JP2020143516A - 防食施工方法およびその方法において用いられる薄板 - Google Patents

防食施工方法およびその方法において用いられる薄板 Download PDF

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Abstract

【課題】保護カバーを確実に締結して固定でき、締結時にフランジ部近傍が折曲変形して隙間が生じることがなく、さらに、波や漂流物の衝撃による悪影響を受け難い防食施工方法の提供。【解決手段】海洋構造物の鋼管杭1の飛沫帯等に防錆層3、プラスチック層5および保護層7を含む防食層を形成して防食する防食施工方法であって、保護層は薄板72からなり、薄板72はその両端の接合部710,720とそれ以外の本体部711とからなり、接合部710,720は本体部711と繋がっており、接合部710,720は薄板72を保護層としてプラスチック層5の外周側に配置した場合に鋼管杭1の断面の半径方向と平行になる平面部と斜面部とを備え、2つの接合部710,720の各々における平面部同士を向き合わせ、それらをネジで貫いて締めて保護層を固定する。【選択図】図1

Description

本発明は防食施工方法およびその方法において用いられる薄板に関する。
海洋構造物の鋼管杭の飛沫帯や干満帯は腐食の進行が早いため、表面に防食層を形成し、さらに耐食性金属等からなる保護層等を形成する防食施工方法が適用される場合がある。また、そのような防食施工方法における保護層(保護カバー)の固定方法として、フランジタイプおよびフランジレスタイプが挙げられる。
前者のフランジタイプは締結しやすいため保護層を固定しやすいものの、波や漂流物がフランジ部へ衝突してフランジ部が破損する場合があった。また、フランジ部においてボルトとナットによって保護層を締め付け固定すると、フランジ部がハの字形に開いてしまい、それに伴って保護層(保護カバー)におけるフランジ部の近傍が変形し、保護層の内側に隙間が生じ、その隙間から海水等が侵入したり、フランジ部の基部が防食材(防錆層)を傷つけたりし、防食機能が低下する場合があった。
これに関連して特許文献1には、縦に二つ割りのカバー本体の外向きフランジ部どおしをボルト止めすることによって鋼管等の金属管外面に施工した防食材を保護する保護カバーにおいて、上記カバー本体の肉厚を上記フランジ部に近付くにつれて次第に厚肉に形成したことを特徴とする鋼管等の防食被覆材保護カバーが記載されている。そして、このような保護カバーは、カバー本体の肉厚をフランジ部に近付く程次第に厚肉としたことにより、カバー本体の腹部に近付くにつれて柔軟性が増すので、フランジ部を互いに強くボルト締めしても、従来のようにフランジ部近傍が折曲変形して隙間が生じるようなことがないから、鋼管に対する密着が極めて良好であると記載されている。
このような特許文献1に記載の方法によれば、フランジ部近傍が折曲変形して隙間が生じることを回避できる可能性はある。しかし、波や漂流物がフランジ部へ衝突することによるフランジ部の破損が生じる可能性はある。
一方、後者のフランジレスタイプでは、波や漂流物が衝突することによる悪影響は回避できるものの、高波力に対し保護層を確実に固定することが困難である。フランジレスタイプの従来法として、特許文献2に記載の方法が挙げられる。
実開昭62−190746号公報 特開2013−87539号公報
上記のように、従来、保護層(保護カバー)を確実に締結して固定でき、締結時にフランジ部近傍が折曲変形して隙間が生じることがなく、さらに、波や漂流物が衝突することによる悪影響を受け難い防食施工方法は提供されていなかった。
本発明者は鋭意検討し、上記課題を解決する方法を見出し、本発明を完成させた。
本発明は次の(1)〜(6)である。
(1)海洋構造物の鋼管杭の飛沫帯・干満帯の外周面に、防錆層、プラスチック層および保護層を含む防食層を形成して防食する防食施工方法であって、
前記鋼管杭の外周面に防錆層を密着させて形成する防錆層形成工程と、
前記防錆層の外周側にプラスチック層を形成するプラスチック層形成工程と、
前記プラスチック層の外周側に、保護層を形成する保護層形成工程と、
を備え、
前記保護層は耐食性金属製またはプラスチック製の薄板からなり、
前記薄板はその両端の接合部とそれ以外の本体部とからなり、前記接合部は前記本体部と繋がっていて、これらは一体に構成されており、
前記接合部は、前記薄板を前記保護層として前記プラスチック層の外周側に配置した場合に前記鋼管杭の長手方向と垂直方向での断面の半径方向と平行になる平面部と、前記断面において前記平面部における前記鋼管杭から最も離れた位置に配置される端部から前記本体部の外面に伸びる斜面部とを備え、前記本体部と前記斜面部との接点は繋がっていて、前記断面における前記接合部の内部には空間が存在しており、
