JP2020158469A - 化粧料用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐水性および経時安定性に優れ、かつ使用感に優れた化粧料用組成物を提供する。【解決手段】A成分:紫外線防御剤、B成分:α-オレフィン/ビニルピロリドン共重合体、C成分:揮発性油剤を5〜50重量%、D成分:アルコール類を5〜50重量%、E成分:シリコーンレジン被覆シリコーンゴム粉体を含む化粧料用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、化粧料用組成物に関し、更に詳細には、耐水性および経時安定性に優れることから紫外線防御性能に優れ、さらに良好な使用感を有する化粧料用組成物に関する。
近年、紫外線防御剤を含有する化粧料用組成物の重要性が高まっている。化粧料用組成物中に紫外線防御剤を有することは、組成物自体の光安定性を向上したり、紫外線から皮膚を守る利点がある。そのため市場では種々の紫外線防御剤を含有する化粧料用組成物が開発されている。ここで日焼け止め化粧料とは、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を配合することにより紫外線の皮膚への到達を遮ることで、紫外線から皮膚を保護する働きを持つものである。
通常、皮膚に塗布された日焼け止め化粧料が水や汗と接触すると、塗布した化粧料から紫外線吸収剤や紫外線散乱剤が流出し、紫外線防御効果が低下することが知られている。また、海やプール等の水中に紫外線吸収剤や紫外線散乱剤が流出することにより、環境を汚染する懸念もある。経時での紫外線防御効果を保つため、また環境保護のため、水や汗と接触した際の紫外線防御剤の流出を防ぎ、日焼け止め化粧料に耐水性を付与することが重要である。
日焼け止め化粧料は、海やプール等の水流のある中で使用されることが多いため、単純に水に浸漬させるだけではなく、水流に対する耐久性が求められる。また、FDA(米国食品医薬品局)の最終モノグラフに準拠した耐水性試験や、COLIPA(欧州化粧品工業会)で定められた「日焼け止め製品の耐水性評価のためのガイドライン(Guidelines for Evaluating Sun Product Water Resistance)(December 2005)」においても、水流を発生させて耐水性評価を実施している。
日焼け止め効果を有する化粧料としては、クリームや液状物を手にとって皮膚に塗布する剤型のものや、皮膚に直接噴射する剤型のもの等が市販されている。これらの商品は、紫外線防止効果の持続や良い使用感が求められることは当然のことであるが、これらに加えエアゾール型の日焼け止め化粧料の場合には、噴射剤と混合性が良好で、少し振り混ぜるだけで内容物が簡単に均一になるという使用性も求められている。
水中油型の日焼け止め化粧料は、延びが良くみずみずしいため、使用感が良く好まれるが、剤型の特性から耐水性が低い。それによって、汗や水で化粧料が流れ落ちやすいという課題がある。一方、油中水型の日焼け止め化粧料は、剤型の特性から耐水性は比較的高いと考えられるが、例えば粘度の高いクリーム状では、延びの悪さやいつまでもベタベタしやすい等使用感が悪い。粘度の低い二層タイプも存在するが、これは静置状態では分離しているものを、使用時に容器を振る等で撹拌し、再乳化させて使用するものである。このタイプでは乳化バランスが崩れやすく、再乳化できなくなったり、配合する粉体がケーキングしたりする等、経時安定性に課題がある。
日焼け止め化粧料の耐水性に関する従来技術としては、油中水型化粧料にシリコーン処理またはアルキルアルコキシシラン処理した紫外線散乱剤とα-オレフィン/ビニルピロリドン共重合体、揮発性炭化水素油、シリコーン油、ポリエーテル変性シリコーン、水を配合することで肌上に均一な塗布膜を形成し、さらには耐汗、耐皮脂性を向上させる日焼け止め化粧料が記載されている(特許文献1)。また、2種以上の油溶性紫外線吸収剤を含む、油中水型および水中油型の化粧料に複合シリコーン粒子を配合することで、耐水性に優れ、安定で、紫外線防御効果の高い日焼け止め化粧料を提供する技術が提供されている(特許文献2)。
