JP2020159506A - パワーユニットマウント装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のパワーユニットマウント装置では、弾性部がゴム材料からなり、防振特性と減衰特性とを両立させ難いという課題がある。【解決手段】本発明のパワーユニットマウント装置10は、クロスメンバ13とパワーユニット12との間に配設される弾性部21を有している。ゴム材料から成る弾性部21の空間部31及びその周辺には、主に、第1の磁石部33、第1のコイル部36、第2のコイル部38等が配設されている。そして、第1の磁石部33の振幅動作に連動して、電流発生部37にて電流を発生させると共に、上記電流が減衰力発生部40を流れることで、第1の磁石部33の振幅動作を規制する減衰力を発生させる。この構造により、パワーユニットマウント装置10では、防振特性と減衰特性とを両立させることができる。【選択図】図3

Description

本発明は、パワーユニットマウント装置に関し、特に、弾性部内に電磁誘導式機構及び電磁石を組み込むことで、煩雑な制御方法を用いることなく、防振特性と減衰特性との両特性を向上させるパワーユニットマウント装置に関する。
従来のパワーユニットマウント装置100として、図7に示す構造が知られている。図7は、従来におけるパワーユニットマウント装置100を説明する断面図である。
図7に示す如く、パワーユニットマウント装置100は、クロスメンバ101とパワーユニット109との間に配設されている。パワーユニットマウント装置100は、ゴム等からなる弾性部材102を有し、パワーユニット109を弾性的に支持している。そして、弾性部材102とクロスメンバ101との間には、弾性部材102を加熱若しくは冷却する熱電モジュール103が配設されている。
熱電モジュール103は、例えば、ペルチェ素子104から構成される略板状のサーモモジュールである。そして、熱電モジュール103は、主に、アルミニウム等の良熱伝導性の金属板等から構成される伝熱板105,106と、上記伝熱板105,106の間に挟まれるペルチェ素子104と、を有している。
図示したように、パワーユニットマウント装置100は、熱電モジュール103により弾性部材102を加熱若しくは冷却する制御手段としてのコントロールユニット107を有している。そして、コントロールユニット107は、弾性部材102に設置された温度センサ108からの測定値に応じて、弾性部材102の温度を高精度に制御し、弾性部材102のバネ定数kを好適に制御している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2017−122484号公報
上述したように、弾性部材102がゴム部材からなる場合、その材料の特性上、例えば、エンジンからの小さい高周波振動が加わることで、弾性部材102が硬くなり、防振効果が悪化し、車体へとエンジンからの振動が伝わり易くなり、乗員の快適性が悪化してしまう恐れがある。そこで、弾性部材102での防振特性を高めるためには、弾性部材102として柔らかい材料を用いることで、上記高周波振動が加わった場合でも防振効果が得られ、車体へとエンジンからの振動が伝わり難くなり、乗員の快適性が向上される。
しかしながら、弾性部材102として防振効果を優先した場合には、弾性部材102が柔らかくなるため、弾性部材102の動倍率が低くなり、弾性部材102としての減衰特性が悪化してしまう。例えば、車両が障害物に乗り上げた際に発生する大きい低周波振動が弾性部材102に加わった際には、弾性部材102が上記低周波振動を好適に減衰出来ず、その衝撃が車体を介して乗員に伝わり、乗員の快適性を確保し難くなる。つまり、弾性部材102がゴム部材からなる場合、防振特性と減衰特性とは相反する特性であり、同時に両特性が向上するように対応し難いという課題がある。
一方、特許文献1のパワーユニットマウント装置100では、弾性部材102がゴム部材からなる場合、温度が変化することによってバネ定数kが変化し、好適な防振効果が得られない課題を解決するために成された発明である。そして、パワーユニットマウント装置100では、コントロールユニット107が、弾性部材102の温度を高精度に制御し、弾性部材102のバネ定数kを好適に制御している。
しかしながら、コントロールユニット107を用いて、弾性部材102の温度を高精度に制御する方法では、その制御方法が煩雑化すると共に、部品点数も増加し、製造コストを低減し難いという課題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、弾性部内に電磁誘導式機構及び電磁石を組み込むことで、煩雑な制御方法を用いることなく、防振特性と減衰特性との両特性を向上させるパワーユニットマウント装置を提供することにある。
本発明のパワーユニットマウント装置では、車両の支持部材に取り付けられ、前記車両のパワーユニットを支持するパワーユニットマウント装置であって、前記支持部材と前記パワーユニットとの間に配設され、その内部に空間部を有する弾性部と、前記弾性部に支持されると共に、少なくともその一部が前記空間部に配設される第1の磁石部と、前記空間部を囲むように前記弾性部に配設される第1のコイル部を有し、前記第1の磁石部が、前記第1のコイル部の配設領域に対して前記空間部の上下方向へと振幅動作することで、前記第1のコイル部に一方向に流れる第1の電流または前記第1の電流と逆方向に流れる第2の電流を発生させる電流発生部と、前記第1のコイル部よりも前記空間部内の下方であり、前記空間部を囲むように前記弾性部に配設される第2のコイル部を有し、前記第1の電流及び前記第2の電流が流れることで前記第2のコイル部を電磁石として用いる減衰力発生部と、を有し、前記減衰力発生部では、前記第1の磁石部が前記空間部内の下方側に移動した際に発生する前記第1の電流により、前記第1の磁石部を前記空間部内の上方側へと押し返す反発力を発生させると共に、前記第1の磁石部が前記空間部内の上方側に移動した際に発生する前記第2の電流により、前記第1の磁石部を前記空間部内の下方側へと引っ張る吸引力を発生させることを特徴とする。
