JP2020164663A - 透明被膜形成用塗布液 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明被膜付基材の製造時に、窒素ガス等の不活性ガスを使用しなくても高い硬度(鉛筆硬度)と強度(耐擦傷性)とを有する透明被膜を形成できる塗布液を提供すること。【解決手段】(メタ)アクリレート樹脂と、紫外線照射により開裂し重合する官能基が金属酸化物微粒子の表面に設けられた表面処理粒子と、(メタ)アクリロイル基を有するフッ素樹脂と、有機溶媒と、水素引抜型重合開始剤及びアミン系水素供与体とを含む透明被膜形成用の塗布液である。この(メタ )アクリレート樹脂は、(メタ)アクリロイル基数が3〜6の多官能(メタ)アクリレート樹脂と、(メタ)アクリロイル基数が3〜10のウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂の混合物との少なくとも一方である。【選択図】図1

Description

本発明は、高い硬度(鉛筆硬度)と強度(耐擦傷性)を有する透明被膜を形成する塗布液に関する。
従来、ガラス、プラスチック等で形成されたシートやレンズ等の基材表面の硬度と強度を向上させるため、基材表面に透明被膜形成用の塗布液を塗布して、ハードコート機能を有する透明被膜を形成させている。このような被膜としては、有機樹脂膜や無機膜が用いられている。この塗布液に、樹脂粒子やシリカ等の無機粒子を加えることで、被膜の硬度や強度を向上させている。この有機樹脂膜としては、アクリレート樹脂膜等が用いられ、例えば、ウレタン系アクリレート樹脂や多官能アクリレート樹脂を用いた透明被膜が提案されている(特許文献1及び2参照)。
また、塗布液にフッ素樹脂を加えることで、強度及び防汚性に優れた透明被膜を得ることも提案されている(特許文献3)。
ところで、ラジカル重合反応による透明被膜付基材の製造では、電離放射線(紫外線)による重合反応時に酸素が存在すると、重合阻害によって被膜の硬度や強度が不足する。更には、被膜の白化や着色が発生するおそれがある。このため、窒素ガス、希ガス、炭酸ガス等といった不活性ガス雰囲気下で重合反応が行われている(特許文献4及び5参照)。
特開2002−055203号公報 特開2013−064038号公報 特開2013−177503号公報 WO2006/059773号公報 特開2016−094537号公報
しかしながら、これらの技術では、近年普及しているスマートフォン、タブレット等のタッチパネルに要求される被膜の硬度と強度が不十分である。
例えば、透明被膜の硬度を上げるために塗布液に金属酸化物微粒子を加えると、硬度は向上するものの、強度が著しく低下してしまう。そこで、この被膜の強度を改善するために塗布液にフッ素樹脂を加えると、今度は硬度が低下してしまう。これを解決するために、更に金属酸化物微粒子を加えると、粒子が凝集して透明な被膜が得られない。また、例え粒子が凝集しなくても強度が著しく低下してしまう。このように、高い硬度と強度とを両立させることは困難であった。しかも、透明被膜付基材の性能向上のために、重合反応時に窒素ガス等の不活性ガスを使用することは、新たな製造装置の建設費や不活性ガスの材料費がかかるため、製造コストが増大となる。
これらの問題を解決するため、透明被膜付基材製造での重合反応時に、窒素ガス等の不活性ガスを使用しなくても、高い硬度(鉛筆硬度)と強度(耐擦傷性)とを両立する透明被膜を形成できる塗布液を提供する。
すなわち、本発明は、(メタ)アクリレート樹脂と、紫外線照射により開裂し重合する官能基が金属酸化物微粒子表面に設けられた表面処理粒子と、(メタ)アクリロイル基を有するフッ素樹脂と、有機溶媒と、水素引抜型光重合開始剤及びアミン系水素供与体とを含む透明被膜形成用の塗布液に関する。
ここで、(メタ)アクリレート樹脂は、(メタ)アクリロイル基数が3〜6の多官能(メタ)アクリレート樹脂と、(メタ)アクリロイル基数が3〜10のウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂の混合物との少なくとも一方である。フッ素樹脂は、(メタ)アクリレート樹脂、表面処理粒子及びフッ素樹脂の固形分の合計量に対して、固形分として0.05〜1.0質量%含まれる。
本発明の塗布液は、高い硬度(鉛筆硬度)と強度(耐擦傷性)を有する透明被膜を形成できる。
また、この塗布液を使用すると、透明被膜付基材製造の被膜形成における紫外線照射時に、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下に限らず、空気中であっても、高い硬度と強度を有する被膜が得られる。このため、不活性ガスを使用する製造方法に比べ、安価に透明被膜が製造できる。
実施例1の透明被膜表面のAFM像(凸状物有り)である。 比較例2の透明被膜表面のAFM像(凸状物無し)である。
《透明被膜形成用の塗布液》
本発明の塗布液は、(メタ)アクリレート樹脂と、表面処理粒子と、(メタ)アクリロイル基を有するフッ素樹脂と、有機溶媒と、水素引抜型光重合開始剤及びアミン系水素供与体とを含む。ここで、表面処理粒子は、金属酸化物微粒子の表面に紫外線照射によって開裂し重合する官能基が配された粒子である。この塗布液は、他に、レベリング剤等の添加剤を含んでいてもよい。
この塗布液に含まれる主要な成分について、以下に詳細に説明する。
《(メタ)アクリレート樹脂(バインダー樹脂)》
(メタ)アクリレート樹脂は、透明な被膜を形成する材料である。(メタ)アクリロイル基は、被膜の硬度と強度に寄与する。中でも、(メタ)アクリロイル基数が3〜6の多官能(メタ)アクリレート樹脂、(メタ)アクリロイル基数が3〜10のウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂の混合物は、被膜の硬度と強度とを両立する上で好適である。また、これら(メタ)アクリレート樹脂にアルキレンオキサイド(AO)変性(メタ)アクリレート樹脂を加えても良い。なお、(メタ)アクリレート樹脂とは、アクリレート樹脂とメタクリレート樹脂の少なくとも一方を表す。
〈多官能(メタ)アクリレート樹脂〉
多官能(メタ)アクリレート樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー樹脂である。
この(メタ)アクリロイル基数は、3〜6である。(メタ)アクリロイル基数がこの範囲にあれば、被膜の高い硬度と強度とを両立できる。
ここで、(メタ)アクリロイル基数が3よりも少ないと、十分な硬度と強度の被膜が得られないおそれがある。逆に、(メタ)アクリロイル基数が6よりも多いと、被膜形成時の膜収縮が大きいためにカーリングが顕著になる場合や、基材との密着性が不十分となるおそれがある。
多官能(メタ)アクリレート樹脂の平均分子量は、200〜1500が好ましい。平均分子量がこの範囲にあれば、硬度と強度に優れた透明被膜が得られる。
ここで、平均分子量が200未満だと、被膜形成時の膜収縮が大きいためにカーリングが顕著になる場合や、十分な硬度と強度の被膜が得られないおそれがある。逆に、平均分子量が1500よりも大きいと、その塗布液中の含有量や塗布液の固形分濃度にもよるが、粘度が高すぎるため塗工性が低下し、十分な硬度や強度の被膜が得られないおそれがある。なお、この平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算により質量平均分子量を測定し、得たものである(他の樹脂についても同様)。この平均分子量は、250〜1000がより好ましい。
また、多官能(メタ)アクリレート樹脂の単位分子量当たりの(メタ)アクリロイル基数は、0.8〜1.2が好ましい。単位分子量当たりの(メタ)アクリロイル基数がこの範囲にあれば、被膜の緻密化によって被膜の高い硬度と強度とを両立できる。
ここで、単位分子量当たりの(メタ)アクリロイル基数が0.8未満だと、バインダー樹脂同士あるいはバインダー樹脂と表面処理粒子との架橋サイトが減る。このため、架橋密度が低くなり、被膜の硬度と強度が不十分となるおそれがある。逆に、単位分子量当たりの(メタ)アクリロイル基数が1.2よりも大きいと、架橋密度が高すぎるため、膜収縮が大きくなり、カーリングが顕著になる場合や、基材との密着性が不十分となるおそれがある。この単位分子量当たりの(メタ)アクリロイル基数は、1.0〜1.1がより好ましい。
なお、この値は、(メタ)アクリロイル基数を該樹脂の質量平均分子量で除し、100を乗じて求めたものである(他の樹脂についても同様)。
多官能(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの樹脂は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
〈ウレタン(メタ)アクリレート樹脂〉
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、イソシアネート化合物由来のイソシアネート基と、ポリオール成分由来のヒドロキシ基とを反応させたウレタン結合部と、(メタ)アクリロイル基とを有するオリゴマー樹脂である。このポリオール成分は被膜のカーリング抑制や屈曲性を付与し、ウレタン結合部は互いに水素結合を形成し、被膜の硬度と強度に寄与する。
(メタ)アクリレート樹脂としてウレタン(メタ)アクリレート樹脂を使用する場合は、単独で使用すると、塗工性が悪く、基材との密着性が不十分となるおそれがある。このため、後述の2官能(メタ)アクリレート樹脂を配合して使用する必要がある。