特許文献1においては、油中水型の日焼け止め化粧料であることを特徴としている。しかしながら、α-オレフィン/ビニルピロリドン共重合体は、相溶性の観点から油中水型化粧料に安定配合することが難しい。具体的には、経時での粘度が著しく上昇し、使用性を損ねる場合がある。また高温条件下に保管した際に、前述の二層分離状態よりさらに下層に水層が分離し、三層に分離する場合がある。この三層に分離した状態になると、再乳化することが難しく、結果的に充分な紫外線防御効果が得られなくなる。さらに、配合する紫外線散乱剤は、分散性を向上させるために、シリコーン処理またはアルキルアルコキシシラン処理したものを使用する必要があり、効果を得るための条件が限定的である。特許文献2の油中水型乳化物についても、特許文献1と同様の課題が存在する。さらに油中水型乳化物の特性上、低温時、特に解凍試験での安定性を確保するためには、内水相に対して数%の電解質を配合して乳化系を安定させることが望ましい。しかし数%程の電解質を配合すると、べたつきが強く感じられ、自然な使用感が得られにくいといった課題がある。
以上のことから、耐水性および経時安定性に優れ、良好な使用感の化粧料用組成物が求められてきた。
特開2012‐250922号公報 特開2017‐159666号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、耐水性および経時安定性に優れることから紫外線防御性能に優れ、さらに良好な使用感を有する化粧料用組成物を提供することを課題とする。
上記目的を達成するため、本発明者が、鋭意研究した結果、紫外線防御剤、α-オレフィン/ビニルピロリドン共重合体、揮発性油剤、アルコール類、シリコーンレジン被覆シリコーンゴム粉体を含有することで、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、次の成分A〜Eを含む化粧料用組成物である。
A成分:紫外線防御剤
B成分:α-オレフィン/ビニルピロリドン共重合体
C成分:揮発性油剤 5〜50重量%
D成分:アルコール類 5〜50重量%
E成分:シリコーンレジン被覆シリコーンゴム粉体
本発明によれば、耐水性および経時安定性に優れることから紫外線防御性能に優れ、さらに良好な使用感を有する化粧料用組成物を提供することができる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。なお、特段注釈のない限り、以下で成分の配合量を「%」で表示する場合は重量%を意味する。
<A成分:紫外線防御剤>
本発明に用いる紫外線防御剤は、特に制限はなく、通常化粧料に用いられるものを使用することができ、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤から適宜選択される。
紫外線吸収剤は、特に限定されないが、具体例としては、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、オクトクリレン、エチルヘキシルトリアゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン類、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ホモサレート、サリチル酸エチルヘキシル等が挙げられる。
紫外線散乱剤は、特に限定されないが、具体例としては、微粒子金属酸化物を用いることができる。例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等が挙げられる。これらの金属酸化物は、その表面がシリカ、アルミナ等の無機化合物、または脂肪酸金属石鹸、シリコーン等の有機化合物により被覆されていてもよい。微粒子金属酸化物は、いわゆる微粒子と称される粒径を有するものであり、例えば、電子顕微鏡観察による一次粒子径が通常100nm以下のものである。本発明で用いられる微粒子金属酸化物は、紫外線散乱効果に優れることから、微粒子酸化チタン、及び微粒子酸化亜鉛からなる群から選択される。
本発明で使用される、紫外線防御剤は特に限定されず、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤の一方のみを使用してもよいし、併用してもよい。また、その種類も限定されないが、例えば、UVAからUVBに渡る広い波長領域で優れた紫外線防御効果を発揮させたい場合には、UVA領域に吸収ピークを持つ紫外線吸収剤(UVA吸収剤)とUVB領域に吸収ピークを持つ紫外線吸収剤(UVB吸収剤)とを各々少なくとも一種ずつ組み合わせて配合するか、UVAからUVB領域に渡る広域吸収帯を持つ紫外線吸収剤を少なくとも一種配合することができる。また紫外線散乱剤と紫外線吸収剤を併用することも有効である。
