JP2020150105A - フェライト構造体及びその製造方法 - Google Patents

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真史 後藤
憲隆 千代
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憲隆 千代
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Ryuji Yoshida
龍司 吉田
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俊一 工藤
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Abstract

【課題】ギャップを介した磁束の漏れが低減されたフェライト構造体を提供する。【解決手段】フェライト構造体1は、面方向に配列された複数のフェライト片11が板状又はシート状に支持されてなるフェライト構造体であって、隣接するフェライト片の間に位置するギャップ12の少なくとも一つは、面方向に対して垂直な厚み方向に直線的に貫通しないよう、非垂直部分を有している。これによれば、フェライト構造体1に対して垂直な方向の磁束がギャップ内に進入した場合であっても、直線的に貫通することなく、途中でフェライト片に吸収されることから、ギャップを介した磁束の漏れを低減することが可能となる。【選択図】図1

Description

本発明はフェライト構造体及びその製造方法に関し、特に、複数のフェライト片に分割されてなるフェライト構造体及びその製造方法に関する。
板状又はシート状に加工されたフェライト構造体は、効率良く磁界が発生する磁路を形成させるための部材として、または、各種電子機器の磁気シールドとして広く利用されている。例えば、ワイヤレス給電装置においては、送電コイルと受電コイルを共に鎖交するワイヤレス給電のための磁束を効率よく発生させるとともに、受電コイルとは反対方向に磁界が広がらないようにするため、送電コイルの裏面にフェライト構造体からなる磁気シールドが配置されることがある。
しかしながら、フェライトは脆性であることから、焼結したフェライト板をそのまま電子機器などに使用すると、衝撃によって容易に割れてしまうという問題がある。このため、焼結したフェライト板をそのまま使用するのではなく、焼結したフェライト板をあらかじめ複数のフェライト片に分割しておき、支持シートや接着剤などを用いて複数のフェライト片を板状又はシート状に支持する方法が一般的である(特許文献1参照)。
特開2014−225552号公報
しかしながら、磁気シールドに対しては磁界が垂直に印加されることが多いため、隣接するフェライト片の間に位置するギャップが厚み方向にまっすぐ延在していると、直進性の高い磁界の一部がギャップを介して通過し、これにより磁気シールド特性が低下するという問題があった。
したがって、本発明は、ギャップを介した磁束の漏れが低減されたフェライト構造体及びその製造方法を提供することである。
本発明によるフェライト構造体は、面方向に配列された複数のフェライト片が板状又はシート状に支持されてなるフェライト構造体であって、隣接するフェライト片の間に位置するギャップの少なくとも一つは、面方向に対して垂直な厚み方向に直線的に貫通しないよう、非垂直部分を有していることを特徴とする。
本発明によれば、フェライト構造体に対して垂直な方向の磁束がギャップ内に進入した場合であっても、直線的に貫通することなく、途中でフェライト片に吸収されることから、ギャップを介した磁束の漏れを低減することが可能となる。
本発明において、ギャップの非垂直部分は、厚み方向に対して傾斜した傾斜部分を含んでいても構わない。これによれば、ギャップの形状を複雑化することなく、磁束の漏れを低減することが可能となる。
本発明において、ギャップは、いずれの方向からも直線的に貫通しないよう、所定の方向に延在する第1の区間と、第1の区間とは異なる方向に延在する第2の区間を有していても構わない。これによれば、いずれの方向からの磁束も、ギャップを直線的に貫通することがなく、途中でフェライト片に吸収されることから、ギャップを介した磁束の漏れをより低減することが可能となる。
本発明において、複数のフェライト片は、所定の平面位置にギャップが形成された第1のフェライト層と、所定の平面位置とは異なる平面位置にギャップが形成された第2のフェライト層を構成し、第1のフェライト層と第2のフェライト層が積層されていても構わない。これによれば、フェライト構造体を容易に作製することが可能となる。
