JP2015140428A - プリプレグ自動積層装置 - Google Patents

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修 長谷川
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【課題】複数のプリプレグシートが積層されたプリプレグ積層体を形成するにあたって、省人化を図る。
【解決手段】プリプレグシート10を平行四辺形状の平行四辺形ピースに切り出す第一カッター28、及び、平行四辺形ピースから台形状の台形ピースを切り出す第二カッター29を備える切断部23と、プリプレグシート10が張り付けられる長方形状の被積層体12が載置されて、被積層体12を送り出すテーブル3と、テーブル3の送り出しに伴って、被積層体12に対して平行四辺形ピース又は台形ピースを順次押し付けて張り付けるコンパクタ24と、台形ピースが被積層体に押し付けられる際に、プリプレグシート10における台形ピースの周囲の余剰部が被積層体12に張り付かないように、余剰部のプリプレグシート10と被積層体12との間に介在されるマスキングシート41を有するマスキング装置9と、を備えるプリプレグ自動積層装置を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維シートに樹脂を含浸させたプリプレグシートを複数積層させることで、複数のプリプレグシートが積層されたプリプレグ積層体を形成するプリプレグ自動積層装置に関する。
従来、繊維シートに樹脂を含浸させることで構成されたプリプレグシートを複数積層させることでプリプレグ積層体を形成し、このプリプレグ積層体を用いて、航空機の胴体や主翼等を製作することが行われている。
繊維シートを構成する繊維は、繊維方向が揃えられている。また、繊維シートに含浸させる樹脂としては、半硬化状態(不完全硬化状態)とされた紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等が用いられているため粘着性を有する。このため、プリプレグシートの一方の面には、剥離用シートが配置されている。
プリプレグ積層体は、プリプレグシートから剥離紙を取り除き、繊維方向を交差させながら複数のプリプレグシートを一体に積層して製造(形成)される。即ち、繊維方向を0度方向に向けたプリプレグシート(0度層)の上に、繊維方向を例えば45度方向や90度方向に向けたプリプレグシート(角度層)を積層してゆく。さらに、その上に繊維方向を0度方向に向けたプリプレグシート(0度層)を積層するなどする。このように先行して積層したプリプレグシートで一体形成されたワーク(被積層体)に順次繊維方向を交差させながら所要枚数のプリプレグシートを積層することによってプリプレグ積層体が製造される。
45度層を積層する場合、カッター(カッターヘッド)を用いてプリプレグシートを平行四辺形(菱形状)に切り出して積層している。即ち、プリプレグ積層体の45度層は、プリプレグ積層体の長手方向に対して繊維方向を45度方向に向けた平行四辺形状の複数のピースを、プリプレグ積層体の長手方向に敷き詰めるように配置する構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−177939号公報
ところで、プリプレグ自動積層装置によって製造されるプリプレグ積層体は、最終的な製品形状を長方形とすることが一般的である。図13は、プリプレグ積層体に積層される45度層を構成する平行四辺形ピース及び台形ピースの配置を説明する概略平面図である。
プリプレグ積層体の製造工程において45度層を積層する場合、図13に示すように、プリプレグ積層体50の両端に台形状の特殊形状ピース(台形ピース52)を積層する必要がある。換言すれば、45度層を積層する場合、平行四辺形ピース51では埋められない部分に台形ピース52を配置する必要がある。
しかしながら、従来のプリプレグ自動積層装置は、カッターの動作自由度が少なく、プリプレグシートから台形ピースを切り出すことができない。
よって、現状では、台形ピースは別置きのカッティング装置で予め切り出しておき、作業者が手作業で積層しているため、製造コストの増加が課題となっている。また、台形ピースは、45度層の両端には必ず配置する必要があるため、作業者が機械から離れることができず、省人化の妨げとなっている。
この発明は、複数のプリプレグシートが積層されたプリプレグ積層体を形成するにあたって、台形ピースの積層を自動化することによって省人化を図ることができるプリプレグ自動積層装置を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様によれば、プリプレグ自動積層装置は、繊維シートに樹脂を含浸させたプリプレグシートを複数積層させることで、複数の前記プリプレグシートが積層された長方形状のプリプレグ積層体を形成するプリプレグ自動積層装置であって、繊維方向に送り出されるプリプレグシートを、前記繊維方向に対して傾斜する方向に切断することで、前記プリプレグシートを平行四辺形状の平行四辺形ピースに切り出す第一カッター、及び、前記平行四辺形ピースを前記第一カッターの切断方向に直交する方向に切断することで、台形状の台形ピースを切り出す第二カッターを備える切断部と、前記プリプレグシートが張り付けられる長方形状の被積層体が載置されて、前記被積層体を送り出すテーブルと、前記テーブルの送り出しに伴って、前記被積層体に対して前記平行四辺形ピース又は前記台形ピースを順次押し付けて張り付けるコンパクタと、前記台形ピースが前記被積層体に押し付けられる際に、前記プリプレグシートにおける前記台形ピースの周囲の余剰部が被積層体に張り付かないように、前記余剰部のプリプレグシートと前記被積層体との間に介在されるマスキングシートを有するマスキング装置と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、切断部を用いて台形ピースを切り出すことができるため、プリプレグ積層体を形成する際に省人化を図ることができる。
