の排気側に接続されており、多孔管部255及び外筒259は、原動機室E2内に設けられている。
この構成によれば、多孔管部255、外筒259及び吸音材264で構成される消音器を原動機室E2内に格納することにより、消音効果をさらに高めるとともに、消音器によって作業機1の外観が損なわれることを防止できる。
また、排気導管248は、排気ガス浄化装置D1の排気側に接続されて上方に延伸する第1管部248Aと、第1管部248Aの上部から鉛直方向に対して傾斜した方向に延伸する第2管部248Bとを有し、多孔管部255は、第1管部248Aの軸心に対して偏心した位置に上下方向に延伸して配置されており、排気管249の下部は、第2管部248Bに向けて屈曲している。
上記の構成によれば、排気導管248と排気管249との連通部分をコンパクトな構成にすることができる。
また、排気管249は、第2管部248Bが挿入され且つ下方に向かうに従って第2管部248Bとの隙間が拡大するスカート部256を有している。
上記の構成によれば、排気導管248から排気管249へ流れる排気流によって排気管249内に良好に空気を取り込むことができる。
また、外筒259と作業機1の機体2とを接続して外筒259および排気管249を支持する支持部材(ブラケット262)を備えている。
これにより、排気管249および外筒259の振動による部材の破損や騒音の発生を防止することができる。
また、作業機1は、機体2と、機体2に搭載された原動機E1と、原動機E1を収容する原動機室E2と原動機室E2の上部前方とを隔てる隔壁部材22Aと、隔壁部材22Aの下方に配置されていて原動機室E2の下部前方を仕切る仕切り板47と、仕切り板47の上部に設けられていて配管類が挿通されるグロメット137と、隔壁部材22Aに設けられていてグロメット137を仕切り板47側に押さえるシール体140と、を備えている。
この構成によれば、配管類が挿通されるグロメット137を仕切り板47の上部に設け、該グロメット137を隔壁部材22Aに設けたシール体140で押さえるという構造であるので、原動機室の内部と外部とにわたって配置される配管類の組付けを容易に行える。また、原動機室E2の内部と外部との間をグロメット137およびシール体140で確実にシールできるので、原動機室E2の内部から外部に伝わる騒音を適切に低減できる。
また、隔壁部材22Aに対して原動機室E2側とは反対側に設けられたキャビン5と、キャビン5に設けられたエアコン本体136とを備え、エアコン本体136に接続される配管類がグロメット137に挿通されている。
上記の構成によれば、エアコン本体136の配管類の組み付けを容易に行える。また、原動機室E2内からキャビン5内に伝わる騒音を適切に低減できる。
また、仕切り板47は、上端から下方に向けて凹設されていてグロメット137が挿入される切欠き凹部138を有する。
この構成によれば、グロメット137の上面を仕切り板47の上端に合わせることができ、隔壁部材22Aと仕切り板47との間のシール性の向上を図ることができる。
また、仕切り板47に取り付けられていてグロメット137の切欠き凹部138からの抜止めをする抜止め板139を備え、抜止め板139は、下面にグロメット137が当接すると共に上面にシール体140が当接する押え板部139gを有する。
この構成によれば、隔壁部材22Aと仕切り板47との間のシール性の向上を図ることができる。
また、グロメット137は、配管類が通る複数の管挿通部(第1管挿通部144〜第4管挿通部147)を有し、複数の管挿通部は、隣り合う管挿通部同士が上下に位置ずれするように設けられている。
この構成によれば、グロメット137の幅をコンパクトに形成することができる。
また、グロメット137は、複数の管挿通部を二分する割面148で上下に分割されている。
この構成によれば、グロメット137に配管類を容易に通すことができる。
