JP2020155394A - 充電可能電池温度推定装置および充電可能電池温度推定方法 - Google Patents

充電可能電池温度推定装置および充電可能電池温度推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電解液量の変化に関わらず温度を正確に推定すること。【解決手段】充電可能電池の内部温度を推定する充電可能電池温度推定装置において、充電可能電池14に流れる電流および充電可能電池の外部温度の少なくとも一方と、充電可能電池の内部温度との関係を示す関係式に基づいて内部温度を計算する計算手段(アルゴリズム30)と、充電可能電池の液量を推定する液量推定手段(電解液量推定部39)と、液量推定手段によって推定された液量に基づいて関係式の係数を補正する補正手段(係数補正部40)と、補正手段によって係数が補正された関係式に基づいて、計算手段によって計算された内部温度を出力する出力手段(加算回路37)と、を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、充電可能電池温度推定装置および充電可能電池温度推定方法に関するものである。
近年、自動車等においては、充電可能電池に蓄積されている電力によって動作する電気デバイスの数が増加するとともに、例えば、電動ステアリングおよび電動ブレーキ等のように走行の安全に関連するデバイスも充電可能電池によって駆動されるようになっている。このような充電可能電池は、温度によってその特性が変化することが知られている。例えば、充電可能電池の容量は温度が低くなる程小さくなるので、温度が低い場合にはエンジンの始動性が低下する場合がある。このため、安全面も考慮して、充電可能電池の温度を知る必要があるが、充電可能電池には、強酸性または強アルカリ性の腐食性が高い電解液が使用されているため、充電可能電池内部に温度検出部を設置して内部温度を検出することは困難である。
特許文献1には、充電可能電池の外部温度を検出する温度検出部によって検出された温度検出値と、過去の温度推定値との差分値に対して比例演算と積分演算を施すことで充電可能電池温度を推定する方法が提示されている。
また、特許文献2には、充放電電流による化学反応熱とジュール熱をそれぞれ算出し、その和を算出し、その和に基づいて電池温度を推定する方法が提示されている。
特開2012−192811号公報 特開2017−157348号公報
ところで、特許文献1,2に開示された技術では、充電可能電池の電解液の量については考慮していないため、電解液の量が増減した場合には、温度の推定精度が低下するという問題点がある。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、電解液量の変化に関わらず温度を正確に推定することが可能な充電可能電池温度推定装置および充電可能電池温度推定方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一側面は、充電可能電池の内部温度を推定する充電可能電池温度推定装置において、前記充電可能電池に流れる電流および前記充電可能電池の外部温度の少なくとも一方と、前記充電可能電池の前記内部温度との関係を示す関係式に基づいて前記内部温度を計算する計算手段と、前記充電可能電池の液量を推定する液量推定手段と、前記液量推定手段によって推定された前記液量に基づいて前記関係式の係数を補正する補正手段と、前記補正手段によって係数が補正された前記関係式に基づいて、前記計算手段によって計算された前記内部温度を出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、電解液量の変化に関わらず温度を正確に推定することが可能となる。
また、本発明の一側面は、前記充電可能電池の外部温度を検出する温度検出部から出力される外部温度検出値を取得する温度取得手段をさらに有し、前記補正手段は、前記関係式の外部温度に係る係数を補正し、前記計算手段は、係数が補正された前記関係式に前記外部温度検出値を適用し、前記充電可能電池の前記内部温度を計算する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、外部温度に基づいて内部温度を正確に推定することが可能になる。
また、本発明の一側面は、前記充電可能電池に流れる電流を検出する電流検出部から出力される電流検出値を取得する電流取得手段をさらに有し、前記補正手段は、前記関係式の電流に係る係数を補正し、前記計算手段は、係数が補正された前記関係式に前記電流検出値を適用し、前記充電可能電池の前記内部温度を計算する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、充電可能電池に流れる電流に基づいて内部温度を正確に推定することが可能になる。
また、本発明の一側面は、前記計算手段は、前記充電可能電池に流れる電流によって発生するジュール熱および化学反応熱に基づいて前記内部温度を計算することを特徴とする。
このような構成によれば、ジュール熱と化学反応熱の2つの要素に基づいて、内部温度を正確に推定することができる。
また、本発明の一側面は、前記計算手段は、前記電流検出値に第1係数を乗算することで電流による発熱量を計算し、前記外部温度検出値と、過去の前記内部温度の推定値との差分値を算出し、前記差分値に対して第2係数を含む比例演算を施し、前記発熱量と前記差分値との加算値に対して第3係数を含む積分演算を施し、前記比例演算と前記積分演算によって得られた値を加算して前記内部温度を推定し、前記補正手段は、前記液量に基づいて、前記第1係数、前記第2係数、および、前記第3係数を補正する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、3つの係数を補正することで、内部温度を正確に推定することができる。
また、本発明は、前記計算手段は、前記電流検出部によって検出された前記電流検出値に応じて前記第1係数の値を変化させることを特徴とする。
このような構成によれば、電流の値に応じて第1係数を補正することで、内部温度を一層正確に推定することができる。
