JP2003028232A - 被動系における振動を抑制する装置 - Google Patents

被動系における振動を抑制する装置

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】被動系、特に走行車駆動機構における振動を減
衰しまたは抑制する、機構軸受またはバイブレーション
ダンパの形式の装置にして、機構軸受またはバイブレー
ションダンパが磁気流動性液体を満たしかつ磁界の生成
可能な室を有する装置。 【解決手段】少なくとも室4の1部範囲が特に数個の電
気導体1により貫通されている。この電気導体1に振動
する電流流動が生成可能であり、それにより磁気流動性
液体30の少なくとも1部が振動運動に置かれる。これ
は、振動する磁界によっても達成可能である。それによ
って、被動系の駆動機械等による妨害的振動は好適に減
衰可能である。数個の電気導体1を隣接並置して、板状
結合部10に有利に統合する。室4は、それぞれ端面側
で膜で閉止されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被動系、特に走行車駆
動機構における振動を減衰しまたは抑制する、機構軸受
またはバイブレーションダンパの形式の装置にして、該
機構軸受またはバイブレーションダンパが磁気流動性液
体を満たしかつ磁界の生成可能な室を有する装置に関す
る。技術分野として、特にドイツ特許公開第19711
689号公報を挙げる。
【0002】
【従来の技術】先ず、本発明の有利な適用範囲を説明す
るが、本発明はこの適用例に限定されるものではない。
すなわち該適用範囲は、特に往復ピストン・内燃機関と
して構成した走行車駆動機構が動力走行車、特に乗用車
の車体に装着される原動機軸受の範囲である。この内燃
機関の固有動力学のために、内燃機関を障害的振動がで
きるだけ走行車構造に導入されないように、走行車構造
に好適に装着することが必要である。
【0003】これに関連して、例えば特にデーゼル原動
機に用いられる切替可能な液圧式原動機軸受は周知であ
り、これは制御されない軸受に対し、特にデーゼル原動
機のアイドリング運転時に液圧式バイブレーションダン
パの減衰機能を止めることができ、それによってこの状
態にてより良好な隔離態様が達成される特長を有する。
勿論この場合、車道から来る刺激に関し重要な低周波の
振動状態も明らかに悪化する。この周知の技術に対して
は、例えばドイツ特許第4325730号公報またはヨ
ーロッパ特許第0643238号公報を挙げる。さら
に、液圧装置の代わりにまたは液圧装置に付加して、静
力学的基礎剛性をも変えられる剛性制御可能な軸受が周
知である(例えば、ドイツ特許第19812387号公
報参照)。この軸受も、すでに述べた理由から実際上、
アイドリング運転時の内燃機関支持と回転モーメント伝
達または出力伝達(走行運転)時の支持との間の切替え
に対してのみ好適であるのに過ぎない。
【0004】さらに、いわゆるアクティブなバイブレー
ションダンパまたは軸受は周知である。これらは、適切
に生成されかつ望ましからざる振動刺激に対抗作用する
力により、比較的広い周波数範囲に亘り振動および音響
に対する好適さを高める。内燃機関のアイドリング時お
よび走行運転時、すなわち内燃機関の回転モーメント伝
達時に有意義に適用することができる。このための周知
の技術として、例えばドイツ特許第19517630号
公報、ドイツ特許第4315184号公報、ヨーロッパ
特許公開第0976946号公報、ヨーロッパ特許公開
第0655566号公報またはヨーロッパ特許第093
7909号公報を挙げる。
【0005】磁気流動性液体(略してMRFと言う)が
別の周知技術である。これは磁界にて、(周知の)粘性
変化の他に、それ自体磁性となる特性をも有する。すな
わち、この液体の強磁性粒子は、簡単に言えば、小さい
棒磁石と見なすことができる。
【0006】軸受構造要素におけるMRFの適用は、現
在専ら粘性変化の効果の利用の下に行われ、それにより
系のその都度の運転状態に依存し、磁界を制御すること
により軸受の減衰特性を変え、ならびに場合によっては
ブレーキ力またはブレーキモーメントをも生成してい
る。対応する装置が、例えばWO 00/68595号
に記載され、このような制御可能なダンパーの適用につ