また、作業機1は、機体2と、機体2に搭載された原動機E1と、原動機E1の前方に配置された運転席6と、原動機E1を収容する原動機室E2を形成するボンネット22と、機体2に立設されていてボンネット22を支持する支持フレーム11と、原動機室E2と原動機室E2よりも運転席6側の領域とを隔てる隔壁板(隔壁部材22A)と、を備え、支持フレーム11は、板材で形成されると共に機体幅方向K2に間隔をあけて配置され且つ板厚方向を機体幅方向K2に一致させて配置された第1前脚57L及び第2前脚57Rと、第1前脚57L及び第2前脚57Rの後方に配置された少なくとも1本の後脚58L,58Rとを有し、隔壁板は、第1前脚57Lと第2前脚57Rとにわたって固定された金属板である。
この構成によれば、金属板からなる隔壁板を第1前脚57Lと第2前脚57Rとにわたって固定することで、隔壁板を強度部材の1つとして機能させて支持フレーム11に要求される機体幅方向K2の強度を低減できる。また、第1前脚57L及び第2前脚57Rの板厚方向を機体幅方向K2に一致させることで、支持フレーム11の前後方向の強度を向上させることができる。これにより、支持フレーム11の機体幅方向及び前後方向に対する強度を向上させるとともに、支持フレーム11の軽量化を図ることができる。
また、第1前脚57L及び第2前脚57Rの板厚は、後脚58L,58Rの板厚より薄い。
第1前脚57L及び第2前脚57Rの板厚方向を機体幅方向K2に一致させることで支持フレーム11の前後方向の強度を強くすることができるので、第1前脚57L及び第2前脚57Rの板厚を薄くすることができる。第1前脚57L及び第2前脚57Rの板厚を薄くすることにより、支持フレーム11の軽量化を図ることができる。
また、第1前脚57L及び第2前脚57Rのうちの少なくとも一方は、隔壁板の背面に面当たりで当接して固定されている。
上記の構成によれば、前脚を隔壁板の背面に精度よく当接させることができるので、これら両部材を強度部材として適切に機能させることができる。
また、第1前脚57Lは、前面が隔壁板の背面に面当たりで当接して固定されており、第2前脚57Rは、側面が隔壁板の機体幅方向K2の端部に当接して固定されている。
この構成によれば、第1前脚57Lに対して第2前脚57Rを前方に位置ずれさせて配置することができ、第2前脚57Rの後部を流れる冷却風の流れを向上させることができる。
また、運転席6は、機体2に前後に移動可能に支持され、隔壁板は、運転席6側に設けられたストッパ98に当接して運転席6の移動を規制する当接部材99を有する。
この構成によれば、運転席6が隔壁板に当接するのを防止することができると共に隔壁板を当接部材99の取付部材として利用することにより構造の簡素化を図ることができる。
また、隔壁板は、原動機室E2内にアクセスするための点検開口71と、点検開口71を塞ぐ閉塞プレート72とを有し、閉塞プレート72は、取っ手部材73を有する。
この構成によれば、閉塞プレート72の取り扱いを容易に行える。
また、作業機1は、機体2と、機体2に搭載されたキャビン5であって、該キャビン5の下端側に下方に開口し且つ該キャビン5の室内に連通する開口部126を形成するシール取付面128を有するキャビン5と、開口部126を囲むように設けられていてシール取付面128に取り付けられた環状のシール材127と、機体2側に設けられていてシール材127が当接するシール当接面(第1当接面129〜第4当接面132)と、を備えている。
この構成によれば、キャビン5の室内への埃の侵入防止及び音の侵入低減を図ることができる。
また、機体2は、キャビン5の床面を形成するステップ52を備え、ステップ52は、上面にシール当接面を構成する第1当接面129を有するフラットな主板271を含む。
この構成によれば、キャビン5とステップ52とのシール性を向上することができる。
また、キャビン5は、ステップ52に支持される前マウント装置(左の前マウント部材118L,右の前マウント部材118R)をキャビン5の前部に有し、第1当接面129は、ステップ52の機体幅方向K2の一側部に設けられた第1シール面129aと、機体幅方向K2の他側部に設けられた第2シール面129aと、第1シール面129aと第2シール面129bの前部同士を接続する第3シール面129cとを有し、前マウント装置は、第3シール面129cの後方に配置されている
この構成によれば、シール材127を連続的に形成することができ、シール性の向上を図ることができる。