また、マスキングシートが台形ピースの周囲の余剰部のプリプレグシートと被積層体との間に介在することで、余剰部のプリプレグシートが被積層体に積層されることを防止することができる。
上記プリプレグ自動積層装置において、前記マスキングシートにはマスキングシート開口部が形成されており、前記マスキングシート開口部の形状は、前記被積層体の一対の長辺及び短辺からなる図形と合同である図形を含んでいる構成としてもよい。
このような構成によれば、マスキングシート開口部を介して台形ピースのみにコンパクタの押圧力をかけることができる。また、余剰部を被積層体の直近でマスキングすることにより、マスキング性能を向上させることができる。
上記プリプレグ自動積層装置において、前記マスキングシート開口部は、前記被積層体の長手方向に沿う第一対向辺を有する第一切欠部を備える第一マスキングシートと、前記第一対向辺に平行な第二対向辺を有する第二切欠部を備える第二マスキングシートとから形成され、前記マスキング装置は、前記第一対向辺と前記第二対向辺とが接近及び離間自在となるように前記第一マスキングシートを駆動するシート駆動部を備える構成としてもよい。
このような構成によれば、被積層体の幅に合わせてマスキングシート開口部の幅を調整することができる。これにより、被積層体の幅に応じてマスキングシートを交換する必要がなくなる。
上記プリプレグ自動積層装置において、前記マスキング装置は、前記被積層体の長手方向に延在する中心軸回りに回転し、前記第一マスキングシートの端部が接続された第一駆動ローラーを有し、前記シート駆動部は、前記第一駆動ローラーを回転駆動させる構成としてもよい。
このような構成によれば、第一駆動ローラーを介して第一マスキングシートの第一対向辺と平行な端部に均一に駆動力をかけることができる。これにより、マスキングシートに適切に張力を与えることができる。
上記プリプレグ自動積層装置において、前記マスキング装置は、前記被積層体の長手方向に延在する中心軸回りに回転し、前記第二マスキングシートの端部が接続された第二駆動ローラーと、前記第一駆動ローラーの回転を前記第二駆動ローラーに伝達する伝達機構と、を有する構成としてもよい。
このような構成によれば、第一対向辺と同時に第二対向辺を移動させることができる。これにより、被積層体のマスキングシート開口部の幅を幅方向に対称に変更することができる。
上記プリプレグ自動積層装置において、前記マスキング装置は、前記被積層体の長手方向に延在する中心軸回りに回転し、前記第二マスキングシートの端部が接続された第二駆動ローラーを有し、前記駆動部は、前記第一駆動ローラーと第二駆動ローラーとを独立して回転駆動させる構成としてもよい。
このような構成によれば、第一対向辺のみならず第二対向辺を独立して移動させることができる。これにより、被積層体のマスキングシート開口部の幅方向の位置合わせが容易となる。
上記プリプレグ自動積層装置において、前記マスキングシートは、前記プリプレグシートに対して粘着性の低い材料によって形成されている構成としてもよい。
このような構成によれば、余剰部がマスキングシートに貼り付きにくくなるため、余剰部の排除が容易となる。
上記プリプレグ自動積層装置において、前記マスキングシートは、前記プリプレグシートに対して粘着性の高い材料によって形成され、前記マスキング装置は、前記マスキングシートに貼り付けられた前記余剰部を剥ぐスクレーパーを有する構成としてもよい。
このような構成によれば、余剰部をマスキング装置側で回収することができる。これにより、余剰部がテーブル上に脱落するなどして積層不良が発生することを防止することができる。
上記プリプレグ自動積層装置において、前記マスキング装置は、前記マスキングシートを前記被積層体に対して離間及び接近する方向へ昇降自在とする昇降装置を備える構成としてもよい。
このような構成によれば、被積層体又はテーブルとマスキングシートとが貼りつくことを防止することができる。
本発明によれば、複数のプリプレグシートが積層されたプリプレグ積層体を形成するにあたって、台形ピースの積層を自動化することによって省人化を図ることができる。
本発明の第一実施形態のプリプレグ自動積層装置を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態のプリプレグ自動積層装置の角度層用積層ヘッドを示す図である。 本発明の第一実施形態のプリプレグ自動積層装置の切断部の斜視図である。 本発明の第一実施形態のプリプレグ自動積層装置のマスキング装置の斜視図である。 マスキング装置の分解斜視図である。 マスキング装置の側断面図である。 切断部の作用を説明する図であり、(a)、(b)は角度層用カッターを用いて平行四辺形ピースを切り出す様子を示す斜視図であり、(c)は台形用カッターを用いて台形ピースを切り出す様子を示す斜視図である。 マスキング装置の作用を説明する図であり、(a)はマスキング装置を台形ピースが積層される位置に移動させる様子を示す平面図であり、(b)は台形ピースを被積層体の積層位置に送り出す様子を示す平面図であり、(c)はコンパクタ群を用いて台形ピースを被積層体に押圧する様子を示す平面図である。 本発明の第一実施形態の変形例のマスキング装置を示す斜視図である。 本発明の第二実施形態のプリプレグ自動積層装置のマスキング装置の側断面図である。 本発明の第三実施形態のプリプレグ自動積層装置の搬送方向から見た側面図である。 本発明の第三実施形態のプリプレグ自動積層装置の搬送方向から見た側面図であり、昇降装置を用いてマスキング装置を上昇させた様子を示す図である。 プリプレグ積層体に積層される45度層を構成する平行四辺形ピース及び台形ピースの配置を説明する概略平面図である。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態のプリプレグ自動積層装置について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際のプリプレグ自動積層装置の寸法関係とは異なる場合がある。
