以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1〜図14を参照して、第1実施形態による部品実装装置1の構成について説明する。
図1に示すように、部品実装装置1は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品Eをプリント基板などの基板Bに実装するように構成されている。なお、電子部品Eは、特許請求の範囲の「部品」の一例である。
ここで、部品実装装置1において、基板Bを搬送する搬送方向をX1方向とし、基板Bを搬送する搬送方向の逆方向をX2方向とし、水平方向におけるX方向に直交する方向をY方向とする。また、部品実装装置1において、X方向およびY方向に直交する上下方向をZ方向とする。
部品実装装置1は、基台2と、フィーダ配置部3と、基板搬送部4と、ヘッドユニット5と、支持部6と、レール部7と、部品認識カメラ8と、基板認識カメラ9と、表示部10と、制御部11とを備えている。なお、基板認識カメラ9は、特許請求の範囲の「撮像部」の一例である。
(基台)
基台2は、部品実装装置1において各構成要素を配置する基礎となる台である。基台2上には、構成要素として、基板搬送部4、レール部7、および、部品認識カメラ8が設けられている。また、基台2内には、制御部11が設けられている。また、基台2には、Y方向の両側(Y1方向側およびY2方向側)に、複数のテープフィーダ12を配置可能なフィーダ配置部3が設けられている。
(テープフィーダ)
テープフィーダ12は、基板Bに実装される電子部品Eを供給する装置である。テープフィーダ12は、複数の電子部品Eを所定の間隔を隔てて保持したテープを巻き回したリール(図示せず)を保持している。また、テープフィーダ12は、ヘッドユニット5による電子部品Eの取り出しのための部品保持動作に応じて、保持されたリールを回転させてテープを送り出すように構成されている。テープフィーダ12は、テープを送り出すことにより、作業位置W側の先端部(吸着位置A)から電子部品Eを供給するように構成されている。
(基板搬送部)
基板搬送部4は、部品実装装置1の外部から基板Bを搬入し、基板Bを搬送方向(X1方向)に搬送するように構成されている。基板搬送部4は、一対のコンベア部41と、一対のコンベア部41を回転駆動させるための駆動モータ42とを含んでいる。一対のコンベア部41は、それぞれ、プーリ(図示せず)と、プーリに掛け回された輪状の搬送ベルトとを有している。制御部11は、駆動モータ42を制御することにより、一対のコンベア部41上に載置された基板Bの搬送速度を制御するように構成されている。
(ヘッドユニット)
ヘッドユニット5は、図2に示すように、部品実装用のヘッドユニット5であり、作業位置Wにおいて固定された基板Bに電子部品Eを実装するように構成されている。具体的には、ヘッドユニット5は、電子部品Eを保持するとともに、基板Bの目標搭載位置C(図5参照)に電子部品Eを設置することにより電子部品Eを搭載する複数(4つ)の実装ヘッド51を含んでいる。なお、実装ヘッド51は、特許請求の範囲の「ヘッド」の一例である。
複数の実装ヘッド51は、各々、圧力発生装置(図示せず)に接続されており、圧力発生装置により生じる負圧によって、先端に装着されたノズルに電子部品Eを保持(吸着)可能に構成されている。また、複数の実装ヘッド51は、各々、圧力発生装置による負圧を正圧に切り換えることによって、電子部品Eを基板Bに設置可能に構成されている。
複数の実装ヘッド51は、各々、Z軸モータ52によりZ方向(上下方向)に移動可能に構成されている。また、複数の実装ヘッド51は、各々、R軸モータ53(図3参照)により回転軸回りに回転可能に構成されている。ここで、複数の実装ヘッド51は、各々、基板Bに電子部品Eが接触したタイミングを正確に検知可能なように、基板Bに電子部品Eが接触した際に生じる負荷を抑制するスプリングを有していない。なお、複数の実装ヘッド51は、各々、基板Bに電子部品Eが接触した際に生じる負荷を抑制するスプリングを有していてもよい。
(支持部)
支持部6は、図1に示すように、ヘッドユニット5を搬送方向(X1方向)および搬送方向とは逆方向(X2方向)に移動可能に支持するように構成されている。具体的には、支持部6は、搬送方向に延びるボールねじ軸61と、ボールねじ軸61を回転させるX軸モータ62とを含んでいる。ヘッドユニット5には、支持部6のボールねじ軸61と係合するボールナット(図示せず)が設けられている。ヘッドユニット5は、X軸モータ62によりボールねじ軸61が回転されることにより、ボールねじ軸61と係合するボールナットとともに、搬送方向に移動可能に構成されている。
(レール部)
一対のレール部7は、支持部6をY方向に移動可能に支持するように構成されている。具体的には、レール部7は、Y方向に延びるボールねじ軸71と、ボールねじ軸71を回転させるY軸モータ72とを含んでいる。支持部6には、レール部7のボールねじ軸71と係合するボールナット(図示せず)が設けられている。支持部6は、Y軸モータ72によりボールねじ軸71が回転されることにより、ボールねじ軸71と係合するボールナットとともに、Y方向に移動可能に構成されている。
このような構成により、ヘッドユニット5は、基台2上を水平面内で(X方向およびY方向に)移動可能に構成されている。これにより、ヘッドユニット5は、作業位置Wにおいて位置固定された基板Bの上方に移動して、実装ヘッド51に保持された電子部品Eを目標搭載位置C(図5参照)が設定された基板B上の所定箇所B1(図5参照:部品搭載位置)に実装することが可能である。
ここで、目標搭載位置Cとは、所定箇所B1の平面視における中心において、XY(水平)方向における目標水平位置C1(図5参照)と、基板BのZ1方向側(上方向側)の位置(目標高さ位置C2(図6参照))とにより表される座標である。また、目標高さ位置C2とは、基板Bに搭載する電子部品Eの高さに応じて設定される基板Bの上面位置B2を基準とした電子部品Eの上端部の高さ位置近傍を示す。なお、目標搭載位置Cは、特許請求の範囲の「目標位置」の一例である。
(部品認識カメラ)
部品認識カメラ8は、図2に示すように、基板Bへの電子部品Eの実装に先立って実装ヘッド51に保持(吸着)された電子部品Eを撮像する部品撮像用のカメラである。部品認識カメラ8は、基台2上に固定されており、電子部品Eの下方(Z2方向)から、実装ヘッド51に保持(吸着)された電子部品Eを撮像するように構成されている。
(基板認識カメラ)
基板認識カメラ9は、ヘッドユニット5に取り付けられ、基板Bへの電子部品Eの実装に先立って、基板Bの上面に付されたFIマーク(Fiducial Mark(フィデューシャルマーク))(図示せず)を撮像するマーク撮像用のカメラである。FIマークは、基板Bの位置を確認するためのマークである。
また、基板認識カメラ9は、基板Bの目標搭載位置Cを含む目標搭載位置Cの周辺を撮像するように構成されている。なお、目標搭載位置Cの周辺とは、基板B上の所定箇所B1(図5参照)を含む所定箇所B1近傍の領域を示している。
(表示部)
