以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態のエアバッグ20は、図1〜3に示すようなステアリングホイール用のエアバッグ装置Mに使用されるものである。エアバッグ装置Mを搭載するステアリングホイールWは、ステアリングホイール本体1と、ステアリングホイール本体1の中央のボス部Bの上部に配置されるエアバッグ装置Mと、を備えて構成される。ステアリングホイール本体1は、運転者MDの把持する円環状のリング部Rと、リング部Rの中央に配置されてステアリングシャフトSSに締結されるボス部Bと、ボス部Bとリング部Rとを連結する4本のスポーク部Sと、を備えている。
なお、実施形態において、前後・上下・左右の方向は、特に断らない限り、車両に搭載されたステアリングホイールWの直進操舵時を基準とするものであり、ステアリングホイールWを組み付けるステアリングシャフトSS(図2参照)の軸方向に沿った上下を上下方向とし、ステアリングシャフトSSの軸直交方向である車両の前後を前後方向とし、ステアリングシャフトSSの軸直交方向である車両の左右を左右方向として、前後・上下・左右の方向を示すものである。
ステアリングホイール本体1は、図1〜3に示すように、リング部R、ボス部B、スポーク部Sの各部を連結するように配置されて、アルミニウム合金等の金属からなる芯金3を、備えている。芯金3におけるリング部Rの部位と、各スポーク部Sにおけるリング部R側の部位と、には、合成樹脂製の被覆層5が、被覆されている。また、芯金3におけるボス部Bの部位には、ステアリングシャフトSSを挿入させてナットN止めするための鋼製のボス4が、配設されている。また、ステアリングホイール本体1の下部には、ボス部Bの下方を覆う合成樹脂製のロアカバー6が、配設されている。
エアバッグ装置Mは、図1〜3に示すように、ステアリングホイールWの略中央のボス部Bに配置されるもので、折り畳まれて収納されるエアバッグ20と、エアバッグ20に膨張用ガスを供給するインフレーター11と、エアバッグ20とインフレーター11とを収納して保持する収納部位としてのケース12と、折り畳まれたエアバッグ20を覆うエアバッグカバー14と、エアバッグ20とインフレーター11とをケース12に取り付けるためのリテーナ10と、を備えて構成されている。
インフレーター11は、図2,3に示すように、複数のガス吐出口11bを有した略円柱状の本体部11aと、インフレーター11をケース12に取り付けるためのフランジ部11cと、を備えて構成されている。フランジ部11cには、リテーナ10の図示しない各ボルトを挿通させるための図示しない貫通孔が、形成されている。
収納部位としてのケース12は、板金製として、図2,3に示すように、インフレーター11を下方から挿入させて取り付ける略長方形板状の底壁部12aと、底壁部12aの外周縁から上下に延びる周壁部12bと、を備えて構成されている。周壁部12bの上端には、外方へ延びる取付片12cが、形成され(図1参照)、この取付片12cには、ホーンスイッチ機構13の取付基板13aが取り付けられている(図3参照)。そして、この取付基板13aを利用して、ケース12がステアリングホイールWの芯金3に取付固定され、エアバッグ装置Mが、ステアリングシャフトSSに装着済みのステアリングホイール本体1のボス部Bの上部に搭載されることとなる。また、ケース12の周壁部12bには、リベット15等を利用して、エアバッグカバー14の側壁部14cが、取り付けられている(図2参照)。実施形態の場合、エアバッグ20とインフレーター11とは、エアバッグ20内に配置させたリテーナ10の図示しないボルトを取付手段として、この図示しないボルトを、エアバッグ20における流入用開口25の周縁(取付部26)の取付孔26a、ケース12の底壁部12a、及び、インフレーター11のフランジ部11cを、貫通させて、図示しないナット止めすることにより、ケース12の底壁部12aに取り付けられている。
エアバッグ20は、図2〜7に示すように、バッグ本体21と、バッグ本体21内に配置されてバッグ本体21の膨張完了形状を規制するテザー50,53と、バッグ本体21内に流入する膨張用ガスを整流する整流布72と、を備えている。バッグ本体21は、可撓性を有した袋状として、図5〜7に示すように、膨張完了形状を、上方から見て略円形とした略円柱状とするように、構成されている。バッグ本体21は、実施形態の場合、膨張完了時にステアリングホイールW側に配置される車体側壁部23と、膨張完了時に運転者MD側に配置される運転者側壁部32と、を備えて、この車体側壁部23と運転者側壁部32との外周縁23a,32a相互を結合することにより袋状とされるもので、ステアリングホイールWの上面を全面にわたって覆うように膨張する構成とされている。
