JP2020146016A - 選別装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体試料の集合から、不要な細胞を効率的に除去することが可能な選別装置を提供する。【解決手段】生体試料を複数含む分散液を貯留する装置本体と、生体試料の形状および運動状態の少なくともいずれか一方を検出する検出部と、装置本体から生体試料を排出する排出部と、予め記憶された判断基準と、検出部における生体試料の検出結果とに基づいて、排出部を駆動する制御部と、を有し、装置本体は、分散液を貯留する貯留部と、貯留部に接続し、貯留部から生体試料を排出する排出口と、を有し、排出部は、排出口に設けられ、制御部は、判断基準と検出結果とに基づいて検出部で検出された生体試料の良否を判断するとともに、不良と判断された生体試料を装置本体から排出させる選別装置。【選択図】図1

Description

本発明は、選別装置に関する。
培養用の細胞、受精前の精子や卵、仔魚や稚魚などの品質は、培養、人工授精、養殖などの成功率に強く影響する。
例えば、人工授精に用いる精子は、運動性が高く、また形態学的に異常な精子を含まない方が、人工授精の成功率が高くなることが期待でき好ましい。特許文献1では、運動性が高い精子を選別する方法および選別装置が記載されている。
特許文献1に記載の選別装置は、精子の運動性に基づいて選別しているが、形態異常精子を選別することができず、改良の余地があった。
また、精子に限らず、生体試料の集合から不要な細胞を除去し、高品質な生体試料の集合とするための技術が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、生体試料の集合から、不要な細胞を効率的に除去することが可能な選別装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、生体試料を複数含む分散液を貯留する装置本体と、前記生体試料の形状および運動状態の少なくともいずれか一方を検出する検出部と、前記装置本体から前記生体試料を排出する排出部と、予め記憶された判断基準と、前記検出部における前記生体試料の検出結果とに基づいて、前記排出部を駆動する制御部と、を有し、前記装置本体は、前記分散液を貯留する貯留部と、前記貯留部に接続し、前記貯留部から前記生体試料を排出する排出口と、を有し、前記排出部は、前記排出口に設けられ、前記制御部は、前記判断基準と前記検出結果とに基づいて前記検出部で検出された前記生体試料の良否を判断するとともに、不良と判断された前記生体試料を前記装置本体から排出させる選別装置を提供する。
本発明によれば、生体試料の集合から、不要な細胞を効率的に除去することが可能な選別装置を提供することができる。
図1は、選別装置1の概略斜視図である。 図2は、図1の線分II−IIにおける選別装置1の矢視断面図である。 図3は、選別装置1の平面図である。 図4は、実施形態の選別装置1が有する排出部30の概略断面図である。 図5は、制御部90を示すブロック図である。 図6は、制御部90において行う不良試料の検出処理について示すフローチャートである。 図7は、制御部90において行う不良試料の排出処理について示すフローチャートである。 図8は、検出部20で撮像する流路111の画像を示す模式図である。 図9は、検出部20で撮像する流路111の画像を示す模式図である。 図10は、傾斜部119を有する流路118を説明する概略断面図である。 図11は、光電センサを検出部として備える流路の模式図である。 図12は、光電センサを検出部として備える流路の模式図である。 図13は、光電センサを検出部として備える流路の模式図である。 図14は、選別装置2の概略斜視図である。 図15は、図14の線分XV−XVにおける選別装置2の矢視断面図である。 図16は、排出部として開閉扉を採用する選別装置3の一部構成を説明する模式図である。 図17は、排出部として、減圧装置を採用する選別装置4の一部構成を説明する模式図である。 図18は、排出部として、吸引ポンプを採用する選別装置5の一部構成を説明する模式図である。
[第1実施形態]
以下、図1〜図13を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る選別装置1について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
以下の説明においては、xyz直交座標系を設定し、このxyz直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。ここでは、水平面内の所定方向をx軸方向、水平面内においてx軸方向と直交する方向をy軸方向、x軸方向及びy軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をz軸方向とする。
また、+z軸方向の位置を「上」、−z方向の位置を「下」として、構成の配置や相対位置を説明することがある。
<選別装置>
図1は、選別装置1の概略斜視図である。図2は、図1の線分II−IIにおける選別装置1の矢視断面図である。図3は、選別装置1の平面図である。
図1〜3に示すように、選別装置1は、装置本体10と、検出部20と、排出部30と、流動部40と、配管50と、フィルタ60と、回収部70と、制御部90とを有する。
選別装置1は、分散液Dに含まれる生体試料Cの良否を判断して、不良と判断された生体試料を除去することで、良品の生体試料Cを選別する。以下の説明では、不良と判断された生体試料を、不良試料ECと称することがある。
本実施形態においては、選別装置1で選別する生体試料Cが自ら移動可能であることとして説明する。具体的には、生体試料Cが精子であることとして説明する。
分散液Dは、生体試料(精子)Cと、生体試料Cを損傷しない分散媒とを有する。分散媒としては、リン酸緩衝生理食塩水(Phosphate Buffered Saline)やHank's Balanced Salt Solutionなどの公知の緩衝液を用いることができる。
<貯留部>
