図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
第1実施形態
車両用空調装置1は、車両に搭載される空調装置である。車両は、例えば走行用モータを搭載した電気自動車である。ただし、車両としては、ガソリン駆動のエンジンを搭載した自動車や、エンジンとモータとの両方を搭載したハイブリッド自動車なども採用可能である。車両用空調装置1は、取り込まれた空気の温度や湿度を調整して車室内に吹き出す装置である。言い換えると、車両用空調装置1は、車室内の暖房運転や冷房運転や除湿運転などの空調運転を行う装置である。
図1において、車両用空調装置1は、空気を送風する送風ユニット10と空気温度を調整する空調ユニット20とを備えている。送風ユニット10は、送風ケース11と送風機15とを備えている。送風ケース11は、内気導入口14aと外気導入口14bとの2つの導入口を備えている。送風ケース11の内部には、内気導入口14aと外気導入口14bとの開閉を切り替える内外気切り替えドア12が設けられている。内外気切り替えドア12は、空調風が室内を循環するモードである内気循環モードを実行可能である。内外気切り替えドア12は、空調風を室外から導入するモードである外気導入モードを実行可能である。
送風機15は、送風ケース11の内部に設けられている。送風機15は、電動モータを用いて回転数を制御可能な電動送風機である。送風機15は、導入口から取り込んだ空気を送風ユニット10から空調ユニット20に向かって送るための装置である。送風機15は、例えば遠心式送風機であってシロッコファンやターボファンを採用可能である。
空調ユニット20は、空調ケース21とヒータ装置32と蒸発器39とを備えている。ヒータ装置32は、空調運転において空気の加熱を行うための装置である。ヒータ装置32は、出力のオンオフ制御だけでなく、出力の大きさを電気的に制御可能な電気ヒータである。ただし、ヒータ装置32を内部に高温のエンジン冷却水が循環するヒータコアで構成してもよい。
蒸発器39は、液相冷媒を気相冷媒に蒸発させるための装置である。蒸発器39は、冷媒を蒸発させる際に、周囲から熱を奪う熱交換器である。言い換えると、蒸発器39は、空調運転において空気の冷却を行うための冷却用熱交換器である。空調ケース21の内部において、蒸発器39は、ヒータ装置32よりも空気の流れの上流に位置して設けられている。
空調ケース21は、デフロスタ開口24aとフェイス開口24bとフット開口24cとの3つの開口を備えている。デフロスタ開口24aは、フロントウィンドウに向かう空調風が流れる開口である。フェイス開口24bは、乗員の顔を含む上半身に向かう空調風が流れる開口である。フット開口24cは、乗員の足もとを含む下半身に向かう空調風が流れる開口である。
空調ケース21の内部には、エアミックスドア25が設けられている。エアミックスドア25は、蒸発器39を通過した空気をヒータ装置32に流す割合を調整するドアである。空調ケース21の内部には、デフロスタドア22aとフェイスドア22bとフットドア22cとが設けられている。デフロスタドア22aは、デフロスタ開口24aの開閉を制御するドアである。フェイスドア22bは、フェイス開口24bの開閉を制御するドアである。フットドア22cは、フット開口24cの開閉を制御するドアである。
冷凍サイクル装置30は、蒸発器39を冷却用の熱源として機能させる冷却装置である。冷凍サイクル装置30は、蒸発器39に加えて、圧縮機31と室外機35と冷媒配管40とを備えている。圧縮機31は、気相冷媒を圧縮して高温高圧の状態とする装置である。圧縮機31は、駆動時の回転数を電気的に制御可能な電動圧縮機である。圧縮機31は、停止状態と駆動状態との2つの状態に制御される。圧縮機31の駆動状態において、圧縮機31の回転数を変更することで冷凍サイクル装置30を循環する冷媒の量を調整可能である。すなわち、圧縮機31の回転数を高くすることで、冷凍サイクル装置30を循環する冷媒の量を増加させることができる。
室外機35は、空調ケース21の外部に設けられて、室外空気と熱交換を行う熱交換器である。冷房運転において、室外機35は、外気に熱を放出して冷媒のエネルギーを下げることで、気相冷媒を液相冷媒に凝縮する熱交換器である。室外機35は、凝縮用熱交換器の一例を提供する。室外機35は、室外送風機36を備えている。室外送風機36は、室外機35の周囲に熱交換前の外気を供給することで、外気と冷媒との熱交換を促進させるための装置である。
冷媒配管40は、圧縮機31と室外機35と蒸発器39とを接続して、冷媒が循環する冷媒流路を提供している。冷媒配管40は、室外機35と蒸発器39とを接続する部分に膨張弁48を備えている。膨張弁48は、蒸発器39に流入する液相冷媒を膨張させて、蒸発器39で蒸発しやすくするための装置である。膨張弁48は、冷媒の圧力を低減させる減圧装置とも呼ばれる。膨張弁48は、蒸発器39の冷媒入口部分と一体に設けられていてもよい。