また、機体2に搭載された原動機E1と、原動機E1を収容する原動機室E2とキャビン5の室内とを隔てる隔壁部材22Aと、を備え、隔壁部材22Aは、機体幅方向K2の一側部に設けられた第2当接面130と、機体幅方向K2の他側部に設けられた第3当接面131とを有し、シール材127は、第1シール面129aから第2当接面130にわたって当接すると共に第2シール面129bから第3当接面131にわたって当接する。
この構成によれば、シール材127を連続的に形成することができ、シール性の向上を図ることができる。
また、機体2に立設されていて隔壁部材22Aを支持する支持フレーム11を備え、支持フレーム11は、キャビン5の後部を支持する上部プレート59を有し、上部プレート59は、シール材127が当接する第4当接面132を有し、シール材127は、第2当接面130から第4当接面132を経て第3当接面131にわたって当接する。
この構成によれば、シール材127を連続的に形成することができ、シール性の向上を図ることができる。
また、キャビン5は、上部プレート59に支持される後マウント装置(左の後マウント部材120L,右の後マウント部材120R)を当該キャビン5の後部に有し、後マウント装置は、第4当接面132の後方に配置されている。
この構成によれば、原動機の音や熱が、後マウント装置120L,120Rの取付部分からシール材127の内側を通ってキャビン5の室内に侵入するのを防止することができる。
また、作業機1は、キャビン5と、キャビン5内に配置された運転席6と、キャビン5の側壁部5Aと運転席6との間に配置されたコンソール79Rとを備え、コンソール79Rは、キャビン5の側壁部5A側に突出した突出部(取付部215)を有するコンソールカバー204と、コンソールカバー204が取り付けられるコンソール支持部218とを有し、突出部は、キャビン5の側壁部5Aにおける当該突出部よりも下方に配置される部分の少なくとも一部と平面視で重畳した状態でコンソール支持部218に取り付けられている。
この構成によれば、キャビンを組み付ける際に、突出部を含むコンソールカバー204をコンソール支持部218から取り外しておくことにより、キャビン5の側壁部5Aの一部と重畳する突出部がある作業機であっても、キャビン5を上方から吊り降ろして機体に組み付けることができる。また、キャビン5を組み付けた後に突出部を含むコンソールカバー204をコンソール支持部218に取り付けることにより、突出部を損傷させずにキャビン5を組み付けることができる。これにより、キャビン5の組み付けの作業効率を向上させることができる。
また、突出部に、オペレータが操作を行う第1操作具81が設けられている。
この構成によれば、キャビン5の組み付け時に第1操作具81を損傷させるのを防止することができる。
また、突出部における運転席6に着座したオペレータ側の面に第1操作具81が取り付けられた操作具取付面215aが設けられており、操作具取付面215aは、前方へ向かうほど上方に傾斜しており、且つキャビン5の側壁部5A側へ向かうほど後方へ傾斜している。
この構成によれば、第1操作具81の操作性を向上させることができる。
また、コンソール79Rと運転席6との間に配置された操作レバー77Rと、操作レバー77Rの後方に配置されたアームレスト78Rとを備え、第1操作具81は操作レバー77Rの側方且つ操作レバー77Rの近傍に配置されている。
この構成によれば、アームレスト78Rに腕を乗せた状態で第1操作具81の操作を行うことができ、オペレータの操作の負担を軽減することができる。また、操作レバー77Rとジョグダイヤル81Aとに手を移し変えることが容易に行え、操作性がよい。
また、第1操作具81は、運転席6に着座したオペレータがアームレスト78Rに腕を乗せたまま操作レバー77Rと当該第1操作具81とを操作可能な位置に配置されている。
この構成によれば、オペレータは、アームレスト78Rに腕載せた状態で、操作レバー77Rとジョグダイヤル81Aとに手を移し変えることができる。これにより、オペレータの操作の負担を軽減することができる。
また、第1操作具81の前方に配置された表示装置191を備え、第1操作具は、表示装置191を操作するジョグダイヤル81Aを含む。
