JP2020139248A - 複合型不織布とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造の際の加工適性に優れると共に、外観、触感の良好さおよび横方向の破れ難さの全ての点で評価できる複合型不織布を提供する。【解決手段】 スパンボンド不織布上にパルプ繊維ウエブを積層し一体化してある複合型の不織布であって、前記スパンボンド不織布の繊維径が0.6〜5.6デシテックスであり、かつ、前記スパンボンド不織布の縦方向についての分子配向度が1.1〜1.9であり、更に、前記スパンボンド不織布と前記パルプ繊維ウエブとの重量構成比が40/60〜10/90(wt%)であり、前記スパンボンド不織布の坪量が7〜20g/m2であり、かつ、前記パルプ繊維ウエブの坪量が30〜70g/m2である。【選択図】なし

Description

本発明は、パルプ繊維ウエブとスパンボンド不織布とを水流交絡させることによって得られる複合型の不織布に関する。
パルプ繊維ウエブとスパンボンド不織布とによる複合型の不織布は、パルプ繊維に基づく吸液性とスパンボンド不織布に基づく強度との両方を具備してなるので、ウエスなどの工業用ワイパー、或いは手ぬぐい、タオルなどの対人用のワイパー等の様々な用途で広く使用されている。
例えば、特許文献1で開示するように、パルプ繊維ウエブとスパンボンド不織布とを重ねた後に、高圧のウォータジェット(水流)を吹き付ける水流交絡処理によって一体化されている。ここでスパンボンド不織布は強度に優れるので製造された複合型不織布の裏打ち層的な機能を果たす。一方、パルプ繊維ウエブは優れた吸液機能を備えている。よって、このような複合型不織布は、水性、油性のいずれの液体に対しても吸収性が良好なパルプ繊維ウエブと、強度に優れるスパンボンド不織布との利点を併有している優れた複合型不織布として消費者に提供することができる。
特許第2533260号公報
上記特許文献1などで使用されているスパンボンド不織布(特許文献1では、不織連続フィラメント支持体と称している)については、例えばポリプロピレンなどの合成樹脂をスパンボンド処理して得たものが広く採用されている。スパンボンド処理では、紡糸された樹脂繊維同士を融着部分(以下、融着点と称す)によって複数の箇所で接続している。これにより、スパンボンド不織布はシート強度を発現させ外形を維持している。
上記融着点は、樹脂繊維が溶融固化した溶着部分でありスパンボンド不織布の全体に分散配置されており、スパンボンド不織布の強度を得るための重要な構成部となっている。上述したようなスパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブとを水流交絡させることにより得られる複合型の不織布では以下で指摘するような改善点がある。
上記スパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブとによる複合型不織布が製造されるときには、スパンボンド不織布の縦方向が製造装置の搬送方向(TD)と平行であるようにセットし、テンションを掛けながらスパンボンド不織布を搬送し、上方からパルプ繊維ウエブを供給し交絡処理する。
このような製造工程では、スパンボンド不織布は横方向(搬送方向と直角方向)に縮みが生じ易く左右方向にずれて蛇行しながら搬送されてしまう場合があった。すなわち、従来のスパンボンド不織布にあっては複合型不織布製造の際に加工適性に劣るという問題があった。なお、スパンボンド不織布が蛇行した場合には、スパンボンド不織布が存在せずパルプ繊維ウエブだけが存在する不良部分を含んだ規格外の複合型不織布が製造されてしまう。
上記のように搬送方向でのテンションを受けるスパンボンド不織布は、縦方向の強度を高めることで横方向の寸法変化を抑制できることが一般に知られている。すなわち、縦方向の強度を高めれば、スパンボンド不織布の加工適性を向上することができる。そのためには、図1(a)で示した、縦方向LDと横方向CDとについて融着点MPを均等に整列配置した一般的なスパンボンド不織布SWに対し、図1(b)で示すように縦方向LDで融着点MPの数を増やす配置としたスパンボンド不織布SWが容易に案出される。
しかしながら、上記融着点へはパルプ繊維が絡み難く、交絡が不十分となり小穴のように見えるため、融着点の数が多いスパンボンド不織布を用いて、パルプ繊維ウエブを水流交絡して製造した複合型不織布はその面感(外観)が劣るものとなってしまう。
