JP2020153703A - 結晶粒解析装置、結晶粒解析方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本実施形態の結晶粒解析装置で行われる解析方法の一例を概念的に示す図である。尚、図1では、説明の都合上、電磁鋼鈑を構成する多数の結晶粒のうち、1つの結晶粒Aのみを示しているが、実際には、多数の結晶粒により電磁鋼鈑が形成されるということは言うまでもない。
まず、図1(a)に示すように、結晶粒Aの3つの粒界ua〜ucの両端点に対応する位置に三重点ia、ie、ifを設定し、粒界ua〜ucの中間点に対応する位置に二重点ib〜id、ig〜iiを設定する。ここで、三重点ia、ie、ifとは、3つのラインpが交わる点(ここでは、3つの結晶粒と接する点)をいい、二重点ib〜id、ig〜iiとは、2つのラインpが交わる点(ここでは、2つの結晶粒と接する点)をいう。そして、同一の粒界ua〜uc上で互いに隣接する点(粒界点)iを互いに結ぶ直線(ライン)を設定する。
以上のように、本実施形態では、粒界ua〜ucの両端の位置だけでなく、粒界ua〜ucの途中の形状も出来るだけ忠実に表すことができるように、二重点ib〜id、ig〜iiを設定するようにしている。
図2に示すように、本実施形態では、1つのラインpが解析対象領域の境界線と交わる点(ここでは、2つの結晶粒A1、A2と接する点)を単点ipとして設定し、2つのラインpが解析対象領域の境界線と交わる点(ここでは、3つの結晶粒A3〜A5と接する点)を二重点iqとして設定し、3つのラインが解析対象領域の境界線と交わる点(ここでは、4つの結晶粒A6〜A9と接する点)を三重点irとして設定する。
以上のように、本実施形態では、解析対象領域の境界線によって区画されない部分に加えて、解析対象領域の境界線によって区画される部分についても、点を設定するようにしている。尚、以下の説明では、ラインが解析対象領域の境界線と交わる点を、その他の点と表記を区別するために、必要に応じて境界点と称する。
図3は、結晶粒解析装置の機能構成の一例を示すブロック図である。尚、結晶粒解析装置100のハードウェアは、パーソナルコンピュータ等、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、画像入出力ボード、各種インターフェース、及びインターフェースコントローラ等を備えた情報処理装置を用いて実現することができる。そして、特に断りのない限り、図3に示す各ブロックは、CPUが、ROMやハードディスクに記憶されている制御プログラムを、RAMを用いて実行することにより実現される。そして、図3に示す各ブロック間で、信号のやり取りを行うことにより、以下の処理が実現される。
本実施形態と、特許文献1に記載の技術とは、境界点用駆動力計算部118における処理が主として異なる。以下では、説明の都合上、特許文献1に記載の技術と同じ部分も詳細に説明するが、境界点用駆動力計算部118に関連する部分以外の部分は、以下に説明する内容に限定されず、例えば、特許文献1に記載の技術を適用することができる。
また、点設定部103は、計算対象の点(単点、二重点又は三重点)iにおけるΔt[sec]後の位置ri(t+Δt)を示すベクトルが、後述するようにして位置計算部116により計算されると、その点iの位置ri(t+Δt)を示すベクトルを、RAM又はハードディスクに設定(記憶)する。
更に、後述するように、解析対象領域の境界線上の境界点として二重点を駆動させる場合には、境界点を2つに分裂させる(図8(b)の右図を参照)。したがって、二重点である境界点iを駆動させる場合、点設定部103は、計算対象の点の総数NIに「1」を加算する。
また、解析対象領域の境界線上の境界点として三重点を駆動させる場合には、境界点を3つに分裂させる(図8(c)の右図を参照)。したがって、三重点である境界点iを駆動させる場合、点設定部103は、計算対象の点の総数NIに「2」を加算する。
粒界設定部105は、ライン設定部104により設定されたラインpのうち、点設定部103により設定された三重点iを両端として互いに接続されたラインpにより特定される粒界uに関する情報を、RAM又はハードディスクに設定する。更に、粒界設定部105は、ライン設定部104により設定されたラインpのうち、三重点iを一端とし、解析対象領域の境界線上の点(単点、二重点、又は三重点)を他端として互いに接続されたラインpにより特定される粒界uに関する情報も、RAM又はハードディスクに設定する。
