JP2020142880A - クレーンの運転支援システム及び運転支援方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、遠隔操作を行うクレーンは、クレーンから離れた場所に運転室を設ける場合が多く、運転室から荷役対象を目視し難いため、表示装置を運転室に設ける必要がある。
このようなモニタには、運転手の作業負担の軽減や作業性の向上を目的として、撮像した映像に加えて、荷役作業を支援するための付加情報も表示することで、クレーンの運転を支援する場合がある。
付加情報とは、吊り具の位置、振れ、移動速度、あるいは撮像装置が複数ある場合、他の撮像装置が撮像した映像等が挙げられる。
特許文献1には、カメラ映像と、作業状態を示す付加情報を表示するタッチパネル式のモニタが記載されている。この構成では、運転手が画面上の切替ボタンを押すことで、付加情報の表示位置、大きさ又は表示の有無を変更できる。
付加情報は、撮像装置が撮像した映像に重ねて表示する場合もある。特許文献2には、吊荷の底面形状に沿って枠状に囲った吊荷モデル、及び吊荷と障害物間の距離を付加情報として撮像画像に重ねて表示する技術が記載されている。
また、特許文献1、2の構造では、所定の荷役操作に必要な付加情報と必要でない付加情報が画面上に混在する場合があり、荷役操作に必要な付加情報を運転手が画面から見つけ難いという問題もある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、所定の荷役操作を行うタイミングでその荷役操作に必要な付加情報を示す画像を運転手の判断を要せず表示できるクレーンの運転支援システムの提供を目的とする。
そのため、処理画像が表示されると、表示された画像に含まれる付加情報に関わる操作を行うべきタイミングが来たことを運転手が知ることができ、当該操作を速やかに開始できるので、荷役効率が向上する。
まず図1を参照して、本実施形態に係るクレーンの運転支援システムの適用対象であるクレーンの概略構成を説明する。ここではクレーンとして、コンテナ船48との間でコンテナの荷役を行う岸壁クレーンが例示されている。
撮像装置16が撮像した映像14の例を図2に示す。映像14は、撮像装置16が吊体30及び着床目標面10aをトロリ11から見下す向きで撮像した映像であり、着床操作の際に運転手が参照する。ただし撮像装置16の設置位置及び撮像方向は図1に限定されない。
以上がクレーン1の概略構成の説明である。
図3に示すように、運転支援システム27は、モニタ23、付加情報取得部19、進行情報取得部22、及び制御部21を備える。
付加情報とは、クレーン1の所定の荷役操作を支援する情報であり、より具体的には所定の荷役操作の際に運転手が参照する情報である。
所定の荷役操作とは、クレーン1を用いてコンテナ10の荷役を行う際に運転手が実施する操作を意味する。例えば吊体30を着床目標面10aに着床させる直前の位置確認操作を所定の荷役操作の1つとして例示できる。
位置確認操作とは、着床直前の吊体30の位置が着床目標面10aの位置に合っているか否かを判断し、合っている場合はそのまま着床操作を続行し、合っていない場合は位置を修正するか着床を中止する操作を意味する。
位置が合っていない場合とは、着床直前の吊体30の着床目標面10aに対するX、Y方向の位置ズレ又はスキュー等が、そのまま吊体30を着床させるとツイストロックができない程度に大きい場合を意味する。
ただし、所定の荷役操作は位置確認操作には限定されない。トロリ11の横行操作、クレーン1の走行操作等、コンテナ10の荷役を行う際に運転手が実施する操作であれば、所定の荷役操作に該当する。
処理画像41は、付加情報を示す画像であって、モニタ23に表示される画像である。処理画像41は、付加情報をそのまま表示した画像でもよい。例えば付加情報が数値である場合は、数値を画像化したものを処理画像41としてもよい。付加情報が映像である場合、処理画像41は映像そのものでもよい。処理画像41は、付加情報を基に画像処理等の何等かの処理を行った画像でもよい。例えば付加情報が映像である場合は、映像の一部を抽出して拡大縮小等の処理を行ったものを処理画像41としてもよい。あるいは、付加情報が数値である場合は、数値をもとに当該数値を示すメータ等の画像を生成して処理画像41としてもよい。
以下の説明では所定の荷役操作として、位置確認操作を例に本実施形態を説明する。
