JP2020140835A - 燃料電池システム - Google Patents

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Masayuki Ito
雅之 伊藤
荒木 康
Yasushi Araki
康 荒木
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Abstract

【課題】 消費電力を抑制することができる燃料電池システムを提供する。【解決手段】 燃料電池システムは、反応ガスを用いて発電する第1燃料電池スタック及び第2燃料電池スタックと、少なくとも第2燃料電池スタックに反応ガスを供給する供給手段と、第2燃料電池スタックから排出された反応ガスを第1燃料電池スタックに供給するためのガス流路と、第1燃料電池スタック、第2燃料電池スタック、及び供給手段を制御する制御装置とを有し、制御装置は、第1燃料電池スタックの発電中、第2燃料電池スタックの発電を停止させたとき、供給手段を制御することにより第2燃料電池スタックを掃気し、第1燃料電池スタックは、第2燃料電池スタックの掃気に用いられ、ガス流路を介して供給された反応ガスを用いて発電する。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池スタックは、水素ガス及び空気により発電するとき、水分を生成する。燃料電池スタックが発電を停止したとき、燃料電池スタック内の水素ガスや空気の流路に水分が残ると、例えば氷点下で燃料電池スタックの発電を再開する場合に水分が凍結し、流路内の水素ガスや空気の流れを妨げるおそれがある。
このため、燃料電池スタックの発電を停止するとき、燃料電池スタック内に例えば圧縮機から空気を送り込むことにより水分を流路から排出する掃気処理が行われる(例えば特許文献1を参照)。
特開2005−209648号公報
しかし、特許文献1のように複数台の燃料電池スタックを含む燃料電池システムでは、掃気処理対象の燃料電池スタックとともに、発電中の燃料電池スタックにも空気を送る必要があるため、1台の燃料電池スタックのみを含む燃料電池システムより多くの消費電力が必要になる。
そこで本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、消費電力を抑制することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明の燃料電池システムは、反応ガスを用いて発電する第1燃料電池スタック及び第2燃料電池スタックと、前記第1燃料電池スタック及び前記第2燃料電池スタックのうち、少なくとも前記第2燃料電池スタックに前記反応ガスを供給する供給手段と、前記第2燃料電池スタックから排出された前記反応ガスを前記第1燃料電池スタックに供給するためのガス流路と、前記第1燃料電池スタック、前記第2燃料電池スタック、及び前記供給手段を制御する制御装置とを有し、前記制御装置は、前記第1燃料電池スタックの発電中、前記第2燃料電池スタックの発電を停止させたとき、前記供給手段を制御することにより前記第2燃料電池スタックを掃気し、前記第1燃料電池スタックは、前記第2燃料電池スタックの掃気に用いられ、前記ガス流路を介して供給された前記反応ガスを用いて発電する。
本発明によれば、燃料電池システムの消費電力を抑制することができる。
第1実施例の燃料電池システムを示す構成図である。 燃料電池スタックの掃気処理の動作例を示すタイムチャートである。 要求電力に応じた燃料電池スタックの制御処理の一例である。 図3に示された掃気処理の一例を示すフローチャートである。 第2実施例の燃料電池システムを示す構成図である。
(第1実施例の燃料電池システムの構成例)
図1は、第1実施例の燃料電池システム9を示す構成図である。燃料電池システム9は、例えば燃料電池車に搭載される。第1発電システム9a、第2発電システム9b、ECU1、外気温センサ90、開度センサ92、インバータ(INV)43、モータ44、及びスイッチ45a,45bを有する。
第1発電システム9aは、燃料電池スタック(FC)10a、カソード供給路20a、カソード排出路21a、エアコンプレッサ30a、インタークーラ31a、背圧弁33a、アノード供給路25a、アノード排出路23a、タンク35a、及びインジェクタ36aを有する。第1発電システム9aは、さらに燃料電池スタック10a用のDC(Direct Current)−DCコンバータ(FDC)40a、バッテリ42a、バッテリ42a用のDC−DCコンバータ(BDC)41a、冷却水循環路24a、電流センサ93a、及び温度センサ91aを有する。
第2発電システム9bは、燃料電池スタック(FC)10b、カソード供給路20b、カソード排出路21b、接続流路22、エアコンプレッサ30b、インタークーラ31b、背圧弁33b、接続弁34、アノード供給路25b、アノード排出路23b、タンク35b、及びインジェクタ36bを有する。第2発電システム9bは、さらに燃料電池スタック10b用のDC−DCコンバータ(FDC)40b、バッテリ42b、バッテリ42b用のDC−DCコンバータ(BDC)41b、冷却水循環路24b、電流センサ93b及び温度センサ91bを有する。
カソード供給路20a,20bは、燃料電池スタック10a,10bに供給される酸化剤ガスが流れる配管であり、カソード排出路21a,21bは、燃料電池スタック10a,10bから排出された酸化剤ガスが流れる配管である。なお、酸化剤ガスとしては例えば空気が挙げられる。
