JP2020158593A - 樹脂組成物、及び成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】外観が良好であり、且つヘイズが低く透明性に優れた成形品を与え得る、樹脂組成物を提供すること。【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A)、スチレン系樹脂(B)、並びに、ロジン系樹脂及び水添石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の炭化水素系樹脂(C)を含み、炭化水素系樹脂(C)の色調が400ハーゼン以下である、樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる成形品に関する。
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐熱性、電気絶縁性、寸法安定性等に優れ、これらの特性のバランスも良好であることから、各種の分野で広く使用されている。特にビスフェノールAを原料としたポリカーボネート樹脂は、透明性、耐衝撃性及び耐熱性に優れ、軽く割れにくいという利点があることから、ガラスの代替材料として、自動車部品や建材、またレンズ等の光学部品に採用されている。また、近年では、スマートホン等の各種携帯端末、タブレット型パソコン、カーナビやカーオーディオ、携帯ゲーム機、デジタルカメラ等に利用される液晶表示装置の液晶表示パネル用部材、特にタッチパネルのカバー部材としても大いに利用されている。
タッチパネルのカバー部材等においては、複屈折が大きいと位相差ムラが発生し、表示像のカラーバランスやコントラストの低減を引き起こしやすい。また、複屈折が大きい状態では、特に偏光サングラスをかけて画面を見ると、ブラックアウトして視認不可となる問題がある。この点、ビスフェノールAを原料とするポリカーボネート樹脂は、複屈折が大きいため、これら問題が顕著であった。
上記問題に関して、特許文献1では、ポリカーボネート樹脂に、負の複屈折性を有するスチレン系樹脂を特定量配合した樹脂組成物により、上記複屈折の問題が解決できることを提案している。
特表2013−537255号公報
しかしながら、本発明者らが検討したところ、特許文献1の上記樹脂組成物は、それを成形加工して得られた成形品において、外観不良が見られ、また、ヘイズも高くなって、透明性が不十分となる問題があった。
本発明は、外観が良好であり、且つヘイズが低く透明性に優れた成形品を与え得る、樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂を含む樹脂組成物に、特定の炭化水素系樹脂を含有するものが上記課題を解決することを見出した。すなわち、本発明は、以下の樹脂成形物、及び成形品に関する。
1.ポリカーボネート樹脂(A)、スチレン系樹脂(B)、並びに、ロジン系樹脂及び水添石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の炭化水素系樹脂(C)を含み、
炭化水素系樹脂(C)の色調が400ハーゼン以下である、樹脂組成物。
2.(A)成分及び(B)成分の質量比((A)/(B))が、70/30〜30/70である、上記項1に記載の樹脂組成物。
3.上記ロジン系樹脂の酸価が20mgKOH/g以下である、上記項1又は2に記載の樹脂組成物。
4.上記ロジン系樹脂がロジンエステルである、上記項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
5.上記ロジン系樹脂100質量%中に、芳香環を有さない共役二重結合を有するアビエタン型樹脂酸及びそのエステルを5質量%未満含む、上記項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
6.上記ロジン系樹脂100質量%中に、エチレン性不飽和二重結合を有さない樹脂酸及びそのエステルを90〜100質量%含む、上記項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
7.上記水添石油樹脂の含有量が、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して8質量部未満である、上記項1又は2に記載の樹脂組成物。
8.上記項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなる成形品。
本発明の樹脂成形物は、当該樹脂組成物から成形加工して得られる成形品において、外観が良好であり、且つ、ヘイズが低く透明性に優れている。また、本発明の樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂を配合したものであるため、該樹脂組成物から得られる成形品において複屈折が抑制されている。
本発明の成形品は、外観及び透明性に優れ、また複屈折が抑制されているため、例えば、タッチパネルのカバー部材やレンズ等の光学用部品等に好適である。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)(以下(A)成分という)、スチレン系樹脂(B)(以下(B)成分という)、並びに、ロジン系樹脂及び水添石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の炭化水素系樹脂(C)(以下(C)成分という)を含むものである。
<ポリカーボネート樹脂(A)>
(A)成分は、ポリカーボネート樹脂であれば、特に限定されず、各種公知のものを使用できる。(A)成分は、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応させることにより得られるものが挙げられる。また、(A)成分は、直鎖状でもよく、分岐構造を有していても良い。
上記芳香族ジヒドロキシ化合物は、例えば、ビス(ヒドロキシアリール)アルカン、ビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン、ジヒドロキシジアリールエーテル、ジヒドロキシジアリールスルフィド、ジヒドロキシジアリールスルホキシド、ジヒドロキシジアリールスルホン、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。該芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
上記ビス(ヒドロキシアリール)アルカンは、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(所謂ビスフェノールA)、テトラブロモビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン,2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン,1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン等が挙げられる。
上記ビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカンは、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(所謂ビスフェノールZ)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1,−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロオクタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリールエーテルは、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル等が挙げられる。上記ジヒドロキシジアリールスルフィドは、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等が挙げられる。上記ジヒドロキシジアリールスルホキシドは、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等が挙げられる。上記ジヒドロキシジアリールスルホンは、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等が挙げられる。
上記芳香族ジヒドロキシ化合物は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)が好ましい。
(A)成分において、上記芳香族ジヒドロキシ化合物におけるビスフェノールAの含有量は、特に限定されないが、上記芳香族ジヒドロキシ化合物100モル%に対して、50モル%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、中でも90質量%以上、特には95質量%以上含有することが好ましい。
上記カーボネート前駆体は、例えば、カルボニルハライド、炭酸ジエステル等が挙げられる。該カーボネート前駆体は、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