図2は、制御システムを示す図である。この明細書における制御装置(ECU)は、電子制御装置(Electronic Control Unit)とも呼ばれる場合がある。制御装置は、(a)if−then−else形式と呼ばれる複数の論理としてのアルゴリズム、または(b)機械学習によってチューニングされた学習済みモデル、例えばニューラルネットワークとしてのアルゴリズムによって提供される。
制御装置は、少なくとも1つのコンピュータを含む制御システムによって提供される。制御システムは、データ通信装置によってリンクされた複数のコンピュータを含む場合がある。コンピュータは、ハードウェアのプロセッサである少なくとも1つのハードウェアプロセッサを含む。ハードウェアプロセッサは、以下の(i)、(ii)、または(iii)により提供することができる。
(i)ハードウェアプロセッサは、少なくとも1つのメモリに格納されたプログラムを実行する少なくとも1つのプロセッサコアである場合がある。この場合、コンピュータは、少なくとも1つのメモリと、少なくとも1つのプロセッサコアとによって提供される。プロセッサコアは、CPU:Central Processing Unit、GPU:Graphics Processing Unit、RISC−CPUなどと呼ばれる。メモリは、記憶媒体とも呼ばれる。メモリは、プロセッサによって読み取り可能な「プログラムおよび/またはデータ」を非一時的に格納する非遷移的かつ実体的な記憶媒体である。記憶媒体は、半導体メモリ、磁気ディスク、または光学ディスクなどによって提供される。プログラムは、それ単体で、またはプログラムが格納された記憶媒体として流通する場合がある。
(ii)ハードウェアプロセッサは、ハードウェア論理回路である場合がある。この場合、コンピュータは、プログラムされた多数の論理ユニット(ゲート回路)を含むデジタル回路によって提供される。デジタル回路は、ロジック回路アレイ、例えば、ASIC:Application−Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、PGA:Programmable Gate Array、CPLD:Complex Programmable Logic Deviceなどとも呼ばれる。デジタル回路は、プログラムおよび/またはデータを格納したメモリを備える場合がある。コンピュータは、アナログ回路によって提供される場合がある。コンピュータは、デジタル回路とアナログ回路との組み合わせによって提供される場合がある。
(iii)ハードウェアプロセッサは、上記(i)と上記(ii)との組み合わせである場合がある。(i)と(ii)とは、異なるチップの上、または共通のチップの上に配置される。これらの場合、(ii)の部分は、アクセラレータとも呼ばれる。
制御装置と信号源と制御対象物とは、多様な要素を提供する。それらの要素の少なくとも一部は、ブロック、モジュール、またはセクションと呼ぶことができる。さらに、制御システムに含まれる要素は、意図的な場合にのみ、機能的な手段と呼ばれる。
この開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された1つまたは複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。代替的に、この開示に記載の制御部及びその手法は、1つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。代替的に、この開示に記載の制御部及びその手法は、1つまたは複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと1つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された1つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
図2において、空調制御部50は、空調用センサ91と空調用スイッチ92と車速センサ80とに接続している。空調用センサ91は、外気温センサや内気温センサや蒸発器温度センサなどからなるセンサである。外気温センサは、車外の温度を測定するセンサである。内気温センサは、車内の温度を測定するセンサである。蒸発器温度センサは、蒸発器39の表面温度を測定する温度センサである。空調制御部50は、空調用センサ91から空調運転に用いる各種の情報を取得する。
