JP2020134351A - 微粒子センサ - Google Patents

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Hiroki Hattori
寛輝 服部
大澤 敬正
Takamasa Osawa
敬正 大澤
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Abstract

【課題】絶縁パイプの先端部の表面を通じた補助電極突出部とガス流通管との間の電流リークが生じ難くなる微粒子センサを提供する。【解決手段】補助電極体80は、絶縁パイプ85の先端部85bが、ガス流通管36の挿入孔36hから突出して、補助電極突出部86と共に、ガス流通管36のガス流通空間IS内に配置される態様で、ガス流通管36の挿入孔36hに挿入されている。補助電極突出部86のうち、少なくとも絶縁パイプ85の先端部85bに隣接する隣接部86bは、電気絶縁膜88によって被覆されている。【選択図】図10

Description

本発明は、被測定ガス中の微粒子の量を検知する微粒子センサに関する。
ガス中の微粒子量を計測したい場合がある。例えば、内燃機関(例えば、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン)では、その排気ガス中にススなどの微粒子を含むことがある。このような微粒子を含む排気ガスは、フィルタで微粒子を捕集して浄化することが行われている。しかるに、フィルタが破損するなどの不具合を生じた場合には、未浄化の排気ガスが直接、フィルタの下流に排出されることとなる。そこで、排気ガス中の微粒子の量を直接計測したり、フィルタの不具合を検知すべく、フィルタ下流の排気ガス中の微粒子の量を検知可能な微粒子センサが求められている。
このような微粒子センサとして、特許文献1には、気中放電によりイオンを生成する放電電極体と、筒状のガス流通管とを備える微粒子センサが開示されている。ガス流通管は、微粒子を含む被測定ガスを当該ガス流通管の内部に取り入れるガス導入口、及び、被測定ガスを当該ガス流通管の外部に排出するガス排出口を有する。この微粒子センサは、気中放電により生成したイオンを、ガス流通管の内部において被測定ガス中に含まれる微粒子に付着させて、帯電した帯電微粒子を生成し、ガス排出口を通じてガス流通管の外部に排出された帯電微粒子に含まれるイオンの量に応じて流れる信号電流を用いて、被測定ガス中の微粒子を検知する。
特開2016−38248号公報
さらに、この微粒子センサでは、ガス流通管が、基準電位とされ、生成したイオンのうち微粒子に付着しなかった浮遊イオンを捕集する捕集極を兼ねている。さらに、この微粒子センサは、補助電極体を有する。補助電極体は、金属線からなり、基準電位とは異なる補助電位とされる補助電極本体部と、電気絶縁性を有し、補助電極本体部の径方向周囲を包囲して、補助電極本体部とガス流通管との間を電気的に絶縁する筒状の絶縁パイプとを備える。さらに、ガス流通管は、補助電極体が挿入される挿入孔と、ガス流通管の内部空間であって、帯電微粒子及び浮遊イオンを含む被測定ガスが流通するガス流通空間とを有する。
さらに、補助電極本体部は、絶縁パイプの先端部から突出して、ガス流通管のガス流通空間内に配置される補助電極突出部を有する。この補助電極突出部は、ガス流通空間内に露出しており、浮遊イオンに対してガス流通管に向かう斥力を与えてガス流通管による浮遊イオンの捕集を補助する。また、補助電極体は、絶縁パイプの先端部が、ガス流通管の挿入孔から突出して補助電極突出部と共にガス流通空間内に配置される態様で、ガス流通管の挿入孔に挿入されている。
ところで、ガス流通空間内を流通する被測定ガス(排気ガスなど)には、ススなどの微粒子が含まれている。このため、補助電極体のうち、ガス流通管の挿入孔から突出してガス流通空間内に配置される絶縁パイプの先端部の表面に、ススなどの微粒子が付着して堆積してゆくことがある。これにより、絶縁パイプの先端部の表面の絶縁性が低下し、補助電位とされる補助電極突出部と基準電位とされるガス流通管との間で、絶縁パイプの先端部の表面を通じた電流リークが生じる虞があった。補助電極突出部とガス流通管との間で漏れ電流が流れた場合には、ガス流通管のガス流通空間内における補助電極突出部とガス流通管との間の電界強度が低下し、浮遊イオンに対してガス流通管に向かう斥力を与えることができなくなる虞があった。その結果、ガス流通管による浮遊イオンの捕集が適切に行われず(従って、帯電微粒子と共にガス排出口を通じてガス流通管の外部に排出される浮遊イオンが増大し)、被測定ガス中の微粒子の量を適切に検知することができなくなる虞があった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、絶縁パイプの先端部の表面を通じた補助電極突出部とガス流通管との間の電流リークが生じ難くなる微粒子センサを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、気中放電によりイオンを生成する放電電極体と、筒状のガス流通管であって、微粒子を含む被測定ガスを当該ガス流通管の内部に取り入れるガス導入口、及び、前記被測定ガスを当該ガス流通管の外部に排出するガス排出口を有するガス流通管と、を備え、前記気中放電により生成した前記イオンを、前記ガス流通管の内部において前記被測定ガス中に含まれる前記微粒子に付着させて、帯電した帯電微粒子を生成し、前記ガス排出口を通じて前記ガス流通管の外部に排出された前記帯電微粒子に含まれる前記イオンの量に応じて流れる信号電流を用いて前記被測定ガス中の前記微粒子を検知する微粒子センサにおいて、前記ガス流通管は、基準電位とされ、前記イオンのうち前記微粒子に付着しなかった浮遊イオンを捕集する捕集極を兼ね、前記微粒子センサは、金属線からなり、前記基準電位とは異なる補助電位とされる補助電極本体部と、電気絶縁性を有し、前記補助電極本体部の径方向周囲を包囲して、前記補助電極本体部と前記ガス流通管との間を電気的に絶縁する筒状の絶縁パイプと、を備える補助電極体を有し、前記ガス流通管は、前記補助電極体が挿入される挿入孔と、前記ガス流通管の内部空間であって、前記帯電微粒子及び前記浮遊イオンを含む前記被測定ガスが流通するガス流通空間と、を有し、前記補助電極本体部は、前記絶縁パイプの先端部から突出して、前記ガス流通管の前記ガス流通空間内に配置される補助電極突出部であって、前記浮遊イオンに対し前記ガス流通管に向かう斥力を与えて前記ガス流通管による前記浮遊イオンの捕集を補助する補助電極突出部を有し、前記補助電極体は、前記絶縁パイプの前記先端部が、前記ガス流通管の前記挿入孔から突出して前記補助電極突出部と共に前記ガス流通空間内に配置される態様で、前記ガス流通管の前記挿入孔に挿入されており、前記補助電極突出部のうち、少なくとも前記絶縁パイプの前記先端部に隣接する隣接部は、前記ガス流通空間内に露出することなく、電気絶縁膜によって被覆されている微粒子センサである。
上述の微粒子センサでは、補助電極突出部のうち少なくとも絶縁パイプの先端部に隣接する隣接部が、ガス流通空間内に露出することなく、電気絶縁膜によって被覆されている。従って、上述の微粒子センサの補助電極体では、ガス流通管の挿入孔から突出してガス流通空間内に配置される部位のうち、電気絶縁性を有する部材によって被覆される部位が、少なくとも、絶縁パイプの先端部によって被覆される部位と、これに隣接して電気絶縁膜によって被覆される部位(隣接部)とになる。なお、補助電極突出部の隣接部を被覆する電気絶縁膜と絶縁パイプの先端部とは接触しており、前記電気絶縁膜と絶縁パイプとは、補助電極本体部の長さ方向に繋がっている。すなわち、補助電極突出部の隣接部を被覆する電気絶縁膜と絶縁パイプとの間において、補助電極本体部は、ガス流通空間内に露出していない。
従って、従来の微粒子センサ(電気絶縁膜を有しない微粒子センサ)に比べて、補助電極体のうちガス流通管の挿入孔から突出してガス流通空間内に配置される部位において、電気絶縁性を有する部材によって被覆される部位を、少なくとも、電気絶縁膜を設けた部位(隣接部)の長さだけ増大させることができる。これにより、絶縁パイプの先端部の表面を通じた補助電極突出部とガス流通管との間の電流リークが生じ難くなる。
