JPH1053699A - 強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品

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JPH1053699A
JPH1053699A JP4528297A JP4528297A JPH1053699A JP H1053699 A JPH1053699 A JP H1053699A JP 4528297 A JP4528297 A JP 4528297A JP 4528297 A JP4528297 A JP 4528297A JP H1053699 A JPH1053699 A JP H1053699A
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polycarbonate resin
aromatic polycarbonate
purified
aromatic
resin composition
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JP4528297A
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Koji Ishihata
浩司 石畑
Hisanaga Shimizu
久永 清水
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の強化芳香族ポリカーボネート樹脂に見
られない優れた透明性、機械的特性を有した樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】 (A)粘度平均分子量10,000〜4
0,000の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部
に対して(B)該芳香族ポリカーボネート樹脂との屈折
率(nd)の差が0.015以下であるガラス繊維1〜
80重量部(C)精製安定化ロジンエステル1〜60重
量部を配合してなる強化芳香族ポリカーボネート樹脂組
成物及びその成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強化芳香族ポリカ
ーボネート樹脂組成物に関する。更に詳しくは、透明性
に優れ、かつ高い剛性を有するガラス繊維強化芳香族ポ
リカーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、芳香族ポリカーボネート樹脂は
透明性、耐熱性、耐衝撃性に優れた性能を有することか
ら、射出成形、圧縮成形、押出成形、ブロー成形などに
よって、溶融成形され多くの用途に供されている。
【0003】また、芳香族ポリカーボネート樹脂は、ガ
ラス、金属などに比較して剛性が低いため、高い剛性を
必要とする用途においては、ガラス繊維等の適当なフィ
ラーを配合することによって、その改良を図っている。
しかしながら、ガラス繊維等を配合した場合にはガラス
の屈折率(慣用のガラス繊維に使用されるガラス繊維で
は通常1.545)と芳香族ポリカーボネート樹脂の屈
折率(慣用のビスフェノールAを原料とした芳香族ポリ
カーボネート樹脂の場合、通常1.585程度)との差
が大きいために、芳香族ポリカーボネート樹脂の大きな
特徴である透明性が損なわれるという不都合があった。
また、透明性を向上させるために、ポリカプロラクトン
を添加する(特開平06−228424)方法が開示さ
れているが、芳香族ポリカーボネート樹脂の大きな特徴
である耐熱性が低下するという不都合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明性に優
れ、高い剛性を有する強化芳香族ポリカーボネート樹脂
組成物を得ることを目的とする。本発明者らは、上記目
的を達成せんとして鋭意検討した結果、粘度平均分子量
10,000〜40,000の芳香族ポリカーボネート
樹脂に該芳香族ポリカーボネート樹脂との屈折率(n
d)の差が0.015以下であるガラス繊維を加え、更
に特定量の精製安定化ロジンとアルコール化合物及び/
又はエポキシ化合物とからなる精製安定化ロジンエステ
ルを併用すると、驚くべきことに透明性に優れ、かつ高
い剛性を有する組成物が得られることを究明し、さらに
検討を重ねて本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)粘度平
均分子量10,000〜40,000の芳香族ポリカー
ボネート樹脂100重量部に対して(B)該芳香族ポリ
カーボネート樹脂との屈折率(nd)の差が0.015
以下であるガラス繊維1〜80重量部(C)精製安定化
ロジンエステル1〜60重量部を配合してなる強化芳香
族ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品に係わるもの
である。
【0006】(A)成分で使用する芳香族ポリカーボネ
ート樹脂は二価フェノールとカーボネート前駆体との反
応によって製造できる。二価フェノールの代表的な例と
しては、2,2ービス(4ーヒドロキシフェニル)プロ
パン[ビスフェノールA]、1,1−ビス(4ーヒドロ
キシフェニル)エタン、1,1−ビス(4ーヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、2,2ービス(4ーヒドロ
キシー3,5ージメチルフェニル)プロパン、2,2ー
ビス(4ーヒドロキシー3,5ージブロムフェニル)プ
ロパン、2,2ービス(4ーヒドロキシー3ーメチルフ
ェニル)プロパン、ビス(4ーヒドロキシフェニル)サ
ルファイド、ビス(4ーヒドロキシフェニル)スルホン
等があげられる。好ましい二価フェノールは2,2ービ
ス(4ーヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフ
ェノールAである。
【0007】カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等
が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネ
ート、2価フェノールのジハロホルメート等があげられ
る。芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するに当たり、
前記の二価フェノールを単独でまたは2種以上を使用す
ることができる。また得られた芳香族ポリカーボネート
樹脂を2種以上混合して使用しても良い。
【0008】(A)成分として使用する芳香族ポリカー
ボネート樹脂の重合度は、粘度平均分子量で表して一般
に10,000〜40,000、好ましくは15,00
0〜30,000である。本発明でいう粘度平均分子量
(M)は塩化メチレンを溶媒として[η]から下式を用
いて求めたものである。 [η]=1.23×10-40.83 かかる分子量の芳香族ポリカーボネートを製造するに当
たって、適当な分子量調節剤、反応を促進するための触
媒等を使用しても良い。
【0009】(B)成分で使用するガラス繊維は該芳香
族ポリカーボネート樹脂との屈折率(nd)の差が0.