また、本発明の一側面は、前記計算手段は、前記充電可能電池が充電中と放電中で異なる前記第1係数を設定することを特徴とする。
このような構成によれば、充電中と放電中で第1係数を変更することで、内部温度を一層正確に推定することができる。
また、本発明の一側面は、前記計算手段は、以下の式に基づいて前記内部温度の推定値を得る、Tb(n)=VT_prop(n)+VT_integ(n)ここで、VT_prop(n)=dT(n)×G_prop VT_integ(n)=dT(n)×G_integ+VT_integ(n−1) +I(n)×α また、Tb(n)は前記充電可能電池の前記内部温度の推定値、dT(n)は前記温度検出部によって検出された前記外部温度検出値と過去の前記内部温度の推定値との前記差分値、αは前記発熱量に係る前記第1係数、G_propは前記比例演算の前記第2係数、G_integは前記積分演算の前記第3係数、I(n)は前記電流検出部によって検出された前記電流検出値である、ことを特徴とする。
このような構成によれば、計算式に基づいて、内部温度をより正確に推定することができる。
また、本発明の一側面は、前記出力手段は、車両に搭載された前記充電可能電池の温度を推定して出力し、前記車両が有するプロセッサは、前記出力手段から出力される温度の推定値に基づいて前記車両の動作状態を変更することを特徴とする。
このような構成によれば、充電可能電池の内部温度に基づいて、車両の制御を効率よく実行することができる。
また、本発明の一側面は、充電可能電池の内部温度を推定する充電可能電池温度推定方法において、前記充電可能電池に流れる電流および前記充電可能電池の外部温度の少なくとも一方と、前記充電可能電池の前記内部温度との関係を示す関係式に基づいて前記内部温度を計算する計算ステップと、前記充電可能電池の液量を推定する液量推定ステップと、前記液量推定ステップにおいて推定された前記液量に基づいて前記関係式の係数を補正する補正ステップと、前記補正ステップによって係数が補正された前記関係式に基づいて、前記計算ステップにおいて計算された前記内部温度を出力する出力ステップと、を有することを特徴とする。
このような方法によれば、電解液量の変化に関わらず温度を正確に推定することが可能となる。
また、本発明の一側面は、充電可能電池の内部温度を推定する充電可能電池温度推定装置において、プロセッサと、前記プロセッサによって読み込まれて実行された場合に以下の動作を実行する複数の実行可能な命令群を記憶するメモリと、を有し、前記充電可能電池に流れる電流および前記充電可能電池の外部温度の少なくとも一方と、前記充電可能電池の前記内部温度との関係を示す関係式に基づいて前記内部温度を計算し、前記充電可能電池の液量を推定し、推定された前記液量に基づいて前記関係式の係数を補正し、係数が補正された前記関係式に基づいて計算された前記内部温度を出力する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、電解液量の変化に関わらず温度を正確に推定することが可能となる。
本発明によれば、電解液量の変化に関わらず温度を正確に推定することが可能な充電可能電池温度推定装置および充電可能電池温度推定方法を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係る充電可能電池温度推定装置の構成例を示す図である。 図1の制御部の詳細な構成例を示すブロック図である。 図2に示すプログラムが実行された場合に実現されるアルゴリズムを示すブロック線図である。 充電可能電池のサイズと電解液量との関係を示す図である。 硫酸濃度と比熱との関係を示す図である。 本発明の実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の効果を説明するための図である。 図3の変形実施形態を示す図である。 図3の変形実施形態を示す図である。 図3の変形実施形態を示す図である。 図3の変形実施形態を示す図である。 図3の変形実施形態を示す図である。 図3の変形実施形態を示す図である。 図3の変形実施形態を示す図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。
(A)本発明の実施形態の構成の説明
図1は、本発明の実施形態に係る充電可能電池温度推定装置を有する車両の電源系統を示す図である。この図において、充電可能電池温度推定装置1は、制御部10、電圧検出部11、電流検出部12、および、温度検出部13を主要な構成要素としており、充電可能電池14の内部温度を推定し、図示しない上位の装置(例えば、ECU(Electric Control Unit))に通知する。
ここで、制御部10は、電圧検出部11、電流検出部12、および、温度検出部13からの出力を参照し、充電可能電池14の内部温度を推定する。また、制御部10は、充電可能電池14の状態を検出するとともに、オルタネータ15の発電電圧を制御することで充電可能電池14の充電状態を制御する。なお、電圧検出部11、電流検出部12、および、温度検出部13は、制御部10に内蔵してもよいし、制御部10の外部に設けるようにしてもよい。
電圧検出部11は、充電可能電池14の端子電圧を検出し、電圧検出信号としてI/F10eを介してCPU10aに供給する。電流検出部12は、充電可能電池14に流れる電流を検出し、電流検出信号としてI/F10eを介してCPU10aに供給する。
温度検出部13は、例えば、サーミスタまたは熱電対等によって構成され、充電可能電池14の電槽に近接した位置に配置され、充電可能電池14の外部温度を検出し、温度検出信号としてI/F10eを介してCPU10aに供給する。
なお、本実施形態において、「内部温度」とは、充電可能電池14の電解液の温度をいうものとする。また、外部温度とは、充電可能電池14の外部の温度であって、例えば、充電可能電池14が配置された環境の雰囲気温度または電槽を構成する樹脂の温度をいうものとする。