上述の微粒子センサとしては、例えば、補助電極突出部の隣接部のみが電気絶縁膜によって被覆されているものを挙げることができる。この微粒子センサでは、補助電極突出部のうち、その長さ方向(補助電極本体部の軸線に沿った方向)について隣接部よりも絶縁パイプから遠くに位置する部位が、ガス流通空間内に露出することになる。この微粒子センサでは、補助電極本体部の長さ方向について、補助電極突出部のうちガス流通空間内に露出する部位とガス流通管との間に、絶縁パイプの先端部と電気絶縁膜とが存在することになる。従って、従来の微粒子センサ(電気絶縁膜を有しない微粒子センサ)に比べて、電気絶縁膜の長さの分だけ、補助電極突出部のうちガス流通空間内に露出する部位とガス流通管との間の沿面距離を増大させることができる。これにより、絶縁パイプの先端部の表面を通じた補助電極突出部とガス流通管との間の電流リークが生じ難くなる。
また、上述の微粒子センサとしては、例えば、補助電極突出部の全体が電気絶縁膜によって被覆されているものを挙げることもできる。すなわち、補助電極突出部の全体が、ガス流通空間内に露出することなく、電気絶縁膜によって被覆されている微粒子センサである。この微粒子センサでは、補助電極突出部において、ガス流通空間内に露出する部位が存在しないので、絶縁パイプの先端部の表面を通じた補助電極突出部とガス流通管との間の電流リークを確実に防止することができる。
なお、電気絶縁膜としては、例えば、電気絶縁性ガラス膜や電気絶縁性セラミックの溶射膜などを挙げることができる。
さらに、前記の微粒子センサであって、前記補助電極突出部の全体が、前記ガス流通空間内に露出することなく、前記電気絶縁膜によって被覆されている微粒子センサとすると良い。
上述の微粒子センサでは、補助電極突出部の全体が、ガス流通空間内に露出することなく、電気絶縁膜によって被覆されている。従って、この微粒子センサでは、補助電極突出部において、ガス流通空間内に露出する部位が存在しないので、絶縁パイプの先端部の表面を通じた補助電極突出部とガス流通管との間の電流リークを確実に防止することができる。
さらに、前記いずれかの微粒子センサであって、前記電気絶縁膜は、電気絶縁性ガラス膜である微粒子センサとすると良い。
さらに、前記いずれかの微粒子センサであって、前記補助電極本体部のうち、前記補助電極突出部の前記隣接部と前記絶縁パイプの内部に配置されるパイプ内配置部の少なくとも一部が、前記電気絶縁膜である電気絶縁性ガラス膜によって被覆されつつ、前記電気絶縁性ガラス膜の一部によって前記絶縁パイプの先端側の開口と前記補助電極本体部との間が封止されると共に、前記パイプ内配置部がこれを覆う前記電気絶縁性ガラス膜によって前記絶縁パイプに接着されている微粒子センサとすると良い。
上述の微粒子センサでは、補助電極本体部のうち、補助電極突出部の隣接部と絶縁パイプの内部に配置されるパイプ内配置部の少なくとも一部が、電気絶縁膜である電気絶縁性ガラス膜によって被覆されている。
さらに、上述の微粒子センサでは、電気絶縁性ガラス膜の一部によって絶縁パイプの先端側の開口(補助電極突出部が突出する側の開口)と補助電極本体部との間が封止されている。このように、電気絶縁性ガラス膜の一部によって、絶縁パイプの先端側の開口と補助電極本体部との間を封止することで、被測定ガスが絶縁パイプの内部に進入することを防止できる。
さらに、上述の微粒子センサでは、補助電極本体部のパイプ内配置部が、当該パイプ内配置部を覆う電気絶縁性ガラス膜によって絶縁パイプに接着されている。このように、上述の微粒子センサでは、補助電極突出部の隣接部の電気的絶縁を確保するための電気絶縁性ガラス膜を、補助電極本体部と絶縁パイプとの接着にも用いている。
なお、補助電極突出部は、少なくとも隣接部が電気絶縁性ガラス膜によって被覆されていれば良い。補助電極突出部のうち電気絶縁性ガラス膜によって被覆される部位は、例えば、隣接部のみであっても良いし、補助電極突出部の全体であっても良い。
また、パイプ内配置部は、当該パイプ内配置部が絶縁パイプに適切に接着されるように、その少なくとも一部が電気絶縁性ガラス膜によって被覆されていれば良い。パイプ内配置部のうち電気絶縁性ガラス膜によって被覆される部位は、例えば、補助電極突出部の隣接部に隣接する部位(絶縁パイプの先端側に位置する部位)のみであっても良いし、パイプ内配置部の全体であっても良い。
さらに、前記いずれかの微粒子センサであって、前記被測定ガスは、内燃機関の排気ガスである微粒子センサとするのが好ましい。
上述の微粒子センサでは、内燃機関の排気ガス中の微粒子(ススなど)の量を検知する。従って、ガス流通管のガス流通空間内には、ススなどの微粒子を含む排気ガスが流通することになる。このため、補助電極体のうち絶縁パイプの先端部の表面に、ススなどの微粒子が付着してゆき、絶縁パイプの先端部の表面の絶縁性が低下する虞がある。
これに対し、上述の微粒子センサでは、前述のように、補助電極突出部のうち少なくとも絶縁パイプの先端部に隣接する隣接部が、電気絶縁膜によって被覆されている。これにより、補助電極体のうちガス流通空間内に配置される部位において、電気絶縁性を有する部材によって被覆される部位を、少なくとも、電気絶縁膜を設けた部位(隣接部)の長さだけ増大させることができる。これにより、絶縁パイプの先端部の表面を通じた補助電極突出部とガス流通管との間の電流リークが生じ難くなる。
実施形態にかかる微粒子センサを車両のエンジンの排気管に装着した状態を示す概略図である。 実施形態にかかる微粒子センサの斜視図である。 同微粒子センサの縦断面図である。 同微粒子センサの他の縦断面図であり、図3とは直交する方向の縦断面図である。 同微粒子センサを排気管に取り付けた状態の縦断面図である。 同微粒子センサの分解斜視図である。 第1ケーブル及び第2ケーブルの横断面図である。 実施形態にかかる微粒子検知システムの概略構成を示す図である。 微粒子センサにおける微粒子の取り入れ、帯電、排出の様子を模式的に示す図である。 図3のB部拡大図である。 変形形態にかかる微粒子センサの拡大断面図である。
(実施形態)
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は、実施形態にかかる微粒子センサ1を、車両AMに搭載したエンジンENG(内燃機関)の排気管EPに装着した状態を示す概略図である。図2は、微粒子センサ1の斜視図である。図3は、微粒子センサ1の縦断面図である。図4は、微粒子センサ1の他の縦断面図であり、図3とは直交する方向の縦断面図である。図5は、センサ本体部5を排気管EPに取り付けた状態の縦断面図である。図6は、微粒子センサ1の分解斜視図である。なお、微粒子センサ1の軸線方向GH(軸線AXに沿う方向、図3〜図5において上下方向)のうち、排気管EP(通気管)に装着される側(図3〜図5において下方)を先端側GS、排気管EPの外部に配置される側(図3〜図5において上方)を後端側GKとする。
まず、本実施形態の微粒子検知システム200について説明する。微粒子検知システム200は、図1に示すように、微粒子センサ1と、この微粒子センサ1を駆動する回路部201とを備える。微粒子センサ1は、車両AMに搭載したエンジンENG(内燃機関)の排気管EPに装着され、排気管EP内を流通する排気ガスEG(被測定ガス)中のススなどの微粒子Sを検知する。詳細には、微粒子センサ1のセンサ本体部5が、排気管EPに固定され、センサ本体部5の先端側GSの部位が、排気管EP内に配置されて(図5参照)排気ガスEGに晒される。回路部201は、排気管EPの外部で、第1ケーブル90及び第2ケーブル100を通じて、微粒子センサ1のセンサ本体部5に接続されている。この回路部201は、微粒子センサ1を駆動するとともに、後述する信号電流を検知する回路を有している。