実施形態の場合、車体側壁部23は、膨張完了時に、ステアリングホイール本体1側に配置される底壁24と、底壁24の外周縁から延びるように配置される下側周壁28と、を備えて、膨張完了時の形状を、略円柱状の箱形状とされている(図6,7参照)。車体側壁部23は、図9のA及び図10に示す略十字形状の車体側パネル80から形成されるもので、車体側パネル80における切欠部83を塞ぐように形成されるタック30を、外周縁23a側において、後述する流入用開口25を中心として放射状となる4箇所に配置させることにより、略箱形状とされている。すなわち、タック30は、車体側パネル80の状態から、切欠部83を塞ぎ、外周縁の周長を縮めるようにして、形成されることとなる。このタック30は、下側周壁28の領域に配置されることとなり、実施形態のバッグ本体21では、車体側壁部23において、底壁24が、流入用開口25側においてタックを配設させていない非タック領域を構成することとなり、下側周壁28が、外周縁23a側においてタック30を配設させているタック領域を構成することとなる。
車体側壁部23における底壁24の略中央には、インフレーター11の本体部11aを下方から挿入させて、インフレーター11のガス吐出口11bから吐出される膨張用ガスを内部に流入させるための流入用開口25が、略円形に開口して形成されている。また、実施形態のバッグ本体21では、底壁24における流入用開口25の周縁を取付部26としており、この取付部26には、リテーナ10の図示しないボルトを挿通させるための取付孔26aが、4個形成されている(図10参照)。車体側壁部23における下側周壁28において、膨張完了時に前面側に配置される領域には、バッグ本体21内に流入した余剰の膨張用ガスを排気するためのベントホール29が、左右対称となる2箇所に、略円形に開口して形成されている。すなわち、ベントホール29は、膨張完了時のバッグ本体21において、リング部Rから立ち上がるように配置される領域に、配設される構成である(図2参照)。
運転者側壁部32は、膨張完了時に、運転者MD側に配置される天板33と、天板33の外周縁から延びる上側周壁45と、を備えて、膨張完了時の形状を、略円柱状の箱形状とされている(図6,7参照)。運転者側壁部32は、図9のB及び図10に示す略十字形状の運転者側パネル86から形成されるもので、運転者側パネル86における切欠部89を塞ぐように形成されるタック46を、外周縁32a側において、放射状となる4箇所に配置させることにより、略箱形状とされている。すなわち、運転者側壁部32においても、タック46は、運転者側パネル86の状態から、切欠部89を塞ぎ、外周縁の周長を縮めるようにして、形成されることとなる。実施形態の場合、タック46は、車体側壁部23に形成されるタック30と配置位置を一致させて、タック30から連なって延びるように、形成されている。
運転者側壁部32における天板33の領域には、図4〜7に示すように、中央側に配置されて運転者側に突出する中央側突出部35と、外周縁側に配置されて運転者側に突出する外周縁側突出部36と、中央側突出部35と外周縁側突出部36との間に配置される小突部37と、が、形成されている。小突部37は、運転者側に突出するように形成されるとともに、運転者側への突出量を、中央側突出部35及び外周縁側突出部36よりも小さく設定されている。中央側突出部35は、中心を、運転者側壁部32の中心と略一致させるように構成されるもので、膨張完了時のバッグ本体21を上面側(運転者側)から見た状態での外形形状を、略円形状とし、小突部37と外周縁側突出部36とは、膨張完了時のバッグ本体21を上面側(運転者側)から見た状態で、同心円を構成する略円環状として、構成されている。すなわち、小突部37と外周縁側突出部36とは、中央側突出部35の周囲において、略全周にわたって連続的に形成されている。この中央側突出部35と外周縁側突出部36と小突部37との凹凸は、実施形態の場合、バッグ本体21内に配置される中央側テザー50と外側テザー53とによって、形成されている。
中央側テザー50は、図6,7に示すように、中央側突出部35と小突部37との境界部位と、流入用開口25の周縁(取付部26)と、を連結するように配設されている。外側テザー53は、外周縁側突出部36と小突部37との境界部位と、流入用開口25の周縁(取付部26)と、を連結するように配設されている。すなわち、中央側突出部35と小突部37との境界部位は、中央側テザー50によって車体側壁部23側に牽引されて凹む凹部38として構成され、外周縁側突出部36と小突部37との境界部位は、外側テザー53によって車体側壁部23側に牽引されて凹む凹部39として、構成されている。実施形態の場合、中央側テザー50と外側テザー53とは、それぞれ、テザー本体51,54を、運転者側壁部32の中央(流入用開口25の中央と一致)を中心として、略放射状となる4箇所に、配設させるように、構成されている。具体的には、中央側テザー50及び外側テザー53のテザー本体51,54は、図8に示すように、それぞれ、運転者側壁部32の中央の左斜め前方,右斜め前方,左斜め後方,右斜め後方となる位置(中央側突出部35の左右の斜め前方と左右の斜め後方となる位置)に、形成されている。換言すれば、実施形態の場合、中央側テザー50及び外側テザー53のテザー本体51,54は、それぞれ、運転者側壁部32の中央の周囲で略90°ずつずれた位置であって、膨張完了時のバッグ本体21を上方側から見た状態で略一致した位置に、形成されている。また、実施形態の場合、中央側テザー50,外側テザー53のテザー本体51,54は、バッグ本体21に形成されるタック30,46と略一致した位置に、形成されている(図6,7参照)。