もちろん、外部温度として、充電可能電池14の電極端子(不図示)自体の温度、その周辺温度、または、図示しない液口栓内の温度を用いることも可能である。なお、内部温度を推定する対象となるのは電解液であるので、温度検出部13を設ける位置としては、例えば、電槽の電解液が満たされている部分の近傍であることが望ましい。また、内部温度は、後述するように、エンジン16からの熱に影響を受けるので、温度検出部13を取り付ける位置としては、エンジン16にできるだけ近い位置とすることができる。
なお、制御部10がオルタネータ15の発電電圧を制御することで充電可能電池14の充電状態を制御するのではなく、例えば、図示しないECUが充電状態を制御するようにしてもよい。
充電可能電池14は、電解液を有する充電可能電池、例えば、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、または、ニッケル水素電池等によって構成され、オルタネータ15によって充電され、スタータモータ17を駆動してエンジンを始動するとともに、負荷18に電力を供給する。なお、充電可能電池14は、複数のセルを直列接続して構成されている。オルタネータ15は、エンジン16によって駆動され、交流電力を発生して整流回路によって直流電力に変換し、充電可能電池14を充電する。オルタネータ15は、制御部10によって制御され、発電電圧を調整することが可能とされている。
エンジン16は、例えば、ガソリンエンジンおよびディーゼルエンジン等のレシプロエンジンまたはロータリーエンジン等によって構成され、スタータモータ17によって始動され、トランスミッションを介して駆動輪を駆動し、車両に推進力を与えるとともに、オルタネータ15を駆動して電力を発生させる。スタータモータ17は、例えば、直流電動機によって構成され、充電可能電池14から供給される電力によって回転力を発生し、エンジン16を始動する。負荷18は、例えば、電動ステアリングモータ、デフォッガ、シートヒータ、イグニッションコイル、カーオーディオ、および、カーナビゲーション等によって構成され、充電可能電池14からの電力によって動作する。
図2は、図1に示す制御部10の詳細な構成例を示す図である。この図に示すように、制御部10は、CPU(Central Processing Unit)10a、ROM(Read Only Memory)10b、RAM(Random Access Memory)10c、通信部10d、I/F(Interface)10e、および、バス10fを有している。ここで、プロセッサとしてのCPU10aは、ROM10bに格納されているプログラム10baに基づいて各部を制御する。ROM10bは、半導体メモリ等によって構成され、CPU10aによって実行可能なプログラム10ba等を格納している。RAM10cは、半導体メモリ等によって構成され、プログラム10baを実行する際に生成されるデータや、後述するテーブル等のデータ10caを格納する。通信部10dは、上位の装置であるECU等との間で通信を行い、検出した情報または制御情報を上位装置に通知する。I/F10eは、電圧検出部11、電流検出部12、および、温度検出部13から供給される信号をデジタル信号に変換して取り込むとともに、オルタネータ15、および、スタータモータ17等に駆動電流を供給してこれらを制御する。バス10fは、CPU10a、ROM10b、RAM10c、通信部10d、および、I/F10eを相互に接続し、これらの間で情報の授受を可能とするための信号線群である。なお、CPU10aの代わりに、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、または、ASIC(Application Specified Integrated Circuit)を用いるようにしてもよい。
図3は、図2に示すプログラム10baが実行されることにより実現される温度推定アルゴリズムを示すブロック線図である。この図に示すアルゴリズム30は、加減算回路31、定数倍回路32〜34、加算回路35,37、積分回路36、遅延回路38、電解液量推定部39、および、係数補正部40を有している。
ここで、加減算回路31は、温度検出部13から供給される温度検出値Ta(n)から、遅延回路38から出力される前回の温度推定値Tb(n−1)を減算し、得られた値を差分値dT(n)として出力する。なお、nは処理回数を示している。
定数倍回路32は、加減算回路31から出力される差分値dT(n)に対して積分ゲインであるG_integを乗算して得られる値を出力する。定数倍回路33は、加減算回路31から出力される差分値dT(n)に対して比例ゲインであるG_propを乗算して得られる値を出力する。
定数倍回路34は、電流検出部12によって検出される電流検出値Iを入力し、係数であるαを乗算して得られる値を出力する。加算回路35は、定数倍回路32から出力される値と、定数倍回路34から出力される値を加算して出力する。
積分回路36は、加算回路35から出力される値を積分して出力する。加算回路37は、定数倍回路33の出力値と、積分回路36の出力値を加算し、得られた値を温度推定値Tb(n)として出力する。
遅延回路38は、加算回路37から出力される温度推定値Tb(n)を1サンプル期間分だけ遅延し、Tb(n−1)として加減算回路31に出力する。
なお、以上のブロック線図は以下の式(1)〜(3)によって表される。
Tb(n)=VT_prop(n)+VT_integ(n) ・・・(1)
ここで、
VT_prop(n)=dT(n)×G_prop ・・・(2)
また、
VT_integ(n)=dT(n)×G_integ+VT_integ(n−1)
+I(n)×α
・・・(3)
電解液量推定部39は、後述するように、充電時の電流の時間積分値に基づいて、充電可能電池14の電解液の量を推定し、係数補正部40に通知する。
係数補正部40は、電解液量推定部39によって推定された電解液の量に基づいて、定数倍回路32〜34の定数を補正する処理を実行する。
(B)本発明の実施形態の動作の説明
つぎに、本実施形態の動作の概略について説明する。本実施形態では、図2に示すプログラム10baを実行することにより、図3に示すブロック線図のアルゴリズムを実現する。図3に示すアルゴリズムでは、電解液量推定部39が電解液量を推定し、係数補正部40に通知する。