上記カルボニルハライドは、例えば、ホスゲン;ジヒドロキシ化合物のビスクロロホルメート体、ジヒドロキシ化合物のモノクロロホルメート体等のハロホルメート等が挙げられる。該カルボニルハライドは、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
上記炭酸ジエステルは、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート等のジアリールカーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート等のジアルキルカーボネート;ジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。該炭酸エステルは、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
(A)成分の製造方法は、特に限定されるものではなく、各種公知の方法を採用できる。具体的には、例えば、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法等が挙げられる。
上記界面重合法は、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行う方法である。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。界面重合法では、カーボネート前駆体の中でもホスゲンを用いることが好ましく、ホスゲンを用いた場合の方法は特にホスゲン法と呼ばれる。
上記の反応に不活性な有機溶媒は、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素等;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;等が挙げられる。該有機溶媒は、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
上記アルカリ水溶液に含有されるアルカリ化合物は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物が挙げられるが、中でも水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましい。該アルカリ化合物は、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
上記アルカリ水溶液中のアルカリ化合物の濃度は特に限定されないが、通常、反応のアルカリ水溶液中のpHを10〜12にコントロールするために、5〜10質量%で使用される。また、例えばホスゲンを吹き込むに際しては、水相のpHが10〜12、好ましくは10〜11になる様にコントロールするために、ビスフェノール化合物とアルカリ化合物とのモル比を、通常1:1.9以上、中でも1:2.0以上、また、通常1:3.2以下、中でも1:2.5以下とすることが好ましい。
上記重合触媒は、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン等の脂肪族三級アミン;N,N’−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N’−ジエチルシクロヘキシルアミン等の脂環式三級アミン;N,N’−ジメチルアニリン、N,N’−ジエチルアニリン等の芳香族三級アミン;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等;ピリジン;グアニジンの塩;等が挙げられる。該重合触媒は、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
上記分子量調整剤は、例えば、一価のフェノール性水酸基を有する芳香族フェノール;メタノール、ブタノールなどの脂肪族アルコール;メルカプタン;フタル酸イミド等が挙げられるが、中でも芳香族フェノールが好ましい。このような芳香族フェノールとしては、具体的に、m−メチルフェノール、p−メチルフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−長鎖アルキル置換フェノール等のアルキル基置換フェノール;イソプロぺニルフェノール等のビニル基含有フェノール;エポキシ基含有フェノール;o−ヒドロキシ安息香酸、2−メチル−6−ヒドロキシフェニル酢酸等のカルボキシル基含有フェノール;等が挙げられる。該分子量調整剤は、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
上記分子量調整剤の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物100モルに対して、通常0.5モル以上、好ましくは1モル以上であり、また、通常50モル以下、好ましくは30モル以下である。分子量調整剤の使用量をこの範囲とすることで、樹脂組成物の熱安定性及び耐加水分解性を向上させることができる。
上記界面重合法において、反応基質、反応媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、所望の(A)成分が得られる限り任意であり、適切な順番を任意に設定すればよい。例えば、上記カーボネート前駆体としてホスゲンを用いた場合には、分子量調節剤は芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応(ホスゲン化)の時から重合反応開始時までの間であれば任意の時期に混合できる。なお、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
上記溶融エステル交換法は、上記炭酸ジエステルと上記芳香族ジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。該炭酸ジエステルのうち、上記ジアリールカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートがより好ましい。該炭酸ジエステルは、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
上記芳香族ジヒドロキシ化合物と上記炭酸ジエステルとの比率は、特に限定されないが、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、炭酸ジエステルを等モル量以上用いることが好ましく、中でも1.01モル以上用いることがより好ましい。なお、上限は通常1.30モル以下である。このような範囲にすることで、末端水酸基量を好適な範囲に調整できる。
(A)成分は、その末端水酸基量が熱安定性、加水分解安定性、色調等に影響を及ぼす傾向がある。このため、公知の任意の方法によって末端水酸基量を必要に応じて調整してもよい。エステル交換反応においては、通常、上記炭酸ジエステルと上記芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率;エステル交換反応時の減圧度などを調整することにより、末端水酸基量を調整できる。なお、この操作により、通常は、得られる(A)成分の分子量も調整できる。
上記芳香族ジヒドロキシ化合物と上記炭酸ジエステルとの混合比率を調整して末端水酸基量を調整する場合、その混合比率は上記の通りである。また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。該末端停止剤は、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
上記溶融エステル交換法では、通常、エステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒は任意のものを使用できる。なかでも、例えばアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を用いることが好ましい。また補助的に、例えば塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物などの塩基性化合物を併用してもよい。該エステル交換触媒は、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
上記溶融エステル交換法において、反応温度は通常100〜320℃である。また、反応時の圧力は通常2mmHg以下の減圧条件である。具体的操作としては、上記の条件で、芳香族ヒドロキシ化合物等の副生成物を除去しながら、溶融重縮合反応を行えばよい。
上記溶融重縮合反応は、バッチ式、連続式の何れの方法でも行うことができる。バッチ式で行う場合、反応基質、反応媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、特に限定されず、適切な順番を任意に設定すればよい。ただし、(A)成分の安定性等を考慮すると、溶融重縮合反応は連続式で行うことが好ましい。
