JP2020142495A - プリプレグシート自動積層装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、市場で紹介されているプリプレグシート自動積層装置は、細幅プリプレグシート(細幅は150〜300mm程)を対象とし自動積層を行うものである。又、細幅のプリプレグシートを横並びに複数回貼り合わせる事で大型の複合材パネルを積層する事が出来るが、広幅のプリプレグシート(広幅は600mm以上)まで対応しており、複合材パネルを製造することが可能なプリプレグシート自動積層装置はいまだ実用化されていない。
本装置の動作中、保持された芯に巻かれロール状態となっているプリプレグシートが引き出される間に指定した幅寸法(図3に示すようなY軸方向の寸法)に切断する処理が行われる。従来のプリプレグシート積層装置は、積層ヘッドに機能を集約させ4軸などの複数の軸制御を行うことで複曲面形状などの作業を可能としているが、本装置はプリプレグシート1枚を積層して平板の積層体を作成するために、装置全体に各々別の役割を持った機構を最低限の構造で配置し、各機機構の動作を簡単にすることで大型化を抑えたコンパクトな構造となっている。
従来の手作業での積層作業ではプリプレグシートを強固に密着しないよう貼り重ね、そのプリプレグシートの中央部分から密着させてシワの無い部分を作り、その中央部分から幅方向両端部の外側へ向かってシワが無いように密着させていくことでシワの無い積層を行っている。
本装置では、掴み機構、引き出し機構、圧着機構、裁断機構を動作させ、従来の手作業での積層作業と同様に、中央部分から幅方向両端部の外側へ向かってプリプレグシートを貼り重ねるようにすることで、シワのない積層を行うことを特徴とする。
プリプレグシート端部を圧着する時、引き出し機構と圧着機構の衝突が無いように引き出し機構が保持を解除し退避する。引き出し機構が退避する事によって、プリプレグシート端部は自重により湾曲している中央部より次第に外側へ向かって積層定盤上に、又は、既に積層されているプリプレグシート上に、シワの無い状態を維持したまま敷かれて積層が行えることが可能となる。
プリプレグシート幅方向中央部から裁断を始める事で、裁断された部分から自重によりプリプレグシートが湾曲する。
プリプレグシートの湾曲する中央部分から、プリプレグシートが次第に外側に敷かれていくため、引き出し機構同様シワの無い状態で敷くことが可能となる。
引き出したプリプレグシートは、圧着機構の中央ブロックにより中央部から圧力を加えて押し付けられ、プリプレグシートを圧着させる。圧着される面は、剛性が低い薄板によってプリプレグ表面形状に薄板が追従することによって定盤に傾きなどがあった際も隙間無く密着し、プリプレグシートを圧着する。
また、プリプレグシートに接触している剛性の低い薄板は、中央ブロックを中心として圧着機構の進行方向に対し後退角の傾きを持つように可動する。傾きを持つことによって圧着機構により進行方向の最初に密着される部分がプリプレグシート中央部になり、時間差で外側が次第に密着される事でシワを無い状態を維持したまま、積層を行うことが出来る。
また、図4に示す引き出し機構4は、プリプレグシート21を引き出せるよう第一引き出しクランプ板42と第二引き出しクランプ板43a,43b及び引き出し機構駆動装置44で構成されている。
図3に示すようにプリプレグシート21を引き出すため、掴み機構3は、プリプレグシート端部を上下両面から挟み込み保持する第一掴みクランプ板31及び第二掴みクランプ板32を備えている。
引き出し機構4は、掴み機構3によって保持されたプリプレグシート端部を保持し、プリプレグシート21を引き出すため、引き出し機構初期位置4aより引き出し機構駆動装置44で可能な限り掴み機構3に近づくよう移動する。
図4に示すように、引き出し機構4は、引き出し機構4の第一引き出しクランプ板42と第二引き出しクランプ板43a,43bによって上下からプリプレグシート21の引き出し端部を挟み込んで保持する。引き出し機構4がプリプレグシート21の端部を保持後、掴み機構3はプリプレグシート21の端部の保持を解除する。その後、引き出し機構4が引き出し機構駆動装置44により移動し、プリプレグシート21を積層定盤7上に引き出す。
