JP2020162992A - 除染方法及び除染用レーザ光照射装置 - Google Patents

除染方法及び除染用レーザ光照射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザ光を用いた除染用レーザ光照射装置及び除染方法において、レーザ光が充分に照射されずに有機ハロゲン化物の除去が不十分となる領域の発生を抑制する技術を提供する。【解決手段】壁面Wに沿ってヘッド本体を移動させながら当該ヘッド本体に設けられたレーザ光照射部から壁面Wに対してレーザ光L,L2を当該ヘッド本体の移動方向Aと交差する走査方向B1,B2に沿って往復走査させて照射するレーザ光照射処理を実行して、壁面Wに付着した有機ハロゲン化物を除去する除染方法であって、レーザ光照射処理として、レーザ光L1の走査方向を所定の第1走査方向B1とする第1レーザ光照射処理と、レーザ光L2の走査方向を第1走査方向B1と交差する所定の第2走査方向B2とする第2レーザ光照射処理とを実行する。【選択図】図3

Description

本発明は、作業者により壁面に沿って移動されるヘッド本体に、前記壁面に対して有機ハロゲン化物除去用のレーザ光を前記ヘッド本体の移動方向と交差する走査方向に沿って往復走査させて照射するレーザ光照射部を備えた除染用レーザ光照射装置、及び除染方法に関する。
壁面にPCB(ポリ塩化ビフェニル)やダイオキシン類などの有機ハロゲン化物が付着した設備を解体するにあたり、当該壁面にレーザ光を照射して有機ハロゲン化物を除去(本願において、有機ハロゲン化物を除去することを「除染」と呼ぶ場合がある。)する方法が提案されている(例えば特許文献1を参照。)。
例えば、このようなレーザ光を用いた除染方法は、レーザ光を照射するレーザ光照射部を備えたハンドガンタイプのレーザ光照射装置を用いて行うことができる。即ち、作業者は、かかるレーザ光照射装置のヘッド本体を把持してそれを壁面に沿って移動させ、当該移動するヘッド本体に設けられたレーザ光照射部から壁面に対してレーザ光を照射させる。すると、壁面に付着した有機ハロゲン化物を、上記ヘッド本体の移動方向に沿って順次除去することができる。
また、このようなレーザ光照射装置は、一般的に、レーザ光をヘッド本体の移動方向と交差する走査方向に沿って往復走査させて照射するように構成されている。
特開2006−239484号公報
上記のようなハンドガンタイプのレーザ光照射装置を用いた除染方法では、ヘッド本体を壁面に沿って移動させながら、当該ヘッド本体に備えられたレーザ光照射部から壁面に対してヘッド本体の移動方向と交差する走査方向に沿って往復走査されたレーザ光を照射するため、壁面において、ある時点での往復走査によるレーザ光の照射部分とその次の時点での往復走査によるレーザ光の照射部分との間に、レーザ光が充分に照射されずに有機ハロゲン化物の除去が不十分となる上記走査方向に沿った筋状の領域(本願では、「レーザ光照射不足筋状領域」と呼ぶ場合がある。)が生じる虞がある。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、レーザ光を用いた除染用レーザ光照射装置及び除染方法において、レーザ光が充分に照射されずに有機ハロゲン化物の除去が不十分となる領域の発生を抑制する技術を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、壁面に沿ってヘッド本体を移動させながら当該ヘッド本体に設けられたレーザ光照射部から前記壁面に対してレーザ光を当該ヘッド本体の移動方向と交差する走査方向に沿って往復走査させて照射するレーザ光照射処理を実行して、前記壁面に付着した有機ハロゲン化物を除去する除染方法であって、
前記レーザ光照射処理として、前記レーザ光の走査方向を所定の第1走査方向とする第1レーザ光照射処理と、前記レーザ光の走査方向を前記第1走査方向と交差する所定の第2走査方向とする第2レーザ光照射処理とを実行する点にある。
本構成によれば、壁面に沿って移動するヘッド本体に設けられた上記レーザ光照射部から壁面に対してヘッド本体の移動方向と交差する走査方向に沿って往復走査されるレーザ光を照射させる除染方法を実行するにあたり、壁面に対して、レーザ光の走査方向が互いに交差する上記第1レーザ光照射処理と上記第2レーザ光照射処理とを実行する。すると、上記第1レーザ光照射処理において上記レーザ光照射部によりレーザ光が照射されたときに発生する上記第1走査方向に沿った第1レーザ光照射不足筋状領域に対しては、上記第2レーザ光照射処理において上記レーザ光照射部により当該第1走査方向と交差する第2走査方向で往復走査されるレーザ光を充分に照射することができる。一方、上記第2レーザ光照射処理において上記レーザ光照射部によりレーザ光が照射されたときに発生する上記第2走査方向に沿った第2レーザ光照射不足筋状領域に対しては、上記第1レーザ光照射処理において上記レーザ光照射部により当該第2走査方向と交差する第1走査方向で往復走査されるレーザ光を充分に照射することができる。結果、壁面においては、レーザ光が充分に照射されずに有機ハロゲン化物の除去が不十分となる領域の発生を抑制することができる。
