JP2020158789A - 車両用アルミニウム合金及び車両用部品 - Google Patents

車両用アルミニウム合金及び車両用部品 Download PDF

Info

Publication number
JP2020158789A
JP2020158789A JP2019056181A JP2019056181A JP2020158789A JP 2020158789 A JP2020158789 A JP 2020158789A JP 2019056181 A JP2019056181 A JP 2019056181A JP 2019056181 A JP2019056181 A JP 2019056181A JP 2020158789 A JP2020158789 A JP 2020158789A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum alloy
intermetallic compound
amount
vehicle
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019056181A
Other languages
English (en)
Inventor
規高 鈴木
Noritaka Suzuki
規高 鈴木
小屋 栄太郎
Eitaro Koya
栄太郎 小屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2019056181A priority Critical patent/JP2020158789A/ja
Priority to EP20159808.3A priority patent/EP3715489A1/en
Publication of JP2020158789A publication Critical patent/JP2020158789A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C21/00Alloys based on aluminium
    • C22C21/02Alloys based on aluminium with silicon as the next major constituent
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60BVEHICLE WHEELS; CASTORS; AXLES FOR WHEELS OR CASTORS; INCREASING WHEEL ADHESION
    • B60B3/00Disc wheels, i.e. wheels with load-supporting disc body
    • B60B3/06Disc wheels, i.e. wheels with load-supporting disc body formed by casting
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C21/00Alloys based on aluminium
    • C22C21/02Alloys based on aluminium with silicon as the next major constituent
    • C22C21/04Modified aluminium-silicon alloys
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/04Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon
    • C22F1/043Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon of alloys with silicon as the next major constituent
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60BVEHICLE WHEELS; CASTORS; AXLES FOR WHEELS OR CASTORS; INCREASING WHEEL ADHESION
    • B60B2310/00Manufacturing methods
    • B60B2310/20Shaping
    • B60B2310/202Shaping by casting
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60BVEHICLE WHEELS; CASTORS; AXLES FOR WHEELS OR CASTORS; INCREASING WHEEL ADHESION
    • B60B2360/00Materials; Physical forms thereof
    • B60B2360/10Metallic materials
    • B60B2360/104Aluminum
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】再生塊を使用しながら靭性及び耐力を向上させることが可能な車両用アルミニウム合金を提供することにある。【解決手段】組成重量比(wt%)で、Mgが0.6〜1.2、Feが0.4〜1.0、Mnが0.2〜0.5とし、Si及びCuを含み、金属間化合物のサイズが30μm以下であり、従来よりもMgを増加させて車両用アルミニウム合金の耐力を向上させ、製品の肉厚を削減して軽量化を図り、また、FeとMnとを適正な重量比とすることで靱性を向上させる。【選択図】図5