図3に示すように、掴み機構3と引き出し機構4の各々のクランプ板は、お互いの機構に向き合う側が波目形状となっており、お互いの機構が同時にプリプレグシート21の端部を保持し、掴み機構3から引き出し機構4にプリプレグシート21の端部を受け渡しできるようになっている。尚、波目形状とは正弦曲線のように周期的に連続した形状が続く形状を指す。正弦曲線のように周期的に連続した形状であるならば、三角形や四角形などの形状でも良い。
プリプレグシートの掴み機構クランプ板31、32による保持状態から引き出し機構クランプ板42、43a、43bによる保持状態への受け渡しの適否を示す掴み機構クランプ板パターンA、B、Cについて説明する。
クランプ板パターンAでは、引き出し機構4が掴むプリプレグシート21の端部の範囲が無くプリプレグシート21を引き出すことができない。クランプ板パターンBでは、プリプレグシート21の先端部が自重により垂れてしまい、引き出し機構4がプリプレグシート21の端部を保持出来ないため、引き出すことが出来ない。クランプ板パターンCでは、プリプレグシート21先端部が掴み機構3に保持され、垂れていない状態で且つ、掴み機構3にとって保持されていない範囲があるため、引き出し機構4がプリプレグシート4を保持し引き出すことが出来る。
その結果、引き出されたプリプレグシート21は、テンションが掛かり、張りのある状態で自重により引き出し方向の中央部が湾曲した状態となる。
また、引き出し機構4によって保持されているプリプレグシート21端部も保持が解除され、積層定盤7に敷かれ、中央から外側に敷かれることによってシワのない状態を維持したまま積層を行うことが可能となる。
図5に示すように、圧着機構5は、プリプレグシート21の引き出し方向の前後方向に、圧着機構移動レール57によって動作する門形支柱51にプリプレグシート21の圧着方向の上下に動作する圧着機構圧着装置52が取り付けられている。引き出されたプリプレグシート21に接触する部分には、プリプレグシート21の中央部を圧着させる圧着機構中央ブロック54が取り付けられており、その両側には、圧着機構可動ブロック53及び圧着機構薄板55が取り付けられている。
引き出し機構4の積層定盤71上への、プリプレグシート21を引き出す該当動作が完了後、圧着機構5は引き出し方向に圧着機構移動レール57上を門形支柱51により移動して、プリプレグシート21の積層定盤71上への引き出し量の中央で停止する。その後、圧着機構圧着装置52により、圧着機構中央ブロック54、その両側の圧着機構可動ブロック53、圧着機構薄板55がプリプレグシート21を圧着し、その圧着状態のまま引き出し方向の進行方向に圧着機構移動レール57上を門形支柱51が駆動し、圧着機構5がプリプレグシート21を圧着して行く。圧着中は圧着機構薄板55がプリプレグシート21の表面形状に馴染み密着状態となるため、隙間無くプリプレグシート21を圧着して行く。
圧着機構可動ブロック53及び圧着機構薄板55が後退角θの傾きを持つことで、プリプレグシート21の幅方向中央部より圧着が行われ、中央部から外側へ圧着されるよう動作する。中央部から外側へ圧着することによって、人の手による作業を模したかのように圧着されシワの無い状態を維持したまま圧着を行うことが出来る。万が一シワがあった場合には外側にシワを逃がすことでシワを消し、シワの無い状態で圧着を行える。
図7に示すように▲1▼〜▲11▼の順で各機構の動作を示す。▲1▼にて各機構は動作開始前の初期位置に配置されている。▲2▼にて引き出し機構4の動作が開始し、掴み機構3に保持されているプリプレグシート21を保持するため、掴み機構3になるべく近づくよう動作する。▲3▼にて引き出し機構4がプリプレグシート21を保持し、掴み機構3がプリプレグシート21の保持を解除する。▲4▼にて引き出し機構4がプリプレグシート21を定盤7上に引き出す。▲5▼にて圧着機構5が積層定盤7上に引き出されたプリプレグシート21上に移動する。▲6▼にて圧着機構5がプリプレグシート21の圧着を開始する。▲7▼にて圧着機構5が圧着状態を維持したまま、引き出し機構4の側へ移動しプリプレグシート21を圧着していく。▲8▼にて引き出し機構4はプリプレグシート21の保持を解除し、圧着機構5との衝突を防ぐよう退避し、圧着機構5は引き出し機構4の保持していた部分を圧着する。▲9▼にて圧着機構5は圧着状態を維持したまま、掴み機構3付近まで移動する。▲10▼にて掴み機構3はプリプレグシート21の保持を解除し圧着機構5との衝突を防ぐよう退避し、圧着機構5は掴み機構3が保持していた部分を圧着する。▲11▼にて各機構が初期の位置動作し戻る。