尚、図4(c)に示すように、粒界u1は、結晶粒A1、A2の粒界であり、粒界u2は、結晶粒A1、A5の粒界であり、粒界u3は、結晶粒A1、A4の粒界であり、粒界u4は、結晶粒A1、A3の粒界である。
以上のようにして、解析対象領域の境界線上に、単点、二重点、又は三重点が指定されると、図5の左図に示すように、例えば、単点i21、i24と、二重点i22と、三重点i23とが解析対象領域の境界線上に設定される。
尚、図5の右図に示すように、粒界ui21は、結晶粒A16、A17の粒界であり、粒界ui22-1は、結晶粒A18、A19の粒界であり、粒界ui22-2は、結晶粒A19、A20の粒界である。また、粒界ui23-1は、結晶粒A21、A22の粒界であり、粒界ui23-2は、結晶粒A22、A23の粒界であり、粒界ui23-3は、結晶粒A23、A24の粒界であり、粒界ui24は、結晶粒A25、A16の粒界である。
例えば、図4(c)に示した粒界u1における「単位長さ当たりの粒界エネルギーγ」は、結晶粒A1の方位ξ1と結晶粒A1の方位ξ2との差分Δξの絶対値と、解析温度設定部106により設定された解析温度θ(t)とに対応した「単位長さ当たりの粒界エネルギーγ」を、粒界エネルギー記憶部108に記憶されたグラフ等から読み出すことにより得られる。尚、以下の説明では、単位長さ当たりの粒界エネルギーγを、必要に応じて粒界エネルギーγと略称する。また、粒界エネルギー記憶部108は、例えば、RAM又はハードディスクを用いて構成される。
いに隣接する2つの結晶粒Aの方位ξの差分Δξの絶対値と、解析温度θ(t)との関係を示すグラフ、数値列、式、又はそれらの組み合わせを記憶する。尚、以下の説明では、これらグラフ、数値列、式、又はそれらの組み合わせをグラフ等と称する。
例えば、図4(c)に示した粒界u1における易動度Miは、結晶粒A1の方位ξ1と結晶粒A2の方位ξ2との差分Δξの絶対値と、解析温度設定部106により取得された解析温度θ(t)とに対応した易動度Miを、易動度記憶部110に記憶されたグラフ等から読み出すことにより得られる。尚、易動度記憶部110は、例えば、RAM又はハードディスクを用いて構成される。
解析点判別部113は、点設定部103により設定された全ての点(二重点及び三重点)iを、計算対象の点として、重複することなく順番に指定する。そして、解析点判別部113は、指定した点iが、二重点であるのか、それとも三重点であるのかを判別する。
図6は、解析対象領域の境界線上にない二重点に生じる駆動力Fi(t)の計算方法の一例を説明する図である。
そして、三重点用駆動力計算部115は、単位長さ当たりの粒界エネルギーγi1、γi2、γi3の大きさ(絶対値)と、計算対象の三重点iから点1、2、3に向かう方向を有する単位ベクトル(dij(t)/|dij(t)|)とを、以下の(2)式に代入して、計算対象の三重点iに生じる駆動力Fi(t)を計算する。
このように、本実施形態では、点1、2、3が属する粒界uにおける単位長さ当たりの粒界エネルギーγi1、γi2、γi3の大きさ(絶対値)と同じ大きさを有し、且つ、計算対象の三重点iから、その三重点iに隣接する点に向かう方向を有する3つのベクトルDi1(t)、Di2(t)、Di3(t)のベクトル和が、三重点iに生じる駆動力Fi(t)として計算される。
具体的に図8(a)に示す例では、境界点用駆動力計算部118は、境界点i21において結晶粒A16、A17側に生じる表面粒界駆動力Fi21-1(t)、Fi21-2(t)と、境界点i21が属する粒界ui21側に生じる内部粒界駆動力Fi21-3(t)とのベクトル和Fi21-4(t)を導出する。
そして、境界点用駆動力計算部118は、境界点iにおける境界駆動力Fi(t)を分解したベクトルであって、方向が、当該境界点iが属する境界線に沿う方向であり、大きさが、当該境界駆動力Fi(t)の、当該境界点iが属する境界線に沿う方向の成分の大きさであるベクトルを、当該境界点iに生じる駆動力Fi(t)として導出する。
