JP2020147785A - 金属3dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ - Google Patents

金属3dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2020147785A
JP2020147785A JP2019045695A JP2019045695A JP2020147785A JP 2020147785 A JP2020147785 A JP 2020147785A JP 2019045695 A JP2019045695 A JP 2019045695A JP 2019045695 A JP2019045695 A JP 2019045695A JP 2020147785 A JP2020147785 A JP 2020147785A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
metal
welding
printer
metal wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019045695A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7305379B2 (ja
Inventor
光司 高野
Koji Takano
光司 高野
優馬 吉岡
Yuma Yoshioka
優馬 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Stainless Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Stainless Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Stainless Steel Corp filed Critical Nippon Steel Stainless Steel Corp
Priority to JP2019045695A priority Critical patent/JP7305379B2/ja
Publication of JP2020147785A publication Critical patent/JP2020147785A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7305379B2 publication Critical patent/JP7305379B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Landscapes

  • Butt Welding And Welding Of Specific Article (AREA)

Abstract

【課題】金属の溶着、積層による3次元造形による金属部品10の製造に使用したとき、造形した部品の熱変形,内部割れ、内部空隙を抑制して均一な材質・金属組織が得られる金属3Dプリンタ用の素材として好適で安価なステンレス鋼系の金属ワイヤを提供する。【解決手段】質量%でC:0.35%以下、Si:3.0%以下、Mn:5.0%以下、S:0.0002〜0.4%、P:0.1%以下、Ni:0.05〜6,0%、Cr:5.0〜18.0%、Mo+W:0.05〜5.0%、N:0.1%以下、O:0.03%以下、Al:2.0%以下であり、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学成分を有し、(a)式で表されるMs点が50℃以上で、且つ、(b)式で表されるAc1点が800℃以下であることを特徴とする金属3Dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤである。【選択図】図1

