JP2020144276A - 画像形成装置 - Google Patents

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一志 稲生
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博之 山崎
川村 浩
Hiroshi Kawamura
浩 川村
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Abstract

【課題】 本発明は、転写間距離の自由度が増し、簡単な構成で色ずれの少ない画像形成装置を提供する。【解決手段】 中間転写ベルトに沿って隣設された第1の転写位置と第2の転写位置との間の第1の転写間距離と、中間転写ベルトに沿って隣設された第2の転写位置と第3の転写位置との間の第2の転写間距離と、は異なる転写間距離を有し、駆動回転体が1周回転したときに中間転写ベルトの所定位置が移動する距離をAとし、中間転写ベルトの所定位置が第1の転写間距離を移動する間に駆動回転体が回転する回転数をN(Nは整数)とし、第1の駆動伝達部材と第2の駆動伝達部材との速度伝達比をiとしたとき、第1の転写間距離を、「N×A」に設定し、第2の転写間距離を、「N×A±N×A/i」に設定したことを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置として、フルカラーの画像形成を行うタンデム型の画像形成装置がある。タンデム型は、複数の画像形成部を有する。このため、機械精度等の原因により、複数の感光ドラムや転写ベルトや搬送ベルトの速度むら等が各色毎にバラバラに発生し、画像を重ね合わせたときに一致せず、色ずれを生じる場合がある。
色ずれには、定常的な色ずれと、非定常的な色ずれの2種類の色ずれがある。定常的な色ずれは、各色のレーザスキャナ等の組み付け位置のずれ等により発生する。非定常的な色ずれは、感光ドラムや転写ベルトや搬送ベルトの駆動ローラ等の回転速度変動等により発生する。
非定常的な色ずれを抑制するために、複数の感光ドラムや転写ベルトや搬送ベルトの駆動部の周波数変動成分が画像上に発生しないようにする必要がある。特許文献1では、複数の感光ドラムを共通の駆動源で駆動し、転写ベルトが隣り合った転写位置を通過する時間間隔が駆動源の駆動ムラ周期の整数倍となるように感光ドラムを配置している。
一方で特許文献2では、転写ベルトや用紙搬送ベルトを駆動する駆動ローラの外周長の整数倍の間隔を持って各感光体が配置され、少なくとも1つの感光体間隔が他の感光体間隔と異なっている。これにより転写ベルトや用紙搬送ベルトの速度むらに起因する色ずれを防止している。
特開昭63−011967号公報 特開2003−177591号公報
しかしながら、特許文献1では、駆動源の駆動ムラ周期の整数倍となるように感光ドラムを配置しているため各感光ドラムの配置の自由度が抑制されるといった課題があった。また、特許文献2では、各感光体の配置が駆動ローラの外周長の整数倍の間隔に限定されるため各感光体の配置の自由度が抑制されるといった課題があった。
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、転写間距離の自由度が増し、簡単な構成で色ずれの少ない画像形成装置を提供するものである。
前記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトに対向して設けられた第1の像担持体と、前記中間転写ベルトに対向して設けられた第2の像担持体と、前記中間転写ベルトに対向して設けられた第3の像担持体と、前記中間転写ベルトを回転駆動する駆動回転体と、前記駆動回転体を回転させる第1の駆動伝達部材と、駆動源からの回転駆動力を前記第1の駆動伝達部材に伝達するために前記第1の駆動伝達部材よりも駆動伝達方向の上流に設けられた第2の駆動伝達部材と、を有する画像形成装置において、前記中間転写ベルトに対して前記第1の像担持体が対向する第1の転写位置と、前記中間転写ベルトに対して前記第2の像担持体が対向する第2の転写位置と、前記中間転写ベルトに対して前記第3の像担持体が対向する第3の転写位置と、があり、前記中間転写ベルトに沿って隣設された前記第1の転写位置と前記第2の転写位置との間の第1の転写間距離と、前記中間転写ベルトに沿って隣設された前記第2の転写位置と前記第3の転写位置との間の第2の転写間距離と、は異なる転写間距離を有し、前記駆動回転体が1周回転したときに前記中間転写ベルトの所定位置が移動する距離をAとし、前記中間転写ベルトの所定位置が前記第1の転写間距離を移動する間に前記駆動回転体が回転する回転数をN(Nは整数)とし、前記第1の駆動伝達部材と前記第2の駆動伝達部材との速度伝達比をiとしたとき、前記第1の転写間距離を、「N×A」に設定し、前記第2の転写間距離を、「N×A±N×A/i」に設定することで、前記第1の転写位置と、前記第2の転写位置と、前記第3の転写位置において前記中間転写ベルトに転写された転写像の位置ずれを防止することを特徴とする。
本発明によれば、転写間距離の自由度が増し、簡単な構成で色ずれが少ない。
中間転写ベルトを備えた画像形成装置の構成を示す断面図である。 (a)は、第1実施形態の中間転写ベルトの駆動伝達装置の構成を示す断面図である。(b)は、(a)に示された部分Gの拡大図である。 (a)は、第1実施形態の駆動ローラギアの単体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。(b)は、第1実施形態のモータギアの単体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。(c)は、第1実施形態の駆動伝達装置全体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。 第1実施形態と比較例の各色間の転写間距離と、駆動ローラが1周回転したときに中間転写ベルトの厚さ方向における中心の所定位置が移動する距離と、駆動ローラギアの歯数と、モータギアの歯数と、速度伝達比との差を示す図である。 (a)は、比較例の駆動ローラギアの単体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。(b)は、比較例のモータギアの単体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。(c)は、比較例の駆動伝達装置全体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。 (a)は、第2実施形態の中間転写ベルトの駆動伝達装置の構成を示す断面図である。(b)は、(a)に示された部分Gの拡大図である。 (a)は、第2実施形態の駆動ローラギアの単体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。(b)は、第2実施形態の駆動ローラ前段ギアの単体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。 (a)は、第2実施形態のモータギアの単体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。(b)は、第2実施形態の駆動伝達装置全体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。 第2実施形態の各色間の転写間距離と、駆動ローラが1周回転したときに中間転写ベルト上の所定位置が移動する距離と、駆動ローラギアの歯数と、駆動ローラ前段ギアの歯数と、モータギアの歯数と、各速度伝達比とを示す図である。 (a)は、第3実施形態の中間転写ベルトの駆動伝達装置の構成を示す断面図である。(b)は、(a)に示された部分Gの拡大図である。 (a)は、第3実施形態の駆動ローラギアの単体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。(b)は、第3実施形態のモータギアの単体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。(c)は、第3実施形態の駆動伝達装置全体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。 第3実施形態の各色間の転写間距離と、駆動ローラが1周回転したときに中間転写ベルトの厚さ方向における中心の所定位置が移動する距離と、駆動ローラギアの歯数と、モータギアの歯数と、速度伝達比とを示す図である。 静電吸着ベルトを備えた画像形成装置の構成を示す断面図である。 (a)は、第4実施形態の静電吸着ベルトの駆動伝達装置の構成を示す断面図である。(b)は、(a)に示された部分Gの拡大図である。 (a)は、第4実施形態の駆動ローラギアの単体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。(b)は、第4実施形態のモータギアの単体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。(c)は、第4実施形態の駆動伝達装置全体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。 第4実施形態の各色間の転写間距離と、駆動ローラが1周回転したときに静電吸着ベルトの厚さ方向における中心の所定位置が移動する距離と、駆動ローラギアの歯数と、モータギアの歯数と、速度伝達比とを示す図である。 (a)は、第5実施形態の中間転写ベルトの駆動伝達装置の構成を示す断面図である。(b)は、(a)に示された部分Gの拡大図である。 (a)は、第5実施形態の駆動ローラプーリの単体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。(b)は、第5実施形態のモータプーリの単体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。(c)は、第5実施形態の駆動伝達装置全体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。 第5実施形態の各色間の転写間距離と、駆動ローラが1周回転したときに中間転写ベルトの厚さ方向における中心の所定位置が移動する距離と、駆動ローラプーリの歯数と、モータプーリの歯数と、速度伝達比とを示す図である。 (a)は、第6実施形態の中間転写ベルトの駆動伝達装置の構成を示す断面図である。(b)は、(a)に示された部分Gの拡大図である。 (a)は、第6実施形態の駆動ローラ用回転ローラの単体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。(b)は、第6実施形態のモータローラの単体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。(c)は、第6実施形態の駆動伝達装置全体の回転ムラと各転写位置との関係を説明する図である。 第6実施形態の各色間の転写間距離と、駆動ローラが1周回転したときに中間転写ベルトの厚さ方向における中心の所定位置が移動する距離と、駆動ローラ用回転ローラの外径と、モータローラの外径と、速度伝達比とを示す図である。
図により本発明に係る画像形成装置の一実施形態を具体的に説明する。
〔第1実施形態〕
図1〜図5を用いて画像形成装置100の第1実施形態の構成について説明する。
<画像形成装置>
図1を用いて、中間転写ベルト12aを備えた画像形成装置100の構成について説明する。図1は、中間転写ベルト12aを備えた画像形成装置100の構成を示す断面図である。図1に示す画像形成装置100は、カラーレーザープリンタの一例である。図1に示す画像形成装置100は、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの各色に対応して4つ(複数)の像担持体としての感光ドラム1Y,1M,1C,1Kを備えている。尚、説明の都合上、各感光ドラム1Y,1M,1C,1Kを代表して感光ドラム1を用いて説明する場合もある。他の画像形成プロセス手段についても同様である。
各感光ドラム1は、図1の時計回り方向に回転駆動される。各感光ドラム1の周囲には、図1の時計回り方向に従って順に、各感光ドラム1の表面を均一に帯電する帯電手段となる帯電ローラ2が設けられている。更に、均一に帯電された各感光ドラム1の表面に対して、各色の画像情報に基づいてレーザ光3aを照射して各感光ドラム1の表面上に静電潜像を形成する露光手段となるレーザスキャナ3が設けられている。
更に、各感光ドラム1の周囲には、各感光ドラム1の表面上に形成された静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させて現像剤像としてのトナー像として顕像化する現像手段となる現像ユニット4がそれぞれ設けられている。更に、感光ドラム1の表面上に形成されたトナー像を中間転写体となる中間転写ベルト12aの外周面上に一次転写する一次転写手段となる一次転写ローラ26がそれぞれ設けられている。中間転写ベルト12aは、各像担持体としての感光ドラム1の表面に現像された画像としてのトナー像を紙などの記録材Sに転写するベルトとして構成される。
更に、各感光ドラム1の周囲には、一次転写後に各感光ドラム1の表面に残留した残トナーを除去するクリーニング手段となるクリーニングブレード8がそれぞれ設けられている。各クリーニングブレード8により除去された残トナーは、各クリーニングユニット5に設けられた各廃トナー容器18に回収される。
各感光ドラム1と、各帯電ローラ2と、各現像ユニット4と、各クリーニングブレード8とは、それぞれ一体的にカートリッジ化して、各プロセスカートリッジ7として構成される。各プロセスカートリッジ7は、画像形成装置100の装置本体100aに対して、それぞれ着脱可能に構成されている。各プロセスカートリッジ7は、各現像ユニット4と、各クリーニングユニット5により構成されている。
これら4個の各プロセスカートリッジ7は、略同一構造であるが、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの各色のトナーにより画像を形成する点で相違している。また、ブラックK色のプロセスカートリッジ7Kの現像ユニット4Kに設けられるトナー容器6Kは、テキスト画像を印刷する機会が多い。このためトナー容器6Kは、他のイエローY、マゼンタM、シアンC色のプロセスカートリッジ7Y,7M,7Cの現像ユニット4Y,4M,4Cに設けられるトナー容器6Y,6M,6Cよりも大きい。これによりブラックK色のトナー容器6K内に大容量のトナーを収容することができ、ブラックK色のプロセスカートリッジ7Kのみを頻繁に取り換える必要が無い。
各現像ユニット4は、各現像ローラ24と、各現像剤塗布ローラ25と、各トナー容器6をそれぞれ有している。一方、各クリーニングユニット5は、各感光ドラム1と、各帯電ローラ2と、各クリーニングブレード8と、各廃トナー容器18とをそれぞれ有している。
各感光ドラム1は、アルミニウム製のシリンダの外周面にOPC(Organic Photo Conductor;有機光半導体)からなる有機光導伝体層が塗布されたものである。各感光ドラム1は、その両端部をフランジにより回転自在に支持されている。そして、一方の端部に図示しない駆動源となるモータからの駆動力を伝達することにより図1の時計回り方向に回転駆動される。レーザスキャナ3は、各プロセスカートリッジ7の鉛直下方に配置され、一様に帯電された各感光ドラム1の表面に対して画像信号に基づく露光を行う。
各現像ユニット4は、各色のトナーを収容したトナー容器6を有する。現像剤担持体となる各現像ローラ24は、各感光ドラム1の表面に対向し、図示しない駆動部により回転駆動される。そして、図示しない現像バイアス電源により各現像ローラ24に現像バイアス電圧が印加される。これにより各感光ドラム1の表面に形成された静電潜像に対して各現像ローラ24の表面上に担持された各色のトナーが供給されてトナー像として現像される。
各感光ドラム1の表面は、各帯電ローラ2により所定の負極性の電位に帯電された後、レーザスキャナ3から出射されるレーザ光3aが照射されて、それぞれ静電潜像が形成される。この静電潜像は、各現像ユニット4の各現像ローラ24により反転現像されて負極性のトナーが付着され、各色のトナー像が形成される。
<中間転写ユニット>
中間転写ユニット12は、無端ベルトで構成された中間転写ベルト12aを有する。更に、中間転写ベルト12aを回転駆動する駆動回転体としての駆動ローラ12bを有する。更に、駆動ローラ12bと中間転写ベルト12aとの間に摩擦力を発生させるために中間転写ベルト12aに張力を発生させるテンション回転体としてのテンションローラ12cとを有して構成される。
