JP3935778B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にカラー複写機、カラープリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、複写機、プリンタ等の画像形成装置はフルカラーが主流となっている。また、フルカラー画像を得る画像形成方式において、画像形成時間が短いタンデム方式を採用したものが多く出現している。このタンデム方式の装置では、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの作像部で形成したトナー像を順次記録媒体もしくは中間転写体に重ね転写して得るため、フルカラー画像を短時間で得られるものである。
【0003】
ところで、上記した画像形成装置の多くは像担持体として感光体ドラムを使用し、その駆動がギヤを介して行っている。このとき使用されるギヤは、樹脂の成形ギヤであり、ギヤ自身には成形によるバラツキや金型の誤差で必ず全ピッチ噛み合い誤差が生じてしまう。さらに、感光体ドラムに固定されるドラム駆動ギヤ従動と見た場合、それと噛み合う駆動元ギヤにも全ピッチ噛み合い誤差が生じている。このような誤差を含んでいるギヤ同士の噛み合いは、駆動元ギヤの回転ムラとドラム駆動ギヤの回転ムラが感光体ドラムの速度ムラとして影響してしまう。
【0004】
かかる感光体ドラムの速度ムラは、さほど大きなものでなく、したがって単色の画像形成装置では画像品質上の大きな問題に至っていない。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記したタンデム方式の画像形成装置では4色の画像を重ね転写するため、上記した速度ムラによる色のずれが生じてしまうと、僅かなずれでも人の目で敏感に感知してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記した従来の問題に鑑み、ギヤによる駆動伝達で発生する像担持体の速度ムラを抑えて良好な画像品質の画像形成装置を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、像担持体に固定された像担持体駆動ギヤと駆動元ギヤの噛み合いにより像担持体へ駆動が伝達される画像形成装置において、前記像担持体駆動ギヤの径が前記駆動元ギヤの径よりも大径であるとともに、当該像担持体駆動ギヤのギヤウェッブには前記駆動元ギヤの回転速度変動を打ち消すことにより像担持体の回転速度変動を低減する穴が設けられており、該穴は前記像担持体駆動ギヤと前記駆動元ギヤのギヤ比と同数設けられていることを特徴とする画像形成装置を提案する。
【0008】
また、上記課題を解決するため、本発明は、像担持体に固定された像担持体駆動ギヤと駆動元ギヤの噛み合いにより像担持体へ駆動が伝達される画像形成装置において、前記像担持体駆動ギヤの径が前記駆動元ギヤの径よりも大径であるとともに、当該像担持体駆動ギヤのギヤウェッブには前記駆動元ギヤの回転速度変動を打ち消すことにより像担持体の回転速度変動を低減するリブが設けられており、該リブは前記像担持体駆動ギヤと前記駆動元ギヤのギヤ比と同数設けられていることを特徴とする画像形成装置を提案する。
【0010】
なお、本発明は、前記像担持体駆動ギヤと駆動元ギヤが樹脂の成形品であり、前記穴が前記ギヤ比に同数のゲート数に設定した金型で成形することによって形成された窪みであると、効果的である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置としてのカラーレーザプリンタを示す概略図である。
【0012】
図1において、カラーレーザプリンタは装置本体1の下部に給紙部2が配置され、その上方に作像部3を配置した構成となっている。作像部3には、給紙側を下で、排紙側を上となるように傾斜して配置された転写ベルト装置が設けられている。転写ベルト装置は、複数のローラ11、本例では4個のローラ11に巻き掛けられたエンドレスの転写ベルト12を有し、その1つのローラ11が図示していない駆動源に駆動されることにより、転写ベルト12は矢印に示す反時計方向に回転される。この転写ベルト12の上部走行辺には、下から順にマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、黒(Bk)用の4つの作像ユニット4M,4C,4Y,4Bkが並列配置されている。
