JP2020147920A - 傾斜地の崩壊防止補強体およびこれを用いた傾斜地の崩壊防止補強工法 - Google Patents

傾斜地の崩壊防止補強体およびこれを用いた傾斜地の崩壊防止補強工法 Download PDF

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【課題】グラウンドアンカー工と地山補強土工の境界領域の傾斜地の地山に適した崩壊防止補強体および崩壊防止補強工法を提供する。【解決手段】傾斜地の地山における移動土塊を貫通して不動地山まで達する削孔11に設置され、前記地山の表層部に設けられた支圧材5と、前記支圧材5と前記不動地山とを連結しかつ前記地山と一体化されていない伸縮領域を形成された補強材6と、前記補強材6の外管である保護材7a,7bとを有する、傾斜地の崩壊防止補強体12において、前記補強材6が、可撓性を有する線材と、略全長に亘る伸縮領域を形成するために前記線材を覆う被覆材17とを有し、前記補強材6と可撓性を有しない前記保護材7a,7bとが、軸方向の先端部で互いに固定されて一体化されており、かつ、前記保護材7a,7bが軸方向にて少なくとも2本に分割され、分割された各保護材7a,7b同士が弾性体8で結合されている。【選択図】図2

Description

本発明は、傾斜地の崩壊を防止する崩壊防止補強体に関する。特に、削孔長が2〜5m程度の地山補強土工の施工領域から、削孔長が略7〜10m以上に及ぶグラウンドアンカー工の施工領域との中間領域にあたる削孔長が略3〜10m(後述するが、さらに好適には削孔長が略5〜10m)の領域を対象とした、傾斜地の崩壊防止補強体およびこれを用いた傾斜地の崩壊防止工法に関する。
傾斜地の崩壊を防止する崩壊防止補強体を設ける工法(特許文献1〜3等)は、グラウンドアンカー工と地山補強土工(鉄筋挿入工、ロックボルト工ともいう)に大別される。
グラウンドアンカー工は、傾斜地の地山を、移動土塊を貫通して不動地山(定着領域ともいう)まで削孔して行われる。その崩壊防止補強体は、地山の表層部に設けられた支圧材と不動地山とを連結する補強材を有する。補強材は、不動地山と一体化されていない伸縮領域(自由長部ともいう)を部分的に有している。伸縮領域は、保護材との二重構造となっている。
グラウンドアンカー工は、作用する引張力を地盤に伝達させるためのシステムである。グラウトの注入によって造成されたアンカー体、引張部、アンカー頭部によって構成されている。地山補強土工との相違点は、地山と補強材(引張材)間の付着力が働かない伸縮領域があり、これによりプレストレスが導入されるので、地山の変形を積極的に防止することができる点である。
地山補強土工もまた、傾斜地の地山を、移動土塊を貫通して不動地山まで削孔して行われ、その崩壊防止補強体は、地山の表層部に設けられた支圧材と不動地山とを連結する補強材を有する。補強材は、不動地山とグラウトを介して一体化された構造となっている。
地山補強土工は、地山に補強材を挿入打設し、地山と補強材の相互作用によって不安定土塊の挙動特性や強さなどを改善し、法面・斜面の安定性を高める工法である。つまり地山に鉄筋を挿入打設し、グラウトによって地山と一体化する工法で、補強材の周りをすべてグラウトで充填して固定する全面(全孔)接着型である。
地山補強度工は、PC鋼線やPC鋼棒が自由に伸縮する伸縮領域がないことでグラウンドアンカー工と区分できる。地山補強土工にはプレストレスを導入するという概念はないので、頭部をナットで絞めるだけで施工は完了する。
特開2004−084407号公報 特開平11−343800号公報 特開2007−107372号公報
既往の斜面安定工は、地山補強土工が削孔長略2〜5m、グラウンドアンカー工が削孔長略7〜数10mを対象としている。そのため、すべり面が2〜5m程度より深部に存在する場合には削孔長が概ね3〜10mとなるので、地山補強土工が採用できない問題があった。
また、この場合に略7m以上を対象とするグラウンドアンカー工を適用すると、崩壊防止という機能は得られるが、経済的に高価、つまり過大設計となる問題を有していた。