表示部10は、基板Bに実装された電子部品Eに関する情報などを、オペレータに報知するように構成されている。つまり、表示部10は、基板認識カメラ9により撮像された周辺画像M(図10参照)を表示する機能を有している。具体的には、表示部10は、液晶ディスプレイなどから構成され、制御部11から送信された情報を画面に表示するように構成されている。
(制御部)
制御部11は、図3に示すように、CPU11a(Central Processing Unit)および記憶部11bなどを含み、部品実装装置1の動作を制御する制御回路である。制御部11は、テープフィーダ12、基板搬送部4、ヘッドユニット5、部品認識カメラ8、基板認識カメラ9、X軸モータ62、Y軸モータ72および表示部10に電気的に接続されている。
記憶部11bには、基板B上に実装される電子部品Eを検査する第1検査処理(第1検査P1)および第2検査処理(第2検査P2)を含む電子部品Eの実装処理に基づく実装プログラムPが記憶されている。さらに、記憶部11bには、第1検査P1および第2検査P2を行うための情報を含む検査データKが記憶されている。
(検査データ)
検査データKは、目標搭載位置C、目標水平位置C1、目標高さ位置C2、部品中心位置D、部品水平位置D1、ヘッド高さ位置D2、不良位置範囲F、正常位置範囲N、設置位置検査区間S、搭載位置V(想定搭載位置)、不良予想情報T、周辺画像Mおよび実搭載位置Rを有している。以下に、目標搭載位置C、目標水平位置C1、目標高さ位置C2、部品中心位置D、部品水平位置D1、ヘッド高さ位置D2、不良位置範囲F、正常位置範囲N、設置位置検査区間S、搭載位置V、不良予想情報T、周辺画像Mおよび実搭載位置Rの各々について、電子部品Eの実装処理と関連させて説明する。なお、部品中心位置Dは、特許請求の範囲の「設置位置検査区間を通過する際の部品の位置」の一例である。搭載位置Vは、特許請求の範囲の「部品が基板に設置された際の搭載位置」の一例である。また、実搭載位置Rは、特許請求の範囲の「実際の搭載位置」の一例である。
図4に示すように、部品実装装置1では、実装処理を実行することにより、基板B上に電子部品Eが実装される。実装処理は、吸着処理と、部品認識処理と、第1検査処理を有する搭載処理と、第2検査処理とを有している。
吸着処理は、テープフィーダ12の吸着位置Aに配置された電子部品Eを実装ヘッド51に負圧を発生させて保持させる処理である。部品認識処理は、実装ヘッド51に保持された電子部品Eを部品認識カメラ8に撮像させることにより、電子部品Eの姿勢およびXY方向(水平方向)の中心位置を制御部11に認識(取得)させる処理である。ここで、部品認識処理において取得される電子部品EのXY方向(水平方向)の中心位置が、部品中心位置D(図5参照)である。
図5に示すように、部品中心位置Dとは、実装ヘッド51により保持された電子部品Eの平面視における中心において、XY(水平)方向における部品水平位置D1と、実装ヘッド51のZ2方向側(下方向側)の下端位置とにより表される座標である。また、実装ヘッド51のZ2方向側(下方向側)の下端位置とは、ヘッド高さ位置D2(図6参照)を示す。部品中心位置Dの座標は、実装ヘッド51の移動に合わせて変化する。
図4および図6に示すように、搭載処理は、部品認識処理において部品中心位置Dを認識させた後、基板Bの所定箇所B1に電子部品Eを実装ヘッド51により設置させる処理である。すなわち、搭載処理は、部品認識カメラ8のZ1方向側(上方向側)に位置する実装ヘッド51に保持された電子部品Eを、基板Bの所定箇所B1にまで移動させて電子部品Eの保持を解除して基板B上に設置する処理である。
ここで、設置とは、電子部品Eの実装ヘッド51による保持を解除して電子部品Eを基板Bに載置させることを示す。
また、図5および図6に示すように、搭載処理は、部品中心位置Dと基板Bの所定箇所B1の目標搭載位置Cとを合わせるように、実装ヘッド51に保持された電子部品Eを移動させる処理である。すなわち、搭載処理は、実装ヘッド51に保持された電子部品Eを、XY方向およびZ方向に移動させる処理である。
ここで、実装ヘッド51に保持された電子部品EのXY方向の移動は、部品中心位置Dの部品水平位置D1と目標搭載位置Cの目標水平位置C1との差に基づくXY移動時間により設定されている。また、実装ヘッド51に保持された電子部品EのZ方向の移動は、部品中心位置Dのヘッド高さ位置D2と目標搭載位置Cの目標高さ位置C2との差に基づくZ移動時間により設定されている。また、XY移動時間およびZ移動時間により、実装ヘッド51に保持された電子部品Eの下降を開始する下降開始位置(図4参照)が設定されている。これらにより、実装ヘッド51に保持された電子部品Eは、XY移動時間、Z移動時間および下降開始位置にしたがって、部品認識処理において取得された部品中心位置Dから目標搭載位置Cに移動している。ここで、実装ヘッド51に保持された電子部品Eの移動した経路を、搭載経路U(移動経路)と定義する。
実装ヘッド51に保持された電子部品Eの目標搭載位置Cへの到達は、Z軸モータ52に供給される電流値の変化または実装ヘッド51にかかる荷重の変化などを計測することにより検知されている。
第1検査処理は、仮想的に電子部品Eの部品中心位置Dと所定箇所B1の目標搭載位置Cとの位置ずれを検査する処理である。つまり、第1検査P1とは、電子部品Eの搭載経路Uに基づいて電子部品Eが基板Bに設置された際の搭載位置が不良となる可能性があるか否かを判断する検査を示す。なお、仮想的とは、制御部11により記憶部11bに記憶された検査データKの数値データを用いて行われる処理を示す。
第1検査処理は、基板Bに設置された電子部品Eを基板認識カメラ9により実際に認識しない処理である。詳細には、第1検査処理は、正常位置範囲N、不良位置範囲F、設置位置検査区間Sおよび搭載位置Vにより仮想的に位置ずれを検査する処理である。すなわち、第1検査処理は、仮想的に、正常位置範囲Nおよび不良位置範囲Fのいずれに電子部品Eの部品中心位置Dが位置しているかを検査する処理である。
ここで、正常位置範囲Nとは、基板Bの所定箇所B1に電子部品Eが実際に設置された状態において、部品中心位置Dと目標搭載位置Cとの位置ずれが許容される範囲を示した数値範囲である。すなわち、正常位置範囲Nとは、基板Bの所定箇所B1に電子部品Eが実際に設置された状態において、部品中心位置Dと目標搭載位置Cとの位置ずれがしきい値内の範囲を示す。なお、正常とは、正常位置範囲N内に部品中心位置Dが位置した状態を示す。
不良位置範囲Fとは、基板Bの所定箇所B1に電子部品Eが実際に設置された状態において、部品中心位置Dと目標搭載位置Cとの位置ずれが許容されない範囲を示した数値範囲である。すなわち、不良位置範囲Fとは、基板Bの所定箇所B1に電子部品Eが実際に設置された状態において、部品中心位置Dと目標搭載位置Cとの位置ずれがしきい値外の範囲を示す。なお、異常とは、不良位置範囲F内に部品中心位置Dが位置した状態を示す。
