以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態としての遊技機100について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている諸要素およびその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[遊技機100の構成]
図1および図2を参照して、まず、本発明の実施形態の一例である遊技機100の構成について説明する。図1は、本実施形態の遊技機100の正面図である。図2は、外枠160に対して、ガラス枠150と内枠170が開いた状態を示す遊技機100の遊技機枠に関する斜視図である。なお、遊技機100は、遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射させ、特定の入賞装置に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて所定数の遊技球を遊技者に払い出すパチンコ遊技機である。
以下の説明では、必要に応じて、遊技機100の左右方向を「X方向」とも呼び、特に、遊技機100の右方向を「+X方向」とも呼び、遊技機100の左方向を「−X方向」とも呼ぶ。また、遊技機100の上下方向を「Y方向」とも呼び、特に、遊技機100の上方向を「+Y方向」とも呼び、遊技機100の下方向を「−Y方向」とも呼ぶ。さらに、遊技機100の奥行方向を「Z方向」とも呼び、特に、遊技機100に対して奥側に向かう方向を「+Z方向」とも呼び、遊技機100に対して手前側に向かう方向を「−Z方向」とも呼ぶ。
図1および図2に示すように、遊技機100は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠160と、その外枠160の前方側で該外枠160と回動可能に支持された内枠170、及びその内枠170の前方側で該内枠170と回動可能に支持されたガラス枠150を備えている。ガラス枠150には、ガラス部材151が裏側から着脱自在に設けられる。また、ガラス枠150の所定の位置には、ガラス枠150及び内枠170を外枠160に対して開閉可能な状態にするとともに、後述する上部ユニット180を着脱可能な状態にするための錠ユニット190が設けられており、詳細については後述する。さらに、ガラス枠150の所定位置には、ガラス枠150が開放されたことを検出するための図示しないガラス枠開放スイッチが設けられており、内枠170の所定位置には、内枠170が開放されたことを検出するための図示しない内枠開放スイッチが設けられている。
内枠170には、遊技機100を構成する主要な機構や種々の部品及び基板などが設けられるとともに、遊技盤ユニット102が着脱自在に設けられている。ガラス部材151と遊技盤ユニット102との間には、遊技領域106が設けられている。この遊技領域106は、遊技球が流下する遊技球流下領域と、メイン表示装置131の表示画面領域とを含む。
図1に示すように、遊技盤ユニット102は、遊技領域106を構成する遊技盤102Aと、種々の可動役物等を備える役物ユニット102Bと、メイン表示装置131と、演出制御基板320を備える演出制御基板ユニット102Cと、主制御基板300を備える主制御基板ユニット102Dと、から構成されている。また、遊技盤ユニット102を構成するこれらの構成部材の詳細については、後述する。なお、遊技盤ユニット102の遊技盤102Aは、開口部102AZを有している。メイン表示装置131は、この開口部102AZに配置される。これにより、遊技者からメイン表示装置131が視認し易くなる。また、遊技盤ユニット102において、遊技者側の面を表側面とも呼び、奥側の面(表側面とは反対面)を裏側面とも呼ぶ。
ガラス枠150の下部側には、演出操作ユニットBSUが設けられている。演出操作ユニットBSUは、角ユニット135及び演出操作スティック136が設けられている。また、演出操作ユニットBSUの奥側には、上皿128が設けられており、演出操作ユニットBSUの右下方には、発射ハンドル装置103が設けられている。さらに、ガラス枠150の上部側には、所定の遊技状態になると所定の関連動作を実行する上部ユニット180が、ガラス枠150の上部の一部を覆うように設けられている。なお、詳細については後述するが、上部ユニット180は、外枠160に対して取り付けられており、ガラス枠150に対しては係合するような構成のものである。そして、ガラス枠150の左右両側面には、遊技時及び非遊技時に演出表示を行うための第1サイド表示装置132、第2サイド表示装置133が設けられている。
上皿128は、遊技領域106に発射するための遊技球を貯留するための皿である。上皿128に貯留された遊技球は、発射レール(図示せず)に導出され、発射ハンドル装置103により所定の発射強度で発射レールを介して誘導レール(図示せず)に誘導されて、遊技領域106(遊技球流下領域)に発射される。この場合、遊技者による発射ハンドル装置103の回転操作具合により、発射ハンドル装置103から発射された遊技球は、遊技領域106に含まれる遊技球流下領域の左側ルート106a、または、右側ルート106bを通過する。具体的には、遊技者が、発射ハンドル装置103を比較的弱めに回転操作した場合には、発射ハンドル装置103から発射された遊技球は、左側ルート106aを通過し得る。一方、遊技者が、発射ハンドル装置103を比較的強めに回転操作した場合には、発射ハンドル装置103から発射された遊技球は、右側ルート106bを通過し得る。
演出操作ユニットBSUの中央部には、所定のキャラクタの角の部分の形態を模した角ユニット135が配置されている。角ユニット135は、遊技者の操作により演出態様を変更させるためのものであるとともに、所定の遊技状態に応じた種々の態様で作動して各種の演出を行う役物としても機能する。また、演出操作ユニットBSUの左側には、遊技者によって遊技機100の音量等を調節するときに操作されるジョイステックである演出操作スティック136が設けられている。
図1に示すように、遊技領域106には、上部の奥側にマスクユニット154と、遊技球流下領域の上部の左側に第1メガネユニット155aと、遊技球流下領域の上部の右側に第2メガネユニット155bと、遊技球流下領域の下部にナンバーユニット156と、これらのユニットと遊技盤102Aとに挟まれた位置であってこれらの可動役物とメイン表示装置131とを覆うように配置される導光パネルを備える導光パネルユニット181と、がそれぞれ設けられている。
これらの各ユニット154,155a,155b,156は、役物ユニット102Bに備えられた可動役物(いわゆるギミック)であり、それらのユニット154,155a,155b,156を、遊技者によるゲームの進行に応じて所定の動作で移動等させることによって各種の演出を行うようになっている。また、導光パネルユニット181は、光透過性を有する透明なアクリルなどの樹脂製の導光パネルと、導光パネルに入光させるための発光部と、を備えている。導光パネルユニット181では、メイン表示装置131で表示される所定の演出の表示及び上述の可動役物における各種の演出が導光パネルを透過して視認可能とするとともに、発光部から入射される光によりパネルの一部を発光させることにより図柄などを表示させることが可能となっている。また、導光パネルにおいては、遊技機100の機種に応じた所定の演出(上述の可動役物の演出を強調するような発光や遊技機100の機種におけるモチーフ等に関する図柄の発光等)を発光可能なように形成されている。なお、本願では、「可動役物」は、動く役物を意味するように解釈される。また、「役物」は、可動役物、および動かない不動役物の両方を含むように広義に解釈される。
遊技領域106の略中央下側の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を有する第1始動装置112が設けられている。この第1始動装置112は、一般入賞装置タイプの入賞装置であって、遊技球が入賞すると、大当たり乱数が取得されて大当たり判定が行われるとともに、所定の賞球(例えば3個)が払い出される。また、第1始動装置112の上方には、遊技球が遊技球流下領域の主に左側ルート106aの途中で、釘の間を通過せず、いわゆるワープし、第1始動装置112に入球しやすくなるステージ140が備えられている。つまり、ステージ140においては、ステージ140に入球した場合と、入球しない場合とで、遊技球の滞留時間が異なることとなる。なお、ステージ140に入球した遊技球は、ステージ140に滞留した後に、ステージ140の所定の切欠きから遊技球流下領域に戻る場合がある。
また、遊技領域106の右側下方の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を有する第2始動装置115が設けられている。第2始動装置115は、いわゆるアタッカ型電動役物であって、その下部には、始動口が設けられ、始動口の上側に可動片115bを有しており、この可動片115bは、遊技盤102Aから突出する突出状態と、遊技盤102Aに引き込む引き込み状態とに可動制御される。そして、可動片115bが引き込み状態になると、遊技球を始動口から第2始動装置115内に導き、遊技球が第2始動装置115に入球容易となる。逆に、可動片115bが突出状態になると、遊技球が始動口に入球せず、遊技球は第2始動装置115に入賞できなくなる。つまり、第2始動装置115において、可動片115bが突出状態にあるときには遊技球の入賞機会がなく、可動片115bが引き込み状態にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。なお、第2始動装置115は、遊技球が入賞すると、上記第1始動装置112と同様に、大当たり乱数が取得されて大当たり判定が行われるとともに、例えば第1始動装置112と同じ賞球(3個)が払い出される。
また、遊技領域106の右側の領域には、遊技球が通過可能な普通領域を有する普通図柄作動ゲート113bと、遊技球が入球可能な第1大入賞装置117と、遊技球が入球可能な第2大入賞装置127と、が設けられている。普通図柄作動ゲート113bは、遊技球が通過すると、当たり乱数が取得されて当たり判定が行われる。なお、普通図柄作動ゲート113bを遊技球が通過しても、その通過に基づいた賞球が払い出されることはない。
第1大入賞装置117は、いわゆるアタッカ型電動役物であって、その下部には、開口部が設けられ、開口部の上側に可動片117bを有しており、この可動片117bは、遊技盤102Aから突出する突出状態と、遊技盤102Aに引き込む引き込み状態とに可動制御される。そして、可動片117bが引き込み状態になると、遊技球を開口部から第1大入賞装置117内に導き、遊技球が第1大入賞装置117に入賞可能となる(この状態を「開放」または「開放状態」とも呼ぶ)。また、第1大入賞装置117に遊技球が入賞すると、所定の賞球(例えば15個)が払い出される。逆に、可動片117bが突出状態になると、遊技球が開口部に入球せず、遊技球は第1大入賞装置117に入賞できなくなる(この状態を「閉塞」または「閉塞状態」とも呼ぶ)。
第2大入賞装置127は、いわゆるアタッカ型電動役物であって、その下部には、開口部が設けられ、開口部の上側に可動片127bを有しており、この可動片127bは、遊技盤102Aから突出する突出状態と、遊技盤102Aに引き込む引き込み状態とに可動制御される。そして、可動片127bが引き込み状態になると、遊技球を開口部から第2大入賞装置127内に導き、遊技球が第2大入賞装置127に入賞可能となる(この状態を「開放」または「開放状態」とも呼ぶ)。また、第2大入賞装置127に遊技球が入賞すると、所定の賞球(例えば10個)が払い出される。逆に、可動片127bが突出状態になると、遊技球が開口部に入球せず、遊技球は第2大入賞装置127に入賞できなくなる(この状態を「閉塞」または「閉塞状態」とも呼ぶ)。
また、第2大入賞装置127の上方には、入賞補助装置(図示せず)を備えている。この入賞補助装置は、遊技領域106の右側ルート106bを通過した複数の遊技球が閉塞状態の可動片127bを通過するときに、可動片127bの上に所定の時間滞留するようになっており、所定の時間毎に可動片127bが開放されて、滞留している複数の遊技球を一度に第2大入賞装置127に入球させることにより、遊技者に対する興趣を向上させるようになっている。
なお、遊技領域106の最下部には、第1始動装置112、第2始動装置115、第1大入賞装置117、第2大入賞装置127のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口111が設けられている。また、遊技領域106の右側の領域には、普通図柄作動ゲート113b、第2始動装置115、第1大入賞装置117、第2大入賞装置127を手前側から覆うカバー116が設けられている。このカバー116には、遊技球を第2始動装置115、第1大入賞装置117、第2大入賞装置127に誘導するために、遊技盤102A側に突出した誘導部が形成されている。
遊技領域106の略中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなるメイン表示装置131が設けられており、このメイン表示装置131は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、第1始動装置112、第2始動装置115の遊技球の入賞に基づいて、大当たりの判定結果を報知するための複数の装飾図柄が変動表示され、特定の装飾図柄の組合せ(例えば、777等)が停止して確定停止表示されることにより、大当たり判定結果として大当たりが報知される。
つまり、装飾図柄は、第1始動装置112、第2始動装置115に遊技球が入賞したときには、後述する第1特別図柄表示器120、第2特別図柄表示器122に表示される特別図柄の変動表示に合わせて変動表示されるとともに、所定の変動時間経過後に特別図柄の停止表示に合わせて停止表示される。すなわち、メイン表示装置131による装飾図柄の変動表示と第1特別図柄表示器120、第2特別図柄表示器122による特別図柄の変動表示のタイミングは、同期している。また、この装飾図柄の変動表示中に、様々な画像やキャラクタ等を演出表示したり、あるいは、特別図柄に係る保留表示の先読み演出等を表示したりすることによって、大当たりに当選するかもしれないという期待感を遊技者に与えるようにもなっている。
なお、本実施形態においては、メイン表示装置131を液晶表示装置として用いているが、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイを用いてもよいし、プロジェクタや、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス、回転ドラム等の表示装置を用いてもよい。
