JP2021032622A - 微粒子センサ - Google Patents

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大澤 敬正
Takamasa Osawa
敬正 大澤
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Abstract

【課題】複数の構成部材からなるガス接触構造体を備える微粒子センサにおいて、ガス接触構造体の構成部材の接合部が腐食し難くされた微粒子センサを提供する。【解決手段】通気管に装着されて、通気管の内部を流通する被測定ガス中の微粒子の量を検知する微粒子センサ。微粒子センサは、複数の構成部材35,37,39,50からなり、通気管内を流通する被測定ガスが接触するガス接触構造体2を備える。ガス接触構造体2は、複数の金属焼結体35,37,39,50からなり、複数の金属焼結体35,37,39,50が拡散接合された状態で一体となっている。【選択図】図8

Description

本発明は、被測定ガス中の微粒子の量を検知する微粒子センサに関する。
特許文献1には、通気管に装着されて、通気管の内部を流通する被測定ガス中の微粒子の量を検知する微粒子センサが開示されている。この微粒子センサは、通気管内を流通する被測定ガスが接触するガス接触構造体であって、複数の構成部材からなるガス接触構造体を備える。具体的には、ガス接触構造体は、金属からなり、ホルダとノズル部材と混合排出部材と蓋部材とによって構成されており、これらの4つの構成部材(金属部材)が溶接によって接合されて一体となっている。
特開2018−194316号公報
ところで、上述のような微粒子センサは、例えば、内燃機関の排気管(通気管)に装着されて、排気管の内部を流通する排気ガス(被測定ガス)中の微粒子(煤など)の量を検知する。この場合は、高温の排気ガスが、ガス接触構造体に接触することになる。ところが、溶接構造(複数の構成部材が溶接により接合された構造)のガス接触構造体では、接合部(溶接部)の耐食性が他の部位よりも低下することがあるため、高温の排気ガスが接合部(溶接部)に接触することによって、接合部(溶接部)が腐食する虞があった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、複数の構成部材からなるガス接触構造体を備える微粒子センサにおいて、ガス接触構造体の構成部材の接合部が腐食し難くされた微粒子センサを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、通気管に装着されて、前記通気管の内部を流通する被測定ガス中の微粒子の量を検知する微粒子センサであって、複数の構成部材からなり、前記通気管内を流通する前記被測定ガスが接触するガス接触構造体、を備える微粒子センサにおいて、前記ガス接触構造体は、複数の金属焼結体からなり、複数の前記金属焼結体が拡散接合された状態で一体となっている微粒子センサである。
上述の微粒子センサでは、ガス接触構造体が、複数の金属焼結体からなり、複数の金属焼結体が拡散接合された状態で一体となっている。すなわち、このガス接触構造体は、当該ガス接触構造体の構成部材が複数の金属焼結体であり、複数の金属焼結体が拡散接合された状態で一体となっている。換言すれば、ガス接触構造体は、当該ガス接触構造体の構成部材である複数の金属焼結体が、拡散接合部(拡散接合された接合部)によって接合されて一体とされている。拡散接合による接合部(拡散接合部)は、溶接による接合部(溶接部)に比べて、耐食性が良好になる。従って、上述の微粒子センサでは、従来に比べて、ガス接触構造体の構成部材(金属焼結体)の接合部が腐食し難くなる。
具体的には、例えば、ガス接触構造体を、同一の金属からなる複数の金属焼結体によって構成した場合は、ガス接触構造体において、拡散接合部(拡散接合による接合部)は、他の部位と同等(または略同等)の組成及び組織になるため、耐食性も他の部位と同等(または略同等)になる。すなわち、このガス接触構造体では、従来の溶接構造(複数の構成部材が溶接により接合された構造)のガス接触構造体と異なり、構成部材である金属焼結体の接合部の耐食性が、金属焼結体の他の部位よりも劣ることがない。従って、上述の微粒子センサでは、従来に比べて、ガス接触構造体の構成部材(金属焼結体)の接合部が腐食し難くなる。そのため、上述の微粒子センサでは、接合部に激しい腐食が生じてガス接触構造体の構成部材が脱落するといった最悪の事態が発生するのを防止することができる。
さらに、前記の微粒子センサであって、前記ガス接触構造体は、筒状をなし、前記微粒子を含む前記被測定ガスを当該ガス接触構造体の内部に取り入れるガス導入口、及び、前記被測定ガスを当該ガス接触構造体の外部に排出するガス排出口を有し、前記微粒子センサは、気中放電により生成したイオンを、前記ガス接触構造体の内部において前記被測定ガス中に含まれる前記微粒子に付着させて、帯電した帯電微粒子を生成し、前記ガス排出口を通じて前記ガス接触構造体の外部に排出された前記帯電微粒子に含まれる前記イオンの量に応じて流れる信号電流を用いて、前記被測定ガス中の前記微粒子の量を検知する微粒子センサとすると良い。
従来の溶接構造のガス接触構造体では、例えば、被測定ガスである高温の排気ガスが接触することで、他の部位よりも腐食しやすい溶接部(溶接による接合部)が腐食し、この腐食によって、ガス接触構造体の内部と外部との間を連通する貫通孔が開いてしまう虞があった。このために、気中放電により生成されたイオンの一部が、ガス接触構造体の内部において被測定ガス中に含まれる微粒子に付着することなく、この貫通孔を通じてガス接触構造体の外部に漏出する虞があった。これにより、被測定ガス中の微粒子の量を適切に検知することができなくなる虞があった。
これに対し、上述の微粒子センサでは、前述したように、ガス接触構造体が、複数の金属焼結体からなり、複数の金属焼結体が拡散接合された状態で一体となっているため、従来の溶接による接合部に比べて、接合部が腐食し難くなっている。これにより、従来の溶接構造のガス接触構造体に比べて、接合部の腐食によってガス接触構造体に貫通孔が開いてしまう不具合が生じ難くなるので、「気中放電により生成されたイオンの一部が、ガス接触構造体の内部において被測定ガス中に含まれる微粒子に付着することなく、接合部の腐食によって生じた貫通孔を通じてガス接触構造体の外部に漏出し、被測定ガス中の微粒子の量を適切に検知することができなくなる不具合」が生じ難くなる。
実施形態にかかる微粒子センサを車両のエンジンの排気管に装着した状態を示す概略図である。 実施形態にかかる微粒子センサの斜視図である。 同微粒子センサの縦断面図である。 同微粒子センサの他の縦断面図であり、図3とは直交する方向の縦断面図である。 同微粒子センサを排気管に取り付けた状態の縦断面図である。 同微粒子センサの分解斜視図である。 ガス接触構造体の構成部材の斜視図である。 同ガス接触構造体の縦断面図である。 同ガス接触構造体の他の縦断面図であり、図8とは直交する方向の縦断面図である。 第1ケーブル及び第2ケーブルの横断面図である。 実施形態にかかる微粒子検知システムの概略構成を示す図である。 微粒子センサにおける微粒子の取り入れ、帯電、排出の様子を模式的に示す図である。 図3のB部拡大図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は、実施形態にかかる微粒子センサ1を、車両AMに搭載したエンジンENG(内燃機関)の排気管EPに装着した状態を示す概略図である。図2は、微粒子センサ1の斜視図である。図3は、微粒子センサ1の縦断面図である。図4は、微粒子センサ1の他の縦断面図であり、図3とは直交する方向の縦断面図である。図5は、センサ本体部5を排気管EPに取り付けた状態の縦断面図である。図6は、微粒子センサ1の分解斜視図である。なお、微粒子センサ1の軸線方向GH(軸線AXに沿う方向、図3〜図5において上下方向)のうち、排気管EP(通気管)に装着される側(図3〜図5において下方)を先端側GS、排気管EPの外部に配置される側(図3〜図5において上方)を後端側GKとする。
