JP2017144447A - 金属3dプリンタを用いた造形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベースプレート上に造形した造形物の高さが低くても、ベースプレートから容易に分離して2次加工できる金属3Dプリンタを用いた造形方法を提供する。【解決手段】造形水槽内にある造形台の上に着脱可能に設置した基台の上面に、基台の材料との溶接が困難な異種材料の溶材を溶接トーチで溶解して積層する際に、積層の一層目だけ、積層工程の途中で溶材に対して瞬間的な溶接を複数箇所で行い、二層目以降の積層は、通常条件で行って造形物を造形し、造形後の造形物は、造形水槽内から基台ごと取り出し、基台または造形物に衝撃を与えることによって、基台から造形物を分離し、分離した造形物を2次加工して造形物を製造する金属3Dプリンタを用いた造形方法。【選択図】図8
Description
本出願は、金属製のワイヤ状の溶材(以後、溶接ワイヤと記す)をアーク放電によって溶融し、これを造形テーブルの上に積層することによって造形を行う金属3Dプリンタを用いた造形方法に関する。
従来、コンピュータで作った3次元データを設計図として、造形物の断面形状を積層することで3次元造形物を造形する3次元プリンタ(以後3Dプリンタと記す)が普及している。樹脂を使用する3Dプリンタでは、造形テーブルの上に液状の樹脂を塗布し、紫外線を照射して硬化させた層を、何層にも渡って積み重ねることで3次元造形物を造形する光造形方式や、熱で溶融した樹脂を少量ずつ積み重ねる熱溶融積層方式が採用されている。また、樹脂を使用する3Dプリンタには、粉末の樹脂を1層ずつ撒き、その上に接着剤を吹き付けて固めることによって3次元造形物を造形する粉末固着方式を採用したものもある。
更に、3Dプリンタの中には、金属製の3次元造形物を造形する金属3Dプリンタもある。金属3Dプリンタでは、造形テーブルの上に金属粉末を数十ミクロンの厚さで敷き詰めた後に、レーザー光を照射して焼結することによって1層分を形成し、これを繰り返すことによって金属造形物の造形を行っている。しかし、金属粉末は樹脂等と比べてかなり高価であるので、金属3Dプリンタで造形した金属製の3次元造形物は高価になり、また、この方式の3Dプリンタ自体も高価である。この点が金属3Dプリンタの普及の妨げになっていた。
一方、近年、それほどの精度の必要のない金属製の3次元造形物を造形する金属3Dプリンタとして、アーク溶接を利用した金属溶融積層方式の金属3Dプリンタがある。このような金属溶融積層方式の金属3Dプリンタは、例えば、特許文献1、2に提案されていると共に、その製品も実用化されている(非特許文献1参照)。金属溶融積層方式の金属3Dプリンタは、溶接ワイヤの先端でアーク放電を行って溶接ワイヤを溶融し、これを造形テーブルの上に積層することによって金属製の3次元造形物を造形するものである。
ここで、本出願が対象とするアーク溶接を利用した金属溶融積層方式の金属3Dプリンタについて説明する。図1は、アーク溶接を利用した金属溶融積層方式の金属3Dプリンタ50の全体構成を示すものである。金属3Dプリンタ50の本体51の上面52には、制御ユニット1及び造形を行う造形水槽6が設けられている。ここで、本体51の横方向をX軸方向、奥行方向をY軸方向、高さ方向をZ軸方向とする。造形水槽6の周囲には、溶接トーチ5をX軸方向に移動させるX軸アクチュエータ2、Y軸方向に移動させるY軸アクチュエータ4及びZ軸方向に移動させるZ軸アクチュエータ3が設けられている。造形を行う溶接トーチ5はY軸アクチュエータ4に取り付けられている。
金属3Dプリンタ50の本体51の隣りには、溶接トーチ5に溶接ワイヤを供給するワイヤ供給装置7、溶接トーチ5にシールドガスを供給するシールドガスボンベ8及び溶接トーチ5に電源を供給する溶接機電源9が設けられている。また、本体51の内部には、造形時に造形水槽6内に冷却媒体を供給する冷却媒体貯蔵タンク10が設けられている。冷却媒体としては、水を使用することができる。
図2(a)は、図1に示した金属3Dプリンタ50の造形処理部45の構造を説明するものである。溶接トーチ5の先端部は造形水槽6の中にある。造形水槽6の中の、溶接トーチ5の先端部に対向する位置には造形テーブル12が造形台として設けられている。造形テーブル12は、θ軸13によって造形水槽6の内部で垂直方向に回転できる。