また、スパンボンド不織布の繊維径を太くすることで縦強度を高めることがきるが、パルプ繊維ウエブを水流交絡した後の複合型不織布のスパンボンド面の手触り感がゴワゴワすることがあり、触感に劣る場合があった。
更に、縦方向の強度を向上させる他の手法として、スパンボンド不織布の繊維が複合不織布製造装置の搬送方向に多く向くように、繊維配向を予め調整しておくという手法もある。しかし、搬送方向に向く様に繊維の配向度を高くすると、製造された複合型不織布の横強度が縦強度に対して相対的に低下し、複合型不織布をワイパー用途で使用した際、横方向で破れ易く使用感が劣ってしまう場合があった。
以上のように、従来にあっては、加工適性に優れたスパンボンド不織布の設計が容易でなく、またスパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブとの水流交絡により製造される複合型不織布について、外観、触感の良好さ、および横方向の破れ難さ、全てを満足しているものを提供することが困難であった。
よって、本発明の目的は、製造の際の加工適性に優れると共に、外観、触感の良好さおよび横方向の破れ難さの全ての点で評価できる複合型不織布を提供することにある。
上記目的は、スパンボンド不織布上にパルプ繊維ウエブを積層し一体化してある複合型の不織布であって、前記スパンボンド不織布の繊維径が0.6〜5.6デシテックスであり、かつ、前記スパンボンド不織布の縦方向についての分子配向度が1.1〜1.9であり、更に、前記スパンボンド不織布と前記パルプ繊維ウエブとの重量構成比が40/60〜10/90(wt%)であり、前記スパンボンド不織布の坪量が7〜20g/mであり、かつ、前記パルプ繊維ウエブの坪量が30〜70g/mである、ことを特徴とする複合型不織布により達成できる。
そして、前記スパンボンド不織布の材質は、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリスチレンよりなる群から1つを、又は2つ以上の組合せを選択することができ、ポリプロピレンを含むのが好ましい。
スパンボンド不織布を上記材質とすることで、スパンボンド不織布の繊維径、分子配向度、坪量を上記範囲に設定した際、スパンボンド不織布が適切な強度となり、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブを水流交絡処理する際の加工適性が良好となる。
また、25mm幅に形成した試験片をテンシロンで引張試験を行った際、縦方向に2mm伸ばすのに必要な力が1.5〜5.0N/25mmに設定してある前記スパンボンド不織布を用いるのが好ましい。
スパンボンド不織布の強度を上記範囲とすることにより、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブを水流交絡処理する際の加工適性が良好となる。また、スパンボンド不織布にパルプ繊維ウエブを積層し一体化してある複合型不織布において、より確実に使用時に横方向に破れ難く、耐久性を備えたものにできる。
また、前記スパンボンド不織布は、紡糸された樹脂繊維を接続する複数の融着点を含んで形成されており、前記融着点1個の面積が0.10〜0.50mmとするのが好ましい。
また、前記融着点の単位面積当たりの面積率が7〜20%であり、かつ前記融着点の個数が10〜150個/cmとするのが好ましい。
スパンボンド不織布の融着点を上記範囲とすることにより、スパンボンド不織布の強度を適切な範囲に設計することができ、かつ、スパンボンド不織布にパルプ繊維ウエブを積層して一体化されている複合型不織布において、複合型不織布の面感を良好なものにできる。
上記目的は、上記いずれかに記載の複合型不織布を製造する方法であって、前記スパンボンド不織布と前記パルプ繊維ウエブとを水流交絡処理する水流交絡工程を少なくとも含み、前記水流交絡工程でウォータジェットを噴射するウォータジェットノズルの穴直径φが0.06〜0.15mmであり、且つ前記ウォータジェットノズルの間隔が0.4〜1.0mmである、こと特徴とする複合型不織布の製造方法によっても達成できる。
本発明によると、製造の際の加工適性に優れると共に、外観、触感の良好さおよび横方向の破れ難さの全ての点で評価できる複合型不織布を提供することができる。
スパンボンド不織布における融着点の配置例を示した図であり、(a)は融着点を縦横方向で同様に整列配置した場合、(a)は縦方向で融着点を多く配置した場合について示した図である。 本発明に係る複合型不織布の製造装置について示した図である。