また、本発明のパワーユニットマウント装置では、前記弾性部は、前記第1の磁石部を支持する第1の弾性部と、前記第1の弾性部と接続し、前記第1の弾性部及び前記空間部の周囲に形成される第2の弾性部と、を有し、前記第1の弾性部と前記第1の磁石部から成る振動部の共振周波数は、前記第1の弾性部のバネ定数及び前記第1の磁石部の質量から調整されていることを特徴とする。
また、本発明のパワーユニットマウント装置では、前記第1のコイル部よりも上方であり、前記空間部を囲むように前記弾性部に配設される第2の磁石部と、を有し、前記空間部側に位置する前記第2の磁石部の磁極は、前記空間部内にて対向する前記第1の磁石部の磁極と同一であることを特徴とする。
また、本発明のパワーユニットマウント装置では、前記第1のコイル部及び前記第2のコイル部は、少なくともその一部が前記空間部に露出するように前記弾性部に支持されていることを特徴とする。
また、本発明のパワーユニットマウント装置では、前記第1のコイル部の巻き方向は、前記空間部を囲むように内周面に沿っていると共に、前記第1のコイル部は、前記空間部の上下方向に複数巻かれ、前記第2のコイル部の巻き方向は、前記第1のコイル部の巻き方向と略垂直方向であると共に、前記第2のコイル部は、前記空間部を囲むように内周面に沿って巻かれていることを特徴とする。
また、本発明のパワーユニットマウント装置では、前記第2のコイル部は、前記空間部を囲むように配設された磁性体からなる環状部材の周囲に巻かれていることを特徴とする。
また、本発明のパワーユニットマウント装置では、前記第1の弾性部及び前記第2の弾性部は、一体成形されるゴム材料から成り、前記第1の弾性部の前記バネ定数は、前記第2の弾性部の前記バネ定数より小さいことを特徴とする。
また、本発明のパワーユニットマウント装置では、前記第1の磁石部には、前記空間部の上下方向との交差方向に貫通した貫通孔が形成され、前記第1の弾性部は、前記第1の磁石部の前記貫通孔内を充填していることを特徴とする。
本発明のパワーユニットマウント装置は、支持部材とパワーユニットとの間に配設され、その内部に空間部を有する弾性部と、弾性部に支持されると共に、少なくともその一部が空間部に配設される第1の磁石部と、空間部を囲むように弾性部に配設される第1のコイル部を有している。また、パワーユニットマウント装置は、第1の磁石部が、第1のコイル部の配設領域に対して空間部の上下方向へと振幅運動することで、第1のコイル部に一方向に流れる第1の電流または第1の電流と逆方向に流れる第2の電流を発生させる電流発生部と、第1のコイル部よりも空間部内の下方であり、空間部を囲むように弾性部に配設される第2のコイル部を有し、第1の電流及び第2の電流が流れることで第2のコイル部を電磁石として用いる減衰力発生部と、を有している。そして、減衰力発生部では、第1の磁石部が空間部内の下方側に移動した際に発生する第1の電流により、第1の磁石部を空間部内の上方側へと押し返す反発力を発生させると共に、第1の磁石部が空間部内の上方側に移動した際に発生する第2の電流により、第1の磁石部を空間部内の下方側へと引っ張る吸引力を発生させることができる。この構造により、パワーユニットマウント装置では、煩雑な制御機構や制御方法を用いることなく、弾性部での防振特性と減衰特性との両特性が向上される。
また、本発明のパワーユニットマウント装置では、弾性部は、第1の磁石部を支持する第1の弾性部と、第1の弾性部と接続し、第1の弾性部及び空間部の周囲に形成される第2の弾性部と、を有し、第1の弾性部と第1の磁石部から成る振動部の共振周波数は、第1の弾性部のバネ定数及び第1の磁石部の質量から調整されている。この構造により、パワーユニットマウント装置では、振動部を共振させることで、振動部の加速度や振幅幅を大きくし、減衰力発生部にて強い磁界を発生させる。そして、減衰力発生部では、弾性部に作用する振動に対して、その振動を減衰させる力を加えることで、弾性部での減衰特性が向上される。
また、本発明のパワーユニットマウント装置は、第1のコイル部よりも上方であり、空間部を囲むように弾性部に配設される第2の磁石部と、を有し、空間部側に位置する第2の磁石部の磁極は、空間部内に対向する第1の磁石部の磁極と同一である。この構造により、第1の磁石部は、空間部内にてその上下方向に直進運動することで、弾性部と接触し、加速度が弱められ、あるいは振幅幅が狭められることが防止される。
また、本発明のパワーユニットマウント装置では、第1のコイル部及び第2のコイル部は、少なくともその一部が前記空間部に露出するように弾性部に支持されている。この構造により、絶縁材料である弾性部により、第1のコイル部にて発生する電流量が低減し、あるいは、第2のコイル部にて発生する磁界が弱められることが防止される。