映像表示領域15は映像14を表示する領域である。図2の映像表示領域15はモニタ23の画面全体である。ただし、映像表示領域15は必ずしもモニタ23の画面全体を領域とする必要はない。モニタ23の画面の一部を映像表示領域15としてもよい。
具体的には、処理画像41aは映像14における、スプレッダ13の上端近傍の部分拡大映像であり、付加情報表示領域17aに表示されている。処理画像41bは映像14における、スプレッダ13の左端近傍の部分拡大映像であり、付加情報表示領域17bに表示されている。処理画像41cは映像14における、スプレッダ13の右端近傍の部分拡大映像であり、付加情報表示領域17cに表示されている。このような処理画像41が着床直前の位置確認操作の際に有用である理由を簡単に説明する。
このような例としては、図4に示すように、図1に示す撮像装置25a、25bが着床目標面10cを側面から撮像した画像を例示できる。撮像装置25aは図1では陸脚3aに、X方向海側に向けてクレーン1を撮像可能な向きに設けられている。撮像装置25bは海脚3bに、X方向陸側に向けてクレーン1を撮像可能な向きに設けられている。ただし撮像装置25の設置位置は特に限定されず、他のシャシやクレーン等に設置してもよい。
撮像装置16が撮像した映像14bは、図4に示すように、シャシ31及び吊体30を上方から見下ろした画像であるため、本来は着床目標面10cと着床面43の鉛直方向距離は映像14bから把握できるはずである。しかしながら、吊体30と撮像装置16の距離が離れるほど、撮像装置16の鉛直方向に対する光軸の傾きが小さくなり、映像14bが平面図に近づくため、着床目標面10cと着床面43の鉛直方向距離が分かり難くなる。
なお、図4の映像は地切り確認操作に用いることもできる。地切り確認操作とは、シャシ31上のコンテナ10bをスプレッダ13で吊り上げる際に、シャシ31ごと吊り上げていないかを確認する操作をいう。通常、シャシ31上に蔵置されたコンテナ10bはシャシ31に設けられたツイストロック等でシャシ31に固定されているため、コンテナ10bを吊り上げる前にツイストロックを解除する。しかしながら、何等かの理由でツイストロックを解除できなかった場合、シャシ31ごとコンテナ10bを吊り上げる可能性があるため、地切り確認操作が必要になる。地切り確認操作を行う際には、撮像装置25a、25bのいずれかを用いて図4に示すようにシャシ31及び吊体30をX方向から撮像させ、所定の高さ(例えばポータルタイ3cより下)までスプレッダ13が巻下げされたらこの映像を処理画像41として映像14に重ねて表示させ、所定の高さよりも高い位置にスプレッダ13が巻上されたら表示を消去すればよい。
このように、運転支援システム27では、付加情報表示領域17の位置、大きさ、数を映像表示領域15の範囲内で任意に設定できるため、付加情報を、そのサイズや数によらず表示できる。
なお、モニタ23は映像14と処理画像41を重ねて表示できる装置であれば構造は特に限定されない。公知の液晶表示装置等を用いればよい。モニタ23の設置位置は特に限定しないが、運転手が参照できる位置が好ましい。図1では運転室18内に設けられている。
付加情報取得部19は付加情報を取得できるものであれば特に構造は限定されない。例えば付加情報が映像である場合は、撮像装置16、25が付加情報取得部19になる。付加情報が映像の撮像条件(パン、チルト、ズーム等)を示す情報である場合は、撮像装置16、25から制御部21が当該撮像条件を付加情報として取得するので、この場合は制御部21が付加情報取得部19を兼ねる。付加情報がトロリ11、スプレッダ13等の可動部の位置を示す情報である場合は、これらの位置を検出する位置センサやエンコーダ等が付加情報取得部19になる。
進行情報とは、クレーン1の荷役の進行状況に係る情報であり、所定の荷役操作を行うタイミングを判断する際に用いられる情報である。
また、映像14の最前面に処理画像41を重ねて表示することで、1つの画面に映像14と付加情報を表示できる。
処理画像41は所定の荷役操作を行うタイミング以外では運転手が参照しない情報を表示する場合があるため、所定の荷役操作を行うタイミング以外は、処理画像41を非表示とすることで、運転手に必要な場合のみ付加情報が表示される。
そのため、所定の荷役操作を行うタイミング以外は、運転手が映像14の全体を見ることができる。
このように、付加情報を取得する際の条件を制御部21が変更することで、所定の荷役作業中に、その進行状況や運転手の必要に応じて、より作業の支援に資する情報を付加情報として取得でき、荷役効率が益々向上する。