引き出されたプリプレグシート21は、芯に巻かれロール状態となっている部分と繋がっているため裁断機構6によって、切断し積層可能な矩形状態にする。
裁断機構6には、カッターが取り付けられた第一カッターユニット61及び第二カッターユニット62が両幅方向端部に取り付けられている。第一及び第二カッターユニットは左右対称で同じ構造である。第一カッターユニット61及び第二カッターユニット62は、カッターユニット裁断経路63に沿って移動し、プリプレグシート21を幅方向中央部より幅方向端部に向かい裁断する。
第一カッターユニット61と第二カッターユニット62のカッターユニット裁断経路63は、プリプレグシート幅方向中央部で重なるようになっており、切り残しが無いよう動作する。また、第一カッターユニット61と第二カッターユニット62の衝突を防ぐよう、どちらか一方のカッターユニットが遅れて動作する。各カッターユニットの初期位置を両幅方向端部としており、初期位置の目印としてリミットスイッチが取り付けられている。このリミットスイッチの初期位置を0mmとし各カッターユニット毎に裁断位置と退避位置を設定する。
裁断位置はプリプレグシート21に刃を切り込む位置であり、退避位置はカッターユニット同士が衝突しないため、切り込み後に切り込んだまま幅方向端部側に離間するための一時的な待機位置である。裁断動作開始時に第一カッターユニット61は、裁断位置まで移動しプリプレグシート21に刃を切り込ませる。第二カッターユニットは退避位置まで移動し一時停止している。その後、第一カッターユニットは切り込んだまま退避位置に移動する。第一カッターユニットの移動後、第二カッターユニットが裁断位置まで移動し、プリプレグシート21に刃を切り込ませる。第二カッターユニットが退避位置に移動後、各カッターユニットが両幅方向端部離間するように移動しプリプレグシート21を裁断する。尚各動作は制御部72によって電気的制御によって行われる。裁断される際のプリプレグシート21は、裁断機構6の第一カッターユニット61及び第二カッターユニット62によって幅方向中央部より外側に向かって裁断され矩形の状態になる。裁断されるプリプレグシート21は幅方向中央部より、自重により湾曲した状態となり裁断時に中央から外側に向かうよう積層定盤71に敷かれる。裁断機構6によるプリプレグシート21の裁断時もプリプレグシート21の幅方向中央部が湾曲し、幅方向中央部から外側に向かってプリプレグシート21が敷かれることによって、シワの無い及びシワの発生しない状態を維持したままプリプレグシート21を定盤71に敷く事が出来る。
図9に示すように▲1▼〜▲9▼の順で裁断機構6の動作を示す。▲1▼にて第1カッターユニット61と第二カッターユニット62は動作開始前の初期位置に配置されている。
▲2▼にて第一カッターユニット61と第二カッターユニット62はプリプレグシート21の幅方向中央部付近へ移動する。▲3▼にて第二カッターユニット62がプリプレグシート21の幅方向中央部を越え移動し、刃をおろしプリプレグシート21の裁断を開始する。▲4▼にて第二カッターユニット62は第一カッターユニット61より離間するよう動作しプリプレグシート21を裁断する。その後第一カッターユニット61がプリプレグシート21の幅方向中央部まで移動する。▲5▼にて第一カッターユニット61が刃をおろしプリプレグシート21の裁断を開始する。▲6▼にて第一カッターユニット61が第二カッターユニット62より離間するように動作しプリプレグシート21を裁断する。プリプレグシート21は幅方向中央部より裁断されることにより、幅方向中央部より自重により湾曲する。▲7▼にて第一カッターユニット61及び第二カッターユニット62は裁断を継続したまま初期配置位置に戻るよう動作する。プリプレグシート21は幅方向中央部が自重により湾曲した状態を維持したまま裁断される。▲8▼にて第一カッターユニット61及び第二カッターユニット62がプリプレグシート21の幅方向端部を裁断し、プリプレグシート21が自重により湾曲した幅方向中央部より積層定盤7上に敷かれる。▲9▼にて第一カッターユニット61及び第二カッターユニット62は刃を上げ初期の状態に戻る。