従って、本発明により、レーザ光を用いた除染方法において、レーザ光が充分に照射されずに有機ハロゲン化物の除去が不十分となる領域の発生を抑制する技術を提供することができる。
本発明の第2特徴構成は、作業者により壁面に沿って移動されるヘッド本体に、前記壁面に対して有機ハロゲン化物除去用のレーザ光を前記ヘッド本体の移動方向と交差する走査方向に沿って往復走査させて照射するレーザ光照射部を備えた除染用レーザ光照射装置であって、
前記レーザ光照射部が、前記レーザ光の走査方向を所定の第1走査方向とする第1レーザ光照射状態と、前記レーザ光の走査方向を前記第1走査方向と交差する所定の第2走査方向とする第2レーザ光照射状態とで、前記レーザ光を前記壁面に照射可能に構成されている点にある。
本構成によれば、作業者が上記ヘッド本体を把持してそれを壁面に沿って移動させ、当該移動するヘッド本体に設けられた上記レーザ光照射部から壁面に対してヘッド本体の移動方向と交差する走査方向に沿って往復走査されるレーザ光を照射させる除染方法を実行するにあたり、上記レーザ光照射部により、壁面に対して、レーザ光の走査方向が互いに交差する上記第1レーザ光照射状態と上記第2レーザ光照射状態とでレーザ光を照射することができる。すると、上記レーザ光照射部により上記第1レーザ光照射状態にてレーザ光が照射されたときに発生する上記第1走査方向に沿った第1レーザ光照射不足筋状領域に対しては、上記レーザ光照射部により上記第2レーザ光照射状態にて当該第1走査方向と交差する第2走査方向で往復走査されるレーザ光を充分に照射することができる。一方、上記レーザ光照射部により上記第2レーザ光照射状態にてレーザ光が照射されたときに発生する上記第2走査方向に沿った第2レーザ光照射不足筋状領域に対しては、上記レーザ光照射部により上記第1レーザ光照射状態にて当該第2走査方向と交差する第1走査方向で往復走査されるレーザ光を充分に照射することができる。結果、壁面においては、レーザ光が充分に照射されずに有機ハロゲン化物の除去が不十分となる領域の発生を抑制することができる。
従って、本発明により、レーザ光を用いた除染用レーザ光照射装置において、レーザ光が充分に照射されずに有機ハロゲン化物の除去が不十分となる領域の発生を抑制する技術を提供することができる。
本発明の第3特徴構成は、前記レーザ光照射部が、前記第1レーザ光照射状態で前記レーザ光を照射する第1レーザ光照射部と、前記第2レーザ光照射状態で前記レーザ光を照射する第2レーザ光照射部とを各別に有する点にある。
本構成によれば、壁面において、ヘッド本体を特定の移動方向に沿って移動させて上記第1レーザ光照射部により上記第1レーザ光照射状態にてレーザ光が照射される領域と、ヘッド本体を特定の移動方向に沿って移動させて上記第2レーザ光照射部により上記第2レーザ光照射状態にてレーザ光が照射される領域とを重畳させることができる。そして、その重畳部分では、上述したように、上記第1レーザ光照射状態でのレーザ光照射により生じる第1レーザ光照射不足筋状領域に対しては上記第2レーザ光照射状態で照射するレーザ光を充分に照射することができ、一方、上記第2レーザ光照射状態でのレーザ光照射により生じる第2レーザ光照射不足筋状領域に対しては上記第1レーザ光照射状態で照射するレーザ光を充分に照射することができる。
即ち、特定の移動方向に沿ったヘッド本体の移動により、レーザ光が充分に照射されずに有機ハロゲン化物の除去が不十分となる領域の発生を抑制することができる。
本発明の第4特徴構成は、前記第1レーザ光照射部による前記第1レーザ光照射状態での前記レーザ光の走査範囲である第1走査範囲と、前記第2レーザ光照射部による前記第1レーザ光照射状態での前記レーザ光の走査範囲である第2走査範囲とが、前記ヘッド本体の移動方向視において重畳するように設定されている点にある。
本構成によれば、壁面において、ヘッド本体を特定の方向に沿って一度移動させるだけで、上記第1レーザ光照射部によりレーザ光が照射される領域と上記第2レーザ光照射部によりレーザ光が照射される領域とを重畳させることができる。そして、その重畳部分において、上述のとおり、レーザ光が充分に照射されずに有機ハロゲン化物の除去が不十分となる領域の発生を抑制することができる。
本発明の第5特徴構成は、前記レーザ光照射部が、前記レーザ光の走査方向を前記第1走査方向と前記第2走査方向との間で切替可能に構成されている点にある。
本構成によれば、壁面において、ヘッド本体を特定の移動方向に沿って移動させてレーザ光の走査方向を第1走査方向に切り替えたレーザ光照射部により上記第1レーザ光照射状態にてレーザ光が照射される領域と、ヘッド本体を特定の移動方向に沿って移動させてレーザ光の走査方向を第2走査方向に切り替えたレーザ光照射部により上記第2レーザ光照射状態にてレーザ光が照射される領域とを重畳させることができる。そして、その重畳部分では、上述したように、上記第1レーザ光照射状態でのレーザ光照射により生じる第1レーザ光照射不足筋状領域に対しては上記第2レーザ光照射状態で照射するレーザ光を充分に照射することができ、一方、上記第2レーザ光照射状態でのレーザ光照射により生じる第2レーザ光照射不足筋状領域に対しては上記第1レーザ光照射状態で照射するレーザ光を充分に照射することができる。