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の(メタ)アクリロイル基数は、3〜10である。(メタ)アクリロイル基数がこの範囲にあれば、被膜の高い硬度と強度とを両立できる。
ここで、(メタ)アクリロイル基数が3よりも少ないと、十分な硬度と強度の被膜が得られないおそれがある。逆に、(メタ)アクリロイル基数が10よりも多いと、被膜形成時の膜収縮が大きいためにカーリングが顕著になる場合や、基材との密着性が不十分となるおそれがある。この(メタ)アクリロイル基数は、3〜9が好ましく、6〜9がより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の平均分子量は、500〜5000が好ましい。平均分子量がこの範囲にあれば、硬度と強度に優れた透明被膜が得られる。
ここで、平均分子量が500未満だと、被膜形成時の膜収縮が大きいためにカーリングが顕著になる場合や、十分な硬度と強度の被膜が得られないおそれがある。また、屈曲性も低下するおそれがある。逆に、平均分子量が5000よりも大きいと、その塗布液中の含有量や塗布液の固形分濃度にもよるが、粘度が高すぎるため塗工性が低下し、十分な硬度と強度の被膜が得られないおそれがある。この平均分子量は、1000〜4000がより好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の単位分子量当たりの(メタ)アクリロイル基数は、0.3〜0.8が好ましい。単位分子量当たりの(メタ)アクリロイル基数がこの範囲にあれば、被膜の緻密化によって被膜の高い硬度と強度とを両立できる。
ここで、単位分子量当たりの(メタ)アクリロイル基数が0.3未満だと、バインダー樹脂同士あるいはバインダー樹脂と表面処理粒子との架橋サイトが減る。このため、架橋密度が低くなり、被膜の硬度と強度が不十分となるおそれがある。逆に、単位分子量当たりの(メタ)アクリロイル基数が0.8よりも大きいと、架橋密度が高すぎるため、膜収縮が大きくなり、カーリングが顕著になる場合や、基材との密着性が不十分となるおそれがある。この単位分子量当たりの(メタ)アクリロイル基数は、0.3〜0.6がより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、脂肪族ウレタンメタクリレート、芳香族ウレタンアクリレート、芳香族ウレタンメタクリレート等が挙げられる。これらの樹脂は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
〈2官能(メタ)アクリレート樹脂〉
2官能(メタ)アクリレート樹脂は、(メタ)アクリロイル基を2つ有するモノマー樹脂である。この樹脂は、化学構造的にそれ自身は三次元的に架橋できない。そのため、2官能(メタ)アクリレート樹脂単独では十分な硬度と強度の被膜は得られない。
ところで、上述のウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、その構造や平均分子量によっては塗布液の粘度が高くなる場合がある。このため、塗布液成分の表面処理粒子の分散性が低くなるおそれや、基材への塗工が難しくなるおそれがある。また、被膜についても、基材との密着性が不十分となるおそれがある。
一方、2官能(メタ)アクリレート樹脂は、上述のように被膜の硬度や強度の向上は期待できないものの、粘度が低いという特徴がある。このため、特に、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と組み合わせる場合は、塗布液の粘度を調整し、塗工性の向上が図れるので好適である。
2官能(メタ)アクリレート樹脂の平均分子量は、500以下が好ましい。平均分子量がこの範囲にあれば、硬度と強度に優れた透明被膜が得られる。
ここで、2官能(メタ)アクリレート樹脂の平均分子量が500よりも大きいと、単位分子量当たりの官能基数の低下に伴って架橋密度が低下し、十分な硬度と強度の被膜が得られないおそれがある。この平均分子量は、400以下がより好ましい。
2官能(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビス[(メタ)アクリロキシメチル]シクロヘキサン、トリメチロールプロパンとピバルアルデヒドとのアセタールのジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、ビスフェノールA−ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの樹脂は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
〈アルキレンオキサイド(AO)変性(メタ)アクリレート樹脂〉
アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート樹脂は、アルキレンオキサイド(AO)基及び(メタ)アクリロイル基を有するモノマー樹脂である。
AO基は、極性が高い親水性の官能基であり、表面処理粒子の分散性を向上させる役割を果たすと考えられる。すなわち、AO変性(メタ)アクリレート樹脂は、表面処理粒子との相溶性が高いため、フッ素樹脂の存在下でも、表面処理粒子をAO変性(メタ)アクリレート樹脂中に十分に分散できる。
AO基が少なくとも1つあれば、表面処理粒子の分散性が向上し、被膜の高い硬度と強度とを両立できる。AO基数が多い程、表面処理粒子の分散性が向上する。そのため、AO基数は3以上が好ましい。ただし、AO基数が多くなると架橋密度が低下する傾向にある。その上限は、架橋密度が維持され、望むべく被膜の硬度や強度が得られれば特に制限されないが、例えば20である。このAO基数は、3〜20がより好ましく、3〜18が更に好ましく、6〜12が特に好ましい。
AO基としては、例えば、エチレンオキサイド(EO)基、プロピレンオキサイド(PO)基、ブチレンオキサイド(BO)基が挙げられる。中でも、単位基内の酸素原子の割合が高く極性が高い、EO基が好ましい。
AO変性(メタ)アクリレート樹脂の(メタ)アクリロイル基数は、3〜6である。(メタ)アクリロイル基数がこの範囲にあれば、被膜の高い硬度と強度とを両立できる。
ここで、(メタ)アクリロイル基数が3よりも少ないと、十分な硬度と強度の被膜が得られないおそれがある。逆に、(メタ)アクリロイル基数が6よりも多いと、被膜形成時の膜収縮が大きいためにカーリングが顕著になる場合や、基材との密着性が不十分となるおそれがある。
AO変性(メタ)アクリレート樹脂の平均分子量は、300〜2000が好ましい。平均分子量がこの範囲にあれば、硬度と強度に優れた透明被膜が得られる。
ここで、平均分子量が300未満だと、被膜形成時の膜収縮が大きいためにカーリングが顕著になる場合や、十分な硬度と強度の被膜が得られないおそれがある。逆に、平均分子量が2000よりも大きいと、その塗布液中の含有量や塗布液の固形分濃度にもよるが、粘度が高すぎるため塗工性が低下し、十分な硬度と強度の被膜が得られないおそれがある。この平均分子量は、500〜1500がより好ましい。
また、AO変性(メタ)アクリレート樹脂の単位分子量当たりの(メタ)アクリロイル基数は、0.3〜0.8が好ましい。単位分子量当たりの(メタ)アクリロイル基数がこの範囲にあれば、被膜の緻密化によって被膜の高い硬度と強度とを両立できる。
ここで、単位分子量当たりの(メタ)アクリロイル基数が0.3未満だと、バインダー樹脂同士あるいはバインダー樹脂と表面処理粒子との架橋サイトが減る。このため、架橋密度が低くなり、被膜の硬度と強度が不十分となるおそれがある。逆に、単位分子量当たりの(メタ)アクリロイル基数が0.8よりも大きいと、架橋密度が高すぎるため、膜収縮が大きくなり、カーリングが顕著になる場合や、基材との密着性が不十分となるおそれがある。この単位分子量当たりの(メタ)アクリロイル基数は、0.4〜0.8がより好ましく、0.4〜0.7が更に好ましい。
EO変性(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
PO変性(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、プロポキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
BO変性(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、ブトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、ブトキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ブトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ブトキシ化ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ブトキシ化ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ブトキシ化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの樹脂は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
以下に、各(メタ)アクリレート樹脂の組合せについて述べる。これらの樹脂を、塗布液の濃度、粘度、塗工の条件等を考慮した比で配合することで、塗工性に優れた塗布液が得られ、これにより十分な硬度と強度の被膜が得られる。