まず、本実施形態の微粒子検知システム200について説明する。微粒子検知システム200は、図1に示すように、微粒子センサ1と、この微粒子センサ1を制御する回路部201とを備える。微粒子センサ1は、車両AMに搭載したエンジンENG(内燃機関)の排気管EP(通気管)に装着され、排気管EP内を流通する排気ガスEG(被測定ガス)中のススなどの微粒子Sを検知する。詳細には、微粒子センサ1のセンサ本体部5が、排気管EPに固定され、センサ本体部5の先端側GSの部位が、排気管EP内に配置されて(図5参照)排気ガスEGに晒される。回路部201は、排気管EPの外部で、第1ケーブル90及び第2ケーブル100を通じて、微粒子センサ1のセンサ本体部5に接続されている。この回路部201は、微粒子センサ1を駆動するとともに、後述する信号電流を検知する回路を有している。
ここで、本実施形態の微粒子センサ1について詳細に説明する。微粒子センサ1は、センサ本体部5と、このセンサ本体部5と回路部201との間を電気的に接続するケーブル(第1ケーブル90及び第2ケーブル100)と、センサ本体部5から延出するエアチューブ40とを備える(図2〜図4参照)。このうち、センサ本体部5は、軸線方向GHに延びる形態をなし、センサ本体先端部6と、この後端側GKに位置するセンサ本体後端部7とを有する。センサ本体先端部6は、接地電位PVEとされた金属製の排気管EPの管取付部EPTに装着され、センサ本体後端部7が排気管EPの外部に配置される(図5及び図11参照)。また、センサ本体部5から延出するエアチューブ40は、外部の圧送ポンプ330に接続される(図11参照)。また、センサ本体部5から延出する第1ケーブル90及び第2ケーブル100は、外部の回路部201に接続される(図11参照)。
センサ本体部5は、外側金具10、内側金具30、放電電極体70、及び補助電極体80を有する(図3参照)。このうち、外側金具10は、金属からなり、軸線方向GHに延びる円筒状であり、内側金具30とは離間して絶縁された状態で、内側金具30の径方向周囲を囲む。この外側金具10は、接地電位PVEとされた排気管EPの管取付部EPTに装着されて、接地電位PVEとされる(図5及び図11参照)。外側金具10は、第1外側金具11と、この第1外側金具11の後端側GKに溶接された第2外側金具15とによって構成される。
第1外側金具11は、図6に示すように、円筒状でステンレス製の部材である。この第1外側金具11は、円筒状の第1本体部11aと、第1本体部11aの先端側GSに位置して径方向外側に膨出する環状の金具取付部11cと、金具取付部11cから径方向内側に膨出する円環状の外側保持部11b(図4参照)と、この外側保持部11bから先端側GSに延びる円筒状の先端部11dとを有する。なお、金具取付部11cは、その先端側GSに位置する円環状のセンサ座面部11fを有している(図3及び図4参照)。また、先端部11dには、先端側GSに開口する平面視U字状の切り欠きからなるガス導入窓11hが形成されている(図3〜図6参照)。
第1本体部11aの径方向周囲には、後述する締結部材60が、第1外側金具11に対し回転自在に配置されている。また、外側保持部11bは、後述する内側金具30(ホルダ部材50)の内側保持部51fとの間に、円筒状でアルミナ製の絶縁スペーサ47を保持する部位であり、円環状の第1介在部材48を介して、絶縁スペーサ47に先端側GSから全周にわたり係合している(図4参照)。
絶縁スペーサ47は、絶縁性セラミックからなり、内側金具30(詳細には、ホルダ部材50のうち円環状の内側保持部51f)と外側金具10(詳細には、第1外側金具11のうち円環状の外側保持部11b)との間に配置されて、内側金具30と外側金具10とを電気的に絶縁している。また、金具取付部11cは、後述するように、締結部材60が係合して、排気管EPの管取付部EPTに取り付けられる部位である。また、センサ座面部11fは、後述するように、円環状でステンレス製のガスケット18を介して、管取付部EPTの管座面部EPZに対し間接に接する。
第2外側金具15は、図6に示すように、円筒状でステンレス製の部材であり、軸線方向GHに延びる第1貫通孔15b及び第2貫通孔15cを有する(図3参照)。この第2外側金具15の先端部は、第1外側金具11の第1本体部11a内に後端側GKから挿入され、全周にわたり溶接されている。第2外側金具15には、後端側GKに向けて突出する筒状のエア取入部15tが設けられている(図4及び図6参照)。このエア取入部15tは、センサ本体部5のうち軸線方向GHの後端側GKに位置し、センサ本体部5の外部から内部にエアARを取り入れるための部位である。
このエア取入部15tには、エアチューブ40が接続され、円筒状の取付リング16によって加締め固定されている(図4参照)。このエアチューブ40は、エア取入部15tから後端側GKに向けて延出し、エアチューブ40の他端部は、外部に設置された圧送ポンプ330に接続されている(図11参照)。これにより、圧送ポンプ330で生成された清浄なエア(圧縮空気)ARが、エアチューブ40を介して第2外側金具15内(センサ本体部5内)に供給される。
また、第2外側金具15の内部から後端側GKに向けて、2本のケーブル(第1ケーブル90及び第2ケーブル100)が延出している。具体的には、図3に示すように、第2外側金具15の第1貫通孔15bの後端側GKには、第1Oリング23及び円筒状の第1リテーナ25が挿入されており、これらに第1ケーブル90が挿通された態様で、第1ケーブル90が第2外側金具15に保持されている。
第1リテーナ25は、軸線方向GHの先端側GSに位置する円筒状の挿入部25cと、これよりも後端側GKに位置する円筒状の加締め接続部25bとを有する。このうち、挿入部25cは、第2外側金具15の第1貫通孔15b内に、後端側GKからから挿入される部位である。また、加締め接続部25bは、第1接地電位配線97の先端部97bに接続する部位である。この加締め接続部25bは、自身の内部に第1接地電位配線97の先端部97bを挿入配置した状態で、径方向内側に加締められることで、第1接地電位配線97の先端部97bに圧接した状態で導通している。第1リテーナ25のうち、挿入部25cよりも後端側GKの部位(加締め接続部25bを含む部位)は、第2外側金具15の後端から第2外側金具15の外部に突出して配置されている。
さらに、第2外側金具15の第2貫通孔15cの後端側GKには、第2Oリング24及び円筒状の第2リテーナ26が挿入されており、これらに第2ケーブル100が挿通された態様で、第2ケーブル100が第2外側金具15に保持されている。第2リテーナ26は、軸線方向GHの先端側GSに位置する円筒状の挿入部26cと、これよりも後端側GKに位置する円筒状の加締め接続部26bとを有する。このうち、挿入部26cは、第2外側金具15の第2貫通孔15c内に、後端側GKから挿入される部位である。また、加締め接続部26bは、第2接地電位配線107の先端部107bに接続する部位である。この加締め接続部26bは、自身の内部に第2接地電位配線107の先端部107bを挿入配置した状態で、径方向内側に加締められることで、第2接地電位配線107の先端部107bに圧接した状態で導通している。第2リテーナ26のうち、挿入部26cよりも後端側GKの部位(加締め接続部26bを含む部位)は、第2外側金具15の後端から第2外側金具15の外部に突出して配置されている。
