以下に、本発明の実施の形態にかかる換気システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる換気システム100の構成を示す図である。図1では集塵部である電気集塵機14が換気装置である熱交換換気装置1の外部に設けられて使用される場合について説明する。なお、図1では、屋外側給気用ダクト15a、室内側排気用ダクト16bおよび熱交換換気装置1の一面を透過して見た場合に見える構造を示している。
本実施の形態1にかかる換気システム100は、熱交換換気装置1と、電気集塵機14と、屋外汚れ量検知部17と、を備える。
まず、熱交換換気装置1について説明する。熱交換換気装置1は、天井裏の空間、または外壁と内壁との間の空間に取り付けられ、接続されたダクトを介した給排気によって換気の対象空間である室内を換気する換気装置である。熱交換換気装置1は、図示しない電源から駆動電力が供給される。
熱交換換気装置1は、本体を構成する筐体1aを備える。筐体1aの側面には、屋外吸込口10、屋外吹出口11、室内吸込口12および室内吹出口13が設けられている。
屋外吸込口10、屋外吹出口11、室内吸込口12および室内吹出口13は、ダクトに接続される。屋外吸込口10と屋外吹出口11とは、筐体1aの一方の側面1bに設けられ、建物の外部に連通したダクトを介して屋外空間に連通される。室内吹出口13と室内吸込口12とは、筐体1aにおいて一方の側面1bと対向する他方の側面1cに設けられ、室内に連通したダクトを介して室内空間に連通される。
屋外吸込口10には、屋外に連通した屋外側給気用ダクト15aが接続されている。室内吹出口13には、室内に連通した室内側給気用ダクト15bが接続されている。室内吸込口12には、室内に連通した室内側排気用ダクト16bが接続されている。屋外吹出口11には、屋外に連通した屋外側排気用ダクト16aが接続されている。
筐体1aの内部には、熱交換器2、給気用送風機3、排気用送風機4、給気側エアフィルター6、排気側エアフィルター7、仕切壁21、仕切壁22、仕切壁23および仕切壁24が設けられている。
熱交換器2である熱交換素子には、給気流が通る熱交換器給気風路2aと、排気流が通る熱交換器排気風路2bと、が互いに独立して形成されている。熱交換器給気風路2aと熱交換器排気風路2bとは、熱交換器2において交差して設けられている。これにより、熱交換器2は、熱交換器給気風路2aを流れる空気と熱交換器排気風路2bを流れる空気との間で熱および湿度を交換する熱交換が可能となっている。本実施の形態1においては、熱交換器給気風路2aと熱交換器排気風路2bとは、熱交換器2において直交して設けられている。すなわち、熱交換器2では、熱交換器給気風路2aを流れる空気の進行方向と、熱交換器排気風路2bを流れる空気の進行方向とは、直交している。
筐体1aの内部には、熱交換器2の熱交換器給気風路2aを介して屋外吸込口10と室内吹出口13とを連通させる給気風路と、熱交換器2の熱交換器排気風路2bを介して室内吸込口12と屋外吹出口11とを連通させる排気風路とが互いに独立して形成されている。すなわち、筐体1aの内部には、建物の外部と室内とを、屋外吸込口10および室内吹出口13を通じて繋いで建物の外部の空気を室内へ給気するための給気風路と、室内と建物の外部とを、室内吸込口12および屋外吹出口11を通じて繋いで室内の空気を屋外へ排気するための排気風路と、が設けられている。
給気風路は、上流側給気風路31aと、上述した熱交換器給気風路2aと、下流側給気風路31bと、に分けられる。上流側給気風路31aは、熱交換器2よりも上流側の給気風路であり、屋外吸込口10から熱交換器2までの給気流の通風路である。熱交換器給気風路2aは、熱交換器2における給気流の通風路である。下流側給気風路31bは、熱交換器2よりも下流側の給気風路であり、熱交換器2から室内吹出口13までの給気流の通風路である。給気流は、屋外吸込口10から吸い込まれた後に室内吹出口13から吹き出されて室内に給気される屋外空気の流れである。図1においては、給気流を破線矢印Aで示している。
排気風路は、上流側排気風路32aと、上述した熱交換器排気風路2bと、下流側排気風路32bと、に分けられる。上流側排気風路32aは、熱交換器2よりも上流側の排気風路であり、室内吸込口12から熱交換器2までの排気流の通風路である。熱交換器排気風路2bは、熱交換器2における排気流の通風路である。下流側排気風路32bは、熱交換器2よりも下流側の排気風路であり、熱交換器2から屋外吹出口11までの排気流の通風路である。排気流は、室内吸込口12から吸い込まれた後に屋外吹出口11から吹き出されて屋外に排気される室内空気の流れである。図1においては、排気流を実線矢印Bで示している。
上流側給気風路31aと上流側排気風路32aとは、筐体1aの内部において熱交換器2と仕切壁21とにより仕切られている。下流側給気風路31bと下流側排気風路32bとは、筐体1aの内部において熱交換器2と仕切壁22とにより仕切られている。上流側給気風路31aと下流側排気風路32bとは、筐体1aの内部において熱交換器2と仕切壁23とにより仕切られている。そして、上流側排気風路32aと下流側給気風路31bとは、筐体1aの内部において熱交換器2と仕切壁24とにより仕切られている。
給気風路における下流側、すなわち下流側給気風路31bには、給気用送風機モーターにより駆動されて給気風路の入口端から出口端へ向かう給気流の流れを生成する給気用送風機3が組み込まれている。給気用送風機3が駆動することにより、屋外空気は、屋外吸込口10より吸い込まれ、熱交換器2を通過して、室内吹出口13より室内空間へと給気される。
また、排気風路の下流側、すなわち下流側排気風路32bには、排気用送風機モーターにより駆動されて排気風路の入口端から出口端へ向かう排気流の流れを生成する排気用送風機4が組み込まれている。排気用送風機4が駆動することにより、室内空気は、室内吸込口12より吸い込まれ、熱交換器2を通過して、屋外吹出口11より屋外空間へと排気される。
給気側エアフィルター6は、熱交換器2のうち給気流が流入する面に着脱可能に設置されている。給気側エアフィルター6は、屋外空気に混在する塵埃、花粉、微小粒子状物質などの汚れである空気中浮遊物による熱交換器2の目詰まりを防止する目的で設けられている。給気側エアフィルター6は、後述する電気集塵機14で集塵しきれなかった汚れの集塵を行うが、目詰まりした場合に洗浄することが困難であり、一定期間使用した後は取り替え交換を行うのが一般的である。
排気側エアフィルター7は、熱交換器2のうち排気流が流入する面に着脱可能に設置されている。排気側エアフィルター7は、室内空気に混在する塵埃、花粉、微小粒子状物質などの汚れである空気中浮遊物による熱交換器2の目詰まりを防止する目的で設けられている。排気側エアフィルター7は、目詰まりした場合に洗浄することが困難であり、一定期間使用した後は取り替え交換を行うのが一般的である。
なお、図1において、符号OAは外気(Outdoor Air)である屋外空気、符号SAは給気(Supply Air)、符号RAは還気(Return Air)、符号EAは排気(Exhaust Air)を示している。
外気OAは、屋外から、屋外側給気用ダクト15aを介して、屋外吸込口10から上流側給気風路31aへ流入する。上流側給気風路31aへ流入した給気流は、給気側エアフィルター6、熱交換器2および給気用送風機3を経て、室内吹出口13に至る。室内吹出口13に到達した給気流は、室内側給気用ダクト15bを介して、給気SAとして室内へ吹き出される。
還気RAは、室内から、室内側排気用ダクト16bを介して、室内吸込口12から上流側排気風路32aへ流入する。上流側排気風路32aへ流入した排気流は、排気側エアフィルター7、熱交換器2、排気用送風機4を経て、屋外吹出口11へ至る。屋外吹出口11に到達した排気流は、屋外側排気用ダクト16aを介して、排気EAとして、屋外へ吹き出される。
屋外側給気用ダクト15aの途中部には、電気集塵機14が設けられている。電気集塵機14は、荷電部および集塵部を有しており、荷電部にたとえば10kVといった電圧を印加することで、放電空間を形成する。そして、放電空間を通過する空気中の汚れをプラスまたはマイナスに帯電させ、帯電した汚れとは反対電位である集塵部にクーロン力で吸着させて集塵する。一般に荷電部および集塵部は、水洗い等の清掃が可能であるため、取り替え交換が不要である。
屋外側給気用ダクト15aにおける電気集塵機14の上流側には、屋外汚れ量検知部17が設置されている。屋外汚れ量検知部17は、電気集塵機14に流入する屋外空気中の汚れ量を検知する検知部であり、第1の汚れ量検知部である。すなわち、屋外汚れ量検知部17は、屋外空気中の汚れ量の情報を取得する第1の汚れ量取得部である。汚れ量は、電気集塵機14によって清浄可能な空気中の汚れの量であり、具体的には空気中に存在して電気集塵機14によって清浄可能な空気中浮遊物の量である。
