(第1の実施形態)
[1−1]部材の説明
図1〜図5を参照して、本実施形態に係るデッキ構造1(図7〜図9参照)の施工法で用いる部材を説明する。図1は脚部材11、図2〜図4は第1〜第3フレームユニット21,31,41、図5は床板ユニット51を示している。
<脚部材>
図1に示すように、脚部材11は、施工地盤Gと接する基部11aと、上下方向に延びる四角柱状の支持部11bとを有する。支持部11bは、基部11aに対して螺合しており、回転することにより高さ調節が可能に構成されている。支持部11bは、金属製の長尺部材であり、断面形状がロ字状の平断面構造を持った剛性部材である。支持部11bの上端部に、相互に対向する一対の嵌合片11cが立設されている。支持部11bの上端面と上記一対の嵌合片11cとで、上面が開放されたコ字状の受け部12が形成されている。脚部材11は、支持部11bの上端部で第1フレーム部材21A,21B,31B,41A,41B(図2〜図4参照)を支持する。
この脚部材11を複数準備する工程は、後述する「[1−2]デッキ構造の施工法」における<脚部材準備工程>である。
<第1フレームユニット>
図2に示すように、第1フレームユニット21は、相互に平行に配置された一対の大引21a,21bと、全体として長方形状に配置された4本の根太21c,21dとを有する。4本の根太21c,21dは大引21a,21bの上面に備えられている。
大引21a,21bは、金属製の長尺部材であり、断面形状がロ字状の平断面構造を持った剛性部材である。大引21a,21bは、長さおよび高さが相互に同じであるが、幅(より詳しくは図1における横方向の幅)が異なっている。幅が広いほうを大大引21a、狭いほうを小大引21bとする。大大引21aの幅は、上記脚部材11の一対の嵌合片11cの間隔と同じか若干短い長さに設定されている。小大引21bの幅は、大大引21aの幅の略半分である。
根太21c,21dは、金属製の長尺部材であり、断面形状がL字状の剛性部材である。根太21c,21dは、断面形状が相互に同じであるが、長さが異なっている。長さが長いほうを大根太21d、短いほうを小根太21cとする。大根太21dの長さは、大引21a,21bの長さと同じか若干短い長さに設定されている。小根太21cの長さは、大根太21dの長さの略半分である。
4本の根太21c,21dは、全体として長方形を形成するように配置されて大引21a,21bの上面に組み付けられている。
具体的に、一対の小根太21cは、相互に平行に配置され、大引21a,21bの端部において、一対の大引21a,21b間に架け渡され、大引21a,21bの上面に載置されている。その場合、断面L字の2辺のうちの短辺を大引21a,21bの上面に対接させ、長辺を大引21a,21bの中央部側に向けている。そして、小根太21cの端部は、大引21a,21bの外側の側面に近接し、断面L字の短辺は、大引21a,21bの端部に近接している。この状態で、小根太21cは、断面L字の短辺を介して大引21a,21bの上面にビスで固定されている(このとき小根太21cおよび大引21a,21bにビスが貫通する下孔を予め穿孔しておくことが好ましい)。
一対の大根太21dは、相互に平行に配置され、大引21a,21bの長さ方向に延びるように、大引21a,21bの上面に載置されている。その場合、断面L字の2辺のうちの短辺を大引21a,21bの上面に対接させ、長辺を大引21a,21bの内側の側面側に向けている。そして、大根太21dの端部は、小根太21cの断面L字の長辺に当接し、断面L字の短辺は、大引21a,21bの外側の側面に近接している。この状態で、大根太21dは、断面L字の短辺を介して大引21a,21bの上面にビスで固定されている(このとき大根太21dおよび大引21a,21bにビスが貫通する下孔を予め穿孔しておくことが好ましい)。
小根太21cと大根太21dとは、各端部において、相互に直交しかつ連続している。これにより、4本の根太21c,21dは、協働して長方形を形成している。
断面形状がロ字状の大引21a,21bの幅に比べて、断面形状がL字状の大根太21dおよび小根太21cの幅(断面L字の長辺の厚み)は小さい。そのため、大引21a,21bと大根太21dとの境目に段部21xが形成されている。
この段部21xは、大大引21aとその上の大根太21dとを1つの第1フレーム部材21Aとして見たときに、その第1フレーム部材21Aにおける第1フレームユニット21の内方側の面に形成されている。同様に、小大引21bとその上の大根太21dとを他の1つの第1フレーム部材21Bとして見たときに、その第1フレーム部材21Bにおける第1フレームユニット21の内方側の面に形成されている。そして、この段部21xは、第1フレーム部材21A,21Bにおいて幅が相対的に広い下部、すなわち大引21a,21bが、第1フレーム部材21A,21Bにおいて幅が相対的に狭い上部、すなわち大根太21dよりも、第1フレームユニット21の内方に突出する段部である。
なお、本実施形態では、前述のように、小大引21bの幅が大大引21aの幅の略半分であるから、相互に対向する一対の第1フレーム部材21A,21Bのうち、一方の第1フレーム部材21Aの段部21xの突出量が相対的に大きく、他方の第1フレーム部材21Bの段部21xの突出量が相対的に小さくなっている。
本実施形態では、中間根太21e(本発明の第3フレーム部材に相当)が設けられている。中間根太21eは、金属製の長尺部材であり、断面形状がロ字状の平断面構造を持った剛性部材である。中間根太21eは、小根太21cと平行に配置され、大引21a,21bの長さ方向の中央部において、一対の大引21a,21b間に架け渡され、大引21a,21bの上面に載置されている。そして、中間根太21eの端部は、大根太21dの断面L字の長辺に当接している。この状態で、中間根太21eは、大引21a,21bの上面にビスで固定されている(このとき中間根太21eおよび大引21a,21bにビスが貫通する下孔を予め穿孔しておくことが好ましい)。この中間根太21eにより、第1フレームユニット21には、平面視で略正方形状の区画領域Rが2つ形成されている。中間根太21eの高さは、小根太21cおよび大根太21dの高さ(断面L字の長辺の長さ)と同じ高さに設定されている。
小根太21cを1つの第2フレーム部材21Cとして見たときに、この第2フレーム部材21Cは、上記第1フレーム部材21A,21Bの上部、すなわち大根太21dに相当する部分のみで構成されている。そして、第1フレームユニット21は、4本のフレーム部材(第1フレーム部材21A,21Bおよび第2フレーム部材21C,21C)で長方形状に形成されている。
この第1フレームユニット21の上面(あるいは4本のフレーム部材21A,21B,21C,21Cの上面)は、小根太21cの断面L字の長辺の上端面、大根太21dの断面L字の長辺の上端面、および中間根太21eの上面で構成される。
