以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(ロボット手術システムの構成)
図1および図2を参照して、第1実施形態によるロボット手術システム100の構成について説明する。
図1に示すように、ロボット手術システム100は、遠隔操作装置1と、患者側装置2とを備えている。遠隔操作装置1は、患者側装置2に設けられた医療器具(medical equipment)を遠隔操作するために設けられている。患者側装置2によって実行されるべき動作態様指令が術者(surgeon)である操作者Oにより遠隔操作装置1に入力されると、遠隔操作装置1は、動作態様指令を患者側装置2に送信する。そして、患者側装置2は、遠隔操作装置1から送信された動作態様指令に応答して、ロボットアーム21に取り付けられた手術器具(surgical instrument)4、および、ロボットアーム22に取り付けられた内視鏡5等の医療器具を操作する。これにより、低侵襲手術が行われる。
患者側装置2は、患者Pが横たわる手術台3の傍らに配置される。患者側装置2は、遠隔操作装置1からの入力に応じて、患者Pに対して手術を行うインターフェースを構成する。患者側装置2は、複数のロボットアーム21および22と、プラットホーム23と、ポジショナ24と、コントローラ25とを含んでいる。
ロボットアーム21は、複数の関節を有している。ロボットアームの複数の関節は、サーボモータを含む駆動部と、エンコーダ等の位置検出器とを有している。ロボットアーム21は、コントローラ25を介して与えられた駆動信号によりロボットアーム21に取り付けられた医療器具が所望の動作を行うように制御されるように構成されている。なお、ロボットアーム22は、ロボットアーム21と同様の構成を有している。
ロボットアーム21には、先端部に医療器具としての手術器具4が取り外し可能に取り付けられる。患者側装置2を用いた手術において、ロボットアーム21は、患者Pの体表に留置したカニューラ(トロッカ)を介して患者Pの体内に手術器具4を導入する。
手術器具4は、ロボットアーム21に取り付けられるハウジング41(図3参照)と、細長形状のシャフト42(図3参照)と、シャフト42の先端部に設けられたエンドエフェクタ43(図3参照)とを備えている。エンドエフェクタ43として、例えば、把持鉗子、シザーズ、フック、高周波ナイフ、スネアワイヤ、クランプ、ステイプラーが挙げられるがこれに限られるものではなく、各種の処置具を適用することができる。そして、手術器具4のエンドエフェクタ43は、手術部位の近傍に配置される。
ロボットアーム22には、先端部に医療器具としての内視鏡5が取り外し可能に取り付けられる。内視鏡5は、患者Pの体腔内を撮影するものであり、撮影した画像は、遠隔操作装置1に対して出力される。内視鏡5として、3次元画像を撮影することができる3D内視鏡若しくは2D内視鏡が用いられる。患者側装置2を用いた手術において、ロボットアーム22は、患者Pに体表に留置したトロッカを介して患者Pの体内に内視鏡5を導入する。そして、内視鏡5が手術部位の近傍に配置される。
プラットホーム23は、ロボットアーム21およびロボットアーム22を共通に支持している。ポジショナ24は、手術室の床の上に載置され、プラットホーム23を支持している。ポジショナ24は、鉛直方向に調整可能な昇降軸を有する柱部24aと、柱部24aに連結され、車輪を備え床面を移動可能なベース24bとを有している。
遠隔操作装置1は、操作者Oとのインターフェースを構成する。遠隔操作装置1は、ロボットアーム21の手術器具4およびロボットアーム22の内視鏡5を操作者Oが操作するための装置である。すなわち、遠隔操作装置1は、操作者Oによって入力された手術器具4および内視鏡5によって実行されるべき動作態様指令をコントローラ25を介して患者側装置2へ送信可能に構成されている。遠隔操作装置1は、たとえば、マスタの操作をしながらも患者Pの様子がよく見えるように手術台3の傍らに設置される。なお、遠隔操作装置1は、例えば動作態様指令を無線で送信するようにし、手術台3が設置された手術室とは別室に設置することも可能である。
手術器具4によって実行されるべき動作態様とは、手術器具4の動作(一連の位置および姿勢)および手術器具4個別の機能によって実現される動作の態様である。たとえば、手術器具4が把持鉗子である場合には、手術器具4によって実行されるべき動作態様とは、エンドエフェクタ43の手首のロール回転位置およびピッチ回転位置と、ジョーの開閉を行う動作である。また、手術器具4が高周波ナイフである場合には、手術器具4によって実行されるべき動作態様とは、高周波ナイフの振動動作、具体的には高周波ナイフに対する電流の供給であり得る。また、手術器具4がスネアワイヤである場合には、手術器具4によって実行されるべき動作態様とは、束縛動作および束縛状態の解放動作であり得る。また、バイポーラやモノポーラに電流を供給することによって手術対象部位を焼き切る動作であり得る。
内視鏡5によって実行されるべき動作態様とは、たとえば、内視鏡5先端の位置および姿勢を移動させる動作態様、またはズーム倍率を設定する動作態様である。
遠隔操作装置1は、図1および図2に示すように、操作ハンドル11と、操作ペダル部12と、表示部13と、制御装置14とを備えている。
操作ハンドル11は、ロボットアーム21および22に取り付けられた医療器具(手術器具4、内視鏡5)を遠隔で操作するために設けられている。具体的には、操作ハンドル11は、医療器具を操作するための操作者Oによる操作を受け付ける。操作ハンドル11は、水平方向に沿って2つ設けられている。つまり、2つの操作ハンドル11のうち一方の操作ハンドル11は、操作者Oの右手により操作され、2つの操作ハンドル11のうち他方の操作ハンドル11は、操作者Oの左手により操作される。
また、操作ハンドル11は、遠隔操作装置1の後方側から、前方側に向かって延びるように配置されている。操作ハンドル11は、所定の3次元の操作領域内で動かすことができるように構成されている。すなわち、操作ハンドル11は、上下方向、左右方向、および前後方向に動かすことができるように構成されている。
遠隔操作装置1と患者側装置2とは、ロボットアーム21および22の動作の制御においては、マスタスレーブ型のシステムを構成する。すなわち、操作ハンドル11は、マスタスレーブ型のシステムにおけるマスタ側の操作部を構成している。操作ハンドル11は、医療器具が取り付けられたロボットアーム21および22はスレーブ側の動作部を構成している。そして、操作ハンドル11を操作者Oが操作すると、操作ハンドル11の動きをロボットアーム21の先端部(手術器具4のエンドエフェクタ43)またはロボットアーム22の先端部(内視鏡5)がトレースして移動する。このように、ロボットアーム21または22の動作が制御される。
また、患者側装置2は、設定された動作倍率に応じてロボットアーム21の動作を制御するよう構成されている。たとえば、動作倍率が1/2倍に設定されている場合、手術器具4のエンドエフェクタ43は、操作ハンドル11の移動距離の1/2の移動距離を移動するよう制御される。これによって、精細な手術を精確に行うことができる。
操作ペダル部12は、医療器具に関する機能を実行するための複数のペダルを含んでいる。複数のペダルは、凝固ペダルと、切断ペダルと、カメラペダルと、クラッチペダルと、を含んでいる。また、複数のペダルは、操作者Oの足により操作される。
凝固ペダルは、手術器具4を用いて手術部位を凝固させる操作を行うことができる。具体的には、凝固ペダルは、操作されることにより、手術器具4に凝固用の電圧が印加されて、手術部位の凝固が行われる。切断ペダルは、手術器具4を用いて手術部位を切断させる操作を行うことができる。具体的には、切断ペダルは、操作されることにより、手術器具4に切断用の電圧が印加されて、手術部位の切断が行われる。
カメラペダルは、体腔内を撮像する内視鏡5の位置及び姿勢を操作するために用いられる。具体的には、カメラペダルは、内視鏡5の操作ハンドル11による操作を有効にする。つまり、カメラペダルが押されている間は、操作ハンドル11により内視鏡5の位置および姿勢を操作することが可能である。たとえば、内視鏡5は、左右の操作ハンドル11の両方を用いることにより操作される。具体的には、左右の操作ハンドル11の中間点を中心に左右の操作ハンドル11を回動させることにより、内視鏡5が回動される。また、左右の操作ハンドル11を共に押し込むことにより、内視鏡5が奥に進む。また、左右の操作ハンドル11を共に引っ張ることにより、内視鏡5が手前に戻る。また、左右の操作ハンドル11を共に上下左右に移動させることにより、内視鏡5が上下左右に移動する。
クラッチペダルは、ロボットアーム21および22と、操作ハンドル11との操作接続を一時切断し手術器具4の動作を停止させる場合に用いられる。具体的には、クラッチペダルが操作されている間は、操作ハンドル11を操作しても、患者側装置2のロボットアーム21および22が動作しない。たとえば、操作により操作ハンドル11が移動可能な範囲の端部近傍に来た場合に、クラッチペダルが操作されることにより、操作接続を一時切断して、操作ハンドル11を中央位置付近に戻すことができる。そして、クラッチペダルの操作を中止するとロボットアーム21および22と操作ハンドル11とが再び接続され、中央付近で操作ハンドル11の操作を再開することができる。
表示部13は、内視鏡5が撮像した画像を表示することができるものである。表示部13は、スコープ型表示部または非スコープ型表示部からなる。スコープ型表示部とは、たとえば、覗き込むタイプの表示部である。また、非スコープ型表示部とは、通常のパーソナルコンピュータのディスプレイのような覗き込むタイプではない平坦な画面を有する開放型の表示部を含む概念である。
スコープ型表示部が取り付けられた場合、患者側装置2のロボットアーム22に取り付けられた内視鏡5により撮像された3D画像が表示される。非スコープ型表示部が取り付けられた場合にも、患者側装置2に設けられた内視鏡5により撮像された3D画像が表示される。なお、非スコープ型表示部が取り付けられた場合、患者側装置2に設けられた内視鏡5により撮像された2D画像が表示されてもよい。
