JP2020152784A - 繊維強化プラスチックのリサイクル方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高品質な強化繊維等を回収可能な繊維強化プラスチックのリサイクル方法を提供する。【解決手段】過熱水蒸気雰囲気中で繊維強化プラスチックを熱処理する第一熱処理工程と、前記第一熱処理工程で熱処理された前記繊維強化プラスチックを非過熱水蒸気雰囲気中で熱処理する第二熱処理工程と、前記第二熱処理工程中に熱処理された前記繊維強化プラスチックに超音波を付与する超音波工程と、を備えた繊維強化プラスチックのリサイクル方法を構成する。【選択図】図1

Description

この発明は、繊維強化プラスチックのリサイクル方法に関する。
繊維強化プラスチック(以下、FRPという。)は、その優れた機械的物性と安定性から、FRPとモルタルを積層させた強化プラスチック複合材(以下、FRPMという。)等の様々な工業用途を有している。その一方で、その機械的強度や樹脂中にガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維を含有していること等に起因して、使用後の廃棄物処理やリサイクルが難しいという問題がある。
本願の発明者は、下記特許文献1に記載のように、FRPのリサイクル方法として過熱水蒸気に着目した。このリサイクル方法は、常圧で400℃以下の比較的低温の過熱水蒸気を用いてFRPを加熱処理し、強化繊維と樹脂成分を分離して、このFRPから強化繊維をリサイクルするものである。
特開2015−897号公報
特許文献1に係るリサイクル方法は、過熱水蒸気の温度を400℃以下の比較的低温とすることにより、この処理に伴うエネルギー消費量を抑制するとともに、この処理の際に強化繊維の品質が劣化するのを防止している(特許文献1の段落0007、0048等参照)。その一方で、過熱水蒸気の温度が比較的低温であることに起因して、強化繊維に樹脂成分や添加フィラー成分が付着したままの状態となりやすく、リサイクルされた強化繊維の品質向上の点において改善すべき点が残されていた。
そこで、この発明は、高品質な強化繊維等を回収することを課題とする。
上記の課題を解決するため、この発明は、過熱水蒸気雰囲気中で繊維強化プラスチックを熱処理する第一熱処理工程と、前記第一熱処理工程で熱処理された前記繊維強化プラスチックを非過熱水蒸気雰囲気中で熱処理する第二熱処理工程と、前記第二熱処理工程中に熱処理された前記繊維強化プラスチックに超音波を付与する超音波工程と、を備えた繊維強化プラスチックのリサイクル方法を構成した。
このようにすると、第一熱処理工程後に強化繊維に付着したままの樹脂成分や添加フィラー成分を第二熱処理工程、及び、超音波工程で確実に除去することができ、高品質な強化繊維等を回収することができる。
前記構成においては、前記第一熱処理工程が、常圧下かつ200〜400℃の温度範囲内で行われるのが好ましい。
このようにすると、高温の水蒸気による強化繊維及び樹脂成分へのダメージを極力防止することができ、回収された強化繊維等の品質を一層高めることができる。
前記各構成においては、前記第二熱処理工程が、常圧下かつ400〜600℃の温度範囲内で行われるのが好ましい。
このようにすると、非過熱水蒸気の雰囲気中で、強化繊維や樹脂成分へのダメージを極力抑制しつつ、強化繊維に付着した樹脂成分や添加フィラー成分を確実に除去することができる。
前記各構成に係るリサイクル方法は、前記繊維強化プラスチックが、モルタル板と積層された繊維強化プラスチック複合材に対して適用できる。