Description

本発明は、車両用アルミニウム合金及び車両用部品に関する。
従来、重量%で、Fe:0.2〜1.0%、Mn:0.01〜0.7%とし、Si及びCuを含み、残部のAl及び不可避的不純物を含む車両用アルミニウム合金が知られている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2014/061329号
特許文献1では、コストを抑えるために再生塊を使用した場合、新塊を使用するのに比べて耐力が低下するため、加工された製品の厚さを増加させる等の対策が必要であり、新塊を利用する場合に比べて重量が増大する。このため、再生塊を使用する場合において、重量の増加を抑えつつ耐力を高めることが望まれている。
再生塊の耐力を高める手法として、Mgを添加することが考えられるが、単純にMgを加えただけでは、靱性が低下するため、耐力及び靱性の両方の向上が望まれている。
本発明の目的は、再生塊を使用しながら靭性及び耐力を向上させることが可能な車両用アルミニウム合金及び車両用部品を提供することにある。
車両用アルミニウム合金は、組成重量比(wt%)で、Mgが0.6〜1.2、Feが0.4〜1.0、Mnが0.2〜0.5とし、Si及びCuを含み、金属間化合物のサイズが30μm以下であることを特徴とする。
上記の車両用アルミニウム合金は、前記Mgが0.8〜1.0、前記Feが0.4〜0.8、前記Mnが0.25〜0.35とし、前記金属間化合物のサイズが15μm以下であっても良い。
また、上記の車両用アルミニウム合金は、前記Feに対して前記Mnは、重量比(wt%)で30〜70%の割合で含まれていても良い。
また、上記の車両用アルミニウム合金は、前記Siが8.0〜12、前記Cuが1.0以下とし、前記金属間化合物のサイズが10μm以下であっても良い。
また、上記の車両用アルミニウム合金は、ダイカスト鋳造により成形されても良い。
車両用部品は、組成重量比(wt%)で、Mgが0.6〜1.2、Feが0.4〜1.0、Mnが0.2〜0.5とし、Si及びCuを含み、金属間化合物のサイズが30μm以下の車両用アルミニウム合金から形成されたことを特徴とする。
上記の車両用部品は、前記Mgが0.8〜1.0、前記Feが0.4〜0.8、前記Mnが0.25〜0.35とし、前記金属間化合物のサイズが15μm以下であっても良い。
また、上記の車両用部品は、前記Feに対して前記Mnは、重量比(wt%)で30〜70%の割合で含まれていても良い。
また、上記の車両用部品は、前記Siが8.0〜12、前記Cuが1.0以下とし、前記金属間化合物のサイズが10μm以下であっても良い。
また、上記の車両用部品は、ダイカスト鋳造により成形されても良い。
また、上記の車両用部品は、自動二輪車用のホイール(10)であっても良い。
車両用アルミニウム合金は、組成重量比(wt%)で、Mgが0.6〜1.2、Feが0.4〜1.0、Mnが0.2〜0.5とし、Si及びCuを含み、金属間化合物のサイズが30μm以下であるので、従来よりもMgを増加させることにより車両用アルミニウム合金の耐力が向上して製品の肉厚を削減でき、これによって軽量化できる。また、FeとMnとを適正な重量比とすることができ、靱性が向上し、車両用部品に適した靱性を有する車両用アルミニウム合金を得ることができる。
上記構成において、Mgが0.8〜1.0、Feが0.4〜0.8、Mnが0.25〜0.35とし、金属間化合物のサイズが15μm以下であるので、従来よりもMgを増加させることにより車両用アルミニウム合金の耐力が向上して製品の肉厚を削減でき、これによって軽量化できる。また、FeとMnとを適正な重量比とすることができ、靱性が向上し、車両用部品に適した靱性を有する車両用アルミニウム合金を得ることができる。
また、上記構成において、Feに対してMnは、重量比(wt%)で30〜70%の割合で含まれるので、FeとMnとが結合した時に、金属間化合物のサイズが小さくできるため、アルミニウム合金の伸びが良くなり、靱性を向上できる。
また、上記構成において、Siが8.0〜12、Cuが1.0以下とし、金属間化合物のサイズが10μm以下であるので、Si量を8.0〜12として、溶湯の流動性を良好とし且つ所定の靱性を確保することができる。また、Cuの混入量が多かったり、金属間化合物のサイズが大きかったりすると、靱性が低下するため、Cu量を少なくするとともに金属間化合物のサイズを小さくすることで靭性を向上できる。
また、上記構成において、車両用アルミニウム合金は、ダイカスト鋳造により成形されるので、ダイカスト鋳造により、車両用部品に適した耐力及び靭性を有する車両用アルミニウム合金を得ることができる。
また、上記構成において、車両用部品は、自動二輪車用のホイールであるので、好適な耐力及び靭性を有する自動二輪車用のホイールを提供できる。
本発明の実施形態のアルミニウム合金を使用した自動二輪車用のホイールを示す正面図である。 図1のII−II線断面図である。 Mg量と硬さとの関係を示すグラフである。 Fe量と金属間化合物の長径、伸びとの関係を示すグラフである。 Mn量と金属間化合物の長径、伸びとの関係を示すグラフである。 実施形態のアルミニウム合金の状態図である。 Cu量と金属間化合物の長径との関係を示すグラフである。 金属間化合物の長径と伸びとの関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態のアルミニウム合金を使用した自動二輪車用のホイール10を示す正面図、図2は、図1のII−II線断面図である。
図1及び図2に示すように、自動二輪車用のホイール10は、アルミニウム合金製であり、車軸(不図示)に回転可能に支持されるハブ11と、ハブ11から放射状に延びる複数のスポーク12と、複数のスポーク12の各先端部に接続された環状のリム13とを備える。
リム13には、タイヤ(不図示)が装着される。自動二輪車用のホイール10は、ダイカスト鋳造により一体成形されている。