装置本体10は、生体試料Cを複数含む分散液Dを貯留する。装置本体10は、第1部材11と、第2部材12と、第3部材13と、基台19とを有する。
第1部材11は、平面視でx軸方向に延在する直方体状の部材である。第1部材11の長手方向(x軸方向)の一端側には、第2部材12が接続されている。第1部材11の他端側には、第3部材13が接続されている。第1部材11は、第2部材12および第3部材13に支持され、基台19から離間している。
第1部材11の上部には、分散液Dを貯留し、分散液Dを流動させる流路111が設けられている。流路111は、本発明における「貯留部」に該当する。流路111の上部は開放されている。
流路111は、第1部材11の上面に設けられた溝である。流路111のx軸方向、y軸方向、z軸方向の寸法をそれぞれ長さ、幅、深さとしたとき、流路111の長さ、幅および深さは、選別対象となる生体試料Cの大きさや生体試料Cの移動速度に応じて設計される。精子を選別する選別装置1において、流路111の長さは1cm〜30cm、幅は5μm〜300μm、深さは5μm〜10000μmである。
第1部材11には、互いに並行な複数の流路が形成されている。本実施形態の第1部材11には、3本の流路111a、111b、111cが形成されている。流路の数は、発明の効果を損なわない範囲において任意に設定することができる。
各流路111a、111b、111cには、流路111に接続し、流路111に流動する分散液Dから生体試料Cを排出する排出口115が設けられている。本実施形態の選別装置1では、各流路111a、111b、111cに沿って、それぞれ3つの排出口115が設けられている。
第2部材12は、略直方体状の部材である。第2部材12の上部には、分散液Dを貯留する第1凹部121が設けられている。第1凹部121は、本発明における「貯留部」に該当する。第1凹部121の上部は開放されている。
また、第2部材12の下方には、脚部122が設けられている。
第1凹部121は、第1部材11の流路111と接続されている。第1凹部121のy軸方向、z軸方向の寸法をそれぞれ幅、深さとしたとき第1凹部121の幅は、流路111の幅よりも広い。
また、第1凹部121は、流路111よりも深い。そのため、第1凹部121と流路111との接続箇所には、図中符号αで示す段差が形成されている。
第1凹部121は、分散液Dを一次的に貯留するために用いられる。後述する選別操作においては、分散液Dを第1凹部121に供給する。
第3部材13は、直方体状の部材である。第3部材13の上部には、分散液Dを貯留する第2凹部131が設けられている。第2凹部131は、本発明における「貯留部」に該当する。第2凹部131の上部は開放されている。
第2凹部131は、第1部材11の流路111と接続されている。第2凹部131のy軸方向、z軸方向の寸法をそれぞれ幅、深さとしたとき第2凹部131の幅は、流路111の幅よりも広い。
また、第2凹部131は、流路111よりも深い。そのため、第2凹部131と流路111との接続箇所には、図中符号βで示す段差が形成されている。
第2凹部131は、良品として選別された生体試料Cを一次的に貯留するために用いられる。
<検出部>
検出部20は、生体試料Cの形状および運動状態の少なくともいずれか一方を検出する。本実施形態の選別装置1は、検出部20として生体試料Cを撮像する撮像装置を用いる。撮像装置は、生体試料Cの静止画像を撮像してもよく、所定のフレームレートで複数の静止画像を連続的に撮像することで動画撮影を行ってもよい。
撮像装置は、不図示の拡大光学系とともに用いることが好ましい。拡大光学系が位相差顕微鏡である場合、撮像装置において位相差観察像を得ることができる。
また、撮像前に紫外線や可視光線などの励起光を生体試料Cに照射することで、撮像装置において生体試料Cの蛍光観察像を得ることができる。
検出部20として撮像装置を用いると、得られる画像を解析することで生体試料Cの形状を検出することができる。また、撮像装置にて所定のフレームレートで連続的に生体試料Cを撮像することで、得られる画像のフレーム間の差分を利用して、生体試料Cの運動状態を検出することができる。検出可能な運動状態としては、生体試料Cの移動速度、生体試料Cの直進率を挙げることができる。
選別装置1は、複数(図では9つ)の排出口115に一対一で対応して、複数の検出部20を有する。複数の検出部20について、図1では3つの撮像装置21,22,23のみ示し、残りは図示を省略している。
撮像装置21の撮像領域は、対応する排出口115aと、排出口115aの上流側の流路111の一部とを含む領域AR11である。
撮像装置22の撮像領域は、対応する排出口115bと、排出口115bの上流側の流路111の一部とを含む領域AR12である。
撮像装置23の撮像領域は、対応する排出口115cと、排出口115cの上流側の流路111の一部とを含む領域AR13である。
撮像装置21,22,23で撮像した画像データは、制御部90に送られる。
<排出部>
排出部30は、装置本体10から生体試料Cを排出する。詳しくは、流路111を流動する分散液Dから、後述する処理に従って不良と判断された生体試料Cを排出する。
(液滴形成装置)
排出部30は、排出口115の下方であって、装置本体10の下面に設けられている。本実施形態の選別装置1は、排出部30として液滴形成装置を有する。
排出口115の下端を開放すると、排出口115の下端に分散液Dのメニスカスが形成される。その際、分散液Dのメニスカスに対して下方に加わる力が、メニスカスの表面張力を上回ると、分散液Dは液滴として排出口115から排出される。「メニスカスに対して下方に加わる力」は、分散液Dに加わる重力、流路111の分散液Dの水圧が考えられる。
ここで、排出口115の開口径が小さい場合、排出口115の下端に形成される分散液Dのメニスカスの表面張力が、上記下方に加わる力よりも大きくなり、排出口115から液滴が落下しないことがある。
しかし、本実施形態の選別装置1のように、排出部30として液滴形成装置を用いると、微小な分散液Dの液滴を排出口115から定量的に排出することができる。