〈ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂との組合せ〉
(メタ)アクリレート樹脂として、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を使用する場合は、2官能(メタ)アクリレート樹脂と組み合わせて使用する。所望する被膜の硬度と強度が得られれば、これらの樹脂は任意の比で配合できる。ただし、2官能(メタ)アクリレート樹脂の量が極端に少ないと塗布液の粘度が高すぎて塗工性に問題がある。逆に、2官能(メタ)アクリレート樹脂の量が極端に多いと、十分な硬度と強度の被膜が得られない。そのため、2官能(メタ)アクリレート樹脂は、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂の固形分含有量の合計に対して、3〜60質量%が好ましい。この範囲にあれば、塗布液の固形分濃度を低くすることなく粘度を低下できるので好ましい。これによって、塗工性が向上し、十分な硬度と強度の被膜が得られやすく、基材との密着性も向上する。
この配合割合は、5〜50質量%がより好ましく、10〜30質量%が更に好ましい。
〈ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂、及び多官能(メタ)アクリレート樹脂との組合せ〉
(メタ)アクリレート樹脂として、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂と多官能(メタ)アクリレート樹脂とを組み合わせる場合、所望する被膜の硬度と強度が得られれば、これらの樹脂は任意の比で配合できる。この場合、多官能(メタ)アクリレート樹脂は、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂、及び多官能(メタ)アクリレート樹脂の固形分含有量の合計に対して、80質量%以下が好ましい。この時、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂とは、任意の割合で配合できる。ただし、上述の「ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂との組合せ」に記載された範囲が好ましい。多官能(メタ)アクリレート樹脂は、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂、及び多官能(メタ)アクリレート樹脂の固形分含有量の合計に対して、20〜70質量%がより好ましく、30〜60質量%が更に好ましい。
〈多官能(メタ)アクリレート樹脂とAO変性(メタ)アクリレート樹脂との組合せ〉
(メタ)アクリレート樹脂として、多官能(メタ)アクリレート樹脂とAO変性(メタ)アクリレート樹脂とを組み合わせる場合、所望する被膜の硬度と強度が得られれば、これらの樹脂は任意の比で配合できる。これらの樹脂を配合することで、塗工性に優れた塗布液が得られる。また、この塗布液を使用して得られる被膜は、これらの樹脂を単独で使用したものに比べて、優れた硬度と強度が得られる。この機構は詳細には解明されていないが、多官能(メタ)アクリレート樹脂自身の被膜強度と、AO変性(メタ)アクリレート樹脂による表面処理粒子との相溶性とが、相乗的に機能しているためと考えている。AO変性(メタ)アクリレート樹脂は、多官能(メタ)アクリレート樹脂とAO変性(メタ)アクリレート樹脂の固形分含有量の合計に対して、80質量%以下が好ましく、20〜70質量%がより好ましく、30〜60質量%が更に好ましい。
〈ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂、及びAO変性(メタ)アクリレート樹脂との組合せ〉
(メタ)アクリレート樹脂として、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂に、AO変性(メタ)アクリレート樹脂を組み合わせる場合、所望する被膜の硬度と強度が得られれば、これらの樹脂は任意の比で配合できる。この場合、AO変性(メタ)アクリレート樹脂は、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂、及びAO変性(メタ)アクリレート樹脂の固形分含有量の合計に対して、70質量%以下が好ましい。この時、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂とは、任意の割合で配合できる。ただし、上述の「ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂との組合せ」に記載された範囲が好ましい。AO変性(メタ)アクリレート樹脂は、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂、及びAO変性(メタ)アクリレート樹脂の固形分含有量の合計に対して、5〜60質量%がより好ましく、10〜50質量%が更に好ましい。
〈ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂と多官能(メタ)アクリレート樹脂、及びAO変性(メタ)アクリレート樹脂との組合せ〉
(メタ)アクリレート樹脂として、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂と多官能(メタ)アクリレート樹脂に、AO変性(メタ)アクリレート樹脂を組み合わせる場合、所望する被膜の硬度と強度が得られれば、これらの樹脂は任意の比で配合できる。この場合、AO変性(メタ)アクリレート樹脂は、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂、多官能(メタ)アクリレート樹脂及びAO変性(メタ)アクリレート樹脂の固形分含有量の合計に対して、70質量%以下が好ましい。この時、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂と多官能(メタ)アクリレート樹脂とは、任意の割合で配合できる。ただし、上述の「ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂、及び多官能(メタ)アクリレート樹脂との組合せ」に記載された範囲が好ましい。AO変性(メタ)アクリレート樹脂は、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂と多官能(メタ)アクリレート樹脂、及びAO変性(メタ)アクリレート樹脂の固形分含有量の合計に対して、5〜60質量%がより好ましく、10〜50質量%が更に好ましい。
〈(メタ)アクリレート樹脂の濃度〉
塗布液中の(メタ)アクリレート樹脂は、(メタ)アクリレート樹脂の固形分と表面処理粒子の固形分とフッ素樹脂の固形分の合計量に対して、固形分として29〜79.95質量%が好ましい。この(メタ)アクリレート樹脂としては、上述の多官能(メタ)アクリレート樹脂と、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂の混合物との少なくとも一方が含まれている。これに、更にAO変性(メタ)アクリレート樹脂が含まれていても良い。
ここで、(メタ)アクリレート樹脂が29質量%未満だと、被膜化が困難で被膜が得られないおそれがある。また、被膜化の際に被膜にクラックが発生するおそれがある。更に、被膜が得られたとしても、基材との密着性が不十分となるおそれや、硬度や強度、透明性等が不十分となるおそれがある。逆に、(メタ)アクリレート樹脂が79.95質量%より多いと、被膜の硬度が不十分となるおそれがある。この(メタ)アクリレート樹脂の濃度は、29〜69.95質量%がより好ましく、39〜59.95質量%が更に好ましい。
《フッ素樹脂》
フッ素樹脂は、フルオロ基及び(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマー樹脂あるいはポリマー樹脂である。このフッ素樹脂は、バインダー樹脂である多官能(メタ)アクリレート樹脂やウレタン(メタ)アクリレート樹脂と共重合して透明被膜を形成する。これにより、高い強度の被膜を形成することができる。
フルオロ基は、フッ素樹脂の主鎖や側鎖に少なくとも1つ導入されていればよく、(メタ)アクリロイル基の置換基として導入されていてもよい。フッ素樹脂は、製造される被膜の表面にフッ素成分が偏在し、滑り性を付与して強度を向上できるものであればよい。
フッ素樹脂の(メタ)アクリロイル基は少なくとも1つ有していればよい。(メタ)アクリロイル基を有することで、バインダー樹脂と共重合し、被膜の強度を向上できる。
フッ素樹脂としては、下記式(1)で表される化合物が例示できる。
式中、nは0〜100の整数である。Xは、水素原子又はフッ素原子である。
使用可能な市販のフッ素樹脂としては、例えば、ダイキン工業株式会社製オプツールDAC−HP、DIC株式会社製メガファックRSシリーズ、株式会社フロロテクノロジー製フロロサーフシリーズ、信越化学工業株式会社製KY−1200シリーズ等が挙げられる。これらの樹脂は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
〈フッ素樹脂の濃度〉
塗布液中のフッ素樹脂は、(メタ)アクリレート樹脂の固形分と表面処理粒子の固形分とフッ素樹脂の固形分の合計量に対して、固形分として0.05〜1.0質量%である。