【0013】
各作像ユニット4M,4C,4Y,4Bkは、像担持体としての感光体ドラム5が設けられ、該感光体ドラム5は後述する駆動装置によって時計方向へ回転駆動される。感光体ドラム5の回りには、帯電手段としての帯電ロール6、光書込み装置8によってレーザ光による書込みが行われる光書込み部、現像手段として現像装置10、クリーニング手段としてクリーニング装置9が設けられている。現像装置10は、トナーとキャリアからなる2成分現像装置であって、消費されたトナー量に応じた図示していないトナー補給装置によりトナーが補給される。
【0014】
次に、図1に示すカラープリンタのフルカラープリントを行う作像動作について説明する。
各作像ユニットは、帯電ロール6によって帯電された感光体ドラム5には、図示していないLD(レーザダイオード)を駆動してレーザ光をポリゴンミラー8aに照射し、シリンダーレンズ等を介して反射光を感光体ドラム5上に導く光書込み装置8により、各色のトナーで現像する光像の光書込みが行われる。この書込みにより感光体ドラム5上にはパソコン等のホストマシーンより送られた画像データに基づいた静電潜像が形成され、該潜像は現像装置10によってトナーの可視像となる。
【0015】
一方、給紙部2からは転写材として指定された用紙が給紙され、給紙された用紙は転写ベルト12の搬送方向上流側に設けられたレジストローラ13に一旦突き当てられた後、上記可視像に同期するようにして転写ベルト12上に給送され、該ベルトの走行により感光体ドラム5に対向する転写位置に到る。この転写位置では、転写ベルト12の裏面側に配置された転写ロール14の作用により最初にマゼンタトナーの可視像が用紙に転写される。
【0016】
上記と同様にして、他の作像ユニット4C,4Y,4Bkにおいてもそれぞれの感光体ドラム5の表面に各トナーによる可視像が形成され、これら可視像は転写ベルト12によって搬送される用紙が各転写位置に到来するごとに重ね転写される。したがって、本カラープリンタはタンデムタイプの利点であるフルカラーの画像が短時間で用紙に重ね転写される。転写後の用紙は、転写ベルト12から分離されて、定着装置15により定着される。定着を終えた用紙は、通常、そのまま機外に排紙されるか、このとき用紙は反転されて装置本体1の上面に設けられた排紙トレイ16に裏面排紙される。
【0017】
次に、図2を用いて本発明の駆動装置について説明する。
図2において、本実施形態の感光体ドラム駆動装置は3個のカラードラムを駆動するカラードラム用モータ20と、黒ドラム用モータ30とを具備している。各感光体ドラム5には、同軸上に像担持体駆動ギヤとしてのドラム駆動ギヤ40M,40C,40Y,40Bkが固定されている。カラードラム用モータ20は、その駆動軸に出力ギヤ21が固定され、この出力ギヤ21はドラム駆動ギヤ40M,40Cと噛み合っている。そして、ドラム駆動ギヤ40Cは中間ギヤ22を介してドラム駆動ギヤ40Yと噛み合い、これにてカラードラム用モータ20によってカラードラム40M,40C,40Yが回転駆動される。また、黒ドラム用モータ30はその駆動軸に固定された出力ギヤ31がドラム駆動ギヤ40Bkと噛み合っている。
【0018】
このように駆動される感光体ドラム5は、ギヤの噛み合いによって駆動されるため、噛み合い誤差により駆動される感光体ドラム5に回転ムラが生ずる。これを図3の例で説明すると、図3ではドラム駆動ギヤ40が駆動元ギヤ41より大径で、ドラム駆動ギヤ40と駆動元ギヤ41とのギヤ比が4:1の関係にある。このドラム駆動ギヤ40と駆動元ギヤ41は、それぞれ周期性を持ったギヤ噛み合い誤差を有し、図4は縦軸に速度変位量、横軸にドラムギヤ回転角を取った速度ムラを示すグラフである。図4のグラフにおいて、ドラム駆動ギヤ40の1回転あたりに生ずる噛み合い誤差は符号Aで示す周期であり、これに対し駆動元ギヤ41の噛み合い誤差はドラム駆動ギヤ40の1回転に4回転するため、図4のBで示すように4周期分現れる。この2つギヤによる噛み合い誤差は、実際の感光体ドラム5に乗ってしまい、感光体ドラム5に図4のCで示す回転ムラが生じてしまう。
【0019】
