JP2020146010A - 焼き菓子用生地、及び焼き菓子 - Google Patents

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有美 木津
Yumi Kizu
有美 木津
以祝 本間
Inori Homma
以祝 本間
博幸 川村
Hiroyuki Kawamura
博幸 川村
伊藤 彰
Akira Ito
彰 伊藤
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Abstract

【課題】長時間にわたってしっとり感が保持された焼き菓子の提供。【解決手段】白餡、大豆タンパク、及び小麦粉からなる群から選択される1以上の主原料と、増粘多糖類と、グリセリンと、を含む、焼き菓子用生地。前記主原料の総量は、前記焼き菓子用生地に対して5質量%以上30質量%以下であり、前記増粘多糖類の含量は、前記焼き菓子用生地に対して0.1質量%以上1.5質量%以下であり、前記グリセリンの含量は、前記焼き菓子用生地に対して2質量%以上10質量%以下であってもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、焼き菓子用生地、及び焼き菓子に関する。
焼き菓子(クッキーやビスケット等)は、小麦粉等を主原料とし、油脂、砂糖、卵、牛乳、香料等を加えて混練、焼成して製造される。近年では、焼き菓子に対して多様な食感が求められ、しっとりした食感の焼き菓子が好まれるようになっている。
例えば、特許文献1では、玄米を含む生地に大豆タンパクを配合することで、焼き菓子のしっとり感を保持することが提案されている。
特開2016−123332号公報
しかし、しっとり感を長時間にわたって保持できる焼き菓子に対するさらなるニーズがある。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、長時間にわたってしっとり感が保持された焼き菓子を提供することを目的とする。
本発明者らは、焼き菓子に用いられる所定の主原料とともに、所定量の成分が配合された生地から得られる焼き菓子によれば上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) 白餡、大豆タンパク、及び小麦粉からなる群から選択される1以上の主原料と、
増粘多糖類と、
グリセリンと、
を含む、焼き菓子用生地。
(2) 前記主原料の総量は、前記焼き菓子用生地に対して5質量%以上30質量%以下であり、
前記増粘多糖類の含量は、前記焼き菓子用生地に対して0.1質量%以上1.5質量%以下であり、
前記グリセリンの含量は、前記焼き菓子用生地に対して2質量%以上10質量%以下である、
(1)に記載の焼き菓子用生地。
(3) さらに、加工澱粉、還元水飴及びトレハロースからなる群から選択される1以上を含む、(1)又は(2)に記載の焼き菓子用生地。
(4) 前記加工澱粉の含量は、前記焼き菓子用生地に対して2質量%以上15質量%以下であり、
前記還元水飴の含量は、前記焼き菓子用生地に対して10質量%以上30質量%以下であり、
前記トレハロースの含量は、前記焼き菓子用生地に対して0.5質量%以上10質量%以下である、
(3)に記載の焼き菓子用生地。
(5) 前記主原料の総量は、前記焼き菓子用生地に対して5質量%以上30質量%以下であり、
前記増粘多糖類の含量は、前記焼き菓子用生地に対して0.1質量%以上1.5質量%以下であり、
前記グリセリンの含量は、前記焼き菓子用生地に対して2質量%以上10質量%以下である、
前記加工澱粉の含量は、前記焼き菓子用生地に対して2質量%以上15質量%以下であり、
前記還元水飴の含量は、前記焼き菓子用生地に対して10質量%以上30質量%以下であり、
前記トレハロースの含量は、前記焼き菓子用生地に対して0.5質量%以上10質量%以下であり、
砂糖及び水飴の総量が、前記焼き菓子用生地に対して10質量%以下である、
(4)に記載の焼き菓子用生地。
(6) (1)から(5)のいずれかに記載の焼き菓子用生地が焼成された、焼き菓子。
(7) 「公定試験法 食品衛生検査指針理化学編(厚生労働省監修)菓子類−焼き菓子類」に基づき、以下の条件で特定された水分含量が8%以上20%以下である、(6)に記載の焼き菓子。
試料採取量;3g
乾燥温度;100℃
乾燥時間;5時間
本発明によれば、長時間にわたってしっとり感が保持された焼き菓子が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに特に限定されるものではない。