屋外汚れ量検知部17は、電気集塵機14に流入する屋外空気中の汚れ量を、あらかじめ決められた周期で検知する。すなわち、屋外汚れ量検知部17は、屋外側給気用ダクト15aの内部における電気集塵機14の上流側の領域を流れる屋外空気中の汚れ量を検知する。あらかじめ決められた周期の情報は、屋外汚れ量検知部17に記憶し、適宜変更可能としてもよい。
また、屋外汚れ量検知部17は、検知結果である屋外空気中の汚れ量の情報を制御部5に送信する。屋外汚れ量検知部17と制御部5との通信は、赤外線通信、WiFi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)といった無線通信であってもよく、また有線通信であってもよい。屋外汚れ量検知部17は、PM2.5センサおよび埃センサといった、空気中の汚れ量を検知できる検知装置が用いられる。
また、筐体1aには、熱交換換気装置1の動作を制御する制御部5が、筐体1aにおける1つの側面に配置されている。制御部5は、給気用送風機3および排気用送風機4と通信可能とされており、給気用送風機3および排気用送風機4の動作を制御する。制御部5は、給気用送風機3および排気用送風機4に対して、運転を指示する運転指示信号、および停止を指示する停止指示信号を出力することにより、給気用送風機3および排気用送風機4の動作を制御する。すなわち、制御部5は、給気用送風機3と排気用送風機4との動作を制御する制御部としての機能を有する。
また、制御部5は、熱交換換気装置1の運転中、すなわち給気用送風機3および排気用送風機4の運転中に、屋外空気中の汚れ量に基づいて、給気用送風機3および排気用送風機4の風量を低減させる制御を行う。なお、制御部5は、筐体1aの内部に設けられてもよい。
また、制御部5は、たとえば、図2に示したハードウェア構成の処理回路として実現される。図2は、本発明の実施の形態1にかかる処理回路のハードウェア構成の一例を示す図である。制御部5は、たとえば、図2に示すプロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実現してもよい。また、制御部5の機能のうちの一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ101およびメモリ102を用いて実現するようにしてもよい。
制御部5には、制御部5と通信可能なリモートコントローラー25が接続されている。リモートコントローラー25は、熱交換換気装置1の換気動作等の各種制御についての指令を受け付ける。リモートコントローラー25は、ユーザから受け付けた各種指令を、制御部5に送信する。制御部5は、リモートコントローラー25から送信された各種指令に基づいて、熱交換換気装置1の換気動作等の制御を行う。リモートコントローラー25と制御部5との通信は、赤外線通信、WiFi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)といった無線通信であってもよく、また有線通信であってもよい。
上述した換気システム100において、熱交換器2の熱交換器給気風路2aを介して屋外吸込口10と室内吹出口13とを連通させる給気風路と、給気用送風機3とは、屋外空気を室内に給気する給気部を構成する。また、熱交換器2の熱交換器排気風路2bを介して室内吸込口12と屋外吹出口11とを連通させる排気風路と排気用送風機4とは、室内空気を屋外に排気する排気部を構成する。
つぎに、本発明の実施の形態1にかかる換気システム100の動作について説明する。図3は、本発明の実施の形態1にかかる換気システム100における換気運転の制御の手順を示すフローチャートである。
まず、換気システム100の換気運転が開始される。ユーザがリモートコントローラー25を操作することにより、リモートコントローラー25から制御部5に換気運転の運転指示信号が送信される。制御部5は、リモートコントローラー25から送信された運転指示信号に従って給気用送風機3および排気用送風機4に運転指令を送信する。給気用送風機3および排気用送風機4は、制御部5から送信された運転指令に従って運転を開始する。これにより、換気システム100の換気運転が開始される。なお、換気システム100の換気運転開始時において、給気風量と排気風量とは同じ風量とされている。給気風量は、給気用送風機3の風量、すなわち給気用送風機3が生成する給気流の風量である。排気風量は、排気用送風機4の風量、すなわち排気用送風機4が生成する排気流の風量である。
換気システム100の換気運転が開始されると、ステップS10において屋外汚れ量検知部17が、電気集塵機14に流入する屋外空気中の汚れ量をあらかじめ決められた周期で検知する。すなわち、屋外汚れ量検知部17は、屋外側給気用ダクト15aの内部における電気集塵機14の上流側の領域を流れる屋外空気中の汚れ量を検知する。屋外汚れ量検知部17は、検知結果を制御部5に送信する。
制御部5は、屋外空気中の汚れ量の検知結果を受信すると、ステップS20において、あらかじめ決められた第1の閾値と検知結果とに基づいて、屋外空気中の汚れ量が第1の閾値以下であるか否かを判定する。第1の閾値は、給気風量と排気風量とを低減させるか否かを制御部5が判定するための基準値である。第1の閾値は、あらかじめ制御部5に記憶されており、リモートコントローラー25を操作することにより適宜変更可能である。また、第1の閾値を変更するためのスイッチを別途設けてもよい。
屋外空気中の汚れ量が第1の閾値以下である場合、すなわちステップS20においてYesの場合は、ステップS10に戻る。屋外汚れ量検知部17により検知された屋外空気中の汚れ量が第1の閾値以下である場合は、屋外空気が電気集塵機14内を通過する時間が短くても、屋外空気中の空気中浮遊物を電気集塵機14で適切に捕集でき、清浄された空気を室内へ供給することが可能である。この場合、制御部5は、給気風量と排気風量とを変化させず、維持する制御を行う。
たとえば、風量が強い強運転と風量が弱い弱運転との2ノッチの風量での換気運転が可能な熱交換換気装置1において強運転が行われている場合には、制御部5は、強運転で換気運転を継続させる制御を行う。
一方、屋外空気中の汚れ量が第1の閾値より多い場合、すなわちステップS20においてNoの場合は、ステップS30に進む。
ステップS30において制御部5は、給気用送風機3の風量を低減させることにより給気風量を低減させる制御を行う。屋外空気中の汚れ量が第1の閾値より多い場合は、屋外空気が電気集塵機14内を通過する時間が短いと、屋外空気中の空気中浮遊物を電気集塵機14で適切に捕集することができない。そこで、制御部5は、給気風量を低減させて、屋外空気が電気集塵機14内を通過する時間を給気風量の変更前よりも長くする制御を行う。屋外空気が電気集塵機14内を通過する時間を給気風量の変更前よりも長くすることによって、電気集塵機14を通過する屋外空気中の空気中浮遊物の集塵効率を給気風量の変更前よりも向上させて、より清浄された空気を室内へ供給することができる。
また、給気風量のみを低減させた場合には、室内が負圧となり扉が開き難くなるといった問題が生じる。そこで、ステップS40において制御部5は、給気風量を低減させると同時に、排気風量を給気風量と同じ風量に低減させる制御を行う。これにより、給気風量を低減させて換気運転を行う場合においても、室内の圧力を一定に保つことができ、扉が開き難くなるといった問題が生じない。
すなわち、たとえば、強運転と弱運転との2ノッチの風量での換気運転が可能な熱交換換気装置1において強運転が行われている場合には、制御部5は、風量のノッチを1段階下げて弱運転で換気運転させる制御を行う。
給気風量と排気風量とを低減させた後、ステップS50において屋外汚れ量検知部17が、電気集塵機14に流入する屋外空気中の汚れ量を検知する。すなわち、屋外汚れ量検知部17は、屋外側給気用ダクト15aの内部における電気集塵機14の上流側の領域を流れる屋外空気中の汚れ量を検知する。屋外汚れ量検知部17は、検知結果を制御部5に送信する。
制御部5は、屋外汚れ量検知部17から新たな屋外空気中の汚れ量の検知結果を受信する。ステップS60において制御部5は、屋外汚れ量検知部17から新たに受信した屋外空気中の汚れ量の検知結果に基づいて、屋外空気中の汚れ量が第1の閾値以下であるか否かを判定する。
屋外空気中の汚れ量が第1の閾値より多い場合、すなわちステップS60においてNoの場合は、ステップS50に戻る。
一方、電気集塵機14に流入する屋外空気中の汚れ量が第1の閾値以下である場合、すなわちステップS60においてYesの場合は、ステップS70に進む。ステップS70において制御部5は、給気風量を、ステップS30において低減させる前の元の状態に戻す制御を行い、また排気風量を、ステップS40において低減させる前の元の状態に戻す制御を行う。これにより、給気風量と排気風量とが元の状態の同一の風量である換気運転が行われる。ステップS70の後は、ステップS10に戻る。