本発明においては、ギャップに樹脂材料が充填されていても構わない。これによれば、ギャップに充填された樹脂材料によって複数のフェライト片を板状又はシート状に支持することが可能となる。
本発明によるフェライト構造体の製造方法は、フェライト材料を含むグリーンシートを作製する工程と、グリーンシートの一方の表面側から、グリーンシートを貫通しない第1の切り込みを所定の平面位置に形成するとともに、グリーンシートの他方の表面側から、グリーンシートを貫通しない第2の切り込みを所定の平面位置とは異なる平面位置に形成する工程と、グリーンシートを焼成した後、第1の切り込みの先端と第2の切り込みの先端を繋ぐクラックを形成することによって、面方向に配列された複数のフェライト片に分割する工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、隣接するフェライト片の間に位置するギャップが厚み方向に直線的に貫通しない構造を容易に得ることが可能となる。
このように、本発明によれば、ギャップを介した磁束の漏れが低減されたフェライト構造体及びその製造方法を提供することが可能となる。
図1は、本発明の第1の実施形態によるフェライト構造体1の構造を説明するための図であり、(a)は模式的な平面図、(b)は(a)に示すA−A線に沿った模式的な断面図である。 図2は、フェライト構造体1のxz断面を拡大した図である。 図3は、フェライト構造体1の使用例を説明するための模式的な断面図である。 図4は、フェライト構造体1の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図5は、グリーンシートGの両面に切り込み12a,12bを形成した状態を示す模式的な断面図である。 図6は、グリーンシートGの両面に切り込み12a,12bを形成する第1の方法を説明するための模式図である。 図7は、グリーンシートGの両面に切り込み12a,12bを形成する第2の方法を説明するための模式図である。 図8は、グリーンシートGの両面に切り込み12a,12bを形成する第3の方法を説明するための模式図である。 図9は、フェライト層10を複数のフェライト片11に個片化する方法を説明するための模式図である。 図10は、第2の実施形態によるフェライト構造体2の構造を説明するための模式的な断面図である。 図11は、フェライト構造体2の作製に用いるグリーンシートGの構造を説明するための模式的な断面図である。 図12は、第3の実施形態によるフェライト構造体3の構造を説明するための模式的な断面図である。 図13は、フェライト構造体3の作製に用いるグリーンシートGの構造を説明するための模式的な断面図である。 図14は、第4の実施形態によるフェライト構造体4の構造を説明するための模式的な断面図である。 図15は、フェライト構造体4の作製に用いるグリーンシートGの構造を説明するための模式的な断面図である。 図16は、第5の実施形態によるフェライト構造体5の構造を説明するための模式的な断面図である。 図17は、第6の実施形態によるフェライト構造体6の構造を説明するための模式的な断面図である。 図18は、第7の実施形態によるフェライト構造体7の構造を説明するための模式的な断面図である。 図19は、フェライト構造体7の作製に用いるグリーンシートGの構造を説明するための模式的な断面図である。 図20は、フェライト構造体7の作製に用いるフェライト層10A,10Bを重ねた状態を示す模式的な断面図である。 図21は、第8の実施形態によるフェライト構造体8の構造を説明するための模式的な断面図である。 図22は、フェライト構造体8の製造方法を説明するための模式図である。 図23は、フェライト構造体8の製造方法を説明するための模式図である。 図24は、第9の実施形態によるフェライト構造体9の構造を説明するための模式的な断面図である。 図25は、実施例の評価結果を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態によるフェライト構造体1の構造を説明するための図であり、(a)は模式的な平面図、(b)は(a)に示すA−A線に沿った模式的な断面図である。