すなわち、実施形態では、中央側突出部35と小突部37の境界部位を構成する凹部38と、外周縁側突出部36と小突部37との境界部位を構成する凹部39と、は、全域にわたって中央側テザー50,外側テザー53により牽引されるものではなく、略等間隔の隙間を設けた4箇所のみを、テザー本体51,54により直接的に、車体側壁部23側に牽引される構成である。しかしながら、実施形態では、運転者側壁部32(天板33)に、中央側テザー50の後述する運転者側部位60の略円板状の連結部位61の外周縁61aを結合させる結合部位41と、外側テザー53の後述する運転者側部位64の略円板状の連結部位65の外周縁65aを結合させる結合部位42と、が、同心円状に形成されていることから(図8参照)、各凹部38,39は、これらの結合部位41,42を起点として凹むような態様となり、テザー本体51,54の配置されていない領域を、テザー本体51,54の配置部位よりも凹み量を若干小さくされるものの、全周にわたって、凹むように、配置されることとなる(図6,7参照)。また、テザー本体51,54の配置されていない領域では、小突部37は、テザー本体51,54の配置領域と比較して、幅寸法を大きくして、配置されることとなる(図6,7参照)。そして、テザー本体51,54の配置されていない領域では、テザー本体51,54の配置領域と比較して、外周縁側突出部36が、内側(小突部37側)の領域をなだらかに傾斜させるように、構成されている。これらの結合部位41,42は、膨張完了時のエアバッグ20を上方から見た状態では、テザー本体51,54の配置されている領域を運転者側壁部32の中央側に凹ませるようにして、配置されることとなる(図5参照)。すなわち、結合部位41の内側の領域から構成される中央側突出部35は、厳密には円形ではなく、結合部位41,42間の領域から構成される小突部37と、結合部位42の外側の領域から構成される外周縁側突出部36と、も、厳密には円環状ではない。
また、実施形態の場合、中央側突出部35と小突部37との境界部位と、外周縁側突出部36と小突部37との境界部位と、を構成する各凹部38,39は、凹み量を略同一とされている(図6,7参照)。そして、実施形態の場合、中央側突出部35は、バッグ本体21の膨張完了時における運転者側への突出量(凹部38,39の凹みの先端38a,39aと上端35aとの離隔距離)を、外周縁側突出部36の運転者側への突出量(凹部38,39の凹みの先端38a,39aと上端36aとの離隔距離)よりも小さく、かつ、小突部37の運転者側への突出量(凹部38,39の凹みの先端38a,39aと上端37aとの離隔距離)よりも大きくするように、構成されている。実施形態の場合、テザー本体51,54の配置部位での小突部37の突出量H1と、中央側突出部35の突出量H2と、外周縁側突出部36の突出量H3と、の比は、2/4/5程度に、設定されている(図6参照)。
バッグ本体21内に配置されてバッグ本体21の膨張完了形状を規制するテザーとしては、上述したごとく、中央側テザー50と外側テザー53とが、配設されている。中央側テザー50は、上述したごとく、中央側突出部35と小突部37との境界部位(凹部38の凹みの先端38a)と、流入用開口25の周縁(取付部26)と、を連結するもので、外側テザー53は、上述したごとく、外周縁側突出部36と小突部37との境界部位(凹部39の凹みの先端39a)と、流入用開口25の周縁(取付部26)と、を連結するものである。この中央側テザー50と外側テザー53とは、それぞれ、運転者側壁部32側に配置される運転者側部位60,64と、車体側壁部23側に配置される車体側部位68と、を備える構成とされており、実施形態では、車体側部位68を共用として、二又状に延びるように、形成されている(図6参照)。
中央側テザー50を構成する運転者側部位60は、図10に示すように、略円形の連結部位61と、連結部位61の外周縁61aから放射状に延びる4本の帯状のテザー構成部62と、を備えている。テザー構成部62は、連結部位61の中心に対して略90°ずつずれるように形成されるもので、運転者側部位60を平らに展開した状態で、連結部位61の左斜め前方,右斜め前方,左斜め後方,右斜め後方に向かって延びるように、形成されている。外側テザー53を構成する運転者側部位64は、図10に示すように、略円形の連結部位65と、連結部位65の外周縁65aから放射状に延びる4本の帯状のテザー構成部66と、を備えている。外側テザー53を構成する運転者側部位64の連結部位65は、中央側テザー50を構成する運転者側部位60の連結部位61よりも、外径寸法を大きく設定されている。実施形態の場合、連結部位65の外径寸法D1は、連結部位61の外径寸法D2の3/2程度に設定されている(図10参照)。外側テザー53の運転者側部位64におけるテザー構成部66は、中央側テザー50の運転者側部位60におけるテザー構成部62と一致した位置に、形成されている(図9のB参照)。また、実施形態の場合、外側テザー53における運転者側部位64のテザー構成部66は、長さ寸法L1を、中央側テザー50における運転者側部位60のテザー構成部62の長さ寸法L2の1.5倍程度に、設定されている(図10参照)。中央側テザー50及び外側テザー53を構成する車体側部位68は、図10に示すように、略円形の連結部位69と、連結部位69の外周縁69aから放射状に延びる4本の帯状のテザー構成部70と、を備えている。連結部位69には、流入用開口25と取付孔26aとに対応して開口(図符号省略)が、形成されており、連結部位69は、外周縁69aを、全周にわたって流入用開口25の周縁の取付部26に、結合される構成である。テザー構成部70は、各運転者側部位60,64のテザー構成部62,66に対応して、形成されている。