まずトロリ11の横行操作が所定の荷役操作として挙げられる。
所定の荷役操作がトロリ11の横行操作である場合、トロリ11の横行開始時点を所定のタイミングとし、クレーン1におけるトロリ11の現在位置のX座標等を付加情報とし、横行開始時点で付加情報を処理画像41に加工して、モニタ23に表示してもよい。この場合、トロリ11が横行を開始したか否かの情報及び、クレーン1におけるトロリ11の現在位置の情報は、トロリ11を駆動する図示しないドラムに設けられたエンコーダ等から取得できる。
次に所定の荷役操作として、船舶のハッチカバーを荷役する際の操作も例示できる。
例えば、ハッチカバーが着脱式の場合、船倉を開放する際にはハッチカバーをスプレッダ13で吊り上げて岸壁12に蔵置する必要がある。この際、スプレッダ13を桁9の陸側の張り出し部分であるバックリーチ側まで移動する必要があるため、バックリーチの下方の岸壁12の映像が必要となる。そこで、ハッチカバーの荷役を行う際には、バックリーチの下方の岸壁12の映像を処理画像41として制御部21が常時表示させるのが好ましい。バックリーチ側の映像は、例えば桁9のバックリーチ上部に撮像部を設けて下方の岸壁12を撮像することで得られるが、陸脚3aからバックリーチの下方の岸壁12を撮像する撮像部を備えてもよい。
この場合、制御部21は安全表示画像45が表示されている領域の範囲外に付加情報表示領域17の位置を設定するのが好ましい。図2では、付加情報表示領域17cと安全表示画像45が表示されている領域が重なる場合、白矢印で示すように、付加情報表示領域17cの表示位置を、安全表示画像45が表示されている領域の範囲外、図2では右斜め下に変更する。
なお、安全表示画像45を処理画像41として扱ってもよい。例えば脚構造体3の間に進入するシャシ31を二次元センサで検出する構成とし、該センサがシャシ31を検出したときに、ポータルタイ3c等に設けた図示しない撮像装置が撮像したシャシ31の映像、又はシャシ31の位置を示す矢印等の図形を、処理画像41として、映像14に重ねて表示させてもよい。なお撮像装置が複数ある場合、個々の撮像装置とシャシとの距離等に基づき制御部21が表示する映像を選択すればよい。例えばシャシ31自身にGPSなどの位置取得装置があれば、TOS(Terminal Operating System)経由で制御部21がシャシ31の位置情報を取得して、取得した位置情報をもとに映像を表示させる撮像装置を制御部21が決定できる。また安全表示画像45を処理画像41として扱う場合でも、処理画像41同士の表示範囲が重なる場合は、一方の表示範囲を移動させるのが好ましい。
制御部21は進行情報を基に所定の荷役操作を行うタイミングで、処理画像41を付加情報表示領域17に表示させられる装置であれば、構造は特に限定されない。例えば汎用コンピュータを用いることができる。また、クレーン1の動作を制御する装置が制御部21を兼ねてもよい。制御部21の設置位置も特に限定されない。図1では運転室18に設けられている。
以上がクレーン1の運転支援システム27の構成の説明である。
この場合、制御部21は、映像14を撮像装置16から取得し、モニタ23の映像表示領域15に表示する(図5のS1)。映像14が表示されると、運転手は運転室18の操縦桿を操作する等して、映像14を参照して吊体30を着床目標面10aに向けて降下させる巻き下げ操作を開始する。なお、映像14は処理画像41の表示タイミングよりも前に表示されていればよいので、表示を開始する時期は、着床操作の前でもよいし、常にモニタ23に表示してもよい。
S3で着床面43の高さが所定の高さを超えると制御部21が判断した場合は、制御部21はモニタ23に処理画像41を表示せずS2に戻る。この場合は巻き下げ操作が続行される(図5のS4)。
重なっていると判断した場合は、制御部21は、安全表示画像45が表示されている領域の範囲外に付加情報表示領域17の位置を変更してS8に進む(図5のS7)。
例えば図2では、付加情報表示領域17cと安全表示画像45が表示されている領域が重なっているので、白矢印で示すように、付加情報表示領域17cの表示位置を、安全表示画像45が表示されている領域の範囲外、図2では右斜め下に変更する。
運転手は付加情報表示領域17に処理画像41が表示されることで、着床直前の位置確認操作を行うべき時期が来たことを認識できる。運転手は処理画像41を参照して位置確認を行い、吊体30の位置ズレが許容範囲であれば吊体30を着床目標面10aに着床させる。吊体30の位置ズレや振れが大きすぎる等の理由で着床できないと運転手が判断した場合は、巻き下げ操作を停止する等の操作を行い、着床操作を中止する。
