以下、図面を参照しながら駅務機器及び駅務機器の制御方法について詳細に説明する。
駅務機器は、鉄道の駅などに設置される機器を含むものである。駅務機器では、識別情報に基づき生成された二次元コードが媒体に印刷された乗車券である二次元コード券、無線通信を行うことができる交通系のICカードなどが乗車券として用いられる。なお、二次元コード券は、二次元コードが紙または樹脂などの媒体に印刷されたものであってもよいし、二次元コードを表示可能なディスプレイを備える電子機器であってもよい。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る駅務システム1について説明する為の説明図である。駅務システム1は、二次元コード券2または交通系ICカードなどから取得した情報に基づいて、利用者の特定の場所(改札内)への通行を制御するシステムである。
駅務システム1は、複数の駅に配置された複数の駅務機器によって構成される。図1は、第1の駅3A、第2の駅3B、第3の駅3Cなどの複数の駅に置かれた駅務機器が、ネットワーク4を介して接続された例を示す。なお、第1の駅3A、第2の駅3B、及び第3の駅3Cのそれぞれに配置される駅務機器は、同様の構成である為、第1の駅3Aに配置された駅務機器を例に挙げて説明する。
第1の駅3Aには、発券機11、監視盤12、及び改札機13などが駅務機器として設けられている。
発券機11は、二次元コード券2または交通系ICカードなどの乗車券の発行を行う。発券機11は、二次元コード券2を発行した場合、後述する入出場情報を監視盤12に送信する。
監視盤12は、改札機13の状態監視、改札機13の動作モードの制御、入出場情報の一覧である入出場リストの管理などを行う。監視盤12は、発券機11から受信した入出場情報に基づいて、入出場リストを更新する。また、監視盤12は、複数の改札機13に、入出場リストを配信する。
改札機13は、監視盤12から配信された入出場リストと、二次元コード券2から取得した情報に基づいて、改札処理を行う。各改札機13は、改札処理結果を監視盤に送信する。
監視盤12は、改札機13から受信した改札処理結果に基づいて、入出場リストを更新する。この場合、監視盤12は、複数の改札機13に、更新後の入出場リスト、または更新前の入出場リストとの差分データを配信する。
まず、各駅務機器の構成について説明する。
発券機11は、乗車券の発行を行う機器である。発券機11は、プロセッサ、メモリ、通信インタフェース、ディスプレイ、操作部、第1の発券機構、及び第2の発券機構などを備える。
発券機11のプロセッサは、演算処理を実行する演算素子(例えばCPU)を備える。発券機11のプロセッサは、メモリに格納されているプログラムを実行することにより、種々の動作を実行する。
発券機11のメモリは、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。発券機11のメモリに記憶されているプログラムは、例えば、プロセッサに、乗車券の発行を行わせるためのプログラムである。
発券機11の通信インタフェースは、発券機11以外の機器と通信する為のインタフェースである。発券機11の通信インタフェースは、例えば、第1の駅3Aの監視盤12と通信する。
発券機11のディスプレイは、プロセッサまたは図示されないグラフィックコントローラなどから入力される映像信号に応じて、画面を表示する。
発券機11の操作部は、操作部材の操作に基づいて、操作信号を生成する。操作部材は、例えば、タッチセンサまたはキーボードなど如何なるものであってもよい。タッチセンサは、ディスプレイと一体にタッチスクリーンとして構成されていてもよい。
発券機11の第1の発券機構は、二次元コード券2を発行する機構である。発券機11の第1の発券機構は、例えば、二次元コードが印刷される媒体の収容部と、媒体に二次元コードを印刷する印刷部とを有する。
発券機11の第2の発券機構は、交通系ICカードを発行する機構である。発券機11の第2の発券機構は、例えば、ICカードの収容部と、ICカードに情報を書き込むICカードリーダライタとを有する。
監視盤12は、改札機13の状態監視、改札機13の動作モードの制御、入出場情報の一覧である入出場リストの管理などを行う機器である。監視盤12は、プロセッサ、メモリ、及び通信インタフェースなどを備える。