次に、第1ケーブル90及び第2ケーブル100について説明する。なお、図10は、第1ケーブル90及び第2ケーブル100の横断面図である。
第1ケーブル90は、トライアキシャルケーブルであり、図3及び図10に示すように、軟銅線を撚った撚り線からなる放電電位配線91と、その径方向外側に位置し、銅細線を編んだ編組からなる円筒状の第1基準電位配線93と、放電電位配線91の径方向周囲を包囲し、放電電位配線91と第1基準電位配線93との間に配置されて両者を絶縁する、PTFEからなる第1絶縁体層92とを有している。さらに、第1ケーブル90は、第1基準電位配線93の径方向周囲を包囲し、銅細線を編んだ編組からなる円筒形状の第1接地電位配線97と、第1基準電位配線93の径方向周囲を包囲し、第1基準電位配線93と第1接地電位配線97との間に配置されて両者を絶縁する、PFAからなる絶縁性の第2絶縁体層95とを有する。
さらに、第1ケーブル90は、図10に示すように、第2絶縁体層95の径方向内側表面95bに密着して径方向内側表面95bを覆い、第1基準電位配線93に接触する第1半導電被覆層94と、第2絶縁体層95の径方向外側表面95cに密着して径方向外側表面95cを覆い、第1接地電位配線97に接触する第2半導電被覆層96とを有する。第1半導電被覆層94及び第2半導電被覆層96は、カーボン入りPFAからなり、半導電性(導電性)を有している。さらに、第1ケーブル90は、第1接地電位配線97の径方向周囲を被覆する、PFAからなる絶縁性の外側絶縁被覆層98を有している。このように、第1ケーブル90は、第1基準電位配線93と第1接地電位配線97とによって放電電位配線91を二重に包囲すると共に、第1接地電位配線97で第1基準電位配線93を包囲する二重包囲ケーブルとなっている。
この第1ケーブル90のうち、放電電位配線91の先端部91bは、第1絶縁体層92の先端よりも第1ケーブル90の先端側(図3において下方)に延びる形態で、第1ケーブル90の外部に露出している。この放電電位配線91の先端部91bは、図3に示すように、第1接続端子77による加締め接続により、放電電極体70の直状部71の後端部(露出部)に接続されている。これにより、放電電位配線91が、放電電極体70に導通する。なお、放電電位配線91の先端部91bと放電電極体70の直状部71の後端部(露出部)とが、第1接続端子77を通じて接続された部位を、放電電位接続部111とする(図3参照)。
また、第1基準電位配線93の先端部93bは、第1半導電被覆層94の先端よりも第1ケーブル90の先端側に延びる形態で、第1ケーブル90の外部に露出している。この第1基準電位配線93の先端部93bは、図3に示すように、内側金具30(基準電位部材)の内筒31に接続されている。これにより、第1基準電位配線93が、内側金具30(基準電位部材)に導通する。
また、第1接地電位配線97の先端部97bは、外側絶縁被覆層98の先端よりも第1ケーブル90の先端側に延びる形態で、第1ケーブル90の外部に露出している。この第1接地電位配線97の先端部97bは、図3に示すように、第2外側金具15の第1貫通孔15b内に挿入された筒状の第1リテーナ25が外嵌し、この第1リテーナ25を通じて第2外側金具15(接地電位部材)に接続されている。これにより、第1接地電位配線97が、外側金具10(接地電位部材)に導通する。
次に、第2ケーブル100について説明する。この第2ケーブル100も、トライアキシャルケーブルであり、図3及び図10に示すように、軟銅線を撚った撚り線からなる補助電位配線101と、その径方向外側に位置し、銅細線を編んだ編組からなる円筒状の第2基準電位配線103と、補助電位配線101の径方向周囲を包囲し、補助電位配線101と第2基準電位配線103との間に配置されて両者を絶縁する、PTFEからなる第1絶縁体層102とを有している。さらに、第2ケーブル100は、第2基準電位配線103の径方向周囲を包囲し、銅細線を編んだ編組からなる円筒形状の第2接地電位配線107と、第2基準電位配線103の径方向周囲を包囲し、第2基準電位配線103と第2接地電位配線107との間に配置されて両者を絶縁する、PFAからなる絶縁性の第2絶縁体層105とを有する。
さらに、第2ケーブル100は、図10に示すように、第2絶縁体層105の径方向内側表面105bに密着して径方向内側表面105bを覆い、第2基準電位配線103に接触する第1半導電被覆層104と、第2絶縁体層105の径方向外側表面105cに密着して径方向外側表面105cを覆い、第2接地電位配線107に接触する第2半導電被覆層106とを有する。第1半導電被覆層104及び第2半導電被覆層106は、カーボン入りPFAからなり、半導電性(導電性)を有している。さらに、第2ケーブル100は、第2接地電位配線107の径方向周囲を被覆する、PFAからなる絶縁性の外側絶縁被覆層108を有している。このように、第2ケーブル100は、第2基準電位配線103と第2接地電位配線107とによって補助電位配線101を二重に包囲すると共に、第2接地電位配線107で第2基準電位配線103を包囲する二重包囲ケーブルとなっている。
この第2ケーブル100のうち、補助電位配線101の先端部101bは、第1絶縁体層102の先端よりも第2ケーブル100の先端側(図3において下方)に延びる形態で、第2ケーブル100の外部に露出している。この補助電位配線101の先端部101bは、図3に示すように、第2接続端子87による加締め接続により、補助電極80Aの後端部(露出部)に接続されている。これにより、補助電位配線101が、補助電極体80に導通する。なお、補助電位配線101の先端部101bと補助電極80Aの後端部(露出部)とが、第2接続端子87を通じて接続された部位を、補助電位接続部112とする(図3参照)。
また、第2基準電位配線103の先端部103bは、第1半導電被覆層104の先端よりも第2ケーブル100の先端側に延びる形態で、第2ケーブル100の外部に露出している。この第2基準電位配線103の先端部103bは、図3に示すように、内側金具30(基準電位部材)の内筒31に接続されている。これにより、第2基準電位配線103が、内側金具30(基準電位部材)に導通する。
また、第2接地電位配線107の先端部107bは、外側絶縁被覆層108の先端よりも第2ケーブル100の先端側に延びる形態で、第2ケーブル100の外部に露出している。この第2接地電位配線107の先端部107bは、図3に示すように、第2外側金具15の第2貫通孔15c内に挿入された筒状の第2リテーナ26が外嵌し、この第2リテーナ26を通じて第2外側金具15(接地電位部材)に接続されている。これにより、第2接地電位配線107が、外側金具10(接地電位部材)に導通する。
次に、締結部材60について説明する。この締結部材60は、センサ本体後端部7の径方向周囲、具体的には、第1外側金具11の第1本体部11aの径方向周囲に、回転自在に配置されている。締結部材60は、雄ネジ部61と、この雄ネジ部61の後端側GKに位置する工具係合部63とからなる筒状の部材である(図3〜図6参照)。このうち雄ネジ部61は、外周に雄ネジが形成された円筒状の部位である。一方、工具係合部63は、外形が六角形状の筒状で、センサ本体部5を排気管EPの管取付部EPTに取り付ける際に工具を係合させる部位である。