図4は、充電可能電池のサイズと、それぞれのサイズの充電可能電池の上限時と下限時における電解液量を示している。図4の横軸は充電可能電池の種類(EN規格の形式名LN0〜LN6)を示し、縦軸は電解液体積(L)を示している。また、図4の丸は電解液の下限時(充電可能電池14のLOWER線の位置)の電解液量を示し、四角は上限時(充電可能電池14のUPPER線の位置)の電解液量を示している。この図から、上限時と下限時とでは、約15〜20%程度の体積変化が生じる。このため、減液が生じると、電解液の体積が減少することから、充電可能電池14の熱容量が減少する。
図5は、電解液の主成分である硫酸の濃度と比熱の関係を示す図である。図5の横軸は硫酸の濃度(%)を示し、縦軸は比熱(J/kg℃)を示している。硫酸は不揮発性であるため、減液が生じて水が蒸発すると、硫酸の濃度が増加する。硫酸の濃度が増加すると、図5に示すように、比熱が減少する。このため、減液が生じると、充電可能電池14の硫酸濃度が増加するため、熱容量が減少する。
図3に示すアルゴリズムでは、充電可能電池14の熱的な等価回路に基づいて内部温度を推定することから、熱的な等価回路の熱容量が変化した場合には、係数を補正する必要がある。本実施形態では、係数補正部40が電解液量に基づいて、定数倍回路32〜34の定数を補正する。
より詳細には、係数補正部40は、電解液量に応じて、定数倍回路32の係数αを補正(設定)する。ここで、αは、充電可能電池14に流れる電流の値と、電流の方向によって値が変化する係数である。より詳細には、定数倍回路34の係数αの値は、以下のように表すことができる。
充電可能電池14が充電されている場合
α=fc(I) ・・・(4)
充電可能電池14が放電されている場合
α=fd(I) ・・・(5)
ここで、fc(I)は電流Iを独立変数とする関数であり充電電流Iに応じて値が変化する関数である。また、fd(I)は電流Iを独立変数とする関数であり放電電流Iに応じて値が変化する関数である。
fc(I)およびfd(I)は、実測によって求めることができる。fc(I)およびfd(I)の電流依存性は、前述したように電解液量によって変化するだけでなく、充電可能電池14を温度変化から保護するためのインシュレータの有無、充電可能電池14のサイズ、極板の枚数、種類(通常液式、シール式)等によって変化する。このため、インシュレータの有無およびサイズ、極板の枚数、種類(通常液式、シール式)等によってfc(I)およびfd(I)を個別に求める。また、電解液量に応じたfc(I)およびfd(I)を求め、係数補正部40に予め格納しておき、電解液量推定部39から供給される電解液量に応じたfc(I)およびfd(I)を選択して係数を補正することで、係数を適切に設定することができる。
あるいは、α=fc(I)×acおよびα=fd(I)×adとし、電解液量に応じたacおよびadを選択して乗算することで、適切な係数を設定することができる。
すなわち、電解液量に応じて係数αを補正する方法としては、例えば、以下の方法がある。もちろん、電解液量に基づいて係数αが適切に設定される方法であれば、これらに限定されるものではない。
(A)電解液量とαの関係を示す関係式を求め、関係式に電解液量を適用することで、適切なαを求めることができる。
(B)電解液量とαの関係を示す情報をテーブルに格納し、電解液量に対応する情報をテーブルから取得することで、適切なαを求めることができる。
(C)前述した式(4)および式(5)に対して、電解液量に応じた所定の係数adおよび係数acを乗算することで、適切なαを求めることができる。
なお、車載の鉛蓄電池を例に挙げると、鉛蓄電池の放電反応は吸熱反応であり、充電反応は化学反応熱およびジュール熱による発熱反応である。このため、充電の場合と放電の場合に分けてそれぞれに適合する関数fc(I)およびfd(I)を用いることで、高精度に内部温度を求めることができる。
また、充電可能電池14の劣化状態によっても、fc(I)およびfd(I)が変化する。例えば、鉛蓄電池の場合、劣化が進行すると、内部抵抗が増加することから、ジュール熱(I×R)が増加する。このため、充電可能電池14の劣化状態に応じて、fc(I)およびfd(I)を補正することで、劣化状態に拘わらず、内部温度を精度良く推定することが可能となる。
また、係数補正部40は、電解液量に応じて積分ゲインであるG_integを補正して定数倍回路32に設定するとともに、比例ゲインであるG_propを補正して定数倍回路33に設定する。より詳細には、係数補正部40は、以下の方法によって、G_integおよびG_propを補正することができる。もちろん、電解液量に基づいて係数G_integおよび係数G_propが適切に設定される方法であれば、これらに限定されるものではない。
(D)電解液量と係数G_integおよび係数G_propの関係を示す関係式をそれぞれ求め、関係式に電解液量を適用することで、適切な係数G_integおよび係数G_propを求めることができる。
(E)電解液量と係数G_integおよび係数G_propの関係を示す情報をテーブルに格納し、電解液量に対応する情報をテーブルから取得することで、適切な係数G_integおよび係数G_propを求めることができる。
(F)係数G_integおよび係数G_propに対して、電解液量に応じた所定の係数a_integおよび係数a_propを乗算することで、適切な係数G_integおよび係数G_propを求めることができる。
設定が完了すると、図3に示すアルゴリズム30に基づいて、充電可能電池14の内部温度を推定する。より詳細には、電流検出部12から出力される電流検出信号および温度検出部13から出力される温度検出値を所定の周期でサンプリングし、比例演算および積分演算に基づいて温度推定値を出力する。そして、このようにして得られた温度推定値は、図示せぬECUに供給され、ECUは、供給された温度推定値に基づいて、例えば、充電率(SOC:State of Charge)の温度補正等の処理を実行する。