図4は、本実施形態の選別装置1が有する排出部30の概略断面図である。図4に示すように、排出部30は、膜状部材301と、振動手段302とを有する。
(膜状部材)
膜状部材301は、吐出口310を有する環状の部材である。膜状部材301は、第1部材11(装置本体10)の下面11aであって、排出口115と平面的に重なる位置に固定されている。排出口115と吐出口310とは連通している。
膜状部材301の平面形状、平面視したときの大きさ、材質、及び構造については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
膜状部材301の外縁の平面形状としては、例えば、円形、楕円形、長方形、正方形、菱形などが挙げられる。例えば、膜状部材301の外縁の形状が円形である場合、膜状部材301は円環状の部材となる。
膜状部材301は、吐出口310側の端部が第1部材11に支持されておらず、上下に振動可能である。膜状部材301は、吐出口310側の端部が振動することにより、吐出口310近傍の分散液Dに対して下方に力を加え、吐出口310から液滴Lとして吐出する。
膜状部材301の材質としては、柔らかすぎると膜状部材301が簡単に振動し、吐出しないときに直ちに振動を抑えることが困難であるため、ある程度の硬さを有する材質を用いることが好ましい。
膜状部材301の材質としては、例えば、金属、セラミックス、高分子材料などが挙げられる。膜状部材301の材質として、具体的には、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、二酸化ケイ素、アルミナ、ジルコニアなどが挙げられる。
吐出口310の開口形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。吐出口310の開口形状としては、例えば、円形、楕円形、四角形などが挙げられる。
吐出口310の平均開口径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。生体試料Cが吐出口310に詰まることを避けるため、吐出口310の開口形状は、生体試料Cの最大径の2倍以上とすることが好ましい。
生体試料Cが、例えば、動物細胞、特にヒトの細胞である場合、ヒトの細胞の大きさは、一般的に、5μm以上50μm以下であるため、吐出口310の平均開口径は、使用する細胞に合わせて、10μm以上が好ましい。
本実施形態においては、生体試料Cが精子であることとしている。精子の頭部の大きさは数μmである。そのため、吐出口310の平均開口径は、10μm以上が好ましい。
一方で、液滴が大きくなり過ぎると、微小液滴を形成するという液滴形成装置の目的の達成が困難となる。そのため、吐出口310の平均開口径は、200μm以下であることが好ましい。したがって、吐出口310の平均開口径は、10μm以上200μm以下がより好ましい。
(振動手段)
振動手段302は、膜状部材301を振動させて吐出口310から液滴Lを吐出させる。
振動手段302は、膜状部材301の下面側に形成されている。
振動手段302の形状、大きさ、材質、及び構造については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
振動手段302の形状や配置は、発明の効果を阻害しないならば特に制限はなく、膜状部材301の形状に合わせて適宜設計することができる。例えば、膜状部材301の平面形状が円環状である場合には、吐出口310の周囲に、同心状に振動手段302を設けることが好ましい。
振動手段302としては、圧電素子が好適に用いられる。圧電素子としては、例えば、圧電材料の上面及び下面に電圧を印加するための電極を設けた構造とすることができる。この場合、制御部90から圧電素子の上下電極間に電圧を印加することによって膜の面横方向に圧縮応力が加わり、膜状部材301を膜の面上下方向に振動させることができる。
圧電材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、ビスマス鉄酸化物、ニオブ酸金属物、チタン酸バリウム、又はこれらの材料に金属や異なる酸化物を加えたものなどが挙げられる。これらの中でも、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)が好ましい。
分散液Dに、後述する処理によって不良と判断される生体試料(不良試料EC)が含まれている場合、上述のような排出部30は、制御部90の制御によって駆動し、不良試料ECを液滴Lとともに吐出して排出する。
<流動部>
図1,2に示すように、選別装置1は、装置本体10が貯留する分散液Dを流動させる流動部40を有する。流動部40としては、例えば公知のマイクロポンプを用いることができる。
流動部40は、第1凹部121と第2凹部131とを接続する配管50の経路内に設けられている。流動部40を駆動させることにより、装置本体10が貯留する分散液Dを第2凹部131から第1凹部121へと流動させる。さらに、流動部40は、第1凹部121へ達した分散液Dの分散媒を、第1凹部121から第2凹部131へ流動させ、第1凹部121と第2凹部131との間で循環させる。
選別装置1で選別する生体試料Cである精子は、周囲の流体の流れに逆らって流れ上流方向に移動しようとする「向流性」を有する。そのため、流動部40を用いて上述のような分散液Dの流れを形成することにより、精子を第1凹部121から第2凹部131へと効果的に導くことができる。
<フィルタ>
選別装置1は、流動部40による分散液Dの流れ方向の下流端に、生体試料Cを捕集し、分散液Dに含まれる分散媒を通過させるフィルタ60を有する。選別装置1は、第1凹部121の端部にフィルタ61が設けられ、第2凹部131の端部にフィルタ62が設けられている。
これにより、上述のように流動部40を流動させた場合に、生体試料Cが分散液Dの流れに乗って装置本体10の外に排出されてしまうことを抑制できる。
フィルタ60は、フィルタ用の材料として公知の材料を用いて形成することができる。
<回収部>