図5に示すように、排気管EPの管取付部EPTは、円環状の管座面部EPZと、この管座面部EPZから排気管EPの径方向外側に延出し、内周に雌ネジが形成された円筒状の雌ネジ部EPYとを有する。微粒子センサ1のセンサ本体部5を排気管EPの管取付部EPTに装着するにあたり、締結部材60の雄ネジ部61を管取付部EPTの雌ネジ部EPYにねじ込むと、締結部材60の雄ネジ部61の先端が、センサ本体先端部6のうち第1外側金具11の金具取付部11cに係合して、第1外側金具11を含むセンサ本体部5が先端側GSに移動する。
そして、金具取付部11cのうち先端側GSに位置するセンサ座面部11fが、管取付部EPTの管座面部EPZに、ガスケット18を介して間接に接する。締結部材60の雄ネジ部61と管取付部EPTの管座面部EPZとの間に、金具取付部11cが挟持されて、管取付部EPTに第1外側金具11が保持され、管取付部EPTにセンサ本体部5が気密に固定される。なお、締結部材60は、センサ本体部5に対して回転自在に配置されているので、上述のセンサ本体部5の管取付部EPTへの装着は、センサ本体部5を回転させることなく、締結部材60のみを回転させることによって行うことができる。
次に、内側金具30について説明する。この内側金具30は、金属からなり、図3及び図4に示すように、軸線方向GHに延びる外形円柱状であり、前述のように、外側金具10の径方向内側に、外側金具10とは離間し絶縁された状態で配置されている。内側金具30は、第1ケーブル90の第1基準電位配線93及び第2ケーブル100の第2基準電位配線103を通じて、外部の回路部201に接続され、接地電位PVEとは異なる基準電位PV1とされる。この内側金具30は、内筒31とガス接触構造体2とによって構成されている(図3、図4、図6参照)。
ガス接触構造体2は、微粒子センサ1(センサ本体部5)を排気管EPに装着した状態で、排気管EP内を流通する排気ガスEGが接触する部位であり、4つの構成部材によって構成されている。具体的には、ガス接触構造体2は、図6〜図9に示すように、筒状をなし、ホルダ部材50とノズル部材35と混合排出部材37と蓋部材39とによって構成されている。ホルダ部材50とノズル部材35と混合排出部材37と蓋部材39とは、いずれも、金属焼結体であり、これら4つの構成部材は、拡散接合された状態で一体となっている。
すなわち、ガス接触構造体2は、4つの金属焼結体(ホルダ部材50とノズル部材35と混合排出部材37と蓋部材39)からなり、4つの金属焼結体が拡散接合された状態で一体となっている。なお、ホルダ部材50とノズル部材35と混合排出部材37と蓋部材39は、いずれも、ステンレス製である。詳細には、ステンレスとして、HK−30(US規格)を用いている。なお、HK−30(US規格)は、SUS310S(JIS規格)と同等品である。
ところで、従来のガス接触構造体では、ホルダ部材50とノズル部材35と混合排出部材37と蓋部材39が、溶接によって接合されて一体とされていた。ところが、このように、構成部材が溶接によって接合されたガス接触構造体では、接合部(溶接部)の耐食性が他の部位(溶接されていない部位)よりも低下するため、高温の排気ガスEGが接合部(溶接部)に接触することによって、接合部(溶接部)が腐食する虞があった。
これに対し、本実施形態の微粒子センサ1では、前述のように、ガス接触構造体2は、金属焼結体であるホルダ部材50とノズル部材35と混合排出部材37と蓋部材39が、拡散接合された状態で一体となっている。換言すれば、ガス接触構造体2は、構成部材である4つの金属焼結体(ホルダ部材50とノズル部材35と混合排出部材37と蓋部材39)が、拡散接合部K1,K2,K3,K4によって接合されて一体とされている(図8及び図9参照)。
より具体的には、ガス接触構造体2は、構成部材であるホルダ部材50とノズル部材35と混合排出部材37と蓋部材39が拡散接合された、金属焼結体である。換言すれば、ガス接触構造体2は、4つの構成部材(ホルダ部材50とノズル部材35と混合排出部材37と蓋部材39)が、拡散接合部K1,K2,K3,K4によって接合されて一体とされた、金属焼結体である(図8及び図9参照)。
拡散接合された接合部(拡散接合部K1,K2,K3,K4)は、溶接された接合部(溶接部)に比べて、耐食性が良好になる。従って、本実施形態のガス接触構造体2は、構成部材が溶接された構造のガス接触構造体に比べて、ガス接触構造体の構成部材の接合部が腐食し難くなる。
より具体的には、本実施形態のガス接触構造体2は、同一の金属(HK−30)からなる金属焼結体(ホルダ部材50とノズル部材35と混合排出部材37と蓋部材39)によって構成されている。このため、ガス接触構造体2において、拡散接合部K1,K2,K3,K4は、他の部位と同等(または略同等)の組成及び組織になるので、耐食性も他の部位と同等(または略同等)になる。すなわち、本実施形態のガス接触構造体2において、拡散接合部K1,K2,K3,K4の耐食性が、他の部位よりも劣ることがない。従って、本実施形態のガス接触構造体2は、構成部材が溶接された構造のガス接触構造体に比べて、ガス接触構造体の構成部材の接合部が腐食し難くなる。そのため、本実施形態の微粒子センサ1(ガス接触構造体2)では、接合部に激しい腐食が生じてガス接触構造体2の構成部材が脱落するといった最悪の事態が発生するのを防止することができる。
以下、ガス接触構造体2の構成部材(ホルダ部材50とノズル部材35と混合排出部材37と蓋部材39)について詳細に説明する。ホルダ部材50は、円柱状をなしている。ホルダ部材50の後端側GKの部位は、内筒31の先端部内に嵌め込まれている(図4参照)。ホルダ部材50は、ホルダ部材50を軸線方向GHに貫通する孔であって放電電極体70が挿入される第1挿入孔52と、ホルダ部材50を軸線方向GHに貫通する孔であって補助電極体80が挿入される第2挿入孔53とを有する(図3参照)。
第1挿入孔52は、軸線方向GHの後端側GKに開口して接着剤59を収容する接着剤収容部(接着剤収容空間)を有する。この接着剤収容部の内部には、放電電極体70が挿入(挿通)された状態で、接着剤59が収容(充填)されている(図3参照)。これにより、放電電極体70がホルダ部材50に接着されるので、放電電極体70をホルダ部材50に固定することができる。また、第2挿入孔53は、軸線方向GHの後端側GKに開口して接着剤59を収容する接着剤収容部(接着剤収容空間)を有する。この接着剤収容部の内部には、補助電極体80が挿入(挿通)された状態で、接着剤59が収容(充填)されている(図3参照)。これにより、補助電極体80がホルダ部材50に接着されるので、補助電極体80をホルダ部材50に固定することができる。
さらに、ホルダ部材50は、ホルダ部材50を軸線方向GHに貫通する通気孔57を有している(図4参照)。この通気孔57は、エア取入部15tを通じてセンサ本体部5の内部に導入されたエアARが、当該通気孔57を通じて軸線方向GHの後端側GKから先端側GSに流通する通気孔である。また、ホルダ部材50は、その外周面から径方向外側に膨出する円環状をなし、外側金具10の外側保持部11bとの間で絶縁スペーサ47を保持する内側保持部51fを有している(図4、図7参照)。この内側保持部51fは、円環状の第2介在部材49を介して絶縁スペーサ47に後端側GKから全周にわたり係合して、第1外側金具11の外側保持部11bとの間に絶縁スペーサ47を挟んで保持している(図3及び図4参照)。
