JP2020164564A - 塗工液及びそれを用いた粘着テープの製造方法 - Google Patents

塗工液及びそれを用いた粘着テープの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020164564A
JP2020164564A JP2019063607A JP2019063607A JP2020164564A JP 2020164564 A JP2020164564 A JP 2020164564A JP 2019063607 A JP2019063607 A JP 2019063607A JP 2019063607 A JP2019063607 A JP 2019063607A JP 2020164564 A JP2020164564 A JP 2020164564A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
coating liquid
film
adhesive tape
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019063607A
Other languages
English (en)
Inventor
貴紀 吉田
Takanori Yoshida
貴紀 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lintec Corp
Original Assignee
Lintec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lintec Corp filed Critical Lintec Corp
Priority to JP2019063607A priority Critical patent/JP2020164564A/ja
Publication of JP2020164564A publication Critical patent/JP2020164564A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

【課題】フィラーである粒子を含有し、製造前に良好な塗工性を有することを予測可能な、粘着剤用の塗工液及びそれを用いた粘着テープの製造方法を提供する。【解決手段】樹脂及び粒子を含有し、塗工液に含まれる粒子と粒子以外の成分の相溶性を示すハンセン溶解度パラメーター(HSP)から求める相対エネルギー差(RED)を、所定の値に設定することを特徴とする、粘着剤用の塗工液及びそれを用いた粘着テープの製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤用の塗工液及びそれを用いた粘着テープの製造方法に関する。
近年、耐熱性、耐候性又は機械特性の向上や、導電性の付与、光学機能性付与などを目的として、粘着シートの粘着剤層にフィラー(粒子)を添加することが行われている。
例えば、半導体の製造工程において使われるダイシング・ダイボンドシートは、ダイボンドした後のシート(粘着剤層)の破断強度を高めるために、粘着剤にフィラーとしてシリカが添加されることがある。
ダイシング・ダイボンドシートを製造する際に用いられる粘着剤の塗工液の成分によっては、塗工液中のシリカの分散性が低く凝集物が生じるため、粘着剤の塗布膜にスジが発生してしまい(塗工性の低下)、ダイシング・ダイボンドシートの信頼性が低下することがある。
ダイシング・ダイボンドシートとして、例えば、特許文献1には、接着剤組成物からなる接着剤層が支持体上に形成された接着シートにおいて、接着剤層にシリカなどの無機充填剤が配合されることが開示されている。
また、特許文献2には、シリコンウエハをダイシングし、ダイボンドするのに適した、メソポーラス構造を有する多孔質シリカをフィラー含有する粘着剤組成物のシート及びそのシートを用いた半導体装置の製造方法が開示されている。
WO2015/016352号公報 特許第5620834号公報
しかし、上記特許文献1及び2のように、フィラーを含有する塗工液及びそれを用いた粘着シートを製造する場合、樹脂に用いるポリマーや粒子の種類及び含有量等、検討すべき条件が多岐にわたり、かつ、それらの条件と塗工性との相関性も不明であったため、塗工性の良好な塗工液及び粘着シートを作製するための実験が煩雑になりがちであった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明は、フィラーである粒子を含有し、塗工前に良好な塗工性を有することを予測可能な、粘着剤用の塗工液及びそれを用いた粘着テープの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、少なくとも樹脂及び粒子を含有する粘着剤に用いる塗工液において、塗工液に含まれる粒子と粒子以外の成分の相溶性を示すハンセン溶解度パラメーター(HSP)から求める相対エネルギー差(RED)を、所定の値に設定することで、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の態様は、少なくとも樹脂及び粒子を含有する粘着剤用の塗工液であって、ハンセン溶解度パラメーターにより求められる、前記粒子と、前記塗工液の前記粒子以外の成分の、相対エネルギー差であるREDの値が、0.85以下であることを特徴とする、塗工液である。