そして、実施形態では、各連結部位61,65の外周縁61a,65aを、運転者側壁部32に結合させ、連結部位69の外周縁69aを、車体側壁部23における取付部26に結合させて、対応する各テザー構成部62,66,67の先端62a,67a,70a相互を、縫合糸を用いて縫着(結合)させれば、膨張完了時のバッグ本体21内において、略Y字形状に二又状に分岐して配置される中央側テザー50及び外側テザー53を、形成することができる。また、実施形態のエアバッグ20では、中央側テザー50及び外側テザー53のテザー本体51,54は、バッグ本体21の車体側壁部23と運転者側壁部32とに形成されるタック30,46に対応した位置に配設されており、外側テザー53のテザー本体54は、運転者側壁部32に形成されるタック46の端末46aの近傍に配設されている。そのため、バッグ本体21の膨張完了時に、天板33の領域に配置されるタック46の端末46aの部位が、近傍部位を外側テザー53のテザー本体54に牽引されることにより、部分的に上方に突出するように膨張することを、規制できて、外周縁側突出部36の突出端(上端36a)よりも小突部37側に位置しているタック46の端末46a付近の部位を、部分的に突出させることなく、なだらかに小突部37側に連ならせることができる(図6,7参照)。
バッグ本体21内に配置される整流布72は、図6,7に示すように、バッグ本体21の膨張完了時に、流入用開口25の上方を覆うように配設されるとともに、流入用開口25から流入した膨張用ガスを、前後両側へ整流可能に、前後方向の両端を開口させた略筒形状とされている。実施形態の場合、この整流布72は、図10に示す整流布用素材92から、構成されることとなる。整流布用素材92は、中央側部位92aと、中央側部位92aから左右に張り出すように形成される略扇形状の左側部位92b,右側部位92cと、を備える構成とされており、この中央側部位92aを、流入用開口25の周縁に結合(縫着)させ、左側部位92bと右側部位92cとを、外周縁相互を縫着(結合)させることにより、前後方向側に開口72a,72bを有した整流布72を構成している。
実施形態のバッグ本体21は、車体側壁部23を構成する車体側パネル80と、運転者側壁部32を構成する運転者側パネル86と、から構成されている。
車体側パネル80は、図9のA及び図10に示すように、外形形状を略十字形状として、中央側の略正方形の中央部81と、この中央部81の四辺からそれぞれ延びる略長方形状の4つの外縁部82と、を備える構成とされている。すなわち、実施形態では、車体側パネル80において、外縁部82間の領域が、切欠部83とされて、車体側パネル80は、4つの切欠部83を有する構成とされている。中央部81には、流入用開口25と取付孔26aとが、形成される。中央部81の前側に配置される外縁部82には、ベントホール29が、形成される。
運転者側パネル86は、図9のB及び図10に示すように、外形形状を略十字形状として、中央側の略正方形の中央部87と、この中央部87の四辺からそれぞれ伸びる略長方形状(略台形状)の4つの外縁部88と、を備える構成とされている。すなわち、実施形態では、運転者側パネル86において、外縁部88間の領域が、切欠部89とされ、運転者側パネル86は、4つの切欠部89を有する構成とされている。運転者側パネル86の各外縁部88において、中央部87課ら離れた側に配置される先端縁88aは、運転者側壁部32の外周縁32aを構成するもので、外形形状を、車体側パネル80の各外縁部82における中央部81から離れた側の先端縁82a(車体側壁部23の外周縁23a)と、略同一として、構成されている。