図1に示すように、遊技領域106の左側下方には、表示器125が設けられている。表示器125は、普通図柄表示器118と、普通図柄保留表示器119と、第1特別図柄表示器120と、第2特別図柄表示器122と、第1特別図柄保留表示器123と、第2特別図柄保留表示器124とを有する。表示器125の詳細は後述する。
メイン表示装置131は、遊技盤ユニット102の略中央に配置され、3つの装飾図柄が変動表示され、種々の演出が表示される。このようなメイン表示装置131で表示される演出は、後述する演出パターンに基づいて実行される。以下では、メイン表示装置131で表示される演出を、単に「表示演出」とも呼ぶ。なお、本実施形態では、装飾図柄は、数字の1〜9と、特殊図柄とを含む。
メイン表示装置131における表示演出では、後述する大当たり判定で、当選した場合、すなわち、大当たりの場合には、最後に、3つの装飾図柄を停止表示させて、大当たりを表す大当たり図柄配列(例えば、「7,7,7」などのゾロ目)を表示させる。また、表示演出において、後述する大当たり判定で、落選した場合、すなわち、ハズレの場合には、最後に、3つの装飾図柄を停止表示させて、ハズレを表すハズレ図柄配列(例えば、「2,5,1」などのばらけ目)を表示させる。これにより、遊技者は、大当たり判定の結果を認識することができる。
遊技者が発射ハンドル装置103を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、遊技領域106における左側領域を流下する。一方、遊技者が発射ハンドル装置103を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、遊技領域106における右側領域を流下する。したがって、普通図柄作動ゲート113b、第2始動装置115、第1大入賞装置117あるいは第2大入賞装置127へ入球させる際は「右打ち」が必要となってくる。
第1始動装置112は、常時開放されている始動装置である。一方、第2始動装置115は、通常時は可動片115bによって閉塞されている。可動片115bは、普通図柄作動ゲート113bへの遊技球の入球を条件とする判定結果に基づいて、第2始動装置115を開放する。この場合、遊技球が入球し易い状態が作出される。遊技球が第1始動装置112または第2始動装置115へ入球した場合には、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、および、変動パターン乱数が取得され、以下の4つの判定が実行され得る。
(1)遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かの判定(以下では、大当たり判定とも呼ぶ)。
(2)表示器125において、大当たり判定の結果を報知するための大当たりか否かを示す図柄(以下では、特別図柄とも呼ぶ)の判定(以下では、大当たり図柄判定とも呼ぶ)。
(3)この大当たり図柄判定での大当たりの場合に実行されるものであって、当該大当たりの種別を表す図柄(以下では、大当たり図柄とも呼ぶ)の判定。
(4)メイン表示装置131での表示演出において、リーチを行うか否かの判定(以下では、リーチ判定とも呼ぶ)、複数の変動パターンのうちでいずれの変動パターンとするかの判定(以下では、変動パターン判定とも呼ぶ)。
ここで、「大当たり遊技」とは、第1大入賞装置117あるいは第2大入賞装置127を開放させる特別遊技である。また、「リーチ」とは、メイン表示装置131において、変動表示する3つの装飾図柄のうち、2つの装飾図柄が停止表示し、当該2つの装飾図柄が、大当たり図柄配列を構成する3つの装飾図柄のうちの2つを構成する状態となった場合をいう。例えば、メイン表示装置131において、変動表示する3つの装飾図柄のうち、2つの装飾図柄が停止表示し、当該2つの装飾図柄が同じ状態となった場合をいう。この場合、大当たり図柄配列を構成する3つの装飾図柄のうちの2つを構成する装飾図柄を、リーチ図柄とも呼ぶ。
なお、以下の説明では、第1始動装置112を通過した遊技球の入賞を条件として実行される上記4つの判定を「第1特別図柄判定」とも呼び、第2始動装置115への遊技球の入賞を条件として実行される上記4つの判定を「第2特別図柄判定」とも呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」とも呼ぶ。
また、遊技球が普通図柄作動ゲート113bを通過した場合には、普通図柄乱数が取得され、第2始動装置115の可動片115bを開放するか否かの判定が実行される。以下では、普通図柄作動ゲート113bへの遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」とも呼ぶ。本実施形態の遊技機100では、普通図柄判定で当たりとなる確率、すなわち、可動片115bを開放すると判定する確率は、遊技機100の遊技状態で変化する仕様となっている。
第1大入賞装置117は、大当たり図柄判定の結果に応じて可動片117bが開放される。第1大入賞装置117は、通常はこの可動片117bによって閉塞されている。これに対して、大当たり判定の判定結果が大当たりである場合、上記可動片117bを作動させて第1大入賞装置117を開放する大当たり遊技が実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に「右打ち」を行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。なお、第2大入賞装置127は、第1大入賞装置117と略同様に可動片127bが作動し、大当たり判定の判定結果に応じた大当たり遊技のときに開放される。
[表示器125の説明]
図1に示すように、表示器125は、主に大当たり図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示し、第1特別図柄表示器120、第2特別図柄表示器122、第1特別図柄保留表示器123、第2特別図柄保留表示器124、普通図柄表示器118、及び、普通図柄保留表示器119を有している。
第1特別図柄表示器120は、第1特別図柄判定が行われると、特別図柄を変動表示してから停止表示し、当該停止表示した特別図柄によって、第1特別図柄判定における大当たり図柄判定の判定結果を報知する。この第1特別図柄表示器120には、大当たり図柄判定の判定結果として、大当たりであることを示す大当たり図柄、または、第1特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第2特別図柄表示器122は、第2特別図柄判定が行われると、特別図柄を変動表示してから停止表示し、当該停止表示した特別図柄によって、第2特別図柄判定における大当たり図柄判定の判定結果を報知する。この第2特別図柄表示器122には、大当たり図柄判定の判定結果として、大当たりであることを示す大当たり図柄、または、第2特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
ところで、本実施形態の遊技機100は、特別図柄判定に係る特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中など、第1始動装置112に新たに遊技球が入賞した場合、この入賞を契機とする第1特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行しない構成となっている。そこで、遊技機100は、第1特別図柄判定を保留し、当該第1特別図柄判定のための4つの乱数情報を1組の保留情報として格納する保留機能を備えている。第1特別図柄保留表示器123は、このようにして格納された第1特別図柄判定のための保留情報の数を表示する。また、同様に、遊技機100は、特別図柄判定に係る特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中など、第2始動装置115に新たに遊技球が入賞した場合、第2特別図柄判定を保留し、当該第2特別図柄判定のための4つの乱数情報を1組の保留情報として格納する保留機能も備えている。第2特別図柄保留表示器124は、このようにして格納された第2特別図柄判定のための保留情報の数を表示する。
普通図柄表示器118は、普通図柄判定が行われると、普通図柄を変動表示してから停止表示し、当該停止表示した普通図柄によって、普通図柄判定の判定結果を報知する。ところで、普通図柄表示器118における普通図柄の変動表示中など、遊技球が普通図柄作動ゲート113bを通過しても普通図柄判定及び普通図柄判定に係る普通図柄の変動表示を即座に実行しない構成となっている。そこで、遊技機100は、普通図柄判定を保留し、当該普通図柄判定のための普通図柄乱数の情報を保留情報として格納する保留機能を備えている。普通図柄保留表示器119は、このようにして格納された普通図柄判定のための保留情報の数を表示する。
なお、本実施形態の遊技機100では、右打ちランプ(図示せず)とラウンドランプ(図示せず)とを備えている。右打ちランプは、後述の大当たり遊技状態時と後述の時短遊技状態時に点灯し、遊技者に右打ち(詳細は後述)をすることを推奨する。ラウンドランプは、1つ以上のランプから構成される。ラウンドランプは、大当たり時において、消灯状態から点灯状態に移行する。ラウンドランプは、点灯により大当たり時の大当たり種別に応じて、ラウンド遊技の回数を示唆する。例えば、ラウンドランプが2つある場合には、一方のラウンドランプが点灯することによって、ラウンド遊技を4回実行することを示唆し(すなわち、4R大当たりであることを示唆し)、他方のラウンドランプが点灯することによって、ラウンド遊技を16回実行することを示唆する(すなわち、16R大当たりであることを示唆する)。
[遊技機100の内部構成]
図3〜図4−2を参照して、遊技機100の内部構成について説明する。図3は、遊技機100の機能ブロックを表す図である。図4−1は、主制御基板300のメインROM301bを説明するための図である。図4−2は、主制御基板300のメインRAM301cを説明するための説明図である。遊技機100は、主制御基板300、払出制御基板310、演出制御基板320、画像制御基板330、ランプ制御基板340、発射制御基板350、および、電源基板360を備えている。
図3に示すように、主制御基板300は、遊技機の基本動作を制御する。主制御基板300は、ワンチップマイコン301を備えている。ワンチップマイコン301は、メインCPU301a、メインROM301bおよびメインRAM301cを含んでいる。また、主制御基板300は、主制御用の入力ポート及び出力ポート(いずれも図示せず)を備えている。
この主制御用の入力ポートには、普通図柄作動ゲート113bに遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ303、第1始動装置112に遊技球が入球したことを検知する第1始動装置検出スイッチ304、第2始動装置115に遊技球が入球したことを検知する第2始動装置検出スイッチ305、第1大入賞装置117に遊技球が入球したことを検知する第1入賞装置検出スイッチ306a、第2大入賞装置127に遊技球が入球したことを検知する第2入賞装置検出スイッチ306b、及び、払出制御基板310が接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板300に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、可動片115bを開閉動作させる特別図柄及び普通図柄を表示する図柄表示器118,120,122、特別図柄判定のための保留情報数及び普通図柄判定のための保留情報数を表示する図柄保留表示器119,123,124、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板309、払出制御基板310、及び、演出制御基板320が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が主制御基板300から出力される。
なお、遊技情報出力端子板309は、主制御基板300において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板309は主制御基板300と配線接続され、遊技情報出力端子板309には、遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
主制御基板300のワンチップマイコン301において、メインCPU301aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づき、メインROM301bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
図4−1に示すように、メインROM301bには、遊技制御用のプログラムや各種遊技に必要なテーブルが格納されており、例えば、大当たり判定テーブルT1と、大当たり図柄判定テーブルT2と、リーチ判定テーブルT3と、第1変動パターンテーブルT4と、第2変動パターンテーブルT5と、普通図柄判定テーブルT6と、が格納されている。
大当たり判定テーブルT1は、大当たり乱数に基づいて、大当たり判定を行うためのテーブルである。大当たり判定テーブルT1は、2つの大当たり判定テーブル、すなわち、非確変時大当たり判定テーブルT1Aと、確変時大当たり判定テーブルT1Bとを含む。
大当たり図柄判定テーブルT2は、大当たり図柄乱数に基づいて、大当たり図柄判定を行うためのテーブルである。大当たり図柄判定テーブルT2は、2つの大当たり図柄判定テーブル、すなわち、特1大当たり図柄判定テーブルT2Aと、特2大当たり図柄判定テーブルT2Bとを含む。
リーチ判定テーブルT3は、リーチ判定乱数に基づいて、リーチ判定を行うためのテーブルである。リーチ判定テーブルT3は、4つのリーチ判定テーブル(図示せず)、すなわち、特1通常時リーチ判定テーブルと、特1確変時リーチ判定テーブルと、特2通常時リーチ判定テーブルと、特2確変時リーチ判定テーブルとを含む。これらの4つのリーチ判定テーブルは、遊技状態や特別図柄の種別によって、選択される。具体的には、特1通常時リーチ判定テーブルは、非確変遊技状態において、第1始動装置112への入球に基づく表示演出でリーチを実行するか否かを選択するためのテーブルである。特1確変時リーチ判定テーブルは、確変遊技状態において、第1始動装置112への入球に基づく表示演出でリーチを実行するか否かを選択するためのテーブルである。特2通常時リーチ判定テーブルは、非確変遊技状態において、第2始動装置115への入球に基づく表示演出でリーチを実行するか否かを選択するためのテーブルである。特2確変時リーチ判定テーブルは、確変遊技状態において、第2始動装置115への入球に基づく表示演出で装飾図柄を用いてリーチを実行するか否かを選択するためのテーブルである。なお、非確変遊技状態や確変遊技状態など、各種の遊技状態の詳細は、後述する。