前記保護層形成工程では、2つの前記接合部の各々における前記平面部同士を向き合わせ、それらをネジで貫いて締めて前記保護層を固定する、防食施工方法。
(2)前記保護層形成工程において、前記平面部同士を向き合わせ、それらの間に弾性体を挟み、それらをネジで貫いて締めて前記保護層を固定する、上記(1)に記載の防食施工方法。
(3)前記薄板が耐食性金属製であり、その両端が外向きに折り返され、その最先端部が前記薄板の外面に固定されてなる前記接合部を有する、上記(1)または(2)に記載の防食施工方法。
(4)予め前記接合部が形成された2つの前記薄板を用いて保護層を形成する、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の防食施工方法。
(5)前記薄板の厚さ0.3〜3mmである、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の記載の防食施工方法。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の防食施工方法において保護層として用いられる薄板。
本発明によれば、保護層(保護カバー)を確実に締結して固定でき、締結時にフランジ部近傍が折曲変形して隙間が生じることがなく、さらに、波や漂流物が衝突することによる悪影響を受け難い防食施工方法およびその方法において用いる薄板を提供することができる。
海洋構造物の鋼管杭の飛沫体・干満体の外周面に、本発明の防食施工方法を施した状態を示す概略図である。 図1におけるA−A線断面図(概略図)である。 弾性体を有しない場合におけるA−A線断面図(概略図)である。 図1〜3における薄板を示す断面図(概略図)である。
本発明について説明する。
本発明は、海洋構造物の鋼管杭の飛沫帯・干満帯の外周面に、防錆層、プラスチック層および保護層を含む防食層を形成して防食する防食施工方法であって、前記鋼管杭の外周面に防錆層を密着させて形成する防錆層形成工程と、前記防錆層の外周側にプラスチック層を形成するプラスチック層形成工程と、前記プラスチック層の外周側に、保護層を形成する保護層形成工程と、を備え、前記保護層は耐食性金属製またはプラスチック製の薄板からなり、前記薄板はその両端の接合部とそれ以外の本体部とからなり、前記接合部は前記本体部と繋がっていて、これらは一体に構成されており、前記接合部は、前記薄板を前記保護層として前記プラスチック層の外周側に配置した場合に前記鋼管杭の長手方向と垂直方向での断面の半径方向と平行になる平面部と、前記断面において前記平面部における前記鋼管杭から最も離れた位置に配置される端部から前記本体部の外面に伸びる斜面部とを備え、前記本体部と前記斜面部との接点は繋がっていて、前記断面における前記接合部の内部には空間が存在しており、前記保護層形成工程では、2つの前記接合部の各々における前記平面部同士を向き合わせ、それらをネジで貫いて締めて前記保護層を固定する、防食施工方法である。
本発明の防食施工方法を施した後の鋼管杭(防食被覆体)について、具体例(図1〜図4)を挙げて説明する。
図1は海洋構造物の鋼管杭1の飛沫帯・干満帯に、本発明の防食施工方法を施した状態を示す概略図である。また、図2は、図1における鋼管杭の長手方向と垂直方向での断面であるA−A線断面図である。さらに、図3は図1における弾性体がない場合のA−A線断面図であり、図4は、図1の態様において用いた薄板の概略断面図である。図4は図2、3における薄板の部分だけを取り出した図と考えることもできる。なお、これら図1〜4を含め、本発明を説明するために用いる各図における各部分の大きさ等は、実際とは異なる場合がある。
本発明において海洋構造物は特に限定されないが、例えば桟橋が挙げられ、基礎杭として鋼管杭が挙げられる。
鋼管杭の大きさ等も特に限定されないが、例えば断面直径が200〜10000mmであってよく、300〜2000mmであってよく、400〜1800mmであってもよい。
図1〜3に示すように、鋼管杭1の外周面に密着するように防錆層3が形成されている。また、これらの図に示す具体例の場合は、防錆層3の外周面に密着するようにプラスチック層5が形成されており、その外周面に密着するように保護層7が形成されている。
そして、防錆層3、プラスチック層5および保護層7が防食層10を構成している。
また、図1〜3に示す態様の場合、保護層7は2つの薄板71および薄板72からなっている。ここで薄板71と薄板72とは同じ構成である。
薄板71は、その両端の接合部710とそれ以外の本体部711とからなり、接合部710は本体部711と繋がっていて、これらは一体に構成されている。