本実施形態は、繊維シートに樹脂を含浸させたプリプレグシートを複数積層してプリプレグ積層体を製造(形成)するためのプリプレグ自動積層装置に関するものである。
図1は、本発明の第一実施形態のプリプレグ自動積層装置1を示す斜視図である。図1に示すように、プリプレグ自動積層装置1は、機械ベース2と、機械ベース2上に設けられた積層テーブル3と、積層テーブル3を間にして架設された第一門型フレーム4及び第二門型フレーム5と、第一門型フレーム4に支持された0度層用積層ヘッド7と第二門型フレーム5に支持された角度層用積層ヘッド8と、マスキング装置9と、を有している。また、プリプレグ自動積層装置1は、0度層用積層ヘッド7、角度層用積層ヘッド8、マスキング装置9などの動作を制御する制御装置(図示せず)を有している。
積層テーブル3上には、先行して積層したプリプレグシートで一体形成された長方形状の被積層体12(チャージ)が載置されている。
積層テーブル3は、機械ベース2上を積層テーブル3の長手方向である所定の方向T1に進退自在に載置されている。以下、方向T1を搬送方向T1と呼ぶ。積層テーブル3は、多孔質板を用いて形成されており、上面に開口する多数の吸着孔(図示せず)を備えて形成されている。多数の吸着孔は、吸引管を介して真空吸引装置(図示せず)と接続されている。これにより、積層テーブル3は、真空吸引装置を駆動し、吸着孔を通じて空気を吸引することにより、積層テーブル3上に載置された被積層体12を吸着状態で保持できるように構成されている。
第一門型フレーム4と第二門型フレーム5とは、搬送方向T1に間隔をあけて配設されている。
0度層用積層ヘッド7は、一方の面に剥離紙が取り付けられているプリプレグシート10が巻き回された0度層用供給ローラー13と、プリプレグシート10を素材搬送方向T2(繊維方向、プリプレグシート10延在方向)に送る機能を有する一対の0度層用送りローラー14と、0度層用ガイドローラー15と、プリプレグシート10を所定の長さ毎に裁断するカッター16と、プリプレグシート10を押圧する押圧ローラー17と、プリプレグシート10から剥離した剥離紙11を回収する0度層用剥離紙回収ローラー18と、を有している。
0度層用積層ヘッド7は、プリプレグシート10の長手方向(繊維方向)が、積層テーブル3の搬送方向T1に沿うように配置されている。
0度層用供給ローラー13には、一面に剥離紙を取り付けた状態のプリプレグシート10が巻き回されている。
一対の0度層用送りローラー14は、0度層用供給ローラー13から繰り出されたプリプレグシート10を挟むように対向して設けられており、図示しない駆動装置によって、プリプレグシート10を素材搬送方向T2に引き出す機能を有している。
0度層用ガイドローラー15は、0度層用送りローラー14によって送られるプリプレグシート10を巻き掛けて支持可能な位置に複数配置されている。
カッター16は、0度層用送りローラー14と0度層用ガイドローラー15との間に設けられており、剥離紙を裁断することなく、プリプレグシート10のみを所定の長さ毎に裁断する機能を有している。
図2に示すように、角度層用積層ヘッド8は、剥離紙11が取り付けられているプリプレグシート10が巻き回された角度層用供給ローラー20と、プリプレグシート10を素材搬送方向T2に送る機能を有する一対の角度層用送りローラー21と、角度層用ガイドローラー22と、プリプレグシート10を所定の長さ毎に裁断する切断部23と、プリプレグシート10を押圧するコンパクタ群24と、プリプレグシート10から剥離した剥離紙11を回収する角度層用剥離紙回収ローラー25と、スクレーパー26と、を有している。
角度層用積層ヘッド8は、プリプレグシート10の長手方向(繊維方向)が、積層テーブル3の搬送方向T1に対して回転自在となるように支持されている。即ち、角度層用積層ヘッド8は、図示しない駆動装置によって自由に回転駆動させることができる。
コンパクタ群24は、例えばピストン機構を有する複数のコンパクタから構成されている。コンパクタ群24は、被積層体12の上面にプリプレグシート10を積層させる際に、プリプレグシート10の繊維方向(即ち、素材搬送方向T2)に移動可能である。
スクレーパー26は、断面楔形状の板状部材であり、剥離紙11が角度層用剥離紙回収ローラー25に回収される際に、剥離紙11に付着する余剰部R(図7参照)を剥ぐことができるように配置されている。
図3は、本実施形態のプリプレグ自動積層装置1の切断部23の斜視図である。図3に示すように、切断部23は、その主面が角度層用ガイドローラー22とコンパクタ群24の間のプリプレグシート10と平行となるように配置される矩形形状のベース部27と、角度層用カッター28(第一カッター)と、台形用カッター29(第二カッター)とを有している。角度層用カッター28は、繊維方向である素材搬送方向T2に送り出されるプリプレグシート10を繊維方向に対して傾斜する方向に切断するカッターであり、台形用カッター29は、プリプレグシート10を角度層用カッター28の切断方向に直交する方向に切断するカッターである。
ベース部27は、所定の回動機構30によって、その主面に直交する軸を中心に回動自在とされている。回動機構30は、例えば、出力軸がベース部27の裏面に接続された駆動用モータを採用することができる。