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載の塗工液であって、前記粘着剤が、加熱又は光照射により硬化する粘接着性を有することを特徴とするものである。
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載の塗工液を支持体上にコーティングし、塗布膜を作成することを特徴とする、粘着テープの製造方法である。
(4)本発明の第4の態様は、(3)に記載の粘着テープの製造方法であって、前記粒子の表面が、メタクリル基で修飾されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、粘着剤に用いる塗工液に含まれる粒子と粒子以外の成分の相溶性を示すハンセン溶解度パラメーター(HSP)から求める相対エネルギー差(RED)を、所定の値に設定することで、多岐にわたる条件を検討せずに、塗工前に良好な塗工性を予測可能である、粘着剤用の塗工液及びそれを用いた粘着テープの製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明するが、これらは例示の目的で掲げたもので、これらにより本発明を限定するものではない。
<塗工液>
本発明に係る粘着剤用の塗工液は、少なくとも樹脂及び粒子を含有し、各種物性を改良するため、必要に応じ他の成分を含んでいてもよい。また、粘着剤は加熱又は光照射により硬化する、粘接着性を有していることが好ましい。
以下、これら各成分について具体的に説明する。
<樹脂>
樹脂には粘着剤に用いる種々の樹脂を用いることが可能であるが、アクリル系重合体を用いることが好ましい。アクリル系重合体は、例えば、WO2015/016352や、特許第5620834号に開示されている(メタ)アクリル酸エステルモノマー等からなる重合体を用いることができる。また、粘着剤組成物を加熱または光照射により硬化する、粘接着剤組成物とするには、エポキシ樹脂などの硬化性樹脂を併用して用いることが好ましい。
エポキシ樹脂としては、従来公知の種々のエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂としては、具体的には、多官能系エポキシ樹脂や、ビフェニル化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルやその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂など、分子中に2官能以上有するエポキシ化合物が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の塗工液において、樹脂は、塗工液の全重量中、通常は5質量%以上70質量%以下、好ましくは7質量%以上60質量%以下、より好ましくは10質量%以上50質量%以下含まれる。樹脂の含有量が上記範囲より下回ると、塗工液が溶剤を含む場合、乾燥に時間がかかることがある。また、樹脂の含有量が上記範囲より上回ると、塗工液の粘度が高くなり塗布膜の表面平滑性が低下することがある。
<粒子>
粒子の材質として、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、カーボンブラック、タルク、マイカ又はクレー等が挙げられる。中でも、シリカが好ましい。
粒子は、表面修飾された粒子であることが好ましい。粒子の表面が未修飾であると、塗工液に凝集物やスジが多くなってしまい、すなわち塗工液の物性が悪くなってしまい、後述するハンセン溶解度パラメーターから求められる粒子と粒子以外の成分の相対エネルギー差(RED)の値も高くなってしまう。なお、表面修飾は、メタクリル基又はエポキシ基であることが好ましく、メタクリル基であることがより好ましい。粒子の表面修飾は、例えば、粒子にメタクリル基又はエポキシ基を持つ化合物を化学結合させて行うことができる。
粒子の平均粒径は0.01μm以上1.00μm以下の範囲内にあることが好ましい。粒子の平均粒径がこれらの好ましい範囲内にある場合、被着体との貼付性を損なわず粘着性を発揮することができる。平均粒径が大きすぎると、テープの面状態が悪化し、被着体との貼付性が悪くなったり、塗布膜の面内厚みがばらついたりする可能性がある。なお、上記「平均粒径」とは、レーザー回折・散乱法によって測定される体積平均径を示す。
本発明の塗工液において、粒子の含有量は、樹脂100質量部に対して、通常は5質量部以上100質量部以下、好ましくは10質量部以上90質量部以下、より好ましくは20質量部以上70質量部以下である。粒子の含有量が多すぎると、被着体への粘着性が悪くなることがある。また、粒子の含有量が少なすぎると、粒子添加の効果が十分に発揮されないことがある。
また、本発明の塗工液は、支持体への塗布性を向上させる観点から、更に有機溶媒を用いて希釈してもよい。
有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン(以下、MEK)、メチルイソブチルケトン(以下、MIBK)、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(以下、THF)、ジオキサン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、トルエン、キシレン、n−プロパノール、イソプロパノール(以下、IPA)等が挙げられる。
