JP2020149802A - 非水電解液二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非水電解液にLiBOBが添加された非水電解液二次電池において、製造工程完了後にSEI膜が形成されることによる電池抵抗の上昇を抑制できる。【解決手段】ここで開示される製造方法は、電池組立体を構築する組立体構築工程S10;電池組立体を所定の圧力で拘束する拘束工程S20;電池組立体を初期充電する初期充電工程S30;初期充電後の電池組立体を所定の時間保持するエージング工程S50;を包含する。そして、この製造方法は、初期充電工程S30後に、電池組立体への拘束圧を緩めた後、再度拘束圧を加えるポンピング工程S40を実施する。これによって、捲回電極体の外部の余剰電解液と、捲回電極体の内部の保持電解液とが混合されるため、余剰電解液中に残留していたLiBOBをエージング工程において反応させることができる。これによって、製造工程完了後にSEI膜が形成されることによる電池抵抗の上昇を抑制できる。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池等の非水電解液二次電池は、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として好ましく用いられている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、電気自動車、ハイブリッド自動車等の車両に搭載して用いられる高出力電源(例えば、車両の駆動輪に連結されたモータを駆動させる電源)として重要性が高まっている。
上記非水電解液二次電池では、初期充電の際に非水電解液の一部が還元分解され、負極活物質の表面にSEI膜(Solid Electrolyte Interface)と呼ばれる被膜が形成されることがある。このSEI膜が形成されると負極が安定化するため、その後の電解液の還元分解が抑制される。
上記SEI膜の形成に関する技術が特許文献1に開示されている。当該特許文献1に記載の初期充電方法では、リチウムイオン二次電池を拘束した状態で初期充電を開始し、所定の充電範囲で低速充電を行い、当該低速充電の後に拘束を解除する。そして、リチウムイオン二次電池を再度拘束し、低速充電時よりも高レートで再充電を行う。かかる特許文献1に記載の技術では、初期充電中に拘束解除と再度拘束を実施することによって、ガスによるSEI膜の形成阻害を抑制できるため、負極活物質の表面にSEI膜をムラ無く形成できる。
特開2015−228289号公報
ところで、非水電解液の還元分解によるSEI膜の形成は不可逆反応であるため、電池容量が低下する原因にもなり得る。このため、近年では、電解液よりも低い電位で分解してSEI膜を形成するLiBOB(リチウムビス(オキサラト)ボレート)を非水電解液に添加する技術が提案されている。
しかしながら、かかるLiBOBが添加された非水電解液二次電池では、製造工程の完了後から電池出荷前までの期間において、LiBOB由来のSEI膜が更に形成されて電池抵抗が上昇することがあった。この結果、製造工程完了後の抵抗検査だけでは、正確な電池抵抗を測定できない可能性があり、出荷直前に抵抗検査を再度実施する必要があったため生産効率の低下の原因となっていた。
本発明は、かかる問題を解決するべく創出されたものであり、その目的は、非水電解液にLiBOBが添加された非水電解液二次電池において、製造工程完了後にSEI膜が形成されることによる電池抵抗の上昇を抑制できる技術を提供することである。
上記目的を実現するべく、本発明によって以下の構成の非水電解液二次電池の製造方法(以下、単に「製造方法」ともいう)が提供される。
ここに開示される製造方法は、電池ケース内に捲回電極体と非水電解液とが収容された非水電解液二次電池を製造する方法である。かかる製造方法は、電池ケース内に、捲回電極体と、LiBOBを含む非水電解液とが収容されており、捲回電極体と電池ケースとの間に余剰電解液が存在している電池組立体を構築する組立体構築工程;電池組立体を所定の圧力で拘束する拘束工程;電池組立体を初期充電する初期充電工程;初期充電後の電池組立体を所定の時間保持するエージング工程;を包含する。そして、ここに開示される製造方法では、初期充電工程後に、電池組立体への拘束圧を緩めた後、再度拘束圧を加えるポンピング工程を実施することを特徴とする。