即ち、特定の移動方向に沿ったヘッド本体の移動により、レーザ光が充分に照射されずに有機ハロゲン化物の除去が不十分となる領域の発生を抑制することができる。
除染用レーザ光照射装置を用いた除染方法の実行状態を表す斜視図 除染用レーザ光照射装置の構成を示す側面図 第1実施形態でのレーザ光交差照射状態を示す説明図 第2実施形態でのレーザ光交差照射状態を示す説明図 第3実施形態でのレーザ光交差照射状態を示す説明図 第4実施形態でのレーザ光交差照射状態を示す説明図 第5実施形態でのレーザ光交差照射状態を示す説明図
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の除染用レーザ光照射装置1及びそれを用いた除染方法は、壁面WにPCB(ポリ塩化ビフェニル)やダイオキシン類などの有機ハロゲン化物が付着した設備を解体するにあたり、当該壁面Wにレーザ光Lを照射して有機ハロゲン化物を除染するものとして構成されている。
即ち、除染用レーザ光照射装置1は、作業者Xにより壁面Wに沿って移動されるヘッド本体10を備え、そのヘッド本体10に、壁面Wに対して有機ハロゲン化物除去用のレーザ光Lを照射するレーザ光照射部20を備えて構成されている。
レーザ光照射部20は、壁面Wに対してレーザ光Lをヘッド本体10の移動方向Aと交差する走査方向Bに沿って往復走査させて照射するものとして構成されている。即ち、ヘッド本体10を壁面Wに沿って移動させながら、当該ヘッド本体10に備えられたレーザ光照射部20から壁面Wに対してヘッド本体10の移動方向Aと交差する走査方向Bに沿って往復走査されたレーザ光Lが照射される。
尚、このようなレーザ光Lの往復走査を実現する機構部としては、図示は省略するが、当該レーザ光Lを反射させるミラー等を、走査方向Bに対してねじれの位置で垂直な軸周りに回転させるなどの公知の手法が採用されている。
そして、作業者Xは、ヘッド本体10に設けられた把持部21を把持した状態で、そのヘッド本体10を壁面Wに沿って特定の移動方向Aに向けて移動させる。また、そのヘッド本体10の移動と同時に、当該ヘッド本体10に設けられたレーザ光照射部20から壁面Wに向かってレーザ光Lが照射される。即ち、壁面Wに沿ってヘッド本体10を移動させながら当該ヘッド本体10に設けられたレーザ光照射部20から壁面Wに対してレーザ光Lを当該ヘッド本体10の移動方向Aと交差する走査方向Bに沿って往復走査させて照射するレーザ光照射処理が実行される。
すると、壁面Wには、上記移動方向Aに向けて移動しながらそれに交差する走査方向Bに沿って往復走査されたレーザ光Lが順次照射され、その壁面Wに付着した有機ハロゲン化物がそのレーザ光Lの照射により除去されることになる。
ヘッド本体10には、排気ファン(図示省略)が設けられた排気ダクト13に接続された排気ボックス11が設けられている。排気ボックス11には、壁面Wにおけるレーザ光Lの照射箇所に対して若干離間した位置で対向する照射面側開口部11aと、その照射面側開口部11aから連続した状態で移動方向Aに対して背面側に延びる吸気用開口部11bとが形成されている。このことで、吸気用開口部11bや照射面側開口部11aと壁面Wとの間の隙間から排気ボックス11の内部に流入する空気流Fが発生する。よって、壁面Wにおいてレーザ光Lの照射により発生した汚染物をこの空気流Fによって適切に排気ボックス11内に取り込んで別途設けられた排気浄化装置等で処理することができる。
また、排気ボックス11の壁面W側の端部には、壁面Wとの距離を維持するためのガイドローラ12が設けられている。尚、このガイドローラ12については適宜省略することもできる。
〔適正速度案内〕
作業者Xの意思で移動される除染用レーザ光照射装置1を用いた除染方法では、作業者Xによるレーザ光照射装置1のヘッド本体10の移動速度が不安定になり易い。例えば、ヘッド本体10の移動速度が速すぎると、有機ハロゲン化物の除去が不十分になり、ヘッド本体10の移動速度が遅すぎると、過剰にレーザ光Lが照射された壁面Wが破損して汚染物が拡散したり汚染物量が増加する虞がある。
そこで、本実施形態における除染用レーザ光照射装置1は、ヘッド本体10の移動速度を安定化させて壁面Wから適切に有機ハロゲン化物を除去可能な適正速度案内を実現可能に構成されている。以下に、その詳細について説明を加える。
図1及び図2に示すように、除染用レーザ光照射装置1には、非接触式速度センサ30と、非接触式速度センサ30の検出結果が入力されるCPU等からなる演算部31と、当該演算部31が出力した所定の情報を表示可能なインジケータ32(報知部の一例)とが設けられている。