アノード供給路25a,25bは、燃料電池スタック10a,10bに供給される燃料ガスが流れる配管であり、アノード排出路23a,23bは、燃料電池スタック10a,10bから排出された燃料ガスが流れる配管である。なお、燃料ガスとしては例えば水素ガスが挙げられる。
燃料電池スタック10a,10bは、固体高分子形の複数の単セルが積層された積層体である。各単セルには、白金触媒を備える一対の電極と電解質膜とを含む膜電極接合体(MEA: Membrane Electrode Assembly)が設けられており、膜電極接合体において酸化剤ガス中の酸素と燃料ガス中の水素とが電気化学反応することにより発電する。燃料電池は、発電とともに水分を生成する。なお、燃料電池スタック10a,10bは、それぞれ、第1燃料電池スタック及び第2燃料電池スタックの一例であり、互いに同一の構成を有する。また、酸化剤ガス及び燃料ガスは反応ガスの一例である。
酸化剤ガスは、カソード供給路20a,20bから燃料電池スタック10a,10bに供給されて発電に用いられ、燃料電池スタック10a,10bからカソード排出路21a,21bに排出される。カソード供給路20a,20bは、燃料電池スタック10a,10bに設けられた酸化剤ガス供給マニホルド100a,100bにそれぞれ接続されている。酸化剤ガス供給マニホルド100a,100bは、各単セルに酸化剤ガスを供給するための穴である。
アノード供給路25a,25bは、燃料電池スタック10a,10bに設けられた燃料ガス供給マニホルド102a,102bにそれぞれ接続されている。燃料ガス供給マニホルド102a,102bは、各単セルに燃料ガスを供給するための穴である。
アノード供給路25a,25bには、上流側から下流側に向かう方向に沿ってタンク35a,35b及びインジェクタ36a,36bが接続されている。タンク35a,35bは高圧の燃料ガスを貯蔵する。タンク35a,35b内の燃料ガスはインジェクタ36a,36bに流れ込む。
インジェクタ36a,36bは、燃料電池スタック10a,10bに供給される燃料ガスをそれぞれ噴射する。ECU1は、例えばインジェクタ36a,36bが噴射する燃料ガスの量(以下、「噴射量」と表記)を制御する。なお、インジェクタ36a,36bとタンク35a,35bの間には、不図示の調圧弁がそれぞれ設けられていてもよい。
また、アノード排出路23a,23bは、燃料電池スタック10a,10bに設けられた燃料ガス排出マニホルド103a,103bにそれぞれ接続されている。燃料ガス排出マニホルド103a,103bは、各単セルから燃料ガスを排出するための穴である。
また、カソード排出路21a,21bは、燃料電池スタック10a,10bに設けられた酸化剤ガス排出マニホルド101a,101bにそれぞれ接続されている。酸化剤ガス排出マニホルド101a,101bは、各単セルから酸化剤ガスを排出するための穴である。
カソード供給路20a,20bには、上流側から下流側に向かう方向に沿ってエアコンプレッサ30a,30b及びインタークーラ31a,31bが接続されている。
エアコンプレッサ30a,30bは、カソード供給路20a,20bを介して燃料電池スタック10a,10bに酸化剤ガスを供給する。エアコンプレッサ30a,30bは、カソード供給路20a,20bにおいてインタークーラ31a,31bより上流側に設けられている。なお、エアコンプレッサ30bは、燃料電池スタック10a,10bに酸化剤ガスを供給する供給手段の一例である。
エアコンプレッサ30a,30bは、外部から酸化剤ガスを取り込んで圧縮する。圧縮された酸化剤ガスはインタークーラ31a,31bに送られる。ECU1は、エアコンプレッサ30a,30bを駆動するモータ(不図示)の回転数を調整することにより酸化剤ガスの単位時間当たりの酸化剤ガスの供給量を制御する。
エアコンプレッサ30a,30bの各モータは、燃料電池スタック10a,10bが発電している場合、燃料電池スタック10a,10bまたはバッテリ42a,42bからそれぞれ給電され、燃料電池スタック10a,10bが発電を停止している場合、バッテリ42a,42bからそれぞれ給電される。また、エアコンプレッサ30a,30bの各モータは、燃料電池スタック10a,10bの一方が発電を停止している場合、発電中の燃料電池スタック10a,10bまたはバッテリ42a,42bから給電される。
インタークーラ31a,31bは、圧縮により昇温した酸化剤ガスを冷却する。冷却された酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給マニホルド100a,100bから燃料電池スタック10a,10bに導入される。
カソード排出路21a,21bには背圧弁33a,33bが接続されている。背圧弁33a,33bは酸化剤ガスの背圧を調整する。背圧弁33a,33bはECU1により開度が調整される。
カソード供給路20aとカソード排出路21bは接続流路22により接続されている。接続流路22は、カソード供給路20aにおけるインタークーラ31aの下流側とカソード排出路21bにおける背圧弁33bの上流側の間を結ぶ配管である。
接続流路22は、燃料電池スタック10bから排出された酸化剤ガスを燃料電池スタック10aに供給するためのガス流路の一例である。接続流路22には接続弁34が設けられている。接続弁34はECU1により開閉される。接続弁34が開いている場合、カソード供給路20aとカソード排出路21bは連通する。
ECU1は、制御装置の一例であり、燃料電池システム9の動作を制御する。ECU1は、例えばCPU(Central Processing Unit)と、CPUを駆動するプログラム及び各種のデータなどが格納されたメモリを有する。矢印sは、ECU1から出力される制御信号を示し、矢印dは、ECU1に入力される検出信号を示す。