Description

本発明は、金属3Dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤに関し、金属3Dプリンタ用素材として、積層による繰り返しの溶着・加熱・冷却においても十分な耐熱変形特性,均一な材料特性,耐内部割れ性に優れた信頼性の高い高耐久部品用とすることができる、ステンレス鋼系の金属ワイヤに関するものである。
近年、金属3Dプリンタは革新的な生産技術として期待され、様々な技術が提案されている。主な技術方式として金属粉末を使用する場合と、金属ワイヤを使用する場合が提案されている。
金属粉末を使用する場合、例えば、SUS630の粉末を用いて電子ビームで照射して溶融固化させて3次元に積層する製造方法が開示されている(特許文献1)。また、SUS304,SUS316系の金属粉末とバインダーを3次元プリンティングし、その後、脱脂、焼結熱処理を行って部品を成型する製造方法が開示されている(特許文献2)。しかしながら、金属粉末を使用する場合、素材の価格が高く、空隙率が高いため部品の信頼性が低くなる。更に、バインダーを使用する場合、脱脂、焼結工程が必要になるばかりか焼結により大きな体積変化を生じるため部品寸法精度に誤差を生じ易い。
一方、金属ワイヤを使用する場合、例えば、金属ワイヤによる溶着ビードを積層して3次元部品に造形する方法が開示されている(特許文献3)。また、ステンレス鋼の金属ワイヤをアークやプラズマを制御して溶着し、3次元に積層させる製造方法が開示されている(特許文献4)。更に、ステンレス鋼の金属ワイヤを2つの堆積装置で溶着・積層させて堆積時の高熱による熱変形や応力、内部割れを低減する製造方法が開示されている(特許文献5)。加えて、複数のマルチワイヤによるアーク溶接による高効率な3次元積層造形に関する製造方法が開示されている(特許文献6)。金属ワイヤを溶着して3次元に積層する場合、寸法変動は抑制されるが、方法制御のみでは熱変形、内部割れや内部空隙を十分には低減できない。更に、繰り返し積層による加熱・冷却により金属組織が変化し、材質が不均一になるという課題もある。特に、炭窒化物が析出し、鋭敏化を生じて耐食性(耐久性)劣化を引き起こす。
このように従来の3次元積層技術では、部品の寸法変動,熱変形,内部割れ、空隙、材質の均一性、金属組織の安定性のすべてを抑制でき、耐久性・信頼性の高い部品を得ることは難しい。
特開2018−176269号公報 特開2018−536770号公報 特開2003−266174号公報 特開2018−507317号公報 特開2018−87379号公報 特開2018−187679号公報
本発明の解決すべき課題は、金属の溶着、積層による3次元造形による金属部品の製造方法において、寸法変動を抑制できる金属ワイヤによる造形をベースとして、部品の耐久性・信頼性を向上し、部品の熱変形,内部割れ、内部空隙を抑制して均一な材質・金属組織が得られる、金属3Dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤであって、金属3Dプリンタ用の素材として好適で安価なステンレス鋼系の金属ワイヤを提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するために種々検討した結果、金属ワイヤによる溶着、積層で3次元造形する3Dプリンタの製造方法において、金属組織の変態温度を制御して低C,Nのマルテンサイト組織が常に現れるように成分調整され、耐熱性(耐熱変形性)、材質・金属組織均一性,耐内部割れ性、耐内部空隙性に優れたステンレス鋼系の金属ワイヤを使用することで上記課題を解決する知見を得た。本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)質量%で、
C:0.35%以下、
Si:3.0%以下、
Mn:5.0%以下、
S:0.0002〜0.4%、
P:0.1%以下、
Ni:0.05〜6.0%、
Cr:5.0〜18.0%、
Mo、Wの1種又は2種を合計で0.05〜5.0%、
N:0.1%以下、
O:0.03%以下、
Al:2.0%以下
であり、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学成分を有し、(a)式で表されるMs点が50℃以上で、且つ、(b)式で表されるAc1点が800℃以下であることを特徴とする金属3Dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ。
Ms(℃)=600−600C−600N−13Mn−30Ni−12Cr−54Cu−46Mo・・(a)
Ac1(℃)=700−70Ni−25Mn+10Cr+25Si+30Al ・・・(b)
上記式中の元素記号は、当該元素の含有量(質量%)を意味する。
(2)更に質量%で、
Cu:5.0%以下、
Co:5.0%以下、
B:1.0%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする前記(1)に記載の金属3Dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ。
(3)更に質量%で、
Sn:0.5%以下、
Sb:0.5%以下、
Au:0.5%以下、
In:0.5%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の金属3Dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ。
(4)更に質量%で、
Mg:0.02%以下、
Ca:0.02%以下、
Hf:0.02%以下、
REM:0.02%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の金属3Dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ。
(5)更に質量%で、
Ti:2.0%以下、
Nb:2.0%以下、
V:2.0%以下、
Ta:2.0%以下、
Zr:2.0%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の金属3Dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ。