設置位置検査区間Sとは、電子部品Eを基板Bに設置した可能性のある状態において、部品中心位置Dが位置するZ方向(上下方向)の範囲を示した数値範囲である。なお、電子部品Eを基板Bに設置した可能性のある状態とは、略平坦な基板Bの上面に電子部品Eを設置させた状態か、または、反りなどがある基板Bの上面に電子部品Eを設置させた状態かを示す。
具体的には、設置位置検査区間Sは、基板Bの上面位置B2よりもZ1方向(上方向)の高さ位置Upに対応させて設けられている。ここで、設置位置検査区間Sの高さ位置Upは、電子部品Eを基板Bに設置した可能性のある状態において、想定される部品中心位置Dの最大高さ位置により設定されている。
設置位置検査区間Sは、第1検査区間S1と第2検査区間S2とを合わせた区間である。第1検査区間S1と第2検査区間S2とは、Z方向において連続した区間である。第2検査区間S2は、第1検査区間S1のZ1方向側(上方向側)に設定されている。
図7に示すように、第1検査区間S1とは、電子部品Eを基板Bに設置した可能性のある状態として略平坦(理想的)な基板Bの上面に電子部品Eを設置させた状態において、基板Bの上面と電子部品Eの高さ位置(目標高さ位置C2)とに対応する範囲を示した数値範囲である。ここで、第1検査区間S1の高さ位置は、電子部品Eを略平坦な基板Bに設置した可能性のある状態において、想定される電子部品Eの最大高さ位置により設定されている。第1検査区間S1には、正常位置範囲Nと不良位置範囲Fとが設定されている。
図8に示すように、第2検査区間S2とは、電子部品Eを基板Bに設置した可能性のある状態として反りなどがある基板Bの上面に電子部品Eを設置させた状態において、第1検査区間S1の高さ位置と電子部品Eの高さ位置とに対応する範囲を示した数値範囲である。ここで、第2検査区間S2の高さ位置は、電子部品Eを反りのある基板Bに設置した可能性のある状態において、想定される電子部品Eの最大高さ位置により設定されている。第2検査区間S2には、第1検査区間S1と同じ正常位置範囲Nと不良位置範囲Fとが設定されている。
図6に示すように、搭載位置Vとは、電子部品Eを基板Bに設置した可能性のある状態の電子部品Eの部品中心位置Dを示す。すなわち、搭載位置Vとは、搭載経路Uのうち設置位置検査区間Sの部分の座標を示す。搭載位置Vは、設置位置検査区間Sの部分の実装ヘッド51に保持された部品中心位置Dの移動により変わる。
第1検査処理は、搭載位置Vが不良位置範囲Fに位置する場合、記憶部11bに不良予想情報Tを記憶させる処理である。ここで、不良予想情報Tとは、電子部品Eの搭載位置が不良である可能性があることを示すデータである。
第2検査処理は、図9および図10に示すように、実際に電子部品Eの部品中心位置Dと所定箇所B1の目標搭載位置Cとの位置ずれを検査する処理である。つまり、第2検査処理とは、電子部品Eの実搭載位置Rを検査する処理を示す。
第2検査処理は、基板Bの所定箇所B1のZ1方向側(上方向側)に配置した基板認識カメラ9により撮像させる処理である。第2検査処理は、基板認識カメラ9により実際に撮像された周辺画像M上の部品中心位置Dと周辺画像M上の目標搭載位置Cとの位置ずれを検査する処理である。このように、第2検査処理は、周辺画像M上において、正常位置範囲Nおよび不良位置範囲Fのいずれかに電子部品Eの部品中心位置Dが位置しているかを検査する処理である。
ここで、周辺画像Mとは、図10に示すように、基板B上の所定箇所B1(ランド)を含む所定箇所B1近傍の領域を撮像したイメージデータを示す。また、実搭載位置Rとは、周辺画像M上の部品中心位置Dを示す。
(実装プログラム)
図9〜図14を参照して、実装プログラムPについて説明する。実装プログラムPの説明において、第1検査処理を第1検査P1と、第2検査処理を第2検査P2と略して示す。なお、図11〜図14は、それぞれ、第1〜第4経路を示しているが、以下では図11の第1経路を参照して実装プログラムPについて説明する。
図11に示すように、本実施形態の制御部11は、実装プログラムPを実施することにより、搭載経路Uに基づいて搭載位置Vが不良となる可能性があるか否かを検査する第1検査P1を行うとともに、第1検査P1の結果、搭載位置Vが不良となる可能性がある場合に、第2検査P2を行うように構成されている。すなわち、制御部11は、第1検査P1において搭載位置Vが不良であると判断された場合に、実搭載位置Rを検査する制御を行うように構成されている。
このように、制御部11は、事前検査として行った第1検査P1の検査結果に基づいて、基板認識カメラ9を移動させて電子部品Eの実搭載位置Rを検査する第2検査P2を選択的に行う制御を行うように構成されている。具体的には、制御部11は、第1検査P1の結果、搭載位置Vが不良となった場合に、第2検査P2において電子部品Eの実搭載位置Rを基板認識カメラ9により認識させる制御を行うように構成されている。
制御部11は、設置位置検査区間Sに電子部品Eが位置したことに基づいて第1検査P1を開始する制御を行うように構成されている。つまり、制御部11は、電子部品Eが基板Bに設置されたと想定されるタイミングに基づいて第1検査P1を開始する制御を行うように構成されている。具体的には、制御部11は、電子部品Eの部品中心位置D(基準部)が第2検査区間S2に位置したことに基づいて第1検査P1を開始する制御を行うように構成されている。
制御部11は、第1検査P1を開始した後、搭載位置Vと所定箇所B1の目標搭載位置Cとの位置ずれがしきい値内か否かを逐一検査するように構成されている。つまり、制御部11は、電子部品Eの搭載経路Uのうち設置位置検査区間Sを通過する際の電子部品Eの位置(部品中心位置D)に基づいて、第1検査P1を行う制御を行うように構成されている。具体的には、制御部11は、第1検査P1を開始した後、設置位置検査区間Sにおける不良位置範囲Fに電子部品Eの搭載経路Uが進入しているか否かを逐一検査する制御を行うように構成されている。
制御部11は、設置位置検査区間Sにおける不良位置範囲Fに対応する部分に電子部品Eが位置したことに基づいて、第1検査P1において電子部品Eが基板Bに搭載された際の搭載位置Vを不良と判断する制御を行うように構成されている。すなわち、制御部11は、第1検査P1を開始した後、搭載位置Vと所定箇所B1の目標搭載位置Cとの位置ずれがしきい値外であることに基づいて、第1検査P1において電子部品Eの搭載位置Vを不良と判断する制御を行うように構成されている。
具体的には、制御部11は、第1検査P1において、目標水平位置C1(図5参照)と、部品中心位置Dにおける部品水平位置D1(図5参照)との差に基づいて、設置位置検査区間Sにおける不良位置範囲Fに対応する部分に電子部品Eが位置したか否かを判断する制御を行うように構成されている。そして、制御部11は、設置位置検査区間Sにおける不良位置範囲Fに対応する部分に電子部品Eが位置したことに基づいて、不良予想情報Tを記憶部11bに記憶させる制御を行うように構成されている。また、目標水平位置C1の座標と部品中心位置Dにおける部品水平位置D1の座標との差が、搭載位置Vと所定箇所B1の目標搭載位置Cとの位置ずれである。