また、接合部710は、平面部710αおよび斜面部710βを含む。
ここで平面部710αは、図1〜3に示すように薄板71を保護層7としてプラスチック層5の外周側に配置した場合に、鋼管杭1の図2または図3に示す断面における半径方向(図2に示す点線CL)と平行になる面を含む部分である。なお、この面と図2に示す点線CLとは、厳密な平行でなくても略平行(例えば図2に示す点線CLとなす角度が10度以下程度)であればよい。
また、斜面部710βは、薄板71を保護層7としてプラスチック層5の外周側に配置した場合に、図2または図3において、平面部710αにおける鋼管杭1から最も離れた位置に配置される端部ωから、本体部711の外面711sに伸びる斜面部710βとを備える。そして、本体部711の外面711sと斜面部710βとは接点φで繋がっている。そのため、図2または図3に示すように、接合部710の断面内には空間ρが存在している。
薄板72についても薄板71と同様である。
すなわち、薄板72は、その両端の接合部720とそれ以外の本体部721とからなり、接合部720は本体部721と繋がっていて、これらは一体に構成されている。
また、接合部720は、平面部720αおよび斜面部7210βを含む。
ここで平面部720αは、図1〜3に示すように薄板72を保護層7としてプラスチック層5の外周側に配置した場合に、鋼管杭1の図2または図3に示す断面における半径方向(図2に示す点線CL)と平行になる面を含む部分である。なお、この面と図2に示す点線CLとは、厳密な平行でなくても略平行(例えば図2に示す点線CLとなす角度が10度以下程度)であればよい。
また、斜面部720βは、薄板72を保護層7としてプラスチック層5の外周側に配置した場合に、図2または図3において、平面部720αにおける鋼管杭1から最も離れた位置に配置される端部ωから、本体部721の外面721sに伸びる斜面部720βとを備える。そして、本体部721の外面721sと斜面部720βとは接点φで繋がっている。そのため、図2または図3に示すように、接合部710の断面内には空間ρが存在している。
接合部710、720が空間ρを備えると、ここに波や漂流物が接合部に衝突しても、接合部(特にボルト等)が破損し難いことを本願発明者は見出した。空間ρが存在していないと、接合部へ波や漂流物が衝突したときに、その衝突のエネルギーがボルト等に集中してしまい、その結果、ボルト等が破損してしまうと推定される。
なお、本体部(711、721)と斜面部(710β、720β)とを接点φで繋げる方法は特に限定されない。薄板7が金属である場合は溶接することで繋げることができる。また、薄板がFRP等のプラスチックである場合は、接点φにおける一方または両方のプラスチックの一部を溶かし、本体部(711、721)と斜面部(710β、720β)とを接触させた後に固化させたり、予め溶かした同種のプラスチック材料を接点φに付し、本体部(711、721)と斜面部(710β、720β)とを接触させた後、固化させたりすることで、本体部(711、721)と斜面部(710β、720β)とを接点φで繋げることができる。
図2または図3に示される断面図における平面部(710α、720α)の高さ、すなわち、図1〜3に示すように薄板72を保護層7としてプラスチック層5の外周側に配置した場合に、図2または図3に示す断面において平面部720αにおける鋼管杭1に最も近い位置から最も離れた位置(端部ω)までの距離(図2、図3中のL1)は30〜60mmであることが好ましく、40〜50mmであることがより好ましい。
また、平面部(710α、720α)における鋼管杭1に最も近い位置から傾斜部の先端までの直線距離(図2、図3中のL2)は50〜300mmであることが好ましく、100mm程度であることがより好ましい。
また、薄板71、72が耐食性金属製であって、その両端が外向き(図1〜図3に示すように薄板71、72を保護層7としてプラスチック層5の外周側に配置した場合の外向き)に折り返され、その斜面部710β、720βの先端が本体部711、721の外面711s、721sと接点φで繋がり固定され、接合部710、720が構成されていることが好ましい。
そして、図2に示すように、2つの接合部(710、720)の各々が有する平面部(710α、720α)における平面同士を向き合わせ、それらはネジ9で貫かれ、ナットを用いて締められて固定されている。ここで平面同士間に5〜40mm(好ましくは20mm程度)の空隙が存することが好ましい。鋼管杭径の公差の吸収するためである。