ノズル部材35は、外形円柱状であり、後端側GKからホルダ部材50の先端部が嵌め込まれた状態で、ホルダ部材50と拡散接合している。具体的には、ノズル部材35は、拡散接合部K4によってホルダ部材50と接合されている(図8及び図9参照)。このノズル部材35は、ホルダ部材50よりも軸線方向GHの先端側GSに位置し、放電電極体70の対極となる放電対極部35dを有している。この放電対極部35dは、放電電極体70の先端部である針状先端部73が配置される放電空間DSを有し、この放電空間DS内において放電電極体70の針状先端部73との間で気中放電を発生させる(図3及び図12参照)。
詳細には、放電対極部35dは、ノズル部35aと、このノズル部35aよりも後端側GKに位置する後端側筒壁部35cとを有する。このうち、ノズル部35aは、軸線方向GHの後端側GKから先端側GSに向かうにしたがって縮径するテーパ形状の内面を有し、その先端部には、放電空間DSと後述するガス流通路IS(詳細には、第1ガス流通路IS1の一部である第1上流側流通路IS13)とを連通する連通孔35fが形成されている。連通孔35fは、放電空間DSからガス流通路IS(第1ガス流通路IS1)へエアARを噴射させるためのオリフィス孔とされ、微小な内径の孔となっている(図3、図12、図13参照)。
さらに、ノズル部材35は、放電対極部35dよりも軸線方向GHの先端側GSに位置する円筒状の先端側筒壁部35bを有する。この先端側筒壁部35bは、気中放電により生じたイオンと排気ガスEG(被測定ガス)とが導入されて混合される第1上流側流通路IS13(第1ガス流通路IS1の一部)を構成している(図3、図12、図13参照)。また、この先端側筒壁部35bには、排気管EPの下流側に向けて開口し、第1上流側流通路IS13(第1ガス流通路IS1の一部)に繋がる1つのガス導入口35hが設けられている(図3及び図4参照)。排気管EP内を流通する排気ガスEG(被測定ガス)は、第1外側金具11のガス導入窓11h及び先端側筒壁部35bのガス導入口35hを通じて、第1ガス流通路IS1の第1上流側流通路IS13内に導入される。
混合排出部材37は、外形略円柱状であり、先端側GSからノズル部材35の先端部内に嵌め込まれた状態で、ノズル部材35と拡散接合している。具体的には、混合排出部材37は、拡散接合部K2,K3によって、ノズル部材35と接合されている(図8及び図9参照)。この混合排出部材37は、後端側GKに位置する排出後端部37aと、この排出後端部37aの周縁から先端側GSに延出した円筒状の筒壁部37bとからなる(図4及び図7参照)。このうち、排出後端部37aには、円筒状の空間である第1下流側流通路IS14(第1ガス流通路IS1の一部)が形成されている。この第1下流側流通路IS14は、前述の第1上流側流通路IS13と繋がっている(図4参照)。一方、筒壁部37bには、排気管EPの下流側に向けて開口する1つのガス排出口37hが設けられている(図3及び図4参照)。
蓋部材39は、混合排出部材37の先端側GSを閉塞した状態で、混合排出部材37と拡散接合している。具体的には、蓋部材39は、拡散接合部K1によって、混合排出部材37と接合されている(図8及び図9参照)。この蓋部材39は、円板状の蓋部39bと、この蓋部39bから後端側GKに延びる延出部39cとを有する。このうち、延出部39cは、混合排出部材37の筒壁部37b内に位置しており、筒壁部37bと共に、ガス流通路ISの一部を形成する。具体的には、延出部39cと筒壁部37bとは、第1ガス流通路IS1よりも下流側に位置する第3ガス流通路IS3であって、軸線方向GHに延びる形態をなす第3ガス流通路IS3を形成する。この第3ガス流通路IS3は、ガス排出口37hに繋がっている(図3、図12、図13参照)。
さらに、延出部39cと筒壁部37bとは、第1ガス流通路IS1の下流側開口部である第1下流側開口部IS12と第3ガス流通路IS3の上流側開口部である第3上流側開口部IS31とを連通する第2ガス流通路IS2を形成している。この第2ガス流通路IS2は、軸線方向GHに交差する方向(具体的には、軸線方向GHに直交する第1方向D1)に延びる形態をなしている(図3、図12、図13参照)。
以上説明したように、ガス接触構造体2は、微粒子Sを含む排気ガスEGを当該ガス接触構造体2の内部に取り入れるガス導入口35h、及び、排気ガスEGを当該ガス接触構造体2の外部に排出するガス排出口37hを有している。なお、ここで、ガス接触構造体2のうち、ノズル部材35と混合排出部材37と蓋部材39とにより構成される部位を、ガス流通管36とする(図6参照)。ガス流通管36は、基準電位PV1とされ、後述するように、気中放電によって生成されたイオンCPのうち微粒子Sに付着していない浮遊イオンCPFを捕集する捕集極を兼ねる。ガス流通管36は、補助電極体80が挿入される挿入孔36hと、後述する帯電微粒子SC及び浮遊イオンCPFを含む排気ガスEGが流通するガス流通路ISとを有する(図3、図4、図13参照)。
ガス流通路ISは、ガス流通管36の内部をガス導入口35hからガス排出口37hまで延びる形態をなし、前述した第1ガス流通路IS1と、第2ガス流通路IS2と、第3ガス流通路IS3とを有している。第1ガス流通路IS1は、ガス流通路ISの上流側に位置して軸線方向GHに延びる流通路である。なお、第1ガス流通路IS1は、前述した第1上流側流通路IS13と第1下流側流通路IS14とを有している。この第1ガス流通路IS1では、気中放電により生じたイオンCPと排気ガスEG(被測定ガス)とが導入されて混合される。
また、補助電極体80は、補助電極80Aの径方向周囲を包囲している絶縁パイプ85が挿入孔36hの内部に配置される態様で、挿入孔36h内に挿入されている。なお、挿入孔36hは、軸線方向GHに延びる形態をなし、第1ガス流通路IS1に対して軸線方向GHに直交する方向(径方向)に離間して配置されている。
ここで、ガス接触構造体2の製造方法について説明する。本実施形態では、公知の金属粉末射出成型法(MIM)を利用して、ガス接触構造体2を製造する。具体的には、まず、ガス接触構造体2の構成部材(ホルダ部材50とノズル部材35と混合排出部材37と蓋部材39)のグリーン体を製造する。より具体的には、ホルダ部材50のグリーン体50Gと、ノズル部材35のグリーン体35Gと、混合排出部材37のグリーン体37Gと、蓋部材39のグリーン体39Gとを、それぞれ製造する(図7参照)。ここで、グリーン体とは、原料となる金属粉末とバインダーとを混合した混合物を、射出成型機を用いて成型した成型品のことであり、金属粉末射出成型法(MIM)において脱脂及び焼結を行う前の中間製造物である。なお、本実施形態では、いずれの構成部材についても、原料の金属粉末として、HK−30(US規格)の粉末を用いている。
次いで、ホルダ部材50のグリーン体50Gと、ノズル部材35のグリーン体35Gと、混合排出部材37のグリーン体37Gと、蓋部材39のグリーン体39Gとを組み合わせて(嵌め合わせて)、ガス接触構造体2のグリーン体2Gを製造する(図8及び図9参照)。その後、このグリーン体2Gを、焼結炉の内部に配置して、脱脂(バインダの焼失)、及び、焼結を行う。これにより、グリーン体50Gがホルダ部材50(金属焼結体)になり、グリーン体35Gがノズル部材35(金属焼結体)になり、グリーン体37Gが混合排出部材37(金属焼結体)になり、グリーン体39Gが蓋部材39(金属焼結体)になると共に、ホルダ部材50とノズル部材35と混合排出部材37と蓋部材39とが拡散接合されて一体となり、金属焼結体であるガス接触構造体2が製造される。換言すれば、ホルダ部材50とノズル部材35と混合排出部材37と蓋部材39が、拡散接合部K1,K2,K3,K4によって接合されて一体となった、ガス接触構造体2が製造される(図8及び図9参照)。