また、本発明のパワーユニットマウント装置では、第1のコイル部の巻き方向は、空間部を囲むように内周面に沿っていると共に、第1のコイル部は、空間部の上下方向に複数巻かれている。また、第2のコイル部の巻き方向は、第1のコイル部の巻き方向と略垂直方向であると共に、第2のコイル部は、空間部を囲むように内周面に沿って巻かれている。この構造により、第1のコイル部では、電磁誘導により電流が発生し、第2のコイル部では、電磁石として機能し、弾性部での減衰特性を向上させる。
また、本発明のパワーユニットマウント装置では、第2のコイル部は、空間部を囲むように配設された磁性体からなる環状部材の周囲に巻かれている。この構造により、減衰力発生部にて強い磁界を発生させることができる。
また、本発明のパワーユニットマウント装置では、第1の弾性部及び第2の弾性部は、一体成形されるゴム材料から成り、第1の弾性部のバネ定数は、第2の弾性部のバネ定数より小さい。この構造により、弾性部に内蔵される振動部を共振させることで、減衰力発生部にて強い磁界を発生させることができる。
また、本発明のパワーユニットマウント装置では、第1の磁石部には、空間部の上下方向との交差方向に貫通した貫通孔が形成され、第1の弾性部は、第1の磁石部の貫通孔内を充填している。この構造により、第1の磁石部は、空間部の上下方向へと振幅運動するが、貫通孔を介しても弾性部にしっかりと支持されることで、空間部内へと抜け落ちることが防止される。更には、一般的に困難な作業である磁石の溶接を行うことなく、また、部品点数の多くなる締結方法を用いることもなく、第1の弾性部に対して第1の磁石部を簡素に固定することができる。
本発明の実施形態のパワーユニットマウント装置を備えた車両を説明する(A)正面図、(B)側面図である。 本発明の実施形態のパワーユニットマウント装置を説明する側面図である。 本発明の実施形態のパワーユニットマウント装置を説明する(A)断面図、(B)模式図である。 本発明の実施形態のパワーユニットマウント装置を説明する(A)断面図、(B)断面図である。 本発明の実施形態のパワーユニットマウント装置を説明する(A)断面図、(B)断面図である。 本発明の実施形態のパワーユニットマウント装置を説明する(A)断面図、(B)模式図である。 従来におけるパワーユニットマウント装置を説明する断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るパワーユニットマウント装置10を図面に基づき詳細に説明する。尚、本実施形態の説明の際には、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。また、以下の説明では、上下方向は車両11の高さ方向を示し、左右方向は車両11を前方から見た横幅方向を示し、前後方向は車両11の長さ方向を示している。
図1(A)は、本実施形態のパワーユニットマウント装置10を備える車両11を説明する正面図である。図1(B)は、本実施形態のパワーユニットマウント装置10を備える車両11を説明する側面図である。図2は、本実施形態のパワーユニットマウント装置10を説明する側面図である。図3(A)は、本実施形態のパワーユニットマウント装置10を説明する断面図であり、図2に示すパワーユニットマウント装置10のA−A線方向の断面を示している。図3(B)は、本実施形態のパワーユニットマウント装置10の弾性部21内の減衰機構14を説明する模式図である。
図1(A)及び図1(B)に示す如く、車両11は、例えば、自動車であり、パワーユニット12は、車両11を走行させるための動力源である。そして、パワーユニット12は、内燃機関等であるエンジン12Aと、トランスミッション12Bと、を有し、車両11の前部のエンジンコンパートメント内に配置されている。尚、エンジン12Aは、例えば、水平対向エンジンであり、クランクシャフト(図示せず)が、車両11の進行方向に対して略平行となる、いわゆる縦置きに搭載されている。
図示したように、車両11の前部の底面近傍には、クロスメンバ13が、車幅方向に延在して配設されている。クロスメンバ13は、車両11の車体の一部を構成する補強部材であり、パワーユニット12を下方から支持する支持部材である。そして、クロスメンバ13の上部には、2つのパワーユニットマウント装置10が配設され、パワーユニットマウント装置10の上部には、パワーユニット12が配設されている。
つまり、パワーユニットマウント装置10は、クロスメンバ13とパワーユニット12との間に配設され、パワーユニット12を弾性的に支持している。尚、図示したように、パワーユニットマウント装置10は、パワーユニット12の車両11の後方側にも配設されている。
図2に示す如く、パワーユニットマウント装置10は、主に、ゴム等からなる弾性部21と、弾性部21の下部に接合し、弾性部21を支持するブラケット22と、弾性部21の上部に接合するブラケット23と、を有している。そして、ブラケット22,23は、鋼板等から形成され、ブラケット22は、ボルト24及びナット25を介してクロスメンバ13に締結固定されている。同様に、ブラケット23は、ボルト26及びナット(図示せず)を介してパワーユニット12に締結固定されている。
上述したように、弾性部21は、クロスメンバ13とパワーユニット12との間に配設され、ブラケット22,23は、それぞれクロスメンバ13またはパワーユニット12と締結固定されている。この構造により、パワーユニット12からパワーユニットマウント装置10へと入力される振動は、弾性部21及び弾性部21に内蔵される減衰機構14(図3(B)参照)を介して防振されると共に減衰されることで、上記振動が車体へと伝達され、車両11の乗員に不快感を与えることが防止される。