空調用スイッチ92は、乗員によって操作されるスイッチである。空調用スイッチ92には、空調運転のオンオフを切り替えるスイッチや、設定温度の切り替えを行うスイッチや、内気循環モードと外気導入モードとの切り替えを行うスイッチなどが含まれる。空調用スイッチ92には、フェイスモードなどの吹き出し口の異なる複数の吹き出しモードのうち、どのモードで空調運転を行うかを選択するスイッチが含まれている。ただし、オートモードで空調運転を行う場合には、乗員による操作で吹き出しモードなどを切り替えるのではなく、自動で切り替えが行われる。空調制御部50は、空調用スイッチ92を用いて乗員が設定した空調設定に基づいて空調運転を行うこととなる。
車速センサ80は、現在の車両の走行速度を測定するセンサである。車速センサ80は、タイヤの回転数を検出することで車速を測定する。ただし、車速センサ80での車速の検出方法は、タイヤの回転数を検出する方法に限られない。空調制御部50は、車速センサ80で測定した車速情報に基づいて、空調制御を変更する。暗騒音情報取得部は、圧縮機31の発する音以外の音である暗騒音の大きさを推定する情報である暗騒音情報を取得する。より具体的には、車速センサ80で取得した車速が速いほど、暗騒音が大きいと推定できる。一方、車速センサ80で取得した車速がゼロである停車中においては、暗騒音が小さいと推定できる。車速センサ80は、暗騒音情報を取得する暗騒音情報取得部の一例を提供する。
空調制御部50は、内外気切り替えドア12とデフロスタドア22aとフェイスドア22bとフットドア22cとエアミックスドア25とに接続している。空調制御部50は、各ドア12、22a、22b、22c、25のサーボモータの駆動を制御することで開度を変更している。これにより、内気循環モードと外気導入モードとの切り替えや、空調風の温度制御や、空調風の吹き出し位置の変更制御などを行う。
空調制御部50は、送風機15と圧縮機31とヒータ装置32と室外送風機36とに接続している。空調制御部50は、送風機15の出力を制御して、空調風の風速を調整する。空調制御部50は、圧縮機31の回転数を上限回転数から下限回転数までの範囲で制御して、冷凍サイクル装置30を循環する冷媒の量を調整する。空調制御部50は、ヒータ装置32の出力を制御して、空調風の加熱量を調整する。空調制御部50は、室外送風機36の出力を制御して、外気と室外機35を流れる冷媒との熱交換量を調整する。
圧縮機31は、必要な空調能力に応じて回転数を変更して制御される装置である。すなわち、車室内の温度と乗員によって設定された目標温度との温度差が大きい場合には、圧縮機31を高い回転数で駆動することで冷凍サイクル装置30の能力を高くする。これにより、素早く車室内の温度を目標温度に近づける。この時、送風機15や室外送風機36の出力も高くすることで、車両用空調装置1全体の空調能力を高める。一方、車室内の温度と乗員によって設定された目標温度との温度差が小さい場合には、圧縮機31を低い回転数で駆動することで冷凍サイクル装置30の能力を低くする。これにより、圧縮機31の駆動時に消費するエネルギーを回転数が高い場合に比べて低減する。
車両用空調装置1の冷房運転において、圧縮機31を低い回転数で駆動することによって音が発生するメカニズムについて以下に説明する。図1に示す冷凍サイクル装置30において、圧縮機31は、目標温度と車室内の実際の温度との温度差が小さいほど、低い回転数に制御されやすい。言い換えると、冷媒吐き出し能力が低い状態で圧縮機31が駆動されやすい。
また、内気循環モードにおいては、車室内が十分に冷房されるなどして目標温度に近い温度であると、蒸発器39を流れる冷媒が車室内の空気から蒸発に必要な熱を得にくい状態となる。一方、外気導入モードにおいては、外気が目標温度に近い温度であると、蒸発器39を流れる冷媒が車室内の空気から蒸発に必要な熱を得にくい状態となる。蒸発器39を流れる冷媒が蒸発しきれずに一部の冷媒が液相の状態となると、蒸発器39の内部や冷媒配管40における圧縮機31の吸い込み側である低圧配管の内部に液相の冷媒が溜まりやすい。すなわち、冷凍サイクル装置30内に存在する冷媒において、気相で存在する冷媒の割合が減り、液相で存在する冷媒の割合が増えることとなる。
冷凍サイクル装置30において、圧縮機31の回転数が低く、かつ、気相の冷媒の割合が減ることで、気相冷媒を圧縮する圧縮機31の冷媒吐き出し能力は、非常に低い状態となる。このため、圧縮機31から吐き出される冷媒量が、膨張弁48を通過する冷媒量に比べて少なくなる場合がある。このような状態では、一部の気相冷媒が室外機35で凝縮される前に室外機35を通過してしまい、気液二相の状態で膨張弁48に流入することとなる。液相冷媒が流れるはずの膨張弁48に気液二相冷媒が強引に流れることで、冷媒通過に際して振動が発生する。このとき発生した振動は、膨張弁48から蒸発器39に伝達されて蒸発器39を振動させる。蒸発器39が振動することで、蒸発器39から空調ケース21内部に放射される放射音が発生する。このように、冷媒の通過に起因して発生する音を、以下では冷媒通過音と称することがある。冷媒通過音の原因となる気液二相の状態の冷媒における気相の冷媒は、フラッシュガスと呼ばれることがある。
