JP2020158236A - クレーンおよびクレーンの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】走行方向におけるスプレッダの位置合わせの精度を向上できるクレーンおよびクレーンの制御方法を提供する。【解決手段】スプレッダ6の長手方向yに沿って間隔を開ける状態でトロリ5に一対の上方シーブS1を設置して、スプレッダ6の長手方向yの略中央部分に吊り下げ部材Pを設置して、吊り下げ部材Pから一方の上方シーブS1に延びる傾斜部分Raと吊り下げ部材Pから他方の上方シーブS1に延びる傾斜部分Rbとを有する状態でロープRを掛け回して、このロープRが吊り下げ部材Pを下端として一対の上方シーブS1を上端とする略V字型を形成して、張力調整機構8により傾斜部分Raと傾斜部分Rbとに張力差を発生させてスプレッダ6を長手方向yに沿って移動させる。【選択図】図6
Description
本発明は、平面視で略長方形に形成されるスプレッダを備えるクレーンに関するものであり、詳しくは略長方形のスプレッダの長手方向における位置合わせの精度を向上できるクレーンおよびクレーンの制御方法に関するものである。
水平梁に沿って横行するトロリと、このトロリからロープで懸吊されるスプレッダとを備える門型クレーンが種々提案されている(例えば特許文献1参照)。スプレッダは平面視で略長方形に形成されていて、スプレッダの長手方向はクレーンの走行方向と平行であり、スプレッダの短手方向はクレーンの横行方向と平行となる。
特許文献1は、クレーンの走行方向および上下方向と平行となる平面において、スプレッダの長手方向の両端に配置される一対の下方シーブと、トロリの両端に設置される一対の上方シーブと、この上方シーブの間に配置されるシーブとを備えたクレーンを提案する。
特許文献1に記載のクレーンは、走行方向におけるスプレッダの位置合わせをクレーンの走行により行い、走行方向を直角に横断する横行方向におけるスプレッダの位置合わせをトロリの横行により行っていた。クレーンはトロリと比べると大きいため、走行方向の位置合わせの精度を向上することに課題があった。特にクレーンの走行輪がラバータイヤで構成されている場合は、ラバータイヤが変形するため位置合わせの精度を向上するにはクレーンのオペレータの熟練が必要となっていた。
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は走行方向におけるスプレッダの位置合わせの精度を向上できるクレーンおよびクレーンの制御方法を提供することである。
上記の目的を達成するためのクレーンは、平面視で一対の長辺と一対の短辺とを有する略長方形に形成されていて複数のシーブを設置されるスプレッダと、このスプレッダの上方に配置されて複数のシーブを設置されるトロリと、前記スプレッダに設置される前記シーブと前記トロリに設置される前記シーブとに掛け回されて前記トロリから前記スプレッダを懸吊するロープとを備えるクレーンにおいて、前記長辺の延長方向である長手方向に沿って間隔を開ける状態で前記トロリに設置される一対の上方シーブと、前記スプレッダの前記長手方向の略中央部分に設置される吊り下げ部材とを備えていて、前記ロープが、前記吊り下げ部材から一方の前記上方シーブに延びる傾斜部分と、前記吊り下げ部材から他方の前記上方シーブに延びる傾斜部分とを備えていて、前記吊り下げ部材を下端として一対の前記上方シーブを上端とする略V字型に掛け回される構成を前記ロープが有していて、一対の前記傾斜部分の張力差を調整する張力調整機構を備えていることを特徴とする。
上記の目的を達成するためのクレーンの制御方法は、平面視で一対の長辺と一対の短辺とを有する略長方形に形成されていて複数のシーブを設置されるスプレッダと、このスプレッダの上方に配置されて複数のシーブを設置されるトロリと、前記スプレッダに設置される前記シーブと前記トロリに設置される前記シーブとに掛け回されて前記トロリから前記スプレッダを懸吊するロープとを備えるクレーンの制御方法において、前記長辺の延長方向である長手方向に沿って間隔を開ける状態で前記トロリに一対の上方シーブを設置して、前記スプレッダの前記長手方向の略中央部分に吊り下げ部材を設置して、この吊り下げ部材から一方の前記上方シーブに前記ロープを掛け回して前記吊り下げ部材から他方の前記上方シーブに前記ロープを掛け回して、前記吊り下げ部材から一方の前記上方シーブに延びる前記ロープの傾斜部分と、前記吊り下げ部材から他方の前記上方シーブに延びる前記ロープの傾斜部分とに張力差を発生させて前記スプレッダを前記長手方向に沿って移動させることを特徴とする。