いては、PCT出願WO97/10118号にて請求さ
れている。磁気流動性液体(MRF)に基づく多次元に
作用する減衰要素が、PCT出願WO 96/3335
6号に開示されている。最後に、軸受要素のばね率を変
えるためにMRFを用いることが、既に当初に挙げたド
イツ特許公開第19711689号公報に記載されてい
る。
【0007】切替可能な液圧式原動機軸受の周知の欠
点、すなわち、音響上の好適さと低周波数の振動上の好
適さを同時に改善することが実際上不可能であること、
すなわち該軸受は実際上内燃機関のアイドリング時の音
響改善に対してのみ好適であることについては、既に述
べた。剛性制御可能な軸受および磁気流動性液体を具備
し従来の使用に対応する軸受は、同じ欠点を示す。アク
ティブなバイブレーションダンパまたは軸受は、構成上
費用のかかる、従って高価なものであり、そして著しく
大きな構成空間を要し、大きな重量と比較的多くのエネ
ルギー需要を必要とする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、請求
項1の前提部に記載の振動を減衰しまたは抑制する方法
の明確に高められた適用可能性を達成することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、室の少な
くとも1部範囲が、電流流動を行い得る特に数個の電気
導体により貫通されていることにより解決される。
【0010】
【発明の作用効果】磁気流動性液体の少なくとも1部を
振動運動させるために、電気導体に振動する電流流動を
生成可能にするのが有利である。しかしながら、その代
わりにまたはこれに付加して、振動する磁界を生成可能
とし、それにより磁気流動性液体の少なくとも1部を振
動運動させることも可能である。これらの有利な変形構
成が、従属請求項の内容である。
【0011】よって、磁気流動性液体を一定のまたは制
御された磁界で作動するのみならず、付加的に電流の貫
流する1つまたは数個の導体を磁気流動性液体を貫通し
て導くことを提案する。それは、これにより磁気流動性
液体にまたはこれに含まれる粒子に付加的力を及ぼすこ
とができるからである。すなわち、上に提案したよう
に、電気導体に振動する電流流動を生成するときは、こ
れにより振動する力作用が生起され、その結果この力作
用を振動を減衰しまたは抑制するのに理想的に適用する
ことができる。
【0012】
【発明の実施の態様】物理学上の基礎を説明するため、
先ず図3に示す原理図を参照する。既に述べたように、
磁気流動性液体(MRF)30が磁界にて粘性変化の他
にそれ自体磁性となる特性をも有し、すなわちこの液体
の強磁性粒子31は簡略に言えば小さい棒磁石(北極N
と南極Sとを有する)として見なすことができる。本発
明では、この特性を、それ自体周知のローレンツ力の物
理的効果を借りて、MRF30またはその粒子31に方
向および大きさにて制御された力を及ぼすことに用いる
ことができる。このため図3にて、磁気流動性液体30
またはそのMRF粒子31を囲む磁石、特に電磁石2の
両磁極NとSとの間に延びる磁界にて、磁束線21に対
し垂直に(この場合第三次元にて、すなわち図面に垂直
に)互いに平行に延びる電気導体1または電線1が次の
ように配置されている。すなわち、当業者に周知の「右
手の法則」によりこれらの導体1における電流流動に起
因するローレンツ力が、その方向F*でもって磁束21
に関し第二次元にて磁束線21に垂直に位置するように
配置される。
【0013】互いに平行な電線1の電流が同じ大きさか
つ同じ方向であるとき、純粋に並進的に作用する力がM
RF30の強磁性粒子31に強い影響を及ぼす。なんと
なれば、既述のように、電気導体1の間に位置する「棒
磁石」粒子31に、いわば導体1から加えられる力F*
に対し大きさF/2の2つの反力が作用し、これら反力
がそれぞれの粒子31の矢印F/2の方向の加速度を生
じさせるからである。
【0014】さて、図4aの原理図に示すように、数個
の電気導体1が磁束線21に垂直な面内に並置して配置
され、そして特にそれぞれ1つの板状結合部10に纏め
られ、さらにこのような数個の結合部10,10’,1
0" が磁束線21の方向にみて前後に(間隔をおいて連
続して)配置されているときは、MRF30で満たされ