監視盤12のプロセッサは、演算処理を実行する演算素子(例えばCPU)を備える。監視盤12のプロセッサは、メモリに格納されているプログラムを実行することにより、種々の動作を実行する。
監視盤12のメモリは、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。監視盤12のメモリに記憶されているプログラムは、例えば、プロセッサに改札機13の状態監視、改札機13の動作モードの制御、入出場リストの管理などを行わせるためのプログラムである。
監視盤12の通信インタフェースは、監視盤12以外の機器と通信する為のインタフェースである。監視盤12の通信インタフェースは、例えば、駅内のネットワークを介して第1の駅3Aの各駅務機器と通信する。また、監視盤12の通信インタフェースは、駅外のネットワークを介して他の駅の駅務機器と通信する。
改札機13は、改札処理を行う。改札機13は、利用者の所持する乗車券から読み取った情報に基づいて、ドアの動作を制御する。改札機13は、改札内への入場に関する処理を行うモード(入場モード)と、改札内からの出場に関する処理を行うモード(出場モード)とのいずれかで動作する。改札機13は、後述する改札処理結果を監視盤12に送信する。
改札機13は、一対の筐体、ドア、プロセッサ、メモリ、通信インタフェース、ディスプレイ、二次元コード読取部、ICカード読取部、及びドア駆動機構などを備える。
改札機13の一対の筐体は、並行に配置されることによって、通路を構成する。
改札機13のドアは、筐体の通路側に設けられ、ドア駆動機構によって回動されることにより通路を塞ぐ。
改札機13のプロセッサは、演算処理を実行する演算素子(例えばCPU)を備える。発券機11のプロセッサは、メモリに格納されているプログラムを実行することにより、種々の動作を実行する。
改札機13のメモリは、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。改札機13のメモリに記憶されているプログラムは、例えば、プロセッサに、改札処理を行わせるためのプログラムである。
改札機13の通信インタフェースは、改札機13以外の機器と通信する為のインタフェースである。改札機13の通信インタフェースは、例えば、第1の駅3Aの監視盤12と通信する。
改札機13のディスプレイは、プロセッサまたは図示されないグラフィックコントローラなどから入力される映像信号に応じて、画面を表示する。
改札機13の二次元コード読取部は、光学的に二次元コードを読み取る。改札機13の二次元コード読取部は、例えば照明及びカメラを備える。
改札機13のICカード読取部は、交通系ICカードと無線通信を行うことにより、交通系ICカードから改札処理に用いる情報を取得する。改札機13のICカード読取部は、例えば、アンテナと、アンテナにより送受信する信号を処理する信号処理回路とを備える。
改札機13のドア駆動機構は、プロセッサの制御に基づいて、ドアの動作を制御する。改札機13のドア駆動機構は、ドアを閉じることにより、筐体間の通路を塞ぐ。
次に、各駅務機器の動作について説明する。
まず発券機11の動作について説明する。
図2は、発券機11の二次元コード券2を発行する処理について説明する為のフローチャートである。
発券機11のプロセッサは、ディスプレイに発券画面を表示させる(ステップS11)。発券画面は、利用者に乗車券の発行に必要な情報を入力させるための画面である。例えば、発券画面は、二次元コード券2と交通系ICカードとのいずれかを選択させるための表示を有する。また、発券画面は、二次元コード券2の有効区間を選択させるための表示を有する。また、発券画面は、交通系ICカードにチャージする金額を選択させるための表示を有する。
発券機11のプロセッサは、発券画面での操作に基づいて、入出場情報を生成する(ステップS12)。入出場情報は、「識別情報」、「有効区間」、「発行駅」、「発行日」、「入場駅」、及び「出場駅」などの情報を有する。「識別情報」は、二次元コード券2を他の二次元コード券と識別するための情報である。「有効区間」は、二次元コード券2により乗車が可能な駅の区間を示す情報である。「発行駅」は、二次元コード券2を発行した発券機11が配置されている駅を示す情報である。「発行日」は、二次元コード券2が発光された日時を示す情報である。「入場駅」は、発行された二次元コード券2を用いて利用者が改札内に入場した駅を示す情報である。「出場駅」は、発行された二次元コード券2を用いて利用者が改札内から出場した駅を示す情報である。なお、発券機11で入出場情報が生成された段階では、「入場駅」及び「出場駅」は、ブランクとなる。