図2に示すように、回収部70は、装置本体10における排出口115の下方に、後述する処理によって不良と判断され、流路111から排出された不良試料ECを回収する。回収部70は、上方が開口した容器であり、容器内に公知の緩衝液Sが貯留されている。
これにより、不良試料ECを除去するだけでなく、不良試料ECを回収し、種々の分析や試験に用いることができる。
<制御部>
制御部90は、予め記憶された判断基準と、検出部20における生体試料の検出結果とに基づいて、検出部20で検出された生体試料Cの良否を判断する。また、制御部90は、排出部30を駆動して、不良試料ECを装置本体10から排出する。
図5は、制御部90を示すブロック図である。図6は、制御部90において行う不良試料の検出処理について示すフローチャートである。図7は、制御部90において行う不良試料の排出処理について示すフローチャートである。
以下の説明では、図5〜7を順次参照しながら、制御部90における制御を説明する。
図5に示すように、制御部90は、データ受付部91と、第1検出部92と、記憶部93と、第1判定部94と、第2検出部95と、第2判定部96と、指示部97と、を有する。
データ受付部91は、検出部20で検出された検出結果を受け取る。本実施形態の選別装置1では、検出部20として撮像装置を用いていることから、データ受付部91は、検出部20において所定のフレームレートで連続的に撮像した複数の画像データを順次受け取る。
第1検出部92は、データ受付部91から検出結果を受け取り、検出結果に含まれる生体試料を検出する(図6のステップS11)。本実施形態の選別装置1では、第1検出部92は、例えばデータ受付部91で受け取った画像データと予め記憶されている背景画像のデータとの差分から、画像データに含まれる生体試料を検出する。
また、第1検出部92は、複数の画像データのフレーム間の差分を利用して、検出された生体試料が、新たに検出された生体試料であるか否かの判断を行う(図6のステップS12)。第1検出部92では、データ受付部91から受け取った検出結果に新たな生体試料が検出されるまで、ステップS11とステップS12とを繰り返す。
記憶部93は、生体試料についての良否判断の判断基準や、排出部30の駆動基準を記憶する。
記憶部93に記憶された判断基準としては、良品と判断される生体試料(精子)の頭部形状、鞭毛形状、移動速度、直進運動性などを例示することができる。
精子の形状判断においては、判断基準として、公知の統計的学習手法を利用して予め求められた、良品と判断される精子の形状の特徴量を用いることができる。
また、形状判断に用いる判断基準として、公知の機械学習アルゴリズム、特に深層学習アルゴリズムを利用して、良品と判断される精子についての複数の参照画像を情報処理装置に学習処理させ、得られた学習モデルを用いることができる。
精子の運動性を評価するため、精子を下記の定義に応じて前進運動精子、非前進運動精子、不動精子と分類することができる。
前進運動精子(PR):速度に関わりなく、非常に活発に、直線的にあるいは大きな円を描くように動いている精子。
非前進運動精子(NP):前進性を欠いた様々な運動性を有する精子。例えば小さな円を描くように動く、精子頭部の位置をほとんど動かすこともできない程度の尾部の運動性、鞭毛運動だけが観察される精子。
不動精子(IM):動きが見られない精子。
例えば、精子の運動性の判断基準としては、単位時間あたりの精子の移動距離を用いることができる。この判断基準により、上述の前進運動精子と、非前進運動精子または非前進運動精子とを区別することができる。
なお、選別対象である生体試料が自ら移動可能な場合、精子とは異なる生体試料を選別する際においても、上述の判断基準と同様の思想で得られた判断基準を用いることができる。
なお、図5では、記憶部93を制御部90の一構成として記載したが、これに限らない。記憶部93として、外部記憶メディアを用いてもよい。
第1判定部94は、第1検出部92で新たに検出された生体試料についての検出結果を受け取る(図6のステップS13)。また第1判定部94は、記憶部93に記憶された判断基準に基づいて解析し、良否判断を行う(図6のステップS14,15)。
第1判定部94においては、第1検出部92から受け取った検出結果と、記憶部93に記憶された生体試料の形状についての判断基準から良否判断を行い、判断基準に合致した不良試料ECを特定する。
また、第1判定部94においては、第1検出部92から受け取った複数の画像データのフレーム間の差分を利用して、生体試料の運動状態を検出する。第1判定部94は、検出された生体試料の運動状態と、記憶部93に記憶された生体試料の運動性についての判断基準から良否判断を行い、判断基準に合致した不良試料ECを特定する(図6のステップS16)。
また、第1判定部94は、上記基準に基づいて不良試料ECを特定する情報を得る。例えば、検出結果が画像データである場合には、画像データであれば画像データが得られた時間と、不良試料ECの画像データ上の座標とを特定する(図6のステップS16)。
第2検出部95は、データ受付部91から検出結果を受け取る。また、第2検出部95は、第1判定部94から不良試料ECを特定する情報を受け取る。第2検出部95は、これらの検出結果および情報から、データ受付部91から受け取った検出結果に不良試料ECが含まれる場合、排出口115に向けて移動する不良試料ECの位置を検出する(図7のステップS21,22)。
第2判定部96は、データ受付部91から検出結果に基づいて、不良試料ECが排出口115の近傍に到達したことを検出すると、指示部97に検出結果を供給する(図7のステップS23)。「排出口115の近傍」は、予め排出口115の近傍を示す領域ARとして設定し、領域ARに不良試料ECが侵入したことにより、不良試料ECが排出口115の近傍に到達したことを検出するとよい。
指示部97は、第2判定部96から受け取った検出結果に基づいて、排出部30に駆動信号を供給し、排出部30を予め定めた条件で駆動させる(図7のステップS24)。