図2に示すように、制御装置14は、例えば、CPU等の演算器を有する制御部141と、ROMおよびRAM等のメモリを有する記憶部142と、画像制御部143とを含んでいる。制御装置14は、集中制御する単独の制御装置により構成されていてもよく、互いに協働して分散制御する複数の制御装置により構成されてもよい。
制御部141は、操作ハンドル11により入力された動作態様指令を、操作ペダル部12の切替状態に応じて、手術器具4によって実行されるべき動作態様指令であるか、または、内視鏡5によって実行されるべき動作態様指令であるかを判断する。そして、制御部141は、操作ハンドル11に入力された動作態様指令が手術器具4によって実行されるべき動作態様指令であると判断すると、動作態様指令をロボットアーム21に対して送信する。これによって、ロボットアーム21が駆動され、この駆動によってロボットアーム21に取り付けられた手術器具4の動作が制御される。
また、制御部141は、操作ハンドル11に入力された動作態様指令が内視鏡5によって実行されるべき動作態様指令であると判定すると、当該動作態様指令をロボットアーム22に対して送信する。これによって、ロボットアーム22が駆動され、この駆動によってロボットアーム22に取り付けられた内視鏡5の動作が制御される。
記憶部142には、例えば手術器具4の種類に応じた制御プログラムが記憶されている。制御部141は、取り付けられた手術器具4の種類に応じてこれらの制御プログラムを読み出すことにより、遠隔操作装置1の操作ハンドル11および操作ペダル部12の少なくともいずれかの動作指令が個別の手術器具4に適合した動作をさせることができる。
画像制御部143は、内視鏡5が取得した画像を表示部13に伝送する。画像制御部143は、必要に応じて画像の加工修正処理を行う。
(手術器具、アダプタ、ドレープおよびロボットアームの構成)
図3〜図14を参照して、手術器具4、アダプタ本体部6aを有するアダプタ6、ドレープ7およびロボットアーム21の構成について説明する。
ここで、手術器具4の延びる方向(シャフト42の延びる方向)をY方向とし、Y方向のうち手術器具4の先端側をY1方向とし、Y1方向の反対側をY2方向とする。手術器具4とアダプタ6とが隣接する方向をZ方向とし、Z方向のうち手術器具4側をZ1方向とし、Z1方向の反対側をZ2方向とする。また、Y方向およびZ方向に直交する方向をX方向とし、一方側をX1方向とし、X方向のうち他方側をX2方向とする。
〈取り付け状態〉
図3および図4に示すように、手術器具4は、ロボットアーム21にアダプタ本体部6aを介して取り外し可能に接続される。アダプタ本体部6aは、ロボットアーム21を覆うための滅菌処理されたドレープ7をロボットアーム21との間に挟み込むためのドレープアダプタである。つまり、アダプタ本体部6aは、ドレープ7を取り付け可能に構成されている。これにより、駆動部21bにアダプタ本体部6aを取り付ける際、駆動部21bとアダプタ本体部6aとの間にドレープ7を取り付けることにより、清潔区域と汚染区域とを確実に隔離させることができる。
手術器具4は、アダプタ本体部6aのZ1方向側に取り付けられる。アダプタ本体部6aは、ロボットアーム21のZ1方向側に取り付けられる。
ロボットアーム21は、清潔区域において使用されるため、ドレープ70により覆われる。ここで、手術室では、手術により切開した部分および医療機器が病原菌や異物などにより汚染されることを防ぐため、清潔操作が行われる。この清潔操作においては、清潔区域および清潔区域以外の区域である汚染区域が設定される。手術部位は、清潔区域に配置される。操作者Oを含む手術チームのメンバー(補助者Sp(図1参照))は、手術中、清潔区域に殺菌されている物体のみが位置するよう配慮し、かつ、汚染区域に位置している物体を清潔区域に移動させるときは、この物体に滅菌処理を施す。同様に、操作者Oを含む手術チームの補助者Spがその手を汚染区域に位置させたときは、清潔区域に位置している物体に直接接触する前に、手の滅菌処理を行う。清潔区域において用いられる器具は、滅菌処理が行われる、または、滅菌処理されたドレープ7により覆われる。
図4に示すように、ドレープ7は、ロボットアーム21を覆う本体部71と、ロボットアーム21とアダプタ本体部6aとの間に挟み込まれる取付部72とを備えている。本体部71は、フィルム状に形成された可撓性フィルム部材により構成されている。可撓性フィルム部材は、熱可塑性ポリウレタンやポリエチレンなどの樹脂材料からなる。本体部71には、ロボットアーム21とアダプタ本体部6aとが互いに係合可能なように、開口部が設けられている。本体部71の開口部には、開口部を塞ぐように取付部72が設けられている。取付部72は、樹脂成形部材により構成されている。樹脂成形部材は、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂材料からなる。取付部72は、本体部71に比べて硬く(撓みにくく)形成されている。取付部72は、ロボットアーム21とアダプタ本体部6aとが互いに係合可能なように、開口部が設けられている。取付部72の開口部は、ロボットアーム21とアダプタ本体部6aとの係合する部分に対応するように設けられていてもよい。また、取付部72の開口部は、ロボットアーム21とアダプタ本体部6aとの複数の係合する部分に対応するように複数個設けられていてもよい。
図4および図5に示すように、手術器具4は、複数(4個)の被駆動部材44を有している。被駆動部材44は、ハウジング41内に設けられ、Z方向に延びる回転軸Gを中心に回転可能に設けられている。複数の被駆動部材44は、エンドエフェクタ43を操作(駆動)するために設けられている。たとえば、被駆動部材44は、シャフト42内に挿通されたワイヤ(図示せず)により、エンドエフェクタ43と接続されている。これにより、被駆動部材44の回転に応じてワイヤが駆動されるとともに、ワイヤの駆動に応じてエンドエフェクタ43が操作(駆動)される。また、たとえば、被駆動部材44は、ギア(図示せず)を介してシャフト42に接続されている。これにより、被駆動部材44の回転に応じてシャフト42が回転されるとともに、シャフト42の回転に応じてエンドエフェクタ43が操作される。
複数の被駆動部材44は、各々、ロボットアーム21からの駆動力をエンドエフェクタ43に伝達されるために、アダプタ本体部6aの後述する駆動伝達部材61と係合する係合凸部441を含んでいる。係合凸部441は、被駆動部材44のZ2方向側の表面からアダプタ本体部6a側(Z2方向側)に向かって突出している。また、係合凸部441は、アダプタ本体部6aの後述する係合凹部611(図4参照)に対応する形状を有している。なお、係合凹部611は、特許請求の範囲の「駆動伝達用凹部」の一例である。
図4および図6に示すように、アダプタ本体部6aは、複数(4個)の駆動伝達部材61と、一対のガイドレール62とを有している。駆動伝達部材61は、ロボットアーム21からの駆動力を手術器具4の被駆動部材44に伝達するように構成されている。つまり、駆動伝達部材61は、手術器具4の被駆動部材44に対応するように設けられている。駆動伝達部材61は、Z方向に延びる回転軸線Bを中心に回転可能に設けられている。
図4に示すように、複数の駆動伝達部材61は、各々、手術器具4の被駆動部材44の係合凸部441と係合する係合凹部611を含んでいる。係合凹部611は、駆動伝達部材61の手術器具4側(Z1方向側)に設けられているとともに、駆動伝達部材61のZ1方向側の表面から手術器具4側とは反対側(Z2方向側)に向かって窪んでいる。
図6に示すように、複数の駆動伝達部材61は、各々、ロボットアーム21の後述する係合凸部211と係合する係合凹部612を含んでいる。係合凹部612は、駆動伝達部材61のロボットアーム21側(Z2方向側)に設けられている。係合凹部612は、駆動伝達部材61のZ2方向側の表面からロボットアーム21側とは反対側(Z1方向側)に向かって窪んでいる。なお、複数の駆動伝達部材61の各々は、互いに実質的に同様の構成を有している。
図7(A)および図7(B)に示すように、駆動伝達部材61は、係合凹部612を有する第1の部材621と、係合凹部611を有する第2の部材622とを含んでいる。第1の部材621は、ロボットアーム21側(Z2方向側)に配置されている。第2の部材622は、手術器具4側(Z1方向側)に配置されている。
第1の部材621および第2の部材622は、ばね623を間に収容している。ばね623は、第1の部材621をZ2方向側に付勢し、第2の部材622をZ1方向側に付勢している。ばね623は、圧縮ばね(圧縮コイルばね)である。ばね623は、第1の部材621は、ばね623を介して第2の部材622に対してZ方向に移動可能に設けられている。また、第2の部材622は、ばね623を介して第1の部材621に対してZ方向に移動可能に設けられている。
第1の部材621と第2の部材622とは、Z方向に延びる回転軸線Bを中心に一体的に回転するように構成されている。具体的には、第1の部材621は、第2の部材622と回転方向に係合する係合凹部621aを有し、第2の部材622は、第1の部材621と回転方向に係合する係合凸部622aを有している。
図4に示すように、一対のガイドレール62は、手術器具4をアダプタ本体部6aに取り付ける際に、手術器具4のY1方向へのスライド移動を案内するように構成されている。具体的には、一対のガイドレール62は、アダプタ本体部6aのZ1方向側の表面63に設けられている。一対のガイドレール62は、Y方向に沿って延びるように設けられている。一対のガイドレール62は、X方向に互いに対向している。
図4および図8に示すように、ロボットアーム21は、フレーム21aと、複数(4個)の駆動部21bと、光センサ21cと、ランプ21dとを有している。複数の駆動部21bの各々は、フレーム21aに取り付けられている。複数の駆動部21bは、アダプタ本体部6aの複数(4個)の駆動伝達部材61に対応するように設けられている。複数の駆動部21bの各々は同様の構成を有しているので、以下では、複数の駆動部21bのうちの1つを参照して説明する。