015以下のガラス繊維である。該ガラス繊維は通常芳
香族ポリカーボネート樹脂用のガラス繊維に使用される
Eガラスを構成する組成成分からB2 3 及びフッ素化
合物成分を除いたものであり、該ガラス繊維の屈折率は
芳香族ポリカーボネート樹脂の屈折率とほぼ同等のもの
である。かかるガラス繊維はシランカップリング剤等の
表面処理剤で表面処理されているものが好ましい。シラ
ンカップリング剤としては、アミノシラン系、エポキシ
シラン系、アリルシラン系、ビニルシラン系などがある
が、その中でも特にアミノシラン系のものが好ましい。
該ガラス繊維の集束剤としては、通常芳香族ポリカーボ
ネート樹脂に対して使用されるものであれば特に制限さ
れないが、ウレタン系、エポキシ系などの使用が望まし
い。該ガラス繊維は市販品としては旭ファイバーガラス
(株)のECRガラス(屈折率1.579)がある。か
かるガラス繊維の配合割合は、芳香族ポリカーボネート
樹脂100重量部に対して1〜80重量部であり、好ま
しくは5〜60重量部である。1重量部未満では、製品
の剛性をあげるためには不十分であり、80重量部を越
えると、押出、成形そのものが困難になり良好な成形品
が得られ難く、透明性も不十分である。
【0010】本発明において(C)成分として使用され
る精製安定化ロジンエステルは、精製安定化ロジンとア
ルコール化合物またはエポキシ化合物とからなるエステ
ル化合物であり、その色調ガードナーの値が2以下のも
のが好ましい。
【0011】かかる精製安定化ロジンとは、未精製のロ
ジンを精製処理してなるものであり、具体的には、蒸
留、再結晶または抽出等の操作を行い、不鹸化物や夾雑
物を除いたものを意味する。このように、未精製ロジン
を精製処理することにより、精製安定化ロジンを得るこ
とができるが、かかる精製処理の前あるいは後に不均化
反応、水素化反応または脱水素化反応を行うことがで
き、精製安定化ロジンの色調が向上するため、好ましく
採用される。
【0012】具体的には、未精製ロジンを不均化反応
し、次いで精製処理し、その後、水素化反応する方法
(特開昭64−85265号公報)、未精製ロジンを不
均化反応し、次に精製処理し、その後、脱水素化反応す
る方法(特開平5−271622号公報)、未精製ロジ
ンを精製処理後、水素化反応し、次に脱水素化反応する
方法または未精製ロジンを水素化反応し、次いで精製処
理し、その後、脱水素化反応する方法(特開平6−32
9991号公報)等が挙げられる。
【0013】このようにして得られた精製安定化ロジン
とアルコール化合物またはエポキシ化合物とをエステル
化反応することにより、精製安定化ロジンエステルを得
ることができる。
【0014】精製安定化ロジンとアルコール化合物との
反応により、精製安定化ロジンエステルを得る方法とし
て、具体的には、原料の未精製ロジンをそのままあるい
は不均化反応させた後に精製処理し、次にエステル化反
応させ、その後水素化反応する方法(特開昭63−18
6783号公報)、未精製ロジンを不均化反応し、次に
精製処理を行い、その後エステル化反応を行い、さらに
脱水素化反応する方法(特開平5−171112号公
報)、未精製ロジンを水素化反応し、次に精製処理を行
い、その後エステル化反応および脱水素化反応を行う方
法(特開平7−11194号公報)等が挙げられる。ま
た、得られた精製安定化ロジンエステルに、色調向上の
ために、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデ
シルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイ
ト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリスジノニ
ルフェニルホスファイト等のホスファイト化合物を配合
することも好ましく採用される(特開平3−27767
5号公報、特開平5−279631号公報参照)。
【0015】前記ロジンエステルの原料として使用され
る前記アルコール化合物としては、特に限定はなく各種
公知の多価アルコールが使用できる。例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、
3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、オクタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、ジプロピレングリコール等の飽和および不飽和の
各種公知の2価アルコール、ビスフェノールAに酸化エ
チレンまたは酸化プロピレンを付加して得られた2価ア
ルコール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリ
トール、ジグリセリン等の4価アルコール;ジペンタエ
リスリトール等の6価アルコール;エチレングリコール
やグリセリン等の脂肪族多価アルコールを開始剤とした
酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフラン等
の重合体や共重合体等のポリエーテルポリオール類等が
例示できる。これらアルコール化合物は単独でまたは2
種以上を組み合わせて使用できる。これらアルコール化