<焼き菓子用生地>
本発明の焼き菓子用生地(以下、「本発明の生地」ともいう。)は、白餡、大豆タンパク、及び小麦粉からなる群から選択される1以上の主原料と、増粘多糖類と、グリセリンと、を含む。以下、各成分について説明する。
(主原料)
本発明の生地の主原料は、白餡、大豆タンパク、及び小麦粉からなる群から選択される1以上を含む。これらの材料は、生地へ1種単独で配合してもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。生地から得られる焼き菓子の食感が良好となりやすいという観点から、主原料は1種を配合することが好ましい。
本発明において、「主原料」とは、生地から得られる焼き菓子の食感に特に寄与する材料をいう。白餡、大豆タンパク、及び小麦粉のそれぞれが、生地から得られる焼き菓子に特有の食感を付与する。本発明においては、主原料が白餡を含む場合に、本発明の効果を特に奏しやすい。
本発明の生地において、主原料の含量の下限は、生地から得られる焼き菓子に主原料特有の食感を付与できる量であればよく、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。本発明の生地において、主原料の含量の上限は、他の材料を十分に配合する観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
本発明の生地には、上記主原料に加え、任意の穀粉(玄米粉等)を配合してもよい。
[白餡]
本発明において「白餡」とは、白いんげん豆又は白アズキを茹でて潰した後に、漉したものである。例えば、白餡は以下の方法で製造される。
(1)豆を水洗いし適宜水を加え、煮てアクを除く。
(2)煮た豆を潰し、水を加えて静置し、餡を沈殿させる。
(3)餡を木綿袋等に入れて圧搾し、生餡(白餡)を得る。
(4)生餡は適宜乾燥させて乾燥餡(粉末等)に調製してもよい。
本発明における白餡は生餡であってもよく、乾燥餡(さらしあん)であってもよい。本発明における白餡には、原料豆由来の成分を実質的に含まない(ただし、白餡の製造時に使用され得る微量の成分等が含まれる態様は排除されない。)。
[大豆タンパク]
大豆タンパクとしては、大豆由来の任意のタンパク質成分を使用できる。生地から得られた焼き菓子の食感が良好になりやすいという観点から、大豆タンパクとしては、タンパク質含量70%以上の分離大豆タンパクが好ましい。
[小麦粉]
小麦粉としては、小麦から得られた任意の穀粉を用いることができる。小麦粉としては、強力粉、中力粉、及び薄力粉のいずれも使用でき、これらを組み合わせて使用してもよい。
(増粘多糖類)
増粘多糖類は、グリセリンとの組み合わせにおいて、生地から得られる焼き菓子に良好なしっとり感を長時間にわたって付与する成分である。
増粘多糖類は、通常食品に配合されるものであれば任意のものを使用できる。例えば、キサンタンガム、グルコマンナン、ウェランガム、サイリウムシードガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、カラギニン等が挙げられる。これらのうち、他の材料との組み合わせにおいて、生地から得られる焼き菓子に特に良好なしっとり感を付与しやすいだけではなく、焼き菓子の保型性が良好になりやすいという観点から、キサンタンガム、グルコマンナン、ウェランガムが好ましい。増粘多糖類は、生地へ1種単独で配合してもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
本発明の生地において、増粘多糖類の含量の下限は、生地から得られる焼き菓子に良好なしっとり感を長時間にわたって付与しやすいという観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上である。本発明の生地において、増粘多糖類の含量の上限は、他の材料を十分に配合する観点から、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下である。
(グリセリン)
グリセリン(化学式:C)は、増粘多糖類との組み合わせにおいて、生地から得られる焼き菓子に良好なしっとり感を長時間にわたって付与する成分である。