ここで、フッ素樹脂が0.05質量%未満だと、被膜表面のフッ素成分の偏在が不十分であるため、強度向上の効果が得られない。逆に、1.0質量%より多いと、被膜の硬度が不十分となる場合や、フッ素成分が基材と透明被膜間にも偏在し、基材との密着性が不十分となるおそれがある。このフッ素樹脂の濃度は、0.08〜0.7質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%がより好ましい。
《表面処理粒子》
表面処理粒子は、金属酸化物微粒子表面に、紫外線照射により開裂し重合する官能基を有する。
金属酸化物微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、シリカ−アルミナ、シリカ−ジルコニア等の他、酸化錫、Sb又はPがドープされた酸化錫、酸化インジウム、Sn又はFがドーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化チタン等の導電性粒子が挙げられる。透明被膜を得るには、シリカを含む粒子が好ましい。
〈平均粒子径〉
表面処理粒子の平均粒子径は、分散安定性や製造される被膜の透明性の点から、5〜500nmが好ましい。
ここで、平均粒子径が5nm未満だと、粒子が不規則に凝集して配列し、被膜の透明性が低下したり、被膜の硬度や強度が不十分となるおそれがある。逆に、平均粒子径が500nmを超えても、被膜の透明性が低下するおそれがある。また、被膜の膜厚によっては強度が不十分となるおそれがある。平均粒子径は、10〜200nmがより好ましく、10〜120nmが更に好ましい。
〈表面処理:表面処理剤、表面処理量〉
表面処理粒子は、金属酸化物微粒子を下記式(2)で表される紫外線照射により開裂し重合する官能基を有する有機珪素化合物で表面処理したものである。この官能基は、下記式(2)のRの置換炭化水素基に相当する。
但し、式中、nは1〜3の整数を示す。Rは炭素数1〜10の置換炭化水素基で、互いに同一であっても異なっていてもよい。置換基としては、エポキシ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、フェニルアミノ基が挙げられる。nが2又は3の場合、R基には、別に炭素数1〜10の非置換炭化水素基が含まれていてもよい。Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、水素原子である。
表面処理粒子は、有機珪素化合物が、金属酸化物微粒子100質量部に対し、R−SiO(4−n)/2として0.1〜50質量部、固形分として存在することが好ましい。この範囲に粒子が表面処理されていれば、(メタ)アクリレート樹脂との相溶性が向上する。
ここで、有機珪素化合物量が0.1質量部未満だと、表面処理粒子の分散性が不十分となり、得られる被膜の透明性が低下するおそれがある。また、(メタ)アクリレート樹脂との結合力が弱くなるので、基材との密着性や被膜の硬度と強度が不十分となるおそれがある。逆に、有機珪素化合物量が50質量部より多くても、分散性が更に向上する訳ではない。その上、表面処理粒子の高密度充填が阻害されるおそれがある。また、(メタ)アクリレート樹脂と結合するサイトが増えるので、膜収縮が大きくなり、カーリングが顕著になる場合や、基材との密着性が不十分となるおそれがある。
〈表面処理粒子の濃度〉
塗布液中の表面処理粒子は、(メタ)アクリレート樹脂の固形分と表面処理粒子の固形分とフッ素樹脂の固形分の合計量に対して、固形分として20〜70質量%が好ましい。
ここで、表面処理粒子が20質量%未満だと、被膜の硬度が不十分となるおそれがある。逆に、表面処理粒子が70質量%より多いと、被膜化が困難で被膜が得られないおそれがある。また、被膜化の際に、被膜にクラックが発生するおそれがある。更に、被膜が得られたとしても、基材との密着性が不十分となるおそれや、硬度や強度、透明性等が不十分となるおそれがある。この表面処理粒子の濃度は、30〜65質量%がより好ましく、40〜60質量%が更に好ましい。
塗布液中の表面処理粒子の固形分含有量(F)と、(メタ)アクリレート樹脂及びフッ素樹脂の固形分含有量の合計(M)との比(F/M)は、0.25〜2.33が好ましい。
ここで、比が0.25よりも小さいと、被膜の硬度が不十分となるおそれがある。逆に、比が2.33よりも大きいと、被膜化の際に、被膜にクラックが発生したり、被膜の硬度や強度が不十分となるおそれがある。この比は、0.43〜1.86がより好ましく、0.67〜1.50が更に好ましい。
《有機溶媒》
有機溶媒は、(メタ)アクリレート樹脂、表面処理粒子、フッ素樹脂及び光重合開始剤を溶解あるいは分散できるものが用いられる。中でも、親水性溶媒や極性溶媒が好ましい。親水性溶媒としては、例えば、アルコール類、エステル類、グリコール類、エーテル類等が挙げられる。極性溶媒としては、例えば、エステル類、ケトン類等が挙げられる。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等がある。
エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル、酢酸ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸シクロヘキシル、エチレングリコールモノアセテート等がある。
グリコール類は、エチレングリコール、ヘキシレングリコール等がある。
エーテル類としては、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソプルピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等がある。
ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルメチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジプロピルケトン、メチルペンチルケトン、ジイソブチルケトン等がある。
極性溶媒としては、他に、炭酸ジメチル、トルエン等がある。
これらは単独で使用してもよいが、2種以上を混合して使用することが好ましい。
有機溶媒において、溶解度パラメーター(SP値)は、7〜10.5が好ましい。このような溶解度パラメーターの溶媒は、上述の(メタ)アクリレート樹脂やフッ素樹脂の相溶性や分散性が良く、上述の表面処理粒子の分散性も良い。特に、フッ素成分は、溶媒蒸発時に溶媒と共に被膜表面に移動し、被膜表面に偏在すると考えられる。
ここで、SP値が7未満だと、(メタ)アクリレート樹脂、フッ素樹脂、及び表面処理粒子の相溶性や分散性が不十分で、十分な硬度と強度の被膜が得られないおそれがある。逆に、SP値が10.5を超える場合でも、(メタ)アクリレート樹脂、フッ素樹脂、及び表面処理粒子の相溶性や分散性が不十分で、十分な硬度と強度の被膜が得られないおそれがある。
このSP値は、複数の有機溶媒を組み合わせて任意の値に調整できる。ただし、溶媒の種類としては、少ない方が製造上の取り扱いや管理がしやすいので好ましい。このため、上記SP値の範囲を満足する溶媒を単独あるいは主として使用することが好ましい。ここで、最も質量割合の高い主溶媒の量は、有機溶媒全体の40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。
また、上述のように、フッ素成分は溶媒蒸発とともに被膜表面に偏在すると考えられるため、使用する溶媒は、上記SP値の範囲を満足し、最も沸点が高いものが主溶媒であることが更に好ましい。
好ましい溶媒として、例えば、メチルイソブチルケトン(SP値8.4)、メチルエチルケトン(SP値9.3)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値10.4)が挙げられる。この溶解度パラメーターは、8〜9がより好ましい。
《光重合開始剤》
塗布液は、光重合開始剤として、水素引抜型光重合開始剤とアミン系水素供与体とを含有する。
本発明の塗布液を使用して透明被膜付基材を作製する際の反応機構の詳細は不明であるが、これら光重合開始剤の役割を次のように考えている。
まず、水素引抜型光重合開始剤は、紫外線照射によってアミン系水素供与体とエキサイプレックスを生成し、電子移動及びプロトン移動によりフリーラジカルを生成する。このため、空気中等の酸素存在下であってもラジカル反応が阻害されにくくなる。その結果、樹脂の重合反応が進み架橋密度が高くなるので、被膜の硬度や強度は高くなる。
また、アミン系水素供与体は、上述の水素引抜型光重合開始剤と併用することで、より効率良くフリーラジカルを生成できる。このため、上述と同様に、空気中等の酸素存在下であってもラジカル反応が阻害されにくく、樹脂の重合反応が進行するため、被膜の硬度や強度が高くなる。
塗布液中の水素引抜型光重合開始剤の含有量(A)は、(メタ)アクリレート樹脂及びフッ素樹脂の固形分の合計量に対して、固形分として1.5〜20.0質量%が好ましい。
ここで、含有量(A)が1.5質量%未満だと、フリーラジカル生成量が少なくなるため硬化不良となり、被膜の硬度と強度が不十分となるおそれがある。逆に、含有量(A)が20.0質量%を超えると、相対的に硬度や強度の向上を担う表面処理粒子、(メタ)アクリレート樹脂、及びフッ素樹脂の量が減少するため、被膜の硬度や強度が不十分となるおそれがある。この含有量(A)は、2.0〜15.0質量%がより好ましく、3.0〜10.0質量%が更に好ましい。
塗布液中のアミン系水素供与体の含有量(B)は、(メタ)アクリレート樹脂及びフッ素樹脂の固形分の含有量に対して、固形分として1.5〜20.0質量%が好ましい。