ここで、本実施形態の微粒子センサ1について詳細に説明する。微粒子センサ1は、センサ本体部5と、このセンサ本体部5と回路部201との間を電気的に接続するケーブル(第1ケーブル90及び第2ケーブル100)と、センサ本体部5から延出するエアチューブ40とを備える(図2及び図3参照)。このうち、センサ本体部5は、軸線方向GHに延びる形態をなし、センサ本体先端部6と、この後端側GKに位置するセンサ本体後端部7とを有する。センサ本体先端部6は、接地電位PVEとされた金属製の排気管EPの管取付部EPTに装着され、センサ本体後端部7が排気管EPの外部に配置される(図5及び図8参照)。また、センサ本体部5から延出するエアチューブ40は、外部の圧送ポンプ330に接続される(図8参照)。また、センサ本体部5から延出する第1ケーブル90及び第2ケーブル100は、外部の回路部201に接続される(図8参照)。
センサ本体部5は、外側金具10、内側金具30、放電電極体70、及び補助電極体80を有する(図3参照)。このうち、外側金具10は、金属からなり、軸線方向GHに延びる円筒状であり、内側金具30とは離間して絶縁された状態で、内側金具30の径方向周囲を囲む。この外側金具10は、接地電位PVEとされた排気管EPの管取付部EPTに装着されて、接地電位PVEとされる(図5及び図8参照)。外側金具10は、第1外側金具11と、この第1外側金具11の後端側GKに溶接された第2外側金具15とによって構成される。
第1外側金具11は、図6に示すように、円筒状でステンレス製の部材である。この第1外側金具11は、円筒状の第1本体部11aと、第1本体部11aの先端側GSに位置して径方向外側に膨出する環状の金具取付部11cと、金具取付部11cから径方向内側に膨出する円環状の外側保持部11b(図4参照)と、この外側保持部11bから先端側GSに延びる円筒状の先端部11dとを有する。なお、金具取付部11cは、その先端側GSに位置する円環状のセンサ座面部11fを有している(図3及び図4参照)。また、先端部11dには、先端側GSに開口する平面視U字状の切り欠きからなるガス導入窓11hが形成されている(図3〜図6参照)。
第1本体部11aの径方向周囲には、後述する締結部材60が、第1外側金具11に対し回転自在に配置されている。また、外側保持部11bは、後述する内側金具30(ホルダ50)の内側保持部51fとの間に、円筒状でアルミナ製の絶縁スペーサ47を保持する部位であり、円環状の第1介在部材48を介して、絶縁スペーサ47に先端側GSから全周にわたり係合している。
絶縁スペーサ47は、絶縁性セラミックからなり、内側金具30(詳細には、ホルダ50のうち円環状の内側保持部51f)と外側金具10(詳細には、第1外側金具11のうち円環状の外側保持部11b)との間に配置されて、内側金具30と外側金具10とを電気的に絶縁している。また、金具取付部11cは、後述するように、締結部材60が係合して、排気管EPの管取付部EPTに取り付けられる部位である。また、センサ座面部11fは、後述するように、円環状でSUS製のガスケット18を介して、管取付部EPTの管座面部EPZに対し間接に接する。
第2外側金具15は、図6に示すように、円筒状でステンレス製の部材であり、軸線方向GHに延びる第1貫通孔15b及び第2貫通孔15cを有する(図3参照)。この第2外側金具15の先端部は、第1外側金具11の第1本体部11a内に後端側GKから挿入され、全周にわたり溶接されている。第2外側金具15には、後端側GKに向けて突出する筒状のエア取入部15tが設けられている(図4及び図6参照)。このエア取入部15tは、センサ本体部5のうち軸線方向GHの後端側GKに位置し、センサ本体部5の外部から内部にエアARを取り入れるための部位である。
このエア取入部15tには、エアチューブ40が接続され、円筒状の取付リング16によって加締め固定されている。このエアチューブ40は、エア取入部15tから後端側GKに向けて延出し、エアチューブ40の他端部は、外部に設置された圧送ポンプ330に接続されている(図8参照)。これにより、圧送ポンプ330で生成された清浄なエア(圧縮空気)ARが、エアチューブ40を介して第2外側金具15内(センサ本体部5内)に供給される。
また、第2外側金具15の内部から後端側GKに向けて、2本のケーブル(第1ケーブル90及び第2ケーブル100)が延出している。具体的には、図3に示すように、第2外側金具15の第1貫通孔15bの後端側GKには、第1Oリング23及び円筒状の第1リテーナ25が挿入されており、これらに第1ケーブル90が挿通された態様で、第1ケーブル90が第2外側金具15に保持されている。
第1リテーナ25は、軸線方向GHの先端側GSに位置する円筒状の挿入部25cと、これよりも後端側GKに位置する円筒状の加締め接続部25bとを有する。このうち、挿入部25cは、第2外側金具15の第1貫通孔15b内に、後端側GKから挿入される部位である。また、加締め接続部25bは、第1接地電位配線97の先端部97bに接続する部位である。この加締め接続部25bは、自身の内部に第1接地電位配線97の先端部97bを挿入配置した状態で、径方向内側に加締められることで、第1接地電位配線97の先端部97bに圧接した状態で導通している。第1リテーナ25のうち、挿入部25cよりも後端側GKの部位(加締め接続部25bを含む部位)は、第2外側金具15の後端から第2外側金具15の外部に突出して配置されている。
さらに、第2外側金具15の第2貫通孔15cの後端側GKには、第2Oリング24及び円筒状の第2リテーナ26が挿入されており、これらに第2ケーブル100が挿通された態様で、第2ケーブル100が第2外側金具15に保持されている。第2リテーナ26は、軸線方向GHの先端側GSに位置する円筒状の挿入部26cと、これよりも後端側GKに位置する円筒状の加締め接続部26bとを有する。このうち、挿入部26cは、第2外側金具15の第2貫通孔15c内に、後端側GKから挿入される部位である。また、加締め接続部26bは、第2接地電位配線107の先端部107bに接続する部位である。この加締め接続部26bは、自身の内部に第2接地電位配線107の先端部107bを挿入配置した状態で、径方向内側に加締められることで、第2接地電位配線107の先端部107bに圧接した状態で導通している。第2リテーナ26のうち、挿入部26cよりも後端側GKの部位(加締め接続部26bを含む部位)は、第2外側金具15の後端から第2外側金具15の外部に突出して配置されている。
次に、第1ケーブル90及び第2ケーブル100について説明する。なお、図7は、第1ケーブル90及び第2ケーブル100の横断面図である。
第1ケーブル90は、トライアキシャルケーブルであり、図3及び図7に示すように、軟銅線を撚った撚り線からなる放電電位配線91と、その径方向外側に位置し、銅細線を編んだ編組からなる円筒状の第1基準電位配線93と、放電電位配線91の径方向周囲を包囲し、放電電位配線91と第1基準電位配線93との間に配置されて両者を絶縁する、PTFEからなる第1絶縁体層92とを有している。さらに、第1ケーブル90は、第1基準電位配線93の径方向周囲を包囲し、銅細線を編んだ編組からなる円筒形状の第1接地電位配線97と、第1基準電位配線93の径方向周囲を包囲し、第1基準電位配線93と第1接地電位配線97との間に配置されて両者を絶縁する、PFAからなる絶縁性の第2絶縁体層95とを有する。
さらに、第1ケーブル90は、図7に示すように、第2絶縁体層95の径方向内側表面95bに密着して径方向内側表面95bを覆い、第1基準電位配線93に接触する第1半導電被覆層94と、第2絶縁体層95の径方向外側表面95cに密着して径方向外側表面95cを覆い、第1接地電位配線97に接触する第2半導電被覆層96とを有する。第1半導電被覆層94及び第2半導電被覆層96は、カーボン入りPFAからなり、半導電性(導電性)を有している。さらに、第1ケーブル90は、第1接地電位配線97の径方向周囲を被覆する、PFAからなる絶縁性の外側絶縁被覆層98を有している。このように、第1ケーブル90は、第1基準電位配線93と第1接地電位配線97とによって放電電位配線91を二重に包囲すると共に、第1接地電位配線97で第1基準電位配線93を包囲する二重包囲ケーブルとなっている。