本発明の生地において、グリセリンの含量の下限は、生地から得られる焼き菓子に良好なしっとり感を長時間にわたって付与しやすいという観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは4質量%以上である。本発明の生地において、グリセリンの含量の上限は、他の材料を十分に配合する観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。
(その他の成分)
本発明の生地には、上記以外の成分が含まれていてもよい。これらの成分の種類や量は、通常焼き菓子用生地に配合されるものを採用できる。本発明の生地は焼き菓子の製造に用いられるため、通常、油脂、水等が含まれ得る。生地に配合し得る油脂としては製菓用固形油脂(バター、マーガリン等)が挙げられる。
本発明の生地において、油脂の含量の下限は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。本発明の生地において、油脂の含量の上限は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
本発明の生地において、水の含量の下限は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。本発明の生地において、水の含量の上限は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
生地から得られる焼き菓子に良好なしっとり感を長時間にわたって付与しやすいという観点から、加工澱粉、還元水飴及びトレハロースからなる群から選択される1以上を配合してもよい。
[加工澱粉]
加工澱粉としては、任意の処理(物理的処理、化学的処理、酵素的処理等)がされた澱粉使用できる。加工澱粉は生地へ1種単独で配合してもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
澱粉は任意の由来のものを使用でき、例えば、穀物(米、コーン(ワキシーコーン、デントコーン等)、小麦粉、米粉、大麦粉、ライ麦粉等)澱粉、根菜(馬鈴薯等)澱粉、キャッサバ澱粉(タピオカ)等が挙げられる。生地から得られる焼き菓子にしっとり感を付与しやすいという観点から、馬鈴薯、ワキシーコーン、タピオカが好ましい。
加工澱粉の種類は特に限定されないが、老化防止効果がある方法が好ましい。例えば、ヒドロキシプロピルリン酸架橋澱粉(ヒドロキシプロピルリン酸架橋α化澱粉等)、ヒドロキシプロピル化澱粉、リン酸架橋澱粉、酢酸澱粉等が挙げられる。これらのうち、老化防止効果や、糊化に対する安定性があることから、ヒドロキシプロピルリン酸架橋澱粉(特にヒドロキシプロピルリン酸架橋α化澱粉)が好ましい。
本発明の生地において、加工澱粉の含量の下限は、生地から得られる焼き菓子に良好なしっとり感を長時間にわたって付与しやすいという観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは4質量%以上である。本発明の生地において、加工澱粉の含量の上限は、他の材料を十分に配合する観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
[還元水飴]
本発明において「還元水飴」とは、澱粉の加水分解から得られる水飴に水素添加した糖アルコールである。水飴の糖化度に応じて、甘味度の異なる還元水飴が得られる。
本発明の生地において、還元水飴の含量の下限は、生地から得られる焼き菓子に良好なしっとり感を長時間にわたって付与しやすいという観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。本発明の生地において、加工澱粉の含量の上限は、他の材料を十分に配合する観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。
[トレハロース]
本発明の生地において、トレハロースの含量の下限は、生地から得られる焼き菓子に良好なしっとり感を長時間にわたって付与しやすいという観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上である。本発明の生地において、トレハロースの含量の上限は、他の材料を十分に配合する観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
[その他]
生地には、生地に配合し得る任意の成分を配合でき、例えば、糖質(砂糖、糖アルコール、多糖類(デキストリン、難消化性デキストリン等))、卵(全卵等)、乳化剤、抗酸化剤(大豆レシチン、ビタミンC等)、色素(カロテノイド、カラメル等)等が挙げられる。配合される成分の種類や含量は、得ようとする効果等に応じて適宜調整できる。