この第1フレームユニット21を複数準備する工程は、後述する「[1−2]デッキ構造の施工法」における<フレームユニット準備工程>である。
<第2フレームユニット>
次に、第2フレームユニット31を説明する。ただし、第2フレームユニット31は第1フレームユニット21に類似しているので、第1フレームユニット21と異なる部分のみ説明し、第1フレームユニット21と同じまたは類似する部分は説明を省略する。
図3に示すように、第2フレームユニット31は、相互に平行に配置された一対の大引31b,31bを有する。大引31b,31bは、第1フレームユニット21の小大引21bと構成が同じである。すなわち、小大引31b,31bの幅(より詳しくは図1における横方向の幅)は、第1フレームユニット21の大大引21aの幅の略半分である。
根太31c,31d,31eは、第1フレームユニット21の根太21c,21d,21eと構成が同じである。そのため、第1フレーム部材31Bおよび第2フレーム部材31Cは、第1フレームユニット21の第1フレーム部材21Bおよび第2フレーム部材21Cに対応する。ただし、前述のように、第1フレームユニット21の小大引21bの幅が第1フレームユニット21の大大引21aの幅の略半分であるから、第1フレーム部材31Bの段部31xの突出量が相対的に小さくなっている。中間根太31e(本発明の第3フレーム部材に相当)により形成される区画領域Rは第1フレームユニット21の区画領域Rと同じ形状、同じ大きさである。第2フレームユニット31は、4本のフレーム部材(第1フレーム部材31B,31Bおよび第2フレーム部材31C,31C)で長方形状に形成されている。
この第2フレームユニット31の上面(あるいは4本のフレーム部材31B,31B,31C,31Cの上面)は、小根太31cの断面L字の長辺の上端面、大根太31dの断面L字の長辺の上端面、および中間根太31eの上面で構成される。
この第2フレームユニット31を複数準備する工程は、後述する「[1−2]デッキ構造の施工法」における<フレームユニット準備工程>である。
<第3フレームユニット>
次に、第3フレームユニット41を説明する。ただし、第3フレームユニット41もまた第1フレームユニット21に類似しているので、第1フレームユニット21と異なる部分のみ説明し、第1フレームユニット21と同じまたは類似する部分は説明を省略する。
図4に示すように、第3フレームユニット41は、相互に平行に配置された一対の大引41a,41bを有する。大引41aは、第1フレームユニット21の大大引21aと構成が同じであり、大引41bは、第1フレームユニット21の小大引21bと構成が同じである。すなわち、大大引41aの幅(より詳しくは図1における横方向の幅)は、上記脚部材11の一対の嵌合片11cの間隔と同じか若干短い長さに設定されている。小大引41bの幅は、大大引41aの幅の略半分である。
根太41c,41d,41eは、第1フレームユニット21の根太21c,21d,21eと構成が同じである。そのため、第1フレーム部材41A,41Bおよび第2フレーム部材41Cは、第1フレームユニット21の第1フレーム部材21A,21Bおよび第2フレーム部材21Cに対応する。そして、前述のように、第1フレームユニット21の小大引21bの幅が第1フレームユニット21の大大引21aの幅の略半分であるから、相互に対向する一対の第1フレーム部材41A,41Bのうち、一方の第1フレーム部材41Aの段部41xの突出量が相対的に大きく、他方の第1フレーム部材41Bの段部41xの突出量が相対的に小さくなっている。中間根太41e(本発明の第3フレーム部材に相当)により形成される区画領域Rは第1フレームユニット21の区画領域Rと同じ形状、同じ大きさである。第3フレームユニット41は、4本のフレーム部材(第1フレーム部材41A,41Bおよび第2フレーム部材41C,41C)で長方形状に形成されている。
この第3フレームユニット41の上面(あるいは4本のフレーム部材41A,41B,41C,41Cの上面)は、小根太41cの断面L字の長辺の上端面、大根太41dの断面L字の長辺の上端面、および中間根太41eの上面で構成される。
この第3フレームユニット41を複数準備する工程は、後述する「[1−2]デッキ構造の施工法」における<フレームユニット準備工程>である。
<床板ユニット>
次に、床板ユニット51を説明する。図5に示すように、床板ユニット51は、床板部材52と、床板部材52の裏面に組み付けられた所定高さHの台部材53とを含んでいる。床板部材52および台部材53は樹脂製である。
床板部材52は、3つの長方形状の床板構成部材52aが連結されて平面視で略正方形状に形成されている。床板部材52の縦の長さ(3つの床板構成部材52aの連結方向の長さ)L1および横の長さ(床板構成部材52aの長手方向の長さ)L2は、床板部材52が第1〜第3フレームユニット21,31,41の略正方形状の区画領域Rを被覆可能な値に設定されている。例えば、縦の長さL1は、小根太21c,31c,41cの長さと略同じ長さに設定され、横の長さL2は、大引21a,21b,31b,41a,41bの長さの略半分の長さに設定されている。もっとも、本実施形態では、床板部材52は略正方形状に形成されているので、縦の長さL1と横の長さL2とは略等しい。
台部材53は、所定長さL3を有する長尺部材であり、断面形状が矩形の四角柱状である。台部材53は、床板部材52の縦の長さL1方向に延びるように配置されて、床板部材52の裏面にビスで固定されている。具体的に、相互に平行に配置された一対の台部材53が所定の間隔を空けて床板部材52の裏面に組み付けられている。
台部材53の長さL3は、一対の大根太21d,31d,41d間の間隔と同じか若干短い長さに設定されている。一対の台部材53の外側の側面間の長さL4は、小根太21c,31c,41cと中間根太21e,31e,41eとの間の間隔と同じか若干短い長さに設定されている。もっとも、本実施形態では、区画領域Rは略正方形状に形成されているので、上記長さL3とL4とは略等しい。
台部材53の高さHは、小根太21c,31c,41c、大根太21d,31d,41d、および中間根太21e,31e,41eの高さと同じか若干高い高さに設定されている。
この床板ユニット51を複数準備する工程は、後述する「[1−2]デッキ構造の施工法」における<床板ユニット準備工程>である。
[1−2]デッキ構造の施工法
図1、図6〜図9を参照して、本実施形態に係るデッキ構造1の施工法を説明する。ただし、前述した<脚部材準備工程>、<フレームユニット準備工程>、および<床板ユニット準備工程>は説明を省略する。
<脚部材並置工程>