図9(A)および図9(B)に示すように、駆動部21bは、係合凸部211と、アクチュエータ212と、検出部材213と、ばね214と、エンコーダ215とを含んでいる。
検出部材213は、光センサ21cにより検出されるために設けられている。すなわち、検出部材213は、駆動伝達部材61の第2の部材622(図7(B)参照)のZ方向の移動に伴って移動している。検出部材213は、駆動伝達部材61の第2の部材622のZ2方向への移動により、光センサ21cにおいて照射されている光を遮光する遮光部213aを有している。遮光部213aは、検出部材213の外周部に設けられている。遮光部213aは、Z2方向に沿って突出している。なお、遮光部213aは、駆動伝達部材61の第2の部材622のZ1方向への移動により、光センサ21cにおいて照射されている光を遮光しない。
係合凸部211は、駆動伝達部材61の係合凹部612(図6参照)と係合する。係合凸部211の各々は、駆動部21bのZ1方向側の表面からZ1方向側(アダプタ本体部6a側)に突出している。
アクチュエータ212は、モータを有している。アクチュエータ212は、係合凸部211を回転軸線A回りに回転させるように構成されている。これにより、係合凸部211と係合したアダプタ本体部6aの駆動伝達部材61をZ方向に延びる回転軸線A回りに回転させることができるとともに、駆動伝達部材61と係合した手術器具4の被駆動部材44を回転軸線A回りに回転させることができる。
エンコーダ215は、アクチュエータ212のモータのシャフトの回転角度を検出する。また、エンコーダ215は、シャフトの回転角度に基づいてシャフトの回転速度を検出するために用いられている。エンコーダ215には、モータのシャフトの現在の回転角度を検出するために、アブソリュート形ロータリエンコーダが好適に用いられる。
ここで、制御部141は、エンコーダ215により検出されたモータのシャフトの回転角度に基づく回転速度の変化に基づいて、ロボットアーム21とアダプタ本体部6aとの係合完了を検出することができる。具体的には、制御部141は、エンコーダ215により検出されたモータのシャフトの回転速度がしきい値(たとえば、5[rpm])以下になった場合に、ロボットアーム21とアダプタ本体部6aとの係合完了を検出している。
図10(A)および図10(B)に示すように、光センサ21cは、検出部材213のZ方向の移動に応じた受光量の変化を利用して、アダプタ本体部6aと手術器具4との係合完了を検出することができる。具体的には、光センサ21cは、光を出射する投光部221と、投光部221からの光を受光する受光部222とを有する光透過形のセンサである。
光センサ21cは、検出部材213のZ方向の移動に伴ってZ方向に移動する遮光部213aにより遮光された状態から遮光されない状態に変化することにより、アダプタ本体部6aと手術器具4との係合完了を検出している。つまり、図10(A)に示すように、光センサ21cは、係合凸部441と係合凹部611とが係合しておらず第2の部材622がZ2方向側に位置している場合、投光部221から受光部222へ照射される光が遮光部213aにより遮光されるので、アダプタ本体部6aと手術器具4との係合未完了を検出している。また、図10(B)に示すように、光センサ21cは、係合凸部441と係合凹部611とが係合して第2の部材622がZ1方向側に位置している場合、投光部221から受光部222へ照射される光が遮光部213aにより遮光されないので、アダプタ本体部6aと手術器具4との係合完了を検出している。なお、光センサ21cは、受光時(入光時)にHighを検出し、遮光時にLowを検出するように構成されている。
ランプ21dは、ロボットアーム21とアダプタ本体部6aとの係合完了およびアダプタ本体部6aと手術器具4との係合完了のいずれかの検出結果により点灯状態が変化するように構成されている。
すなわち、ランプ21dは、ロボットアーム21とアダプタ本体部6aとの係合完了の場合に点灯するように構成されている。また、ランプ21dは、ロボットアーム21とアダプタ本体部6aとの係合未完了の場合に消灯するように構成されている。なお、ランプ21dは、ロボットアーム21とアダプタ本体部6aとの係合完了の際に点灯した後、消灯するように構成されている。
また、ランプ21dは、アダプタ本体部6aと手術器具4との係合完了の場合に点灯するように構成されている。また、ランプ21dは、アダプタ本体部6aと手術器具4との係合未完了の場合に消灯するように構成されている。なお、ランプ21dは、アダプタ本体部6aと手術器具4との係合完了の際に点灯した後、消灯するように構成されている。
なお、ランプ21dは、ロボットアーム21とアダプタ本体部6aとの係合完了およびアダプタ本体部6aと手術器具4との係合完了の両方の場合に緑色などの色で点灯してもよい。そして、ロボットアーム21とアダプタ本体部6aとの係合未完了およびアダプタ本体部6aと手術器具4との係合未完了の両方の場合、消灯するのではなく、係合完了を示す色とは異なる赤色などの色で点灯してもよい。また、ランプ21dは、ロボットアーム21とアダプタ本体部6aとの係合完了時に点灯する色と、アダプタ本体部6aと手術器具4との係合完了時に点灯する色とを異なる色にしてもよい。
(ストッパの構成)
図4に示すように、アダプタ6は、駆動部21bと手術器具4との間に配置され、駆動部21bからの駆動力を手術器具4に伝達するために回転する駆動伝達部材61を有するアダプタ本体部6aに対して装着されるストッパ6bを有している。
図11および図12に示すように、ストッパ6bは、アダプタ本体部6a(図4参照)の駆動伝達部材61の回転位置を位置固定した状態でアダプタ本体部6aを保持するように構成されている。ここで、位置固定とは、アダプタ本体部6aの駆動伝達部材61の回転角度を位置決めして保持することを示す。
具体的には、ストッパ6bは、ストッパ本体部64と、ストッパ本体部64に設けられ、駆動伝達部材61(図4参照)の回転を規制する回転規制部65とを備えている。ストッパ本体部64は、駆動部21b(図4参照)にアダプタ本体部6aを組み付ける際には回転規制部65により駆動伝達部材61の回転を規制した状態でアダプタ本体部6aに装着されているとともに、駆動部21bにアダプタ本体部6aを組み付けた後にはアダプタ本体部6aから取り外されているように構成されている。これにより、駆動部21bにアダプタ本体部6aを介して手術器具4を装着する際にはストッパ6bは取り外されているので、アダプタ本体部6a自体に駆動伝達部材61の回転を規制するための構造を設ける必要がない。この結果、駆動部21bにアダプタ本体部6aを介して手術器具4を装着するため、アダプタ本体部6aに余分な内部構造および内部空間を設けることなくストッパ6bの回転規制部65により駆動伝達部材61の回転を規制することができるので、駆動部21bによる駆動伝達部材61の連れ回りを防止することができるとともに、アダプタ本体部6aの構造の複雑化および大型化を抑制することができる。
ストッパ本体部64は、ポリプロピレンなどの樹脂材により形成されている。ストッパ本体部64は、肉厚を薄くして形成されている。ストッパ本体部64は、Z1方向側から視て、アダプタ本体部6aのZ1方向側の表面63(図4参照)に対応する形状を有している。ストッパ本体部64のZ1方向側の表面は、略平面状により形成されている。ストッパ本体部64のZ2方向側の表面は、肉厚を薄くするために複数の凹凸を有している。
〈取付部の構成〉
ストッパ本体部64は、アダプタ本体部6a(図4参照)にストッパ本体部64を取り外し可能に取り付ける取付部664を含んでいる。これにより、回転規制部65とは別個にストッパ本体部64をアダプタ本体部6aに取り付ける取付部664をストッパ本体部64に設けることができるので、回転規制部65に取付部664の機能を兼ねさせる場合と異なり、ストッパ6bの回転規制部65を簡易な構成にすることができる。
つまり、取付部664は、アダプタ本体部6aに対するストッパ本体部64の位置を固定した状態で取り付けるとともに、アダプタ本体部6aに対するストッパ本体部64の位置の固定を解除した状態で取り外すように構成されている。具体的には、取付部664は、一対の係合部664aと、一対の撓み部664bと、一対の取手部664cとを有している。
ストッパ6bに、ストッパ本体部64に設けられ、アダプタ本体部6aにストッパ本体部64を取り外し可能に取り付ける取付部664を設ける。ストッパ本体部64を、取付部664によってアダプタ本体部6aに取り付けられた状態で回転規制部65により駆動伝達部材61の回転を規制するように構成する。これにより、駆動部21bにアダプタ本体部6aを組み付けた後には取付部664によりアダプタ本体部6aから取り外すことができるので、駆動部21bにアダプタ本体部6aを介して手術器具4を装着する際にはストッパ6bは取り外すことができる。したがって、アダプタ本体部6a自体に駆動伝達部材61の回転を規制するための構造を設ける必要がない。この結果、アダプタ本体部6aに余分な内部構造および内部空間を設けることなくストッパ6bの回転規制部65により駆動伝達部材61の回転を規制することができるので、駆動部21bによる駆動伝達部材61の連れ回りを防止することができるとともに、アダプタ本体部6aの構造の複雑化および大型化を抑制することができる。
取付部664は、アダプタ本体部6aをストッパ本体部64に取り付けた状態において、ストッパ本体部64のアダプタ本体部6a(図4参照)に対する相対移動を規制するように構成されている。