ここで、含有量(B)が1.5質量%未満だと、フリーラジカル生成量が少なくなるため硬化不良となり、被膜の硬度と強度が不十分となるおそれがある。逆に、含有量(B)が20.0質量%を超えると、相対的に硬度や強度の向上を担う表面処理粒子、(メタ)アクリレート樹脂、及びフッ素樹脂の量が減少するため、被膜の硬度や強度が不十分となるおそれがある。この含有量(B)は、2.0〜15.0質量%がより好ましく、3.0〜10.0質量%が更に好ましい。
これら水素引抜型光重合開始剤及びアミン系水素供与体の含有量の合計(C)は、(メタ)アクリレート樹脂及びフッ素樹脂の固形分の合計量に対して、固形分として5.0〜40.0質量%が好ましい。
ここで、これら光重合開始剤の含有量の合計(C)が5.0質量%未満だと、フリーラジカル生成量が少なくなるため硬化不良となり、被膜の硬度と強度が不十分となるおそれがある。逆に、この含有量の合計(C)が40.0質量%を超えると、相対的に硬度や強度の向上を担う表面処理粒子、(メタ)アクリレート樹脂、及びフッ素樹脂の量が減少するため、被膜の硬度や強度が不十分となるおそれがある。この含有量の合計(C)は、6.5〜30.0質量%がより好ましく、8.0〜20.0質量%が更に好ましい。
水素引抜型光重合開始剤の含有量(A)とアミン系水素供与体の含有量(B)との比(B/A)は、固形分として0.3〜10.0が好ましい。
ここで、比(B/A)が0.3未満だと、フリーラジカル生成に関与しない水素引抜型重合開始剤の量が多くなるため、相対的に硬度や強度の向上を担う表面処理粒子、(メタ)アクリレート樹脂、及びフッ素樹脂の量が減少し、被膜の硬度と強度が不十分となるおそれがある。逆に、比(B/A)が10.0を超えると、フリーラジカル生成量が減少するため、硬化不良により被膜の硬度や強度が不十分となるおそれがある。このように、光重合開始剤は、水素引抜型光重合開始剤とアミン系水素供与型光重合開始剤が、特定の割合で含有される。この比(B/A)は、0.4〜6.0がより好ましく、0.5〜2.0が更に好ましい。
この水素引抜型光重合開始剤は、具体的には、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−エチルベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等が例示される。中でも、三重項状態を維持しやすいため、他分子との反応性が高く、塗膜の黄変が少ない点で、チオサントン類が好ましい。
アミン系水素供与体は、具体的には、アミノ安息香酸メチル、アミノ安息香酸エチル、エチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエイト、2−エチルヘキシル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエイト等が例示される。中でも、水素(電子)供与性が高く、効率よくラジカルを生成する第三級アミン系が好ましい。
《その他の成分》
また、塗布液は、造膜性を向上させるために、必要に応じてレベリング剤等を含有させることが好ましい。レベリング剤としては、アクリル系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤、アクリルシリコーン系レベリング剤等がある。また、界面活性剤等を含有させてもよい。
《透明被膜形成用の塗布液の固形分濃度》
塗布液の固形分濃度(塗布液に対する、(メタ)アクリレート樹脂の固形分と表面処理粒子の固形分とフッ素樹脂の固形分と光重合開始剤の固形分とその他の成分の固形分とを合計した固形分の割合)は、5〜70質量%が好ましい。
ここで、塗布液の固形分濃度が5質量%未満だと、塗料の濃縮安定性が低いため、塗工が困難となり、均一な被膜が得られ難いおそれがある。また、被膜が得られたとしても、硬度や強度が不十分となるおそれがある。また、被膜の透明性や外観が悪くなるため、生産性、製造信頼性等が低下するおそれがある。逆に、70質量%より高いと、塗布液の安定性が悪くなるおそれがある。また、塗布液の粘度が高くなるため、塗工性が低下するおそれがある。更に、被膜の透明性が低下し、表面粗さが大きくなり、硬度や強度が不十分となるおそれがある。この塗布液の固形分濃度は、10〜60質量%がより好ましい。
[透明被膜付基材の製造方法]
上述の塗布液を用いて、透明被膜を基材に形成する。
具体的には、基材上に塗布液を塗布した後、乾燥及び紫外線照射を行い、基材上に透明被膜を形成する。塗布液の塗布方法としては、基材に透明被膜を形成できるものであれば特に制限されない。例えば、スプレー法、スピナー法、ロールコート法、バーコート法、スリットコーター印刷法、グラビア印刷法、マイクログラビア印刷法等の周知の方法が採用できる。乾燥は、例えば、50〜150℃程度に加熱し、溶媒を蒸発させて除去する。その後、紫外線を照射し、樹脂成分の重合を促進させて被膜の硬化を図る。この紫外線照射は、不活性ガス雰囲気下でも非不活性ガス雰囲気下でも得られる透明被膜付基材の性能に問題はない。透明被膜は、主に樹脂成分と表面処理粒子で形成される。
ところで、紫外線照射時に酸素が存在すると、酸素は基底状態で三重項状態(О=Оではなく、・О―О・)にあるため、樹脂成分の重合末端のラジカルと反応してしまう(R・+・О―О・⇒R―О―О・)。この時生成したラジカルは反応性が低く、重合反応が止まってしまうため、架橋密度が低下し、被膜の硬度や強度が不十分となる(ラジカル重合における酸素阻害)。この対策のため、従来、酸素を除外する目的で、不活性ガス雰囲気下で重合反応を行っている。
ここで、不活性ガスとは、基底状態でラジカルをもたないガスである。例えば、窒素ガス、アルゴン等の希ガス、炭酸ガス等が挙げられる。不活性ガス雰囲気下とは、重合反応に供する系内から酸素を排除し、不活性ガスで満たされている状態を意味する。一方、非不活性ガス雰囲気下とは、これら不活性ガスを反応系内に意図的に加えていない状態であって、例えば、反応系内のガス種は空気である。
本発明では、塗布液に、特定の(メタ)アクリレート樹脂と、水素引抜型光重合開始剤とアミン系水素供与体とを特定の割合で使用している。このため、敢えて窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で紫外線照射をせずとも、空気中など酸素が存在する状態(非不活性ガス雰囲気下)で透明被膜付基材の製造ができる。この時、得られた透明被膜付基材は、不活性ガス雰囲気下で製造したものと遜色のない性能を有す。
このため、透明被膜付基材製造の為に、不活性ガス雰囲気で製造するための不活性ガスの貯蔵タンクや供給ライン、反応装置等を建設する必要はなく、不活性ガスに係る費用も必要としない。そのため、不活性ガスを使用する製造法に比べ安価に、高い硬度と強度に優れたハードコート機能を有する透明被膜付基材を製造できる。
[透明被膜付基材]
透明被膜付基材は、光電気セル、液晶表示セルや携帯電話、パソコン等の軽量化のために、薄くかつ軽量性が求められる用途に使用される。このため、透明被膜付基材の光透過率は、90.0%以上が好ましい。
ここで、透明被膜付基材の光透過率が90.0%よりも低いと、表示装置等において、画像の鮮明度が不十分となるおそれがある。
《透明被膜》
本発明の透明被膜付基材は、被膜の表面(基材との界面も含む)に、フッ素成分が偏在する。フッ素成分は、被膜の中心部よりも被膜の表面に行くに従って、濃度が高くなっている。このフッ素成分は、被膜表面で滑り剤や犠牲膜として機能し、被膜の強度を向上させる。この被膜中のフッ素成分の偏在は、後述するように、X線光電子分光装置を用いてスペクトル解析することで確認できる。
特に、基材との界面とは反対側の被膜表面には、上記偏在したフッ素成分を主成分とする多数の凸状物が形成されていることが好ましい。ここで、凸状物とは、高さ1.0nm以上のものをいい、この高さの測定は、原子間力顕微鏡(AFM)を使用して行うことができる。例えば、図1及び2に、各々、実施例1と比較例2で得た透明被膜付基材を原子間力顕微鏡(BRUKER(株)製 DIMENSION icon with Scan Asyst)を用いて、コンタクトモード、スキャンスピード0.50Hz、スキャンサイズ2.0μm×2.0μmの条件でスキャンしたAFM像を示す。ここで、図1の白い部分が凸状物である。このような凸状物があると、滑り性が良いため、被膜の強度が顕著に向上する。一方、図2には、このような凸状物は観察されない。
この凸状物の形成の原因は明らかではないが、おそらくフッ素樹脂と(メタ)アクリレート樹脂と表面処理粒子と有機溶媒(主溶媒)との相溶性と、被膜化の際のフッ素成分の偏在性とが関連しているものと考えている。
透明被膜付基材と#0000のスチールウールとの動摩擦係数は、0.01〜0.30が好ましく、0.01〜0.25がより好ましい。
透明被膜付基材の強度(耐擦傷性)は、#0000のスチールウールを用い、荷重1kg/cmにて摺動させて評価する。この摺動回数が少なくとも100回の時点で膜表面に筋状の傷が認められないことが好ましく、500回の時点で傷が認められないことがより好ましく、1000回の時点で傷が認められないことが更に好ましい。透明被膜付基材が上記範囲の動摩擦係数を有することにより、このような高い強度が得られる。
透明被膜付基材の鉛筆硬度は、3H以上が好ましい。3H未満では、ハードコート膜として硬度が不十分である。この鉛筆硬度は、4H以上がより好ましい。
透明被膜は、塗布液中の(メタ)アクリレート樹脂成分と、表面処理粒子成分と、フッ素樹脂成分と、光重合開始剤と、レベリング剤等のその他の成分の内、固形分として残存する量が、そのまま被膜中の成分割合となる。
