JP2020158626A - 粘着剤組成物及び粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】フィラーである粒子を含有し、製造前に粘着剤層が高い破断伸度を有することを予測可能である、粘着剤組成物及びそれを用いた粘着テープを提供する。【解決手段】樹脂及び粒子を含有し、粒子と主要な樹脂の相溶性を示すハンセン溶解度パラメーター(HSP)から求める相対エネルギー差(RED)を、所定の値に設定することを特徴とする、粘着剤組成物及びそれを用いた粘着テープを提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、粒子を含有する粘着剤組成物、及びそれを用いた粘着テープに関する。
近年、耐熱性、耐候性又は機械特性の向上や、導電性の付与、光学機能性付与などを目的として、粘着テープの粘着剤層にフィラー(粒子)を添加することが行われている。
例えば、半導体の製造工程において使われるダイシング・ダイボンドシートは、ダイボンドした後のシート(粘着剤層)の破断伸度を高めるために、粘着剤にフィラーとしてシリカが添加されることがある。ダイシング・ダイボンドシートの粘着剤層に適度な伸び特性(破断伸度)がないと、ウエハの貼付時や、テープのエキスパンド時に粘着剤層にクラックが生じて粘着剤が分離し、分離した粘着剤がウエハに付着してコンタミネーション(汚染物質)となってしまう。そのため、クラックが生じない、破断伸度の高い粘着テープが求められている。
ダイシング・ダイボンドシートとして、例えば、特許文献1には、リビングラジカル重合法により、アクリルモノマーを重合して得られるアクリル重合体、エポキシ系熱硬化性樹脂および熱硬化剤を含む着剤組成物からなる接着剤層が支持体上に形成された接着シートにおいて、接着剤層にシリカなどの無機充填剤が配合されることが開示されている。
また、特許文献2には、シリコンウエハをダイシングし、ダイボンドするのに適した、メソポーラス構造を有する多孔質シリカをフィラー含有する粘着剤組成物のシート及びそのシートを用いた半導体装置の製造方法が開示されている。
WO2015/016352号公報 特許第5620834号公報
しかし、上記特許文献1及び2のように、フィラーを含有する粘着テープを製造する場合、粘着剤層の破断伸度を高めるために必要な樹脂に用いるポリマーや粒子の種類及び含有量等、検討すべき条件が多岐にわたり、かつ、それらの条件と破断伸度との相関性も不明であったため、破断伸度の高い粘着剤組成物及びそれを用いた粘着シートを作製するための実験が煩雑になりがちであった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明は、フィラーである粒子を含有し、製造前に粘着剤層が高い破断伸度を有することを予測可能である、粘着テープを提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、粘着テープに用いる粘着剤組成物に含まれる樹脂と粒子の相溶性を示すハンセン溶解度パラメーター(HSP)から求める相対エネルギー差(RED)を、所定の値に設定することで、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の態様は、樹脂及び粒子を含有する粘着剤組成物であって、ハンセン溶解度パラメーターにより求められる前記樹脂と前記粒子の相対エネルギー差であるREDの値が、0.70以下であることを特徴とする、粘着剤組成物である。
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載の粘着剤組成物であって、前記粘着剤組成物が、加熱又は光照射により硬化する粘接着剤組成物であることを特徴とするものである。
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層が、支持体上に形成されてなることを特徴とする、粘着テープである。
(4)本発明の第4の態様は、(3)に記載の粘着テープであって、半導体の製造に用いることを特徴とするものである。
(5)本発明の第5の態様は、(3)又は(4)に記載の粘着テープであって、前記粒子の表面が、メタクリル基で修飾されていることを特徴とするものである。
(6)本発明の第6の態様は、(3)から(5)のいずれか1つに記載の粘着テープであって、前記粘着剤層の破断伸度が280%以上であることを特徴とするものである。
本発明によれば、粘着剤組成物に含まれる樹脂と粒子の相溶性を示すハンセン溶解度パラメーター(HSP)から求める相対エネルギー差(RED)を、所定の値に設定することで、多岐にわたる条件を検討せずに、製造前に粘着剤層が高い破断伸度を有することを予測可能である、粘着テープを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明するが、これらは例示の目的で掲げたもので、これらにより本発明を限定するものではない。
<粘着剤組成物>
本発明に係る粘着剤組成物は、樹脂及び粒子を含有し、各種物性を改良するため、必要に応じ他の成分を含んでいてもよい。また、粘着剤組成物は加熱または光照射により硬化する、粘接着剤組成物であることが好ましい。