ECU1は、燃料電池スタック10a,10bに要求される電力Pr(以下、「要求電力」と表記)が所定値より小さい場合、一方の燃料電池スタック10bの発電を停止し、他方の燃料電池スタック10aを発電させる。ECU1は、燃料電池スタック10bの発電を停止した後、外気温センサ90が検出した外気温度Tが閾値TH未満である場合、燃料電池スタック10b内の酸化剤ガスの流路内の水分が凍結または凝縮して流路を閉塞しないように、エアコンプレッサ30bを制御することにより燃料電池スタック10bを掃気する。なお、ECU1は、例えばアクセルペダル(不図示)の開度を検出する開度センサ92の検出値から要求電力Prを取得する。
エアコンプレッサ30bは、掃気ガスとして酸化剤ガスを発電停止中の燃料電池スタック10bに供給することにより燃料電池スタック10bの掃気処理を行う。エアコンプレッサ30bは、発電停止中の燃料電池スタック10bにカソード供給路20bを介して酸化剤ガスを供給する。ECU1は、燃料電池スタック10bの掃気処理が行われる場合、接続弁34を開き、背圧弁33bを閉じ、背圧弁33aを開く。このときの酸化剤ガスの経路は符号Fにより示されている。
酸化剤ガスは、燃料電池スタック10b内の流路を流れて流路内の残水とともに酸化剤ガス排出マニホルド101bからカソード排出路に排出される。これにより、エアコンプレッサ30bは燃料電池スタック10bの掃気処理を行う。ここで、掃気処理は、外気温度によらずに燃料電池スタック10bの発電停止直後、または所定時間の経過後に1回または周期的に行われてもよい。
掃気処理に用いられた酸化剤ガスは、燃料電池スタック10bからカソード排出路21bに排出される。酸化剤ガスは、背圧弁33bが閉じているため、外部に排出されずにカソード排出路21bから接続流路22を介してカソード供給路20aに流入し発電中の燃料電池スタック10aに供給される。燃料電池スタック10aは、接続流路22を介して供給された酸化剤ガスを用いて発電する。
掃気処理に用いられた酸化剤ガスは燃料電池スタック10bの発電に用いられていないため、酸素が消費されていない。このため、燃料電池スタック10aは、エアコンプレッサ30aから酸化剤ガスの供給を受けなくても、掃気処理に用いられた酸化剤ガスを用いて、要求電力Prに応じた電力を発電することができる。
したがって、ECU1は、エアコンプレッサ30aを稼働させる必要がないので、エアコンプレッサ30aの出力を停止することによりエアコンプレッサ30aの消費電力を節約することができる。よって、燃料電池システム9は消費電力を抑制することができる。
また、掃気処理に用いられた酸化剤ガスには、燃料電池スタック10bの流内の水分が含まれているため、燃料電池スタック10aは酸化剤ガス中の水分により加湿される。このため、ECU1は、例えば燃料電池スタック10aの水分が不足している場合、または不足することが予想される場合、接続流路22から燃料電池スタック10aに酸化剤ガスが供給されるように接続弁34を開き、例えば燃料電池スタック10aの水分が十分な量である場合、接続流路22を閉じたままとしてもよい。なお、燃料電池スタック10aは、接続流路22が閉じているとき、エアコンプレッサ30aからの酸化剤ガスにより発電する。
燃料電池スタック10a,10bは発電により熱を生ずるが、冷却水循環路24a,24bを流れる冷却水で冷却されることにより昇温がそれぞれ抑制される。なお、図示は省略するが、冷却水循環路24a,24bには、燃料電池スタック10a,10b内で昇温した冷却水を冷却するラジエータ、及び冷却水を冷却水循環路24a,24bに循環させるポンプが設けられている。また、冷却水循環路24a,24bには、冷却水の温度を検出する温度センサ91a,91bがそれぞれ設けられている。
DC−DCコンバータ40a,40bは、トランジスタなどのスイッチング素子を含み、スイッチング素子のスイッチング制御により燃料電池スタック10a,10bの出力電圧を昇圧する。DC−DCコンバータ40a,40bの昇圧動作はECU1により制御される。
DC−DCコンバータ40a,40bと燃料電池スタック10a,10bの間には、電流センサ93a,93bが設けられている。電流センサ93a,93bは、燃料電池スタック10a,10bの出力電流を検出してECU1に通知する。
インバータ43は、トランスやトランジスタなどを含み、燃料電池スタック10a,10bまたはバッテリ42a,42bの出力電流を直流電流から交流電流に変換する。インバータ43には、燃料電池車の車輪(不図示)を駆動するモータ44が接続されている。モータ44は交流電流により回転する。
インバータ43とDC−DCコンバータ40a,40b,41a,41bはスイッチ45a,45bを介して接続されている。スイッチ45a,45bは、ECU1によりオンオフ制御される。これにより、スイッチ45aは燃料電池スタック10a及びバッテリ42aとインバータ43を電気的に接続または切断し、スイッチ45bは燃料電池スタック10b及びバッテリ42bとインバータ43を電気的に接続または切断する。
なお、本実施形態においては、DC−DCコンバータ40a,40b,41a,41bと、スイッチ45a,45bとをそれぞれ独立に備える構成を開示しているが、これに限定されない。例えば、DC−DCコンバータ40a,40b,41a,41bのみを備え、DC−DCコンバータ40a,40b,41a,41b内部のスイッチング素子を用いて、燃料電池スタック10a,10b及びバッテリ42a,42bとインバータ43とを電気的に接続または切断してもよい。