た室4から磁気流動性液体30の加速のためのいわゆる
管路要素が生ずる。この場合、磁気流動性液体30を含
む室4(または管路要素4)は、ここでは電磁コイル2
a、2bと軟鉄よりなる磁心2cよりなる磁石2、特に
電磁石2により少なくとも部分的に囲まれている。この
とき、電磁石2が作動されると、その互いに平行な磁束
線21(そのうち図4a、4bには見よくするためただ
一つのみ示す)は、導体結合部10,10’,10"に
垂直に延びる。この場合、これらの導体結合部10,1
0’,10"における各電気導体1は、同じく磁束線2
1に対し垂直(第三次元にて、すなわち図4aで図面に
垂直)に配置されている。
【0015】この管路要素または室4は、この室4の縦
断面図を示す図4aおよび対応する横断面図を示す図4
bの原理図では、端側が開放されているが、しかしこれ
は基本原理の説明には重大ではない。重大なのは、室4
を囲む電磁石2が作動される場合、従ってMRF30で
満たされた室4内に対応する磁界が存在する場合、電線
1または導体1に振動する電流流動が生成されるとき、
前記の磁気流動性液体30に矢印方向5に振動する力が
及ぼされることである。従って、作動磁界がありかつ導
体結合部10,10’,10"に同じ向きかつ同じ強さ
の振動する電流流動があるとき、磁気流動性液体30の
少なくとも1部は、板状結合部10等の面にほぼ平行に
矢印5による振動運動に置かれる。
【0016】さらに今述べた効果は、電気導体1にほぼ
一定の電流流動が生起されるときは、振動する磁界、す
なわちその方向を替える磁界を設けることによっても達
成することができる。このためには、1つのまたは場合
により数個の電磁石2の北極Nと南極Sとは、充分に速
やかに交替されなければならない。
【0017】なお、図4aに関して、MRF30の方を
向いた室4の内壁が電磁石2の範囲に非磁性材料の層6
を有すると有利である。それにより、磁化された液体粒
子31が電磁石2の極N、Sの範囲で管路壁に付着しま
たは貼着するのを防止することができる。これは、例え
ば非磁性薄片の被膜により置き換えることが可能であ
る。
【0018】既に述べたように、MRF30で満たされ
たこのような室4、または周りを囲む電磁石2および統
合した電気導体1または導体結合部10,10’,1
0"等を有する前記のような管路要素4は、磁気流動性
液体30の特に振動性加速のために用いることができ
る。従って例えば、磁気流動性液体30用の加速装置
(これに対しては、以下に説明する別の図にて符号40
を用いる)として機能する電気導体1に振動する電流流
動を適宜発生させることにより、該室4が好適に被動系
に作用することができるときは、被動系の駆動機械等の
妨害的振動を有効に減衰することができる。このため、
例えば、該室4または管路要素4は該被動系の軸受に統
合され、またはいわゆるそれ自体周知のアクティブなバ
イブレーションダンパとして構成することができる。こ
れらの可能な両実施例には、後になお詳しく立ち入るこ
とにする。
【0019】しかしながら、先ず図5a、5b(図4
a、4bに似た図であり、図5bは図5aの断面図であ
る)の原理図について、なお別の基本的構成を説明す
る。すなわち、所望の減衰作用または消去作用に関する
MRF30の可能な欠点(例えば粘性または密度につい
て)を除去するため、MRF30を単にいわゆる加速装
置40(これは、既に説明したように、電磁石2および
導体結合部10,10’等により形成される)の範囲に
用い、そしてその他に減衰装置、軸受またはバイブレー
ションダンパに他の「理想的な」減衰液体を用いるのが
有利である。周りを囲む電磁石2から離れて位置する加
速装置40の両端面側に、それぞれ液体を通さない膜7
を設けることにより、MRF30に生成された加速作用
は、膜7に隣接して(そしてこの場合加速装置40より
離れ、しかしその際場合によっては室4内に)位置する
「理想的な」減衰液体32に伝達することができる。
【0020】これは、図5aに二重矢印5により単に原
理的に示されている。よって、電気導体1の適宜の振動
性電流流動により、加速装置40内の磁気流動性液体3
0のみならず、室4内にてMRF30に対し両膜7の反
対側に位置する減衰液体32も、矢印方向5の振動運動
に置かれる。さらに、これらの溶液境界の別の特長とし