なお、上記においては強運転と弱運転との2ノッチの換気運転が可能な熱交換換気装置1を例に説明したが、風量ノッチを異なる3ノッチの風量に切り換えて換気運転が可能な熱交換換気装置1の場合には、制御部5は、異なる風量ノッチの換気運転毎に第1の閾値に相当する閾値をあらかじめ記憶しておき、屋外空気中の汚れ量が増えるにつれて段階的に風量ノッチを弱い風量ノッチに下げる制御を行ってもよい。
また、制御部5は、屋外空気中の汚れ量が増えるにつれて、給気風量と排気風量とを、屋外空気中の汚れ量に対して正比例的に低減させる制御、すなわち屋外空気中の汚れ量に対して無段階に低減させる制御を行ってもよい。
上記のように、換気システム100は、屋外汚れ量検知部17において検知された屋外空気中の汚れ量に基づいて容易に給気風量の風量制御を自動で行うことができる。そして、換気システム100は、屋外空気の汚れ量が第1の閾値よりも多い場合に給気風量を低減させることで、電気集塵機14は、屋外空気中の空気中浮遊物の集塵効率を常に高く維持することが可能となる。
また、換気システム100は、給気風量を低減させると同時に排気風量も低減させるため、室内の圧力を一定に保つことができ、給気風量と排気風量との不均衡により室内の扉が開き難くなるといった問題の発生を防止することができる。さらに、給気風量および排気風量を低減させることで、換気システム100の消費電力の削減、一定時間に取り込む汚れ量の減少に伴う電気集塵機14のメンテナンス回数の削減、熱交換器2の熱交換効率の向上といった効果が得られる。さらに、電気集塵機14の集塵効率が向上するため、電気集塵機14の後段に設置されている給気側エアフィルター6の長寿命化または削除が可能となる。
なお、給気風量と排気風量とが同じ風量でなくても、給気風量と排気風量との両方を下げることにより、給気風量のみを下げた場合と比較して、給気風量を下げることにより生じる室内の負圧の度合いを抑制することができる。
また、図1においては、1つの屋外汚れ量検知部17を屋外側給気用ダクト15aの途中部分に設置する場合について示しているが、屋外空気中の汚れ量を検知できる場所であれば、屋外汚れ量検知部17の設置場所は限定されない。また、屋外汚れ量検知部17の個数についても制限は無く、たとえば、屋外に複数の屋外汚れ量検知部17を設置し、複数の屋外汚れ量検知部17で検知された検知結果の平均を屋外空気中の汚れ量としてもよい。
また、屋外汚れ量検知部17は、センサに限らず、屋外空気中の汚れ量を通信等により他の機器から取得するための受信部とされてもよい。すなわち、屋外空気中の汚れ量の情報を取得する第1の汚れ量取得部は、屋外空気中の汚れ量の情報を通信等により他の機器から取得するための受信部であってもよい。受信部は、他の機器から入手した屋外空気中の汚れ量の検知結果を制御部5に送信する。
また、本実施の形態1にかかる換気システム100は、たとえば図1に示すように室内における人の有無を検知する人検知部19を室内に備えて、室内における人の有無を判別してもよい。人検知部19は、人の有無の検知結果を制御部5に送信する。人検知部19には、たとえば人感センサが用いられる。
図4は、本発明の実施の形態1にかかる換気システム100における給気風量と排気風量との低減条件を示す図である。屋外空気の汚れ量のみを検知する場合には、たとえば図4に示す条件設定表のような条件が設定される。図4に示す条件設定表は、あらかじめ制御部5に記憶される。制御部5は、図4に示す条件設定表に設定された条件に基づいて、給気風量と排気風量との低減度合いを制御する。
図4における「多」の表記は、屋外空気中の汚れ量が第1の閾値より多い場合を示し、「少」の表記は、屋外空気中の汚れ量が第1の閾値以下の場合を示す。図4に示す条件設定表に設定された条件1、条件2、条件3および条件4は、各々異なる風量を指定する条件である。図4に示す条件設定表に設定された条件では、風量の大小関係は、「条件1<条件2<条件3<条件4」であり、電気集塵機14の集塵効率の大小関係は、「条件4<条件3<条件2<条件1」である。また、条件3および条件4については、屋外空気の汚れが少ないため、あらかじめ「給気風量と排気風量変更なし」、または「停止」に設定しておいてもよい。
図4に示す条件設定表では、条件1を満たす場合に給気風量と排気風量との低減度合いを最も大きくして、電気集塵機14の集塵効率を最も高くするように設定されている。これにより、室内に人が居る場合であって、且つ屋外空気中の汚れ量が第1の閾値より多い場合に、電気集塵機14の集塵効率を最も高くすることができ、人が居る室内に、より清浄化された空気を提供することが可能となる。
つぎに、図4に示す条件設定表に従った換気システム100の動作について説明する。図5は、本発明の実施の形態1にかかる換気システム100における図4に示す条件設定表に従った換気運転の制御の手順を示すフローチャートである。
換気システム100の換気運転が開始されると、ステップS110においてステップS10と同様の処理が実施される。
制御部5は、屋外空気中の汚れ量の検知結果を受信すると、ステップS120において、ステップS20と同様に、屋外空気中の汚れ量が第1の閾値以下であるか否かを判定する。屋外空気中の汚れ量が第1の閾値より多い場合、すなわちステップS120においてNoの場合は、ステップS130に進む。屋外空気中の汚れ量が第1の閾値以下である場合、すなわちステップS120においてYesの場合は、ステップS180に進む。
ステップS130において、制御部5は、室内に人が居るか否かを判定する。すなわち、人検知部19が、室内の人の有無を検知し、検知結果を制御部5に送信する。そして、制御部5は、人検知部19における室内の人の有無の検知結果に基づいて、室内に人が居るか否かを判定する。室内に人が居る場合、すなわちステップS130においてYesの場合は、ステップS140に進む。室内に人が居ない場合、すなわちステップS130においてNoの場合は、ステップS170に進む。
ステップS140では、制御部5は、室内の人の有無の検知結果と図4に示す条件設定表とに基づいて、給気風量と排気風量との低減に適用する風量の条件を条件1と決定する。
ステップS170では、制御部5は、室内の人の有無の検知結果と図4に示す条件設定表とに基づいて、給気風量と排気風量との低減に適用する風量の条件を条件2と決定する。
一方、ステップS120においてYesの場合、ステップS180において、制御部5は、室内に人が居るか否かを判定する。すなわち、人検知部19が、室内の人の有無を検知し、検知結果を制御部5に送信する。そして、制御部5は、人検知部19における室内の人の有無の検知結果に基づいて、室内に人が居るか否かを判定する。室内に人が居る場合、すなわちステップS180においてYesの場合は、ステップS190に進む。室内に人が居ない場合、すなわちステップS180においてNoの場合は、ステップS200に進む。
ステップS190では、制御部5は、室内の人の有無の検知結果と図4に示す条件設定表とに基づいて、給気風量と排気風量との低減に適用する風量の条件を条件3と決定する。
ステップS200では、制御部5は、室内の人の有無の検知結果と図4に示す条件設定表とに基づいて、給気風量と排気風量との低減に適用する風量の条件を条件4と決定する。
ステップS150において制御部5は、ステップS140、ステップS170、ステップS190またはステップS200において決定された条件に従って、給気風量を、決定された条件に対応した給気風量に設定する。すなわち、制御部5は、給気用送風機3の風量を、ステップS140、ステップS170、ステップS190またはステップS200において決定された条件に対応した給気風量に変更する制御を行う。
つぎに、ステップS160において制御部5は、給気風量を変更すると同時に、排気風量を給気風量と同じ風量に設定する。すなわち、制御部5は、排気用送風機4の風量を給気用送風機3の風量と同じ風量に変更する制御を行う。その後、ステップS110に戻る。
なお、図4は、給気風量と排気風量とを低減させる制御を行う場合の条件の一例であり、屋外空気の汚れ量よりも室内の人の有無を重視する条件とする、室内の人の有無より汚れ量を重視する条件とする、など任意の条件を設定してもよい。
上述した本実施の形態1にかかる換気システム100は、屋外空気中の汚れ量が第1の閾値より多い場合に、給気風量と排気風量とを自動で低減させて電気集塵機14の集塵効率を向上させることができる。これにより、換気システム100は、室内空気中の汚れ量を現状の室内空気中の汚れ量よりも少なくする換気運転を容易に行うことができ、より効率的な室内空気の清浄化が可能となる。