吊体30の位置確認操作が終了したか否かの判断基準は特に限定しないが、以下の基準が例示できる。
まず、吊体30の巻き上げ操作が開始された時点を例示できる。巻き上げ操作が開始されるのは着床の後か、位置ズレが大きすぎる等の理由で吊体30を着床させられなかった場合であるため、位置確認操作も終了しているとみなせるためである。
次に、ツイストロック操作が完了した後も基準にできる。より具体的にはツイストロックピンの回転動作が完了した後を基準にする。ツイストロック操作は位置確認操作の後で実施されるため、ツイストロック操作が完了した時点では、当然に位置確認操作も終了しているとみなせるためである。
さらに、片吊りが検出されずに吊体30が所定距離だけ巻き上げられた時点も基準にできる。この基準は位置ズレなく着床操作が完了したことを意味するため、当然に位置確認操作が終了しているとみなせるためである。
吊体30の位置確認操作が終了したと判断した場合、制御部21は処理画像41を非表示にする(図5のS11)。
以上がクレーン1の運転支援システム27を用いた運転支援方法の手順の説明である。
そのため、処理画像41が表示されると、表示された画像に含まれる付加情報に関わる操作を行うべきタイミングが来たことを運転手が知ることができ、当該操作を速やかに開始できるので、荷役効率が向上する。
また、本実施形態は、処理画像41の表示の有無を制御部21が判断する。そのため、所定の荷役操作を行うタイミングでその荷役操作に必要な付加情報を示す画像を、運転手の判断を要せずに表示できる。
3 脚構造体
3a 陸脚
3b 海脚
7 走行装置
9 桁
10、10b コンテナ
10a、10c 着床目標面
11 トロリ
12 岸壁
13 スプレッダ
14、14b 映像
15 映像表示領域
16 撮像装置
17、17a、17b、17c 付加情報表示領域
18 運転室
19 付加情報取得部
20 運転室
21 制御部
22 進行情報取得部
23 モニタ
25、25a、25b 撮像装置
27 運転支援システム
30 吊体
31 シャシ
41、41a、41b、41c 処理画像
43 着床面
45 安全表示画像
48 コンテナ船
Claims (5)
- 周囲を撮像する撮像装置を備えるクレーンの運転支援システムであって、
前記撮像装置が撮像した映像を表示する映像表示領域を備えるモニタと、
前記クレーンの所定の荷役操作を支援する情報を含む付加情報を取得する付加情報取得部と、
前記クレーンの荷役の進行状況を示す進行情報を取得する進行情報取得部と、
前記モニタ、前記付加情報取得部、前記進行情報取得部及び前記撮像装置に接続され、前記付加情報を示す画像である処理画像を前記付加情報を基に生成し、前記進行情報を基に、前記所定の荷役操作を行うタイミングが来たか否かを判断し、タイミングが来た場合に前記処理画像を前記映像に重ねて前記映像表示領域の一部として予め設定された領域である付加情報表示領域に表示させる制御部と、
を備えることを特徴とするクレーンの運転支援システム。 - 前記制御部は、
前記所定の荷役操作を行うタイミング以外は、前記処理画像を非表示にして前記映像を前記映像表示領域に表示させ、
前記所定の荷役操作を行うタイミングで、前記映像の最前面に前記処理画像を重ねて前記付加情報表示領域に表示させる請求項1に記載のクレーンの運転支援システム。 - 前記付加情報は、前記撮像装置とは異なる他の撮像装置が撮像した映像である請求項1又は2に記載の運転支援システム。
- 前記制御部は、
前記付加情報表示領域と、荷役の安全に関わる情報を示す画像である安全表示画像の表示領域が重なる場合は、前記安全表示画像が表示されている領域の範囲外に前記付加情報表示領域の位置を変更する請求項1〜3のいずれかに記載の運転支援システム。 - クレーンの周囲を撮像した映像をモニタの表示領域に表示し、
前記クレーンの荷役の進行状況を示す進行情報を取得し、
所定の荷役操作を行うタイミングが来たか否かを前記進行情報を基に判断し、
タイミングが来たと判断した場合は、前記所定の荷役操作を支援する情報を含む付加情報を取得して前記付加情報を示す画像である処理画像を前記付加情報を基に生成し、
前記処理画像を、前記表示領域の一部として予め設定した領域である付加情報表示領域に前記映像に重ねて表示させることを特徴とするクレーンの運転支援方法。
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