上記溶融エステル交換法では、必要に応じて、触媒失活剤を用いてもよい。触媒失活剤としてはエステル交換触媒を中和する化合物を任意に用いることができる。その例を挙げると、イオウ含有酸性化合物及びその誘導体などが挙げられる。該触媒失活剤は、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
上記触媒失活剤の使用量は、上記エステル交換触媒が含有するアルカリ金属又はアルカリ土類金属に対して、通常0.5当量以上、好ましくは1当量以上であり、また、通常10当量以下、好ましくは5当量以下である。また、上記触媒失活剤の使用量は、(A)成分に対して、通常1ppm以上であり、また、通常100ppm以下、好ましくは20ppm以下である。
(A)成分の物性は、特に限定されない。(A)成分の粘度平均分子量(Mv)は、16,000〜28,000であることが好ましい。粘度平均分子量がこの範囲であると、成形性が良く、且つ機械的強度の大きい成形品が得られやすい。(A)成分の粘度平均分子量の下限は、より好ましくは17,000、さらに好ましくは18,000であり、その上限はより好ましくは27,000である。なお、本明細書において、粘度平均分子量[Mv]は、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度20℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、以下のSchnellの粘度式から算出される値である。
η=1.23×10−4Mv0.83
(A)成分には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、強化剤、充填剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、可塑剤、流動性改良剤、帯電防止剤などの公知の各種添加剤を含有させても良い。酸化防止剤としては、例えば、硫黄含有酸性化合物あるいは該酸性化合物から形成される誘導体、フェノール系安定剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、エポキシ系安定剤等を挙げることができる。また、紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤などが挙げられる。
<スチレン系樹脂(B)>
(B)成分は、スチレン系樹脂であれば、特に限定されず、各種公知のものを使用できる。(B)成分は、例えば、ゴム質重合体存在下又は非存在下で、スチレン系化合物と必要に応じてこれらと共重合可能な他の化合物とを重合して得られる樹脂である。
上記スチレン系化合物は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、エチルスチレン、ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、メトキシスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、トリブロムスチレン等が挙げられ、特にスチレンが好ましい。該スチレン系化合物は、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
上記スチレン系化合物と共重合可能な他の化合物は、例えば、シアン化ビニル化合物、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、エポキシ基含有メタクリル酸エステル、マレイミド系化合物、α、β−不飽和カルボン酸及びその無水物等が挙げられる。該スチレン系化合物と共重合可能な他の化合物は、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
上記シアン化ビニル化合物は、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。上記アクリル酸エステルは、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート等のアクリル酸アルキルエステル;フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート等のアクリル酸アリールエステル等が挙げられる。上記メタクリル酸エステルは、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル;フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等のメタクリル酸アリールエステル等が挙げられる。上記エポキシ基含有メタクリル酸エステルは、例えば、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。上記マレイミド系化合物は、例えば、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。上記α、β−不飽和カルボン酸及びその無水物は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等が挙げられる。
上記スチレン系化合物と共重合可能な他の化合物は、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルが好ましい。
上記ゴム質重合体は、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ジエン系共重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体、エチレンとプロピレンと非共役ジエンターポリマー、アクリル系ゴム等が挙げられる。該ゴム質重合体は、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
上記ジエン系共重合体は、例えば、スチレン・ブタジエンのランダム共重合体又はブロック共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル・ブタジエンの共重合体等が挙げられる。上記エチレンとα−オレフィンとの共重合体は、例えば、エチレン・プロピレンランダム共重合体又はブロック共重合体、エチレン・ブテンのランダム共重合体又はブロック共重合体等が挙げられる。上記エチレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体は、例えば、エチレン・メタクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート共重合体等が挙げられる。上記エチレンとプロピレンと非共役ジエンターポリマーは、例えば、エチレン・プロピレン・ヘキサジエン共重合体等が挙げられる。上記アクリル系ゴムは、例えば、ポリブチルアクリレート、ポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、ブチルアクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート共重合体等が挙げられる。
上記ゴム質重合体は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ジエン系共重合体であるのが好ましく、特にポリブタジエンであるのがより好ましい。
(B)成分の製造方法は、特に限定されず、各種公知の方法を採用できる。具体的には、例えば、塊状重合、溶液重合、塊状懸濁重合、懸濁重合、乳化重合等、通常の公知の方法が用いられる。特に、アルカリ金属や金属化合物等の不純物が少ない塊状重合、溶液重合、塊状懸濁重合法が好ましく用いられ、塊状重合又は溶液重合がより好ましい。また、(B)成分は、別個に共重合した異なる樹脂をブレンドしたものであってもよい。
(B)成分は、多分岐状ポリスチレン又は多分岐状ポリスチレンを含有するスチレン系樹脂が好ましい。多分岐状ポリスチレンは、例えば特開2015−4015、特開2012−116875、特開2009−256502、特開2007−291264、特開2003−292707、特開2002−37823号公報等にも記載されるように、分岐構造を有している多分岐状のスチレン系共重合体であり、分岐の構造としては、ランダム分岐型構造、星形構造又はポンポン型構造等がある。スチレン系樹脂に分岐を導入する方法として、有機過酸化物を用いる方法、多官能モノマーを用いる方法、イオン架橋による方法又は多分岐状マクロモノマーを用いる方法があるが、多分岐状マクロモノマーを用いて、星形(star)構造とポンポン(pom−pom)型とが共存する分子構造を有すスチレン系樹脂が好ましい。
上記多分岐状ポリスチレンは、例えば、上記スチレン系化合物と多分岐状マクロモノマーとを共重合したものが挙げられる。また、この際、上記アクリル酸アルキルエステル、上記メタクリル酸アルキルエステル等の脂肪族不飽和カルボン酸エステルを共重合することも好ましい。
上記多分岐状マクロモノマーは、例えば、複数の分岐を有し、かつ、上記スチレン系化合物と共重合可能な脂肪族不飽和結合を有するモノマーが挙げられる。多分岐状マクロモノマーは、例えば、特開2011−202064号公報に示される方法により得ることができる。