また、換気システム100は、屋外空気中の汚れ量に基づいて給気風量を低減した場合に、排気風量を給気風量と同じ風量に自動で低減させる制御を行う。これにより、換気システム100は、屋外空気中の汚れ量に基づいて給気風量を低減させて換気運転を行う場合においても、室内の圧力を一定に保つことが可能であり、給気風量の低減に起因して扉が開き難くなるといった問題が生じない。
また、換気システム100の電気集塵機14は、荷電部を複数備えるなどの複雑な構成を有しておらず、簡単な構成および簡単な制御で空気中浮遊物を集塵して空気を清浄化可能である。また、換気システム100は、屋外空気中の汚れ量に基づいて給気風量を低減するため、給気風量を低減する場合における空気中浮遊物の大きさに制約がない。
したがって、本実施の形態1にかかる換気システム100は、簡単な構成および制御によって、室内圧力を調整しつつ集塵効率を向上させて、より効率的な室内空気の清浄化が可能となる。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2にかかる換気システム200の構成を示す図である。図6は、図1に対応した図である。図6では、電気集塵機14が、熱交換換気装置1に接続されて使用される場合を例にして説明する。本実施の形態2にかかる換気システム200は、室内汚れ量検知部18をさらに備える点が、上述した実施の形態1にかかる換気システム100と異なる。
室内汚れ量検知部18は、熱交換換気装置1に流入する室内空気中の汚れ量を検知する検知部であり、第2の汚れ量検知部である。すなわち、室内汚れ量検知部18は、室内空気中の汚れ量の情報を取得する第2の汚れ量取得部である。
室内汚れ量検知部18は、室内側排気用ダクト16b内に配置され、熱交換換気装置1に流入する室内空気中の汚れ量を、あらかじめ決められた周期で検知する。すなわち、室内汚れ量検知部18は、室内側排気用ダクト16bを流れる室内空気中の汚れ量を検知する。あらかじめ決められた周期の情報は、室内汚れ量検知部18に記憶し、適宜変更可能としてもよい。また、室内汚れ量検知部18は、検知結果を制御部5に送信する。室内汚れ量検知部18と制御部5との通信は、赤外線通信、WiFi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)といった無線通信であってもよく、また有線通信であってもよい。
室内汚れ量検知部18は、PM2.5センサおよび埃センサといった、空気中の汚れ量を検知できる検知装置が用いられる。なお、室内汚れ量検知部18に用いられる検知装置は、屋外汚れ量検知部17と同じ種類のセンサとされる。これにより、換気システム200は、屋外空気中の汚れ量と室内空気中の汚れ量とを比較することが可能である。
制御部5は、屋外汚れ量検知部17における検知結果と室内汚れ量検知部18における検知結果とを受信すると、屋外汚れ量検知部17における検知結果である屋外空気中の汚れ量と、室内汚れ量検知部18における検知結果である室内空気中の汚れ量と、を比較する。
屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量以下である場合は、室内に給気される屋外空気が室内空気を汚すおそれが無い。したがって、制御部5は、屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量以下である場合は、ユーザにより設定された換気運転、すなわちユーザにより設定された循環運転を行う制御を行う。
一方、屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量より多い場合は、室内に給気される屋外空気が室内空気を汚すおそれがある。このため、制御部5は、屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量より多い場合は、給気風量と排気風量とを、現在行っている循環運転の設定、すなわちユーザにより設定された換気運転の設定よりも低減させる制御を行う。
すなわち、制御部5は、給気風量を低減させて、屋外空気が電気集塵機14内を通過する時間を給気風量の変更前よりも長くする制御を行う。屋外空気が電気集塵機14内を通過する時間を給気風量の変更前よりも長くすることによって、電気集塵機14を通過する屋外空気中の空気中浮遊物の集塵効率を給気風量の変更前よりも向上させて、より清浄された空気を室内へ供給することができる。
また、給気風量のみを低減させた場合には、室内が負圧となり扉が開き難くなるといった問題が生じる。そこで制御部5は、排気風量を給気風量と同じ風量に低減させる制御を行う。これにより、給気風量を低減させて換気運転を行う場合においても、室内の圧力を一定に保つことができ、扉が開き難くなるといった問題が生じない。
つぎに、本発明の実施の形態2にかかる換気システム200の動作について説明する。図7は、本発明の実施の形態2にかかる換気システム200における換気運転の制御の手順を示すフローチャートである。
換気システム200の換気運転が開始されると、ステップS310においてステップS10と同様の処理が実施される。
また、ステップS320において室内汚れ量検知部18が、熱交換換気装置1に流入する室内空気中の汚れ量をあらかじめ決められた周期で検知する。すなわち、室内汚れ量検知部18は、室内側排気用ダクト16bを流れる室内空気中の汚れ量を検知する。室内汚れ量検知部18は、検知結果を制御部5に送信する。
制御部5は、屋外汚れ量検知部17で検知された屋外空気中の汚れ量の検知結果、および室内汚れ量検知部18で検知された室内空気中の汚れ量の検知結果を受信する。ステップS330において、制御部5は、屋外空気中の汚れ量の検知結果と室内空気中の汚れ量の検知結果とを比較し、屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量以下であるか否かを判定する。
屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量以下である場合、すなわちステップS330においてYesの場合は、ステップS310に戻る。
屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量より多い場合、すなわちステップS330においてNoの場合は、ステップS340に進む。ステップS340において制御部5は、給気風量を低減させる制御を行う。屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量より多い場合は、室内に給気される屋外空気が室内空気を汚すおそれがある。このため、制御部5は、給気風量を低減させて、屋外空気が電気集塵機14内を通過する時間を給気風量の変更前よりも長くする制御を行う。これにより、換気システム200は、電気集塵機14を通過する屋外空気中の空気中浮遊物の集塵効率を給気風量の変更前よりも向上させて、より清浄された空気を室内へ供給することができる。
また、給気風量のみを低減させた場合には、室内が負圧となり扉が開き難くなるといった問題が生じる。そこで、ステップS350において制御部5は、排気風量を給気風量と同じ風量に低減させる制御を行う。これにより、給気風量を低減させて換気運転を行う場合においても、室内の圧力を一定に保つことができ、扉が開き難くなるといった問題が生じない。
給気風量と排気風量とを低減させた後、ステップS360において屋外汚れ量検知部17が、電気集塵機14に流入する屋外空気中の汚れ量を検知する。すなわち、屋外汚れ量検知部17は、屋外側給気用ダクト15aの内部における電気集塵機14の上流側の領域を流れる屋外空気中の汚れ量を検知する。屋外汚れ量検知部17は、検知結果を制御部5に送信する。
また、ステップS370において室内汚れ量検知部18が、熱交換換気装置1に流入する室内空気中の汚れ量を検知する。すなわち、室内汚れ量検知部18は、室内側排気用ダクト16bを流れる室内空気中の汚れ量を検知する。室内汚れ量検知部18は、検知結果を制御部5に送信する。
制御部5は、屋外汚れ量検知部17で新たに検知された屋外空気中の汚れ量の検知結果、および室内汚れ量検知部18で新たに検知された室内空気中の汚れ量の検知結果を受信する。ステップS380において制御部5は、新たに受信する屋外空気中の汚れ量の検知結果および新たに受信する室内空気中の汚れ量の検知結果に基づいて、屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量以下であるか否かを判定する。
屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量より多い場合、すなわちステップS380においてNoの場合は、ステップS360に戻る。
屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量以下である場合、すなわちステップS380においてYesの場合は、ステップS390に進む。ステップS390において制御部5は、給気風量を、ステップS340において低減させる前の元の状態に戻す制御を行う。また、制御部5は、排気風量を、ステップS350において低減させる前の元の状態に戻す制御を行う。これにより、給気風量と排気風量とが元の状態の同一の風量である換気運転が行われる。ステップS390の後は、ステップS310に戻る。
上述した制御では、屋外空気中の汚れ量と室内空気中の汚れ量との比較結果に基づいて、室内に給気される屋外空気が室内を汚すおそれが有る場合に、給気風量との排気風量とを自動で低減させて電気集塵機14の集塵効率を向上させることができる。これにより、換気システム200は、室内空気中の汚れ量を現状の室内空気中の汚れ量以下にする換気運転を容易に行うことができ、より効率的な室内空気の清浄化が可能となる。
また、上述した制御では、屋外空気中の汚れ量と室内空気中の汚れ量との比較結果に基づいて給気用送風機3の給気風量を低減した場合に、排気風量を給気風量と同じ風量に自動で低減させる制御を行う。これにより、換気システム200は、屋外空気中の汚れ量と室内空気中の汚れ量との比較結果に基づいて給気風量を低減させて換気運転を行う場合においても、室内の圧力を一定に保つことが可能であり、給気風量の低減に起因して扉が開き難くなるといった問題が生じない。
なお、上記においては屋外空気中の汚れ量と室内空気中の汚れ量とを比較する場合について説明したが、屋外空気中の汚れ量と室内空気中の汚れ量との各々に閾値を設け、給気風量および排気風量を制御してもよい。また、閾値を任意に設定できるようにスイッチを設けてもよい。たとえば、都会などの空気が汚れている場所では閾値を低くし、空気がきれいな場所では閾値を高く設定する。
図8は、本発明の実施の形態2にかかる換気システム200における他の換気運転の制御の手順を示すフローチャートである。
換気システム200の換気運転が開始されると、ステップS410においてステップS10と同様の処理が実施される。
また、ステップS420において室内汚れ量検知部18が、熱交換換気装置1に流入する室内空気中の汚れ量をあらかじめ決められた周期で検知する。すなわち、室内汚れ量検知部18は、室内側排気用ダクト16bを流れる室内空気中の汚れ量を検知する。室内汚れ量検知部18は、検知結果を制御部5に送信する。
制御部5は、屋外空気中の汚れ量の検知結果を受信すると、ステップS430において、第1の閾値と検知結果とに基づいて、屋外空気中の汚れ量が第1の閾値以下であるか否かを判定する。
屋外空気中の汚れ量が第1の閾値以下である場合、すなわちステップS430においてYesの場合は、ステップS410に戻る。屋外汚れ量検知部17により検知された屋外空気中の汚れ量が第1の閾値以下である場合は、屋外空気が電気集塵機14内を通過する時間が短くても、屋外空気中の空気中浮遊物を電気集塵機14で適切に捕集でき、清浄された空気を室内へ供給することが可能である。この場合、制御部5は、給気風量と排気風量とを変化させず、維持する制御を行う。
一方、屋外空気中の汚れ量が第1の閾値より多い場合、すなわちステップS430においてNoの場合は、ステップS440に進む。制御部5は、室内空気中の汚れ量の検知結果を受信すると、ステップS440において、あらかじめ決められた第2の閾値と室内空気中の汚れ量の検知結果とに基づいて、室内空気中の汚れ量が第2の閾値以下であるか否かを判定する。第2の閾値は、給気風量と排気風量とを低減させるか否かを制御部5が判定するための基準値である。第2の閾値は、たとえば第1の閾値と同じ値とされる。第2の閾値は、あらかじめ制御部5に記憶されており、リモートコントローラー25を操作することにより適宜変更可能である。また、第2の閾値を変更するためのスイッチを別途設けてもよい。
室内空気中の汚れ量が第2の閾値より多い場合、すなわちステップS440においてNoの場合は、ステップS410に戻る。
一方、室内空気中の汚れ量が第2の閾値以下である場合、すなわちステップS440においてYesの場合は、ステップS450に進む。ステップS450において制御部5は、給気風量を低減させる制御を行う。屋外空気中の汚れ量が第1の閾値より多く、且つ室内空気中の汚れ量が第2の閾値以下である場合は、室内に給気される屋外空気が室内空気を汚す可能性が大きい。このため、制御部5は、給気風量を低減させて、屋外空気が電気集塵機14内を通過する時間を給気風量の変更前よりも長くする制御を行う。これにより、換気システム200は、電気集塵機14を通過する屋外空気中の空気中浮遊物の集塵効率を給気風量の変更前よりも向上させて、より清浄された空気を室内へ供給することができる。
また、給気風量のみを低減させた場合には、室内が負圧となり扉が開き難くなるといった問題が生じる。そこで、ステップS460において制御部5は、排気風量を給気用送風機3の給気風量と同じ風量に低減させる制御を行う。これにより、給気風量を低減させて換気運転を行う場合においても、室内の圧力を一定に保つことができ、扉が開き難くなるといった問題が生じない。
給気風量と排気風量とを低減させた後、ステップS470において屋外汚れ量検知部17が、電気集塵機14に流入する屋外空気中の汚れ量を検知する。すなわち、屋外汚れ量検知部17は、屋外側給気用ダクト15aの内部における電気集塵機14の上流側の領域を流れる屋外空気中の汚れ量を検知する。屋外汚れ量検知部17は、検知結果を制御部5に送信する。
ステップS480において制御部5は、屋外汚れ量検知部17から新たに受信する屋外空気中の汚れ量の検知結果に基づいて、屋外空気中の汚れ量が第1の閾値以下であるか否かを判定する。
屋外空気中の汚れ量が第1の閾値より多い場合、すなわちステップS480においてNoの場合は、ステップS470に戻る。
一方、屋外空気中の汚れ量が第1の閾値以下である場合、すなわちステップS480においてYesの場合は、ステップS490に進む。
ステップS490において制御部5は、給気風量を、ステップS450において低減させる前の元の状態に戻す制御を行い、また排気風量を、ステップS460において低減させる前の元の状態に戻す制御を行う。これにより、給気風量と排気風量とが元の状態の同一の風量である換気運転が行われる。ステップS490の後は、ステップS410に戻る。
上述した制御では、屋外空気中の汚れ量と室内空気中の汚れ量とに基づいて容易に給気風量の風量制御を自動で行うことができる。そして、換気システム200は、屋外空気の汚れ量が第1の閾値よりも多く、且つ室内空気の汚れ量が第2の閾値以下である場合に給気風量を自動で低減させることで、電気集塵機14における屋外空気中の空気中浮遊物の集塵効率を向上させることが可能となる。
また、本実施の形態2にかかる換気システム200は、人検知部19により室内における人の有無を判別してもよい。図9は、本発明の実施の形態2にかかる換気システム200における給気風量と排気風量との低減条件を示す図である。屋外空気中の汚れ量と室内空気中の汚れ量とを検知する場合には、たとえば図9に示す条件設定表のような条件が設定される。図9に示す条件設定表は、あらかじめ制御部5に記憶される。制御部5は、図9に示す条件設定表に設定された条件に基づいて、給気風量と排気風量との低減度合いを変化させる制御を行う。
図9における屋外空気の汚れ量の「多」の表記は、屋外空気中の汚れ量が第1の閾値より多い場合を示し、屋外空気の汚れ量の「少」の表記は、屋外空気中の汚れ量が第1の閾値以下である場合を示す。図9における室内空気の汚れ量の「多」の表記は、室内空気中の汚れ量が第2の閾値より多い場合を示し、室内空気の汚れ量の「少」の表記は、室内空気中の汚れ量が第2の閾値以下である場合を示す。
図9に示す条件設定表に設定された条件11、条件12、条件13、条件14、条件15および条件16は、各々異なる風量を指定する条件である。図9に示す条件設定表に設定された条件では、風量の大小関係は、「条件11<条件12<条件13<条件14<条件15<条件16」であり、電気集塵機14の集塵効率の大小関係は、「条件16<条件15<条件14<条件13<条件12<条件11」である。
図9に示す条件設定表では、条件11を満たす場合に給気風量と排気風量との低減度合いを最も大きくして、電気集塵機14の集塵効率を最も高くするように設定されている。これにより、屋外空気中の汚れ量が第1の閾値より多く、室内空気中の汚れ量が第2の閾値以下であり、且つ室内に人が居る場合に、電気集塵機14の集塵効率を最も高くすることができ、人が居る室内に、より清浄化された空気を提供することが可能となる。
つぎに、図9に示す条件設定表に従った換気システム200の動作について説明する。図10は、本発明の実施の形態2にかかる換気システム200における図9に示す条件設定表に従った換気運転の制御の手順を示すフローチャートである。