角度層用カッター28は、剥離紙11を裁断することなく、プリプレグシート10のみを所定の長さ毎に裁断する機能を有している。角度層用カッター28は、ベース部27に設けられた第一レール31に取り付けられている。角度層用カッター28は、回動機構30によってベース部27を回動させることにより、切り出し方向(切断線の方向)を素材搬送方向T2に対して例えば45度や90度の所定の交差角度とすることができる。これにより、プリプレグシート10から平行四辺形状の平行四辺形ピース51(図13参照)を切り出すことができる。角度層用カッター28は、例えば、円形刃を有するもの(ロータリーカッター)を採用することができる。
台形用カッター29は、剥離紙11を裁断することなく、プリプレグシート10のみを所定の長さ毎に裁断する機能を有している。台形用カッター29は、ベース部27に設けられた第二レール32に取り付けられている。また、台形用カッター29は、第二レール32の延在方向に直交する方向に延在する直角レール33を有している。台形用カッター29は、第二レール32上を移動可能であるとともに、直角レール33上を移動可能である。台形用カッター29は、第二レール32との角度(90度)を維持したまま台形用カッター29とともに移動可能なように第二レール32と接続されている。
台形用カッター29は、直角レール33の延在方向に沿う方向にプリプレグシート10を切断するように構成されている。即ち、角度層用カッター28によって形成される切り込みと直交する方向に切り込みを形成するカッターである。即ち、台形用カッター29の切り出し方向(切断線の方向)は、常に角度層用カッター28の切り出し方向と直交する。台形用カッター29としては、例えば、超音波カッターを採用することができる。
マスキング装置9は、角度層用積層ヘッド8と、積層テーブル3との間にマスキングシート41を介在させることによって、プリプレグシート10の一部にコンパクタ群24からの押圧力を与えないようにする装置である。
図4に示すように、マスキング装置9は、機械ベース2(図1参照)の幅方向の両側に、搬送方向T1にスライド自在に配置された第一移動ベース35及び第二移動ベース36と、第一移動ベース35の上面に配置された第一駆動ローラー37及び第二駆動ローラー39と、第二移動ベース36の上面に配置された第一張力ローラー38及び第二張力ローラー40と、マスキングシート41と、を有している。第一駆動ローラー37、第二駆動ローラー39、第一張力ローラー38、及び第二張力ローラー40は、被積層体12の長手方向に延在する中心軸回りに回転するように配置されている。
また、マスキング装置9は、マスキング装置9全体を搬送方向T1に移動させる搬送方向駆動部48と、マスキングシート41の位置を調整するためのシート駆動部49を有している。
マスキングシート41は、第一駆動ローラー37及び第一張力ローラー38に取り付けられた第一マスキングシート42と、第二駆動ローラー39及び第一張力ローラー38に取り付けられた第二マスキングシート43とからなる。
第一マスキングシート42及び第二マスキングシート43は、粘着性の低い材料、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)によって形成されている。第一マスキングシート42及び第二マスキングシート43を形成する材料としては、プリプレグシート10に対して粘着性が低ければPTFEに限ることはなく、例えば、エンボス加工されたシートの採用も可能である。
第一移動ベース35及び第二移動ベース36は、マスキングシート41を搬送方向T1に移動させる部位である。
第一移動ベース35及び第二移動ベース36は、機械ベース2の両側面に張り出すように形成されている一対のマスキング装置支持部45(図1参照)上に直動ガイドなどの直線運動をガイドするガイド部材46,47を介して配置されている。
第一移動ベース35は、一方のマスキング装置支持部45上の第一ガイド部材46に搬送方向T1に移動自在に取り付けられている。第一移動ベース35は、搬送方向駆動部48によって、搬送方向T1に駆動される。即ち、搬送方向駆動部48は、第一移動ベース35を搬送方向T1に自在に動かすことができる。
搬送方向駆動部48は、例えば、第一移動ベース35上に固定された移動用駆動モーター54と、マスキング装置支持部45に固定されたラックギヤ55と、移動用駆動モーター54の出力軸に取り付けられ、ラックギヤ55に噛み合うピニオンギヤ56と、を有する構成としてよい。
第二移動ベース36は、マスキング装置支持部45の一方とは反対側のマスキング装置支持部45の第二ガイド部材47に取り付けられている。第一移動ベース35と第二移動ベース36とは、図示しない接続部材によって接続されている。即ち、第一移動ベース35が搬送方向駆動部48によって移動すると、第二移動ベース36も同様に移動する。
第一駆動ローラー37は、円柱形状の回転物である。第一駆動ローラー37は、その中心軸が搬送方向T1に沿うように第一移動ベース35上に回転自在に固定されている。
第一張力ローラー38は、円柱形状の回転物である。第一張力ローラー38は、その中心軸が搬送方向T1に沿うように第二移動ベース36上に回転自在に固定されている。第一張力ローラー38には、定荷重バネ44が取り付けられている。定荷重バネ44は、第一張力ローラー38と第一駆動ローラー37とに取り付けられた第一マスキングシート42に張力を与えている。
図5に示すように、第一マスキングシート42は、第一切欠部57を有する長尺のシート状をなしている。第一マスキングシート42は、長手方向の一方の側が第一駆動ローラー37の外周面に巻き回されている。
第一マスキングシート42の長手方向の一方の側とは反対側は、第一張力ローラー38の外周面に巻き回されている。
第一マスキングシート42には、矩形の切り欠きである第一切欠部57が形成されている。第一切欠部57は、積層テーブル3に載置された被積層体12の長手方向に沿う第一対向辺60と、第一対向辺60の両端部から第一張力ローラー38側に延在する一対の第一接続辺61とから構成されている。