ここで、以下の説明では、小入力とは、車両11のアイドリング時等に発生するエンジン12Aの振動等を含む比較的小さい高周波振動が、パワーユニット12を介してパワーユニットマウント装置10へと作用することをいう。一方、大入力とは、車両11が障害物に乗り上げた際や悪路を走行する際等に発生する比較的に大きな低周波振動が、パワーユニット12を介してパワーユニットマウント装置10へと作用することをいう。
図3(A)に示す如く、パワーユニットマウント装置10では、弾性部21は、例えば、天然ゴムにスチレンブタジエンゴムやブチルゴム等の合成ゴムを所定の割合にて配合して形成されている。そして、弾性部21は、略円柱形状に成形され、その中心部には、円柱形状の空間部31が形成されている。二点鎖線32にて示すように、空間部31の上下方向へと延在する中心線は、弾性部21の軸心と一致している。尚、空間部31の下端は、弾性部21の下端面を貫通して形成され、ブラケット22まで到達している。
第1の磁石部33は、その上端部側が弾性部21に支持された状態にて、空間部31内へと吊り下げられて配設されている。第1の磁石部33は、例えば、永久磁石であり、棒状の略直方体形状である。図示したように、第1の磁石部33は、例えば、そのS極側及びN極側の一部が空間部31内に位置すると共に、そのN極側が弾性部21内へと埋設されている。
また、第1の磁石部33の上記埋設領域には、ブラケット23の裏面と平行となるように、空間部31の上下方向との交差方向へと貫通する貫通孔34が形成され、貫通孔34内は弾性部21にて充填されている。そして、詳細は後述するが、第1の磁石部33は、主に、車両11の上下方向へと弾性部21と一緒に繰り返し振幅運動するが、上記貫通孔34も用いて弾性部21にしっかりと支持されることで、空間部31内へと抜け落ちることが防止される。更には、一般的に困難な作業である磁石の溶接を行うことなく、また、部品点数の多くなる締結方法を用いることもなく、弾性部21に対して第1の磁石部33を簡素に固定することができる。
第2の磁石部35は、その一部が空間部31へと露出するように、弾性部21に支持されている。第2の磁石部35は、空間部31を構成する弾性部21の内周上端面21Aと第1のコイル部36との間であり、第1の磁石部33のN極と対向する領域に配設されている。そして、第2の磁石部35は、例えば、永久磁石であり、一環状のリング形状である。図示したように、第2の磁石部35は、例えば、その内周側がN極であり、その外周側がS極である。上述したように、第2の磁石部35の内周側に位置するN極が、空間部31へと一環状に露出している。
この構造により、第1の磁石部33と第2の磁石部35とは、N極同士が対向し、反発し合う。そして、第1の磁石部33が、車両11の上下方向へと繰り返し振幅運動するが、その際に、第1の磁石部33が、内周側面21Bと接触し難い構造が実現される。その結果、第1の磁石部33の加速度や振幅幅が、内周側面21Bとの接触により弱められることが防止される。
尚、第1の磁石部33は、上記大入力や小入力の方向に応じて、車両11の左右方向や前後方向等、第1の磁石部33の上端側の支持領域を支点として、第1の磁石部33が、振り子運動のように振幅運動するが、その際にも、第1の磁石部33が、内周側面21Bと接触し難い構造が実現される。
第1のコイル部36は、その一部が空間部31へ露出するように、弾性部21に支持されている。第1のコイル部36は、例えば、銅線等の電気伝導率の優れた導線から成り、電磁誘導により発生する電流を流す。そして、第1のコイル部36の1回転の巻き方向は、空間部31を囲むように、ブラケット22の表面と略水平方向であり、第1のコイル部36は、空間部31の上下方向に沿って一定間隔に巻かれている。図示したように、第1のコイル部36は、第2の磁石部35の下方から第2のコイル部38の上方まで配設され、例えば、空間部31の上下方向の長さの約半分程度に渡り配設されている。
具体的には、第1のコイル部36では、使用される導線の半分程度が、空間部31へと露出し、その導線の残りの半分程度が、弾性部21内に埋設されている。そして、第1のコイル部36は、内周側面21Bに対して、空間部31の上下方向に螺旋状に露出している。この構造により、第1のコイル部36では、第1の磁石部33の振幅運動に連動して、電磁誘導により電流を発生させるが、絶縁材料である弾性部21により磁束が遮断され、あるいは、磁束が弱められ、上記電流の発生が妨げられることが防止される。
第2のコイル部38は、その一部が空間部31へ露出するように、弾性部21に支持されている。第2のコイル部38は、例えば、銅線等の電気伝導率の優れた導線から成り、第1のコイル部36と電気的に接続し、第1のコイル部36にて発生した電流を流す。本実施形態では、第1のコイル部36と第2のコイル部38とは、一本の導線により閉回路を構成している。そして、第2のコイル部38は、リング形状の磁性体からなる環状部材39に対して、略1周に渡り巻き付けられている。
尚、第2のコイル部38は、上記環状部材39の無い状態にて、空間部31を囲むように配設される場合でも良い。そして、上記環状部材39が、第2のコイル部38内に配設されることで、電磁石から発生する磁界を強めることができる。