非接触式速度センサ30は、排気ボックス11の外壁面に取り付けられており、壁面Wに対して非接触の状態で、壁面Wに対するヘッド本体10の移動速度であるヘッド移動速度を、当該壁面Wに対して非接触の状態で検出するヘッド移動速度検出手段として機能する。この非接触式速度センサ30は、壁面Wに対して測定光を照射し、その測定光が壁面Wに対して反射した反射光を受光し、その受光した反射光を解析してヘッド移動速度を検出する光学式に構成されている。このような非接触式速度センサ30を用いることで、壁面Wに付着している有機ハロゲン化物の転移による非接触式速度センサ30等の汚染が抑制されている。
更に、非接触式速度センサ30が排気ボックス11の外壁面に取り付けているので、排気ボックス11内の有機ハロゲン化物を含むヒュームによる非接触式速度センサ30の汚染を抑制することができる。尚、非接触式速度センサ30の取付箇所については、排気ボックス11の内壁面など適宜変更しても構わない。
演算部31は、非接触式速度センサ30で検出されるヘッド移動速度を所定の目標ヘッド移動速度範囲内に維持させるための適正速度案内情報を出力する適正速度案内手段として機能し、上記インジケータ32は、その適正速度案内情報を作業者Xに対して光で報知する報知部として機能する。
具体的に、演算部31は、非接触式速度センサ30で検出される実際のヘッド移動速度が目標移動速度範囲内から逸脱しているか否かを判定する。そして、インジケータ32は、実際のヘッド移動速度が目標移動速度範囲に対して遅い側又は速い側に逸脱しているときには、その逸脱状態を作業者Xに視認可能な色で発光するなどの形態で作業者Xに対して適正速度案内情報として報知する。
また、インジケータ32は、目標移動速度範囲に対する実際のヘッド移動速度の逸脱幅を識別可能な情報を表示するように構成されている。例えば、当該逸脱程度を数値等で表示することもできるが、逸脱程度が大きいときと小さいときとを識別可能なように発光色を2段階で切り替えることもできる。
すると、ヘッド本体10を移動させてレーザ光照射処理を実行する作業者Xは、インジケータ32で報知される適正速度案内情報を参照し、当該適正速度案内情報に基づいてヘッド本体10の移動速度を目標ヘッド移動速度範囲内に維持させるように、ヘッド本体10を壁面Wに沿って移動させることができる。このことで、ヘッド本体10の移動速度を安定化させて、壁面Wから適切に有機ハロゲン化物を除去可能となる。
また、上述のように、レーザ光照射部20は、壁面Wに対してレーザ光Lをヘッド本体10の移動方向Aと交差する走査方向Bに沿って往復走査させて照射するものであるため、上記ヘッド本体10の移動速度が速すぎると、壁面Wにおいては、ある時点での往復走査によるレーザ光Lの照射部分とその次の時点での往復走査によるレーザ光Lの照射部分との間に、レーザ光Lが充分に照射されずに有機ハロゲン化物の除去が不十分となる上記走査方向Bに沿った筋状のレーザ光照射不足筋状領域が生じる。そして、このような場合であっても、作業者Xは、上記インジケータ32で報知される適正速度案内情報に基づいて移動速度を目標ヘッド移動速度範囲内に維持しながらヘッド本体10を壁面Wに沿って移動させることができるので、レーザ光Lが充分に照射されずに有機ハロゲン化物の除去が不十分となるレーザ光照射不足筋状領域の発生が適切に回避されることになる。
150mg/100cmの濃度でPCBが付着したステンレス製の壁面Wに対して除染用レーザ光照射装置1を用いてレーザ光照射処理を実行し、当該処理後の壁面WでのPCB濃度である除染後PCB濃度を計測した実験を行った。その結果を以下に説明する。尚、この実験において、レーザ光Lの出力を1kWとし、当該レーザ光Lの往復走査の速度を5m/Sとし、レーザ光Lの幅を100mmとした。
この実験結果では、ヘッド移動速度を10mm/sに設定したときの除染後PCB濃度は26μg/100cmとなり、ヘッド移動速度を15mm/sに設定したときの除染後PCB濃度は92μg/100cmとなり、ヘッド移動速度を30mm/sに設定したときの除染後PCB濃度は26000μg/100cmとなった。このことから、ヘッド移動速度が15mm/s以下である場合には、PCBの除去効率が優れているのに対して、ヘッド移動速度が30mm/s以上である場合には、上記レーザ光照射不足筋状領域の発生によりPCBの除去効率が急激に悪化していることが判る。
従って、本実施形態の除染用レーザ光照射装置1では、目標ヘッド移動速度範囲を15mm/s以下に設定して、作業者Xに対してヘッド移動速度を所定の目標ヘッド移動速度範囲内に維持させるための適正速度案内情報を出力することが望ましいことが判る。
〔レーザ光交差照射〕
本実施形態における除染用レーザ光照射装置1及びそれを用いた除染方法では、レーザ光Lが充分に照射されずに有機ハロゲン化物の除去が不十分となるレーザ光照射不足筋状領域の発生を抑制するためのレーザ光交差照射を実現可能に構成されている。以下に、その詳細について説明を加える。
即ち、図3〜図7に示すように、レーザ光照射処理として、レーザ光L1の走査方向Bを所定の第1走査方向B1とする第1レーザ光照射状態で当該レーザ光L1を壁面Wに照射する第1レーザ光照射処理と、レーザ光L2の走査方向Bを第1走査方向B1と交差する所定の第2走査方向B2とする第2レーザ光照射状態で当該レーザ光L2を壁面Wに照射する第2レーザ光照射処理とを実行する