制御部11は、基板Bに電子部品Eが設置されたことに基づいて、第1検査P1を終了する制御を行うように構成されている。ここで、基板Bの目標搭載位置Cに電子部品Eが位置するとは、電子部品Eの部品中心位置DのZ方向(上下方向)における高さ位置が、目標搭載位置Cの目標高さ位置C2に位置することを示す。すなわち、第1検査P1は、設置位置検査区間Sに電子部品Eが位置した時点から目標搭載位置Cに電子部品Eの部品中心位置Dが位置する時点とにわたって行われている。
図9および図10に示すように、制御部11は、記憶部11bに不良予想情報Tが記憶されていることに基づいて、第1検査P1の終了後に第2検査P2を行う制御を行うように構成されている。すなわち、第2検査P2は、設置位置検査区間Sに電子部品Eが位置した時点から基板Bに電子部品Eが設置される時点との間に、1度でも搭載位置Vが不良位置範囲F(しきい値外)に位置した場合に行われている。また、制御部11は、記憶部11bに不良予想情報Tが記憶されていないことに基づいて、第1検査P1の終了後に吸着処理を行う制御を行うように構成されている。
制御部11は、第1検査P1において不良と判断された電子部品Eに対応する所定箇所B1の周辺画像Mにより、実搭載位置Rが不良位置範囲Fに位置しているか否かを判断する制御を行うように構成されている。
具体的には、制御部11は、第1検査P1において不良と判断された電子部品Eに対応する所定箇所B1を基板認識カメラ9により撮像させて周辺画像Mを取得する制御を行うように構成されている。そして、制御部11は、周辺画像M上の実搭載位置Rと周辺画像M上の目標搭載位置Cとの位置ずれを検査する制御を行うように構成されている。つまり、制御部11は、周辺画像M上において、正常位置範囲Nおよび不良位置範囲Fのいずれかに実搭載位置Rが位置しているかを検査する制御を行うように構成されている。
このように、制御部11は、第2検査P2において、電子部品Eの部品中心位置Dと所定箇所B1の目標搭載位置Cとの位置ずれを実際に検査する制御を行うように構成されている。
ここで、制御部11は、第2検査P2において基板認識カメラ9により撮像した目標搭載位置Cの周辺画像Mにより、電子部品Eの実搭載位置Rが不良と判断されたことに基づいて、オペレータへ報知するとともに実装作業を停止する制御を行うように構成されている。つまり、制御部11は、不良であることをオペレータに報知するために、周辺画像Mと不良である旨を伝えるメッセージを表示部10に表示する制御を行うように構成されている。さらに、制御部11は、実装処理を一時的に止める制御を行うように構成されている。そして、オペレータが、実搭載位置Rが不良と判断された基板Bの所定箇所B1を登録した後に、所定箇所B1に搭載された電子部品Eを取り除く、電子部品Eを移動させて実搭載位置Rを正常に修正するなどの復旧作業を行う。
制御部11は、基板Bに電子部品Eを搭載するごとに、第1検査P1により不良と判断された電子部品Eに対して第2検査P2を行う制御を行うように構成されている。なお、制御部11は、基板Bにすべての電子部品Eを搭載した後に、第1検査P1により不良と判断された電子部品Eに対して第2検査P2を行う制御を行うように構成されていてもよい。
〈第1経路〉
実装ヘッド51に保持された電子部品Eの部品中心位置Dが、搭載経路Uとして図11に示す第1経路を移動した場合を一例として、実装プログラムPにおける第1検査P1および第2検査P2について説明する。なお、図6に示す搭載経路Uを理想経路として示している。
図11に示すように、第1経路は、予定よりも実装ヘッド51の移動速度が遅いことに起因して理想経路よりもY2方向側に位置した場合の搭載経路Uである。第1経路では、搭載位置Vが第2検査区間S2の不良位置範囲Fに位置しているので、第1検査P1において搭載位置Vが不良と制御部11により判断される。第1経路では、第1検査P1において搭載位置Vが不良と判断されたので第2検査P2が行われる。第1経路では、実搭載位置Rが第1検査区間S1の不良位置範囲Fに位置しているので、第2検査P2において実搭載位置Rが不良と制御部11により判断される。
このように第1経路では、第1検査P1の検査結果と第2検査P2の検査結果とが一致している。この場合、実際に基板Bの所定箇所B1の検査をすることなく、第1検査P1の検査結果において正しい判断が行われている。
〈第2経路〉
実装ヘッド51に保持された電子部品Eの部品中心位置Dが、搭載経路Uとして図12に示す第2経路を移動した場合を一例として、実装プログラムPにおける第1検査P1および第2検査P2について説明する。なお、図6に示す搭載経路Uを理想経路として示している。
図12に示すように、第2経路は、予定よりも実装ヘッド51の移動速度が遅いことに起因して理想経路よりもY2方向側に位置した場合の搭載経路Uである。第2経路では、搭載位置Vが第2検査区間S2の不良位置範囲Fに位置しているので、第1検査P1において搭載位置Vが不良と制御部11により判断される。第2経路では、第1検査P1において搭載位置Vが不良と判断されたので第2検査P2が行われる。第2経路では、実搭載位置Rが第1検査区間S1の正常位置範囲Nに位置しているので、第2検査P2において実搭載位置Rが正常と制御部11により判断される。
このように第2経路では、第1検査P1の検査結果と第2検査P2の検査結果とが異なっている。この場合、第1検査P1の検査結果が第2検査P2の検査結果により正しい判断に修正されている。
〈第3経路〉
実装ヘッド51に保持された電子部品Eの部品中心位置Dが、搭載経路Uとして図13に示す第3経路を移動した場合を一例として、実装プログラムPにおける第1検査P1および第2検査P2について説明する。なお、図6に示す搭載経路Uを理想経路として示している。
図13に示すように、第3経路は、理想経路よりもY1方向側にオーバーシュートした搭載経路Uである。また、第3経路は、オーバーシュートしたことに起因して蛇行している。第3経路では、搭載位置Vが第2検査区間S2の不良位置範囲Fに位置しているので、第1検査P1において搭載位置Vが不良と制御部11により判断される。第3経路では、第1検査P1において搭載位置Vが不良と判断されたので第2検査P2が行われる。第3経路では、実搭載位置Rが第1検査区間S1の不良位置範囲Fに位置しているので、第2検査P2において実搭載位置Rが不良と制御部11により判断される。
このように第1経路では、第1検査P1の検査結果と第2検査P2の検査結果とが一致している。この場合、実際に基板Bの所定箇所B1の検査をすることなく、第1検査P1の検査結果において正しい判断が行われている。
〈第4経路〉
実装ヘッド51に保持された電子部品Eの部品中心位置Dが、搭載経路Uとして図14に示す第4経路を移動した場合を一例として、実装プログラムPにおける第1検査P1および第2検査P2について説明する。なお、図6に示す搭載経路Uを理想経路として示している。
図14に示すように、第4経路は、理想経路よりもY2方向側に位置した搭載経路Uである。第4経路では、搭載位置Vが第2検査区間S2の正常位置範囲Nに位置しているので、第1検査P1において搭載位置Vが正常と制御部11により判断される。第4経路では、第1検査P1において搭載位置Vが正常と判断されたので第2検査P2が行われない。