図1に示すように第1の実施形態によるフェライト構造体1は、板状又はシート状の磁気シールド部材であり、フェライト層10と支持シート20がz方向に積層された構造を有している。フェライト層10は、マトリクス状にx方向及びy方向に配列された複数のフェライト片11からなり、隣接するフェライト片11の間はギャップ12が設けられている。したがって、ギャップ12は平面視でx方向及びy方向に延在している。特に限定されるものではないが、フェライト層10の厚みは0.1mm〜2mm程度、例えば0.5mmであり、フェライト片11のサイズは数百μm〜数mm角程度、例えば3mm〜5mm角である。フェライト片11を構成するフェライト材料としては、高い透磁率を有する限り特に限定されず、MnZn系フェライトやNiZn系フェライトなどを用いることができる。支持シート20は、複数のフェライト片11が分離しないよう一体的に支持する部材であり、PETなどの樹脂材料とその表面に設けられた接着部材を用いることができる。接着部材としては、アクリル糊、両面テープ、接着剤、粘着剤等を用いることができる。図1に示す例では、フェライト層10の一方の表面にのみ支持シート20が設けられているが、フェライト層10の両面を支持シート20で覆っても構わない。
本実施形態におけるフェライト構造体1は、厚み方向であるz方向に対して垂直な断面において、ギャップ12の延在方向がz方向に対して角度θだけ傾斜している。角度θの値については特に限定されないが、5°以上45°以下であることが好ましい。また、フェライト構造体1のxz断面を拡大した図2に示すように、ギャップ12の面方向(つまりx方向又はy方向)における幅をwとし、フェライト片11の一方の表面におけるエッジE1と他方の表面におけるエッジE2との面方向における距離をdとした場合、
d≧w
を満たしている。つまり、
d/w≧1
である。
このことは、フェライト層10をz方向から見た場合、ギャップ12を介してフェライト層10の向こう側が見えないことを意味する。このように、本実施形態においては、ギャップ12が傾斜した非垂直部分からなる。このため、ギャップ12はフェライト層10を貫通するものの、z方向に直線的には貫通しない。これにより、フェライト層10に対して垂直なz方向の磁束φを受けた場合、この磁束φがギャップ12を介してフェライト層10を貫通しにくくなり、少なくともz方向に直線的な磁束成分については、仮にギャップ12内に進入したとしても、フェライト片11の側面に到達することになる。但し、フェライト層10に存在するギャップ12の全領域が上記の条件を満たしていることは必須でなく、ギャップ12の一領域については、厚み方向に直線的に貫通する部分が存在しても構わない。
z方向の磁束φに対する遮蔽効果は、d/wの比が大きいほど高くなる。具体的には、d/wの比が1.5以上であることが好ましく、d/wの比が4.5以上であることがより好ましい。
図3は、本実施形態によるフェライト構造体1の使用例を説明するための模式的な断面図である。図3に示す例では、支持体31及びその表面に形成されたコイルパターン32からなるコイル部品30の裏面に、フェライト構造体1が配置されている。これにより、コイルパターン32に電流を流した場合に発生する磁束は、z1方向へは空間的に広がる一方、z2方向には広がらず、フェライト構造体1によって遮蔽される。特に限定されるものではないが、コイル部品30としては、ワイヤレス給電システムに用いられる送電コイルを挙げることができる。
次に、本実施形態によるフェライト構造体1の製造方法について説明する。
図4は、本実施形態によるフェライト構造体1の製造方法を説明するためのフローチャートである。
まず、フェライト粉、メチルセルロース、水などを計量し、これを混練することによって原料ペーストを生成した後(ステップS1)、原料ペーストをシート状に成形することによってグリーンシートを作製する(ステップS2)。成型方法については特に限定されず、押出工法、シート積層工法、圧縮成形法などを用いることができる。中でも、フェライト層10の厚みを0.1mm〜2mm程度とする場合、押出工法を用いることが好ましい。
次に、グリーンシートの両面に切り込みを形成する(ステップS3)。図5は、グリーンシートGの両面に切り込み12a,12bを形成した状態を示す模式的な断面図である。図5に示すように、切り込み12aは、グリーンシートGの一方の表面Ga側に形成され、グリーンシートGを貫通しない深さに形成される。また、切り込み12bは、グリーンシートGの他方の表面Gb側に形成され、グリーンシートGを貫通しない深さに形成される。図5に示す例では、切り込み12a,12bが傾斜しており、且つ、互いに異なる平面位置に設けられる。切り込み12a,12bの深さは、グリーンシートGの厚みの1/3程度とすればよい。