一方、図8(d)に示すように、境界点i24が、解析対象領域の四隅にある場合、境界点用駆動力計算部118は、境界点i24における境界駆動力Fi24-4-1(t)(第1の境界駆動力)を境界線801に沿う方向と境界線801に垂直な方向とに分解し、境界点i24における境界駆動力Fi24-4-1(t)(第2の境界駆動力)を、境界線801に沿う方向に分解したベクトルFi24−1(t)を導出する。また、境界点用駆動力計算部118は、境界点i24における境界駆動力Fi24-4-2(t)を境界線802に沿う方向と境界線802に垂直な方向とに分解し、境界点i24における境界駆動力Fi24-4-2(t)を境界線802に沿う方向に分解したベクトルFi24−2(t)を導出する。境界点用駆動力計算部118は、ベクトルFi24−1(t)、ベクトルFi24−2(t)のうち、大きさ(絶対値)が大きい方のベクトルFi24−2(t)を、境界点i24に生じる駆動力Fi24(t)として導出する。このようにして境界点iに生じる駆動力Fi24(t)を導出することにより、図8(d)の右図に示すように、境界点i24は、解析対象領域の境界線上に沿って移動し、新たな境界点i24'となる。
まず、境界点iと、境界点iでない二重点iの時間の経過に伴う位置の変化を計算する方法の一例を説明する。
位置計算部116は、二重点用駆動力計算部114により計算された駆動力Fi(t)を示すベクトル(計算対象の点iに生じる駆動力Fi(t)を示すベクトル)を取得する。また、位置計算部116は、計算対象の点iが属する粒界uの易動度Miを、易動度設定部111から取得する。
ここで、計算対象の点iが境界点である場合であって、二重点(三重点)である場合、位置計算部116は、計算対象の点iが属する粒界uの易動度Miを2つ(3つ)取得することになる。図8(b)に示す例では、結晶粒A18、A19の粒界uの易動度Mi1と、結晶粒A19、A20の粒界uの易動度Mi2とを取得する。また、図8(c)に示す例では、結晶粒A21、A22の粒界uの易動度Mi1と、結晶粒A22、A23の粒界uの易動度Mi2と、結晶粒A23、A24の粒界uの易動度Mi3とを取得する。
ここで、計算対象の点iが境界点である場合であって、二重点(三重点)である場合、位置計算部116は、計算対象の点iの速度vi(t)を示すベクトルを2つ(3つ)計算することになる。
ここで、計算対象の点iが境界点である場合であって、二重点(三重点)である場合、位置計算部116は、現在の時間tからΔt[sec]が経過したときに、計算対象の点iが存在する位置ri(t+Δt)を示すベクトルを2つ(3つ)計算することになる。
尚、時間Δtは、点iの位置を計算するタイミング(間隔)を規定するものであり、解析対象となる電磁鋼鈑の種類や、解析条件、解析精度等に応じて予め定められている。
位置計算部116は、位置計算部116は、計算対象の三重点iが属する3つの粒界uの易動度Mi1〜Mi3を、易動度設定部111から取得する。
また、位置計算部116は、三重点用駆動力計算部115により計算された駆動力Fi(t)を示すベクトル(計算対象の三重点iに生じる駆動力Fi(t)を示すベクトル)を取得する。そして、位置計算部116は、計算対象の三重点iが属する粒界uの易動度Miと、計算対象の三重点iの駆動力Fi(t)を示すベクトルとを、前述した(3)式に代入して、計算対象の三重点iの速度vi(t)を示すベクトルを計算する。
このように本実施形態では、例えば、ステップS1の処理を行うことにより、画像信号取得手段の一例が実現される。
次に、ステップS7において、点設定部103は、結晶画像表示部102により表示された結晶粒画像に対して、点i(単点、二重点、又は三重点)が指定されるまで待機する。前述したように、本実施形態では、解析対象領域の境界線上では、単点、二重点、及び三重点の何れもが指定可能であるが、解析対象領域の境界線以外では、二重点及び三重点の何れかが指定可能となっている。
このように本実施形態では、例えば、ステップS8の処理を行うことにより、点設定手段の一例が実現される。
次に、ステップS9において、点設定部103は、ユーザによる操作装置300の操作に基づいて、点(単点、二重点、又は三重点)iを指定する作業の終了指示がなされたか否かを判定する。この判定の結果、点iを指定する作業の終了指示がなされていない場合には、ステップS7に戻り、既に指定された点(単点、二重点、又は三重点)iと別の点(単点、二重点又は三重点)iが指定されるまで待機する。
一方、点iを指定する作業の終了指示がなされた場合、処理はステップS10に進む。処理がステップS10に進むと、点設定部103は、ステップS7で指定されたと判定した点(単点、二重点、又は三重点)iの数(すなわち、ステップS7の処理を行った回数)NIを計算して、RAM又はハードディスクに設定する。