なお、自動二輪車用のホイール10は、リム径が17インチ以下、リム幅が3.5インチ以下であり、ホイール10を、自動二輪車に限らず、自動二輪車も含む鞍乗り型車両用としても良い。
自動二輪車用のホイール10などの車両用部品に用いる車両用アルミニウム合金には、耐力と、伸び(靭性)が要求される。
一般に、アルミニウム合金に含まれる不純物としてのFeの含有量が増大するほど靭性が低下することが知られているが、発明者らは、この靭性の低下が、初晶α−Al晶の間に形成される金属間化合物の影響であるとの知見を得た。
この金属間化合物は、初晶の後に凝固する共晶に含まれるAl−Fe−Si共晶やAl−Fe−Mn−Si共晶であり、これらはα−Si共晶よりも高温で生成する。これらの金属間化合物は、アルミニウム合金の組成、特にFeとMnの量により様々な形状となり、針状、板状又は塊状に生成する。
発明者らは、これらのFeを含む金属間化合物のサイズが大きくなるほど、鋳造品の靭性が低下することを明らかにした。ここでいう金属間化合物のサイズとは、面積や体積ではなく、任意の一方向における最大長さである。従って、金属間化合物が針状や板状に成長した場合、サイズが大きくなりやすい。
上述したように、金属間化合物の形状及びサイズは、アルミニウム合金の組成に影響される。再生塊アルミニウム材を原料に用いる場合には、不純物として混入するFe、Mn、Cu等の影響がある。
再生塊アルミニウム材としては、非鉄金属スクラップのうち主にアルミサッシ(押出材)や展伸材アルミ材を主原料とする展伸系スクラップと、鋳物屑やシュレッダーの破砕材を含む鋳物系スクラップが知られている。
表1に、多く流通している再生塊アルミニウム材の例について組成を示す。
Figure 2020158789
表1に例示したような展伸系スクラップ材と、鋳物系スクラップとを適宜選択し、又は混合して車両用アルミニウム合金の原料とする場合、このアルミニウム原料はSi、Fe、Mg、Mn、Cu、Zn等を含む。これらの再生塊アルミニウム材を新塊アルミニウム材と混合してアルミニウム原料として用いることも可能であるが、その場合も不純物の混入は避け難い。
Feは、Al−Si系合金の鋳造品において、靭性を低下させる。Fe量が多いと針状のAl−Si−Fe系金属間化合物が多く生成されるため、靭性を低下させる。その一方で、Feは、ダイカスト鋳造品の型への焼き付きを防止する効果がある。
Mnは、Feを含むAl−Si系合金に添加された場合に、塊状のAl−Si−Fe−Mn系の金属間化合物を生成し、上述した針状や板状のAl−Si−Fe系金属間化合物の生成を抑制する効果がある。しかしその一方で、Mn量が多い場合には金属間化合物のサイズが大きくなり、鋳造品の靭性が低下する。
Cuは鋳造品の靭性を低下させ、耐食性を損なう不純物として考えられる。
Mgは引っ張り強さと耐力を向上させる効果があるが、Mg量の増加に伴って靭性が低下する。
Siは、アルミニウム合金の鋳造時における溶湯の流動性を向上させる効果を持つ。
発明者らは、再生塊アルミニウム材を原料とする車両用アルミニウム合金の組成及び金属間化合物のサイズについて種々検討し、組成重量比(wt%)で、Mgが0.6〜1.2、Feが0.4〜1.0、Mnが0.2〜0.5とし、Si及びCuを含み、金属間化合物のサイズが30μm以下である場合に、車両用部品として好適な耐力及び靭性を有するアルミダイカスト鋳造品が得られることを見いだした。
これにより、再生塊アルミニウム材等に由来するFe、Mn、Si、Cu等の不純物を含んでいても、従来よりもMgを増加させることにより車両用アルミニウム合金の耐力が向上して製品の肉厚を削減でき、これによって軽量化できる。また、FeとMnとを適正な重量比とすることができ、靱性が向上し、車両用部品に適した靱性を有する車両用アルミニウム合金を得ることができる。
また、組成重量比(wt%)で、Mgが0.8〜1.0、Feが0.4〜0.8、Mnが0.25〜0.35とし、金属間化合物のサイズが15μm以下とすることで、従来よりもMgを増加させることにより車両用アルミニウム合金の耐力が向上して製品の肉厚を削減でき、これによって軽量化できる。また、FeとMnとを適正な重量比とすることができ、靱性が向上し、車両用部品に適した靱性を有する車両用アルミニウム合金を得ることができる。
この場合、4%以上の伸びを有するアルミニウムダイカスト鋳造品を得ることができる。
また、Feに対してMnは、重量比(wt%)で、30〜70%の割合であるため、FeとMnとが結合した時に、金属間化合物のサイズが小さくできるため、アルミニウム合金の伸びが良くなり、靱性を向上できる。
また、組成重量比(wt%)で、Siが8.0〜12、Cuが1.0以下とし、金属間化合物のサイズが10μm以下であるため、Si量を8.0〜12wt%として、溶湯の流動性を良好とし且つ所定の靱性を確保することができる。また、Cuの混入量が多かったり、金属間化合物のサイズが大きかったりすると、靱性低下するため、Cu量を少なくするとともに金属間化合物のサイズを小さくすることで靭性を向上できる。
また、アルミニウム合金は、ダイカスト鋳造により成形されるため、ダイカスト鋳造により、車両用部品に適した耐力及び靭性を有する車両用アルミニウム合金を得ることができる。
また、車両用部品は、自動二輪車用のホイール10であるので、好適な耐力及び靭性を有する自動二輪車用のホイール10を提供できる。
以下の図3〜図8において、車両用アルミニウム合金の特性を詳細に説明する。なお、この記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
図3は、Mg量と硬さとの関係を示すグラフである。グラフの縦軸は硬さ(HRBによる)、横軸はMg量(単位はwt%)を表している。
Mg量が多くなるにつれて、硬さは次第に硬くなる。即ち、車両用アルミニウム合金の耐力が高くなる。この耐力とは、0.2%耐力である。