次に、内筒31について説明する。内筒31は、軸線方向GHに延びる円筒形状をなすステンレス製の筒状部材である(図3、図4、図6参照)。この内筒31は、半円筒状の第1部材32と半円筒状の第2部材34とからなり、第1部材32と第2部材34が組み合わされることで形成されている。第1部材32と第2部材34は、同一形状をなしている。具体的には、第1部材32と第2部材34は、内筒31を軸線方向GHに二等分した半筒状をなしている。
第1部材32は、半円筒状をなすセパレータ被覆部32bと、その後端側GKに位置する半円柱状の接触導通部32cとを有する。このうち、接触導通部32cは、軸線方向GHに接触導通部32cを貫通する筒状の通気口を有する。なお、第2部材34も、第1部材32と同等の形態を有している。
上述の第1部材32と第2部材34とを組み合わせた内筒31の内部には、電気絶縁性のセパレータ41が収容されている(図3及び図4参照)。詳細には、第1部材32のセパレータ被覆部32bと第2部材34のセパレータ被覆部34bとによって形成される円筒部内(円筒状のセパレータ収容空間)に、セパレータ41が接触して収容されている。これにより、セパレータ41が内筒31によって保持されている。
また、第1部材32の接触導通部32cと第2部材34の接触導通部34cとによって形成される2つの円筒状接触面の内部には、それぞれ、第1基準電位配線93と第2基準電位配線103とが接触して配置されている。これにより、内筒31が、第1基準電位配線93と第2基準電位配線103とに接触して導通する。
この内筒31は、センサ本体部5の内部に固定されている。具体的には、内筒31の先端部がホルダ部材50の後端部に外嵌されて、この外嵌部分(内筒31の先端部とホルダ部材50の後端部)が溶接されることで、内筒31の先端部がセンサ本体部5の内部に固定されている。
また、内筒31は、その後端部が、円筒状の金属保持部材42の内側に挿入されて固定された状態で、金属保持部材42によって保持されている。これにより、第1部材32と第2部材34とが組み合わされて円筒状の内筒31とされた状態を保つことができると共に、内筒31の後端部がセンサ本体部5の内部に固定される。なお、内筒31の後端部と金属保持部材42とは、溶接されて固定されている。
金属保持部材42は、軸線方向GHに延びる円筒状の側壁部42bと、この側壁部42bの後端部に接続する円環状の底部42cとを有する(図4参照)。底部42cには、円形状の通気孔42dが設けられている。前述の第2外側金具15内に供給されたエア(圧縮空気)ARは、金属保持部材42の通気孔42dを通じて、センサ本体部5内を軸線方向GHの後端側GKから先端側GSに流通する。金属保持部材42の後端部は、半円筒状の2つの絶縁部材43bと43cを組み合わせた円筒状の絶縁部材43内に配置されて、絶縁部材43に保持されている。更に、この絶縁部材43の後端側GKには、円環状のゴム部材44が配置され、更にその後端側GKには、C環状のワッシャ45が配置されている(図4、図6参照)。
セパレータ41は、電気絶縁性部材(アルミナを主成分としたセラミック)からなり、軸線方向GHに延びる柱状をなしている(図3、図4、図6参照)。このセパレータ41は、当該セパレータ41を軸線方向GHに貫通する第1貫通孔41b及び第2貫通孔41cを有する。第1貫通孔41bと第2貫通孔41cは、別個独立した貫通孔であり、セパレータ41の壁部を挟んで軸線方向GHに直交する方向(図3において左右方向)に離間している。
セパレータ41の第1貫通孔41bの内部には、第1ケーブル90の先端部及び放電電極体70の直状部71が挿入されている。そして、第1貫通孔41bの内部には、放電電位接続部111(放電電位配線91の先端部91bと放電電極体70の直状部71の後端部とが、第1接続端子77を通じて接続された部位)が配置されている。また、セパレータ41の第2貫通孔41cの内部には、第2ケーブル100の先端部及び補助電極80Aの後端部が挿入されている。そして、第2貫通孔41cの内部には、補助電位接続部112(補助電位配線101の先端部101bと補助電極80Aの後端部とが、第2接続端子87を通じて接続された部位)が配置されている。
これにより、放電電位PV2となる放電電位接続部111と補助電位PV4となる補助電位接続部112とが、セパレータ41によって電気的に絶縁されている。従って、本実施形態の微粒子センサ1は、セパレータ41によって、放電電位接続部111と補助電位接続部112とが適切に電気絶縁された微粒子センサとなる。
次に、放電電極体70について説明する。この放電電極体70は、タングステン線からなる放電電極70Aと、放電電極70Aの周囲に位置する絶縁パイプ75とを有する。放電電極70Aは、図3に示すように、直線状に延びる直状部71と、その先端部分に位置し、針状に尖った形状の針状先端部73とからなる。この放電電極70A(針状先端部73)は、第1ケーブル90の放電電位配線91を通じて、外部の回路部201に接続され、放電電位PV2とされる。なお、放電電位PV2は、基準電位PV1に対し正の高電位であり、ピーク電位が1〜4kVの電位とされる。
直状部71は、その径方向周囲を絶縁セラミックからなる円筒状の絶縁パイプ75で被覆されている。但し、直状部71の後端部は、第1接続端子77によって放電電位配線91の先端部91bと接続するために、絶縁パイプ75で被覆されることなく露出している。一方、針状先端部73は、放電対極部35dによって構成されている放電空間DS内に配置されており、放電対極部35dと共にイオン源を構成する。即ち、後述するように、基準電位PV1とされる放電対極部35dと、放電電位PV2とされる針状先端部73とは、これらの間において気中放電を発生させ、この気中放電によって微粒子Sに付着させるイオンCPを生成する。
次に、補助電極体80について説明する。この補助電極体80は、ステンレス線からなる補助電極80Aと、補助電極80Aの周囲に位置する円筒状の絶縁パイプ85とを有する。このうち、補助電極80Aは、図3に示すように、軸線方向GHに沿って直線状に延びる形態を有する。この補助電極80Aは、第2ケーブル100の補助電位配線101を通じて、外部の回路部201に接続され、補助電位PV4とされる。この補助電位PV4は、基準電位PV1に対して正の高電位であるが、放電電位PV2のピーク電位(1〜2kV)よりも低い、例えば、DC100〜200Vの電位にされている。
絶縁パイプ85は、電気絶縁性を有する筒状のセラミックからなり、補助電極80Aの径方向周囲を包囲して、補助電極80Aとガス流通管36との間を電気的に絶縁する。なお、補助電極80Aの後端部は、第2接続端子87によって補助電位配線101の先端部101bと接続するために、絶縁パイプ85で被覆されることなく露出している。
また、補助電極80Aは、図13に示すように、当該補助電極80Aの長さ方向(軸線方向GHに一致する)の先端側(先端側GS)に位置し、ガス流通管36のガス流通路IS内(詳細には、第2ガス流通路IS2と第3ガス流通路IS3の内部)に配置される流通路内補助電極部82を有する。この流通路内補助電極部82は、ガス流通管36のガス流通路IS内(詳細には、第2ガス流通路IS2と第3ガス流通路IS3の内部)において、ガス流通管36との間に電界を発生させることによって、後述する浮遊イオンCPFに対しガス流通管36に向かう斥力を与えて、ガス流通管36による浮遊イオンCPFの捕集を補助する。