このことで、第1レーザ光照射処理により第1レーザ光照射状態にてレーザ光L1が照射されたときに発生する第1走査方向B1に沿った第1レーザ光照射不足筋状領域(例えば図3〜図7において第1走査方向B1に平行に描かれた2点鎖線の間隙部分)に対しては、第2レーザ光照射処理により第2レーザ光照射状態にて第2走査方向B2で往復走査されるレーザ光L2(例えば図3〜図7において第2走査方向B2に平行に描かれた2点鎖線部分)を充分に照射することができる。一方、第2レーザ光照射処理により第2レーザ光照射状態にてレーザ光L2が照射されたときに発生する第2走査方向B2に沿った第2レーザ光照射不足筋状領域(例えば図3〜図7において第2走査方向B2に平行に描かれた2点鎖線の間隙部分)に対しては、第1レーザ光照射処理により第1レーザ光照射状態にて第1走査方向B1で往復走査されるレーザ光L1(例えば図3〜図7において第1走査方向B1に平行に描かれた2点鎖線部分)を充分に照射することができる。結果、壁面Wにおいては、レーザ光L1,L2が充分に照射されずに有機ハロゲン化物の除去が不十分となる領域の発生が抑制される。
以下、このような第1レーザ光照射処理及び第2レーザ光照射処理を実行するための夫々の実施形態について順に説明する。
(第1実施形態)
本実施形態では、図1及び図2に示す除染用レーザ光照射装置1のレーザ光照射部20は、レーザ光の走査方向を所定の第1走査方向B1とする第1レーザ光照射状態でレーザ光L1を照射する第1レーザ光照射部20Aと、レーザ光の走査方向を第1走査方向B1と交差する所定の第2走査方向B2とする第2レーザ光照射状態でレーザ光L2を照射する第2レーザ光照射部20Bとを各別に有する。
そして、図3に示すように、第1レーザ光照射部20Aより第1レーザ光照射状態で第1走査方向B1に沿って往復走査されるレーザ光L1の第1走査範囲R1は、一方側の端部(図3では左側端部)から他方側の端部(図3では右側端部)に向けて移動方向Aの前方側に傾斜する線分とされている。一方、第2レーザ光照射部20Bより第2レーザ光照射状態で第2走査方向B2に沿って往復走査されるレーザ光L2の第2走査範囲R2は、一方側の端部(図3では左側端部)から他方側の端部(図3では右側端部)に向けて移動方向Aの後方側に傾斜する線分とされている。
そして、これら第1走査方向B1に沿う第1走査範囲R1と第2走査方向B2に沿う第2走査範囲R2とは、夫々の一方側の端部において交差する略横向きV字状に配置されている。このことで、第1走査範囲R1と第2走査範囲R2とは、ヘッド本体10の移動方向A視において幅方向全体に亘って重畳するように設定されている。
即ち、本実施形態では、第1レーザ光照射部20A及び第2レーザ光照射部20Bを備えたヘッド本体10を壁面Wに沿って移動方向Aに向けて移動させることで、当該第1レーザ光照射部20Aにより第1レーザ光照射状態でレーザ光L1を壁面Wに照射する第1レーザ光照射処理が実行され、当該第2レーザ光照射部20Bにより第2レーザ光照射状態でレーザ光L2を壁面Wに照射する第2レーザ光照射処理が実行される。
そして、壁面Wにおいて、第1レーザ光照射部20Aにより第1レーザ光照射状態にてレーザ光L1が照射される領域と、第2レーザ光照射部20Bにより第2レーザ光照射状態にてレーザ光L2が照射される領域とが、幅方向全体に亘って重畳するものとなる。そして、その重畳部分では、上述したように、第1レーザ光照射状態でのレーザ光L1の照射により生じる第1レーザ光照射不足筋状領域に対しては第2レーザ光照射状態で照射するレーザ光L2を充分に照射することができ、一方、第2レーザ光照射状態でのレーザ光L2の照射により生じる第2レーザ光照射不足筋状領域に対しては第1レーザ光照射状態で照射するレーザ光L1を充分に照射することができる。
よって、特定の移動方向Aに沿ったヘッド本体10の移動により、レーザ光L1,l2が充分に照射されずに有機ハロゲン化物の除去が不十分となる領域の発生が抑制される。
(第2実施形態)
本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、図1及び図2に示す除染用レーザ光照射装置1のレーザ光照射部20は、レーザ光の走査方向を所定の第1走査方向B1とする第1レーザ光照射状態でレーザ光L1を照射する第1レーザ光照射部20Aと、レーザ光の走査方向を第1走査方向B1と交差する所定の第2走査方向B2とする第2レーザ光照射状態でレーザ光L2を照射する第2レーザ光照射部20Bとを各別に有する。
そして、図4に示すように、第1レーザ光照射部20Aより第1レーザ光照射状態で第1走査方向B1に沿って往復走査されるレーザ光L1の第1走査範囲R1は、一方側の端部(図4では左側端部)から他方側の端部(図4では右側端部)に向けて移動方向Aの前方側に傾斜する線分とされている。一方、第2レーザ光照射部20Bより第2レーザ光照射状態で第2走査方向B2に沿って往復走査されるレーザ光L2の第2走査範囲R2は、一方側の端部(図4では左側端部)から他方側の端部(図4では右側端部)に向けて移動方向Aの後方側に傾斜する線分とされている。