以下、これら各成分について具体的に説明する。
<樹脂>
樹脂には粘着剤に用いる種々の樹脂を用いることが可能であるが、アクリル系重合体を用いることが好ましい。アクリル系重合体は、例えば、WO2015/016352号公報や、特許第5620834号に開示されている(メタ)アクリル酸エステルモノマー等からなる重合体を用いることができる。また、粘着剤組成物を加熱または光照射により硬化する、粘接着剤組成物とするには、エポキシ樹脂などの硬化性樹脂を併用して用いることが好ましい。
エポキシ樹脂としては、従来公知の種々のエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂としては、具体的には、多官能系エポキシ樹脂や、ビフェニル化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルやその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂など、分子中に2官能以上有するエポキシ化合物が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の粘着剤組成物において、樹脂は、粘着剤組成物の全重量中、通常は40質量%以上70質量%以下、好ましくは45質量%以上65質量%以下、より好ましくは50質量%以上60質量%以下含まれる。樹脂の含有量が上記範囲より下回ると、充分な粘着力を有する粘着剤層が得られないことがある。また、樹脂の含有量が上記範囲より上回ると、粘着剤層が十分な破断伸度を有さなくなる場合がある。
<粒子>
粒子は、表面修飾された粒子であることが好ましい。粒子の表面が未修飾であると、粘着剤層の破断伸度が低い、すなわち粘着剤組成物の物性が悪く、後述するハンセン溶解度パラメーターから求められる樹脂と粒子の相対エネルギー差(RED)の値も高くなってしまう。なお、表面修飾は、メタクリル基又はエポキシ基であることが好ましく、メタクリル基であることがより好ましい。粒子の表面修飾は、例えば、粒子にメタクリル基又はエポキシ基を持つ化合物を化学結合させて行うことができる。
粒子の材質として、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、カーボンブラック、タルク、マイカ又はクレー等が挙げられる。中でも、シリカが好ましい。シリカが持つシラノール基は、シランカップリング剤との結合に有効に作用する。
粒子の平均粒径は0.01μm以上1.0μm以下の範囲内にあることが好ましい。粒子の平均粒径がこれらの好ましい範囲内にある場合、被着体との貼付性を損なわず粘着性を発揮することができる。平均粒径が大きすぎると、テープの面状態が悪化し、被着体との貼付性が悪くなったり、粘着剤層の面内厚みがばらついたりする可能性がある。なお、上記「平均粒径」とは、レーザー回折・散乱法によって測定される体積平均径を示す。
本発明の粘着剤組成物において、粒子の含有量は、樹脂100質量部に対して、通常は60質量部以上85質量部以下、好ましくは70質量部以上80質量部以下、より好ましくは72質量部以上77質量部以下である。粒子の含有量が多すぎると、被着体への粘着性が悪くなることがある。また、粒子の含有量が少なすぎると、粒子添加の効果が十分に発揮されないことがある。
また、本発明の粘着剤組成物は、支持体への塗布性を向上させる観点から、更に有機溶媒で希釈して、粘着性組成物の溶液の形態としてもよい。
有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン(以下、MEK)、メチルイソブチルケトン(以下、MIBK)、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(以下、THF)、ジオキサン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、トルエン、キシレン、n−プロパノール、イソプロパノール(以下、IPA)等が挙げられる。
さらに、本発明で用いる粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、架橋剤、カップリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤、触媒等を含有させてもよい。
また、粘着剤組成物が、加熱または光照射により硬化する粘接着剤組成物である場合、上記の添加剤に加えて、硬化促進剤や重合開始剤等を含有させてもよい。
<ハンセン溶解度パラメーター>
ハンセン溶解度パラメーター(HSP)とは、物質固有の相溶性を示すパラメーターであり、dD(分散力項)、dP(双極子間力項)及びdH(水素結合力項)の3つのパラメーターからなる。これら3つのパラメーターは3次元空間(ハンセン空間)における座標とみなされる。そして、2つの物質のHSPをハンセン空間内に置いたとき、2点間の距離が近いほど互いに溶解(分散)しやすいことを示す。
本発明の粘着剤組成物に含まれる、樹脂と粒子の相溶性を調べるときは、以下の方法で行う。