すなわち、加減算回路31は、温度検出部13から供給される温度検出値Ta(n)を入力し、遅延回路38から供給される1サンプリング周期前の温度推定値であるTb(n−1)と加算してdT(n)として出力する。
定数倍回路32は、加減算回路31から出力されるdT(n)に対して積分ゲインであるG_integを乗算して出力する。定数倍回路33は、加減算回路31から出力されるdT(n)に対して比例ゲインであるG_propを乗算して出力する。
定数倍回路34は、電流検出部12から供給される電流検出値I(n)に対して係数αを乗算して出力する。
加算回路35は、定数倍回路34の出力値と定数倍回路32の出力値とを加算して積分回路36に供給する。積分回路36は、加算回路35の出力値を積分して加算回路37に供給する。加算回路37は、積分回路36の出力値と、定数倍回路33の出力値とを加算して充電可能電池14の内部温度に関する温度推定値Tb(n)として出力する。
遅延回路38は、加算回路37の出力値を1サンプリング期間分だけ遅延して加減算回路31に供給する。
以上の動作によって、電流検出部12による電流検出値と、温度検出部13による温度検出値とに基づいて、充電可能電池14の内部温度を推定することができる。
以上に説明したように、本発明の実施形態では、電解液量を求め、電解液量に応じてα,G_integ,G_propを補正し、これらの定数を有する図3のアルゴリズム30に基づいて、充電可能電池14の内部温度を推定するようにしたので、電解液量に拘わらず、充電可能電池14の内部温度を正確に推定することができる。
つぎに、図6を参照して、図3に示す電解液量推定部39の機能を実現するために、図1に示す制御部10で実行される処理の詳細について説明する。図6に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS10では、CPU10aは、エンジン16の停止から所定の時間(例えば、数時間)の経過時において、I/F10eを介して、電圧検出部11によって検出された電圧検出値Vを取得し、これをOCV(Open Circuit Voltage:開回路電圧)とする。
ステップS11では、CPU10aは、ステップS10で測定したOCVが前回の測定時に比較して、所定値以上減少したか否かを判定し、所定値以上減少したと判定した場合(ステップS11:Y)にはステップS12に進み、それ以外の場合(ステップS11:N)にはステップS14に進む。
ステップS12では、CPU10aは、OCVが所定値以上減少した場合には、補液がされた(電解液の減少に対応して蒸留水が補充された)と判定する。すなわち、補液がされるとOCVが減少することから、OCVが所定値以上減少した場合には補液がされたと判定することができる。なお、判断基準となる値は、例えば、実測によって求めることができる。
ステップS13では、CPU10aは、図3に示すアルゴリズムの電解液量推定部39に対して、電解液量の推定値を上限レベルに設定させる。すなわち、補液は、通常、充電可能電池14の上限レベルまで行われるので、ステップS12において、補液がされたと判定した場合には、電解液量を上限レベルに設定する。
ステップS14では、CPU10aは、OCVとSOCの関係式に対して、ステップS10で計測したOCVを適用し、充電可能電池14のSOCを推定する。なお、OCVからSOCを求めるのではなく、充電可能電池14に流れる電流を累積加算することで、SOCを求めるようにしてもよい。
ステップS15では、CPU10aは、ステップS14において求めたSOCを参照し、SOCが満充電状態であるか否かを判定し、満充電状態であると判定した場合(ステップS15:Y)にはステップS16に進み、それ以外の場合(ステップS15:N)にはステップS19に進む。
ステップS16では、CPU10aは、充電可能電池14の充電時において、I/F10eを介して電流検出部12によって検出された電流検出値Iを取得し、これを充電時電流検出値Iとする。
ステップS17では、CPU10aは、充電時間Tを検出する。例えば、ステップS16の測定が所定の周期Tsで(例えば、数秒おきに)実行されている場合には、充電時間TはTsとすることができる。
ステップS18では、CPU10aは、減液量として、β1×I×Tを設定する。すなわち、充電可能電池14が満充電になった後に充電がされると、充電可能電池14に流れる電流は電解液の電気分解に主に使用されることから、電流の時間積分値に所定の定数β1を乗算した値によって、減液量を推定することができる。
ステップS19では、CPU10aは、充電可能電池14の充電時において、I/F10eを介して電流検出部12によって検出された電流検出値Iを取得し、これを充電時電流検出値Iとする。
ステップS20では、CPU10aは、充電時間Tを検出する。例えば、ステップS16の測定が所定の周期Tsで(例えば、数秒おきに)実行されている場合には、充電時間TはTsとすることができる。
ステップS21では、CPU10aは、減液量として、β2×I×Tを設定する。すなわち、充電可能電池14が満充電でない場合においても、充電可能電池14の電解液の電気分解が若干ながら発生することから、電流の時間積分値に所定の定数β2を乗算した値によって、減液量を推定することができる。なお、β2<β1である。
ステップS22では、CPU10aは、減液量を累積加算する。すなわち、ステップS18またはステップS21で求めた減液量を累積加算して、減液量を求める。
ステップS23では、CPU10aは、ステップS22で求めた減液量に基づいて、その時点における電解液量を推定する。例えば、新品の充電可能電池14が搭載されてから、あるいは、ステップS13において上限レベルに設定してから、その時点までにおいて、ステップS22において求めた減液量の累積加算値を、上限値から減算することで、その時点の電解液量を推定する。なお、このようにして求めた電解液量は、図3に示す電解液量推定部39に供給する。
ステップS24では、CPU10aは、処理を継続するか否かを判定し、処理を継続すると判定した場合(ステップS24:Y)にはステップS10に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返し、それ以外の場合(ステップS24:N)には処理を終了する。