図3(a)は、図1に示した金属3Dプリンタ50のシステム構成を示すものである。溶接トーチ5にはワイヤ供給装置7から溶接ワイヤ27が供給され、シールドガスボンベ8からシールドガスが供給され、溶接機電源9から電源が供給されており、溶接トーチ5は、溶接ワイヤ27の先端からのアーク放電によって溶接ワイヤ27を溶融する。造形水槽6の内部にある造形テーブル12の上には、ベースプレート15が基台として設けられている。ベースプレート15は、図3(c)に示すように、スペーサ16によって造形テーブル12から離間された状態で、造形テーブル12の上に着脱可能に固定されている。図3(c)には、スペーサ16を挿通させた固定具26によりベースプレート15が造形テーブル12の上に着脱可能に固定されている例が示されているが、スペーサ16は固定具で固定しなくても良い。
ベースプレート15は、溶接材料と溶接可能な板材である。造形テーブル12とベースプレート15とを離間させる理由は、造形テーブル12とベースプレート15の間に冷却媒体CWを通すためである。溶接トーチ5は、ベースプレート15の上に溶融した溶接ワイヤを積層して造形物を造形する。図3(b)は、図3(a)に示した造形水槽6内に配置された造形テーブル12とベースプレート15を示すものである。
溶接トーチ5がベースプレート15の上に溶融した溶接ワイヤ27を積層して造形物を造形する際には、積層中の造形物が冷却媒体CWで冷却される。冷却媒体CWは冷却媒体貯蔵タンク10に貯蔵されており、冷却ユニット32によって冷却されている。冷却媒体貯蔵タンク10の内部の冷却媒体CWはポンプ30でくみ上げられ、流量制御弁31で流量を調節されて造形水槽6に供給される。また、造形水槽6の中で造形物を冷却して温度が高くなった冷却媒体CWはポンプ30’で吸い出され、流量制御弁31’で流量を調節されて冷却媒体貯蔵タンク10に戻る。溶接トーチ5によってベースプレート15の上に造形を行う前は、図3(c)に示すように、造形水槽6内の液面WLの高さは、ポンプ30,30’と流量制御弁31,31’により、ベースプレート15の下面より高く、上面より低い位置に調整されている。
溶接トーチ5からベースプレート15に対してアーク放電を行い、溶接トーチ5から供給される溶接ワイヤ27を溶融、凝固させることでベースプレート15の上に溶融した溶接ワイヤ27を積層して造形物を造形する。積層させた部分は溶接ビードと呼ばれる。ベースプレート15の上に溶融金属が積層される毎に、造形水槽6の内部に冷却媒体CWがポンプ30を通じて供給され、積層された金属を冷却する。
図4は、図3(c)に示したベースプレート15の上に、溶接トーチ5と溶接ワイヤ27によって造形物18が造形されていく様子を示すものである。造形中、冷却媒体CWの液面WLは、造形物18の溶接面WSに対して、一定の距離Hだけ低くなるように流量制御弁31,31’によって制御される。図5は、図3(a)に示した金属3Dプリンタ50の造形水槽6における造形が終了した状態を示すものであり、ベースプレート15の上に、造形が終了した造形物18が出来上がっている。ベースプレート15の上に造形物18が出来上がり、温度が下がると冷却媒体CWは冷却媒体貯蔵タンク10に戻される。
造形が完了した造形物18は、2次加工を行うために、図6(a)、(b)に示すように金属3Dプリンタ50の造形水槽6からベースプレート15と共に取り出される。造形物18がベースプレート15の上に造形されたまま2次加工(切削加工)を行う場合は、ベースプレート15は、図示を省略した切削加工機(2次加工機)に取り付けられ、切削工具で切削加工される。切削加工が終了した造形物18は、ベースプレート15の上からワイヤカット等で切り取られて最終造形物となる。
一方、ベースプレート15の上に造形された造形物18を、ベースプレート15から分離して、旋盤等を用いて2次加工する場合がある。この場合は、図6(b)に示すように、造形物18はカットラインCLで切り取られ、図6(c)に示すように、ベースプレート15から分離される。分離された造形物18は、図6(d)に示すように、旋盤のチャック33に取り付けられ、図6(e)に示すように、チャック33を回転させた状態で、旋盤のバイト19によって切削加工される。チャック33に保持された部分の切削加工は、切削加工が終了した造形物18の先端部側をチャック33に再び保持させることによって行うことができる。切削加工が終了した造形物18は、チャック33から取り外されて最終造形物となる。
「武藤工業株式会社 製品情報 MA5000−S1」、[online]、[平成27年12月16日検索]、インターネット<URL:https://www.mutoh.co.jp/products/3d/ark/index.html>