そして、これら第1走査方向B1に沿う第1走査範囲R1と第2走査方向B2に沿う第2走査範囲R2とは、夫々の中心部分で交差する略X字状に配置されている。このことで、第1走査範囲R1と第2走査範囲R2とは、ヘッド本体10の移動方向A視において幅方向全体に亘って重畳するように設定されている。
即ち、本実施形態では、第1レーザ光照射部20A及び第2レーザ光照射部20Bを備えたヘッド本体10を壁面Wに沿って移動方向Aに向けて移動させることで、当該第1レーザ光照射部20Aにより第1レーザ光照射状態でレーザ光L1を壁面Wに照射する第1レーザ光照射処理が実行され、当該第2レーザ光照射部20Bにより第2レーザ光照射状態でレーザ光L2を壁面Wに照射する第2レーザ光照射処理が実行される。
そして、壁面Wにおいて、第1レーザ光照射部20Aにより第1レーザ光照射状態にてレーザ光L1が照射される領域と、第2レーザ光照射部20Bにより第2レーザ光照射状態にてレーザ光L2が照射される領域とが、幅方向全体に亘って重畳するものとなる。そして、その重畳部分では、上述したように、第1レーザ光照射状態でのレーザ光L1の照射により生じる第1レーザ光照射不足筋状領域に対しては第2レーザ光照射状態で照射するレーザ光L2を充分に照射することができ、一方、第2レーザ光照射状態でのレーザ光L2の照射により生じる第2レーザ光照射不足筋状領域に対しては第1レーザ光照射状態で照射するレーザ光L1を充分に照射することができる。
よって、特定の移動方向Aに沿ったヘッド本体10の移動により、レーザ光L1,l2が充分に照射されずに有機ハロゲン化物の除去が不十分となる領域の発生が抑制される。
(第3実施形態)
本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、図1及び図2に示す除染用レーザ光照射装置1のレーザ光照射部20は、レーザ光の走査方向を所定の第1走査方向B1とする第1レーザ光照射状態でレーザ光L1を照射する第1レーザ光照射部20Aと、レーザ光の走査方向を第1走査方向B1と交差する所定の第2走査方向B2とする第2レーザ光照射状態でレーザ光L2を照射する第2レーザ光照射部20Bとを各別に有する。
そして、図5に示すように、第1レーザ光照射部20Aより第1レーザ光照射状態で第1走査方向B1に沿って往復走査されるレーザ光L1の第1走査範囲R1は、一方側の端部(図5では左側端部)から他方側の端部(図5では右側端部)に向けて移動方向Aの前方側に傾斜する線分とされている。一方、第2レーザ光照射部20Bより第2レーザ光照射状態で第2走査方向B2に沿って往復走査されるレーザ光L2の第2走査範囲R2は、一方側の端部(図5では左側端部)から他方側の端部(図5では右側端部)に向けて移動方向Aの後方側に傾斜する線分とされている。
そして、これら第1走査方向B1に沿う第1走査範囲R1と第2走査方向B2に沿う第2走査範囲R2とは、互いに重畳することなく、夫々の後方側の端部同士が連結された略V字状に配置されている。
このような第1レーザ光照射部20A及び第2レーザ光照射部20Bを備えたヘッド本体10を壁面Wに沿って移動方向Aに沿って移動させる形態で実行されるレーザ光照射処理では、第1移動方向A1に沿ってヘッド本体10を移動させた後に、その第1移動方向A1と平行な第2移動方向A2に沿ってヘッド本体10を移動させる。また、上記第1移動方向A1と上記第2移動方向A2との間隔は、第1移動方向A1に沿ったヘッド本体10の移動により第2レーザ光L2が照射される第2走査範囲R2の移動領域と、第2移動方向A2に沿ったヘッド本体10の移動により第1レーザ光L1が照射される第1走査範囲R1の移動領域とが重畳するものに設定される。
即ち、本実施形態では、第1レーザ光照射部20A及び第2レーザ光照射部20Bを備えたヘッド本体10を壁面Wに沿って第1移動方向A1に向けて移動させると共に、第1レーザ光照射部20A及び第2レーザ光照射部20Bを備えたヘッド本体10を壁面Wに沿って上記第1移動方向A1に平行な第2移動方向A2に向けて移動させることで、第1移動方向A1に向けて移動する第1レーザ光照射部20Aにより第1レーザ光照射状態でレーザ光L1を壁面Wに照射する第1レーザ光照射処理が実行され、第2移動方向A2に向けて移動する第2レーザ光照射部20Bにより第2レーザ光照射状態でレーザ光L2を壁面Wに照射する第2レーザ光照射処理が実行される。
そして、第1レーザ光L1が照射される第1走査範囲R1の移動領域と第2レーザ光L2が照射される第2走査範囲R2の移動領域との重畳部分では、上述したように、第1レーザ光照射状態でのレーザ光L1の照射により生じる第1レーザ光照射不足筋状領域に対しては第2レーザ光照射状態で照射するレーザ光L2を充分に照射することができ、一方、第2レーザ光照射状態でのレーザ光L2の照射により生じる第2レーザ光照射不足筋状領域に対しては第1レーザ光照射状態で照射するレーザ光L1を充分に照射することができる。