つぎに、図7を参照して、図3に示す係数補正部40の機能を実現するために、図1に示す制御部10で実行される処理の詳細について説明する。図7に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS30では、CPU10aは、図6のステップS23で推定された電解液量を取得する。
ステップS31では、CPU10aは、ステップS30で取得した電解液量に基づいて前述した式(4)に示す充電用αを補正し、図3に示すアルゴリズムに設定する。なお、補正方法としては、前述した(A)〜(C)の方法がある。
ステップS32では、CPU10aは、ステップS30で取得した電解液量に基づいて前述した式(5)に示す放電用αを補正し、図3に示すアルゴリズムに設定する。なお、補正方法としては、前述した(A)〜(C)の方法がある。
ステップS33では、CPU10aは、ステップS30で取得した電解液量に基づいて積分ゲインであるG_integを補正し、図3に示すアルゴリズムに設定する。なお、補正方法としては、前述した(D)〜(F)の方法がある。
ステップS34では、CPU10aは、ステップS30で取得した電解液量に基づいて比例ゲインであるG_propを補正し、図3に示すアルゴリズムに設定する。なお、補正方法としては、前述した(D)〜(F)の方法がある。
ステップS35では、CPU10aは、処理を継続するか否かを判定し、処理を継続すると判定した場合(ステップS35:Y)にはステップS30に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返し、それ以外の場合(ステップS35:N)には処理を終了する。
つぎに、図8を参照して、係数αに関する処理について説明する。図8に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS50では、CPU10aは、I/F10eを介して、電流検出部12によって検出された電流検出値Iを取得する。なお、充電可能電池14が充電されている場合には電流検出値をプラスとし、充電可能電池14が放電されている場合には電流検出値をマイナスと定義することができる。もちろん、この逆の定義でもよい。
ステップS51では、CPU10aは、ステップS50で取得した電流検出値Iの絶対値Iaを算出する。例えば、ステップS50で取得した電流が−25Aである場合には、25Aが得られる。
ステップS52では、CPU10aは、ステップS51で算出した電流検出値の絶対値Iaと所定の閾値Thを比較し、Ia>Thと判定した場合(ステップS52:Y)にはステップS53に進み、それ以外の場合(ステップS52:N)にはステップS59に進む。例えば、Ia>Th(1A)の場合には、ステップS53に進む。
ステップS53では、CPU10aは、充電可能電池14が放電中か否かを判定し、放電中と判定した場合(ステップS53:Y)にはステップS54に進み、それ以外の場合(ステップS53:N)にはステップS55に進む。例えば、図3で取得した電流検出値がマイナスである場合には、放電中と判定することができる。
ステップS54では、CPU10aは、定数倍回路34に対して、式(5)に示すαを設定する。なお、このαの値は、前述した図7の処理により、電解液量に応じて補正される。
ステップS55では、CPU10aは、定数倍回路34に対して、式(4)に示すαを設定する。なお、このαの値は、前述した図7の処理により、電解液量に応じて補正される。
ステップS56では、充電可能電池14が劣化しているか否かを判定し、劣化していると判定した場合(ステップS56:Y)にはステップS57に進み、それ以外の場合(ステップS56:N)にはステップS58に進む。例えば、エンジン16を始動する際の電圧および電流を、電圧検出部11および電流検出部12によって測定し、これらから充電可能電池14の劣化を示すSOH(State of Health)を求める。そして、SOHが所定の閾値よりも小さい場合には劣化していると判定し、ステップS57に進む。
ステップS57では、CPU10aは、充電可能電池14の劣化状態に応じて、αの値を補正する。より詳細には、劣化が進んでいる場合には、内部抵抗が増加してジュール熱の発生量が増加することから、劣化の進行に応じて、前述した充電用のαおよび放電用のαを補正する。
ステップS58では、CPU10aは、充放電補正有り温度推定処理を実行する。より詳細には、図3において、定数倍回路34からの出力を考慮して、充電可能電池14の内部温度を推定する処理を実行する。
ステップS59では、CPU10aは、充放電補正無し内部温度推定処理を実行する。より詳細には、図3において、定数倍回路34からの出力を考慮せずに(定数倍回路34を停止して)、充電可能電池14の内部温度を推定する処理を実行する。
図9は、本発明の実施形態による液温の推定結果を示す図である。ここで、図9(A)は外気温の変化を示している。より詳細には、図9(A)の横軸は時間を示し、縦軸は温度を示している。
図9(B)は、図9(A)に示す外気温下における充電可能電池14の液温の推定値と実測値の関係を示している。図9(B)の二点鎖線は減液が生じていない通常時における液温変化の実測値を示している。間隔が長い破線は減液が生じていない通常時における液温変化の推定値を示している。一点鎖線は減液が生じている減液時における液温変化の実測値を示している。間隔が短い破線は減液が生じている減液時における液温変化の推定値を示している。一点鎖線と間隔の短い破線の比較、および、二点鎖線と間隔の長い破線の比較から、これらが近い値を示していることが分かる。
以上に説明したように、本発明の実施形態によれば、電解液量に拘わらず、充電可能電池14の内部温度を正確に推定することができる。
(C)変形実施形態の説明
以上の実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合にのみ限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、以上の実施形態では、図3に示すアルゴリズム30を用いるようにしたが、本発明は、図3のみに限定されるのではなく、図3以外のアルゴリズム30を用いるようにしてもよい。