以下、本発明の一実施形態に係る複合型の不織布について説明する。本発明による複合型不織布は、スパンボンド不織布上にパルプ繊維ウエブを積層し、一体化された不織布である。スパンボンド不織布を所定の構成に整え、このスパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブとを所定の構成比、坪量で一体化して形成したものである。
本発明者は、上記したスパンボンド不織布について鋭意検討を行い、融着点の数を増やさず(面積率は大きくせず)に、繊維径と分子配向度(繊維配列)とを所定の関係に設定することで加工適性に優れたスパンボンド不織布とすることができ、更に、このスパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブを所定の重量構成比および坪量として、水流交絡すると、外観、触感の良好さ、横方向の破れ難さの全て満たしている複合型不織布を製造できることを見出したものである。
より詳細には、繊維径が0.6〜5.6デシテックスであり、かつ、その分子配向度が1.1〜1.9に設定してあるスパンボンド不織布を用いる。ここでの分子配向度は、スパンボンド不織布の縦方向(スパンボンド不織布製造時の搬送方向)に対する繊維配置の程度を示している。分子配向度の値(MOR(Molecular Orientation Ratio)値)は不織布を構成する繊維配向の指標であり、分子配向度の値が1.0の時には縦横方向への繊維配置に差が無く、値が大きい程に縦方向への繊維配置の程度が強いことを示している。
なお、縦方向への分子配向度(繊維配列)を高めたスパンボンド不織布は、スパンボンド不織布作製時のワイヤ速度を上げる、もしくは、紡糸の供給速度を遅くする等の方法により製造することができる。
そして、上記分子配向度は、分子配向度計を用いて測定することができる。分子配向度計としては、例えば王子計測機器製のMOA−6004を用いることができる。
上記した数値条件を満たすスパンボンド不織布は、複合型不織布を製造する際に加工適性に優れたものとなる。
そして、上述したスパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブとを、重量構成比(スパンボンド不織布/パルプ繊維ウエブ)が40/60〜10/90(wt%)、スパンボンド不織布の坪量が7〜20g/mであり、かつ、前記パルプ繊維ウエブの坪量が30〜70g/mとなるように設定して、水流交絡処理により一体化して積層体にすると、外観、触感の良好さ、および横方向の破れ難さを満たす複合型不織布を得ることができる。
前記スパンボンド不織布の材質については、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリスチレンよりなる群から1つを、又は2つ以上の組合せを選択することができ、ポリプロピレンを含むのが好ましい。
スパンボンド不織布を上記材質とすることで、スパンボンド不織布の繊維径、分子配向度、坪量を上記範囲に設定した際、スパンボンド不織布が適切な強度となり、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブを水流交絡処理する際の加工適性が良好となる。
前記スパンボンド不織布として、更に、25mm幅の試験片をテンシロンで引張試験を行った際、縦方向に2mm伸ばすのに必要な力が1.5〜5.0N/25mmに設定してあるものを採用するのが好ましい。スパンボンド不織布の強度を上記範囲とすることにより、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブを水流交絡処理する際の加工適性が良好となる。また、スパンボンド不織布にパルプ繊維ウエブを積層し一体化してある複合型不織布において、より確実に使用時に横方向に破れ難く、耐久性を備えたものにできる。
また、前記スパンボンド不織布は、紡糸された樹脂繊維を接続する複数の融着点を含んで形成されており、融着点1個の面積が0.10〜0.50mmであることが好ましい。融着点の形状については、特に限定はないが、円形、楕円形、多角形等から選択して採用するのが好ましい。そして、融着点の単位面積当たりの面積率は7〜20%であり、その個数は10〜150個/cmに設定しておくのが好ましい。
スパンボンド不織布の融着点を上記範囲とすることにより、スパンボンド不織布の強度を適切な範囲に設計することができ、かつ、スパンボンド不織布にパルプ繊維ウエブを積層して一体化されている複合型不織布において、複合型不織布の面感を良好なものにできる。