換気システム200の換気運転が開始されると、ステップS510においてステップS10と同様の処理が実施される。
また、ステップS520において室内汚れ量検知部18が、熱交換換気装置1に流入する室内空気中の汚れ量をあらかじめ決められた周期で検知する。すなわち、室内汚れ量検知部18は、室内側排気用ダクト16bを流れる室内空気中の汚れ量を検知する。室内汚れ量検知部18は、検知結果を制御部5に送信する。
制御部5は、屋外空気中の汚れ量の検知結果を受信すると、ステップS530において、第1の閾値と検知結果とに基づいて、屋外空気中の汚れ量が第1の閾値以下であるか否かを判定する。屋外空気中の汚れ量が第1の閾値より多い場合、すなわちステップS530においてNoの場合は、ステップS540に進む。屋外空気中の汚れ量が第1の閾値以下である場合、すなわちステップS530においてYesの場合は、ステップS630に進む。
ステップS540において制御部5は、第2の閾値と室内空気中の汚れ量の検知結果とに基づいて、室内空気中の汚れ量が第2の閾値以下であるか否かを判定する。室内空気中の汚れ量が第2の閾値以下である場合、すなわちステップS540においてYesの場合は、ステップS550に進む。室内空気中の汚れ量が第2の閾値より多い場合、すなわちステップS540においてNoの場合は、ステップS600に進む。
ステップS550では、人検知部19が、室内の人の有無を検知し、検知結果を制御部5に送信する。そして、制御部5は、人検知部19における室内の人の有無の検知結果に基づいて、室内に人が居るか否かを判定する。室内に人が居る場合、すなわちステップS550においてYesの場合は、ステップS560に進む。室内に人が居ない場合、すなわちステップS550においてNoの場合は、ステップS590に進む。
ステップS560では、制御部5は、これまでの判定結果と図9に示す条件設定表とに基づいて、給気風量と排気風量との低減に適用する条件を条件11と決定する。
ステップS590では、制御部5は、これまでの判定結果と図9に示す条件設定表とに基づいて、給気風量と排気風量との低減に適用する条件を条件12と決定する。
一方、ステップS540においてNoの場合、ステップS600では、人検知部19が、室内の人の有無を検知し、検知結果を制御部5に送信する。そして、制御部5は、人検知部19における室内の人の有無の検知結果に基づいて、室内に人が居るか否かを判定する。室内に人が居る場合、すなわちステップS600においてYesの場合は、ステップS610に進む。室内に人が居ない場合、すなわちステップS600においてNoの場合は、ステップS620に進む。
ステップS610では、制御部5は、これまでの判定結果と図9に示す条件設定表とに基づいて、給気風量と排気風量との低減に適用する条件を条件13と決定する。
ステップS620では、制御部5は、これまでの判定結果と図9に示す条件設定表とに基づいて、給気風量と排気風量との低減に適用する条件を条件14と決定する。
また、ステップS530においてYesの場合、ステップS630において制御部5は、第2の閾値と室内空気中の汚れ量の検知結果とに基づいて、室内空気中の汚れ量が第2の閾値以下であるか否かを判定する。室内空気中の汚れ量が第2の閾値より多い場合、すなわちステップS630においてNoの場合は、ステップS640に進む。室内空気中の汚れ量が第2の閾値以下である場合、すなわちステップS630においてYesの場合は、ステップS670に進む。
ステップS640では、人検知部19が、室内の人の有無を検知し、検知結果を制御部5に送信する。そして、制御部5は、人検知部19における室内の人の有無の検知結果に基づいて、室内に人が居るか否かを判定する。室内に人が居る場合、すなわちステップS640においてYesの場合は、ステップS650に進む。室内に人が居ない場合、すなわちステップS640においてNoの場合は、ステップS660に進む。
ステップS650では、制御部5は、これまでの判定結果と図9に示す条件設定表とに基づいて、給気風量と排気風量との低減に適用する条件を条件15と決定する。
ステップS660では、制御部5は、これまでの判定結果と図9に示す条件設定表とに基づいて、給気風量と排気風量との低減に適用する条件を条件16と決定する。
また、ステップS630においてYesの場合、ステップS670では、人検知部19が、室内の人の有無を検知し、検知結果を制御部5に送信する。そして、制御部5は、人検知部19における室内の人の有無の検知結果に基づいて、室内に人が居るか否かを判定する。室内に人が居る場合、すなわちステップS670においてYesの場合は、ステップS680に進む。室内に人が居ない場合、すなわちステップS670においてNoの場合は、ステップS690に進む。
ステップS680およびステップS690では、制御部5は、これまでの判定結果と図9に示す条件設定表とに基づいて、給気風量と排気風量との低減に適用する条件を、停止または風量変更無し、と決定する。この場合、制御部5は、給気用送風機3と排気用送風機4とを停止させる制御、または給気用送風機3の風量と排気用送風機4の風量とを変更させずに維持する制御を行う。ステップS680の後、およびステップS690の後は、ステップS510に戻る。
ステップS570において制御部5は、ステップS560、ステップS590、ステップS610、ステップS620、ステップS650またはステップS660において決定された条件に従って、給気風量を、決定された条件に対応した給気風量に設定する。すなわち、制御部5は、給気用送風機3の給気風量を、ステップS560、ステップS590、ステップS610、ステップS620、ステップS650またはステップS660において決定された条件に対応した給気風量に変更する制御を行う。
つぎに、ステップS580において制御部5は、給気用送風機3の給気風量を変更すると同時に、排気風量を給気風量と同じ風量に設定する。すなわち、制御部5は、排気用送風機4の風量を給気用送風機3の風量と同じ風量に変更する制御を行う。その後、ステップS510に戻る。
上述した制御では、屋外空気中の汚れ量と室内空気中の汚れ量と室内における人の有無とに基づいて容易に給気風量の風量制御を自動で行うことができる。これにより、換気システム200は、室内に人が居る場合に、屋外空気中の汚れ量と室内空気中の汚れ量とに基づいて電気集塵機14の集塵効率を高くすることができ、人が居る室内に、より清浄化された空気を提供することが可能となる。
なお、図9は、給気風量と排気風量とを低減させる制御を行う場合の条件の一例であり、屋外空気の汚れ量および室内空気の汚れ量よりも室内の人の有無を重視する条件とする、室内の人の有無より汚れ量を重視する条件とする、など任意の条件を設定してもよい。
また、図6においては、1つの室内汚れ量検知部18を室内側排気用ダクト16b内に設置する場合について示しているが、室内空気中の汚れ量を検知できる場所であれば、室内汚れ量検知部18の設置場所は限定されない。また、室内汚れ量検知部18の個数についても制限は無い。たとえば、室内に複数の室内汚れ量検知部18が設置され、各々の室内汚れ量検知部18で検知された検知結果の平均が室内空気中の汚れ量とされてもよい。
また、室内汚れ量検知部18は、センサに限らず、室内空気中の汚れ量を通信等により他の機器から取得するための受信部とされてもよい。すなわち、室内空気中の汚れ量の情報を取得する第2の汚れ量取得部は、室内空気中の汚れ量の情報を通信等により他の機器から取得するための受信部であってもよい。受信部は、他の機器から入手した室内空気中の汚れ量の検知結果を制御部5に送信する。また、屋外汚れ量検知部17と室内汚れ量検知部18とを、屋外空気中の汚れ量の検知結果および室内空気中の汚れ量の検知結果を取得する1つの受信部に置き換えてもよい。この場合、屋外空気中の汚れ量の検知結果および室内空気中の汚れ量の検知結果を取得する機器の設置数を1つにすることが可能となる。
上述した本発明の実施の形態2にかかる換気システム200は、屋外空気中の汚れ量と室内空気中の汚れ量との比較結果に基づいて、室内に給気される屋外空気が室内を汚すおそれが有る場合に、給気風量を自動で低減させて電気集塵機14の集塵効率を向上させることができる。これにより、換気システム200は、室内空気中の汚れ量を現状の室内空気中の汚れ量以下にする換気運転を容易に行うことができ、より効率的な室内空気の清浄化が可能となる。
また、換気システム200は、屋外空気中の汚れ量と室内空気中の汚れ量との比較結果に基づいて給気風量を低減した場合に、排気風量を給気風量と同じ風量に自動で低減させる制御を行う。これにより、換気システム200は、屋外空気中の汚れ量と室内空気中の汚れ量との比較結果に基づいて給気風量を低減させて換気運転を行う場合においても、室内の圧力を一定に保つことが可能であり、給気風量の低減に起因して扉が開き難くなるといった問題が生じない。
実施の形態3.