さらに、本発明で用いる塗工液には、本発明の効果を損なわない範囲において、架橋剤、カップリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤、触媒等を含有させてもよい。
また、粘着剤が加熱または光照射により硬化する粘接着性を有する場合、上記の添加剤に加えて、硬化促進剤や重合開始剤等を含有させてもよい。
<ハンセン溶解度パラメーター>
ハンセン溶解度パラメーター(HSP)とは、物質固有の相溶性を示すパラメーターであり、dD(分散力項)、dP(双極子間力項)及びdH(水素結合力項)の3つのパラメーターからなる。これら3つのパラメーターは3次元空間(ハンセン空間)における座標とみなされる。そして、2つの物質のHSPをハンセン空間内に置いたとき、2点間の距離が近いほど互いに溶解(分散)しやすいことを示す。
本発明の塗工液において、塗工液に含まれる粒子と、粒子以外の成分の相溶性を調べるときは、以下の方法で行う。
まず、粒子のHSPと、粒子以外の成分のHSPの間のハンセン空間上の距離Raは、以下の式(1)を用いて求める。式中、dD、dP及びdHは粒子の各HSPを、dD、dP及びdHは粒子以外の成分の各HSPを示す。
Figure 2020164564
また、粒子は相互作用半径(物質同士が分散しうる範囲)を示すRという値を持っており、粒子のHSPの座標を中心とした相互作用半径Rの球(ハンセン球)がハンセン空間内にあると仮定する。
このようにして求められたRa及びRから、粒子と粒子以外の成分の相対エネルギー差(RED)を、以下の式(2)を用いて求める。RED<1(粒子以外の成分のHSPが相互作用半径Rの球の内側にある)であれば、粒子は塗工液に対して良好な分散性を示す。逆にRED>1(粒子以外の成分のHSPが相互作用半径Rの球の外側にある)であれば、粒子は塗工液に対して分散し難いことを示す。
Figure 2020164564
以上の方法により、粒子と粒子以外の成分の相対エネルギー差(RED)を算出することで、本発明の粘着剤に用いる塗工液は、粒子が塗工液に対して分散しやすいか否かを予測することができ、また、それにより粘着剤に用いる塗工液の塗工性も予測することができる。
粒子と粒子以外の成分の相対エネルギー差(RED)のより具体的な測定方法は、実施例に記載する。
なお、本発明の塗工液における、ハンセン溶解度パラメーターにより求められる塗工液と粒子と粒子以外の成分の相対エネルギー差(RED)の値は、0.85以下であり、0.60以上0.80以下であることが好ましい。粒子と粒子以外の成分の相対エネルギー差(RED)を上記の範囲内とすることにより、塗工性の良好な塗工液及びそれを用いた粘着テープを提供することができる。
<塗布膜及び粘着テープ>
本発明の粘着テープは、上記塗工液から形成された塗布膜を有し、通常は、該塗布膜は支持体上に少なくとも樹脂及び粒子を含む塗工液をコーティングすることにより形成される。本発明の粘着テープの形状は、シート状、ラベル状などあらゆる形状をとり得る。
また、本発明の粘着テープは、特に用途が限定されるものではないが、好ましくは半導体の製造に用いられる。
粘着テープの支持体として用いられる樹脂フィルムとしては、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルムなどの透明フィルムが用いられる。また、これらの架橋フィルムも用いられる。さらに、これらの積層フィルムであってもよい。また、これらを着色したフィルム、不透明フィルムなどを用いることができる。
粘着テープの製造方法は、特に限定はされず、支持体が樹脂フィルムである場合には、樹脂フィルム上に、塗工液を塗布乾燥し、塗布膜を形成することで製造してもよい。また、塗布膜を別の剥離フィルム上に設け、これを上記樹脂フィルムに転写することで製造してもよい。
なお、粘着テープの使用前に、塗布膜を保護するために、塗布膜の上面に剥離フィルムを積層しておいてもよい。該剥離フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリプロピレンフィルムなどのプラスチック材料にシリコーン樹脂などの剥離剤が塗布されているものが使用される。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態や実施例に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<粘着テープの作成>
[実施例1]