第二駆動ローラー39は、円柱形状の回転物である。第二駆動ローラー39は、その中心軸が搬送方向T1に沿うように第一移動ベース35上に回転自在に固定されている。第二駆動ローラー39は、第一駆動ローラー37と平行に配置されており、第一駆動ローラー37よりも積層テーブル3に近い位置に配置されている。
第二張力ローラー40は、円柱形状の回転物である。第二張力ローラー40は、その中心軸が搬送方向T1に沿うように第二移動ベース36上に回転自在に固定されている。第二張力ローラー40には、定荷重バネ44が取り付けられている。定荷重バネ44は、第二張力ローラー40と第二駆動ローラー39とに取り付けられた第二マスキングシート43に張力を与えている。第二張力ローラー40は、第二張力ローラー40と平行に配置されており、第二張力ローラー40よりも積層テーブル3に近い位置に配置されている。
図6に示すように、第二駆動ローラー39と第二張力ローラー40とは、第二マスキングシート43が第一マスキングシート42の下面に接するような位置に配置されている。
第二マスキングシート43は、第二切欠部63を有する長尺のシート状をなしている。第二マスキングシート43は、長手方向の一方の側が第二駆動ローラー39の外周面に巻き回されている。第二マスキングシート43の長手方向の一方の側の反対側は、第二張力ローラー40の外周面に巻き回されている。
第二マスキングシート43には、矩形の切り欠きである第二切欠部63が形成されている。第二切欠部63は、被積層体12の長手方向に沿う第二対向辺66と、第二対向辺66と第二対向辺66の両端部から第二張力ローラー40側に延在する一対の第二接続辺67とから構成されている。
第一マスキングシート42の第一対向辺60と第二マスキングシート43の第二対向辺66とは、第一切欠部57と第二切欠部63とで矩形状の開口であるマスキングシート開口部68が形成されるように対向して配置される。マスキングシート開口部68の形状は、被積層体12の一対の長辺及び短辺からなる図形と合同である図形を含むように形成されている。
マスキング装置9のシート駆動部49は、第一マスキングシート42の第一対向辺60と第二マスキングシート43の第二対向辺66とを接近及び離間自在とするように、第一マスキングシート42を駆動する装置である。
シート駆動部49は、第一駆動ローラー37に取り付けられた第一駆動ギヤ70と、第二駆動ローラー39に取り付けられた第二駆動ギヤ71と、第一駆動ギヤ70を駆動するシート駆動モーター72と、を有している。
第一駆動ギヤ70は、第一駆動ローラー37の一方の端部に取り付けられている平歯車である。第一駆動ギヤ70は、回転軸が第一駆動ローラー37の中心軸と同軸となるように取り付けられている。
第二駆動ギヤ71は、第二駆動ローラー39の一方の端部に第一駆動ギヤ70と噛み合うように取り付けられている平歯車である。即ち、第一駆動ギヤ70と第二駆動ギヤ71とは、シート駆動モーター72の駆動を伝達する伝達機構として機能する。
シート駆動モーター72の出力軸は、第一駆動ギヤ70に接続されている。シート駆動モーター72は、図示しない制御装置によって制御されている。シート駆動モーター72によって第一駆動ギヤ70が駆動されることによって、第一駆動ローラー37が回動し、第一駆動ローラー37に接着された第一マスキングシート42を搬送方向T1に直交する方向に移動させることができる。また、第一駆動ギヤ70及び第二駆動ギヤ71を介してシート駆動モーター72の駆動力が第二駆動ローラー39に伝達されることによって、第二駆動ローラー39が駆動する。これにより、第二駆動ローラー39に接着された第二マスキングシート43を移動させることができる。
次に、本実施形態のプリプレグシート10自動積層装置の作用について説明する。
まず、0度層用積層ヘッド7で被積層体12にプリプレグシート10を積層する際には、制御装置は、0度層用剥離紙回収ローラー18を回転させて剥離紙11を引っ張り、0度層用供給ローラー13からプリプレグシート10を繰り出す。
また、0度層用供給ローラー13からプリプレグシート10を繰り出すとともに、カッター16によってプリプレグシート10のみを所定の長さ毎に裁断する。このように裁断したプリプレグシート10が0度層用ガイドローラー15を通じて被積層体12の上面に沿うように送られ、押圧ローラー17によって剥離紙11側から被積層体12に押圧される。これにより、カッター16で裁断して分割したプリプレグシート10の裁断ピースが被積層体12に重ねて貼り付けられ、一体に積層される。
次いで、プリプレグシート10から剥離紙11が引き剥がされて、0度層用剥離紙回収ローラー18に巻き取られる。このようにして、繊維方向を被積層体12の長さ方向(積層テーブル3の搬送方向T1)に向けた0度層のプリプレグシート10が0度層用積層ヘッド7によって被積層体12に積層される。
次いで、0度層用積層ヘッド7によりプリプレグシート10が積層された被積層体12は、積層テーブル3によって角度層用積層ヘッド8側に搬送される。そして、この角度層用積層ヘッド8で被積層体12にプリプレグシート10を積層する際には、角度層用積層ヘッド8を回転させ、角度層用積層ヘッド8に装着されたプリプレグシート10を被積層体12の長さ方向(積層テーブル3の搬送方向T1)に対して例えば45度や90度の所定の交差角度になるように配設して、この状態で剥離紙11回収ローラーを回転させる。
これとともに剥離紙11が引っ張られて角度層用供給ローラー20からプリプレグシート10が繰り出され、切断部23の角度層用カッター28によってプリプレグシート10のみが所定の長さ毎に裁断される。このとき、被積層体12に応じた形状(例えば45度層を被積層体12に積層形成する場合には平行四辺形状)で分割するように、プリプレグシート10が裁断される。