まず、粒子のHSPと樹脂のHSPの間のハンセン空間上の距離Raを、以下の式(1)を用いて求める。式中、dD、dP及びdHは粒子の各HSPを、dD、dP及びdHは樹脂の各HSPを示す。
Figure 2020158626
また、粒子は相互作用半径(物質同士が分散しうる範囲)を示すRという値を持っており、粒子のHSPの座標を中心とした相互作用半径Rの球(ハンセン球)がハンセン空間内にあると仮定する。
このようにして求められたRa及びRから、樹脂と粒子の相対エネルギー差(RED)を、以下の式(2)を用いて求める。RED<1(樹脂のHSPが相互作用半径Rの球の内側にある)であれば、粒子は樹脂に対して良好な分散性を示す。逆にRED>1(樹脂のHSPが相互作用半径Rの球の外側にある)であれば、粒子は樹脂に対して分散し難いことを示す。
Figure 2020158626
以上の方法により、樹脂と粒子の相対エネルギー差(RED)を算出することで、本発明の粘着剤組成物は、粒子が樹脂に対して分散しやすいか否かを予測することができ、また、それにより粘着剤組成物を用いて製造する粘着テープの、粘着剤層の破断伸度の高低も予測することができる。なお、樹脂と粒子の相対エネルギー差(RED)のより具体的な測定方法は実施例に記載する。
なお、本発明の粘着剤組成物における、ハンセン溶解度パラメーターにより求められる樹脂と粒子の相対エネルギー差(RED)の値は、0.70以下であり、0.50以上0.70以下であることが好ましい。樹脂と粒子の相対エネルギー差(RED)を上記の範囲内とすることにより、後述する粘着剤層の破断伸度が十分に高い粘着テープを製造可能な粘着剤組成物を提供することができる。
<粘着テープ>
本発明の粘着テープは、上記粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有し、通常は、該粘着剤層は支持体上に形成される。本発明の粘着テープの形状は、シート状、ラベル状などあらゆる形状をとり得る。
また、本発明の粘着テープは、特に用途が限定されるものではないが、好ましくは半導体の製造に用いられる。
粘着テープの支持体として用いられる樹脂フィルムとしては、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルムなどの透明フィルムが用いられる。また、これらの架橋フィルムも用いられる。さらに、これらの積層フィルムであってもよい。また、これらを着色したフィルム、不透明フィルムなどを用いることができる。
粘着テープの製造方法は、特に限定はされず、支持体が樹脂フィルムである場合には、樹脂フィルム上に、粘着剤組成物を塗布乾燥し、粘着剤層を形成することで製造してもよい。また、粘着剤層を別の剥離フィルム上に設け、これを上記樹脂フィルムに転写することで製造してもよい。
なお、粘着テープの使用前に、粘着剤層を保護するために、粘着剤層の上面に剥離フィルムを積層しておいてもよい。該剥離フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリプロピレンフィルムなどのプラスチック材料にシリコーン樹脂などの剥離剤が塗布されているものが使用される。
本発明の粘着テープの粘着剤層の破断伸度は、280%以上であることが好ましく、280%以上500%以下であることがより好ましい。粘着剤層の破断伸度を上記の値の範囲内とすることにより、クラック等が生じにくく、コンタミネーションが生じない粘着テープを提供することができる。なお、粘着剤層の破断伸度は実施例に記載された方法で測定される。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態や実施例に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<粘着テープの作成>
[実施例1]
樹脂として、アクリル系共重合体(アクリル酸ブチル/アクリル酸=99:1(質量部)、分子量Mw:100万、酢酸エチル溶液、固形分17質量%)100質量部及びアクリロイル基付加クレゾールノボラック型エポキシ熱硬化性樹脂(商品名:KAYARAD CNA−147、日本化薬株式会社製、固形分50質量%)3質量部、エポキシ熱硬化性樹脂の硬化促進剤としてフェノール樹脂(商品名:SKレジンHE100C−10、エア・ウォーター株式会社製)1質量部、有機溶媒としてメチルエチルケトン32質量部、アクリル系共重合体の硬化剤としてポリイソシアネート型硬化剤(商品名:コロネートL、東ソー株式会社製)19質量部、シランカップリング剤(商品名:KBE402、信越化学工業株式会社製)0.1質量部、メタクリル基修飾シリカ粒子分散液(商品名:MEK−AC−4130Y#1、日産化学工業株式会社製、MEK分散)14質量部(固形分換算)を混合し、粘着剤組成物溶液を作製した。また、この粘着剤組成物溶液を、シリコーンで剥離処理された剥離フィルム(商品名:SP−PET38−1031、リンテック株式会社製)の剥離処理面上に、乾燥後20μmの厚みになるように塗布、乾燥(乾燥条件:オーブンにて100℃、1分間)して塗布膜を形成した後に、支持体(ポリエチレンフィルム、厚さ100μm、表面張力33mN/m)と貼り合わせて、粘着剤層を支持体上に転写することで粘着テープを得た。
[実施例2]