本発明によれば、張力調整機構により一対の傾斜部分の張力差を調整することで、スプレッダを長手方向に移動させることができる。スプレッダの位置合わせの精度を向上するには有利である。
以下、本発明のクレーンおよびクレーンの制御方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。図中では平面視で略長方形に形成されるスプレッダの長手方向を矢印y、この長手方向yを直角に横断する短手方向を矢印x、上下方向を矢印zで示している。
図1に例示するように本発明のクレーン1は例えば門型クレーンで構成される。本発明のクレーン1は門型クレーンに限らず、岸壁クレーンで構成してもよい。この実施形態のクレーン1は、水平方向に延設される水平梁2と、この水平梁2の両端から下方に向かって延設される脚部3と、脚部3の下端に設置される走行装置4とを備えている。走行装置4はゴム製のタイヤまたは鉄製の車輪を備えている。
このクレーン1は、水平梁2に沿って横行可能に構成されるトロリ5と、このトロリ5の下方に配置されてコンテナCの荷役を行うスプレッダ6とを備えている。トロリ5とスプレッダ6は複数のシーブを備えている。この複数のシーブにはロープRが掛け回されている。このロープRにより、スプレッダ6はトロリ5から懸吊されている。スプレッダ6は、平面視で一対の長辺と一対の短辺とを有する略長方形に形成されている。スプレッダ6の長辺の延長方向である長手方向yがクレーン1の走行方向と平行であり、短辺の延長方向である短手方向xがクレーン1の横行方向と平行となる状態にスプレッダ6は配置さ
れている。この実施形態ではロープRを巻装するドラム7がトロリ5に設置されている。
れている。この実施形態ではロープRを巻装するドラム7がトロリ5に設置されている。
クレーン1は走行装置4により走行方向(長手方向y)に沿って走行して、荷役対象であるコンテナCが載置されている位置まで移動する。トロリ5は横行方向(短手方向x)に沿って横行してコンテナCの真上となる位置まで移動する。トロリ5はたとえばモータなどの駆動装置により水平梁2の上を走行する。ドラム7からロープRを繰り出すことでスプレッダ6は降下して、スプレッダ6は目的のコンテナCの上面と接触した後コンテナCを把持する。ドラム7でロープRを巻き取ることで、コンテナCはクレーン1により持ち上げられる。
図2に例示するようにトロリ5は、長手方向yに沿って間隔を開ける状態で設置される一対の上方シーブS1を備えている。スプレッダ6は長手方向yにおける略中央部分に設置される吊り下げ部材Pを備えている。この実施形態では吊り下げ部材Pは、ロープRの端部が結束して固定される固定部材で構成されている。図2では説明のため水平梁2などのクレーン1の構造の一部を省略している。本明細書において略中央部分とは、例えばスプレッダ6の長手方向yにおける中央となる地点の他、この地点から長手方向yに若干ずれた位置も含む概念である。
この実施形態ではドラム7から繰り出されるロープRが一方の上方シーブS1を経由して吊り下げ部材Pに固定されている。またロープRが他方の上方シーブS1を経由して吊り下げ部材Pに固定されている。吊り下げ部材PにはそれぞれのロープRの端部が固定されている。これらのロープRは、吊り下げ部材Pを下端として一対の上方シーブS1を上端とする略V字型に掛け回されている。この実施形態では吊り下げ部材Pは、ロープRの端部を固定できる構成を有していればよく、例えばアイプレートで構成することができる。