また、指示部97は、予め定めた条件で排出部30を停止させる。例えば、指示部97は、排出部30から液滴Lを所定回数吐出した後に排出部30を停止させてもよい。また、指示部97は、排出部30を一定時間駆動させた後に排出部30を停止させてもよい。さらに、指示部97は、データ受付部91から受け取った検出結果に、排出部30を駆動させるきっかけとなった不良試料ECが含まれなくなったと判断された後に、排出部30を停止させてもよい。
さらに、第2判定部96は、予め記憶された選別処理の終了条件に基づいて、選別処理を終了させるか否かの判断を行ってもよい(図7のステップS25)。例えば、一定時間経過したことを終了条件としてもよい。また、検出部20で検出された検出結果に、一定時間生体試料が含まれないことを終了条件としてもよい。
第2判定部96は、終了条件を満たすと判断した場合に、選別処理の終了指示を行う。終了指示により、制御部90は、不良試料の検出処理と、不良試料の排出処理とを終了する(図6のステップS17、図7のステップS26)。
次に、選別装置1を用いた選別処理について、図1,2,8,9、を用いて具体的に説明する。
図8,9は、検出部20で撮像する流路111の画像を示す模式図である。図8,9においては、流路111の長手方向において排出口115が配置されている側が第2凹部131側、反対側が第1凹部121側とする。
まず、流路111、第1凹部121および第2凹部131に分散媒を満たす。次いで、選別対象となる精子を含む溶液を、第1凹部121に供給する。次いで、流動部40を駆動させ、第2凹部131から第1凹部121に向けた分散液Dの流れを形成する。これにより、精子は、3つの流路111のいずれかに侵入し、分散媒の流れの上流側である第2凹部131に向けて移動を開始する。
また、検出部20による流路111の撮像も開始する。
移動する精子が撮像装置21の撮像領域(領域AR11)に侵入すると、撮像装置21で撮像される画像に精子が映り込む。制御部90は、撮像装置21で検出した検出結果(画像データ)に基づいて、精子の良否判断を行う。
図8に示すように、検出部20で撮像される画像に映りこんだ精子が不良試料ECであった場合、制御部90は、ステップS11,12の処理により精子を検出する。また、制御部90は、ステップS13〜16の処理により、映り込んだ精子が不良試料ECであると判断し特定する。
不良試料ECと認定された精子は、時間経過とともに排出口115に向けて移動する。
図9に示すように、制御部90は、ステップS21,22の処理により検出された不良試料ECが、ステップS23の処理により排出口115の近傍を示す領域としてあらかじめ設定された領域ARに侵入したと判断した場合に、ステップS24の処理により排出部31を駆動させる。
不良試料ECと認定された精子は、排出部31の駆動により流路111から効率的に排出され、回収部70に貯留された緩衝液Sに落下する。
複数の精子について、検出部20による検出と、制御部90による選別判断と、排出部30による排出を行うことにより、流路111の下流に位置する第2凹部131に達する精子からは、不良と判断される精子の量が減少する。第2凹部131に達した精子は、制御部90で行った選別処理の基準に照らすと、良品と判断できるものである。
ここで、第2凹部131に達した精子は、流路111を第1凹部121から第2凹部131に向けて移動しただけであり、物理的または化学的な処理を加えていない。そのため、第2凹部131に達した精子は、物理的または化学的な損傷が加わらないものとなり好ましい。
制御部90は、選別対象である精子が一定期間検出されないことを終了条件として、選別処理を終了することとしてもよい(ステップS17,S25,S26)。
選別装置1においては、複数の排出口115に一対一で対応して、複数の検出部20を有する。制御部90は、各検出部20の検出結果の全てに対して同じ判断基準(例えば、精子の形状)に基づいた選別処理を行ってもよい。この場合、同じ判断基準に基づいた選別処理を複数の排出口115近傍で同時に行うことができるため、単位時間当たりの選別量を向上させることができる。
また、制御部90は、流路111に沿って配置された3つの検出部20の検出結果に対し、異なる判断基準に基づいた選別処理を行ってもよい。この場合、例えば、3つの検出部20で検出された検出結果を用い、それぞれ形状、移動速度、直進運動性に対応した処理を行うことで、形状、移動速度および直進運動性の観点から良品と判断できる精子を選別することができる。
以上のようにして、選別装置1は、複数の精子の集合から、不良と判断される精子を排出することで、物理的または化学的な損傷を与えることなく良品の精子を選別することができる。
以上のような構成の選別装置1によれば、生体試料の集合から、不要な細胞を効率的に除去することができる。
なお、本実施形態においては、流路が第1凹部から第2凹部に向けて上り傾斜となる傾斜部を有することとしてもよい。
図10は、傾斜部119を有する流路118を説明する概略断面図である。図に示すように、流路118の一部に傾斜部119を有する。傾斜部119は、第2凹部131側が高く、第2凹部131と反対側(不図示の第1凹部121側)が低くなっている。また、傾斜部119の上方は閉じられており、傾斜部119に沿った管路となっている。
また、流路118においては、傾斜部119の下端側に排出口115および排出部30が設けられている。
このような流路118を有する選別装置を用いて精子を選別する場合、運動性が低い精子は、傾斜部119を上ることができず、傾斜部119の下端側に滞留することが予想される。また、運動性が高い精子(生体試料C)は、傾斜部119を上がって第2凹部131に達することが予想される。
すなわち、傾斜部119を有する選別装置では、傾斜部119を用いて、精子の運動性の良否判断を行うことができる。制御部90は、傾斜部119を登りきることができない精子を不良試料ECと認定する。
傾斜部119の下端側に滞留する不良試料ECは、同じく傾斜部119の下端側に設けられた排出口115を介し、排出部30を用いて排出される。
図10においては、傾斜部119の下流側にはすぐに第2凹部131が配置されていることとしたが、これに限らない。傾斜部119の下流側にさらに流路111を継続させ、延在する流路111に排出口115を設ける構成としてもよい。
