JP2020146714A - アモルファス系軟磁性材料の製造方法 - Google Patents

アモルファス系軟磁性材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本開示の目的は、高いFe量を有するアモルファス系軟磁性材料を効率的に製造することができる方法を提供することである。【解決手段】本実施形態は、所定の組成式で表されるアモルファス系軟磁性材料の製造方法であって、前記組成式(1)の組成が得られるように原料を混合して溶解することにより、合金を得る工程と、前記合金の溶湯を、ゲージ圧が−93kPa以下の真空雰囲気下で、表面粗さRaが0.4mm以上である冷却ロールに噴射する工程と、を含む、アモルファス系軟磁性材料の製造方法である。【選択図】図1

Description

本開示は、アモルファス系軟磁性材料の製造方法に関する。
アモルファス系軟磁性材料を製造する方法として、液体急冷法が広く知られている。液体急冷法としては、単ロール法、双ロール法、遠心法等が挙げられるが、生産性及びメンテナンス性の観点から、高速で回転する一つの冷却ロール上に金属溶湯を供給して、急冷凝固させて薄帯を得る単ロール法が優れている。
このような単ロール法の開発例として、例えば、特許文献1は、合金溶湯を冷却ロール上で急冷、鋳造するアモルファス合金薄帯の製造方法であって、鋳造中に上記合金溶湯に向かってCOを主体とするガスを導入しつつ、冷却ロールの研磨を行うことを特徴とするアモルファス合金薄帯の製造方法を開示している。特許文献1には、当該技術により、COガスによって薄帯の冷却ロール接触面側の表面形態が改善される効果を損なうことなく、脆化、結晶化を生じず、端部の形状に優れた薄帯を連続的な製造を可能とする製造方法を提供できると記載されている。
特開2002−316243号公報
一方、モータやリアクトル等の磁性部品の高性能化には、コア部に使用される軟磁性材料における高飽和磁化と低保磁力の両立が求められる。アモルファス系軟磁性材料やナノ結晶系軟磁性材料等の軟磁性材料の飽和磁化を高めるには、合金中のFe量を多くする必要がある。しかし、Fe量を増加させると、アモルファス形成元素が減少してしまい、急冷によりアモルファス構造が形成され難くなる。このような傾向は、特に、薄帯の厚さや幅が大きい場合に、特に顕著に現れる。
そこで、本開示の目的は、高いFe量を有するアモルファス系軟磁性材料を効率的に製造することができる方法を提供することである。
そこで、本実施形態の態様例は以下の通りである。
[1] 下記組成式(1):
Fe100−x−yNi ・・・(1)
(式中、xは、原子%で、10≦x≦16を満たし、yは、原子%で、0<y≦4を満たし、Bの一部はSi、P及びCからなる群から選択される少なくとも1種の元素で置換されていてもよく、ここで、該Bの一部は組成全体の3原子%以下であり、Fe及びNiの一部はNb、Co、Zr、Hf、Cu、Ag、Au、Zn、Sn、As、Sb、Bi、Y及び希土類元素から選択される少なくとも1種の元素で置換されていてもよく、ここで、該Fe及びNiの一部は組成全体の3原子%以下である)
で表されるアモルファス系軟磁性材料の製造方法であって、
前記組成式(1)の組成が得られるように原料を混合して溶解することにより、合金を得る工程と、
前記合金の溶湯を、ゲージ圧が−93kPa以下の真空雰囲気下で、表面粗さRaが0.4mm以上である冷却ロールに噴射する工程と、
を含む、アモルファス系軟磁性材料の製造方法。
本開示により、高いFe量を有するアモルファス系軟磁性材料を効率的に製造することができる方法を提供することができる。
実施例で用いた急冷装置の構成を示す模式的概念図である。 実施例2で得られた軟磁性材料E2の表面のSEM画像である。 比較例2で得られた軟磁性材料C2の表面のSEM画像である。 比較例5で得られた軟磁性材料C5の表面のSEM画像である。 実施例2で得られた軟磁性材料E2について測定したXRD分析結果である。 比較例2で得られた軟磁性材料C2について測定したXRD分析結果である。 比較例5で得られた軟磁性材料C5について測定したXRD分析結果である。
本実施形態は、下記組成式(1):
Fe100−x−yNi ・・・(1)
(式中、xは、原子%で、10≦x≦16を満たし、yは、原子%で、0<y≦4を満たし、Bの一部はSi、P及びCからなる群から選択される少なくとも1種の元素で置換されていてもよく、ここで、該Bの一部は組成全体の3原子%以下であり、Fe及びNiの一部はNb、Co、Zr、Hf、Cu、Ag、Au、Zn、Sn、As、Sb、Bi、Y及び希土類元素から選択される少なくとも1種の元素で置換されていてもよく、ここで、該Fe及びNiの一部は組成全体の3原子%以下である)
