JP2020155553A - Ni系フェライトおよびそれを用いたコイル部品 - Google Patents

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【課題】 初透磁率μiが大きく、相対温度係数が小さく、20〜120℃の温度範囲で負となるNi系フェライトと、それを用いたコイル部品を提供する。【解決手段】20℃での初透磁率μiが465以上で、相対温度係数が20〜85℃の温度範囲で−3.0×10−6/℃以上0/℃以下で、かつ20〜120℃の温度範囲で−2.0×10−6/℃以上0/℃以下のNi系フェライトであって、前記Ni系フェライトの成分組成が、47.0mol%以上47.5mol%以下のFe2O3、28.0mol%以上32.0mol%以下のZnO、6.0mol%以上9.0mol%以下のCuO、0.3mol%以上1.2mol%以下のMnO、及び残部NiOとして表され、Fe2O3とMnOとの合計量が、47.5mol%以上48.2mol%以下であるNi系フェライトである。【選択図】 図2

Description

本発明は、磁性フェライトを用いたコイル部品等に使用されるNi系フェライトとそれを用いたコイル部品に関するものである。
磁性フェライトはスピネル型結晶構造を有し、その化学量論組成は3価化合物と2価化合物が等モルに配合されることが知られている。例えばNi系フェライトのスピネル型結晶(一般式Fe・MeO)は、FeとMeO(Me:Ni,Zn)が50:50の比率で化学量論組成となる。
このようなNi系フェライトの一般的な製造方法では、Ni系フェライトを構成する元素の酸化物等を素原料として準備し、それを所定の組成となるように配合し焼成してスピネル化する。均一なスピネル化反応を得る観点から、素原料を本焼成よりも低温度で焼成してスピネル化する仮焼成を経て得られた仮焼粉を所定の形状に固めて成形して成形体とし、それを焼結して磁心とする製法を採用する場合が多い。
Ni系フェライトの磁気特性は組成に強く依存することが知られている。コイル部品等でNi系フェライトに要求される特性としては、例えば、使用される周波数、温度領域において初透磁率μiが高くて、初透磁率μiの温度依存性を示す相対温度係数αμirが小さいことが挙げられる。
コイル部品の一例としてキーレスエントリシステムやTPMS(Tire Pressure Monitoring System:タイヤ空気圧監視システム)等で使用されるアンテナがあり、その構成例を図1に示す。コイル部品(アンテナ)1は、コイル5と、その空芯部に通された磁心7とで構成される。更に前記コイル5及び磁心7の少なくとも一部を、耐熱性、絶縁性を供えたエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂又は液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂で構成される樹脂材8で被覆することもある。
Ni系フェライトは透磁率の温度特性を有するため、環境温度の変化によってコイル部品のインダクタンスが変動する場合がある。コイル部品をアンテナとして使用する場合、コイル部品とコンデンサ(図示せず)との並列共振回路の共振周波数をアンテナの通信周波数と一致するように設定する。コイル部品のインダクタンスが変動すると、共振周波数と通信周波数との間にずれが生じて通信が行えなかったり、通信距離が短くなったりする問題が生じる場合がある。またNi系フェライトの透磁率が小さいと、所望のインダクタンスを得るのにコイルの巻数を増やす必要があり、その分、コイル部品の外形が大型となり易く、制限された空間内に収めるのに困難な場合もある。
Ni系フェライトの透磁率の温度特性に関連して、特許文献1には、初透磁率μiの相対温度係数αμirが小さく、−40〜150℃の温度範囲において−2〜2ppm/℃であるフェライト焼結体が開示される。このフェライト焼結体は、Feを46.0〜50.0mol%、ZnOを20.0〜30.0mol%、CuOを1.0〜9.0mol%、Mnを0.1〜1.0mol%含有し、Fe、ZnO、CuO及びMnを除いた残部に主にNiOを含有し、ZnO/Fe(モル比率)が0.54〜0.67を満足する組成で構成される。なお相対温度係数αμirは後述する数式で算出される。