プリプレグシート21は幅方向中央部から幅方向端部へ次第に敷かれる事によりシワのない状態を維持したまま積層され圧着される。
2.保持機構
3.掴み機構
4.引き出し機構
4a.引き出し機構初期位置
5.圧着機構
6.裁断機構
7.積層定盤
21.プリプレグシート
22.保持機構用丸棒
23.ストッパー
24.三点ローラー
25.保持機構保持部
31.第一掴みクランプ板
32.第二掴みクランプ板
42.第一引き出しクランプ板
43a.第二引き出しクランプ板1
43b.第二引き出しクランプ板2
44.引き出し機構駆動装置
51.門形支柱
52.圧着機構圧着装置
53.圧着機構可動ブロック
54.圧着機構中央ブロック
55.圧着機構薄板
56.圧着機構可動ブロックの可動箇所及び可動方向
57.圧着機構移動レール
61.第一カッターユニット
62.第二カッターユニット
63.カッターユニット裁断経路
71.定盤
72.制御部
Claims (4)
- 繊維シートに樹脂を含浸させたプリプレグシートを複数枚積層して積層体を製造するプリプレグシート自動積層装置1であって、
芯に巻かれロール状態となっているプリプレグシート21を保持する保持機構2と、
前記保持機構2から引き出されたプリプレグシート端部を保持する掴み機構3と、
前記掴み機構3から前記プリプレグシート21を積層定盤7上に引き出す引き出し機構4と、
前記プリプレグシートを前記積層定盤7上から圧着する圧着機構5と
前記プリプレグシート21をカッターで切断する裁断機構6と、
を備えたプリプレグシート自動積層装置。 - 前記掴み機構3は、第一掴みクランプ板31と第二掴みクランプ板32を備え、
前記各々のクランプ板の引き出し方向端部は、当該各々のクランプ板の幅方向に沿って同一の波目形状を備え、
前記引き出し機構4は、第一引き出しクランプ板42と第二引き出しクランプ板43a、43bを備え、前記各々のクランプ板の引き出し方向端部は、当該各々のクランプ板の幅方向に沿って同一の波目形状を備え、プリプレグシート21を積層定盤7に引き出すための引き出し機構駆動装置44を備え、
前記掴み機構3及び前記引き出し機構4は、お互いの波目形状が互い違いに向き合っていることを特徴とする請求項1に記載のプリプレグシート自動積層装置。 - 前記裁断機構6は、前記掴み機構3の上部に配置され、第一カッターユニット61及び第二カッターユニット62、制御部72を備え、
前記制御部72により
お互いのカッターユニットが両端部に向かって離間するように移動して、
前記プリプレグシート21を中央から端部に向かって切断することを特徴とする
請求項1〜2のいずれかに記載のプリプレグシート自動積層装置。 - 前記圧着機構5は、積層定盤7の幅方向(Y方向)から積層定盤7の上部に配置され、門形支柱51と圧着機構圧着装置52と圧着機構可動ブロック53と圧着機構中央ブロック54と圧着機構薄板55、圧着機構移動レール57を備え、
前記門形支柱51は、圧着機構5をプリプレグシート21の引き出し方向の前後方向(±X方向)に移動できように前記圧着機構移動レール57上に備え、
圧着機構圧着装置52は、前記門形支柱51に取り付けられているプリプレグシート圧着のため上下方向(±Z方向)に可動するエアシリンダを備え、
圧着機構可動ブロック53は、プリプレグシート21の圧着を中央部分から次第に外側へ圧着させる長方形のブロックを備え、
圧着機構薄板55は、プリプレグシート21を圧着する際に直接プリプレグシートに触れ、プリプレグシートの表面形状に馴染み密着する、板厚が薄く剛性の低い板を備え、前記圧着機構可動ブロック53によって圧着機構5の進行方向に対し、後退角θの傾きを持つように圧着することを特徴とする、
請求項1〜3のいずれかに記載のプリプレグシート自動積層装置。
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CN115157721A (zh) * | 2022-07-20 | 2022-10-11 | 国能联合动力技术(连云港)有限公司 | 一种风机叶片大梁玻纤布自动铺设装置 |
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