この構成によれば、オペレータは、表示装置191を見ながらジョグダイヤル81Aで操作を行うことができるので、操作性がよい。
また、コンソールカバー204は、コンソール支持部218に対して別々に取り付けられた第1分割体212Aと第2分割体212Bとを有し、第1分割体212Aは、突出部を有し、且つ突出部がキャビン5の側壁部5Aの少なくとも一部と平面視で重畳した状態でコンソール支持部218に取り付けられている。
この構成によれば、少なくとも第1分割体212Aを取り外した状態でキャビン5を組み付け、キャビン5を組み付けた後に第1分割体212Aをコンソール支持部218に取り付けることにより、突出部の損傷を防止することができる。
また、コンソール79Rに前後方向に揺動操作可能に設けられたレバー(ドーザレバー80)を備え、コンソールカバー204は、レバーが挿通されると共にレバーの前後方向K1への揺動操作を許容するガイド溝217を備え、ガイド溝217は、第1分割体212Aと第2分割体212Bとにわたって形成されている。
この構成によれば、レバーをコンソールに設けた状態でコンソール支持部218に第1分割体212Aと第2分割体212Bとを取り付けることができる。
また、コンソールカバー204は、キャビン5の側壁部5Aに沿って前後方向K1に延伸しており、コンソールカバー204の前端部に突出部が設けられている。
この構成によれば、運転席6とキャビン5との間の狭い空間にコンソール79Rを収めることができる。
また、作業機の製造方法は、キャビン5における側壁部5Aを含む部分を上方から吊り降ろしてキャビン5内に運転席6およびコンソール支持部218を収容する第1工程と、第1工程の後、コンソールカバー204における突出部を含む部分をコンソール支持部218に取り付ける第2工程とを含む。
この構成によれば、突出部を傷つけることなくキャビン5を効率よく組み付けることができる。
また、作業機1は、運転席6と、運転席6の斜め前方に設けられた表示装置191と、表示装置191の下方に設けられていて携帯端末196を保持する携帯端末保持部197と、を備えている。
この構成によれば、オペレータは、作業中に表示装置191だけでなく、携帯端末196も容易に確認することができる。これにより、運転席6周りの快適性を高めることができる。
また、携帯端末保持部197は、運転席6に着座したオペレータが携帯端末196の表示面196aの少なくとも一部を視認可能な状態で携帯端末196を保持する。
この構成によれば、オペレータが携帯端末196の表示面196aを視認することができる。
また、表示装置191は、当該表示装置191の表示面191aが運転席6に着座したオペレータ側を向くように前後方向K1に対して傾斜して配置されており、携帯端末保持部197は、携帯端末196の表示面196aが運転席6に着座したオペレータ側を向くように前後方向K1に対して傾斜した状態で携帯端末196を保持する。
この構成によれば、オペレータが表示装置191の表示面191a及び携帯端末196の表示面196aを容易に視認することができる。
また、携帯端末保持部197の近傍に、携帯端末196の充電に使用可能な電源ソケット198を備えている。
この構成によれば、携帯端末196を、携帯端末保持部197に保持しながら充電することができる。
また、運転席6の側方に配置されたアームレスト78Rと、アームレスト78Rの前方に配置された操作レバー77Rと、操作レバー77Rの側方に配置された、表示装置191を操作するためのジョグダイヤル81Aとを備えている。
この構成によれば、オペレータは、アームレスト78Rに腕を載せた状態でジョグダイヤル81Aを操作することができる。
また、ジョグダイヤル81Aは、運転席6に着座したオペレータがアームレスト78Rに腕を乗せたまま操作レバー77Rと当該ジョグダイヤル81Aとを操作可能な位置に配置されている。
この構成によれば、オペレータは、アームレスト78Rに腕載せた状態で、操作レバー77Rとジョグダイヤル81Aとに手を移し変えることができ、操作性がよい。
また、空調空気を吹き出す吹き出し部を有する送風ダクト172を備え、表示装置191は、送風ダクト172に取り付けられている。