発券機11のプロセッサは、二次元コードを生成する(ステップS13)。例えば、発券機11のプロセッサは、入出場情報の「識別情報」に基づいて二次元コードを生成する。また、例えば、発券機11のプロセッサは、入出場情報の「識別情報」、「有効区間」、「発行駅」、及び「発行日」に基づいて二次元コードを生成してもよい。
発券機11のプロセッサは、二次元コード券2を発行する(ステップS14)。例えば、発券機11のプロセッサは、ステップS13で生成した二次元コードを媒体に印刷するように、第1の発券機構を制御することにより、二次元コード券2を発行する。
発券機11のプロセッサは、入出場情報を監視盤12に送信する(ステップS15)。例えば、発券機11のプロセッサは、ステップS12で生成した入出場情報を監視盤12に送信する。
なお、発券機11のプロセッサは、ステップS12で入出場情報を生成する場合、他の発券機11により生成された入出場情報とで「識別情報」が重複しないように、他の発券機11と通信を行い、「識別情報」を決定する構成であってもよい。また、発券機11のプロセッサは、ステップS12で入出場情報を生成する場合、他の発券機11により生成された入出場情報とで「識別情報」が重複しないように、監視盤12により「識別情報」を生成させ、監視盤12から「識別情報」を取得する構成であってもよい。
次に、監視盤12の動作について説明する。
図3は、監視盤12の入出場リストの管理に関する処理について説明する為のフローチャートである。図4は、入出場リストの例を示す。
監視盤12のプロセッサは、入出場情報を受信したか否か判断する(ステップS21)。監視盤12のプロセッサは、発券機11から入出場情報を受信した場合、入出場情報を受信したと判断する。
監視盤12のプロセッサは、入出場情報を受信したと判断した場合(ステップS21、YES)、入出場情報により、図4の入出場リストを更新する(ステップS22)。
入出場リストは、例えば、監視盤12のメモリ上の所定の記憶領域に保存される。入出場リストは、入出場情報の一覧である為、図4に示されるように、「識別情報」、「有効区間」、「発行駅」、「発行日」、「入場駅」、及び「出場駅」などの情報を有する。
監視盤12のプロセッサは、発券機11から受信した入出場情報に基づいて、入出場リストを更新する。具体的には、監視盤12のプロセッサは、発券機11から受信した入出場情報を入出場リストに追加(登録)する。また、監視盤12のプロセッサは、監視盤12のメモリ上の所定の記憶領域に入出場リストが保存されていない場合、入出場リストを生成して監視盤12のメモリに保存する。
監視盤12のプロセッサは、入出場リストの差分データを、改札機13に送信する(ステップS23)。例えば、監視盤12のプロセッサは、ステップS22で更新した入出場情報を複数の改札機13に送信する。また、例えば、監視盤12のプロセッサは、更新前の入出場リストと、更新後の入出場リストとで比較を行い、比較結果を差分データとして複数の改札機13に送信する構成であってもよい。
監視盤12のプロセッサは、動作を終了するか否か判断する(ステップS24)。監視盤12のプロセッサは、監視盤12の動作を終了させる操作が行われた場合、または、監視盤12の動作を終了させることを指示する信号を通信インタフェースを介して受信した場合、動作を終了すると判断する。監視盤12のプロセッサは、動作を終了しないと判断した場合(ステップS24、NO)、ステップS21の処理に移行する。また、監視盤12のプロセッサは、動作を終了すると判断した場合(ステップS24、YES)、監視盤12の動作を停止させる。
また、監視盤12のプロセッサは、ステップS21において、入出場情報を受信していないと判断した場合(ステップS21、NO)、改札処理結果を受信したか否か判断する(ステップS25)。監視盤12のプロセッサは、いずれかの改札機13から改札処理結果を受信した場合、改札処理結果を受信したと判断する。