また、本実施形態の微粒子センサ1では、図6に示すように、セパレータ41が、その外周面に、軸線方向GHに延びる溝部41fを有している。溝部41fは、セパレータ41の外周面の一部が径方向内側に凹んだ形態で、軸線方向GHについてセパレータ41の先端から後端にまで延びている。そして、内筒31によってセパレータ41の外周が覆われた状態において、セパレータ41の溝部41fと内筒31の内周面とによって囲まれた通気孔AHが形成されている(図4参照)。さらに、この通気孔AHは、ホルダ部材50の通気孔57に連通している。従って、本実施形態の微粒子センサ1では、エア取入部15tと放電空間DSとの間にセパレータ41を設けていても、エア取入部15tを通じてセンサ本体部5の内部に取り入れたエアARを、適切に、センサ本体部5内の軸線方向GHの先端側の放電空間DS内に導入することができる。
本実施形態の微粒子センサ1(センサ本体部5)は、エア取入部15tを通じてセンサ本体部5の内部に導入されたエアARが、センサ本体部5の内部を軸線方向GHの後端側GKから先端側GSに流れてゆき、セパレータ41の溝部41fと内筒31の内周面とによって囲まれた通気孔AHを通り、その後、ホルダ部材50の通気孔57内を軸線方向GHの後端側GKから先端側GSに通過して放電空間DS内に導入された後、さらに、ノズル部35aの連通孔35fを通じて放電空間DSからガス流通路IS(詳細には、第1上流側流通路IS13)へ導入される、センサ内エア流路FCを有している(図4、図11参照)。なお、エアARが、ノズル部35aの連通孔35fを通じて放電空間DSから第1上流側流通路IS13(混合空間)へ導入されるとき、放電空間DS内で生じたイオンが当該エアARと共に、ガス流通管36のガス流通路ISの内部(詳細には、第1上流側流通路IS13の内部)に導入される(図4、図11、図12参照)。
なお、本実施形態の微粒子センサ1は、後述するように、気中放電を発生させることでイオンCPを生成し、このイオンCPを排気ガスEGに含まれる微粒子Sに付着させることによって、帯電した帯電微粒子SCを生成する。より具体的には、放電空間DS内において、放電電極体70の針状先端部73と放電対極部35dとの間で気中放電を発生させ、その後、ガス流通管36のガス流通路ISの内部(詳細には、第1ガス流通路IS1の内部)において、当該気中放電により生じたイオンCPを排気ガスEGに含まれる微粒子Sに付着させることで、帯電した帯電微粒子SCを生成する。そして、ガス排出口37hを通じてガス流通管36の外部に排出された帯電微粒子SCに含まれるイオンCPの量に応じて、基準電位PV1と接地電位PVEとの間に流れる信号電流を用いて、排気ガスEG中の微粒子Sの量を検知する。
ここで、本実施形態の微粒子センサ1のガス流通路ISについて、詳細に説明する。ガス流通路ISは、前述したように、第1ガス流通路IS1と第2ガス流通路IS2と第3ガス流通路IS3とを有している。このうち、第1ガス流通路IS1と第3ガス流通路IS3とは、軸線方向GHについて離間して配置されている。従って、第1ガス流通路IS1の第1下流側開口部IS12と、第3ガス流通路IS3の第3上流側開口部IS31とは、軸線方向GHについて離間して配置されている。
さらに、第1ガス流通路IS1の第1下流側開口部IS12と第3ガス流通路IS3の第3上流側開口部IS31とは、図13に示すように、軸線方向GHの平面視で両者の少なくとも一部が重ならないように、軸線方向GHに直交する第1方向D1(図13において左右方向)について互いの位置をずらして配置されている。本実施形態では、第1下流側開口部IS12と第3上流側開口部IS31とは、軸線方向GHの平面視で両者の全体が重ならない(すなわち、両者が離間している、または、両者が外接している)ように、軸線方向GHに直交する第1方向D1(図13において左右方向)について互いの位置をずらして配置されている。
さらに、本実施形態の微粒子センサ1では、第2ガス流通路IS2が、軸線方向GHに交差する方向(具体的には、第1方向D1)に延びる形態をなしている(図13参照)。そして、ガス流通管36のうち第2ガス流通路IS2を構成する部位は、軸線方向GHについて第1下流側開口部IS12と対向する対向面36fを有している(図12及び図13参照)。
従って、本実施形態の微粒子センサ1では、図13において矢印で示すように、排気ガスEGは、第1ガス流通路IS1内を軸線方向GHの先端側GS(図13において下方)に進んだ後、第1下流側開口部IS12から、第2ガス流通路IS2の対向面36fに向かうようにして、第2ガス流通路IS2内に流入することになる。このため、本実施形態の微粒子センサ1では、第2ガス流通路IS2内に流入した排気ガスEGを、これに含まれる浮遊イオンCPFと共に対向面36fに衝突させることができるので、排気ガスEGに含まれている浮遊イオンCPFの少なくとも一部を、対向面36fに衝突させて捕集することができる(図12参照)。
また、ガス流通管36のうち第2ガス流通路IS2を構成する部位は、第2ガス流通路IS2の下流側端面であって、第2ガス流通路IS2の上流側(図13において左側)を向く下流側端面36gを有している(図13参照)。従って、図13において矢印で示すように、第2ガス流通路IS2内を流通する排気ガスEGは、下流側端面36gに向かって流れてゆくことになる。これにより、第2ガス流通路IS2内を流通する排気ガスEGを、これに含まれる浮遊イオンCPFと共に下流側端面36gに衝突させることができるので、当該排気ガスEGに含まれている浮遊イオンCPFの少なくとも一部を、下流側端面36gに衝突させて捕集することができる。
さらに、本実施形態の微粒子センサ1では、第1ガス流通路IS1が、当該第1ガス流通路IS1の下流側に位置して第1下流側開口部IS12を含む第1下流側流通路IS14と、当該第1ガス流通路IS1の上流側に位置して第1下流側流通路IS14に対して上流側に隣接する第1上流側流通路IS13とを有している(図13参照)。そして、第1下流側流通路IS14を軸線方向GHに直交する方向(図13において左右方向)に切断した流通路断面(被測定ガスが流通する領域)の面積を、第1上流側流通路IS13を軸線方向GHに直交する方向に切断した流通路断面(被測定ガスが流通する領域)の面積よりも小さくしている(図4及び図13参照)。
このようにすることで、排気ガスEGが第1下流側流通路IS14を流れるときの流速を、排気ガスEGが第1上流側流通路IS13を流れるときの流速よりも速くすることができる。これにより、第1下流側開口部IS12(第1ガス流通路IS1の下流側開口部)から、第2ガス流通路IS2の対向面36fに向かうようにして第2ガス流通路IS2内に流入するときの排気ガスEGの流速を速くすることができるので、排気ガスEGに含まれている浮遊イオンCPFが、対向面36fに到達し易くなる。従って、本実施形態の微粒子センサ1では、対向面36fによって浮遊イオンを捕集し易くなる。
さらに、本実施形態の微粒子センサ1では、補助電極80Aのうちガス流通路IS内に配置される流通路内補助電極部82は、第1ガス流通路IS1内に配置されることなく、第2ガス流通路IS2のうち対向面36fを有する第2上流側流通路IS23よりも下流側に位置する第2下流側流通路IS24の内部、及び、第3ガス流通路IS3の内部に配置されている。従って、本実施形態の微粒子センサ1では、前述したように排気ガスEGに含まれている浮遊イオンCPFの一部を対向面36fに衝突させて捕集した後、流通路内補助電極部82によって、残存している浮遊イオンCPFに対してガス流通管36に向かう斥力を与えることで、残存している浮遊イオンCPFをガス流通管36に付着させて捕集することができる。