さらに削孔長が略3〜10mの場合に地山補強土工を適用すると、地山の変位により支圧板のプレートや補強材を締結しているナットが浮き上がる現象が生じる問題があった。そのため、削孔長略3〜10mの境界領域、さらに好適には削孔長略5〜10mの境界領域においては、地山補強土工とグラウンドアンカー工の双方の機能が発揮できる工法、つまり曲げ・剪断抵抗に優れ、プレストレスを維持して地山変位を生じず、かつ経済的である傾斜地の崩壊防止補強体および傾斜地の崩壊防止補強工法が求められていた。
本発明の目的は、グラウンドアンカー工と地山補強土工の境界領域の傾斜地の地山に適した崩壊防止工法を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下の構成を提供する。
・ 本発明の態様は、傾斜地の地山における移動土塊を貫通して不動地山まで達する削孔に設置され、前記地山の表層部に設けられた支圧材と、前記支圧材と前記不動地山とを連結しかつ前記地山と一体化されていない伸縮領域を具備する補強材と、前記補強材の外管である保護材とを有する、傾斜地の崩壊防止補強体において、
前記補強材が、可撓性を有する線材と、略全長に亘る伸縮領域を形成するために前記線材を覆う被覆材とを有し、
前記補強材と可撓性を有しない前記保護材とが、軸方向の先端部で互いに固定されて一体化されており、かつ、
前記保護材が軸方向にて少なくとも2本に分割され、分割された各保護材同士が弾性体で結合されていることを特徴とする。
・ 上記態様において、分割された各前記保護材のうち、前記移動土塊側に位置する保護材が、配管用炭素鋼鋼管であることが、好適である。
・ 上記態様において、前記弾性体が、硬質ゴムニップルであり、軸方向に貫通するグラウト注入孔と排気孔とを有することが、好適である。
・ 本発明の別の態様は、傾斜地の崩壊防止補強工法であって、上記いずれかの態様の崩壊防止補強体を、前記削孔に挿入してグラウトを充填し、前記グラウトが硬化した後に前記補強材に前記支圧材を介して所定のプレストレスを与えて定着させることを特徴とする。
本発明の効果は次のとおりである。
1) 本発明は、伸縮領域を備えプレストレスが持続する高耐力の地山補強土工である。これにより、従来の崩壊防止工法である法枠工+地山補強土工などで発生する支圧板のプレートやナットが浮き上がる現象を防止することができる。
2) 本発明は、崩壊防止補強体1本当たりの許容耐力が大きいことから、従来の地山補強土工の打設間隔(略1.5〜2.0m)を3.0m程度まで拡大することができる。
3) 補強材に異形鉄筋(D19〜D29)を使用する従来の地山補強土工と比較して断面二次モーメントの大きな配管用炭素鋼鋼管(SGP鋼管)を使用することにより、曲げや剪断に対する抵抗力が格段に向上する。特に、モーメントに対する抵抗力に関しては、保護材である外管となる鋼管には、PC綱撚線を介して緊張力が作用していることから、小口径のPC杭に近い構造になる。
4) 地山補強土工(長さ略2〜5m)の適用外であった、長さ5〜10m程度までの領域までを施工が可能になる。
5) グラウンドアンカー工と地山補強土工の適用範囲の境界領域(略5〜7mの範囲)の施工が可能となるので、地山補強土工の施工対象となっている小規模崩壊(深度3m程度)までの抑止能力を中規模崩壊(深度7m程度)までに拡大できる。
6) 少なくとも2本に分割した保護材(外管)を弾性体で結合することにより、グラウンドアンカー工的な機能と地山補強土工的な機能を有する、境界領域専用の斜面安定工が実現した。
7) 保護材同士を結合する弾性体が定着領域の塑性変位を吸収するため、伸縮領域のグラウトに与える影響(クラック発生など)を軽減できる。
8) アンカー定着体の定着領域に相当する保護材を構成するSGP鋼管は、内外に螺子加工を施すことにより、グラウトの付着抵抗が増加する。
9) アンカー定着体の定着領域に相当する保護材を構成するSGP鋼管は、その先端部で補強材と固定されることにより、インナーグラウトに圧縮力が作用する。このため、摩擦引張型のグラウンドアンカー工で懸念されているクラックの発生を大きく抑制することができる。
10) 保護材内部にインナーグラウトを設けることにより、グラウンドアンカー工におけるアンカー定着体を造成することが可能となる。
11) 不動地山側に位置する保護材の側面に開口部を設けた構造、または、不動地山側の保護材の先端部の固定部材に開口部を設けた構造とすることにより、グラウトをインナーグラウト用の注入パイプから注入するだけで、アウターグラウトも同時に行うことができる。
