JP2020141380A - 弾性表面波フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】縦結合二重モードフィルタを並列に接続した弾性表面波フィルタにおいて、通過帯域外のスプリアスを抑制し、減衰特性を良好にする。【解決手段】縦結合二重モードフィルタを並列に接続した弾性波表面波フィルタにおいて、第1、第2の縦結合二重モードフィルタの出力信号の位相を180°ずらしている。さらに弾性表面波フィルタの合成通過帯域よりも低周波数側における第1、第2の縦結合二重モードフィルタのスプリアス周波数を揃え、合成通過帯域よりも高周波数側における第1、第2の縦結合二重モードフィルタのスプリアス周波数を揃えている。そのため弾性表面波フィルタの合成通過帯域のスプリアスが打ち消されて抑制され、減衰特性が良好になる【選択図】図2

Description

本発明は、2つの縦結合二重モードフィルタを並列に接続した弾性表面波フィルタに関する。
通信機器例えば携帯電話は高機能化、高性能化の要求が著しく、また通信機器の種類も多様化が進んでいることから、各々の通信機器毎に通信帯域が割り当てられている。このため、これら通信機器に利用される弾性表面波フィルタには広帯域に適用可能であり、且つ低損失のものが要求されている。
上記の通信機器用のフィルタの一例として、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムを圧電基板として用いた縦結合二重モードフィルタがある。縦結合二重モードフィルタは、圧電基板上に弾性表面波の伝播方向に沿って複数のIDT(Inter Digital Transducer)を並べ、これらのIDTの両側に反射器を配置した構成となっており、0次及び高次の共振モードを利用して通過帯域が設定される。
縦結合二重モードフィルタを用いた弾性表面波デバイスにおいて広帯域化を図る手法として、特許文献1に示すように2つの縦結合二重モードフィルタを並列に接続した構成が知られている。この構成においては、各縦結合二重モードフィルタの通過帯域を合わせた通過帯域を得ることができる。
しかしながら各縦結合二重モードフィルタには帯域外のスプリアスが発生することがある。これらのスプリアスは、縦結合二重モードフィルタを並列に接続した弾性表面波デバイスにおいても弾性表面波フィルタの通過帯域外に残ってしまうため、通過帯域にて必要とされる減衰量の確保が難しいという問題がある。
特許文献1、2には、弾性表面波フィルタにおいてIDTの配置間隔、IDTと反射器との距離、電極指の交差幅、電極指の本数等を設計変数としてフィルタ特性を調節する技術が記載されている。また特許文献3には、縦結合三重モードフィルタにおいて共振周波数帯域の幅を広げる技術が記載されている。しかしながらこれらの技術は、通過帯域外のスプリアスには着目しておらず本発明の課題を解決する技術の記載は見当たらない。
特開平6−334476号公報 特開平7−58585号公報 特開平10−209808号公報
本発明はこのような事情の下になされたものであり、縦結合二重モードフィルタを並列に接続した弾性表面波フィルタにおいて、通過帯域外のスプリアスを抑制し、減衰特性を良好にする技術を提供することにある。
本発明の弾性表面波フィルタは、圧電基板上に、弾性波の伝播方向に沿って複数のIDTを配置し、前記複数のIDTの並びの両脇に各々反射器を配置して構成され、第1の縦結合二重モードフィルタと、低周波数側の共振周波数が前記第1の縦結合二重モードフィルタの通過帯域内に位置し、高周波数側の共振周波数が前記通過帯域外に位置する第2の縦結合二重モードフィルタとを並列に接続し、第1、第2の縦結合二重モードフィルタの各々の通過帯域よりも広い合成通過帯域を有する弾性表面波フィルタを構成したことと、
前記第1、第2の縦結合二重モードフィルタの出力周波数の位相を180°ずらしたことと、