よって、互いに平行な移動方向A1,A2に沿ったヘッド本体10の移動により、レーザ光L1,l2が充分に照射されずに有機ハロゲン化物の除去が不十分となる領域の発生が抑制される。
(第4実施形態)
本実施形態では、図1及び図2に示す除染用レーザ光照射装置1のレーザ光照射部20は、レーザ光Lの走査方向Bを第1走査方向B1と当該第1走査方向B1と交差する所定の第2走査方向B2との間で切替可能な走査方向切替式に構成されている。尚、このような走査方向の切替は、レーザ光照射部20は、レーザ光Lを反射させるミラーの回転軸の姿勢変更により実現することができる。
そして、図6に示すように、レーザ光照射部20より第1走査方向B1に沿って往復走査されるレーザ光L1の第1走査範囲R1は、一方側の端部(図6では左側端部)から他方側の端部(図6では右側端部)に向けて移動方向Aの前方側に傾斜する線分とされている。一方、レーザ光照射部20より第2レーザ光照射状態で第2走査方向B2に沿って往復走査されるレーザ光L2の第2走査範囲R2は、一方側の端部(図6では左側端部)から他方側の端部(図6では右側端部)に向けて移動方向Aの後方側に傾斜する線分とされている。
このような走査方向切替式のレーザ光照射部20を備えたヘッド本体10を壁面Wに沿って移動方向Aに沿って移動させる形態で実行されるレーザ光照射処理では、レーザ光照射部20によるレーザ光の走査方向を第1走査方向B1に設定した第1レーザ光照射状態で第1移動方向A1に沿ってヘッド本体10を移動させた後に、レーザ光照射部20によるレーザ光の走査方向を第2走査方向B2に切り替えた第2レーザ光照射状態でその第1移動方向A1と一致する第2移動方向A2に沿ってヘッド本体10を移動させる形態で実行される。
すると、第1移動方向A1に沿ってヘッド本体10を移動させた際に第1走査方向B1に沿って往復走査されたレーザ光L1が照射される第1走査範囲R1の移動領域と、第1移動方向A1と一致する第2移動方向A2に沿ってヘッド本体10を移動させた際に第2走査方向B2に沿って往復走査されたレーザ光L2が照射される第2走査範囲R2の移動領域とは、ヘッド本体10の移動方向A視において幅方向全体に亘って重畳するものとなる。
即ち、本実施形態では、レーザ光照射部20の走査方向を第1走査方向B1に設定した状態でヘッド本体10を壁面Wに沿って第1移動方向A1に向けて移動させると共に、レーザ光照射部20の走査方向を上記第1走査方向B1と交差する第2走査方向B2に設定した状態でヘッド本体10を壁面Wに沿って上記第1移動方向A1と一致する第2移動方向A2に向けて移動させことで、走査方向が第1走査方向B1に設定されたレーザ光照射部20により第1レーザ光照射状態でレーザ光L1を壁面Wに照射する第1レーザ光照射処理が実行され、走査方向が第2走査方向B2に設定されたレーザ光照射部20により第2レーザ光照射状態でレーザ光L2を壁面Wに照射する第2レーザ光照射処理が実行される。
そして、第2レーザ光L2が照射される第2走査範囲R2の移動領域と第1レーザ光L1が照射される第1走査範囲R1の移動領域との重畳部分では、上述したように、第1レーザ光照射状態でのレーザ光L1の照射により生じる第1レーザ光照射不足筋状領域に対しては第2レーザ光照射状態で照射するレーザ光L2を充分に照射することができ、一方、第2レーザ光照射状態でのレーザ光L2の照射により生じる第2レーザ光照射不足筋状領域に対しては第1レーザ光照射状態で照射するレーザ光L1を充分に照射することができる。
よって、互いに一致する移動方向A1,A2に沿ったヘッド本体10の移動により、レーザ光L1,l2が充分に照射されずに有機ハロゲン化物の除去が不十分となる領域の発生が抑制される。
(第5実施形態)
本実施形態では、図1及び図2に示す除染用レーザ光照射装置1のレーザ光照射部20は、レーザ光Lの走査方向Bを移動方向Aに対して垂直な方向に固定したものとして構成されている。
そして、図7に示すように、このようなレーザ光照射部20を備えたヘッド本体10を壁面Wに沿って移動方向Aに沿って移動させる形態で実行されるレーザ光照射処理では、第1移動方向A1に沿ってヘッド本体10を移動させた後に、当該第1移動方向A1と交差(例えば直行)する第2移動方向A2に沿ってヘッド本体10を移動させる形態で実行される。
すると、第1移動方向A1に沿ってヘッド本体10を移動させた際に第1移動方向A1に垂直な走査方向B1に沿って往復走査されたレーザ光L1が照射される第1走査範囲R1の移動領域と、第1移動方向A1と交差する第2移動方向A2に沿ってヘッド本体10を移動させた際に第2移動方向A2に垂直な走査方向B2に沿って往復走査されたレーザ光L2が照射される第2走査範囲R2の移動領域とは、重畳するものとなる。
即ち、本実施形態では、レーザ光照射部20を備えたヘッド本体10を壁面Wに沿って第1移動方向A1に向けて移動させると共に、レーザ光照射部20を備えたヘッド本体10を壁面Wに沿って上記第1移動方向A1と交差する第2移動方向A1に向けて移動させることで、第1移動方向A1に向けて移動するレーザ光照射部20により第1レーザ光照射状態でレーザ光L1を壁面Wに照射する第1レーザ光照射処理が実行され、第2移動方向A2に向けて移動するレーザ光照射部20により第2レーザ光照射状態でレーザ光L2を壁面Wに照射する第2レーザ光照射処理が実行される。