このように第4経路では、第1検査P1のみが行われて第2検査P2が行われていないが、第1検査P1の検査結果において正しい判断が行われている。
(実装処理)
以下に、実装処理について図15を参照して説明する。実装処理は、作業位置Wに位置固定された基板Bに電子部品Eを実装する処理である。実装処理は、制御部11により実装プログラムPを実行することによって行われる。
ステップS1において、実装ヘッド51により電子部品Eが吸着される。すなわち、制御部11により、吸着処理が行われる。ステップS2において、吸着した電子部品Eが部品認識カメラ8により撮像される。すなわち、制御部11により、認識処理が行われる。ステップS3において、搭載処理が行われる。搭載処理については、後に詳細に説明する。
ステップS4において、搭載位置Vが不良であったか否かが判断される。搭載位置Vが不良であった場合はステップS5に進み、搭載位置Vが正常であった場合はステップS9に進む。
ステップS5において、レール部7および支持部6により、基板認識カメラ9が基板Bの所定箇所B1に移動する。ステップS6において、基板認識カメラ9により、基板Bの所定箇所B1が撮像される。すなわち、所定箇所B1の目標搭載位置Cおよび所定箇所B1の周辺を基板認識カメラ9により撮像することによって、制御部11が周辺画像Mを取得する。ステップS7において、周辺画像M上において電子部品Eの位置ずれがしきい値内か否かが判断される。すなわち、周辺画像M上における電子部品Eの実搭載位置Rが周辺画像M上における不良位置範囲Fに位置しているか否かが、制御部11により判断される。周辺画像M上において電子部品Eの位置ずれしきい値内である場合は、ステップS8に進み、表示部10にエラー出力をした後に実装処理を終了する。また、周辺画像M上において電子部品Eの位置ずれがない場合は、ステップS8に進み、表示部10にエラー出力をした後に実装処理を終了する。
ステップS9において、すべての電子部品Eの搭載が完了したか否かが判断され、搭載が完了した場合は実装処理を終了する。すべての電子部品Eの搭載が完了していない場合はステップS1に戻る。
(搭載処理)
以下に、搭載処理について図16を参照して説明する。搭載処理は、基板Bの所定箇所B1の目標搭載位置Cに合わせて電子部品Eを搭載する処理である。搭載処理は、制御部11により実装プログラムPを実行することによって行われる。
ステップS31において、レール部7および支持部6により、電子部品EがXY方向(水平方向)に移動する。ステップS32において、電子部品Eが下降開始位置に移動したか否かが判断される。すなわち、電子部品Eの部品中心位置Dが下降開始位置に到達したか否が判断される。電子部品Eが下降開始位置に位置する場合は、ステップS33に進み、電子部品Eが下降開始位置に移動していない場合は、ステップS31に戻る。ステップS33において、Z軸モータ52、レール部7および支持部6により、目標搭載位置Cに向かって電子部品EがXYZ方向(水平および上下方向)に移動する。
ステップS34において、電子部品Eが設置位置検査区間S内に移動したか否かが判断される。すなわち、電子部品Eの部品中心位置Dが設置位置検査区間Sに位置する(到達した)か否が判断される。電子部品Eが設置位置検査区間Sに位置する場合は、ステップS35に進み、電子部品Eが設置位置検査区間Sに位置していない場合は、ステップS33に戻る。
ステップS35において、電子部品Eの部品中心位置Dが不良位置範囲F内にあるか否かが判断される。すなわち、搭載位置Vと目標搭載位置Cとの位置ずれがしきい値外か否かが判断される。電子部品Eの部品中心位置Dが不良位置範囲F内にある場合は、ステップS36に進み、電子部品Eの部品中心位置Dが不良位置範囲F内にない場合は、ステップ39に進む。
ステップS39において、搭載位置Vが不良と記憶される。すなわち、制御部11により、不良と判断された搭載位置Vが不良予想情報Tとして記憶部11bに記憶された後、ステップS36に進む。
ステップS36において、電子部品Eの部品中心位置Dが目標搭載位置Cに到達した(位置する)か否かが判断される。電子部品Eの部品中心位置Dが目標搭載位置Cに到達した場合は、ステップS37に進み、電子部品Eの部品中心位置Dが目標搭載位置Cに到達していない場合は、ステップ35に戻る。
ステップS37において、電子部品Eが基板Bに搭載される。すなわち、実装ヘッド51の負圧を正圧に切り換えることにより、実装ヘッド51に保持された電子部品Eを基板B上に設置する。ステップS38において、実装ヘッド51を上昇させた後、搭載処理を終了する。そして、実装処理のステップS4に進む。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、部品実装装置1に、搭載経路Uに基づいて搭載位置Vが不良となる可能性があるか否かを検査する第1検査P1の結果、搭載位置Vが不良となる可能性がある場合に、電子部品Eの実搭載位置Rを検査する第2検査P2を行う制御部11を設ける。これにより、基板Bに搭載される電子部品Eのうち第1検査P1において電子部品Eの搭載位置Vが不良と判断された電子部品Eに対してのみ電子部品Eの実搭載位置Rに移動して検査する第2検査P2を行うので、電子部品Eの実搭載位置Rに移動して検査する第2検査P2を行う回数を減少させることができる。この結果、基板Bの所定箇所B1に移動して行われる電子部品Eの第2検査P2の回数を減少させることにより、実装作業時間の増大を抑制することができる。また、第2検査P2よりも前に第1検査P1を行うことにより、電子部品Eを基板Bに搭載した実搭載位置Rに移動して検査を行うよりも早期に電子部品Eの実搭載位置Rが不良である可能性があることを発見することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部11を、第1検査P1の結果、搭載位置Vが不良となる可能性がある場合に、第2検査P2において電子部品Eの実搭載位置Rを基板認識カメラ9により撮像する制御を行うように構成する。これにより、基板認識カメラ9を移動させて検査を行う分だけ第1検査P1よりも検査時間を必要とする第2検査P2の回数を減少させることができるので、基板認識カメラ9による第2検査P2を行う場合でも実装作業時間の増大を抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部11を、設置位置検査区間Sに電子部品Eが位置したことに基づいて第1検査P1を開始する制御を行うように構成する。これにより、基板の上面位置B2において第1検査P1を行う場合と異なり、反りを有する基板Bの上面に電子部品Eが設置された場合においても第1検査P1を行うことができる。この結果、基板Bの上面の状態によらず第1検査P1を行うことができるので、第1検査P1による基板Bに設置された際の搭載位置Vの判断を確実に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部11を、電子部品Eの搭載経路Uのうち設置位置検査区間Sを通過する際の電子部品Eの位置に基づいて、第1検査P1を行う制御を行うように構成する。