この構成によれば、送風ダクト172を利用して表示装置191が取り付けられるので、構造の簡素化を図ることができる。
また、送風ダクト172を覆う内装部材202を有し、内装部材202は飲料容器を保持するドリンクホルダ203を有する。
この構成によれば、送風ダクト172に流れる空調空気によって、ドリンクホルダ203に保持した飲料容器を保冷又は保温することができる。
また、作業機1は、運転席6と、運転席6の側方に配置されたアームレスト78Rと、アームレスト78Rの前方に配置された操作レバー77Rと、操作レバー77Rの側方に配置されたジョグダイヤル81Aと、を備えている。
この構成によれば、オペレータは、アームレスト78Rに腕を乗せた状態でジョグダイヤル81Aを操作することができると共に、操作レバー77Rとジョグダイヤル81Aとに容易に手を移し変えることができる。これにより、オペレータの操作の負担を軽減することができる。
ジョグダイヤル81Aは、運転席6に着座したオペレータがアームレスト78Rに腕を乗せたまま操作レバー77Rと当該ジョグダイヤル81Aとを操作可能な位置に配置されている。
この構成によれば、オペレータは、アームレスト78Rに腕載せた状態で、操作レバー77Rとジョグダイヤル81Aとに手を移し変えることができ、操作性がよい。
また、ジョグダイヤル81Aが設けられたコンソール79Rを備え、コンソール79Rにおけるジョグダイヤル81Aが取り付けられている面である操作具取付面215aは、前方に向かうに従って上方に傾斜している。
この構成によれば、手を起こした状態でジョグダイヤル81Aを容易に操作することができ、ジョグダイヤル81Aの操作性を向上させることができる。
また、操作具取付面215aは、後方に向かうに従って運転席6から遠ざかる側に傾斜している。
この構成によれば、ジョグダイヤル81Aの操作性を向上させることができる。
また、ジョグダイヤル81Aの近傍にオペレータが押圧操作を行う1または複数のボタン操作部(第1スイッチ194、第2スイッチ195)が設けられている。
この構成によれば、ジョグダイヤル81Aと共にボタン操作部の押圧操作も行える。
また、ジョグダイヤル81Aの前方に配置された表示装置191を備え、ジョグダイヤル81Aは表示装置191を操作するための操作具である。
この構成によれば、オペレータは、表示装置191を見ながらジョグダイヤル81Aで表示装置191の操作を行うことができる。
また、ジョグダイヤル81Aは、運転席6に着座して表示装置191を閲覧するオペレータの視野内の位置に配置されている。
この構成によれば、表示装置191とそれを操作するジョグダイヤル81Aが同一視界内の近い位置にあるためオペレータが直感的に操作しやすい。
また、作業機1は、エアコン本体136と、エアコン本体136からの空調空気を吹き出す第1吹き出し部(第1吹き出し口175a〜第1吹き出し口175d)を有する第1送風ダクト172と、エアコン本体136と第1送風ダクト172とを接続する接続ダクト174と、を備え、接続ダクト174は、複数のダクト部材(第1ダクト部材179、第2ダクト部材180、第3ダクト部材181)を導風経路方向に沿って連結したものであり、前記複数のダクト部材のうちの少なくとも1つは、当該ダクト部材を導風経路方向に沿って伸縮させることにより、他のダクト部材、エアコン本体136、または第1送風ダクト172に対して着脱可能である。
この構成によれば、接続ダクト174を構成するダクト部材を伸縮させることにより、接続ダクト174の組付け及び取外しを容易に行うことができる。
また、接続ダクト174は、第1ダクト部材179と、エアコン本体136と第1ダクト部材179とを接続する第2ダクト部材180とを備え、第2ダクト部材180は、第1ダクト部材179に対して進退する方向に伸縮可能である。
上記の構成によれば、第2ダクト部材180を伸縮させることにより、第2ダクト部材180のへの組付け及び取外しを容易に行うことができる。
また、第1ダクト部材179は第2ダクト部材180が接続される第1導風部182を有し、エアコン本体136は、第2ダクト部材180が接続される送風口136bを有し、送風口136bと第2ダクト部材180との接続部に第3クッション材189を備え、且つ第2ダクト部材180と第1導風部182との接続部に第1クッション材187を備えている。