<A成分>の配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、通常、化粧料用組成物全量に対し3重量%以上、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは7〜30重量%の範囲で用いられる。この範囲であれば一定の紫外線防御効果が期待できる。なお、得られた化粧料を原液として、エアゾール型とする場合には、前期配合量は原液中の比率であると考えればよい。以下の成分についても同様である。
<B成分:α-オレフィン/ビニルピロリドン共重合体>
本発明に用いるα-オレフィン/ビニルピロリドン共重合体は、特に制限はなく、通常化粧料用組成物に用いられるものを使用することができる。例えばポリビニルピロリドン/ヘキサデセン共重合体、ポリビニルピロリドン/エイコセン共重合体、トリコンタニル/ポリビニルピロリドン等が挙げられ、具体的には(ビニルピロリドン/エイコセン)コポリマー、(ビニルピロリドン/ヘキサデセン)コポリマー等が挙げられる。これらのうち1種を単独で用いても、またはこれらを混合して用いても差支えない。当成分は皮膚の上に膜を形成し、均一に塗布できる上、化粧料の耐水性を向上させることができる。この性質を利用し、かつ本発明における他成分と併用することによって、経時安定性を良好にすることができることを見出した。
<B成分>の配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、通常、化粧料用組成物全量に対し0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜7重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%の範囲で用いられる。この範囲では耐水性が非常に優れている。
<C成分:揮発性油剤>
本発明に用いる揮発性油剤は、従来から化粧料等に使用されている常温(25℃)常圧(1気圧)で揮発性を示す液状油であれば特に制限されない。また液状油とは、常温(25℃)で流動性のある状態を示す。高粘度で流動性が不明な場合は、「化粧品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)」に記載された、ASTMD4359−90試験を用いることで判別ができる。具体的には、揮発性炭化水素油や揮発性シリコーン油等が挙げられる。揮発性炭化水素油としては、例えば、イソドデカン、(C13,14)イソパラフィン、水添ポリイソブテン等を挙げることができる。揮発性シリコーン油としては、揮発性の直鎖状や分枝シリコーン油(揮発性ジメチコン)及び環状シリコーン油が挙げられる。具体的には、直鎖状シリコーン油としてはデカメチルテトラシロキサン等の低粘度ジメチルポリシロキサンや、分枝シリコーン油としてはメチルトリメチコン、カプリリルメチコン、環状シリコーン油としてはオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等を用いることができる。
<C成分>の配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、通常、化粧料用組成物全量に対し5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%の範囲で用いられる。この範囲では経時安定性が非常に優れている。
<C成分>は、これらのうち1種を単独で用いても、またはこれらを混合して用いても差支えない。
<D成分:アルコール類>
本発明に用いるアルコール類は、特に制限はなく、通常化粧料に用いられるものを使用することができる。炭素数が1〜6、水酸基が1〜3のアルコール類とは、エタノール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール等がある。好ましい成分としてはエタノール、ジプロピレングリコールが挙げられる。
<D成分>の配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、通常、化粧料用組成物全量に対し5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%の範囲で用いられる。この範囲では経時安定性、特に粉体の再分散性が非常に優れている。
<D成分>は、これらのうち1種を単独で用いても、またはこれらを混合して用いても差支えない。
<E成分:シリコーンレジン被覆シリコーンゴム粉体>