12) 補強材を構成する部品数が、グラウンドアンカーに比べて少ないため、あらかじめ工場生産しない場合であっても、現場で組み立てることが容易である。
13) 弾性体以外の材料は市場調達が容易なことから、施工地域が限定されることなく法面保護工として広く適用することができる。
図1は、本発明の実施例の概要を示す地山の概略断面図である。 図2(a)は、図1の概略拡大断面図であり、(b)は(a)の補強材と保護材の部分を示す断面図である。 図3(a)は図2(a)のA−A断面を示し、(b)は図2(a)のB−B断面を示し、(c)は図2(a)のC−C断面を示す。 図4(a)は、本発明の弾性体の一実施例の側面図であり、(b)は(a)の端面を示す。 図5は、本発明の弾性体の別の実施例の側面図である。
以下、実施例を示した図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施例の概要を示す地山の概略断面図である。図2(a)は、図1の概略拡大断面図であり、(b)は(a)の補強材と保護材の部分を示す断面図である(なお、図2は崩壊防止補強体の軸方向の長さについては一部省略し、軸方向に垂直な方向の寸法を誇張して示している)。
図3(a)は図2(a)のA−A断面を示し、(b)は図2(a)のB−B断面を示し、(c)は図2(a)のC−C断面を示す。図4(a)は、本発明の弾性体の一実施例の側面図であり、(b)は(a)の端面を示す。(c)は、本発明の弾性体の別の実施例の側面図である。図5は、本発明の弾性体の別の実施例の側面図である。
図1〜図5を参照して本発明の傾斜地の崩壊防止補強体について説明する。
図1に示すように、傾斜地の地山に移動土塊3を貫通して不動地山4に達する削孔11が穿設され、削孔11内に本発明の傾斜地の崩壊防止補強体12が挿入され、所定の工程を経て定着されている。なお、すべり面2の位置は、一例でありこの部分に限定されるものではない。
崩壊防止補強体12は、補強材6と、その外管である保護材7との二重構造となっている。補強材6は可撓性を有する線材であり、保護材7は可撓性を有しない円管材であり、補強材6の外周面と保護材7の内周面との間は一定の距離が設けられている。補強材6と保護材7の軸方向の全体長さはほぼ同じであるが、補強材6の方がより長く、保護材7の頭部及び先端部よりも所定の長さだけ突出することができる。
保護材7は、軸方向にて少なくとも2本に分割されている。図示の例では、不動地山4側の保護材7aと、移動土塊3側の保護材7bに分割されている。分割された各保護材7a、7b同士は、弾性材8を介して結合されている。保護材7が3本以上に分割される場合は、2個以上の弾性材8を介して各保護材同士が結合される。さらに、補強材6の先端部は、保護材7の先端部と、適宜の固定部材9により固定され、一体化された構造となっている。
弾性材8は、軸方向に所定の長さを有し少なくとも保護材7と同等の直径を有する略円柱状である。弾性材8は、軸方向に補強材6を貫通させる孔を有する。さらに弾性材8は、軸方向にグラウト注入パイプ23を貫通させる注入パイプ孔41と、空気用の排気孔42が形成されている。
例えば、図2(b)に示すように、固定部材9が不動地山4側の保護材7aの先端部の開口を閉鎖し、補強材6の先端部が固定部材9を貫通して端部ヘッド14を介して楔15により固定されている。先端部の固定方法は、図示の例に限られない。このようにして、補強材6と保護材7(保護材7a、7b及び弾性材8)が一体化され、さらに注入パイプ23が予め備えられる。
崩壊防止補強体12は、一般的には、あらかじめ工場等において補強材6と保護材7が先端部で固定されて一体化されたものを現場に搬するのが効率的である。しかしながら、弾性体以外の材料は市場調達が容易なことから、現場で組み立てることも可能である。また、補強材6と保護材7が先端部で固定されて一体化されている先端部に拘束具を備えることにより圧縮型のアンカーとすることもできる(拘束具を設けない場合は摩擦型のアンカーとなる)。
図2(a)に示すように、崩壊防止補強体12の全長に亘って、補強材6と保護材7の間の空間にインナーグラウト22が充填され、保護材7と削孔11の壁との間の空間にアウターグラウト21が充填される。
補強材6は、設計で求められる所定の強度を有し、可撓性を有する線材であれば、材質は特に問わない。全長が伸縮可能なPC鋼撚線が好適である。さらに本発明の補強材6は、略全長に亘ってポリエチレン樹脂等の被覆材17で被覆されている。これにより、被覆材17の外側がグラウトで固められた後にも、被覆材17の内部で補強材6が伸縮可能な伸縮領域が、補強材6の略全長に亘って確保される。