また、例えば第1凹部121と流路111との接続位置に傾斜部119を設け、運動性の劣る精子は流路111に侵入しにくい構成としてもよい。
また、本実施形態においては、流路が第2凹部から第1凹部に向けて上り傾斜となる傾斜部を有することとしてもよい。
本実施形態においては、検出部20が撮像装置であることとしたが、これに限らない。例えば、検出部20として光電センサを用い、流路111を移動する精子の動きを検出することとしてもよい。
図11〜13は、光電センサを検出部として備える流路の模式図である。図に示す光電センサ25は、検出光DLを射出する射出部251と、検出光DLを受光する受光部252とを有する。各光電センサ25の射出部251は流路111の幅方向の一報側、受光部252は流路111の幅方向の他方側に配置する。
例えば、図11〜13に示すように、流路111に沿って3つの光電センサ25A,25B,25Cが配列し、光電センサ25Cの下流側に排出口115を有する構成を考える。
図11,12に示すように、光電センサ25A,25B間の距離と、光電センサ25Aの検出光DLを生体試料C(精子)が横切った時間から光電センサ25Bの検出光DLを生体試料Cが横切った時間までの経過時間とを用いて、生体試料Cの移動速度を算出することができる(ステップS13,S14)。求めた精子の移動速度が、移動速度についての良否判断の判断基準を下回る場合、不良試料ECと判断することができる(ステップS15,16)。
図13に示すように、不良試料EC(精子)が光電センサ25Cの検出光DLを横切った場合に、制御部90は不良試料ECが排出口115の近傍に達したと判断し、排出部30を駆動させて排出することができる(ステップS22〜S24)。
また、本実施形態の選別装置1においては、流動部40を用い、第2凹部131から第1凹部121に向けた分散液Dの流れを形成することとしたが、流動部40を用いなくても、本発明の効果を奏することができる。
また、選別装置1において流動部40を用いない場合、第2凹部131に精子を誘引する化学物質を配置することで、精子の向流性を利用することなく、精子を第2凹部131に効率的に導くことができる。
[第2実施形態]
図14,15は、本発明の第2実施形態に係る選別装置2の説明図である。本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
<選別装置>
図14は、選別装置2の概略斜視図である。図15は、図14の線分XV−XVにおける選別装置2の矢視断面図である。
図14,15に示すように、選別装置2は、装置本体15と、撮像部80と、排出部30と、流動部40と、配管50と、回収部70と、制御部90とを有する。
本実施形態においては、選別装置2で選別する生体試料Cが自ら移動不可能であることとして説明する。具体的には、生体試料Cが魚卵であることとして説明する。
装置本体15は、貯留部151を有する容器16と、4つの脚部17とを有する。容器16は、平面視矩形を呈する。容器16における貯留部151の上方は開放されている。脚部17は、容器16の裏面の四隅に設けられている。
貯留部151には、複数の生体試料を含む分散液Dが貯留されている。また、貯留部151の底部には、4つの排出口115が設けられている。4つの排出口115は、貯留部151の底部の平面視中央部に設定された仮想矩形の頂点位置に設けられている。
選別装置2は、4つの排出口115に一対一で対応して、4つの撮像部80を有する。図14では、4つの検出部をそれぞれ撮像部81,82,83,84として示してる。
撮像部81の撮像領域は、対応する排出口115と、排出口115の近傍の領域とを含む領域AR21である。
撮像部82の撮像領域は、対応する排出口115と、排出口115の近傍の領域とを含む領域AR22である。
撮像部83の撮像領域は、対応する排出口115と、排出口115の近傍の領域とを含む領域AR23である。
撮像部84の撮像領域は、対応する排出口115と、排出口115の近傍の領域とを含む領域AR24である。
排出部30は、排出口115の下方であって、装置本体15の外側の面に設けられている。選別装置1は、排出部30として液滴形成装置を有する。
流動部40は、容器16の2か所に接続する配管50の経路内に設けられている。流動部40を駆動させることにより、装置本体15が貯留する分散液Dを流動させる。
流動部40は、貯留部151に貯留された分散液Dを流動させることができれば、種々の構成を採用することができる。例えば、流動部40として、公知の撹拌ポンプや撹拌翼を用いることとしてもよい。これらの装置を流動部40として用いる場合、流動部40に生体試料Cが触れ、生体試料Cが損傷しないように保護するとよい。
このような選別装置2においては、流動部40を駆動させることで、貯留部151に貯留された分散液Dが流動する。これにより、自らは移動不可能な魚卵が分散液Dの流れに乗って貯留部151の内部を移動する。
分散液Dの流れに乗って移動する魚卵が撮像部80の撮像領域に入ると、撮像部80が撮像する画像には魚卵が映り込む。
制御部90は、上述したステップS11〜S17、S21〜S26に示す処理を行い、魚卵についての良否判断と、不良と判断された魚卵を貯留部151から排出する処理とを行う。
選別装置2においては、良否判断を行う判断基準として、魚卵の形状や色に基づく判断基準を用意しておくとよい。制御部90は、当該判断基準に応じて、魚卵についての良否判断を行う。
以上のような構成の選別装置2によっても、生体試料の集合から、不要な細胞を効率的に除去することができる。
本実施形態においては、選別装置2により選別される生体試料Cが、自ら移動不可能な細胞であることとして説明したが、これに限らない。生体試料Cは自ら移動可能な細胞であってもよい。この場合、選別装置2には流動部40を備えなくても構わない。
さらに、上記第1実施形態および第2実施形態では、排出部30として液滴形成装置を用いることとしたが、これに限らない。