上記のようにスパンボンド不織布を所定の構成に整え、このスパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブとを所定の構成比、坪量で一体化してある複合型不織布とすることにより、外観、触感の良好さ、横方向の破れ難さの全てを満たす複合型不織布を得ることができる。
なお、上記本発明に係る複合型不織布では、例えば、パルプ平均繊維長1.0〜5.0mmであるパルプを用いて、パルプ繊維ウエブを形成するのが好ましい。具体的には、パルプ繊維ウエブをラジアータパイン、スラッシュパイン、サザンパイン、ロッジポールパイン、スプルースおよびダグラスファーからなる群から選択された針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)の繊維を用いて形成するのが好ましい。いずれか1つのパルプ繊維によるパルプ繊維ウエブとしてもよいし、2つ以上を混合して形成したパルプ繊維ウエブとしてもよい。
(実施例)
更に、上記条件に従ったスパンボンド不織布(SW)を用い、パルプ繊維ウエブと所定の重量構成比、坪量で製造した実施例1〜6の複合型不織布およびその比較例1〜5について、複合型不織布を製造した際のスパンボンド不織布の加工適性を評価すると共に、製造した複合型不織布をワイパーとして使用したときの外観、触感および横方向の破れ難さ(耐久性)について官能評価をした。
1)加工適性:複合不織布製造装置上でスパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブとを水流交絡した際の、スパンボンド不織布の加工適性を評価した。
問題なく製造できたもの(優◎)、スパンボンド不織布が横方向にやや縮むが、問題なく加工できたもの(良〇)、スパンボンド不織布の横縮が大きく、加工適性が劣るもの(不可×)とした。
2)外観:複合型不織布表面の小穴(スパンボンド不織布がむき出しとなる部分)の有無で評価した。
特に外観に優れたもの(優◎)、問題のない外観(良〇)、小穴が目立ち外観不良なもの(不可×)とした。
3)触感:複合型不織布の表面(スパンボンド面)の手触り感
滑らかな触感(優◎)、◎よりは劣るが、問題なく使用できる(良〇)、スパンボンドの繊維がゴワゴワして触感が悪い場合(不可×)とした。
4)横方向の破れ難さ:上記条件のスパンボンド不織布を用いた複合型不織布によるワイパーで拭き取った際の、横方向についての複合型不織布の破れ難さ(耐久性)
全く破れない(優◎)、ほとんど破れず問題なく使用できる(良〇)、破れやすく使い難い場合(不可×)とした。
実施例1〜6及び比較例1〜5について、下記表1、表2に記載のように、スパンボンド不織布は繊維径(デシテックス)、分子配向度、坪量(g/m)、融着点の1つの面積(mm)、面積率(%)、融着点個数(個/cm)、融着点の形状、そして縦強度(N/25mm)について設定されている。また、パルプ繊維ウエブの坪量(g/m)およびスパンボンド不織布(SW)とパルプ繊維ウエブとの重量構成比(Wt%)についても設定されている。そして、エアレイド装置により製造したパルプ繊維ウエブを、上記スパンボンド不織布上に載せて複合型不織布を製造し、これをワイパーとして用いて評価した。 スパンボンド不織布の強度を測定するための試験機として、株式会社エー・アンド・デイ社のテンシロン万能試験機(品名・型名:RTF-1250)を用いた。試験法は、JIS P8113に準拠して行い、引張試験機のつかみ具とつかみ具の間隔は例えば100mmとし、引張速度300mm/minで測定を行った。
Figure 2020139248
Figure 2020139248
上記表1に示すように、実施例1〜6は製品として提供できるものであるが、表2に示す比較例1〜5では、スパンボンド不織布の加工適性評価、ワイパーの外観、触感、および横方向の破れ難さ(耐久性)の官能評価のいずれかで不可であった。
上記実施例1〜6によると、スパンボンド不織布の繊維径が0.6〜5.6デシテックスであり、かつ、スパンボンド不織布の分子配向度が1.1〜1.9の範囲内にあり、そしてスパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブとの重量構成比が40/60〜10/90(wt%)であり、スパンボンド不織布の坪量が7〜20g/mであり、かつ、前記パルプ繊維ウエブの坪量が30〜70g/mの範囲内にある。