具体的には、図12および図13に示すように、取付部664は、アダプタ本体部6aに取り外し可能に係合するとともに、アダプタ本体部6aに対するストッパ本体部64の移動を規制する一対の係合部664aを含んでいる。これにより、一対の係合部664aによりアダプタ本体部6aに対するストッパ本体部64の移動を規制することにより、駆動伝達部材61の回転に起因するストッパ本体部64の移動(連れ回り)を一対の係合部664aにより抑制することができる。この結果、回転規制部65によりアダプタ本体部6aの駆動伝達部材61をより容易に回転を規制した状態にすることができる。また、ストッパ本体部64に一対の係合部664aを設けるだけで、アダプタ本体部6aにストッパ6bを取り外し可能に取り付けることができるので、ストッパ本体部64に設けられるストッパ6bをアダプタ本体部6aに取り外し可能に取り付けるための構成を簡易な構成にすることができる。また、ストッパ本体部64は一対の係合部664aによりアダプタ本体部6aにおける対称的な位置を係合した状態でアダプタ本体部6aに取り付けられる。この結果、アダプタ本体部6aにストッパ本体部64を取り付けた後、アダプタ本体部6aに対するストッパ本体部64の位置ずれが生じることを抑制することができる。
一対の係合部664aは、ストッパ本体部64のZ方向の移動およびZ方向に平行なストッパ本体部64の中心軸線C1回りの回転を規制するように構成されている。ここで、一対の取手部664cの互いに対向する方向(X方向)において、一対の係合部664aは、それぞれ、一対の取手部664cの中心軸線C1側の内表面から中心軸線C1側に突出している。アダプタ本体部6aとストッパ6bとが隣り合う方向(Z方向)において、一対の係合部664aは、それぞれ、一対の取手部664cのアダプタ本体部6a側に形成されている。一対の係合部664aは、手術器具4の延びる方向(Y方向)において、複数箇所(2箇所)に分けて設けられている。このような一対の係合部664aは、アダプタ本体部6aの移動規制面にZ2方向側から当接することにより、ストッパ本体部64のZ方向の移動を規制している。
詳細には、一対の係合部664aは、アダプタ本体部6aに設けられ、手術器具4のアダプタ本体部6aへの取り付けを案内する一対のガイドレール62(図4参照)に取り外し可能に係合している。これにより、手術器具4の取り付けおよびストッパ6bの取り付けの際、アダプタ本体部6aに一対のガイドレール62とは別個にストッパ6bを取り付けるための構造を設ける必要がないので、アダプタ本体部6aの構造の複雑化および大型化をより抑制することができる。
ストッパ本体部64のZ方向の移動は、一対の係合部664aの各々のZ1方向側の部分と一対のガイドレール62のうち一対の係合部664aに対向する部分とをZ方向に当接させることにより規制されている。ストッパ本体部64の中心軸線C1回りの回転は、一対の係合部664aのそれぞれの中心軸線C1側の部分と一対のガイドレール62の中心軸線C1とは逆側の部分とをX方向に当接させることにより規制されている。
一対の撓み部664bは、それぞれ、一対の取手部664cの移動に伴って弾性変形するように構成されている。ここで、一対の取手部664cの対向する方向(X方向)において、一対の撓み部664bは、一対の取手部664cとストッパ本体部64とを接続している。一対の撓み部664bの各々は、アダプタ本体部6aとストッパ6bとが隣接する方向(Z方向)において薄い薄板状に形成されている。一対の撓み部664bの各々は、手術器具4の延びる方向(Y方向)に平行なストッパ本体部64の中心軸線C2(図14参照)回りの周方向Dにおいて、周方向Dの一方向である方向D1および周方向Dの他方向である方向D2に弾性変形可能である。一対の撓み部664bの肉厚は、それぞれ、一対の取手部664cの肉厚よりも薄い。
また、取付部664は、アダプタ本体部6aのZ1方向側の表面63に直交する方向(Z方向)に沿って、ストッパ本体部64をアダプタ本体部6aに近付けて取り付け可能とするとともに、ストッパ本体部64をアダプタ本体部6aから離して取り外し可能とするように構成されている。
具体的には、取付部664は、ストッパ本体部64の一部を弾性変形させることにより、アダプタ本体部6aから離れる方向D2か、または、アダプタ本体部6aに近づく方向D1に一対の係合部664aを移動させる一対の取手部664cを有する。これにより、一対の取手部664cによりストッパ本体部64の一部を弾性変形させることのみにより、一対の係合部664aによるアダプタ本体部6aへの取り付けおよびアダプタ本体部6aからの取り外しを行うことができるので、ストッパ6bをアダプタ本体部6aに着脱するための作業を容易に行うことができる。
つまり、一対の取手部664cの移動に伴う一対の係合部664aの移動により、ストッパ6bの取付状態とストッパ6bの取付解除状態とが切り替えられる。詳細には、手術器具4の延びる方向に平行なストッパ本体部64の中心軸線C2(図14参照)回りの周方向Dにおいて、一対の撓み部664bを中心軸線C1側に弾性変形させて、ストッパ6bが取付解除状態になる。また、手術器具4の延びる方向に平行なストッパ本体部64の中心軸線C2回りの周方向Dにおいて、取付解除状態から一対の撓み部664bを中心軸線C1とは逆側に戻して、ストッパ6bが取付状態になる。取付状態では、取付部664の一対の係合部664aが、アダプタ本体部6aの一対のガイドレール62をX方向に挟み込んでいる。
〈回転規制部〉
図13および図14に示すように、回転規制部65は、手術器具4の延びる方向(Y方向)に平行なストッパ本体部64の中心軸線C2に対して、駆動伝達部材61の回転軸線C1回りの周方向Rに所定角度θ傾斜するように設けられている。これにより、アダプタ本体部6aと手術器具4とが係合する際の駆動伝達部材61の位置から所定角度θ分だけずれた位置に駆動伝達部材61の位置を固定した状態にすることができる。この結果、アダプタ本体部6aに手術器具4を取り付ける際、駆動伝達部材61が回転する回転角度を十分に確保することができるので、駆動伝達部材61がほとんど回転せずに不完全に手術器具4と係合するのを抑制することができる。この結果、アダプタ本体部6aへの手術器具4の装着を確実に行うことができる。
ここで、周方向Rのうち、一方側を第1周方向R1とし、他方側を第2周方向R2とする。
詳細には、回転規制部65は、アダプタ本体部6aに手術器具4を取り付ける際、手術器具4の係合凸部441(図5参照)が対応するアダプタ本体部6aの係合凹部611の縁に載置されないように、アダプタ本体部6aの係合凹部611の初期状態を所定角度θ傾斜させた状態に位置を固定した状態にするように構成されている。なお、初期状態とは、アダプタ本体部6aに手術器具4を取り付ける際において、手術器具4の係合凸部441と、対応するアダプタ本体部6aの係合凹部611とを係合させる動作を行う開始時の状態を示す。
また、所定角度θとは、初期状態において、手術器具4の係合凸部441(図5参照)と、対応するアダプタ本体部6aの係合凹部611とを完全に係合しない状態にする角度を示す。所定角度θは、たとえば、中心軸線C2に対して第1周方向R1または第2周方向R2のいずれかに5度以上80度以下とすることができる。なお、所定角度θは、手術器具4の係合凸部441とアダプタ本体部6aの係合凹部611との係合に要する時間および確実な係合という観点から、中心軸線C2に対して第1周方向R1または第2周方向R2のいずれかに略45度傾斜していることが好ましい。
回転規制部65は、アダプタ本体部6aの係合凹部611の内側面に当接することにより、中心軸線C2に対して、ストッパ本体部64の中心軸線C1回りの第1周方向R1または第2周方向R2のいずれかに所定角度θ傾斜させた状態で駆動伝達部材61の回転を規制するように構成されている。
具体的には、ストッパ6bの回転規制部65は、駆動伝達部材61に設けられて駆動伝達部材61の手術器具4側の表面から手術器具4側とは反対側に向かって窪むアダプタ本体部6aの係合凹部611に嵌合する嵌合凸部665を含んでいる。嵌合凸部665は、所定角度θ傾斜した状態でストッパ本体部64に設けられている。これにより、嵌合凸部665を、アダプタ本体部6aの駆動伝達部材61の係合凹部611に嵌合させることにより、駆動伝達部材61の回転を所定角度θ傾斜した状態で規制することができるので、アダプタ本体部6a自体に新たな構成を付加することなく、駆動伝達部材61の回転を規制することができる。この結果、アダプタ本体部6aの構造の複雑化および大型化をより抑制することができる。
嵌合凸部665は、ストッパ本体部64のZ2方向側の表面に設けられている。嵌合凸部665は、ブロック形状(略直方体形状)を有している。嵌合凸部665は、ストッパ本体部64のZ2方向側の表面からZ2方向に沿って突出している。Z方向において、嵌合凸部665は、ストッパ本体部64の厚み内に収まる突出長さを有している。嵌合凸部665は、中心軸線C2に対して所定角度θ傾斜した方向に複数(2個)に分かれている。
嵌合凸部665は、中心軸線C2に対して第1周方向R1または第2周方向R2のいずれかに所定角度θ傾斜された方向に延びている。つまり、嵌合凸部665は、アダプタ本体部6aの係合凹部611に対して第1周方向R1または第2周方向R2のいずれかに相対的に所定角度θ傾斜していている。
また、嵌合凸部665は、作業者の手動によるアダプタ本体部6aの係合凹部611の回転により、アダプタ本体部6aの係合凹部611に嵌合している。ここで、嵌合凸部665は、アダプタ本体部6aの係合凹部611に微小な隙間を設けて挿入された状態(すなわち、すきまばめの状態)で嵌合している。
嵌合凸部665は、嵌合凸部665とアダプタ本体部6aの係合凹部611とを嵌合させた状態において、アダプタ本体部6aの係合凹部611の内側面に当接することにより、駆動部21bの係合凸部211の回転に伴うアダプタ本体部6aの係合凹部611の回転を規制している。また、嵌合凸部665は、嵌合凸部665とアダプタ本体部6aの係合凹部611とを嵌合させた状態において、アダプタ本体部6aの係合凹部611の内側面に当接することにより、ストッパ本体部64のアダプタ本体部6aに対するX方向およびY方向の相対的な移動を規制している。
嵌合凸部665は、複数(4個)設けられている。これにより、アダプタ本体部6aの駆動伝達部材61に複数の係合凹部611が設けられる場合でも、アダプタ本体部6aに新たな構成を付加することなく、複数の駆動伝達部材61の各々の回転を規制することができる。この結果、アダプタ本体部6aの構造の複雑化および大型化をより一層抑制することができる。