スプレッダ6の長手方向yに沿って略V字型に掛け回されるロープRには、吊り下げ部材Pを介してコンテナCの荷重が発生する。吊り下げ部材Pから一方の上方シーブS1に延びるロープRの傾斜部分Raと、吊り下げ部材Pから他方の上方シーブS2に延びるロープRの傾斜部分Rbとには、吊り下げ部材Pに向かって引っ張られる方向の力が発生する。傾斜部分Ra、Rbに発生する力は、いずれも吊り下げ部材Pを介して発生するためほとんど等しい大きさとなる。傾斜部分Ra、Rbに発生する張力は、長手方向yに沿った分力Fa、Fbをそれぞれ発生させる。
分力Fa、Fbは傾斜部分Ra、Rbを互いに接近させる内側に向かって発生して、互いに打ち消し合う。この分力Fa、Fbによりスプレッダ6は長手方向yの両側から中心に向かって押さえられている状態となるので、スプレッダ6が長手方向yに沿って移動することを抑制するには有利である。
図3および図4に例示するようにクレーン1は張力調整機構8を備えている。この実施形態では門型のクレーン1の一方の脚部3の上部に張力調整機構8が設置されている。またこの実施形態ではドラム7が一方の脚部3に設置されている。図3では説明のためクレーン1の水平梁2および脚部3を破線で示している。またトロリ5を省略している。図4では説明のため水平梁2、脚部3、トロリ5およびロープRの一部を省略している。
図4に例示するように張力調整機構8は、水平梁2または脚部3などのクレーン1の構造体に設置されている。張力調整機構8は第一調整シーブ9と第二調整シーブ10とを備えている。第一調整シーブ9には、一方の傾斜部分Raから一方の上方シーブS1を経由して延びるロープRが掛け回されている。第二調整シーブ10には、他方の傾斜部分Rbから他方の上方シーブS1を経由して延びるロープRが掛け回されている。
図5に例示するように張力調整機構8は、棒状体で構成されるリンク部材11を備えている。リンク部材11の軸方向に間隔を開ける状態で第一調整シーブ9と第二調整シーブ10とがそれぞれ設置されている。第一調整シーブ9および第二調整シーブ10は、上下方向zを軸方向として回転可能な状態でリンク部材11に設置されている。
この第一調整シーブ9と第二調整シーブ10との間となる位置に形成される支持部11aをリンク部材11は備えている。支持部11aには、例えば上下方向zを軸方向とする支軸が設置される。支軸は、水平梁2または脚部3などのクレーン1の構造体からリンク部材11を支持する構成を有している。リンク部材11は支軸を中心に回転可能な状態で支持されている。
リンク部材11の一方の端部には、支持部11aを中心とする回転力をリンク部材11に付加する駆動機構12が設置されている。駆動機構12は、例えば油圧シリンダや電動シリンダ等の伸縮シリンダで構成することができる。駆動機構12は、脚部3等のクレーン1の構造体に設置することができる。
駆動機構12によりリンク部材11を回転させると、図5に破線で示すように第一調整シーブ9および第二調整シーブ10の位置が変化する。この実施形態ではそれぞれ掛け回されるロープRの張設方向である短手方向xに沿って、第一調整シーブ9および第二調整シーブ10が移動する。リンク部材11の回転にともない、第一調整シーブ9に延びるロープRの傾斜部分Raの張力が増加して、第二調整シーブ10に延びるロープRの傾斜部分Rbの張力が減少する。
図6に例示するように傾斜部分Ra、Rbの張力の変化により、傾斜部分Raの長さが短くなり、傾斜部分Rbの長さが長くなる。これにともないスプレッダ6は、長手方向yに沿って傾斜部分Raの側に移動する。スプレッダ6はコンテナCとともに長手方向yに沿って水平移動する。図6では説明のためスプレッダ6が移動する前の位置を破線で示している。またスプレッダ6の短手方向xに沿って張設されるロープRを、トロリ5およびスプレッダ6の長手方向yの両端に図示している。
スプレッダ6の短手方向xに沿って張設されるロープRと、傾斜部分Ra、Rbを構成するロープとがひと繋がりになっていない別のロープRで構成されている場合には、スプレッダ6の短手方向xに沿って張設されるロープRの長さは傾斜部分Ra、Rbにおける張力の変化の影響を受けない。そのためスプレッダ6の短手方向xを中心軸としてスプレッダ6を傾けることなく水平に移動させることができる。