中間転写ベルト12aは、駆動回転体としての駆動ローラ12bと、テンション回転体としてのテンションローラ12cとにより図1の矢印F方向に回転可能に張架されている。駆動回転体としての駆動ローラ12bは、中間転写ベルト12aに回転駆動力を伝達する。テンションローラ12cは、中間転写ベルト12aを図1の矢印E方向に張力をかけている。
中間転写ベルト12aの外周面に対向して感光ドラム1Y,1M,1C,1Kが設けられている。感光ドラム1Y,1Mは、第1、第2の像担持体として構成される。感光ドラム1M,1Cも第1、第2の像担持体として構成される。感光ドラム1C,1Kは、第2、第3の像担持体として構成される。
ここで、図2(a)に示す感光ドラム1Mを第1の像担持体とする。感光ドラム1Cを第2の像担持体とする。感光ドラム1Kを第3の像担持体とする。尚、各色の感光ドラム1の配列順序は、これに限定されるものではなく、適宜、配列順序を変更することもできる。
中間転写ベルト12aの内周面側には、各感光ドラム1に対向して各一次転写ローラ26が設けられている。中間転写ベルト12aの外周面と各感光ドラム1の表面とにより各一次転写位置27が形成されている。一次転写位置27Y,27Mは、第1、第2の転写位置として構成される。一次転写位置27M,27Cも第1、第2の転写位置として構成される。一次転写位置27C,27Kは、第2、第3の転写位置として構成される。ここで、図2(a)に示す一次転写位置27Mを第1の転写位置とする。一次転写位置27Cを第2の転写位置とする。一次転写位置27Kを第3の転写位置とする。
各一次転写ローラ26には、図示しない一次転写バイアス電源により一次転写バイアスがぞれぞれ印加される。各感光ドラム1が図1の時計回り方向に回転し、中間転写ベルト12aが図1の矢印F方向に回転し、更に、各一次転写ローラ26に正極性の一次転写バイアスを印加する。
これにより各感光ドラム1の表面上に形成されたトナー像は、イエローY色の感光ドラム1Yの表面上のトナー像から順次、中間転写ベルト12aの外周面上に一次転写される。そして、4色のトナー像が重なった状態で、中間転写ベルト12aの外周面と二次転写手段となる二次転写ローラ16とのニップ部により形成される二次転写部15まで搬送される。
画像形成装置100の下部には、記録材Sを給送する給送部13が設けられている。給送部13には、記録材Sを収容する給送カセット11が設けられている。給送カセット11は、図1の手前側に引き抜くことができるように構成されている。ユーザは、給送カセット11を図1の手前側に引き抜き、画像形成装置100の装置本体100aから取り外した後、記録材Sを給送カセット11内にセットした後、画像形成装置100の装置本体100a内に挿入することで記録材Sの補給が完了する。
給送カセット11内に収容された記録材Sは、給送ローラ9により圧接して繰り出され、分離パッド23により一枚ずつ分離されて給送される。その後、搬送ローラ10により挟持搬送されて停止したレジストローラ17にニップ部に記録材Sの先端が突き当てられて記録材Sの斜行が補正される。
その後、中間転写ベルト12aの外周面上に担持されたトナー像の画先が二次転写部15に到達するタイミングに合わせて記録材Sがレジストローラ17により挟持されて二次転写部15に搬送される。図示しない二次転写バイアス電源から二次転写ローラ16に二次転写バイアスが印加され、二次転写部15において、中間転写ベルト12aの外周面上に重畳されたトナー像が記録材Sに一括して二次転写される。二次転写後に中間転写ベルト12aの外周面上に残留した残トナーは、クリーニング手段となるクリーナ22により除去される。除去された残トナーは、図示しない廃トナー搬送路を経由して、画像形成装置100の奥側に設けられた図示しない廃トナー回収容器内に回収される。
二次転写部15の下流には、定着手段となる定着装置14が設けられている。定着装置14は、記録材S上に二次転写されたトナー像に熱及び圧力を加えて記録材Sに熱定着する。定着装置14には、加熱ユニット14aと加圧ローラ14bとが設けられている。加熱ユニット14aには、ガイド部材14cの外周を回転可能に設けられた円筒状の定着ベルト14dが設けられている。ガイド部材14cの定着ベルト14dに対向する位置には、加熱源となる図示しないヒータが設けられている。加圧ローラ14bは、弾性を有して構成され、定着ベルト14dを介在してガイド部材14cに設けられた図示しないヒータと所定の圧接力をもって所定幅の定着ニップ部19を形成している。
加圧ローラ14bが図示しない駆動源となるモータにより図1の時計回り方向に回転駆動される。これにより加圧ローラ14bに従動して定着ベルト14dが図1の反時計回り方向に回転する。そして、ガイド部材14cに設けられた図示しないヒータにより定着ベルト14dが加熱される。
定着ニップ部19が所定の温度に立ち上がって温調された状態において、未定着トナー像が形成された記録材Sが定着ニップ部19に到達する。このとき、未定着トナー像側が定着ベルト14d側に対向して定着ニップ部19に導入される。そして、定着ニップ部19において、未定着トナー像が定着ベルト14dの外周面に密着した状態で記録材Sが定着ベルト14dと加圧ローラ14bとにより挟持搬送される。
定着ニップ部19を定着ベルト14dと一緒に記録材Sが挟持搬送されていく過程において、ガイド部材14cに設けられた図示しないヒータの熱で加熱され、記録材S上の未定着トナー像が記録材Sに熱定着される。トナー像が熱定着された記録材Sは、排出ローラ20により挟持搬送されて排出トレイ21上に排出される。
<中間転写ユニットの駆動伝達装置>
次に、図2を用いて、中間転写ユニット12の駆動伝達装置28の構成について説明する。図2(a)は、中間転写ユニット12の駆動伝達装置28の構成を示す断面図である。図2(b)は、図2(a)に示された部分Gの拡大図である。図2に示す駆動伝達装置28は、中間転写ベルト12aを回転可能に張架する駆動回転体としての駆動ローラ12bと同軸上に一体的に設けられた第1の駆動伝達部材としての駆動ローラギア29を有する。
更に、駆動伝達装置28は、図示しない駆動源となるモータの駆動軸上に一体的に設けられた第2の駆動伝達部材としてのモータギア30とを有して構成されている。第2の駆動伝達部材としてのモータギア30は、図示しない駆動源となるモータからの回転駆動力を第1の駆動伝達部材としての駆動ローラギア29に伝達するために駆動ローラギア29よりも駆動伝達方向の上流(モータ側)に設けられている。
第1の駆動伝達部材としての駆動ローラギア29と、第2の駆動伝達部材としてのモータギア30とは、各々歯車で構成されている。駆動ローラギア29はモータギア30に噛合されており、図示しない駆動源となるモータからの回転駆動力がモータギア30から駆動ローラギア29に伝達されて駆動ローラ12bが回転する。第1の駆動伝達部材としての駆動ローラギア29は、駆動回転体としての駆動ローラ12bを回転させる。ここで、駆動ローラギア29の歯数は、Z1である。また、モータギア30の歯数は、Z2である。そのため駆動ローラギア29と、モータギア30との速度伝達比iは、以下の数1式で表される。
[数1]
i=Z1/Z2
中間転写ベルト12aに対して複数の像担持体としての各感光ドラム1がそれぞれ対向する複数の一次転写位置27が設けられている。ここで、図2(a)に示すように、中間転写ベルト12aに沿って隣設されたイエローY色の一次転写位置27Yと、マゼンタM色の一次転写位置27Mとの間の第1の転写間距離を転写間距離LYMという。
更に、図2(a)に示すように、中間転写ベルト12aに沿って隣設された第1の転写位置としてのマゼンタM色の一次転写位置27Mを考慮する。更に、第2の転写位置としてのシアンC色の一次転写位置27Cを考慮する。そして、一次転写位置27Mと一次転写位置27Cとの間の第1の転写間距離を転写間距離LMCという。更に、中間転写ベルト12aに沿って隣設された第2の転写位置としてのシアンC色の一次転写位置27Cと、第3の転写位置としてのブラックK色の一次転写位置27Kとの間の第2の転写間距離を転写間距離LCKという。
本実施形態では、転写間距離LYMと、転写間距離LMCを第1の転写間距離とする。転写間距離LYMと、転写間距離LMCとは、同じ距離に設定されている。また、転写間距離LCKを本実施形態では第2の転写間距離とする。第1の転写間距離と第2の転写間距離とは異なる転写間距離を有する。
中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LYM,LMCを移動する間に、駆動ローラ12bがN周回転(Nは整数)するように構成されている。ここで、駆動ローラ12bがN周回転(Nは整数)するとは、駆動ローラ12bの1周分の角度である360°×N回(Nは整数)の回転角度分だけ駆動ローラ12bが回転することを意味する。駆動回転体としての駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離をAとする。本実施形態では、図2(b)に一点鎖線で示す円32の円周が距離Aになる。
第1の転写間距離としての転写間距離LYM,LMCを、中間転写ベルト12a上の所定位置が移動する間に駆動ローラ12bが回転する回転数をN(Nは整数)とする。このとき、第1の転写間距離としての転写間距離LYM,LMCは、以下の数2式の関係に設定されている。
[数2]
YM=LMC=N×A
第1の駆動伝達部材としての駆動ローラギア29と、第2の駆動伝達部材としてのモータギア30との速度伝達比i(=Z1/Z2)を考慮する。すると、第2の転写間距離としての転写間距離LCKは、以下の数3式の関係に設定されている。
[数3]
CK=N×A±N×A/i
このように、第1の転写間距離としての転写間距離LYM,LMCと、第2の転写間距離としての転写間距離LCKとを設定する。更に、第1の駆動伝達部材としての駆動ローラギア29と第2の駆動伝達部材としてのモータギア30との速度伝達比i(=Z1/Z2)とを設定する。これにより中間転写ベルト12aに沿って隣設された各色の一次転写位置27の間の転写間距離Lが互いに異なる構成であっても画像形成装置100全体の色ずれを抑制することができる。
図2を用いて、中間転写ベルト12aの駆動伝達装置28において、具体的な数値を設定して、画像形成装置100全体の色ずれを抑制するメカニズムについて説明する。図2(a)に示す第1の転写間距離としての転写間距離LYM,LMCは、それぞれ90mmに設定されている。一方、第2の転写間距離としての転写間距離LCKは、99mmに設定されている。本実施形態では、異なる転写間距離Lのうちで、等しい転写間距離Lの数が多い方を第1の転写間距離L1に設定し、等しい転写間距離Lの数が少ない方を第2の転写間距離L2に設定した一例である。
本実施形態の駆動ローラ12bの直径は、28.5479mmで、中間転写ベルト12aの厚さは、0.1mmに設定されている。駆動ローラ12bの外周面に中間転写ベルト12aが張架された状態で、駆動ローラ12bの回転中心12b1を通り中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1までの直径Dを考慮する。この直径Dは、駆動ローラ12bの直径の28.5479mmと、中間転写ベルト12aの厚さの0.1mmの半分を2倍した0.1mmとを用いて以下の数4式で表される。
[数4]
D=28.5479mm+0.1mm=28.6479mm
ここで、駆動回転体としての駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離Aは、以下の数5式で表される。
[数5]
A=28.6479mm×π×1回転≒90mm
ここで、駆動回転体としての駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離Aを考慮する。距離Aは、駆動ローラ12bの回転中心12b1を中心とした駆動ローラ12bに巻き付いた中間転写ベルト12aの厚さの中心12a1を通る円32における周長に相当する。
図2(a)の矢印F方向に回転する中間転写ベルト12a上の所定位置がイエローY色の一次転写位置27YからマゼンタM色の一次転写位置27Mまで移動する間に駆動ローラ12bが1周回転する。同様に、中間転写ベルト12a上の所定位置がマゼンタM色の一次転写位置27MからシアンC色の一次転写位置27Cまで移動する間に駆動ローラ12bが1周回転する。
一方、第2の転写間距離としての転写間距離LCKは、99mmに設定されている。このため図2(a)の矢印F方向に回転する中間転写ベルト12aの所定位置がシアンC色の一次転写位置27CからブラックK色の一次転写位置27Kまで移動する間に、駆動ローラ12bは、1.1周回転(=99mm/90mm)する。
ここで、駆動伝達装置28に設けられる駆動ローラギア29の歯数Z1は、150歯に設定され、モータギア30の歯数Z2は、15歯に設定されている。このため駆動伝達装置28の速度伝達比i(=Z1/Z2)は、10(=150歯/15歯)である。
前述したように、転写間距離LYM,LMCを中間転写ベルト12a上の所定位置が移動する間に駆動ローラ12bと一体的に回転する駆動ローラギア29もそれぞれ1周回転する。駆動ローラギア29に噛合するモータギア30は、速度伝達比iが「10」に設定されている。このため駆動ローラギア29が1周回転するとき、モータギア30は、10周回転する。
また、転写間距離LCK(99mm)を中間転写ベルト12a上の所定位置が移動する間に駆動ローラ12bと駆動ローラギア29は、1.1周回転し、モータギア30は11周回転(1.1周回転×10)する。このとき、モータギア30は整数回転する。
<駆動伝達装置の回転ムラ>
次に、図3を用いて、駆動伝達装置28の回転ムラについて説明する。図3(a)は、本実施形態の駆動ローラギア29の単体の回転ムラと各一次転写位置27との関係を説明する図である。図2に示すモータギア30が理想的にできていて、モータギア30が設けられた図示しないモータの回転も理想的に回転していて、駆動ローラ12bの偏心も無く理想的にできていて、それ以外の構成要素も理想的にできていると仮定する。このとき、図3(a)に示すグラフは、駆動ローラギア29のみが偏心しているときの中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の回転速度変動を示している。縦軸上に示すVsは、中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の理想の規定速度を示す。
図3(a)に示す回転速度変動差ΔV29は、駆動ローラギア29のみが33μmの偏心量で偏心しているときの中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1のブラックK色の一次転写位置27Kにおける回転速度変動差である。このとき、駆動ローラギア29は、整数回転していないためブラックK色の一次転写位置27Kにおける回転速度変動差ΔV29が発生する。
図3(b)は、本実施形態のモータギア30の単体の回転ムラと各一次転写位置27との関係を説明する図である。図2に示す駆動ローラギア29が理想的にできていて、モータギア30が設けられた図示しないモータの回転も理想的に回転していて、駆動ローラ12bの偏心も無く理想的にできていて、それ以外の構成要素も理想的にできていると仮定する。このとき、図3(b)に示すグラフは、モータギア30のみが30μmの偏心量で偏心しているときの中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の回転速度変動を示している。
図2(a)に示すように、駆動ローラギア29の半径は、モータギア30の半径よりも大きい。ギアの半径が大きいと、そのギアの回転速度変動は小さい。ここで、図3(a)に示す駆動ローラギア29のみが偏心しているときの中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の回転速度変動を考慮する。更に、図3(b)に示すモータギア30のみが偏心しているときの中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の回転速度変動を考慮する。図3(a)に示す駆動ローラギア29の回転速度変動は、図3(b)に示すモータギア30の回転速度変動よりも小さい。
モータギア30のみが偏心しているときの中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1のブラックK色の一次転写位置27Kにおける回転速度変動差は、ΔV30で示される。モータギア30は、整数回転しているためブラックK色の一次転写位置27Kにおける回転速度変動差ΔV30=0である。