特開2006−282437号公報
通常、アンテナが曝される環境で生じる温度変化は、例えば20℃を基準とすると、低温側よりも高温側へ変化する場合が多い。特に車載用途ではその温度変化も大きくなり易い。そのため高温側での相対温度係数αμirが小さいNi系フェライトが求められている。
またNi系フェライトは負の磁歪定数を有するため、初透磁率μiは圧縮応力に応じて増加し極大値を経て減少することが知られている。フェライトの磁心とそれを外装被覆する樹脂材との線膨張係数差によって磁心に圧縮応力が与えられると、コイル部品のインダクタンスが増加する傾向がある。そのためNi系フェライトの相対温度係数αμirは0/℃以下であることも望まれる。
特許文献1のフェライト焼結体は、−40〜150℃の温度範囲で相対温度係数αμirが小さいものであるが、実施例に開示されたもので初透磁率μiは高くても460程度であって、コイル部品の小型化のためには一層の初透磁率μiの向上が求められる。また、初透磁率μiの変動は、温度変化に対して単調に増加、あるいは減少する場合の他に、増加から減少に転じたり、減少から増加に転じたりして初透磁率μiの極値を有する場合がある。このような場合、初透磁率μiの相対温度係数αμirが、見掛け上小さい値として算出される場合がある。それは温度範囲が広い条件で相対温度係数αμirを算出する場合に生じ易い。つまり相対温度係数αμirが小さいといっても、それが広い温度範囲で規定される場合では、温度変化に対する初透磁率μiの変動が大きいものも含み得るものであった。
そこで本発明では、初透磁率μiが大きくて、高温側の温度変化に対して初透磁率μiの変動が小さく、相対温度係数αμirが0/℃以下となるNi系フェライトと、それを用いたコイル部品を提供することを目的とする。
第1の発明は、温度20℃、周波数100kHzでの初透磁率μiが465以上で、初透磁率の相対温度係数αμirが、20〜85℃の温度範囲で−3.0×10−6/℃以上0/℃以下で、かつ20〜120℃の温度範囲で−2.0×10−6/℃以上0/℃以下のNi系フェライトであって、前記Ni系フェライトの成分組成が、47.0mol%以上47.5mol%以下のFe、28.0mol%以上32.0mol%以下のZnO、6.0mol%以上9.0mol%以下のCuO、0.3mol%以上1.2mol%以下のMnO、及び残部NiOとして表され、FeとMnOとの合計量が、47.5mol%以上48.2mol%以下であるNi系フェライトである。
第1の発明においては、高温側の温度範囲において、20〜85℃、20〜120℃の2つの温度範囲にて算出される相対温度係数αμirを評価することで、高温側の温度変化に対する初透磁率μiの変動を確度高く評価することが出来る。
また、第1の発明において、周波数100kHzでの初透磁率の相対温度係数αμirが−40〜20℃の温度範囲で−3.0×10−6/℃以上0/℃以下のNi系フェライトであって、MnOが0.3mol%以上0.7mol%以下で、FeとMnOとの合計量が47.5mol%以上47.9mol%以下であるのが好ましい。このようなNi系フェライトは、−40〜120℃の温度範囲で相対温度係数αμirが小さくて、かつ負の変化であって、温度変化に対してインダクタンスの変動が一層小さいものとなる。
第2の発明は、第1の発明のNi系フェライトを用いたコイル部品であって、前記コイル部品は、コイルと、前記コイルの磁路に配置される第1の発明のNi系フェライトで構成された磁心とを含み、少なくとも一部が樹脂で被覆されたコイル部品である。本発明のコイル部品によれば、被覆樹脂とNi系フェライトとの間で生じる圧縮応力に対してインダクタンスの変動が小さいものとなる。
本発明によれば、初透磁率μiが大きくて、温度変化に対して初透磁率μiの変動が小さく、相対温度係数αμirが0/℃以下となるNi系フェライトと、それを用いたコイル部品を提供することができる。