この第1ケーブル90のうち、放電電位配線91の先端部91bは、第1絶縁体層92の先端よりも第1ケーブル90の先端側(図3において上方)に延びる形態で、第1ケーブル90の外部に露出している。この放電電位配線91の先端部91bは、図3に示すように、第1接続端子77による加締め接続により、放電電極体70の直状部71の後端部(露出部)に接続されている。これにより、放電電位配線91が、放電電極体70に導通する。なお、放電電位配線91の先端部91bと放電電極体70の直状部71の後端部(露出部)とが、第1接続端子77を通じて接続された部位を、放電電位接続部111とする(図3参照)。放電電位接続部111は、放電電位配線91の先端部91bと放電電極体70の直状部71の後端部(露出部)と第1接続端子77とにより構成される。
また、第1基準電位配線93の先端部93bは、第1半導電被覆層94の先端よりも第1ケーブル90の先端側に延びる形態で、第1ケーブル90の外部に露出している。この第1基準電位配線93の先端部93bは、図3に示すように、内側金具30(基準電位部材)の内筒31に接続されている。これにより、第1基準電位配線93が、内側金具30(基準電位部材)に導通する。
また、第1接地電位配線97の先端部97bは、外側絶縁被覆層98の先端よりも第1ケーブル90の先端側に延びる形態で、第1ケーブル90の外部に露出している。この第1接地電位配線97の先端部97bは、図3に示すように、第2外側金具15の第1貫通孔15b内に挿入された第1リテーナ25が外嵌し、この第1リテーナ25を通じて第2外側金具15(接地電位部材)に接続されている。これにより、第1接地電位配線97が、外側金具10(接地電位部材)に導通する。
次に、第2ケーブル100について説明する。この第2ケーブル100も、トライアキシャルケーブルであり、図3及び図7に示すように、軟銅線を撚った撚り線からなる補助電位配線101と、その径方向外側に位置し、銅細線を編んだ編組からなる円筒状の第2基準電位配線103と、補助電位配線101の径方向周囲を包囲し、補助電位配線101と第2基準電位配線103との間に配置されて両者を絶縁する、PTFEからなる第1絶縁体層102とを有している。さらに、第2ケーブル100は、第2基準電位配線103の径方向周囲を包囲し、銅細線を編んだ編組からなる円筒形状の第2接地電位配線107と、第2基準電位配線103の径方向周囲を包囲し、第2基準電位配線103と第2接地電位配線107との間に配置されて両者を絶縁する、PFAからなる絶縁性の第2絶縁体層105とを有する。
さらに、第2ケーブル100は、図7に示すように、第2絶縁体層105の径方向内側表面105bに密着して径方向内側表面105bを覆い、第2基準電位配線103に接触する第1半導電被覆層104と、第2絶縁体層105の径方向外側表面105cに密着して径方向外側表面105cを覆い、第2接地電位配線107に接触する第2半導電被覆層106とを有する。第1半導電被覆層104及び第2半導電被覆層106は、カーボン入りPFAからなり、半導電性(導電性)を有している。さらに、第2ケーブル100は、第2接地電位配線107の径方向周囲を被覆する、PFAからなる絶縁性の外側絶縁被覆層108を有している。このように、第2ケーブル100は、第2基準電位配線103と第2接地電位配線107とによって補助電位配線101を二重に包囲すると共に、第2接地電位配線107で第2基準電位配線103を包囲する二重包囲ケーブルとなっている。
この第2ケーブル100のうち、補助電位配線101の先端部101bは、第1絶縁体層102の先端よりも第2ケーブル100の先端側(図3において上方)に延びる形態で、第2ケーブル100の外部に露出している。この補助電位配線101の先端部101bは、図3に示すように、第2接続端子87による加締め接続により、補助電極体80の第1直状部81の後端部(露出部)に接続されている。これにより、補助電位配線101が、補助電極体80に導通する。なお、補助電位配線101の先端部101bと補助電極体80の第1直状部81の後端部(露出部)とが、第2接続端子87を通じて接続された部位を、補助電位接続部112とする(図3参照)。補助電位接続部112は、補助電位配線101の先端部101bと補助電極体80の第1直状部81の後端部と第2接続端子87とにより構成される。
また、第2基準電位配線103の先端部103bは、第1半導電被覆層104の先端よりも第2ケーブル100の先端側に延びる形態で、第2ケーブル100の外部に露出している。この第2基準電位配線103の先端部103bは、図3に示すように、内側金具30(基準電位部材)の内筒31に接続されている。これにより、第2基準電位配線103が、内側金具30(基準電位部材)に導通する。
また、第2接地電位配線107の先端部107bは、外側絶縁被覆層108の先端よりも第2ケーブル100の先端側に延びる形態で、第2ケーブル100の外部に露出している。この第2接地電位配線107の先端部107bは、図3に示すように、第2外側金具15の第2貫通孔15c内に挿入された第2リテーナ26が外嵌し、この第2リテーナ26を通じて第2外側金具15(接地電位部材)に接続されている。これにより、第2接地電位配線107が、外側金具10(接地電位部材)に導通する。
次に、締結部材60について説明する。この締結部材60は、センサ本体後端部7の径方向周囲、具体的には、第1外側金具11の第1本体部11aの径方向周囲に、回転自在に配置されている。締結部材60は、雄ネジ部61と、この雄ネジ部61の後端側GKに位置する工具係合部63とからなる筒状の部材である(図3〜図6参照)。このうち雄ネジ部61は、外周に雄ネジが形成された円筒状の部位である。一方、工具係合部63は、外形が六角形状の筒状で、センサ本体部5を排気管EPの管取付部EPTに取り付ける際に工具を係合させる部位である。
図5に示すように、排気管EPの管取付部EPTは、円環状の管座面部EPZと、この管座面部EPZから排気管EPの径方向外側に延出し、内周に雌ネジが形成された円筒状の雌ネジ部EPYとを有する。微粒子センサ1のセンサ本体部5を排気管EPの管取付部EPTに装着するにあたり、締結部材60の雄ネジ部61を管取付部EPTの雌ネジ部EPYにねじ込むと、締結部材60の雄ネジ部61の先端が、センサ本体先端部6のうち第1外側金具11の金具取付部11cに係合して、第1外側金具11を含むセンサ本体部5が先端側GSに移動する。
そして、金具取付部11cのうち先端側GSに位置するセンサ座面部11fが、管取付部EPTの管座面部EPZに、ガスケット18を介して間接に接する。締結部材60の雄ネジ部61と管取付部EPTの管座面部EPZとの間に、金具取付部11cが挟持されて、管取付部EPTに第1外側金具11が保持され、管取付部EPTにセンサ本体部5が気密に固定される。なお、締結部材60は、センサ本体部5に対して回転自在に配置されているので、上述のセンサ本体部5の管取付部EPTへの装着は、センサ本体部5を回転させることなく、締結部材60のみを回転させることによって行うことができる。
次に、内側金具30について説明する。この内側金具30は、金属からなり、図3及び図4に示すように、軸線方向GHに延びる外形円柱状であり、前述のように、外側金具10の径方向内側に、外側金具10とは離間し絶縁された状態で配置されている。内側金具30は、第1ケーブル90の第1基準電位配線93及び第2ケーブル100の第2基準電位配線103を通じて、外部の回路部201に接続され、接地電位PVEとは異なる基準電位PV1とされる。この内側金具30は、後端側GKから先端側GSへ順に並ぶ、内筒31と、ホルダ50と、ノズル部材35と、混合排出部材37と、蓋部材39とによって構成されている(図3、図4、図6参照)。
ホルダ50は、ステンレス製で円柱状をなしている。このホルダ50は、その後端側GKの部位が内筒31の先端部内に嵌め込まれた態様で固定されている(図4参照)。ホルダ50は、ホルダ50を軸線方向GHに貫通する孔であって放電電極体70が挿入される第1挿入孔52と、ホルダ50を軸線方向GHに貫通する孔であって補助電極体80が挿入される第2挿入孔53とを有する(図3参照)。