具体的には、第2のコイル部38の1回転の巻き方向は、空間部31の上下方向であり、ブラケット22の表面や第1のコイル部36の上記巻き方向に対して略垂直方向である。そして、第2のコイル部38は、空間部31を構成する内周側面21Bに沿って、一環状に一定間隔にて巻かれている。つまり、第2のコイル部38では、上記環状部材39の周囲に1回転巻かれた導線の内側の半分程度が空間部31へと露出し、導線の残りの半分程度が弾性部21内に埋設されている。
この構造により、第2のコイル部38は、第1のコイル部36にて発生した電流を流すことで、一時的に磁界を発生させる電磁石として機能する。そして、第2のコイル部38から発生する磁束が、絶縁材料である弾性部21により遮断され、あるいは、磁束が弱められることが防止される。
図3(B)に示す如く、本実施形態の減衰機構14では、一点鎖線にて示すように、第1のコイル部36と第1の磁石部33により、電流発生部37が構成されている。そして、二点鎖線にて示すように、第1のコイル部36、第2のコイル部38及び上記環状部材39により、減衰力発生部40が構成されている。また、弾性部21及び第1の磁石部33により、振動部30が構成されている。
先ず、電流発生部37では、主に、第1の磁石部33が、空間部31の上下方向へと振幅運動を繰り返すことで、電磁誘導により第1のコイル部36に電流を発生させる。
具体的には、図3(A)に示す如く、第1の磁石部33の下端面が、第1のコイル部36の配設領域R1の中心CLと略一致するように、第1の磁石部33は、空間部31内に配設されている。車両11の略上下方向へと向かう上記大入力や上記小入力が、パワーユニット12からパワーユニットマウント装置10へと作用することで、弾性部21が、車両11の略上下方向へと伸縮を繰り返す。そして、振動部30では、弾性部21の上記伸縮動作に連動し、第1の磁石部33が、第1のコイル部36の配設領域R1に対して上下方向へと振幅運動することで、第1のコイル部36には、電磁誘導により、一方向あるいはその逆方向の電流が発生する。
尚、車両11の左右方向や前後方向等の横方向へと向かう上記大入力や上記小入力が、パワーユニット12からパワーユニットマウント装置10へと作用することで、弾性部21が、車両11の略横方向へと振幅運動を繰り返す。この場合には、第1の磁石部33は、その上端側の弾性部21による支持領域を支点として、振り子運動のように振幅運動するが、その際にも、第1のコイル部36には、電磁誘導により、一方向あるいはその逆方向の微弱電流が発生する。
次に、減衰力発生部40では、第2のコイル部38に第1のコイル部36にて発生した電流が流れることで電磁石として機能し、その電流の向きに応じて空間部31の上下方向に向かう磁界を発生させる。そして、減衰力発生部40では、第1の磁石部33を空間部31の上方側へと押し返す反発力を発生させ、あるいは、第1の磁石部33を空間部31の下方側へと引っ張る吸引力を発生させる。
尚、上述したように、第2のコイル部38の内側には、上記環状部材39が省略される構造の場合でも良く、この場合は、減衰力発生部40は、第1のコイル部36及び第2のコイル部38により構成される。
次に、図4から図5を参照し、上記大入力や小入力が、車両11の略上下方向へと向けて、パワーユニット12からパワーユニットマウント装置10へと作用した状態を説明する。
図4(A)及び図4(B)は、本実施形態のパワーユニットマウント装置10に上記大入力が作用した状態を説明する断面図である。図5(A)及び図5(B)は、本実施形態のパワーユニットマウント装置10に上記小入力が作用した場合を説明する断面図である。尚、図4及び図5では、図2に示すパワーユニットマウント装置10のA−A線方向の断面を示している。
最初に、図4(A)では、矢印41にて示すように、車両11の下方側へと向かう上記大入力が、パワーユニット12からパワーユニットマウント装置10へと作用し、弾性部21が、車両11の下方側へと向けて縮小している状態を示している。
上述したように、ブラケット22は、弾性部21を下方から支持すると共に、ボルト24及びナット25を介してクロスメンバ13に締結固定されている。この弾性部21の固定状態において、上記大入力が、車両11の下方側へと作用すると、ブラケット23が、車両11の下方側へと移動し、弾性部21が圧縮変形する。
具体的には、弾性部21には、ブラケット23を介して上記大入力が作用することで、弾性部21は、その中心CL付近が最も外側へと膨れるように変形する。そして、上記弾性部21の変形により、空間部31もその中心CL付近が最も外側へと膨れるように変形する。
一方、弾性部21が圧縮変形することで、矢印42にて示すように、第1の磁石部33も、弾性部21と一緒に車両11の下方側へと、例えば、距離L1だけ移動する。このとき、第2の磁石部35が、第1の磁石部33の周囲に一環状に配設され、第1の磁石部33と第2の磁石部35とが反発し合う。そして、第1の磁石部33は、二点鎖線32にて示すように、空間部31の中心線に沿って直線状に下方へと移動する。
その結果、電流発生部37では、第1の磁石部33が、第1のコイル部36の配設領域R1に対して下方へ移動することで、電磁誘導により第1のコイル部36に電流を発生させる。その後、第1のコイル部36に発生した電流は、第2のコイル部38へと流れ込む。
一方、減衰力発生部40では、第2のコイル部38に上記電流が流れることで、第2のコイル部38は、電磁石として機能する。ここで、第2のコイル部38に上記電流が流れた際に、第1の磁石部33を空間部31の上方側へと押し返す反発力が発生するように、第2のコイル部38は、上記環状部材39の周囲に巻かれている。