本発明者は、非水電解液にLiBOBが添加された電池において、製造工程完了後に電池抵抗が上昇する原因を検討した結果、次の知見を得た。一般的な非水電解液二次電池では、捲回電極体の内部に保持された保持電解液と、捲回電極体と電池ケースとの間に存在する(捲回電極体の外部に存在する)余剰電解液とを含んでいる。上記初期充電において分解されるLiBOBは、保持電解液中のLiBOBであり、余剰電解液中のLiBOBは、初期充電で分解されずに捲回電極体の外部に残留する。このため、製造工程完了後に捲回電極体内部へ余剰電解液が侵入すると、余剰電解液中に残留していたLiBOBに由来するSEI膜が形成されて電池抵抗が上昇する。このため、LiBOBを含む非水電解液を使用した電池では、製造工程完了後に電池抵抗が変動する可能性があるため、出荷直前に電池抵抗を測定する検査を実施する必要がある。
ここに開示される製造方法は、上述した知見に基づいてなされたものであり、初期充電工程後に、電池組立体への拘束圧を緩めた後、再度拘束圧を加えるポンピング工程を実施する。これによって、捲回電極体外部の余剰電解液と、捲回電極体内部の保持電解液とを混合できる。そして、余剰電解液中に残留していたLiBOBを、エージング工程において分解できるため、製造工程完了後に電池抵抗が上昇することを抑制できる。このため、ここに開示される製造方法によると、製造工程完了直後の抵抗検査において正確な電池抵抗を測定できるため、出荷直前の抵抗検査が不要になり、生産効率を向上することができる。
本発明の一実施形態に係る製造方法の各工程を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る製造方法において作製される電池組立体の内部構造を模式的に示す正面図である。 サンプル1〜4におけるポンピング処理の回数(回)と電池抵抗(mΩ)を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事項は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
なお、図面における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。また、以下の説明では、非水電解液二次電池の一例として、リチウムイオン二次電池を例に挙げて説明する。なお、ここで開示される製造方法において製造される非水電解液二次電池は、非水電解液(典型的には、非水溶媒中に支持電解質を含む非水電解液)を使用する電池であれば、リチウムイオン二次電池に限定されず、例えば、ニッケル水素電池などであってもよい。
1.本実施形態に係る製造方法
図1は、本実施形態に係る製造方法の各工程を示すフローチャートである。また、図2は、本実施形態に係る製造方法において作製される電池組立体の内部構造を模式的に示す正面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る非水電解液二次電池の製造方法は、組立体構築工程(S10)と、拘束工程(S20)と、初期充電工程(S30)と、エージング工程(S50)とを備えている。そして、本実施形態に係る製造方法は、初期充電工程(S30)の後にポンピング工程(S40)を実施することによって特徴づけられる。これによって、製造工程完了後の電池抵抗の上昇を抑制できるため、製造工程完了直後の抵抗検査において正確な電池抵抗を測定できる。以下、各々の工程について詳細に説明する。
(1)組立体構築工程
組立体構築工程(S10)では、電池組立体を構築する。なお、本明細書において「電池組立体」とは、初期充電およびエージングを実施する前の非水電解液二次電池を指す。図2に示すように、本工程において構築される電池組立体100は、電池ケース50と、捲回電極体10と、非水電解液20とを備えている。
電池ケース50は、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルめっき鋼などの金属製材料によって構成された扁平な角型の容器である。この電池ケース50は、ケース本体52と、蓋体54とを備えている。ケース本体52は、上面が開口した扁平な箱状の部材であり、蓋体54は、当該ケース本体52の開口部を塞ぐ板状の部材である。また、電池ケース50の上面をなす蓋体54には、正極端子70と負極端子72とが設けられている。この正極端子70と負極端子72は、車両のモータや他の電池などの外部機器と接続される。