上記多分岐状マクロモノマーとして、例えば、デンドリマー、ハイパーブランチポリマー、多分岐ポリエーテルポリオールに(メタ)アクリル基を導入したマクロモノマー、1分子中に活性メチレン基と、臭素、塩素、メチルスルホニルオキシ基又はトシルオキシ基等とを有するAB2型モノマーを求核置換反応させて得られる多分岐状の自己縮合型重縮合体を前駆体として、該重縮合体中に残存する未反応の活性メチレン基又はメチン基を、クロロメチルスチレン、ブロモメチルスチレン等と求核置換反応させることによって重合性二重結合を導入して得られる多分岐状マクロモノマー等を好適に用いることができる。 多分岐状マクロモノマーの質量平均分子量は、特に限定されず、好ましくは1,000〜15,000程度である。
上記脂肪族不飽和カルボン酸エステル単位を含有する際の含有量は、好ましくは0.5〜3.5質量%であり、0.6〜3.3質量%であることがより好ましく、0.9〜2.5質量%であることがさらに好ましい。
上記多分岐状ポリスチレン又は該多分岐状ポリスチレンを含有するスチレン系樹脂の製造方法としては特に制限はなく、上記スチレン系化合物及び上記多分岐状マクロモノマーを重合させればよい。この際、上記脂肪族不飽和カルボン酸エステルを共重合してもよい。また、上記スチレン系化合物及び上記多分岐状マクロモノマーを重合して作製された重合体に、上記脂肪族不飽和カルボン酸エステルを用いて作製した重合体を、ドライブレンドや混練により混合してスチレン系樹脂を調製することもできる。当該重合反応は、例えば、上記の塊状重合、溶液重合、懸濁重合等が挙げられる。
上記多分岐状ポリスチレン又は上記多分岐状ポリスチレンを含有するスチレン系樹脂の市販品は、例えば、ハイブランチHP−100、ハイブランチHP−100F−1、ハイブランチHP−100F−2、ハイブランチXC−540HB、ハイブランチHP−780AN(以上、DIC(株)製)等が挙げられる。
(A)成分及び(B)成分の質量比((A)/(B))は、特に限定されないが、成形品の機械的強度及び透明性の観点から、70/30〜30/70が好ましく、同様の理由から、70/30〜50/50程度が特に好ましい。
(B)成分は、(A)成分と同様に、必要に応じて上記添加剤を含有させても良い。
<炭化水素系樹脂(C)>
(C)成分は、ロジン系樹脂及び水添石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
(C)成分は、その色調が400ハーゼン以下である。(C)成分の色調が400ハーゼン以下であることで、上記樹脂組成物は、それから得られる成形品において外観に優れ、また、へイズが低く透明性に優れる。(C)成分の色調が400ハーゼンを超えると、成形品において外観不良となり、ヘイズが高くなって透明性が不十分となる。(C)成分の色調は、成形品における外観及び透明性に優れる点から、10〜300ハーゼン程度が好ましく、10〜200ハーゼン程度がより好ましい。なお、上記色調は、JIS K0071−3に準じて、ハーゼン単位で測定されたものである。
(ロジン系樹脂)
上記ロジン系樹脂は、色調が400ハーゼン以下であれば、各種公知のものを使用できる。該ロジン系樹脂は、例えば、馬尾松、スラッシュ松、メルクシ松、思茅松、テーダ松及び大王松等に由来する天然ロジン(ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン)、精製ロジン、水素化ロジン、不均化ロジン、天然ロジン及び/又は精製ロジンを重合させて得られる重合ロジン、天然ロジン及び/又は精製ロジンを、マレイン酸、フマル酸及びアクリル酸等のα,β―不飽和カルボン酸(若しくはα,β―不飽和カルボン酸無水物)で変性させることにより得られるα,β―不飽和カルボン酸変性ロジン、又はこれらロジン類のエステル化物(以下、ロジンエステルともいう)等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。なお、以下の説明において、天然ロジン、精製ロジン、不均化ロジン、水素化ロジン、重合ロジン及びα,β―不飽和カルボン酸変性ロジンを纏めて「ロジン類」ということもある。
上記精製ロジンは、各種公知の手段を用いて得ることができる。具体的には、例えば、蒸留法、抽出法、再結晶法等の各種公知の精製手段を用いて得ることができる。蒸留法は、例えば、上記ロジン類を通常200〜300℃程度の温度、0.01〜3kPa程度の減圧下で蒸留する方法等が挙げられる。抽出法は、例えば、上記ロジン類をアルカリ水溶液とし、不溶性の不ケン化物を各種の有機溶媒により抽出した後に水層を中和する方法等が挙げられる。再結晶法は、例えば、上記ロジン類を良溶媒としての有機溶媒に溶解し、ついで溶媒を留去して濃厚な溶液とし、更に貧溶媒としての有機溶媒を添加する方法等が挙げられる。良溶媒は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、クロロホルムなどの塩素化炭化水素溶媒、低級アルコール、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどの酢酸エステル類等が挙げられる。貧溶媒は、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、イソオクタン等が挙げられる。
上記不均化ロジンは、各種公知の手段を用いて得ることができる。具体的には、例えば、上記天然ロジン及び/又は精製ロジンを不均化触媒の存在下に加熱反応させる方法(不均化)により得ることができる。不均化触媒としては、パラジウム−カーボン、ロジウム−カーボン、白金−カーボン等の担持触媒;ニッケル、白金等の金属粉末;ヨウ素、ヨウ化鉄等のヨウ化物等の各種公知のものを使用できる。該触媒の使用量は、天然ロジン及び/又は精製ロジン100質量部に対して通常0.01〜5質量部程度であり、好ましくは0.01〜1質量部程度である。反応温度は100〜300℃程度であり、好ましくは150〜290℃程度である。
上記水素化ロジンは、各種公知の手段を用いて得ることができる。具体的には、例えば公知の水素化条件を用いて上記天然ロジン及び/又は精製ロジンを水素化することにより得ることができる。水素化条件は、例えば、水素化触媒の存在下、水素圧2〜20MPa程度で、100〜300℃程度に上記天然ロジン及び/又は精製ロジンを加熱する方法等が挙げられる。また、水素圧は5〜20MPa程度、反応温度は150〜300℃程度とすることが好ましい。水素化触媒としては、担持触媒、金属粉末等、各種公知のものを使用することができる。担持触媒としては、パラジウム−カーボン、ロジウム−カーボン、ルテニウム−カーボン、白金−カーボン等が挙げられる。金属粉末としては、ニッケル、白金等が挙げられる。これらの中でもパラジウム、ロジウム、ルテニウム、及び白金系触媒が、上記天然ロジン及び/又は精製ロジンの水素化率が高くなり、水素化時間が短くなるため好ましい。なお、水素化触媒の使用量は、上記天然ロジン及び/又は精製ロジン100質量部に対して、通常0.01〜5質量部程度であり、好ましくは0.01〜2質量部程度である。
上記水素化は、必要に応じて、上記天然ロジン及び/又は精製ロジンを溶剤に溶解した状態で行ってもよい。使用する溶剤は特に限定されないが、反応に不活性で原料や生成物が溶解しやすい溶剤であればよい。具体的には、例えば、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、デカリン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等を1種または2種以上を組み合わせて使用できる。溶剤の使用量は特に制限されないが、通常、上記天然ロジン及び/又は精製ロジンに対して固形分が10重量%以上、好ましくは10〜70重量%程度の範囲となるように用いればよい。
また、上記ロジン系樹脂は、上記ロジン類に、更に上記精製、不均化、水素化の各操作を単独で、又は2種以上を組み合わせて行って、得られるものでも良い。
上記ロジンエステルは、例えば、上記ロジン類とアルコールとの反応物が挙げられる。
上記アルコールは、特に限定されず、各種公知のものを利用できる。上記アルコールは、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブチルアルコール、n−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール等の1価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等の2価アルコール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジ(トリメチロールプロパン)等の4価アルコール;トリグリセリン等の5価アルコール;ジペンタエリスリトール等の6価アルコールなどが挙げられる。なお、該アルコールは、カルボン酸と反応してエステルとなる、グリシジルエーテル類や、グリシドールなどを用いてもよい。上記アルコールは、一種を単独で又は二種以上を併用できる。