以下、更に、上述した本発明に係る複合型不織布を製造するのに好適は製造装置について、図を参照して説明する。
先ず、複合型不織布の製造装置1の概略構成を説明する。図2に示す製造装置1は、上流側にエアレイド装置2、スパンボンド不織布を供給するスパンボンド不織布供給装置3、そしてサクション装置4が配設されている。サクション装置4はエアレイド装置2の下側に対向するように配置されている。
ウエブの搬送方向TDで、これらの装置2、3、4より下流には、上流側から順に、水流交絡処理を行うためのウォータジェットを噴射する水流交絡装置5、サクション装置6、乾燥装置7が配置されている。上記乾燥装置7の下流には連続して製造される複合型不織布WPを巻き取るための巻取装置8が更に設けてある。
上記エアレイド装置2は、繊維同士が密集しシート状となっている原料パルプRPをパルプ繊維に解繊する解繊機21や、図示しない送風機を備えて解繊されたパルプ繊維PFをエアレイドホッパ23へと搬送するダクト22を有している。
また、上記ダクト22よりも下流側にはエアレイドホッパ23が配置されている。このエアレイドホッパ23の内部では、解繊状態にあるパルプ繊維が分散しながら降下し、下面に設定した積層位置24に徐々に積み上りパルプ繊維ウエブPFWが形成されるように設計してある。
上記積層位置24の下側にはサクション装置4が対向配備してある。より詳細には、サクション装置4は装置本体41の上面にサクション部42を有しており、サクション部42が上記パルプ繊維ウエブPFWに吸引力(負圧)を作用させるべく積層位置24に対して設定してある。
なお、図2では、エアレイドホッパ23とサクション装置本体41とを1つずつ一段での配置として、パルプ繊維ウエブPFWを形成する場合を例示している。しかし、これに限らず、上記パルプ繊維ウエブPFWの目付(坪量)や製造速度に応じて、上記エアレイドホッパ23とサクション装置本体41を2つ以上の多段とする配置に変更してもよい。
また、サクション装置4の周囲にはウエブ搬送用の搬送ワイヤ43が配設してある。搬送ワイヤ43は、積層位置24においてパルプ繊維PFが堆積したパルプ繊維ウエブPFWが載置可能で、これを下流側に搬送するように配置されている。ただし、パルプ繊維ウエブPFWは直接、搬送ワイヤ43上に載置されない。これについては、後述の説明で明らかとなる。
搬送ワイヤ43はサクション部42の吸引力が、反対側(上側)に及ぶような目開き形態(メッシュ)で形成されている。
上記エアレイド装置2の下側で、サクション装置4よりも上流側に、スパンボンド不織布供給装置3が配置してある。このスパンボンド不織布供給装置3には、予め準備されたスパンボンド不織布SWがロール状とされてセットされている。すなわち、前述したように、設計されたスパンボンド不織布SWが製造に伴って巻き取られてロール状とされており、これがスパンボンド不織布供給装置3から引出され、上述した搬送ワイヤ43に乗って上記積層位置24へと搬送されるようになっている。
また、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブとの重量構成比である、スパンボンド不織布/前記パルプ繊維ウエブは40/60〜10/90(wt%)に調整しておくのが好ましい。
積層位置24に位置した、スパンボンド不織布SWの上に、前述したパルプ繊維ウエブPFWが載置される。その際に、積層位置24ではサクション装置4のサクション部42による吸引力が搬送ワイヤ43を通過し、その上のスパンボンド不織布SWおよびパルプ繊維ウエブPFWに作用する。よって、スパンボンド不織布SWとパルプ繊維ウエブPFWとが積層された状態となっている予備的積層体PWeb(積層ウエブ)が下流側へと搬送される。
上記のように予備的積層体PWebが形成されるときに、スパンボンド不織布SW上へのパルプ繊維ウエブPFWの供給量を制御することで、本装置で製造される複合型不織布に含まれるパルプ繊維ウエブPFWの坪量が30〜70g/mとなるように設計してある。パルプ繊維ウエブPFWの坪量は、ウエブの搬送速度やパルプ繊維ウエブPFWの時間当たりの供給量などを適宜に調整し、製造された複合型不織布のパルプ繊維ウエブPFWの坪量を確認することで、坪量が所望の範囲となるように設定すればよい。
上記した予備的積層体PWebは、サクション装置4の吸引力によって、吸引圧縮されたことにより積層状態が維持されている。このとき上側のパルプ繊維ウエブPFWの繊維が密にされた状態ではある。しかし、このまま予備的積層体PWebを下流側の水流交絡装置5内に搬送投入すると、ウォータジェット(高圧の水流)によってパルプ繊維PFの一部が舞い上がるおそれがある。