上記の構成によれば、第3クッション材189及び第1クッション材187によって、作業機の振動を吸収し、振動に起因するエアコン本体136、第1送風ダクト172及び接続ダクト174の破損を防止することができる。
また、送風口136bは第2ダクト部材180の一端側の内側に挿入され、第2ダクト部材180の他端側は第1導風部182の内側に挿入されている。
上記の構成によれば、流路抵抗を低減し、空調空気を第2ダクト部材180から第1ダクト部材179を経て第3ダクト部材181へスムーズに流すことができる。
また、接続ダクト174は、第1ダクト部材179と、第1ダクト部材179と第1送風ダクト172とを接続する第3ダクト部材181とを備え、第3ダクト部材181は、第1ダクト部材179に対して進退する方向に伸縮可能である。
上記の構成によれば、第3ダクト部材181を伸縮させることにより、第3ダクト部材181の組付け及び取外しを容易に行うことができる。
また、第1ダクト部材179は、第3ダクト部材181が接続される第2導風部183を有し、第1送風ダクト172は、第3ダクト部材181が接続される取入れ口176を有し、第2導風部183と第3ダクト部材181との接続部に第2クッション材188を備え、且つ第3ダクト部材181と取入れ口176との接続部に第4クッション材190を備えている。
上記の構成によれば、第2クッション材188及び第4クッション材188によって、作業機の振動を吸収し、振動に起因するエアコン本体136、第1送風ダクト172及び接続ダクト174の破損を防止することができる。
また、第2導風部183は第3ダクト部材181の内側に挿入され、第3ダクト部材181の他端側は取入れ口176の内側に挿入されている。
上記の構成によれば、流路抵抗を低減し、空調空気を第2ダクト部材179から第3ダクト部材181を経て第1送風ダクト172へスムーズに流すことができる。
また、エアコン本体136からの空調空気を吹き出す第2吹き出し部(第2吹き出し口177a〜第2吹き出し口177c)を有する第2送風ダクト173を備え、第1ダクト部材179は、第2送風ダクト173が接続されるダクト接続部185を有する。
上記の構成によれば、第2送風ダクト173が接続されるダクト接続部185を第1ダクト部材179に設けることにより、第1ダクト部材179に対する第2ダクト部材180及び第3ダクト部材181のスライドをスムーズに行える。
また、機体2と、機体2に搭載されたキャビン5と、機体2に取り付けられ、キャビン5の床部を構成するステップ52と、を備え、エアコン本体136は、ステップ52に取り付けられ、第1送風ダクト172は、キャビン52に取り付けられている。
この構成によれば、機体2側に取り付けられたエアコン本体136とキャビン5側に取り付けられた第1送風ダクト172及び第2送風ダクト173とを、接続ダクト174によって容易に接続することができる。
また、作業機1は、キャビン5と、キャビン5の床面を形成するステップ52と、電気配線を束ねたハーネス(メインハーネス282)と、を備え、ステップ52は、前記床面を形成する主板271と、主板271を上下方向に貫通する切欠き部272とを有し、切欠き部272は、主板271の下面からキャビン5の室内へハーネスを通す第1切欠き272Aと、第1切欠き272Aから主板271の外縁部52aにかけて形成された第2切欠き272Bとを有し、第2切欠き272Bは、一端が第1切欠き272Aに接続し、他端が外縁部52aに接続し、且つ間隔をあけて互いに対向する第1縁部274及び第2縁部275で形成されており、ステップ52は、主板271における第1縁部274が形成された第1部位279と第2縁部275が形成された第2部位280とに着脱可能に固定されて第2切欠き272Bを塞ぐ第2板273Bを備え、ハーネスは、キャビン5の室内から、第1切欠き272A、及び第2切欠き272Bにおける第2板273Bの下方の領域を通ってキャビン5の室外に配索されている。