で表されるアモルファス系軟磁性材料の製造方法を対象とする。また、本実施形態に係る製造方法は、前記組成式(1)の組成が得られるように原料を混合して溶解することにより、合金を得る工程と、前記合金の溶湯を、ゲージ圧が−93kPa以下の真空雰囲気下で、表面粗さRaが0.4mm以上である冷却ロールに噴射する工程と、を含む。
本実施形態により、高いFe量を有する組成であっても、アモルファス系軟磁性材料を効率的に製造することができる方法を提供することができる。具体的には、ゲージ圧が−93kPa以下の真空雰囲気下で溶湯を急冷することにより、ガスの巻込みが低減される。その結果、溶湯と冷却ロールとの密着性を向上させることができ、溶湯の冷却速度を向上することができる。また、冷却ロールの表面粗さRaを0.4mm以上とすることにより、溶湯と冷却ロールとの接触面積が増加する。その結果、溶湯の冷却速度を向上することができる。さらに、表面粗さが大きいと、溶湯と冷却ロールとの密着力がアンカー効果により向上するため、溶湯の冷却ロールへの接触時間が増加する。その結果、溶湯をより効率的に冷却することができる。このような冷却速度向上効果により、本実施形態に係る製造方法は、高いFe量を含む合金、すなわち式(1)で表される軟磁性材料であっても、アモルファス系軟磁性材料を効率的に製造することができる。また、本実施形態に係る製造方法は、厚い薄帯(例えば30μm超)も効率的に製造することができ、また、薄帯の幅広化にも有効に利用できる。
また、本実施形態に係る製造方法では、表面粗さが大きい薄帯が形成される。表面粗さが大きいと、モータやリアクトル等の積層コアを作製する際に接触抵抗を大きくすることができ、その結果、層間絶縁性を向上することができる。そのため、コアの渦電流損失を下げる効果も期待できる。
以下、適宜図面を参照して、本実施形態に係るアモルファス系軟磁性材料の製造方法について詳細に説明する。
[合金準備工程]
本実施形態に係る製造方法は、組成式(1)の組成が得られるように原料を混合して溶解することにより、合金を得る工程を含む。
式(1)の組成を有する合金は、該組成が得られるように複数の原料を秤量・混合し、アーク溶解等により溶解すことにより得ることができる。
軟磁性材料の組成式は、上述の通り、式(1)
Fe100−x−yNi ・・・(1)
(式中、xは、原子%で、10≦x≦16を満たし、yは、原子%で、0<y≦4を満たし、Bの一部はSi、P及びCからなる群から選択される少なくとも1種の元素で置換されていてもよく、ここで、該Bの一部は組成全体の3原子%以下であり、Fe及びNiの一部はNb、Co、Zr、Hf、Cu、Ag、Au、Zn、Sn、As、Sb、Bi、Y及び希土類元素から選択される少なくとも1種の元素で置換されていてもよく、ここで、該Fe及びNiの一部は組成全体の3原子%以下である)
で表される。
組成式(1)の軟磁性材料において、主成分がFeである。Feの含有量は、B及びNiの残部で表される。高い飽和磁化の観点から、Feの含有量は、好ましくは82原子%以上、より好ましくは84原子%以上である。
B(ボロン)は、溶湯を急冷したときに、アモルファス相の形成を促進する。軟磁性材料のBの含有量は、好ましくは、組成全体の11原子%以上であり、より好ましくは組成全体の12原子%以上である。一方、軟磁性材料のBの含有量が組成全体の16原子%以下であれば、アモルファス相の結晶化のときにFe−B化合物の形成を回避し易くなる。化合物の形成を回避する観点からは、軟磁性材料のBの含有量は、好ましくは組成全体の15原子%以下、より好ましくは組成全体の14原子%以下である。
軟磁性材料は、Ni(ニッケル)を含む。軟磁性材料がNiを含有することにより、誘導磁気異方性の大きさを制御することができる。当該作用の発揮が明瞭になる観点からは、Niの含有量は、好ましくは0.2原子%以上、より好ましくは0.5原子%以上、さらに好ましくは1原子%以上である。一方、Niの含有量が4原子%以下(好ましくは3.5原子%以下、より好ましくは3原子%以下)であれば、軟磁性材料の別の必須元素であるFe及びBが過剰に少なくなることはなく、その結果、軟磁性材料を急速昇温及び保持して得た軟磁性材料は、高飽和磁化と低保磁力を両立することができる。
軟磁性材料では、当該組成式において、Bの一部は、Si、P及びCからなる群から選択される少なくとも1種の元素で置換されていてもよい。ここで、Bの一部は、組成全体の3原子%以下、好ましくは2原子%以下である。なお、Bの一部として、2種類以上の元素が選択される場合、Bの一部は、それらの元素の含有量の合計である。