監視盤12のプロセッサは、改札処理結果を受信したと判断した場合(ステップS25、YES)、改札機13から受信した改札処理結果に基づいて、入出場リストを更新し(ステップS26)、ステップS23の処理に移行する。即ち、監視盤12のプロセッサは、入出場リストの差分データを、複数の改札機13に送信する。
改札処理結果は、二次元コード券2の「識別情報」と、入場と出場とのいずれかを示す情報と、駅を示す情報とを有する情報である。即ち、改札処理結果に基づき、監視盤12のプロセッサは、ある二次元コード券2を所持する利用者が、どの駅で、改札内に入場したか、または改札内から出場したかを判断することができる。
監視盤12のプロセッサは、例えば、改札機13から受信した改札処理結果と「識別情報」が一致する入出場情報を入出場リストから抽出し、抽出した入出場情報の「入場駅」または「出場駅」に、改札処理結果が示す駅名を入力する。
より具体的には、監視盤12のプロセッサは、改札処理結果が入場を示す場合、「識別情報」が一致する入出場情報の「入場駅」に、改札処理結果が示す駅名を入力する。また、監視盤12のプロセッサは、改札処理結果が出場を示す場合、「識別情報」が一致する入出場情報の「出場駅」に、改札処理結果が示す駅名を入力する。
次に、改札機13の動作について説明する。
まず、改札機13の入出場リストの更新に関する処理について説明する。
改札機13は、入出場リストを改札機13のメモリ上の所定の記憶領域に記憶している。改札機13のプロセッサは、監視盤12から入出場リストの差分データを受信した場合、受信した差分データを用いて入出場リストを更新する。なお、改札機13のプロセッサは、自身のメモリ上の所定の記憶領域に入出場リストが保存されていない場合、監視盤12から受信した入出場リストの差分データに基づいて、入出場リストを新たに生成する。これにより、改札機13のプロセッサは、自身の入出場リストと、監視盤12の入出場リストとが一致するように制御する。即ち、発券機11において二次元コード券2が発行されると、新たに発行された二次元コード券2の識別情報に対応付けられた入出場情報が、監視盤12の入出場リスト及び各改札機13の入出場リストに登録される。
次に、改札機13の改札処理について説明する。
図5は、改札機13の改札処理について説明する為のフローチャートである。
まず、改札機13のプロセッサは、二次元コード読取部を制御することにより、定期的に画像を取得し、取得した画像に基づいて、二次元コードを読み取ったか否か判断する(ステップS31)。例えば、利用者が改札機13の二次元コード読取部の撮像範囲に、二次元コード券2を翳した場合、二次元コード読取部により、二次元コード券2の二次元コードが写った画像が読み取られる。改札機13のプロセッサは、二次元コード読取部により取得した画像から二次元コードを検出する処理を行い、画像から二次元コードが検出された場合、二次元コードを読み取ったと判断する。改札機13のプロセッサは、画像から二次元コードが検出されるまでステップS31の処理を繰り返し行う。
改札機13のプロセッサは、二次元コードを読み取ったと判断した場合(ステップS31、YES)、二次元コードから識別情報を取得する(ステップS32)。改札機13のプロセッサは、二次元コードの画像を、二次元コードの規格に応じた解析方法によって解析することにより、二次元コードに含まれている識別情報を取得する。
改札機13のプロセッサは、入出場リストから入出場情報を抽出する(ステップS33)。例えば、改札機13のプロセッサは、ステップS32で取得した識別情報と一致する入出場情報を、自身のメモリの入出場リストから検索する。
改札機13のプロセッサは、入出場リストから抽出した入出場情報に基づき、改札処理を行う(ステップS34)。例えば、改札機13のプロセッサは、ステップS33で取得した入出場情報の「有効区間」、「発行駅」、「発行日」、「入場駅」、及び「出場駅」などの情報のいずれか、または複数に基づいて、利用者の通行を許可するか否か判断する。