本発明の焼き菓子は、後述のとおり、甘味度が低い菓子として調製され得る。かかる場合、本発明の生地は、以下を含み、かつ、砂糖及び水飴の総量が、焼き菓子用生地に対して好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは砂糖及び水飴が含まれないことが好ましい。
主原料の総量:焼き菓子用生地に対して5質量%以上30質量%以下
増粘多糖類の含量:焼き菓子用生地に対して0.1質量%以上1.5質量%以下
グリセリンの含量:焼き菓子用生地に対して2質量%以上10質量%以下
加工澱粉の含量:焼き菓子用生地に対して2質量%以上15質量%以下
還元水飴の含量:焼き菓子用生地に対して10質量%以上30質量%以下
トレハロースの含量:焼き菓子用生地に対して0.5質量%以上10質量%以下
ただし、上記の甘味度が低い菓子を調製する場合、還元水飴及びトレハロースは含まれなくともよい。かかる場合、本発明の生地は、以下を含み、かつ、砂糖及び水飴の総量が、焼き菓子用生地に対して好ましくは15質量%以下、より好ましくは7.5質量%以下、さらに好ましくは砂糖及び水飴が含まれないことが好ましい。
主原料の総量:焼き菓子用生地に対して5質量%以上30質量%以下
増粘多糖類の含量:焼き菓子用生地に対して0.1質量%以上1.5質量%以下
グリセリンの含量:焼き菓子用生地に対して2質量%以上10質量%以下
加工澱粉の含量:焼き菓子用生地に対して2質量%以上15質量%以下
なお、本発明において「砂糖」とはスクロースを主成分とする甘味料、又はスクロースそのものを意味する。砂糖としては、例えば、上白糖、三温糖、甜菜糖等が挙げられる。本発明において「水飴」とは澱粉を糖化して得られる甘味料を意味する。本発明における水飴には還元水飴も含まれる。水飴としては、麦芽水飴、酵素糖化水飴、酸糖化水飴等が挙げられる。
<焼き菓子用生地の製造方法>
本発明の生地に含まれる材料を配合し、ミキサー等を用いて混練及び成形した後に、適宜型抜きやカットをすることにより、本発明の生地を得ることができる。
<焼き菓子の製造方法>
本発明の生地を焼成することにより、本発明の焼き菓子を得ることができる。焼成条件は、焼き菓子の製造において通常用いられる条件を採用でき、例えば、100〜200℃で10〜40分焼成してもよい。
しっとり感がより良好な焼き菓子が得られやすいという観点から、低温(例えば、150〜175℃)下で、長時間(例えば、20〜30分)焼成を行うことが好ましい。
本発明の焼き菓子の種類は特に限定されず、生地を焼成して得られる任意の菓子であり得る。本発明の焼き菓子は、例えば、クッキー、ビスケット、ショートブレッド、乾パン、栗饅頭、月餅等であってもよい。
本発明の焼き菓子はそのまま流通させてもよいし、包装材等に封入して保存してもよい。包装材としては、水蒸気透過度や酸素透過度の低い材料(例えば、アルミ蒸着フィルム)が好ましい。焼き菓子を包装材に封入する場合、油脂等の変質を防ぐために、脱酸素剤とともに封入したり、不活性ガス充填したりすることで包装材内の酸素濃度を低くすることが好ましい。包装材内の酸素濃度は例えば0.4%未満にすることが好ましい。
本発明の焼き菓子を保存する場合、食品の通常の保存条件を採用できる。例えば、本発明の焼き菓子は室温(例えば、1〜30℃)下で保存できる。
<焼き菓子の特性>
本発明の焼き菓子は、長時間にわたってしっとり感が保持される。本発明において、「長時間にわたってしっとり感を保持する」とは、焼き菓子の製造直後の水分含量と比べて、所定時間経過後の水分含量の低減が抑制されていることを意味する。
本発明の焼き菓子によれば、例えば、室温(例えば、1〜30℃)下で、未包装の状態で、製造直後から12時間以上、好ましくは24時間以上、さらに好ましくは48時間以上、しっとり感を保持できる。本発明の焼き菓子を包装材に封入すれば、数ヶ月(例えば、6ヶ月以上)にわたってしっとり感を保持できる。
焼き菓子のしっとり感は、実施例に示した方法で評価される。
本発明の焼き菓子は、「公定試験法 食品衛生検査指針理化学編(厚生労働省監修)菓子類−焼き菓子類」に基づき、以下の条件で特定された水分含量が8%以上20%以下であり得る。この値は、通常の焼き菓子の水分含量よりも高い。
試料採取量;3g
乾燥温度;100℃
乾燥時間;5時間
本発明の焼き菓子は、静電容量式センサーで特定された水分活性が0.6以上0.8以下であり得る。この値は、通常の焼き菓子の水分活性よりも高い。