図3(c)は、本実施形態の駆動伝達装置28全体の回転ムラと各一次転写位置27との関係を説明する図である。図3(c)に示すグラフは、図3(a),(b)のグラフを合成したときの中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の回転速度変動を示したものである。図3(a),(b)のグラフを合成した駆動伝達装置28全体での中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1のブラックK色の一次転写位置27Kにおける回転速度変動差ΔV28=ΔV29+ΔV30となる。ΔV30=0であるためΔV28=ΔV29である。
一般的に、ギアは、ギアの基準ピッチ円の中心と、実際の回転軸のズレ(偏心)によりギアの1回転周期で回転ムラが発生する。従って、個々の駆動ローラギア29とモータギア30とで、別々の回転ムラが発生する。ここで、回転ムラとは、図3(a)〜(c)に示された各正弦波の縦軸における各回転速度変動量(ピーク・トゥ・ピーク値)である。
ギア精度は、JIS規格により決定される。モータギア30と駆動ローラギア29は、樹脂を射出成型して作成している。このためモータギア30と駆動ローラギア29は、JIS−N−10級の規格に基づいて製造されている。JIS規格では、ギアのモジュールと基準円直径に応じて、ギアの偏心量が規格化されている。ここで、偏心量とは、両歯面全かみ合い誤差をいう。
例えば、中間転写ベルト12a上の所定位置がブラックK色の一次転写位置27Kに到達するとき、図3(a)に示す駆動ローラギア29の回転速度変動の波形が縦軸上の理想の規定速度Vsになる位相に合わせることも考えられる。しかしながら実際には、ギアの回転位相は、製造上ばらつく。製品の製造過程で、ギアの回転位相を測定して合わせることは時間がかかりすぎて量産性が低下するという問題がある。
<イエロー、マゼンタ、シアン色の各一次転写位置における各ギアの回転ムラ>
<駆動ローラギア単体の回転ムラ>
駆動ローラギア29は、中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LYM,LMCをそれぞれ移動する間に駆動ローラ12bと一体的にそれぞれ1周回転する。そのため図3(a)に示すように、駆動ローラギア29は、イエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cでは同じ位相で且つ同じ振幅の変動で回転することができる。その結果、イエローY、マゼンタM、シアンC色間で、駆動ローラギア29の回転速度変動を同一にすることができる。
<モータギア単体の回転ムラ>
前述したように、中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LYM,LMCをそれぞれ移動する間にモータギア30は、それぞれ10周回転する。このとき、図3(b)に示すように、モータギア30は、イエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cで、同じ位相で且つ同じ振幅の変動で回転することができる。その結果、イエローY、マゼンタM、シアンC色間でモータギア30の回転速度変動を同一にすることができる。
図3(c)に示す駆動伝達装置28全体の回転速度変動は、図3(a)に示す駆動ローラギア29の回転速度変動と、図3(b)に示すモータギア30の回転速度変動とが合成されたものである。これにより図3(c)に示す駆動伝達装置28全体の回転速度変動は、イエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cで同一にすることができる。このためイエローY、マゼンタM、シアンC色間で色ずれが発生することはない。
<ブラック色の一次転写位置における各ギアの回転ムラ>
<駆動ローラギア単体の回転ムラ>
前述したように、転写間距離LCKは99mmである。このため転写間距離LYM,LMCの90mmとは異なっている。そのため図3(a)に示すように、中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LCKを移動する間に駆動ローラギア29は、1.1周回転するため整数回転ではない。
このため駆動ローラギア29は、ブラックK色の一次転写位置27Kと、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cとでは、回転速度変動差ΔV29が発生する。ここで、図3(a)に示す回転速度変動差ΔV29は、駆動ローラギア29のみが偏心しているときの中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1のブラックK色の一次転写位置27Kにおける回転速度変動差を示す。このため駆動ローラギア29は、ブラックK色の一次転写位置27Kと、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cとでは、同じ位相で且つ同じ振幅の変動に回転ムラを合わせることができない。
その結果、駆動ローラギア29の回転ムラによりブラックK色と、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色との間で、回転速度変動を同一にすることができない。その結果、ブラックK色と、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色との間で色ずれが発生する。
<モータギア単体の回転ムラ>
中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LCKを移動する間にモータギア30は、11周回転する。このためモータギア30は、シアンC色の一次転写位置27Cと、ブラックK色の一次転写位置27Kとでは、同じ位相で且つ同じ振幅の変動で回転することができる。そのためブラックK色と、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色との間で、モータギア30の回転ムラによる色ずれは発生しない。即ち、中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LCKを移動する間に図3(a)に示す駆動ローラギア29の回転ムラによる色ずれは発生するが、図3(b)に示すモータギア30の回転ムラによる色ずれは発生しない。
中間転写ベルト12a上の所定位置が第2の転写間距離としての転写間距離LCKを移動する間に駆動ローラギア29は、1.1周回転する。一方、中間転写ベルト12aの所定位置が第1の転写間距離としての転写間距離LYM,LMCを移動する間に駆動ローラギア29は、1周回転する。両者のずれは、0.1周回転(=1.1周回転−1周回転)である。
ここで、駆動ローラギア29のギア精度を、JIS−N−10級程度の精度に設定したとする。そのとき、ギアの累積ピッチ誤差の規格値から計算すると、駆動ローラギア29の回転ムラによる色ずれ量は、本実施形態では、およそ8μm以下になる。中間転写ベルト12aの回転速度変動は、ギア精度以外にも種々の誤差要因が積み重なる。画像形成装置100全体の色ずれの要因には、量産時に発生する位置公差や使用環境の変動による構成部品の位置ずれ、耐久要因等の様々な要因が複雑に関係している。
例えば、感光ドラム1と中間転写ベルト12aとは、別々の駆動源により回転駆動されている。このため感光ドラム1と中間転写ベルト12aとの間で速度差が生じると、感光ドラム1と中間転写ベルト12aとの間でスリップが生じ、中間転写ベルト12aの回転速度が変化する。また、感光ドラム1や中間転写ベルト12aの表面にトナー像が担持されている状態と、感光ドラム1や中間転写ベルト12aの表面にトナー像が担持されていない状態を考慮する。両者の状態では、感光ドラム1と中間転写ベルト12aとの間の摩擦力が変化して中間転写ベルト12aの回転速度が変化する。
また、二次転写部15において、別々の駆動源により回転駆動されているレジストローラ17により挟持搬送される記録材Sと中間転写ベルト12aとの間でスリップが生じ、中間転写ベルト12aの回転速度が変化する。これらの種々の要因により画像形成装置100全体の色ずれ量が100μmを超えると、ユーザが認識することができるため画像不良とみなされる。
画像不良とみなされる画像形成装置100全体の色ずれ量が100μmの中で、本実施形態の駆動伝達装置28に起因する色ずれ量は20μmである。そこで、中間転写ユニット12の駆動伝達装置28のみに起因する色ずれ量が20μm未満であれば、ギア精度以外の誤差要因が積み重なることを考慮しても画像形成装置100全体で画像不良とみなされる色ずれ量の100μmに対して小さい。このため色ずれをユーザが認識できない程度の色ずれの少ない画像形成装置100を得ることができる。
このため図3(c)に示された駆動伝達装置28全体の回転速度変動差ΔV28は、色ずれ量に換算したときに20μm未満まで許容できる。本実施形態では、回転速度変動差ΔV28は、色ずれ量に換算したときに8μmである。つまり、色ずれ量を0μmから20μm未満の範囲にすることにより色ずれの少ない画像形成装置100を提供することが可能になる。
このように、中間転写ベルト12aに沿って隣設された各色の一次転写位置27の相互間の転写間距離Lが異なっている場合を考慮する。これらの転写間距離Lと、駆動伝達装置28の速度伝達比iとを前述した関係に設定することにより駆動伝達装置28の回転速度変動を最小化することが可能となる。その結果、駆動伝達装置28の回転ムラに起因する画像形成装置100全体の色ずれを抑制することができる。
<比較例の中間転写ベルトの駆動伝達装置>
次に、図4及び図5を用いて、比較例の中間転写ベルト12aの駆動伝達装置28の構成について説明する。図4は、第1実施形態と比較例の構成の差を示す図である。図5(a)は、比較例の駆動ローラギア29の単体の回転ムラと各一次転写位置27との関係を説明する図である。図5(b)は、比較例のモータギア30の単体の回転ムラと各一次転写位置27との関係を説明する図である。図5(c)は、比較例の駆動伝達装置28全体の回転ムラと各一次転写位置27との関係を説明する図である。
図4に示すように、比較例の中間転写ユニット12と、各色の一次転写位置27と、駆動伝達装置28の駆動ローラギア29の構成は、第1実施形態と同一である。第1実施形態のモータギア30の歯数Z2は、「15」であったが、比較例のモータギア30の歯数Z2は、「25」で異なる。第1実施形態の駆動ローラギア29と、モータギア30との速度伝達比i(=Z1/Z2)は、10(=150/15)であった。比較例の駆動ローラギア29と、モータギア30との速度伝達比i(=Z1/Z2)は、6(=150/25)である。
比較例の中間転写ユニット12の構成は、図2に示した第1実施形態の中間転写ユニット12の構成と同様であり、モータギア30の歯数Z2のみが異なる。比較例では、第1実施形態に対してモータギア30の歯数Z2と、駆動ローラギア29とモータギア30の速度伝達比i(=Z1/Z2)が異なっている。
転写間距離LYMと転写間距離LMCとは、90mmに設定されている。駆動回転体としての駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離Aも90mmに設定されている。
このため転写間距離LYMと転写間距離LMCとを中間転写ベルト12a上の所定位置が移動する間に駆動ローラ12bと一体的に回転する駆動ローラギア29は、それぞれ1周回転するように設定されている。このため駆動ローラギア29は、イエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cで、同じ位相で且つ、同じ振幅の変動で回転することができる。
一方、転写間距離LCKは、99mmに設定されている。このため転写間距離LCKを中間転写ベルト12a上の所定位置が移動する間に駆動ローラ12bと一体的に回転する駆動ローラギア29は、1.1周回転(=99mm/90mm)する。
そのため駆動ローラギア29は、ブラックK色の一次転写位置27Kと、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cとで、回転速度変動差ΔV29が発生する。このため駆動ローラギア29は、ブラックK色の一次転写位置27Kと、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cとで、同じ位相で、且つ同じ振幅の変動に回転ムラを合わせることができない。
また、モータギア30の回転ムラに着目すると、駆動ローラギア29とモータギア30との速度伝達比i(=Z1/Z2)は、「6」に設定されている。このため図5(b)に示すように、転写間距離LYMと転写間距離LMCとを中間転写ベルト12a上の所定位置が移動する間にモータギア30は、それぞれ6周回転する。このとき、モータギア30は、整数回転する。このためモータギア30は、イエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cで、同じ位相で且つ、同じ振幅の変動で回転することができる。
ところが、転写間距離LCKを中間転写ベルト12a上の所定位置が移動する間にモータギア30は、6.6周回転(=1.1周回転×6)する。このとき、モータギア30の回転数は、整数回転ではない。このためブラックK色の一次転写位置27Kと、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cとで、回転速度変動差ΔV30が発生する。このためモータギア30は、ブラックK色の一次転写位置27Kと、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cとで、同じ位相で且つ、同じ振幅の変動に回転ムラを合わせることができない。
図5(c)に示す駆動伝達装置28全体の回転速度変動は、図5(a)に示す駆動ローラギア29の回転速度変動と、図5(b)に示すモータギア30の回転速度変動とが合成されたものである。このため駆動伝達装置28全体の回転速度変動は、駆動ローラギア29とモータギア30との回転ムラにより一次転写位置27Kと、一次転写位置27Y,27M,27Cとで、駆動伝達装置28全体の回転速度変動を同一にすることができない。その結果、図5(c)に示すように、駆動伝達装置28全体で非常に大きな回転速度変動差ΔV28が生じてしまう。
このとき、駆動ローラギア29とモータギア30のギア精度を、それぞれJIS−N−10級程度の精度に設定したとする。そのとき、ギアの累積ピッチ誤差の規格値から計算すると、駆動ローラギア29の回転ムラとモータギア30の回転ムラとによる色ずれ量は、30μmを超える。比較例の色ずれ量は、画像形成装置100の全体として、画像不良とみなされる色ずれ量である100μmに対して大きな割合を占めることとなる。その結果、比較例の画像形成装置100では、良好な画像を得ることができない。
第1の転写間距離としての転写間距離LYM,LMCと第2の転写間距離としての転写間距離LCKとの転写間距離差ΔLを考慮する。この転写間距離差ΔLを、中間転写ベルト12a上の所定位置が移動する間に、第2の駆動伝達部材としてのモータギア30が整数回転するように設定する。
この設定は、駆動伝達装置28の第1の駆動伝達部材としての駆動ローラギア29と、第2の駆動伝達部材としてのモータギア30との速度伝達比i(=Z1/Z2)を設定することにより行う。これにより駆動伝達装置28の回転速度変動を最小化することが可能となる。その結果、前述した第1の転写位置と、第2の転写位置と、第3の転写位置において中間転写ベルト12aに転写された転写像の位置ずれを防止することができ、画像形成装置100全体の色ずれを抑制することができる。
本実施形態では、画像形成装置100がイエローY、マゼンタM、シアンC及びブラックK色の4色のトナーを用いて画像を形成する場合の一例について説明した。他に、3色のトナーを用いて画像を形成する場合でも良い。この場合は、中間転写ベルト12aに沿って隣設される各色の一次転写位置27が3箇所で、それらの間にそれぞれ転写間距離Lを有する。
ここで、一方の転写間距離L1を、駆動回転体としての駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12a上の所定位置が移動する距離Aと、駆動ローラ12bの回転数N(Nは整数)とを用いて、「N×A」に設定する。更に、駆動ローラギア29の歯数Z1とモータギア30の歯数Z2との比からなる駆動ローラギア29とモータギア30との速度伝達比i(=Z1/Z2)を用いて、他方の転写間距離L2を「N×A+N×A/i」に設定する。
中間転写ベルト12aに沿って隣設されたマゼンタM色の一次転写位置27Mと、シアンC色の一次転写位置27Cとの間の第1の転写間距離としての転写間距離LMCは、「N×A」である。ここで、N(Nは整数)は、中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が転写間距離LMCを移動する間に駆動ローラ12bが回転する回転数であり「1」である。Aは、駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離であり90mmである。