ところが、ベースプレート15の上に形成された造形物18をベースプレート15から分離する場合、ワイヤカット等の工作機を用いなくてはベースプレート15から分離することができず、手間と時間がかかるという課題があった。特に、図6(f)に示すように、ベースプレート15の上に形成された造形物21の、ベースプレート15からの高さが低い場合は、ベースプレート15から分離にかかる手間と時間が大きかった。
1つの側面では、本出願は、ベースプレート上に造形した造形物の、ベースプレート15からの分離が容易であり、分離後の造形物単体での2次加工を容易に行える金属3Dプリンタを用いた造形方法を提供することを目的とする。
1つの形態によれば、造形水槽内にある造形台の上に着脱可能に設置した基台の上面に、溶材を溶接トーチで溶解して積層する積層工程により造形物を造形し、造形後の造形物は、造形水槽内から基台ごと取り出し、造形物を基台から分離した状態で2次加工機を用いて2次加工して造形物を製造する金属3Dプリンタを用いた造形方法において、溶材の材料として、基台の材料との溶接が困難とされる異種材料を使用したことを特徴とする金属3Dプリンタを用いた造形方法が提供される。
開示の金属3Dプリンタを用いた造形方法によれば、ベースプレート上にアーク溶接で造形した造形物の、ベースプレートからの分離が容易であり、分離後の造形物単体での2次加工が容易になるという効果がある。
以下、添付図面を用いて本出願の実施の形態を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。なお、本出願の金属3Dプリンタにおいて、図1から図6を用いて説明した比較技術の金属3Dプリンタ50と同じ構成部材には、同じ符号を付してその説明を省略、或いは簡略化する。
図7は、本出願の一実施例の金属3Dプリンタの造形を行う造形処理部45と制御ユニット1との接続を示すシステム構成図である。図1及び図2で説明したように、造形処理部45には、溶接トーチ5をX軸方向に移動させるX軸アクチュエータ2、Y軸方向に移動させるY軸アクチュエータ4及びZ軸方向に移動させるZ軸アクチュエータ3が設けられている。造形を行う溶接トーチ5は、Y軸アクチュエータ4に取り付けられている。X軸アクチュエータ2、Z軸アクチュエータ3、Y軸アクチュエータ4及び溶接トーチ5は全て制御ユニット1に接続されており、これらの動作制御は全て、制御ユニット1によって行われる。
溶接トーチ5は、X軸アクチュエータ2、Z軸アクチュエータ3及びY軸アクチュエータ4により、ベースプレート15の上を3次元方向に自在に移動することができる。また、溶接トーチ5は、図3で説明したように、シールドガスボンベからのシールドガス、溶接機電源9からの電源を使用してワイヤ供給装置からの溶接ワイヤを溶融し、溶融した溶材をベースプレート15の上面に積層して造形を行う。造形は層状に行われ、各層の造形時は溶接トーチ5がX軸アクチュエータ2とY軸アクチュエータによりベースプレート上を移動する。1つの層の造形が終了すると、Z軸アクチュエータ3によって溶接トーチ5は1層分引き上げられ、次の層の造形を行う。
溶接トーチ5は、制御ユニット1によって所定の速度でベースプレート15の上を移動させ、溶材を溶融させてベースプレート15の上面に積層し、積層を繰り返すことで造形物18の造形を行う。また、ベースプレート15への第1層目の溶材の積層時に、溶接トーチ5を停止もしくは移動させたまま、通常条件よりも高い電圧で1〜数秒間の溶接を行う。ここでは、溶接トーチ5を停止もしくは移動させたまま溶材を供給し、通常条件よりも高い電圧で行う1〜数秒間の溶接を、瞬間的な溶接と記す。瞬間的な溶接を行うと、瞬間的に通常条件よりも高い電圧で溶接が行われるため、溶融池が深くなる。この結果、ベースプレート15の材質に対して溶接しにくい異種材料(異種金属)を溶材として使用した場合であっても、より強固な結合を得ることができる。この制御も制御ユニット1によって行うことができる。
本願の金属3Dプリンタを用いた造形方法では、溶接ワイヤの材料として、ベースプレート15の材料とは異なる異種材料を使用する。そして、溶接ワイヤの材料として使用する異種材料は、ベースプレート15の材料に対して溶接が困難であるとされる金属を用いる。例えば、ベースプレート15の材料がステンレス、銅合金、ニッケル合金、軟鋼の何れかである場合は、溶接ワイヤの材料としてアルミニウム合金を使用する。また、ベースプレート15の材料がアルミニウム合金である場合は、溶接ワイヤの材料として、ステンレス、銅合金、ニッケル合金、軟鋼の何れかを使用する(図12参照)。
ここで、図8に示すフローチャートを用いて、図7に示した制御ユニット1により、ベースプレート15の上面に造形物を造形する場合の制御手順の一例を説明する。なお、ベースプレート15の材料に対して、溶材の材料(造形材料)は、溶接が困難であるとされる金属を使用することを前提とする。また、フローチャートにおける各部材の説明では、これまで説明した図面における符号を付して説明する。