まず、図1に示すように、施工地盤Gの上に複数の脚部材11を並置する。本実施形態では、16個の脚部材11が4列×4段に並べられる。図面上、左下と右上とを結ぶ並び(縦方向に延びる並び)を列、右下と左上とを結ぶ並び(横方向に延びる並び)を段という。そして、左上から右下に向かって順に第1列、第2列…、左下から右上に向かって順に第1段、第2段…とする。本実施形態では、第1列が最も建物に近い側にある(つまり建物側から第1列、第2列…とする)。
図1において、例えば、横方向の両端(端部)の脚部材11とは、第1列・第1段の脚部材11、第1列・第2段の脚部材11、第1列・第3段の脚部材11、第1列・第4段の脚部材11、第4列・第1段の脚部材11、第4列・第2段の脚部材11、第4列・第3段の脚部材11、および第4列・第4段の脚部材11である。
また、横方向の中間(中間部)の脚部材11とは、第2列・第1段の脚部材11、第2列・第2段の脚部材11、第2列・第3段の脚部材11、第2列・第4段の脚部材11、第3列・第1段の脚部材11、第3列・第2段の脚部材11、第3列・第3段の脚部材11、および第3列・第4段の脚部材11である。
一方、縦方向の両端(端部)の脚部材11とは、第1列・第1段の脚部材11、第2列・第1段の脚部材11、第3列・第1段の脚部材11、第4列・第1段の脚部材11、第1列・第4段の脚部材11、第2列・第4段の脚部材11、第3列・第4段の脚部材11、および第4列・第4段の脚部材11である。
また、縦方向の中間(中間部)の脚部材11とは、第1列・第2段の脚部材11、第2列・第2段の脚部材11、第3列・第2段の脚部材11、第4列・第2段の脚部材11、第1列・第3段の脚部材11、第2列・第3段の脚部材11、第3列・第3段の脚部材11、および第4列・第3段の脚部材11である。
したがって、縦方向の中間部でかつ横方向の端部に位置する脚部材11とは、第1列・第2段の脚部材11、第1列・第3段の脚部材11、第4列・第2段の脚部材11、および第4列・第3段の脚部材11である。
また、縦方向および横方向の双方の中間部に位置する脚部材11とは、第2列・第2段の脚部材11、第2列・第3段の脚部材11、第3列・第2段の脚部材11、および第3列・第3段の脚部材11である。
なお、第1フレーム部材21A,21B,31B,41A,41B(大大引21a、小大引21b、小大引31b、大大引41a、小大引41b)についてもこれに準じて同様である。
<フレーム取付工程>
次に、図6に示すように、脚部材11の上に第1〜第3フレームユニット21,31,41を載置する。具体的に、各フレームユニット21,31,41の大引21a,21b,31b,41a,41bを縦方向に延びるように配置し、脚部材11の嵌合片11cに嵌入する(すなわち受け部12に挿入する)。これにより、複数のフレームユニット21,31,41が相互に隣接して配置され、格子状の支持体2が形成される。
本実施形態では、9個のフレームユニット21,31,41が3列×3段に並べられる。その場合、第1列のフレームユニットは第1フレームユニット21であり、第1列の脚部材11と第2列の脚部材11とに載置される。第2列のフレームユニットは第2フレームユニット31であり、第2列の脚部材11と第3列の脚部材11とに載置される。第3列のフレームユニットは第3フレームユニット41であり、第3列の脚部材11と第4列の脚部材11とに載置される。
第1フレームユニット21および第3フレームユニット41は、大大引21a,41a(端部第1フレーム部材)が支持体2の外方側を向くように載置される。これにより、第1列の脚部材11には第1フレームユニット21の大大引21a(端部第1フレーム部材)のみが1つ載置され、第4列の脚部材11には第3フレームユニット41の大大引41a(端部第1フレーム部材)のみが1つ載置される。一方、第2列の脚部材11には第1フレームユニット21の小大引21b(中間第1フレーム部材)と第2フレームユニット31の小大引31b(中間第1フレーム部材)とが横方向に並列に並べた状態で2つ載置され、第3列の脚部材11には第2フレームユニット31の小大引31b(中間第1フレーム部材)と第3フレームユニット41の小大引41b(中間第1フレーム部材)とが横方向に並列に並べた状態で2つ載置される。
また、第1段の脚部材11には第1段のフレームユニット21,31,41の一端部のみが1つ載置され、第4段の脚部材11には第3段のフレームユニット21,31,41の他端部のみが1つ載置される。一方、第2段の脚部材11には第1段のフレームユニット21,31,41の他端部と第2段のフレームユニット21,31,41の一端部とが縦方向に直列に突き合わせた状態で2つ載置され、第3段の脚部材11には第2段のフレームユニット21,31,41の他端部と第3段のフレームユニット21,31,41の一端部とが縦方向に直列に突き合わせた状態で2つ載置される。
その結果、4列×4段に並べられた16個の脚部材11のうち、四隅の脚部材11、すなわち、第1列・第1段の脚部材11、第4列・第1段の脚部材11、第1列・第4段の脚部材11、および第4列・第4段の脚部材11には、それぞれ、第1フレームユニット21の大大引21a、第3フレームユニット41の大大引41a、第1フレームユニット21の大大引21a、および第3フレームユニット41の大大引41aのみが1つ載置される。
これに対し、第2列・第1段の脚部材11、第3列・第1段の脚部材11、第1列・第2段の脚部材11、第1列・第3段の脚部材11、第4列・第2段の脚部材11、第4列・第3段の脚部材11、第2列・第4段の脚部材11、および第3列・第4段の脚部材11には、それぞれ、第1フレームユニット21の小大引21bと第2フレームユニット31の小大引31b、第2フレームユニット31の小大引31bと第3フレームユニット41の小大引41b、第1フレームユニット21の大大引21aと第1フレームユニット21の大大引21a、第1フレームユニット21の大大引21aと第1フレームユニット21の大大引21a、第3フレームユニット41の大大引41aと第3フレームユニット41の大大引41a、第3フレームユニット41の大大引41aと第3フレームユニット41の大大引41a、第1フレームユニット21の小大引21bと第2フレームユニット31の小大引31b、および第2フレームユニット31の小大引31bと第3フレームユニット41の小大引41bが2つ載置される。
さらに、第2列・第2段の脚部材11、第2列・第3段の脚部材11、第3列・第2段の脚部材11、および第3列・第3段の脚部材11には、それぞれ、第1フレームユニット21の小大引21bと第2フレームユニット31の小大引31bと第1フレームユニット21の小大引21bと第2フレームユニット31の小大引31b、第1フレームユニット21の小大引21bと第2フレームユニット31の小大引31bと第1フレームユニット21の小大引21bと第2フレームユニット31の小大引31b、第2フレームユニット31の小大引31bと第3フレームユニット41の小大引41bと第2フレームユニット31の小大引31bと第3フレームユニット41の小大引41b、および第2フレームユニット31の小大引31bと第3フレームユニット41の小大引41bと第2フレームユニット31の小大引31bと第3フレームユニット41の小大引41bが4つ載置される。