したがって、転写間距離LMCは、「N×A」=90mm(=1×90mm)である。一方、中間転写ベルト12aに沿って隣設されたシアンC色の一次転写位置27Cと、ブラックK色の一次転写位置27Kとの間の転写間距離LCKは、「N×A+N×A/i」である。ここで、「i」は、「10」である。したがって、転写間距離LCKは、「N×A+N×A/i」=「1×90mm+1×90mm/10」=「90mm+9mm」=99mmである。
これにより色ずれを抑制した画像形成装置100を得ることができる。このように構成することで、一方の2色間で駆動ローラギア29とモータギア30との両方の回転ムラを一致させることができ、他方の2色間でモータギア30の回転ムラを一致させることができる。これにより画像形成装置100全体の色ずれを抑制することができる。
4色よりも多くの色を有する画像形成装置100で、2色以上の転写間距離Lが異なる構成においても、一方の転写間距離L1を「N×A」に設定し、他方の転写間距離L2を「N×A+N×A/i」に設定する。これにより画像形成装置100全体の色ずれを抑制することができる。
例えば、5色を有する画像形成装置100で、4つの転写間距離Lのうちで、2つの転写間距離Lが異なる場合を考慮する。その場合は、一方の2つの転写間距離L1を「N×A」に設定し、他方の2つの転写間距離L2を「N×A+N×A/i」に設定する。これにより画像形成装置100全体の色ずれを抑制することができる。
本実施形態では、一方の転写間距離L1を「N×A」に設定し、他方の転写間距離L2を「N×A+N×A/i」に設定した。転写間距離Lは、製造上、ばらつくこともある。駆動伝達装置28のギアの精度がJIS−N−10級程度である場合を考慮する。このとき、前述した「第1の転写間距離」:「第2の転写間距離」の比を考慮する。この比が、「N×A」:「N×A±N×A/i」に対して±2%程度ずれたとしても十分に画像形成装置100全体の色ずれを抑制することができる。
従って、製造上、「第1の転写間距離」:「第2の転写間距離」の比が、「N×A」:「N×A±N×A/i」に対して±2%程度ばらつく範囲であれば有効である。即ち、第1の転写間距離:第2の転写間距離の比が、「N×A」:「N×A+N×A/i」に対して±2%の範囲を有効範囲とすることができる。
駆動伝達装置28の駆動ローラギア29と、モータギア30との速度伝達比i(=Z1/Z2)を考慮する。本実施形態では、速度伝達比i=10に対して、駆動ローラギア29の歯数Z1は、「150」とし、モータギア30の歯数Z2は、「15」とした一例である。
<変形例>
本実施形態の速度伝達比i(=10)は、大きな速度伝達比iになる。このため例えば、駆動ローラギア29の歯数Z1が149(=150−1)、モータギア30の歯数Z2が15であったとしても速度伝達比i(=Z1/Z2=149/15=9.93)が大幅に変わることがない。このため十分に画像形成装置100全体の色ずれを抑制することができる。
この場合も中間転写ベルト12aに沿って隣設されたマゼンタM色の一次転写位置27Mと、シアンC色の一次転写位置27Cとの間の第1の転写間距離としての転写間距離LMCは、「N×A」である。ここで、N(Nは整数)は、中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が転写間距離LMCを移動する間に駆動ローラ12bが回転する回転数であり「1」である。「A」は、駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離であり90mmである。
したがって、転写間距離LMCは、「N×A」=「1×90mm」=90mmである。一方、中間転写ベルト12aに沿って隣設されたシアンC色の一次転写位置27Cと、ブラックK色の一次転写位置27Kとの間の転写間距離LCKは、「N×A+N×A/i」である。ここで、「i」は、「9.93」である。したがって、転写間距離LCKは、「N×A+N×A/i」=「1×90mm+1×90mm/9.93」=「90mm±9.06mm」≒99mmである。
この変形例は、駆動伝達装置28の第1の駆動伝達部材としての駆動ローラギア29と、第1の駆動伝達部材としてのモータギア30との速度伝達比i(=Z1/Z2=9.93)が小数第1位以下を有する数である。このとき、小数第1位以下を四捨五入した値(=10)を速度伝達比iとして設定する場合の一例である。
本実施形態においては、速度伝達比iの小数第1位を四捨五入して、10になったとしても良好な色ずれの範囲となる。このため速度伝達比iの有効範囲は、小数第1位を四捨五入して速度伝達比iが10となる範囲を有効な範囲とすることができる。すなわち、第1の駆動伝達部材としての駆動ローラギア29と、第2の駆動伝達部材としてのモータギア30との速度伝達比が小数第1位以下を有する数であるときを考慮する。その小数第1位を四捨五入した値を速度伝達比iとして第2の転写間距離「N×A+N×A/i」を設定することができる。
ここで、第1の転写間距離:第2の転写間距離の比が、「N×A」:「N×A+N×A/i」に対して±2%の範囲を有効範囲とする。このとき、N=1周回転、A=90mmを用いると、速度伝達比i=10のときは、第2の転写間距離としての転写間距離LCKは、「N×A+N×A/i」=「1×90mm+1×90mm/10」=99mmである。一方、速度伝達比i=9.93のときは、第2の転写間距離としての転写間距離LCKは、「N×A+N×A/i」=「1×90mm+1×90mm/9.93」=「90mm±9.06mm」=99.06mmである。
そのとき、理想の第2の転写間距離としての転写間距離LCKが、99mmに対して、変形例の転写間距離LCKが、99.06mmの場合を考慮する。この場合には、理想の第1の転写間距離:第2の転写間距離の比は、「N×A」:「N×A+N×A/i」=90mm:99mmとなり、99mm/90mm=1.1である。一方、変形例の「N×A」:「N×A+N×A/i」=90mm:99.06mmとなり、99.06mm/90mm≒1.1006である。1.1±2%は、1.078〜1.122の範囲であるため「1.1006」は有効範囲内である。
<第1の転写間距離を90mmで固定したとき>
第1の転写間距離「N×A」を90mmで固定したとき、第2の転写間距離「N×A+N×A/i」の99mmが±2%ずれたとすると、97.02mm〜100.98mmが第2の転写間距離「N×A+N×A/i」の有効範囲である。
<第2の転写間距離を99mmで固定したとき>
第2の転写間距離「N×A+N×A/i」を99mmで固定したとき、第1の転写間距離「N×A」の90mmが±2%ずれたとすると、88.2mm〜91.8mmが第1の転写間距離「N×A」の有効範囲である。
図2及び図4では、径の大きい駆動ローラギア29の歯数Z1を「150」に設定し、径の小さいモータギア30の歯数Z2を「15」に設定している。これにより中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が第1の転写間距離としての転写間距離LMCを移動する間に駆動回転体としての駆動ローラ12bが整数回転(150/15=10)する。これにより中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置の回転速度変動が各一次転写位置27で同一の回転速度変動となり各色間の色ずれがなくなる。
ここで、逆に、径の小さい駆動ローラギア29の歯数Z1を「15」に設定し、径の大きいモータギア30の歯数Z2を「150」に設定した場合を仮定する。このように歯数の関係が逆転する構成を考慮する。このとき、中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が第1の転写間距離としての転写間距離LYM,LMCを移動する場合を考慮する。その移動する間に径の小さい駆動ローラギア29が駆動回転体としての駆動ローラ12bと一体的に1周回転する。そのため径の小さい駆動ローラギア29は、整数回転する。
転写間距離LYMと転写間距離LMCとは、図2に示すと同様に90mmに設定されている。駆動回転体としての駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離Aも90mmに設定されている。これにより径の小さい駆動ローラギア29は、イエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cで同じ位相で且つ同じ振幅の変動で回転することができる。その結果、イエローY、マゼンタM、シアンC色間で径の小さい駆動ローラギア29の回転速度変動を同一にすることができる。
径の小さい駆動ローラギア29と径の大きいモータギア30との速度伝達比iは、0.1(=15/150)に設定されている。中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LYM,LMCを移動する間に径の小さい駆動ローラギア29がそれぞれ1周回転する。その間に径の大きいモータギア30が0.1(=1×0.1)周回転する。このため中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LYM,LMCを移動する間に径の大きいモータギア30は整数回転しない。
一方、転写間距離LCKは、図2に示すと同様に99mmに設定されている。このため転写間距離LCKを中間転写ベルト12a上の所定位置が移動する間に駆動ローラ12bと一体的に回転する径の小さい駆動ローラギア29は、1.1周回転(=99mm/90mm)する。そのため駆動ローラギア29は、ブラックK色の一次転写位置27Kと、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cとで、回転速度変動差ΔV29が発生する。
このため駆動ローラギア29は、ブラックK色の一次転写位置27Kと、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cとで、同じ位相で、且つ同じ振幅の変動に回転ムラを合わせることができない。また、駆動ローラギア29が1.1周回転する間に径の大きいモータギア30は0.11(=1.1×0.1)周回転する。このためブラックK色の一次転写位置27Kと、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cとで、回転速度変動差ΔV30が発生する。
このためモータギア30は、ブラックK色の一次転写位置27Kと、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cとで、同じ位相で且つ、同じ振幅の変動に回転ムラを合わせることができない。このため中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置の回転速度変動が各一次転写位置27で異なることになり各色間の色ずれが発生する。
〔第2実施形態〕
次に、図6〜図9を用いて本発明に係る画像形成装置100の第2実施形態の構成について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。図6(a)は、本実施形態の中間転写ベルト12aの駆動伝達装置28の構成を示す断面図である。図6(b)は、図6(a)に示された部分Gの拡大図である。図7(a)は、本実施形態の駆動ローラギア29の単体の回転ムラと各一次転写位置27との関係を説明する図である。図7(b)は、本実施形態の駆動ローラ前段ギア31の単体の回転ムラと各一次転写位置27との関係を説明する図である。
図8(a)は、本実施形態のモータギア30の単体の回転ムラと各一次転写位置27との関係を説明する図である。図8(b)は、本実施形態の駆動伝達装置28全体の回転ムラと各一次転写位置27との関係を説明する図である。
図9は、本実施形態の各色間の転写間距離Lを示す。更に、駆動回転体としての駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離Aを示す。更に、駆動ローラギア29の歯数Z1と、駆動ローラ前段ギア31の歯数Z3と、モータギア30の歯数Z2を示す。更に、駆動ローラギア29と駆動ローラ前段ギア31との速度伝達比i1(Z1/Z3)と、駆動ローラ前段ギア31とモータギア30との速度伝達比i2(Z3/Z2)とを示す図である。
<中間転写ユニットの駆動伝達装置>
図6及び図9に示すように、転写間距離LYM,LMCは、90mmに設定されている。また、転写間距離LCKは、99mmに設定されている。また、駆動ローラ12bの直径は、14.2239mmであり、中間転写ベルト12aの厚さは、0.1mmに設定されている。駆動ローラ12bの外周面に中間転写ベルト12aが張架された状態を考慮する。その状態で、図6(b)に示す駆動ローラ12bの回転中心12b1を通り中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1までの駆動ローラ12bの直径Dは、14.2239mm+(0.1mm/2)×2=14.3239mmになっている。
駆動ローラ12bの1周回転で中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離Aは、14.3239mm×π×1(周回転)≒45mmである。転写間距離LYM,LMC(90mm)を中間転写ベルト12a上の所定位置が移動する間に駆動ローラ12bが2周回転(=90mm/45mm)するように構成されている。一方、転写間距離LCKは、99mmに設定されている。このため転写間距離LCK(99mm)を中間転写ベルト12a上の所定位置が移動する間に駆動ローラ12bは2.2周回転(=99mm/45mm)する。
<駆動伝達装置>
次に、図6を用いて、本実施形態の駆動伝達装置28の構成について説明する。本実施形態の駆動伝達装置28は、図6(a)に示すように、駆動ローラ12bと同軸上に駆動ローラギア29が一体的に設けられている。駆動源である図示しないモータの駆動軸に一体的に設けられたモータギア30には、駆動ローラ前段ギア31が噛合されており、駆動ローラ前段ギア31に駆動ローラギア29が噛合されている。
第3の駆動伝達部材としての駆動ローラ前段ギア31は、図示しない駆動源となるモータからの回転駆動力を第1の駆動伝達部材としての駆動ローラギア29に伝達する。そのために駆動ローラ前段ギア31は、駆動ローラギア29よりも駆動伝達方向の上流(モータ側)に設けられている。更に、駆動ローラ前段ギア31は、第2の駆動伝達部材としてのモータギア30よりも駆動伝達方向の下流(モータとは反対側)に設けられている。
第1の駆動伝達部材としての駆動ローラギア29と、第2の駆動伝達部材としてのモータギア30と、第3の駆動伝達部材としての駆動ローラ前段ギア31とは各々歯車で構成されている。図9に示すように、駆動ローラギア29の歯数Z1は、150歯に設定されている。駆動ローラ前段ギア31の歯数Z3は、30歯に設定されている。このため駆動ローラギア29と駆動ローラ前段ギア31との間の速度伝達比i1(=Z1/Z3)は、5(=150/30)である。
中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LYM,LMCを移動する間に、駆動ローラ12bは、それぞれ2周回転する。このとき、駆動ローラ前段ギア31は、それぞれ10周回転(=2周回転×5)するように構成されている。
中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LCKを移動する間に、駆動ローラ前段ギア31は、11周回転(=2.2周回転×5)する。このとき、駆動ローラ前段ギア31は、整数回転する。駆動ローラ前段ギア31と、モータギア30との速度伝達比i2は、駆動ローラ前段ギア31の歯数Z3と、モータギア30の歯数Z2とを用いて2(=Z3/Z2=30/15)である。このため駆動ローラ前段ギア31が1周回転する間にモータギア30は、2周回転するように構成されている。
本実施形態では、中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LYM,LMCを移動する間に駆動ローラギア29がそれぞれ2周回転する。また、中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LCKを移動する間に駆動ローラギア29が2.2周回転する。
駆動ローラギア29と駆動ローラ前段ギア31との速度伝達比i1(=Z1/Z3=150/30)が「5」に設定されている。更に、駆動ローラ前段ギア31の駆動伝達方向の上流側(モータ側)にモータギア30が設けられている。そして、駆動ローラ前段ギア31が1周回転する間にモータギア30が2周回転する。