そこで、本製造装置1では、予備的積層体PWebを上下から挟んでスパンボンド不織布SW上でのパルプ繊維ウエブPFWの載置状態を安定化させる為の挟持ローラ28、そして水流交絡装置5の上流側に繊維飛散防止用に水分を付与するプレウエット装置30が配備してある。プレウエット装置30は、好適には、予備的積層体PWebの上方からウォータミストを吹き付ける噴霧ノズル31と予備的積層体PWebの下側(すなわち、パルプ繊維ウエブPFWの下面)から吸引力を印加するサクション装置32とを含んで構成されている。
なお、図2では、上記のように水流交絡装置5前にプレウエット装置30を新たな装置として設ける場合を例示しているが、これに限らない。水流交絡装置5に含まれる後述するウォータジェットヘッド51とサクション装置52とからなるセットの複数について、先頭に位置するセットを上記プレウエット装置30として流用するような設計変更をしてもよい。この場合には先頭のウォータジェットヘッド51から低圧のウォータミストが噴霧されるように調整すればよい。
水流交絡処理を行うのに十分な、ウォータジェットヘッド51とサクション装置52とのセット数が確保されている水流交絡装置5の場合、上記のように先頭のウォータジェットヘッド51とサクション装置52をプレウエット装置として活用することは、装置設備コストの抑制に効果的である。
そして、水流交絡装置5では、前処理部となる挟持ローラ28およびプレウエット装置30の処理を受けた予備的積層体PWebに高圧のウォータジェットを吹き付けることによりパルプ繊維同士の交絡を促進する。これにより上側に位置するパルプ繊維ウエブPFW層と下側に位置するスパンボンド不織布SW層との一体化が促進される(水流交絡処理)。
図2で例示的に示している水流交絡装置5は、搬送方向TDに沿って多段(図2では例示しているのは4段)にウォータジェットヘッド51が配置されている。
なお、図2では、搬送方向TDに対して直角な方向(ウエブの幅方向)において延在しているウォータジェットヘッド51に設けたノズルの様子は図示していないが、幅方向において複数のウォータジェットノズルが適宜の位置に配置してある。このウォータジェットノズルの穴直径φは、好ましくは0.06〜0.15mmである。また、ウォータジェットノズルの間隔は0.4〜1.0mmとするのが好ましい。
上記水流交絡処理をする際の水圧は、パルプ繊維ウエブPFWとスパンボンド不織布SWとの坪量を勘案して設定するのが望ましい。例えば、1〜30MPaの範囲において選択するのが好ましい。
そして、上記ウォータジェットヘッド51と対向するように、サクション装置52が配設してある。ウォータジェットヘッド51から出る高圧のウォータジェットを上側に位置しているパルプ繊維ウエブPFWに吹き付けつつ、下側に位置しているスパンボンド不織布SWの下側にサクション装置52の吸引力を作用させる。ウォータジェットヘッド51とサクション装置52との協働作用によって、パルプ繊維ウエブPFW側のパルプ繊維が下側のスパンボンド不織布SWに入り込んだ状態や、スパンボンド不織布SWを貫通して反対側にまで至った状態などが形成されると推定される。その作用により2つの層の一体
化が促進される。
水流交絡装置5にも、搬送ワイヤ55が配設してある。搬送ワイヤ55は前処理部28、30の下流で予備的積層体PWebを受けて、水流交絡装置5内へと搬送する。搬送ワイヤ55は水流交絡装置5のウォータジェットヘッド51とサクション装置52との間を、上流側から下流に向かって通過するように配設されている。
よって、搬送ワイヤ55上を搬送される予備的積層体PWebは、搬送方向TDで下流に向かう程に、より多くの水流交絡処理を受けることになり、水流交絡装置5を出るときには上側のパルプ繊維ウエブPFW層と下側のスパンボンド不織布SW層との十分な交絡処理が実現される。
水流交絡装置5を出た直後の不織布にあっては、ウエット状態にあり、パルプ繊維同士などの結合は十分に確立されてはいない。
そこで、図2で示すように、水流交絡装置5の下流側にはウエブに残留する水分を吸引除去し、その後に乾燥を行って、複合型不織布WPの製造を完了するためのサクション装置6および乾燥装置7が配備してある。このように複合型不織布WPの製造の後段で、サクション装置6および乾燥装置7による脱水、乾燥を行うと効率よく複合型不織布を製造でき、また、製造される水流交絡後の複合型不織布に大きな外圧を掛けることなく乾燥した複合型不織布を製造できるので、嵩高感のある製品に仕上げることができる。