これにより、電子部品Eの搭載経路Uの全体にわたって第1検査P1を行うことなく、電子部品Eの搭載経路Uのうち電子部品Eが基板Bに設置された可能性がある箇所を特定して第1検査P1を行うことができるので、第1検査P1を効率的に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部11を、設置位置検査区間Sにおける不良位置範囲Fに対応する部分に電子部品Eが位置したことに基づいて、第1検査P1において電子部品Eの搭載位置Vを不良と判断する制御を行うように構成する。これにより、不良位置範囲Fが基板Bの上面位置B2よりもZ1方向(上方向)の高さ位置Upに対応させて設けられることにより、反りを有する基板Bの上面に電子部品Eが設置され、略平坦な基板Bの上面に電子部品が設置された場合よりも電子部品の高さ位置がZ1方向(上方)に位置する場合でも、第1検査P1により電子部品Eが基板Bに設置された際の搭載位置Vが不良となる可能性があるか否かを検査することができる。この結果、基板Bの上面の状態によらず第1検査P1を行うことができるので、第1検査P1における基板Bに設置された際の搭載位置Vの不良の判断を確実に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部11を、第1検査P1において、目標水平位置C1と、部品水平位置D1との差に基づいて、設置位置検査区間Sにおける不良位置範囲Fに対応する部分に電子部品Eが位置したか否かを判断する制御を行うように構成する。これにより、第1検査P1において、目標水平位置C1に対する部品水平位置D1の位置ずれにより、電子部品Eが基板Bに設置された際の搭載位置Vが不良となる可能性があるか否かを検査することができる。この結果、容易に第1検査P1を行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部11を、基板Bに電子部品Eが設置したことに基づいて、第1検査P1を終了する制御を行うように構成する。これにより、基板Bに電子部品Eが設置するまで第1検査P1を行うことができるので、電子部品Eが基板Bに設置された際の搭載位置Vに対する第1検査P1による判断をより正確に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部11を、第2検査P2において周辺画像Mにより、電子部品Eの実搭載位置Rが不良と判断されたことに基づいて、オペレータへ報知するとともに実装作業を停止する制御を行うように構成する。これにより、オペレータによる部品実装装置1に対する復旧作業を早急に行うことができるので、実装作業の停止時間を短くすることができる。
[第2実施形態]
次に、図1〜図3および図16を参照して、第2実施形態の部品実装装置201について説明する。第2実施形態の部品実装装置201は、制御部11により実搭載位置Rが不良位置範囲Fに位置しているか否かが判断される上記第1実施形態の部品実装装置1とは異なり、オペレータにより実搭載位置Rが不良位置範囲Fに位置しているか否かが判断されるように構成されている。なお、第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
図1〜図3に示すように、部品実装装置201は、基台2と、フィーダ配置部3と、基板搬送部4と、ヘッドユニット5と、支持部6と、レール部7と、部品認識カメラ8と、基板認識カメラ9と、表示部10と、制御部211とを備えている。なお、基板認識カメラ9は、特許請求の範囲の「撮像部」の一例である。
(制御部)
制御部211は、図3に示すように、CPU11a(Central Processing Unit)および記憶部11bなどを含み、部品実装装置201の動作を制御する制御回路である。制御部211は、テープフィーダ12、基板搬送部4、ヘッドユニット5、支持部6、レール部7、部品認識カメラ8、基板認識カメラ9、X軸モータ62、Y軸モータ72および表示部10に電気的に接続されている。
記憶部11bには、基板B上に実装される電子部品Eを検査する第1検査処理(第1検査P1)および第2検査処理(第2検査P2)を含む電子部品Eの実装処理に基づく実装プログラムPが記憶されている。さらに、記憶部11bには、第1検査P1および第2検査P2を行うための情報を含む検査データKが記憶されている。
(実装プログラム)
制御部211は、実装プログラムPを実施することにより、第1検査P1を行うとともに、第1検査P1の結果、搭載位置が不良となる可能性がある場合に、第2検査P2を行うように構成されている。
制御部211は、記憶部11bに不良予想情報Tが記憶されていることに基づいて、第1検査P1の終了後に第2検査P2を行う制御を行うように構成されている。
第2実施形態の制御部211は、オペレータが電子部品Eの実搭載位置Rを判断可能なように、表示部10に第2検査P2において基板認識カメラ9により撮像した目標搭載位置Cの周辺画像Mを表示する制御を行うように構成されている。すなわち、実搭載位置Rが不良位置範囲Fに位置しているか否かの判断が、制御部211ではなくオペレータにより行われる。なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(実装処理)
以下に、実装処理について図17を参照して説明する。実装処理は、作業位置Wに位置固定された基板Bに電子部品Eを実装する処理である。実装処理は、制御部211により実装プログラムPを実行することによって行われる。なお、ステップS1〜ステップS6およびステップS9は、各々、第1実施形態の実装処理と同じであるので説明を省略する。
ステップ207において、基板Bの所定箇所B1の周辺画像Mが表示部10に表示される。詳細には、基板Bの所定箇所B1の周辺画像Mには、撮像された基板Bの所定箇所B1の目標搭載位置Cおよび目標搭載位置Cの周辺が含まれている。ステップ208において、オペレータにより電子部品Eの位置ずれがありの指示があったか否かが判断される。すなわち、実搭載位置Rが不良位置範囲F内に位置しているとオペレータにより判断され、オペレータにより電子部品Eの位置ずれありの指示があった場合、ステップS9に進む。また、実搭載位置Rが正常位置範囲N内に位置しているオペレータにより判断され、オペレータにより電子部品Eの位置ずれがなしの指示があった場合、実装処理が終了する。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態の効果について説明する。
第2実施形態では、上記のように、部品実装装置201に、第1検査P1の結果、搭載位置Vが不良となる可能性がある場合に、電子部品Eの実搭載位置Rを検査する第2検査P2を行う制御部211を設ける。これにより、基板Bの所定箇所B1に移動して行われる電子部品Eの第2検査P2の回数を減少させることにより、実装作業時間の増大を抑制することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、制御部211を、オペレータが電子部品Eの実搭載位置Rを判断可能なように、表示部10に第2検査P2において周辺画像Mを表示する制御を行うように構成する。これにより、オペレータは表示部10に表示された周辺画像Mを実際に見ることにより、目標搭載位置Cおよび電子部品Eの実搭載位置Rを確認することができるので、電子部品Eの実搭載位置Rに対する正常または不良の判断をオペレータが適切に行うことができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