この構成によれば、ハーネスをステップ52の上面側から切欠き部272を介して配策した後、第2切欠き272Bを第2板273Bで塞ぐことができるので、ハーネスの組付けを容易に行うことができる。
また、第1部位279に接続された第1縦壁278Aと、第2部位280に接続された第2縦壁278Bと、第1縦壁278Bと第2縦壁278Bとを連結する連結壁278Cとを有する接続部材278を備え、ハーネスは、第2板273B、第1縦壁278A、連結壁278C、および第2縦壁278Bで囲まれる空間を通って配策されている。
この構成によれば、接続部材278によって、ハーネスを支持することができると共に第2切欠き272Bを形成したことによる強度低下を補うことができる。
また、主板271および第2板273B上にキャビン5の側壁部がシール材127を介して搭載されている。
上記の構成によれば、キャビン5のシール性を向上させ、キャビン5の室内への埃の侵入防止及び音の侵入低減を図ることができる。
また、ハーネスを通すハーネス挿通部283を残して第1切欠き272Aを塞ぐ第1板273Aを備えている。
この構成によれば、ハーネス挿通部283を介してステップ52の下面側からキャビンの室内側へとハーネスを容易に配策することができる。
また、ステップ52の下面側に配置された電装部品(第1電装品285、第2電装品286)を備え、切欠き部272は、第1切欠き272Aから電装部品側にわたって連続状に形成された第3切欠き272Cを有する。
この構成によれば、ステップ52の下面側の電装部品にも容易にハーネスを配策することができる。
また、作業機1は、エアコン本体136と、エアコン本体136に外気を導入する外気導入部152を有するキャビン5と、を備え、外気導入部152は、エアコン本体136に連通する第1外気導入口154を有する内層部材153と、内層部材153の外方側に対向配置されて第1外気導入口154の外方を覆う中層部材158であって、第1外気導入口154との非対向部に設けられた第2外気導入口160を有する中層部材158と、中層部材158の外方側に対向配置されて第2外気導入口160の外方を覆う外層部材163であって、第2外気導入口160との非対向部に設けられた第3外気導入口166を形成する外層部材163とを有する。
この構成によれば、エアコン本体136への水の浸入防止効果を高めることができる。これにより、エアコン本体136と外気導入部152とを近づけて配置しても、外部からの水の浸入を適切に防止できる。
また、第3外気導入口166、第2外気導入口160、及び第1外気導入口154は一直線上に並ばない位置に配置されている。
これにより、エアコン本体136への水の浸入防止効果をさらに高めることができる。
また、第3外気導入口166は、外層部材163の外縁部と中層部材158との間の隙間である。
この構成によれば、外層部材163と中層部材158との間に水が入り難くすることができる。
また、第3外気導入口166は、外層部材163の下縁部と中層部材158との間の隙間である下隙間166cを含む。
この構成によれば、外層部材163と中層部材158との間に入った水を下隙間166cから抜くことができる。
また、第3外気導入口166は、外層部材163の上縁部と中層部材158との間の隙間である上隙間166bと、外層部材163の前縁部と中層部材158との間の隙間である前隙間166aとを含み、前隙間166aの幅は、上隙間166b及び下隙間166cの幅よりも大きい。
この構成によれば、外気の導入量を確保しつつ、外層部材163と中層部材158との間に上から水が入り難くすることができる。
また、第2外気導入口160は、上下方向に互いに平行に並べて配置された複数の長孔160aで形成されており、中層部材158は、各長孔160aの上縁部に、鉛直方向に対して内層部材153側に傾斜した庇状部161を備えている。
上記の構成によれば、第3外気導入口166から第1外気導入口154側へ向かう水滴を庇状部161で遮断できるので、エアコン本体136への水の浸入防止効果をさらに高めることができる。
また、第1外気導入口154と第2外気導入口160と第3外気導入口166の開口面積は、略等しい。
この構成によれば、第1外気導入口154、第2外気導入口160及び第3外気導入口166を流れる空気の圧損を少なくすることができる。