Siはアモルファス形成を担う元素であり、かつSiを添加することで結晶磁気異方性の大きなFe−B化合物が生成する温度が高くなるため、熱処理温度を高温化することが可能となる。また、溶湯の粘度も低下するため、吐出し易くなり、ノズル閉塞を抑制することができる。なお、Siの他にアモルファス形成元素P、Cを添加することで原子のランダム性が向上しアモルファス形成能やナノ結晶の安定性を高めることができる。
軟磁性材料では、当該組成式において、Fe及びNiの一部は、Nb、Co、Zr、Hf、Cu、Ag、Au、Zn、Sn、As、Sb、Bi、Y及び希土類元素から選択される少なくとも1種の元素で置換されていてもよい。ここで、Fe及びNiの一部は、組成全体の3原子%以下、好ましくは2原子%以下である。なお、Fe及びNiの一部として、2種類以上の元素が選択される場合、Fe及びNiの一部は、それらの元素の含有量の合計である。
耐食性の改善や結晶粒成長の抑制、核生成頻度の向上のため、飽和磁化を著しく低下させない範囲でFeやNiの一部を各原子(Nb、Co、Zr、Hf、Cu、Ag、Au、Zn、Sn、As、Sb、Bi、Y及び希土類元素)で置換しても良い。
軟磁性材料は、さらに、Mn、S、Cr、O、及びN等の不可避的不純物を含んでもよい。不可避的不純物とは、原材料に含まれる不純物等、その含有を回避することが避けられない、あるいは、回避するためには著しい製造コストの上昇を招くような不純物のことをいう。このような不可避的不純物を含んだときの軟磁性材料の純度は、好ましくは97質量%以上、より好ましくは98質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上である。
[急冷工程]
次に、本実施形態に係る製造方法は、前記合金の溶湯を、ゲージ圧が−93kPa以下の真空雰囲気下で、表面粗さRaが0.4mm以上である冷却ロールに噴射する工程を含む。
合金の溶湯は、例えば、合金を高周波加熱等の加熱手段で溶解することにより得ることができる。
合金の溶湯は、冷却されて所定の回転速度で回転している冷却ロール上に噴射される。この際、噴射は、ゲージ圧が−93kPa以下の真空雰囲気下で行われる。このような真空雰囲気下で溶湯を冷却ロールに噴射することにより、ガスの巻込みを低減することができる。その結果、溶湯と冷却ロールとの密着性を向上させることができ、溶湯の冷却速度を向上することができる。また、噴射を真空雰囲気下で行うためには、噴射装置のみならず、冷却ロールや高周波加熱等の加熱手段も含めて真空雰囲気下に配置される。
本実施形態において、真空雰囲気のゲージ圧は、−93kPa以下であり、好ましくは−95kPa以下であり、より好ましくは−97kPa以下であり、さらに好ましくは−99kPa以下であり、特に好ましくは−100kPa以下である。真空雰囲気の圧力が低下するほど、ガスの巻込みを防ぐことができる。
合金溶湯は、通常、不活性ガス(例えばアルゴンや窒素)を使用して、噴射ノズルから噴射される。溶湯温度、噴射圧力、噴射ノズル径等は適宜調整され得る。本実施形態では、このような不活性ガスの噴射中も、ゲージ圧が所定の範囲となるように真空ポンプ等により吸引されている。
冷却ロールの表面粗さRaは、0.4mm以上である。表面粗さRaは、JIS B 0601に記載の方法に従って測定される。冷却ロールの表面粗さRaを0.4mm以上と大きくすることにより、溶湯と冷却ロールとの接触面積が増加する。その結果、溶湯の冷却速度を向上することができる。さらに、表面粗さが大きいと、溶湯と冷却ロールとの密着力がアンカー効果により向上するため、溶湯の冷却ロールへの接触時間が増加する。その結果、溶湯をより効率的に冷却することができる。
冷却ロールの材質や大きさ等については、特に制限されるものではない。例えば、冷却ロールとしては、Crメッキを施した銅製のロールを用いることが可能である。冷却ロールの大きさは、製造スケールに応じて適宜決定されるべきである。
急冷速度は、溶湯噴射ノズル径、クリアランス(噴射ノズルから冷却ロールまでの距離)、噴射圧力、ロール速度、溶湯温度、冷却ロールの表面粗さ等によってもさらに制御可能である。
以上の工程により、リボン状のアモルファス系軟磁性材料(薄帯)が製造される。
[アモルファス系軟磁性材料]
アモルファス系軟磁性材料は、主構造としてアモルファス相を有する軟磁性材料である。主構造がアモルファス相であるとは、材料中のアモルファス相の含有量が50体積%以上であることをいう。また、アモルファス系軟磁性材料は、X線回折パターンに明瞭なピークではなく、ブロードなハローパターンが観測される。