図8に示すように、第1フレームユニット21の大大引21aおよび第3フレームユニット41の大大引41aは、脚部材11(より詳しくは嵌合片11c)に対し、ビス11xで固定される。一方、第1フレームユニット21の小大引21bと第2フレームユニット31の小大引31b、および、第2フレームユニット31の小大引31bと第3フレームユニット41の小大引41bは、脚部材11(より詳しくは嵌合片11c)に対し、嵌合片11c(受け部12)を貫通するボルト・ナット11yで固定される。これにより、脚部材11の上端部にフレームユニット21,31,41が取り付けられる。
<床板形成工程>
次に、図7に示すように、支持体2を形成する各フレームユニット21,31,41に床板ユニット51を配置する。具体的に、各フレームユニット21,31,41の略正方形状の区画領域Rを同じく略正方形状の床板部材52で被覆して埋めるように支持体2の上に床板ユニット51を敷設する。これにより、複数の床板ユニット51が相互に隣接して配置され、支持体2上に床板3が形成される。
本実施形態では、18個の床板ユニット51が3列×6段に並べられる。その場合、各フレームユニット21,31,41に2つの床板ユニット51が段方向に並んで収容される。床板3は、3列×6段に並べられた18個の床板ユニット51の床板部材52の集合体である。このようなフレームユニット21,31,41に床板ユニット51が配置されたユニットの組が9組3列×3段に相互に隣接して配置されることにより、支持体2および床板3が形成され、デッキ構造1が完成する。
上記フレームユニット21,31,41に上記床板ユニット51が配置された状態において、床板ユニット51の台部材53がフレームユニット21,31,41の中に嵌合し、フレームユニット21,31,41の段部21x,31x,41xの上面に載置される。特に、本実施形態では、台部材53は所定長さL3を有する長尺部材であり、床板ユニット51は、床板部材52の縦の長さL1方向がフレームユニット21,31,41の列方向、横の長さL2方向が段方向に沿うように配置される。そのため、台部材53は、相互に対向する一対の第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41Bの段部21x,31x,41x間に架け渡されて上記段部21x,31x,41xの上面に載置される。これにより、床板ユニット51の床板部材52が縦方向および横方向に連続的に並べられる。
その際、台部材53の高さHが、小根太21c,31c,41c、大根太21d,31d,41d、および中間根太21e,31e,41eの高さと同じ場合は、台部材53よりも床板ユニット51の外方にオーバーハングする床板部材52の周縁部の裏面がフレームユニット21,31,41の上面に当接する(各フレームユニット21,31,41の上面については「[1−1]部材の説明」ですでに述べた通りである)。
一方、図8に示すように、台部材53の高さHが、小根太21c,31c,41c、大根太21d,31d,41d、および中間根太21e,31e,41eの高さよりも高い場合は、上記床板部材52の周縁部の裏面がフレームユニット21,31,41の上面に当接しない。
つまり、床板ユニット51は、少なくとも常に台部材53を介して第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41Bの上記段部21x,31x,41xの上面で支持される。台部材53は、床板ユニット51を第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41Bの段部21x,31x,41xの上面で支持する際の土台として機能する。
理解の容易のために、図9に、図7の状態を一部透視の平面図として示した。図9において、上から下に向かって順に第1列、第2列…、左から右に向かって順に第1段、第2段…である。第1段のフレームユニット21,31,41は、配置された床板ユニット51の床板部材52を透視して描いてある。第3段のフレームユニット21,31,41は、配置された床板ユニット51全体を透視して描いてある。
第1段のフレームユニット21,31,41から明らかなように、フレームユニット21,31,41に床板ユニット51が配置された状態において、床板ユニット51の台部材53はフレームユニット21,31,41の中に隙間なく、すなわちガタツキなく、しっくりと嵌合している。これは、「[1−1]部材の説明」ですでに述べた通り、台部材53の長さL3が、一対の大根太21d,31d,41d間の間隔と同じか若干短い長さに設定されているからである。また、一対の台部材53の外側の側面間の長さL4が、小根太21c,31c,41cと中間根太21e,31e,41eとの間の間隔と同じか若干短い長さに設定されているからである。そのため、フレームユニット21,31,41の小根太21c,31c,41c、大根太21d,31d,41d、および中間根太21e,31e,41eと、床板ユニット51の台部材53とは、協働して、床板ユニット51を支持体2に敷設するときの横ブレ(列方向および段方向のブレ)を防止する案内部材としても機能する。
完成したデッキ構造1には、最終的に、図7および図8に示すように、支持体2および床板3の周縁部を隠す幕板(化粧板)61が組み付けられる。幕板61は、例えば、フレームユニット21,31,41や脚部材11の適宜の縦面にビスで固定される。
なお、建物側(第1列側)は幕板61が不要なので組み付けられない。また、図8は、建物の屋内のフロアリングFからドアサッシWを開けて屋外へ出るところにデッキ構造1を施工した場合を示している。その際、施工地盤が傾斜しているので、デッキ構造1の水平を保つため、第1列の脚部材11<第2列の脚部材11<第3列の脚部材11<第4列の脚部材11の順に高さが高く調節されている。
[1−3]デッキ構造
以上のような施工法で施工されたデッキ構造1(図7〜図9参照)は、次のような構成を有する。
すなわち、デッキ構造1は、格子状の支持体2の上に床板3が敷設された構造である。
デッキ構造1は、施工地盤G(図1参照)上に縦方向および横方向に並置された16個の脚部材11と、上記脚部材11に取り付けられた9個の第1〜第3フレームユニット21,31,41と、上記9個の第1〜第3フレームユニット21,31,41にそれぞれ2つずつ配置された18個の床板ユニット51とを有している。