まず、改札機13が入場モードで動作している場合の改札処理について説明する。例えば、改札機13のプロセッサは、二次元コード券2が未使用であり、入場が認められるか否か判断する。具体的には、改札機13のプロセッサは、自身が設置されている駅が「有効区間」に含まれており、自身が設置されている駅が「発行駅」と一致し、現在の日付が「発行日」と一致し、「入場駅」がブランクである場合、通行許可と判断する。また、改札機13のプロセッサは、上記に該当しない場合、通行不許可と判断する。
次に、改札機13が出場モードで動作している場合の改札処理について説明する。例えば、改札機13のプロセッサは、二次元コード券2を用いて入場済みであり、出場が認められるか否か判断する。具体的には、改札機13のプロセッサは、自身が設置されている駅が「有効区間」に含まれており、現在の日付が「発行日」と一致し、「入場駅」がブランクではなく、「出場駅」がブランクである場合、通行許可と判断する。また、改札機13のプロセッサは、現在の日付が「発行日」と一致し、「入場駅」に入力されている駅と、自身が設置されている駅との間の区間が、「有効区間」に相当する区間であり、「出場駅」がブランクである場合、通行許可と判断する構成でもよい。改札機13のプロセッサは、上記に該当しない場合、通行不許可と判断する。
なお、改札機13は、上記のような二次元コード券2に基づく改札処理を行う為のプログラムを、メモリに記憶している構成であってもよいし、交通系ICカードに基づく改札処理のためのプログラムを用いて、二次元コード券2に基づく改札処理を行う構成であってもよい。
改札機13のプロセッサは、改札処理結果に基づいて、改札機13のドアを制御する(ステップS35)。改札機13のプロセッサは、改札処理において通行許可と判断した場合、改札機13のドアを開く。これにより、利用者の通路の通行を促す。また、改札機13のプロセッサは、改札処理において通行不許可と判断した場合、改札機13のドアを閉じる。これにより、利用者の通路の通行を妨げる。
改札機13のプロセッサは、改札処理結果を監視盤12に送信する(ステップS36)。監視盤12に送信する改札処理結果は、二次元コード券2の「識別情報」と、入場と出場とのいずれかを示す情報と、駅を示す情報とを有する。改札機13のプロセッサは、通行許可と判断した二次元コード券2から読み取った「識別情報」を改札処理結果に入力する。また、改札機13のプロセッサは、入場モードと出場モードのどちらで通行許可と判断したかに基づいて、入場と出場とのいずれかを示す情報を改札処理結果に入力する。また、改札機13のプロセッサは、自身が設置されている駅を示す情報を改札処理結果に入力する。
改札機13のプロセッサは、動作を終了するか否か判断する(ステップS37)。改札機13のプロセッサは、改札機13の動作を終了させる操作が行われた場合、または、改札機13の動作を終了させることを指示する信号を通信インタフェースを介して受信した場合、動作を終了すると判断する。改札機13のプロセッサは、動作を終了しないと判断した場合(ステップS37、NO)、ステップS31の処理に移行し、次の二次元コード券の読取を待つ。また、改札機13のプロセッサは、動作を終了すると判断した場合(ステップS37、YES)、改札機13の動作を停止させる。
上記したように、駅務システム1は、二次元コード券2を発行する発券機11と、改札処理を行う改札機13と、発券機11及び改札機13と同じ駅に設けられた駅務機器である監視盤12とを備える。監視盤12は、メモリ、プロセッサ、及び通信インタフェースを備える。メモリは、改札機13における改札処理に用いられる入出場情報の一覧である入出場リストを記憶する。プロセッサは、発券機11が二次元コード券2を発行した結果と、改札機13が二次元コード券2及び入出場リストの入出場情報に基づき改札処理を行った結果と、に基づいて、入出場リストを更新する。このような構成によると、集中管理型の改札システムのサーバなどの構成を設けることなく、複製された二次元コード券2による複数回の入場及び出場を防ぐことができる。これにより、低コストで不正利用の防止が可能になる。
また、監視盤12は、入出場リストを改札機13に送信し、送信した入出場リスト内の入出場情報に基づいて、改札機13に改札処理を行わせることができる。