ステップ801ではまず、ベースプレート15に対して瞬間的な溶接を行うポイント(場所)があるか否かが判定される。ベースプレート15に対して瞬間的な溶接を行うポイントが無いと判定された場合(NO)はステップ806に進み、溶材を連続的に溶接しながら溶接トーチ5を移動させる通常条件でベースプレート15の上面に造形が行われて、このルーチンを終了する。即ち、造形が終了するまで、上述の通常条件でベースプレート15の上面に溶材による造形が行われる。
一方、ステップ801において、ベースプレート15に対して瞬間的な溶接を行うポイントがあると判定された場合(YES)はステップ802に進む。ステップ802では、現在溶接トーチ5があるポイントが、瞬間的な溶接を行うポイントか否かが判定される。ステップ802において、現在の溶接トーチ5あるポイントが、瞬間的な溶接を行うポイントと判定された場合(YES)はステップ803に進む。ステップ803では、溶接トーチ5の移動を停止または移動させたままの状態で瞬間的な溶接を行う。瞬間的な溶接を行うポイントは、第1層目の溶接トーチ5の移動軌跡の中に複数個所設けることができる。また、瞬間的な溶接を行うポイントは、ベースプレート15の上面に造形する造形物18の形状(第1層目の形状)によって異なる。
例えば、図11(a)に示すように、ベースプレート15の上面に円筒状の造形物18が造形される場合は、溶接トーチ5による瞬間的な溶接を行うポイントを、円筒状の造形物18の中心から等角度の位置とすれば良い。円筒の半径が小さい場合は、図11(a)に×印で示すように、瞬間的な溶接を行うポイントは4箇所程度で良く、半径が大きくなるにつれて溶接トーチ5により瞬間的な溶接を行うポイントを増やせば良い。また、図11(b)に示すように、ベースプレート15の上面に矩形の筒状の造形物21が造形される場合は、溶接トーチ5により瞬間的な溶接を行うポイントは、各辺の中央部、或いは溶接トーチ5の等しい移動距離毎にすれば良い。図11(b)でも×印が溶接トーチ5の移動を一時停止させるポイントを示す。
図8に戻って、ステップ803が終了するとステップ804に進む。一方、ステップ802において、現在の溶接トーチ5があるポイントが、瞬間的な溶接を行うポイントではないと判定された場合(NO)もステップ804に進む。ステップ804では、溶接を行わない状態で、溶接トーチ5を次のポイントに移動させる。すなわち、造形を行わずに溶接トーチ5を次のポイントに移動させる。この処理が済むとステップ805に進む。
ステップ805では、ベースプレート15に対して瞬間な溶接を行うポイントが残っているか否かが判定される。ステップ805において、ベースプレート15に対して瞬間的な溶接を行うポイントが残っていると判定された場合(YES)はステップ802に戻って処理を続ける。一方、ステップ805において、ベースプレート15に対して瞬間的な溶接を行うポイントが残っていないと判定された場合(NO)、つまり、ベースプレート15に対して瞬間的な溶接を行う全てのポイントで、瞬間的な溶接を終了している場合はステップ806に進む。
ステップ806では、連続的に溶接しながら溶接トーチ5を移動させる通常条件でベースプレート15の上面に造形が行われてこのルーチンを終了する。即ち、造形が終了するまで通常条件でベースプレート15の上面に造形が行われる。造形が終了した後は、造形物の温度が低下するのを待ち、温度が低下した造形物18は、ベースプレート15と共に造形水槽6から取り出される。
図9(a)は、図8に示した制御手順によりベースプレート15の上に造形された造形物18が、ベースプレート15ごと造形水槽から取り出された状態を示すものである。ベースプレート15の上には、円筒状の造形物18が造形されているものとする。ベースプレート15の上に造形された造形物18の材質は、ベースプレート15の材料に対して溶接が困難であるとされる金属であり、単にこの金属をベースプレート15の上に積層しただけでは、造形物18はベースプレート15の上面に十分な強度での溶接ができない。
ところが、図8のステップ803で説明したように、造形物18の第1層目はベースプレート15に対して瞬間的な溶接がされている。従って、本出願の造形方法によれば、ベースプレート15の上に造形された造形物18は、ベースプレート15に対して部分的に瞬間的な溶接が行われている。しかしながら、本出願の造形方法によれば、造形物18の材質はベースプレート15の材料に対して溶接が困難な材質であるので、溶接された後の造形物18のベースプレート15に対する結合力が弱い。そこで、造形後に造形物18をベースプレート15と共に造形水槽から取り出し、ベースプレート15または造形物18に衝撃を加えることにより、造形物18をベースプレート15から分離することが可能である。