補強材6はその略全長をポリエチレン樹脂等の被覆材17被覆することにより、略全長を伸縮領域とすることができるので、従前の地山補強土工と比較してより大きな変位に対応することができる。
また、さらに防錆効果を高めたPC鋼撚線として、PC鋼撚線の間隙に防錆剤を充填したアンボンドPC鋼撚線を用いることもできる。補強材6の線径は、本発明の適用対象である地山補強土工とグラウンドアンカー工の中間領域への適用を考慮すると、強度および経済性から15.2mm相当若しくは17.8mm相当が好適である。
保護材7は、設計で求められる所定の強度を有するものであれば、材質は特に問わない。しかしながら、少なくとも移動土塊3側の保護材7bは、断面二次モーメントの大きな小口径鋼管杭としての機能を持たせるため、ディンプル鋼管や配管用炭素鋼鋼管(SGP鋼管)が好適である。特に、SGP鋼管は汎用性が高く、経済性においても有効である。SGP鋼管を用いた場合の断面二次モーメントは、一般的な地山補強土工で用いられる鉄筋(PC鋼棒D22)の略10倍以上となり、曲げと剪断性能を格段に向上できる。
これにより、許容荷重を計算すると、PC鋼棒D22が75kN/本であるのに対し、本発明の崩壊防止補強体12は、可撓性を有する補強材6にアンボンドPC鋼撚線を、保護材7にSGP鋼管を使用した場合は156〜232kN/本となり、PC鋼棒D19の4倍、PC鋼棒D22の3倍に向上させることができる。
本発明の崩壊防止補強体12では、略全長に亘って、インナーグラウト22と保護材7とアウターグラウト21とが定着領域を構成し、一方、補強材6が伸縮領域を構成する。定着領域と伸縮領域は被覆材17により分離されている。
弾性体8は、補強材6にプレストレスを与えた際に発生する定着領域の塑性変位を吸収する緩衝材となる。その機能を満たす素材であれば特に問わない。しかしながら、免振装置などに採用されている硬質ゴムが好適である。
また、弾性体8は、不動地山4側の保護材7aと移動土塊3側の保護材7bと接続する必要がある。例えば図4(a)(参考のために被覆材17付き補強材6も示す)に示すように、螺子加工された硬質ゴムニップルとすることがさらに好適である。なお、ゴムのほか、たとえば鋼製であっても蛇腹に加工されているなど、変位を吸収できる弾性構造であればよい。
図3(a)〜(c)の断面図に示すように、弾性体8には、ポリエチレン樹脂等の被覆材17で被覆された補強材6が通る孔のほか、グラウトを注入するポリエチレン製の注入パイプ23等を通す注入パイプ孔41と、グラウト注入時に内部の空気を排出するための排気孔42が設けられている。これにより、弾性体8は、注入パイプ23を介してグラウトを定着領域に加圧注入する際に、インナーグラウト22用のパッカーとして作用し、インナーグラウト22を加圧注入する効果が得られる。
また、図5に示すように、弾性体8の直径を保護材7よりも大きくして、削孔11の壁と略接するようにすることにより、注入パイプを介してグラウトを定着領域に加圧注入する際にアウターグラウト21用のパッカーとして作用し、アウターグラウト21を加圧注入する効果が得られる。
施工は、傾斜地の地山1を定着地盤あるいは不動地山4まで削孔して、本発明の崩壊防止補強体12を挿入し、崩壊防止補強体12に予め備えられた注入パイプ23を介してグラウトを充填し、グラウトが硬化した後に支圧材5に所定のプレストレスを与えて定着させることにより完成する。
削孔やグラウトの注入には、既往の地山補強土工やグラウンドアンカー工の施工に用いる一般的な方法を適宜使用することができる。また、グラウトは、セメントミルクに代表される固化剤を適宜使用することができる。
なお、グラウトの充填方法の一例においては、既往の施工方法に準じて削孔11にグラウトを先行注入した後に本発明の傾斜地の崩壊防止構造体12を挿入して、インナーグラウト22を行うことも可能である。
グラウトの充填方法の別の例においては、不動地山側に位置する保護材7aの側面に開口部を設けた構造、または、不動地山側の保護材7の先端部の固定部材9に開口部を設けた構造とすることにより、グラウトをインナーグラウト用の注入パイプ32から注入するだけで、保護材7a、7bの外側のアウターグラウト21も同時に行うことができる。不動地山側に位置する保護材7aの側面に開口部を設ける場合は、先端近傍において複数個の孔(例えば直径10mm程度)を設ければよい。固定部材9に開口部を設ける場合も同程度の隙間を有する構造とすればよい。