また、第1外気導入口154は、第2外気導入口160よりも上方に配置されている。
この構成によれば、第2外気導入口160から第1外気導入口154への水の伝達を防止することができる。
また、エアコン本体136は、外気導入部152の側方の近傍に配置され、外気導入ダクト155を介して第1外気導入口154に連通している。
この構成によれば、キャビン室内の居住空間の拡大及びエアコン風量の増大(大風量化)に対応することができる。
また、作業機1は、機体2と、機体2に取り付けられた支持台50と、支持台50に前後位置調整可能に支持された可動体85と、可動体85に設けられた操作レバー77L,77Rと、可動体85に前後位置調整可能に支持された運転席6と、運転席6に設けられた少なくとも1つのストッパ98と、ストッパ98が当接することで運転席6の後方移動を規制する少なくとも1つの当接部材99と、を備えている。
この構成によれば、ストッパ98と当接部材99とによって、可動体85と運転席6の両方の後方への位置規制をすることができる。これにより、例えば、可動体85に設けた操作レバーと運転席6との前後方向距離を広げた状態で可動体85を後端位置に移動させても、運転席6が後方の壁面に干渉するのを防止することができる。
また、運転席6は、可動体85を移動領域の後端側に移動させ且つストッパ98の後方移動が当接部材で規制される状態で、可動体85に対して後方に位置調整可能な余裕を有する。
この構成によれば、オペレータが乗り降りする際に、運転席6及び可動体85を後方に寄せて可動体85に設けた操作レバーを乗り降りの邪魔にならないように後方に位置させておくことができる。また、可動体85を前部側に移動させることで、運転席6を後方に移動させることができ、運転席6を後方に移動させることで操作レバーと運転席6の前後方向距離を広げることができる。これにより、運転時において、オペレータが操作レバーを操作しやすい、快適な姿勢にすることができる。
また、支持台50に可動体85を前後位置調整可能に支持する第1レール装置(左の第1スライドレール84L、右の第1スライドレール84R)と、可動体85に運転席6を前後位置調整可能に支持する第2レール装置(左の第2スライドレール86L、右の第2スライドレール86R)と、を備え、第1レール装置は、可動体85を後方に移動させてストッパ98が当接部材99に当接した後、ストッパ98と当接部材99との間に隙間のできる状態で、前後移動不能にロックされ、第2レール装置は、ストッパ98が当接部材99に当接した後、ストッパ98と当接部材99との間に隙間のできる状態で、前後移動不能にロックされる。
この構成によれば、例えば、機体2と運転席6とが振動等により上下方向に相対移動する場合に、ストッパ98と当接部材99とが擦れ合うのを防止することができる。
また、ストッパ98は、前後位置調整可能である。
この構成によれば、ストッパ98が当接部材99に当接する状態におけるストッパ98と当接部材99との相対位置を調整することができる。
また、運転席6を支持するサスペンション88を備え、当接部材99は、縦長に形成されている。
この構成によれば、運転席6がサスペンション88の機能により沈み込んでもストッパ98を当接部材99に当接させることができる。
また、運転席6の後方に設けられた原動機E1と、原動機E1を収容する原動機室E2と運転席6側とを隔てる隔壁板(隔壁部材22A)と、を備え、当接部材99は、隔壁板に取り付けられている。
この構成によれば、隔壁板を当接部材99の取付部材とすることにより、構造の簡素化を図ることができる。
また、支持台50に可動体85を前後位置調整可能に支持する第1レール装置と、可動体85に運転席6を前後位置調整可能に支持する第2レール装置と、を備え、隔壁板は、第1レール装置の後端側を挿入する第1凹部107と、第2スレール装置の後端側を挿入する第2凹部108とを有する。
この構成によれば、運転席6及び可動体85を隔壁板に近づけることができ、運転席6の前方空間を広くすることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。