アモルファス系軟磁性材料に熱処理を加えることで、ナノ結晶系軟磁性材料を形成することができる。例えば、アモルファス系軟磁性材料を50℃/s以上の昇温速度で結晶化温度以上まで加熱し、ナノ結晶系軟磁性材料を得ることができる。ナノ結晶系軟磁性材料の飽和磁化は、1.8T以上であることが好ましく、保磁力は、20A/m未満であることが好ましい。
なお、ナノ結晶構造を有するナノ結晶系軟磁性材料では、結晶面の格子間隔に対応する位置に回折ピークが観測される。その回折ピークの幅からScherrerの式を用いて結晶子径を算出することができる。一般に、ナノ結晶とは、X線回折の回折ピークの半値幅からScherrerの式で算出される結晶子径が1μm未満のものをいう。本実施形態において、ナノ結晶の結晶子径(X線回折の回折ピークの半値幅からScherrerの式で算出される結晶子径)は、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは50nm以下である。また、ナノ結晶の結晶子径は、好ましくは5nm以上である。ナノ結晶の結晶子径がこのような大きさである場合、軟磁気特性が向上するため好ましい。
得られた軟磁性材料は、必要に応じてさらなる加工が施され、所望の磁性部品に使われ得る。磁性部品としては、特に制限されるものではないが、例えば、回転機やリアクトル等のコア材料、変圧器、又は点火プラグ等が挙げられる。
以下、本実施形態について実施例に基づき説明する。なお、本実施形態は以下の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
組成がFe8414Niになるように、原材料(純Fe、Fe−B合金、純Ni等)を秤量してアーク溶解し、鋳塊を作製した。当該工程では、鋳塊が均質になるように、反転させて繰返し溶解した(3回〜5回)。次に、細かく切断した鋳塊を急冷装置(図1参照)のノズルに装入した。なお、図1において、符号1は噴射口(吐出口)、符号2は坩堝、符号3は高周波加熱ヒーター、符号4は銅ロール、符号5は薄帯を示す。これらは不図示のチャンバー内に格納されている。次に、チャンバーのゲージ圧が−100kPaとなるように真空ポンプで吸引した。次に、鋳塊を高周波加熱で溶解し、溶湯を得た。次に、溶湯を、周速30m/s〜70m/sの銅ロールに噴射して急冷することで、幅11mmの薄帯を得た。溶湯の噴射中も常にゲージ圧が−100kPaとなるように真空ポンプで吸引を行った。吐出時の温度は、融点+50℃〜200℃とした。また、ノズルと冷却ロールとの間のギャップを0.3mmとした。銅ロールの表面粗さRaは、研磨ロールを用いて0.6μmとなるように調整した。
得られた軟磁性材料E1について、ガスの巻込みの有無、保磁力[A/m]、厚さ[μm]について評価した。結果を表1に示す。なお、ガスの巻込みの有無はSEM画像で判断し、保磁力は直流BHアナライザーで測定し、厚さはマイクロメーターで測定した。
[実施例2]
銅ロールの表面粗さRaを0.4μmとなるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして軟磁性材料E2を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
ゲージ圧が−93kPaとなるように設定し、かつ銅ロールの表面粗さRaを0.4μmとなるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして軟磁性材料E3を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
組成がFe85.514Ni0.5になるように原材料を秤量して鋳塊を作製したこと以外は、実施例1と同様にして軟磁性材料E4を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例5]
組成がFe8613.5Ni0.5になるように原材料を秤量して鋳塊を作製したこと以外は、実施例1と同様にして軟磁性材料E5を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例6]
組成がFe85.513.5Niになるように原材料を秤量して鋳塊を作製したこと以外は、実施例1と同様にして軟磁性材料E6を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例7]