図11は、本発明の実施の形態3にかかる換気システム300の構成を示す図である。本実施の形態3にかかる換気システム300は、換気装置である熱交換換気装置1に電気集塵機14、屋外汚れ量検知部17、室内汚れ量検知部18を内蔵する点が、上述した実施の形態1にかかる換気システム100または実施の形態2にかかる換気システム200と異なる。なお、図11においては、熱交換換気装置1の一面を透過して見た場合に見える構造を示している。
電気集塵機14は、上流側給気風路31aにおける給気側エアフィルター6と屋外吸込口10との間に設けられている。屋外汚れ量検知部17は、上流側給気風路31aにおける屋外吸込口10と電気集塵機14との間に設けられている。室内汚れ量検知部18は、上流側排気風路32aにおける排気側エアフィルター7と室内吸込口12との間に設けられている。
本実施の形態3にかかる換気システム300は、電気集塵機14、屋外汚れ量検知部17、室内汚れ量検知部18の配置位置が実施の形態1にかかる換気システム100または実施の形態2にかかる換気システム200と異なるが、実施の形態1にかかる換気システム100または実施の形態2にかかる換気システム200と同様の動作が可能であり、実施の形態1にかかる換気システム100または実施の形態2にかかる換気システム200と同様の効果が得られる。
また、本実施の形態3にかかる換気システム300は、電気集塵機14、屋外汚れ量検知部17、室内汚れ量検知部18を熱交換換気装置1に内蔵する構成とされているため、換気システム100または換気システム200の設置作業において屋外側給気用ダクト15a、室内側排気用ダクト16bおよび熱交換換気装置1の設置作業の他に必要となる、電気集塵機14、屋外汚れ量検知部17および室内汚れ量検知部18を別途設置する作業が不要である。また、屋外側給気用ダクト15aまたは室内側排気用ダクト16bにおける、電気集塵機14、屋外汚れ量検知部17または室内汚れ量検知部18の設置スペースの確保が不要である。従って、換気システム300は、換気システム100または換気システム200に比べて、設置作業が容易であり、簡単に構成できるという効果がある。
実施の形態4.
図12は、本発明の実施の形態4にかかる換気システム400の構成を示す図である。なお、図12は、屋外側給気用ダクト15a、室内側排気用ダクト16b、給気用換気装置310、および第1の排気用換気装置320の一面を透過して見た場合に見える構造を示している。また、図12においては、上述した実施の形態における換気システムと同様の構成については同じ符号を付している。
本実施の形態4にかかる換気システム400は、給気用換気装置310と、第1の排気用換気装置320と、電気集塵機14と、屋外汚れ量検知部17とを備える。
屋外空気を室内に給気する給気部を構成する給気用換気装置310と、給気用換気装置310から離れた位置に独立して設けられて室内空気を屋外に排気する排気部を構成する第1の排気用換気装置320とにより、給排気によって換気の対象空間である室内を換気する換気装置が構成されている。換気装置は、天井裏の空間、または外壁と内壁との間の空間に取り付けられ、接続されたダクトを介した給排気によって換気の対象空間である室内を換気する換気装置である。換気装置は、図示しない電源から駆動電力が供給される。
給気用換気装置310は、接続されたダクトを通じて屋外空気を室内に給気する。給気用換気装置310は、本体を構成する筐体310aを備える。筐体310aの一方の側面には、屋外吸込口10が設けられている。筐体310aの他の側面には、室内吹出口13が設けられている。
屋外吸込口10には、屋外に連通した屋外側給気用ダクト15aが接続されている。室内吹出口13には、室内に連通した室内側給気用ダクト15bが接続されている。
筐体310aの内部には、給気用送風機3および給気側エアフィルター6が設けられている。筐体310aの内部には、給気側エアフィルター6および給気用送風機3を介して屋外吸込口10と室内吹出口13とを連通させ、給気流が流れる給気風路が形成されている。給気流は、屋外吸込口10から吸い込まれた後に室内吹出口13から吹き出されて室内に給気される屋外空気の流れである。
給気風路における下流側には、給気用送風機モーターにより駆動されて給気風路の入口端から出口端へ向かう給気流の流れを生成する給気用送風機3が組み込まれている。
また、筐体310aには、給気用換気装置310の動作を制御する制御部である給気用制御部312と、給気用通信部311とが、筐体310aにおける側面に配置されている。なお、給気用制御部312と給気用通信部311とは、筐体310aの内部に設けられてもよい。給気用制御部312は、屋外汚れ量検知部17、給気用送風機3および給気用通信部311と通信可能とされており、給気用送風機3および給気用通信部311の動作を制御する。給気用制御部312は、給気用送風機3に対して、運転を指示する運転指示信号、および停止を指示する停止指示信号を出力することにより、給気用送風機3の動作を制御する。すなわち、給気用制御部312は、給気用送風機3の動作を制御する制御部としての機能を有する。
屋外汚れ量検知部17、給気用送風機3および給気用通信部311と、給気用制御部312と、の通信は、赤外線通信、WiFi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)といった無線通信であってもよく、また有線通信であってもよい。
給気用通信部311は、後述する第1の排気用換気装置320の第1の排気用通信部321と通信可能であり、給気用制御部312の指示に従って給気用送風機3の運転状態の情報を第1の排気用換気装置320の第1の排気用通信部321へ送信する。給気用通信部311は、低減した給気用送風機3の給気風量の情報を給気用制御部312から受信し、給気用制御部312の指示に従って、低減した給気用送風機3の給気風量の情報を第1の排気用換気装置320の第1の排気用通信部321へ送信する。また、給気用制御部312から第1の排気用換気装置320の設定風量を第1の排気用通信部321に直接送信してもよい。
給気用換気装置310の給気用通信部311と第1の排気用換気装置320の第1の排気用通信部321との通信は、赤外線通信、WiFi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)といった無線通信であってもよく、また有線通信であってもよい。
外気OAは、屋外から、屋外側給気用ダクト15aを介して、屋外吸込口10から筐体310aの内部へ流入する。筐体310aの内部へ流入した給気流は、給気側エアフィルター6および給気用送風機3を経て、室内吹出口13に至る。室内吹出口13に到達した給気流は、室内側給気用ダクト15bを介して、給気SAとして室内へ吹き出される。
屋外側給気用ダクト15aの途中部分には、電気集塵機14が設けられている。屋外側給気用ダクト15aの内部における電気集塵機14の上流側には、屋外汚れ量検知部17が設置されている。屋外汚れ量検知部17は、検知信号を給気用制御部312へ送信する。
第1の排気用換気装置320は、接続されたダクトを通じて室内空気を屋外に排気する。第1の排気用換気装置320は、本体を構成する筐体320aを備える。筐体320aの一方の側面には、屋外吹出口11が設けられている。筐体320aの他の側面には、室内吸込口12が設けられている。
室内吸込口12には、室内に連通した室内側排気用ダクト16bが接続されている。屋外吹出口11には、屋外に連通した屋外側排気用ダクト16aが接続されている。
筐体320aの内部には、排気用送風機4および排気側エアフィルター7が設けられている。筐体320aの内部には、排気側エアフィルター7および排気用送風機4を介して室内吸込口12と屋外吹出口11とを連通させ、排気流が流れる排気風路が形成されている。排気流は、室内吸込口12から吸い込まれて屋外吹出口11から屋外に排気される室内空気の流れである。
排気風路における下流側には、排気用送風機モーターにより駆動されて排気風路の入口端から出口端へ向かう給気流の流れを生成する排気用送風機4が組み込まれている。