次に、図1〜図3、図18および図19を参照して、第3実施形態の部品実装装置301を備える部品実装システム300について説明する。第3実施形態の部品実装装置301は、制御部11により実搭載位置Rが不良位置範囲Fに位置しているか否かを判断するのみの上記第1実施形態の部品実装装置1とは異なり、実搭載位置Rが不良位置範囲Fに位置していると判断された場合、制御部311によりサブマップデータH(以下、サブマップH)を更新するように構成されている。なお、第3実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
図18に示すように、部品実装システム300は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品Eを、プリント基板などの基板Bに搭載して、電子部品Eが実装された基板Bを生産するシステムである。詳細には、部品実装システム300は、基板Bとして割り基板などに電子部品Eを搭載するシステムとして用いられる。
部品実装システム300は、印刷装置302と、部品実装装置301と、リフロー前の検査装置303と、リフロー炉304と、リフロー後の検査装置305と、サーバ306とを備える。印刷装置302、部品実装装置301、リフロー炉304およびリフロー後の検査装置305は、上流側から下流側に向かって、この順に並んでいる。
印刷装置302は、基板Bの生産作業として、はんだなどの接合材を基板Bにスクリーン印刷する印刷作業を行う。部品実装装置301は、基板Bの生産作業として、電子部品Eを印刷装置302により印刷作業が行われた基板Bに実装する実装作業を行う。リフロー前の検査装置303は、基板Bの検査作業として、部品実装装置301により実装作業が行われた基板Bを検査する検査作業を行う。リフロー炉304は、基板Bの生産作業として、基板Bに印刷された接合材を溶融させて固化させることにより、電子部品Eを基板Bに接合するリフロー作業を行う。リフロー後の検査装置305は、基板Bの検査作業として、リフロー炉304によりリフロー作業が行われた基板Bを検査する検査作業を行う。
サーバ306は、サブマップHを管理するように構成されている。すなわち、サーバ306は、印刷装置302、部品実装装置301、リフロー前の検査装置303、リフロー炉304およびリフロー後の検査装置305の各々に対してサブマップHの送信および受信の少なくともいずれかを行う制御を行うように構成されている。なお、サブマップHは、特許請求の範囲の「マップ」の一例である。
具体的には、サーバ306は、図示はしないが、CPUおよび記憶部などを含んでいる。また、サーバ306は、印刷装置302、部品実装装置301、リフロー前の検査装置303、リフロー炉304およびリフロー後の検査装置305にネットワークを介して通信可能に接続されている。
サブマップHは、割り基板などの基板Bの所定箇所B1の作業結果を記録したデータにより構成されている。詳細には、サブマップHは、印刷装置302、部品実装装置301、リフロー前の検査装置303、リフロー炉304およびリフロー後の検査装置305の各々の作業後の検査結果を記録したデータである。
ここで、サーバ306は、部品実装装置301の制御部311にネットワークを介して接続され、部品実装装置301の制御部311において更新されたサブマップHを取得する制御を行うように構成されている。なお、サーバ306は、部品実装装置301の制御部311だけでなく、印刷装置302、部品実装装置301、リフロー前の検査装置303、リフロー炉304およびリフロー後の検査装置305の各々の制御部311にネットワークを介して接続され、印刷装置302、部品実装装置301、リフロー前の検査装置303、リフロー炉304およびリフロー後の検査装置305の各々の制御部311において更新されたサブマップHを取得する制御を行うように構成されている。
図19(A)〜図19(C)を参照して、印刷装置302、部品実装装置301、リフロー前の検査装置303、リフロー炉304およびリフロー後の検査装置305の各々の作業後の検査結果をサブマップHへ記録する方法について説明する。なお、印刷装置302および部品実装装置301の2つを例示して、作業後の検査結果をサブマップHへ記録する方法について説明する。また、作業後の検査結果の記録について、1を良判定、2を工程前不良および5を不良とする。
図19(A)に示すように、印刷装置302において作業後の検査結果に基づいて、サブマップHに基板Bの所定箇所B1において不良と判断された所定箇所B1に対応する数値データが、5という数値データに更新される。そして、印刷装置302において更新されたサブマップHが、サーバ306に送信される。この際、サーバ306において、印刷装置302から取得したサブマップHの5という数値データが2という数値データに更新される。
図19(B)に示すように、サーバ306において更新されたサブマップHが、サーバ306から部品実装装置301に送信される。そして、図19(C)に示すように、部品実装装置301において作業後の検査結果に基づいて、サブマップHに基板Bの所定箇所B1において不良と判断された所定箇所B1に対応する数値データが、5という数値データに更新される。そして、印刷装置302において更新されたサブマップHが、サーバ306に送信される。以上のような作業が、サーバ306と、印刷装置302、部品実装装置301、リフロー前の検査装置303、リフロー炉304およびリフロー後の検査装置305とにより随時行われている。
図1〜図3に示すように、第3実施形態の部品実装装置301は、基台2と、フィーダ配置部3と、基板搬送部4と、ヘッドユニット5と、支持部6と、レール部7と、部品認識カメラ8と、基板認識カメラ9と、表示部10と、制御部311とを備えている。なお、基板認識カメラ9は、特許請求の範囲の「撮像部」の一例である。
(制御部)
制御部311は、図3に示すように、CPU11a(Central Processing Unit)および記憶部11bなどを含み、部品実装装置301の動作を制御する制御回路である。制御部311は、テープフィーダ12、基板搬送部4、ヘッドユニット5、支持部6、レール部7、部品認識カメラ8、基板認識カメラ9、X軸モータ62、Y軸モータ72および表示部10に電気的に接続されている。
記憶部11bには、基板B上に実装される電子部品Eを検査する第1検査処理および第2検査処理を含む電子部品Eの実装処理に基づく実装プログラムPが記憶されている。さらに、記憶部11bには、第1検査P1および第2検査P2を行うための情報を含む検査データKが記憶されている。