p1={i1,i2} ・・・(5)
u1={p1,p2,p3,p4} ・・・(6)
次に、ステップS14において、粒界エネルギー設定部109は、ステップS14で設定された結晶粒Aの方位ξと、ステップS4で設定された解析温度θ(t)とに基づいて、粒界エネルギー記憶部108に記憶されたグラフ等から、ステップS12で設定された全ての粒界uの単位長さ当たりの粒界エネルギーγを読み出す。そして、粒界エネルギー設定部109は、読み出した単位長さ当たりの粒界エネルギーγを、RAM又はハードディスクに設定する。
次に、ステップS17において、点設定部103は、計算対象の点を示す変数iに「1」を設定する。
次に、ステップS18において、解析点判別部113は、計算対象の点を示す変数iにより特定される点(計算対象の点)が、境界点であるか否かを判定する。この判定の結果、計算対象の点が境界点である場合、処理は後述するステップS22に進む。
一方、ステップS19において、計算対象の点を示す変数iが、計算対象の点の総数NI以上であると判定された場合には、現在設定されている全ての点iについて境界点か否かを判定したと判断し、処理はステップS21に進む。処理がステップS21に進むと、点設定部103は、計算対象の点の総数NIに、境界点iを分離することにより増える境界点iの数NJを加算して、計算対象の点の総数NIを更新する。そして、後述する図9−3のステップS26に進む。
次に、ステップS27において、解析点判別部113は、計算対象の点を示す変数iを「1」に設定する。これにより計算対象の点iが設定される。
一方、計算対象の点が、境界点でない場合、処理はステップS29に進む。ステップS29に進むと、解析点判別部113は、計算対象の点iが、二重点か否かを判定する。この判定の結果、計算対象の点が、二重点でなく、三重点である場合、処理は後述するステップS42に進む。一方、計算対象の点が、二重点である場合、処理はステップS30に進む。
処理がステップS30に進むと、二重点用駆動力計算部114は、計算対象の二重点i、及びその二重点に隣接する2つの点i−1、i+1の情報を、点設定部103から読み出す。そして、二重点用駆動力計算部114は、二重点iと、その二重点iに隣接する2つの点i−1、i+1とにより定まる円弧41の曲率中心O及び曲率半径Ri(t)を計算する。
次に、ステップS32において、二重点用駆動力計算部114は、ステップS30で計算した曲率半径Ri(t)と、ステップS31で読み出した単位長さ当たりの粒界エネルギーγiとを(1)式に代入して、二重点iに生じる駆動力Fi(t)の大きさを計算する。
次に、ステップS34において、位置計算部116は、計算対象の点の現在の位置ri(t)を示すベクトルを点設定部103から受け取る。
そして、位置計算部116は、計算対象の点iの速度vi(t)を示すベクトルと、計算対象の点の現在の位置ri(t)を示すベクトルと、時間Δtとを、(4)式に代入して、現在の時間tからΔt[sec]が経過したときに、計算対象の点iが存在する位置ri(t+Δt)を示すベクトルを計算する。
一方、ステップS36において、計算対象の点を示す変数iが、計算対象の点の総数NI以上であると判定された場合には、時間t+Δtにおける位置を、点設定部103で現在設定されている全ての点iについて計算したと判定し、処理はステップS38に進む。
次に、ステップS39において、解析時間設定部112は、時間tが、ステップS6で設定した解析完了時間Tよりも大きいか否かを判定する。すなわち、解析完了時間Tが経過したか否かを判定する。この判定の結果、時間tが、ステップS6で設定した解析完了時間Tより大きくない場合(解析完了時間Tが経過していない場合)、処理はステップ40に進む。処理がステップS40に進むと、解析時間設定部112は、現在設定している時間tに時間Δtを加算して、時間tを更新する。そして、ステップS27以降の処理を再度行い、更新した時間tから時間Δtが経過した場合の点iの位置ri(t+Δt)を計算する。
また、三重点用駆動力計算部115は、計算対象の三重点iと、その三重点iに隣接する3つの点1、2、3の情報を、点設定部103から読み出す。そして、三重点用駆動力計算部115は、計算対象の三重点iから、点1、2、3に向かう方向を有する単位ベクトルを計算する。