張力調整機構8により、一対の傾斜部分Ra、Rbの張力差を発生させて、この張力差の大きさに応じてスプレッダ6が長手方向yに移動する大きさと向きとを制御することができる。一対の傾斜部分Ra、Rbのうち相対的に張力が大きい方向に向かってスプレッダ6が水平移動する。長手方向yにおけるスプレッダ6の位置合わせの精度を向上することができる。
クレーン1の自動化にともない自動走行を行わせる場合は特に、クレーン1の停止位置の精度を向上することが困難であった。クレーン1の走行方向(長手方向y)における位置合わせの精度が良くない場合は、クレーン1の自動運転を一時的に解除して、オペレータがクレーン1を走行させて位置合わせをやり直す必要があった。これに対して前述の実施形態によれば、スプレッダ6を長手方向yに移動させて精度良く位置合わせができる。そのため自動化されたクレーン1による荷役作業を効率よく行うには有利である。
張力調整機構8の構成は前述の実施形態に限定されない。一対の傾斜部分Ra、Rbのうち少なくとも一方の張力を調整できる構成を有していればよい。図7に例示するように支持部11aの近傍に駆動機構12が設置される構成にしてもよい。この実施形態では駆動機構12は電動モータまたは油圧モータ等で構成することができる。このモータは上下方向zを中心軸とする回転軸を有している。図7に破線で示すように、電動モータ等は支持部11aに設置される支軸を直接的に回転させることができる。
この実施形態では第一調整シーブ9および第二調整シーブ10の軸方向が、リンク部材11の軸方向と平行となる状態である。張力調整機構8において、第一調整シーブ9および第二調整シーブ10の軸方向は、長手方向yでも上下方向zでもよく、長手方向yから上下方向zに傾いた方向など任意の方向に設定できる。
張力調整機構8が設置される位置は、水平梁2や脚部3に限らない。クレーン1を構成する脚部3などの構造体の他、トロリ5などに設置してもよい。
図8に例示するように張力調整機構8が第一調整シーブ9のみを備えていて、駆動機構12が第一調整シーブ9を直接的に移動させる構成にしてもよい。破線で示すように第一調整シーブ9の移動にともないロープRの長さが変化する。一対の傾斜部分Ra、Rbのうち一方の傾斜部分の張力のみを調整するため、調整できる張力差の最大値は前述の実施形態に比べると小さくなるが、張力調整機構8の小型化したり、機構を単純化したりするには有利である。
張力調整機構8の小型化により、張力調整機構8の設置する場所の選択肢が増える。例えば張力調整機構8をトロリ5に設置することができる。張力調整機構8の小型化により、トロリ5の重量を大きく増加させることなく、張力調整機構8をトロリ5に設置することが可能となる。
この実施形態では例えばトロリ5に設置される上方シーブS1の一つを第一調整シーブ9として、電動シリンダ等で構成される駆動機構12により移動させる構成にしてもよい。第一調整シーブ9の移動方向は、第一調整シーブ9に掛け回されるロープRの張力を増減可能な方向に設定される。
図3および図4に例示するようにスプレッダ6の重量の一部を支持するカウンタウェイト13をクレーン1が備える構成にすることができる。この実施形態では門型のクレーン1の一方の脚部3にカウンタウェイト13が設置されている。
図4に例示するようにこの実施形態ではロープR1が、カウンタウェイト13に設置されるシーブSから脚部3に設置されるシーブSに掛け回される。このロープR1は水平梁2に沿って短手方向xに張設されている。長手方向yにおけるスプレッダ6の略中央部には短手方向xに間隔をあける状態で一対の吊り下げ部材Pが設置されている。
ロープR1は、一端を一方の吊り下げ部材Pに固定されて他端を他方の吊り下げ部材Pに固定されている。ロープR1の途中部分は、トロリ5の一方の上方シーブS1から脚部3に設置されるシーブSとカウンタウェイト13に設置されるシーブSとを経由して他方の脚部3に設置される第一調整シーブ9に掛け回される。このロープR1は第一調整シーブ9から他方の上方シーブS1を経由して他方の吊り下げ部材Pに固定される。
同様に別のロープR1は、一端を一方の吊り下げ部材Pに固定されて他端を他方の吊り下げ部材Pに固定されている。ロープR1の途中部分は、トロリ5の一方の上方シーブS1から脚部3に設置されるシーブSとカウンタウェイト13に設置されるシーブSとを経