バッテリ42a,42bは、燃料電池スタック10a,10bの電力の余剰分を蓄電する。DC−DCコンバータ41a,41bは、トランジスタなどのスイッチング素子を含み、スイッチング素子のスイッチング制御によりバッテリ42a,42bの出力電圧を昇圧する。バッテリ42a,42bの電力は、例えばインバータ43を介してモータ44やエアコンプレッサ30a,30bに供給される。
ECU1は、燃料電池スタック10aに発電させる場合、スイッチ45aをオン状態に制御し、燃料電池スタック10aに発電を停止させる場合、スイッチ45aをオフ状態に制御する。また、ECU1は、燃料電池スタック10bに発電させる場合、スイッチ45bをオン状態に制御し、燃料電池スタック10bに発電を停止させる場合、スイッチ45bをオフ状態に制御する。
燃料電池スタック10a,10bは、スイッチ45a,45bがオンになるとインバータ43とそれぞれ電気的に接続されるため、燃料電池スタック10a,10bに対する要求電力Prに対して十分な量の燃料ガス及び酸化剤ガスがそれぞれ供給されている場合、燃料ガス及び酸化剤ガスの化学反応が始まり発電を開始する。また、燃料電池スタック10a,10bは、スイッチ45a,45bがオフになるとインバータ43とそれぞれ電気的に切断されるため、燃料ガス及び酸化剤ガスの化学反応が止まり発電を停止する。
また、ECU1は、燃料電池スタック10a,10bの発電中、要求電力Prに応じてエアコンプレッサ30a,30bの出力(つまりモータの回転数)、及びインジェクタ36a,36bの噴射量を制御する。これにより、燃料電池スタック10a,10bから出力される電力の合計は要求電力Prを満たす。
ここで、ECU1は、要求電力Prに応じて、発電させる燃料電池スタック10a,10bをスイッチ45a,45bをオンオフ制御することにより切り替える。例えば、ECU1は、要求電力Prが高出力閾値Pu以上である場合、各スイッチ45a,45bをオン状態とすることにより両方の燃料電池スタック10a,10bを発電させる。このとき、ECU1は接続弁34を閉じる。
また、ECU1は、要求電力Prが低出力閾値Pd以下である場合、各スイッチ45a,45bをオフ状態とすることにより両方の燃料電池スタック10a,10bの発電を停止する。この場合、ECU1は、外気温度Tが閾値TH未満であるとき、エアコンプレッサ30a,30bを稼働させることにより燃料電池スタック10a,10bを掃気する。このとき、ECU1は接続弁34を閉じる。
ECU1は、要求電力Prが低出力閾値Pdより大きく高出力閾値Puより小さい場合、スイッチ45aをオン状態とすることにより燃料電池スタック10aを発電させ、スイッチ45bをオフ状態とすることにより燃料電池スタック10bの発電を停止する。この場合、ECU1は、外気温度Tが閾値TH未満であるとき、エアコンプレッサ30bを稼働させることにより燃料電池スタック10bを掃気する。燃料電池スタック10aは、掃気後の酸化剤ガスを用いて発電する。このとき、ECU1は、エアコンプレッサ30aの出力を停止して接続弁34を開く。
また、ECU1は、燃料電池スタック10a,10bの温度を監視するため、温度センサ91a,91bから冷却水の温度を取得する。さらに、ECU1は外気温センサ90から外気温度を取得する。
(燃料電池スタック10bの掃気処理の動作)
図2は、燃料電池スタック10bの掃気処理の動作例を示すタイムチャートである。横軸は時刻を示し、縦軸は、要求電力Pr、各燃料電池スタック(FC)10a,10bの出力電力、外気温度T、接続弁34の開閉状態、各エアコンプレッサ(ACP)30a,30bの稼働状態、及び各背圧弁33a,33bの開閉状態を示す。
時刻t0において、要求電力Prは高出力閾値Puより大きいため、各燃料電池スタック10a,10bは発電中である。ECU1は、各燃料電池スタック10a,10bの出力電力の合計が要求電力Prに等しくなるようにエアコンプレッサ30a,30bの出力を制御する。また、背圧弁33a,33bは開き、接続弁34は閉じている。また、外気温度Tは閾値THより高い。
要求電力Prは時刻t0と時刻t1の間で減少する。ECU1は、要求電力Prの減少に応じてエアコンプレッサ30a,30bの出力、インジェクタ36a,36bの出力、及びDC−DCコンバータ40a,40bのデューティ比などを制御することにより、各燃料電池スタック10a,10bの出力電力の合計を要求電力Prに維持する。
時刻t1において、要求電力Prは高出力閾値Puを下回る。ECU1は、Pd<Pr<Puの条件が成立するため、スイッチ45bをオフ状態に切り替えることにより燃料電池スタック10bの発電を停止する。また、ECU1は、エアコンプレッサ30bの出力を停止する。このため、発電停止中の燃料電池スタック10bの出力電力は0になる。また、ECU1は、背圧弁33bを閉じる。
また、発電中の燃料電池スタック10aの出力電力は、燃料電池スタック10bの停止により一時的に増加する。ECU1は、燃料電池スタック10aの出力電力が要求電力Prに等しくなるようにエアコンプレッサ30aを稼働させる。
外気温度Tは、時刻t1と時刻t2の間で減少し始めて時刻t2で閾値THを下回る。ECU1は、外気温センサ90から外気温度Tを取得する。ECU1は、T<THの条件が成立するため、発電停止中の燃料電池スタック10bの掃気処理が行われるように、停止中のエアコンプレッサ30bを再び稼働させる。エアコンプレッサ30bは燃料電池スタック10aに掃気ガスとして酸化剤ガスを供給することにより燃料電池スタック10aを掃気する。
ECU1は、接続弁34を開いて掃気後の酸化剤ガスを燃料電池スタック10aに流す。燃料電池スタック10aは、掃気後の酸化剤ガスを用いて発電する。ここで、掃気処理により酸化剤ガス中の酸素は消費されておらず、燃料電池スタック10aの発電に十分な酸素量を維持しているため、ECU1は、燃料電池スタック10aに酸化剤ガスを供給しているエアコンプレッサ30aの出力を停止する。