本発明に用いるシリコーンレジン被覆シリコーンゴム粉体は、特に制限はなく、通常化粧料に用いられるものを使用することができる。例えば(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー等が挙げられる。好ましい市販品としてKSP-100、101、102、105、300(信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。これらのうち1種を単独で用いても、またはこれらを混合して用いても差支えない。
<E成分>の配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、通常、化粧料用組成物全量に対し0.1〜25重量%、好ましくは0.1〜15重量%の範囲で用いられる。この範囲では経時安定性が非常に優れている。
本発明は、実質的に水分を含有しない化粧料に関するものである。ただし、本発明に不具合が生じない程度であれば、水または水を含有する植物エキス等、水を含有する原材料等の配合は許容される。言い換えると、本発明は、本来は水分を含有する必要がない低粘度の化粧料用組成物であるが、例えば植物エキス等の保湿剤などを配合する都合で水分を配合する際には、紫外線防御効果や、粉体のケーキング等の経時安定性に影響のない範囲であれば問題ない。したがって、いわゆる非水系にすることは必須条件ではない。
本発明の組成物には、上記の必須成分のほかに、必要に応じ一般的に化粧料などに用いられる成分を配合することも可能である。例えば、成分C以外の油性基剤、パール剤、保湿剤、増粘剤、水溶性高分子、香料、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、界面活性剤、キレート剤、抗炎症剤、抗酸化剤、清涼剤、生薬抽出物やビタミン類、の添加物を適時配合することができる。これら成分を含有させる場合の配合割合は、その種類や目的に応じて適宜選択することができ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。
本発明の化粧料用組成物は、エアゾール容器に充填し噴射して使用するエアゾール型の日焼け止め化粧料として提供することもできる。
日焼け止めスプレーとするための噴射剤の配合量は、例えば液化ガスを用いる場合、原液に対して、好ましくは1.5〜9倍であり、より好ましくは、2〜8倍であり、さらに好ましくは、3〜7倍である。この範囲であれば、充分な噴射力が得られスプレーしたときに均一に噴射できる。さらに原液が噴射剤で希釈され低粘度となり噴射粒子が小さく均一になり、使用時の油膜感を減らすこともできる。なお、本発明の化粧料用組成物は、日焼け止め化粧料のみならず、日焼け止め効果を付与したファンデーション等のメーキャップ化粧料や化粧下地にも適用可能である。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に説明する。なお、これら実施例は本発明を何ら限定するものではない。
[評価項目1.耐水性]
<評価方法>
1:(初期紫外線防御効果の測定)石英板の上にドクターブレードを用いて各例(サンプル)を12μmの厚さで塗布し、常温(25℃)、湿度65%RHの環境下で30分乾燥させた後、SPFアナライザー(LABSPHERE社製 UV TRANSMITTANCE ANALYZER/UV−1000S)にて測定した。サンプルを塗布した石英板の10点を測定し、その平均値をサンプルの初期SPF値とした。
2:(水浴試験/紫外線防御効果の変化)測定した上記石英板を、水温31℃にした4Lの水道水を入れた10Lビーカーに沈め、水流を起こした状態で40分間浸漬した。水流はスリーワンモーター(ヤマト科学株式会社製 BL3000)にて、プロペラ羽を用い150rpmで撹拌することで発生させた。その後、石英板をビーカーから取り出し30分間乾燥させ、再び上記SPFアナライザーで測定し、水浴前後のSPF値から保持率(以下の式)を紫外線防御効果の変化として算出した。
式:SPF保持率(%)=(水浴試験後のSPF値)/(初期SPF値)×100
<評価基準>
◎:SPF保持率が95%以上
○:SPF保持率が90%以上95%未満
△:SPF保持率が70%以上90%未満
×:SPF保持率が70%未満
[評価項目2.安定性]
化粧料用組成物として安定的に使用できる品質が保てるかを確認した。
なお本発明の化粧料用組成物は、オイル相と粉体相から成り、オイル相に粉体相を分散させている状態である。ここでオイル相とは成分EおよびE´を含まない全ての成分を混合した相であり、粉体相とは成分EおよびE´を指す。粉体は経時で沈降するため、使用の際には、化粧料用組成物を充填した容器を振る等して、均一に再分散した後に皮膚に塗布することで前述の効果が得られる。