第1挿入孔52は、軸線方向GHの後端側GKに開口して接着剤59を収容する接着剤収容部(接着剤収容空間)を有する。この接着剤収容部の内部には、放電電極体70が挿入(挿通)された状態で、接着剤59が収容(充填)されている(図3参照)。これにより、放電電極体70がホルダ50に接着されるので、放電電極体70をホルダ50に固定することができる。また、第2挿入孔53は、軸線方向GHの後端側GKに開口して接着剤59を収容する接着剤収容部(接着剤収容空間)を有する。この接着剤収容部の内部には、補助電極体80が挿入(挿通)された状態で、接着剤59が収容(充填)されている(図3参照)。これにより、補助電極体80がホルダ50に接着されるので、補助電極体80をホルダ50に固定することができる。
さらに、ホルダ50は、ホルダ50を軸線方向GHに貫通する通気孔57を有している(図4参照)。この通気孔57は、エア取入部15tを通じてセンサ本体部5の内部に導入されたエアARが、当該通気孔57を通じて軸線方向GHの後端側GKから先端側GSに流通する通気孔である。また、ホルダ50は、その外周面から径方向外側に膨出する円環状をなし、外側金具10の外側保持部11bとの間で絶縁スペーサ47を保持する内側保持部51fを有している(図4、図6参照)。この内側保持部51fは、円環状の第2介在部材49を介して絶縁スペーサ47に後端側GKから全周にわたり係合して、第1外側金具11の外側保持部11bとの間に絶縁スペーサ47を挟んで保持している(図3及び図4参照)。
ノズル部材35は、外形円柱状でステンレス製の部材であり、後端側GKからホルダ50の先端部が嵌め込まれて、これに固定されている。このノズル部材35は、ホルダ50よりも軸線方向GHの先端側GSに位置し、放電電極体70の対極となる放電対極部35dを有している。この放電対極部35dは、放電電極体70の先端部である針状先端部73が配置される放電空間DSを有し、この放電空間DS内において放電電極体70の針状先端部73との間で気中放電を発生させる(図3及び図9参照)。
詳細には、放電対極部35dは、ノズル部35aと、このノズル部35aよりも後端側GKに位置する後端側筒壁部35cとを有する。このうち、ノズル部35aは、軸線方向GHの後端側GKから先端側GSに向かうにしたがって縮径するテーパ形状の内面を有し、その先端部には、放電空間DSと後述する円筒状混合領域MX1(混合空間)とを連通する連通孔35fが形成されている。連通孔35fは、放電空間DSから円筒状混合領域MX1(混合空間)へエアARを噴射させるためのオリフィス孔とされ、微小な内径の孔となっている(図3及び図9参照)。
さらに、ノズル部材35は、放電対極部35dよりも軸線方向GHの先端側GSに位置する円筒状の先端側筒壁部35bを有する。この先端側筒壁部35bは、気中放電により生じたイオンと排気ガスEG(被測定ガス)とが導入されて混合される円筒状の混合空間(円筒状混合領域MX1という)を構成している。この円筒状混合領域MX1(混合空間)は、ノズル部35aの連通孔35fを通じて、放電空間DSと連通している(図3及び図9参照)。
また、この先端側筒壁部35bには、排気管EPの下流側に向けて開口し、この円筒状混合領域MX1に繋がる1つのガス導入口35hが設けられている(図3及び図4参照)。排気管EP内を流通する排気ガスEG(被測定ガス)は、第1外側金具11のガス導入窓11h及び先端側筒壁部35bのガス導入口35hを通じて、円筒状混合領域MX1(後述するガス流通空間ISの一部)内に導入される。
混合排出部材37は、外形円柱状でステンレス製の部材であり、後端側GKからノズル部材35の先端部内に嵌め込まれて、これに固定されている。この混合排出部材37は、後端側GKに位置する排出後端部37aと、この排出後端部37aの周縁から先端側GSに延出した円筒状の筒壁部37bとからなる。このうち、排出後端部37aには、スリット状の空間であるスリット状混合領域MX2が形成されている。このスリット状混合領域MX2は、前述の円筒状混合領域MX1と連通している(図4参照)。
一方、筒壁部37b内には、円柱状の空間であるガス排出路EXが形成されている。このガス排出路EXは、スリット状混合領域MX2と連通する。また、筒壁部37bには、排気管EPの下流側に向けて開口し、ガス排出路EXに繋がる1つのガス排出口37hが設けられている(図3及び図4参照)。
また、蓋部材39は、円板状でステンレス製の部材であり、混合排出部材37の先端側GSを閉塞している。
本実施形態では、ノズル部材35の先端側筒壁部35b(円筒状混合領域MX1を構成する部位)と、混合排出部材37と、蓋部材39とにより、ガス流通管36を構成している。このガス流通管36は、基準電位PV1とされ、後述するように、気中放電によって生成されたイオンCPのうち微粒子Sに付着しなかった浮遊イオンCPFを捕集する捕集極を兼ねる。ガス流通管36は、補助電極体80が挿入される挿入孔36hと、ガス流通管36の内部空間であって、後述する帯電微粒子SC及び浮遊イオンCPFを含む排気ガスEGが流通するガス流通空間ISとを有する(図3、図4、及び図10参照)。ガス流通空間ISは、円筒状混合領域MX1とスリット状混合領域MX2とガス排出路EXとにより構成される。
内筒31は、軸線方向GHに延びる円筒形状をなすステンレス製の筒状部材である(図3、図4、図6参照)。この内筒31は、半円筒状の第1部材32と半円筒状の第2部材34とからなり、第1部材32と第2部材34が組み合わされることで形成されている。第1部材32と第2部材34は、同一形状をなしている。具体的には、第1部材32と第2部材34は、内筒31を軸線方向GHに二等分した半筒状をなしている。
第1部材32は、半円筒状をなすセパレータ被覆部32bと、その後端側GKに位置する半円柱状の接触導通部32cとを有する。このうち、接触導通部32cは、軸線方向GHに接触導通部32cを貫通する筒状の通気口を有する。なお、第2部材34も、第1部材32と同等の形態を有している。
上述の第1部材32と第2部材34とを組み合わせた内筒31の内部には、電気絶縁性のセパレータ41が収容されている(図3及び図4参照)。詳細には、第1部材32のセパレータ被覆部32bと第2部材34のセパレータ被覆部とによって形成される円筒部内(円筒状のセパレータ収容空間)に、セパレータ41が接触して収容されている。これにより、セパレータ41が内筒31によって保持されている。
また、第1部材32の接触導通部32cと第2部材34の接触導通部34cとによって形成される2つの円筒状接触面の内部には、それぞれ、第1基準電位配線93と第2基準電位配線103とが接触して配置されている。これにより、内筒31が、第1基準電位配線93と第2基準電位配線103とに接触して導通する。
この内筒31は、センサ本体部5の内部に固定されている。具体的には、内筒31の先端部がホルダ50の後端部に外嵌されて、この外嵌部分(内筒31の先端部とホルダ50の後端部)が溶接されることで、内筒31の先端部がセンサ本体部5の内部に固定されている。
また、内筒31は、その後端部が、円筒状の金属保持部材42の内側に挿入されて固定された状態で、金属保持部材42によって保持されている。これにより、第1部材32と第2部材34とが組み合わされて円筒状の内筒31とされた状態を保つことができると共に、内筒31の後端部がセンサ本体部5の内部に固定される。なお、内筒31の後端部と金属保持部材42とは、溶接されて固定されている。
金属保持部材42は、軸線方向GHに延びる円筒状の側壁部42bと、この側壁部42bの後端部に接続する円環状の底部42cとを有する(図4、図6参照)。底部42cには、円形状の通気孔42dが設けられている。前述の第2外側金具15内に供給されたエア(圧縮空気)ARは、金属保持部材42の通気孔42dを通じて、センサ本体部5内を軸線方向GHの後端側GKから先端側GSに流通する。金属保持部材42の後端部は、半円筒状の2つの絶縁部材43bと43cを組み合わせた円筒状の絶縁部材43内に配置されて、絶縁部材43に保持されている。更に、この絶縁部材43の後端側GKには、円環状のゴム部材44が配置され、更にその後端側GKには、C環状のワッシャ45が配置されている(図4、図6参照)。