また、監視盤12は、入出場リストを更新した場合、最新の入出場リスト、または更新前の入出場リストとの差分データを、改札機13に送信する。これにより、最新の入出場リストにより改札機13に改札処理を行わせることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る駅務システム1について説明する。なお、第2の実施形態は、発券機11、監視盤12、及び改札機13の構成が第1の実施形態と同様であり、改札機13及び監視盤12の制御が異なる。この為、改札機13及び監視盤12の制御について説明し、構成の説明については省略する。
第1の実施形態では、監視盤12及び改札機13が入出場リストをそれぞれ記憶する構成であると説明したが、第2の実施形態では、監視盤12が入出場リストを記憶し、改札機が入出場リストを記憶しない構成となっている。このような構成によると、改札機13の入出場リストを記憶する為のメモリを省略し、さらに低コスト化することができる。
まず、第2の実施形態に係る監視盤12の動作について説明する。
図6は、監視盤12の入出場リストの管理に関する処理について説明する為のフローチャートである。
監視盤12のプロセッサは、入出場情報を受信したか否か判断する(ステップS41)。
監視盤12のプロセッサは、入出場情報を受信したと判断した場合(ステップS41、YES)、入出場情報により、図4の入出場リストを更新する(ステップS42)。
監視盤12のプロセッサは、入出場リストの差分データを、改札機13に送信する(ステップS43)。
監視盤12のプロセッサは、動作を終了するか否か判断する(ステップS44)。監視盤12のプロセッサは、動作を終了しないと判断した場合(ステップS44、NO)、ステップS41の処理に移行する。また、監視盤12のプロセッサは、動作を終了すると判断した場合(ステップS44、YES)、監視盤12の動作を停止させる。
また、監視盤12のプロセッサは、ステップS41において、入出場情報を受信していないと判断した場合(ステップS41、NO)、改札処理結果を受信したか否か判断する(ステップS45)。
監視盤12のプロセッサは、改札処理結果を受信したと判断した場合(ステップS45、YES)、改札機13から受信した改札処理結果に基づいて、入出場リストを更新し(ステップS46)、ステップS43の処理に移行する。
また、監視盤12のプロセッサは、ステップS45において、改札処理結果を受信していないと判断した場合(ステップS45、NO)、入出場情報要求を改札機13から受信したか否か判断する(ステップS47)。
入出場情報要求は、入出場リストから入出場情報を抽出し、改札機13に送信することを、改札機13が監視盤12に要求する情報である。入出場情報要求は、二次元コード券2の「識別情報」を含む。即ち、入出場情報要求に基づき、監視盤12のプロセッサは、どの二次元コード券2に対応する入出場情報が要求されているかを判断することができる。
監視盤12のプロセッサは、入出場情報要求が示す「識別情報」に対応した入出場情報を入出場リストから抽出する(ステップS48)。
また、監視盤12のプロセッサは、抽出した入出場情報を、入出場情報要求を送信した改札機13に送信し(ステップS49)、ステップS44に移行する。
次に、第2の実施形態に係る改札機13の改札処理について説明する。
図7は、改札機13の改札処理について説明する為のフローチャートである。
まず、改札機13のプロセッサは、二次元コード読取部を制御することにより、定期的に画像を取得し、取得した画像に基づいて、二次元コードを読み取ったか否か判断する(ステップS51)。改札機13のプロセッサは、画像から二次元コードが検出されるまでステップS51の処理を繰り返し行う。
改札機13のプロセッサは、二次元コードを読み取ったと判断した場合(ステップS51、YES)、二次元コードから識別情報を取得する(ステップS52)。
改札機13のプロセッサは、取得した識別情報に基づいて、入出場情報要求を生成し、監視盤12に送信する(ステップS53)。改札機13のプロセッサは、送信した入出場情報要求に対するレスポンスとして、監視盤12から入出場情報を受信したか否か判断する(ステップS54)。改札機13のプロセッサは、監視盤12から入出場情報を受信するまでステップS54の処理を繰り返し行う。