本発明のコイル部品の一例を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るNi系フェライトのFeのモル量とMnOのモル量との合計量と相対温度係数αμirとの関係を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係るNi系フェライトとそれを用いたコイル部品について具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で適宜変更可能である。
(A)組成
本実施形態のNi系フェライトは、Fe、ZnO、CuO、MnO、NiOの総量を100mol%とし、47.0mol%以上47.5mol%以下のFe、28.0mol%以上32.0mol%以下のZnO、6.0mol%以上9.0mol%以下のCuO、0.3mol%以上1.2mol%以下のMnO、及び残部NiOとし、FeとMnOとの合計量が、47.5mol%以上48.2mol%以下で表される組成で構成される。各素原料中には数ppm〜数百ppm程度の不可避的不純物元素が含まれ得る。具体的な不可避的不純物元素としては、Si、Ca、B、C、S、Cl、Se、Br、Te、I、Li、Na、Mg、Al、K、Ga、Ge、Sr、In、Sn、Sb、Ba、Bi、Sc、Ti、V、Cr、Y、Nb、Mo、Pd、Ag、Hf、Ta等が挙げられるが、Ni系フェライト中の不可避的不純物はFe、ZnO、CuO、MnO、NiOの総量100質量部に対して総量で1質量部以下とし、極力少なく抑えるのが好ましい。不可避的不純物の中でもNa、S、Cl、P、Cr、Bはできるだけ少ない方が好ましく、その工業的な許容範囲は合計で0.1質量部以下、より好ましくは0.05質量部以下であるのが好ましい。
本実施形態の組成について、以下説明する。一般に相対温度係数αμirはFeの量が増えるに従って大きくなる傾向がある。本発明のNi系フェライトでは、高温側の温度範囲において、特には20〜120℃の温度範囲にて相対温度係数αμirが負となるようにFeを47.0mol%以上47.5mol%以下としている。そしてMnOを0.3mol%以上1.2mol%以下として相対温度係数αμirを調整し、Feとの合計量を47.5mol%以上47.9mol%以下とすることで、20〜85℃、20〜120℃の2つの温度範囲で相対温度係数αμirを−2.0×10−6/℃以上0/℃以下となるようにしている。
Feが47.0mol%未満であると相対温度係数αμirが負の側に大きくなり、47.5mol%超では正の側に大きくなって、MnOによる相対温度係数αμirの調整によっても、20〜85℃、20〜120℃の2つの温度範囲で所望の相対温度係数αμirが得られない場合がある。
MnOは、Mnフェライト[Fe・(Mn,Zn)O]を形成すると考えられ、初透磁率μiの向上するのにも効果が得られる。MnOが0.3mol%未満だと、所望の相対温度係数αμirが得られない場合や、初透磁率μiの向上の効果が得られない場合がある。あるいは1.2mol%超だと所望の相対温度係数αμirが得られない場合がある。より好ましいMnOの含有量は0.3mol%以上0.7mol%以下である。
ZnOが28.0mol%未満であると所望の初透磁率が得られず、32.0mol%超では、キュリー温度が低下して所望の相対温度係数αμirが得られない場合がある。なおFe及びZnOのモル量から計算により求められるキュリー温度Tcは、Fe含有量及びZn含有量が上記範囲であれば凡そ110〜190℃の範囲となり、100℃を超える温度であっても実用上問題が無い。
CuOが6.0mol%未満では緻密化が不足し所望の初透磁率が得られ難い。一方で9.0 mol%超であると、結晶組織に20μmを超える粗大粒が多く現れ、好ましい応力特性が得られない場合がある。CuOの好ましい含有量は6.5mol%以上であり、より好ましくは7.0mo%以上であり、さらに好ましくは7.5mol%以上である。また8.5mol%以下が好ましい。
またNiOは残部であって、10.3mol%以上18.7mol%以下であるのが好ましい。好ましくは、NiOは12.0mol%以上であり、さらに好ましくは13.0mol%以上である。また17.0mol%以下が好ましく、さらに好ましくは16.0mol%以下である。