<イエロー、マゼンタ、シアン色のそれぞれの一次転写位置における各ギアの回転ムラ>
<駆動ローラギア単体の回転ムラ>
前述したように、中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LYM,LMCを移動する間に駆動ローラギア29がそれぞれ2周回転する。このとき、駆動ローラギア29は整数回転する。そのため図7(a)に示すように、駆動ローラギア29は、イエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cで同じ位相で且つ同じ振幅の変動で回転することができる。その結果、イエローY、マゼンタM、シアンC色間で駆動ローラギア29の回転速度変動を同一にすることができる。
<駆動ローラ前段ギア単体の回転ムラ>
駆動ローラギア29と駆動ローラ前段ギア31との速度伝達比i1(=Z1/Z3)は「5」に設定されている。中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LYM,LMCを移動する間に駆動ローラギア29がそれぞれ2周回転する。その間に駆動ローラ前段ギア31は、それぞれ10周回転する。
中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LYM,LMCを移動する間に、駆動ローラ前段ギア31が整数回転する。これにより駆動ローラ前段ギア31は、イエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cで同じ位相で且つ同じ振幅の変動で回転することができる。その結果、イエローY、マゼンタM、シアンC色間で、駆動ローラ前段ギア31の回転速度変動を同一にすることができる。
<モータギア単体の回転ムラ>
中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LYM,LMCを移動する間に、駆動ローラギア29がそれぞれ2周回転(=90mm/45mm)する。駆動ローラギア29と、駆動ローラ前段ギア31との間の速度伝達比i1(=Z1/Z3)は「5」に設定されている。更に、駆動ローラ前段ギア31と、モータギア30との間の速度伝達比i2(=Z3/Z2)は、「2」に設定されている。このため駆動ローラギア29が2周回転する間に、モータギア30は、20周回転(=2周回転×5×2)する。このとき、モータギア30は、整数回転する。
これによりモータギア30は、イエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cで、同じ位相で且つ同じ振幅の変動で回転することができる。その結果、イエローY、マゼンタM、シアンC色間でモータギア30の回転速度変動を同一にすることができる。
<駆動伝達装置全体の回転ムラ>
モータギア30と、駆動ローラ前段ギア31と、駆動ローラギア29とからなる駆動伝達装置28の回転速度変動を考慮する。駆動伝達装置28全体の回転速度変動は、図8(b)に示すように、イエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cで同一にすることができる。これによりイエローY、マゼンタM、シアンC色間で色ずれが発生することがない。
<ブラック色の一次転写位置における各ギアの回転ムラ>
次に、ブラックK色の一次転写位置27Kにおける駆動ローラギア29と、駆動ローラ前段ギア31と、モータギア30の回転ムラについて説明する。本実施形態も前記第1実施形態と同様に、転写間距離LCK(99mm)と、転写間距離LYM,LMC(90mm)とが異なっている。
<駆動ローラギア単体の回転ムラ>
中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LCKを移動する間に駆動ローラギア29は、2.2周回転(=99mm/45mm)する。このとき、駆動ローラギア29は、整数回転しない。このため駆動ローラギア29は、図7(a)に示すように、ブラックK色の一次転写位置27Kと、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cとでは、回転速度変動差ΔV29が発生する。
このため駆動ローラギア29は、ブラックK色の一次転写位置27Kと、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cとでは、同じ位相で且つ同じ振幅の変動に回転ムラを合わせることができない。その結果、駆動ローラギア29の回転ムラによりブラックK色と、その他のイエローY、マゼンタM、シアンC色との間で駆動ローラギア29の回転速度変動を同一にすることができない。この結果、ブラックK色と、その他のイエローY、マゼンタM、シアンC色との間で色ずれが発生する。
<駆動ローラ前段ギア単体の回転ムラ>
中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LCKを移動する間に駆動ローラ前段ギア31は、11周回転(=2.2周回転×5)する。このとき、駆動ローラ前段ギア31は、整数回転する。このため図7(b)に示すように、駆動ローラ前段ギア31のブラックK色の一次転写位置27Kにおける回転速度変動差ΔV31=0である。
このため駆動ローラ前段ギア31は、イエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cと、ブラックK色の一次転写位置27Kとで、同じ位相で且つ同じ振幅の変動で回転することができる。そのためブラックK色と、その他のイエローY、マゼンタM、シアンC色との間で駆動ローラ前段ギア31の回転ムラによる色ずれは発生しない。
<モータギア単体の回転ムラ>
中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LCKを移動する間にモータギア30は、22周回転(=2.2周回転×5×2)する。このとき、モータギア30は、整数回転する。このため図8(a)に示すように、モータギア30のブラックK色の一次転写位置27Kにおける回転速度変動差ΔV30=0である。このためモータギア30は、イエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cと、ブラックK色の一次転写位置27Kとで、同じ位相で且つ同じ振幅の変動で回転することができる。そのためブラックK色と、その他のイエローY、マゼンタM、シアンC色との間でモータギア30の回転ムラによる色ずれは発生しない。
<駆動伝達装置全体の回転ムラ>
図8(b)に示すように、中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LCKを移動する間では、図7(a)に示すように、駆動ローラギア29の回転ムラによる色ずれは発生する。しかし、駆動ローラギア29よりも駆動伝達方向の上流(モータ側)に設けられた駆動ローラ前段ギア31とモータギア30の回転ムラによる色ずれは発生しない。
例えば、駆動ローラギア29のギア精度をJIS−N−10級程度の精度に設定したとする。ギアの累積ピッチ誤差の規格値から計算すると、駆動ローラギア29の回転ムラによる色ずれ量は、本実施形態では、およそ8μm以下になる。ここで、中間転写ユニット12の駆動伝達装置28の駆動ローラギア29の回転ムラに起因する色ずれ量(8μm)が、画像形成装置100全体の画像不良となる色ずれ量の100μmに対して十分に小さい色ずれ量となる。このためユーザが視認できない程度の色ずれ量以下に設定することができる。
複数の一次転写位置27のうちで、隣設された一次転写位置27Y,27M,27Cの間の第1の転写間距離としての転写間距離LYM,LMCを考慮する。更に、転写間距離LYM,LMCとは異なる転写間距離を有する、隣設された一次転写位置27C,27Kの間の第2の転写間距離としての転写間距離LCKを考慮する。
そして、第1の転写間距離としての転写間距離LYM,LMCと、第2の転写間距離としての転写間距離LCKとの転写間距離差ΔLを考慮する。この転写間距離差ΔLを、中間転写ベルト12a上の所定位置が移動する間に第2の駆動伝達部材としてのモータギア30と第3の駆動伝達部材としての駆動ローラ前段ギア31とがそれぞれ整数回転するように設定される。
この設定は、第1の駆動伝達部材としての駆動ローラギア29と第3の駆動伝達部材としての駆動ローラ前段ギア31との速度伝達比i1(=Z1/Z3)を設定する。更に、第3の駆動伝達部材としての駆動ローラ前段ギア31と第2の駆動伝達部材としてのモータギア30との速度伝達比i2(=Z3/Z2)とを設定することにより行われる。
本実施形態では、駆動回転体としての駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離をAとする。更に、第1の転写間距離としての転写間距離LYM,LMCを考慮する。この距離を、中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する間に駆動回転体としての駆動ローラ12bが回転する回転数をN(Nは整数)とする。
更に、第1の駆動伝達部材としての駆動ローラギア29と第3の駆動伝達部材としての駆動ローラ前段ギア31との速度伝達比をi1(=Z1/Z3)とする。更に、第3の駆動伝達部材としての駆動ローラ前段ギア31と第2の駆動伝達部材としてのモータギア30との速度伝達比をi2(=Z3/Z2)とする。そのとき、第1の転写間距離としての転写間距離LYM,LMCを「N×A」に設定する。そして、第2の転写間距離としての転写間距離LCKを「N×A+N×A/(i1×i2)」に設定している。
中間転写ベルト12aに沿って隣設されたマゼンタM色の一次転写位置27Mと、シアンC色の一次転写位置27Cとの間の第1の転写間距離としての転写間距離LMCは、「N×A」である。ここで、N(Nは整数)は、中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が転写間距離LMCを移動する間に駆動ローラ12bが回転する回転数であり「2」である。「A」は、駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離であり「45mm」である。
したがって、転写間距離LMCは、「N×A」=「2×45mm」=90mmである。一方、中間転写ベルト12aに沿って隣設されたシアンC色の一次転写位置27Cと、ブラックK色の一次転写位置27Kとの間の転写間距離LCKは、「N×A+N×A/(i1×i2)」である。ここで、「i1×i2」は、「5×2=10」である。したがって、転写間距離LCKは、「N×A+N×A/(i1×i2)」=「2×45mm+2×45mm/10」=「90mm+9mm」=99mmである。
これにより駆動伝達装置28全体の回転速度変動を最小化することが可能となる。その結果、駆動伝達装置28の回転ムラに起因する画像形成装置100全体の色ずれを抑制することができる。第1の転写間距離としての転写間距離LYM,LMCの「N×A」を考慮する。更に、第2の転写間距離としての転写間距離LCKの「N×A+N×A/(i1×i2)」を考慮する。これらは、第1の転写間距離:第2の転写間距離の比が、「N×A」:「N×A±N×A/(i1×i2)」に対して±2%の範囲を有効範囲とすることができる。
また、第1の駆動伝達部材としての駆動ローラギア29と第3の駆動伝達部材としての駆動ローラ前段ギア31との速度伝達比(=Z1/Z3)が小数第1位以下を有する数である場合を考慮する。このとき、速度伝達比(=Z1/Z3)の小数第1位を四捨五入した値を速度伝達比i1に設定する。
更に、第3の駆動伝達部材としての駆動ローラ前段ギア31と第2の駆動伝達部材としてのモータギア30との第2の速度伝達比(=Z3/Z2)が小数第1位以下を有する数である場合を考慮する。このとき、第2の速度伝達比(=Z3/Z2)の小数第1位を四捨五入した値を第2の速度伝達比i2に設定する。これらの速度伝達比i1と第2の速度伝達比i2とを用いて第2の転写間距離としての転写間距離LCKを「N×A+N×A/(i1×i2)」に設定する。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
〔第3実施形態〕
次に、図10、図11及び図12を用いて、本発明に係る画像形成装置100の第3実施形態の構成について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。図10(a)は、本実施形態の中間転写ベルト12aの駆動伝達装置28の構成を示す断面図である。図10(b)は、図10(a)に示された部分Gの拡大図である。
図11(a)は、本実施形態の駆動ローラギア29の単体の回転ムラと各一次転写位置27との関係を説明する図である。図11(b)は、本実施形態のモータギア30の単体の回転ムラと各一次転写位置27との関係を説明する図である。図11(c)は、本実施形態の駆動伝達装置28全体の回転ムラと各一次転写位置27との関係を説明する図である。
図12は、本実施形態の各色間の転写間距離Lを示す。更に、駆動回転体としての駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離Aを示す。更に、駆動ローラギア29の歯数Z1と、モータギア30の歯数Z2と、駆動ローラギア29とモータギア30との速度伝達比i(=Z1/Z2)を示す図である。
図10及び図12に示すように、本実施形態が前記第1、第2実施形態と異なるのは、転写間距離LYM,LMCが90mmに対して、転写間距離LCKが81mmである。前記第1、第2実施形態の転写間距離LCK(99mm)は、転写間距離LYM,LMC(90mm)よりも大きい一例である。本実施形態の転写間距離LCK(81mm)は、転写間距離LYM,LMC(90mm)よりも小さい場合の一例である。
ここで、転写間距離LYM,LMC(90mm)を考慮する。更に、駆動回転体としての駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離A(90mm)を考慮する。本実施形態では、両者がそれぞれ等しい。
このため中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が転写間距離LYM,LMCを移動する間に駆動ローラギア29が1周回転する。一方、中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が転写間距離LCK(81mm)を移動する間に駆動ローラギア29が0.9周回転(=81mm/90mm)する。
また、駆動ローラギア29の歯数Z1が「150」で、モータギア30の歯数Z2が「15」である。これにより駆動伝達装置28に設けられる駆動ローラギア29とモータギア30との速度伝達比i(=Z1/Z2=150/15)は「10」に設定される。このため駆動ローラギア29が1周回転する間にモータギア30は10周回転する。
転写間距離LCK(81mm)が、転写間距離LYM,LMC(90mm)よりも小さく設定されている。ここで、転写間距離LCK(81mm)と、転写間距離LYM,LMC(90mm)との転写間距離差ΔL(=90mm−81mm=9mm)を考慮する。
この転写間距離差ΔLを、中間転写ベルト12a上の所定位置が移動する間に駆動ローラギア29が0.1周回転(=9mm/90mm)する。その間にモータギア30は1周回転(=0.1周回転×10)する。このとき、モータギア30は整数回転する。これにより前述したと同様に色ずれ低減に効果がある。
本実施形態においても前記第1実施形態と同様に、中間転写ベルト12aの厚さを0.1mmに設定する。そして、駆動ローラ12bの外周面に中間転写ベルト12aが張架された状態で、図10(b)に示す中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1までの直径Dを28.5479mmに設定している。これにより駆動回転体としての駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離Aを考慮する。このとき、中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離Aは90mmとなるように設定されている。
<イエロー、マゼンタ、シアン色のそれぞれの一次転写位置における各ギアの回転ムラ>
イエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cにおける駆動ローラギア29、モータギア30単体での回転ムラと、駆動伝達装置28全体の回転ムラについて説明する。
<駆動ローラギア単体の回転ムラ>