蒸発器39で発生した冷媒通過音は、空調ケース21の内部から各開口24a、24b、24cまで響くこととなる。ここで、フェイス開口24bは、デフロスタ開口24aやフット開口24cに比べて乗員の顔の近くに設けられている。このため、冷媒通過音がフェイス開口24bを通って車室内に伝達されると、乗員が冷媒通過音を知覚しやすい。言い換えると、車室内の快適性が冷媒通過音によって損なわれやすい状態である。
車両用空調装置1の空調運転について以下に説明する。図3において、乗員によって空調用スイッチ92がオンされるなどして、車両用空調装置1の空調運転が開始されると、ステップS101で暗騒音情報の一例である車速情報を取得する。車速情報は、車速センサ80を用いて測定した現在の車両の走行速度である。車両が停止している場合には、車速がゼロとなる。ここで、車速情報の取得は、車速センサ80を用いる場合に限られない。例えば、GPS(Global Positioning Systems)などの位置情報センサに基づく絶対位置の変化量から算出した車速を取得してもよい。あるいは、車両に周辺監視装置として機能するカメラを備え、カメラにより取得される相対位置の変化量から算出した車速を取得してもよい。車速情報を取得した後、ステップS102に進む。
ステップS102では、車速が所定速度以上であるか否かを判定する。ここで、所定速度は、車両の走行に伴って発生する暗騒音の大きさが、冷媒通過音よりも大きくなると想定される速度である。所定速度は、例えば20km/hである。車速が所定速度以上であれば、車両の走行に伴って発生する暗騒音が十分に大きいと判断して、ステップS120に進む。一方、車速が所定速度未満であれば、車両の走行によって発生する暗騒音が小さいと判断して、ステップS130に進む。車両が停止している状態を示す車速がゼロの状態は、車速が所定速度未満である場合に含まれる。
ステップS120では、通常モードで圧縮機31を制御する。通常モードにおける圧縮機31の回転数制御の一例を以下に説明する。図4において、横軸は時間を示し、縦軸は圧縮機31の回転数を示している。Ru1は、通常モードにおける圧縮機31の上限回転数である第1上限回転数を示している。Rk1は、通常モードにおける圧縮機31の下限回転数である第1下限回転数を示している。通常モードにおいて、圧縮機31を駆動しているときには、回転数が第1上限回転数Ru1から第1下限回転数Rk1までの範囲となり、圧縮機31を駆動していないときには回転数がゼロとなる。通常モードは、第1モードの一例を提供する。
Ts1とTs3とTs5とは、圧縮機31の駆動を開始するタイミングを示している。特に、Ts1は、空調運転が開始されてから最初に圧縮機31を駆動するタイミングを示している。Te1とTe3とTe5とは、圧縮機31の駆動を停止するタイミングを示している。特に、Te1は、Ts1から継続している圧縮機31の駆動を停止するタイミングを示している。
Ts1で圧縮機31の駆動を開始すると、素早く第1上限回転数Ru1まで回転数を増加させている。その後、空調運転を継続する過程で徐々に車室内の温度が目標温度に近づくため、圧縮機31の回転数を徐々に低下させている。圧縮機31の回転数が第1下限回転数Rk1に達し、圧縮機31の駆動をそれ以上維持する必要がなくなることで、Te1で圧縮機31の駆動を停止する。第1上限回転数Ru1は、例えば、5000rpmである。第1下限回転数Rk1は、例えば、1000rpmである。ただし、第1上限回転数Ru1と第1下限回転数Rk1との値は、上述の値に限られず、冷凍サイクル装置30の性能などによって適宜設定可能である。
圧縮機31における回転数の制御は、第1上限回転数Ru1から第1下限回転数Rk1まで徐々に減少させる制御に限られない。例えば、乗員によって窓が開けられるなどして、車室内の温度が目標温度から離れてしまった場合には、圧縮機31の回転数を増加させる制御を含んでもよい。また、乗員によって目標温度が変更されるなどした場合も同様に、圧縮機31の回転数を適宜変更することとなる。また、初めから車室内の温度が目標温度に近い値である場合には、圧縮機31の回転数を一度も第1上限回転数Ru1まで上昇させることなく、圧縮機31を駆動してもよい。Ts1からTe1までの経過時間は、圧縮機31の駆動開始から駆動停止までに要する時間である駆動時間を示している。