その被膜の膜厚は1〜15μmが好ましい。ここで、膜厚が1μmより薄いと、被膜の硬度や強度が不十分となるおそれがある。逆に、膜厚が15μmより厚いと、膜収縮が大きくなり、カーリングが顕著になる場合や、基材との密着性が不十分となるおそれがある。また、膜収縮が非常に大きい場合には、クラックが発生するおそれもある。この膜厚は、4〜12μmがより好ましい。
《基材》
基材は、公知のものが使用可能である。例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、シクロオレフィンポリマー(COP)等の透明な樹脂基材が好ましい。これらの基材は、上述の塗布液によって形成される被膜との密着性が優れ、硬度や強度等に優れた透明被膜付基材を得ることができる。このため、薄い基材に好適に用いられる。基材の厚みは、20〜70μmが好ましく、30〜60μmがより好ましい。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
《塗布液(1)の調製》
(メタ)アクリレート樹脂として多官能アクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKエステルA−TMM−3LM−N)11.98g及びAO変性アクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKエステルA−DPH−12E)7.98g(両樹脂の質量比 60/40)と、表面処理粒子としてシリカオルガノゾル分散液(平均粒子径12nm、固形分濃度40.5質量%、分散媒としてメチルイソブチルケトン(MIBK)29.38g、表面処理剤としてγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 2.61gを使用)49.38gと、フッ素樹脂(信越化学工業(株)製 KY−1203、固形分濃度20質量%、分散媒としてメチルエチルケトン(MEK)及びMIBK)0.20gと、水素引抜型光重合開始剤(Lambson(株)製 Speedcure MBP、MIBKで固形分濃度30質量%に溶解)3.99gと、アミン系水素供与体光重合開始剤(Lambson(株)製 Speedcure EDB、MIBKで固形分濃度30質量%に溶解)2.66gと、アクリルシリコーン系レベリング剤(楠本化成(株)製 ディスパロンNSH−8430HF、固形分濃度10質量%、分散媒として酢酸ブチル及び芳香族炭化水素を使用)1.00gと、MIBK(SP値8.4)12.80gとアセトン(SP値9.9)10.00gとを十分に混合して、固形分濃度42.1質量%の透明被膜形成用の塗布液(1)を調製した。
塗布液の組成を表1〜4に示す(以下の実施例、比較例も同様)。
なお、本発明の実施例及び比較例の表において、(メタ)アクリレート樹脂と表面処理粒子とフッ素樹脂は、これらの固形分の合計が100質量%となるように配分した。また、水素引抜型光重合開始剤とアミン系水素供与体光重合開始剤の添加割合は、(メタ)アクリレート樹脂とフッ素樹脂の固形分の合計に対する固形分の割合とした。また、有機溶媒は、MIBK、MEK、酢酸ブチル、芳香族炭化水素及びアセトンであった。この内、主溶媒はMIBKであった。
<平均粒子径>
平均粒子径は、電子顕微鏡写真を撮影し、任意の100個の粒子について、最長径を測定し、その平均値として得た。
《透明被膜付基材(1)の作製》
塗布液(1)を、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士フイルム(株)製 FT−PB40UL−M、厚さ 40μm)にバーコーター法(#20)で塗布し、80℃で120秒間乾燥した後、空気中で、300mJ/cmの紫外線を照射して硬化させ、透明被膜付基材(1)を作製した。
透明被膜付基材について、被膜の平均膜厚、被膜表面のフッ素成分偏在の有無、動摩擦係数、耐擦傷性、鉛筆硬度、密着性について、以下の方法及び評価基準で評価を行った。更に、耐擦傷性と鉛筆硬度の評価について総合評価を行った。その結果を表5〜8に示す(以下の実施例、比較例も同様)。
なお、今回の実施例及び比較例において、透明被膜の平均膜厚は10μm、光透過率は90.0%以上であった。ただし、比較例3は被膜の密着性が不十分であったため、また、比較例5は被膜が未硬化であったため、光透過率や強度や硬度等の被膜性能の評価はしなかった。
<被膜の平均膜厚>
被膜の平均膜厚は、デジタルゲージ((株)小野測器製ゲージスタンドST−0230とデジタルゲージカウンターDG−5100)により任意の5か所を測定した値の平均値とした。
<被膜表面のフッ素成分偏在の有無>
X線光電子分光装置(VGサイエンティフィック(株)製 ESCALAB220iXL)を用いて、X線源にAlKα線を使用し、透明被膜付基材表面のF1sスペクトルの有無によってフッ素の分布を観察し、被膜表面のフッ素成分偏在の有無を評価した。
<光透過率の評価>
ヘーズメーター(日本電色(株)製NDH−5000)により測定した。
<動摩擦係数の評価>
摩擦摩耗試験機(新東科学(株)製 トライボギア表面性測定機TYPE38)を用いて、透明被膜付基材上を#0000のスチールウールで荷重1kg/cmの条件にて50回摺動し、50回摺動時の動摩擦係数を測定した。
<密着性の評価>
透明被膜付基材の表面にナイフで縦横1mmの間隔で11本の平行な傷を付け100個の升目を作り、これにセロファンテープを接着した。次いで、セロファンテープを剥離して、被膜が剥離せず残存している升目の数を数えた。これを以下の様に分類して密着性を評価した。
評価基準:
残存升目の数100個 :○
残存升目の数99個以下:×
<強度(耐擦傷性)の評価>
#0000のスチールウールを用い、荷重1kg/cmにおいて10回、100回、500回、1000回摺動した。各摺動回において被膜の表面を目視観察した。これを以下の様に分類して強度を評価した。
評価基準:
筋状の傷が認められない :◎
筋状の傷が僅かにある :○
筋状の傷が無数にある :△
面が全体的に削られている:×
測定不能 :―
<硬度(鉛筆硬度)の評価>
JIS−K−5600に準じて鉛筆硬度試験機により測定した。これを以下の様に分類して硬度を評価した。
評価基準:
4H以上:◎
3H :○
2H :△
H以下 :×
測定不能:―
<強度と硬度の総合評価>
耐擦傷性と鉛筆硬度の評価に対し、以下の様に点数をつけた。
◎:4点
○:3点
△:2点
×:1点
―:0点
この点数を用いて、下記式(3)にて合計点を算出した。これを性能が高いものから順に、「◎」、「○」、「△」、「×」に分類した。この内、「◎」又は「○」を合格とした。
合計点算出式:
合計点分類:
12.0以上16.0以下:◎
7.5以上12.0未満 :○
4.0以上7.5未満 :△
0.0以上4.0未満 :×
(実施例2)
《塗布液(2)の調製》
(メタ)アクリレート樹脂を、多官能アクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製NKエステルA−TMM−3LM−N)のみ19.96gに変更した以外は実施例1と同様にして塗布液(2)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例3)
《塗布液(3)の調製》
多官能アクリレート樹脂を共栄社化学(株)製ライトアクリレートPE−3Aに変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(3)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例4)
《塗布液(4)の調製》
多官能アクリレート樹脂を共栄社化学(株)製ライトアクリレートDPE−6Aに変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(4)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例5)
《塗布液(5)の調製》
AO変性アクリレート樹脂を新中村化学工業(株)製NKエステルA−DPH−3Eに変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(5)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例6)
《塗布液(6)の調製》
AO変性アクリレート樹脂を新中村化学工業(株)製NKエステルA−DPH−6Eに変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(6)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例7)
《塗布液(7)の調製》
AO変性アクリレート樹脂を新中村化学工業(株)製NKエステルA−DPH−18Eに変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(7)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例8)
《塗布液(8)の調製》
AO変性アクリレート樹脂を新中村化学工業(株)製NKエステルA−TMPT−3EOに変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(8)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例9)
《塗布液(9)の調製》