繊維強化プラスチックとモルタルを積層した繊維強化プラスチック複合材は、機械的強度が特に優れている反面、繊維強化樹脂層とモルタル層が強固に一体化しており、リサイクルが難しいという問題がある。そこで、この繊維強化プラスチック複合材に対して上記のリサイクル方法を適用することによって、各層を容易に分離して、強化繊維等の構成材料を容易に回収することができる。
この発明では、常圧400℃以下の過熱水蒸気雰囲気、及び、非過熱水蒸気雰囲気における熱処理を順次行うとともに、超音波を付与することによって、強化繊維に付着した樹脂成分及び添加フィラー成分を除去するリサイクル方法を構成した。この構成によると、熱処理による繊維強化プラスチックの構成材料へのダメージを防止しつつ、高品質な強化繊維等を回収することができる。
この発明に係る繊維強化プラスチックのリサイクル方法の手順を示す図 今回のリサイクル試験で用いたサンプルの形状を示す斜視図であって、(a)は繊維強化プラスチックの引抜品(引抜FRP)、(b)は繊維強化プラスチック複合材の板状品(板状FRPM)、(c)は繊維強化プラスチック複合材の管状品(管状FRPM)、(d)は繊維強化プラスチック複合材のプレス品(プレスFRPM) 過熱水蒸気工程を行った後に、各層に分離した状態を示すレーザ顕微鏡写真であって、(a)は引抜FRP、(b)は板状FRPM、(c)は管状FRPM、(d)はプレスFRPM 過熱水蒸気工程、追加加熱工程、及び、超音波工程を行った後に、各層から分離した成分を示すレーザ顕微鏡写真であって、(a)は引抜FRP、(b)は板状FRPM、(c)は管状FRPM、(d)はプレスFRPM 繊維強化プラスチックから分離した強化繊維のレーザ顕微鏡写真であって、(a)は引抜FRP、(b)は板状FRPM、(c)は管状FRPM、(d)はプレスFRPM 過熱水蒸気工程を行った後のFT−IR分析結果を示す図 過熱水蒸気工程、追加加熱工程、及び、超音波工程を行った後のFT−IR分析結果を示す図 過熱水蒸気工程を行った後の各層の熱重量分析結果を示す図であって、(a)は引抜FRP、(b)は板状FRPM、(c)は管状FRPM、(d)はプレスFRPM 引抜FRPに対し過熱水蒸気工程を行った後のスチーム分解樹脂成分のH−NMR分析結果を示す図 引抜FRPに対し過熱水蒸気工程を行った後のサイズ排除クロマトグラフィ分析結果を示す図
この発明に係る繊維強化プラスチック(以下、FRPという。)のリサイクル方法の手順を図1に示す。このリサイクル方法は、FRP又はFRPとモルタルを積層させた強化プラスチック複合材(以下、FRPMという。)から、強化繊維(さらに、必要に応じて樹脂成分)を回収してリサイクルする際に適用される。このリサイクル方法は、第一熱処理工程(以下、過熱水蒸気工程という。)(ステップS1)、第二熱処理工程(以下、追加加熱工程という。)(ステップS2)、超音波工程 (ステップS3)、及び、強化繊維の回収工程(ステップS4)を有している。
過熱水蒸気工程は、過熱水蒸気雰囲気中で、FRP(又はFRPM)を熱処理する工程である。この過熱水蒸気は、100℃の水蒸気を過熱水蒸気処理装置でさらに加熱することによって得られる。この過熱水蒸気は、FRP又はFRPM中の樹脂成分を加水分解する作用を有している。加水分解された樹脂成分(以下、スチーム分解樹脂成分という。)は、強化繊維やモルタルとの密着性が低下するため、スチーム分解樹脂成分と強化繊維との分離や、モルタルからのFRPの分離を比較的容易に行うことができる。
この過熱水蒸気工程においては、200〜400℃の温度範囲内とした常圧の過熱水蒸気を用いるのが好ましい。過熱水蒸気の温度が200℃よりも低いと、過熱水蒸気による樹脂成分の十分な加水分解作用を得ることが難しい。また、過熱水蒸気の温度が400℃よりも高いと、反応性が高い過熱水蒸気の作用によって強化繊維がダメージを受け、高品質な強化繊維を回収できない虞がある。さらに、高温の過熱水蒸気を生成するのに大掛かりな過熱水蒸気処理装置が必要となり、コスト高となる問題もある。この過熱水蒸気工程の温度は、300〜380℃の温度範囲とするとさらに好ましく、330〜370℃の温度範囲とすると一層好ましい。