図16は、排出部として開閉扉を採用する選別装置3の一部構成を説明する模式図であり、図4に対応する図である。
図16に示すように、選別装置3は、装置本体18と、排出部31と、不図示の検出部と、制御部90とを有する。
装置本体18は、分散液Dを貯留する貯留部181を有する。貯留部181には、分散液Dから生体試料Cを排出する排出口115が設けられている。
排出部31は、排出口115の下方であって、装置本体18の外側の面に設けられている。選別装置3は、排出部31として開閉扉(シャッター)を有する。排出部31は、制御部90の指示に応じて開閉動作を行う。
このような選別装置3では、シャッターを開くことにより、上述した選別処理によって不良試料ECと判断された生体試料を液滴Lとともに排出する。
排出口115の開口径が十分に広い場合、排出口115の下端に形成される分散液Dのメニスカスの表面張力は、排出口115の分散液Dに対して下方に加わる力よりも小さくなる。この場合、排出口115の下端を開放することにより、自然に液滴Lが形成され分散液Dが排出される。
また、図17は、排出部として、減圧装置を採用する選別装置4の一部構成を説明する模式図であり、図4に対応する図である。
図17に示すように、選別装置4は、装置本体18と、排出部31,32と、不図示の検出部と、制御部90とを有する。
排出部32は、排出口115の下方であって、装置本体18の外側の面に設けられている。排出部32は、排出口115の下方に配置されるチャンバー321、チャンバー321内を減圧する減圧ポンプ322、チャンバー321と減圧ポンプ322とを接続する配管323を有する。
このような選別装置4では、排出部31,32を駆動することにより、上述した選別処理によって不良試料ECと判断された生体試料を排出する。詳しくは、シャッター(排出部31)を開くとともに、減圧ポンプ322を駆動し、チャンバー321内を減圧することで、液滴Lを排出する。その際、液滴Lに不良試料ECが含まれることにより、不良試料ECを排出することができる。
このような選別装置4では、分散液Dの粘度が高く、シャッターを開くだけでは液滴Lが形成されないような場合であっても、液滴Lを形成し分散液Dを排出することができる。
また、図18は、排出部として、吸引ポンプを採用する選別装置5の一部構成を説明する模式図であり、図4に対応する図である。
図18に示すように、選別装置5は、装置本体18と、排出部33と、不図示の検出部と、制御部90とを有する。
排出部33は、排出口115の下方であって、装置本体18の外側の面に設けられている。排出部33は、排出口115に連通する配管331と、配管331に接続される吸引ポンプ332とを有する。
このような選別装置5では、排出部33を駆動することにより、上述した選別処理によって不良試料ECと判断された生体試料を排出する。詳しくは、吸引ポンプ332を駆動することで、液滴Lを排出する。その際、液滴Lに不良試料ECが含まれることにより、不良試料ECを排出することができる。
このような選別装置5では、分散液Dの粘度が高い場合であっても、液滴Lを形成し分散液Dを排出することができる。
上述した第1実施形態では、選別する生体試料Cが精子であることとし、第2実施形態では、選別する生体試料Cが魚卵であることとして説明したが、本発明の選別装置が選別可能な生体試料は、これらに限らない。
本発明の選別装置が選別可能な生体試料としては、上述した例の他にも、培養用の細胞、仔魚、稚魚を挙げることができる。選別対象となる生体試料の種類に応じて、選別装置の大きさ、形成材料を適宜変更するとよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]生体試料を複数含む分散液を貯留する装置本体と、前記生体試料の形状および運動状態の少なくともいずれか一方を検出する検出部と、前記装置本体から前記生体試料を排出する排出部と、予め記憶された判断基準と、前記検出部における前記生体試料の検出結果とに基づいて、前記排出部を駆動する制御部と、を有し、前記装置本体は、前記分散液を貯留する貯留部と、前記貯留部に接続し、前記貯留部から前記生体試料を排出する排出口と、を有し、前記排出部は、前記排出口に設けられ、前記制御部は、前記判断基準と前記検出結果とに基づいて前記検出部で検出された前記生体試料の良否を判断するとともに、不良と判断された前記生体試料を前記装置本体から排出させる選別装置である。
[2]前記検出部は、前記生体試料を撮像する撮像装置である[1]に記載の選別装置である。
[3]生体試料を複数含む分散液を貯留する装置本体と、前記装置本体の前記分散液を流動させる流動部と、前記生体試料を撮像する撮像装置と、前記装置本体から前記生体試料を排出する排出部と、予め記憶された判断基準と、前記撮像装置における前記生体試料の画像とに基づいて、前記排出部を駆動する制御部と、を有し、前記装置本体は、前記分散液を貯留する貯留部と、前記貯留部に接続し、前記貯留部から前記生体試料を排出する排出口と、を有し、前記排出部は、前記排出口に設けられ、前記制御部は、前記判断基準と前記画像とに基づいて前記生体試料の形状の良否を判断するとともに、不良と判断された前記生体試料を前記装置本体から排出させる選別装置である。
[4]前記貯留部は、前記分散液を流動させる流路と、前記流路の一端側に設けられた第1凹部と、前記流路の他端側に設けられた第2凹部と、を有し、前記流路に前記排出部が設けられている[1]から[3]のいずれか1項に記載の選別装置である。
[5]前記第1凹部と前記第2凹部とのいずれか一方から他方へ前記分散液を流動させる流動部を有する[4]に記載の選別装置である。
[6]前記第1凹部と前記第2凹部とを接続する配管をさらに有し、前記流動部は、前記第1凹部と前記第2凹部とのいずれか一方から他方へ達した前記分散液の分散媒を、前記配管を介して前記一方へ流動させ、前記第1凹部と前記第2凹部との間で循環させる[5]に記載の選別装置である。
[7]前記流動部による前記分散液の流れ方向下流端に、前記生体試料を捕集し、前記分散液に含まれる分散媒を通過させるフィルタを有する[5]または[6]に記載の選別装置である。