その結果、減衰力発生部40では、空間部31の下方側へと移動する第1の磁石部33に対して、空間部31の上方側へと向かう反発力を加えることで、上記大入力による振動を減衰させることができる。
更には、上記大入力が作用することで、第1の磁石部33は、大きな加速度により車両11の下方側へと移動し、第1のコイル部36には大電流が発生する。その結果、第2のコイル部38に上記大電流が流れ、強い磁界が発生し、上記反発力も大きくなることで、減衰力発生部40が、上記大入力に対するストッパーとしても機能する。そして、上記大入力が、車両11のクロスメンバ13(図1(A)参照)を介して車体へと伝達され、車両11の乗員に不快感を与えることが防止される。また、上記ストッパー機能により、パワーユニット12の過度の変位が抑制され、例えば、車両11がカーブを走行する際の応答性が向上される。
次に、図4(B)では、矢印43にて示すように、車両11の上方側へと向かう上記大入力が、パワーユニット12からパワーユニットマウント装置10へと作用し、弾性部21が、車両11の上方側へと向けて伸びる状態を示している。尚、上記大入力が作用することで、パワーユニット12が、車両11の上下方向へと振動運動を繰り返すが、図4(B)では、図4(A)にて車両11の下方側へと縮小した弾性部21が、車両11の上方側へと伸び始めている状態を示している。
矢印43にて示すように、上記大入力が加わり、ブラケット23が、車両11の上方側へと移動することで、弾性部21は、図4(A)に示す圧縮変形した状態から伸び始める。そして、第1の磁石部33も、弾性部21と一緒に車両11の上方側へと移動する。尚、図4(B)では、第1の磁石部33が、図4(A)の第1の磁石部33の下端位置から距離L2だけ戻り始めた状態を示している。
その結果、電流発生部37では、第1の磁石部33が、第1のコイル部36の配設領域R1に対して上方へ移動することで、電磁誘導により第1のコイル部36に、図4(A)にて発生した電流と逆方向の電流を発生させる。その後、第1のコイル部36に発生した上記逆方向の電流は、第2のコイル部38へと流れ込む。
一方、減衰力発生部40では、第2のコイル部38に上記逆方向の電流が流れることで、再び、電磁石として機能する。そして、減衰力発生部40では、第1の磁石部33を空間部31の下方側へと引っ張る吸引力を発生させる。
その結果、減衰力発生部40では、空間部31の上方側へと移動する第1の磁石部33に対して、空間部31の下方側へと引っ張る吸引力を加えることで、上記大入力による振動を減衰させることができる。
次に、図5(A)では、矢印45にて示すように、車両11の下方側へと向かう上記小入力が、パワーユニット12からパワーユニットマウント装置10へと作用し、弾性部21が、車両11の下方側へと向けて縮小している状態を示している。
図示したように、上記小入力が、車両11の下方側へと作用した場合でも、図4(A)を用いて上述した状態と同様に、ブラケット23が、車両11の下方側へと移動し、弾性部21が圧縮変形する。そして、弾性部21が圧縮変形することで、矢印46にて示すように、第1の磁石部33も、弾性部21と一緒に車両11の下方側へと、例えば、距離L3だけ移動する。
その結果、電流発生部37では、第1の磁石部33が、第1のコイル部36の配設領域R1に対して下方へ移動することで、電磁誘導により第1のコイル部36に電流を発生させる。その後、第1のコイル部36に発生した電流は、第2のコイル部38へと流れ込む。
一方、減衰力発生部40では、第2のコイル部38に上記電流が流れることで、電磁石として機能する。そして、減衰力発生部40では、第1の磁石部33を空間部31の上方側へと押し返す反発力を発生させる。
その結果、減衰力発生部40では、空間部31の下方側へと移動する第1の磁石部33に対して、空間部31の上方側へと向かう反発力を加えることで、上記小入力による振動を減衰させることができる。
次に、図5(B)では、矢印47にて示すように、車両11の上方側へと向かう上記小入力が、パワーユニット12からパワーユニットマウント装置10へと作用し、弾性部21が、車両11の上方側へと向けて伸びる状態を示している。尚、上記小入力が作用することで、パワーユニット12が、車両11の上下方向へと振動運動を繰り返すが、図5(B)では、図5(A)にて車両11の下方側へと縮小した弾性部21が、車両11の上方側へと伸び始めている状態を示している。
矢印47にて示すように、上記小入力が加わり、ブラケット23が、車両11の上方側へと移動することで、弾性部21は、図5(A)に示す圧縮変形した状態から伸び始める。そして、第1の磁石部33も、弾性部21と一緒に車両11の上方側へと移動する。尚、図5(B)では、第1の磁石部33が、図5(A)の第1の磁石部33の下端位置から距離L4だけ戻り始めた状態を示している。
その結果、電流発生部37では、第1の磁石部33が、第1のコイル部36の配設領域R1に対して上方へ移動することで、電磁誘導により第1のコイル部36に、図5(A)にて発生した電流と逆方向の電流を発生させる。その後、第1のコイル部36に発生した上記逆方向の電流は、第2のコイル部38へと流れ込む。
一方、減衰力発生部40では、第2のコイル部38に上記逆方向の電流が流れることで、再び、電磁石として機能する。そして、減衰力発生部40では、第1の磁石部33を空間部31の下方側へと引っ張る吸引力を発生させる。