嵌合凸部665は、アダプタ本体部6aの手術器具4側の表面63に対向するストッパ本体部64の表面に複数設けられている。複数の嵌合凸部665は、それぞれ、作業者の手動による駆動部21bの係合凸部211の回転に伴うアダプタ本体部6aの係合凹部611の回転により、アダプタ本体部6aの対応する複数の係合凹部611に確実に嵌合する位置に配置されている。
複数の嵌合凸部665は、手術器具4の延びる方向に平行なストッパ本体部64の中心軸線C2に対して線対称となるように設けられている。これにより、ストッパ本体部64の中心軸線C2に対して互いに逆方向に駆動伝達部材61を回転させることにより、複数の係合凹部611のそれぞれを複数の嵌合凸部665に係合させることができるので、アダプタ本体部6aにストッパ6bを取り付ける際の作業を容易に行うことができる。
詳細には、嵌合凸部665は、X方向において、ストッパ本体部64の中心軸線C2よりもX1方向側の部分とストッパ本体部64の中心軸線C2よりもX2方向側の部分とに同数ずつ(2個ずつ)設けられている。複数の嵌合凸部665のうちの2個は、中心軸線C2の延びる方向に対して第2周方向R2に所定角度θ傾斜した状態で、ストッパ本体部64の中心軸線C2よりもX1方向側の部分にY方向に沿って並んで配置されている。複数の嵌合凸部665のうちの2個は、中心軸線C2の延びる方向に対して第1周方向R1に所定角度θ傾斜した状態で、ストッパ本体部64の中心軸線C2よりもX2方向側の部分にY方向に沿って並んで配置されている。
〈規制部側凹部〉
回転規制部65は、Z方向において、ストッパ本体部64における嵌合凸部665を設けた部分の肉厚を抑制するように構成されている。
具体的には、回転規制部65は、嵌合凸部665の周りに、アダプタ6側とは反対側(Z1方向側)に向かって窪む規制部側凹部666を含んでいる。規制部側凹部666は、駆動伝達部材61の外周部分が挿入されるように構成されている。これにより、ストッパ本体部64の嵌合凸部665が設けられる部分近傍の肉厚を小さくすることできるので、ストッパ本体部64の成形の際に生じるストッパ本体部64の収縮を減少させることができる。この結果、ストッパ本体部64内に応力の偏りが生じることをより抑制することができる。また、ストッパ本体部64のZ方向の厚みを抑制することができるとともに、アダプタ本体部6aの係合凹部611に嵌合凸部665を十分に挿入させることができる。
詳細には、規制部側凹部666は、ストッパ6bの嵌合凸部665とアダプタ本体部6aの係合凹部611との嵌合状態において、嵌合凸部665のZ1方向側の根元部までアダプタ本体部6aの係合凹部611内に嵌合凸部665を挿入することにより、駆動伝達部材61の外周部分を挿入可能なように構成されている。Z方向において、規制部側凹部666は、ストッパ本体部64のZ2方向側の部分からZ1方向側に向かって窪んでいる。Z方向において、規制部側凹部666の長さは、嵌合凸部665の突出長さよりも大きい。Z方向において、規制部側凹部666の長さは、ストッパ本体部64の最大厚みよりも小さい。
また、Z2方向側から視て、規制部側凹部666の形状は、駆動伝達部材61の形状に合わせて形成されている。ここで、Z2方向側から視て、規制部側凹部666は、駆動伝達部材61よりも内径が大きくなるように形成されている。
〈識別部〉
ストッパ本体部64は、ストッパ6bをアダプタ本体部6aに取り付ける際、補助者Sp(図1参照)が正しい向きを認識できるように構成されている。
具体的には、ストッパ本体部64は、ストッパ6bをアダプタ本体部6a(図4参照)に取り付ける際、手術器具4の延びる方向におけるストッパ6bの向きを識別する識別部667を含んでいる。これにより、ストッパ6bを正しい姿勢でアダプタ本体部6aに取り付けることができるので、ストッパ6bをアダプタ本体部6aに取り付ける作業の作業性を向上させることができる。
識別部667は、第1識別部分667a、および、第2識別部分667bを有している。
第1識別部分667aは、手術器具4の延びる方向(Y方向)において、ストッパ本体部64の一方側の部分を他方側の部分よりも小さくなるように構成されている。つまり、Y方向において、第1識別部分667aは、取手部181cのX方向に延びる中央線C3よりもY2側の部分の長さL1(図14参照)よりもY1側の部分の長さL2(図14参照)を小さくすることにより構成されている。
第2識別部分667bは、手術器具4の延びる方向(Y方向)において、ストッパ本体部64の一方側の端部にのみ切り欠き667cを形成することにより構成されている。つまり、第2識別部分667bは、Y方向において、取手部181cの中央線C3よりもY2側の部分には切り欠き667cを形成することなく、Y1側の部分に切り欠き667cを形成することにより構成されている。ここで、切り欠き667cは、ストッパ本体部64をZ2方向側の端部からZ1方向に向かって窪んでいる。
(アダプタの組立方法)
以下に、図15〜図17を参照して、アダプタ本体部6aおよびストッパ6bを含むアダプタ6の組立方法について説明する。この組立方法により、アダプタ本体部6aの係合凹部611を所定角度θ傾斜させて位置固定した状態を保持可能なアダプタ6が作成される。なお、図16および図17では、理解の容易化のために、アダプタ本体部6aにも中心軸線C2を付している。また、理解の容易化のために、アダプタ本体部6aにも第1周方向R1および第2周方向R2を付している。
図15に示すように、ステップS1において、作業者は、アダプタ本体部6aを組み立てる。
ステップS2において、作業者は、アダプタ本体部6aにストッパ6bを取り付ける。すなわち、図16に示すように、作業者は、取付解除状態のストッパ6bをアダプタ本体部6aに近付けて、ストッパ6bの嵌合凸部665とアダプタ本体部6aの駆動伝達部材61とを当接させた状態で、ストッパ6bを取付状態にする。これにより、ストッパ6bの一対の係合部664aのそれぞれとアダプタ本体部6aの一対のガイドレール62のそれぞれとが係合する。なお、この際、ストッパ6bの嵌合凸部665は、中心軸線C2の延びる方向に対して所定角度θ傾斜した状態である。一方、アダプタ本体部6aの係合凹部611は、中心軸線C2の延びる方向に対して略平行な状態である。ここで、アダプタ本体部6aの係合凹部611は、中心軸線C2の延びる方向に対して略平行な状態である場合に限られず、例えば、所定角度θとは異なる角度だけ中心軸線C2の延びる方向に対して傾斜していてもよい。
図15に示すように、ステップS3において、作業者は、アダプタ本体部6aの駆動伝達部材61を回転させてアダプタ本体部6aの係合凹部611とストッパ6bの嵌合凸部665とを嵌合させる。すなわち、図17に示すように、作業者は、アダプタ本体部6aにストッパ6bを取り付けた状態で、手動(たとえば、工具を用いたり、直接手で操作したりなど)によりアダプタ本体部6aの駆動伝達部材61を回転させて、アダプタ本体部6aの係合凹部611とストッパ6bの嵌合凸部665とを嵌合させる。ここで、作業者は、アダプタ本体部6aの複数の係合凹部611のうち中心軸線C2に対して一方側のアダプタ本体部6aの係合凹部611を第1周方向R1に回転させる。作業者は、アダプタ本体部6aの複数の係合凹部611のうち中心軸線C2に対して他方側のアダプタ本体部6aの係合凹部611を第2周方向R2に回転させる。
これにより、アダプタ本体部6aの係合凹部611を所定角度θ傾斜した状態で位置を固定させた状態である回転規制状態のアダプタ6が組み立てられる。そして、作業者によるアダプタ6の組立が終了する。なお、アダプタ6とドレープ7(図4参照)とを合わせて梱包したものが生産物として出荷される。
(手術器具のロボットアームへの装着方法)
以下に、図18〜図20を参照して、手術器具4のアダプタ本体部6aを介したロボットアーム21への装着方法について説明する。ここで、手術器具4のアダプタ本体部6aを介したロボットアーム21への装着は、作業者としての補助者Sp(図1参照)により行われている。なお、図19および図20では、理解の容易化のために、アダプタ本体部6aおよび駆動部21bにも中心軸線C2を付している。また、理解の容易化のために、アダプタ本体部6aおよび手術器具4にも第1周方向R1および第2周方向R2を付している。
図18に示すように、ステップS11において、作業者は、ストッパ6bを取り付けた状態のアダプタ6をロボットアーム21に取り付ける。この際、駆動伝達部材61の係合凹部612(図6参照)とロボットアーム21の係合凸部211とが嵌合していない。
ステップS12において、作業者は、ランプ21dが点灯するまでロボットアーム21の駆動部21bを回転させる。すなわち、図19に示すように、ロボットアーム21の係合凸部211は、制御部141により自動もしくは作業者からの操作に基づく駆動部21bの駆動によって、駆動伝達部材61の係合凹部612に嵌合される。ロボットアーム21の係合凸部211と駆動伝達部材61の係合凹部612との嵌合は、エンコーダ215の検知結果に基づいて検知させる。すなわち、ロボットアーム21の係合凸部211の回転速度が小さくなったことにより、エンコーダ215によりロボットアーム21の係合凸部211と駆動伝達部材61の係合凹部612との嵌合が検知される。この際、ロボットアーム21のランプ21dが点灯して作業者に、ロボットアーム21の係合凸部211と駆動伝達部材61の係合凹部612との嵌合完了を報知する。ロボットアーム21の係合凸部211と駆動伝達部材61の係合凹部612との嵌合が検知されると、制御部141はロボットアーム21の係合凸部211の回転を停止させる。
ここで、ロボットアーム21の係合凸部211と駆動伝達部材61の係合凹部612とが嵌合した状態であっても、アダプタ本体部6aにはストッパ6bが取り付けられているので、駆動部21bの回転に伴って駆動伝達部材61が回転しない。すなわち、駆動部21bによる駆動伝達部材61の連れ回りを防止することができる。
図18に示すように、ステップS13において、作業者は、ストッパ6bをアダプタ本体部6aから取り外す。ステップS14において、作業者は、手術器具4をアダプタ本体部6aに取り付ける。この際、アダプタ本体部6aの係合凹部611と手術器具4の係合凸部441とが嵌合していない。