(6)更に質量%で、
Bi:0.4%以下、
Pb:0.4%以下、
Ag:0.4%以下、
Se:0.4%以下、
Te:0.4%以下、
Zn:0.1%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つに記載の金属3Dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ。
本発明によれば、金属3Dプリンタの成型において、熱変形、内部割れの抑制が可能で、材質・金属組織均一性に優れ、部品の信頼性を向上させてコストを大幅に低減できる効果を発揮できる、金属3Dプリンタによる溶着積層造形用のステンレス鋼系の金属ワイヤを提供できる。
金属3Dプリンタによ3次元造形した金属部品の斜視図である。
以下に本発明の各要件について説明する。なお、以下の説明における(%)は特に断りがない限り、質量(%)である。
本発明は、金属3Dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤを対象とする。金属3Dプリンタにより溶着積層造形を行って3次元造形を行う際、耐寸法変動と基本的な耐熱性(耐熱変形性)を確保することが必要である。金属ワイヤとしてステンレス鋼系ワイヤを用い、当該ワイヤによる溶着、積層造形をベースに考え、空隙を抑制するために適度な湯流れ性を制御し、内部割れ、材質均一性の確保のため変態点やC,N等の成分を調整して、繰り返し溶着、加熱、冷却されても安定的なマルテンサイト組織が得られるように成分設計されたものであり、金属3Dプリンタ用の素材として好適である。
まず、本発明の金属ワイヤの必須成分組成について説明する。
C、Nは、内部割れを抑制し、材質均一性を確保するためにCは0.35%以下、Nは0.1%以下に限定する。Cが0.35%を超え、あるいはNが0.1%を超えると、繰り返しの溶着、加熱、冷却工程で内部割れが発生し易く、また、炭窒化物系析出物を析出促進させ硬さや金属組織がばらつき、鋭敏化により耐食性も劣化する。好ましくは、Cは0.20%以下、Nは0.05%以下である。更に、好ましくは、Cは0.08%以下、Nは0.03%以下である。C、Nは低いほど好ましく、下限を設けない。
Siは、溶着時の脱酸に有効であるが、過剰に添加すると繰り返しの溶着、加熱、冷却工程で炭窒化物等の金属間化合物の析出を促進して内部割れを助長し、材質均一性や金属組織均一性が劣化する。そのため、3.0%以下に限定する。好ましくは、0.05%以上、2.0%以下である。
Mnは、溶着時の脱酸に有効であるが、過剰に添加すると繰り返しの溶着、加熱、冷却工程でマルテンサイト組織が安定的に得られない。そのため、5.0%以下に限定する。好ましくは、0.05%以上、3.0%以下である。
Sは、溶着時の湯流れ性を適度に確保して空隙率を低減させ、また、必要に応じてその後の機械加工時の切削加工性を向上させるため、0.0002%以上添加する。しかしながら、0.4%を超えて添加すると逆に湯流れ性が加速されて溶着時に変形し易いばかりか、内部割れが発生しやすくなるため、上限を0.4%とする。好ましくは、0.0004〜0.10%である。
Pは、溶着時の内部割れを抑制するため0.1%以下に限定する。好ましくは、0.05%以下である。Pは低いほど好ましく、下限を設けない。
Niは、繰り返しの溶着、加熱、冷却工程でマルテンサイト組織を安定的に得て材質・金属組織の均一性を確保するために0.05%以上添加する。しかしながら、6.0%を超えて添加するとオーステナイト組織が主体となり、主にマルテンサイト組織が得られなくなり、材質が不均一となる。そのため、上限を6.0%とする。好ましくは、0.2〜5.0%である。
Crは、マトリックスに固溶することで耐熱性(耐熱変形)と耐食性(耐久性)を確保するために5.0%以上添加する。しかしながら、18.0%を超えて添加するとフェライト組織が主体となり、主にマルテンサイト組織が得られなくなり、材質・金属組織が不均一となる。そのため、上限を18.0%に限定する。好ましくは、6.0〜16.5%である。
Mo、Wは、マトリックスに固溶することで耐熱性(耐熱変形)を確保するために、Mo、Wの1種又は2種を合計で0.05%以上添加する。しかしながら、合計で5.0%を超えて添加するとフェライト組織が主体となり、主にマルテンサイトが得られなくなり、材質・金属組織が不均一となる。そのため、上限を4.0%に限定する。好ましくは、Mo、Wの1種又は2種の合計が0.1〜3.0%である。
Oは、溶着時の湯流れ性を適度に確保して空隙率を低減させるため、0.03%以下で含有させる。0.03%を超えて添加すると空隙率が高く、また、内部割れが発生しやすくなるため、上限を0.03%にする。好ましくは、0.001〜0.02%である。
Alは、溶着時の脱酸に有効であるが、過剰に添加すると繰り返しの溶着、加熱、冷却工程でマルテンサイト組織が安定的に得られず、材質均一性が劣化するばかりか、粗大な酸化物を形成して内部割れを助長する。そのため、上限を2.0%にする。好ましくは、0.001〜1.2%である。
前記(a)式で表されるMs点は、高温から冷却した時にオーステナイトからマルテンサイトに変態する開始温度を表し、前記(b)式で表されるAc1点は、低温から高温に加熱された時のマルテンサイトがオーステナイトに変態する開始温度を表す。繰り返し高温に加熱される際に材質・金属組織の均一性を確保するためには常にマルテンサイト変態して焼きが入り、低温で加熱される際にはマルテンサイト組織が軽微に焼き戻されて軟化が進まないことが必要となる。後述の実施例で記載するように種々検討した結果、低C,低Nと合わせてMs点が50℃以上、且つ、Ac1点が800℃以下となるように成分調整することで硬さのばらつきΔHvが80以下となり、鋭敏化もなく金属組織の均一性が得られることがわかった。Ms点が50℃未満の場合、マルテンサイト変態による焼きが進行せずにオーステナイトが残留し易くなり硬さがばらつく。一方、Ac1点が800℃を超える場合、800℃直下に加熱された部位の軟化が著しくなり、硬さがばらつくばかりか、炭窒化物が析出して鋭敏化特性も劣化する。そのため、Ms点を50℃以上、且つ、Ac1点を800℃以下に限定する。好ましくは、Ms点が80℃以上、Ac1点が760℃以下である。更に、好ましくはMs点が100℃以上、Ac1点が700℃以下である。