図9(b)は、図9(a)に示したベースプレート15または造形物18をハンマー29で叩き、ベースプレート15または造形物18に強い衝撃を与える状態を示すものである。このように、ハンマー29でベースプレート15または造形物18に衝撃を与えると、図9(c)に示すように、ハンマー29による衝撃で、ベースプレート15から造形物18が剥離する。剥離した造形物18は、図9(d)に示すように、旋盤のチャック33に取り付け、図9(e)に示すように、チャック33を回転させてバイト19で切削加工することができる。
このように、本出願の造形方法によってベースプレート15の上に造形された造形物18は、造形後に衝撃を与えることによってベースプレート15の上から、加工機を使うことなく容易に分離することが可能である。このため、図10(a)に示すように、ベースプレート15の上に背の低い造形物21を造形した場合であっても、造形後にベースプレート15を造形水槽から取り出し、図10(b)に示すように、ベースプレート15または造形物18にハンマー29で衝撃を与えれば良い。すると、図10(c)に示すように、ハンマー29による衝撃で、ベースプレート15から造形物21を剥離することができる。
このように、本出願の金属3Dプリンタを用いた造形方法によれば、ベースプレート上にアーク溶接で造形した造形物の、ベースプレートからの分離が加工機を使用することなく容易にできる。この結果、造形物単体での2次加工を容易に行うことができる。
1 制御ユニット
2 X軸アクチュエータ
3 Z軸アクチュエータ
4 Y軸アクチュエータ
5 溶接トーチ
6 造形水槽
10 冷却水貯蔵タンク
12 造形テーブル
15 ベースプレート
16 スペーサ
18、21 造形物
19 バイト
27 溶接ワイヤ
29 ハンマー
50 金属3Dプリンタ
CW 冷却媒体
WL 水面
WS 溶接面
2 X軸アクチュエータ
3 Z軸アクチュエータ
4 Y軸アクチュエータ
5 溶接トーチ
6 造形水槽
10 冷却水貯蔵タンク
12 造形テーブル
15 ベースプレート
16 スペーサ
18、21 造形物
19 バイト
27 溶接ワイヤ
29 ハンマー
50 金属3Dプリンタ
CW 冷却媒体
WL 水面
WS 溶接面
Claims (2)
- 造形水槽内にある造形台の上に着脱可能に設置した基台の上面に、溶材を溶接トーチで溶解して積層する積層工程により造形物を造形し、造形後の前記造形物は、前記造形水槽内から前記基台ごと取り出し、前記造形物を前記基台から分離した状態で2次加工機を用いて2次加工して造形物を製造する金属3Dプリンタを用いた造形方法において、
前記溶材の材料として、前記基台の材料との溶接が困難とされる異種材料を使用することを特徴とする金属3Dプリンタを用いた造形方法。 - 前記積層工程の第一層目において、前記溶接トーチを停止もしくは移動させたまま、前記積層工程よりも高い電圧で1〜数秒間の溶接を複数箇所で行い、
前記積層工程の第二層目以降は、前記積層工程を通常に行い、
造形後の前記造形物は、造形水槽内から前記基台ごと取り出し、
前記基台または前記造形物に衝撃を与えることによって、前記基台から前記造形物を分離できるようにしたことを特徴とする金属3Dプリンタを用いた造形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016026341A JP2017144447A (ja) | 2016-02-15 | 2016-02-15 | 金属3dプリンタを用いた造形方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019098402A (ja) * | 2017-11-29 | 2019-06-24 | リンカーン グローバル,インコーポレイテッド | 付加的製造のための方法及びシステム |
JP2020147785A (ja) * | 2019-03-13 | 2020-09-17 | 日鉄ステンレス株式会社 | 金属3dプリンタによる溶着積層造形用の金属ワイヤ |
JP2021060995A (ja) * | 2019-10-02 | 2021-04-15 | 伊福精密株式会社 | 造形空間での3次元造形物データの作成及び保管システム、及び、造形空間での3次元造形物の提供システム |
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