プリプレグシート10が角度層用ガイドローラー22によって被積層体12の上面に送られた段階で、コンパクタ群24がプリプレグシート10を押圧しつつプリプレグシート10の繊維方向(素材搬送方向T2)に移動する。これにより、切断部23で裁断して分割したプリプレグシート10の平行四辺形ピース51が被積層体12に重ねて貼り付けられ、一体に積層される。このようにして、被積層体12の長さ方向(ひいては0度層のプリプレグシート10の繊維方向)に対して繊維方向が交差する角度層のプリプレグシート10が角度層用積層ヘッド8によって被積層体12に積層される。
ここで、45度層を積層する場合、図13に示すように、プリプレグ積層体50の両端に台形状の台形ピース52を積層する必要がある。本実施形態の0度層用積層ヘッド7は、台形ピース52を切り出し、台形ピース52を被積層体12に積層する機能を有している。
本実施形態の切断部23の台形状ピース切り出し作用について説明する。
図7(a)、図7(b)に示すように、切断部23は角度層用カッター28を繊維方向(素材搬送方向T2)に対して45度傾けて、平行四辺形ピース51を切り出す。
即ち、図7(a)に示すように、切断部23の角度層用カッター28を用いて、平行四辺形ピース51においてプリプレグ積層体50の長辺に沿う辺となる45度の切り込みC1を形成する。次いで、図7(b)に示すように、プリプレグシート10を所定距離送った後、角度層用カッター28を用いてもう一方切り込みC2を形成する。
次いで、図7(c)に示すように、角度層用カッター28によって形成された切り込みC1,C2に直交する切り込みC3を台形用カッター29によって形成する。即ち、台形用カッター29を第二レール32(図3参照)に沿って移動させた後、直角レール33(図3参照)に沿って移動させながら、切り込みC3を形成する。
これにより、台形ピース52が切り出される。また、台形ピース52の周囲には、余剰部Rが形成される。即ち、切断部23を用いて台形ピース52を切り出すと、プリプレグシート10のうち、台形ピース52の周囲はプリプレグ積層体50には使用されない余剰部Rとなる。
次に、台形ピース52を被積層体12に積層する際に、余剰部Rをマスクするためのマスキング装置9の作用について説明する。
まず、図8(a)に示すように、マスキング装置9を台形ピース52が積層される位置Pに移動させる。即ち、マスキングシート41のマスキングシート開口部68の三辺が被積層体12の一対の長辺、及び一対の長辺を接続する短辺に一致するように、マスキング装置9を移動させる。
具体的には、第一マスキングシート42の第一対向辺60及び第二マスキングシート43の第二対向辺66が被積層体12の一対の長辺に一致するとともに、第一マスキングシート42又は第二マスキングシート43の接続辺61,67が被積層体12の短辺に一致する位置にマスキングシート41を移動させる。これにより、マスキングシート開口部68を介して台形ピース52が積層される位置Pを含む被積層体12の一部が上方に露出される。
次いで、図8(b)に示すように、台形ピース52を被積層体12の積層位置に送り出す。即ち、台形ピース52の二本の底辺と二本の底辺に直交する脚辺とからなる三つの直線がマスキングシート開口部68の三辺と一致する位置に、角度層用積層ヘッド8を駆動してマスキングシート41を送る。
最後に、図8(c)に示すように、コンパクタ群24を用いて、台形ピース52を被積層体12に押圧する。この際、コンパクタ群24は、マスキングシート41を介してプリプレグシート10の全幅を押圧する。マスキングシート41にはマスキングシート開口部68が形成されているため、マスキングシート開口部68から露出されている部分は、コンパクタ群24によって直接押圧される。
一方、プリプレグシート10のうち、マスキングシート41によって覆われている部分は、コンパクタ群24によって直接押圧されることはなく、被積層体12に積層されない。即ち、台形ピース52の周囲の余剰部Rは、被積層体12に積層されることなく、角度層用剥離紙回収ローラー25(図2参照)側に送られる。被積層体12に積層されることなくコンパクタ群24の下流に送られた余剰部Rは、スクレーパー26(図2参照)によって剥がれる。
そして、上記のように0度層用積層ヘッド7と角度層用積層ヘッド8によって順次プリプレグシート10を繊維方向を交差させながら積層してプリプレグ積層体50が製造される。
また、本実施形態のマスキング装置9は、第一マスキングシート42と第二マスキングシート43を搬送方向T1に直交する方向に移動させることによって、マスキングシート開口部68の幅を調整可能である。即ち、第一マスキングシート42と第二マスキングシート43とを移動させることによって、マスキングシート開口部68を構成する第一対向辺60と第二対向辺66とが接近・離間するため、プリプレグ積層体50の幅に合わせてマスキングシート開口部68の幅を変更することができる。
上記実施形態によれば、切断部23を用いて台形状の台形ピース52を切り出すことができるため、プリプレグ積層体50を形成する際に省人化を図ることができる。即ち、上記実施形態のプリプレグ自動積層装置1の切断部23は、台形用カッター29を用いて平行四辺形ピース51を切り出す切り込みに直交する切り込みを形成することができる。これにより、平行四辺形ピース51に更に切り込みを入れることで台形状の台形ピース52を切り出すことができる。
また、マスキングシート41が台形ピース52の周囲の余剰部Rのプリプレグシート10と被積層体12との間に介在することで、余剰部Rのプリプレグシート10が被積層体12に積層されることを防止することができる。
また、マスキングシート41に被積層体12の形状に対応したはマスキングシート開口部68が形成されていることにより、マスキングシート開口部68を介して台形ピース52のみにコンパクタの押圧力をかけることができる。また、余剰部Rを被積層体12の直近でマスキングすることにより、マスキング性能を向上させることができる。