追加加熱工程は、過熱水蒸気工程で熱処理されたFRP(又はFRPM)を過熱水蒸気以外の雰囲気中(非過熱水蒸気雰囲気中)で熱処理する工程である。この追加加熱工程に先立って行われる過熱水蒸気工程では、過熱水蒸気の加水分解作用によって、スチーム分解樹脂成分と強化繊維との間の分離性が高まるが、強化繊維に付着したスチーム分解樹脂成分の除去が不十分となることも多い。この追加加熱工程において、過熱水蒸気工程によって生じたスチーム分解樹脂成分を追加加熱することによって、スチーム分解樹脂成分と強化繊維との密着性をさらに低下させることができ、スチーム分解樹脂成分と強化繊維との分離を一層容易に行うことができる。
この追加加熱工程は、400〜600℃の温度範囲内で行うのが好ましい。熱処理温度が400℃よりも低いと、スチーム分解樹脂成分と強化繊維との密着性の低下効果が不十分となりやすい。また、熱処理温度が600℃よりも高いと、強化繊維がダメージを受け、高品質な強化繊維を回収できない虞がある。さらに、高温の熱処理に伴って多くの電力を必要とするため、コスト高となる問題もある。この熱処理温度は、450〜550℃の温度範囲とするとさらに好ましく、470〜530℃の温度範囲とすると一層好ましい。
この追加加熱工程の熱処理雰囲気は、非過熱水蒸気雰囲気であれば特に限定されることはなく、大気、窒素等の不活性ガス雰囲気、酸素雰囲気等から適宜選択することができる。
超音波工程は、追加加熱工程中に熱処理されたFRP(又はFRPM)に超音波を付与する工程である。追加加熱工程を行うことにより、強化繊維の表面に付着していたスチーム分解樹脂成分はその大部分が除去されるが、FRP(又はFRPM)に添加されていた添加フィラー成分(例えば炭酸カルシウム)が付着したままの状態となることがある。この添加フィラー成分は、強化繊維の表面に物理的に付着した状態となっている。
そこで、追加加熱工程に引き続いて超音波工程を行うことにより、強化繊維の表面に付着した添加フィラー成分を確実に除去することができ、高品質な強化繊維を回収することができる。この超音波工程は、例えば、超音波を伝達する媒体(例えば水)の中に強化繊維を浸漬し、所定の出力の超音波を付与することで行われる。この超音波工程は、追加加熱処理を行うための熱処理装置とは別の超音波洗浄装置等を用いて行うのが一般的なので、通常は追加加熱工程が完了した後に行なわれるが、この熱処理装置に超音波洗浄装置の機能を組み込むことが可能であれば、追加加熱工程と超音波工程を並行して行うようにしてもよい。
過熱水蒸気工程、追加加熱工程、及び、超音波工程が完了したら、スチーム分解樹脂成分、及び、添加フィラー成分が除去された強化繊維を回収する。
以下において、この発明に係るリサイクル方法を用いたFRP及びFRPMのリサイクルの実施例について説明する。
この実施例で用いたサンプルは次の通りである。各サンプルの形状を図2(a)〜(d)に斜視図で示す。
(a)ガラス繊維強化プラスチック(引抜品)(以下、引抜FRPという。)
(b)ガラス繊維強化プラスチック複合材(板状)(以下、板状FRPMという。)
(c)ガラス繊維強化プラスチック複合材(管状)(以下、管状FRPMという。)
(d)ガラス繊維強化プラスチック複合材(プレス品)(以下、プレスFRPMという。)
(a)の引抜FRPは、ガラス強化繊維で補強された板状の内部コアの表裏面に、樹脂を含浸したガラス強化繊維であるストランド層及び最外層を順次積層したものを引抜法によって成形したものであって、長辺方向の長さxが約30cm、長辺方向と直交する湾曲方向に沿う方向の長さyが約17cm、厚さtが約1.5cmのカット品を使用した。