切り込み12a,12bを形成する方法については特に限定されず、図6に示すように、一方向に延在する複数の刃を有する型41をグリーンシートGに押し当てた後、型41又はグリーンシートGを90°回転させて、もう一度、型41をグリーンシートGに押し当てることによって一方の表面Gaに格子状の切り込み12aを形成し、さらに、グリーンシートGを上下反転させて同じ操作を行うことによって、他方の表面Gbに格子状の切り込み12bを形成しても構わない。或いは、図7に示すように、格子状の刃を有する型42をグリーンシートGに押し当てることによって一方の表面Gaに格子状の切り込み12aを形成し、さらに、グリーンシートGを上下反転させて同じ操作を行うことによって、他方の表面Gbに格子状の切り込み12bを形成しても構わない。さらには、図8に示すように、複数の刃を有する2つの回転ローラ43a,43bの隙間にグリーンシートGを通過させた後、グリーンシートGを90°回転させてもう一度同じ操作を行うことによって、表面Ga,Gbに切り込み12a,12bを同時に形成しても構わない。
但し、グリーンシートGの両面に切り込みを形成することは必須でなく、グリーンシートGの一方の表面にのみ切り込みを形成しても構わない。この場合、グリーンシートGの両面に切り込みを形成する場合よりも、深い切り込みを形成する必要がある。例えば、グリーンシートGの厚みの1/3〜2/3程度の深さの切り込みを形成することが好ましい。
次に、切り込み12a,12bが形成されたグリーンシートGを例えば1100℃〜1200℃の温度で焼成することによって、硬化したフェライト層10を形成する(ステップS4)。そして、フェライト層10を支持シート20上にラミネートした後(ステップS5)、切り込み12a,12bに沿ってフェライト層10を複数のフェライト片11に個片化すれば、本実施形態によるフェライト構造体1が完成する(ステップS6)。
フェライト層10を複数のフェライト片11に個片化する方法としては、図9に示すように、シリコーンラバーなどの可撓性シート53とフェライト構造体1を重ねてステージ50に載置し、圧延ローラ51をx方向に輪転させるとともに、圧延ローラ52をy方向に輪転させる方法が挙げられる。これにより、切り込み12aの先端と切り込み12bの先端を繋ぐクラックが形成されることから、切り込み12a,12bに沿ってフェライト層10が割れ、複数のフェライト片11に個片化される。また、圧延ローラ51,52を用いて個片化を行えば、圧延ローラ51,52の進行方向によってクラックが生成される方向をコントロールすることが可能である。
以上説明したように、本実施形態によるフェライト構造体1は、フェライト層10に形成されたギャップ12が傾斜しており、これにより、フェライト層10をz方向に直線的に貫通しないことから、直進性の高いz方向の磁束φを効果的に遮蔽することが可能となる。
図10は、第2の実施形態によるフェライト構造体2の構造を説明するための模式的な断面図である。
図10に示すように、第2の実施形態によるフェライト構造体2は、ギャップ12が2つの垂直部分Vと1つの傾斜部分Iを有している点において、第1の実施形態によるフェライト構造体1と相違している。その他の基本的な構成は、第1の実施形態によるフェライト構造体1と同じであることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態においては、ギャップ12の垂直部分Vがフェライト層10の表面側に位置し、傾斜部分Iがフェライト層10の内部に位置する。そして、フェライト層10の両面に形成された垂直部分Vの平面位置が互いに異なっていることから、第1の実施形態によるフェライト構造体1と同様、ギャップ12がフェライト層10をz方向に直線的に貫通しない。これにより、直進性の高いz方向の磁束φを効果的に遮蔽することが可能となる。