改札機13のプロセッサは、監視盤12から入出場情報を受信したと判断した場合(ステップS54、YES)、受信した入出場情報に基づき、改札処理を行う(ステップS55)。
改札機13のプロセッサは、改札処理結果に基づいて、改札機13のドアを制御する(ステップS56)。
改札機13のプロセッサは、改札処理結果を監視盤12に送信する(ステップS57)。
改札機13のプロセッサは、動作を終了するか否か判断する(ステップS58)。改札機13のプロセッサは、動作を終了しないと判断した場合(ステップS58、NO)、ステップS51の処理に移行し、次の二次元コード券の読取を待つ。また、改札機13のプロセッサは、動作を終了すると判断した場合(ステップS58、YES)、改札機13の動作を停止させる。
上記したように、駅務システム1は、改札機13が入出場リストを記憶するのではなく、改札機13からの要求に応じて、監視盤12が入出場情報を改札機13に供給する構成であってもよい。このような構成によると、改札機13において入出場リストを記憶及び更新する必要がなくなる為、さらに低コスト化することができる。
なお、上記の実施形態では、監視盤12は、発券機11が二次元コード券2を発行した結果と、改札機13における改札処理の結果と、に基づいて、入出場リストを更新すると説明したが、この構成に限定されない。監視盤12は、ネットワーク4を介して接続された他の駅(例えば第2の駅3B、第3の駅3Cなど)と通信を行い、通信を行った結果に基づいて、入出場リストを更新する構成であってもよい。
上記したように、各駅に設けられた監視盤12のプロセッサは、発券機11が二次元コード券2を発行した結果と、改札機13における改札処理の結果と、に基づいて、入出場リストの更新を行う。
監視盤12のプロセッサは、入出場リストを発券機11及び改札機13が設けられた駅とは異なる他の駅の駅務機器である監視盤に送信する。
さらに、監視盤12のプロセッサは、更新後の入出場リスト、または更新前の入出場リストとの差分データなどの更新結果を、ネットワーク4を介して接続された他の駅の監視盤に対して送信してもよい。
また、監視盤12のプロセッサは、ネットワーク4を介して接続された他の駅の監視盤から、更新後の入出場リスト、または更新前の入出場リストとの差分データなどの更新結果を受信した場合、受信した更新結果に元づいて、入出場リストの更新を行ってもよい。
上記の構成によると、駅務システム1を構成する複数の駅の監視盤12は、入出場リストが同じ内容になるように連携することができる。このような構成によると、集中管理型の改札システムのサーバなどの構成を設けることなく、複製された二次元コード券2による複数回の入場及び出場を防ぐことができる。これにより、低コストで不正利用の防止が可能になる。
なお、上記の実施形態では、発券機11のプロセッサは、発券画面での操作に基づいて、「識別情報」、「有効区間」、「発行駅」、「発行日」、「入場駅」、及び「出場駅」などの情報を有する入出場情報を生成すると説明したが、この構成に限定されない。入出場情報は、「支払情報」を有する構成であってもよい。
支払情報は、例えば、銀行口座に関する情報(口座情報)、クレジットカードに関する情報(クレジットカード情報)、及び/またはプリペイドに関する情報(プリペイド情報)などである。なお、入出場情報が「支払情報」を有する構成である場合、「有効区間」、「発行駅」、及び「発行日」などの情報は、省略されてもよい。
入出場情報が「支払情報」を有する構成である場合、改札機13は、入出場情報の「入場駅」、「出場駅」、及び「支払情報」に基づいて、通行許可と通行不許可のいずれか判定するように構成される。より具体的には、改札機13は、「入場駅」及び「出場駅」から運賃を算出し、算出した運賃の支払いが可能か否かを「支払情報」に基づいて判断する。改札機13は、「支払情報」に基づく運賃の支払いが可能である場合、通行許可と判断し、「支払情報」に基づく運賃の支払いが不可能である場合、通行不許可と判断する。
上記したように、入出場情報に含まれる情報は、料金の精算に用いることができる情報であれば、如何なる情報であってもよい。
なお、上述の各実施の形態で説明した機能は、ハードウエアを用いて構成するに留まらず、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。