その結果、減衰力発生部40では、空間部31の上方側へと移動する第1の磁石部33に対して、空間部31の下方側へと引っ張る吸引力を加えることで、上記小入力による振動を減衰させることができる。そして、上記小入力の際には、弾性部21では、主に防振特性がメインに作用し、アイドリング時や平坦路走行時における乗員の快適性が向上される。
以上より、パワーユニットマウント装置10は、パワーユニット12からの上記大入力及び上記小入力に対して、優れた防振特性を有するだけでなく、図4及び図5を用いて上述したように、パワーユニット12からの上記大入力及び上記小入力に対して、優れた減衰特性も有している。
ここで、パワーユニットマウント装置10の弾性部21は、エンジンの振動等、繰り返し高周波振動が入力されることで、そのバネ定数kが大きくなり、硬くなる性質がある。そして、弾性部21は、上記高周波振動が入力されても所望の防振特性を維持するため、バネ定数kの小さく、柔らかいゴム材料が使用される。その結果、弾性部21として、防振特性を優先し、柔らかいゴム材料を用いることで、弾性部21の動倍率が低くなり、減衰特性が悪化するという課題がある。
そこで、本実施形態では、図4及び図5を用いて上述したように、弾性部21に空間部31を形成し、その空間部31及びその周辺に、振動部30、電流発生部37及び減衰力発生部40から成る減衰機構14(図3(B)参照)を組み込んでいる。特に、パワーユニットマウント装置10へ上記大入力が作用した際には、上記大入力による振動を減衰させると共に、ストッパーとしても機能することで、上記大入力が、車両11のクロスメンバ13を介して車体へと伝達され、車両11の乗員に不快感を与えることが防止される。
つまり、パワーユニットマウント装置10の弾性部21は、上記大入力や上記小入力が作用しない状態では、ゴム材料の性質として防振特性に優れる。一方、上記大入力や上記小入力が作用した状態、特に、上記大入力が作用した状態では、弾性部21に内蔵された上記減衰機構14(図3(B)参照)により、減衰特性が発揮される。その結果、パワーユニットマウント装置10の弾性部21では、相反する特性である防振特性と減衰特性とを実現することができる。
最後に、図6を参照して、パワーユニットマウント装置10の変形例を説明する。尚、以下の説明では、図1から図5を用いて説明した構成部材と異なる構成部材を中心に説明し、上記説明と同じ構成部材には、同一の符番を付し、繰り返しの説明は省略するものとする。
図6(A)は、本実施形態のパワーユニットマウント装置10の変形例を説明する断面図であり、図2に示すパワーユニットマウント装置10のA−A線方向の断面に相当する断面を示している。図6(B)は、本実施形態のパワーユニットマウント装置10の変形例の振動部61を説明する模式図である。
図6(A)に示す如く、弾性部51は、第1の磁石部33を支持する第1の弾性部51Aと、第1の弾性部51Aの周囲に形成された第2の弾性部51Bと、を有している。そして、第1の弾性部51Aと第2の弾性部51Bとにより構成される弾性部51は、例えば、2色成形により一体に形成され、外観上は、弾性部21(図3(A)参照)と同一形状である。
第1の弾性部51Aは、第2の弾性部51Bよりもバネ係数kが小さい材料から形成されることで、第1の弾性部51Aは柔らかくなり、第2の弾性部51Bは硬くなる。そして、第1の弾性部51Aは、空間部31の上方に形成され、例えば、空間部31と同一径の円柱形状である。また、第1の弾性部51Aは、第1の磁石部33に形成された貫通孔34内を充填すると共に、第1の磁石部33の上記埋設領域の外周面と密着して、第1の磁石部33を支持している。
図6(B)に示す如く、本実施形態では、第1の磁石部33と第1の弾性部51Aにて振動部61を形成し、第1の磁石部33の質量と第1の弾性部51Aのバネ定数kを、適宜、選択することで、振動部61の共振周波数fを調整している。
ここで、上記共振周波数fの関係式として以下の式1がある。
[式1] f=1/2π×(k/m)1/2
f(Hz)は、振動部61の共振周波数fであり、k(N/m)は、第1の弾性部51Aのバネ定数であり、m(kg)は、第1の磁石部33の質量である。
上記式1に示すように、振動部61の共振周波数fが、適宜、所望の値に設定されることで、上記大入力や上記小入力が作用した際に、大きな加速度や大きな振幅を発生させることができる。
上記大入力による振動は低周波であり、その加速度は小さいが、上記大入力が作用した際には、振動部61での共振により大きな加速度を発生させることで、電流発生部37では、大電流を発生させることができる。その結果、減衰力発生部40では、第2のコイル部38に上記大電流が流れ、強い磁界が発生することで、第1の磁石部33を空間部31の上方側へと押し返す大きな反発力を発生させ、減衰特性やストッパー機能を高めることができる。
一方、上記小入力による振動は高周波であり、その振幅幅は小さいが、上記小入力が作用した際には、振動部61での共振により大きな振幅幅を発生させることで、電流発生部37では、少しでも大きな電流を発生させることができる。その結果、減衰力発生部40では、第2のコイル部38に上記電流が流れ、少しでも強い磁界を発生させることで、第1の磁石部33を空間部31の上方側へと押し返す反発力を発生させ、減衰特性を高めることができる。
尚、本実施形態では、弾性部51が、ゴム材料からなる第1の弾性部51Aと第2の弾性部51Bとの二色成形にて形成される場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、第1の弾性部51Aに換えて、例えば、板バネ等の弾性部材が空間部31上方の第2の弾性部51B間に架橋され、第1の磁石部33が、上記弾性部材により支持される構造でも良い。この場合においても、第1の磁石部33の質量と上記弾性部材のバネ定数kを、適宜、選択することで、振動部61の共振周波数fが調整され、上述した効果と同様な効果が得られる。