各成分の定量は、蛍光X線分析及びICP発光分光分析により行うことができる。予め蛍光X線分析により含有元素の定性分析を行い、次に含有元素を標準サンプルと比較する検量線法により定量する。
(B)Ni系フェライトの磁心の製造方法
本実施形態のNi系フェライトの磁心を製造する場合、Fe、ZnO、CuO、MnO及びNiOを所定割合で湿式混合した後、乾燥し、800〜1000℃で仮焼成してスピネル化した仮焼粉とするのが好ましい。得られた仮焼粉をイオン交換水とともにボールミルに投入し、平均粉砕粒径(空気透過法)が1.7〜2.1μmとなるまで粉砕してスラリーとすれば良い。得られたスラリーにバインダとしてポリビニルアルコールを加え、スプレードライヤーにて顆粒化した後、加圧成形して所定形状の成形体を得ることが出来る。
得られた成形体を焼成炉にて焼結してNi系フェライトの磁心を得る。焼成工程は昇温工程と、高温保持工程と、降温工程とを有する。焼成工程における雰囲気は、不活性ガス雰囲気でも良いし大気雰囲気でも構わない。ここで、成形体は昇温工程を経て、高温保持工程の設定された高温温度に到達し、焼結される。この高温保持工程において、焼成炉の設定温度は1050〜1200℃とするのが好ましい。温度が1050℃未満であると焼結が不十分で、初透磁率μiが小さく、磁心の強度が得られない場合がある。また温度が1200℃超であると焼結が過剰となり、また焼成炉のエネルギー消費も多くなって製造コストの上昇を招くため好ましくない。
この様なNi系フェライトの磁心の使用に好適な、アンテナ回路で用いられるアンテナの構成例を図1に示す。アンテナ1は、コイル5と、その空芯部に通された磁心7と、前記コイル5及び磁心7の少なくとも一部を被覆する樹脂材8(破線で示した)とを含むコイル部品であって、樹脂モールド型アンテナとも呼ばれる。モールド用の樹脂は、耐熱性、絶縁性、成形性等の観点からエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂又は液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂が用いられる。
本発明のコイル部品からなるアンテナを用いて構成するアンテナ回路はアンテナと並列にコンデンサが接続された共振回路と制御回路で構成することが出来る。アンテナのインダクタンスとコンデンサのキャパシタンスとにより決定される共振周波数は通信周波数にあわせて設定されるが、本発明によれば、温度変化に対して初透磁率μiの変動が抑えられるのでインダクタンスが安定し、アンテナとしての通信機能を損ねることがない。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
Fe、ZnO、CuO、MnO及びNiOの各成分が表1に示す割合となるように、素原料を湿式混合した後、乾燥し900℃で1時間仮焼成した。得られた仮焼粉をイオン交換水とともにボールミルに投入し、平均粉砕粒径が1.9μmとなるまで粉砕してスラリーとした。得られたスラリーにバインダとしてポリビニルアルコールを加え、スプレードライヤーにて顆粒化した後、加圧成形してリング状の成形体を得た。
得られた成形体を焼成炉にて大気中、1120℃で2時間保持して焼結し、外径30mm×内径20mm×高さ10mmの円環状のNi系フェライトの磁心を得た。なおNo.1〜No.7の試料では平均結晶粒径は8〜12μmであった。
Figure 2020155553
各試料の初透磁率μi、相対温度係数αμir、相対損失係数tanδ/μi、焼結体密度dsを、下記の方法により測定した。
(1)初透磁率μi
各試料を被測定物とし、導線を20ターン巻回してコイル部品とし、LCRメータ(アジレント・テクノロジー株式会社製4285A)により、恒温槽内にて温度20℃、周波数100kHz、1mAの電流で測定したインダクタンスから次式により求めた。
初透磁率μi=(le×L)/(μ×Ae×N
(le:磁路長、L:試料のインダクタンス(H)、μ:真空の透磁率=4π×10−7(H/m)、Ae:磁心の断面積、N:導線の巻数)
(2)相対損失係数tanδ/μi
初透磁率μiの測定にて、LCRメータ(アジレント・テクノロジー株式会社製4285A)により、温度20℃、周波数100kHzで1mAの電流条件で測定した試料のインダクタンスL(H)と抵抗(Ω)から損失係数tanδを求め、初透磁率μiで除して算出した。