て、電磁石2により生成される磁界の限界における障害
性作用防止がある。
【0021】上に説明した装置、または対応して好適に
構成された室4、すなわちMRF30、磁石2および導
体1または導体結合部10,10’等を具備する加速装
置40は、既述のように、液圧式原動機軸受(特に動力
走行車の駆動原動機用)の構成部分となり得るものであ
り、これを図1aに例示する。この図1aは、本発明に
よる装置を除いてはほぼ通常の液圧式原動機軸受の横断
面図であり、図1bには図1aのA−A線による断面図
が、そして図1cには図1aのXの詳細図が示されてい
る。
【0022】特に図1aに示す原動機軸受は、通常のも
のであり従って詳細には示さない支持要素および固定要
素の他に、エラストーマ支持体107により上方を境界
されているそれ自体通常の上部液体室101、およびそ
れ自体通常のものである下部液体室102を有する。こ
れらの両液体室101、102の間に、ほぼ通常のもの
であり従って詳しくは説明しない隔壁系103が位置す
る。ほぼこの隔壁系103の高さに、隔壁系103を囲
むリング管路の形の本発明による室4が設けられ、その
場合磁気流動性液体30で満たされた該室4またはリン
グ状管路要素4の1部範囲が、電磁石2および既述のよ
うに配置された数個の電気導体1または導体結合部1
0,10’,10"等によりなる本発明による加速装置
40を具備する。
【0023】図1bより判るように、リング室4の内室
と上部液体室101との間に移行部105または管路開
口部105が設けられ、これを介して室4の内室と上部
液体室101との間に流体結合が成立している。同様
に、リング室4の内室と原動機軸受の下部液体室102
との間に別の移行部106(または別の管路開口部10
6)が設けられている。これら両移行部105、106
の間にて、リング室4内またはリング管路要素4内に隔
壁104が位置する。移行部105、106により、室
4内にある磁気流動性液体30の振動運動は、上部液体
室101および下部液体室102内に導入されまたは伝
達されることが可能となっている。
【0024】従って図1a、図1bの装置は、例えば図
示の液圧式原動機軸受にてアクチュエータとして用いる
ことができる。その場合MRF30は、加速度により生
起された慣性力により、外部刺激に対抗作用するように
振動式に往復動せしめられる。このような原動機軸受
は、1つには現在通常の液体軸受の周知の特性を有し、
さらに加速装置40の適宜の制御により駆動機械等の障
害的振動を好適に減衰し、従って伝達経路(既述の使用
例では、動力走行車の駆動原動機から走行車車体へ)か
ら選びだして除外することができる。
【0025】図1cは、電気導体1の結合部10,1
0’等とそれらの電気接続部41および電磁石2用電気
接続部42を具備する加速装置40の詳細図を示す。さ
らに、図1a、図1bによるこの実施例では、磁気流動
性液体30は液体室101、102内の液体と直接的の
液体接触にあり、すなわちこれら液体室内にもMRF3
0が位置するが、しかしこれとは別に、リング室4と液
体室101、102との間の移行部105、106にそ
れぞれ膜7(図5aに示す)が設けられているので、こ
のとき加速装置40のMRF30は、いわば室端面側に
設けられた膜を介して、その他ではほぼ通常の液圧式原
動機軸受の上部液体室および下部液体室と間接的に結合
している。
【0026】本発明の装置の別の使用例は、いわゆるア
クティブなバイブレーションダンパである。すなわち、
磁気流動性液体30およびこの液体用加速装置40を具
備する適宜に構成された室4は、アクティブなバイブレ
ーションダンパの構成部品である。このための好適な実
施例の基本を図2に断面にて示す。
【0027】符号80にて、このアクティブなバイブレ
ーションダンパのケーシングを示す。このケーシング
は、さらに固定フランジ81を有し、この固定フランジ
81でもって該バイブレーションダンパはその振動を減
衰しまたは抑制すべき被動系に固定することができる。
ケーシング80内部には、電磁石2の他に磁気流動性液
体30で満たされかつ電気導体1の統合した結合部10
等を具備する室4がある。その場合、室4は両端面側
に、すなわち電磁石2より離れたところに膜7により境
界され、これら膜の間にMRF30が閉じ込められてい
る。