上記9個の第1〜第3フレームユニット21,31,41は、相互に平行に延びる一対の第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41Bと、上記第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41Bと直交し、上記第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41B同士を連結する一対の第2フレーム部材21C,21C;31C,31C;41C,41Cとを含んでいる。上記9個の第1〜第3フレームユニット21,31,41は、上記16個の脚部材11の上端部に、上記縦方向に延びるように配置された上記第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41Bが載置され固定されることにより、上記脚部材11に取り付けられている。
上記18個の床板ユニット51は、上記第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41Bと上記第2フレーム部材21C,21C;31C,31C;41C,41Cとで囲まれた領域の少なくとも一部を覆う平板状の床板部材52を含んでいる。上記18個の床板ユニット51は、18個の上記床板部材52が上記縦方向および上記横方向に連続的に並んで床板3を形成するように、上記9個の第1〜第3フレームユニット21,31,41にそれぞれ2つずつ配置されている。
上記横方向の中間の第1フレーム部材21B,31B,41Bの上記横方向の幅(より詳しくは小大引21b,31b,41bの上記横方向の幅)は、上記横方向の両端の第1フレーム部材21A,41Aの上記横方向の幅(より詳しくは大大引21a,41aの上記横方向の幅)の半分である。
全部で18本の第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41Bのうち、上記横方向の両端の第1フレーム部材21A,41A(計6本)が上記横方向の両端の脚部材11の上端部に載置されている。
一方、全部で18本の第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41Bのうち、上記横方向に相互に隣接する2つの第1フレーム部材21B,31B;31B,41B(計12本)が上記横方向の中間の脚部材11の上端部に上記横方向に並べて載置されている。
[1−4]作用
以上のように、本実施形態に係るデッキ構造1の施工法は、格子状の支持体2の上に床板3が敷設されたデッキ構造1(図7〜図9)の施工法であって、フレームユニット準備工程、脚部材準備工程、床板ユニット準備工程、脚部材並置工程、フレーム取付工程、および床板形成工程を含む。
フレームユニット準備工程は、相互に平行に延びる一対の第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41Bと、上記第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41Bと直交し、上記第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41B同士を連結する一対の第2フレーム部材21C,21C;31C,31C;41C,41Cとを含むフレームユニット21,31,41を複数準備する工程である。
脚部材準備工程は、上記第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41Bを上端部で支持する脚部材11を複数準備する工程である。
床板ユニット準備工程は、上記第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41Bと上記第2フレーム部材21C,21C;31C,31C;41C,41Cとで囲まれた領域の少なくとも一部を覆う平板状の床板部材52を含む床板ユニット51を複数準備する工程である。
脚部材並置工程は、上記脚部材準備工程で準備した複数の脚部材11を施工地盤G上に縦方向および横方向に並置する工程である。
フレーム取付工程は、上記脚部材並置工程で並置した複数の脚部材11の上端部に、上記縦方向に延びるように配置された上記第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41Bを載置し固定することにより、上記脚部材11に上記フレームユニット21,31,41を取り付ける工程である。
床板形成工程は、上記フレーム取付工程で取り付けた複数のフレームユニット21,31,41にそれぞれ上記床板ユニット準備工程で準備した床板ユニット51を1つ以上配置することにより、複数の床板ユニット51の床板部材52を上記縦方向および上記横方向に連続的に並べて床板3を形成する工程である。
そして、上記フレームユニット準備工程では、上記横方向の中間の第1フレーム部材21B(小大引21b),31B(小大引31b),41B(小大引41b)の上記横方向の幅が、上記横方向の両端の第1フレーム部材21A(大大引21a),41A(大大引41a)の上記横方向の幅の半分であるフレームユニット21,31,41を準備する。
また、上記フレーム取付工程では、上記横方向の両端の脚部材11の上端部に上記横方向の両端の第1フレーム部材21A(大大引21a),41A(大大引41a)を載置する一方、上記横方向の中間の脚部材11の上端部には上記横方向に相互に隣接する2つの第1フレーム部材21B(小大引21b),31B(小大引31b);31B(小大引31b),41B(小大引41b)を上記横方向に並べて載置する。
本実施形態によれば、複数の脚部材11を施工地盤G上に並置し、並置した複数の脚部材11にフレームユニット21,31,41を取り付け、取り付けた複数のフレームユニット21,31,41にそれぞれ床板ユニット51を配置することにより、デッキ構造1が施工される。
その上で、本実施形態によれば、上記横方向の中間の第1フレーム部材21B(小大引21b),31B(小大引31b),41B(小大引41b)の上記横方向の幅が、上記横方向の両端の第1フレーム部材21A(大大引21a),41A(大大引41a)の上記横方向の幅の半分とされ、上記横方向の両端の脚部材11の上端部に上記横方向の両端の第1フレーム部材21A(大大引21a),41A(大大引41a)が載置される一方、上記横方向の中間の脚部材11の上端部には上記横方向に相互に隣接する2つの第1フレーム部材21B(小大引21b),31B(小大引31b);31B(小大引31b),41B(小大引41b)が上記横方向に並べて載置されるので、上記横方向の中間の脚部材11に2つ載置される上記横方向の中間の第1フレーム部材21B(小大引21b),31B(小大引31b);31B(小大引31b),41B(小大引41b)は、2つが上記横方向に並んだ状態で、上記横方向の両端の脚部材11に1つ載置される上記横方向の両端の第1フレーム部材21A(大大引21a),41A(大大引41a)と幅が同じになる。そのため、どの位置の第1フレーム部材21A,21B,31B,41A,41Bを支持するかに拘らず、これらの第1フレーム部材21A,21B,31B,41A,41Bを上端部で支持する脚部材11を共通化することができ、部品点数およびコストの削減が図られる。