このため、1台のエアコンプレッサ30bにより発電停止中の燃料電池スタック10bの掃気処理と発電中の燃料電池スタック10aへの酸化剤ガスの供給が可能となる。したがって、エアコンプレッサ30aの出力を停止することにより燃料電池システム9の消費電力を低減することができる。
なお、燃料電池スタック10aの発電に必要な酸化剤ガスの供給量が燃料電池スタック10bの掃気に必要な酸化剤ガスの供給量より多い場合には、燃料電池スタック10bの掃気に必要な酸化剤ガスの供給量のみをエアコンプレッサ30bから供給し、燃料電池スタック10aの発電に必要な酸化剤ガスの供給量の不足分だけをエアコンプレッサ30aから供給してもよい。この場合も、エアコンプレッサ30aの駆動電力を低減して消費電力を抑制することが可能である。
時刻t3において、外気温度Tは閾値THを上回る。ECU1は、T>THの条件が成立するため、燃料電池スタック10bの掃気処理が停止するように一方のエアコンプレッサ30bの出力を停止するとともに、他方のエアコンプレッサ30aを稼働させる。また、ECU1は、掃気後の燃料電池スタック10bに酸化剤ガスが流れないように接続弁34を閉じる。
なお、本例において、時刻t2〜t3の期間中、燃料電池スタック10bの掃気処理が継続するが、これに限定されない。例えば、エアコンプレッサ30bは、例えば所定時間(例えば1分間)だけ掃気処理を行って、その後、エアコンプレッサ30aから燃料電池スタック10aに酸化剤ガスを供給してもよい。また、掃気処理は一定の周期(例えば30分や1時間おき)で繰り返し実行してもよい。
(ECU1の動作)
次にECU1の動作を述べる。
図3は、要求電力Prに応じた燃料電池スタック10a,10bの制御処理の一例である。本処理において、ECU1は、要求電力Prと高出力閾値Pu及び低出力閾値Pd(<Pu)を比較することにより燃料電池スタック10a,10bの発電の要否を判定する。本処理は、燃料電池システム9の運用中、繰り返し実行される。
ECU1は、アクセルペダルの開度センサ92の検出値から要求電力Prを取得する(ステップSt1)。次にECU1はPr<Puの成否を判定する(ステップSt2)。ECU1は、Pr<Puが成立する場合(ステップSt2のYes)、Pr>Pdの成否を判定する(ステップSt3)。
ECU1は、Pr>Pdが成立する場合(ステップSt3のYes)、スイッチ45aをオン状態とすることにより燃料電池スタック10aを発電させ、スイッチ45bをオフ状態とすることにより燃料電池スタック10bの発電を停止する(ステップSt4)。このように、ECU1は、Pd<Pr<Puが成立する場合、一方の燃料電池スタック10aだけを発電させる。なお、ECU1は、発電停止中の燃料電池スタック10bの背圧弁33bを閉じる。
次にECU1は、発電中の燃料電池スタック10aに接続されたエアコンプレッサ30aを稼働させ、発電停止中の燃料電池スタック10bに接続されたエアコンプレッサ30bの出力を停止する(ステップSt5)。
また、ECU1は、Pr≦Pdが成立する場合(ステップSt3のNo)、スイッチ45a,45bをオフ状態とすることにより両方の燃料電池スタック10a,10bの発電を停止する(ステップSt9)。このように、ECU1は、Pr≦Pdが成立する場合、両方の燃料電池スタック10a,10bの発電を停止する。なお、ECU1は、発電停止中の燃料電池スタック10a,10bの背圧弁33a,33bを閉じる。
次にECU1は、発電停止中の燃料電池スタック10a,10bにそれぞれ接続されたエアコンプレッサ30a,30bを停止する(ステップSt10)。
また、ECU1は、Pr≧Puが成立する場合(ステップSt2のNo)、スイッチ45a,45bをオン状態とすることにより両方の燃料電池スタック10a,10bを発電させる(ステップSt11)。このように、ECU1は、Pr≧Puが成立する場合、両方の燃料電池スタック10a,10bを発電させる。なお、ECU1は、発電中の燃料電池スタック10a,10bの背圧弁33a,33bを開く。次にECU1は、エアコンプレッサ30a,30bを稼働させる(ステップSt12)。
ECU1は、燃料電池スタック10a,10bの少なくとも一方の発電を停止した場合(ステップSt4,St9)、発電停止中の燃料電池スタック10a,10b内の水分が凍結するおそれがあるとき、エアコンプレッサ30a,30bによる掃気処理を実行する。
ECU1は、ステップSt5,St10の後、外気温センサ90から外気温度Tを取得する(ステップSt6)。ECU1は、T<THが成立する場合(ステップSt7のYes)、発電停止中の燃料電池スタック10a,10b内の水分が凍結するおそれがあるため、掃気処理を実行する(ステップSt8)。また、ECU1は、T≧THが成立する場合(ステップSt7のNo)、掃気処理を実行せずに処理を終了する。このようにして、図3に示された制御処理は行われる。
図4は、図3に示された掃気処理(ステップSt8)の一例を示すフローチャートである。本処理は、上記のステップSt8において開始され、図3の制御処理と同時並行的に実行される。
本処理において、ECU1は、掃気処理の対象の燃料電池スタック10a,10bに応じてエアコンプレッサ30a,30bの少なくとも一方を稼働させる。掃気処理に用いられた酸化剤ガスには、燃料電池スタック10a,10bの酸化剤ガスの流路内の水分が含まれている。