上記アルコールは、成形品における外観及び透明性に優れる点から、メタノール、グリセリン及びペンタエリスリトールからなる郡より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記ロジンエステルの製造方法としては、特に限定されず、公知のエステル化方法を採用することができる。上記ロジン類及びアルコールの各仕込み量については、特に限定されないが、通常は、アルコールのOH基/ロジン類のCOOH基(当量比)が0.8〜8程度、好ましくは3〜7程度の範囲となるよう決定される。エステル化反応の反応温度は、通常150〜320℃程度であり、好ましくは150〜300℃程度である。反応時間は通常2〜24時間程度であり、好ましくは2〜7時間程度である。
上記ロジンエステルの製造方法において、反応時間を短縮する目的で、触媒の存在下でエステル化反応を進行させることができる。触媒は、例えば、パラトルエンスルホン酸などの酸触媒;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどの金属の水酸化物;酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などが挙げられる。また、エステル化反応の結果、水が生成するので、該反応は生成した水を系外に除きながら進行させることができる。得られるロジンエステルの色調を考慮すれば、不活性ガス気流下で反応を行うことが望ましい。また、該反応は、必要があれば加圧下で行うことができる。
上記ロジンエステルの製造方法において、上記ロジン類及びアルコールに対して非反応性の有機溶媒中で反応させても良い。該有機溶剤としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。なお、有機溶媒を使用した場合には、必要に応じて、有機溶媒又は未反応の原料を減圧留去することができる。
また、上記ロジン系樹脂は、上記ロジンエステルに、更に上記精製、不均化、水素化の各操作を単独で、又は2種以上を組み合わせて行って、得られるものでも良い。
上記ロジン系樹脂は、成形品における外観及び透明性に優れる点から、上記精製ロジン、上記不均化ロジン、上記水素化ロジン及びこれらのエステル化物(精製ロジンエステル、不均化ロジンエステル、水素化ロジンエステル)からなる郡より選択される少なくとも1種が好ましい。
上記ロジン系樹脂は、成形品における外観及び透明性に優れる点から、精製ロジン、不均化ロジン、水素化ロジンに対して、更に上記精製、不均化、水素化の各操作を単独で若しくは2種以上を組み合わせて行って、得られるものがより好ましい。また、上記ロジン系樹脂は、同様の理由から、精製ロジンエステル、不均化ロジンエステル、水素化ロジンエステルに対して、更に上記精製、不均化、水素化の各操作を単独で若しくは2種以上を組み合わせて行って、得られるものがより好ましい。
上記ロジン系樹脂において、芳香環を有さない共役二重結合を有するアビエチン酸型樹脂酸及びそのエステルの含有量は、上記ロジン系樹脂100質量%に対して5質量%未満であることがより好ましい。上記ロジン系樹脂において、当該含有量が5質量%未満であることで、成形品における外観がより優れたものとなり、また、そのへイズもより低くなって透明性に優れる。また、上記ロジン系樹脂において、当該含有量は、同様の理由から、上記ロジン系樹脂100質量%に対して1.0質量%未満がさらに好ましく、実質的に0質量%(検出できない程度)が特に好ましい。なお、上記含有量は、上記ロジン系樹脂から以下の前処理を施したロジンエステルの溶液を調製し、ガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)により求められる。
(サンプル前処理法)
上記ロジン系樹脂がロジンエステルの場合は、当該ロジンエステルを加水分解した後に、加水分解物0.1 gをn−ヘキサノール2.0gに溶解。該溶液にメチル化剤を混合させて、試料をメチルエステル化して以下のガスクロマトグラフ質量分析装置で分析を行う。上記ロジン系樹脂がロジンエステル以外の場合は、上記の加水分解は行わずに、同様の操作で分析を行う。
(GC/MS測定条件)
GC/MS:ガスクロマトグラフAgilent6890、質量分析計Agilent5973、カラムAdvance−DS
上記の芳香環を有さない共役二重結合を有するアビエチン酸型樹脂酸は、アビエチン酸及びその異性体が含まれる。アビエチン酸の異性体は、例えば、ネオアビエチン酸、レボピマル酸、パラストリン酸等が挙げられる。一方で、該アビエチン酸の異性体には、芳香環を有するデヒドロアビエチン酸は含まない。また、ピマル酸、イソピマル酸、サンダラコピマル酸等のピマル酸型の樹脂酸は含まない。
上記ロジン系樹脂において、エチレン性不飽和二重結合を有さない樹脂酸及びそのエステルの含有量は、上記ロジン系樹脂100質量%に対して90〜100質量%であることが特に好ましい(以下、このようなロジン系樹脂をロジン系樹脂(C1)とする)。上記ロジン系樹脂において、当該含有量が90〜100質量%であることで、成形品における外観がより優れたものとなり、また、そのヘイズもより低くなって透明性に優れる。また、上記ロジン系樹脂において、当該含有量は、同様の理由から、上記ロジン系樹脂100質量%に対して95〜100質量%程度が特に好ましい。なお、上記含有量は、上記のガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)により求められる。
上記のエチレン性不飽和二重結合を有さない樹脂酸は、特に限定されない。当該樹脂酸は、例えば、テトラヒドロアビエチン酸等のエチレン性不飽和二重結合を含まないアビエタン骨格を有する樹脂酸;テトラヒドロピマル酸等のエチレン性不飽和二重結合を含まないピマラン骨格を有する樹脂酸;、又は、テトラヒドロイソピマル酸等のエチレン性不飽和二重結合を含まないイソピマラン骨格を有する樹脂酸が挙げられる。
なお、スラッシュ松及びメルクシ松に由来する天然ロジンには、ラブダン骨格を有する樹脂酸、例えば、コムン酸(Communic acid)やジヒドロアガト酸(Dihydroagathic acid)等が含まれるが、上記のエチレン性不飽和二重結合を有さない樹脂酸には、コムン酸、ジヒドロアガト酸等のラブダン骨格を有する樹脂酸が水素化されてエチレン性不飽和二重結合を含まなくなったものも該当する。
上記ロジン系樹脂(C1)の製造方法は、特に限定されない。当該製造方法は、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有さない樹脂酸及びそのエステルが90〜100質量%含まれる上記ロジン類と上記アルコールをエステル化させる、エチレン性不飽和二重結合を有さない樹脂酸及びそのエステルが90質量%未満含まれる上記ロジン類の水素化後に上記アルコールとエステル化させる、又は上記ロジン類と上記アルコールのエステル化後に水素化をする、等の方法が挙げられる。エステル化反応は、例えば、上記のエステル化方法等が挙げられる。
上記ロジン系樹脂(C1)の製造方法における水素化は、例えば、上記の水素化が挙げられる。ただし、一般的な水素化条件で製造した場合には、上記ロジン系樹脂において、エチレン性不飽和二重結合を有さない樹脂酸及びエステルの含有量は20重量%程度までしか増加しないため、当該含有量を90〜100質量%にするには水素化を繰り返す、水素化触媒の使用量を増やす、水素化反応の温度を高める等の条件を厳しくしたり触媒種を選定したりする必要がある。
上記ロジン系樹脂は、色調以外の物性は特に限定されない。上記ロジン系樹脂の酸価は、20mgKOH/g以下が好ましく、0〜15mgKOH/g程度がより好ましい。上記ロジン系樹脂の酸価が当該範囲であれば、樹脂組成物における(A)成分の分解がより抑制される。なお、上記酸価はJIS K0070に準じて測定する。
(水添石油樹脂)
上記水添石油樹脂は、色調が400ハーゼン以下であれば、各種公知のものを使用できる。水添石油樹脂は、例えば、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂及び脂肪族・芳香族系石油樹脂等の各種石油樹脂の水素化物が挙げられる。
上記脂肪族系石油樹脂は、例えば、ナフサのC5石油留分から得られるC5系石油樹脂等が挙げられる。C5石油留分は、例えば、イソプレン、トランス−1,3−ペンタジエン、シス−1,3−ペンタジエン、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン等に代表される炭素数4〜6の共役ジオレフィン性不飽和炭化水素類;ブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、シクロペンテン等に代表される炭素数4〜6のモノオレフィン性不飽和炭化水素類;シクロペンタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、n−ヘキサン等の脂肪族系飽和炭化水素;これらの混合物等が挙げられる。
上記脂環族系石油樹脂は、例えば、ナフサのジシクロペンタジエン類石油留分から得られるDCPD系石油樹脂等が挙げられる。ジシクロペンタジエン類石油留分は、例えば、ジシクロペンタジエン等の炭素数10の環状脂肪族化合物;メチルジシクロペンタジエン等の炭素数11の環状脂肪族化合物;ジメチルジシクロペンタジエン等の炭素数12の環状脂肪族化合物;これらの混合物等が挙げられる。