AO変性アクリレート樹脂を新中村化学工業(株)製NKエステルA−GLY−20Eに変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(9)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例10)
《塗布液(10)の調製》
AO変性アクリレート樹脂を新中村化学工業(株)製NKエステルA−GLY−3Eに変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(10)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例11)
《塗布液(11)の調製》
多官能アクリレート樹脂を11.99g、AO変性アクリレート樹脂を7.99g、フッ素樹脂を0.10gとし、MIBKを12.88gとした以外は実施例1と同様にして、塗布液(11)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例12)
《塗布液(12)の調製》
多官能アクリレート樹脂を11.88g、AO変性アクリレート樹脂を7.92g、フッ素樹脂を1.00gし、MIBKを12.16gとした以外は実施例1と同様にして、塗布液(12)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例13)
《塗布液(13)の調製》
多官能アクリレート樹脂を11.76g、AO変性アクリレート樹脂を7.84g、フッ素樹脂をダイキン工業(株)製オプツールDAC−HP 2.00gに変更し、MIBKを11.36gとした以外は実施例1と同様にして、塗布液(13)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例14)
《塗布液(14)の調製》
水素引抜型光重合開始剤をLambson(株)製Speedcure BMS(MIBKで固形分濃度30質量%に溶解)1.00gに変更し、アミン系水素供与体光重合開始剤(MIBKで固形分濃度30質量%に溶解)を5.32g、MIBKを13.13gとした以外は実施例1と同様にして、塗布液(14)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例15)
《塗布液(15)の調製》
水素引抜型光重合開始剤(MIBKで固形分濃度30質量%に溶解)を13.30g、アミン系水素供与体光重合開始剤(アセトンで固形分濃度30質量%に溶解)を6.65gとし、MIBKを8.15g、アセトンを1.35gとした以外は実施例1と同様にして、塗布液(15)を調製した。
(実施例16)
《塗布液(16)の調製》
水素引抜型光重合開始剤をLambson(株)製 Speedcure DETX(MIBKで固形分濃度30質量%に溶解)に変更し、アミン系水素供与体光重合開始剤(MIBKで固形分濃度30質量%に溶解)を13.30gとし、MIBKを2.16gとした以外は実施例1と同様にして、塗布液(16)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例17)
《塗布液(17)の調製》
水素引抜型光重合開始剤(MIBKで固形分濃度30質量%に溶解)を3.33g、アミン系水素供与体光重合開始剤(MIBKで固形分濃度30質量%に溶解)を1.00gとし、MIBKを15.12gとした以外は実施例1と同様にして、塗布液(17)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例18)
《塗布液(18)の調製》
水素引抜型光重合開始剤(MIBKで固形分濃度30質量%に溶解)を3.33g、アミン系水素供与体光重合開始剤(MIBKで固形分濃度30質量%に溶解)を1.33gとし、MIBKを14.79gとした以外は実施例1と同様にして、塗布液(18)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例19)
《塗布液(19)の調製》
アミン系水素供与体光重合開始剤(MIBKで固形分濃度30質量%に溶解)を2.00gとし、MIBKを13.46gとした以外は実施例1と同様にして、塗布液(19)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例20)
《塗布液(20)の調製》
水素引抜型光重合開始剤をLambson(株)製Speedcure DETX(MIBKで固形分濃度30質量%に溶解)を3.33g、アミン系水素供与体光重合開始剤(アセトンで固形分濃度30質量%に溶解)を6.65gとし、MIBKを15.13g、アセトンを4.34gとした以外は実施例1と同様にして、塗布液(20)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例21)
《塗布液(21)の調製》
水素引抜型光重合開始剤をLambson(株)製Speedcure DETX(MIBKで固形分濃度30質量%に溶解)を1.33g、アミン系水素供与体光重合開始剤(アセトンで固形分濃度30質量%に溶解)を7.98gとし、MIBKを16.53g、アセトンを3.61g用いた以外は実施例16と同様にして、塗布液(21)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例22)
《塗布液(22)の調製》
水素引抜型光重合開始剤をLambson(株)製Speedcure DETX(MIBKで固形分濃度30質量%に溶解)を1.00g用い、アミン系水素供与体光重合開始剤(アセトンで固形分濃度30質量%に溶解)を9.98g用い、MIBKを16.76g用い、アセトンを1.71g用いた以外は実施例16と同様にして、塗布液(22)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例23)
《塗布液(23)の調製》
実施例1と同様にして、塗布液(23)を調製した。
《透明被膜付基材(23)の作製》
塗布液(23)を使用し、N中で硬化させた以外は実施例1と同様にして、透明被膜付基材を作製した。
(実施例24)
《塗布液(24)の調製》
(メタ)アクリレート樹脂を、多官能アクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKエステルA−TMM−3LM−N)3.99g及びAO変性アクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKエステルA−DPH−12E)15.97g(両樹脂の質量比 20/80)に変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(24)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例25)
《塗布液(25)の調製》
AO変性アクリレート樹脂を、AO変性メタクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKエステルM−DPH−12E)に変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(25)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例26)
《塗布液(26)の調製》
(メタ)アクリレート樹脂を、ウレタンアクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKオリゴUA−33H)17.96g及び2官能アクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKエステルA−DCP−LC3)2.00g(両樹脂の質量比 90/10)に変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(26)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例27)
《塗布液(27)の調製》
(メタ)アクリレート樹脂を、ウレタンアクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKオリゴUA−32P)17.96g及び2官能アクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKエステルA−DCP−LC3)2.00g(両樹脂の質量比 90/10)に変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(27)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例28)
《塗布液(28)の調製》
(メタ)アクリレート樹脂を、ウレタンアクリレート樹脂(日本合成化学工業(株)製 UV−1700B)17.96g及び2官能アクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKエステルA−DCP−LC3)2.00g(両樹脂の質量比 90/10)に変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(28)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例29)
《塗布液(29)の調製》