しかも、本実施形態によるフェライト構造体2は、ギャップ12が垂直部分V及び傾斜部分Iの組み合わせによって構成されていることから、z方向の磁束φだけでなく、z方向に対して所定の傾きを持った磁束φについても、ギャップ12を介してフェライト層10を直線的に貫通しない。つまり、第1の実施形態によるフェライト構造体1では、z方向に対して角度θの傾きを持った磁束φについては、一部がギャップ12を介してフェライト層10を直線的に貫通する可能性があるが、本実施形態によるフェライト構造体2は、このような傾きを持った磁束φについても、効果的に遮蔽することが可能となる。例えば、z方向の磁束φについては、ギャップ12の第1の区間である垂直部分Vに進入するが、第2の区間である傾斜部分Iが垂直部分Vとは異なる方向に延在していることから、進入した磁束φは、傾斜部分Iの壁面に吸収されることになる。
本実施形態によるフェライト構造体2を作製するためには、図11に示すように、グリーンシートGの表面Ga,Gbの異なる平面位置に、垂直な切り込み12a,12bを形成した後、焼成、ラミネート及び個片化を行えば良い。これにより、垂直な切り込み12aの先端と垂直な切り込み12bの先端が斜め方向のクラックによって繋がることから、フェライト層10の内部に傾斜部分Iを形成することが可能となる。
図12は、第3の実施形態によるフェライト構造体3の構造を説明するための模式的な断面図である。
図12に示すように、第3の実施形態によるフェライト構造体3は、ギャップ12が1つの垂直部分Vと2つの傾斜部分Iを有している点において、第1の実施形態によるフェライト構造体1と相違している。その他の基本的な構成は、第1の実施形態によるフェライト構造体1と同じであることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態においては、ギャップ12の傾斜部分Iがフェライト層10の表面側に位置し、垂直部分Vがフェライト層10の内部に位置する。そして、フェライト層10の両面に形成された傾斜部分Iの平面位置が互いに異なっていることから、第1の実施形態によるフェライト構造体1と同様、ギャップ12がフェライト層10をz方向に直線的に貫通しない。これにより、z方向の磁束φを効果的に遮蔽することが可能となる。
しかも、本実施形態によるフェライト構造体2は、第2の実施形態と同様、ギャップ12が垂直部分V及び傾斜部分Iの組み合わせによって構成されていることから、z方向の磁束φだけでなく、z方向に対して所定の傾きを持った磁束φについても、ギャップ12を介してフェライト層10を直線的に貫通しない。例えば、z方向に対して所定の角度θを持つ磁束φについては、ギャップ12の第1の区間である傾斜部分Iに進入するが、第2の区間である垂直部分Vが傾斜部分Iとは異なる方向に延在していることから、進入した磁束φは、垂直部分Vの壁面に吸収されることになる。
本実施形態によるフェライト構造体3を作製するためには、図13に示すように、グリーンシートGの表面Ga,Gbの異なる平面位置に、傾斜した切り込み12a,12bを形成した後、焼成、ラミネート及び個片化を行えば良い。切り込み12a,12bの先端の平面位置はほぼ同じである。これにより、傾斜した切り込み12aの先端と傾斜した切り込み12bの先端が垂直なクラックによって繋がることから、フェライト層10の内部に垂直部分Vを形成することが可能となる。
図14は、第4の実施形態によるフェライト構造体4の構造を説明するための模式的な断面図である。
図14に示すように、第4の実施形態によるフェライト構造体4は、ギャップ12が2つの垂直部分Vと1つの水平部分Hを有している点において、第2の実施形態によるフェライト構造体2と相違している。その他の基本的な構成は、第2の実施形態によるフェライト構造体2と同じであることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態においては、ギャップ12の垂直部分Vがフェライト層10の表面側に位置し、水平部分Hがフェライト層10の内部に位置する。そして、フェライト層10の両面に形成された垂直部分Vの平面位置が互いに異なっていることから、第2の実施形態によるフェライト構造体2と同様、ギャップ12がフェライト層10を直線的に貫通しない。これにより、z方向の磁束φ及び所定の傾きを持った磁束φを効果的に遮蔽することが可能となる。本実施形態が例示するように、本発明において、ギャップ12が傾斜部分Iを有している点は必須ではない。
本実施形態によるフェライト構造体4を作製するためには、図15に示すように、グリーンシートGの表面Ga,Gbの異なる平面位置に、垂直な切り込み12a,12bを形成した後、焼成、ラミネート及び個片化を行えば良い。切り込み12a,12bの先端の深さ位置はほぼ同じである。これにより、垂直な切り込み12aの先端と垂直な切り込み12bの先端が水平方向のクラックによって繋がることから、フェライト層10の内部に水平部分Hを形成することが可能となる。