セパレータ41は、電気絶縁性部材(アルミナを主成分としたセラミック)からなり、軸線方向GHに延びる柱状をなしている(図3、図4、図6参照)。このセパレータ41は、当該セパレータ41を軸線方向GHに貫通する第1貫通孔41b及び第2貫通孔41cを有する。第1貫通孔41bと第2貫通孔41cは、別個独立した貫通孔であり、セパレータ41の壁部を挟んで軸線方向GHに直交する方向(図3において左右方向)に離間している。
セパレータ41の第1貫通孔41bの内部には、第1ケーブル90の先端部及び放電電極体70の直状部71が挿入されている。そして、第1貫通孔41bの内部には、放電電位接続部111(放電電位配線91の先端部91bと放電電極体70の直状部71の後端部とが、第1接続端子77を通じて接続された部位)が配置されている。また、セパレータ41の第2貫通孔41cの内部には、第2ケーブル100の先端部及び補助電極体80の第1直状部81が挿入されている。そして、第2貫通孔41cの内部には、補助電位接続部112(補助電位配線101の先端部101bと補助電極体80の第1直状部81の後端部とが、第2接続端子87を通じて接続された部位)が配置されている。
これにより、放電電位PV2となる放電電位接続部111と補助電位PV4となる補助電位接続部112とが、セパレータ41によって電気的に絶縁されている。従って、本実施形態の微粒子センサ1は、セパレータ41によって、放電電位接続部111と補助電位接続部112とが適切に電気絶縁された微粒子センサとなる。
次に、放電電極体70について説明する。この放電電極体70は、タングステン線からなる放電電極本体部70Aと、放電電極本体部70Aの周囲に位置する絶縁パイプ75とを有する。放電電極本体部70Aは、図3に示すように、直線状に延びる直状部71と、その先端部分に位置し、針状に尖った形状の針状先端部73とからなる。この放電電極本体部70A(針状先端部73)は、第1ケーブル90の放電電位配線91を通じて、外部の回路部201に接続され、放電電位PV2とされる。なお、放電電位PV2は、基準電位PV1に対し正の高電位であり、ピーク電位が1〜2kVの電位とされる。
直状部71は、その径方向周囲を絶縁セラミックからなる円筒状の絶縁パイプ75で被覆されている。但し、直状部71の後端部は、第1接続端子77によって放電電位配線91の先端部91bと接続するために、絶縁パイプ75で被覆されることなく露出している。一方、針状先端部73は、放電対極部35dによって構成されている放電空間DS内に配置されており、放電対極部35dと共にイオン源を構成する。即ち、後述するように、基準電位PV1とされる放電対極部35dと、放電電位PV2とされる針状先端部73とは、これらの間において気中放電を発生させ、この気中放電によって微粒子Sに付着させるイオンCPを生成する。
次に、補助電極体80について説明する。この補助電極体80は、ステンレス線からなる補助電極本体部80Aと、補助電極本体部80Aの周囲に位置する円筒状の絶縁パイプ85とを有する。このうち、補助電極本体部80Aは、第2ケーブル100の補助電位配線101を通じて、外部の回路部201に接続され、補助電位PV4とされる。この補助電位PV4は、基準電位PV1に対して正の高電位であるが、放電電位PV2のピーク電位(1〜4kV)よりも低い、例えば、DC100〜200Vの電位にされている。
補助電極本体部80Aは、図3に示すように、直線状に延びる第1直状部81と、その先端側GSでU字状に曲げ返された曲げ返し部82と、曲げ返し部82から後端側GKに直線状に延びると共に先端が針状に尖った形状の第2直状部83とからなる。なお、第1直状部81は、絶縁パイプ85で被覆されて、ガス流通管36の挿入孔36h内に配置されている。但し、第1直状部81の後端部は、第2接続端子87によって補助電位配線101の先端部101bと接続するために、絶縁パイプ85で被覆されることなく露出している。また、曲げ返し部82は、ガス排出路EX内に配置されている。一方、第2直状部83は、スリット状混合領域MX2内に配置されている。
絶縁パイプ85は、電気絶縁性を有する筒状のセラミックからなり、補助電極本体部80A(詳細には、第1直状部81)の径方向周囲を包囲して、補助電極本体部80Aとガス流通管36との間を電気的に絶縁する。補助電極本体部80Aは、図10に示すように、絶縁パイプ85の先端部85bから突出して、ガス流通管36のガス流通空間IS内に配置される補助電極突出部86を有する。なお、本実施形態では、補助電極突出部86は、補助電極本体部80Aの曲げ返し部82と第2直状部83とにより構成される。
この補助電極突出部86は、ガス流通管36のガス流通空間IS内において、ガス流通管36との間に電界を発生させることによって、後述する浮遊イオンCPFに対しガス流通管36に向かう斥力を与えて、ガス流通管36による浮遊イオンCPFの捕集を補助する。上述した補助電極体80は、絶縁パイプ85の先端部85bが、ガス流通管36の挿入孔36hから突出して補助電極突出部86と共にガス流通空間IS内に配置される態様で、ガス流通管36の挿入孔36hに挿入されている。
また、本実施形態の微粒子センサ1では、図6に示すように、セパレータ41が、その外周面に、軸線方向GHに延びる溝部41fを有している。溝部41fは、セパレータ41の外周面41dの一部が径方向内側に凹んだ形態で、軸線方向GHについてセパレータ41の先端から後端にまで延びている。そして、内筒31によってセパレータ41の外周が覆われた状態において、セパレータ41の溝部41fと内筒31の内周面とによって囲まれた通気孔AHが形成されている(図4参照)。さらに、この通気孔AHは、ホルダ50の通気孔57に連通している。従って、本実施形態の微粒子センサ1では、エア取入部15tと放電空間DSとの間にセパレータ41を設けていても、エア取入部15tを通じてセンサ本体部5の内部に取り入れたエアARを、適切に、センサ本体部5内の軸線方向GHの先端側の放電空間DS内に導入することができる。
本実施形態の微粒子センサ1(センサ本体部5)は、エア取入部15tを通じてセンサ本体部5の内部に導入されたエアARが、センサ本体部5の内部を軸線方向GHの後端側GKから先端側GSに流れてゆき、セパレータ41の溝部41fと内筒31の内周面とによって囲まれた通気孔AHを通り、その後、ホルダ50の通気孔57内を軸線方向GHの後端側GKから先端側GSに通過して放電空間DS内に導入された後、さらに、ノズル部35aの連通孔35fを通じて放電空間DSからガス流通空間IS(詳細には、円筒状混合領域MX1)へ導入される、センサ内エア流路FCを有している(図4、図8参照)。なお、エアARが、ノズル部35aの連通孔35fを通じて放電空間DSから円筒状混合領域MX1(混合空間)へ導入されるとき、放電空間DS内で生じたイオンが当該エアARと共に、ガス流通管36のガス流通空間ISの内部(詳細には、円筒状混合領域MX1の内部)に導入される(図4、図8、図9参照)。
なお、本実施形態の微粒子センサ1は、後述するように、気中放電を発生させることでイオンCPを生成し、このイオンCPを排気ガスEGに含まれる微粒子Sに付着させることによって、帯電した帯電微粒子SCを生成する。より具体的には、放電空間DS内において、放電電極体70の針状先端部73と放電対極部35dとの間で気中放電を発生させ、その後、ガス流通管36のガス流通空間ISの内部(詳細には、円筒状混合領域MX1の内部)において、当該気中放電により生じたイオンCPを排気ガスEGに含まれる微粒子Sに付着させることで、帯電した帯電微粒子SCを生成する。そして、ガス排出口37hを通じてガス流通管36の外部に排出された帯電微粒子SCに含まれるイオンCPの量に応じて、基準電位PV1と接地電位PVEとの間に流れる信号電流を用いて、排気ガスEG中の微粒子Sの量を検知する。