第1変動パターンテーブルT4は、変動パターン乱数に基づいて、変動パターン判定を行うためのテーブルである。第1変動パターンテーブルT4は、4つの変動パターンテーブル、すなわち、第1特1通常時変動パターンテーブルT4Aと、第1特1確変時変動パターンテーブルT4Bと、第1特2通常時変動パターンテーブルT4Cと、第1特2確変時変動パターンテーブルT4Dとを含む。これら4つの変動パターンテーブルは、遊技状態と特別図柄の種別によって、選択され得る。具体的には、第1特1通常時変動パターンテーブルT4Aは、非確変遊技状態で、第1始動装置112への入球に基づく第1特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。第1特1確変時変動パターンテーブルT4Bは、確変遊技状態で、第1始動装置112への入球に基づく第1特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。第1特2通常時変動パターンテーブルT4Cは、非確変遊技状態で、第2始動装置115への入球に基づく第2特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。第1特2確変時変動パターンテーブルT4Dは、確変遊技状態で、第2始動装置115への入球に基づく第2特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。
第2変動パターンテーブルT5は、変動パターン乱数に基づいて、変動パターン判定を行うためのテーブルである。第2変動パターンテーブルT5は、4つの変動パターンテーブル、すなわち、第2特1通常時変動パターンテーブルT5Aと、第2特1確変時変動パターンテーブルT5Bと、第2特2通常時変動パターンテーブルT5Cと、第2特2確変時変動パターンテーブルT5Dとを含む。これら4つの変動パターンテーブルは、遊技状態と特別図柄の種別によって、選択され得る。具体的には、第2特1通常時変動パターンテーブルT5Aは、非確変遊技状態で、第1始動装置112への入球に基づく第1特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。第2特1確変時変動パターンテーブルT5Bは、確変遊技状態で、第1始動装置112への入球に基づく第1特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。第2特2通常時変動パターンテーブルT5Cは、非確変遊技状態で、第2始動装置115への入球に基づく第2特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。第2特2確変時変動パターンテーブルT5Dは、確変遊技状態で、第2始動装置115への入球に基づく第2特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。
これら第1変動パターンテーブルT4と、第2変動パターンテーブルT5は、変動パターン判定時に、いずれか1つのテーブルが選択され、同時に選択されることはない。第1変動パターンテーブルT4は、平均変動秒数(平均演出時間)が第2変動パターンテーブルT5よりも短いテーブルであり、後述の取得時保留順情報が「3」、または、「4」の場合に選択される。第2変動パターンテーブルT5は、平均変動秒数が第1変動パターンテーブルT4よりも長いテーブルであり、後述の取得時保留順情報が「1」、または、「2」の場合に選択される。
これら第1変動パターンテーブルT4と第2変動パターンテーブルT5とは、種々の変動パターンを有している。具体的には、擬似連演出、通常ハズレ演出、ノーマルリーチ(ハズレまたは当たり)演出、SPリーチ(ハズレまたは当たり)演出(リーチ形成演出の実行後の発展演出)、SPSPリーチ(ハズレまたは当たり)演出(SPリーチ演出の実行後の発展演出)、SPSPリーチ復活(当たり)演出、ハズレ図柄配列が形成される演出、特定図柄での大当たり図柄配列が形成される演出、といった種々の演出が組み合わされた変動パターンである。ここで、擬似連演出(または擬似連続変動演出)とは、特別図柄の変動表示中において、装飾図柄を変動表示させ、当該装飾図柄を仮停止させた後、再び、変動表示させて、装飾図柄の変動表示を擬似的に繰り返す演出である。なお、この場合、擬似連演出では、装飾図柄を仮停止させているが、これに限られず、装飾図柄を仮停止させずに、スローダウンさせた後、その後、装飾図柄を変動表示させてもよい。
普通図柄判定テーブルT6は、普通図柄乱数に基づいて、普通図柄判定を行うためのテーブルである。上述した大当たり判定テーブルT1、大当たり図柄判定テーブルT2、および、普通図柄判定テーブルT6についての詳細は、後述する。
図4−2(A)に示すように、メインRAM301cは、メインCPU301aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有しており、例えば、保留情報記憶領域301cxと、保留情報判定領域301cyと、を有している。また、メインRAM301cは、各種フラグ(後述する確変遊技フラグ、時短遊技フラグ、および、大当たり遊技フラグなど)や、各種記録値などが格納される記憶領域(図示せず)を有している。
図4−2(B)に示すように、保留情報記憶領域301cxは、第1始動装置112に係る保留情報、および、取得時保留順情報を対応付けて格納可能な4つの保留情報領域(第1保留情報領域、第2保留情報領域、第3保留情報領域、第4保留情報領域)と、第2始動装置115に係る保留情報を格納可能な4つの保留情報領域(第1保留情報領域、第2保留情報領域、第3保留情報領域、第4保留情報領域)と、が設けられている。
保留情報記憶領域301cxの第1特別図柄に対応する保留情報領域において、保留情報の格納の優先順は、第1保留情報領域が最優先で格納対象とされ、第1保留情報領域に保留情報が格納されていれば、次に、第2保留情報領域が優先で格納対象とされ、次に、第3保留情報領域が優先で格納対象とされ、最後に、第4保留情報領域が格納対象として選択される。第2特別図柄に対応する保留情報領域においても同様である。なお、図4−2(B)では、保留情報が格納されている保留情報領域には、「〇」が示されており、保留情報が格納されていない保留情報領域には、「−」が示されている。
保留情報記憶領域301cxの保留情報領域に格納される取得時保留順情報は、保留情報が取得された際の保留順を表す情報である。詳しくは、取得時保留順情報は、保留情報が取得された場合において、その際に格納される保留情報領域の番号に対応する。例えば、保留情報が取得された場合において、第1保留情報領域のみに保留情報が格納されている場合には、保留情報は第2保留情報領域に格納されることになるので、取得時保留順情報は、「2」となる。保留情報が取得された場合において、第1保留情報領域、第2保留情報領域、および、第3保留情報領域に保留情報が格納されている場合には、保留情報は、第4保留情報領域に格納されることになるので、取得時保留順情報は、「4」となる。保留情報判定領域301cyは、保留情報に基づいて、特別図柄判定が実行される判定領域である。
図3に示すように、払出制御基板310は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出制御基板310は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板300に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計測スイッチ311、扉開放スイッチ312、及び、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板300に送信する。また、払出制御基板310の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ313が接続されている。払出CPUは、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ313を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
演出制御基板320は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板320は、サブCPU320a、サブROM320b、サブRAM320cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から演出制御基板320への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU320aは、主制御基板300から受信した各種コマンド、各種ユニット、演出操作スティック136、及び、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM320bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを画像制御基板330やランプ制御基板340へ送信する。
例えば、サブCPU320aは、主制御基板300から変動開始コマンドを受信すると、メイン表示装置131、第1サイド表示装置132、第2サイド表示装置133、音声出力装置331、角ユニット135、上部ユニット180、マスクユニット154、第1メガネユニット155a、第2メガネユニット155b、ナンバーユニット156、導光パネルユニット181、および演出用照明装置342等に遊技演出を実行させるための演出パターンを決定し、当該演出パターンを実行するための演出パターン指定コマンドを画像制御基板330やランプ制御基板340へ送信する。この演出パターンの決定についての詳細は、後述する。また、サブROM320bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータおよび複数のテーブルが格納されている。これらのテーブルについての詳細は、後述する。さらに、サブRAM320cは、サブCPU320aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するとともに、遊技状態、演出パターン、装飾図柄、計数カウンタ、および、発射操作情報等が格納される。なお、サブRAM320cには、複数の記憶領域が設けられている。これらの記憶領域についての詳細は、後述する。
画像制御基板330は、メイン表示装置131の画像表示制御を行うための図示しない画像CPU、制御ROM、制御RAM、CGROM、VRAM、VDPと、音声CPU、音声ROM、及び、音声RAMを備えている。この画像制御基板330は、演出制御基板320に対して双方向通信可能に接続されており、その出力側にメイン表示装置131、第1サイド表示装置132、第2サイド表示装置133、および音声出力装置331が接続されている。
画像CPUは、演出制御基板320から受信したコマンドに基づいて、VDPに所定の画像を表示させる制御を行う。制御RAMは、画像CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、制御ROMから読み出されたデータを一時的に格納する。また、制御ROMには、画像CPUの制御処理のプログラムや、演出パターンに基づくアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報などが格納されている。CGROMには、メイン表示装置131等に表示される装飾図柄や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPUは、演出制御基板320から送信された演出パターン指定コマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、CGROMに格納された所定の画像データをVRAMに展開させ、VRAMに展開された画像データをメイン表示装置131等に表示させる制御を行い、表示演出を実現する。音声ROMには、音声出力装置331から出力するための音声のデータが多数格納されており、音声CPUは、演出制御基板320から送信された演出パターン指定コマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、ガラス枠150、第1サイド表示装置132、および第2サイド表示装置133に設けられたスピーカ等の音声出力装置331における音声出力制御を行い、音声演出を実現する。
ランプ制御基板340は、種々の可動役物、角ユニット135、および導光板パネルユニット181の制御と、発射ハンドル装置103に内蔵されるランプ、ガラス枠150に設けられた装飾部材のランプなどの演出用照明装置342の制御と、を実行する。具体的には、ランプ制御基板340は、角ユニット135、上部ユニット180、マスクユニット154、第1メガネユニット155a、第2メガネユニット155b、及びナンバーユニット156の各々に設けられたモータ等を駆動制御することで、ユニットの可動役物(可動体)による役物可動演出を実現する。また、ランプ制御基板340は、導光板パネルユニット181の発光部を制御することで導光板パネルによる発光演出を実現したり、演出用照明装置342を点灯/点滅制御することで演出用照明装置342による照明演出を実現したりする。
発射制御基板350は、発射ハンドル装置103に設けられたタッチセンサ351からのタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム352から供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド353や玉送りソレノイド354に対する通電制御を行う。タッチセンサ351は、遊技者が発射ハンドル装置103に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成され、遊技者が発射ハンドル装置103に触れたことを検知すると、発射制御基板350に発射用ソレノイド353の通電を許可するタッチ信号を出力する。発射ボリューム352は、可変抵抗器から構成され、その発射ボリューム352に印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板350へ供給する。ここで、発射用ソレノイド353の回転速度は、発射制御基板350に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間に発射される遊技球の個数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。なお、タッチセンサ351からのタッチ信号及び発射ボリューム352からの電圧信号は、演出制御基板320へ入力されるようになっている。これにより、演出制御基板320において遊技球の発射を検出可能となる。