Te1で圧縮機31が停止してから時間が経過することで、車室内の温度が目標温度から離れることになる。これにより、再び圧縮機31の駆動が必要となっている。Ts3は、この再駆動のタイミングを示している。再駆動において、圧縮機31は、第1下限回転数Rk1で駆動している。ただし、再駆動において、圧縮機31の回転数を第1下限回転数Rk1よりも高い回転数で駆動してもよい。圧縮機31の駆動により再び車室内の温度が目標温度に近づくと、圧縮機31の駆動が必要ないと判断して、Te3のタイミングで圧縮機31の駆動を停止している。Ts3と同様に、Ts5のタイミングで圧縮機31を再駆動し、Te3と同様に、Te5のタイミングで圧縮機31を停止する。このように、圧縮機31の駆動と停止を繰り返して、車室内が目標温度に近い状態を維持することとなる。通常モードで圧縮機31を制御している状態を維持して、ステップS141に進む。
ステップS130では、低騒音モードで圧縮機31を制御する。低騒音モードにおける圧縮機31の回転数制御の一例を以下に説明する。図5において、横軸は時間を示し、縦軸は圧縮機31の回転数を示している。また、通常モードの特性と低騒音モードの特性を比較するため、低騒音モードでの特性を示すグラフを実線で表示し、図4で示した通常モードでの特性を示すグラフを2点鎖線で表示している。
Ru2は、低騒音モードにおける圧縮機31の上限回転数である第2上限回転数を示している。Rk2は、低騒音モードにおける圧縮機31の下限回転数である第2下限回転数を示している。第2下限回転数Rk2は、圧縮機31が吐き出す冷媒量が、少なくとも膨張弁48を通過する冷媒量以上となる回転数である。Rtは、低騒音モードにおける圧縮機31の起動回転数を示している。起動回転数Rtとは、圧縮機31を起動する際に圧縮機31が静音性を維持して起動が可能な回転数である。起動回転数Rtは、第2下限回転数Rk2よりも低い回転数である。低騒音モードにおいては、起動時を除いて圧縮機31を第2上限回転数Ru2から第2下限回転数Rk2の範囲の回転数で駆動し、駆動していないときには回転数がゼロとなる。圧縮機31の起動時においては、最初に起動回転数Rtで回転を開始してから、徐々に第2下限回転数Rk2以上の回転数まで回転数を徐変することとなる。低騒音モードは、第2モードの一例を提供する。
Ts2とTs4とTs6とは、圧縮機31の起動を開始するタイミングを示している。特に、Ts2は、空調運転が開始されてから最初に圧縮機31を起動するタイミングを示している。Te2とTe4とTe6とは、圧縮機31の駆動を停止するタイミングを示している。特に、Te2は、Ts2から継続している圧縮機31の駆動を停止するタイミングを示している。Tu4とTu6とは、圧縮機31の起動が完了するタイミングを示している。圧縮機31の起動完了は、回転数が第2下限回転数Rk2以上となったか否かで判断する。すなわち、回転数が第2下限回転数Rk2未満であれば、圧縮機31の起動が完了していないと判断する。一方、回転数が第2下限回転数Rk2以上であれば、圧縮機31の起動が完了していると判断する。
Ts2で圧縮機31の駆動を開始すると、素早く第2上限回転数Ru2まで回転数を増加させている。その後、空調運転を継続する過程で徐々に車室内の温度が目標温度に近づくことで、圧縮機31の回転数を徐々に低下させている。圧縮機31の回転数が第2下限回転数Rk2に達し、圧縮機31の駆動をそれ以上維持する必要がなくなることで、Te2で圧縮機31の駆動を停止する。Ts2からTe2までの経過時間は、圧縮機31の駆動開始から駆動停止までに要する時間である駆動時間を示している。
Te2で圧縮機31が停止してから時間が経過することで、車室内の温度が目標温度から離れることになる。これによって、再び圧縮機31の駆動が必要となっている。Ts4は、この再駆動のタイミングを示している。再駆動における起動では、第2下限回転数Rk2よりも低い回転数である起動回転数Rtで起動を開始する。その後、第2下限回転数Rk2に向かって回転数を徐々に増加させ、Tu4で回転数が第2下限回転数Rk2に達している。すなわち、圧縮機31の起動がTu4で完了している。
Ts4からTu4までの経過時間は、圧縮機31の起動開始から起動完了までに要する時間である起動時間を示している。ここで、通常モードにおける起動時間は、ほぼゼロである。言い換えると、低騒音モードにおける起動時間は、通常モードにおける起動時間よりも長い時間である。低騒音モードにおける起動時間は、起動が完了してから駆動を停止するまでの時間よりも短い時間である。言い換えると、Ts4からTu4までの時間は、Tu4からTe4までの時間よりも短い時間である。このTs4からTu4までの時間は、第2下限回転数Rk2未満の回転数で圧縮機31が回転することになるため、冷媒通過音が発生する可能性がある。ただし、Ts4からTu4までの時間をTu4からTe4までの時間よりも短い時間としているため、冷媒通過音が継続して長時間発生してしまうことを抑制している。圧縮機31の起動が完了したTu4から圧縮機31の駆動を停止させるTe4までの間は、第2下限回転数Rk2を維持している。