<安定性評価方法1:オイル相の安定性>
オイル相のみを作成し、25℃、40℃、5℃の条件下に3か月間静置し、結晶化した固形成分の析出が発生しないかを確認した。
<安定性評価基準1:オイル相の安定性>
○:固形成分の沈降無し
×:固形成分の沈降有り
<安定性評価方法2:粉体を含むサンプルの安定性>
オイル相と粉体相を均一混合した各例(サンプル)について、経時で沈降した粉体が、容易に再分散できるかを確認した。具体的には、サンプルを透明容器に20g充填し、常温(25℃)で1か月間静置した後、再分散できるかを評価した。
<安定性評価基準2:粉体を含むサンプルの安定性>
◎:粉体は瓶を手に持ち10回程度振るのみで再分散可能
○:粉体は底部に固まるが、スパチュラで撹拌することで容易に再分散可能
×:粉体が凝集かケーキングし再分散不可
[評価項目3.塗布膜の均一性]
日焼け止め化粧料を皮膚に塗布した際、塗りムラがあると十分な紫外線防御効果を得ることができない。また、水に触れた際に不均一な部分からハガレが生じ、耐水性が悪化する可能性もある。そのため、日焼け止め化粧料には均一に塗布できるという効果が求められる。
<評価方法>
石英板の上にドクターブレードを用いて各例の化粧料(サンプル)を12μmの厚さで塗布し、常温(25℃)、湿度65%RHの環境下で30分間乾燥させた後、サンプルの膜の状態を目視で観察した。
<評価基準>
○:全体的に均一な塗布膜
×:不均一な塗布膜(所々に粉体由来のブツがある、もしくはムラがある)
[評価項目4.使用感]
<評価方法>
20〜40代の女性パネラー計10名にサンプルをブラインドにて使用させ、皮膚に塗布した際の、「べたつき感」「皮膜感」について評価した。「べたつき感」については「べたつかない」及び「べたつく」とし、「皮膜感」については「皮膜感を感じない」及び「皮膜感を感じる」と評価させた。
<評価基準1:べたつき感>
○:「べたつかない」と評価した人が7名以上
△:「べたつかない」と評価した人が4〜6名
×:「べたつかない」と評価した人が3名以下
<評価基準2:皮膜感>
○:「皮膜感を感じない」と評価した人が7名以上
△:「皮膜感を感じない」と評価した人が4〜6名
×:「皮膜感を感じない」と評価した人が3名以下
(調製法)
下記の表1に示す組成の化粧料(実施例1〜8、比較例1〜14)を、次のようにして調製した。表中C、DおよびE(E´)成分以外を80℃まで加温して均一溶解したところに、常温のC、DおよびE(E´)成分を添加してディスパー(プライミクス社製ホモディスパー)にて3000rpmで処理し、均一撹拌した。
Figure 2020158469
Figure 2020158469
Figure 2020158469
表1、2、3からわかるように、本発明の実施例1〜実施例8は耐水性および経時安定性に優れ、良好な使用感であるという効果が認められた。
実施例1〜実施例8を参照すると、紫外線防御剤と、α-オレフィン/ビニルピロリドン共重合体、揮発性油剤、アルコール類、シリコーンレジン被覆シリコーンゴム粉体を含む実施例1〜8において、水流負荷による耐水性評試験後のSPF保持率が90%以上、オイル相のみ及び粉体を含む状態での安定性が良好で、使用感評価についても「べたつかない」「皮膜感がない」と答えた人が10名中7名以上であることから、耐水性および経時安定性に優れ、使用感が良好であるということが分かる。
また、実施例2〜4と比較例2、3から、C成分の揮発性油剤とD成分のアルコール類は等量に近い方が、オイル層での析出や粉体のケーキングを抑える効果があり、経時安定性に優れていることが分かる。
比較例1および比較例4〜比較例9を参照すると、水流負荷による耐水性評試験後のSPF保持率がいずれも90%未満となっており、紫外線防御剤と、揮発性油剤、アルコール類、シリコーンレジン被覆シリコーンゴム粉体を含有していても、α-オレフィン/ビニルピロリドン共重合体を含有していない場合には耐水性が低い。また、比較例2、3を参照すると、紫外線防御剤と、α-オレフィン/ビニルピロリドン共重合体、揮発性油剤、アルコール類、シリコーンレジン被覆シリコーンゴム粉体のうち、揮発性油剤を含有していない場合はオイル層での析出が発生し、アルコールを含有していない場合は粉体のケーキングが発生した。さらに、比較例10〜12を参照すると、紫外線防御剤と、揮発性油剤、アルコール類、α-オレフィン/ビニルピロリドン共重合体を含有していても、シリコーンレジン被覆シリコーンゴム粉体以外の粉体を含有するサンプルでは、ケーキングが生じる等、経時での安定性が大きく損なわれてしまった。比較例13では、シリコーンレジン被覆シリコーンゴム粉体以外の粉体を含有したにも関わらず安定性は問題なかったが、塗布膜の均一性が悪かった。重ねて水流不可による耐水性評試験後のSPF保持率が90%未満となり、耐水性が劣る結果となった。