Mg量が多すぎると、車両用アルミニウム合金の靭性が低下するため、本実施形態では、Mg量を(1)0.6〜1.2wt%、(2)好ましくは、0.8〜1.0wt%に設定した。このMg量は、従来の鋳造法でのMg量0.1〜0.2wt%に対して大幅に増量されている。
硬さの許容範囲は、40以上である。上記(2)Mg量0.8〜1.0wt%では、硬さが許容範囲内にある。
図4は、Fe量と金属間化合物の長径、伸びとの関係を示すグラフである。
グラフの左側の縦軸は金属間化合物長径(単位はμm)、右側の縦軸は伸び(単位は%)、横軸はFe量(単位はwt%)を表している。
金属間化合物長径については、Fe量が増えるにつれて大きくなっている。また、伸びについては、Fe量が増えるにつれて小さくなっている。このように、Fe量が増えると、金属間化合物が針状や板状に成長し、靭性が低下する。この結果から、本実施形態では、Fe量を(1)0.4〜1.0wt%、(2)好ましくは、0.4〜0.8wt%に設定した。
なお、Fe量1.0wt%における金属間化合物長径及び伸びについては、Fe量0.4wt%とFe量0.8wt%との値から破線で示すように外挿している。
伸びの許容範囲は、4%であり、上記(2)Fe量0.4〜0.8wt%では、伸びが許容範囲内にある。
図5は、Mn量と金属間化合物の長径、伸びとの関係を示すグラフである。グラフの左側の縦軸は金属間化合物長径(単位はμm)、右側の縦軸は伸び(単位は%)、横軸はMn量(単位はwt%)を表している。
金属間化合物長径については、Mn量が0(ゼロ)に近い量から増えるにつれて次第に小さくなるが、Mn量が約0.3wt%を超えると、今度は次第に大きくなる。
また、伸びについては、Mn量が0(ゼロ)に近い量から増えるにつれて大きくなるが、Mn量が約0.3wt%を超えると、今度は次第に小さくなる。
本実施形態では、金属間化合物長径が最も小さく、且つ伸びが最も大きくなるMn量約0.3wt%を挟むように、Mn量を(1)0.2〜0.5wt%、好ましくは、(2)0.25〜0.35wt%に設定した。
伸びの許容範囲は、4%であり、上記(1)Mn量0.2〜0.5wt%及び(2)Fe量0.4〜1.0wt%では、共に伸びが許容範囲内にある。
図6は、実施形態のアルミニウム合金の状態図である。
グラフの縦軸は温度(単位は°C)、横軸はSi量(単位はwt%)を表している。
液相線Aでは、Si量が0(ゼロ)〜約12wt%まで増えるにつれて温度が低下している。即ち、アルミニウム合金の融点が次第に低下している。鋳造時の湯流れ性を確保するために、Si量を、融点の低下する8.0〜12.0の範囲に設定した。
図7は、Cu量と金属間化合物の長径との関係を示すグラフである。グラフの縦軸は金属間化合物長径(単位はμm)、横軸はCu量(単位はwt%)である。
Cu量が増えるにつれて、金属間化合物長径は大きくなっている。従って、Cu量が多すぎると、靭性が低下する。
なお、Cu量0.6〜1.0wt%における金属間化合物長径については、Cu量0.6wt%までの値から破線で示すように外挿している。
本実施形態では、(1)金属間化合物長径が15μm以下(許容範囲)となるように、Cu量を1.0wt%以下に設定し、(2)好ましくは、金属間化合物長径が10μm以下(許容範囲)となるように、Cu量を0.7wt%以下に設定した。
図8は、伸びと金属間化合物の長径との関係を示すグラフである。
グラフの縦軸は伸び(単位は%)、横軸は金属間化合物長径(単位はμm)を表している。図8のグラフにおいて横軸を対数目盛としている。
金属間化合物長径が大きくなるにつれて、伸びは、次第に小さくなっている。伸びを最低でも4%(許容範囲)確保しようとする場合には、金属間化合物長径は、(1)30μm以下となる。また、(2)金属間化合物の長径は、好ましくは、15μm以下であり、(3)更に好ましくは、10μm以下である。
以上の図3〜図5及び図8に示したように、(A)組成重量比(wt%)で、Mgが0.6〜1.2、Feが0.4〜1.0、Mnが0.2〜0.5とし、Si及びCuを含み、金属間化合物のサイズが30μm以下である。
また、(B)組成重量比(wt%)で、Mgが0.8〜1.0、Feが0.4〜0.8、Mnが0.25〜0.35とし、金属間化合物のサイズが15μm以下である。
上記構成(A),(B)によれば、従来よりもMgを増加させることにより車両用アルミニウム合金の耐力が向上して製品の肉厚を削減でき、これによって軽量化できる。また、FeとMnとを適正な重量比とすることができ、靱性が向上し、車両用部品に適した靱性を有する車両用アルミニウム合金を得ることができる。
また、図4及び図5に示したように、Feに対してMnは、重量比(wt%)で30〜70%の割合で含まれる。
この構成によれば、FeとMnとが結合した時に、金属間化合物のサイズが小さくできるため、アルミニウム合金の伸びが良くなり、靱性を向上できる。
また、図6及び図7に示したように、組成重量比(wt%)で、Siが8.0〜12、Cuが1.0以下とし、金属間化合物のサイズが10μm以下である。
この構成によれば、Si量を8.0〜12wt%として、溶湯の流動性を良好とし且つ所定の靱性を確保することができる。また、Cuの混入量が多かったり、金属間化合物のサイズが大きかったりすると、靱性低下するため、Cu量を少なくするとともに金属間化合物のサイズを小さくすることで靭性を向上できる。
また、車両用アルミニウム合金は、ダイカスト鋳造により成形される。
この構成によれば、ダイカスト鋳造により、車両用部品に適した耐力及び靭性を有する車両用アルミニウム合金を得ることができる。
また、図1及び図2に示したように、車両用部品は、自動二輪車用のホイール10である。この構成によれば、好適な耐力及び靭性を有する自動二輪車用のホイール10を提供できる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
10 自動二輪車用のホイール(車両用部品)