中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LYM,LMCを移動する間に、駆動ローラギア29は、それぞれ1周回転するように設定されている。これにより図11(a)に示すように駆動ローラギア29は、イエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cで、同じ位相で且つ同じ振幅の変動で回転することができる。その結果、イエローY、マゼンタM、シアンC色間で駆動ローラギア29の回転速度変動を同一にすることができる。
<モータギア単体の回転ムラ>
中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LYM,LMCを移動する間に、モータギア30は、それぞれ10周回転(=1周回転×10)する。この間、モータギア30は、整数回転する。これにより図11(b)に示すように、モータギア30は、イエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cで、同じ位相で且つ同じ振幅の変動で回転することができる。その結果、イエローY、マゼンタM、シアンC色間でモータギア30の回転速度変動を同一にすることができる。
<駆動伝達装置全体の回転ムラ>
その結果、図11(c)に示すように、モータギア30と駆動ローラギア29とからなる駆動伝達装置28全体の回転速度変動は、イエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cで同一にすることができる。これによりイエローY、マゼンタM、シアンC色間で色ずれが発生することがない。
<ブラック色の一次転写位置における各ギアの回転ムラ>
ブラックK色の一次転写位置27Kにおける駆動ローラギア29単体の回転ムラと、モータギア30単体の回転ムラと、駆動伝達装置28全体の回転ムラについて説明する。
<駆動ローラギア単体の回転ムラ>
本実施形態でも前記第1実施形態と同様に、転写間距離LCKが転写間距離LYM,LMCとは異なっている。そのため中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LCKを移動する間に駆動ローラギア29は0.9周回転(=81mm/90mm)しかしない。
ブラックK色の一次転写位置27Kと、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cとを考慮する。駆動ローラギア29は、図11(a)に示すように、一次転写位置27Kと、一次転写位置27Y,27M,27Cとで、同じ位相で且つ同じ振幅の変動に回転ムラを合わせることができない。
そのため駆動ローラギア29の回転ムラによりブラックK色と、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色との間で、回転速度変動差ΔV29が発生し、駆動ローラギア29の回転速度変動を同一にすることができない。その結果、ブラックK色と、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色との間で色ずれが発生する。
<モータギア単体の回転ムラ>
中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LCKを移動する間にモータギア30は、9周回転(=0.9周回転×10)する。即ち、このとき、モータギア30は、整数回転する。これによりモータギア30は、ブラックK色の一次転写位置27Kにおいて回転速度変動差ΔV30=0である。これによりモータギア30は、ブラックK色の一次転写位置27Kと、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cとで同じ位相で且つ同じ振幅の変動で回転することができる。そのためブラックK色と、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色との間でモータギア30の回転ムラによる色ずれは発生しない。
<駆動伝達装置全体の回転ムラ>
ブラックK色の一次転写位置27Kと、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色のそれぞれの一次転写位置27Y,27M,27Cとで、駆動ローラギア29の回転ムラによる色ずれは発生する。しかし、モータギア30の回転ムラによる色ずれは発生しない。図11(c)に示す駆動伝達装置28全体のブラックK色の一次転写位置27Kにおける回転速度変動差ΔV28は、図11(a)に示す回転速度変動差ΔV29と図11(b)に示す回転速度変動差ΔV30(=0)とを合成したものになる。このためΔV28=ΔV29である。
ここで、駆動ローラギア29のギア精度をJIS−N−10級程度の精度に設定したとする。このとき、ギアの累積ピッチ誤差の規格値から計算すると、駆動ローラギア29の回転ムラによる色ずれ量は、本実施形態では、およそ8μm以下になる。このため本実施形態においても中間転写ユニット12の駆動伝達装置28のみに起因する色ずれ量(8μm)が、画像形成装置100全体で種々の誤差要因が積み重なって画像不良となる色ずれ量の100μmに対して十分に小さい色ずれ量となる。これによりユーザが視認できない程度の色ずれ量まで抑制することができる。
このように、回転可能に張架された中間転写ベルト12aに対して複数の転写位置が設けられ、隣設された複数の転写間距離Lのうちで、第1の転写間距離L1と、第2の転写間距離L2とが異なる場合を考慮する。この場合に、第1の転写間距離L1と、第2の転写間距離L2との転写間距離差ΔLを中間転写ベルト12a上の所定位置が移動する。その間に中間転写ベルト12aを張架して回転駆動する第1の回転体よりも駆動伝達方向の上流の第2の回転体が整数回転するように設定する。
この設定は、前記第1の回転体と、前記第2の回転体との速度伝達比iを設定することにより行う。これにより駆動伝達装置28の回転速度変動を最小化することが可能となり、その結果、駆動伝達装置28の回転ムラに起因する色ずれ量を最小化することができる。
4色よりも多くの色を有する画像形成装置100においては、転写間距離Lが大きい方の転写間距離Lを「N×A」に設定し、転写間距離Lが小さい方を「N×A−N×A/i」に設定する。これにより画像形成装置100全体の色ずれを抑制することができる。例えば、5色を有する画像形成装置100においては、4つの転写間距離Lのうちで3つの転写間距離Lを「N×A」に設定し、他の1つの転写間距離Lを「N×A−N×A/i」に設定する。
中間転写ベルト12aに沿って隣設されたマゼンタM色の一次転写位置27Mと、シアンC色の一次転写位置27Cとの間の第1の転写間距離としての転写間距離LMCは、「N×A」である。ここで、N(Nは整数)は、中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が転写間距離LMCを移動する間に駆動ローラ12bが回転する回転数であり「1」である。「A」は、駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離であり90mmである。
したがって、転写間距離LMCは、「N×A」=「1×90mm」=90mmである。一方、中間転写ベルト12aに沿って隣設されたシアンC色の一次転写位置27Cと、ブラックK色の一次転写位置27Kとの間の転写間距離LCKは、「N×A−N×A/i」である。ここで、「i」は、「10」である。したがって、転写間距離LCKは、「N×A−N×A/i」=「1×90mm−1×90mm/10」=「90mm−9mm」=81mmである。これにより画像形成装置100全体の色ずれを抑制することができる。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
〔第4実施形態〕
次に、図13〜図16を用いて、本発明に係る画像形成装置100の第4実施形態の構成について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。図13は、紙等の記録材Sを搬送する搬送ベルトとしての静電吸着ベルト40を備えた画像形成装置100の構成を示す断面図である。
本実施形態が前記各実施形態と異なるのは、図1に示す中間転写ベルト12aを用いず、図13に示す静電吸着ベルト40に記録材Sを静電吸着させて、各色の感光ドラム1が対向する転写位置127Y,127M,127C,127Kに搬送する。そして、各色の感光ドラム1の表面に担持された各色のトナー像を記録材Sに直接、転写するものである。
<画像形成装置>
図13を用いて、搬送ベルトとしての静電吸着ベルト40に記録材Sを静電吸着させて搬送し、各色の感光ドラム1の表面に担持された各色のトナー像を記録材Sに直接、転写する画像形成装置100の構成について説明する。図13に示す画像形成装置100は、記録材Sに画像を形成するための各色のプロセスカートリッジ7が図13の上下方向に配置されている。各色のプロセスカートリッジ7は、図13の下から順にイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの各色のトナー像を形成するように4個配置されている。
各プロセスカートリッジ7は、画像形成装置100の装置本体100aに対して着脱可能に構成されており、各現像ユニット4のトナー容器6内に収容された現像剤としてのトナーの色が異なる以外は、各プロセスカートリッジ7の構成は略同一である。ブラックK色のプロセスカートリッジ7Kは、テキスト画像を印刷する機会が多い。このため他のプロセスカートリッジ7Y,7M,7Cよりも大きな容量のトナーを収容するために大容量のトナー容器6Kを備えたプロセスカートリッジ7Kとなっている。各トナー容器6内に収容されたトナーは、各現像剤塗布ローラ25により各現像ローラ24の表面に塗布される。
各プロセスカートリッジ7には、それぞれ感光ドラム1が図13の反時計回り方向に回転可能に設けられている。各感光ドラム1は、図示しない駆動モータの回転駆動力が駆動伝達手段により伝達されて回転駆動される。各感光ドラム1は、各帯電ローラ2に帯電バイアスを印加することにより、その表面が一様に帯電させられる。そして、露光手段であるレーザスキャナ3から発せられたレーザ光3aにより各感光ドラム1の表面が選択的に露光され、各感光ドラム1の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、各現像ユニット4にそれぞれ設けられた現像剤担持体としての現像ローラ24により各色のトナーが付着させられ、トナー像として現像される。
一方、給送カセット11には、紙等の記録材Sが積載して収容されている。記録材Sは、図示しない駆動モータの回転駆動力が駆動伝達手段により伝達されて所定のタイミングで駆動される給送ローラ9により給送される。給送ローラ9により給送される記録材Sは、分離パッド23により1枚ずつ分離されて給送される。
その後、搬送ローラ10により挟持搬送される記録材Sは、停止しているレジストローラ17のニップ部に先端部が突き当てられて斜行が補正される。その後、記録材Sは、レジストローラ17に挟持搬送された後、静電吸着ベルト40により静電吸着されて搬送される。静電吸着ベルト40は、記録材Sを担持して各色の転写位置127Y,127M,127C,127Kまで搬送する搬送ベルトである。静電吸着ベルト40は、駆動ローラ41とテンションローラ42とにより図13の時計回り方向に回転可能に張架されている。静電吸着ベルト40の内周面側には、各感光ドラム1に対向してそれぞれ転写手段となる転写ローラ126が設けられている。
静電吸着ベルト40は、静電吸着ベルト40の外周面が各感光ドラム1の表面に接触しながら回転駆動される。静電吸着ベルト40に静電吸着された記録材Sが各感光ドラム1の表面に接触して搬送されるとき、各転写ローラ126に転写バイアスが印加され、各感光ドラム1の表面上のトナー像が順次、記録材Sに転写されて重畳される。転写後に各感光ドラム1の表面に残留した残トナーは、各クリーニングユニット5に設けられたクリーニング手段としてのクリーニングブレード8により掻き取られて除去される。
4色のトナー像が転写された記録材Sは、定着手段としての定着装置14に搬入され、加熱ユニット14aと加圧ローラ14bとにより形成される定着ニップ部19を搬送される間に加熱及び加圧されることでトナー像が記録材Sに溶着される。その後、排出ローラ20により装置本体100aの外に設けられた排出トレイ21上に排出される。
<駆動伝達装置>
次に、図14〜図16を用いて、本実施形態の駆動伝達装置28の構成について説明する。図14(a)は、本実施形態の静電吸着ベルト40の駆動伝達装置28の構成を示す断面図である。図14(b)は、図14(a)に示された部分Gの拡大図である。図15(a)は、本実施形態の駆動ローラギア29の単体の回転ムラと各転写位置127との関係を説明する図である。図15(b)は、本実施形態のモータギア30の単体の回転ムラと各転写位置127との関係を説明する図である。図15(c)は、本実施形態の駆動伝達装置28全体の回転ムラと各転写位置127との関係を説明する図である。
図16は、本実施形態の各色間の転写間距離LYM,LMC,LCKを示す。更に、駆動ローラ41が1周回転したときに静電吸着ベルト40の厚さ方向における中心40aの所定位置が移動する距離Aを示す。更に、駆動ローラギア29の歯数Z1と、モータギア30の歯数Z2と、速度伝達比i1(=Z1/Z2)とを示す図である。
図15(a)は、静電吸着ベルト40を介在して各感光ドラム1と各転写ローラ126とが対向する各色の転写位置127Y,127M,127C,127Kにおける駆動ローラギア29単体の回転ムラを示す。図15(b)は、各色の転写位置127Y,127M,127C,127Kにおけるモータギア30単体の回転ムラを示す。図15(c)は、各色の転写位置127Y,127M,127C,127Kにおける駆動伝達装置28全体の回転ムラを示している。
前記第1実施形態では、各感光ドラム1のトナー像を中間転写ベルト12aに一次転写した後、中間転写ベルト12aから記録材Sに二次転写する際の中間転写ベルト12aの駆動伝達装置28について説明した。本実施形態では、各感光ドラム1のトナー像を静電吸着ベルト40により静電吸着された記録材Sに直接転写する際の静電吸着ベルト40の駆動伝達装置28であり、静電吸着ベルト40により搬送する記録材Sに直接転写する構成のみが異なっている。このため前記第1実施形態と重複する説明は省略する。
図15(a)〜(c)に示すように、記録材Sが各色の転写位置127Y,127M,127C,127Kに到達するときの駆動ローラギア29とモータギア30の回転ムラを考慮する。更に、静電吸着ベルト40の駆動伝達装置28全体の回転ムラを考慮する。これらは、図3(a)〜(c)に示す第1実施形態の中間転写ベルト12aが各色の一次転写位置27Y,27M,27C,27Kに到達するときの駆動ローラギア29とモータギア30と駆動伝達装置28全体の回転ムラと同様であるため重複する説明は省略する。
本実施形態においても静電吸着ベルト40に沿ったシアンC色の転写位置127CとブラックK色の転写位置127Kとの間の転写間距離LCK(99mm)を考慮する。また、静電吸着ベルト40に沿ったイエローY色の転写位置127YとマゼンタM色の転写位置127Mとの間の転写間距離LYM(90mm)を考慮する。
更に、マゼンタM色の転写位置127MとシアンC色の転写位置127Cとの間の転写間距離LMC(90mm)を考慮する。転写間距離LCK(99mm)は、転写間距離LYM(90mm)や転写間距離LMC(90mm)とは異なる。
このとき、図16に示された関係から静電吸着ベルト40上の所定位置が転写間距離LYM,LMCを移動する間に、駆動ローラ41がN周回転(Nは整数)する。このときNは1である。一方、図14(a)の矢印F方向に回転する静電吸着ベルト40上の所定位置がシアンC色の転写位置127CからブラックK色の転写位置127Kまで移動する間に、駆動ローラ41は、1.1周回転(=99mm/90mm)する。
ここで、図16に示すように、駆動伝達装置28に設けられる駆動ローラギア29の歯数Z1は、150歯に設定され、モータギア30の歯数Z2は、15歯に設定されている。このため駆動伝達装置28の速度伝達比i(=Z1/Z2)は、10(=150歯/15歯)である。駆動ローラギア29に噛合するモータギア30は、速度伝達比iが「10」に設定されている。このため駆動ローラギア29が1周回転するとき、モータギア30は、10周回転する。
また、転写間距離LCK(99mm)を静電吸着ベルト40上の所定位置が移動する間に駆動ローラ41と駆動ローラギア29は、1.1周回転し、モータギア30は11周回転(1.1周回転×10)する。このとき、モータギア30は整数回転する。