本発明の金属ワイヤは、選択的に以下の成分を含有すると好ましい。
Cu、Co、Bは、マトリックスの靭性を向上させるため、必要に応じて添加してもよい。しかしながら、CuやCoがそれぞれ5.0%を超えて含有すると、繰り返しの溶着、加熱、冷却工程でマルテンサイト組織が安定的に得られず、材質均一性が劣化する。そのため、CuやCoの上限を5.0%にする。また、Bが1.0%を超えて含有すると内部割れが発生し易くなる。そのため、Bの上限を1.0%に限定する。好ましくは、Cu:4.0%以下、Co:4.0%以下、B:0.3%以下である。
Sn,Sb、Au、Inは、マトリックスの耐食性を向上させるため、必要に応じて添加してもよい。しかしながら、それぞれ0.5%を超えて添加すると内部割れが発生し易くなる。そのため、上限を0.5%にする。好ましくは、0.4%以下である。
Mg、Ca,Hf、REMは、溶着時の脱酸に有効であるため、必要に応じて添加してもよい。しかしながら、過剰に添加すると繰り返しの溶着工程で粗大な酸化物が形成して内部割れが発生し易くなる。そのため、それぞれ0.02%以下に限定する。好ましくは、0.01%以下である。
Ti,Nb,V,Ta、Zrは、繰り返しの溶着、加熱、冷却工程でマトリクスに微細な析出物を形成して耐熱性(耐熱変形性)を高めるため、必要に応じて添加してもよい。しかしながら、それぞれ2.0%を超えて添加すると粗大な析出物を形成して、内部割れを助長する。そのため、上限を2.0%にする。好ましくは、1.0%以下である。
Bi、Pb、Ag,Se、TeやZnは、3D造形後の切削加工性を付与するために、必要に応じて添加してもよい。しかしながら、Bi,Pb,Ag,Se,Teはそれぞれ0.4%を超えて、Znは0.1%を超えて含有すると、内部割れを助長する。そのため、Bi、Pb、Ag,Se、Teの上限を0.4%、Znの上限を0.1%にする。好ましくは、Bi,Pb,Ag,Se,Teは0.3%以下、Zeは0.1%以下である。
本発明の金属ワイヤの成分組成は、上述してきた元素以外は、Feおよび不可避的不純物からなる化学成分から構成される。即ち、本発明の金属ワイヤはステンレス鋼系の金属ワイヤである。
代表的な不可避的不純物としては、Ge,Na、Be、F、Ga等が挙げられ、通常、鉄鋼の製造プロセスで不可避的不純物として、0.01%以下の範囲で混入する場合がある。
また、任意添加元素について、代表的なものを上記(2)〜(6)で規定しているが、本明細書中に記載されていない元素であっても、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。
本発明の金属ワイヤは、金属3Dプリンタによる溶着積層造形用の用途に用いられる。即ち、金属3Dプリンタにより、金属ワイヤの溶着ビードを積層して3次元部品に造形する際に材料として用いる金属ワイヤを意味する。
以上説明した本発明によれば、寸法変動、熱変形、内部割れ、内部の空隙抑制を抑制し、材質・金属組織均一性に優れた金属3Dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤであってステンレス鋼系のワイヤを安価に提供できる。
45kgの真空溶解炉にて表1〜表3に示す化学組成の鋼を溶解し、熱間鍛造と熱間押し出しにより直径11mmの棒鋼に加工した。その後、伸線と焼鈍を繰り返し、直径1.0mmの金属ワイヤに試作した。
Figure 2020147785
Figure 2020147785
Figure 2020147785
そして、ロボットのMIGのアーク溶接機を使用して、上記試作した金属ワイヤを渦巻き状に連続して積層しつつ繰り返し溶着し、図1に示す積層方向2に積層することにより3次元造形し、図1に示すような、中空の四角柱1(金属部品10)(1辺;50mm、高さ50mm)を製造した。アークによる溶着条件として、Ar+3%酸素のシールドガスを用い、溶接電流200A、アーク電圧30V、溶接速度:200cm/分とした。
その後、製造した四角柱1について、熱変形(耐熱性)、内部割れ、内部空隙および材質・金属組織均一性を調査した。表4、表5に調査結果について示す。
Figure 2020147785
Figure 2020147785
熱変形(耐熱性)は、繰り返し積層時の熱変形で発生する四角柱1の側面の最大凹凸量を測定した。最大凹凸量が5mm以下であれば◎、5mm超10mm以下であれば〇、10mmを超える場合は×とした。本発明の金属ワイヤを使用した場合、評価結果は◎および〇であり、耐熱変形性に優れていた。
内部割れと内部空隙は、四角柱1の任意の10か所で積層方向に垂直な断面を検査対象面とし、切り出した試料を樹脂に埋め込み、検査対象面を研磨し、光学顕微鏡観察にて内部割れおよび空隙を観察した。検査対象面に内部割れ、空隙が存在する場合を×、存在しない場合を〇として評価した。本発明の金属ワイヤを使用した場合、評価結果は〇であり、耐内部割れ性や耐内部空隙性に優れていた。
材質均一性は、前記埋め込み・研磨した試料のうち、積層造形の最下面、1/4、1/2、3/4高さ、最上面の5か所において、Hv硬さ(加重1kgf)を測定した。5か所のHVの最大と最小の差を硬さのばらつきΔHvとし、ΔHvが40以下であれば◎、40超80以下であれば〇とし、80を超える場合を×とした。
金属組織の均一性について、耐食性(耐久性)に悪影響を及ぼす炭窒化物および鋭敏化の存在を確認するため、前記埋め込み・研磨した試料について、JIS G 0571のエッチテストを行った。溝状組織が認められない場合を〇、溝状組織が認められる場合を×として評価した。
本発明の金属ワイヤを使用した場合、材料均一性、金属組織の均一性はともに評価結果は〇であり、材質・金属組織の均一性に優れていた。
一方、比較鋼である実施例46〜84では、本発明の規定範囲を満たしておらず、所要の特性を満足していないことがわかる。
耐寸法変動性に優れる金属ワイヤによる金属3Dプリンタを用いた3次元部品の成型において、以上の各実施例から明らかなように、金属ワイヤの溶着ビードを積層して3次元部品に造形する際に、材料として本発明の金属ワイヤを用いることにより、熱変形、内部割れ、内部空隙を安定的に抑制でき、材質・金属組織を均一化でき、部品の信頼性を高めることができ、産業上極めて有用である。
1 四角柱
2 積層方向
10 金属部品