電源基板360は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機100に電源電圧を供給する。具体的には、主制御基板300、払出制御基板310、演出制御基板320、発射制御基板350へ電源電圧を供給する。また、遊技機100に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板300に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU301aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU301aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
[主制御基板300での処理一覧]
図4−3を参照して、主制御基板300で実行される処理を説明する。図4−3は、主制御基板300で実行される処理の概略フローを示す説明図である。
図4−3に示すように、主制御基板300のメインCPU301aは、電源が供給されると、メインROM301bに格納されているプログラムに基づいて、メイン処理を実行する。メインCPU301aは、メイン処理として、電源遮断から電源遮断前の遊技状態に復旧するための電源復旧処理、または、メインRAM301cを初期化するRAMクリア処理を実行するとともに、各種の乱数(例えば、大当たり乱数)の初期値の更新を実行する。また、メインCPU301aは、メイン処理の実行中に、一定周期(例えば4ミリ秒周期)ごとに繰り返しタイマ割込処理を実行する。以下に、タイマ割り込み処理の各種処理を説明する。
乱数更新処理は、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、および、普通図柄乱数などの各種乱数値を更新する処理である。スイッチ処理は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に実行される処理であって、第1始動装置112または第2始動装置115の入球を検出すると大当たり乱数等を取得し保留情報として記憶する始動装置スイッチ処理と、普通図柄作動ゲート113bを遊技球が通過した場合に普通図柄乱数を取得して記憶するゲートスイッチ処理と、大当たり遊技を実行中(大当たり遊技状態時)に第1大入賞装置117に入賞した遊技球を検知する第1大入賞装置スイッチ処理と、大当たり遊技状態時に第2大入賞装置127に入賞した遊技球を検知する第2大入賞装置スイッチ処理と、を含む処理である。なお、始動装置スイッチ処理には、保留情報に基づいて大当たり判定や大当たり図柄判定等を実行する事前判定処理が含まれる。
特別図柄処理は、スイッチ処理(第1始動装置112、第2始動装置115)における処理結果に応じた特別図柄に関する処理であって、特別図柄の変動表示が終了するとメインRAM301cの保留情報記憶領域301cxにおける保留情報と取得時保留順情報とをシフトさせる保留情報シフト処理と、保留情報シフト処理で保留情報判定領域301cyにシフトされた保留情報の大当たり乱数と大当たり判定テーブルT1とに基づいて大当たり判定を実行する大当たり判定処理と、大当たり判定の結果が大当たりの場合に保留情報に含まれる大当たり図柄乱数と大当たり図柄判定テーブルT2とに基づいて大当たり図柄(特別図柄)を決定する大当たり図柄判定処理と、保留情報に含まれるリーチ乱数とリーチ判定テーブルT3とに基づいてリーチ判定を実行するリーチ判定処理と、変動パターンテーブルおよび保留情報の変動パターン乱数に基づいて変動パターンを設定する変動パターン設定処理と、第1特別図柄表示器120または第2特別図柄表示器122の変動表示を停止表示させる特別図柄停止処理と、を含む処理である。
普通図柄処理は、スイッチ処理(普通図柄作動ゲート113b)における処理結果に応じた普通図柄に関する処理であって、普通図柄の保留情報がある場合に普通図柄乱数と普通図柄判定テーブルT6とに基づいて普通図柄を判定する普通図柄判定処理と、普通図柄判定で当たりと判定した場合に可動片115bの動作パターンを設定する動作パターン設定処理と、動作パターン設定処理で設定された動作パターンに基づいて第2始動装置115の可動片115bを開閉制御する開閉部材制御処理と、を含む処理である。
大入賞装置開放制御処理は、第1大入賞装置117及び第2大入賞装置127の開閉制御に関する処理であって、大当たり遊技の初めのオープニング演出中に開放パターンを設定する開放パターン設定処理と、大当たり遊技の最後のエンディング演出が終了する場合に大当たり遊技フラグをOFFにしたり時短遊技フラグ等をONにしたりするとともに時短変動回数を所定回数(例えば、8000回)に設定する遊技状態設定処理と、を含む処理である。払出処理は、スイッチ処理での検出結果(遊技球の入賞)に応じた賞球の払い出しを制御する処理である。コマンド送信処理は、上記処理において生成された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板320に送信する処理である。
[演出制御基板320の電気的構成]
図4−4および図4−5を参照して、演出制御基板320の電気的構成について説明する。図4−4は、演出制御基板320の詳細を示すブロック図である。図4−5は、サブRAM320cに設けられる事前判定情報記憶領域320c3を模式的に示す説明図である。演出制御基板320は、主制御基板300から送信されるコマンド(変動パターン等含む)に基づき、演出パターンを決定して、演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドを画像制御基板330及びランプ制御基板340へ送信する。上述したように、画像制御基板330にはメイン表示装置131等が電気的に接続されており、ランプ制御基板340には、角ユニット135等が電気的に接続されている。かかる構成により、画像制御基板330およびランプ制御基板340は、演出制御基板320から送信される演出パターン指定コマンドに基づいて、表示演出、音声演出、照明演出、および、役物可動演出を実行することが可能となる。
図4−4に示すように、サブROM320bには、基幹表示演出指定テーブルTS1と、装飾図柄決定テーブルTS2と、チャンスアップ決定テーブルTS3とが格納されている。基幹表示演出指定テーブルTS1は、主制御基板300から送信される変動パターンに基づいて、上述した通常ハズレ演出、ノーマルリーチ(ハズレまたは当たり)演出、SPリーチ(ハズレまたは当たり)演出、SPSPリーチ(ハズレまたは当たり)演出、および、SPSPリーチ復活(当たり)演出のうちのいずれかの演出を、表示演出における基幹となる演出(以下では、基幹表示演出とも呼ぶ)として指定するためのテーブルである。本実施形態では、主制御基板300から送信される変動パターンと基幹表示演出とが一対一に対応している。なお、変動パターンに対し複数の基幹表示演出を対応させておき、演出制御基板320のサブCPU320aが抽選で基幹表示演出を選択するようにしてもよい。このようにすれば、同じ変動パターンであっても、その演出内容を変えることができる。また、複数の変動パターンに対して一つの基幹表示演出を対応させるようにしてもよい。装飾図柄決定テーブルTS2は、演出パターンに基づく表示演出において、仮停止表示や確定停止表示する装飾図柄の組み合わせと、リーチを実行する場合におけるリーチ図柄と、を決定するためのテーブルである。チャンスアップ決定テーブルTS3は、表示演出において、所定のチャンスアップ演出を決定するためのテーブルである。ここで、チャンスアップ演出とは、通常の演出とは異なる態様の表示演出を実行して、通常の演出と比較して、大当たりの期待度を上昇させるための演出である。
図4−5に示すように、サブRAM320cには、保留記憶領域320c1と、事前判定情報記憶領域320c3とが設けられている。なお、サブRAM320cは、所定のフラグなどが記憶されるフラグ記憶領域(図示せず)も有している。例えば、このフラグ記憶領域には、後述する連続実行演出フラグや擬似連演出実行フラグなどが格納される。保留記憶領域320c1は、第1特別図柄に対応した第1保留領域、第2保留領域、第3保留領域、および、第4保留領域と、第2特別図柄に対応した第1保留領域、第2保留領域、第3保留領域、および、第4保留領域との8つの領域に区分され、それぞれに1つの保留フラグが格納可能となっている。保留記憶領域320c1の第1特別図柄に対応する保留領域において、保留フラグの格納の優先順は、第1保留領域が最優先で格納対象とされ、第1保留領域に保留フラグが格納されていれば、次に、第2保留領域が優先で格納対象とされ、次に、第3保留領域が優先で格納対象とされ、最後に、第4保留領域が格納対象として選択される。第2特別図柄に対応する保留領域においても同様である。演出制御基板320が主制御基板300からの保留コマンドを受信すると、保留記憶領域320c1において、保留フラグが格納されている保留領域を特定し、当該保留領域の次に優先的に格納すべき保留領域に保留フラグを格納する。ただし、第4保留領域に保留フラグが格納されている状態で、保留コマンドを受信した場合には、保留フラグの格納は行わない。また、保留フラグの消去の優先順は、格納する場合の優先順の逆であり、すなわち、第4保留領域が最優先で消去対象とされ、第4保留領域に保留フラグが格納されていないと、次に、第3保留領域が優先で消去対象とされ、次に、第2保留領域が優先で消去対象とされ、最後に、第1保留領域が消去対象として選択される。演出制御基板320が主制御基板300から図柄確定コマンドを受信すると、保留記憶領域320c1において、保留フラグが格納されている保留領域を特定し、優先的に消去すべき保留領域の保留フラグを消去する。第1保留領域に保留フラグを格納されていない場合には、消去処理を行わない。
図4−5に示すように、事前判定情報記憶領域320c3は、事前判定情報(事前判定用特別図柄と事前判定用変動パターンと取得時保留順情報)を格納するための記憶領域であり、特別図柄の種別に対応して、それぞれ、4つの格納領域(第1格納領域、第2格納領域、第3格納領域、および、第4格納領域)が設けられている。また、それぞれの格納領域には、事前判定用特別図柄に基づく大当たり判定情報を格納する大当たり判定情報欄と、事前判定用図柄に基づく大当たり図柄情報を格納する大当たり図柄情報欄と、事前判定用変動パターンに基づく変動パターン情報を格納する変動パターン情報欄と、取得時保留順情報を格納する取得時保留順情報欄と、連続演出の発動の有無を示す連続演出有無情報を格納する連続演出有無情報欄と、が設けられている。詳細は後述するが連続演出有無情報は、連続演出発動情報と、連続演出不発動情報とを含む。
主制御基板300から送信されてくる保留コマンドには、事前判定情報(事前判定用特別図柄と事前判定用変動パターンと取得時保留順情報)が含まれる。事前判定情報記憶領域320c3には、これらの事前判定情報が対応付けられて格納される。第1特別図柄に対する格納領域において、事前判定情報を格納する優先順は、第1格納領域が最優先で格納対象とされ、第1格納領域に事前判定情報が格納されていれば、次に、第2格納領域が優先で格納対象とされ、次に、第3格納領域が優先で格納対象とされ、最後に、第4格納領域が格納対象として選択される。第2特別図柄に対する格納領域についても同様である。例えば、第1特別図柄の第3格納領域に既に事前判定情報が格納されている状態で、新たな第1特別図柄の事前判定情報(特定図柄A、変動パターン7B、取得時保留順情報「4」)を格納する場合(図4−5参照)には、第4格納領域の取得時保留順情報欄に「4」を表す情報を格納し、第4格納領域の変動パターン情報欄に「変動パターン7B」を表す情報を格納し、第4格納領域の大当たり図柄情報欄に「特定図柄A」を表す情報を格納し、第4格納領域の大当たり判定情報欄に「大当たり」を表す情報を格納する。
なお、図4−5では、第1特別図柄に係る第1格納領域の事前判定情報として、大当たり判定情報欄に「ハズレ」の情報が、大当たり図柄情報欄に「なし」の情報が、変動パターン情報欄に「変動パターン1」の情報が、取得時保留順情報欄に「3」を表す情報がそれぞれ格納されている。第2格納領域の事前判定情報として、大当たり判定情報欄に「ハズレ」の情報が、大当たり図柄情報欄に「なし」の情報が、変動パターン情報欄に「変動パターン2AX」の情報が、取得時保留順情報欄に「1」を表す情報がそれぞれ格納されている。第3格納領域の事前判定情報として、大当たり判定情報欄に「ハズレ」の情報が、大当たり図柄情報欄に「なし」の情報が、変動パターン情報欄に「変動パターン4BX」の情報が、取得時保留順情報欄に「2」を表す情報がそれぞれ格納されている。また、連続演出有無情報欄には、後述の先読み処理において、連続演出を実行するか否かを表す連続演出発動情報が格納される。なお、図4−5では、第1特別図柄に係る第4格納領域に対応する連続演出有無情報欄に、連続演出の発動を示す情報である連続演出発動情報として「〇」が示され、その他の格納領域には、連続演出を発動しないことを示す情報である連続演出不発動情報として「−」が示されている。
[演出制御基板320での処理一覧]
図4−6を参照して、演出制御基板320で実行される処理を説明する。図4−6は、演出制御基板320で実行される処理の一覧を示す説明図である。
図4−6に示すように、演出制御基板320のサブCPU320aは、電源が供給されると、サブROM320bに格納されているプログラムに基づいて、演出メイン処理を実行する。サブCPU320aは、演出メイン処理として、主制御基板300で実行される電源復旧処理に対応する電源復旧演出処理、または、主制御基板300で実行されるRAMクリア処理に対応するRAMクリア演出処理を実行する。また、サブCPU320aは、演出メイン処理中の実行中に、一定周期(例えば、2ミリ秒)ごとに繰り返し演出タイマ割込処理を実行する。以下に、演出タイマ割込処理の各種処理を説明する。