図16は、第5の実施形態によるフェライト構造体5の構造を説明するための模式的な断面図である。
図16に示すように、第5の実施形態によるフェライト構造体5は、ギャップ12が円弧状である点において、第1の実施形態によるフェライト構造体1と相違している。その他の基本的な構成は、第1の実施形態によるフェライト構造体1と同じであることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本実施形態が例示するように、本発明においてギャップ12は曲線的であっても構わない。
図17は、第6の実施形態によるフェライト構造体6の構造を説明するための模式的な断面図である。
図17に示すように、第6の実施形態によるフェライト構造体6は、ギャップ12がS字型である点において、第1の実施形態によるフェライト構造体1と相違している。その他の基本的な構成は、第1の実施形態によるフェライト構造体1と同じであることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本実施形態が例示するように、本発明においてギャップ12は、複数の曲線を組み合わせた形状であっても構わない。
図18は、第7の実施形態によるフェライト構造体7の構造を説明するための模式的な断面図である。
図18に示すように、第7の実施形態によるフェライト構造体7は、第1のフェライト層10Aと第2のフェライト層10Bの間に支持シート20が挟み込まれた構造を有している。第1のフェライト層10Aは、ギャップ12Aによって複数のフェライト片11Aに分割された構造を有し、第2のフェライト層10Bは、ギャップ12Bによって複数のフェライト片11Bに分割されたされた構造を有している。ギャップ12A,12Bはいずれも垂直に延在しているが、ギャップ12Aとギャップ12Bは、平面位置が互いに異なっている。これにより、上述した各実施形態と同様、z方向の磁束φをフェライト片11A又は11Bに吸収することが可能となる。
本実施形態によるフェライト構造体7を作製するためには、図19に示すように、第1のグリーンシートGAの表面GAaに垂直な切り込み12Aaを形成し、第2のグリーンシートGBの表面GBbに垂直な切り込み12Bbを形成した後、焼成する。次に、図20に示すように、焼成したフェライト層10A,10Bによって支持シート20を挟み込んだ後、個片化を行えば良い。
図21は、第8の実施形態によるフェライト構造体8の構造を説明するための模式的な断面図である。
図21に示すように、第8の実施形態によるフェライト構造体8は、支持シート20が削除されているとともに、ギャップ12に接着材料60が充填された構造を有している。接着材料60としては、樹脂、アクリル糊、両面テープ、接着剤、粘着剤等を用いることができる。フェライト片11の形状は第1の実施形態と同じである。本実施形態が例示するように、本発明において支持シート20を用いることは必須でなく、ギャップ12に充填された接着材料60を用いて、複数のフェライト片11を一体的に支持しても構わない。また、接着材料60が柔軟性を有していれば、フェライト構造体8をフレキシブルに曲げることも可能である。
本実施形態によるフェライト構造体8を作製するためには、図22に示すように、焼成したフェライト層10と接着材料60を交互に積層した後、図23に示すように、積層方向に対して所定の角度を持ったダイシングラインDに沿って積層体を切断することにより、フェライト構造体8を取り出すことができる。これによれば、支持シート20が不要となるだけでなく、複数のフェライト構造体8を多数個取りすることが可能となる。
図24は、第9の実施形態によるフェライト構造体9の構造を説明するための模式的な断面図である。
図24に示すように、第9の実施形態によるフェライト構造体9は、薄いシート状の構造体ではなく、バルク状のフェライト片11を床、壁、天井などの支持面70に固定又は接着した構造を有している。隣接するフェライト片11の間のギャップ12は、第1の実施形態によるフェライト構造体1と同様、斜めに延在しており、これにより、支持面70に対して垂直な方向の磁束を効果的に遮断することが可能となる。本実施形態が例示するように、本発明によるフェライト構造体が薄いシート状である点は必須でなく、バルク状のフェライト片11を複数配列してなるものであっても構わない。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