次いで、微粒子センサ1の電気的機能及び動作について説明する(図11及び図12参照)。まず、外部の回路部201の駆動により、基準電位PV1とされた内側金具30のノズル部35a(放電対極部35d)と、これよりも正の高電位である放電電位PV2とされた放電電極体70の針状先端部73との間において、気中放電(コロナ放電)を発生させる。この気中放電により、大気(空気)中のN2,O2 等が電離した正のイオンCPが発生する。一方で、エアARが、センサ本体部5の後端側GKから放電空間DS内に供給される。このため、発生したイオンCPの一部は、エアARと共に、連通孔35f(オリフィス孔)を通じて放電空間DSから第1上流側流通路IS13(第1ガス流通路IS1の一部)に噴射される。
このエアARが、第1上流側流通路IS13に噴射されると、第1上流側流通路IS13の気圧が低下するため、排気管EP内を流通する排気ガスEGが、ガス導入口35hから第1上流側流通路IS13(第1ガス流通路IS1の一部)に取り入れられる。この取り入れられた排気ガスEG(取入ガスEGIとする)は、エアARと混合され、第1下流側流通路IS14(第1ガス流通路IS1の一部)、第2ガス流通路IS2、及び、第3ガス流通路IS3を経由して、ガス排出口37hから排出される。
排気ガスEGが第1上流側流通路IS13(第1ガス流通路IS1の一部)に取り入れる際、排気ガスEG中のススなどの微粒子Sも第1上流側流通路IS13内に取り入れられる。この微粒子Sは、ガス流通路IS内においてイオンCPが付着することによって、正に帯電した帯電微粒子SCとなり、この状態でガス排出口37hからエアARと共に排出される。一方、第1上流側流通路IS13に噴射されたイオンCPのうち、微粒子Sに付着していない浮遊イオンCPFは、補助電位PV4とされた補助電極80Aの流通路内補助電極部82(特に、トラップ流通路内電極部82d)から斥力を受け、捕集極となるガス流通管36(基準電位PV1)に付着することで、ガス排出口37hからの排出が抑制される。
前述の気中放電の際、外部の回路部201から放電電極体70の針状先端部73に、放電電流Idが供給される。この放電電流Idの多くは、ノズル部35aに受電電流Ijとして流れ込み、回路部201に戻る。一方、捕集極であるガス流通管36で捕集された浮遊イオンCPFの電荷に起因する捕集電流Ihも、回路部201に戻る。つまり、受電電流Ijと捕集電流Ihの和である受電捕集電流Ijh(=Ij+Ih)が回路部201に戻る。
但し、この受電捕集電流Ijhは、帯電微粒子SCに付着して排出された排出イオンCPHの電荷に対応する電流分だけ、放電電流Idよりも小さい値となる。このため、放電電流Idと受電捕集電流Ijhとの差分(放電電流Id−受電捕集電流Ijh)に相当する信号電流が、基準電位PV1と接地電位PVEとの間を流れることによってバランスをとる。
従って、この帯電微粒子SCにより排出された排出イオンCPHの電荷量に対応する信号電流を回路部201で検知することにより、排気ガスEG中の微粒子Sの量を検知できる。これにより、本実施形態では、帯電微粒子SCの電荷量に基づいて(詳細には、帯電微粒子SCの電荷量に応じて、基準電位PV1と接地電位PVEとの間を流れる信号電流に基づいて)、排気ガスEG(被測定ガス)中の微粒子Sの量を検知する。
ところで、従来の溶接構造のガス接触構造体では、高温の排気ガスEGが接触することで、他の部位よりも腐食しやすい溶接部(溶接による接合部)が腐食し、この腐食によって、ガス接触構造体の内部と外部との間を連通する貫通孔が開いてしまう虞があった。このために、気中放電により生成されたイオンCPの一部が、ガス接触構造体の内部において排気ガスEGに含まれる微粒子Sに付着することなく、この貫通孔を通じてガス接触構造体の外部に漏出する虞があった。これにより、排気ガスEG中の微粒子Sの量を適切に検知することができなくなる虞があった。
これに対し、本実施形態の微粒子センサ1では、前述のように、ガス接触構造体2が、金属焼結体であるホルダ部材50とノズル部材35と混合排出部材37と蓋部材39が、拡散接合された状態で一体となっている。換言すれば、ガス接触構造体2は、構成部材である4つの金属焼結体(ホルダ部材50とノズル部材35と混合排出部材37と蓋部材39)が、拡散接合部K1,K2,K3,K4によって接合されて一体とされている(図8及び図9参照)。拡散接合された接合部(拡散接合部K1,K2,K3,K4)は、溶接された接合部(溶接部)に比べて、高い耐食性を示す。
従って、本実施形態のガス接触構造体2では、溶接構造のガス接触構造体に比べて、接合部の腐食によってガス接触構造体に貫通孔が開いてしまう不具合が生じ難くなるので、「気中放電により生成されたイオンCPの一部が、ガス接触構造体2の内部において排気ガスEG中に含まれる微粒子Sに付着することなく、接合部の腐食によって生じた貫通孔を通じてガス接触構造体2の外部に漏出し、排気ガスEG中の微粒子Sの量を適切に検知することができなくなる不具合」が生じ難くなる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態では、ガス接触構造体2の構成部材である金属焼結体(ホルダ部材50とノズル部材35と混合排出部材37と蓋部材39)を、HK−30(SUS310S相当品)によって形成したが、他の金属によって形成するようにしても良い。
また、実施形態では、ガス接触構造体2の複数の構成部材(ホルダ部材50とノズル部材35と混合排出部材37と蓋部材39)である金属焼結体を、いずれも同一の金属(HK−30)によって形成した。しかしながら、ガス接触構造体の複数の構成部材のうち、少なくとも1つの構成部材を、他の構成部材とは異なる金属によって形成するようにしても良い。
1 微粒子センサ
2 ガス接触構造体
2G ガス接触構造体のグリーン体
5 センサ本体部
10 外側金具
30 内側金具
35 ノズル部材(構成部材、金属焼結体)
35G ノズル部材のグリーン体
35h ガス導入口
37 混合排出部材(構成部材、金属焼結体)
37G 混合排出部材のグリーン体
37h ガス排出口
39 蓋部材(構成部材、金属焼結体)
39G 蓋部材のグリーン体
50 ホルダ部材(構成部材、金属焼結体)
50G ホルダ部材のグリーン体
70 放電電極体
80 補助電極体
201 回路部
CP イオン
EG 排気ガス(被測定ガス)
EP 排気管(通気管)
GH 軸線方向
GK 軸線方向の後端側
GS 軸線方向の先端側
IS ガス流通路
K1,K2,K3,K4 拡散接合部
PVE 接地電位
PV1 基準電位
PV4 補助電位
S 微粒子
SC 帯電微粒子

Claims (2)

  1. 通気管に装着されて、前記通気管の内部を流通する被測定ガス中の微粒子の量を検知する微粒子センサであって、
    複数の構成部材からなり、前記通気管内を流通する前記被測定ガスが接触するガス接触構造体、を備える
    微粒子センサにおいて、
    前記ガス接触構造体は、複数の金属焼結体からなり、複数の前記金属焼結体が拡散接合された状態で一体となっている
    微粒子センサ。
  2. 請求項1に記載の微粒子センサであって、
    前記ガス接触構造体は、筒状をなし、前記微粒子を含む前記被測定ガスを当該ガス接触構造体の内部に取り入れるガス導入口、及び、前記被測定ガスを当該ガス接触構造体の外部に排出するガス排出口を有し、
    前記微粒子センサは、気中放電により生成したイオンを、前記ガス接触構造体の内部において前記被測定ガス中に含まれる前記微粒子に付着させて、帯電した帯電微粒子を生成し、前記ガス排出口を通じて前記ガス接触構造体の外部に排出された前記帯電微粒子に含まれる前記イオンの量に応じて流れる信号電流を用いて、前記被測定ガス中の前記微粒子の量を検知する
    微粒子センサ。
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