乱数更新処理は、演出に用いる各種乱数(例えば、装飾図柄決定乱数、チャンスアップ乱数)を更新する処理である。コマンド受信処理は、主制御基板300から送信される種々のコマンド等に基づく処理であって、保留コマンドに基づいて連続演出や擬似連演出を行うか否かを判定する先読み処理と、基幹表示演出指定テーブルTS1や装飾図柄決定テーブルTS2やチャンスアップ決定テーブルTS3に基づいて演出パターンを決定する演出パターン決定処理と、保留コマンドを受信した場合にサブRAM320cの保留記憶領域320c1に保留フラグを格納するとともにメイン表示装置131での保留表示のための保留表示コマンドをセットする保留処理と、変動開始コマンドを受信した場合にサブRAM320cの事前判定情報記憶領域320c3の事前判定情報のシフト処理を実行する事前判定情報シフト処理と、普通図柄判定の判定結果に応じてメイン表示装置131で普通図柄の変動に対応する演出を行うための処理である普図演出処理と、図柄確定コマンドに基づいてメイン表示装置131で変動中の装飾図柄を確定停止表示させるための処理である図柄確定処理と、オープニング演出やエンディング演出や大当たり遊技中のラウンド演出を実行する大当たり処理と、を含む処理である。演出ボタン処理は、角ユニット135や演出操作スティック136を介した入力を検出して所定の演出を行う処理である。コマンド送信処理は、上記各種処理で生成された各種コマンドを画像制御基板330及びランプ制御基板340へ送信する処理である。
ここで、連続演出とは、メイン表示装置131において、実行され得る演出であり、特別図柄における複数の変動表示に亘って、変動開始演出中に実行され得る演出である。この連続演出は、1種類の演出だけで構成されていてもよいし、複数種類の演出を含んでいてもいい。連続演出が複数種類の演出を含む場合には、複数種類の演出のうち1つの演出を選択して実行するようにしてもよい。また、連続演出は、特別図柄における1回の変動表示に実行されてもよい。また、擬似連演出は、1種類の演出だけで構成されていてもよいし、複数種類の演出を含んでいてもいい。擬似連演出が複数種類の演出を含む場合には、複数種類の演出のうち1つの演出を選択して実行するようにしてもよい。
[上部ユニット180の構成]
図5−1および図5−2を参照して、上部ユニット180の構成について説明する。図5−1は、上部ユニット180の斜視図であり、(A)は上部ユニット180がガラス枠150の上部の一部を覆うように外枠160に対して固定された状態の図であり、(B)は上部ユニット180が外枠160に対してのみ固定された状態の図である。図5−2は、上部ユニット180背面における斜視図であり、(A)は右背面の斜視図であり、(B)は左背面の斜視図である。
図5−1に示すように、上部ユニット180は、内部にLEDが設けられた第1側部1510と第2側部1530と、「ウルトラセフン」のロゴが形成され可動に構成された役物である文字役物1550と、第1側部1510と第2側部1530とが可動に連結されるとともに外枠160に対して固定される第1支柱部1515と第2支柱部1535と、を備える。
文字役物1550は、「ウルトラセフン」のロゴが形成された本体部1580と、遊技状態に応じた演出において本体部1580を作動させるための駆動部1570とから構成されている。本体部1580は、ロゴが形成されたロゴ部材が可動となっているとともに、内部に図示しない可動役物が収納されている。駆動部1570は、本体部1580のロゴ部材および可動役物を作動させるモータ、当該モータからの駆動力をロゴ部材や可動役物に伝えるためのリンク機構、ランプ制御基板340からの各種の信号の受信および電源基板360からの電力供給等の上部ユニット180の作動を制御するための図示しないユニット制御部、が設けられている。なお、本体部1580には、図示しないLEDが設けられており、遊技状態に応じた演出において、様々な発光演出が行われる。
第1側部1510は、第1支柱部1515に対して摺動可能に連結されるとともに文字役物1550が固定されている。また、第2側部1530は、第2支柱部1535に対して摺動可能に連結されるとともに文字役物1550が固定されている。さらに、第1側部1510と第2側部1530には、図示しないLEDが設けられており、遊技状態に応じた演出において、様々な発光演出が行われる。そして、第1支柱部1515には、図示しないレールが設けられた第1レール部と、第1側部1510が固定されるとともに第1レール部のレールに沿って摺動可能な図示しない第1摺動部と、が設けられている。またそして、第2支柱部1535には、図示しないレールが設けられた第2レール部と、第2側部1530が固定されるとともに第2レール部のレールに沿って摺動可能な図示しない第2摺動部と、が設けられている。
図5−1(B)に示すように、ガラス枠150の上部の一部を覆うように外枠160に対して固定される上部ユニット180(図5−1(A)を参照。)を、外枠160に対して固定されているもののガラス枠150の上部の一部を覆わないような状態にするときには、第1摺動部に固定された第1側部1510と第2摺動部に固定された第2側部1530と第1側部1510および第2側部1530に固定された文字役物1550とを一体として、第1支柱部1515の第1レール部および第2支柱部1535の第2レール部のレールに沿って遊技機の前面で上斜め前方向に移動させる。このように、図5−1(B)に示すような状態に上部ユニット180をすることで、ガラス枠150が、上部ユニット180の文字役物1550により覆われていない状態となって、開閉可能な状態とすることができる。なお、ガラス枠150の開閉の構造についての詳細は、後述する。
図5−2(A)に示すように、第1支柱部1515の端部には、外枠160に対して取付けられる第1支柱取付部1517が設けられている。この第1支柱取付部1517は、外枠160に対して挿入される第1支柱取付ピン1520と、第1支柱取付ピン1520と同じ方向に延設された第1支柱取付片1525とが設けられている。また、第1支柱取付ピン1520は、先端においてテーパが形成されることで先細った形状となっており、テーパが形成されていない部分に切欠き部1521が設けられている。文字役物1550の駆動部1570におけるガラス枠150に取付けられる背面の左領域には、ガラス枠150に対して挿入される第1本体取付ピン1590と、後述する第1ガラス枠隆起部と嵌合する第1本体嵌合穴1593とが設けられている。また、第1本体取付ピン1590は、先端においてテーパが形成されることで先細った形状となっており、テーパが形成されていない部分に切欠き部1591が設けられている。
図5−2(B)に示すように、第2支柱部1535の端部には、第1支柱部1515の第1支柱取付部1517と略同様の構成の第2支柱取付部1537が設けられている。この第2支柱取付部1537は、第1支柱取付ピン1520と略同じ形状で切欠き部1541が形成された第2支柱取付ピン1540と、第1支柱取付片1525と略同じ形状の第2支柱取付片1545とが設けられている。文字役物1550の駆動部1570におけるガラス枠150の一部を覆う背面の右領域には、第1本体取付ピン1590と同じ形状で切欠き部1596が形成された第2本体取付ピン1595と、後述する第2ガラス枠隆起部1635と嵌合する第2本体嵌合穴1598とが設けられている。
さらに、文字役物1550の駆動部1570におけるガラス枠150の一部を覆う背面の右領域には、遊技盤ユニット102における制御基板等と電気的に接続するための上部ユニットコネクタ1575が設けられている。なお、上部ユニットコネクタ1575は、図示しないバネが設けられており、着脱方向に可動な構造となっている。このような構造の上部ユニットコネクタ1575においては、所定の力で、着脱方向に引っ張ったり、押圧したりすることが可能な構造となっている。
[ガラス枠150、外枠160、および内枠170の上部の構成]
図6および図7を参照して、ガラス枠150、外枠160、および内枠170の上部の構成と、ガラス枠150に設けられた錠ユニット190の構成について説明する。図6は、ガラス枠150および外枠160の上部における構成の概略図であり、(A)は上部ユニット180が取り外された状態のガラス枠150および外枠160の上部における構成の概略図であり、(B)は上部ユニット180が取り外された状態のガラス枠150および外枠160の右上部の構成の概略を示した斜視図である。図7は、ガラス枠150の錠ユニット190の構成の概略図であり、(A)はロック状態の錠ユニット190を示す図であり、(B)は非ロック状態の錠ユニット190を示す図である。なお、図6は、遊技機100から上部ユニット180が取り外された状態であるため、遊技盤ユニット102の役物ユニット102Bに設けられている遊技盤コネクタ1620がコネクタ開口部1615から露出している。
図6(A)に示すように、ガラス枠150には、上部ユニット180の第1本体取付ピン1590が挿入される第1ガラス枠挿入孔部1600と、第2本体取付ピン1595が挿入される第2ガラス枠挿入孔部1610と、上部ユニットコネクタ1575が挿入されるコネクタ開口部1615と、ガラス枠150を開放するときに操作される開放レバー1625とが設けられている。外枠160には、第1支柱取付部1517が取付けられる第1支柱固定部1650と、第2支柱取付部1537が取付けられる第2支柱固定部1660と、後述する外枠ロック機構におけるロック状態から非ロック状態に切替えるときに操作される外枠ロック解除操作部1675と、が設けられている。
図6(B)に示すように、第2ガラス枠挿入孔部1610は、開口縁に丸みを帯びた面取り部が形成されている第2ガラス枠挿入孔1630と、第2ガラス枠隆起部1635とが設けられている。第2ガラス枠挿入孔1630は、開口縁に面取り部が形成されていることで、面取り部が形成されていないものに比べて、第2本体取付ピン1595を面取り部に沿って挿入し易い構造となっている。また、第2ガラス枠隆起部1635は、第2本体嵌合穴1598に嵌合する突起と、第2ガラス枠挿入孔1630の下方に設けられた半円状の突起とから構成されている。この第2ガラス枠隆起部1635において、半円状の突起が形成されていることで、第2本体取付ピン1595を第2ガラス枠挿入孔1630へ挿入するときに、第2本体取付ピン1595が開口縁の面取り部に沿って開口縁の下方へ滑り出てしまうことが防止される。つまり、第2ガラス枠挿入孔1630の開口縁の面取り部と第2ガラス枠隆起部1635とは、第2本体取付ピン1595を第2ガラス枠挿入孔1630へ挿入するときの位置決めのガイドとしての機能を有する。
なお、第1ガラス枠挿入孔部1600は、第2ガラス枠挿入孔部1610と略同様の構造であり、詳述しないが、第1ガラス枠挿入孔と、第1ガラス枠隆起部とが設けられている。また、コネクタ開口部1615には、内枠170に取付けられた遊技盤ユニット102における遊技盤コネクタ1620が配設されるため、文字役物1550をガラス枠150に取付けたときに、上部ユニットコネクタ1575を遊技盤コネクタ1620に嵌合させることができる。さらに、開放レバー1625は、後述する錠ユニット190に連結されており、開放レバー1625が操作されると、ガラス枠150が開放可能となる。なお、開放レバー1625は、文字役物1550がガラス枠150の上部の一部を覆うような状態になっているときには、文字役物1550とガラス枠150との間に配設されるため、操作が難しい状態となっている。
図6(B)に示すように、第2支柱固定部1660には、第2外枠挿入孔1662と、第2外枠挿入片1665と、第2外枠受け部1667と、第2外枠押圧部1670とが設けられている。第2外枠挿入孔1662は、開口縁に面取り部が形成されていることで、面取り部が形成されていないものに比べて、第2支柱取付ピン1540を面取り部に沿って挿入し易い構造となっている。また、第2外枠挿入片1665は、第2外枠挿入孔1662の開口から上方に延設された壁部であり、第2支柱部1535を取付けるときに、第2支柱取付ピン1540が第2外枠挿入孔1662以外の部分に入り込むことを防止する。さらに、第2外枠押圧部1670は、後述する外枠ロック機構に連結されている部材であって、第2支柱部1535が取付けられるときに、第2支柱取付片1545によって押圧される。
また、第2外枠受け部1667は、第2支柱部1535を取付けたときに第2支柱部1535の底面を接触させて上部ユニット180を支える、といった機能を備えるとともに、第2支柱部1535を取付けるときに第2支柱部1535の底面を沿わせつつ、第2支柱取付ピン1540を第2外枠挿入孔1662に挿入させることも可能にする部材である。つまり、第2外枠挿入孔1662と、第2外枠挿入片1665と、第2外枠受け部1667とは、第2支柱取付ピン1540を第2外枠挿入孔1662に挿入させるときの位置決めのガイドとしての機能を有する。なお、第1支柱固定部1650は、第2支柱固定部1660と同様の構成であり、詳細については図示しないが、第1外枠挿入孔と、第1外枠挿入片と、第1外枠受け部と、第1外枠押圧部とが設けられている。
[上部ユニット180のロック機構の構成]
上部ユニット180におけるロック機構としては、ガラス枠150に対してのロック状態と非ロック状態との切替が可能な錠ユニット190によるガラス枠ロック機構と、外枠160に対してのロック状態と非ロック状態との切替が可能な外枠ロック機構と、がある。特に、ガラス枠ロック機構は上部ユニット180の文字役物1550におけるガラス枠150に対するロック機構であり、外枠ロック機構は上部ユニット180の第1支柱部1515と第2支柱部1535とにおける外枠160に対するロック機構である。以下に、ガラス枠ロック機構と外枠ロック機構とについて説明する。
図7に示すように、ガラス枠ロック機構を構成する錠ユニット190は、ガラス枠150の背面に設けられる機構であって、回転部材1710と、第1リンク部材1730と、第2リンク部材1740と、第3リンク部材1750とが設けられている。回転部材1710は、ガラス枠150に設けられた鍵穴部材に連結されており、鍵穴部材の鍵穴に差込まれた所定の鍵が回転されることに連動して回転する部材である。第1リンク部材1730は、回転部材1710の作動に応じて、ガラス枠150の右辺の面において上下方向に作動可能に設けられた部材であり、第2リンク部材1740に対して作用可能に設けられている。第2リンク部材1740は、第1リンク部材1730の作動に応じて、第3リンク部材1750を連動させるように設けられた部材である。第3リンク部材1750は、ガラス枠150の上辺の面において左右方向に作動可能に設けられた部材であり、第2リンク部材1740を介して第1リンク部材1730の作動が作用可能に設けられている。また、付勢力供給部1745は、付勢力を発生させるバネが設けられるとともに、第1リンク部材1730に対して下方向の付勢力が加えられるように、第1リンク部材1730にワイヤで連結されている。センサ1760は、第3リンク部材1750の動きに応じて、錠ユニット190がロック状態か非ロック状態かを検知するセンサである。