このため、本処理では、好ましい掃気処理の一例として、ECU1は、燃料電池スタック10bだけが掃気される場合、発電中の燃料電池スタック10a内の水分が不足しているとき、接続弁34を開くことにより掃気後の酸化剤ガスを燃料電池スタック10aに流して、酸化剤ガス中の水分で燃料電池スタック10aを加湿して水不足を解消する。もっとも、ECU1は、燃料電池スタック10a内の水不足とは無関係に、接続弁34を開いて掃気後の酸化剤ガスを燃料電池スタック10aに流してもよい。以下に掃気処理の具体的な内容を述べる。
ECU1は、燃料電池スタック10aが発電中であり、燃料電池スタック10bが発電停止中であるか否かを判定する(ステップSt21)。燃料電池スタック10aが発電中であり、燃料電池スタック10bが発電停止中である場合(ステップSt21のYes)、ECU1は、燃料電池スタック10aが水不足か、または水不足となることが予測されるか否かを判定する(ステップSt22)。
このとき、ECU1は、例えば燃料電池スタック10aの温度を温度センサ91aから取得し、温度が閾値より高い場合、燃料電池スタック10aが水不足であると判定する。また、ECU1は、これに限定されず、例えば燃料電池スタック10aのインピーダンス測定を行い、インピーダンスの実部が所定値以上である場合、燃料電池スタック10aが水不足であると判定してもよい。さらにECU1は、電流センサ93aにより検出された燃料電池スタック10aの出力電流が所定値より小さい場合、燃料電池スタック10aが水不足であると判定することもできる。なお、燃料電池スタック10aの温度、インピーダンスの実部、及び出力電流のうち、2つ以上の組み合わせから水不足を判定することも可能である。
また、ECU1は、燃料電池システム9を搭載した車両の速度、アクセルペダルの開度、車両が走行する路面の勾配、及び外気温度Tなどの各種の条件の組み合わせから、燃料電池スタック10aの湿潤状態を判定することもできる。例えば外気温度Tが高いときに車両が上り坂を上っている場合、燃料電池スタック10aの負荷が大きいにも関わらず、車両の速度が高くなく、ラジエータによる冷却が不十分であれば、燃料電池スタック10aは乾燥しやすく、水不足が予測される。このような条件を予めECU1内のメモリのマップデータに記憶させておけば、ECU1は、各種のセンサ類の検出値をマップデータと比較することにより水不足を予測することができる。
ECU1は燃料電池スタック10aが水不足であるか、燃料電池スタック10aの水不足が予測される場合(ステップSt22のYes)、発電停止中の燃料電池スタック10bから掃気後の酸化剤ガスが発電中の燃料電池スタック10aに供給されるように接続弁34を開く(ステップSt23)。このため、掃気処理に用いられた酸化剤ガス中の水分により燃料電池スタック10aが加湿される。
次にECU1は、発電停止中の燃料電池スタック10bに接続されたエアコンプレッサ30bを稼働させる(ステップSt24)。これにより、エアコンプレッサ30bは燃料電池スタック10aの掃気処理を行う。燃料電池スタック10aは、掃気処理に用いられた酸化剤ガスにより発電する。このとき、ECU1は、要求電力Prに応じてエアコンプレッサ30bの出力を制御する。なお、エアコンプレッサ30bへの給電は、発電中の燃料電池スタック10aから行われてもよいが、短時間であればバッテリ42a,42bによっても可能である。
次にECU1は、発電中の燃料電池スタック10aに接続されたエアコンプレッサ30aの出力を停止する(ステップSt25)。これにより、エアコンプレッサ30aの消費電力が抑制される。
次にECU1は、外気温度Tを取得し(ステップSt26)、閾値THと比較する(ステップSt27)。ECU1は、T<THが成立する場合(ステップSt27のYes)、掃気処理を継続するため、再びステップSt26を実行する。
また、ECU1は、T≧THが成立する場合(ステップSt27のNo)、掃気処理を停止するため、接続弁34を閉じ(ステップSt28)、発電中の燃料電池スタック10aに接続されたエアコンプレッサ30aを稼働させ(ステップSt29)、発電停止中の燃料電池スタック10bに接続されたエアコンプレッサ30bの出力を停止する(ステップSt30)。
また、ECU1は、燃料電池スタック10aが水不足ではない場合(ステップSt22のNo)、発電停止中の燃料電池スタック10bの掃気処理のためにエアコンプレッサ30bを稼働させる(ステップSt31)。この場合、接続弁34は閉じた状態であり、発電中の燃料電池スタック10aは、エアコンプレッサ30aから供給された酸化剤ガスにより発電するため、掃気処理に用いられた酸化剤ガスにより発電する場合とは異なり加湿が抑制される。
次にECU1は、外気温度Tを取得し(ステップSt32)、閾値THと比較する(ステップSt33)。ECU1は、T<THが成立する場合(ステップSt33のYes)、掃気処理を継続するため、再びステップSt32を実行する。
また、ECU1は、T≧THが成立する場合(ステップSt33のNo)、掃気処理を停止するため、発電停止中の燃料電池スタック10bに接続されたエアコンプレッサ30bの出力を停止する(ステップSt34)。
また、ECU1は、両方の燃料電池スタック10a,10bが発電停止中である場合(ステップSt21のNo)、各燃料電池スタック10a,10bの掃気処理のために接続弁34を閉じたまま、エアコンプレッサ30a,30bを稼働させる(ステップSt35)。
次にECU1は、外気温度Tを取得し(ステップSt36)、閾値THと比較する(ステップSt37)。ECU1は、T<THが成立する場合(ステップSt37のYes)、掃気処理を継続するため、再びステップSt36を実行する。