由して他方の脚部3に設置される第二調整シーブ10に掛け回される。このロープR1は第二調整シーブ10から他方の上方シーブS1を経由して他方の吊り下げ部材Pに固定される。
由して他方の脚部3に設置される第二調整シーブ10に掛け回される。このロープR1は第二調整シーブ10から他方の上方シーブS1を経由して他方の吊り下げ部材Pに固定される。
つまりロープR1は端部をそれぞれ吊り下げ部材Pに固定される二本のロープRで構成されている。ロープR1はスプレッダ6の長手方向yに沿って略V字型に掛け回されている。スプレッダ6の一対の長辺にはそれぞれ略V字型にロープR1が掛け回される状態となる。
吊り下げ部材PはロープRの端部を固定される固定部材に限定されない。吊り下げ部材Pは、ロープRを掛け回されてスプレッダ6やコンテナCの荷重を支持できる構成を有していればよい。吊り下げ部材Pは例えばスプレッダ6に設置されるシーブSで構成することができる。この場合は一方の上方シーブS1から吊り下げ部材Pを経由して他方の上方シーブS1にひと繋がりのロープRが掛け回される。つまりロープR1は両端を連結されて環状となる一本のロープで構成される。吊り下げ部材PはシーブSよりも固定部材で構成する方が、傾斜部分Ra、Rbの張力差を大きくしやすいのでより望ましい。
クレーン1でコンテナCを荷役する際に、スプレッダ6およびコンテナCの重量の一部がカウンタウェイト13により相殺される。ドラム7でスプレッダ6を巻き上げる際に必要となるエネルギを抑制できるので、クレーン1の消費エネルギを抑制するには有利である。またドラム7の容量を小さく設定できるので、クレーン1の製造コストを抑制するには有利である。
図9に例示するように上下方向zを中心軸とするカウンタウェイト13の回転を拘束するガイド部材14を、クレーン1が備える構成にすることができる。この実施形態のガイド部材14は、上下方向zに沿って延設されて水平方向の断面がL字型となる部材で構成されている。ガイド部材14は、カウンタウェイト13の四つの角部にそれぞれ接触可能となる状態でそれぞれ配置されている。図9では説明のためガイド部材14の一部を水平方向で切断して図示している。
張力調整機構8によりロープRの傾斜部分Ra、Rbの張力を変化させたとき、カウンタウェイト13を吊り上げるロープRの張力が変化してカウンタウェイト13が短手方向xを軸として回転する可能性がある。このカウンタウェイト13の回転により、傾斜部分Ra、Rbの張力差が緩和される可能性がある。
カウンタウェイト13の回転をガイド部材14により拘束すると、張力差が緩和される可能性を抑制できる。張力調整機構8によりスプレッダ6の位置合わせをする際の精度を向上するには有利である。
ガイド部材14の構成は上記に限定されない。短手方向xを中心軸とするカウンタウェイト13の回転を拘束できる構成であればよい。例えば上下方向zに延設されて内部をカウンタウェイト13が通過可能に構成される筒状体でガイド部材14を構成してもよい。短手方向xを中心軸とするカウンタウェイト13の回転を拘束しつつ、カウンタウェイト13が上下方向zに移動可能な形状および大きさに、筒状体の内側は形成されている。
図10に例示するようにカウンタウェイト13を上下方向zに貫通する少なくとも二本の棒状体でガイド部材14を構成してもよい。図10では説明のためガイド部材14の一部を水平方向で切断して図示している。
図4に例示するようにカウンタウェイト13の上方に配置されるシーブSを、第一調整
シーブ9および第二調整シーブ10として脚部3に張力調整機構8を設置する構成にしてもよい。図4では説明のため張力調整機構8を破線で示している。クレーン1の脚部3の両側にそれぞれ張力調整機構8を設置する構成にしてもよい。つまりクレーン1に二つの張力調整機構8を設置してもよい。
シーブ9および第二調整シーブ10として脚部3に張力調整機構8を設置する構成にしてもよい。図4では説明のため張力調整機構8を破線で示している。クレーン1の脚部3の両側にそれぞれ張力調整機構8を設置する構成にしてもよい。つまりクレーン1に二つの張力調整機構8を設置してもよい。