図7(A)に示すように、錠ユニット190がロック状態である場合は、第1ガラス枠挿入孔部1600に挿入された第1本体取付ピン1590の切欠き部1591に対して、第3リンク部材1750の左端部1753が嵌まり込むとともに、第2ガラス枠挿入孔部1610に挿入された第2本体取付ピン1595の切欠き部1596に対して、第3リンク部材1750の右端部1755が嵌まり込んだ状態である。つまり、錠ユニット190がロック状態である場合には、文字役物1550を移動させることができないこととなる。なお、文字役物1550を取付けていないときの錠ユニット190においては、第3リンク部材1750に対して、図示しないバネにより左方向の付勢力が働いていることで、上述したようなロック状態が維持される。
図7(B)に示すように、錠ユニット190が非ロック状態である場合には、第1本体取付ピン1590の切欠き部1591に対して、第3リンク部材1750の左端部1753が嵌まり込んでおらず、第2本体取付ピン1595の切欠き部1596に対しても、第3リンク部材1750の右端部1755が嵌まり込んでいない状態である。つまり、錠ユニット190が非ロック状態である場合には、文字役物1550を移動させることができることとなる。
ここで、錠ユニット190によるガラス枠ロック機構において、ロック状態から非ロック状態にする場合の各部材の作動について説明する。まず、鍵穴部材に挿入された所定の鍵を左に回すと、回転部材1710が左に回転し、第1リンク部材1730を上方向に作動させる。この第1リンク部材1730の動きが、第2リンク部材1740を介して第3リンク部材1750に作用し、第3リンク部材1750が右方向に作動する。このように、第3リンク部材1750が右方向に作動することによって、第1本体取付ピン1590の切欠き部1591に対する左端部1753の嵌まり込みと、第2本体取付ピン1595の切欠き部1596に対する右端部1755の嵌まり込みが解除される。一方で、文字役物1550を取付けるときは、錠ユニット190においてはロック状態であって、第1ガラス枠挿入孔部1600および第2ガラス枠挿入孔部1610に対して第1本体取付ピン1590および第2本体取付ピン1595を挿入することとなる。このとき、挿入される第1本体取付ピン1590および第2本体取付ピン1595は上述のように先細りの形状であることから、第3リンク部材1750の左端部1753および右端部1755の各々が右方向へ逃げるように、第3リンク部材1750自体が右方向へ移動する。そして、第1本体取付ピン1590および第2本体取付ピン1595が挿入されると、第3リンク部材1750は付勢力によって左方向へ移動して、切欠き部1591および切欠き部1596に対して、第3リンク部材1750の左端部1753および右端部1755が嵌まり込み、第1本体取付ピン1590および第2本体取付ピン1595がロックされる。
外枠ロック機構は、第1外枠押圧部、第2外枠押圧部1670、および複数の部材から構成されたリンク機構であり(図6を参照。)、外枠160に対して上部ユニット180の第1支柱部1515と第2支柱部1535とが取外し不可能なロック状態又は取外し可能な非ロック状態に、外枠ロック解除操作部1675が操作されることによって切替可能なものである。外枠ロック機構は、外枠160に対して外枠160における第1支柱固定部1650と第2支柱固定部1660とで挟まれる位置に設けられており、上部ユニット180がガラス枠150の上部の一部を覆うように取付けられているときには、文字役物1550によって外枠ロック解除操作部1675が露出しないように設けられている。つまり、上部ユニット180を外枠160から取外すときには、文字役物1550を遊技機の前面で上斜め前方向に移動させることによりガラス枠150の上部の一部を覆わない状態にした後に、露出した外枠ロック解除操作部が操作されることによって第1支柱固定部1650と第2支柱固定部1660とが非ロック状態となり、上部ユニット180の全体を取外す、という手順の作業を実行することとなる。
[遊技盤ユニット102の構成]
図8−1〜図9−3を参照して、遊技盤ユニット102の構成について説明する。図8−1は、遊技盤ユニット102の表側面の斜視図であり、図8−2は、遊技盤ユニット102の裏側面の斜視図である。図9−1は、遊技盤102Aの表側面の斜視図である。図9−2は、役物ユニット102Bの表側面の斜視図である。図9−3は、演出制御基板ユニット102Cと主制御基板ユニット102Dとが設けられたメイン表示装置131の裏側面の斜視図である。
図8−1および図8−2に示すように、遊技盤ユニット102は、遊技盤102Aと、役物ユニット102Bと、メイン表示装置131と、演出制御基板ユニット102Cと、主制御基板ユニット102Dと、から構成されている。遊技盤102Aは、遊技盤ユニット102の表側面において、役物ユニット102Bに対して着脱可能に取付けられる。また、メイン表示装置131は、遊技盤ユニット102の裏側面において、役物ユニット102Bに対して着脱可能に取付けられる。さらに、演出制御基板ユニット102Cと主制御基板ユニット102Dとは、遊技盤ユニット102の裏側面において、メイン表示装置に対して各々が着脱可能に取付けられる。
図8−1に示すように、遊技盤ユニット102の遊技盤102Aの表側面には、四角の各々に遊技盤固定部1812、1814、1816、1818を一つずつ備えている。これらの遊技盤固定部1812、1814、1816、1818は、役物ユニット102Bの四角に設けられたロック孔1912、1914、1916、1918と嵌合することによって、遊技盤102Aが役物ユニット102Bに対して固定されることとなる。なお、遊技盤固定部1812、1814、1816、1818とロック孔1912、1914、1916、1918との構成等の詳細については後述する。また、遊技盤ユニット102の役物ユニット102Bの上部には、上述したように上部ユニットコネクタ1575と嵌合する形状の遊技盤コネクタ1620が設けられており、遊技盤コネクタ1620は、上部ユニットコネクタ1575とは異なり、可動でない構造のものである。さらに、遊技盤ユニット102の役物ユニット102Bの表側面には、四角の各々に、後述するユニット押圧部2122、2124やユニット固定部2126、2128により押圧される部分であるユニット係合部1822、1824、1826、1828が設けられている。
図8−2に示すように、遊技盤ユニット102の裏側面には、役物ユニット102Bに対して、着脱可能にメイン表示装置131が設けられ、メイン表示装置131に対して着脱可能に演出制御基板ユニット102Cと主制御基板ユニット102Dとが設けられている。また、遊技機100における電源基板360から供給される電力や、主制御基板300等からの各種の信号等に関しての授受を中継するための中継基板1850が、役物ユニット102Bに設けられている。中継基板1850は、役物ユニット102Bに対して着脱不可能に設けられており、遊技機100における各ユニットとは図示しないケーブルによって接続されている。また、役物ユニット102Bには、中継基板1850と種々の可動役物との間にメイン表示装置131が設けられるスペースが形成されており、そのスぺ―スには、メイン表示装置131がスライドされることによって嵌まり込むための表示装置枠が設けられている。さらに、メイン表示装置131には、表示装置枠に嵌まり込んだ状態で、役物ユニット102Bに対して嵌合することによって、着脱可能な状態である非ロック状態または着脱不可能な状態であるロック状態に切替のために操作されるロック切替部1870、1875が設けられている。
[遊技盤102Aの構成]
図9−1に示すように、遊技盤102Aは、光透過性を有する透明なアクリル部材からなり、複数の釘(図示せず)や風車(図示せず)が配置されている。これら釘や風車は、遊技球の動きを変更したり、所定の入賞口に誘導したりする機能を有する。また、遊技盤固定部1812、1814、1816、1818や、第1始動装置112、普通図柄作動ゲート113b、第2始動装置115、第1大入賞装置117、第2大入賞装置127、可動片115b、117b、127bが設けられている。なお、上述のように各始動装置等が設けられている遊技盤102Aには、図示しないゲート検出スイッチ303、第1始動装置検出スイッチ304、第2始動装置検出スイッチ305、第1入賞装置検出スイッチ306a、第2入賞装置検出スイッチ306b、および始動装置開閉ソレノイド307、第1大入賞装置開閉ソレノイド308、第2大入賞装置開閉ソレノイド370も設けられている。さらに、遊技盤102Aには、表示器125における種々の表示の示唆する内容の説明等が記載されたカバーである表示器カバー1925Aも設けられている。
また、遊技盤102Aは光透過性を有する部材であるため、遊技盤102Aの背後に配設されるメイン表示装置131及び上述の可動役物等が遊技盤102Aを透過して視認可能であり、特に、メイン表示装置131で表示される所定の演出の表示及び上述の可動役物における各種の演出が視認可能である。さらに、遊技盤102Aには、図示しないが、遊技機100のスペックに関する情報や機種に関する固有の情報が表示されている。なお、本実施形態では、遊技盤102Aは、透明に形成されているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、遊技盤102Aは、光透過性に形成されていればよく、半透明でもよい。また、遊技盤102Aは、アクリル部材以外の部材、例えば、透明なプラスチック部材から形成されてもよい。
[役物ユニット102Bの構成]
図9−2に示すように、役物ユニット102Bには、マスクユニット154と、第1メガネユニット155aと、第2メガネユニット155bと、ナンバーユニット156と、いった可動役物と、導光パネルユニット181と、ユニット係合部1822、1824、1826、1828と、が設けられている。また、役物ユニット102Bには、表示器125における複数のLEDで構成された部材である発光部材1925Bが、遊技盤102Aの表示器カバー1925Aによって覆われる位置に設けられている。さらに、役物ユニット102Bには、ロック孔1912、1914、1916、1918が設けられている。ここで、遊技盤102Aの遊技盤固定部1812、1814、1816、1818と、役物ユニット102Bのロック孔1912、1914、1916、1918とによるロック機構について説明する。役物ユニット102Bに遊技盤102Aを取付けるときには、まず、遊技盤固定部1812、1814、1816、1818における各々の固定ピンが、ロック孔1912、1914、1916、1918に嵌まり込むように取付ける。そして、遊技盤固定部1812、1814、1816、1818の各々を回転操作することで、役物ユニット102Bに対して、遊技盤102Aをロックさせることができる。また、導光パネルユニット181は、役物ユニット102Bにおいてネジ(図示しない)にて着脱可能に設けられている。
[メイン表示装置131等の構成]
図9−3に示すように、演出制御基板ユニット102Cは、演出制御基板320が演出制御基板ケース1970に内包されたものであり、主制御基板ユニット102Dは、主制御基板300が主制御基板ケース1980に内包されたものである。また、演出制御基板ケース1970は、図示しないサブ固定部によりメイン表示装置131に対して固定されており、サブ固定部が操作されることによって着脱可能な構成となっている。さらに、主制御基板ケース1980も、図示しないメイン固定部によりメイン表示装置131に対して固定されており、メイン固定部が操作されることによって着脱可能な構成となっている。つまり、演出制御基板ユニット102Cと主制御基板ユニット102Dとは、各々がメイン表示装置131に対して着脱可能な構成となっている。
[遊技盤固定部1816等とロック孔1916等の構成]
図10−1を参照して、遊技盤固定部1812、1814、1816、1818とロック孔1912、1914、1916、1918の構成について説明する。図10−1(A)および(B)は、遊技盤固定部1816とロック孔1916の構成を説明するための概略図である。なお、以下では、遊技盤固定部1816とロック孔1916のみの構成について説明する。遊技盤固定部1812、1814、1818は、遊技盤固定部1816と略同じ構造であり、ロック孔1912、1914、1918は、ロック孔1916と略同じ形状であるため、遊技盤固定部1812、1814、1818とロック孔1912、1914、1918の構成についての説明は省略する。
図10−1(A)および(B)に示すように、遊技盤固定部1816は、遊技盤102Aの表面において回転操作が可能に設けられた固定操作部2016aと、固定操作部2016aに連結されており遊技盤102Aの裏面に突設されている固定ピン2016bと、から構成されている。また、固定ピン2016bは、固定操作部2016aに連結されていない端部において、遊技盤102Aの裏面から突設されているピンの中心から放射状に延設された2つの突起部を有しており、固定操作部2016aに対する回転操作に応じて回転するような構造となっている。また、ロック孔1916は、役物ユニット102Bの表面から裏面に亘って貫通しており、役物ユニット102BにおけるX方向に比べてY方向に長くなっている孔である(図9−2を参照。)。
図10−1(A)に示すように、遊技盤102Aを役物ユニット102Bに対して固定するときには、まず、固定ピン2016bの2つの突起部の向きをロック孔1916の孔形状の長手方向と平行になるようにして、固定ピン2016bをロック孔1916に嵌め込む。そして、図10−1(B)に示すように、固定ピン2016bをロック孔1916に嵌め込んで、固定操作部2016aを回転させて固定ピン2016bの2つの突起部の向きをロック孔1916の孔形状の長手方向と垂直をなすようにして、固定ピン2016Bの突起部が形成されている端部がロック孔1916から抜け出ないようにすることにより遊技盤102Aを役物ユニット102Bに対して固定させる。
[遊技盤固定部2055の構成]
ここで、上述した遊技盤固定部1816等はロック孔1916等に嵌合することによって、遊技盤102Aを役物ユニット102Bに対して着脱可能に固定させるような構成であったが、このような構成でなくとも着脱可能に固定させる構成となっていれば種々の構成を採用することができる。このような構成の一例である遊技盤固定部2055について、図10−2を参照して説明する。図10−2(A)および(B)は、遊技盤固定部2050の構成を説明するための概略図である。なお、図10−2および以下では、上述の遊技盤固定部1816に替えて遊技盤固定部2055が設けられた場合について説明する。