また、第一マスキングシート42及び第二マスキングシート43は搬送方向T1に直交する方向に移動可能であるため、被積層体12の幅に合わせてマスキングシート開口部68の幅を調整することができる。これにより、被積層体12の幅に応じてマスキングシートを交換する必要がなくなる。
また、マスキング装置9が第一マスキングシート42が巻き回された第一駆動ローラー37を有し、シート駆動部49が第一駆動ローラー37を回転駆動させる構成にしたことによって、第一駆動ローラー37を介して第一マスキングシート42の第一対向辺60と平行な方向に均一に駆動力をかけることができる。これにより、マスキングシート41に適切に張力を与えることができる。
また、マスキング装置9が、第二マスキングシート43が巻き回された第二駆動ローラー39と、第一駆動ローラー37の回転を第二駆動ローラー39に伝達する伝達機構と、を有する構成としたことによって、第一対向辺60と同時に第二対向辺66を移動させることができる。これにより、被積層体12のマスキングシート開口部68の幅を幅方向に対称に変更することができる。
また、マスキングシート41がプリプレグシート10に対して粘着性の低い材料によって形成されていることによって、余剰部Rがマスキングシート41に貼り付きにくくなるため、余剰部Rの排除が容易となる。
なお、上記実施形態では、第一マスキングシート42と第二マスキングシート43を駆動することにより、マスキングシート開口部68の幅を調整可能な構成としたが、必ずしもこの調整機構を設ける必要はない。即ち、製造されるプリプレグ積層体50の大きさが決まっていれば、マスキングシート開口部68の幅をプリプレグ積層体50の幅に対応させればよい。
また、上記実施形態では、第一駆動ギヤ70及び第二駆動ギヤ71を介して、シート駆動モーター72の駆動力を第二駆動ローラー39に伝達する構成としたが、これに限ることはない。例えば、図9に示すように、第二シート駆動モーター73を用いて第二駆動ローラー39を直接駆動する構成としてもよい。
このような構成とすることによって、第一対向辺60のみならず第二対向辺66を独立して移動させることができる。これにより、被積層体12のマスキングシート開口部68の幅方向の位置合わせが容易となる。
(第二実施形態)
以下、本発明のプリプレグ自動積層装置の第二実施形態を図面に基づいて説明する。図10は、本発明の第二実施形態のプリプレグ自動積層装置のマスキング装置9Bの側断面図である。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態のスクレーパーは、コンパクタ群24と角度層用剥離紙回収ローラー25との間ではなく、マスキング装置9側に設けられているマスキング装置用スクレーパー75である。マスキング装置用スクレーパー75は、マスキング装置9の第一マスキングシート42及び第二マスキングシート43上に貼り付けられた余剰部Rを剥がすのに適切な位置に配置されている。マスキング装置用スクレーパー75は、断面楔形状の板状部材であり、先端部が駆動ローラー37,39又は張力ローラー38,40の上部に接するように配置されている。
また、本実施形態のマスキングシート41Bは、プリプレグシート10に対して粘着性の高い素材、例えば、PE(ポリエチレン)によって形成されている。
次に、本実施形態のプリプレグ自動積層装置の作用について説明する。
本実施形態のプリプレグ自動積層装置によれば、台形ピース52が積層された後のプリプレグシート10の余剰部Rは、マスキングシート41Bに貼り付く。台形ピース52を積層後、マスキング装置9Bの第一マスキングシート42及び第二マスキングシート43を駆動させることによって、余剰部Rがマスキング装置用スクレーパー75によって剥される。
上記実施形態によれば、余剰部Rをマスキング装置9B側で回収することができる。これにより、余剰部Rが積層テーブル3上に脱落するなどして積層不良が発生することを防止することができる。
(第三実施形態)
以下、本発明のプリプレグ自動積層装置の第三実施形態を図面に基づいて説明する。図11は、本発明の第三実施形態のプリプレグ自動積層装置の搬送方向T1から見た側面図である。
図11に示すように、本実施形態のマスキング装置9Cには、マスキングシート41を被積層体12に対して離間及び接近する方向へ昇降自在とする昇降装置77が設けられている。具体的には、マスキング装置9Cの移動ベース35,36が昇降装置77上下動自在とされている。これにより、マスキングシート41を上下動させることが可能である。
昇降装置77としては、エアシリンダや油圧シリンダなどの機器を採用することができる。
次に、本実施形態のプリプレグ自動積層装置1の作用について説明する。
プリプレグシートの積層開始時においては、昇降装置77によってマスキング装置9Cは、マスキングシート41が積層テーブル3上の被積層体12と面接触するような位置(又はマスキングに適した所定の位置)とされている。図12に示すように、プリプレグシート10の積層終了時においては、マスキング装置9Cが上昇し、積層テーブル3及び被積層体12からマスキングシート41を剥離させる。
被積層体12が積層テーブル3に真空吸着されている場合、マスキングシート41が積層テーブル3に貼り付くため、積層終了時にマスキングシート41を上昇させることで、積層テーブル3から剥離できる。
また、被積層体12自身にも若干ではあるが粘着性があるため、被積層体12とマスキングシート41との貼り付きを防止することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、クレームの範囲によってのみ限定される。
1 プリプレグ自動積層装置
2 機械ベース
3 積層テーブル(テーブル)
4 第一門型フレーム
5 第二門型フレーム
7 0度層用積層ヘッド
8 角度層用積層ヘッド