二つの張力調整機構8でロープRの張力を調整できるので、傾斜部分Ra、Rbの張力差の最大値を大きくするには有利である。ロープRの伸びによる張力差の緩和を抑制できるので、スプレッダ6の位置合わせの精度を向上するには有利である。
図11に例示するようにドラム7をクレーン1の脚部3に設置する構成にすることができる。またドラム7から繰り出されるロープR2は、カウンタウェイト13に掛け回されるロープR1とは別のロープRで構成することができる。以下、カウンタウェイト13に掛け回されるロープを第一ロープR1、ドラム7から繰り出されるロープを第二ロープR2ということがある。
それぞれ独立する第一ロープR1と第二ロープR2とを採用する構成は本発明の必須要件ではない。第一ロープR1と第二ロープR2とをひと繋がりの一本のロープRで構成してもよい。
図11に例示するようにドラム7から繰り出される第二ロープR2は、スプレッダ6の短手方向xに沿って略V字型に掛け回される。長手方向yに加えて短手方向xに沿って掛け回されるロープRも略V字型に形成されている。第二ロープR2が、スプレッダ6の短手方向xに沿って略V字型に掛け回される構成は本発明の必須要件ではない。
カウンタウェイト13が配置される側の脚部3のシーブSの近傍に、小旋回用装置15を設置することが望ましい。この小旋回用装置15は、一対のシーブSの間に配置されている。小旋回用装置15の作動により一対のシーブSの相対位置を短手方向xに変位させることができる。小旋回用装置15のこの動作により上下方向zを中心軸としてスプレッダ6を傾けることが可能となる。
スプレッダ6の短手方向xに沿って掛け回されるロープRの状態は上記に限定されない。短手方向xに沿うロープRの状態は、スプレッダ6の長手方向yにおける両端部を吊り上げる構成を有していればよい。
クレーン1がカウンタウェイト13を備えない構成にしてもよい。ドラム7から繰り出されるロープRがスプレッダ6の短手方向xに加えて長手方向yにも掛け回される構成にしてもよい。
1 クレーン
2 水平梁
3 脚部
4 走行装置
5 トロリ
6 スプレッダ
7 ドラム
8 張力調整機構
9 第一調整シーブ
10 第二調整シーブ
11 リンク部材
11a 支持部
12 駆動機構
13 カウンタウェイト
14 ガイド部材
15 小旋回用装置
x 短手方向
y 長手方向
z 上下方向
R ロープ
R1 第一ロープ
R2 第二ロープ
Ra 傾斜部分
Rb 傾斜部分
C コンテナ
S シーブ
S1 上方シーブ
P 吊り下げ部材
Fa、Fb 分力
2 水平梁
3 脚部
4 走行装置
5 トロリ
6 スプレッダ
7 ドラム
8 張力調整機構
9 第一調整シーブ
10 第二調整シーブ
11 リンク部材
11a 支持部
12 駆動機構
13 カウンタウェイト
14 ガイド部材
15 小旋回用装置
x 短手方向
y 長手方向
z 上下方向
R ロープ
R1 第一ロープ
R2 第二ロープ
Ra 傾斜部分
Rb 傾斜部分
C コンテナ
S シーブ
S1 上方シーブ
P 吊り下げ部材
Fa、Fb 分力
Claims (6)
- 平面視で一対の長辺と一対の短辺とを有する略長方形に形成されていて複数のシーブを設置されるスプレッダと、このスプレッダの上方に配置されて複数のシーブを設置されるトロリと、前記スプレッダに設置される前記シーブと前記トロリに設置される前記シーブとに掛け回されて前記トロリから前記スプレッダを懸吊するロープとを備えるクレーンにおいて、
前記長辺の延長方向である長手方向に沿って間隔を開ける状態で前記トロリに設置される一対の上方シーブと、前記スプレッダの前記長手方向の略中央部分に設置される吊り下げ部材とを備えていて、
前記ロープが、前記吊り下げ部材から一方の前記上方シーブに延びる傾斜部分と、前記吊り下げ部材から他方の前記上方シーブに延びる傾斜部分とを備えていて、前記吊り下げ部材を下端として一対の前記上方シーブを上端とする略V字型に掛け回される構成を前記ロープが有していて、
一対の前記傾斜部分の張力差を調整する張力調整機構を備えていることを特徴とするクレーン。 - 前記張力調整機構が、一方の前記傾斜部分から延びて一方の前記上方シーブを経由する前記ロープが掛け回される第一調整シーブと、この第一調整シーブを移動させる駆動機構とを備える請求項1に記載のクレーン。