グラウトの注入パイプ23は、少なくとも弾性体8より深部に注入できる構造とする必要がある。定着領域へのグラウトの効率的な重点を考慮すると、可能な限り先端まで配管されていることが望ましい。
図3(a)は、施工後の移動土塊3側の断面を、図3(b)は不動地山4側の断面を示している。本発明の崩壊防止補強体12の弾性体8より深部の定着地盤あるいは不動地山4側まで配管されている注入パイプを通じてグラウトを注入することにより、保護材7の外側のアウターグラウト21と内側のインナーグラウト22が充填されている。
図2の実施例では、崩壊防止補強体12は、地山1の表面に受圧板(図示せず)が施工されており、受圧板の上に設置された支圧材5を介してプレストレスが与えられ、楔15により定着されている。定着方法は楔定着に限定されるものではなく、補強材をマンション加工してナット定着させるなど、様々な方法が採用できる。また、支圧材5のほかに、受圧板に類する構造物等を組合せるかどうかは設計事項であり、現場に応じて決定される。
弾性体8より深部、つまり不動地山4側の保護材7aは、インナーグラウトにより定着体を形成し、不動地山4側の保護材7bはグラウンドアンカー工における耐荷体として作用する。一方、弾性体8より浅部、つまり移動土塊3側の保護材7bは、インナーグラウトとアウターグラウトによりPC構造の小口径鋼管杭としての機能を発揮するため変位が発生しない。従前工法では保護材7は単なる外管であり、削孔11の保護や止水材として機能するものであるが、本発明により保護材7に崩壊抑制材としての機能が付加されるので、曲げおよび剪断性能に優れた崩壊防止補強体構造が実現する。
なお、図4(b)の弾性体8の端面の図で示すように、補強材6が中心よりややずれて描かれているが、図示した程度の寸法の中心のズレは問題にはならない。しかしながら、これを改善したい場合は施工のバリエーションとして、補強材6の直線性を保つために、グラウト充填直後に一次緊張を行い、グラウト硬化後に所定のプレストレスを導入することにより補強材6が中心に位置するようにすることもできる。
1 地山
2 すべり面
3 移動土塊
4 不動地山
5 支圧材
6 補強材
7 保護材
8 弾性体
9 固定材
11 削孔
12 崩壊防止補強体
14 端部ヘッド
15 楔
16 頭部ヘッド
17 被覆材
21 アウターグラウト
22 インナーグラウト
23 注入パイプ
41 注入パイプ孔
42 排気孔

Claims (4)

  1. 傾斜地の地山における移動土塊を貫通して不動地山まで達する削孔に設置され、前記地山の表層部に設けられた支圧材と、前記支圧材と前記不動地山とを連結しかつ前記地山と一体化されていない伸縮領域を形成された補強材と、前記補強材の外管である保護材とを有する、傾斜地の崩壊防止補強体において、
    前記補強材が、可撓性を有する線材と、略全長に亘る伸縮領域を形成するために前記線材を覆う被覆材とを有し、
    前記補強材と可撓性を有しない前記保護材とが、軸方向の先端部で互いに固定されて一体化されており、かつ、
    前記保護材が軸方向にて少なくとも2本に分割され、分割された各保護材同士が弾性体で結合されていることを特徴とする傾斜地の崩壊防止補強体。
  2. 分割された各前記保護材のうち、前記移動土塊側に位置する保護材が、配管用炭素鋼鋼管であることを特徴とする請求項1に記載の傾斜地の崩壊防止補強体。
  3. 前記弾性体が、硬質ゴムニップルであり、軸方向に貫通するグラウト注入孔と排気孔とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の傾斜地の崩壊防止補強体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の崩壊防止補強体を、前記削孔に挿入してグラウトを充填し、前記グラウトが硬化した後に前記補強材に前記支圧材を介して所定のプレストレスを与えて定着させることを特徴とする、傾斜地の崩壊防止補強工法。
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