前記合成通過帯域よりも低周波数側に位置する前記第1の縦結合二重モードフィルタのスプリアス周波数と第2の縦結合二重モードフィルタのスプリアス周波数とを揃えたことと、
前記合成通過帯域よりも高周波数側に位置する前記第1の縦結合二重モードフィルタのスプリアス周波数と第2の縦結合二重モードフィルタのスプリアス周波数とを揃えたことと、を特徴とする。
本発明は、縦結合二重モードフィルタを並列に接続した弾性波表面波フィルタにおいて、第1、第2の縦結合二重モードフィルタの出力周波数の位相を180°ずらしている。さらに弾性表面波フィルタの合成通過帯域よりも低周波数側において第1、第2の縦結合二重モードフィルタのスプリアス周波数を揃え、合成通過帯域よりも高周波数側において第1、第2の縦結合二重モードフィルタのスプリアス周波数を揃えている。そのため弾性表面波フィルタの合成通過帯域のスプリアスが打ち消されて抑制され、減衰特性が良好になる。
本発明の実施の形態に係る弾性表面波フィルタの一例を示す平面図である。 前記弾性表面波フィルタについて得られた共振周波数特性図である。 前記共振周波数特性の拡大図である。 本発明の実施の形態に係る弾性表面波フィルタについて得られた周波数特性を示す特性図である。 従来の弾性表面波フィルタについて得られる共振周波数特性図である。 実施の形態に係る弾性表面波フィルタの他の例を示す平面図である。
本発明の実施の形態に係る弾性表面波フィルタには、図1に示すように、互いに並列に接続された2つの縦結合二重モードフィルタを備えており、例えば水晶基板などからなる圧電基板1上に形成されている。この例では圧電基板1は、ST−34°カット板であり、つまり水晶結晶のY軸に垂直な面(後述のIDT11A〜11Dが形成される面)で切断し、X軸から34°回転したX’軸方向に弾性波が伝播するように矩形に切り出した基板である。
ここで、これら2つの縦結合二重モードフィルタの一方及び他方を「第1のフィルタ部1A」及び「第2のフィルタ部1B」と呼ぶと共に、弾性波の伝播方向に直交する方向を前後方向と呼ぶと、第1のフィルタ部1A及び第2のフィルタ部1Bは、夫々奥手側及び手前側に配置されている。図1においては、各々のIDT11A〜11Dにおける電極指43A/44A〜43D/44Dの配置レイアウトについて簡略化して描画している。
第1のフィルタ部1Aは、各々弾性波の伝播方向(左右方向)に沿って一列に配置された2つのIDT11A、11Bと、これらIDT11A、11Bを左右方向から挟むように設けられた反射器45と、を備えている。各反射器45は、弾性波の伝播方向と交差する方向(前後方向)に沿って伸び、互いに間隔を開けて配置された複数本のストライプ電極46の両端部を互いに短絡させた構造となっている。
第2のフィルタ部1Bについても、既述の第2のフィルタ部1Bと同様に構成されたIDT11C、11D及び反射器45を備えている。
これらのIDT11A〜11D及び反射器45は、各々所定の膜厚となっており、例えば圧電基板10上にアルミニウムなどの金属からなる膜を成膜し、次いでこの金属膜上に積層したマスク層を介してこれらのIDT11A〜11D及び反射器45外の領域をエッチングするフォトリソグラフィー法により形成される。
各々のIDT11A〜11Dには、各々一対のバスバー41A/42A〜41D/42D、及び複数の電極指43A/44A〜43D/44Dが設けられている。IDT11Aを例に詳細な構成を説明すると、バスバー41A/42Aは、弾性波の伝播方向に沿って各々伸びると共に、前後方向に互いに離間するように配置されている。
一方のバスバー42Aから対向するバスバー41Aに向かって伸びる複数の電極指43Aと、他方のバスバー41Aから対向するバスバー42Aに向かって伸びる複数の電極指44Aと、が互い違いに交差するように配置されている。
