JP2020158626A - 粘着剤組成物及び粘着テープ - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2には、シリコンウエハをダイシングし、ダイボンドするのに適した、メソポーラス構造を有する多孔質シリカをフィラー含有する粘着剤組成物のシート及びそのシートを用いた半導体装置の製造方法が開示されている。
本発明に係る粘着剤組成物は、樹脂及び粒子を含有し、各種物性を改良するため、必要に応じ他の成分を含んでいてもよい。また、粘着剤組成物は加熱または光照射により硬化する、粘接着剤組成物であることが好ましい。
以下、これら各成分について具体的に説明する。
樹脂には粘着剤に用いる種々の樹脂を用いることが可能であるが、アクリル系重合体を用いることが好ましい。アクリル系重合体は、例えば、WO2015/016352号公報や、特許第5620834号に開示されている(メタ)アクリル酸エステルモノマー等からなる重合体を用いることができる。また、粘着剤組成物を加熱または光照射により硬化する、粘接着剤組成物とするには、エポキシ樹脂などの硬化性樹脂を併用して用いることが好ましい。
エポキシ樹脂としては、従来公知の種々のエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂としては、具体的には、多官能系エポキシ樹脂や、ビフェニル化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルやその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂など、分子中に2官能以上有するエポキシ化合物が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
粒子は、表面修飾された粒子であることが好ましい。粒子の表面が未修飾であると、粘着剤層の破断伸度が低い、すなわち粘着剤組成物の物性が悪く、後述するハンセン溶解度パラメーターから求められる樹脂と粒子の相対エネルギー差(RED)の値も高くなってしまう。なお、表面修飾は、メタクリル基又はエポキシ基であることが好ましく、メタクリル基であることがより好ましい。粒子の表面修飾は、例えば、粒子にメタクリル基又はエポキシ基を持つ化合物を化学結合させて行うことができる。
粒子の材質として、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、カーボンブラック、タルク、マイカ又はクレー等が挙げられる。中でも、シリカが好ましい。シリカが持つシラノール基は、シランカップリング剤との結合に有効に作用する。
有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン(以下、MEK)、メチルイソブチルケトン(以下、MIBK)、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(以下、THF)、ジオキサン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、トルエン、キシレン、n−プロパノール、イソプロパノール(以下、IPA)等が挙げられる。
また、粘着剤組成物が、加熱または光照射により硬化する粘接着剤組成物である場合、上記の添加剤に加えて、硬化促進剤や重合開始剤等を含有させてもよい。
ハンセン溶解度パラメーター(HSP)とは、物質固有の相溶性を示すパラメーターであり、dD(分散力項)、dP(双極子間力項)及びdH(水素結合力項)の3つのパラメーターからなる。これら3つのパラメーターは3次元空間(ハンセン空間)における座標とみなされる。そして、2つの物質のHSPをハンセン空間内に置いたとき、2点間の距離が近いほど互いに溶解(分散)しやすいことを示す。
本発明の粘着剤組成物に含まれる、樹脂と粒子の相溶性を調べるときは、以下の方法で行う。
このようにして求められたRa及びR0から、樹脂と粒子の相対エネルギー差(RED)を、以下の式(2)を用いて求める。RED<1(樹脂のHSPが相互作用半径R0の球の内側にある)であれば、粒子は樹脂に対して良好な分散性を示す。逆にRED>1(樹脂のHSPが相互作用半径R0の球の外側にある)であれば、粒子は樹脂に対して分散し難いことを示す。
本発明の粘着テープは、上記粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有し、通常は、該粘着剤層は支持体上に形成される。本発明の粘着テープの形状は、シート状、ラベル状などあらゆる形状をとり得る。
また、本発明の粘着テープは、特に用途が限定されるものではないが、好ましくは半導体の製造に用いられる。
[実施例1]