そして、第2レーザ光L2が照射される第2走査範囲R2の移動領域と第1レーザ光L1が照射される第1走査範囲R1の移動領域との重畳部分では、上述したように、第1レーザ光照射状態でのレーザ光L1の照射により生じる第1レーザ光照射不足筋状領域に対しては第2レーザ光照射状態で照射するレーザ光L2を充分に照射することができ、一方、第2レーザ光照射状態でのレーザ光L2の照射により生じる第2レーザ光照射不足筋状領域に対しては第1レーザ光照射状態で照射するレーザ光L1を充分に照射することができる。
よって、互いに交差する移動方向A1,A2に沿ったヘッド本体10の移動により、レーザ光L1,l2が充分に照射されずに有機ハロゲン化物の除去が不十分となる領域の発生が抑制される。
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施形態では、適正速度案内情報を作業者Xに対して報知する報知部として、その情報を光で報知するインジケータ32を利用したが、別の形態で適正案内情報を報知するように構成することもでき、例えば、上記適正速度案内情報を音で報知するスピーカ等を上記報知部として利用しても構わない。
また、このような報知部を省略して、演算部31は、例えばガイドローラ12を所望の回転速度で回転駆動するなどのような形態で、実際のヘッド移動速度を所定の目標ヘッド移動速度範囲内に維持させるための適正速度案内情報を出力しても構わない。
(2)上記実施形態では、非接触式速度センサ30で利用する測定光を、レーザ光照射部20で照射されるレーザ光Lとは別のものとしたが、レーザ光照射部20で照射されるレーザ光Lの反射光を用いて上記ヘッド移動速度を検出することもできる。
また、壁面Wに沿った移動速度を検出するヘッド移動速度検出手段としては、非接触式速度センサ30のような光学式のもの以外に、ドップラー式、熱式、ベーン式などの他の様式の非接触式速度センサを用いることができる。また、壁面Wの移動速度を直接計測するのではなく、風速等から壁面Wの移動速度を間接的に計測する風速計などを用いても構わない。また、ヘッド移動速度検出手段としては、壁面Wに接触した状態で壁面Wに沿った移動速度を検出する接触式のものを用いても構わない。
1 除染用レーザ光照射装置
10 ヘッド本体
20 レーザ光照射部
20A 第1レーザ光照射部
20B 第2レーザ光照射部
30 非接触式速度センサ(ヘッド移動速度検出手段)
31 演算部(適正速度案内手段)
32 インジケータ(報知部)
A 移動方向
A1 第1移動方向
A2 第2移動方向
B 走査方向
B1 第1走査方向
B2 第2走査方向
L レーザ光
L1 第1レーザ光
L2 第2レーザ光
R1 第1走査範囲
R2 第2走査範囲
W 壁面
X 作業者

Claims (5)

  1. 壁面に沿ってヘッド本体を移動させながら当該ヘッド本体に設けられたレーザ光照射部から前記壁面に対してレーザ光を当該ヘッド本体の移動方向と交差する走査方向に沿って往復走査させて照射するレーザ光照射処理を実行して、前記壁面に付着した有機ハロゲン化物を除去する除染方法であって、
    前記レーザ光照射処理として、前記レーザ光の走査方向を所定の第1走査方向とする第1レーザ光照射処理と、前記レーザ光の走査方向を前記第1走査方向と交差する所定の第2走査方向とする第2レーザ光照射処理とを実行する除染方法。
  2. 作業者により壁面に沿って移動されるヘッド本体に、前記壁面に対して有機ハロゲン化物除去用のレーザ光を前記ヘッド本体の移動方向と交差する走査方向に沿って往復走査させて照射するレーザ光照射部を備えた除染用レーザ光照射装置であって、
    前記レーザ光照射部が、前記レーザ光の走査方向を所定の第1走査方向とする第1レーザ光照射状態と、前記レーザ光の走査方向を前記第1走査方向と交差する所定の第2走査方向とする第2レーザ光照射状態とで、前記レーザ光を前記壁面に照射可能に構成されている除染用レーザ光照射装置。
  3. 前記レーザ光照射部が、前記第1レーザ光照射状態で前記レーザ光を照射する第1レーザ光照射部と、前記第2レーザ光照射状態で前記レーザ光を照射する第2レーザ光照射部とを各別に有する請求項2に記載の除染用レーザ光照射装置。
  4. 前記第1レーザ光照射部による前記第1レーザ光照射状態での前記レーザ光の走査範囲である第1走査範囲と、前記第2レーザ光照射部による前記第1レーザ光照射状態での前記レーザ光の走査範囲である第2走査範囲とが、前記ヘッド本体の移動方向視において重畳するように設定されている請求項3に記載の除染用レーザ光照射装置。
  5. 前記レーザ光照射部が、前記レーザ光の走査方向を前記第1走査方向と前記第2走査方向との間で切替可能に構成されている請求項2に記載の除染用レーザ光照射装置。

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