合物のうち芳香環を有するものは、得られるロジンエス
テル自体の加熱安定性が良好で色調悪化が極めて少ない
ため特に好ましく、さらには該ロジンエステルを含有す
る芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の機械的性質や耐
熱性の点でも特に好ましい。
【0016】前記ロジンエステルの原料として使用され
る前記エポキシ化合物としては、特に限定されず各種公
知のモノエポキシ化合物や多価エポキシ化合物等が使用
できる。モノエポキシ化合物としては、例えばn−ブチ
ルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジル
エーテル等のアルキルグリシジルエーテル;フェニルグ
リシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル;バ
ーサティック酸グリシジルエステル、前記ロジンのグリ
シジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステ
ル;スチレンオキサイド、シクロへキセンオキサイド等
が挙げられる。
【0017】ジエポキシ化合物としては、例えばエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジ
グリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエー
テル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジ
オールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール
ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグ
リシジルエーテル等の非環状脂肪族ジグリシジルエーテ
ル;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
ジグリシジルエーテル、ビスフェノールA系高分子量エ
ポキシ樹脂、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンジ
グリシジルエーテル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタンジグリシジルエーテル、2,2−ビス
(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンジグリシジ
ルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,
4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、
2,2−ビス(4−(β−ヒドロキシプロポキシ)フェ
ニル)プロパンジグリシジルエーテル、レゾルシノール
ジグリシジルエーテル等の芳香族または環状脂肪族ジグ
リシジルエーテル、無水フタル酸ジグリシジルエステ
ル、ヘキサヒドロ無水フタル酸ジグリシジルエステル等
の芳香族または環状脂肪族ジグリシジルエステル;3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ
シクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロへキセ
ンジオキサイド等の環状脂肪族環状オキシラン等のジエ
ポキシ化合物が挙げられる。
【0018】トリエポキシ化合物としては、例えばトリ
メチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリ
グリシジルエーテル、トリスヒドロキシエチルイソシア
ヌレートトリグリシジルエーテル、トリヒドロキシビフ
ェニルトリグリシジルエーテル、トリメリット酸トリグ
リシジルエステル等が挙げられる。またテトラエポキシ
化合物としては、例えば1,1,2,2−テトラ(4−
ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテ
ル、ビスレゾルシノールテトラグリシジルエーテル等が
挙げられる。その他のポリエポキシ化合物としては、ソ
ルビトールポリグリシジルエーテル、フェノールノボラ
ック型樹脂のポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
これらエポキシ化合物は単独でまたは2種以上を組み合
わせて使用できる。これらエポキシ化合物のうち芳香環
を有するものは、得られるロジンエステル自体の加熱安
定性が良好で色調悪化が極めて少ないため特に好まし
く、さらには該ロジンエステルを含有する芳香族ポリカ
ーボネート樹脂組成物の機械的性質や耐熱性の点でも特
に好ましい。
【0019】上記アルコール化合物またはエポキシ化合
物と前記精製安定化ロジンとの反応は、特に制限されず
公知の反応条件を採用して容易に行うことができる。例
えば、アルコール化合物と精製安定化ロジンとの反応
は、通常、アルコール化合物の水酸基と該ロジンのカル
ボキシル基の当量比[−OH(eq)/−COOH(e
q)]が0.8〜2.0程度となるよう仕込んだ後、不