[8]前記流路は、前記第1凹部から前記第2凹部に向けて上り傾斜となる傾斜部を有する[4]から[7]のいずれか1項に記載の選別装置である。
[9]前記流路は、前記傾斜部の下端側に前記排出部が設けられている[8]に記載の選別装置である。
[10]前記流路に沿って前記排出部を複数有する[4]から[9]のいずれか1項に記載の選別装置である。
[11]前記貯留部は、複数の前記流路を有する[4]から[10]のいずれか1項に記載の選別装置である。
[12]前記排出口は、前記貯留部の底部に設けられ、前記排出部は、吐出口を有し、振動により前記吐出口から前記分散液を吐出する膜状部材と、前記膜状部材を振動させる振動手段と、を有する[1]から[11]のいずれか1項に記載の選別装置である。
[13]前記排出部は、前記装置本体における前記排出口の外側を減圧する減圧手段と、を有する[1]から[11]のいずれか1項に記載の選別装置である。
[14]前記排出口は、前記貯留部の底部に設けられ、前記排出部は、前記排出口に設けられた開閉扉を有する[1]から[11]のいずれか1項に記載の選別装置である。
[15]前記装置本体における前記排出口の下方に、不良と判断され前記貯留部から排出された前記生体試料を回収する回収部を有する[1]から[14]のいずれか1項に記載の選別装置である。
[1]から[15]のいずれか1項に記載の選別装置によれば、従来の課題を解決し、本発明の目的を達することができる。
1,2,3,4,5…選別装置、10,15,18…装置本体、20…検出部、21,22,23…撮像装置、30,31,32,33…排出部、40…流動部、50,323,331…配管、60,61,62…フィルタ、70…回収部、90…制御部、111,111a,118…流路、115,115a,115b,115c…排出口、119…傾斜部、121…第1凹部、131…第2凹部、151,181…貯留部、301…膜状部材、302…振動手段、310…吐出口、C…生体試料、D…分散液
特開2018−138027号公報

Claims (15)

  1. 生体試料を複数含む分散液を貯留する装置本体と、
    前記生体試料の形状および運動状態の少なくともいずれか一方を検出する検出部と、
    前記装置本体から前記生体試料を排出する排出部と、
    予め記憶された判断基準と、前記検出部における前記生体試料の検出結果とに基づいて、前記排出部を駆動する制御部と、を有し、
    前記装置本体は、前記分散液を貯留する貯留部と、
    前記貯留部に接続し、前記貯留部から前記生体試料を排出する排出口と、を有し、
    前記排出部は、前記排出口に設けられ、
    前記制御部は、前記判断基準と前記検出結果とに基づいて前記検出部で検出された前記生体試料の良否を判断するとともに、不良と判断された前記生体試料を前記装置本体から排出させる選別装置。
  2. 前記検出部は、前記生体試料を撮像する撮像装置である請求項1に記載の選別装置。
  3. 生体試料を複数含む分散液を貯留する装置本体と、
    前記装置本体の前記分散液を流動させる流動部と、
    前記生体試料を撮像する撮像装置と、
    前記装置本体から前記生体試料を排出する排出部と、
    予め記憶された判断基準と、前記撮像装置における前記生体試料の画像とに基づいて、前記排出部を駆動する制御部と、を有し、
    前記装置本体は、前記分散液を貯留する貯留部と、
    前記貯留部に接続し、前記貯留部から前記生体試料を排出する排出口と、を有し、
    前記排出部は、前記排出口に設けられ、
    前記制御部は、前記判断基準と前記画像とに基づいて前記生体試料の形状の良否を判断するとともに、不良と判断された前記生体試料を前記装置本体から排出させる選別装置。
  4. 前記貯留部は、前記分散液を流動させる流路と、
    前記流路の一端側に設けられた第1凹部と、
    前記流路の他端側に設けられた第2凹部と、を有し、
    前記流路に前記排出部が設けられている請求項1から3のいずれか1項に記載の選別装置。
  5. 前記第1凹部と前記第2凹部とのいずれか一方から他方へ前記分散液を流動させる流動部を有する請求項4に記載の選別装置。
  6. 前記第1凹部と前記第2凹部とを接続する配管をさらに有し、
    前記流動部は、前記第1凹部と前記第2凹部とのいずれか一方から他方へ達した前記分散液の分散媒を、前記配管を介して前記一方へ流動させ、前記第1凹部と前記第2凹部との間で循環させる請求項5に記載の選別装置。
  7. 前記流動部による前記分散液の流れ方向下流端に、前記生体試料を捕集し、前記分散液に含まれる分散媒を通過させるフィルタを有する請求項5または6に記載の選別装置。
  8. 前記流路は、前記第1凹部から前記第2凹部に向けて上り傾斜となる傾斜部を有する請求項4から7のいずれか1項に記載の選別装置。
  9. 前記流路は、前記傾斜部の下端側に前記排出部が設けられている請求項8に記載の選別装置。
  10. 前記流路に沿って前記排出部を複数有する請求項4から9のいずれか1項に記載の選別装置。
  11. 前記貯留部は、複数の前記流路を有する請求項4から10のいずれか1項に記載の選別装置。
  12. 前記排出口は、前記貯留部の底部に設けられ、
    前記排出部は、吐出口を有し、振動により前記吐出口から前記分散液を吐出する膜状部材と、
    前記膜状部材を振動させる振動手段と、を有する請求項1から11のいずれか1項に記載の選別装置。
  13. 前記排出部は、前記装置本体における前記排出口の外側を減圧する減圧手段と、を有する請求項1から11のいずれか1項に記載の選別装置。
  14. 前記排出口は、前記貯留部の底部に設けられ、
    前記排出部は、前記排出口に設けられた開閉扉を有する請求項1から11のいずれか1項に記載の選別装置。
  15. 前記装置本体における前記排出口の下方に、不良と判断され前記貯留部から排出された前記生体試料を回収する回収部を有する請求項1から14のいずれか1項に記載の選別装置。
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