ここで、図3に示すように、2つの接合部(710、720)の各々が有する平面部(710α、720α)における平面同士を向き合わせ、それらの間に弾性体8が挟まれていることが好ましい。弾性体8が存する場合、平面部710α、弾性体8および平面部720αがネジ9で貫かれ、ナットを用いて締められて固定される。
また、接合部(710、720)の鋼管杭1側に(より具体的には、平面部(710α、720α)における鋼管杭1に最も近い位置の鋼管杭1側)、接合部(710、720)に接するように当て板6が配置されることが好ましい。図3に示す弾性体8が存しない場合、このような位置に当て板6が配置されることが好ましい。
当て板6は、保護層の平面部の間付近から鋼管杭本体へ直接海水の浸入を防止する、という役割を果たす。
当て板6の材質は特に限定されず、例えば薄板と同じ材質であってよい。
当て板6の厚さも特に限定されず、例えば薄板と同じ厚さであってよい。
当て板6の大きさも特に限定されず、例えば図3における幅方向(L2と平行方向)の長さが50〜300mmであることが好ましく、100mm程度であることがより好ましい。
図1に示すように防食層10の下であって鋼管杭1の干満帯よりも下方には、受け台50が設けられている。受け台50は上部にプラスチック製のプレート52を有し、下部に鋼鉄製のスリーブ51を有しており、防食層10は受け台50の上に設置されている。この場合、保護層7(薄板71、72)と鋼管杭1との間は電気的に繋がっていない。
本発明の防錆層形成工程について説明する。
本発明の防錆層形成工程では、前記鋼管杭の外周面に密着するように防錆層を形成する。
防錆層は特に限定されず、例えば従来公知のものを用いることができるが、例えば市販の防錆剤(ペトロラタム、酸化重合樹脂、エポキシ樹脂など)を含浸した帯状の布を用いることができ、これを前記鋼管杭の外周面に巻き付けることで防錆層を形成することができる。
施工に際しては、例えば鋼管杭の表面付着物を除去し、サンドブラスト等で素地調整し、ペトロラタムのペーストを塗布し、その上からペトロラタムを含浸したテープを固く巻きつけて防錆層を形成することが好ましい。
防錆層の厚さは特に限定されないが、2〜5mmであることが好ましく、2.5〜3.5mmであることがより好ましい。
本発明のプラスチック層形成工程について説明する。
本発明のプラスチック層形成工程では、前記防錆層の外周側にプラスチック層を形成する。前記防錆層の外周面上に他の層(例えば遮水シート)を1層以上形成し、その外周面上にプラスチック層を形成してもよいが、前記防錆層の外周面に密着するようにプラスチック層を形成してもよい。
プラスチック層は、発泡プラスチック層であることが好ましい。例えば三次元の方向に連通した多数の孔を有する市販の発泡ポリエチレンからなる発泡プラスチックを用いることができる。
プラスチックからなる帯状のシートを前記防錆層の外周側に巻き付けることによって、プラスチック層を形成することができる。
プラスチック層の厚さは特に限定されないが、3〜15mmであることが好ましく、5〜8mmであることがより好ましい。
なお、施工に際しては、発泡ポリエチレン等のプラスチックのシートを一方の面に貼りつけた薄板を予め作成し、プラスチックのシートを内側にしてこれを防錆層の外周側に巻きつけると、プラスチック層と保護層とを同時に簡易に形成することができるので好ましい。
本発明の保護層形成工程について説明する。
本発明の保護層形成工程では、前記プラスチック層の外周側に保護層を形成する。
前記プラスチック層の外周面上に他の層を1層以上形成し、その外周面上に保護層を形成してもよいが、前記プラスチック層の外周面に密着するように保護層を形成することが好ましい。
保護層は、耐食性金属製またはプラスチック製の薄板からなる。
ここで、薄板を構成する耐食性金属は海水中で極めて耐食性が優れているために、長期間使用しても腐食による損傷がない。
耐食性金属は特に限定されない。例えば耐食性金属として、チタン、チタン合金、ステンレスが挙げられ、チタンまたはチタン合金であることが好ましい。
耐食性金属製の薄板としては板厚が0.3〜3.0mm、好ましくは0.6〜1.0mmのものが軽量であり、この場合、施工時の取扱いが容易であるので好ましい。また、この程度にまで薄い厚さとしても、接合部の強度が高いため、波や漂流物にからの衝撃があっても破損し難い。
また、薄板を構成するプラスチックは、海水中での耐食性に優れるものであればよい。このようなプラスチックとして、FRP、APCなどが挙げられる。
プラスチック製の薄板としては、板厚が2〜5mm、好ましくは2〜3mmのものが軽量であり、この場合、施工時の取扱いが容易であるので好ましい。