Ts4と同様に、Ts6のタイミングで圧縮機31を再駆動し、Tu4と同様に、Tu6のタイミングで圧縮機31の起動が完了し、Te4と同様に、Te6のタイミングで圧縮機31を停止する。このように、圧縮機31の駆動と停止とを繰り返して、車室内が目標温度に近い状態を維持することとなる。
低騒音モードにおける上限回転数である第2上限回転数Ru2は、通常モードにおける上限回転数である第1上限回転数Ru1と等しい回転数である。第2上限回転数Ru2は、例えば5000rpmである。低騒音モードにおける下限回転数である第2下限回転数Rk2は、通常モードにおける下限回転数である第1下限回転数Rk1よりも高い回転数である。第2下限回転数Rk2は、例えば、2000rpmである。起動回転数Rtは、第1下限回転数Rk1よりも高い回転数である。起動回転数Rtは、例えば1500rpmである。ただし、第2上限回転数Ru2と第2下限回転数Rk2と起動回転数Rtとの値は、上述の値に限られず、冷凍サイクル装置30の性能によって適宜設定可能である。
低騒音モードにおける空調運転が開始されてから最初の駆動時間であるTs2からTe2までの経過時間は、通常モードにおける空調運転が開始されてから最初の駆動時間であるTs1からTe1までの経過時間よりも短い。これは、第1下限回転数Rk1よりも第2下限回転数Rk2が高い回転数であり、冷凍サイクル装置30としての空調能力が異なるためである。すなわち、低騒音モードの方が通常モードよりも高い回転数で圧縮機31を駆動する時間が長く、車室内の温度を目標温度に素早く近づけることができる。このため、低騒音モードでの駆動時間は、通常モードの駆動時間よりも短い時間となる。同様に、騒音モードにおける2回目の駆動時間であるTs4からTe4までの経過時間は、通常モードにおける2回目の駆動時間であるTs3からTe3までの経過時間よりも短い。同様に、騒音モードにおける3回目の駆動時間であるTs6からTe6までの経過時間は、通常モードにおける3回目の駆動時間であるTs5からTe5までの経過時間よりも短い。
冷媒通過音は、圧縮機31が吐き出す冷媒量よりも膨張弁48を通過する冷媒量の方が多くなることで発生する。このため、圧縮機31の下限回転数を第1下限回転数Rk1よりも高い第2下限回転数Rk2に設定することで、圧縮機31が吐き出す冷媒量を多く確保できる。したがって、低騒音モードにおいては、圧縮機31が吐き出す冷媒量よりも膨張弁48を通過する冷媒量の方が多くなることを抑制して、冷媒通過音が発生することを抑制できる。低騒音モードで圧縮機31を制御している状態を維持して、ステップS141に進む。
図3のステップS141では、空調がオフか否かを判定する。より具体的には、乗員によって空調用スイッチ92が操作されるなどして、空調運転要求がなくなった場合には、空調運転を終了する。一方、空調運転要求がある場合には、ステップS101に戻って一連の空調運転を継続する。
上述した実施形態によると、空調制御部50は、暗騒音情報取得部として機能する車速センサ80で取得した車速が小さいほど圧縮機31の冷媒吐き出し能力の下限値が高くなるように制御している。言い換えると、空調制御部50は、車速センサ80で取得した車速が小さいほど圧縮機31の下限回転数が高くなるように制御している。このため、冷媒通過音が乗員に知覚されやすい低暗騒音の状態では、冷媒の循環量を増やすことができる。したがって、圧縮機31から吐き出される冷媒量が、膨張弁48を通過する冷媒量よりも少なくなることを抑制できる。よって、膨張弁48を通過する冷媒に混入するフラッシュガスを低減し、冷媒通過音が発生することを抑制することができる。以上により、冷媒通過音を低減した車両用空調装置1を提供することができる。
空調制御部50は、車速センサ80で取得した車速が所定速度未満の場合には、圧縮機31の下限回転数を第1下限回転数Rk1よりも高い回転数である第2下限回転数Rk2としている。このため、車速が小さく、周囲の小さな音を知覚しやすい状況にある乗員に対して、冷媒通過音を抑制した状態で空調運転を行うことができる。したがって、車内の快適性が空調運転における冷媒通過音によって損なわれることを抑制しやすい。