シリカ粒子分散液をメタクリル基表面修飾シリカ粒子分散液(商品名:MEK−AC−4130V、日産化学工業株式会社製、MEK分散)に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着テープを作製した。
[実施例3]
シリカ粒子分散液をエポキシ基表面修飾シリカ粒子分散液(商品名:SIRMEK50WT%−E172、CIKナノテック株式会社製、MEK分散)に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着テープを作製した。
[比較例1]
シリカ粒子分散液を未修飾シリカ粒子分散液(商品名:MEK−ST−L、日産化学工業株式会社製、MEK分散)に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着テープを作製した。
<ハンセン球法の溶解試験によるHSPの算出>
上述したように、ハンセン溶解度パラメーター(HSP)はdD(分散力項)、dP(双極子間力項)、dH(水素結合力項)の3つの値から構成されている。上記各実施例及び比較例で用いた試料(樹脂及び粒子)のHSPを、以下の溶解試験で求めた。
まず、HSPが既知の19種類の溶媒9.5gに、測定試料を0.5g(固形分)それぞれ添加した。ここで、測定試料は、各実施例および比較例で用いた樹脂(アクリル系共重合体とアクリロイル基付加クレゾールノボラック型エポキシ熱硬化性樹脂の混合物)およびシリカ粒子である。参考として、試験に用いた19種類の溶媒の、それぞれのHSPを表1に示す。
Figure 2020158626
超音波洗浄器(メーカー:ヤマト科学株式会社、型番:ブランソン卓上超音波洗浄器)を用いて試料を添加した溶媒を110Wで5分間分散させた後、23℃の液温で各種溶媒に対して目視で分散性を2段階で評価した。試料が粒子の場合は、超音波分散後1分以内に粒子が全て沈降したら、分散性は悪いと判断し、超音波分散後に粒子が全て沈降しなかったら、分散性は良好と判断した。試料が樹脂の場合は、超音波分散後に樹脂が溶媒と分離していれば、分散性は悪いと判断し、超音波分散後に樹脂が溶媒中に溶解していれば、分散性は良好と判断した。各試料の各溶媒への分散性の結果を表2に示す。
Figure 2020158626
HSPiPソフト(販売元:映像工房クエスチョン)に各溶媒における分散性(良好、悪い)を入力し、各溶媒のHSPから各試料(粒子及び樹脂)のHSPと相互作用半径Rを求めた。各試料のHSPの値を表3に示す。
Figure 2020158626
<相対エネルギー差(RED)の算出>
上記溶解試験で求めたHSP(dD、dP及びdHの各値)及び相互作用半径Rを用いて、樹脂と粒子の相対エネルギー差(RED)の値を算出する。まず、上述の式(1)において、dD、dP及びdHに粒子の各HSPを、dD、dP及びdHに樹脂の各HSPをそれぞれ代入し、各実施例及び比較例のRaを算出した。
次に、上記式(1)で求めたRaと、粒子のハンセン球の相互作用半径Rを用いて、樹脂と粒子の相対エネルギー差の値であるREDを、上述の式(2)を用いて算出した。各実施例及び比較例のRa、R及びREDの値を表4に示す。
Figure 2020158626
<破断伸度>
精密万能試験機(メーカー:株式会社島津製作所、型番:オートグラフAG−IS 100N)を用いて、幅、長さ及び厚さがそれぞれ10mm、100mm及び20μmの試料(実施例1〜3及び比較例1で得られた粘着剤組成物)を試験速度200mm/minで上に引っ張り、試料が破断したときのひずみを粘着剤層の破断伸度とした。各実施例及び比較例のRED及び破断伸度の値を表5に示す。
Figure 2020158626
上記表5から明らかなように、粒子の表面が未修飾である比較例1では粘着剤層の破断伸度が低く、すなわち粘着テープの物性が悪く、REDも0.80であった。一方、粒子の表面をメタクリル基又はエポキシ基で修飾した実施例1〜3では、粘着剤層の破断伸度が高く、すなわち粘着テープの物性が良好であり、REDも0.55〜0.68の範囲内であった。

Claims (6)

  1. 樹脂及び粒子を含有する粘着剤組成物であって、
    ハンセン溶解度パラメーターにより求められる前記樹脂と前記粒子の相対エネルギー差であるREDの値が、0.70以下であることを特徴とする、粘着剤組成物。
  2. 前記粘着剤組成物が、加熱又は光照射により硬化する粘接着剤組成物であることを特徴とする、請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層が、支持体上に形成されてなることを特徴とする、粘着テープ。
  4. 半導体の製造に用いることを特徴とする、請求項3に記載の粘着テープ。
  5. 前記粒子の表面が、メタクリル基で修飾されていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の粘着テープ。
  6. 前記粘着剤層の破断伸度が280%以上であることを特徴とする、請求項3から5のいずれか1項に記載の粘着テープ。
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