(メタ)アクリレート樹脂を、ウレタンアクリレート樹脂(日本合成化学工業(株)製 UV−7630B)17.96g及び2官能アクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKエステルA−DCP−LC3)2.00g(両樹脂の質量比 90/10)に変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(29)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例30)
《塗布液(30)の調製》
(メタ)アクリレート樹脂を、ウレタンアクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKオリゴU―6LPA)17.96g及び2官能アクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKエステルA−DCP−LC3)2.00g(両樹脂の質量比 90/10)に変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(30)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例31)
《塗布液(31)の調製》
(メタ)アクリレート樹脂を、ウレタンアクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKオリゴUA−33H)19.36g及び2官能アクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKエステルA−DCP−LC3)0.60g(両樹脂の質量比 97/3)に変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(31)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(実施例32)
《塗布液(32)の調製》
(メタ)アクリレート樹脂を、ウレタンアクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKオリゴUA−33H)7.98g及び2官能アクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKエステルA−DCP−LC3)11.98g(両樹脂の質量比 40/60)に変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(32)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(比較例1)
《塗布液(R1)の調製》
(メタ)アクリレート樹脂を、AO変性多官能アクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKエステルADPH−12E)のみ19.96gに変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(R1)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(比較例2)
《塗布液(R2)の調製》
多官能アクリレート樹脂を12.00g、AO変性アクリレート樹脂を8.00g、フッ素樹脂を用いず、MIBKを12.96gとした以外は実施例1と同様にして、塗布液(R2)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(比較例3)
《塗布液(R3)の調製》
多官能アクリレート樹脂を11.52g、AO変性アクリレート樹脂を7.68g、フッ素樹脂を4.00g、MIBKを9.76gとした以外は実施例1と同様にして、塗布液(R3)を調製し、透明被膜付基材を作製した。ただし、被膜の密着性が不十分であったため、上述のように、被膜性能に関する評価はしなかった。
(比較例4)
《塗布液(R4)の調製》
水素引抜型光重合開始剤を、分子内開裂型光重合開始剤(IGM Resins B.V.製 Omnirad 184、MIBKで固形分濃度30質量%に溶解)に変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(R4)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(比較例5)
《塗布液(R5)の調製》
アミン系水素供与体光重合開始剤を用いず、MIBKを15.46gとした以外は実施例1と同様にして、塗布液(R5)を調製し、透明被膜付基材を作製した。ただし、被膜が未硬化であったため、上述のように、被膜性能に関する評価はしなかった。
(比較例6)
《塗布液(R6)の調製》
(メタ)アクリレート樹脂を、2官能アクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKエステルA―DCP−LC3)のみ19.96gに変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(R6)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(比較例7)
《塗布液(R7)の調製》
表面処理粒子を用いず、多官能アクリレート樹脂を23.98g、AO変性アクリレート樹脂を15.98g、水素引抜型光重合開始剤(MIBKで固形分濃度30質量%に溶解)を7.99g、アミン系水素供与体光重合開始剤(MIBKで固形分濃度30質量%に溶解)を5.33g、MIBKを35.51gとした以外は実施例1と同様にして、塗布液(R7)を調製した。
《透明被膜付基材(R7)の作製》
塗布液(R7)を使用し、バーコーター法(#16)で塗布した以外は実施例1と同様にして、透明被膜付基材を作製した。
(比較例8)
《塗布液(R8)の調製》
(メタ)アクリレート樹脂を、ウレタンアクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKオリゴUA−122P)17.96g及び2官能アクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKエステルA−DCP−LC3)2.00g(両樹脂の質量比 90/10)に変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(R8)を調製し、透明被膜付基材を作製した。
(比較例9)
《塗布液(R9)の調製》
(メタ)アクリレート樹脂を、ウレタンアクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKオリゴUA−53H)17.96g及び2官能アクリレート樹脂(新中村化学工業(株)製 NKエステルA−DCP−LC3)2.00g(両樹脂の質量比 90/10)に変更した以外は実施例1と同様にして、塗布液(R9)を調製し、透明被膜付基材を作製した。

Claims (9)

  1. (メタ)アクリレート樹脂と、紫外線照射により開裂し重合する官能基が金属酸化物微粒子表面に設けられた表面処理粒子と、(メタ)アクリロイル基を有するフッ素樹脂と、有機溶媒と、水素引抜型光重合開始剤及びアミン系水素供与体とを含む透明被膜形成用の塗布液であって、
    前記(メタ)アクリレート樹脂が、(メタ)アクリロイル基数が3〜6の多官能(メタ)アクリレート樹脂と、(メタ)アクリロイル基数が3〜10のウレタン(メタ)アクリレート樹脂と2官能(メタ)アクリレート樹脂の混合物との少なくとも一方であり、
    前記フッ素樹脂が、前記(メタ)アクリレート樹脂、前記表面処理粒子及び前記フッ素樹脂の固形分の合計量に対して、固形分として0.05〜1.0質量%含まれていることを特徴とする透明被膜形成用の塗布液。
  2. 前記(メタ)アクリレート樹脂として、更に(メタ)アクリロイル基数が3〜6のアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載の塗布液。
  3. 前記アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート樹脂のアルキレンオキサイド基数が3〜20であることを特徴とする請求項2記載の塗布液。
  4. 前記多官能(メタ)アクリレート樹脂が、(メタ)アクリロイル基数を単位分子量当たり0.8〜1.2有することを特徴とする請求項1記載の塗布液。
  5. 前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂が、(メタ)アクリロイル基数を単位分子量当たり0.3〜0.8有することを特徴とする請求項1記載の塗布液。
  6. 前記アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート樹脂が、(メタ)アクリロイル基数を単位分子量当たり0.3〜0.8有することを特徴とする請求項2記載の塗布液。
  7. 前記水素引抜型光重合開始剤の含有量(A)が、前記(メタ)アクリレート樹脂及び前記フッ素樹脂の固形分の合計量に対して、1.5〜20.0質量%であることを特徴とする請求項1記載の塗布液。
  8. 前記アミン系水素供与体の含有量(B)が、前記(メタ)アクリレート樹脂及び前記フッ素樹脂の固形分の合計量に対して、固形分として1.5〜20.0質量%であることを特徴とする請求項1記載の塗布液。
  9. 前記水素引抜型光重合開始剤の含有量(A)と前記アミン系水素供与体との含有量(B)との比(B/A)が、0.3〜10.0であることを特徴とする請求項1記載の塗布液。
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