この例では、IDT11A、11C及び11Dは、手前側のバスバー42A、42C及び42Dから伸び出す電極指43A、43C及び43Dが各IDT11A、11C及び11Dの電極指群の左右両端に位置するように配置されている。これに対してIDT11Bは、奥手側のバスバー41Bから伸び出す電極指44BがIDT11Bの電極指群の前後両端に位置するように配置されている。言い替えると、IDT11Bは、他のIDT11A、11C及び11Dを圧電基板10上で180°回転させた構成となっている。
さらに図1に向かって左側に配置された、IDT11Aの手前側のバスバー42Aと、IDT11Cの奥手側のバスバー41Cと、は共通の入力ポート47に接続されている。また図1に向かって右側に配置された、IDT11Bの手前側のバスバー42Bと、IDT11Dの奥手側のバスバー41Dと、は共通の出力ポート48に接続されている。また残るバスバー41A、41B、42C、42Dは、接地電位に接続されている。
このような弾性表面波フィルタにおいては、入力ポート47から周波数信号を入力すると、図1に向かって左側のIDT11A、11Cにて電気信号が電気−機械変換されて弾性表面波が発生し、左右方向に向かって伝播していく。そして弾性表面波は、左右両端の反射器45にて反射され、伝播方向を変えながら圧電基板10上を伝播する。
このようにして、両端の反射器45の間を反射しながらIDT11A、11B(11C、11D)が設けられた領域を伝播する弾性表面波が重ねあわされると、入力ポート47に入力される周波数信号が所定の周波数となったときに共振して0次の振幅分布を持つ共振モード(0次モード)が励起される。さらに、入力される周波数信号の周波数を次第に大きくしていくと、より高次、例えば1次の振幅分布を持つ共振モード(1次モード)が励起される。
これら振幅の大きな共振モード付近の弾性表面波が、右側のIDT11B、11Dにて機械−電気変換されると、大きな信号強度を有する電気信号を取り出すことができる。上記の原理により、連続して励起される各次モード(上述の例では0次−1次)間に対応した通過帯域を有する第1、第2のフィルタ部1A、1Bを構成することができる。
そして第1のフィルタ部1A、第2のフィルタ部1Bの各々において夫々2つの共振モードが励起され、モード間に通過帯域が設定される。図2(a)、(b)は第1のフィルタ部1A、第2のフィルタ部1Bの各共振周波数特性図である。そして図3(a)、(b)は図2(a)、(b)の共振周波数近辺を拡大した特性図である。これらの図に示すように、第1のフィルタ部1A、第2のフィルタ部1Bは互いに周波数の異なる2つのモードを有する共振周波数特性をもっている。
ここで既述のように、第1のフィルタ部1A及び第2のフィルタ部1Bの構成は、入力ポート47に接続されたIDT11A、11Cが共通の構成を備える一方、出力ポート48に接続されたIDT11B、11Dは、圧電基板10上における配置が互いに180°回転対称の関係になっている。
この構成により、例えばIDT11A/11Bの配置間隔AL1を設定周波数の1/2波長に設定した場合、第1のフィルタ部1Aにおいては、IDT1Aに入力された周波数信号に対して、入力側と位相が揃った周波数信号がIDT1Bから出力される。一方、IDT11C/11Dの配置間隔AL2を第1のフィルタ部1A側と揃えた場合、第2のフィルタ部1Bにおいては、IDT1Cに入力された周波数信号に対して、入力側とは位相が180°ずれた周波数信号が出力される。
即ち、出力側のIDT11B、11Dから出力される出力周波数は、互いに位相が180°ずれている。
またここで第1のフィルタ部1Aにおける2つの共振周波数のうち、高次側の共振周波数をf1H、低次側の共振周波数をf1Lとし、第2のフィルタ部1Bにおける2つの共振周波数の高次側の共振周波数をf2H、低次側の共振周波数をf2Lとする。このとき、本例の弾性表面波フィルタは、f1Hの周波数と、f2Lの周波数と、が揃うように調整する。