次に、ステップS45において、位置計算部116は、計算対象の三重点が属する3つの粒界uの易動度Mi1〜Mi3と、計算対象の三重点から点1、2、3に向かう方向を有する単位ベクトル(dij(t)/|dij(t)|)とを、(5)式に代入して、計算対象の三重点iの易動度Miを計算する。尚、計算対象の三重点iから点1、2、3に向かう方向を有する単位ベクトルは、ステップS42で計算されたものを使用することができる。そして、前述したステップS34以降の処理を行い、時間t+Δtにおける三重点iの位置ri(t+Δt)のベクトルを前述したようにして計算する。
処理がステップS46に進むと、境界点用駆動力計算部118は、境界点i21、i22、i23、i24が属する結晶粒A16〜A17、A18〜A20、A21〜A24、A16・A25のうち、境界線801、802を有する結晶粒A16・A17、A18・A20、A21・A24、A16・A25の方位ξに対応する表面粒界駆動力の絶対値を、表面粒界駆動力−結晶方位関係を示す情報から導出する。境界点用駆動力計算部118は、境界点i21、i22、i23、i24から、結晶粒A16・A17、A18・A20、A21・A24、A16・A25の境界線に沿う方向を向き、当該導出した絶対値の大きさを有するベクトルを、当該境界点i21、i22、i23、i24において当該結晶粒A16・A17、A18・A20、A21・A24、A16・A25側に生じる時間tでの表面粒界駆動力Fi21-1(t)・Fi21-2(t)、Fi22-1(t)・Fi22-2(t)、Fi23-1(t)・Fi23-2(t)、Fi24-1(t)・Fi24-2(t)として導出する。
一方、解析対象領域の四隅にない境界点i24については、境界点用駆動力計算部118は、境界点i24における境界駆動力Fi24-4-1(t)、Fi24-4-2(t)を、境界線801、802に沿う方向に分解したベクトルのうち、大きさ(絶対値)が大きい方(境界駆動力Fi24-4-2(t))を、時間tでの境界点i24に生じる駆動力Fi24(t)として導出する。
そして、前述した図9−3のステップS34に進み、位置計算部116は、計算対象の境界点の現在の位置をri(t)示すベクトルを取得する。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS46、S47、S48、S49の処理を行うことにより、表面粒界駆動力導出手段、内部粒界駆動力導出手段、境界駆動力導出手段、駆動力導出手段の一例が実現される。また、例えば、ステップS34、S35の処理を行うことにより、境界点位置変更手段の一例が実現される。
また、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
Claims (9)
- 金属材料における結晶の画像信号を取得する画像信号取得手段と、
前記結晶に含まれる結晶粒の粒界と、前記画像信号に基づく解析対象領域の境界線との交点に対応する境界点と、前記境界点とは異なる点であって、前記結晶に含まれる結晶粒の粒界に対応する非境界点とを設定する点設定手段と、
前記点設定手段により設定された境界点において、当該境界点が属する前記境界線に沿って当該境界点から遠ざかる方向に働く駆動力である表面粒界駆動力を導出する表面粒界駆動力導出手段と、
前記点設定手段により設定された境界点において、当該境界点と当該境界点に隣接する点とを相互に結ぶラインに沿って当該境界点から遠ざかる方向に働く駆動力である内部粒界駆動力を導出する内部粒界駆動力導出手段と、
前記点設定手段により設定された境界点に対して前記表面粒界駆動力導出手段により導出された前記表面粒界駆動力と、当該境界点に対して前記内部粒界駆動力導出手段により導出された前記内部粒界駆動力と、のベクトル和である境界駆動力を導出する境界駆動力導出手段と、
前記点設定手段により設定された境界点に対して前記境界駆動力導出手段により導出された前記境界駆動力を分解したベクトルであって、方向が、当該境界点が属する前記境界線に沿う方向であり、大きさが、当該境界駆動力の、当該境界点が属する前記境界線に沿う方向の成分の大きさであるベクトルを、当該境界点に生じる駆動力として導出する駆動力導出手段と、
前記駆動力導出手段により導出された前記境界点に生じる駆動力に基づいて、当該境界点の位置を変更する境界点位置変更手段とを有することを特徴とする結晶粒解析装置。 - 前記表面粒界駆動力導出手段は、前記点設定手段により設定された境界点が属する前記境界線を粒界として含む結晶粒の属性に基づいて、当該境界点に対する前記表面粒界駆動力を導出することを特徴とする請求項1に記載の結晶粒解析装置。