9,9B,9C マスキング装置
10 プリプレグシート
11 剥離紙
12 被積層体
13 0度層用供給ローラー
14 0度層用送りローラー
15 0度層用ガイドローラー
16 カッター
17 押圧ローラー
18 0度層用剥離紙回収ローラー
20 角度層用供給ローラー
21 角度層用送りローラー
22 角度層用ガイドローラー
23 切断部
24 コンパクタ群(コンパクタ)
25 角度層用剥離紙回収ローラー
26 スクレーパー
27 ベース部
28 角度層用カッター(第一カッター)
29 台形用カッター(第二カッター)
30 回動機構
31 第一レール
32 第二レール
33 直角レール
35 第一移動ベース
36 第二移動ベース
37 第一駆動ローラー
38 第一張力ローラー
39 第二駆動ローラー
40 第二張力ローラー
41,41B マスキングシート
42 第一マスキングシート
43 第二マスキングシート
44 定荷重バネ
45 マスキング装置支持部
46 第一ガイド部材
47 第二ガイド部材
48 搬送方向駆動部
49 シート駆動部
50 プリプレグ積層体
51 平行四辺形ピース
52 台形ピース
54 移動用駆動モーター
55 ラックギヤ
56 ピニオンギヤ
57 第一切欠部
60 第一対向辺
61 第一接続辺
63 第二切欠部
66 第二対向辺
67 第二接続辺
68 マスキングシート開口部
70 第一駆動ギヤ
71 第二駆動ギヤ
72 シート駆動モーター
73 第二シート駆動モーター
75 マスキング装置用スクレーパー
77 昇降装置
C1,C2,C3 切り込み
R 余剰部
T1 搬送方向
T2 素材搬送方向(繊維方向)

Claims (9)

  1. 繊維シートに樹脂を含浸させたプリプレグシートを複数積層させることで、複数の前記プリプレグシートが積層された長方形状のプリプレグ積層体を形成するプリプレグ自動積層装置であって、
    繊維方向に送り出されるプリプレグシートを、前記繊維方向に対して傾斜する方向に切断することで、前記プリプレグシートを平行四辺形状の平行四辺形ピースに切り出す第一カッター、及び、前記平行四辺形ピースを前記第一カッターの切断方向に直交する方向に切断することで、台形状の台形ピースを切り出す第二カッターを備える切断部と、
    前記プリプレグシートが張り付けられる長方形状の被積層体が載置されて、前記被積層体を送り出すテーブルと、
    前記テーブルの送り出しに伴って、前記被積層体に対して前記平行四辺形ピース又は前記台形ピースを順次押し付けて張り付けるコンパクタと、
    前記台形ピースが前記被積層体に押し付けられる際に、前記プリプレグシートにおける前記台形ピースの周囲の余剰部が被積層体に張り付かないように、前記余剰部のプリプレグシートと前記被積層体との間に介在されるマスキングシートを有するマスキング装置と、を備えることを特徴とするプリプレグ自動積層装置。
  2. 前記マスキングシートにはマスキングシート開口部が形成されており、
    前記マスキングシート開口部の形状は、前記被積層体の一対の長辺及び短辺からなる図形と合同である図形を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のプリプレグ自動積層装置。
  3. 前記マスキングシート開口部は、
    前記被積層体の長手方向に沿う第一対向辺を有する第一切欠部を備える第一マスキングシートと、
    前記第一対向辺に平行な第二対向辺を有する第二切欠部を備える第二マスキングシートとから形成され、
    前記マスキング装置は、
    前記第一対向辺と前記第二対向辺とが接近及び離間自在となるように前記第一マスキングシートを駆動するシート駆動部を備えることを特徴とする請求項2に記載のプリプレグ自動積層装置。
  4. 前記マスキング装置は、
    前記被積層体の長手方向に延在する中心軸回りに回転し、前記第一マスキングシートの端部が接続された第一駆動ローラーを有し、
    前記シート駆動部は、前記第一駆動ローラーを回転駆動させることを特徴とする請求項3に記載のプリプレグ自動積層装置。
  5. 前記マスキング装置は、
    前記被積層体の長手方向に延在する中心軸回りに回転し、前記第二マスキングシートの端部が接続された第二駆動ローラーと、
    前記第一駆動ローラーの回転を前記第二駆動ローラーに伝達する伝達機構と、を有することを特徴とする請求項4に記載のプリプレグ自動積層装置。
  6. 前記マスキング装置は、
    前記被積層体の長手方向に延在する中心軸回りに回転し、前記第二マスキングシートの端部が接続された第二駆動ローラーを有し、
    前記シート駆動部は、前記第一駆動ローラーと第二駆動ローラーとを独立して回転駆動させることを特徴とする請求項4に記載のプリプレグ自動積層装置。
  7. 前記マスキングシートは、前記プリプレグシートに対して粘着性の低い材料によって形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のプリプレグ自動積層装置。
  8. 前記マスキングシートは、前記プリプレグシートに対して粘着性の高い材料によって形成され、
    前記マスキング装置は、前記マスキングシートに貼り付けられた前記余剰部を剥ぐスクレーパーを有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のプリプレグ自動積層装置。
  9. 前記マスキング装置は、前記マスキングシートを前記被積層体に対して離間及び接近する方向へ昇降自在とする昇降装置を備えることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のプリプレグ自動積層装置。
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