図3に示す構造を有するフェライト構造体1とコイル部品30の積層体を想定し、コイル部品30に所定の電流を流した場合に測定点P1,P2に生じる磁界強度をシミュレーションした。測定点P1は、コイル部品30側に位置し、フェライト層10の表面から0.5mm離れた空間上の点である。一方、測定点P2は、コイル部品30とは反対側に位置し、フェライト層10の裏面から0.5mm離れた空間上の点である。フェライト片11のバルク状態での透磁率μは1000とした。そして、フェライト片11の平面サイズを1mm角、厚さを0.5mm、ギャップ12の幅wを0.05mmに固定した状態で、フェライト片11のエッジE1,E2の距離dを変化させた場合におけるシールド効果をシミュレーションした。シールド効果は、測定点P1における磁界強度と測定点P2における磁界強度の比によって定義した。結果を図25に示す。
図25に示すように、d/wの値がゼロである場合、つまり、ギャップ12が垂直である場合におけるシールド効果は、約−9.2dBであったのに対し、d/wの値が大きくなるにつれて、シールド効果が高くなることが確認された。特に、d/wの値が1.5以上であると、d/wの値がゼロである場合と比較して0.5dB以上のシールド効果の向上が確認された。上記の条件にてd/wの値が1.5である場合、ギャップ12の傾きθは、約10°である。また、d/wの値が4.5以上であると、d/wの値がゼロである場合と比較して1dB以上のシールド効果の向上が確認された。上記の条件にてd/wの値が4.5である場合、ギャップ12の傾きθは、約25°である。
1〜9 フェライト構造体
10,10A,10B 第2のフェライト層
11,11A,11B フェライト片
12,12A,12B ギャップ
12a,12b,12Aa,12Bb 切り込み
20 支持シート
30 コイル部品
31 支持体
32 コイルパターン
41,42 型
43a,43b 回転ローラ
50 ステージ
51,52 圧延ローラ
53 可撓性シート
60 接着材料
70 支持面
D ダイシングライン
E1,E2 エッジ
G,GA,GB グリーンシート
Ga,Gb,GAa,GBb グリーンシートの表面
H 水平部分
I 傾斜部分
V 垂直部分
P1,P2 測定点
φ 磁束

Claims (6)

  1. 面方向に配列された複数のフェライト片が板状又はシート状に支持されてなるフェライト構造体であって、隣接するフェライト片の間に位置するギャップの少なくとも一つは、前記面方向に対して垂直な厚み方向に直線的に貫通しないよう、非垂直部分を有していることを特徴とするフェライト構造体。
  2. 前記ギャップの非垂直部分は、前記厚み方向に対して傾斜した傾斜部分を含むことを特徴とする請求項1に記載のフェライト構造体。
  3. 前記ギャップは、いずれの方向からも直線的に貫通しないよう、所定の方向に延在する第1の区間と、前記第1の区間とは異なる方向に延在する第2の区間を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のフェライト構造体。
  4. 前記複数のフェライト片は、所定の平面位置にギャップが形成された第1のフェライト層と、前記所定の平面位置とは異なる平面位置にギャップが形成された第2のフェライト層を構成し、前記第1のフェライト層と前記第2のフェライト層が積層されていることを特徴とする請求項1に記載のフェライト構造体。
  5. 前記ギャップに樹脂材料が充填されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフェライト構造体。
  6. フェライト材料を含むグリーンシートを作製する工程と、
    前記グリーンシートの一方の表面側から、前記グリーンシートを貫通しない第1の切り込みを所定の平面位置に形成するとともに、前記グリーンシートの他方の表面側から、前記グリーンシートを貫通しない第2の切り込みを前記所定の平面位置とは異なる平面位置に形成する工程と、
    前記グリーンシートを焼成した後、前記第1の切り込みの先端と前記第2の切り込みの先端を繋ぐクラックを形成することによって、面方向に配列された複数のフェライト片に分割する工程と、を備えることを特徴とするフェライト構造体の製造方法。
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