【0028】電気導体1に適宜の振動する電流を流すこ
とにより、室4内の磁気流動性液体30を矢印方向5の
振動運動に置くことができる。この振動運動を行うこと
により、図2にて下側の膜7はケーシング80の下側部
分の内側に、または図2にて上側の膜7はケーシング8
0の上側部分の内側に、図示のように交互に接合せしめ
られ、従ってケーシング80は室4の端面側に設けた膜
7に関し実際上当接機能を果たす。膜7自体は、矢印5
によるこの振動運動の際いわば戻しばねの機能を果た
す。
【0029】既述の装置でもって、新規な方法でMRF
の使用の下に振動のアクティブな減衰または抑制を実現
することができる。その場合、生成可能ないわゆる反対
振動の周波数は、振動する電流流動の周波数を適宜に選
択することにより、広い範囲に任意に調整可能である。
既に当初説明したように、振動する電流流動の代わり
に、電磁石2の適宜の電極交換により(電気導体1にお
ける電流流動はほぼ一定の場合)、磁界をその方向を振
動するように構成することも可能であることを明確に指
摘したい。よってこの装置は(既述の使用例に対し)、
実際上すべての可能な運転状態に適しており、すなわち
原動機軸受またはアクティブな原動機バイブレーション
ダンパとして使用する場合、従来技術に比べ、走行車駆
動機構のアイドリング時および走行運転時に著しい機能
改善が達成される。その場合、本発明による装置は現在
周知のアクティブ系に対し構造の簡単さで優れており、
従ってコストが安く作りが丈夫である。さらに、所要場
所が少なくて済み、重量および所要エネルギーが従来周
知の系に比して少ない。
【0030】なお、指摘すべきことは、MRF30の強
磁性粒子31への適宜な制御により(例えば、電流のな
い交替する磁界、または異なる電気導体1における互い
に逆の電流方向と結合する磁界)並進力のない純粋の回
転モーメントを及ぼし得ることである。これは例えば、
その際生ずる内部摩擦熱により、磁気流動性液体30を
装置の運転開始前の冷えた状態から好適な運転温度に持
ち来たすことに用いることができる。同じく、適宜の制
御により攪拌効果を生成することができ、これを場合に
より生ずるMRF30内の沈殿現象を解消しまたは防止
することに利用することが可能である。前記の両者は、
さらに振動する磁界によっても達成可能である。なお、
実に多くの詳細(特に構成様式)を、特許請求の範囲の
内容から外れることなく、上の説明から異なって構成す
ることができることを指摘しておく。
【図面の簡単な説明】
【図1a】本発明による装置を除いてほぼ従来の液圧式
原動機軸受の横断面図である。
【図1b】図1aの線A−Aによる断面図である。
【図1c】図1aのX部の詳細図である。
【図2】本発明の実施例の断面図である。
【図3】物理学上の基礎を説明する原理図である。
【図4a】本発明の実施例の原理図である。
【図4b】図4aの横断面図である。
【図5a】本発明の別の実施例の原理図である。
【図5b】図5aの横断面図である。
【符号の説明】
1 電気導体 2 電磁石 4 室 5 振動運動方向 6 層 7 膜 10,10’,10" 導体結合部 30 磁気流動性液体 40 加速装置 80 ケーシング 101,102 液体室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カール レッチュ ドイツ連邦共和国 デー・85229 マルク ト インダースドルフ プロープスト・モ ルハルト・シュトラーセ 7 Fターム(参考) 3D035 CA05 CA21 CA35 3J047 AA02 AB05 CA20 DA10 FA02 FA03 3J048 AC08 AD03 BB05 BB07 EA01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被動系、特に走行車駆動機構における振
    動を減衰しまたは抑制する、機構軸受またはバイブレー
    ションダンパの形式の装置にして、該機構軸受またはバ
    イブレーションダンパが磁気流動性液体(MRF、3
    0)を満たしかつ磁界の生成可能な室(4)を有する装
    置において、室(4)の少なくとも1部範囲が、電流流
    動を行い得る数個の電気導体(1)により貫通されてい