活性気流下に150℃〜280℃程度に加熱し、生成水
を系外に留去しながら公知のエステル化触媒の存在下ま
たは不存在下にエステル化すれば良い。また、エポキシ
化合物と該精製安定化ロジンとの反応の具体例として
は、通常ポリエポキシ化合物中の1個のエポキシ基を水
酸基2個に相当するとして、OH(水酸基およびエポキ
シ基に由来する水酸基の合計)/COOH比を0.8〜
22の範囲内で精製安定化ロジンとポリエポキシ化合物
を所定量仕込み、エポキシ開環触媒の存在下または不存
在下に、通常、窒素気流下において、反応温度120〜
200℃程度で開環付加反応させる。OH(エポキシ基
に由来する水酸基)/COOH比が2より小さい場合に
はエポキシ基が完全に開環したと思われる段階で、さら
に反応温度を230〜260℃に上げて、水酸基(エポ
キシ基の開環によって生じた水酸基を含む)と精製安定
化ロジンをエステル化反応させ、酸価5以下、好ましく
は3以下となるまでエステル化反応を続行すれば良い。
上記反応は溶剤の存在下または不存在下に行うことがで
きる。該溶媒としては、ベンゼン、キシレン、トルエン
等の芳香族炭化水素等が挙げられる。なお、エステル化
工程においては必要により、例えば各種公知の有機燐系
化合物等の安定剤やエステル化促進剤等を添加できるこ
とはもとよりである。
【0020】該(C)精製安定化ロジンエステルの添加
量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し
て、1〜60重量部、好ましくは5〜50重量部であ
る。精製安定化ロジンエステルの量が1重量部未満では
透明性の改良が十分でなく、60重量部を越えると成形
品の強度等が低下し実用に耐えない。
【0021】また、本発明の芳香族ポリカーボネート組
成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、難燃剤
(例えば、臭素化ビスフェノール、臭素化ポリスチレ
ン、臭素化ポリカーボネート、トリフェニルホスフェー
ト、ホスホン酸アミド、赤リン酸等)、難燃助剤(例え
ば、三酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム等)、
核剤(例えば、ステアリン酸ナトリウム、エチレン−ア
クリル酸ナトリウム等)、安定剤(例えば、リン酸エス
テル、亜リン酸エステル等)、酸化防止剤(例えばヒン
ダードフェノール系化合物等)、紫外線吸収剤、光安定
剤、着色剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤等を配合しても
よい。
【0022】本発明の強化芳香族ポリカーボネート樹脂
組成物を製造するには、任意の方法が採用される。例え
ば芳香族ポリカーボネート樹脂、ガラス繊維、精製安定
化ロジンエステル類及び適宜その他の添加剤を例えばV
型ブレンダ−等の混合手段を用いて充分に混合した後、
ベント式一軸ルーダーでペレット化する方法、芳香族ポ
リカーボネート樹脂、精製安定化ロジンエステル及びそ
の他の添加剤をスーパーミキサー等の強力な手段で予め
混合したものを用意しておき、これをベント式の二軸ル
ーダーの第一シュートより供給し、ガラス繊維はルーダ
ー途中の第二シュートより供給して混練し、ペレット化
する方法等の一般に工業的に用いられる方法が適宜用い
られる。
【0023】かくして得られた組成物は、射出成形、押
出成形、圧縮成形、または回転成形など任意の方法で容
易に成形できる。
【0024】
【実施例】
製造例1(精製安定化ロジンエステルの調製) (1)不均化反応 酸価172.5、軟化点75℃、色調ガードナー6の未
精製中国産のガムロジン1000部に触媒として5%パ
ラジウムカーボン(含水率50%)0.3部を加え、窒
素シールド下、280℃で4時間撹拌して不均化反応を
行い、酸価157.3、軟化点77℃、色調ガードナー
8の不均化ロジンを得た。
【0025】(2)精製 上記不均化ロジンを窒素シール下に3mmHgの減圧下で蒸
留し、酸価178.3、軟化点85℃、色調ガードナー
4の一般恒数を有する表1に示す主留を精製不均化ロジ
ンとした。
【0026】
【表1】
【0027】(3)エステル化反応 上記精製不均化ロジン500部をフラスコに仕込み、窒
素シール下に180℃に昇温し、溶融攪拌下に200℃
でグリセリン60部を加えた後、280℃まで昇温し、
同温度でエステル化を行い、酸価2.5、軟化点99
℃、色調ガードナー5の精製不均化ロジンエステルを得
た。
【0028】(4)水素化反応 上記精製不均化ロジンエステル200部と5%パラジウ
ムカーボン(含水率50%)0.4部を振とう式オート
クレーブに仕込み、系内の酸素を除去した後、系内を水
素にて100kg/cm2 に加圧し260℃まで昇温し、同
温度で3時間、水素化反応を行い、酸価2.8、軟化点
99℃、色調ガードナー1以下(ハーゼンカラー15
0)の精製安定化ロジンエステルを得た。
【0029】製造例2(精製安定化ロジンエステルの調
製) 製造例1(2)で得られた精製不均化ロジン500部、
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物
(水酸基価=318)336部をフラスコに仕込み、窒
素シール下250℃にてエステル化を行い、酸価2.