また、ECU1は、T≧THが成立する場合(ステップSt37のNo)、掃気処理を停止するため、発電停止中の各燃料電池スタック10a,10bに接続されたエアコンプレッサ30a,30bの出力を停止する(ステップSt38)。このようにして掃気処理は行われる。
なお、本実施例では、一方のカソード排出路21b及びカソード供給路20aの間に、掃気処理に用いられた酸化剤ガスを流す接続流路22が設けられているが、他方のカソード排出路21a及びカソード供給路20bの間にも、接続流路22と同様の流路が設けられてもよい。この場合、ECU1が、燃料電池スタック10aの発電を停止し、燃料電池スタック10bだけに発電させたとき、燃料電池スタック10aはエアコンプレッサ30aからの酸化剤ガスにより掃気される。
また、燃料電池スタック10bは、掃気処理に用いられた酸化剤ガスにより発電する。このとき、ECU1は、燃料電池スタック10bに接続されたエアコンプレッサ30bの出力を停止させることにより消費電力を抑えることができる。
また、本実施例では、発電停止中の燃料電池スタック10bの酸化剤ガスの流路を掃気する場合を例に挙げているが、燃料電池スタック10aの燃料ガスの流路を掃気する場合も本実施例と同様の構成を用いることができる。この場合、例えばアノード供給路25aとアノード排出路23bの間に、燃料電池スタック10bの掃気に用いられた燃料ガスを流す接続流路を設けておき、ECU1が、燃料電池スタック10bの掃気時、接続流路に設けられた接続弁を開く。
これにより、燃料電池スタック10bの掃気に用いられた燃料ガスが、接続流路を流れて発電中の燃料電池スタック10aに供給されるため、燃料電池スタック10aは、掃気に用いられた燃料ガスを用いて発電することができる。したがって、燃料電池スタック10aに燃料ガスを供給するために駆動されるインジェクタ36aを停止、または駆動の頻度を低減することが可能となるため、インジェクタ36aの消費電力を抑制することができる。
また、本実施例の燃料電池システム9には、燃料電池スタック10a,10bごとにエアコンプレッサ30a,30bが設けられているが、1台のエアコンプレッサから各燃料電池スタック10a,10bに酸化剤ガスを供給してもよい。例えば1台のエアコンプレッサから2つのカソード供給路に分岐する並列の経路を設け、各カソード供給路に制御弁を設ければ、ECU1は、各制御弁の開閉状態を制御することにより各燃料電池スタック10a,10bの発電及び掃気を制御することができる。
この場合、エアコンプレッサは、各燃料電池スタック10a,10bの少なくとも一方が発電中のときには常に稼働する。しかし、発電中の燃料電池スタック10aは、発電停止中の燃料電池スタック10bの掃気処理に用いられた酸化剤ガスを用いて発電するため、エアコンプレッサの出力は、両方の燃料電池スタック10a,10bが発電中である場合よりも低く抑えられるため、消費電力が低減される。
また、以下の第2実施例のように、1台のエアコンプレッサに各燃料電池スタック10a,10bを直列に接続する形態も可能である。
(第2実施例の燃料電池システム8)
図5は、第2実施例の燃料電池システム8を示す構成図である。図5において、図1と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
燃料電池システム8は、第1発電システム8a、第2発電システム8b、ECU1c、外気温センサ90、開度センサ92、インバータ(INV)43、モータ44、及びスイッチ45a,45bを有する。第1発電システム8aは、第1発電システム9aのカソード供給路20a及びカソード排出路21aに代えてカソード供給路26a及びカソード排出路27aを有し、第2発電システム8bは、第2発電システム9bのカソード供給路20b及びカソード排出路21bに代えてカソード供給路26b及びカソード排出路27bを有する。
カソード供給路26bには、上流側から下流側に向かう方向に沿ってエアコンプレッサ30c、インタークーラ31c、及び三方弁37bが設けられている。カソード供給路26bの最下流の端部は酸化剤ガス供給マニホルド100aに接続されている。エアコンプレッサ30cは外部から酸化剤ガスを取り込んで圧縮する。インタークーラ31cは、圧縮により昇温した酸化剤ガスを冷却する。インタークーラ31cにより冷却された酸化剤ガスは三方弁37bに流れる。なお、エアコンプレッサ30cは、酸化剤ガスを供給する供給手段の一例である。
三方弁37bは、燃料電池スタック10bをバイパスするバイパス流路28bに接続されている。バイパス流路28bは三方弁37bとカソード排出路27bの間に接続されている。カソード排出路27bの最上流の端部は酸化剤ガス排出マニホルド101bに接続されている。カソード排出路27bには、燃料電池スタック10bから排出された酸化剤ガスが流れる。
ECU1cは、三方弁37bの開度を制御する。燃料電池スタック10bが発電停止中であり、掃気処理が行われない場合、ECU1cは、酸化剤ガスがバイパス流路28bからカソード排出路27bに流れるように、三方弁37bの酸化剤ガス供給マニホルド100b側の開度を0%として、三方弁37bのバイパス流路28b側の開度を100%とする。また、燃料電池スタック10bが発電停止中であり、掃気処理が行われる場合、ECU1cは、酸化剤ガスが燃料電池スタック10bからカソード排出路27bに流れるように、三方弁37bの酸化剤ガス供給マニホルド100b側の開度を100%として、三方弁37bのバイパス流路28b側の開度を0%とする。