また、車速が所定速度以上である場合には、冷媒通過音が発生した場合でも乗員がその音を知覚しにくい。このため、車速が所定速度以上である場合には、圧縮機31の下限回転数を通常モードから変更しない。したがって、圧縮機31の上限回転数から下限回転数までの使用可能な回転数の範囲を広く確保できる。よって、状況に合わせた最適な回転数で圧縮機31を駆動しやすい。
また、多くの場合、車両には、車速を取得する車速センサ80が従来から設けられている。このため、暗騒音情報を取得するために専用部品を追加で設ける必要がない。したがって、従来から車両に搭載されている部品を有効活用して、簡単な構成で冷媒通過音を低減した車両用空調装置1を提供できる。
空調制御部50は、通常モードにおける圧縮機31の起動時間よりも、低騒音モードにおける圧縮機31の起動時間が長い時間となるように圧縮機31を制御している。このため、一瞬で高い回転数まで起動する場合に比べて、圧縮機31の起動時にかかる負担を低減して、大きな起動音が発生することを抑制できる。したがって、圧縮機31を起動する際の回転数が通常モードよりも高くなりやすい低騒音モードにおいて、圧縮機31の起動音が乗員に知覚されることを抑制しやすい。よって、騒音によって車室内の快適性が損なわれることを低減した車両用空調装置1を提供できる。
空調制御部50は、低騒音モードにおいて、圧縮機31を駆動する場合に、第2上限回転数Ru2から第2下限回転数Rk2までの間で回転数を変更制御するのではなく、第2下限回転数Rk2を維持するように回転数を制御してもよい。これによると、圧縮機31を駆動している間の回転数を一定にできる。したがって、簡単な制御で冷媒通過音を抑制し、かつ、乗員に快適な空調を提供できる。
低騒音モードにおいて圧縮機31が駆動してから停止するまでの時間である駆動時間は、通常モードにおける駆動時間よりも短い。このため、圧縮機31の駆動と停止とを繰り返す空調運転において、低騒音モードで圧縮機31を駆動した場合の合計時間を、通常モードで圧縮機31を駆動した場合の合計時間よりも短くしやすい。したがって、圧縮機31内部の部品が磨耗などによって疲労した状態となりにくい。また、圧縮機31を高効率で駆動可能な回転数が第1下限回転数Rk1よりも第2下限回転数Rk2に近い回転数である場合などには、圧縮機31の省動力化にも寄与し得る。
圧縮機31は、電動モータで駆動される電動圧縮機に限られない。例えば、車両走行用のエンジンとベルトで連結されているベルト駆動圧縮機でもよい。この場合、回転数の増減に代えて、圧縮空間の容量を増減させることで冷媒吐き出し能力を適切に制御することができる。
第2実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、冷凍サイクル装置230が車室内の空気を加熱するための加熱手段を提供している。言い換えると、冷凍サイクル装置230は、冷媒を凝縮させる際に排出する熱を暖房用の熱源に用いるヒートポンプ装置である。また、暗騒音情報取得部として機能するレインセンサ265を備えている。
図6において、空調ユニット20は、空調ケース21と冷凍サイクル装置230の一部をなす凝縮器232と蒸発器39とを備えている。凝縮器232は、気相冷媒を液相冷媒に凝縮させるための装置である。凝縮器232は、冷媒を凝縮させる際に、周囲に熱を放出する熱交換器である。言い換えると、凝縮器232は、空調運転において空気の加熱を行うための加熱用熱交換器である。空調ケース21の内部において、蒸発器39は、凝縮器232よりも空気の流れの上流に位置して設けられている。凝縮器232は、凝縮用熱交換器の一例を提供する。
冷凍サイクル装置230は、凝縮器232を加熱用の熱源として機能させ、蒸発器39を冷却用の熱源として機能させるヒートポンプ装置である。冷凍サイクル装置230は、凝縮器232と蒸発器39とに加えて、圧縮機31と室外機35と冷媒配管40とを備えている。圧縮機31の駆動状態において、圧縮機31の回転数を変更することで冷凍サイクル装置230を循環する冷媒の量を調整可能である。
室外機35は、空調ケース21の外部に設けられて、室外空気と冷媒との熱交換を行う熱交換器である。冷房運転において、室外機35は、外気に熱を放出して冷媒を凝縮させる。あるいは、凝縮した冷媒の温度を低下させるサブクールを行う。一方、暖房運転において、室外機35は、外気から熱を奪って冷媒を蒸発させる。
冷媒配管40は、圧縮機31と凝縮器232と室外機35と蒸発器39とを接続して、冷媒が循環する冷媒流路を提供している。冷媒配管40は、凝縮器232と室外機35とを接続する部分に室外膨張弁243を備えている。室外膨張弁243は、絞り量を任意に調整可能な電磁弁である。室外膨張弁243は、暖房運転などにおいて、室外機35に流入する液相冷媒を膨張させて、室外機35で蒸発しやすくするための装置である。室外膨張弁243は、冷房運転時には冷媒を膨張させない。