ここで、第1の転写間距離としての転写間距離LYM,LMCと第2の転写間距離としての転写間距離LCKとの転写間距離差ΔLを考慮する。この転写間距離差ΔLを、静電吸着ベルト40上の所定位置が移動する間に、第2の駆動伝達部材としてのモータギア30が整数回転するように設定する。
この設定は、駆動伝達装置28の第1の駆動伝達部材としての駆動ローラギア29と、第2の駆動伝達部材としてのモータギア30との速度伝達比i(=Z1/Z2)を設定することにより行うことができる。これにより駆動伝達装置28の回転速度変動を最小化することが可能となる。その結果、第1実施形態と同様に第1の転写位置と、第2の転写位置と、第3の転写位置において搬送ベルトとしての静電吸着ベルト40上に担持された記録材Sに転写された転写像の位置ずれを防止することができる。このため静電吸着ベルト40に沿って隣設された各色の転写位置127の間の転写間距離Lが互いに異なる構成であっても画像形成装置100全体の色ずれを抑制することができる。
静電吸着ベルト40に沿ったマゼンタM色の転写位置127Mと、シアンC色の転写位置127Cとの間の第1の転写間距離としての転写間距離LMCは、「N×A」である。ここで、N(Nは整数)は、静電吸着ベルト40の厚さ方向における中心40aの所定位置が転写間距離LMCを移動する間に駆動ローラ41が回転する回転数であり「1」である。「A」は、駆動ローラ41が1周回転したときに静電吸着ベルト40の厚さ方向における中心40aの所定位置が移動する距離であり90mmである。
したがって、転写間距離LMCは、「N×A」=「1×90mm」=90mmである。一方、静電吸着ベルト40に沿ったシアンC色の転写位置127Cと、ブラックK色の転写位置127Kとの間の転写間距離LCKは、「N×A+N×A/i」である。ここで、「i」は、「10」である。したがって、転写間距離LCKは、「N×A+N×A/i」=「1×90mm+1×90mm/10」=「90mm+9mm」=99mmである。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
〔第5実施形態〕
次に、図17〜図19を用いて、本発明に係る画像形成装置100の第5実施形態の構成について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。図17(a)は、本実施形態の中間転写ベルト12aの駆動伝達装置28の構成を示す断面図である。図17(b)は、図17(a)に示された部分Gの拡大図である。
図18(a)は、本実施形態の駆動ローラプーリ43の単体の回転ムラと各色の一次転写位置27との関係を説明する図である。図18(b)は、本実施形態のモータプーリ44の単体の回転ムラと各色の一次転写位置27との関係を説明する図である。図18(c)は、本実施形態の駆動伝達装置28全体の回転ムラと各色の一次転写位置27との関係を説明する図である。図19は、本実施形態の各色間の転写間距離Lと、駆動ローラが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心の所定位置が移動する距離Aを示す。更に、駆動ローラプーリ43の歯数Z4と、モータプーリ44の歯数Z5と、速度伝達比i3(=Z4/Z5)とを示す図である。
本実施形態では、中間転写ベルト12aの駆動伝達装置28として、図2(a)に示して前述したモータギア30と、モータギア30に噛合する駆動ローラギア29の代わりの構成を考慮する。それらは、図17(a)に示すモータプーリ44と駆動ローラプーリ43とにタイミングベルト45を張架して駆動伝達を行う構成とすることができる。
第1の駆動伝達部材としての駆動ローラプーリ43は、駆動回転体としての駆動ローラ12bと同軸上に設けられた第1のプーリとして構成される。第2の駆動伝達部材としてのモータプーリ44は、駆動源としての図示しないモータからの回転駆動力を第2のベルトとしてのタイミングベルト45を介して第1のプーリとしての駆動ローラプーリ43に伝達する第2のプーリとして構成される。
駆動ローラプーリ43は、中間転写ベルト12aが張架された駆動ローラ12bと同軸上で一体的に回転可能に構成されている。モータプーリ44は、駆動源である図示しないモータの駆動軸に一体的に設けられている。タイミングベルト45は、内周面に歯が設けられた歯付ベルトにより構成されている。モータプーリ44と駆動ローラプーリ43のそれぞれの外周面には、タイミングベルト45の内周面に設けられた歯に噛合する歯が設けられている。
図19には、中間転写ベルト12aに沿って隣設された各色の転写間距離LYM,LMC,LCKを示す。更に、図17(b)に示す駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離Aを示す。更に、駆動ローラプーリ43の歯数Z4と、モータプーリ44の歯数Z5と、速度伝達比i3(=Z4/Z5)を示している。
つまり、本実施形態では、前記第1実施形態の駆動ローラギア29とモータギア30を、駆動ローラプーリ43とモータプーリ44に置き換え、駆動ローラプーリ43とモータプーリ44とをタイミングベルト45を用いて連結した構成のみが異なっている。
図18(a)〜(c)に示すように、本実施形態の中間転写ベルト12aが各色の一次転写位置27Y,27M,27C,27Kに到達するときの駆動ローラプーリ43とモータプーリ44の回転ムラを考慮する。更に、駆動伝達装置28全体の回転ムラを考慮する。これらは、図3に示して前述した第1実施形態の駆動ローラギア29とモータギア30の回転ムラ、並びに、駆動伝達装置28全体の回転ムラと同様であるため重複する説明は省略する。尚、図18(a)に示すように、駆動ローラプーリ43単体の回転ムラによりブラックK色の一次転写位置27Kと、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色の一次転写位置27Y,27M,27Cとの間で、回転速度変動差ΔV43が発生する。
本実施形態においても中間転写ベルト12aに沿って隣設されたシアンC色の一次転写位置27CとブラックK色の一次転写位置27Kとの間の転写間距離LCK(99mm)を考慮する。更に、中間転写ベルト12aに沿って隣設されたイエローY色の一次転写位置27YとマゼンタM色の一次転写位置27Mとの間の転写間距離LYM(90mm)を考慮する。
更に、マゼンタM色の一次転写位置27MとシアンC色の一次転写位置27Cとの間の転写間距離LMC(90mm)を考慮する。転写間距離LCK(99mm)は、転写間距離LYM(90mm)や転写間距離LMC(90mm)とは異なる。
このとき、図19に示された関係から中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LYM,LMCを移動する間に、駆動ローラ12bがN周回転(Nは整数)する。ここで、Nは1である。一方、図17(a)の矢印F方向に回転する中間転写ベルト12a上の所定位置がシアンC色の一次転写位置27CからブラックK色の一次転写位置27Kまで移動する間に、駆動ローラ12bは、1.1周回転(=99mm/90mm)する。
ここで、駆動伝達装置28に設けられる駆動ローラプーリ43の外周面に設けられた歯数Z4は、150歯に設定され、モータプーリ44の外周面に設けられた歯数Z5は、15歯に設定されている。このため駆動伝達装置28の速度伝達比i3(=Z4/Z5)は、10(=150歯/15歯)である。駆動ローラプーリ43にタイミングベルト45を介して連結されたモータプーリ44は、速度伝達比i3が「10」に設定されている。このため駆動ローラプーリ43が1周回転するとき、モータプーリ44は、10周回転する。
また、転写間距離LCK(99mm)を中間転写ベルト12a上の所定位置が移動する間に駆動ローラ12bと駆動ローラプーリ43は、1.1周回転し、モータプーリ44は11周回転(1.1周回転×10)する。このとき、モータプーリ44は整数回転する。
ここで、第1の転写間距離としての転写間距離LYM,LMCと第2の転写間距離としての転写間距離LCKとの転写間距離差ΔLを考慮する。この転写間距離差ΔLを、中間転写ベルト12a上の所定位置が移動する間に、第2の駆動伝達部材としてのモータプーリ44が整数回転するように設定する。
この設定は、駆動伝達装置28の第1の駆動伝達部材としての駆動ローラプーリ43と、第2の駆動伝達部材としてのモータプーリ44との速度伝達比i3(=Z4/Z5)を設定することにより行うことができる。これにより駆動伝達装置28の回転速度変動を最小化することが可能となる。その結果、中間転写ベルト12aに沿って隣設された各色の一次転写位置27の間の転写間距離Lが互いに異なる構成であっても画像形成装置100全体の色ずれを抑制することができる。
中間転写ベルト12aに沿って隣設されたマゼンタM色の一次転写位置27Mと、シアンC色の一次転写位置27Cとの間の第1の転写間距離としての転写間距離LMCは、「N×A」である。ここで、N(Nは整数)は、中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が転写間距離LMCを移動する間に駆動ローラ12bが回転する回転数であり「1」である。「A」は、駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離であり90mmである。
したがって、転写間距離LMCは、「N×A」=「1×90mm」=90mmである。一方、中間転写ベルト12aに沿って隣設されたシアンC色の一次転写位置27Cと、ブラックK色の一次転写位置27Kとの間の転写間距離LCKは、「N×A+N×A/i3」である。ここで、「i3」は、「10」である。したがって、転写間距離LCKは、「N×A+N×A/i3」=「1×90mm+1×90mm/10」=「90mm+9mm」=99mmである。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
〔第6実施形態〕
次に、図20〜図22を用いて、本発明に係る画像形成装置100の第6実施形態の構成について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。図20(a)は、本実施形態の中間転写ベルト12aの駆動伝達装置28の構成を示す断面図である。図20(b)は、図20(a)に示された部分Gの拡大図である。
図21(a)は、本実施形態の駆動ローラ用回転ローラ46の単体の回転ムラと各一次転写位置27との関係を説明する図である。図21(b)は、本実施形態のモータローラ47の単体の回転ムラと各一次転写位置27との関係を説明する図である。図21(c)は、本実施形態の駆動伝達装置28全体の回転ムラと各一次転写位置27との関係を説明する図である。図22は、本実施形態の各色間の転写間距離Lと、駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離Aを示す。更に、駆動ローラ用回転ローラ46の外径D46と、モータローラ47の外径D47と、速度伝達比i6(=D46/D47)とを示す図である。
本実施形態では、中間転写ベルト12aの駆動伝達装置28として、図2に示して前述した第1実施形態の駆動ローラギア29とモータギア30とが噛合して連結される代わりの構成を考慮する。これらは、駆動ローラ用回転ローラ46とモータローラ47とを従動回転可能に圧接して摩擦力により駆動を伝達する構成とすることができる。
駆動回転体としての駆動ローラ12bを回転させる第1の駆動伝達部材としての駆動ローラ用回転ローラ46を考慮する。更に、駆動ローラ用回転ローラ46よりも駆動伝達方向の上流(モータ側)に設けられた第2の駆動伝達部材としてのモータローラ47を考慮する。モータローラ47は、駆動源としての図示しないモータからの回転駆動力を第1の駆動伝達部材としての駆動ローラ用回転ローラ46に伝達する。
駆動ローラ用回転ローラ46とモータローラ47とは、各々当接して従動回転するローラで構成される。駆動ローラ用回転ローラ46は、中間転写ベルト12aが張架される駆動ローラ12bと同軸上で駆動ローラ12bと一体的に回転可能に構成される。モータローラ47は、駆動源である図示しないモータの駆動軸に一体的に設けられている。
図22には、本実施形態における各色の転写間距離LYM,LMC,LCKを示す。更に、駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離Aを示す。更に、駆動ローラ用回転ローラ46の外径D46と、モータローラ47の外径D47と、駆動ローラ用回転ローラ46とモータローラ47との間の速度伝達比i6(=D46/D47)を示す。
つまり、本実施形態では、前述した第1実施形態の駆動ローラギア29とモータギア30の代わりに、駆動ローラ用回転ローラ46とモータローラ47を用いて構成したことのみが異なっている。ここで、本実施形態の駆動ローラ用回転ローラ46とモータローラ47の速度伝達比i6は、駆動ローラ用回転ローラ46の外周長P46と、モータローラ47の外周長P47とを用いて以下の数6式で求めることができる。
[数6]
i6=P46/P47
また、駆動ローラ用回転ローラ46の外周長P46と、モータローラ47の外周長P47は、駆動ローラ用回転ローラ46の外径D46と、モータローラ47の外径D47とを用いて以下の数7式で求めることができる。
[数7]
P46=D46×π
P47=D47×π
前記数7式を前記数6式に代入することで、駆動ローラ用回転ローラ46とモータローラ47の速度伝達比i6は、駆動ローラ用回転ローラ46の外径D46と、モータローラ47の外径D47とを用いて以下の数8式で求めることができる。
[数8]
i6=D46/D47
図22に示された駆動ローラ用回転ローラ46の外径D46が75mmと、モータローラ47の外径D47が7.5mmとを前記数8式に代入する。これにより駆動ローラ用回転ローラ46とモータローラ47の速度伝達比i6は、以下の数9式で求めることができる。
[数9]
i6=D46/D47
=75(mm)/7.5(mm)
=10
本実施形態の中間転写ベルト12aが各色の一次転写位置27に到達するときの駆動ローラ用回転ローラ46とモータローラ47の回転ムラを考慮する。更に、駆動伝達装置28全体の回転ムラを考慮する。これらは、図3に示して前述した第1実施形態の駆動ローラギア29とモータギア30の回転ムラ、並びに、駆動伝達装置28全体の回転ムラと同様であるため重複する説明は省略する。
尚、図21(a)に示すように、駆動ローラ用回転ローラ46単体の回転ムラによりブラックK色の一次転写位置27Kと、それ以外のイエローY、マゼンタM、シアンC色の一次転写位置27Y,27M,27Cとの間で、回転速度変動差ΔV46が発生する。
本実施形態においても中間転写ベルト12aに沿って隣設されたシアンC色の一次転写位置27CとブラックK色の一次転写位置27Kとの間の転写間距離LCK(99mm)を考慮する。更に、中間転写ベルト12aに沿って隣設されたイエローY色の一次転写位置27YとマゼンタM色の一次転写位置27Mとの間の転写間距離LYM(90mm)を考慮する。
更に、マゼンタM色の一次転写位置27MとシアンC色の一次転写位置27Cとの間の転写間距離LMC(90mm)を考慮する。転写間距離LCK(99mm)と、転写間距離LYM(90mm)や転写間距離LMC(90mm)とは異なる。
このとき、図22に示された関係から中間転写ベルト12a上の所定位置が転写間距離LYM,LMCを移動する間に、駆動ローラ12bがN周回転(Nは整数)する。ここで、Nは1である。一方、図20(a)の矢印F方向に回転する中間転写ベルト12a上の所定位置がシアンC色の一次転写位置27CからブラックK色の一次転写位置27Kまで移動する間に、駆動ローラ12bは、1.1周回転(=99mm/90mm)する。
ここで、駆動伝達装置28に設けられる駆動ローラ用回転ローラ46の外径D46は、75mmに設定され、モータローラ47の外径D47は、7.5mmに設定されている。このため駆動伝達装置28の速度伝達比i6(=D46/D47)は、10(=75mm/7.5mm)である。
駆動ローラ用回転ローラ46の外周面に外周面が圧接して従動回転可能に連結されたモータローラ47は、速度伝達比i6が「10」に設定されている。このため駆動ローラ用回転ローラ46が1周回転するとき、モータローラ47は、10周回転する。また、転写間距離LCK(99mm)を中間転写ベルト12a上の所定位置が移動する間に駆動ローラ12bと駆動ローラ用回転ローラ46は、1.1周回転し、モータローラ47は11周回転(1.1周回転×10)する。このとき、モータローラ47は整数回転する。
ここで、第1の転写間距離としての転写間距離LYM,LMCと第2の転写間距離としての転写間距離LCKとの転写間距離差ΔLを考慮する。この転写間距離差ΔLを、中間転写ベルト12a上の所定位置が移動する間に、第2の駆動伝達部材としてのモータローラ47が整数回転するように設定する。