樹脂としてアクリル系共重合体(アクリル酸ブチル/アクリル酸=99:1(質量部)分子量Mw:100万、酢酸エチル溶液、固形分17.3質量%)100質量部及びアクリロイル基付加クレゾールノボラック型エポキシ熱硬化性樹脂(商品名:KAYARAD CNA−147、日本化薬株式会社製、MEK溶液、固形分50質量%)3.3質量部、エポキシ熱硬化性樹脂の硬化促進剤としてフェノール樹脂(商品名:SKレジンHE100C−10、エア・ウォーター株式会社製)のMEK溶液(固形分30質量%)0.9質量部、メチルエチルケトン32質量部、アクリル系共重合体の硬化剤としてポリイソシアネート型硬化剤(商品名:コロネートL、東ソー株式会社製、酢酸エチル溶液、固形分75質量%)0.2質量部、シランカップリング剤(商品名:KBE402、信越化学工業株式会社製)0.1質量部、粒子としてメタクリル基修飾シリカ粒子分散液(商品名:MEK−AC−4130Y#1、日産化学工業株式会社製、MEK分散、シリカ30質量%)43.1質量部を混合して塗工液を作製した。また、この塗工液を、シリコーンで剥離処理された剥離フィルム(商品名:SP−PET38−1031、リンテック株式会社製)の剥離処理面上に、乾燥後20μmの厚みになるように塗布、乾燥(乾燥条件:オーブンにて100℃、1分間)して塗布膜を形成した後に、支持体(ポリエチレンフィルム、厚さ100μm、表面張力33mN/m)と貼り合わせて、塗布膜を支持体上に転写することで粘着テープを得た。
[実施例2]
シリカ粒子分散液をメタクリル基表面修飾シリカ粒子分散液(商品名:MEK−AC−4130V、日産化学工業株式会社製、MEK分散)に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着テープを作製した。
[実施例3]
シリカ粒子分散液をエポキシ基表面修飾シリカ粒子分散液(商品名:SIRMEK50WT%−E172、CIKナノテック株式会社製、MEK分散)に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着テープを作製した。
[比較例1]
シリカ粒子分散液を未修飾シリカ粒子分散液(商品名:MEK−ST−L、日産化学工業株式会社製、MEK分散)に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着テープを作製した。
<ハンセン球法の溶解試験によるHSPの算出>
上述したように、ハンセン溶解度パラメーター(HSP)はdD(分散力項)、dP(双極子間力項)、dH(水素結合力項)の3つの値から構成されている。上記各実施例及び比較例で用いた試料(粒子及び溶媒を除く粒子以外の成分)のHSPを、以下の溶解試験で求めた。以後、各パラメーターを求める対象を明確にするために、塗工液中の各構成成分をそれぞれ、(A)粒子、(B)粒子以外の成分、(B1)溶媒、(B2)溶媒を除く粒子以外の成分、と表記する。
まず、HSPが既知の19種類の(B1)溶媒9.5gに、測定試料を0.5g(固形分)それぞれ添加した。参考として、試験に用いた19種類の(B1)溶媒の、それぞれのHSPを表1に示す。
Figure 2020164564
超音波洗浄器(メーカー:ヤマト科学株式会社、型番:ブランソン卓上超音波洗浄器)を用いて試料を添加した(B1)溶媒を110Wで5分間分散させた後、23℃の液温で各種の(B1)溶媒に対して目視で分散性を2段階で評価した。試料が(A)粒子の場合は、超音波分散後1分以内に(A)粒子が全て沈降したら、分散性は悪いと判断し、超音波分散後に(A)粒子が全て沈降しなかったら、分散性は良好と判断した。試料が(B2)溶媒を除く粒子以外の成分の場合は、超音波分散後に(B2)溶媒を除く粒子以外の成分が(B1)溶媒と分離していれば、分散性は悪いと判断し、超音波分散後に(B2)溶媒を除く粒子以外の成分が(B1)溶媒に溶解していれば、分散性は良好と判断した。各試料の各種の(B1)溶媒への分散性の結果を表2に示す。
Figure 2020164564
HSPiPソフト(販売元:映像工房クエスチョン)に各種の(B1)溶媒における分散性(良好、悪い)を入力し、各種の(B1)溶媒のHSPから各試料((A)粒子及び(B2)溶媒を除く粒子以外の成分)のHSPと相互作用半径Rを求めた。各試料のHSPとRの値を表3に示す。
Figure 2020164564
<粒子以外の成分のHSP算出>
上記表1に記載された、実施例及び比較例の(B1)溶媒である酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)のそれぞれのHSPの値、表3に記載されたHSPの値及び表4に記載された(B)粒子以外の成分中の各成分の割合から、塗工液の(B)粒子以外の成分のHSPを算出した。具体的には以下の計算により算出した。
・(B)粒子以外の成分のdDの計算
(B2)溶媒を除く粒子以外の成分のdD×(B2)溶媒を除く粒子以外の成分の割合+酢酸エチルのdD×酢酸エチルの割合+MEKのdD×MEKの割合
=16.08×0.116+15.80×0.497+16.00×0.387
=15.91
・(B)粒子以外の成分のdPの計算
(B2)溶媒を除く粒子以外の成分のdP×(B2)溶媒を除く粒子以外の成分の割合+酢酸エチルのdP×酢酸エチルの割合+MEKのdP×MEKの割合
=7.97×0.116+5.30×0.497+9.00×0.387
=7.04
・(B)粒子以外の成分のdHの計算
(B2)溶媒を除く粒子以外の成分のdH×(B2)溶媒を除く粒子以外の成分の割合+酢酸エチルのdH×酢酸エチルの割合+MEKのdH×MEKの割合
=7.52×0.116+7.20×0.497+5.10×0.387
=6.42
(B2)溶媒を除く粒子以外の成分、(B1)溶媒である酢酸エチル、MEK及び(B)粒子以外の成分のそれぞれのHSPの値を表4に示す。
Figure 2020164564
<相対エネルギー差(RED)の算出>