Claims (6)

  1. 質量%で、
    C:0.35%以下、
    Si:3.0%以下、
    Mn:5.0%以下、
    S:0.0002〜0.4%、
    P:0.1%以下、
    Ni:0.05〜6.0%、
    Cr:5.0〜18.0%、
    Mo、Wの1種又は2種を合計で0.05〜5.0%、
    N:0.1%以下、
    O:0.03%以下、
    Al:2.0%以下
    であり、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学成分を有し、(a)式で表されるMs点が50℃以上で、且つ、(b)式で表されるAc1点が800℃以下であることを特徴とする金属3Dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ。
    Ms(℃)=600−600C−600N−13Mn−30Ni−12Cr−54Cu−46Mo ・・・(a)
    Ac1(℃)=700−70Ni−25Mn+10Cr+25Si+30Al ・・・(b)
    上記式中の元素記号は、当該元素の含有量(質量%)を意味する。
  2. 更に質量%で、
    Cu:5.0%以下、
    Co:5.0%以下、
    B:1.0%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の金属3Dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ。
  3. 更に質量%で、
    Sn:0.5%以下、
    Sb:0.5%以下、
    Au:0.5%以下、
    In:0.5%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属3Dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ。
  4. 更に質量%で、
    Mg:0.02%以下、
    Ca:0.02%以下、
    Hf:0.02%以下、
    REM:0.02%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の金属3Dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ。
  5. 更に質量%で、
    Ti:2.0%以下、
    Nb:2.0%以下、
    V:2.0%以下、
    Ta:2.0%以下、
    Zr:2.0%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の金属3Dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ。
  6. 更に質量%で、
    Bi:0.4%以下、
    Pb:0.4%以下、
    Ag:0.4%以下、
    Se:0.4%以下、
    Te:0.4%以下、
    Zn:0.1%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の金属3Dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ。
JP2019045695A 2019-03-13 2019-03-13 金属3dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ Active JP7305379B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019045695A JP7305379B2 (ja) 2019-03-13 2019-03-13 金属3dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019045695A JP7305379B2 (ja) 2019-03-13 2019-03-13 金属3dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020147785A true JP2020147785A (ja) 2020-09-17
JP7305379B2 JP7305379B2 (ja) 2023-07-10