冷媒配管40は、室外機35と圧縮機31とを接続して蒸発器39をバイパスさせるバイパス配管を備えている。バイパス配管には、開閉弁245が設けられている。開閉弁245は、冷媒流路を閉じた状態と開いた状態とに切り替え可能な弁である。蒸発器39に冷媒を流す必要がある場合には、開閉弁245を閉状態とする。一方、蒸発器39に冷媒を流す必要がない場合には、開閉弁245を開状態とする。例えば、冷房運転中は、室外膨張弁243を絞らない全開状態とし、開閉弁245を閉状態とする。これにより、蒸発器39に液相冷媒を多く流して蒸発器39で空気を冷却することができる。暖房運転中は、室外膨張弁243を絞り状態とし、開閉弁245を開状態とする。これにより、室外機35で冷媒を蒸発させるとともに、蒸発器39を経由することなく気相冷媒を圧縮機31に戻すことができる。
外気温が比較的低い場合などの冷房能力が低くてもよい冷房運転においては、圧縮機31の回転数が低くなり、蒸発器39を流れる冷媒量が少なくなりやすい。外気温が比較的高い場合などの暖房能力が低くてもよい暖房運転においては、圧縮機31の回転数が低くなり、凝縮器232を流れる冷媒量が少なくなりやすい。このため、外気温と目標温度との温度差が小さい場合には、冷房運転と暖房運転とのどちらの運転においても、高い空調能力が必要ないため、圧縮機31を低い回転数で駆動することになり、冷媒通過音が発生しやすい状況となる。
図7において、空調制御部50は、レインセンサ265と接続している。レインセンサ265は、フロントウィンドウに付着した雨滴の量を検出するセンサである。レインセンサ265は、例えば、フロントウィンドウを撮影するカメラを備え、フロントウィンドウの撮影画像から雨が降っているか否かを検出する。空調制御部50は、暗騒音情報取得部として機能するレインセンサ265で取得した情報に基づいて、空調制御を変更する。
空調制御部50は、ヒータ装置32と接続していない。これは、暖房運転において凝縮器232を暖房用熱源として用いるため、ヒータ装置32を制御して空気を加熱する必要がないためである。
図8において、空調運転が開始されると、ステップS201で暗騒音情報の一例である天候情報を取得する。ここでの天候情報は、レインセンサ265を用いて測定した天候が雨天か否かの情報である。天候情報を取得した後、ステップS202に進む。
ステップS202では、天候が雨天であるか否かを判定する。天候が雨天であれば、雨粒が車体に降り注ぐことで発生する雨音などの暗騒音が十分に大きいと判断して、ステップS120に進み、通常モードで圧縮機31を駆動することとなる。一方、天候が雨天でなければ、暗騒音が小さいと判断して、ステップS130に進み、低騒音モードで圧縮機31を駆動することとなる。
上述した実施形態によると、空調制御部50は、現在の天候が雨天ではない場合には、圧縮機31の下限回転数を第1下限回転数Rk1よりも高い回転数である第2下限回転数Rk2としている。このため、暗騒音が小さく、冷媒通過音が乗員に知覚されやすい状況では、圧縮機31の下限回転数を高くして冷媒通過音の発生を抑制している。
冷凍サイクル装置230の一部を構成し、車室内に提供される空気を加熱する凝縮器232を備えている。このため、冷凍サイクル装置230を効率の高いヒートポンプ装置として活用できる。また、冷房運転と暖房運転との両方の空調運転で、圧縮機31を駆動する必要がある。したがって、圧縮機31の吐き出し能力の下限値を適切に制御することで、冷房運転と暖房運転の両方の運転において、冷媒通過音を抑制可能である。よって、快適性の高い空調運転を実施可能な車両用空調装置1を提供できる。
暗騒音情報取得部として機能する装置は、車速センサ80とレインセンサ265とに限られない。例えば、車両に搭載されたオーディオ機器を暗騒音情報取得部として機能させてもよい。乗員が音楽やラジオなどの音をオーディオ機器から出力している場合には、暗騒音が大きく、冷媒通過音が乗員に知覚されにくいと判断できる。このため、通常モードで圧縮機31を制御する。一方、乗員が音楽やラジオなどの音をオーディオ機器から出力していない場合には、暗騒音が小さく、冷媒通過音が乗員に知覚されやすいと判断できる。このため、低騒音モードで圧縮機31を制御する。このように、様々な情報から暗騒音の大小を判断できる。また、複数の暗騒音情報を組み合わせて暗騒音の大小を判断してもよい。
他の実施形態
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、1つの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。