上記芳香族系石油樹脂としては、例えば、ナフサのC9石油留分から得られるC9系石油樹脂、該C9系石油樹脂を単独又は複数重合させた共重合体等が挙げられる。C9石油留分は、例えば、スチレン等の炭素数8の芳香族化合物;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン等の炭素数9の芳香族化合物;1−メチルインデン、2−メチルインデン、3−メチルインデン等の炭素数10の芳香族化合物;2,3−ジメチルインデン、2,5−ジメチルインデン等の炭素数11の芳香族化合物;これらの混合物等が挙げられる。
上記脂肪族・芳香族系石油樹脂としては、例えば、上記C5石油留分とC9石油留分から得られるC5/C9共重合系石油樹脂等が挙げられる。
上記の各種石油樹脂の製造方法は、特に限定されないが、例えば、原料となる各種石油留分を、塩化アルミニウムや三フッ化ホウ素等のフリーデルクラフト触媒の存在下でカチオン重合させる方法等が挙げられる。
上記水添石油樹脂は、各種公知の手段を用いて得ることができる。具体的には、例えば、公知の水素化条件を用いて上記の各種石油樹脂を水素化することにより得ることができる。水素化条件は、例えば、水素化触媒の存在下、水素分圧が0.2〜30MPa程度で、200〜350℃程度に該石油樹脂を加熱する方法等が挙げられる。水素化触媒としては、例えば、ニッケル、パラジウム、コバルト、ルテニウム、白金及びロジウム等の金属や、該金属の酸化物が挙げられる。また、水素化触媒の使用量は、原料樹脂100質量部に対して、通常0.01〜10質量部程度とするのが好ましい。
上記水素化は、上記の各種石油樹脂を溶融して、又は溶剤に溶解した状態で行う。該石油樹脂を溶解する溶剤は特に限定されないが、反応に不活性で原料や生成物が溶解しやすい溶剤であればよい。たとえば、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、デカリン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等を1種または2種以上を組み合わせて使用できる。溶剤の使用量は特に制限されないが、通常、該石油樹脂に対して固形分が10質量%以上であり、好ましくは10〜70質量%の範囲である。なお、上記水素化条件は反応形式として回分式を採用した場合について説明しているが、反応形式としては流通式(固定床式、流動床式等)を採用することもできる。
上記水添石油樹脂は、成形品における外観及び透明性に優れる点から、上記芳香族系石油樹脂の水素化物であることが好ましい。
(C)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、他の添加剤を含んでいてもよい。他の添加剤としては、例えば、上記酸化防止剤、上記紫外線吸収剤、重合禁止剤及び増感剤等が挙げられる。他の添加剤の含有量は、特に限定されないが、(C)成分100質量部に対して、0.5〜10質量部であることが好ましい。
(C)成分は、色調以外の物性は特に限定されない。(C)成分の酸価は、樹脂組成物における(A)成分の分解がより抑制される点から、20mgKOH/g以下が好ましく、0〜15mgKOH/g程度がより好ましい。なお、酸価は、JIS K0070に準じて測定する。
上記樹脂組成物における(C)成分の含有量は、特に限定されないが、成形品における外観及び透明性に優れる点から、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して、1〜20質量部程度が好ましい。
上記樹脂組成物における上記ロジン系樹脂の含有量は、特に限定されないが、成形品における外観及び透明性に優れる点から、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して、1〜20質量部程度が好ましい。
上記樹脂組成物における上記水添石油樹脂の含有量は、特に限定されないが、成形品における外観及び透明性に優れる点から、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して、8質量部未満が好ましく、同様の理由から、2〜5質量部程度がより好ましい。
<添加剤>
上記樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限り、各種の添加剤を含み得る。当該添加剤は、充填剤、脱水剤、結晶核剤、可塑剤、流動性改良剤、耐候剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、滑剤、アンチブロッキング剤、分散剤、強化剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、抗菌剤、表面処理剤、粘度調節剤、無機フィラー、無機顔料、有機顔料等が例示される。該添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を併用しても良い。
上記樹脂組成物における上記添加剤の含有量は、特に限定されないが、上記樹脂組成物100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常100質量部以下、好ましくは50質量部以下である。
上記無機フィラーは、シリカフィラー、リン系フィラー、フッ素系フィラー、無機イオン交換体フィラー等が例示される。市販品は、デンカ株式会社製のFB−3SDC、クラリアントケミカルズ株式会社製のExolit OP935、株式会社喜多村製のKTL−500F、東亞合成株式会社製のIXE等が例示される。上記無機顏料は、カドミウムレッド、カドミウムレモンイエロー、カドミウムイエローオレンジ、二酸化チタン、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黒色錯体無機顏料等が例示される。上記有機顏料は、アニリンブラック、ペリレンブラック、アントラキノンブラック、 ベンジジン系黄色顏料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等が例示される。
従来のポリカーボネート樹脂及びスチレン系樹脂を含む樹脂組成物では、それから得られる成形品のヘイズが低く、透明性が不十分であるため、該成形品を上記有機・無機顔料で着色すると、着色後の色が映えず、ぼやける場合があった。本発明の樹脂組成物から得られる成形品は、ヘイズが低く透明性に優れたものであるため、上記有機・無機顔料を配合して成形品を着色させると、着色後の色がよく映えて、鮮やかなものとなる。
上記熱安定剤は、例えばリン系化合物が挙げられる。リン系化合物としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられるが、有機ホスファイト化合物が特に好ましい。該熱安定剤は、1種を単独で、又は2種以上を併用しても良い。
上記有機ホスファイト化合物としては、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニル・フェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。このような、該有機ホスファイト化合物としては、具体的には、例えば、(株)ADEKA製「アデカスタブ1178」、「アデカスタブ2112」、「アデカスタブHP−10」、城北化学工業(株)製「JP−351」、「JP−360」、「JP−3CP」、BASF社製「イルガフォス168」等が挙げられる。
上記樹脂組成物における上記熱安定剤の含有量は、特に限定されないが、上記樹脂組成物100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常1質量部以下、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.3質量部以下である。
上記離型剤は、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
上記脂肪族カルボン酸としては、例えば、飽和または不飽和の脂肪族一価、二価または三価カルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中で好ましい脂肪族カルボン酸は炭素数6〜36の一価または二価カルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和一価カルボン酸がさらに好ましい。かかる脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸などが挙げられる。
上記脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、例えば、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、アルコールとしては、例えば、飽和または不飽和の一価または多価アルコールが挙げられる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の一価または多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族飽和一価アルコールまたは脂肪族飽和多価アルコールがさらに好ましい。なお、ここで脂肪族とは、脂環式化合物も含有する。