実施形態では、運転者側パネル86と車体側パネル80とは、図10に示すように、平らに展開した状態での前後方向側の幅寸法と左右方向側の幅寸法を略一致させて、切欠部83,89の形状を異ならせるようにして、構成されている。運転者側パネル86では、各外縁部88において切欠部89の周縁を構成する側縁88bが、中央部87側となる元部側にかけて相互に接近するように湾曲して形成されており、中央部87は、幅寸法を、各外縁部88の幅寸法よりも若干小さくするように、構成されている。そのため、運転者側パネル86の切欠部89を塞ぐように外縁部88における側縁88b,88b相互を結合させてタック46を形成することにより形成される略箱形状の運転者側壁部32は、上側周壁45から天板33にかけてなだらかに湾曲させて構成されるとともに、天板33の領域内に、タック46を進入させるように、構成されることとなる(図6,7参照)。車体側パネル80では、中央部81の幅寸法が、各外縁部82の長さ寸法よりも大きく、各外縁部82が扁平な略長方形状とされていることから、車体側パネル80の切欠部83を塞ぐように外縁部82における側縁82b,82b相互を結合させてタック30を形成することにより形成される略箱形状の車体側壁部23は、底壁24を大きくして、底壁24からの立ち上がりを小さくした(下側周壁28の高さを低くした)扁平な箱形状とされることとなる。すなわち、実施形態では、車体側壁部23に形成されるタック30は、長さ寸法を、運転者側壁部32に形成されるタック46よりも小さくするように、構成されている。また、実施形態のエアバッグ20では、各タック30,46の部位と、ベントホール29の周縁と、には、図9,10に示すように、補強布95,96,97が、配置されている。
バッグ本体21を構成する運転者側パネル86,車体側パネル80、整流布72を構成する整流布用素材92、中央側テザー50及び外側テザー53を構成する運転者側部位60,64,車体側部位68、及び、補強布95,96,97は、それぞれ、ポリエステル糸やポリアミド糸等からなる可撓性を有した織布から、構成されている。
次に、実施形態のエアバッグ20の製造について、説明をする。補強布95、整流布用素材92の中央側部位92a、及び、中央側テザー50及び外側テザー53を構成する車体側部位68を、車体側パネル80の所定箇所に重ねて、縫合糸を用いて縫着させる。その後、孔開け加工により、流入用開口25、取付孔26a、及び、ベントホール29を、形成する。そして、車体側パネル80における各外縁部82の隣接する側縁82b,82b相互を、補強布96を重ねつつ縫合糸を用いて縫着させることにより、タック30を設けて、車体側壁部23を形成する。次いで、運転者側パネル86の中央部87に、外側テザー53の運転者側部位64における連結部位65と、中央側テザー50の運転者側部位60における連結部位61と、を、中心を一致させるようにして重ね、それぞれ、結合部位41,42を形成するように、外周縁61a,65aを、縫合糸を用いて縫着させる。その後、運転者側パネル86における各外縁部88の隣接する側縁88b,88b相互を、補強布97を重ねつつ縫合糸を用いて縫着させることにより、タック46を設けて、運転者側壁部32を形成する。次いで、車体側壁部23と運転者側壁部32とを、バッグ本体21の外周面側を相互に当てるようにして、外周縁23a,32a相互を、結合部位47を形成するように、縫合糸を用いて縫着させれば、バッグ本体21を袋状に形成することができる。その後、流入用開口25を利用して反転させ、対応するテザー構成部62,66,70を、流入用開口25から引き出して先端62a,66a,70a相互を結合させれば、外側テザー53と中央側テザー50とを形成することができる。また、整流布用素材92の左側部位92b,右側部位92cの周縁相互を結合させれば整流布72を形成することができて、エアバッグ20を製造することができる。
次に、エアバッグ20の折り畳みについて説明をする。実施形態の場合、エアバッグ20は、各取付孔26aから図示しないボルトを突出させるようにして、内部にリテーナ10を配置させた状態で、予備折り体100を形成する予備折り工程と、予備折り体100の前後方向側の幅寸法を縮める前後縮小折り工程と、左右方向側の幅寸法を縮める左右縮小折り工程と、を経て、折り完了体125に折り畳まれることとなる。
予備折り工程では、エアバッグ20は、車体側壁部23と運転者側壁部32とを所定形状に重ねるようにして、図11〜13に示すような予備折り体100を形成するように折り畳まれる。実施形態の場合、予備折り体100は、車体側壁部23において、非タック領域としての底壁24における流入用開口25の周縁の部位(実施形態の場合、底壁24の領域)を、下面構成部101とし、運転者側壁部32における中央側の領域(天板33)を上面構成部102として、下面構成部101と上面構成部102とを、それぞれ、略平らに展開しつつ、タック領域である下側周壁28を含めた上面構成部102と下面構成部101との間の領域、すなわち、車体側壁部23と運転者側壁部32との外周縁23a,32a側の領域(タック30,46の配置領域)を、先端を流入用開口25側に向けつつ内周側に折り込み、上面構成部102と下面構成部101との間に重ねるようにして、形成されている。予備折り体100は、詳細には、運転者側壁部32の中央(中央側テザー50の連結部位61の中心)と、車体側壁部23の中心(流入用開口25の中心)と、を略一致させて、上面構成部102と下面構成部101とを重ね、上面構成部102と下面構成部101との間において、メイン折込部104,104を流入用開口25の左右に配置させ、メイン折込部104よりも折込量を小さくされるサブ折込部105,105を流入用開口25の前後に配置させるようにして、形成されている。メイン折込部104,104は、流入用開口25の左右両側において、それぞれ、予備折り体100の前後の略全域にわたって、形成されている。なお、詳細な図示は省略するが、実施形態の予備折り体100では、各サブ折込部105,105は、メイン折込部104と上面構成部102との間に、配設されている。