捲回電極体10は、電池ケース50の内部に収容されている。詳しい図示は省略するが、捲回電極体10は、シート状の正極と、シート状の負極と、セパレータ(シート状の絶縁部材)を備えている。そして、これらのシート状の部材を積層させた積層体を捲回することによって捲回電極体10が形成される。
上記正極は、箔状の正極集電体の表面に正極合材層を付与することによって形成される。かかる正極合材層には、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出し得る金属酸化物(リチウム遷移金属複合酸化物等)が正極活物質として含まれている。また、シート状の正極の幅方向の一方の側縁部には、正極合材層が付与されていない正極集電体露出部が形成されている。この捲回電極体10では、正極集電体露出部のみが捲回された正極接続部10Aが、幅方向Xの一方(図2中の左側)の端部に形成されており、当該正極接続部10Aに正極端子70が電気的に接続される。
一方、負極についても、箔状の負極集電体の表面に負極合材層を付与することによって形成される。また、負極合材層には、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出し得る炭素材料(グラファイト等)が負極活物質として含まれている。また、シート状の負極の幅方向の他方の側縁部には、負極合材層が付与されていない負極集電体露出部が形成されている。そして、かかる負極集電体露出部のみが捲回された負極接続部10Bが、幅方向Xの他方(図2中の右側)の端部に形成されており、当該負極接続部10Bに負極端子72が電気的に接続される。
なお、上述した正極、負極、セパレータを構成する各材料については、一般的なリチウムイオン二次電池に用いられるものと同様のものを制限なく使用可能であり、本発明を特徴づけるものではないため詳細な説明を省略する。
非水電解液20は、上記捲回電極体10と同様に、電池ケース50の内部に収容されている。かかる非水電解液の組成は、特に限定されないが、例えば、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との混合溶媒(例えば体積比3:4:3)に、支持塩を所定の濃度(例えば1mol/L程度)で含有させたものを用いることができる。なお、支持塩としては、フッ素を含んだリチウム化合物、例えば、LiPF、LiBF、LiCFSO等が挙げられる。
そして、本実施形態では、非水電解液20にリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)が含まれている。かかるLiBOBは、被膜形成剤の一種であり、後述する初期充電工程(S30)において、非水電解液20の他の成分よりも低い電位で分解し、負極活物質の表面にSEI膜を形成する。これによって、電池容量を低下させることなく、負極を安定化させることができる。なお、非水電解液20の総量を100質量%としたときのLiBOBの含有量は、好適な厚みのSEI膜を形成するという観点から、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。一方、製造工程完了後のSEI膜の形成による電池抵抗の上昇を抑制するという観点から、上記LiBOBの含有量の上限値は、1.0質量%以下であることが好ましく、0.7質量%以下であることがより好ましい。
また、本工程で構築される電池組立体100では、捲回電極体10と電池ケース50との間に余剰電解液20Aが存在している。具体的には、上述した非水電解液20の一部は、保持電解液(図示省略)として捲回電極体10の内部(換言すると、正極と負極との極間)に充填される。かかる保持電解液を介して、正極と負極との間で電荷担体が移動することによって充放電が行われる。そして、捲回電極体10内部に充填されなかった非水電解液20は、余剰電解液20Aとして、捲回電極体10と電池ケース50との間(捲回電極体10の外側)に残留する。このような余剰電解液20Aが生じるように非水電解液20の注液量を調節することによって、捲回電極体10内の保持電解液が減少した際に、捲回電極体10内へ新たな非水電解液を供給できるため、液枯れによる電池性能の低下を抑制できる。