この設定は、駆動伝達装置28の第1の駆動伝達部材としての駆動ローラ用回転ローラ46と、第2の駆動伝達部材としてのモータローラ47との速度伝達比i6(=D46/D47)を設定することにより行うことができる。これにより駆動伝達装置28の回転速度変動を最小化することが可能となる。その結果、中間転写ベルト12aに沿って隣設された各色の一次転写位置27の間の転写間距離Lが互いに異なる構成であっても画像形成装置100全体の色ずれを抑制することができる。
中間転写ベルト12aに沿って隣設されたマゼンタM色の一次転写位置27Mと、シアンC色の一次転写位置27Cとの間の第1の転写間距離としての転写間距離LMCは、「N×A」である。ここで、N(Nは整数)は、中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が転写間距離LMCを移動する間に駆動ローラ12bが回転する回転数であり「1」である。「A」は、駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離であり90mmである。
したがって、転写間距離LMCは、「N×A」=「1×90mm」=90mmである。一方、中間転写ベルト12aに沿って隣設されたシアンC色の一次転写位置27Cと、ブラックK色の一次転写位置27Kとの間の転写間距離LCKは、「N×A+N×A/i6」である。ここで、「i6」は、「10」である。したがって、転写間距離LCKは、「N×A+N×A/i6」=「1×90mm+1×90mm/10」=「90mm+9mm」=99mmである。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
A…駆動ローラ12bが1周回転したときに中間転写ベルト12aの厚さ方向における中心12a1の所定位置が移動する距離
i…駆動ローラギア29と、モータギア30との速度伝達比(Z1/Z2)
YM…中間転写ベルト12aに沿って隣設されたイエローY色の一次転写位置27Yと、マゼンタM色の一次転写位置27Mとの間の転写間距離(第1の転写間距離)
MC…中間転写ベルト12aに沿って隣設されたマゼンタM色の一次転写位置27Mと、シアンC色の一次転写位置27Cとの間の転写間距離(第1の転写間距離)
CK…中間転写ベルト12aに沿って隣設されたシアンC色の一次転写位置27Cと、ブラックK色の一次転写位置27Kとの間の転写間距離(第2の転写間距離)
N…駆動ローラ12bの回転数(Nは整数)
12a…中間転写ベルト
12b…駆動ローラ(駆動回転体)
27Y,27M…一次転写位置(第1、第2の転写位置)
27M,27C…一次転写位置(第1、第2の転写位置)
27C,27K…一次転写位置(第2、第3の転写位置)
29…駆動ローラギア(第1の駆動伝達部材)
30…モータギア(第2の駆動伝達部材)

Claims (19)

  1. 中間転写ベルトと、
    前記中間転写ベルトに対向して設けられた第1の像担持体と、
    前記中間転写ベルトに対向して設けられた第2の像担持体と、
    前記中間転写ベルトに対向して設けられた第3の像担持体と、
    前記中間転写ベルトを回転駆動する駆動回転体と、
    前記駆動回転体を回転させる第1の駆動伝達部材と、
    駆動源からの回転駆動力を前記第1の駆動伝達部材に伝達するために前記第1の駆動伝達部材よりも駆動伝達方向の上流に設けられた第2の駆動伝達部材と、
    を有する画像形成装置において、
    前記中間転写ベルトに対して前記第1の像担持体が対向する第1の転写位置と、
    前記中間転写ベルトに対して前記第2の像担持体が対向する第2の転写位置と、
    前記中間転写ベルトに対して前記第3の像担持体が対向する第3の転写位置と、
    があり、
    前記中間転写ベルトに沿って隣設された前記第1の転写位置と前記第2の転写位置との間の第1の転写間距離と、前記中間転写ベルトに沿って隣設された前記第2の転写位置と前記第3の転写位置との間の第2の転写間距離と、は異なる転写間距離を有し、
    前記駆動回転体が1周回転したときに前記中間転写ベルトの所定位置が移動する距離をAとし、前記中間転写ベルトの所定位置が前記第1の転写間距離を移動する間に前記駆動回転体が回転する回転数をN(Nは整数)とし、前記第1の駆動伝達部材と前記第2の駆動伝達部材との速度伝達比をiとしたとき、
    前記第1の転写間距離を、「N×A」に設定し、
    前記第2の転写間距離を、「N×A±N×A/i」に設定することで、前記第1の転写位置と、前記第2の転写位置と、前記第3の転写位置において前記中間転写ベルトに転写された転写像の位置ずれを防止することを特徴とする画像形成装置。
  2. 記録材を搬送する搬送ベルトと、
    前記搬送ベルトに対向して設けられた第1の像担持体と、
    前記搬送ベルトに対向して設けられた第2の像担持体と、
    前記搬送ベルトに対向して設けられた第3の像担持体と、
    前記搬送ベルトを回転駆動する駆動回転体と、
    前記駆動回転体を回転させる第1の駆動伝達部材と、
    駆動源からの回転駆動力を前記第1の駆動伝達部材に伝達するために前記第1の駆動伝達部材よりも駆動伝達方向の上流に設けられた第2の駆動伝達部材と、
    を有する画像形成装置において、
    前記搬送ベルトに担持された記録材に対して前記第1の像担持体が対向する第1の転写位置と、
    前記搬送ベルトに担持された記録材に対して前記第2の像担持体が対向する第2の転写位置と、
    前記搬送ベルトに担持された記録材に対して前記第3の像担持体が対向する第3の転写位置と、
    があり、
    前記搬送ベルトに沿って隣設された前記第1の転写位置と前記第2の転写位置との間の第1の転写間距離と、前記搬送ベルトに沿って隣設された前記第2の転写位置と前記第3の転写位置との間の第2の転写間距離と、は異なる転写間距離を有し、
    前記駆動回転体が1周回転したときに前記搬送ベルトの所定位置が移動する距離をAとし、前記搬送ベルトの所定位置が前記第1の転写間距離を移動する間に前記駆動回転体が回転する回転数をN(Nは整数)とし、前記第1の駆動伝達部材と前記第2の駆動伝達部材との速度伝達比をiとしたとき、
    前記第1の転写間距離を、「N×A」に設定し、
    前記第2の転写間距離を、「N×A±N×A/i」に設定することで、前記第1の転写位置と、前記第2の転写位置と、前記第3の転写位置において前記搬送ベルトに担持された記録材に転写された転写像の位置ずれを防止することを特徴とする画像形成装置。
  3. 中間転写ベルトと、
    前記中間転写ベルトに対向して設けられた第1の像担持体と、
    前記中間転写ベルトに対向して設けられた第2の像担持体と、
    前記中間転写ベルトに対向して設けられた第3の像担持体と、
    前記中間転写ベルトを回転駆動する駆動回転体と、
    前記駆動回転体を回転させる第1の駆動伝達部材と、
    駆動源からの回転駆動力を前記第1の駆動伝達部材に伝達するために前記第1の駆動伝達部材よりも駆動伝達方向の上流に設けられた第2の駆動伝達部材と、
    前記駆動源からの回転駆動力を前記第1の駆動伝達部材に伝達するために前記第1の駆動伝達部材よりも駆動伝達方向の上流で、前記第2の駆動伝達部材よりも駆動伝達方向の下流に設けられた第3の駆動伝達部材と、
    を有する画像形成装置において、
    前記中間転写ベルトに対して前記第1の像担持体が対向する第1の転写位置と、
    前記中間転写ベルトに対して前記第2の像担持体が対向する第2の転写位置と、
    前記中間転写ベルトに対して前記第3の像担持体が対向する第3の転写位置と、
    があり、
    前記中間転写ベルトに沿って隣設された前記第1の転写位置と前記第2の転写位置との間の第1の転写間距離と、前記中間転写ベルトに沿って隣設された前記第2の転写位置と前記第3の転写位置との間の第2の転写間距離と、は異なる転写間距離を有し、
    前記駆動回転体が1周回転したときに前記中間転写ベルトの所定位置が移動する距離をAとし、前記中間転写ベルトの所定位置が前記第1の転写間距離を移動する間に前記駆動回転体が回転する回転数をN(Nは整数)とし、前記第1の駆動伝達部材と前記第3の駆動伝達部材との速度伝達比をi1とし、前記第3の駆動伝達部材と前記第2の駆動伝達部材との速度伝達比をi2としたとき、
    前記第1の転写間距離を、「N×A」に設定し、
    前記第2の転写間距離を、「N×A±N×A/(i1×i2)」に設定することで、前記第1の転写位置と、前記第2の転写位置と、前記第3の転写位置において前記中間転写ベルトに転写された転写像の位置ずれを防止することを特徴とする画像形成装置。
  4. 記録材を搬送する搬送ベルトと、
    前記搬送ベルトに対向して設けられた第1の像担持体と、
    前記搬送ベルトに対向して設けられた第2の像担持体と、
    前記搬送ベルトに対向して設けられた第3の像担持体と、
    前記搬送ベルトを回転駆動する駆動回転体と、
    前記駆動回転体を回転させる第1の駆動伝達部材と、
    駆動源からの回転駆動力を前記第1の駆動伝達部材に伝達するために前記第1の駆動伝達部材よりも駆動伝達方向の上流に設けられた第2の駆動伝達部材と、
    前記駆動源からの回転駆動力を前記第1の駆動伝達部材に伝達するために前記第1の駆動伝達部材よりも駆動伝達方向の上流で、前記第2の駆動伝達部材よりも駆動伝達方向の下流に設けられた第3の駆動伝達部材と、
    を有する画像形成装置において、
    前記搬送ベルトに担持された記録材に対して前記第1の像担持体が対向する第1の転写位置と、
    前記搬送ベルトに担持された記録材に対して前記第2の像担持体が対向する第2の転写位置と、
    前記搬送ベルトに担持された記録材に対して前記第3の像担持体が対向する第3の転写位置と、
    があり、
    前記搬送ベルトに沿って隣設された前記第1の転写位置と前記第2の転写位置との間の第1の転写間距離と、前記搬送ベルトに沿って隣設された前記第2の転写位置と前記第3の転写位置との間の第2の転写間距離と、は異なる転写間距離を有し、
    前記駆動回転体が1周回転したときに前記搬送ベルトの所定位置が移動する距離をAとし、前記搬送ベルトの所定位置が前記第1の転写間距離を移動する間に前記駆動回転体が回転する回転数をN(Nは整数)とし、前記第1の駆動伝達部材と前記第3の駆動伝達部材との速度伝達比をi1とし、前記第3の駆動伝達部材と前記第2の駆動伝達部材との速度伝達比をi2としたとき、
    前記第1の転写間距離を、「N×A」に設定し、
    前記第2の転写間距離を、「N×A±N×A/(i1×i2)」に設定することで、前記第1の転写位置と、前記第2の転写位置と、前記第3の転写位置において前記搬送ベルトに担持された記録材に転写された転写像の位置ずれを防止することを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記第1の転写位置は、前記第1の像担持体に担持された現像剤像を、前記中間転写ベルトに転写する位置であり、
    前記第2の転写位置は、前記第2の像担持体に担持された現像剤像を、前記中間転写ベルトに転写する位置であり、
    前記第3の転写位置は、前記第3の像担持体に担持された現像剤像を、前記中間転写ベルトに転写する位置であることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の画像形成装置。
  6. 前記第1の転写位置は、前記第1の像担持体に担持された現像剤像を、前記搬送ベルトに担持された記録材に転写する位置であり、
    前記第2の転写位置は、前記第2の像担持体に担持された現像剤像を、前記搬送ベルトに担持された記録材に転写する位置であり、
    前記第3の転写位置は、前記第3の像担持体に担持された現像剤像を、前記搬送ベルトに担持された記録材に転写する位置であることを特徴とする請求項2または請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 前記異なる転写間距離のうちで、等しい転写間距離の数が多い方を前記第1の転写間距離に設定し、
    等しい転写間距離の数が少ない方を前記第2の転写間距離に設定したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記中間転写ベルトは、少なくとも前記中間転写ベルトに回転駆動力を伝達する前記駆動回転体と、前記駆動回転体と前記中間転写ベルトとの間に摩擦力を発生させるために前記中間転写ベルトに張力を発生させるテンション回転体とにより回転可能に張架されており、
    前記駆動回転体が1周回転したときに前記中間転写ベルトが移動する距離Aは、前記駆動回転体の回転中心を中心とした前記駆動回転体に巻きついた前記中間転写ベルトの厚さの中心を通る円における周長であることを特徴とする請求項1、3、5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記搬送ベルトは、少なくとも前記搬送ベルトに回転駆動力を伝達する前記駆動回転体と、前記駆動回転体と前記搬送ベルトとの間に摩擦力を発生させるために前記搬送ベルトに張力を発生させるテンション回転体とにより回転可能に張架されており、
    前記駆動回転体が1周回転したときに前記搬送ベルトが移動する距離Aは、前記駆動回転体の回転中心を中心とした前記駆動回転体に巻きついた前記搬送ベルトの厚さの中心を通る円における周長であることを特徴とする請求項2,4、6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記第1の駆動伝達部材と、前記第2の駆動伝達部材とは、各々歯車で構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  11. 前記第1の駆動伝達部材と、前記第2の駆動伝達部材と、前記第3の駆動伝達部材とは、各々歯車で構成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
  12. 前記第1の駆動伝達部材は、前記駆動回転体と同軸上に設けられた第1のプーリで構成され、
    前記第2の駆動伝達部材は、前記駆動源からの回転駆動力を第2のベルトを介して前記第1のプーリに伝達する第2のプーリで構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  13. 前記第1の駆動伝達部材と、前記第2の駆動伝達部材とは、各々当接して従動回転するローラで構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  14. 前記第1の転写間距離:前記第2の転写間距離の比が、「N×A」:「N×A±N×A/i」に対して±2%の範囲を有効範囲としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  15. 前記第1の転写間距離:前記第2の転写間距離の比が、「N×A」:「N×A±N×A/(i1×i2)」に対して±2%の範囲を有効範囲としたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
  16. 前記第1の駆動伝達部材と前記第2の駆動伝達部材との速度伝達比が小数第1位以下を有する数であるとき、前記小数第1位を四捨五入した値を速度伝達比iとして、前記第2の転写間距離「N×A±N×A/i」を設定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  17. 前記第1の駆動伝達部材と前記第3の駆動伝達部材との速度伝達比が小数第1位以下を有する数であるとき、前記速度伝達比の小数第1位を四捨五入した値を速度伝達比i1とし、前記第3の駆動伝達部材と前記第2の駆動伝達部材との第2の速度伝達比が小数第1位以下を有する数であるとき、前記第2の速度伝達比の小数第1位を四捨五入した値を第2の速度伝達比i2として、前記第2の転写間距離「N×A±N×A/(i1×i2)」を設定したことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
  18. 前記第1の駆動伝達部材は、前記駆動回転体と同軸上に設けられたことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  19. 前記駆動回転体は、駆動ローラであり、前記テンション回転体は、テンションローラで構成されたことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の画像形成装置。
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