上面構成部102と下面構成部101とは、図11に示すように、外形形状を略六角形状とされている。実施形態の場合、下面構成部101は、前後方向側の幅寸法を左右方向側の幅寸法より大きくするように構成され、上面構成部102は、前後方向側の幅寸法を、下面構成部101の前後方向側の幅寸法より僅かに大きくし、左右方向側の幅寸法を、下面構成部101の左右方向側の幅寸法より小さくして、構成されている。すなわち、上面構成部102は、前後方向側の幅寸法を、左右方向側の幅寸法よりも大きく設定されている。そして、上面構成部102の前端102aは、下面構成部101の前端101aよりも前方に突出して配置されている(図11参照)。実施形態の場合、上面構成部102の後端102bも、下面構成部101の後端101bよりも後方に突出して配置されている。上面構成部102と下面構成部101との間において、流入用開口25の左右両側に配設されるメイン折込部104,104は、実施形態の場合、車体側壁部23と運転者側壁部32との外周縁23a,32a相互を結合させている結合部位47を起点として、この結合部位47を先端として折り込まれるように、構成されている(図13参照)。そして、このメイン折込部104,104は、下面構成部101との境界部位を構成する折目Vの端末Vaを、タック30の端末30aと略一致した位置に配置させるように、形成されている(図11のA,B参照)。すなわち、実施形態の予備折り体100では、下面構成部101の領域内には、タック30は、配設されていない(図11のB参照)。上面構成部102の領域内には、タック46が配設されている。このような予備折り体100は、エアバッグ20を、運転者側壁部32と車体側壁部23との境界部位(結合部位47)における前端側と後端側とを把持しつつ、引っ張り、流入用開口25の左右両側の部位を、結合部位47を起点として、上面構成部102と下面構成部101との間に折り込むようにして、メイン折込部104,104を形成し、その後、外形形状を整えるようにして、上面構成部102と下面構成部101との間に折り込むようにサブ折込部105,105を形成すれば、形成することができる。また、予備折り体100は、前後左右で対称形とされている(図11のA,B参照)。
次いで、予備折り体100を、前後縮小折り工程により、前後方向側の幅寸法を縮めるように、折り畳む。まず、図14のA,Bに示すように、予備折り体100において、流入用開口25よりも前側の前側部位110と、流入用開口25よりも後側の後側部位111と、を、それぞれ、先端側から車体側壁部23側(下面構成部101側)に巻くように、左右方向に沿った折目を付けつつロール折りしてロール折り部位112,113を形成し、このロール折り部位112,113を、図15のA,Bに示すように、流入用開口25の直上に位置させるように、上面構成部102と下面構成部101との間に入れ込むようにして、前側折畳部位114,後側折畳部位115を形成し、ケース12内に収納可能に前後方向側の幅寸法を縮められた前後縮小折りバッグ117を形成する。次いで、前後縮小折りバッグ117を、左右縮小折り工程により、折り畳む。前後縮小折りバッグ117において、流入用開口25よりも左方となる左側部位118と、流入用開口よりも右方となる右側部位119と、を、それぞれ、図15のB,Cに示すように、前後方向に沿った折目を付けつつ車体側壁部23側に向かって巻くようにロール折りして、ロール折り部位120,121を形成し、その後、図15のDに示すように、これらのロール折り部位120,121を、流入用開口25上に載せれば、エアバッグ20の折り畳みを完了することができて、折り完了体125を形成することができる。
その後、折り完了体125の周囲に、図示しない折り崩れ防止用のラッピング材を巻き付けた後、折り完了体125をケース12に収納させ、インフレーター11の本体部11aを下方から挿入させて、底壁部12aから突出させた図示しないボルトとナットとを利用して、インフレーター11とエアバッグ20とをケース12に取り付ける。さらに、ケース12にエアバッグカバー14を被せて、リベット15等を利用して、ケース12にエアバッグカバー14を取り付け、その後、ケース12の取付片12cに、ホーンスイッチ機構13を組み付ければ、エアバッグ装置Mを組み立てることができる。このエアバッグ装置Mは、予めステアリングシャフトSSに締結しておいたステアリングホイール本体1に対して、ホーンスイッチ機構13の取付基板13aを利用して、取り付ければ、車両に搭載することができる。
そして、エアバッグ装置Mでは、インフレーター11のガス吐出口11bから膨張用ガスが吐出されれば、エアバッグ20(バッグ本体21)が、内部に膨張用ガスを流入させて膨張し、エアバッグカバー14の扉部14b,14bを押し開き、ケース12から突出して、図1の二点鎖線及び図2,3に示すように、ステアリングホイールWの上面を略全面にわたって覆うように、膨張を完了させることとなる。