(2)拘束工程
次に、拘束工程(S20)では、上述した電池組立体100を所定の圧力で拘束する。これによって、捲回電極体10における正極と負極との極間距離が狭まり、後述する初期充電工程(S30)における充電反応を安定化させることができる。なお、ここに開示される技術の効果を制限しない限り、拘束工程(S20)には、従来の非水電解液二次電池の製造において採用されている一般的な手順を採用できる。例えば、電池組立体100の正面と背面を一対の拘束板で挟み込み、当該一対の拘束板を架橋部材で接続することによって電池組立体100を拘束できる。このときの拘束圧は、電池組立体100のサイズや捲回電極体10の捲回数等に応じて適宜調整することが好ましい。また、本工程における拘束圧は、初期充電における電池組立体100の膨張を考慮し、後述するポンピング工程での拘束圧よりも低い圧力に設定することが好ましい。かかる拘束圧は、例えば、1kN〜12kN程度(例えば7kN)に設定される。
なお、非水電解液二次電池は、当該電池が複数配列された組電池の形態で使用されることがある。この場合には、電池組立体100を所定の配列方向に沿って配列させたセル群を構築し、当該複数の電池組立体100を有するセル群をまとめて拘束してもよい。
(3)初期充電工程
初期充電工程(S30)では、拘束された電池組立体100に対して初期充電(コンディショニング)を行う。初期充電は、製造後の非水電解液二次電池が使用される電圧領域にわたって充電を行う処理である。これによって、電池組立体100を電気化学的に活性化させることができる。このとき、捲回電極体10内部の保持電解液に含まれるLiBOBが分解されて、当該LiBOBに由来するSEI膜が負極活物質の表面に形成される。
なお、初期充電の条件は、特に限定はされないが、常温環境(例えば25℃)において、正極端子70と負極端子72との端子間電圧が2.5V〜4.2V(好適には3.0V〜4.1V)になるまで0.1C〜10C程度の定電流で充電した後、SOC(State of Charge)が60%〜100%程度(典型的には80%〜100%程度)となるまで定電圧で充電する定電流定電圧充電(CC−CV充電)を初期充電とすることができる。
(4)ポンピング工程
本実施形態に係る製造方法では、初期充電工程(S30)の後に、ポンピング工程(S40)を実施する。本工程では、電池組立体100に加えられた拘束圧を緩めた後に拘束圧を再度加えるポンピング処理を実施する。かかるポンピング処理では、上記拘束圧を緩めることによって、拘束工程(S20)で狭められた正極と負極との極間距離が拡がり、余剰電解液20Aが捲回電極体10の内部に流入する。そして、拘束圧を再度加えた際に極間距離が再び狭まり、保持電解液の一部が捲回電極体10の外部に流出して余剰電解液20Aとなる。このように、本実施形態に係る製造方法では、ポンピング工程(S40)を実施することによって、初期充電工程(S30)でLiBOBが分解された保持電解液と、LiBOBが残留している余剰電解液とを混合し、当該残留しているLiBOBを捲回電極体10の内部に導入することができる。
なお、ポンピング工程(S40)は、少なくとも1回実施すればよく、その実施回数は特に限定されない。但し、非水電解液中のLiBOBの含有量や余剰電解液の液量によっては、ポンピング工程(S40)を2回以上(好ましくは3回以上、より好ましくは4回以上)実施すると好ましい。これによって、捲回電極体10の外部で残留しているLiBOBを捲回電極体10の内部に適切に導入できる。また、ポンピング工程(S40)の回数は、10回以下であってもよく、8回以下であってもよく、6回以下であってもよい。なお、工程数の減少による製造効率の向上の観点から、ポンピング工程(S40)の回数は、5回以下であることが好ましい。
また、上記拘束工程(S20)と同様に、ポンピング工程(S40)における拘束圧は、電池組立体100のサイズや捲回電極体10の捲回数等に応じて適宜調整することが好ましい。例えば、拘束工程(S20)において、1kN〜12kN程度(例えば7kN)の拘束圧を加えた場合には、ポンピング工程(S40)において、拘束圧を0kN〜1kNまで緩めた後に、1kN〜12kN程度(例えば9kN)まで拘束圧を戻すと好ましい。これによって、保持電解液と余剰電解液とを好適に混合することができる。