ステップS15において、作業者は、ランプ21dが点灯するまでロボットアーム21の駆動部21bを回転させる。すなわち、図20に示すように、手術器具4の係合凸部441は、制御部141により自動若しくは作業者からの操作に基づく駆動部21bの駆動によって、アダプタ本体部6aの係合凹部611に嵌合される。手術器具4の係合凸部441とアダプタ本体部6aの係合凹部611との嵌合は、光センサ21cの検知結果に基づいて検知させる。すなわち、投光部221からの光が駆動部21bの遮光部213aにより遮光されないことにより、光センサ21cにより、手術器具4の係合凸部441とアダプタ本体部6aの係合凹部611との嵌合が検知される。この際、ロボットアーム21のランプ21dが点灯して作業者に、手術器具4の係合凸部441とアダプタ本体部6aの係合凹部611との嵌合完了を報知する。ここで、嵌合状態を検知するセンサは光センサに限られず、嵌合の状態変化により生じる検出部材213の高さ変化を検知するセンサであればよく、例えば磁気センサなどであってもよい。
これにより、手術器具4がアダプタ本体部6aを介してロボットアーム21に装着される。そして、作業者による手術器具4のロボットアーム21への装着が終了する。
なお、手術器具4を交換するごとに上記ロボットアーム21への手術器具4の装着が行われるが、手術器具4を交換するごとに使用済みのアダプタ6を廃棄して新しいアダプタ6を用いてもよい。また、手術器具4を交換するごとに使用済みのアダプタ6のうちアダプタ本体部6aを廃棄してストッパ6bを再利用して、新しいアダプタ本体部6aに取り付けてもよい。
[第2実施形態]
次に、図21〜図40を参照して、第2実施形態のストッパ806bについて説明する。この第2実施形態では、ストッパ6bを備える第1実施形態のアダプタ6とは異なり、駆動伝達部材861の回転軸線Bの延びる方向へ変形可能な回転規制部8163を含むストッパ806bを備えるアダプタ806について説明する。なお、図中において上記第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付して図示する。
図21に示すように、第2実施形態のロボット手術システム200は、遠隔操作装置1と、患者側装置2とを備えている。遠隔操作装置1は、操作ハンドル11と、操作ペダル部12と、表示部13と、制御装置14とを含んでいる。患者側装置2は、手術器具4と、内視鏡5と、ロボットアーム21と、ロボットアーム22とを含んでいる。
(手術器具、アダプタ、ドレープおよびロボットアームの構成)
図22〜図38を参照して、被駆動部材4aを含む手術器具4、アダプタ本体部806aを有するアダプタ806、ドレープ7およびロボットアーム21の構成について説明する。
図22および図23に示すように、複数の被駆動部材4aは、各々、ロボットアーム21からの駆動力をエンドエフェクタ43に伝達されるために、アダプタ本体部806aの駆動伝達部材861と係合する係合凸部441を含んでいる。係合凸部441は、被駆動部材4aのZ2方向側の表面からアダプタ本体部806a側(Z2方向側)に向かって突出している。また、係合凸部441は、直線状に並んだ複数の凸部を含んでいる。
図24および図25に示すように、アダプタ本体部806aは、複数(4個)の駆動伝達部材861を有している。ここで、複数の駆動伝達部材861のうちY1方向側の2個の駆動伝達部材861(以下、第1駆動伝達部材862とする)は、同じ形状を有している。また、複数の駆動伝達部材861のうちY2方向側の2個の駆動伝達部材861(以下、第2駆動伝達部材863とする)は、同じ形状を有している。なお、図25では、アダプタ本体部806aの上面を覆うストッパ806bが取り外されている。
まず、図26および図27を参照して、Y1方向側の第1駆動伝達部材862について説明する。Y1方向側の2個の第1駆動伝達部材862は、どちらも同じ形状なのでX1方向側に配置された第1駆動伝達部材862の構成についてのみ説明する。
第1駆動伝達部材862は、第1部分8611と、第2部分8612と、ばね8613とを含んでいる。第1部分8611および第2部分8612は、略円筒形状を有している。第1部分8611は、Z1方向側に配置されている。第2部分8612は、Z2方向側に配置されている。ばね8613は、圧縮ばね(圧縮コイルばね)である。ばね8613は、第2部分8612内に収容されている。ばね8613は、第1部分8611をZ1方向側に付勢し、第2部分8612をZ2方向側に付勢している。
第1部分8611は、係合凹部8611aと、貫通孔8611bとを有している。
係合凹部8611aは、回転軸線B(図24参照)の延びる方向に直交する方向に延びる凹部により形成されている。係合凹部8611aは、手術器具4の被駆動部材4aの係合凸部441と係合する。係合凹部8611aは、駆動伝達部材861の手術器具4側(Z1方向側)に設けられている。係合凹部8611aは、駆動伝達部材861のZ1方向側の表面から手術器具4側とは反対側(Z2方向側)に向かって窪んでいる。貫通孔8611bは、第1部分8611の係合凹部8611aが設けられた部分を貫通している。貫通孔8611bは、後述する突起8612bに対応するように形成されている。
第2部分8612は、係合凹部8612aと、突起8612bとを有している。
係合凹部8612aは、回転軸線B(図24参照)の延びる方向に直交する方向に延びる凹部により形成されている。係合凹部8612aは、ロボットアーム21の係合凸部211と係合する。係合凹部8612aは、駆動伝達部材861のロボットアーム21側(Z2方向側)に設けられている。係合凹部8612aは、駆動伝達部材861のZ2方向側の表面からロボットアーム21側とは反対側(Z1方向側)に向かって窪んでいる。係合凹部8612aおよび係合凹部8611aは、Z方向から視て、互いに直交するように配置されている。突起8612bは、駆動伝達部材861の回転軸線Bの延びる方向に沿って延びている。また、突起8612bは、第1部分8611の貫通孔8611bに挿入されている。
また、図28および図29を参照して、Y2方向側の第2駆動伝達部材863について説明する。Y2方向側の2個の第2駆動伝達部材863は、どちらも同じ形状なのでX1方向側に配置された第2駆動伝達部材863の構成についてのみ説明する。
第2駆動伝達部材863は、第1部分8621と、第2部分8622と、ばね8623とを含んでいる。第1部分8621は、係合凹部8621aと、貫通孔8621bとを有している。第2部分8622は、係合凹部8622aと、突起8622bとを有している。なお、第2駆動伝達部材863の構成は、係合凹部以外の構成は第1駆動伝達部材862と同じなので係合凹部以外の構成の説明は省略する。
係合凹部8621aは、回転軸線B(図24参照)の延びる方向に直交する方向に複数(2個)並んだ凹部により形成されている。係合凹部8621aおよび係合凹部8622aは、Z方向から視て、互いに直交するように配置されている。
アダプタ806は、図30および図31に示すように、アーム係合部866を有している。アーム係合部866は、アダプタ本体部806aの内部に配置されている。アーム係合部866は、アダプタ本体部806a内をY方向にスライド移動可能に配置されている。アーム係合部866は、係合部8661aと、係合部8661bと、係合部8661cと、規制部8662と、操作部8663とを有している。アーム係合部866では、係合部8661aと、係合部8661bと、係合部8661cと、規制部8662と、操作部8663とが一体的に形成されている。また、アーム係合部866は、付勢部材867によりY1方向に付勢されている。なお、アーム係合部866は、特許請求の範囲の「駆動部用係合部」の一例である。
係合部8661aは、アーム係合部866のY1方向側の部分に設けられている。係合部8661cは、アーム係合部866のY2方向側の端部に設けられている。係合部8661bは、Y方向において、係合部8661aと係合部8661cとの間に配置されている。
規制部8662は、アダプタ本体部806aに手術器具4が取り付けられた場合、手術器具4に当接してアーム係合部866の移動を規制する。具体的には、規制部8662は、手術器具4側に突出するように設けられている。また、操作部8663は、付勢部材867の付勢力に抗してアーム係合部866をY2方向に移動させるために設けられている。操作部8663は、作業者によりY2方向に引っ張られて操作される。
図32に示すように、ロボットアーム21は、フレーム21aと、複数(4個)の駆動部21b(図8参照)とを有している。また、駆動部21bは、係合凸部211と、アクチュエータ212(図8参照)とを有している。また、ロボットアーム21は、係合凸部8213aと、係合凸部8213bと、係合凸部8213cとを備えている。
係合凸部211は、駆動伝達部材861の係合凹部8612aおよび係合凹部8622aと係合する。係合凸部211は、駆動部21bのZ1方向側の表面からZ1方向側(アダプタ本体部806a側)に向かって突出している。また、各係合凸部211は、線対称な形状を有している。アクチュエータ212は、モータを有している。アクチュエータ212は、係合凸部211をZ方向に延びる回転軸線A回りに回転させるように構成されている。
係合凸部8213bは、複数(2個)設けられている。係合凸部8213cは、複数(2個)設けられている。
係合凸部8213a、係合凸部8213bおよび係合凸部8213cは、アダプタ6に係合するように構成されている。具体的には、係合凸部8213a、係合凸部8213bおよび係合凸部8213cには、溝2131が設けられている。溝2131は、Y2方向に開口している。溝2131には、アダプタ806のアーム係合部866の係合部8661a、係合部8661bおよび係合部8661cが係合する。