そして、実施形態のエアバッグ20では、車体側壁部23が、外周縁23a側に、外周縁の周長を縮めるような複数のタック30を配設させて、立体的に形成されるものの、このエアバッグ20を予備折りして形成される予備折り体100は、このタック30を配設させているタック領域(下側周壁28)を含めた領域を、部分的に内部に入れ込むようにして、運転者側壁部32の中央側の領域から構成される上面構成部102と、車体側壁部23においてタック30を配設させていない非タック領域(底壁24)における流入用開口25の周縁の部位から構成される下面構成部101と、の間に、折込部104,105として、配置させている構成である。すなわち、実施形態のエアバッグ20が、立体形状の車体側壁部23を有する構成であっても、上面構成部102と下面構成部101との間に折込部104,105を配置させた平面状の予備折り体100を形成することができることから、その後の折畳作業が容易となり、エアバッグ20を円滑に折り畳むことができる。また、実施形態の予備折り体100では、運転者側壁部32が、中央側の領域を、上面構成部102として、流入用開口25上に位置させるように、車体側壁部23(下面構成部101)に重ねられていることから、エアバッグ20の膨張初期に、運転者側壁部32の中央を、迅速に運転者側に押し出すことができ、また、運転者側壁部32を迅速に広く展開させることができて、運転者を迅速に保護することができる。
したがって、実施形態のエアバッグ20の予備折り体100では、車体側壁部23を立体的に形成していても、円滑に折り畳んで収納部位としてのケース12内に収納させることができる。
実施形態のエアバッグ20では、車体側壁部23に加えて、運転者側壁部32も、外周縁32a側にタック46を設けて立体形状とされているが、上述したごとく、予備折り体100を平らに形成することができて、エアバッグ20は、この予備折り体100の前後左右の幅寸法を縮めるように折り畳まれることから、折畳作業が容易であり、エアバッグ20を円滑に折り畳むことができる。運転者側壁部は、実施形態のごとくタックを有する構成としなくともよく、例えば、略円形状の基材から構成してもよい。
実施形態のエアバッグ20では、バッグ本体21が、車体側壁部23,運転者側壁部32の外周縁23a,32a側に、タック30,46を設けることにより、膨張完了形状を略円柱状として、嵩高く膨張する構成であり、また、運転者側壁部32の天板33の領域に、中央側突出部35と、外周縁側突出部36と、小突部37を配設させる構成である。そのため、車両の斜め衝突時やオフセット衝突時において、斜め前方に向かって移動する運転者MDの頭部Hを、中央側突出部35と外周縁側突出部36との間において相対的に凹んでいる小突部37の領域に、円滑に進入させることができ、高く隆起している外周縁側突出部36によって、運転者MDの頭部Hを安定して受け止めることができる(図3の二点鎖線参照)。
また、実施形態のエアバッグ20の予備折り体100では、図11に示すように、メイン折込部104において、下面構成部101との境界部位を構成する折目Vの端末Vaが、タック30の端末30aと略一致した位置に配置させるように、形成されている。すなわち、実施形態の予備折り体100では、タック30は、下面構成部101の領域に進入しないように、構成されている。そのため、メイン折込部104を構成する折目Vがタック30を跨がないことから、メイン折込部104が嵩張ることを抑制できて、エアバッグ20をコンパクトに折り畳むことができる。なお、このような点を考慮しなければ、折込部を構成する折目を、タックを跨ぐように配設させ、下面構成部の領域内にタックを進入させるようにして、予備折り体を形成してもよい。
さらに、実施形態のエアバッグ20の予備折り体100では、上面構成部102が、前後方向側の幅寸法を左右方向側の幅寸法よりも大きく設定するように構成されていることから、膨張初期に、エアバッグ20を、前後に広く迅速に展開させることが可能となって、運転者の上半身の前面を広く迅速に覆うことができると同時に、ステアリングホイールWと運転者の腹部との狭い隙間に、展開するエアバッグ20を迅速に進入させることができる。なお、このような点を考慮しなければ、上面構成部を、前後方向側の幅寸法を左右方向側の幅寸法より小さくしてもよく、また、前後方向側の幅寸法と左右方向側の幅寸法とを略同一として、構成してもよい。
さらにまた、実施形態のエアバッグ20の予備折り体100では、上面構成部102の前端102aが、下面構成部101の前端101aよりも前方に突出して配置される構成であることから、展開する上面構成部102の前端102a(運転者側壁部32)が、前方側へ突出している長さ分、より前方側に展開しやすくなって、運転者が近接している状態でのエアバッグ20の膨張初期に、運転者の顎と接触することを抑制できる(顎下へ進入することを防止できる)。なお、このような点を考慮しなければ、上面構成部の前端と下面構成部の前端とを略一致させるか、若しくは、上面構成部の前端を下面構成部の前端よりも後方に位置させるようにして、予備折り体を形成してもよい。