例えば、図10〜図16に示すアルゴリズム30を用いるようにしてもよい。より詳細には、図10は、図3に比較すると、定数倍回路32が除外されている。これ以外は、図3と同様である。図10の構成例では、係数補正部40は、電解液量推定部39によって推定された電解液量に基づいて定数倍回路32,34の値を補正する。これにより、電解液量に応じて補正された係数αおよび係数G_integを用いて、電流による発熱と、積分ゲインに基づいて内部温度を推定することができる。
図11は、他の構成例を示している。図11では、図3と比較すると、定数倍回路32が除外されている。これ以外の構成は、図3と同様である。図11の構成例では、係数補正部40は、電解液量推定部39によって推定された電解液量に基づいて定数倍回路33,34の値を補正する。これにより、電解液量に応じて補正された係数αおよび係数G_propを用いて、電流による発熱と、比例ゲインに基づいて内部温度を推定することができる。
図12は、他の構成例を示している。図12では、図3と比較すると、定数倍回路34が除外されている。これ以外の構成は、図3と同様である。図12の構成例では、係数補正部40は、電解液量推定部39によって推定された電解液量に基づいて定数倍回路32,33の値を補正する。これにより、電解液量に応じて補正された係数G_integおよび係数G_propを用いて、積分ゲインと、比例ゲインに基づいて内部温度を推定することができる。
図13は、他の構成例を示している。図13では、図3と比較すると、定数倍回路32,33、加算回路37、および、遅延回路38が除外されている。これ以外の構成は、図3と同様である。図13の構成例では、係数補正部40は、電解液量推定部39によって推定された電解液量に基づいて定数倍回路34の値を補正する。これにより、電解液量に応じて補正された係数αを用いて、電流による発熱に基づいて内部温度を推定することができる。
図14は、他の構成例を示している。図14では、図3と比較すると、定数倍回路33,34および加算回路37が除外されている。これ以外の構成は、図3と同様である。図14の構成例では、係数補正部40は、電解液量推定部39によって推定された電解液量に基づいて定数倍回路32の値を設定する。これにより、電解液量に応じて補正された係数G_integを用いて、積分ゲインに基づいて内部温度を推定することができる。
図15は、他の構成例を示している。図15では、図3と比較すると、定数倍回路32,34、積分回路36、および、加算回路35,37が除外されている。これ以外の構成は、図3と同様である。図15の構成例では、係数補正部40は、電解液量推定部39によって推定された電解液量に基づいて定数倍回路33の値を補正する。これにより、電解液量に応じて補正された係数G_propを用いて、比例ゲインに基づいて内部温度を推定することができる。
図16は、他の構成例を示している。図16では、図3と比較すると、定数倍回路33,34、および、加算回路35,37が除外されている。また、加算回路50が追加され、遅延回路38に初期温度と出力Tb(n)の合計値が入力される。これ以外の構成は、図3と同様である。図16の構成例では、係数補正部40は、電解液量推定部39によって推定された電解液量に基づいて定数倍回路32の値を補正する。また、図16の例では、初期温度を設定することができるので、例えば、エンジン16の始動時の温度を初期温度として設定し、積分ゲインに基づいて内部温度を推定することができる。これにより、電解液量に応じて補正された係数G_integを用いて、積分ゲインに基づいて内部温度を推定することができる。
なお、図6〜図8に示すフローチャートは一例であって、本発明がこれらのフローチャートにのみ限定されるものではない。
また、以上の実施形態では、充電時の電流の時間積分値に基づいて、電解液量を推定するようにしたが、例えば、充電可能電池14を構成するセルの垂直方向に対して複数の温度センサを配置し、これらの温度差に基づいて電解液量を推定するようにしてもよい。すなわち、前述したように、充電時には電解液の温度が上昇することから、温度の境界を温度センサによって検出することで、電解液量を推定することができる。
また、以上の各実施形態では、温度推定値をECUに供給し、ECUが温度推定値に基づいて、充電率の温度補正等の処理を実行するようにした。充電可能電池温度推定装置1が温度推定値に基づいて充電率を推定してもよい。もちろん、ECUが温度推定値に基づいて、充電可能電池14の状態を示す、SOC以外の指標値(例えば、SOF(State of Function)、SOH)を求めるようにしてもよい。また、求めたこれらの指標値に基づいて、車両の動作状態を制御するようにしてもよい。例えば、SOCの場合であれば、ECUがオルタネータ15を制御して充電可能電池14を充電することができる。また、SOHについては、充電可能電池14の劣化状態を示すので、SOHによって充電可能電池14が所定値以上劣化した場合には、充電可能電池14の交換を促すメッセージを提示するようにしてもよい。また、SOFについては、例えば、信号待ち等で停車する場合にエンジン16を停止する、いわゆる、アイドリングストップを行う際に、エンジン16の再始動が可能か否かをSOFによって判定し、その結果に応じてエンジン16を停止させるようにしてもよい。以上のように、本発明によって、充電可能電池の温度を精度良く推定できるため、充電可能電池の状態を示すSOC、SOF、または、SOH等の指標値の推定精度を向上させることができる。したがって、これらの指標値に基づいて上位の制御装置が車両の動作状態を制御する際に、安全に制御したり、より燃費が改善するような制御をしたりすることが可能となる。
1 充電可能電池温度推定装置
10 制御部
10a CPU
10b ROM
10ba プログラム
10c RAM
10ca データ
10d 通信部
10e I/F
10f バス
11 電圧検出部
12 電流検出部
13 温度検出部
14 充電可能電池