そこで、本発明の図5に示す例では、ドラム駆動ギヤ40のウェッブ42の面に形成した等間隔の4個の穴43によりなり、穴43はギヤ比と同数形成している。このように構成することで、ドラム駆動ギヤ40の噛み合い誤差が図6のA´のように形成される。そして、駆動元ギヤ41の噛み合い誤差の位相を、図6のB´のように変位させ、ドラム駆動ギヤ40と駆動元ギヤ41の噛み合い誤差が互いに打ち消し合う位置に組み付けることにより、感光体ドラム5の回転ムラが図6のC´に示すように大幅に小さくすることができる。すなわち、感光体ドラム5の回転ムラは図4に示すように、速度変位量がほぼ−2≦C≦2の範囲であったが、本発明では図6に示すように、速度変位量がほぼ−1≦C´≦1の範囲に収まった。
【0020】
図7は、本発明の他の実施形態であり、本例ではドラム駆動ギヤ40のウェッブ42の面に4本の放射方向に延びるリム45を形成している。このリム45も、上記穴43と同様に等間隔、すなわち90度間隔に形成している。このようにドラム駆動ギヤ40にギヤ比と同数のリブ45を形成して構成することもできる。しかも、ウェッブ42に設けたリム45はギヤの強度を増し、より安定して感光体を回転駆動することができるという副的な効果が得られる。なお、図5及び図7において、符号44は穴43もしくはリブ45の影響によるギヤピッチ円変形曲線を示している。
【0021】
また、ドラムギヤ比と同数の回転速度変動を低減する手段を形成する方法としては、上記実施形態で説明した穴43は窪みであってもよく、さらにはドラム駆動ギヤ40が樹脂の成形品である場合、その金型のゲートはウェッブに設けており、このゲートをギヤ比と同数として等間隔に設置する。このように構成された金型で作られたドラム駆動ギヤ40も該ギヤにギヤ比と同数の回転速度変動を低減する手段を形成することができる。
【0023】
【発明の効果】
請求項1及び2の構成によれば、像担持体の噛み合い誤差による回転ムラが抑えることができ、カラー画像形成装置では色ずれの抑えた高画質の画像形成装置を提供することができる。
【0026】
請求項の構成によれば、請求項1の効果に加えて、像担持体の回転ムラを簡単な構成で低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置としてのカラーレーザプリンタを示す全体概略図である。
【図2】図1のカラーレーザプリンタの感光体駆動部を示す説明図である。
【図3】ドラム駆動ギヤと駆動元ギヤの噛み合いを示す説明図である。
【図4】図3のギヤにおける噛み合い誤差による速度ムラの周期を示すグラフである。
【図5】ドラム駆動ギヤの一実施形態を示す説明図である。
【図6】本発明のギヤにおける噛み合い誤差による速度ムラの周期を示すグラフである。
【図7】ドラム駆動ギヤの他の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
5 感光体ドラム
40 ドラム駆動ギヤ
41 駆動元ギヤ
42 ギヤウェッブ
43 穴
45 リム

Claims (3)

  1. 像担持体に固定された像担持体駆動ギヤと駆動元ギヤの噛み合いにより像担持体へ駆動が伝達される画像形成装置において、
    前記像担持体駆動ギヤの径が前記駆動元ギヤの径よりも大径であるとともに、当該像担持体駆動ギヤのギヤウェッブには前記駆動元ギヤの回転速度変動を打ち消すことにより像担持体の回転速度変動を低減する穴が設けられており、
    該穴は前記像担持体駆動ギヤと前記駆動元ギヤのギヤ比と同数設けられていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 像担持体に固定された像担持体駆動ギヤと駆動元ギヤの噛み合いにより像担持体へ駆動が伝達される画像形成装置において、
    前記像担持体駆動ギヤの径が前記駆動元ギヤの径よりも大径であるとともに、当該像担持体駆動ギヤのギヤウェッブには前記駆動元ギヤの回転速度変動を打ち消すことにより像担持体の回転速度変動を低減するリブが設けられており、
    該リブは前記像担持体駆動ギヤと前記駆動元ギヤのギヤ比と同数設けられていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記像担持体駆動ギヤと駆動元ギヤが樹脂の成形品であり、前記穴が前記ギヤ比に同数のゲート数に設定した金型で成形することによって形成された窪みであることを特徴とする画像形成装置。
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