実施形態では、エアバッグ20は、予備折り後に、前後縮小折りと左右縮小折りとを経て折り畳まれる構成であるが、エアバッグ20の折り畳み工程は、実施形態に限られるものではない。例えば、図16〜18に示すように、予備折り体100を、左右縮小折りと前後縮小折りとを経て折り畳んでもよい。この折畳方法では、予備折り体100は、まず、図16及び図17のAに示すように、流入用開口25よりも左側の左側部位130と、流入用開口25よりも右側の右側部位131とを、それぞれ、先端側から運転者側壁部32側(上面構成部102側)に巻くように、前後方向に沿った折目を付けつつロール折りしてロール折り部位132,133を形成し、このロール折り部位132,133を、流入用開口25上に載せて、左右縮小折りバッグ135を形成する。次いで、左右縮小折りバッグ135において、流入用開口25よりも前方となる前側部位136を、図17のB及び図18のAに示すように、左右方向に沿った折目をつけるように蛇腹折りして蛇腹折り部位137を形成し、この蛇腹折り部位137を、図18のB,Cに示すように、流入用開口25の前側の領域に載せるように折り返す。左右縮小折りバッグ135において、流入用開口25よりも後方となる後側部位138も、前側部位136と同様にして折り畳めば、図18のDに示すように、折り完了体140を形成することができる。
また、予備折り体100は、図19〜21に示すような折り畳みによって、折り畳んでもよい。この折り畳み方法では、予備折り体100は、まず図19に示すように、流入用開口25よりも前側の前側部位142を、先端側から車体側壁部23側(下面構成部101側)に巻くように、左右方向に沿った折目を付けつつロール折りしてロール折り部位143を形成し、このロール折り部位143を、図20のAに示すように、流入用開口25の直上に位置させるように、上面構成部102と下面構成部101との間に入れ込むようにして、前側折畳部位144を形成し、部分前後縮小折りバッグ146を、形成する。次いで、部分前後縮小折りバッグ146において、流入用開口25よりも左方となる左側部位147と、流入用開口25よりも右方となる右側部位148と、を、それぞれ、先端側から車体側壁部23側に巻くように、前後方向に沿った折目を付けつつロール折りしてロール折り部位149,150を形成し、このロール折り部位149,150を、流入用開口25上に載せて、左右縮小折りバッグ152を形成する(図20のB及び図21のA参照)。その後、左右縮小折りバッグ152において、流入用開口25よりも後方となる後側部位153を、図21のBに示すように、一旦二つ折りし、その後、図21のCに示すように、左右方向に沿った折目を付けつつロール折りし、流入用開口25上に載せれば、図21のDに示すように、折り完了体155を形成することができる。
さらに、予備折り体100の折り畳み方法は、上記に限られるものではなく、予備折り体100の流入用開口25から外周縁にかけての部位を、外周縁側から流入用開口25上に集めて圧縮させるようにして(ラジアル折り)、折り畳む構成としてもよい。
また、エアバッグ20を、図22,23に示すような予備折り体100Aを形成するように折り畳んでもよい。図22,23に示す予備折り体100Aは、メイン折込部104A,104A,サブ折込部105A,105Aを形成するように折り畳まれて、外形形状を、前述の予備折り体100と略同一として構成されており、前述の予備折り体100と相違して、上面構成部102Aの前端102a,後端102bを、下面構成部101Aの前端101a,後端101bと略同一の位置となる位置に配置させるように、構成されている。この予備折り体100Aにおいても、メイン折込部104A,104Aは、流入用開口25の左右両側において、それぞれ、予備折り体100Aの前後の略全域にわたって、形成されている。各メイン折込部104A,104Aの先端を構成している内側折目IV,IVは、前後方向に略沿うように形成されるとともに、相互の離隔距離を、前端側を小さくして、後端側にかけて大きくするように、構成されている。実施形態の場合、内側折目IV,IVの前端側の相互の離隔距離D1は、後端側の相互の離隔距離D2の4/5程度に設定されている(図22参照)。
予備折り体100Aをこのように形成すれば、内側折目IV,IV間の隙間が、前端側にかけて狭幅となる構成とされていることから、エアバッグ20の膨張初期に、上面構成部102Aにおいて前端102a側の部位に流れる膨張用ガスを、後端102b側の部位と比較して少量とすることができて、エアバッグ20の膨張初期に、前端側の部位が、運転者側に突出するように展開することを抑制できる。その結果、例えば、図24のAに示すように、運転者MDが頭部HをステアリングホイールWに近接させている状態でのエアバッグ20の膨張初期に、前端側部位20aを、図24のBに示すごとく、運転者MD側に向かって大きく突出させずに、ステアリングホイールWにおけるリング部Rとボス部Bとの間に設けられる空間A(図1参照)に進入させることができ、その後、図24のCに示すように、膨張を完了させることができることから、ステアリングホイールWに運転者MDが近接していても、エアバッグ20を、運転者MDへの押圧力を低減させた状態で、展開膨張させることができる。