組成がFe8513.5Ni1.5になるように原材料を秤量して鋳塊を作製したこと以外は、実施例1と同様にして軟磁性材料E7を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例8]
組成がFe8313.5Si0.5Niになるように原材料を秤量して鋳塊を作製したこと以外は、実施例1と同様にして軟磁性材料E8を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
銅ロールの表面粗さRaを0.3μmとなるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして軟磁性材料C1を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
銅ロールの表面粗さRaを0.1μmとなるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして軟磁性材料C2を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例3]
ゲージ圧が−93kPaとなるように設定し、かつ銅ロールの表面粗さRaを0.3μmとなるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして軟磁性材料C3を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例4]
ゲージ圧が−87kPaとなるように設定し、かつ銅ロールの表面粗さRaを0.4μmとなるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして軟磁性材料C4を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例5]
ゲージ圧が−87kPaとなるように設定し、かつ銅ロールの表面粗さRaを0.3μmとなるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして軟磁性材料C5を作製し、評価した。結果を表1に示す。
軟磁性材料E2並びに軟磁性材料C2及びC5について、それぞれの表面のSEM画像を図2〜4に示す。軟磁性材料E2及び軟磁性材料C2(図2及び3)ではガスの巻込み跡は観察されなかったが、軟磁性材料C5(図4)ではガスの巻込み跡が観察された。
実施例で得られた軟磁性材料E1〜E8は、XRD分析によりアモルファス構造を有することが確認された。その代表例として、軟磁性材料E2について測定したXRD分析結果を図5に示す。図5に示されるように、軟磁性材料E2はアモルファス系軟磁性材料であることが確認された。また、比較例で得られた軟磁性材料C2及びC5について測定したXRD分析結果を図6〜7に示す。軟磁性材料C2及びC5(図6及び7)では結晶生成が確認された。
当業者であれば本開示を最大限に利用するために上記の説明を用いることができる。本明細書に開示した特許請求の範囲及び実施形態は、単に説明的及び例示的なものであり、いかなる意味でも本開示の範囲を限定しないと解釈すべきである。本開示の助けを借りて、本開示の基本原理から逸脱することなく上記の実施形態の詳細に変更を加えることができる。換言すれば、上記の明細書に具体的に開示した実施形態の種々の改変及び改善は、本開示の範囲内である。
1 噴射口(吐出口)
2 坩堝
3 高周波加熱ヒーター
4 銅ロール
5 薄帯

Claims (1)

  1. 下記組成式(1):
    Fe100−x−yNi ・・・(1)
    (式中、xは、原子%で、10≦x≦16を満たし、yは、原子%で、0<y≦4を満たし、Bの一部はSi、P及びCからなる群から選択される少なくとも1種の元素で置換されていてもよく、ここで、該Bの一部は組成全体の3原子%以下であり、Fe及びNiの一部はNb、Co、Zr、Hf、Cu、Ag、Au、Zn、Sn、As、Sb、Bi、Y及び希土類元素から選択される少なくとも1種の元素で置換されていてもよく、ここで、該Fe及びNiの一部は組成全体の3原子%以下である)
    で表されるアモルファス系軟磁性材料の製造方法であって、
    前記組成式(1)の組成が得られるように原料を混合して溶解することにより、合金を得る工程と、
    前記合金の溶湯を、ゲージ圧が−93kPa以下の真空雰囲気下で、表面粗さRaが0.4mm以上である冷却ロールに噴射する工程と、
    を含む、アモルファス系軟磁性材料の製造方法。

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