上記アルコールは、例えば、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
なお、上記のエステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/またはアルコールを含有していてもよい。また、上記のエステルは、純物質であってもよいが、複数の化合物の混合物であってもよい。さらに、結合して一つのエステルを構成する脂肪族カルボン酸及びアルコールは、それぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
上記脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルは、例えば、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
上記の数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素は、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ−トロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。なお、ここで脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。また、これらの炭化水素は部分酸化されていてもよい。また、数平均分子量は、好ましくは5,000以下である。脂肪族炭化水素は単一物質であってもよいが、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記の範囲内であれば使用できる。これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがさらに好ましく、ポリエチレンワックスが特に好ましい。
上記樹脂組成物における上記離型剤の含有量は、特に限定されないが、上記樹脂組成物100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を広く採用できる。具体的には、例えば、(A)成分、(B)成分及び(C)成分、並びに、必要に応じて配合される上記添加剤を、タンブラーミキサーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。当該溶融混練の温度は、特に制限されないが、240〜320℃の範囲であることが好ましい。
[成形品]
上記樹脂組成物(ペレット)は、各種の成形法で成形して成形品とされる。成形品の形状としては、特に制限はなく、成形品の用途、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、板状、プレート状、ロッド状、シート状、フィルム状、円筒状、環状、円形状、楕円形状、多角形形状、異形品、中空品、枠状、箱状、パネル状のもの等が挙げられる。
上記成形品を成形する方法としては、特に制限されず、従来公知の成形法を採用できる。具体的には、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、異形押出法、トランスファー成形法、中空成形法、ガスアシスト中空成形法、ブロー成形法、押出ブロー成形、IMC(インモールドコ−ティング成形)成形法、回転成形法、多層成形法、2色成形法、インサート成形法、サンドイッチ成形法、発泡成形法、加圧成形法等が挙げられる。中でも、成形は射出成形法により行われることが好ましく、例えば、射出成形機、超高速射出成形機、射出圧縮成形機等の公知の射出成形機を用いて射出成形される。射出成形時における射出成形機のシリンダー温度は、好ましくは240〜340℃であり、より好ましくは、260〜300℃である。また、射出成形時の射出速度は、好ましくは10〜1,000mm/秒であり、より好ましくは10〜500mm/秒である。
上記成形品は、電気電子機器、OA機器、情報端末機器、機械部品、家電製品、車輌部品、各種容器、照明機器等の部品等に好適に用いられる。これらの中でも、特に電気電子機器、OA機器、情報端末機器、家電製品、照明機器等の部品へ用いて好適であり、電気電子機器等の部品に用いて特に好適である。
上記電気電子機器は、例えば、カーナビ、パソコン、ゲーム機、テレビ、電子ペーパーなどのディスプレイ装置、プリンター、コピー機、ファックス、電子手帳やPDA、電子式卓上計算機、電子辞書、カメラ、ビデオカメラ、DVD等のディスプレイ機器、携帯電話、タブレット型携帯機器、タッチパネル式携帯機器等が挙げられる。なかでも、タブレット型端末あるいはタッチパネル式端末に代表される携帯機器に好適に用いられる。
上記成形品は、外観及び透明性に優れ、かつ複屈折が小さいため、スマートホン等のタブレット型の各種携帯端末、タブレット型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーションやカーオーディオ等の液晶表示パネル用部材、特にタッチパネル用のカバー部材として好適である。
また、上記成形品は、外観及び透明性に優れるため、例えば、ピックアップレンズ、カメラレンズ、マイクロアレーレンズ、プロジェクターレンズ及びフレネルレンズ等のレンズ;プリズム及び光ファイバー等の光路変換部品;光ディスク、プラスチックミラー等、光学用部品としても好適である。
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。また、実施例中、「%」および「部」は特に断りのない限り「質量%」、「質量部」を意味する。
<炭化水素系樹脂(C)の製造>
製造例1
中国水添ロジン(広西梧州日成林産化工有限公司製)200g、5%パラジウムアルミナ粉末(エヌ・イー ケムキャット社製)3g、及びシクロヘキサン200gを1Lオートクレーブに仕込み、系内の酸素を除去した後、系内を6MPaに加圧後、200℃まで昇温した。温度到達後、系内を再加圧し、9MPaを保ち、4時間水素添加反応を行い、溶剤ろ別後、減圧下にてシクロヘキサンを除去し、酸価174.0mgKOH/gのロジン189gを得た。次いで、攪拌装置、冷却管および窒素導入管を備えた反応装置にロジン180gを仕込み、200℃まで溶融した後、グリセリン21gを仕込み、280℃で10時間反応させて、酸価11.0mgKOH/gのロジンエステル175gを得た。得られたロジンエステルを1Lオートクレーブに170g 、5%パラジウムカーボン(含水率50%)を1g、シクロヘキサンを170g仕込み、系内の酸素を除去した後、系内を6MPaに加圧後、200℃まで昇温した。温度到達後、系内を再加圧し、9MPaを保ち、4時間水素添加反応を行い、溶剤ろ別後、減圧下にてシクロヘキサンを除去し、ロジン系樹脂1を164g得た。ロジン系樹脂1は、色調が200ハーゼン(H)、芳香環を有さない共役二重結合を有するアビエタン型樹脂酸及びそのエステル(以下、(c−1)成分とする)の含有量が1%未満、エチレン性不飽和二重結合を有さない樹脂酸及びそのエステル(以下、(c−2)成分とする)の含有量が90%、酸価が10.0 mgKOH/gであった。
製造例2
製造例1において、使用する5%パラジウムアルミナ粉末を0.5gに変更した以外は、製造例1と同様に行い、ロジン系樹脂2を160g得た。ロジン系樹脂2は、色調が150ハーゼン(H)、(c−1)成分の含有量が1%未満、(c−2)成分の含有量が24%、酸価が15.0 mgKOH/gであった。
製造例3
中国水添ロジン(広西梧州日成林産化工有限公司製)100g、メタノール300gを1Lオートクレーブに仕込み、系内の酸素を除去した後、290℃まで昇温した。オートクレーブの内圧は最大で14MPaまで到達した。20分毎に内容物をブローしながら2 時間反応させた。得られた反応液をロータリーエバポレーターにて濃縮後、水酸化カルシウムを5g加え、単蒸留を行った。液温150〜270℃、圧力0.4kPa条件下で、初留分6gを除去した後、主留分としてロジン系樹脂3を65g得た。ロジン系樹脂3は、色調が300ハーゼン(H)、(c−1)成分の含有量が1%未満、(c−2)成分の含有量が40%、酸価が0.1 mgKOH/gであった。
製造例4
C9系石油樹脂(三井化学(株)製、商品名「ペトロジン120」)100gおよび沈殿法にて調製したニッケル−合成シリカアルミナ触媒酸化物を水素気流下で400℃、1時間水素還元した触媒(ニッケル含有量55質量%、触媒表面積350m2/g、かさ比重0.30g/cm3)0.3gを1Lオートクレーブにて、圧力19.6MPa、反応温度295℃、反応時間5時間の条件下で水素化反応を行った。反応終了後、得られた樹脂をシクロヘキサン400gに溶解し、ろ過により触媒を除去した。その後、攪拌羽根、コンデンサー、温度計、温度調節器および圧力表示計の取り付けられた1L容のセパラブルフラスコにろ液を入れ、200℃、2.7kPaまで徐々に昇温・減圧して溶媒を除去し、水添石油樹脂1を 99g得た。水添石油樹脂1は、色調が100ハーゼン(H)であった。
比較製造例1