(実装プログラム)
制御部311は、実装プログラムPを実施することにより、第1検査P1を行うとともに、第1検査P1の結果、搭載位置が不良となる可能性がある場合に、第2検査P2を行うように構成されている。
制御部311は、記憶部11bに不良予想情報Tが記憶されていることに基づいて、第1検査P1の終了後に第2検査P2を行う制御を行うように構成されている。
第3実施形態の制御部311は、第2検査P2の結果において電子部品Eの実搭載位置Rが不良であると判断された場合、不良と判断された実搭載位置Rに基づいて、基板Bの不良個所を示すサブマップHを更新する制御を行うように構成されている。また、制御部311は、サーバ306から取得したサブマップHに基づいて、基板Bの所定箇所B1に電子部品Eを搭載するか否かを判断する制御を行うように構成されていることが好ましい。すなわち、制御部311は、サーバ306から取得したサブマップHを参照したことに基づいて、前工程において不良が生じた基板Bの所定箇所B1に電子部品Eを搭載しない制御を行うように構成されていてもよい。なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(実装処理)
以下に、実装処理について図20を参照して説明する。実装処理は、作業位置Wに位置固定された基板Bに電子部品Eを実装する処理である。実装処理は、制御部311により実装プログラムPを実行することによって行われる。なお、ステップS1〜ステップS7およびステップS9は、各々、第1実施形態の実装処理と同じであるので説明を省略する。
ステップS300において、制御部311により、サブマップHが参照される。すなわち、サーバ306から取得したサブマップHの不良判定があるか否かを制御部311により調べられる。ステップ308において、ステップS7の第2検査P2の検査結果に基づいて、サブマップHが更新される。すなわち、ステップS7の第2検査P2の検査結果が不良の場合は、サブマップHが更新される。ステップ309において、制御部311により、更新されたサブマップHがサーバ306に送信された後、実装処理が終了する。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態の効果について説明する。
第3実施形態では、上記のように、第1検査P1の結果、部品実装システム300に、搭載位置が不良となる可能性がある場合に、部品の実搭載位置Rを検査する第2検査P2を行う制御部311を設けた部品実装装置301を設ける。これにより、基板Bの所定箇所B1に移動して行われる電子部品Eの第2検査P2の回数を減少させることにより、実装作業時間の増大を抑制することができる。
また、第3実施形態では、上記のように、制御部311を、第2検査P2の結果において不良と判断された実際の実搭載位置Rに基づいて、基板Bの不良個所を示すサブマップHを更新するように構成する。これにより、部品実装装置301において更新されたサブマップHを部品実装装置301よりも下流に配置される作業装置が参照することができるので、サブマップHに示された不良個所に応じて部品実装装置301よりも下流に配置される作業装置における基板Bに対する作業を適切に変更することができる。たとえば、サブマップHに不良個所が示された場合、サブマップHに示された基板Bの不良個所に対して、部品実装装置301よりも下流に配置される作業装置(リフロー炉304など)において作業を行わないように変更することができる。この結果、部品実装装置301の実装作業だけでなく、部品実装装置301よりも下流に配置される作業装置における基板Bに対する作業も効率化することができるので、基板Bを生産する作業時間が増大することを抑制することが可能な部品実装システム300を得ることができる。
また、第3実施形態では、上記のように、部品実装システム300に、部品実装装置301の制御部311にネットワークを介して接続され、部品実装装置301の制御部311において更新されたサブマップHを取得する制御を行うサーバ306を設ける。これにより、サーバ306によりサブマップHを一括管理させることができるので、サブマップHの利便性を向上させることができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、制御部11(211、311)は、電子部品E(部品)の搭載経路Uのうち設置位置検査区間Sを通過する際の部品中心位置D(部品の位置)に基づいて、第1検査P1を行う制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、部品の搭載経路の終端の位置に基づいて、第1検査P1を行う制御を行うように構成されていてもよい。
また、上記第3実施形態では、サーバ306は、部品実装装置301、印刷装置302、リフロー前の検査装置303、リフロー炉304およびリフロー後の検査装置305の各々に対してサブマップHの送受信を行う制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、部品実装装置、印刷装置、リフロー炉およびリフロー後の検査装置は、各々、サブマップの送受信を直接行う制御を行うように構成されていてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、実装ヘッド51(ヘッド)に保持された電子部品E(部品)は、XY移動時間、Z移動時間および下降開始位置にしたがって、部品認識処理において取得された部品中心位置Dから目標搭載位置C(目標位置)に移動している例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ヘッドに保持された部品は、部品中心位置の座標および目標位置の座標にしたがって、部品認識処理において取得された部品中心位置から目標位置に移動してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、設置位置検査区間Sは、第1検査区間S1と第2検査区間S2とを合わせた区間である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、設置位置検査区間は、第1検査区間だけでもよい。
また、第1〜第3実施形態では、部品中心位置Dは、部品水平位置D1と、ヘッド高さ位置D2とにより表される座標である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、部品中心位置は、部品水平位置と、実装ヘッドに保持された電子部品の下端位置とにより表される座標であってもよい。この場合、目標搭載位置の目標高さ位置が、基板の上面を基準とした電子部品の上端部の高さ位置近傍ではなく、基板の上面の高さ位置になる。
また、上記第1〜第3実施形態では、説明の便宜上、制御部11(211、311)の制御処理を、処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の制御処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。