図10−2(A)および(B)に示すように、遊技盤固定部2050は、回転基部2055aと固定ピン2055bとから構成されており、役物ユニット102Bの表面において回転基部2055aを中心にして固定ピン2055bが回転可能に設けられている。また、遊技盤102Aのストッパ部2060と、役物ユニット102Bのストッパ部2070と、により固定ピン2055bの可動範囲が約90度となるように制限されている。図10−2(A)に示すように、遊技盤102Aが役物ユニット102Bに対して固定されているときには、遊技盤102Aが遊技盤固定部2050の固定ピン2055bによって係止されることとなる。また、図10−2(B)に示すように、遊技盤102Aが遊技盤固定部2050の固定ピン2055bによって係止されていない状態となると、遊技盤102Aが役物ユニット102Bに対して取外し可能な状態となる。このような構成の遊技盤固定部2050は、上述した遊技盤固定部1816とは異なる構成であるものの、遊技盤固定部1816と同様に遊技盤102Aを役物ユニット102Bに対して着脱可能に固定することができる。つまり、遊技機において、上述の遊技盤固定部1816等に替えて遊技盤固定部2050の構成を組み込んだ構造としても、遊技盤102Aを役物ユニット102Bに対して着脱可能に固定することができる遊技機とすることができる。
[遊技機100における種々の部材の着脱]
図11−1〜図11−5を参照して、遊技機100における種々の部材の着脱について説明する。図11−1は、上部ユニット180の着脱操作における文字役物1550の動きを説明する図であり、(A)は文字役物1550によりガラス枠150の上部の一部が覆われた状態を示す概略図であり、(B)は文字役物1550によりガラス枠150の上部の一部が覆われていない状態を示す概略図である。図11−2は、ガラス枠150を開放した状態の概略図である。図11−3は、ガラス枠150を開放した状態の概略図であり、(A)は遊技盤102Aのみを取外した状態の概略図であり、(B)は遊技盤ユニット102を取外した状態の概略図である。図11−4は、ガラス枠150および内枠170を開放した状態の概略図である。図11−5は、ガラス枠150および内枠170を開放した状態の概略図であり、(A)は演出制御基板ユニット102Cと主制御基板ユニット102Dとを取外した状態の概略図であり、(B)はメイン表示装置131を取外した状態の概略図である。
[上部ユニット180の着脱]
図11−1(A)に示すように、上部ユニット180は、文字役物1550がガラス枠150の上部の一部を覆った状態で外枠160に対して取付けられる。上部ユニット180においては、文字役物1550がガラス枠150の上部の一部を覆った状態になるとともに、第1支柱部1515および第2支柱部1535が外枠160に対して取付けられている。このように、上部ユニット180が取付けられていると、文字役物1550によりガラス枠150の上部の一部が覆われているとともに、文字役物1550と第1側部1510と第2側部1530と第1支柱部1515と第2支柱部1535とが一体となるように連結されているため、ガラス枠150を開放させることができない。
図11−1(B)に示すように、取付けられている上部ユニット180を取外すときには、まず、鍵穴部材に挿入された所定の鍵を左に回して、錠ユニット190を非ロック状態にした状態で、文字役物1550を遊技機100の前面で上斜め前方向に移動させる。このとき、文字役物1550は、第1側部1510および第2側部1530と一体となって、第1支柱部1515および第2支柱部1535のレールに沿って持ち上がるように移動する。このとき、第1支柱部1515と第2支柱部1535とは、外枠160に取付けられた状態である。このように、第1側部1510および第2側部1530と文字役物1550が一体として移動させられると、ガラス枠150は開放可能な状態となる。また、鍵穴部材に挿入された所定の鍵を左に回すと、遊技盤ユニット102から上部ユニット180への電力供給が遮断される構成となっている。
ここで、上部ユニット180と遊技盤ユニット102との電気的な接続について説明する。まず、上部ユニット180と遊技盤ユニット102とが電気的に非接続状態となる場合、つまり、上部ユニットコネクタ1575と遊技盤コネクタ1620との接続について説明する。上部ユニットコネクタ1575は上部ユニット180の背面に設けられたオス型コネクタ(図5−2(B)を参照。)であり、遊技盤コネクタ1620は遊技盤ユニット102(役物ユニット102B)の上部に設けられたメス型コネクタ(図8−1および図9−2を参照。)であり、上部ユニットコネクタ1575と遊技盤コネクタ1620とは互いに嵌合する形状である。また、上述したように、上部ユニットコネクタ1575は可動な構造であるものの、遊技盤コネクタ1620は上部ユニットコネクタ1575のように可動でない構造のものである。上部ユニット180がガラス枠150の上部の一部を覆うような状態で取付けられていると、上部ユニットコネクタ1575はコネクタ開口部1615から露出している遊技盤コネクタ1620に嵌合された状態となって、上部ユニット180が遊技盤ユニット120を介して電源基板360から電力供給可能、且つ上部ユニット180のユニット制御部とランプ制御基板340とで種々の信号の送受信可能に接続されることとなる。
また、上部ユニットコネクタ1575は、上述したように、図示しないバネによって、着脱方向における所定の可動範囲を有しているため、引っ張られることが可能な構造とされている。そのため、錠ユニット190を非ロック状態にして文字役物1550をガラス枠150から少し離間させた状態にするだけでは、上部ユニットコネクタ1575は遊技盤ユニット102から外れることがなく、ガラス枠150に対して文字役物1550を所定の距離に(上部ユニットコネクタ1575の可動範囲よりも大きい範囲となるように)離間させないと上部ユニットコネクタ1575が遊技盤コネクタ1620から外れないようになっている。つまり、遊技機100において、例えば、錠ユニット190の鍵穴に所定の鍵を挿入して左に回すと電源基板360からの上部ユニット180への電力供給が遮断されるような構成とすれば、文字役物1550を遊技機の前面で上斜め前方向に移動させてガラス枠150の上部の一部を覆わない状態にするときには、所定の鍵を左に回す操作によって上部ユニット180への電力供給が遮断された後に、上部ユニットコネクタ1575が引っ張られつつ遊技盤コネクタ1620から引き抜かれることとなる。したがって、このような構成であれば、上部ユニット180に対する瞬断が防止されていることとなるため、例えば、文字役物1550が誤って取外されることを原因とした上部ユニット180での瞬断による故障が防止されるような構成とすることができる。
[遊技盤ユニット102の着脱]
図11−2に示すように、遊技機100において、上部ユニット180の文字役物1550を移動させた後に、ガラス枠150を開放させると、遊技盤固定部1812、1814、1816、1818、ユニット押圧部2122、2124、およびユニット固定部2126、2128が露出し、操作可能な状態となる。このような状態で、遊技盤固定部1812、1814、1816、1818を操作すると、遊技盤102Aのみを遊技盤ユニット102から取外すことが可能となり、ユニット固定部2126、2128を操作すると、遊技盤ユニット102を内枠170から取外すことが可能となる。ここで、ユニット押圧部2122、2124およびユニット固定部2126、2128の構成について説明する。ユニット押圧部2122、2124は、内枠170に配設された役物ユニット102Bの左側に設けられたユニット係合部1822、1824を押圧することによって、役物ユニット102Bの左側を挟み込むように役物ユニット102Bが内枠170から抜けないように固定する部材である。一方、ユニット固定部2126、2128は、遊技盤ユニット102の役物ユニット102Bの右側に設けられたユニット係合部1826、1828を押圧することによって、役物ユニット102Bが内枠170から外れることを防止するようにロック状態にするレバー形状の部材であり、レバーを押し込むことによってロック状態とし、レバーを引くことによって非ロック状態とに切替可能な構成となっている。
図11−3(A)、(B)に示すように、役物ユニット102Bを内枠170から取外すときには、まず、内枠170のユニット固定部2126、2128を操作することにより非ロック状態にして、役物ユニット102Bの右側を内枠から取外し可能な状態にする。そして、役物ユニット102Bを右斜め前方に移動させることで、ユニット押圧部2122、2124による挟み込みの状態から挟み込まれない状態となって、役物ユニット102Bを内枠170から取外すことができる。なお、役物ユニット102Bは、演出制御基板ユニット102Cと主制御基板ユニット102Dとが取付けられた状態で、一体として取外すことができる。また、役物ユニット102Bに遊技盤102Aが取付けられた状態であっても、ガラス枠150を開放させると、ユニット固定部2126、2128が操作可能に露出しているため、遊技盤ユニット102の全体を内枠170から取外すことも可能である。
図11−4に示すように、遊技機100において、上部ユニット180の文字役物1550を移動させた後に、ガラス枠150と内枠170とを開放させると、遊技盤ユニット102の裏側面が露出し、演出制御基板ユニット102Cと主制御基板ユニット102Dとを取外し可能な状態となる。このような状態であると、演出制御基板ユニット102Cと主制御基板ユニット102Dとのうちのいずれかのみを取外したり、演出制御基板ユニット102Cと主制御基板ユニット102Dとの両方を取外したりすることが可能となる。なお、内枠170の下部には、電源基板360等を有する内枠基板ユニット2110が設けられている。
図11−5(A)、(B)に示すように、メイン表示装置131から演出制御基板ユニット102Cと主制御基板ユニット102Dとを取外すことができる。また、中継基板1850が設けられている端部に対して反対側の端部に向けてメイン表示装置131をスライドさせることによって、メイン表示装置131を役物ユニット102Bから取外すこともできる。なお、演出制御基板ユニット102Cと主制御基板ユニット102Dとが取付けられたメイン表示装置131をスライドさせることによって、演出制御基板ユニット102Cと主制御基板ユニット102Dとメイン表示装置131とを一体として、内枠170から取外すこともできる。
[実施形態の作用および効果]
上述のような構成の本実施形態の遊技機100においては、着脱可能に設けられた種々の部材を交換することができる。特に、ネジ等で固定されておらずドライバ等の工具を使用しなくとも着脱可能な種々の部材を交換することができる。例えば、機種は同じモチーフ等のものであって、スペックについて、遊技機100のものに変更するときに、遊技機のガラス枠150、外枠160、および内枠170はそのままで、遊技盤ユニット200や、遊技盤ユニット200のうちの遊技盤102A、演出制御基板ユニット102C、および主制御基板ユニット102Dといったユニットについては、変更前のものから遊技機100に対応するこれらのユニット等に交換することが可能である。また、スペックを変更するときだけではなく、故障等によってユニットを交換する場合や、機種を変更する場合にも、遊技機のガラス枠150、外枠160、および内枠170はそのままで、種々のユニットについては、変更前のものから遊技機100に対応するものに交換することが可能である。
上述のような実施形態の遊技機100によれば、外枠160および内枠170に対して開閉可能なガラス枠150と、遊技領域106が形成された遊技盤102Aと、遊技領域106に形成され、遊技球が所定領域に入球する場合と、遊技球が所定領域に入球しない場合とで、遊技領域106における遊技球の滞留時間を異ならせるステージ140と、遊技領域106に形成され、遊技球が特定領域に入球可能な状態又は入球不可能な状態に変化可能な可動片115b,117b,127bと、ガラス枠150を開放可能な第1状態(図11−1(B)および図11−2を参照。)と閉鎖状態に維持可能な第2状態(図11−1(A)を参照。)とに変位可能な上部ユニット180と、を備え、上部ユニット180が第1状態であってガラス枠150が開放状態の場合には遊技盤102Aを着脱可能であり、上部ユニット180が第2状態である場合には遊技盤102Aを着脱不可能であるような構成にすることができる。
このような実施形態の遊技機100であれば、例えば、機種替えやスペック替え等の交換作業において、ステージ140及び可動片115b,117b,127bを有する遊技領域106が形成された遊技盤102Aのみを取外して交換することができる。特に、上部ユニット180においてガラス枠150の上部の一部を覆う状態から当該一部を覆わない状態にすると、ガラス枠150を開放可能な状態にでき、ガラス枠150を開放状態にしてから遊技盤102Aのみを取外して交換することができる。したがって、遊技機100においては、遊技機のスペック等を変更するために当該スペック等に関する情報の表示がされている遊技盤102Aのみを交換することができる。また、ガラス枠150の内側に配置された遊技盤102Aの交換作業は、ガラス枠150に上部の一部を覆うような大きな部材である上部ユニット180が取付けられたような遊技機であっても、容易にすることができる。つまり、このような遊技機100であれば、ガラス枠の内部に設けられるものの交換を要する複数の構成部材の一部又は全ての交換を可能且つ容易にすることができるとともに、交換作業の負担を軽くして作業ミスを軽減することができ、延いては、遊技の興趣の低減を抑制させることができる。
上述のような実施形態の遊技機100によれば、外枠160および内枠170に対して開閉可能なガラス枠150と、遊技の進行に応じて所定の演出を表示するメイン表示装置131と、遊技の進行に応じて所定の態様で作動する可動役物であるマスクユニット154、第1メガネユニット155a、第2メガネユニット155b、ナンバーユニット156と、ガラス枠150を開放可能な第1状態(図11−1(B)および図11−2を参照。)と閉鎖状態に維持可能な第2状態(図11−1(A)を参照。)とに変位可能な上部ユニット180と、メイン表示装置131及び4つの可動役物の前側に配置され、光透過性を有することによってメイン表示装置131に表示される所定の演出及び4つの可動役物が視認可能な遊技盤102Aと、を備え、上部ユニット180が第1状態であってガラス枠150が開放状態の場合には遊技盤102Aを着脱可能であり、上部ユニット180が第2状態である場合には遊技盤102Aを着脱不可能であるような構成にすることができる。