Claims (11)

  1. 組成重量比(wt%)で、Mgが0.6〜1.2、Feが0.4〜1.0、Mnが0.2〜0.5とし、Si及びCuを含み、金属間化合物のサイズが30μm以下であることを特徴とする車両用アルミニウム合金。
  2. 前記Mgが0.8〜1.0、前記Feが0.4〜0.8、前記Mnが0.25〜0.35とし、前記金属間化合物のサイズが15μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の車両用アルミニウム合金。
  3. 前記Feに対して前記Mnは、重量比(wt%)で30〜70%の割合で含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用アルミニウム合金。
  4. 前記Siが8.0〜12、前記Cuが1.0以下とし、前記金属間化合物のサイズが10μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の車両用アルミニウム合金。
  5. ダイカスト鋳造により成形されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両用アルミニウム合金。
  6. 組成重量比(wt%)で、Mgが0.6〜1.2、Feが0.4〜1.0、Mnが0.2〜0.5とし、Si及びCuを含み、金属間化合物のサイズが30μm以下の車両用アルミニウム合金から形成されたことを特徴とする車両用部品。
  7. 前記Mgが0.8〜1.0、前記Feが0.4〜0.8、前記Mnが0.25〜0.35とし、前記金属間化合物のサイズが15μm以下であることを特徴とする請求項6に記載の車両用部品。
  8. 前記Feに対して前記Mnは、重量比(wt%)で30〜70%の割合で含まれることを特徴とする請求項6又は7に記載の車両用部品。
  9. 前記Siが8.0〜12、前記Cuが1.0以下とし、前記金属間化合物のサイズが10μm以下であることを特徴とする請求項8に記載の車両用部品。
  10. ダイカスト鋳造により成形されることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の車両用部品。
  11. 自動二輪車用のホイール(10)であることを特徴とする請求項6乃至10のいずれか一項に記載の車両用部品。
JP2019056181A 2019-03-25 2019-03-25 車両用アルミニウム合金及び車両用部品 Pending JP2020158789A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019056181A JP2020158789A (ja) 2019-03-25 2019-03-25 車両用アルミニウム合金及び車両用部品
EP20159808.3A EP3715489A1 (en) 2019-03-25 2020-02-27 Aluminum alloy for vehicles and vehicle part