これらの共振周波数f1H、f2Lは、IDT11A/11B、11C/11Dにおける電極指43A/44A〜43D/44Dの配置間隔(電極指周期)により調節することができる。
ここでIDT11A/11B、11C/11Dの配置領域に亘って、半波長分の定在波が形成されている0次モードと、同領域に1波長分の定在波が形成されている1次モードとでは、出力ポート48へ出力される周波数信号の振幅の変位の方向が互いに異なる。従って、0次モード−1次モードの共振周波数f1L−f1H、f2L−f2H間では、各々、振幅の変位方向が異なっている。一方で既述のように、出力ポート48へ出力される周波数信号は、第1のフィルタ部1Aと第2のフィルタ部1Bとの間で180°ずれている。
従って、第1、第2のフィルタ部1A、1B間では、低次側の共振周波数f1L、f2Lの間、及び高次側の共振周波数f1H、f2Hの間で各々、振幅の変位方向が反対の周波数信号が出力される。
上述の共振周波数特性を有する第1、第2のフィルタ部1A、1B間においては、第1のフィルタ部1Aの高次側の共振周波数f1Hと、第2のフィルタ部1Bの低次側の共振周波数f2Lと、を揃えた場合であっても、双方から出力された周波数信号の振幅の向きが同じである。従って、これらの周波数信号は互いに打ち消し合わずに合成される。
よって、第1のフィルタ部1Aと、第2のフィルタ部1Bと、を並列に接続した弾性表面波フィルタは、図2(c)、図3(c)に示すように第1のフィルタ部1A及び第2のフィルタ部1Bの通過帯域を合わせた広い合成通過帯域を得ることができる。この結果、図4に周波数特性を示すように、本例の弾性表面波フィルタは400MHzを中心周波数として幅の広い周波数の通過帯域を持つフィルタとすることができる。
ところで図5(a)、(b)及び(c)は、図4(b)に示す通過帯域を得るため、IDT11A/11B、11C/11Dの電極指43A/44A〜43D/44Dの電極指周期のみに着目をして設計した従来例に係る弾性表面波フィルタの共振周波数特性を示している。この弾性表面波フィルタにおいても2つの縦結合二重モードフィルタの通過帯域を合わせた幅の広い合成通過帯域を得ることができていることが分かる。
しかしながら上述の弾性表面波フィルタにおいては、図5(a)、(b)に示すように各縦結合フィルタの2つのモードの共振周波数帯から外れた位置にスプリアスが発生してしまう場合がある。例えば図5(a)に示すs1L、s1Hは、第1のフィルタ部1Aに相当する、低周波数帯域側に共振周波数を持つ縦結合フィルタのスプリアスである。また、図5(b)に示すs2L、s2Hは、第2のフィルタ部1Bに相当する、高周波数帯域側に共振周波数を持つ縦結合フィルタのスプリアスである。これら図5(a)、(b)に示す共振周波数特性を有する縦結合二重モードフィルタを並列に接続すると、これらのスプリアス(s1L、s2L、s1H、s2H)が各々独立して発現し、共振周波数帯域外のスプリアスが大きくなってしまうことがある。この場合には、共振周波数帯内外において十分な減衰量が確保できなくなることがある。
このような問題点に対し、本開示に係る弾性表面波フィルタにおいては、図2(a)、(b)に示すように第1のフィルタ部1Aの低周波数側のスプリアス(s1L)と、第2のフィルタ部1Bの低周波数側のスプリアス(s2L)と、の周波数を揃えている。既述のように第1のフィルタ部1Aの出力と第2のフィルタ部1Bの出力とは、互いに位相が180°ずれる。そこで互いの周波数を揃えることにより各スプリアスs1L、s2Lが互いに打ち消し合うようにすることができる。この結果、図2(c)に示すように弾性表面波フィルタにおける合成通過帯域の低周波数側のスプリアスを抑制することができる。