サクション装置6は、例えばバキューム式で水流交絡後の不織布を脱水する。乾燥装置7は非圧縮型のドライヤ、好適にエアスルードライヤを採用することが好ましい。図2で、エアスルードライヤの回転可能なドライヤ本体71は筒状体であり、その周表面には多数の貫通孔が設けてあり、図示しない熱源で加熱された熱風がドライヤ本体の外周から中心部側に向かって吸い込む構成とするのがよい。
このように連続的に製造される複合型不織布WPは巻取装置8のロール81に巻取られて一連の工程が完了する。
以上で説明した複合型不織布の製造装置1によると、製造の際の加工適性に優れると共に、外観、触感の良好さおよび横方向の破れ難さでも優れている、本発明に係る複合型不織布を効率良く製造することができる。
なお、図2による製造装置では、エアレイド装置2を用いて、パルプ繊維を解繊して徐々に積層することによりパルプ繊維ウエブを得ている。パルプ繊維ウエブは湿式抄紙シートの製造法を応用して製造することができるが、上記のようにエアレイド装置2を用いた乾式によりパルプ繊維ウエブを製造すると製造設備を簡素化して、より効率良く本発明に係る複合型不織布を製造できる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができることは言うまでもない。
1 複合型不織布の製造装置
2 エアレイド装置
3 スパンボンド不織布供給装置
4 サクション装置
5 水流交絡装置
6 サクション装置
7 乾燥装置
8 巻取装置
21 解繊機
22 ダクト
23 エアレイドホッパ
24 積層位置
28 挟持ローラ
30 プレウエット装置
31 噴霧ノズル
32 サクション装置
41 サクション装置本体
42 サクション部
43 搬送ワイヤ
51 ウォータジェットヘッド
52 サクション装置
55 搬送ワイヤ
SW スパンボンド不織布
MP 融着点
PF パルプ繊維
PFW パルプ繊維ウエブ
PWeb 予備的積層体(積層ウエブ)
WP 複合型不織布
TD 搬送方向
LD 縦方向
CD 横方向

Claims (6)

  1. スパンボンド不織布上にパルプ繊維ウエブを積層し一体化してある複合型の不織布であって、
    前記スパンボンド不織布の繊維径が0.6〜5.6デシテックスであり、かつ、前記スパンボンド不織布の縦方向についての分子配向度が1.1〜1.9であり、
    更に、前記スパンボンド不織布と前記パルプ繊維ウエブとの重量構成比が40/60〜10/90(wt%)であり、前記スパンボンド不織布の坪量が7〜20g/mであり、かつ、前記パルプ繊維ウエブの坪量が30〜70g/mである、ことを特徴とする複合型不織布。
  2. 前記スパンボンド不織布の材質は、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリスチレンよりなる群から1つを、又は2つ以上の組合せを選択する、ことを特徴とする請求項1記載の複合型不織布。
  3. 25mm幅に形成した試験片をテンシロンで引張試験を行った際、縦方向に2mm伸ばすのに必要な力が1.5〜5.0N/25mmに設定してある前記スパンボンド不織布を用いた、ことを特徴とする請求項1または2に記載の複合型不織布。
  4. 前記スパンボンド不織布は、紡糸された樹脂繊維を接続する複数の融着点を含んで形成されており、前記融着点1個の面積が0.10〜0.50mmである、ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の複合型不織布。
  5. 前記融着点の単位面積当たりの面積率が7〜20%であり、かつ前記融着点の個数が10〜150個/cmである、ことを特徴とする請求項4に記載の複合型不織布。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の複合型不織布を製造する方法であって、
    前記スパンボンド不織布と前記パルプ繊維ウエブとを水流交絡処理する水流交絡工程を少なくとも含み、
    前記水流交絡工程でウォータジェットを噴射するウォータジェットノズルの穴直径φが0.06〜0.15mmであり、且つ前記ウォータジェットノズルの間隔が0.4〜1.0mmである、こと特徴とする複合型不織布の製造方法。
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