上記溶解試験で求めたHSP(dD、dP及びdHの各値)及び相互作用半径Rを用いて、塗工液の(A)粒子と(B)粒子以外の成分の相対エネルギー差(RED)の値を算出する。まず、上述の式(1)において、dD、dP及びdHに(B)粒子の各HSPを、dD、dP及びdHに(B)粒子以外の成分の各HSPをそれぞれ代入し、各実施例及び比較例のRaを算出した。
次に、上記式(1)で求めたRaと、(A)粒子のハンセン球の相互作用半径Rを用いて、(A)粒子と(B)粒子以外の成分の相対エネルギー差の値であるREDを、上述の式(2)を用いて算出した。各実施例及び比較例のRa、R及びREDの値を表5に示す。
Figure 2020164564
<塗工液中のD90粒子径評価>
各実施例及び比較例のそれぞれの塗工液をレーザー回折式粒度分布装置(メーカー:マルバーン・パナリティカル、型番:MasterSizer3000)で測定し、三段階で評価した。D90(90%粒子径)が10μm未満の場合は「◎」、D90が10μm以上100μm未満の場合は「○」、D90が100μm以上の場合は「×」とそれぞれ評価した。各実施例及び比較例のREDの値及び塗工液中のD90粒子径評価結果を表6に示す。
<塗布膜表面のスジの頻度>
アプリケーター(メーカー:テスター産業株式会社、型番:SA−201、ベーカー式アプリケーター)で塗工液を支持体としてのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社、商品名A4100、厚さ50μm)に塗工し、乾燥炉(メーカー:エスペック株式会社、型番:SPH(H)−202)にて100℃、1分の条件で乾燥することで厚さ20μmの塗布膜を作成した。塗工・乾燥後の塗布膜表面を目視で観察し、スジの頻度を三段階で評価した。スジが観察されない場合は「◎」、スジがわずかに観察されるが実用上問題視されない程度である場合は「○」、スジが多く観察される場合は「×」とそれぞれ評価した。各実施例及び比較例の塗布膜表面のスジの頻度の結果を表6に示す。
Figure 2020164564
上記表6から明らかなように、粒子の表面が未修飾である比較例1では塗工液中の凝集物や塗工スジが多く、すなわち塗工液中の分散性や塗工液の塗工性が悪く、REDも0.87であった。一方、粒子の表面をメタクリル基又はエポキシ基で修飾した実施例1〜3では、塗工液中の凝集物や塗工スジが観察されないか又は少なく、すなわち塗工液中の分散性や塗工液の塗工性が良好であり、REDも0.62〜0.75であった。

Claims (4)

  1. 少なくとも樹脂及び粒子を含有する粘着剤用の塗工液であって、
    ハンセン溶解度パラメーターにより求められる、前記粒子と、前記塗工液の前記粒子以外の成分の、相対エネルギー差であるREDの値が、0.85以下であることを特徴とする、塗工液。
  2. 前記粘着剤が、加熱又は光照射により硬化する粘接着性を有することを特徴とする、請求項1に記載の塗工液。
  3. 請求項1又は2に記載の塗工液を、支持体上にコーティングし、塗布膜を作成することを特徴とする、粘着テープの製造方法。
  4. 前記粒子の表面が、メタクリル基で修飾されていることを特徴とする、請求項3に記載の粘着テープの製造方法。
JP2019063607A 2019-03-28 2019-03-28 塗工液及びそれを用いた粘着テープの製造方法 Pending JP2020164564A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019063607A JP2020164564A (ja) 2019-03-28 2019-03-28 塗工液及びそれを用いた粘着テープの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019063607A JP2020164564A (ja) 2019-03-28 2019-03-28 塗工液及びそれを用いた粘着テープの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020164564A true JP2020164564A (ja) 2020-10-08

Family

ID=72715780

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019063607A Pending JP2020164564A (ja) 2019-03-28 2019-03-28 塗工液及びそれを用いた粘着テープの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020164564A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112938933A (zh) * 2021-04-15 2021-06-11 同济大学 一种用于制备碳材料的溶剂选择方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012004377A (ja) * 2010-06-17 2012-01-05 Hitachi Chem Co Ltd 半導体用接着フィルム、半導体搭載用配線基板、半導体装置、および接着剤組成物