本発明の焼き菓子は、甘味度が低い(つまり、甘味が抑えられた)菓子として調製することができる。焼き菓子の甘味度は実施例に示した方法で特定される。本発明の焼き菓子は、例えば、該方法で特定された甘味度が好ましくは2.78以下、より好ましくは2.50以下であり得る。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<焼き菓子の作製>
表1に示す組成の焼き菓子用生地、及び、これを用いた焼き菓子を作製した。以下にその作製方法を示す。なお、表1中の組成の単位は「(生地全体に対する)質量%」である。
(1)ミキサーを用いて、増粘多糖類を水に溶解させ、増粘多糖類を膨潤させるために、ミキサーを30分程度回し続けた。
(2)油脂をミキサーで柔らかくなるまで撹拌した後、トレハロース、還元水飴、グリセリン、全卵液、増粘多糖類溶液の順に投入し、さらに撹拌した。
(3)あらかじめ混合しておいた残りの材料を、数回にわけて上記(2)の混合物に投入した後、撹拌し、焼き菓子用生地を得た。
(4)得られた生地を麺棒でのばし、厚さ15mm程度にした。
(5)生地を冷凍庫で30分程度冷却した。これにより、生地の粘りが抑えられ、切断しやすい状態となった。
(6)生地を幅20mm×長さ90mm程度に切断した。
(7)切断した生地をオーブンで170℃、20〜30分焼成した後、数十分放冷し、焼き菓子を得た。
(8)得られた焼き菓子をアルミ蒸着フィルムで包装し、室温(25℃)で保存した。
表1に示した各材料の詳細は以下のとおりである。
(油脂)
マーガリン、商品名「フロイデプレミアムPV」、株式会社ADEKA製
(主原料)
白餡:乾燥白餡、商品名「乾燥餡(白)」、谷尾食糧工業株式会社製
大豆タンパク:商品名「プロリーナRD−1」、不二製油株式会社製
小麦粉:薄力粉、日清フーズ株式会社製
(加工澱粉)
馬鈴薯澱粉由来ヒドロキシプロピルリン酸架橋澱粉、商品名「マツノリンXA−80M」、松谷化学工業株式会社製
ワキシーコーン由来α化リン酸架橋澱粉、商品名「マツノリンFA−102」、松谷化学工業株式会社製
ワキシーポテト由来α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋澱粉、商品名「エリアンCV120」、松谷化学工業株式会社製
(増粘多糖類)
キサンタンガム、商品名「エコーガムF/ケルトロールF」、DSP五協フード&ケミカル株式会社製
グルコマンナン、商品名「AFマンナン」、オリヒロ株式会社製
ウェランガム、商品名「ビストップW」、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製
メチルセルロース、商品名「メトローズMCE4000」、信越化学工業株式会社製
(グリセリン)
甘味度が砂糖の50〜80%であるもの、ミヨシ油脂株式会社製
(還元水飴)
甘味度が砂糖の20〜30%であるもの、商品名「スイートNT」、物産フードサイエンス株式会社製
(トレハロース)
甘味度が砂糖の38%であるもの、商品名「トレハ」、株式会社林原製
(玄米粉)
商品名「おひさま玄米粉」、熊本製粉株式会社製
(難消化性デキストリン)
商品名「ファイバーソル2」、松谷化学工業株式会社製
(デキストリン)
商品名「パインデックス#2」、松谷化学工業株式会社製
(全卵液)
商品名「凍結全卵」、キユーピー株式会社製
<焼き菓子用生地及び焼き菓子の評価>
得られた焼き菓子用生地及び焼き菓子について、以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
(焼き菓子の水分)
「公定試験法 食品衛生検査指針理化学編(厚生労働省監修)菓子類−焼き菓子類」に基づき、以下の条件で生地の水分(単位:%)を測定した。
試料採取量;3g
乾燥温度;100℃
乾燥時間;5時間
(焼き菓子の水分活性)
焼成完了から24時間後、焼き菓子全体の品温が室温になっている状態で、焼き菓子を粉砕し、静電容量式センサー(商品名「ポータブル水分活性計 Pawkit」、METER社製)を用いて水分活性を測定した。
(焼き菓子の保型性)
焼き菓子の厚さを焼成直後に測定し、生地成形時の厚さ(15mm程度)と比較して、以下の基準で焼き菓子の保型性を評価した。
○:焼成直後の厚さが、生地成形時の厚さの3割超である。
×:焼成直後の厚さが、生地成形時の厚さの3割以下である。
(焼き菓子のしっとり感)
モニターにより、焼成完了から30分後、及び、焼成完了から24時間後の各時点で、以下の基準で焼き菓子のしっとり感を評価した。なお、比較対象として、しっとり感を有する焼き菓子の市販品(商品名「一本満足バー チョコタルト味」、アサヒグループ食品株式会社製)を用いた。