(3)相対温度係数αμir
αμir=〔(μi−μi)/μi 〕/(T2−T1)
(ただし、T1及びT2は測定温度であり、μiは温度T1における初透磁率であり、μi2は温度T2における初透磁率である。)
電子恒温槽で−40℃〜120℃に調整したコイル部品に対して、前述の方法、条件で初透磁率μiを測定した。−40℃〜20℃の相対温度係数αμirの場合、T1=20℃であり、T2=−40℃であって、μi1は20℃における初透磁率であり、μi2は−40℃における初透磁率である。また20℃〜85℃の場合では、T1=20℃、T2=85℃、μi1は20℃における初透磁率、μi2は85℃における初透磁率である。20℃〜120℃の場合では、T1=20℃、T2=120℃、μi1は20℃における初透磁率、μi2は120℃における初透磁率である。
(4)焼結体密度ds
アルキメデスの原理を利用し、水中置換法により各試料の焼結体密度を算出した。
得られた結果を表2に纏めて示す。また図2にFeのモル量とMnOのモル量との合計量と相対温度係数αμirとの関係を示すグラフを示す。
Figure 2020155553
No.1〜7*の試料では、初透磁率μiは何れも465以上であった。相対温度係数αμirは、FeとMnOとの合計量が47.5mol%以上48.2mol%以下である実施例のNo.1〜4の試料(Ni系フェライトの磁心)では、20〜85℃の温度範囲で−3.0×10−6/℃以上0/℃以下で、かつ20〜120℃の温度範囲で−2.0×10−6/℃以上0/℃以下であり、本発明の実施例によれば、20℃を基準とした高温側の温度に対する初透磁率の変化率が小さく、かつ相対温度係数αμirが0/℃以下となっていた。一方、FeとMnOとの合計量が48.2mol%を超える比較例のNo.5*〜7*の試料では相対温度係数αμirが0/℃を超えて正の値となった。また、FeとMnOとの合計量が47.9mol%以下であるNo.1、2の試料では、−40〜20℃の温度範囲の条件でも、相対温度係数αμirは−3.0×10−6/℃以上0/℃以下であった。図2に示すように、相対温度係数αμirは、20〜85℃の温度範囲の条件、20〜120℃の温度範囲の条件でともにFeとMnOとの合計量に対して正の相関を示し、−40〜20℃の温度範囲の条件でも同様の傾向を示した。
このような本発明のNi系フェライトを使用したコイル部品は、温度変化によるコイル部品のインダクタンスの変動が小さく、小型のアンテナとすることが出来る。
1 アンテナ
5 コイル
7 Ni系フェライトの磁心
8 樹脂材

Claims (3)

  1. 温度20℃、周波数100kHzでの初透磁率μiが465以上で、
    周波数100kHzでの初透磁率の相対温度係数αμirが、20〜85℃の温度範囲で−3.0×10−6/℃以上0/℃以下で、かつ20〜120℃の温度範囲で−2.0×10−6/℃以上0/℃以下のNi系フェライトであって、
    前記Ni系フェライトの成分組成が、47.0mol%以上47.5mol%以下のFe、28.0mol%以上32.0mol%以下のZnO、6.0mol%以上9.0mol%以下のCuO、0.3mol%以上1.2mol%以下のMnO、及び残部NiOとして表され、FeとMnOとの合計量が、47.5mol%以上48.2mol%以下であるNi系フェライト。
  2. 周波数100kHzでの初透磁率の相対温度係数αμirが、−40〜20℃の温度範囲で−3.0×10−6/℃以上0/℃以下のNi系フェライトであって、
    MnOが0.3mol%以上0.7mol%以下で、FeとMnOとの合計量が47.5mol%以上47.9mol%以下である請求項1に記載のNi系フェライト。
  3. 請求項1又は2に記載のNi系フェライトを用いたコイル部品であって、
    前記コイル部品は、コイルと、前記コイルの磁路に配置される前記Ni系フェライトで構成された磁心とを含み、少なくとも一部が樹脂で被覆されたコイル部品。


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