(b)の板状FRPMは、モルタルコアの表裏面に、樹脂を含浸した多層マット及び最外層を順次積層したものであって、長辺方向の長さxが約30cm、短辺方向の長さyが約15cm、厚さtが約1.9cmのカット品を使用した。
(c)の管状FRPMは、モルタルコアの表裏面に、樹脂を含浸したストランド層及び最外層を順次積層したものであって、長辺方向の長さxが約30cm、短辺方向の長さyが約20cm、厚さtが約0.9cmのカット品を使用した。
(d)のプレスFRPMは、モルタルコアの表裏面に、樹脂を含浸した多層マット及び最外層を順次積層したものであって、長辺方向の長さxが約30cm、短辺方向の長さyが約20cm、厚さtが約0.9cmのカット品を使用した。
なお、上記のサンプル形状は例示に過ぎず、処理設備の大きさ等に対応して、適宜変更することができる。
上記の各サンプルに対し、次の(1)〜(4)に示す工程を順次行った。
(1)過熱水蒸気工程
過熱水蒸気工程には、過熱水蒸気処理装置(直元工業製QF−5200C)を用いた。この装置は、高温の過熱水蒸気を生成するスチーム加熱用と、オーブンを加熱するオーブン加熱用の二つの加熱装置を備えている。まず、オーブン加熱用の加熱装置で、オーブン内の温度を350℃に加熱した。そして、オーブン内の温度が350℃に到達した時点で過熱水蒸気をオーブン内に導入し、各サンプルに対し3時間熱処理を行った。各サンプルをオーブン内から取り出したら、送風ファンを用いて各サンプルに送風することで、急速に冷却した。冷却後に、各サンプルを層ごとに分離した。
(2)追加加熱工程
追加加熱工程には、電気炉(As−One製MMF−1)を用いた。この電気炉の温度を500℃に加熱した上で、常圧の大気雰囲気下で各サンプル(各層)を1時間熱処理した。この熱処理後、各サンプル(各層)を室温まで冷却した。
(3)超音波工程
超音波工程には、超音波処理装置(三商製US−100)を用いた。この超音波工程においては、処理槽の中に水を入れ、その水に追加加熱工程後の強化繊維を浸漬し、その強化繊維に超音波を所定時間(数十秒〜数分程度)付与した。
(4)強化繊維の回収工程
超音波処理装置の洗浄槽から強化繊維を取り出し、その強化繊維を105℃に加熱したオーブン中で乾燥させ、この強化繊維を回収した。
また、上記の一連の工程の終了後、又は、途中工程の段階において、以下の(1)〜(6)に示す測定等を実施した。
(1)重量変化の測定
熱処理前、過熱水蒸気工程後、及び、追加加熱工程後の各サンプルの重量を一般的な重量秤を用いて測定した。
(2)表面形態の観察
表面形態の観察には、レーザ顕微鏡(キーエンス社製VK−X100)を用いた。このレーザ顕微鏡は、深度方向の合成画像を生成する機能を有し、この合成画像から、チャー(炭化物)の生成状態、添加フィラーの残存状態、及び、強化繊維の表面清浄性の各評価を実施した。
(3)化学成分の評価
化学成分の評価には、フーリエ変換赤外分光装置(サーモサイエンティフィック社製Nicolet iZ10)(以下、FT−IRという。)を用いた。この評価に際しては、スペクトルを400〜4000cm−1の波数範囲とし、分解能4cm−1で16回スキャンを行った。
(4)熱重量特性の評価
FRP中の有機成分の熱重量特性の評価には、熱重量分析装置(セイコーインスツル製EXSTAR7200)(以下、TGAという。)を用いた。各サンプル(5〜8mg)を直径5mmのアルミニウム製のパンに載置し、40〜580℃の温度範囲において、大気雰囲気下(昇温速度:10、5、3℃/分)又は100mL/分の窒素気流中(昇温速度:10℃/分)で加熱したときの各サンプルの重量変化を測定した。
(5)可溶性有機成分の分析