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019056181A JP2020158789A (ja) 2019-03-25 2019-03-25 車両用アルミニウム合金及び車両用部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020158789A true JP2020158789A (ja) 2020-10-01

Family

ID=69742777

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019056181A Pending JP2020158789A (ja) 2019-03-25 2019-03-25 車両用アルミニウム合金及び車両用部品

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP3715489A1 (ja)
JP (1) JP2020158789A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07252573A (ja) * 1994-03-17 1995-10-03 Kobe Steel Ltd 靭性に優れたAl−Zn−Mg−Cu系合金及びその製造方法
JPH08134578A (ja) * 1994-11-02 1996-05-28 Nippon Light Metal Co Ltd 高温強度及び靭性に優れたダイカスト用アルミニウム合金及び製造方法
JP2008274403A (ja) * 2007-03-30 2008-11-13 Toyota Central R&D Labs Inc 鋳物用アルミニウム合金、アルミニウム合金鋳物およびその製造方法
WO2014061329A1 (ja) * 2012-10-17 2014-04-24 本田技研工業株式会社 車両用アルミ合金、および、車両用部品
JP2015166480A (ja) * 2014-03-03 2015-09-24 住友電気工業株式会社 アルミニウム合金、アルミニウム合金線材、アルミニウム合金線材の製造方法、アルミニウム合金部材の製造方法、及びアルミニウム合金部材