以上により、本実施形態によれば、施工現場で構成部材を加工することなくデッキ構造1を施工でき、かつ部品点数が抑制されたデッキ構造1の施工法が提供される。
しかも、脚部材11に2つ載置される第1フレーム部材21B(小大引21b),31B(小大引31b);31B(小大引31b),41B(小大引41b)の幅が脚部材11に1つ載置される第1フレーム部材21A(大大引21a),41A(大大引41a)の幅の半分とされることにより、第1フレーム部材21A,21B,31B,41A,41Bの容積減が図られ、デッキ構造1の重量増およびコスト増が抑制される。
本実施形態においては、上記フレーム取付工程では、上記縦方向の中間部でかつ上記横方向の端部に位置する脚部材11の上端部に、上記縦方向に相互に隣接する2つの第1フレーム部材21A(大大引21a),21A(大大引21a);41A(大大引41a),41A(大大引41a)の端部を上記縦方向に突き合わせて載置する。
この構成によれば、上記縦方向に相互に隣接する第1フレーム部材21A(大大引21a),21A(大大引21a);41A(大大引41a),41A(大大引41a)間で脚部材11を共有させることにより、部品点数およびコストのより一層の削減が図られる。
本発明においては、上記フレーム取付工程では、上記縦方向および上記横方向の双方の中間部に位置する脚部材11の上端部に、上記縦方向に相互に隣接する2つの第1フレーム部材21B(小大引21b),21B(小大引21b);31B(小大引31b);31B(小大引31b);41B(小大引41b),41B(小大引41b)の端部と、これと上記横方向に隣接する別の2つの第1フレーム部材21B(小大引21b),21B(小大引21b);31B(小大引31b);31B(小大引31b);41B(小大引41b),41B(小大引41b)の端部とを合わせた合計4つの第1フレーム部材の端部を載置する。
この構成によれば、上記縦方向に相互に隣接する第1フレーム部材21B(小大引21b),21B(小大引21b);31B(小大引31b);31B(小大引31b);41B(小大引41b),41B(小大引41b)間で脚部材11を共有させることに加えて、上記横方向に相互に隣接する第1フレーム部材21B(小大引21b),31B(小大引31b);31B(小大引31b),41B(小大引41b)間でも脚部材11を共有させることにより、部品点数およびコストのなお一層の削減が図られる。
本実施形態においては、上記脚部材準備工程では、上記第1フレーム部材21A,21B,31B,41A,41Bを受入可能なように上面が開放されたコ字状の受け部12を上端部に有する脚部材11を準備し、上記フレーム取付工程では、上記受け部12に第1フレーム部材21A(大大引21a),21B(小大引21b),31B(小大引31b),41A(大大引41a),41B(小大引41b)を挿入する。
この構成によれば、コ字状の受け部12を脚部材11の上端部に設けたから、この脚部材11の受け部12に第1フレーム部材21A(大大引21a),21B(小大引21b),31B(小大引31b),41A(大大引41a),41B(小大引41b)を挿入するだけで第1フレーム部材21A,21B,31B,41A,41Bと脚部材11とを簡単に連結でき、デッキ構造1の施工が容易化する。
本実施形態においては、上記フレームユニット準備工程では、上記一対の第2フレーム部材21C,21C;31C,31C;41C,41Cの間に、上記第1フレーム部材21A,21B,31B,41A,41Bと直交し、上記第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41B同士を連結する第3フレーム部材21e,31e,41eが少なくとも1つ設けられたフレームユニット21,31,41を準備し、上記床板形成工程では、上記第1、第2、第3フレーム部材21A,21B,31B,41A,41B;21C,31C,41C;21e,31e,41eにより区画された複数の区画領域R…Rにそれぞれ1つずつ床板ユニット51…51を配置する。
この構成によれば、フレームユニット21,31,41に複数の区画領域R…Rが上記縦方向に並んで形成され、各区画領域Rに1つずつ床板ユニット51が配置されるから、複数の床板部材52…52が確実に上記縦方向に連続的に並べられる。
本実施形態においては、上記床板ユニット準備工程では、上記床板部材52の裏面に所定高さHの台部材53が設けられた床板ユニット51を準備し、上記フレームユニット準備工程では、上記台部材53を載置可能な段部21x,31x,41xが形成されたフレームユニット21,31,41を準備し、上記床板形成工程では、上記台部材53を上記段部21x,31x,41xに載置する。
この構成によれば、床板ユニット51が台部材53を土台とし段部21x,31x,41xを介してフレームユニット21,31,41に安定して支持される。
本実施形態においては、上記床板ユニット準備工程では、上記台部材53は所定長さL3の長尺部材である床板ユニット51を準備し、上記床板形成工程では、上記台部材53を複数の段部21x,21x;31x,31x;41x,41x間に架け渡して上記段部21x,31x,41xに載置する。
この構成によれば、台部材53は床板ユニット51をフレームユニット21,31,41に支持するための土台として機能することに加えて、床板部材52を上方からの荷重に対して裏面から補強する補強部材としても機能する。
また、本実施形態に係るデッキ構造1は、格子状の支持体2の上に床板3が敷設されたデッキ構造1(図7〜図9)であって、施工地盤G上に縦方向および横方向に並置された複数の脚部材11、相互に平行に延びる一対の第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41Bと、上記第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41Bと直交し、上記第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41B同士を連結する一対の第2フレーム部材21C,21C;31C,31C;41C,41Cとを含み、上記複数の脚部材11の上端部に、上記縦方向に延びるように配置された上記第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41Bが載置され固定されることにより、上記脚部材11に取り付けられた複数のフレームユニット21,31,41、および、上記第1フレーム部材21A,21B;31B,31B;41A,41Bと上記第2フレーム部材21C,21C;31C,31C;41C,41Cとで囲まれた領域の少なくとも一部を覆う平板状の床板部材52を含み、複数の上記床板部材52が上記縦方向および上記横方向に連続的に並んで床板3を形成するように、上記複数のフレームユニット21,31,41にそれぞれ1つ以上配置された複数の床板ユニット51を有している。