本発明では、図4に示すような、予め接合部が形成された2つの薄板を用意し、これを用いて保護層を形成することが好ましい。図4に示すように、薄板は、これを保護層として固定する鋼管杭の形状にフィットするように半円状(円弧状)に構成されていることが好ましい。
このような2つの薄板を用いて保護層を形成する方法の具体例について、以下に説明する。
前述のプラスチック層形成工程において形成したプラスチック層5の外周側に、図4に示す薄板71、72を配置する。
そして、2つの接合部(接合部710および接合部720)の各々が有する平面部(平面部710αおよび平面部720α)同士を向き合わせる。平面部同士の間の幅は20mm程度であることが好ましい。ここで、それらの間に弾性体8を挟むことが好ましい。また、弾性体8を用いない場合、接合部(接合部710および接合部720)の鋼管杭1側に、図3に示したような当て板を配置することが好ましい。弾性体8を用いた場合に当て板を配置してもよい。
弾性体8はシリコンゴムであることが好ましい。その他、EPDM等を用いることもできる。
弾性体8の大きさは、例えば厚み(図2における幅方向(L2と平行方向)の長さ)が20mmであってよい。
そして、平面部710αと平面部720αとをネジ9で貫き、ナットを用いて締めて固定する。弾性体を用いる場合は、平面部710αと平面部720αとで弾性体8を挟んだ状態で、平面部710α、弾性体8および平面部720αをネジ9で貫き、ナットを用いて締めて固定する。
ここで、ネジ9とナットを、傾斜部(710β、720β)に形成された孔γから接合部の内部の空間ρへ入れ、工具等を用いてこれらを締めて固定する。
孔γの形状や大きさは、ネジ9とナットを空間ρへ入れることができ、さらにネジ9とナットを締めるための工具等も空間ρへ入れたうえで作業が可能な程度のものであれば特に限定されない。
ネジとナットは、前述の薄板と同様の材料からなることが好ましい。すなわち、耐食性金属またはプラスチックからなることが好ましい。
孔γは、一定間隔で傾斜部(710β、720β)に形成されていることが好ましい。具体的には100〜200mmごとに形成されていることが好ましい。
1 鋼管杭
3 防錆層
5 プラスチック層
7 保護層
71 薄板
710 接合部
710α 平面部
710β 斜面部
711 本体部
711s 外面
72 薄板
720 接合部
720α 平面部
720β 斜面部
721 本体部
721s 外面
50 受台
51 スリーブ
52 プレート
6 当て板
ω 端部
φ 接点
ρ 空間
8 弾性体
9 ネジ

Claims (6)

  1. 海洋構造物の鋼管杭の飛沫帯・干満帯の外周面に、防錆層、プラスチック層および保護層を含む防食層を形成して防食する防食施工方法であって、
    前記鋼管杭の外周面に防錆層を密着させて形成する防錆層形成工程と、
    前記防錆層の外周側にプラスチック層を形成するプラスチック層形成工程と、
    前記プラスチック層の外周側に、保護層を形成する保護層形成工程と、
    を備え、
    前記保護層は耐食性金属製またはプラスチック製の薄板からなり、
    前記薄板はその両端の接合部とそれ以外の本体部とからなり、前記接合部は前記本体部と繋がっていて、これらは一体に構成されており、
    前記接合部は、前記薄板を前記保護層として前記プラスチック層の外周側に配置した場合に前記鋼管杭の長手方向と垂直方向での断面の半径方向と平行になる平面部と、前記断面において前記平面部における前記鋼管杭から最も離れた位置に配置される端部から前記本体部の外面に伸びる斜面部とを備え、前記本体部と前記斜面部との接点は繋がっていて、前記断面における前記接合部の内部には空間が存在しており、
    前記保護層形成工程では、2つの前記接合部の各々における前記平面部同士を向き合わせ、それらをネジで貫いて締めて前記保護層を固定する、防食施工方法。
  2. 前記保護層形成工程において、前記平面部同士を向き合わせ、それらの間に弾性体を挟み、それらをネジで貫いて締めて前記保護層を固定する、請求項1に記載の防食施工方法。
  3. 前記薄板が耐食性金属製であり、その両端が外向きに折り返され、その最先端部が前記薄板の外面に固定されてなる前記接合部を有する、請求項1または2に記載の防食施工方法。
  4. 予め前記接合部が形成された2つの前記薄板を用いて保護層を形成する、請求項1〜3のいずれかに記載の防食施工方法。
  5. 前記薄板の厚さ0.3〜3mmである、請求項1〜4のいずれかに記載の記載の防食施工方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の防食施工方法において保護層として用いられる薄板。
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