ここで、アーム係合部866がY1方向に移動した際、係合部8661a、係合部8661bおよび8661cは、係合凸部8213a、係合凸部8213bおよび係合凸部8213cと係合する。これにより、ロボットアーム21とアダプタ806とが係合される。また、アーム係合部866がY2方向に移動した際、係合部8661a、係合部8661bおよび係合部8661cと、係合凸部8213a、係合凸部8213bおよび係合凸部8213cとの係合が解除される。これにより、ロボットアーム21とアダプタ806との係合が解除される。
(ストッパの構成)
図33および図34に示すように、アダプタ806は、アダプタ本体部806aに対して装着されるストッパ806bを有している。第2実施形態のストッパ806bは、アダプタ本体部806aに装着されるとき、アダプタ本体部806aの駆動伝達部材861に対応する箇所が独立して変形可能に構成されている。
具体的には、ストッパ806bは、ストッパ本体部8161と、取付部8162と、回転規制部8163とを有している。なお、取付部8162の構成は、第1実施形態のストッパ6bと同様の構成であるので説明は省略する。
〈回転規制部〉
回転規制部8163は、アダプタ本体部806aに装着されるときに、アダプタ本体部806aの駆動伝達部材861の回転軸線B(図24参照)の延びる方向に移動可能に構成されている。
これにより、ストッパ806bをアダプタ本体部806aに装着されるときに、回転規制部8163と駆動伝達部材861とが当接することにより、回転規制部8163が駆動伝達部材861から離れる方向に移動可能であるので、駆動伝達部材861に過剰な荷重がかかることを抑制することができる。この結果、後述する嵌合凸部8163bが係合凹部8611a又は係合凹部8621aに嵌合するまで、駆動伝達部材861を円滑に回転させることができる。
また、回転規制部8163は、アダプタ本体部806aに複数配置される駆動伝達部材861に対応して複数設けられている。複数の回転規制部8163は、互いに独立して、アダプタ本体部806aの駆動伝達部材861の回転軸線Bの延びる方向に移動可能に構成されている。
これにより、複数の駆動伝達部材861のいずれかが対応する複数の回転規制部8163のうちのいずれかに嵌合した場合であっても、嵌合していない残りの回転規制部8163が独立して回転軸線Bの延びる方向に移動することにより、嵌合していない残りの回転規制部8163が駆動伝達部材861に押し付けられないようにすることができる。この結果、嵌合していない残りの回転規制部8163に対応する駆動伝達部材861の回転が妨げられないようにすることができる。
回転規制部8163は、後述する支持梁8202により、アダプタ本体部806aの駆動伝達部材861の回転軸線B(図24参照)の延びる方向(Z方向)に撓んで移動するように構成されている。ここで、回転規制部8163は、ストッパ本体部8161に複数(4個)設けられているが、全て同じ形状であるので、1つの回転規制部8163についてのみ説明する。
図34および図35に示すように、回転規制部8163は、基台部8163aと、嵌合凸部8163bとを有している。基台部8163aは、略円筒形状を有している。基台部8163aは、アダプタ本体部806aの駆動伝達部材861のZ1方向側の表面に当接する位置に配置されている。Z方向に直交する方向において、基台部8163aの直径は、アダプタ本体部806aの駆動伝達部材861のZ1方向側の表面の直径に対応して形成されている。基台部8163aは、Z2方向に向かってストッパ本体部8161から突出した凸形状を有している。なお、基台部8163aは、Z2方向に向かってストッパ本体部8161から突出した凸形状に限られず、Z1方向に向かって窪んだ凹形状を有していてもよい。
嵌合凸部8163bは、手術器具4の延びる方向(Y方向)に平行なストッパ本体部8161の中心軸線C2に対して、周方向Rに所定角度θ傾斜するように設けられている。ここで、嵌合凸部8163bは、複数の基台部8163aの各々のZ2方向側の表面に設けられている。複数(4個)の嵌合凸部8163bは、ストッパ本体部8161の中心軸線C2に対して、同じ所定角度θ傾斜するように設けられている。詳細には、複数の嵌合凸部8163bは、ストッパ本体部8161の中心軸線C2に対して、第2周方向R2側に同じ所定角度θ傾斜するように設けられている。なお、嵌合凸部8163bは、中心軸線C2に対して、第1周方向R1に所定角度θ傾斜するように設けられてもよい。
以下の説明では、複数の嵌合凸部8163bは、同じ構成を有しているので、1つの嵌合凸部8163bについてのみ説明する。
嵌合凸部8163bは、アダプタ本体部806aの係合凹部8611a又は係合凹部8621aの内側面に当接することにより、中心軸線C2に対して、第2周方向R2に所定角度θ傾斜させた状態で駆動伝達部材861の回転を規制するように構成されている。
具体的には、嵌合凸部8163bは、アダプタ本体部806aの係合凹部8611a又は係合凹部8621aに嵌合するように構成されている。嵌合凸部8163bは、所定角度θ傾斜した状態で基台部8163aのZ2方向側の表面に設けられている。
図35および図36に示すように、嵌合凸部8163bは、ブロック形状(略直方体形状)を有している。嵌合凸部8163bは、基台部8163aのZ2方向側の表面からZ2方向に向かって突出している。嵌合凸部8163bは、中心軸線C2に対して所定角度θ傾斜した方向に複数(2個)に分かれている。嵌合凸部8163bには、逃げ部8163cが形成されている。逃げ部8163cは、駆動伝達部材861の突起8612bおよび突起8622bを避けるために形成されている。逃げ部8163cは、嵌合凸部8163bに切り欠き状に形成されている。逃げ部8163cは、駆動伝達部材861の突起8612bおよび突起8622bの位置に合わせて形成されている。逃げ部8163cは、中心軸線C2に対して所定角度θ傾斜した方向において、嵌合凸部8163bの両端部に形成されている。
〈弾性変形部〉
ストッパ本体部8161は、アダプタ本体部806aに装着されるときに、回転規制部8163をアダプタ本体部806aの駆動伝達部材861の回転軸線Bの延びる方向に移動させるように弾性変形する弾性変形部8200を有している。
これにより、弾性変形部8200を弾性変形させるだけで回転規制部8163をアダプタ本体部806aの駆動伝達部材861の回転軸線Bの延びる方向に移動させることができるので、ストッパ806bを簡易な構造にすることができる。
図33および図37に示すように、弾性変形部8200は、ストッパ本体部8161における基台部8163aの周囲の剛性を他の部分の剛性よりも低くすることにより形成されている。詳細には、弾性変形部8200は、ストッパ本体部8161における基台部8163aの周囲の剛性のうち、周方向Rに沿った荷重よりもZ方向に沿った荷重に対する剛性が低くなるように構成されている。
弾性変形部8200は、ストッパ本体部8161における回転規制部8163の周囲に形成されるスリット8201と、ストッパ本体部8161にスリット8201を形成することにより設けられ、アダプタ本体部806aの駆動伝達部材861の回転軸線Bの延びる方向に回転規制部8163を移動させるように弾性変形可能に回転規制部8163を支持する支持梁8202とを有する。
上記スリット8201により、回転規制部8163の周囲の剛性が低くなるので、弾性変形部8200がストッパ本体部8161の他の部分に比べて撓みやすくなる。また、支持梁8202により、支持梁8202の長さの分だけ、弾性変形部8200が撓んだ際の回転規制部8163のストローク量を確保することができる。これらの結果、スリット8201および支持梁8202により、回転規制部8163を所望のストローク量の分だけ、アダプタ本体部806aの駆動伝達部材861の回転軸線Bの延びる方向に移動させることができる。
〈スリット〉
図37に示すように、スリット8201は、ストッパ本体部8161における基台部8163aの周囲の部分をZ方向に貫通している。詳細には、スリット8201は、長さが異なる複数(2個)の円弧形状部8203と、複数の円弧形状部8203を互いに接続する接続部8204とを有している。円弧形状部8203は、周方向Rに沿って延びている。接続部8204は、Z方向に直交する方向に沿って延びている。なお、スリット8201は、接続部8204を有していなくてもよい。
スリット8201は、ストッパ本体部8161に複数(8個)形成されている。スリット8201は、1つの基台部8163aの周囲に複数(2個)形成されている。すなわち、スリット8201は、基台部8163aを囲むように形成されている。また、スリット8201は、アダプタ本体部806aの駆動伝達部材861に対応する位置に形成されている。Z方向に直交する方向において、スリット8201の大きさは、アダプタ本体部806aの駆動伝達部材861の大きさに合わせている。すなわち、Z方向に直交する方向において、スリット8201の外側端部の位置が、アダプタ本体部806aの駆動伝達部材861のZ1方向側の表面の外側端部の位置よりも外側に配置されている。
〈支持梁〉
図33に示すように、支持梁8202は、両持ち梁により構成されている。すなわち、支持梁8202は、回転規制部8163のX1方向側の端部および回転規制部8163のX2方向側の端部を支持している。また、支持梁8202は、弾性部材(樹脂ばね)の機能を有している。詳細には、支持梁8202は、回転規制部8163をZ方向に移動可能とし、回転規制部8163の周方向Rへの移動を抑制するように構成されている。支持梁8202は、回転規制部8163のZ方向へのストローク量を確保するように構成されている。具体的には、支持梁8202は、周方向Rに沿って長く延びる円弧形状を有している。
これらにより、支持梁8202は、アダプタ本体部806aにストッパ806bが装着されるときにおいて、係合凹部8611a又は係合凹部8621aに嵌合凸部8163bが嵌合する前に、アダプタ本体部806aの駆動伝達部材861が嵌合凸部8163bに当接することにより、回転規制部8163をZ1方向に移動可能に構成されている。また、支持梁8202は、アダプタ本体部806aの係合凹部8611aおよび係合凹部8621aに嵌合凸部8163bが嵌合された際、基台部8163aをZ2方向に移動可能に構成されている。