JP2012044193A (ja) * 2011-09-15 2012-03-01 Toray Ind Inc 半導体装置用接着剤シートおよびそれを用いた半導体装置用部品ならびに半導体装置
JP2013194103A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Lintec Corp 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法
JP2016115804A (ja) * 2014-12-15 2016-06-23 リンテック株式会社 ダイシングダイボンディングシート
WO2019044046A1 (ja) * 2017-08-28 2019-03-07 リンテック株式会社 フィルム状透明接着剤、及び赤外線センサーモジュール

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012004377A (ja) * 2010-06-17 2012-01-05 Hitachi Chem Co Ltd 半導体用接着フィルム、半導体搭載用配線基板、半導体装置、および接着剤組成物
JP2012044193A (ja) * 2011-09-15 2012-03-01 Toray Ind Inc 半導体装置用接着剤シートおよびそれを用いた半導体装置用部品ならびに半導体装置
JP2013194103A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Lintec Corp 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法
JP2016115804A (ja) * 2014-12-15 2016-06-23 リンテック株式会社 ダイシングダイボンディングシート
WO2019044046A1 (ja) * 2017-08-28 2019-03-07 リンテック株式会社 フィルム状透明接着剤、及び赤外線センサーモジュール

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112938933A (zh) * 2021-04-15 2021-06-11 同济大学 一种用于制备碳材料的溶剂选择方法
CN112938933B (zh) * 2021-04-15 2022-06-21 同济大学 一种用于制备碳材料的溶剂选择方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI544046B (zh) 用於偏振板的黏合劑膜、黏合劑組合物、偏振板和光學顯示器
JP5349432B2 (ja) 電子部品装置の製法およびそれに用いる電子部品封止用樹脂組成物シート
WO2009113296A1 (ja) 半導体素子接着フィルム形成用樹脂ワニス、半導体素子接着フィルム、および半導体装置
CN107004590B (zh) 切割芯片接合片
WO2015068551A1 (ja) 保護膜形成用組成物、保護膜形成用シート、及び保護膜付きチップ
JP6562172B2 (ja) 樹脂膜形成用シート、及び樹脂膜形成用複合シート
JP5893250B2 (ja) チップ用保護膜形成用シート、半導体チップの製造方法および半導体装置
JP2008227475A (ja) 半導体封止用離型シートおよびその製造方法
JP6223155B2 (ja) 接着剤層用塗布組成物、半導体用接着フィルムおよびその製造方法、ならびに、これを用いた半導体装置の製造方法
JP2010006929A (ja) 接着剤組成物、接着用シート及びダイシング・ダイアタッチフィルム
JP2020164564A (ja) 塗工液及びそれを用いた粘着テープの製造方法
JP2020158626A (ja) 粘着剤組成物及び粘着テープ
JP2009138048A (ja) 接着剤組成物及び接着フィルム
JP6700563B2 (ja) 多成分型の接着剤、その反応物の製造方法および積層体の製造方法
JP2018103584A (ja) 樹脂シート
JP5168736B2 (ja) 接着剤組成物、接着用シート及びダイシング・ダイアタッチフィルム
TWI722610B (zh) 化合物、彼之製法、含彼之用於接合半導體的樹脂組成物、及使用彼製造的黏著膜
JP5539039B2 (ja) 異方性導電フィルム及びその製造方法
JP2022059241A (ja) 調光積層体
JP2011088966A (ja) 接着剤組成物、接着用シート及びダイシング・ダイアタッチフィルム
US10961420B2 (en) Composition for bonding, optical adhesive, and adhesive for pressure sensor
TWI796710B (zh) 底部充填膠材料
WO2023008363A1 (ja) 反応硬化性組成物
KR102215110B1 (ko) 반도체용 접착 필름
TW202328386A (zh) 可撓裝置用膜狀接著劑、可撓裝置用接著片、及可撓裝置之製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230228

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230523