5:市販品と同等のしっとり感である。
4:市販品のしっとり感と比較して若干劣る。
3:市販品のしっとり感と比較してやや劣る。
2:市販品のしっとり感と比較して劣る。
1:市販品のしっとり感と比較して非常に劣る。
(焼き菓子の甘味度)
焼き菓子の甘味度を、味覚センサー「レオ」(AISSY株式会社製)によって測定した。甘味度の測定の際には、各焼き菓子を粉砕し、これを電解質溶液に固形分が残るように分散させ、水溶性成分の飽和溶解液を測定用試料として調製した。
Figure 2020146010
(1)水分含量が8%以上20%以下であること、(2)水分活性が0.6以上0.8以下であること、(3)24時間後のしっとり感が3以上であること、を全て満たしている場合、焼き菓子が長時間にわたって良好なしっとり感を保持していると評価できる。
表に示されるとおり、本発明の要件を満たす焼き菓子用生地から得られた焼き菓子は、長時間にわたってしっとり感を保持していた。
実施例1と実施例3との比較から理解されるとおり、本発明の要件を満たすことに加え、さらに生地に加工澱粉が含まれていると、より良好にしっとり感を保持することができた。加工澱粉が、ヒドロキシプロピルリン酸架橋澱粉、又は、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋澱粉であると、より良好にしっとり感を保持できる傾向にあった。
増粘多糖類が、キサンタンガム、グルコマンナン、又は、ウェランガムであると、焼き菓子の保型性を高めやすい傾向にあった。
実施例9及び10に示されるとおり、主原料が大豆タンパクや小麦粉であっても、主原料が白餡である実施例1等と同様に、本発明の効果を得られた。

Claims (7)

  1. 白餡、大豆タンパク、及び小麦粉からなる群から選択される1以上の主原料と、
    増粘多糖類と、
    グリセリンと、
    を含む、焼き菓子用生地。
  2. 前記主原料の総量は、前記焼き菓子用生地に対して5質量%以上30質量%以下であり、
    前記増粘多糖類の含量は、前記焼き菓子用生地に対して0.1質量%以上1.5質量%以下であり、
    前記グリセリンの含量は、前記焼き菓子用生地に対して2質量%以上10質量%以下である、
    請求項1に記載の焼き菓子用生地。
  3. さらに、加工澱粉、還元水飴及びトレハロースからなる群から選択される1以上を含む、請求項1又は2に記載の焼き菓子用生地。
  4. 前記加工澱粉の含量は、前記焼き菓子用生地に対して2質量%以上15質量%以下であり、
    前記還元水飴の含量は、前記焼き菓子用生地に対して10質量%以上30質量%以下であり、
    前記トレハロースの含量は、前記焼き菓子用生地に対して0.5質量%以上10質量%以下である、
    請求項3に記載の焼き菓子用生地。
  5. 前記主原料の総量は、前記焼き菓子用生地に対して5質量%以上30質量%以下であり、
    前記増粘多糖類の含量は、前記焼き菓子用生地に対して0.1質量%以上1.5質量%以下であり、
    前記グリセリンの含量は、前記焼き菓子用生地に対して2質量%以上10質量%以下である、
    前記加工澱粉の含量は、前記焼き菓子用生地に対して2質量%以上15質量%以下であり、
    前記還元水飴の含量は、前記焼き菓子用生地に対して10質量%以上30質量%以下であり、
    前記トレハロースの含量は、前記焼き菓子用生地に対して0.5質量%以上10質量%以下であり、
    砂糖及び水飴の総量が、前記焼き菓子用生地に対して10質量%以下である、
    請求項4に記載の焼き菓子用生地。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の焼き菓子用生地が焼成された、焼き菓子。
  7. 「公定試験法 食品衛生検査指針理化学編(厚生労働省監修)菓子類−焼き菓子類」に基づき、以下の条件で特定された水分含量が8%以上20%以下である、請求項6に記載の焼き菓子。
    試料採取量;3g
    乾燥温度;100℃
    乾燥時間;5時間
JP2019048510A 2019-03-15 2019-03-15 焼き菓子用生地、及び焼き菓子 Pending JP2020146010A (ja)

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