(5)エージング工程
本実施形態に係る製造方法では、ポンピング工程(S40)の後に、エージング工程(S50)を実施する。このエージング工程(S50)では、初期充電工程(S30)後の充電状態を維持したまま、所定の高温環境で電池組立体100を所定時間保管する。一般なエージング工程は、負極に形成されたSEI膜を改質するために行われるが、保持電解液中にLiBOBが残留していた場合には、本工程においてLiBOBが分解されてSEI膜が更に形成される。上述したように、本実施形態に係る製造方法では、エージング工程(S50)の前にポンピング工程(S40)が実施されているため、余剰電解液20Aに残留していたLiBOBが捲回電極体10の内部に導入されている。このため、初期充電工程(S30)後に残留したLiBOBをエージング工程(S50)において分解できるため、製造工程完了後にLiBOB由来のSEI膜が形成されて電池抵抗が上昇することを抑制できる。このため、本実施形態に係る製造方法によると、製造工程完了直後の抵抗検査において正確な電池抵抗を測定できるため、出荷直前の抵抗検査が不要になり、生産効率を向上させることができる。
なお、エージング工程の条件は、SEI膜の組成等に応じて適宜調節することができる。一例として、エージング工程(S50)における電池温度(エージング温度)は、30℃以上、好ましくは40℃以上、例えば50℃以上、さらには60℃以上とすることができる。また、エージング温度の上限は特に制限されないが、例えば、80℃以下程度を目安とすることができる。なお、エージング温度の管理は、例えば恒温槽を利用することができる。なお、エージング工程(S50)の時間(エージング時間)は、上記エージング温度に応じて適宜変更することが好ましい。例えば、エージング温度を45〜70℃程度とする場合は、エージング時間を20〜28時間程度(例えば24時間)にすることが好ましい。また、エージング温度を70〜75℃程度とする場合には、エージング時間を8〜16時間程度(例えば12時間)にすることが好ましい。
2.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池の製造方法について説明したが、ここで開示される製造方法は、上述の実施形態に限定されず、種々の変形や変更を行うことができる。
例えば、エージング工程(S50)の後に、ポンピング工程(S40)と同じ条件のポンピング処理を実施してもよい。これによって、エージング工程(S50)後の余剰電解液20Aに残留したLiBOBを捲回電極体内部に導入できるため、製造工程完了後の電池抵抗の上昇をより好適に抑制できる。但し、本発明者が行った実験によると、ポンピング処理は、エージング工程の前、すなわち、上述の実施形態におけるポンピング工程(S40)において実施した方が好適な効果が得られることが確認されている。このため、製造工程の効率化の観点からは、エージング工程の後にポンピング処理を追加するよりも、ポンピング工程でのポンピング処理の回数を増加させた方が好ましい。
[試験例]
以下、本発明に関する試験例を説明するが、以下の試験例は本発明を限定することを意図したものではない。
1.評価用の電池組立体の作製
正極活物質としてリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(Li1−xNi1/3Co1/3Mn1/3)を使用したシート状の正極と、負極活物質としてグラファイトを使用したシート状の負極と、セパレータ(多孔質ポリオレフィンシート)とを用意した。そして、これらのシート状部材を積層させた積層体を捲回して捲回電極体を作製した。
次に、非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=30:40:30の体積比で含む混合溶媒に支持塩(LiPF)を1.1mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。さらに、本試験の非水電解液には、LiBOBを0.5wt%となるように添加した。