Family

ID=72430351

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019045695A Active JP7305379B2 (ja) 2019-03-13 2019-03-13 金属3dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7305379B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4209301A1 (en) 2022-01-11 2023-07-12 Daido Steel Co., Ltd. Additive manufacturing wire, additively- manufactured object, and additive manufacturing method

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010515824A (ja) * 2007-01-12 2010-05-13 ロバルマ,ソシエダッド アノニマ 優れた溶接性を有する冷間工具鋼
JP2015211933A (ja) * 2014-05-01 2015-11-26 角川建設株式会社 汚水浄化装置及び汚水浄化方法
JP2015221933A (ja) * 2014-05-23 2015-12-10 大同特殊鋼株式会社 金型用鋼及び金型
JP2017144447A (ja) * 2016-02-15 2017-08-24 富士通アイソテック株式会社 金属3dプリンタを用いた造形方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010515824A (ja) * 2007-01-12 2010-05-13 ロバルマ,ソシエダッド アノニマ 優れた溶接性を有する冷間工具鋼
JP2015211933A (ja) * 2014-05-01 2015-11-26 角川建設株式会社 汚水浄化装置及び汚水浄化方法
JP2015221933A (ja) * 2014-05-23 2015-12-10 大同特殊鋼株式会社 金型用鋼及び金型
JP2017144447A (ja) * 2016-02-15 2017-08-24 富士通アイソテック株式会社 金属3dプリンタを用いた造形方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4209301A1 (en) 2022-01-11 2023-07-12 Daido Steel Co., Ltd. Additive manufacturing wire, additively- manufactured object, and additive manufacturing method
KR20230109102A (ko) 2022-01-11 2023-07-19 다이도 토쿠슈코 카부시키가이샤 적층 조형용 와이어, 적층 조형물 및 적층 조형 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP7305379B2 (ja) 2023-07-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7305394B2 (ja) 金属3dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ
JP6338028B2 (ja) フェライト系耐熱鋼用溶接材料、フェライト系耐熱鋼用溶接継手及びフェライト系耐熱鋼用溶接継手の製造方法
JP6870749B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼溶接金属および溶接構造物
JP4791992B2 (ja) スポット溶接用合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP5574061B2 (ja) 低温靭性と耐食性に優れたプレス加工用溶融めっき高強度鋼板とその製造方法
CN105658833A (zh) 铁素体-马氏体双相不锈钢及其制造方法
CN104955607B (zh) 高强度2.25Cr‑1Mo‑V钢用埋弧焊丝及焊接金属
JP6259336B2 (ja) Ni基合金およびその製造方法
KR102165758B1 (ko) 페라이트계 내열강 및 페라이트계 전열 부재
JP2004270029A (ja) 耐亜鉛揮発性に優れた亜鉛系めっき鋼板
JP6885232B2 (ja) 熱間プレス用めっき鋼板とその製造方法、ならびに熱間プレス成形部材およびその製造方法
JP2019107697A (ja) ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ
US20190160602A1 (en) Method for manufacturing a steel part, including the addition of a molten metal to a supporting part, and part thus obtained
JP6142837B2 (ja) フェライト相とマルテンサイト相の2相からなる組織を有するステンレス鋼
JP7305379B2 (ja) 金属3dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ
JP6870748B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼
JP7305399B2 (ja) 金属3dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ
KR20170002567A (ko) 육성 용접체
JP2019118946A (ja) 鋼板、突合せ溶接部材、熱間プレス成形品、鋼管、中空状焼入れ成形品、および鋼板の製造方法
WO2020152789A1 (ja) 鋼板、突合せ溶接部材、熱間プレス成形品、鋼管、中空状焼入れ成形品、および鋼板の製造方法
JP2010507021A (ja) 溶接部の加工性及び鋼材の耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼及びその製造方法
JP2017024053A (ja) 金型補修溶接材料
JP2020109201A (ja) 鋼板、テーラードブランク、熱間プレス成形品、鋼管状のテーラードブランク、中空状熱間プレス成形品、及び鋼板の製造方法
EP3502298A1 (en) Methods and compositions for making a near net shape article
JP2023102974A (ja) 積層造形品の製造方法及び積層造形品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230628

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7305379

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150