    ることを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】 電気導体(1)に振動する電流流動が生
    成可能であり、それにより磁気流動性液体(30)の少
    なくとも1部が振動運動(矢印5)に置かれることを特
    徴とする、請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 振動する磁界が生成可能であり、それに
    より磁気流動性液体(30)の少なくとも1部が振動運
    動(矢印5)に置かれることを特徴とする、請求項1ま
    たは2に記載の装置。
  4. 【請求項4】 数個の電気導体(1)がほぼ平行にかつ
    隣接し位置して板状結合部(10)に統合され、それに
    より振動する電流流動により磁界が動作の際、または電
    流流動がほぼ一定で磁界が振動する際、磁気流動性液体
    (30)の少なくとも1部が板状結合部(10)の面に
    ほぼ平行に振動運動(矢印5)に置かれ得ることを特徴
    とする、請求項1ないし3の1つに記載の装置。
  5. 【請求項5】 室(4)内に、電気導体(1)を有する
    数個の板状結合部(10,10’,10")がほぼ互い
    に平行に配置されていることを特徴とする、請求項1な
    いし4の1つに記載の装置。
  6. 【請求項6】 磁気流動性液体(30)を含む室(4)
    が、少なくとも部分的に少なくとも1つの電磁石(2)
    により囲まれ、その磁極(N,S)の間を延びる電磁石
    の磁束線(21)が導体結合部(10,10’)にほぼ
    垂直に位置することを特徴とする、請求項1ないし5の
    1つに記載の装置。
  7. 【請求項7】 室(4)がそれぞれ端面側で膜7で閉止
    されていることを特徴とする、請求項1ないし6の1つ
    に記載の装置。
  8. 【請求項8】 電磁石(2)の範囲の室(4)の内壁が
    非磁性材料の層(6)を有することを特徴とする、請求
    項1ないし7の1つに記載の装置。
  9. 【請求項9】 磁気流動性液体(30)を有する好適に
    構成された室(4)が液圧式原動機軸受の構成部分であ
    り、そして直接的にまたは室端面側に設けた膜を介して
    間接的に、その他ではほぼ通常の液圧式原動機軸受の上
    部および下部液体室(101,102)と結合している
    ことを特徴とする、請求項1ないし8の1つに記載の装
    置。
  10. 【請求項10】 室(4)が、ほぼ液圧式原動機軸受の
    上部液体室(101)と下部液体室(102)との間に
    位置して、これら液体室をほぼ囲むリング管路の形状に
    構成されていることを特徴とする、請求項9に記載の装
    置。
  11. 【請求項11】 磁気流動性液体(30)を有する好適
    に構成された室(4)がアクティブなバイブレーション
    ダンパの構成部分であり、そのケーシング(80)が室
    の端面側に設けた膜(7)に対し当接機能を果たすこと
    を特徴とする、請求項1ないし8の1つに記載の装置。
  12. 【請求項12】 磁気流動性液体(30)用加速装置と
    して機能する電気導体(1)に振動する電流流動を適宜
    に行うことにより、被動系の駆動機械等の妨害的振動が
    有効に減衰可能であることを特徴とする、請求項1ない
    し11の1つに記載の装置。
  13. 【請求項13】 磁気流動性液体(30)用加速装置と
    して機能する電気導体(1)に振動する電流流動を適宜
    に行うことにより、および(または)振動する磁界を設
    けることにより、磁気流動性液体(30)が加熱可能で
    あることを特徴とする、請求項1ないし12の1つに記
    載の装置。
  14. 【請求項14】 磁気流動性液体(30)用加速装置と
    して機能する電気導体(1)に振動する電流流動を適宜
    に行うことにより、および(または)振動する磁界を設
    けることにより、磁気流動性液体(30)に渦効果が生
    成可能であることを特徴とする、請求項1ないし13の
    1つに記載の装置。
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