このような実施形態の遊技機100であれば、例えば、機種替えやスペック替え等の交換作業において、メイン表示装置131及び可動役物であるマスクユニット154、第1メガネユニット155a、第2メガネユニット155b、ナンバーユニット156の前側に配置された光透過性を有する遊技盤102Aのみを取外して交換することができる。特に、上部ユニット180においてガラス枠150の上部の一部を覆う状態から当該一部を覆わない状態にすると、ガラス枠150を開放可能な状態にでき、ガラス枠150を開放状態にしてから遊技盤102Aのみを取外して交換することができる。したがって、遊技機100においては、遊技機のスペック等を変更するために当該スペック等に関する情報の表示がされている遊技盤102Aのみを交換することができる。また、ガラス枠150の内側に配置された遊技盤102Aの交換作業は、ガラス枠150に上部の一部を覆うような大きな部材である上部ユニット180が取付けられたような遊技機であっても、容易にすることができる。つまり、このような遊技機100であれば、ガラス枠の内部に設けられるものの交換を要する複数の構成部材の一部又は全ての交換を可能且つ容易にすることができるとともに、交換作業の負担を軽くして作業ミスを軽減することができ、延いては、遊技の興趣の低減を抑制させることができる。
上述のような実施形態の遊技機100によれば、外枠160および内枠170に対して開閉可能なガラス枠150と、遊技の進行に応じて所定の演出を表示するメイン表示装置131と、遊技の進行に応じて所定の態様で作動する可動役物であるマスクユニット154、第1メガネユニット155a、第2メガネユニット155b、ナンバーユニット156と、メイン表示装置131及び4つの可動役物の前側に配置され、光透過性を有することによってメイン表示装置131に表示される所定の演出及び4つの可動役物が視認可能な導光パネルユニット181と、遊技領域106が形成された遊技盤102Aと、遊技領域106に形成され、遊技球が所定領域に入球する場合と、遊技球が所定領域に入球しない場合とで、遊技領域106における遊技球の滞留時間を異ならせるステージ140と、遊技領域106に形成され、遊技球が特定領域に入球可能な状態又は入球不可能な状態に変化可能な可動片115b,117b,127bと、ガラス枠150を開放可能な第1状態(図11−1(B)および図11−2を参照。)と閉鎖状態に維持可能な第2状態(図11−1(A)を参照。)とに変位可能な上部ユニット180と、を備え、上部ユニット180が第1状態であってガラス枠150が開放状態の場合には遊技盤102A及び導光パネルユニット181を着脱可能であり、上部ユニット180が第2状態である場合には遊技盤102A及び導光パネルユニット181を着脱不可能であるような構成にすることができる。
このような実施形態の遊技機100であれば、例えば、機種替えやスペック替え等の交換作業において、ステージ140及び可動片115b,117b,127bを有する遊技領域106が形成された遊技盤102A、およびメイン表示装置131及び可動役物であるマスクユニット154、第1メガネユニット155a、第2メガネユニット155b、ナンバーユニット156の前側に配置された光透過性を有する導光パネルユニット181を取外して交換することができる。特に、上部ユニット180においてガラス枠150の上部の一部を覆う状態から当該一部を覆わない状態にすると、ガラス枠150を開放可能な状態にでき、ガラス枠150を開放状態にしてから遊技盤102Aおよび導光パネルユニット181を取外して交換することができる。したがって、遊技機100においては、遊技機のスペック等を変更するために当該スペック等に関する情報の表示がされている遊技盤102Aや導光パネルユニット181を交換することができる。また、ガラス枠150の内側に配置された遊技盤102Aおよび導光パネルユニット181の交換作業は、ガラス枠150に上部の一部を覆うような大きな部材である上部ユニット180が取付けられたような遊技機であっても、容易にすることができる。つまり、このような遊技機100であれば、ガラス枠の内部に設けられるものの交換を要する複数の構成部材の一部又は全ての交換を可能且つ容易にすることができるとともに、交換作業の負担を軽くして作業ミスを軽減することができ、延いては、遊技の興趣の低減を抑制させることができる。
[その他の実施形態]
上述の実施形態においては、遊技盤固定部1812、1814、1816、1818とロック孔1912、1914、1916、1918とが嵌合することによって、遊技盤102Aが役物ユニット102Bに対して着脱可能な構成となっていたが、このような構成でなくとも遊技盤102Aが役物ユニット102Bに対して着脱可能な構成となっていれば種々の構成を採用することができる。例えば、遊技盤102Aの四角に形成された遊技盤固定部の全てに替えて遊技盤固定部2055と同じ構成のものが設けられてもよい。また、遊技盤102Aの四角に形成された遊技盤固定部のうちの少なくとも一部が遊技盤固定部2055と同じ構成のものであってもよい。具体的には、4つの遊技盤固定部のうちの遊技盤固定部1816、1818が形成されている位置では、遊技盤固定部2055と同じ構成のものが設けられており、遊技盤固定部1812、1814が形成されている位置では、役物ユニット102Bの挟み込む部材(上述の内枠170におけるユニット押圧部2122等のような構成)によって係止されるような被係止部(上述の役物ユニット102Bにおけるユニット係合部1822等のような構成)が形成されているものが考えられる。これらのような構成の遊技機であっても、上述の遊技機100と同様の効果を奏することができる。
上述の実施形態において、遊技盤固定部2050では、遊技盤102Aのストッパ部2060と、役物ユニット102Bのストッパ部2070と、が形成されており、可動域が制限されていたが、遊技盤固定部1812、1814、1816、1818のような構成においても採用されていてもよい。例えば、図示しないストッパ部により、固定操作部の回転を約90度となるように構成されていてもよい。このように可動域が制限されていると、遊技盤102Aの交換作業等において、作業者が固定操作部を視認できなくとも手探りで固定状態又は非固定状態との切替をすることができ、つまり、作業を容易にすることができる。
上述の実施形態においては、導光パネルユニット181が役物ユニット102Bに対して、図示しないネジにて着脱可能となるように構成されていたが、遊技盤固定部1816又は遊技盤固定部2050のような構成の固定部によって、着脱可能に構成されていてもよい。このような構成の遊技機であっても、故障等や機種を変更する場合に導光パネルユニット181を交換するときに、上述の遊技機100と同様の効果を奏することができる。また、図示しないガラス枠150のガラスにおいても、ガラス枠150に対して着脱可能に構成されていてもよい。例えば、図11−2に示すように、開放されている状態のガラス枠150の内側において、ガラス枠150のガラスの四角又は一部の角が遊技盤固定部1816又は遊技盤固定部2050のような構成の固定部によって着脱可能に固定されるような構造のものを考えることができる。このような構造の遊技機であれば、ガラスが破損して交換する場合に、ガラス枠150を開放状態にすれば、ガラス枠150に対するガラスの着脱が容易である。
◆[発明A]
発明Aの遊技機(100)では、遊技機枠(160,170)に対して開閉可能な遊技機扉(150)と、遊技領域(106)が形成された遊技領域ユニット(102A)と、前記遊技領域に形成され、遊技球が所定領域に入球する場合と、遊技球が前記所定領域に入球しない場合とで、前記遊技領域における遊技球の滞留時間を異ならせる滞留部材(140)と、前記遊技領域に形成され、遊技球が特定領域に入球可能な状態又は入球不可能な状態に変化可能な可変部材(115b,117b,127b)と、前記遊技機扉を開放可能な第1状態と、前記遊技機扉を閉鎖状態に維持可能な第2状態と、に変位可能な変位部材(180)と、を備え、前記変位部材が前記第1状態であって前記遊技機扉が開放状態の場合には前記遊技領域ユニットを着脱可能であり、前記変位部材が前記第2状態である場合には前記遊技領域ユニットを着脱不可能であることを要旨とする。
このような実施形態の遊技機100であれば、例えば、機種替えやスペック替え等の交換作業において、ステージ140及び可動片115b,117b,127bを有する遊技領域106が形成された遊技盤102Aのみを取外して交換することができる。特に、上部ユニット180においてガラス枠150の上部の一部を覆う状態から当該一部を覆わない状態にすると、ガラス枠150を開放可能な状態にでき、ガラス枠150を開放状態にしてから遊技盤102Aのみを取外して交換することができる。したがって、遊技機100においては、遊技機のスペック等を変更するために当該スペック等に関する情報の表示がされている遊技盤102Aのみを交換することができる。また、ガラス枠150の内側に配置された遊技盤102Aの交換作業は、ガラス枠150に上部の一部を覆うような大きな部材である上部ユニット180が取付けられたような遊技機であっても、容易にすることができる。つまり、このような遊技機100であれば、ガラス枠の内部に設けられるものの交換を要する複数の構成部材の一部又は全ての交換を可能且つ容易にすることができるとともに、交換作業の負担を軽くして作業ミスを軽減することができ、延いては、遊技の興趣の低減を抑制させることができる。
◆[発明B]
発明Bの遊技機(100)では、遊技機枠(160,170)に対して開閉可能な遊技機扉(150)と、遊技の進行に応じて所定の演出を表示する表示装置(131)と、遊技の進行に応じて所定の態様で作動する可動役物(154,155a,155b,156)と、前記遊技機扉を開放可能な第1状態と、前記遊技機扉を閉鎖状態に維持可能な第2状態と、に変位可能な変位部材(180)と、前記表示装置及び前記可動役物の前側に配置され、光透過性を有することによって前記表示装置に表示される前記所定の演出及び前記可動役物が視認可能な光透過部材(102A)と、を備え、前記変位部材が前記第1状態であって前記遊技機扉が開放状態の場合には前記光透過部材を着脱可能であり、前記変位部材が前記第2状態である場合には前記光透過部材を着脱不可能であることを要旨とする。
このような実施形態の遊技機100であれば、例えば、機種替えやスペック替え等の交換作業において、メイン表示装置131及び可動役物であるマスクユニット154、第1メガネユニット155a、第2メガネユニット155b、ナンバーユニット156の前側に配置された光透過性を有する遊技盤102Aのみを取外して交換することができる。特に、上部ユニット180においてガラス枠150の上部の一部を覆う状態から当該一部を覆わない状態にすると、ガラス枠150を開放可能な状態にでき、ガラス枠150を開放状態にしてから遊技盤102Aのみを取外して交換することができる。したがって、遊技機100においては、遊技機のスペック等を変更するために当該スペック等に関する情報の表示がされている遊技盤102Aのみを交換することができる。また、ガラス枠150の内側に配置された遊技盤102Aの交換作業は、ガラス枠150に上部の一部を覆うような大きな部材である上部ユニット180が取付けられたような遊技機であっても、容易にすることができる。つまり、このような遊技機100であれば、ガラス枠の内部に設けられるものの交換を要する複数の構成部材の一部又は全ての交換を可能且つ容易にすることができるとともに、交換作業の負担を軽くして作業ミスを軽減することができ、延いては、遊技の興趣の低減を抑制させることができる。
◇[発明C]
発明Cの遊技機(100)では、遊技機枠(160,170)に対して開閉可能な遊技機扉(150)と、遊技の進行に応じて所定の演出を表示する表示装置(131)と、遊技の進行に応じて所定の態様で作動する可動役物(154,155a,155b,156)と、前記表示装置及び前記可動役物の前側に配置され、光透過性を有することによって前記表示装置に表示される前記所定の演出及び前記可動役物が視認可能な光透過部材(181)と、遊技領域(106)が形成された遊技領域ユニット(102A)と、前記遊技領域に形成され、遊技球が所定領域に入球する場合と、遊技球が前記所定領域に入球しない場合とで、前記遊技領域における遊技球の滞留時間を異ならせる滞留部材(140)と、前記遊技領域に形成され、遊技球が特定領域に入球可能な状態又は入球不可能な状態に変化可能な可変部材(115b,117b,127b)と、前記遊技機扉を開放可能な第1状態と、前記遊技機扉を閉鎖状態に維持可能な第2状態と、に変位可能な変位部材(180)と、を備え、前記変位部材が前記第1状態であって前記遊技機扉が開放状態の場合には前記遊技領域ユニット及び前記光透過部材を着脱可能であり、前記変位部材が前記第2状態である場合には前記遊技領域ユニット及び前記光透過部材を着脱不可能であることを要旨とする。
このような実施形態の遊技機100であれば、例えば、機種替えやスペック替え等の交換作業において、ステージ140及び可動片115b,117b,127bを有する遊技領域106が形成された遊技盤102A、およびメイン表示装置131及び可動役物であるマスクユニット154、第1メガネユニット155a、第2メガネユニット155b、ナンバーユニット156の前側に配置された光透過性を有する導光パネルユニット181を取外して交換することができる。特に、上部ユニット180においてガラス枠150の上部の一部を覆う状態から当該一部を覆わない状態にすると、ガラス枠150を開放可能な状態にでき、ガラス枠150を開放状態にしてから遊技盤102Aおよび導光パネルユニット181を取外して交換することができる。したがって、遊技機100においては、遊技機のスペック等を変更するために当該スペック等に関する情報の表示がされている遊技盤102Aや導光パネルユニット181を交換することができる。また、ガラス枠150の内側に配置された遊技盤102Aおよび導光パネルユニット181の交換作業は、ガラス枠150に上部の一部を覆うような大きな部材である上部ユニット180が取付けられたような遊技機であっても、容易にすることができる。つまり、このような遊技機100であれば、ガラス枠の内部に設けられるものの交換を要する複数の構成部材の一部又は全ての交換を可能且つ容易にすることができるとともに、交換作業の負担を軽くして作業ミスを軽減することができ、延いては、遊技の興趣の低減を抑制させることができる。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。なお、上述において、遊技盤102Aとした遊技領域ユニットは遊技盤ユニット102としてもよいし、また、遊技盤102A又は導光パネルユニット181とした光透過部材はガラス枠150のガラスとしてもよいし、さらに、上部ユニット180とした変位部材は鍵ユニット190としてもよい。これらのような遊技機であっても、上述と同様の効果を奏することができる。