ところで、ガス流通空間IS内を流通する排気ガスEGには、ススなどの微粒子Sが含まれている。このため、補助電極体80のうち、ガス流通管36の挿入孔36hから突出してガス流通空間IS内に配置される絶縁パイプ85の先端部85bの表面に、ススなどの微粒子Sが付着して堆積してゆくことがある。これにより、絶縁パイプ85の先端部85bの表面の絶縁性が低下し、補助電位PV4とされる補助電極突出部86と基準電位PV1とされるガス流通管36(詳細には、混合排出部材37)との間で、絶縁パイプ85の先端部85bの表面を通じた電流リークが生じる虞がある(図10参照)。
補助電極突出部86とガス流通管36との間で電流リークが生じた場合には、ガス流通管36のガス流通空間IS内における補助電極突出部86とガス流通管36との間の電界強度が低下し、浮遊イオンCPFに対してガス流通管36に向かう斥力を与えることができなくなる虞がある。その結果、ガス流通管36による浮遊イオンCPFの捕集が適切に行われず(従って、帯電微粒子SCと共にガス排出口37hを通じてガス流通管36の外部に排出される浮遊イオンCPFが増大し)、排気ガスEG中の微粒子Sの量を適切に検知することができなくなる虞がある。
これに対し、本実施形態の微粒子センサ1では、補助電極突出部86のうち少なくとも絶縁パイプ85の先端部85bに隣接する隣接部86bが、電気絶縁膜88(具体的には、電気絶縁性ガラス膜)によって被覆されている。電気絶縁膜88を電気絶縁性ガラス膜で構成することによって、隣接部86bへの電気絶縁膜の被覆が容易となり、また、電気絶縁膜としての化学的安定性が得られるため、微粒子センサ1の信頼性を向上させることができる。なお、隣接部86bは、曲げ返し部82の一部である。詳細には、本実施形態では、補助電極突出部86の全体が、電気絶縁膜88によって被覆されている。すなわち、補助電極突出部86の全体が、ガス流通空間IS内に露出することなく、電気絶縁膜88によって被覆されている。この微粒子センサ1では、補助電位PV4とされる補助電極突出部86において、ガス流通空間IS内に露出する部位が存在しないので、絶縁パイプ85の先端部85bの表面にススなどの微粒子Sが付着した場合でも、絶縁パイプ85の先端部85bの表面を通じた補助電極突出部86とガス流通管36との間の電流リークを防止することができる。
さらに、本実施形態の微粒子センサ1では、補助電極本体部80Aのうち、補助電極突出部86の隣接部86bと絶縁パイプ85の内部に配置されるパイプ内配置部84の少なくとも一部が、電気絶縁膜88である電気絶縁性ガラス膜によって被覆されている。詳細には、補助電極本体部80Aのうち、補助電極突出部86の全体とパイプ内配置部84の全体(換言すれば、補助電極本体部80Aのうち第1直状部81の後端部を除く部位)が、電気絶縁膜88である電気絶縁性ガラス膜によって被覆されている(図10参照)。なお、補助電極突出部86とパイプ内配置部84とは、補助電極本体部80Aの長さ方向について隙間無く隣接する部位である。
さらに、本実施形態の微粒子センサ1では、電気絶縁膜88である電気絶縁性ガラス膜の一部によって、絶縁パイプ85の先端側GSの開口85c(補助電極突出部86が突出する側の開口85c)と補助電極本体部80Aとの間が封止されている。このように、電気絶縁性ガラス膜(電気絶縁膜88)の一部によって、絶縁パイプ85の先端側GSの開口85cと補助電極本体部80Aとの間を封止することで、排気ガスEGが絶縁パイプ85の内部に進入することを防止できる。
さらに、本実施形態の微粒子センサ1では、補助電極本体部80Aのパイプ内配置部84が、当該パイプ内配置部84を覆う電気絶縁性ガラス膜(電気絶縁膜88)によって絶縁パイプ85に接着されている。このように、本実施形態の微粒子センサ1では、補助電極突出部86の電気的絶縁を確保するための電気絶縁性ガラス膜(電気絶縁膜88)を、補助電極本体部80Aと絶縁パイプ85との接着にも用いている。
なお、このような補助電極体80は、例えば、以下のようにして作製することができる。具体的には、まず、補助電極本体部80A(詳細には、補助電極本体部80Aのうち第1直状部81の後端部を除く部位。換言すれば、補助電極突出部86とパイプ内配置部84になる部位)の表面に、ガラスペーストを塗布する。なお、ガラスペーストは、ガラスの粉末とバインダーと溶媒とが混合されたペーストである。そして、絶縁パイプ85の内部に、ガラスペーストを塗布した補助電極本体部80Aを、その後端側GK(第1直状部81の後端部が位置する側)から挿入する。
その後、ガラスペーストの焼成を行って、ガラスペーストに含まれている溶媒及びバインダーを除去すると共に、ガラスの粉末を軟化させて膜状にした後、冷却により膜状のガラスを固化させることで、電気絶縁性ガラス膜(電気絶縁膜88)が形成される。これにより、補助電極本体部80Aのうち、補助電極突出部86の全体とパイプ内配置部84の全体(換言すれば、補助電極本体部80Aのうち第1直状部81の後端部を除く部位)が、電気絶縁膜88である電気絶縁性ガラス膜によって被覆されつつ、電気絶縁膜88である電気絶縁性ガラス膜によって、絶縁パイプ85の先端側GSの開口85cと補助電極本体部80Aとの間が封止されると共に、パイプ内配置部84が、当該パイプ内配置部84を覆う電気絶縁性ガラス膜(電気絶縁膜88)によって絶縁パイプ85に接着される。これにより、補助電極体80が完成する。
次いで、微粒子センサ1の電気的機能及び動作について説明する(図8及び図9参照)。まず、外部の回路部201の駆動により、基準電位PV1とされた内側金具30のノズル部35a(放電対極部35d)と、これよりも正の高電位である放電電位PV2とされた放電電極体70の針状先端部73との間において、気中放電(コロナ放電)を発生させる。この気中放電により、大気(空気)中のN2,O2 等が電離した正のイオンCPが発生する。一方で、エアARが、センサ本体部5の後端側GKから放電空間DS内に供給される。このため、発生したイオンCPの一部は、エアARと共に、連通孔35f(オリフィス孔)を通じて放電空間DSから円筒状混合領域MX1(ガス流通管36のガス流通空間ISの一部)に噴射される。
このエアARが、円筒状混合領域MX1に噴射されると、円筒状混合領域MX1の気圧が低下するため、排気管EP内を流通する排気ガスEGが、ガス導入口35hから円筒状混合領域MX1に取り入れられる。この取り入れられた排気ガスEG(取入ガスEGIとする)は、エアARと混合され、スリット状混合領域MX2及びガス排出路EXを経由して、ガス排出口37hから排出される。その際、排気ガスEG中のススなどの微粒子Sも円筒状混合領域MX1内に取り入れられる。この微粒子Sは、イオンCPが付着して、正に帯電した帯電微粒子SCとなり、この状態でガス排出口37hからエアARと共に排出される。一方、円筒状混合領域MX1に噴射されたイオンCPのうち、微粒子Sに付着しなかった浮遊イオンCPFは、補助電位PV4とされた補助電極体80の補助電極突出部86から斥力を受け、捕集極となるガス流通管36(基準電位PV1)に付着することで、ガス排出口37hからの排出が抑制される。
前述の気中放電の際、外部の回路部201から放電電極体70の針状先端部73に、放電電流Idが供給される。この放電電流Idの多くは、ノズル部35aに受電電流Ijとして流れ込み、回路部201に戻る。一方、捕集極であるガス流通管36で捕集された浮遊イオンCPFの電荷に起因する捕集電流Ihも、回路部201に戻る。つまり、受電電流Ijと捕集電流Ihの和である受電捕集電流Ijh(=Ij+Ih)が回路部201に戻る。
但し、この受電捕集電流Ijhは、帯電微粒子SCに付着して排出された排出イオンCPHの電荷に対応する電流分だけ、放電電流Idよりも小さい値となる。このため、放電電流Idと受電捕集電流Ijhとの差分(放電電流Id−受電捕集電流Ijh)に相当する信号電流が、基準電位PV1と接地電位PVEとの間を流れる。