樹脂として、アクリル系共重合体(アクリル酸ブチル/アクリル酸=99:1(質量部)、分子量Mw:100万、酢酸エチル溶液、固形分17質量%)100質量部及びアクリロイル基付加クレゾールノボラック型エポキシ熱硬化性樹脂(商品名:KAYARAD CNA−147、日本化薬株式会社製、固形分50質量%)3質量部、エポキシ熱硬化性樹脂の硬化促進剤としてフェノール樹脂(商品名:SKレジンHE100C−10、エア・ウォーター株式会社製)1質量部、有機溶媒としてメチルエチルケトン32質量部、アクリル系共重合体の硬化剤としてポリイソシアネート型硬化剤(商品名:コロネートL、東ソー株式会社製)19質量部、シランカップリング剤(商品名:KBE402、信越化学工業株式会社製)0.1質量部、メタクリル基修飾シリカ粒子分散液(商品名:MEK−AC−4130Y#1、日産化学工業株式会社製、MEK分散)14質量部(固形分換算)を混合し、粘着剤組成物溶液を作製した。また、この粘着剤組成物溶液を、シリコーンで剥離処理された剥離フィルム(商品名:SP−PET38−1031、リンテック株式会社製)の剥離処理面上に、乾燥後20μmの厚みになるように塗布、乾燥(乾燥条件:オーブンにて100℃、1分間)して塗布膜を形成した後に、支持体(ポリエチレンフィルム、厚さ100μm、表面張力33mN/m)と貼り合わせて、粘着剤層を支持体上に転写することで粘着テープを得た。
シリカ粒子分散液をメタクリル基表面修飾シリカ粒子分散液(商品名:MEK−AC−4130V、日産化学工業株式会社製、MEK分散)に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着テープを作製した。
シリカ粒子分散液をエポキシ基表面修飾シリカ粒子分散液(商品名:SIRMEK50WT%−E172、CIKナノテック株式会社製、MEK分散)に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着テープを作製した。
シリカ粒子分散液を未修飾シリカ粒子分散液(商品名:MEK−ST−L、日産化学工業株式会社製、MEK分散)に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着テープを作製した。
上述したように、ハンセン溶解度パラメーター(HSP)はdD(分散力項)、dP(双極子間力項)、dH(水素結合力項)の3つの値から構成されている。上記各実施例及び比較例で用いた試料(樹脂及び粒子)のHSPを、以下の溶解試験で求めた。
まず、HSPが既知の19種類の溶媒9.5gに、測定試料を0.5g(固形分)それぞれ添加した。ここで、測定試料は、各実施例および比較例で用いた樹脂(アクリル系共重合体とアクリロイル基付加クレゾールノボラック型エポキシ熱硬化性樹脂の混合物)およびシリカ粒子である。参考として、試験に用いた19種類の溶媒の、それぞれのHSPを表1に示す。
上記溶解試験で求めたHSP(dD、dP及びdHの各値)及び相互作用半径R0を用いて、樹脂と粒子の相対エネルギー差(RED)の値を算出する。まず、上述の式(1)において、dD1、dP1及びdH1に粒子の各HSPを、dD2、dP2及びdH2に樹脂の各HSPをそれぞれ代入し、各実施例及び比較例のRaを算出した。
精密万能試験機(メーカー:株式会社島津製作所、型番:オートグラフAG−IS 100N)を用いて、幅、長さ及び厚さがそれぞれ10mm、100mm及び20μmの試料(実施例1〜3及び比較例1で得られた粘着剤組成物)を試験速度200mm/minで上に引っ張り、試料が破断したときのひずみを粘着剤層の破断伸度とした。各実施例及び比較例のRED及び破断伸度の値を表5に示す。
Claims (6)
- 樹脂及び粒子を含有する粘着剤組成物であって、
ハンセン溶解度パラメーターにより求められる前記樹脂と前記粒子の相対エネルギー差であるREDの値が、0.70以下であることを特徴とする、粘着剤組成物。 - 前記粘着剤組成物が、加熱又は光照射により硬化する粘接着剤組成物であることを特徴とする、請求項1に記載の粘着剤組成物。
- 請求項1又は2に記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層が、支持体上に形成されてなることを特徴とする、粘着テープ。
- 半導体の製造に用いることを特徴とする、請求項3に記載の粘着テープ。
- 前記粒子の表面が、メタクリル基で修飾されていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の粘着テープ。
- 前記粘着剤層の破断伸度が280%以上であることを特徴とする、請求項3から5のいずれか1項に記載の粘着テープ。
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