- 前記張力調整機構が、一方の前記傾斜部分から延びて一方の前記上方シーブを経由する前記ロープが掛け回される第一調整シーブと、他方の前記傾斜部分から延びて他方の前記上方シーブを経由する前記ロープが掛け回される第二調整シーブと、前記第一調整シーブおよび前記第二調整シーブのうち少なくとも一方を移動させる駆動機構とを備える請求項1に記載のクレーン。
- 前記張力調整機構が、両端に前記第一調整シーブと前記第二調整シーブとをそれぞれ設置されて中央部分に支持部を有するリンク部材と、前記支持部を中心とする回転力を前記リンク部材に付加する駆動機構とを備える請求項3に記載のクレーン。
- 前記スプレッダの重量の少なくとも一部を支持するカウンタウェイトと、このカウンタウェイトに設置されて前記ロープが掛け回されるシーブと、上下方向を中心軸とする前記カウンタウェイトの回転を拘束するガイド部材とを備える請求項1〜4のいずれかに記載のクレーン。
- 平面視で一対の長辺と一対の短辺とを有する略長方形に形成されていて複数のシーブを設置されるスプレッダと、このスプレッダの上方に配置されて複数のシーブを設置されるトロリと、前記スプレッダに設置される前記シーブと前記トロリに設置される前記シーブとに掛け回されて前記トロリから前記スプレッダを懸吊するロープとを備えるクレーンの制御方法において、
前記長辺の延長方向である長手方向に沿って間隔を開ける状態で前記トロリに一対の上方シーブを設置して、前記スプレッダの前記長手方向の略中央部分に吊り下げ部材を設置して、この吊り下げ部材から一方の前記上方シーブに前記ロープを掛け回して前記吊り下げ部材から他方の前記上方シーブに前記ロープを掛け回して、
前記吊り下げ部材から一方の前記上方シーブに延びる前記ロープの傾斜部分と、前記吊り下げ部材から他方の前記上方シーブに延びる前記ロープの傾斜部分とに張力差を発生させて前記スプレッダを前記長手方向に沿って移動させることを特徴とするクレーンの制御方法。
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---|---|---|---|
JP2019057821A JP2020158236A (ja) | 2019-03-26 | 2019-03-26 | クレーンおよびクレーンの制御方法 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019057821A Pending JP2020158236A (ja) | 2019-03-26 | 2019-03-26 | クレーンおよびクレーンの制御方法 |
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS58110689U (ja) * | 1982-01-19 | 1983-07-28 | 石川島播磨重工業株式会社 | 船用クレ−ンにおける吊荷の傾き修正装置 |
JP2000198669A (ja) * | 1999-01-08 | 2000-07-18 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | コンテナ荷役用クレ―ンのコンテナ吊具位置調整装置 |
JP2002087758A (ja) * | 2000-09-12 | 2002-03-27 | Komatsu Ltd | 船槽の荷揚げ用バケットの揺れ止め装置 |
JP2009242082A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | コンテナクレーン |
JP2012121719A (ja) * | 2010-12-10 | 2012-06-28 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 岸壁クレーン |
-
2019
- 2019-03-26 JP JP2019057821A patent/JP2020158236A/ja active Pending
Patent Citations (5)
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