0、軟化点90℃、色調ガードナー5の精製不均化ロジ
ンエステルを得た。該精製不均化ロジンエステルを製造
例1(4)と同様の反応条件にて水素化反応を行い、酸
価2.5、軟化点88℃、色調ガードナー1以下(ハー
ゼンカラー100)の精製安定化ロジンエステルを得
た。
【0030】以下に実施例を挙げて本発明を説明する。
なお、実施例中の部は重量部であり、評価方法は以下の
(1)〜(3)の内容で実施した。 (1)曲げ弾性率(kgf/cm2 ) ASTM D−790に従い測定した。 (2)熱変形温度(℃) ASTM D−648に従い測定した。 (3)平行光線透過率 50mm×50mm×2mmtの見本板をJISK−7
105に従って測定した。
【0031】[実施例1〜4及び比較例1〜4]表2記
載量(重量部)の芳香族ポリカーボネート樹脂、精製安
定化ロジンエステル類、およびガラス繊維を表2記載の
量(重量部で表示)タンブラーにて配合し、40mmφ
ベント付き押出機にて290℃にてペレット化した。得
られたペレットを射出成形機(住友重機械工業(株)製
ネスタール・サイキャップ480/150)によりシリ
ンダー温度300℃、金型温度100℃で試験片を作成
し、評価結果を表2に示した。
【0032】また、使用した芳香族ポリカーボネート樹
脂、精製安定化ロジンエステル、およびガラス繊維の内
容は下記の通りである。 PC;帝人化成(株)製芳香族ポリカーボネート樹脂パ
ンライトL−1225(nd=1.585) ECRガラス;旭ファイバーガラス(株)製チョップド
ストランドファイバーECRガラス繊維 繊維径18μ
m、繊維長4mm(nd=1.579) Eガラス;日東紡績(株)製チョップドストランドファ
イバー、Eガラス繊維繊維径13μm,繊維長4mm
(nd=1.545) PCL;ダイセル化学工業(株)製ポリカプロラクト
ン、PLACCELH−1(平均分子量10,000)
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】表2より明らかなように、本発明の組成
物は、従来の強化芳香族ポリカーボネート樹脂に見られ
ない優れた透明性、機械的特性を有しているため、高い
剛性が必要で、かつ透明性が必要な用途、例えば自動車
のサンルーフ、窓、園芸用ハウス、電機部品などに広く
使用でき極めて有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)粘度平均分子量10,000〜4
    0,000の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部
    に対して(B)該芳香族ポリカーボネート樹脂との屈折
    率(nd)の差が0.015以下であるガラス繊維1〜
    80重量部(C)精製安定化ロジンエステル1〜60重
    量部を配合してなる強化芳香族ポリカーボネート樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 精製安定化ロジンエステルが、精製安定
    化ロジンと芳香環を有するアルコール化合物及び/又は
    芳香環を有するエポキシ化合物とからなるエステル化合
    物である請求項1記載の強化芳香族ポリカーボネート樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の強化芳香族ポリ
    カーボネート樹脂組成物より成形された成形品。
JP4528297A 1996-06-07 1997-02-28 強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 Pending JPH1053699A (ja)

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