可溶性有機成分の分析には、核磁気共鳴装置(日本電子製JNM−ECP500FT−NMR)(以下、NMRという。)を用い、H及び13C−NMR測定を行った。この測定においては、テトラクロロエタン−d2(TCE−d2)を溶媒として用い、テトラメチルシラン(TMS)を標準サンプルとして用いた。NMR分析用のサンプルとして、過熱水蒸気工程を行ったFRPからクロロホルムを用いて抽出されたスチーム分解樹脂成分を用いた。
(6)分子量の分析
分子量の分析には、サイズ排除クロマトグラフィ装置(東ソー製TOSOH HLC−8320GPCシステム)(以下、SECという。)を用いた。カラムとして、TOSOH TSK Gel Super HM−Mカラム(直線性範囲:1×10〜8×10、排除限界分子量4×10)、溶離液としてクロロホルム(0.6mL・min―1)、検出器として屈折率計(RI)を用い、40℃で測定を実施した。検量線は、12種類の単分散の標準ポリスチレン(分子量Mn:5.89×10〜1.11×10の範囲)を用いて作成した。過熱水蒸気工程後の各サンプルから、クロロホルムを用いて可溶性有機成分を抽出し、回収された成分(約10mg)を2mLのクロロホルムで約2時間攪拌して可溶成分を溶解し、開孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製のメンブランフィルタを用いて濾過し、得られたろ液のSEC測定を行った。この測定で得られたSECプロファイルより、それぞれの抽出サンプルの数平均及び重量平均分子量(Mn及びMw)を評価した。
以下において、各測定等の結果について説明する。
(1)重量変化の測定結果
各サンプルの熱処理前の重量、並びに、過熱水蒸気工程後、及び、追加加熱工程後の重量変化を調べたところ、いずれのサンプルにおいても過熱水蒸気工程後に重量減少することが確認された。これは、FRP又はFRPM中の樹脂成分が分解され、その一部が除去されたことを示している。特に、引抜FRPにおいて、過熱水蒸気工程後の重量減少が顕著であることも確認された。また、過熱水蒸気工程後に分離された各層の追加加熱工程後の重量減少は、最外層において相対的に大きいことが確認された。
(2)表面形態の観察結果
図3に過熱水蒸気工程後に各サンプルから分離した各層を、図4に過熱水蒸気工程、追加加熱工程、及び、超音波工程を行った後に、各層から分離した成分を、図5にFRPから分離した強化繊維をそれぞれ示す。なお、図3から図5においては、いずれも(a)が引抜FRP、(b)が板状FRPM、(c)が管状FRPM、(d)がプレスFRPMをそれぞれ示している。
過熱水蒸気工程後においては、図3に示すように、分離した各層いずれも茶色や黒色に着色していた。この着色は、過熱水蒸気工程において、樹脂成分が加水分解されたスチーム分解樹脂成分やチャーであると考えられる。
なお、図3(a)中の(i)は内部コア、(ii)はストランド層、(iii)は最外層を、図3(b)中の(i)は最外層、(ii)は多層マット、(iii)はモルタルコアを、図3(c)中の(i)は最外層下部、(ii)は上部ストランド層、(iii)は下部ストランド層、(iv)はモルタルコアを、図3(d)中の(i)は最外層下部、(ii)は上層マット、(iii)及び(iv)は上部マット上のモルタルコアをそれぞれ示している。
過熱水蒸気工程後に、追加加熱工程及び超音波工程(超音波工程は、モルタルコア以外に対して実施)を行うことにより、図4に示すように、強化繊維に付着していたスチーム分解樹脂成分やチャーが分解されるとともに、添加フィラー成分が除去され、高品質な白色の強化繊維(ガラス繊維)を回収することができた。
なお、図4(a)中の(i)はストランド層、(ii)は内部コア、(iii)は最外層を、図4(b)中の(i)は最外層、(ii)は多層マット、(iii)はモルタルコアを、図4(c)中の(i)は最外層、(ii)はストランド層、(iii)はモルタルコアを、図4(d)中の(i)は最外層、(ii)はモルタルコアをそれぞれ示している。