上記横方向の中間の第1フレーム部材21B(小大引21b),31B(小大引31b),41B(小大引41b)の上記横方向の幅は、上記横方向の両端の第1フレーム部材21A(大大引21a),41A(大大引41a)の上記横方向の幅の半分である。
上記横方向の両端の脚部材11の上端部に上記横方向の両端の第1フレーム部材21A(大大引21a),41A(大大引41a)が載置されている。
一方、上記横方向の中間の脚部材11の上端部には上記横方向に相互に隣接する2つの第1フレーム部材21B(小大引21b),31B(小大引31b);31B(小大引31b),41B(小大引41b)が上記横方向に並べて載置されている。
本実施形態によれば、デッキ構造1の施工法に係る実施形態と同様、施工現場で構成部材を加工することなく施工でき、かつ部品点数が抑制されたデッキ構造1が提供される。しかも、第1フレーム部材21A,21B,31B,41A,41Bの容積減が図られ、デッキ構造1の重量増およびコスト増が抑制される。
[1−5]変形例
床板形成工程において、台部材53を段部21x,31x,41xの上面に載置する際、必ずしも、台部材53を段部21x,31x,41x間に架け渡す必要はない。つまり、床板ユニット51を、床板部材52の縦の長さL1方向がフレームユニット21,31,41の段方向、横の長さL2方向が列方向に沿うように、フレームユニット21,31,41に配置することもできる。この場合、一対の台部材53は、それぞれ、段部21x,31x,41xに沿って延び、その全長に亘って段部21x,31x,41xと当接する。
台部材53は、必ずしも、長尺部材である必要はない。つまり、台部材53は、例えば、フレームユニット21,31,41に床板ユニット51が配置された状態において、小根太21c,31c,41cと、大根太21d,31d,41dと、中間根太21e,31e,41eとで形成される4つのコーナーに同時に位置する4つの柱状部材などとすることもできる。この場合、4つの台部材53は、床板ユニット51の配置の向きに拘らず、それぞれ、段部21x,31x,41xの上面に載置される。
中間根太21e,31e,41eは必ずしも必要ではない。つまり、中間根太21e,31e,41eを省いて、各フレームユニット21,31,41の区画領域を平面視で長方形状とすることもできる。この場合、床板ユニット51の床板部材52の形状を同じく平面視で長方形状に形成すればよい。
(第2の実施形態)
高さの相違するデッキ構造1を複数組み合せて全体として階段状にすることもできる。その場合のデッキ構造1を第2の実施形態として図10に例示する。第1の実施形態と同じまたは類似の構成要素には同じ符号を用い、第1の実施形態と異なる部分のみ説明する。
この第2の実施形態に係るデッキ構造1の特徴はおよそ次のようである。
・ 建物H側から順に高さの高いデッキ構造1A,1B,1Cが並べられている。高さの調節は脚部材の選択で行っている。つまり、高さが最も高いデッキ構造1Aでは、高さが最も高い脚部材11Aが用いられ、次に高さが高いデッキ構造1Bでは、次に高さが高い脚部材11Bが用いられ、高さが最も低いデッキ構造1Cでは、高さが最も低い脚部材11Cが用いられている。
・ 高さが最も高いデッキ構造1Aはフレームユニットが2列構造である。フレームユニットとしては、図2の第1フレームユニット21と図4の第3フレームユニット41とが用いられている。
・ 他のデッキ構造1B,1Cはフレームユニットが1列構造である。フレームユニットとしては、相互に平行に配置された一対の大引の双方が幅の広い大引であるフレームユニット81が用いられている。
・ 3つのデッキ構造1A,1B,1Cを連結するため、連結板71,72が用いられている。連結板71,72は、相互に隣接するデッキ構造1A,1B,1C間に亘って延び、脚部材11A,11B,11Cにビス止めされている。
(第3の実施形態)
図11〜図15を参照して、第3の実施形態を説明する。この第3の実施形態の特徴は、第1の実施形態では脚部材11が受け部12を有していたのに対し、第1フレーム部材121A,121B,131B,141A,141Bが受け部112または受け部形成部121f,131f,141fを有している点である。なるべく第1の実施形態と同じ符号を用い、第1の実施形態と同じ説明を避けながら、第1の実施形態と異なる部分のみ説明する。
[3−1]部材の説明
図11は脚部材111、図12〜図14は第1〜第3フレームユニット121,131,141を示している。
<脚部材>
図11に示すように、脚部材111は、施工地盤G(図1参照)と接する基部111aと、上下方向に延びる四角柱状の支持部111bとを有する。支持部111bは、基部111aに対して螺合しており、回転することにより高さ調節が可能に構成されている。支持部111bは、金属製の長尺部材であり、断面形状がロ字状の平断面構造を持った剛性部材である。脚部材111は、支持部111bの上端部で第1フレーム部材121A,121B,131B,141A,141B(図12〜図14参照)を支持する。
<第1フレームユニット>
図12に示すように、第1フレームユニット121は、相互に平行に延びる一対の第1フレーム部材121A,121Bと、上記第1フレーム部材121A,121Bと直交し、上記第1フレーム部材121A,121B同士を連結する一対の第2フレーム部材121C,121Cとを含んでいる。
第1フレーム部材121A,121Bは、例えば押出成形で作製される金属製の長尺部材であり、平断面構造を持った剛性部材である。一対の第1フレーム部材121A,121Bのうち、一方の第1フレーム部材121Aは、断面形状がロ字状の大引部121a、大引部121aの上面に立設された根太部121d、および大引部121aの下面に垂設された相互に対向する一対の嵌合片121fを有する。大引部121aの下面と上記一対の嵌合片121fとで、下面が開放されたコ字状の受け部112が形成されている。大引部121aの上面のうち根太部121dよりも内方側の部分は段部121xを形成し、この段部121xに床板ユニット51の台部材53が載置される。大引部121aないし受け部112の幅(より詳しくは図1における横方向の幅)は、上記脚部材111の支持部111bの上端部の幅と同じか若干長い長さに設定されている。