なお、燃料電池スタック10aの発電に必要な酸化剤ガスの供給量が、燃料電池スタック10bの掃気に必要な酸化剤ガスの供給量より多い場合、三方弁37bの酸化剤ガス供給マニホルド10b側の開度を0〜100%の中間の開度とし、エアコンプレッサ30cから供給される酸化剤ガスの一部のみが燃料電池スタック10bを流れるようにし、その他の一部は燃料電池スタック10bをバイパスして燃料電池スタック10aに供給されるようにしてもよい。これにより、燃料電池スタック10bを通る酸化剤ガスの流量が少なくなることで、酸化剤ガスの圧力損失を低減し、消費電力を抑制することが可能である。
また、カソード供給路26aには三方弁37aが接続されている。カソード供給路26aの最下流の端部は酸化剤ガス供給マニホルド100aに接続されている。
三方弁37aは、燃料電池スタック10aをバイパスするバイパス流路28aに接続されている。バイパス流路28aは三方弁37aとカソード排出路27aの間に接続されている。カソード排出路27aの最上流の端部は酸化剤ガス排出マニホルド101aに接続されている。カソード排出路27aには、燃料電池スタック10aから排出された酸化剤ガスが流れる。
ECU1cは、三方弁37aの開度を制御する。燃料電池スタック10aが発電停止中であり、掃気処理が行われない場合、ECU1cは、酸化剤ガスがバイパス流路28aからカソード排出路27aに流れるように、三方弁37aの酸化剤ガス供給マニホルド100a側の開度を0%として、三方弁37aのバイパス流路28a側の開度を100%とする。また、燃料電池スタック10aが発電停止中であり、掃気処理が行われる場合、ECU1cは、酸化剤ガスが燃料電池スタック10aからカソード排出路27aに流れるように、三方弁37aの酸化剤ガス供給マニホルド100a側の開度を100%として、三方弁37aのバイパス流路28a側の開度を0%とする。
カソード排出路27bの最下流の端部とカソード供給路26aの最上流の端部は、接続流路22cにより接続されている。このため、燃料電池スタック10bからカソード排出路27bに排出された酸化剤ガスは、接続流路22cを介してカソード供給路26aに流れ燃料電池スタック10aに供給される。
このように、各燃料電池スタック10a,10bは共通のエアコンプレッサ30cに対して直列に接続されている。
ECU1cは、ECU1と同様に、要求電力Prに応じて各燃料電池スタック10a,10bを発電させ、または各燃料電池スタック10a,10bの発電を停止させ、さらにエアコンプレッサ30cの出力を制御する。ECU1cは、上述したように、酸化剤ガスが、燃料電池スタック10a,10bのうち、発電中または掃気処理対象の燃料電池スタックだけを流れるように三方弁37a,37bの各開度を制御する。このため、両方の燃料電池スタック10a,10bに常に酸化剤ガスが流れる場合より酸化剤ガスの圧力損失が低減される。なお、ECU1cは制御装置の一例である。
ECU1cは、Pr>Puが成立する場合、各燃料電池スタック10a,10bに発電させる。この場合、酸化剤ガスは、符号Gで示される経路に沿って流れる。酸化剤ガスは、カソード供給路26bから燃料電池スタック10bに供給され、燃料電池スタック10bからカソード排出路27bに排出される。酸化剤ガスは、カソード排出路27bから接続流路22cを介してカソード供給路26aに流れる。酸化剤ガスは、カソード供給路26aから燃料電池スタック10aに供給され、カソード排出路27aに排出される。
また、ECU1cは、Pd<Pr<Puが成立する場合、燃料電池スタック10bの発電を停止し、燃料電池スタック10aに発電させる。この場合も、酸化剤ガスは、符号Gで示される経路に沿って流れる。
エアコンプレッサ30cは、燃料電池スタック10bに酸化剤ガスを供給することにより燃料電池スタック10bの掃気処理を行う。掃気処理に用いられた酸化剤ガスは、カソード排出路27bから接続流路22cを流れて発電中の燃料電池スタック10aに供給される。なお、接続流路22cはガス流路の一例である。
燃料電池スタック10aは、掃気処理後に燃料電池スタック10bから接続流路22cを介して供給された酸化剤ガスを用いて発電する。
このため、エアコンプレッサ30cの消費電力は、仮に2台のエアコンプレッサが燃料電池スタック10a,10bにそれぞれ酸化剤ガスを供給する場合より低減される。したがって、本例においても、第1実施例と同様に消費電力が低減される。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
1,1c ECU(制御装置)
8,9 燃料電池システム
10a,10b 燃料電池スタック(第1及び第2燃料電池スタック)
22,22c 接続流路(ガス流路)
30b,30c エアコンプレッサ(供給手段)

Claims (1)

  1. 反応ガスを用いて発電する第1燃料電池スタック及び第2燃料電池スタックと、
    前記第1燃料電池スタック及び前記第2燃料電池スタックのうち、少なくとも前記第2燃料電池スタックに前記反応ガスを供給する供給手段と、
    前記第2燃料電池スタックから排出された前記反応ガスを前記第1燃料電池スタックに供給するためのガス流路と、
    前記第1燃料電池スタック、前記第2燃料電池スタック、及び前記供給手段を制御する制御装置とを有し、
    前記制御装置は、前記第1燃料電池スタックの発電中、前記第2燃料電池スタックの発電を停止させたとき、前記供給手段を制御することにより前記第2燃料電池スタックを掃気し、
    前記第1燃料電池スタックは、前記第2燃料電池スタックの掃気に用いられ、前記ガス流路を介して供給された前記反応ガスを用いて発電することを特徴とする燃料電池システム。
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