上述の低周波数側と同様に、第1のフィルタ部1Aの高周波数側のスプリアス(s1H)と、第2のフィルタ部1Bの高周波数側のスプリアス(s2H)と、の周波数も揃えている。これにより各スプリアスs1H、s2Hと、が互いに打ち消し合う。この結果、図2(c)に示すように弾性表面波フィルタにおける合成通過帯域の高周波数側のスプリアスを抑制することができる。
このように合成通過帯域から外れた周波数に発生するスプリアスを抑制することで弾性表面波フィルタにおける合成通過帯域の減衰量を確保することができる。
本開示に係る弾性表面波フィルタにおける合成周波数帯域の帯域幅の調整方法、及びスプリアスの位置の調整方法について説明する。先ず図1中に示す第1のフィルタ部1Aの各IDT11A、11Bの電極指周期λ、λ´を調節する。これにより図2(a)(b)に示す第1のフィルタ部1Aにおける低周波数側の共振周波数f1Lと、第2のフィルタ部1Bにおける高周波数側の共振周波数f2Hと、の位置を調節して揃えることができる。
次いでIDT11A、11Bの電極対数N1と、IDT11A,11Bの配置間隔AL1と、を調節して、第1のフィルタ部1Aの共振周波数f1Hとf1Lとの間の帯域幅を調節する。さらにIDT11C、11Dの電極対数N2と、IDT11C、11Dの配置間隔AL2と、を調節して、第2のフィルタ部1Bの共振周波数f2Hとf2Lとの間の帯域幅を調節する。これにより弾性表面波フィルタの合成通過帯域が調節される。
さらにIDT11A、11Bの電極対数N1を増やすことで第1のフィルタ部1Aにおける合成通過帯域の低周波数側のスプリアスs1Lの周波数を高周波数側に移動させることができる。同様にIDT11C、11Dの電極対数N2を増やすことで第2のフィルタ部1Bにおける合成通過帯域の低周波数側のスプリアスs2Lの周波数を高周波数側に移動させることができる。反対にこれらの電極対数N1、N2を減らすことで、各スプリアスs1L、s2Lを低周波数側に移動させることができる。これらの設計変数の調節を組み合わせることによりスプリアスs1Lの周波数と、スプリアスs2Lの周波数と、を揃えることができる。
またIDT11A、11Bの配置間隔AL1を広げることで第1のフィルタ部1Aにおける合成通過帯域の高周波数側のスプリアスs1Hの周波数を高周波数側に移動させることができる。同様にIDT11C、11Dの配置間隔AL2を広げることで第2のフィルタ部1Bにおける合成通過帯域の高周波数側のスプリアスs2Hの周波数を高周波数側に移動させることができる。反対にこれらの配置間隔AL1、AL2を狭めることで、各スプリアスs1H、s2Hを低周波数側に移動させることができる。これらの設計変数の調節を組み合わせることによりスプリアスs1Hの周波数と、スプリアスs2Hの周波数と、を揃えることができる。
さらにこれらの調節を行ったことにより、合成周波数帯域の周波数がずれた場合には、IDT11A/11B、11C/11D)の電極指周期λ、λ´を調節して合成周波数帯域を調節すればよい。
このように調節された弾性波表面波フィルタの各設定値の例を示す。これらの設定値により所望の特性が得られることについては、シミュレーションにより確認することができる。例えば通過帯域の中心周波数が400MHz、通過帯域幅が0.2MHzの弾性表面波フィルタを構成する場合、第1のフィルタ部1AにおけるIDT11A(11B)の電極指43A、44A(43B、44B)の電極対数N1は、例えば78対に設定される。第2のフィルタ部1BにおけるIDT11C(11D)の電極指43C、44C(43D、44D)の電極対数N2は、いずれも例えば71.5対に設定されている。また反射器45のストライプ電極46の本数は、例えば150本である。またλ=7.745μmに設定され、λ´は、7.737μmに設定されている。なお図1、図2においては、周期長は誇張して記載している。さらに第1のフィルタ部1Aにおける2つのIDT11A、11Bの配置間隔AL1は、0.226λに設定され、第2のフィルタ部1Aにおける2つのIDT11C、11Dの配置間隔AL2は、0.25λ´に設定される。