他方の第1フレーム部材121Bは、断面形状がロ字状の大引部121b、大引部121bの上面に立設された根太部121d、および大引部121bの下面に垂設された単一の嵌合片121fを有する。この嵌合片121fは、上記横方向に相互に隣接する第1フレームユニット121の第1フレーム部材121Bと第2フレームユニット131の第1フレーム部材131B(図13参照)とを上記横方向に並べたときに第2フレームユニット131の嵌合片131f(図13参照)と協働して上記受け部112を形成する受け部形成部である。大引部121bの上面のうち根太部121dよりも内方側の部分は床板ユニット51の台部材53が載置される段部121xを形成する。大引部121bの幅は、上記大引部121aの幅の略半分である。
第2フレーム部材121Cは、金属製の長尺部材であり、断面形状がL字状の剛性部材である。第3フレーム部材(中間根太)121eは、金属製の長尺部材であり、断面形状がコ字状の剛性部材である。
<第2フレームユニット>
図13に示すように、第2フレームユニット131は、相互に平行に延びる一対の第1フレーム部材131B,131Bと、上記第1フレーム部材131B,131Bと直交し、上記第1フレーム部材131B,131B同士を連結する一対の第2フレーム部材131C,131Cとを含んでいる。
第1フレーム部材131Bの大引部131b、根太部131d、嵌合片131f、および段部131xは、第1フレームユニット121の他方の第1フレーム部材121Bの大引部121b、根太部121d、嵌合片121f、および段部121xと構成が同じである。
第2フレーム部材131C、および第3フレーム部材(中間根太)131eは、第1フレームユニット121の第2フレーム部材121C、および第3フレーム部材(中間根太)121eと構成が同じである。
ただし、一対の第1フレーム部材131B,131Bのうち、第1フレームユニット121の他方の第1フレーム部材121Bと上記横方向に隣接する方の第1フレーム部材131Bは、上記他方の第1フレーム部材121Bと上記横方向において鏡像関係に配置されている。また、一対の第1フレーム部材131B,131B同士が上記横方向において鏡像関係に配置されている。
<第3フレームユニット>
図14に示すように、第3フレームユニット141は、相互に平行に延びる一対の第1フレーム部材141A,141Bと、上記第1フレーム部材141A,141Bと直交し、上記第1フレーム部材141A,141B同士を連結する一対の第2フレーム部材141C,141Cとを含んでいる。
一対の第1フレーム部材141A,141Bのうち、一方の第1フレーム部材141Aの大引部141a、根太部141d、嵌合片141f、受け部112、および段部141xは、第1フレームユニット121の一方の第1フレーム部材121Aの大引部121a、根太部121d、嵌合片121f、受け部112、および段部121xと構成が同じであり、他方の第1フレーム部材141Bの大引部141b、根太部141d、嵌合片141f、および段部141xは、第1フレームユニット121の他方の第1フレーム部材121Bの大引部121b、根太部121d、嵌合片121f、および段部121xと構成が同じである。
第2フレーム部材141C、および第3フレーム部材(中間根太)141eは、第1フレームユニット121の第2フレーム部材121C、および第3フレーム部材(中間根太)121eと構成が同じである。
ただし、第3フレームユニット141全体が第1フレームユニット121全体と上記横方向において鏡像関係に配置されている。
<床板ユニット>
床板ユニット51は第1の実施形態と構成が同じであるから説明を省略する。
[3−2]デッキ構造の施工法
デッキ構造1の施工法のうち、<脚部材準備工程>、<フレームユニット準備工程>、<床板ユニット準備工程>、<脚部材並置工程>、および<床板形成工程>は第1の実施形態と構成が同じであるから説明を省略し、<フレーム取付工程>のみ説明する。
<フレーム取付工程>
図15に示すように、脚部材111の上に第1〜第3フレームユニット121,131,141を載置する。
具体的に、各フレームユニット121,131,141の第1フレーム部材121A,121B,131B,141A,141Bを縦方向に延びるように配置し、第1フレーム部材121A,121B,131B,141A,141Bの下部に設けられた受け部112、および、受け部形成部121f,131f,141fから形成された受け部112に、脚部材111の支持部111bの上端部を挿入する。
すなわち、上記横方向に相互に隣接する第1フレームユニット121の第1フレーム部材121Bと第2フレームユニット131の第1フレーム部材131Bとを上記横方向に並べたとき、および、上記横方向に相互に隣接する第2フレームユニット131の第1フレーム部材131Bと第3フレームユニット141の第1フレーム部材141Bとを上記横方向に並べたときに、第1フレームユニット121の嵌合片121fと第2フレームユニット131の嵌合片131fとが協働して上記受け部112を形成し、第2フレームユニット131の嵌合片131fと第3フレームユニット141の嵌合片141fとが協働して上記受け部112を形成するから、もともと単独で設けられている受け部112、つまり、第1フレームユニット121の第1フレーム部材121Aの下部に設けられている受け部112、および第3フレームユニット141の第1フレーム部材141Aの下部に設けられている受け部112だけでなく、この受け部形成部121f,131f,141fから形成された受け部112にも、脚部材111の支持部111bの上端部を挿入するのである。
各フレームユニット121,131,141の嵌合片121f,131f,141fがビスやボルト・ナットで脚部材111に固定されることにより、脚部材111の上端部にフレームユニット121,131,141が取り付けられ、これにより、複数のフレームユニット121,131,141が相互に隣接して配置された格子状の支持体102が形成される。
[3−3]作用
以上のように、この第3の実施形態においては、上記フレームユニット準備工程では、上記脚部材111の上端部を受入可能なように下面が開放されたコ字状の受け部112、および、上記横方向に相互に隣接する2つの第1フレーム部材121B,131B;131B,141Bを上記横方向に並べたときに協働して上記受け部112を形成する受け部形成部121f,131f,141fの少なくともいずれか一方を第1フレーム部材121A,121B,131B,141A,141Bの下部に有するフレームユニット121,131,141を準備する。
上記フレーム取付工程では、上記受け部112、および、上記受け部形成部121f,131f,141fから形成された受け部112の少なくともいずれか一方に脚部材111の上端部を挿入する。
この構成によれば、コ字状の受け部112を第1フレーム部材121A,121B,131B,141A,141Bの下部に設けたから、この第1フレーム部材121A,121B,131B,141A,141Bの受け部112に脚部材111の上端部を挿入するだけで第1フレーム部材121A,121B,131B,141A,141Bと脚部材111とを簡単に連結でき、デッキ構造1の施工が容易化する。