- 前記点設定手段により設定された境界点が属する前記境界線を粒界として含む結晶粒の属性は、当該結晶粒の方位を含むことを特徴とする請求項2に記載の結晶粒解析装置。
- 前記表面粒界駆動力導出手段は、前記点設定手段により設定された境界点から、当該境界点が属する前記境界線に沿って当該境界点から遠ざかる第1の方向と第2の方向に働く2つの駆動力をそれぞれ前記表面粒界駆動力として導出することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の結晶粒解析装置。
- 前記境界点が前記解析対象領域の角にない場合、
前記境界駆動力導出手段は、当該境界点に対して前記表面粒界駆動力導出手段により導出された2つの前記表面粒界駆動力と、当該境界点に対して前記内部粒界駆動力導出手段により導出された前記内部粒界駆動力の1つとのベクトル和を、当該境界点における前記境界駆動力として導出することを特徴とする請求項4に記載の結晶粒解析装置。 - 前記境界点が前記解析対象領域の角にある場合、
前記境界駆動力導出手段は、当該境界点に対して前記表面粒界駆動力導出手段により導出された2つの前記表面粒界駆動力のうちの一方の前記表面粒界駆動力と、当該境界点に対して前記内部粒界駆動力導出手段により導出された前記内部粒界駆動力の1つとのベクトル和を当該境界点における第1の前記境界駆動力として導出すると共に、他方の前記表面粒界駆動力と、当該内部粒界駆動力とのベクトル和を当該境界点における第2の前記境界駆動力として導出し、
前記駆動力導出手段は、前記境界点における前記第1の境界駆動力を、前記一方の表面粒界駆動力の方向に一致する前記境界線に沿う方向に分解したベクトルと、当該境界点における前記第2の境界駆動力を、前記一方の表面粒界駆動力の方向に一致する前記境界線に沿う方向に分解したベクトルと、のうち、大きさが大きい方のベクトルを、当該境界点に生じる駆動力として導出することを特徴とする請求項4又は5に記載の結晶粒解析装置。 - 前記内部粒界駆動力導出手段は、前記点設定手段により設定された境界点から、当該境界点と前記ラインを介して隣接する点に向かう方向を有する単位ベクトルと、当該ラインが属する粒界における単位長さ当たりの粒界エネルギーの大きさとに基づいて、当該境界点に対する前記内部粒界駆動力を導出することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の結晶粒解析装置。
- 金属材料における結晶の画像信号を取得する画像信号取得ステップと、
前記結晶に含まれる結晶粒の粒界と、前記画像信号に基づく解析対象領域の境界線との交点に対応する境界点と、前記境界点とは異なる点であって、前記結晶に含まれる結晶粒の粒界に対応する非境界点とを設定する点設定ステップと、
前記点設定ステップにより設定された境界点において、当該境界点が属する前記境界線に沿って当該境界点から遠ざかる方向に働く駆動力である表面粒界駆動力を導出する表面粒界駆動力導出ステップと、
前記点設定ステップにより設定された境界点において、当該境界点と当該境界点に隣接する点とを相互に結ぶラインに沿って当該境界点から遠ざかる方向に働く駆動力である内部粒界駆動力を導出する内部粒界駆動力導出ステップと、
前記点設定ステップにより設定された境界点に対して前記表面粒界駆動力導出ステップにより導出された前記表面粒界駆動力と、当該境界点に対して前記内部粒界駆動力導出ステップにより導出された前記内部粒界駆動力と、のベクトル和である境界駆動力を導出する境界駆動力導出ステップと、
前記点設定ステップにより設定された境界点に対して前記境界駆動力導出ステップにより導出された前記境界駆動力を分解したベクトルであって、方向が、当該境界点が属する前記境界線に沿う方向であり、大きさが、当該境界駆動力の、当該境界点が属する前記境界線に沿う方向の成分の大きさであるベクトルを、当該境界点に生じる駆動力として導出する駆動力導出ステップと、
前記駆動力導出ステップにより導出された前記境界点に生じる駆動力に基づいて、当該境界点の位置を変更する境界点位置変更ステップとを有することを特徴とする結晶粒解析方法。 - 請求項1〜7の何れか1項に記載の結晶粒解析装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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