未精製中国産ガムロジン(色調6ガードナー(G)、酸価171.0mgKOH/g)100gに5%パラジウムカーボン(含水率50%)0.115gを加え、窒素シ−ル下にて280℃で4時間攪拌して不均化反応を行い、色調10ガードナー(G)、酸価158.0mgKOH/gの不均化ロジン95gを得た。次いで、不均化ロジン95gを4ッロフラスコにとり、窒素シ−ル下にて180℃に昇温して溶融後攪拌を開始し、200℃でグリセリン11.5gを加えたのち280℃で昇温し、同温度で8時間エステル化反応を行い、ロジン系樹脂4を得た。ロジン系樹脂4は、色調が7ガードナー(G)、(c−1)成分の含有量が1%未満、(c−2)成分の含有量が1%、酸価が5.0 mgKOH/gであった。
比較製造例2
未精製中国産ガムロジン(色調6ガードナー(G)、酸価171.0mgKOH/g)を窒素シール下に4.0kPaの減圧下で蒸留し、留出温度195℃〜250℃未満の温度で留出された留分(主留)を回収し、精製ロジンとした。得られた精製ロジンは、色調1〜2ガードナー(G)、酸価176.3mgKOH/gで、収率は86%であった。つぎに、温度計、攪拌装置、分水器、窒素導入管を付したガラス製反応容器に、精製ロジン167gと、アクリル酸25gとを仕込み、窒素気流下にこれを攪拌しながら220℃で4時間反応を行った後、減圧下で未反応物を留去し、ロジン系樹脂5を得た。ロジン系樹脂5は、色調が5ガードナー(G)、(c−1)成分の含有量が30%未満、(c−2)成分の含有量が0%、酸価が243.8mgKOH/gであった。
(色調)
製造例1〜比較製造例2で得られた炭化水素系樹脂の色調は、JIS K0071−3 に準じてハーゼン単位で測定した。色調が500 ハーゼン(H)を超える場合は、JIS K5400 に準じてガードナー単位にて測定した。
((c−1)成分の含有量の定量:芳香環を有さない共役二重結合を有するアビエタン型樹脂酸及びそのエステルの含有量の定量)
製造例1〜3、比較製造例1で得られたロジン系樹脂1〜4を加水分解(n−ヘキサノール中に水酸化カリウムを加えて、2時間還流反応させた後に、塩酸で中性にする)した後、得られた樹脂酸を用いて、以下のガスクロマトグラフ質量分析装置で定量を実施した。比較製造例2のロジン系樹脂5は、加水分解せず同様の操作で実施した。
測定には、上記樹脂酸0.1gをn−ヘキサノール2.0gに溶解し、この溶液0.1gとオンカラムメチル化剤(フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキサイド(PTHA)0.2モルメタノール溶液、ジーエルサイエンス(株)製)0.4gを均一混合して、上記樹脂酸のメチルエステル化物を調製し、該メチルエステル化物1μLを以下のガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS) に注入して、測定を行った。そして、ロジン由来の合計ピーク面積に対する、芳香環を有さない共役二重結合を有するアビエタン型樹脂酸及びそのエステルからのメチルエステル化物に該当する分子量314のピーク面積比を測定し、これを目的の含有量とした。
使用装置
GC/MS:ガスクロマトグラフAgilent6890、質量分析計Agilent5973、カラムAdvance−DS
((c−2)成分の含有量の定量:エチレン性不飽和二重結合を有さない樹脂酸及びそのエステルの含有量の定量)
上記と同様の操作で、ロジン由来の合計ピーク面積に対する、エチレン性不飽和二重結合を有さない樹脂酸及びそのエステルからのメチルエステル化物に該当する分子量320のピーク面積比を測定し、これを目的の含有量とした。
(酸価)
製造例1〜比較製造例2で得られた炭化水素系樹脂の酸価は、JIS K0700に準ずる電位差滴定法で測定した。
表1中の略語及び注釈は、以下の通りである。
※色調が500 ハーゼン(H)を超えたので、ガードナー単位にて測定した

(c−1)成分の含有量:芳香環を有さない共役二重結合を有するアビエタン型樹脂酸及びそのエステルの含有量
(c−2)成分の含有量:エチレン性不飽和二重結合を有さない樹脂酸及びそのエステルの含有量
<樹脂組成物の製造>
(実施例1〜14、比較例1〜2及び比較例4〜6)
ポリカーボネート樹脂(A)としてビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名「ユーピロンS−3000」)(以下、ユーピロンS−3000とする)、スチレン系樹脂(B)として多分岐状ポリスチレン(DIC(株)製、商品名「ハイブランチXC−540HB」)(以下、ハイブランチXC−540HBとする)、及び表1に示す炭化水素系樹脂を用いて、表2及び3に示す割合にて配合し、タンブラーミキサーにて均一に混合した後、二軸押出機((株)日本製鋼所製、商品名「TEX30HSST」)を用いて、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/hrにて押出機上流部のバレルより押出機にフィードし、溶融混練して樹脂組成物(ペレット)を得た。
(比較例3)
実施例1において、ロジン系樹脂1の代わりに、DCPD系石油樹脂(丸善石油化学(株)製、商品名「マルカレッツM−890A」)(以下、マルカレッツM−890Aとする)を使用した以外は、同様の操作にて樹脂組成物(ペレット)を得た。なお、マルカレッツM−890Aの物性は、色調5ガードナー(G)、酸価0.1mgKOH/g以下である。
表2及び3の配合量は、質量部の値である。表2及び3中の略語及び注釈は、以下の通りである。
※成形品の外観が不良、又は成形不良であったので、透明性の評価はしなかった。

ユーピロンS−3000:ビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、粘度平均分子量22,000)
ハイブランチXC−540HB:多分岐状ポリスチレン(DIC(株)製)
マルカレッツM−890A:DCPD系石油樹脂(丸善石油化学(株)製、色調5ガードナー(G)、酸価0.1mgKOH/g以下)
(成形品の外観)
上記で得られたペレットを100℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(日本製鋼所社製「J55−60H」)を用い、シリンダー温度260℃、金型温度80℃、スクリュー回転数100rpm、射出速度100mm/秒の条件下にて射出成形し、90mm×50mm×3mm厚の平板状試験片を成形した。得られた各試験片を目視にて観察し、以下の基準に従って外観の評価を行った。結果を表2及び3に示す。
◎:スジが観察されず、外観良好。反対側が明確に見える透明度。
○:スジが観察されず、外観良好。反対側が見える透明度。
△:うっすらとスジが確認される。反対側が少し見える透明度。
×:スジが多数存在し、外観不良。反対側が見えない透明度。
―:成形不良。
(成形品の透明性)
上記で得られた平板状試験片について、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、商品名「NDH4000」)でヘイズ(単位:%)を測定し、以下の基準に従って透明性の評価を行った。結果を表2及び3に示す。
◎ :ヘイズが5%未満
○ :ヘイズが5%以上10%未満
△ :ヘイズが10%以上12.5%未満
× :ヘイズが12.5%以上15%未満
××:ヘイズが15%以上

Claims (8)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)、スチレン系樹脂(B)、並びに、ロジン系樹脂及び水添石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の炭化水素系樹脂(C)を含み、
    炭化水素系樹脂(C)の色調が400ハーゼン以下である、樹脂組成物。
  2. (A)成分及び(B)成分の質量比((A)/(B))が、70/30〜30/70である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 上記ロジン系樹脂の酸価が20mgKOH/g以下である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 上記ロジン系樹脂がロジンエステルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 上記ロジン系樹脂100質量%中に、芳香環を有さない共役二重結合を有するアビエタン型樹脂酸及びそのエステルを5質量%未満含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 上記ロジン系樹脂100質量%中に、エチレン性不飽和二重結合を有さない樹脂酸及びそのエステルを90〜100質量%含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 上記水添石油樹脂の含有量が、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して8質量部未満である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなる成形品。
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