従って、この帯電微粒子SCにより排出された排出イオンCPHの電荷量に対応する信号電流を回路部201で検知することにより、排気ガスEG中の微粒子Sの量を検知できる。このため、本実施形態では、帯電微粒子SCの電荷量に基づいて(詳細には、帯電微粒子SCの電荷量に応じて、基準電位PV1と接地電位PVEとの間を流れる信号電流に基づいて)、排気ガスEG(被測定ガス)中の微粒子Sの量を検知する。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態では、補助電極突出部86の全体を電気絶縁膜88(電気絶縁性ガラス膜)によって被覆することで、絶縁パイプ85の先端部85bの表面を通じた補助電極突出部86とガス流通管36との間の電流リークを防止するようにした。しかしながら、本発明は、このような形態に限定されるものではなく、補助電極突出部86のうち少なくとも絶縁パイプ85の先端部85bに隣接する隣接部86bを、電気絶縁膜88(電気絶縁性ガラス膜)によって被覆することで、絶縁パイプ85の先端部85bの表面を通じた補助電極突出部86とガス流通管36との間の電流リークを生じ難くすることができる。
具体的には、例えば、図11に示す変形形態のように、補助電極突出部86のうち、第2直状部83を電気絶縁膜388(電気絶縁性ガラス膜)によって被覆することなく、隣接部86bを含む曲げ返し部82のみを、電気絶縁膜388(電気絶縁性ガラス膜)によって被覆するようにしても良い。なお、図11は、変形形態にかかる微粒子センサ301の先端側GSの部位の拡大断面図であり、図3のB部拡大図に相当する図である。
本変形形態にかかる補助電極体380の補助電極本体部80Aでは、図11に示すように、ガス流通管36の挿入孔36hから突出してガス流通空間IS内に配置される部位のうち、電気絶縁性を有する部材によって被覆される部位が、第1直状部81の先端側GSの部位(絶縁パイプ85の先端部85bによって被覆される部位)と、隣接部86bを含む曲げ返し部82(電気絶縁膜388によって被覆される部位)とになる。
従って、本変形形態では、従来の形態(電気絶縁膜を有しない形態)に比べて、補助電極体380のうちガス流通管36の挿入孔36hから突出してガス流通空間IS内に配置される部位において、電気絶縁性を有する部材によって被覆される部位を、電気絶縁膜388を設けた部位(隣接部)の長さだけ増大させることができる。これにより、絶縁パイプ85の先端部85bの表面を通じた補助電極突出部86とガス流通管36との間の電流リークが生じ難くなる。
より具体的に説明すると、本変形形態では、補助電極本体部80Aの長さ方向について、補助電極突出部86のうちガス流通空間IS内に露出する部位(第2直状部83)とガス流通管36との間に、絶縁パイプ85の先端部85bと電気絶縁膜388とが介在することになる。従って、従来の形態(電気絶縁膜を有しない形態)に比べて、電気絶縁膜388の長さの分だけ、補助電極突出部86のうちガス流通空間IS内に露出する部位(第2直状部83)とガス流通管36(挿入孔36hを構成する部位)との間の沿面距離を増大させることができる。これにより、絶縁パイプ85の先端部85bの表面を通じた補助電極突出部86とガス流通管36との間の電流リークが生じ難くなる。
なお、変形形態では、補助電極突出部86のうち第2直状部83を、電気絶縁膜388(電気絶縁性ガラス膜)によって被覆することなく、ガス流通空間IS内に露出させているので、補助電極突出部86の全体を電気絶縁膜88(電気絶縁性ガラス膜)によって被覆する実施形態よりも、第2直状部83によって浮遊イオンCPFに与えられるガス流通管36へ向かう斥力を、大きくすることができる。
また、実施形態では、補助電極突出部86の表面に、電気絶縁膜88として、電気絶縁性ガラス膜を設けたが、電気絶縁性セラミックの溶射膜を設けるようにしても良い。この場合、補助電極本体部80Aのパイプ内配置部84に、別途、接着剤を塗布し、補助電極本体部80Aと絶縁パイプ85とを接着するようにしても良い。
また、実施形態では、補助電極本体部80Aのパイプ内配置部84の全体に電気絶縁性ガラス膜(電気絶縁膜88)を設けたが、パイプ内配置部84の一部(例えば、先端側GSの部位)に電気絶縁性ガラス膜(電気絶縁膜88)を設ける態様で、電気絶縁性ガラス膜(電気絶縁膜88)によって、補助電極本体部80Aと絶縁パイプ85とを接着するようにしても良い。
1,301 微粒子センサ
5 センサ本体部
10 外側金具
30 内側金具
35h ガス導入口
36 ガス流通管(捕集極)
36h 挿入孔
37h ガス排出口
70 放電電極体
80,380 補助電極体
80A 補助電極本体部
84 パイプ内配置部
85 絶縁パイプ
85b 先端部
85c 開口
86 補助電極突出部
86b 隣接部
88,388 電気絶縁膜(電気絶縁性ガラス膜)
201 回路部
CP イオン
CPF 浮遊イオン
EG 排気ガス(被測定ガス)
EP 排気管
FC センサ内エア流路
GH 軸線方向
GK 軸線方向の後端側
GS 軸線方向の先端側
IS ガス流通空間
PVE 接地電位
PV1 基準電位
PV4 補助電位
S 微粒子
SC 帯電微粒子

Claims (4)

  1. 気中放電によりイオンを生成する放電電極体と、
    筒状のガス流通管であって、微粒子を含む被測定ガスを当該ガス流通管の内部に取り入れるガス導入口、及び、前記被測定ガスを当該ガス流通管の外部に排出するガス排出口を有するガス流通管と、を備え、
    前記気中放電により生成した前記イオンを、前記ガス流通管の内部において前記被測定ガス中に含まれる前記微粒子に付着させて、帯電した帯電微粒子を生成し、前記ガス排出口を通じて前記ガス流通管の外部に排出された前記帯電微粒子に含まれる前記イオンの量に応じて流れる信号電流を用いて前記被測定ガス中の前記微粒子を検知する
    微粒子センサにおいて、
    前記ガス流通管は、基準電位とされ、前記イオンのうち前記微粒子に付着しなかった浮遊イオンを捕集する捕集極を兼ね、
    前記微粒子センサは、
    金属線からなり、前記基準電位とは異なる補助電位とされる補助電極本体部と、
    電気絶縁性を有し、前記補助電極本体部の径方向周囲を包囲して、前記補助電極本体部と前記ガス流通管との間を電気的に絶縁する筒状の絶縁パイプと、を備える
    補助電極体を有し、
    前記ガス流通管は、
    前記補助電極体が挿入される挿入孔と、
    前記ガス流通管の内部空間であって、前記帯電微粒子及び前記浮遊イオンを含む前記被測定ガスが流通するガス流通空間と、を有し、
    前記補助電極本体部は、
    前記絶縁パイプの先端部から突出して、前記ガス流通管の前記ガス流通空間内に配置される補助電極突出部であって、前記浮遊イオンに対し前記ガス流通管に向かう斥力を与えて前記ガス流通管による前記浮遊イオンの捕集を補助する補助電極突出部を有し、
    前記補助電極体は、
    前記絶縁パイプの前記先端部が、前記ガス流通管の前記挿入孔から突出して前記補助電極突出部と共に前記ガス流通空間内に配置される態様で、前記ガス流通管の前記挿入孔に挿入されており、
    前記補助電極突出部のうち、少なくとも前記絶縁パイプの前記先端部に隣接する隣接部は、前記ガス流通空間内に露出することなく、電気絶縁膜によって被覆されている
    微粒子センサ。
  2. 請求項1に記載の微粒子センサであって、
    前記補助電極突出部の全体が、前記ガス流通空間内に露出することなく、前記電気絶縁膜によって被覆されている
    微粒子センサ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の微粒子センサであって、
    前記電気絶縁膜は、電気絶縁性ガラス膜である
    微粒子センサ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の微粒子センサであって、
    前記補助電極本体部のうち、前記補助電極突出部の前記隣接部と前記絶縁パイプの内部に配置されるパイプ内配置部の少なくとも一部が、前記電気絶縁膜である電気絶縁性ガラス膜によって被覆されつつ、前記電気絶縁性ガラス膜の一部によって前記絶縁パイプの先端側の開口と前記補助電極本体部との間が封止されると共に、前記パイプ内配置部がこれを覆う前記電気絶縁性ガラス膜によって前記絶縁パイプに接着されている
    微粒子センサ。
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