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02232331A (ja) * 1989-03-03 1990-09-14 Nippon Light Metal Co Ltd 耐糸状腐食性に優れた金型鋳造用アルミニウム合金
JP2002339030A (ja) * 2001-05-17 2002-11-27 Yamaha Motor Co Ltd ダイカスト用アルミニウム合金
US20050199318A1 (en) * 2003-06-24 2005-09-15 Doty Herbert W. Castable aluminum alloy
JP2006183122A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Denso Corp ダイカスト用アルミニウム合金およびアルミニウム合金鋳物の製造方法
JP5355320B2 (ja) * 2009-09-10 2013-11-27 日産自動車株式会社 アルミニウム合金鋳物部材及びその製造方法
JP2011208253A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Honda Motor Co Ltd 車両材料用アルミダイカスト合金
US8758529B2 (en) * 2010-06-30 2014-06-24 GM Global Technology Operations LLC Cast aluminum alloys
DE102011120988A1 (de) * 2011-12-13 2013-06-13 Daimler Ag Flächiges Halbzeug aus einer Aluminiummatrixverbundlegierung mit Borcarbid-Partikeln zur Herstellung einer mit Borcarbid-Partikeln angereicherten Platte und Herstellungsverfahren
CN105220025B (zh) * 2014-06-06 2018-03-16 华为技术有限公司 一种压铸铝合金及其制备方法和通讯产品

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07252573A (ja) * 1994-03-17 1995-10-03 Kobe Steel Ltd 靭性に優れたAl−Zn−Mg−Cu系合金及びその製造方法
JPH08134578A (ja) * 1994-11-02 1996-05-28 Nippon Light Metal Co Ltd 高温強度及び靭性に優れたダイカスト用アルミニウム合金及び製造方法
JP2008274403A (ja) * 2007-03-30 2008-11-13 Toyota Central R&D Labs Inc 鋳物用アルミニウム合金、アルミニウム合金鋳物およびその製造方法
WO2014061329A1 (ja) * 2012-10-17 2014-04-24 本田技研工業株式会社 車両用アルミ合金、および、車両用部品
JP2015166480A (ja) * 2014-03-03 2015-09-24 住友電気工業株式会社 アルミニウム合金、アルミニウム合金線材、アルミニウム合金線材の製造方法、アルミニウム合金部材の製造方法、及びアルミニウム合金部材

Also Published As

Publication number Publication date
EP3715489A1 (en) 2020-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5894289B2 (ja) ダイカスト鋳造品、および、車両用部品
JP4765400B2 (ja) セミソリッド鋳造用アルミニウム合金、並びにアルミ合金鋳物とその製造方法
JP4970709B2 (ja) 鋳造合金
WO2016166779A1 (ja) ダイカスト用アルミニウム合金およびこれを用いたアルミニウム合金ダイカスト
JP5582982B2 (ja) アルミニウム合金及びその製造方法
JP2006016693A (ja) アルミニウムダイカスト合金
JP6229130B2 (ja) 鋳造用アルミニウム合金及びそれを用いた鋳物
JP2001220639A (ja) アルミニウム鋳造用合金
JP2008001954A (ja) セミソリッド鋳造用アルミニウム合金及びアルミニウム合金鋳物の製造方法
JP7152977B2 (ja) アルミニウム合金
JP4511156B2 (ja) アルミニウム合金の製造方法と、これにより製造されるアルミニウム合金、棒状材、摺動部品、鍛造成形品および機械加工成形品
JP4994734B2 (ja) 鋳造用アルミニウム合金および同アルミニウム合金鋳物
US20180057913A1 (en) Alloy composition
JP2001513145A (ja) 鋳造合金
JP2006322062A (ja) 鋳造用アルミニウム合金および同アルミニウム合金鋳物
JP7096690B2 (ja) ダイカスト鋳造用アルミニウム合金およびアルミニウム合金鋳物
JP2020158789A (ja) 車両用アルミニウム合金及び車両用部品
JP6569453B2 (ja) 高靱性アルミニウム合金鋳物及びその製造方法
JPH09296245A (ja) 鋳物用アルミニウム合金
JPH07150312A (ja) アルミニウム合金鍛造素材の製造方法
JP7293696B2 (ja) アルミニウム合金鋳造材およびその製造方法
JP3037926B2 (ja) アルミホイール鋳造用アルミニウム合金
JP2006316341A (ja) 鋳造用アルミニウム合金および同アルミニウム合金鋳物
JP3711914B2 (ja) 靭性に優れる鋳造用アルミニウム合金
KR101639590B1 (ko) 마그네슘 합금 결정립 미세화제 및 마그네슘 합금의 결정립 미세화 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210325

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210907