上述の実施形態に係る弾性表面波フィルタによれば、縦結合二重モードフィルタを並列に接続した弾性波表面波フィルタにおいて、第1、第2のフィルタ部1A、1Bの出力信号の位相を180°ずらしている。さらに弾性表面波フィルタの合成通過帯域よりも低周波数側における第1、第2のフィルタ部1A、1Bのスプリアス周波数同士を揃え、合成通過帯域よりも高周波数側における第1、第2のフィルタ部1A、1Bのスプリアス周波数同士を揃えている。そのため弾性表面波フィルタの合成通過帯域のスプリアスが打ち消されて抑制され、減衰特性が良好になる。
また弾性表面波フィルタは、IDTを3つ以上並べて配置した縦結合三重モードフィルタを並列に接続してもよい。例えば図6に示すように各縦結合三重モードフィルタ100A(100B)を3つのIDT101A〜101C(101D〜101F)を並べて構成する。そして図6に示すように各縦結合三重モードフィルタ100A、100Bを並列に接続している。この例では、弾性波の伝播方向両端のIDT101A、101C(101D、101F)に入力ポート47を接続し、中央のIDT101B、101Eに出力ポート48を接続している。
このような構成の弾性表面波フィルタにおいても、IDT101A〜101Fの電極対数を調整し、合成通過帯域から外れた低周波数側のスプリアス周波数を揃え、さらにIDT間101A〜101Fの間隔を調整し、高周波数側のスプリアス周波数を揃えることで、弾性表面波フィルタにおける合成周波数帯域のスプリアスを抑制することができる。
10 圧電基板
1A 第1のフィルタ部
1B 第2のフィルタ部
11A〜11F IDT
43A〜D(44A〜D)
電極指
45 反射電極

Claims (4)

  1. 圧電基板上に、弾性波の伝播方向に沿って複数のIDTを配置し、前記複数のIDTの並びの両脇に各々反射器を配置して構成され、第1の縦結合二重モードフィルタと、低周波数側の共振周波数が前記第1の縦結合二重モードフィルタの通過帯域内に位置し、高周波数側の共振周波数が前記通過帯域外に位置する第2の縦結合二重モードフィルタとを並列に接続し、第1、第2の縦結合二重モードフィルタの各々の通過帯域よりも広い合成通過帯域を有する弾性表面波フィルタを構成したことと、
    前記第1、第2の縦結合二重モードフィルタの出力周波数の位相を180°ずらしたことと、
    前記合成通過帯域よりも低周波数側に位置する前記第1の縦結合二重モードフィルタのスプリアス周波数と第2の縦結合二重モードフィルタのスプリアス周波数とを揃えたことと、
    前記合成通過帯域よりも高周波数側に位置する前記第1の縦結合二重モードフィルタのスプリアス周波数と第2の縦結合二重モードフィルタのスプリアス周波数とを揃えたことと、を特徴とする弾性表面波フィルタ。
  2. 前記低周波数側のスプリアス周波数は、前記第1、第2の縦結合二重モードフィルタにおけるIDTの電極対数を調整して揃えられ、前記高周波数側のスプリアス周波数は、前記第1、第2の縦結合二重モードフィルタ内の前記複数のIDTの配置間隔を調整して揃えられることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
  3. 前記第1の縦結合二重モードフィルタの高次側の共振周波数と、前記第2の縦結合二重モードフィルタの低次側の共振周波数とを揃えたことを特徴とする請求項1または2に記載の弾性表面波フィルタ。
  4. 前記第1の縦結合二重モードフィルタの高次側の共振周波数と、前記第1の縦結合二重モードフィルタの低次側の共振周波数とは、前記IDTを構成する電極指周期を調整して揃えられることを特徴とする請求項3に記載の弾性表面波フィルタ。
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