また、第1の磁石部33では、S極側が空間部31内に配設され、N極側が弾性部21,51内に埋設される場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、N極側が空間部31内に配設され、S極側が弾性部21,51内に埋設される場合でも良い。この場合においても、減衰力発生部40では、第1の磁石部33が空間部31内の下方側に移動した際には、第1の磁石部33を空間部31内の上方側へと押し返す反発力を発生させ、一方、第1の磁石部33が空間部31内の上方側に移動した際には、第1の磁石部33を空間部31内の下方側へと引っ張る吸引力を発生させるように、第1のコイル部36及び第2のコイル部38の巻方向等が調整される。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて種々の変更が可能である。
10 パワーユニットマウント装置
11 車両
12 パワーユニット
13 クロスメンバ
14 減衰機構
21 弾性部
21A 内周上端面
21B 内周側面
22,23 ブラケット
30 振動部
31 空間部
33 第1の磁石部
34 貫通孔
35 第2の磁石部
36 第1のコイル部
37 電流発生部
38 第2のコイル部
39 環状部材
40 減衰力発生部
51 弾性部
51A 第1の弾性部
51B 第2の弾性部
61 振動部

Claims (8)

  1. 車両の支持部材に取り付けられ、前記車両のパワーユニットを支持するパワーユニットマウント装置であって、
    前記支持部材と前記パワーユニットとの間に配設され、その内部に空間部を有する弾性部と、
    前記弾性部に支持されると共に、少なくともその一部が前記空間部に配設される第1の磁石部と、
    前記空間部を囲むように前記弾性部に配設される第1のコイル部を有し、前記第1の磁石部が、前記第1のコイル部の配設領域に対して前記空間部の上下方向へと振幅動作することで、前記第1のコイル部に一方向に流れる第1の電流または前記第1の電流と逆方向に流れる第2の電流を発生させる電流発生部と、
    前記第1のコイル部よりも前記空間部内の下方であり、前記空間部を囲むように前記弾性部に配設される第2のコイル部を有し、前記第1の電流及び前記第2の電流が流れることで前記第2のコイル部を電磁石として用いる減衰力発生部と、を有し、
    前記減衰力発生部では、前記第1の磁石部が前記空間部内の下方側に移動した際に発生する前記第1の電流により、前記第1の磁石部を前記空間部内の上方側へと押し返す反発力を発生させると共に、前記第1の磁石部が前記空間部内の上方側に移動した際に発生する前記第2の電流により、前記第1の磁石部を前記空間部内の下方側へと引っ張る吸引力を発生させることを特徴とするパワーユニットマウント装置。
  2. 前記弾性部は、前記第1の磁石部を支持する第1の弾性部と、前記第1の弾性部と接続し、前記第1の弾性部及び前記空間部の周囲に形成される第2の弾性部と、を有し、
    前記第1の弾性部と前記第1の磁石部から成る振動部の共振周波数は、前記第1の弾性部のバネ定数及び前記第1の磁石部の質量から調整されていることを特徴とする請求項1に記載のパワーユニットマウント装置。
  3. 前記第1のコイル部よりも上方であり、前記空間部を囲むように前記弾性部に配設される第2の磁石部と、を有し、
    前記空間部側に位置する前記第2の磁石部の磁極は、前記空間部内にて対向する前記第1の磁石部の磁極と同一であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパワーユニットマウント装置。
  4. 前記第1のコイル部及び前記第2のコイル部は、少なくともその一部が前記空間部に露出するように前記弾性部に支持されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のパワーユニットマウント装置。
  5. 前記第1のコイル部の巻き方向は、前記空間部を囲むように内周面に沿っていると共に、前記第1のコイル部は、前記空間部の上下方向に複数巻かれ、
    前記第2のコイル部の巻き方向は、前記第1のコイル部の巻き方向と略垂直方向であると共に、前記第2のコイル部は、前記空間部を囲むように内周面に沿って巻かれていることを特徴とする請求項4に記載のパワーユニットマウント装置。
  6. 前記第2のコイル部は、前記空間部を囲むように配設された磁性体からなる環状部材の周囲に巻かれていることを特徴とする請求項5に記載のパワーユニットマウント装置。
  7. 前記第1の弾性部及び前記第2の弾性部は、一体成形されるゴム材料から成り、
    前記第1の弾性部の前記バネ定数は、前記第2の弾性部の前記バネ定数より小さいことを特徴とする請求項2に記載のパワーユニットマウント装置。
  8. 前記第1の磁石部には、前記空間部の上下方向との交差方向に貫通した貫通孔が形成され、
    前記第1の弾性部は、前記第1の磁石部の前記貫通孔内を充填していることを特徴とする請求項7に記載のパワーユニットマウント装置。
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