以上より、本発明の必須成分である成分A〜Eのいずれか1つを欠いた比較例1〜13では、耐水性、安定性(オイル相での析出もしくは粉体のケーキング)、塗布膜の均一性、使用感(べたつきまたは皮膜感)のいずれかがの項目が損なわれた。
常法にて、各処方の組成物を作製した。いずれの処方においても本発明の効果を奏することが確認された。
処方例1(日焼け止め化粧料)
配合成分 配合量(重量%)
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7.5
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 1.5
オクトクリレン 0.5
(ビニルピロリドン/エイコセン)コポリマー 2
イソドデカン 40
エタノール 15
(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー 10
ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 15
(PPG―12/SMDI)コポリマー 1
保存料 適量
ジカプリン酸プロピレングリコール 残余
合計 100
処方例2(日焼け止めスプレー)
下記配合量で組成物を作製した後、組成物に対し4倍の液化ガスと共にスプレー缶に充填した。
配合成分 配合量(重量%)
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 1
ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 2
オクトクリレン 1
(ビニルピロリドン/ヘキサデセン)コポリマー 2
イソドデカン 18
ジプロピレングリコール 28
エタノール 22
(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン
/シルセスキオキサン)クロスポリマー 8
ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 8
(PPG―12/SMDI)コポリマー 2
保存料 適量
ジカプリン酸プロピレングリコール 残余
合計 100
処方例3(化粧下地)
配合成分 配合量(重量%)
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 8
(ビニルピロリドン/エイコセン)コポリマー 1.5
シクロペンタシロキサン 5
イソドデカン 12
エタノール 15
(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー 4.5
微粒子酸化チタン 10
ベンガラ 0.05
黄酸化鉄 0.08
ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 10
エチルヘキサン酸セチル 8
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル) 0.3
(PPG―12/SMDI)コポリマー 1.5
保存料 適量
ジカプリン酸プロピレングリコール 残余
合計 100




Claims (4)

  1. 次の成分A〜Eを含む化粧料用組成物。
    A成分:紫外線防御剤
    B成分:α-オレフィン/ビニルピロリドン共重合体
    C成分:揮発性油剤 5〜50重量%
    D成分:アルコール類 5〜50重量%
    E成分:シリコーンレジン被覆シリコーンゴム粉体
  2. D成分が、炭素数1〜6、及び水酸基1〜3を有するアルコール類である、請求項1に記載の化粧料用組成物。
  3. 組成物中の含有割合として成分C:成分Dを1:3〜3:1とする請求項1〜2いずれかに記載の化粧料用組成物。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の化粧料を含む原液と、噴射剤とを有するエアゾール型化粧料用組成物。

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