15 オルタネータ
16 エンジン
17 スタータモータ
18 負荷
30 アルゴリズム
31 加減算回路
32〜34 定数倍回路
35,37 加算回路
36 積分回路
38 遅延回路
39 電解液量推定部
40 係数補正部
50 加算回路

Claims (11)

  1. 充電可能電池の内部温度を推定する充電可能電池温度推定装置において、
    前記充電可能電池に流れる電流および前記充電可能電池の外部温度の少なくとも一方と、前記充電可能電池の前記内部温度との関係を示す関係式に基づいて前記内部温度を計算する計算手段と、
    前記充電可能電池の液量を推定する液量推定手段と、
    前記液量推定手段によって推定された前記液量に基づいて前記関係式の係数を補正する補正手段と、
    前記補正手段によって係数が補正された前記関係式に基づいて、前記計算手段によって計算された前記内部温度を出力する出力手段と、
    を有することを特徴とする充電可能電池温度推定装置。
  2. 前記充電可能電池の外部温度を検出する温度検出部から出力される外部温度検出値を取得する温度取得手段をさらに有し、
    前記補正手段は、前記関係式の外部温度に係る係数を補正し、
    前記計算手段は、係数が補正された前記関係式に前記外部温度検出値を適用し、前記充電可能電池の前記内部温度を計算する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の充電可能電池温度推定装置。
  3. 前記充電可能電池に流れる電流を検出する電流検出部から出力される電流検出値を取得する電流取得手段をさらに有し、
    前記補正手段は、前記関係式の電流に係る係数を補正し、
    前記計算手段は、係数が補正された前記関係式に前記電流検出値を適用し、前記充電可能電池の前記内部温度を計算する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の充電可能電池温度推定装置。
  4. 前記計算手段は、前記充電可能電池に流れる電流によって発生するジュール熱および化学反応熱に基づいて前記内部温度を計算することを特徴とする請求項3に記載の充電可能電池温度推定装置。
  5. 前記計算手段は、
    前記電流検出値に第1係数を乗算することで電流による発熱量を計算し、
    前記外部温度検出値と、過去の前記内部温度の推定値との差分値を算出し、
    前記差分値に対して第2係数を含む比例演算を施し、
    前記発熱量と前記差分値との加算値に対して第3係数を含む積分演算を施し、
    前記比例演算と前記積分演算によって得られた値を加算して前記内部温度を推定し、
    前記補正手段は、
    前記液量に基づいて、前記第1係数、前記第2係数、および、前記第3係数を補正する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の充電可能電池温度推定装置。
  6. 前記計算手段は、前記電流検出部によって検出された前記電流検出値に応じて前記第1係数の値を変化させることを特徴とする請求項5に記載の充電可能電池温度推定装置。
  7. 前記計算手段は、前記充電可能電池が充電中と放電中で異なる前記第1係数を設定することを特徴とする請求項5に記載の充電可能電池温度推定装置。
  8. 前記計算手段は、以下の式に基づいて前記内部温度の推定値を得る、
    Tb(n)=VT_prop(n)+VT_integ(n)
    ここで、
    VT_prop(n)=dT(n)×G_prop
    VT_integ(n)=dT(n)×G_integ+VT_integ(n−1)
    +I(n)×α
    また、Tb(n)は前記充電可能電池の前記内部温度の推定値、dT(n)は前記温度検出部によって検出された前記外部温度検出値と過去の前記内部温度の推定値との前記差分値、αは前記発熱量に係る前記第1係数、G_propは前記比例演算の前記第2係数、G_integは前記積分演算の前記第3係数、I(n)は前記電流検出部によって検出された前記電流検出値である、
    ことを特徴とする請求項5に記載の充電可能電池温度推定装置。
  9. 前記出力手段は、車両に搭載された前記充電可能電池の温度を推定して出力し、前記車両が有するプロセッサは、前記出力手段から出力される温度の推定値に基づいて前記車両の動作状態を変更することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の充電可能電池温度推定装置。
  10. 充電可能電池の内部温度を推定する充電可能電池温度推定方法において、
    前記充電可能電池に流れる電流および前記充電可能電池の外部温度の少なくとも一方と、前記充電可能電池の前記内部温度との関係を示す関係式に基づいて前記内部温度を計算する計算ステップと、
    前記充電可能電池の液量を推定する液量推定ステップと、
    前記液量推定ステップにおいて推定された前記液量に基づいて前記関係式の係数を補正する補正ステップと、
    前記補正ステップによって係数が補正された前記関係式に基づいて、前記計算ステップにおいて計算された前記内部温度を出力する出力ステップと、
    を有することを特徴とする充電可能電池温度推定方法。
  11. 充電可能電池の内部温度を推定する充電可能電池温度推定装置において、
    プロセッサと、
    前記プロセッサによって読み込まれて実行された場合に以下の動作を実行する複数の実行可能な命令群を記憶するメモリと、を有し、
    前記充電可能電池に流れる電流および前記充電可能電池の外部温度の少なくとも一方と、前記充電可能電池の前記内部温度との関係を示す関係式に基づいて前記内部温度を計算し、
    前記充電可能電池の液量を推定し、
    推定された前記液量に基づいて前記関係式の係数を補正し、
    係数が補正された前記関係式に基づいて計算された前記内部温度を出力する、
    ことを特徴とする充電可能電池温度推定装置。
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