そして、アルミニウム製の電池ケースの内部に捲回電極体を収容し、当該電池ケースを密閉した。そして、ケース内部を減圧した状態で注液口からケース内部に非水電解液を注液することによって、捲回電極体の内部に非水電解液を充填させた後、注液口を封止することによって評価用の電池組立体を作製した。このとき、本試験では、2g程度の余剰電解液が生じるように注液量を40gに設定した。
2.各サンプルの作製
(1)サンプル1
評価用の電池組立体を7kNの拘束圧で拘束した後、電圧が4.1Vとなるまで1Cで定電流定電圧充電(CCCV充電)を行うことで初期充電を実施した。当該初期充電の後に、電池組立体への拘束圧を0.5kNに緩め、9kNの拘束圧で再度拘束するポンピング処理を1回実施した。そして、保持温度60℃、保持時間24時間の条件でエージング処理を行い、試験用リチウムイオン二次電池(サンプル1)を得た。
(2)サンプル2
初期充電後にポンピング処理を2回実施したことを除いて、サンプル1と同じ条件で試験用リチウムイオン二次電池(サンプル2)を作製した。
(3)サンプル3
初期充電後にポンピング処理を3回実施したことを除いて、サンプル1と同じ条件で試験用リチウムイオン二次電池(サンプル3)を作製した。
(4)サンプル4
初期充電後ではなく、エージング処理後にポンピング処理を1回実施した点を除いて、サンプル1と同じ条件で試験用リチウムイオン二次電池(サンプル4)を作製した。
(5)サンプル5
初期充電後にポンピング処理を1回実施した後、エージング処理後にポンピング処理を1回実施した点を除いて、サンプル1と同じ条件で試験用リチウムイオン二次電池(サンプル5)を作製した。
(6)サンプル6
初期充電後にポンピング処理を1回実施した後、エージング処理後にポンピング処理を2回実施した点を除いて、サンプル1と同じ条件で試験用リチウムイオン二次電池(サンプル6)を作製した。
(7)サンプル7
初期充電後とエージング処理後の何れにおいてもポンピング処理を行わない点を除いて、サンプル1と同じ条件で試験用リチウムイオン二次電池(サンプル7)を作製した。
2.評価試験
各サンプルのリチウムイオン二次電池を、25℃の温度環境下で、電圧が3.70V(SOC56%に相当)の状態に調整した。そして、10Cの放電レートで5秒間CC放電を行った。そして、放電開始から5秒間の電圧変化値(ΔV)を放電電流値で除して電池抵抗(mΩ)を算出した。各サンプルの電池抵抗の測定結果を図3に示す。
図3に示すように、サンプル1〜7を比較すると、サンプル1〜3およびサンプル5、6において、電池抵抗の上昇が確認された。このことから、初期充電後にポンピング処理を実施することによって、製造工程完了後にLiBOBの分解による電池抵抗の上昇を抑制できることが分かった。また、サンプル1〜3を比較すると、サンプル2、3において、より好適な電池抵抗の上昇が確認された。このことから、初期充電後のポンピング処理の回数は2回以上が好ましいことが分かった。また、サンプル5、6においても、ポンピング処理の回数が増加するにつれて電池抵抗が上昇する傾向が確認されたが、サンプル2、3の方がより高い電池抵抗が確認された。このことから、ポンピング処理によるLiBOB分解促進効果は、初期充電の後に実施する方が好適に発揮されることが分かった。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 捲回電極体
10A 正極接続部
10B 負極接続部
20 非水電解液
20A 余剰電解液
50 電池ケース
52 ケース本体
54 蓋体
70 正極端子
72 負極端子
100 電池組立体

Claims (1)

  1. 電池ケース内に捲回電極体と非水電解液とが収容された非水電解液二次電池を製造する方法であって:
    前記電池ケース内に、前記捲回電極体と、LiBOBを含む非水電解液とが収容されており、前記捲回電極体と前記電池ケースとの間に余剰電解液が存在している電池組立体を構築する組立体構築工程;
    前記電池組立体を所定の圧力で拘束する拘束工程;
    前記電池組立体を初期充電する初期充電工程;
    前記初期充電後の電池組立体を所定の時間保持するエージング工程;
    を包含し、
    前記初期充電工程後に、前記電池組立体への拘束圧を緩めた後、再度拘束圧を加えるポンピング工程を実施する、非水電解液二次電池の製造方法。
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