〈押圧部〉
図37および図38に示すように、ストッパ本体部8161は、アダプタ本体部806aに装着されているときに、駆動部21bとアダプタ本体部806aとを係合させるアーム係合部866を、駆動部21bとアダプタ本体部806aとの係合を解除させる方向(Y2方向)に押圧するための押圧部8300を有する。
上記構成によれば、アダプタ本体部806aにストッパ806bを装着した状態で作業者が押圧部8300を押すことにより(図38において二点鎖線で記載)、アーム係合部866をY2方向に移動させることができる。つまり、作業者が操作部8663を引っ張ることなく、アダプタ本体部806aを駆動部21bに装着することができる。この結果、アダプタ本体部806aの駆動部21bへの装着を容易に行うことができる。なお、アダプタ本体部806aにストッパ806bを装着した状態において、作業者が操作部8663を引っ張ることなく、アダプタ本体部806aと駆動部21bとの係合を解除することもできる。
押圧部8300は、アダプタ本体部806aにストッパ806bが装着された状態で、アーム係合部866の規制部8662をY2方向側に押圧可能なように構成されている。押圧部8300は、ストッパ本体部8161のY1方向側の部分に一体的に設けられている。
具体的には、押圧部8300は、ばね部8301と、当接部8302とを有している。ばね部8301は、ストッパ本体部8161と当接部8302とを接続している。当接部8302は、ばね部8301のZ2方向側の部分からY2方向に突出している。当接部8302は、Y2方向に向かうにしたがって細くなる先細り形状を有している。
(アダプタの組立方法)
以下に、図15、図39および図40を参照して、アダプタ本体部806aおよびストッパ806bを含むアダプタ806の組立方法について説明する。この組立方法により、アダプタ本体部806aの係合凹部8611aおよび係合凹部8621aを所定角度θ傾斜させて位置固定した状態を保持可能なアダプタ806が作成される。なお、図39および図40では、理解の容易化のために、アダプタ本体部806aにも中心軸線C2を付している。また、理解の容易化のために、アダプタ本体部806aにも第1周方向R1および第2周方向R2を付している。
図15に示すように、ステップS1において、作業者は、アダプタ本体部806aを組み立てる。
ステップS2において、作業者は、アダプタ本体部806aにストッパ806bを取り付ける。すなわち、図39に示すように、作業者は、ストッパ806bをアダプタ本体部806aに近付けて、ストッパ806bの嵌合凸部8163bとアダプタ本体部806aの駆動伝達部材861とを当接させた状態で、ストッパ806bを取付状態にする。これにより、ストッパ806bの一対の取付部8162のそれぞれとアダプタ本体部806aの一対のガイドレールのそれぞれとが係合する。なお、この際、ストッパ806bの嵌合凸部8163bは、中心軸線C2の延びる方向に対して所定角度θ傾斜した状態である。一方、アダプタ本体部806aの係合凹部8611aおよび係合凹部8621aは、中心軸線C2の延びる方向に対して略平行な状態である。
図15に示すように、ステップS3において、作業者は、アダプタ本体部806aの駆動伝達部材861を回転させてアダプタ本体部806aの係合凹部8611aおよび係合凹部8621aとストッパ806bの嵌合凸部8163bとを嵌合させる。すなわち、図40に示すように、作業者は、アダプタ本体部806aにストッパ806bを取り付けた状態で、手動(たとえば、工具を用いたり、直接手で操作したりなど)によりアダプタ本体部806aの駆動伝達部材861を回転させて、アダプタ本体部806aの係合凹部8611aおよび係合凹部8621aとストッパ806bの嵌合凸部8163bとを嵌合させる。ここで、作業者は、アダプタ本体部806aの複数の係合凹部8611aおよび係合凹部8621aを第2周方向R2に回転させる。
これにより、アダプタ本体部806aの係合凹部8611aおよび係合凹部8621aを所定角度θ傾斜した状態で位置を固定させた状態である回転規制状態のアダプタ806が組み立てられる。そして、作業者によるアダプタ806の組立が終了する。
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、アダプタ6(806)は、アダプタ本体部6a(806a)の係合凹部611(8611a、8621a)を所定角度θ傾斜した状態で位置を固定した状態にするためにストッパ6b(806b)を有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図41に示す変形例のように、ストッパ706bは、アダプタ本体部6aの係合凹部611を所定角度θ傾斜した状態で位置を固定した状態にするためにテープ765を有していてもよい。この場合、テープ765の粘着層により回転規制部が構成されているとともに、テープ765の粘着層が設けられた基体によりストッパ本体部が構成されている。
また、上記第1および第2実施形態では、ロボットアーム21は、ロボットアーム21とアダプタ本体部6a(806a)との係合完了およびアダプタ本体部6aと手術器具4との係合完了の両方の場合に点灯状態が変化するランプ21dを有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ロボットアームは、ロボットアームとアダプタ本体部との係合完了およびアダプタ本体部と手術器具との係合完了の一方又は両方の場合に音を発生させるように構成された音発生部を有していてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、取付部664(8162)は、Z方向に沿って、ストッパ本体部64(8161)をアダプタ本体部6a(806a)に近付けて取り付け可能とするとともに、ストッパ本体部64をアダプタ本体部6aから離して取り外し可能とするように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、取付部は、Y方向のスライド移動により、ストッパ本体部をアダプタ本体部に近付けて取り付け可能とするとともに、ストッパ本体部をアダプタ本体部から離して取り外し可能としてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、嵌合凸部665(8163b)は、アダプタ本体部6a(806a)の手術器具4側の表面63に対向するストッパ本体部64(8161)の表面に複数(4個)設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、嵌合凸部は、アダプタ本体部の駆動伝達用凹部の数に合わせて設けられればよく、1〜3個または5個以上であってもよい。
また、上記第1実施形態では、複数の嵌合凸部665は、ストッパ本体部64の中心軸線C2に対して互いに線対称となるように所定角度θ傾斜した状態でストッパ本体部64に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の嵌合凸部は、アダプタ本体部の駆動伝達用凹部の位置に合わせて設けられればよく、上記第2実施形態に示したように、ストッパ本体部の中心軸線に対して互いに線対称とならなくてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、複数の嵌合凸部665(8163b)は、X方向において、ストッパ本体部64(8161)の中心軸線C2よりもX1方向側の部分とストッパ本体部64の中心軸線C2よりもX2方向側の部分とに同数設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。複数の嵌合凸部は、X方向において、ストッパ本体部の中心軸線よりもX1方向側の部分とストッパ本体部の中心軸線よりもX2方向側の部分とに異なる数設けられていてもよいし、いずれかの部分にのみ設けられてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、識別部667は、Y方向において、ストッパ本体部64(8161)の一方側の部分を他方側の部分よりも小さくする第1識別部分667a、および、手術器具4の延びる方向において、ストッパ本体部64の一方側の端部にのみ切り欠きを形成する第2識別部分667bを含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、識別部は、手術器具の延びる方向において、ストッパ本体部の一方側の部分を他方側の部分よりも小さくすること、および、手術器具の延びる方向において、ストッパ本体部の一方側の端部にのみ切り欠きを形成することの少なくともいずれかにより構成されていればよい。これにより、ストッパ本体部に設ける識別部の構成を簡易な構成にすることができるので、ストッパ本体部の構成の複雑化および大型化を抑制することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、エンコーダ215が、駆動部21bの駆動状態を検出する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部が駆動部のモータにかかる電流値を計測することにより、駆動部の駆動状態を検出してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、ストッパ6b(806b)に嵌合凸部665(8163b)が設けられ、アダプタ本体部6a(806a)に係合凹部611(8611a、8621a)が設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ストッパに嵌合凹部が設けられ、アダプタ本体部に係合凸部が設けられてもよい。
嵌合凸部665は、アダプタ本体部6aの手術器具4側の表面63に対向するストッパ本体部64の表面に複数設けられている。複数の嵌合凸部665は、それぞれ、作業者の手動によるアダプタ本体部6aの係合凹部611の回転により、アダプタ本体部6aの対応する複数の係合凹部611に確実に嵌合する位置に配置されている。