FRPから分離した強化繊維は、図5(a)〜(d)中の(i)に示すように、全てのサンプルにおいて、過熱水蒸気工程後に、強化繊維の表面に茶色や黒色のスチーム分解樹脂成分やチャーが付着していた。これに対し、過熱水蒸気工程後に追加加熱工程及び超音波工程を行うことにより、図5(a)〜(d)中の(ii)に示すように、スチーム分解樹脂成分、チャー、添加フィラー成分等の不要成分を除去して、高品質な強化繊維を得ることができた。
(3)化学成分の評価結果
FRP(又はFRPM)は、ガラス繊維等の強化繊維と、マトリックスとなる不飽和ポリエステル等の樹脂成分を基本原料としており、リサイクルに際しては、強化繊維だけでなく樹脂成分も回収するのが好ましい。そこで、過熱水蒸気工程における樹脂成分の変化の有無について評価した。
過熱水蒸気工程を行った後のFT−IR分析結果を図6に示す。図6中の(a)は硬化前の不飽和ポリエステル樹脂、(b)は減圧下で105℃に加熱してスチレン成分を除去した、硬化前の不飽和ポリエステル樹脂、(c)は硬化後の不飽和ポリエステル樹脂、(d)は引抜FRPに対し過熱水蒸気工程(350℃、1時間)を行った後にクロロホルムで抽出した成分のスペクトルである。(b)以外のサンプルから、スチレンユニット由来の吸収バンド(3083、3060、及び、3030cm−1)が観測された。
また、全てのサンプルから、スチレンモノマー由来の吸収バンド(1630、992、及び、910cm−1)、芳香環由来の吸収バンド(900cm−1以下)が多数観察された。過熱水蒸気工程後のスペクトル(d)は、硬化後のスペクトル(c)とほとんど差はなく、過熱水蒸気工程の温度が350℃で熱処理時間が1時間であれば、樹脂成分に大きな変化(ダメージ)は生じないと考えられる。
次に、上記の各サンプルの代表としての引抜FRPを用い、この発明に係るリサイクル方法の各工程を行った後のFT−IR分析結果を図7に示す。図7中の(a)は硬化前の不飽和ポリエステル樹脂、(b)は硬化後の不飽和ポリエステル樹脂、(c)は引抜FRP、(d)は引抜FRPに対し350℃、1時間の過熱水蒸気工程を行ったもの、(e)は引抜FRPに対し350℃、3時間の過熱水蒸気工程を行ったもの、(f)は引抜FRPに対し350℃、3時間の過熱水蒸気工程、追加加熱工程、及び、超音波工程を行ったもののスペクトルである。
スチレンユニット由来の吸収バンド(3083、3060、及び、3030cm−1)が、硬化前の不飽和ポリエステル樹脂から1時間の過熱水蒸気工程を行ったサンプル(a〜d)で観察された。これらの吸収バンドは、3時間の過熱水蒸気工程を行ったサンプルでは消失したが、エステル結合に由来する吸収バンド(1730cm−1)は残存していた。この吸収バンドは、有機成分の酸化物に起因するものと考えられる。この吸収バンドは、追加加熱工程及び超音波工程を行うことによって消失した。このことから、過熱水蒸気工程から超音波工程までの一連の工程を行うことによって、樹脂及び添加フィラー成分に起因する残留物は全て除去されるといえる。
(4)熱重量特性の評価結果
図8に過熱水蒸気工程(350℃、3時間)を行ったFRP(FRPM)から分離された各層の熱重量分析結果の微分曲線を示す。図8(a)は引抜FRPで、(i)は最外層、(ii)はストランド層、(iii)は内部コア、図8(b)は板状FRPMで、(i)は最外層、(ii)は第2マット層、(iii)はモルタルコア、図8(c)は管状FRPMで、(i)は最外層、(ii)はストランド層、(iii)はモルタルコア、図8(d)はプレスFRPMで、(i)は最外層、(ii)はモルタルコアである。
窒素気流中では、300〜500℃の温度範囲で、単一のブロードピークが観察された。その一方で、大気雰囲気下では、昇温速度の低下に伴って、分解開始温度や微分曲線が最大となるピーク温度が低温側にシフトした。例えば、(a)引抜FRPと(c)管状FRPMの過熱水蒸気工程後のサンプルは、二以上の微分曲線ピークが観察された。低温側(250〜450℃)の第1ピークは小さくブロードであり、高温側(380〜580℃)の第2及び第3ピークはそれより大きいピークであった。モルタルコアは、最外層等とは異なるピーク形状を示した。
これらの結果は、過熱水蒸気工程後のFRP(FRPM)中に、有機物が残存していることを明確に示している。不飽和ポリエステル樹脂の大気下での熱分解特性に関する研究報告を考慮すると、この有機物の分解は約200℃以上で開始し、加熱に伴ってチャーが発生し、400℃以上でチャーの酸化が生じていると考えられる。また、過熱水蒸気工程後に残存する有機成分は、250〜450℃の温度範囲で熱分解して分解成分が揮発し、さらに、500℃以上で酸化的分解が進行して、残存する有機成分が完全に除去されると推定される。
(5)可溶性有機成分の分析結果
図9に引抜FRPに対し過熱水蒸気工程を行った後のスチーム分解樹脂成分のH−NMR分析結果を示す。このスペクトルから、スチーム分解樹脂成分中の芳香環含有成分が、スチレンユニットとイソフタル酸ユニット構造であることが確認された。不飽和ポリエステル樹脂では5.2〜5.5ppmに観測されたメチンプロトンピークが、スチーム分解樹脂成分では4.28ppmに観測されたことから、加水分解後のグリコール成分を含有していることが確認された。以上の分析の結果、クロロホルムで抽出されたスチーム分解樹脂成分は、硬化した不飽和ポリエステル樹脂が部分的に分解された可溶性成分であることが確認された。
(6)分子量の分析結果
図10に引抜FRPに対し過熱水蒸気工程を行った後のサイズ排除クロマトグラフィ分析結果を示す。赤外検出(IR検出)により得られたプロファイルから求めた平均分子量は、Mn:2.7×10及びMw:3.2×10、分子量分布Mw/Mn:1.19であり、紫外検出(UV検出)により得られたプロファイルから求めた平均分子量は、Mn:1.7×10及びMw:2.8×10、分子量分布Mw/Mn:1.65であった。これらより、いずれも十分な分子量と狭い分子量分布を有するポリマーであることが確認された。
上記において説明した繊維強化プラスチックのリサイクル方法は全ての点で例示であって、高品質な強化繊維等を回収する、というこの発明の課題を解決し得る限りにおいて、新たな工程を加える等、適宜変更することができる。

Claims (4)

  1. 過熱水蒸気雰囲気中で繊維強化プラスチックを熱処理する第一熱処理工程と、
    前記第一熱処理工程で熱処理された前記繊維強化プラスチックを非過熱水蒸気雰囲気中で熱処理する第二熱処理工程と、
    前記第二熱処理工程中に熱処理された前記繊維強化プラスチックに超音波を付与する超音波工程と、
    を備えた繊維強化プラスチックのリサイクル方法。
  2. 前記第一熱処理工程が、常圧下かつ200〜400℃の温度範囲内で行われる請求項1に記載の繊維強化プラスチックのリサイクル方法。
  3. 前記第二熱処理工程が、常圧下かつ400〜600℃の温度範囲内で行われる請求項1又は2に記載の繊維強化プラスチックのリサイクル方法。
  4. 前記繊維強化プラスチックが、モルタル板と積層された繊維強化プラスチック複合材を構成している請求項1から3のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチックのリサイクル方法。
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