また、筐体320aには、第1の排気用通信部321と、第1の排気用換気装置320の動作を制御する制御部である第1の排気用制御部322と、が筐体320aにおける側面に配置されている。第1の排気用制御部322は、排気用送風機4および第1の排気用通信部321と通信可能とされており、排気用送風機4および第1の排気用通信部321の動作を制御する。第1の排気用制御部322は、排気用送風機4に対して、運転を指示する運転指示信号、および停止を指示する停止指示信号を出力することにより、排気用送風機4の動作を制御する。すなわち、第1の排気用制御部322は、排気用送風機4の動作を制御する制御部としての機能を有する。
排気用送風機4および第1の排気用通信部321と、第1の排気用制御部322と、の通信は、赤外線通信、WiFi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)といった無線通信であってもよく、また有線通信であってもよい。
第1の排気用通信部321は、給気用換気装置310の給気用通信部311と通信可能であり、給気用換気装置310の給気用通信部311から給気用送風機3の給気風量の情報を受信する。第1の排気用通信部321は、給気用換気装置310の給気用通信部311から送信される、低減した給気用送風機3の給気風量の情報を受信する。第1の排気用通信部321は、受信した情報を第1の排気用制御部322に送信する。このように、低減した給気用送風機3の給気風量の情報が給気用換気装置310の給気用通信部311から第1の排気用通信部321を介して第1の排気用制御部322に送信される場合には、第1の排気用制御部322は、受信した給気風量を元に、排気風量と受信した給気風量との差を算出し、排気風量を低減する。また、給気用換気装置310の給気用通信部311から第1の排気用換気装置320の設定風量を第1の排気用通信部321に直接送信してもよい。第1の排気用通信部321は、受信した情報を第1の排気用制御部322に送信する。このように、第1の排気用換気装置320の設定風量が給気用換気装置310の給気用通信部311から第1の排気用通信部321を介して第1の排気用制御部322に送信される場合には、第1の排気用制御部322は、受信した第1の排気用換気装置320の設定風量に従って排気風量を制御する。したがって、第1の排気用制御部322での風量差の算出が不要である。
還気RAは、室内から、室内側排気用ダクト16bを介して、室内吸込口12から筐体320aの内部へ流入する。筐体320aの内部へ流入した排気流は、排気側エアフィルター7および排気用送風機4を経て、屋外吹出口11へ至る。屋外吹出口11に到達した排気流は、屋外側排気用ダクト16aを介して、排気EAとして、屋外へ吹き出される。
給気用制御部312には、給気用制御部312と通信可能なリモートコントローラー25が接続されている。リモートコントローラー25は、給気用換気装置310の各種制御についての指令を受け付ける。リモートコントローラー25は、ユーザから受け付けた各種指令を、給気用制御部312に送信する。給気用制御部312は、リモートコントローラー25から送信された各種指令に基づいて、給気用換気装置310の給気動作等の制御を行う。
給気用制御部312と、リモートコントローラー25との通信は、赤外線通信、WiFi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)といった無線通信であってもよく、また有線通信であってもよい。
第1の排気用制御部322には、第1の排気用制御部322と通信可能なリモートコントローラー26が接続されている。リモートコントローラー26は、第1の排気用換気装置320の各種制御についての指令を受け付ける。リモートコントローラー26は、ユーザから受け付けた各種指令を、第1の排気用制御部322に送信する。第1の排気用制御部322は、リモートコントローラー26から送信された各種指令に基づいて、第1の排気用換気装置320の排気動作等の制御を行う。
第1の排気用制御部322と、リモートコントローラー26との通信は、赤外線通信、WiFi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)といった無線通信であってもよく、また有線通信であってもよい。
つぎに、本実施の形態4にかかる換気システム400の動作について説明する。図13は、本発明の実施の形態4にかかる換気システム400における換気運転の制御の手順を示すフローチャートである。
換気システム400の換気運転が開始されると、ステップS710において屋外汚れ量検知部17が、電気集塵機14に流入する屋外空気中の汚れ量をあらかじめ決められた周期で検知する。すなわち、屋外汚れ量検知部17は、屋外側給気用ダクト15aの内部の給気風路における電気集塵機14の上流側の領域を流れる屋外空気中の汚れ量を検知する。屋外汚れ量検知部17は、検知結果を給気用制御部312に送信する。
給気用制御部312は、屋外空気中の汚れ量の検知結果を受信すると、ステップS720において、あらかじめ決められた第3の閾値と検知結果とに基づいて、屋外空気中の汚れ量が第3の閾値以下であるか否かを判定する。第3の閾値は、給気風量と排気風量とを低減させるか否かを給気用制御部312が判定するための基準値であり、上述した第1の閾値に対応する。第3の閾値は、あらかじめ給気用制御部312に記憶されており、リモートコントローラー25を操作することにより適宜変更可能である。また、第3の閾値を変更するためのスイッチを別途設けてもよい。
屋外空気中の汚れ量が第3の閾値以下である場合、すなわちステップS720においてYesの場合は、ステップS710に戻る。屋外汚れ量検知部17により検知された屋外空気中の汚れ量が第3の閾値以下である場合は、屋外空気が電気集塵機14内を通過する時間が短くても、屋外空気中の空気中浮遊物を電気集塵機14で適切に捕集でき、清浄された空気を室内へ供給することが可能である。この場合、給気用制御部312は、給気風量と排気風量とを変化させず、維持する制御を行う。
一方、屋外空気中の汚れ量が第3の閾値より多い場合、すなわちステップS720においてNoの場合は、ステップS730に進む。ステップS730において給気用制御部312は、給気風量を低減させる制御を行う。屋外空気中の汚れ量が第3の閾値より多い場合は、屋外空気が電気集塵機14内を通過する時間が短いと、屋外空気中の空気中浮遊物を電気集塵機14で適切に捕集することができない。そこで、給気用制御部312は、給気風量を低減させて、屋外空気が電気集塵機14内を通過する時間を給気風量の変更前よりも長くする制御を行う。屋外空気が電気集塵機14内を通過する時間を給気風量の変更前よりも長くすることによって、電気集塵機14を通過する屋外空気中の空気中浮遊物の集塵効率を給気風量の変更前よりも向上させて、より清浄された空気を室内へ供給することができる。
また、給気用送風機3の給気風量のみを低減させた場合には、室内が負圧となり扉が開き難くなるといった問題が生じる。そこで、ステップS740において給気用制御部312は、給気風量を低減させると同時に、排気風量を給気風量と同じ風量に低減させる制御を行う。すなわち、給気用制御部312は、低減した給気用送風機3の風量の情報である低減した給気風量の情報を、給気用通信部311を介して第1の排気用換気装置320の第1の排気用通信部321へ送信する。
第1の排気用通信部321は、低減した給気風量の情報を受信して第1の排気用制御部322に送信する。第1の排気用制御部322は、低減した給気風量の情報を受信すると、低減した給気風量の情報に基づいて、排気風量を低減した給気風量と同じ風量に低減させる制御を行う。これにより、給気風量を低減させて換気運転を行う場合においても、室内の圧力を一定に保つことができ、扉が開き難くなるといった問題が生じない。
給気風量と排気風量とを低減させた後、ステップS750において屋外汚れ量検知部17が、電気集塵機14に流入する屋外空気中の汚れ量を検知する。すなわち、屋外汚れ量検知部17は、屋外側給気用ダクト15aの内部における電気集塵機14の上流側の領域を流れる屋外空気中の汚れ量を検知する。屋外汚れ量検知部17は、検知結果を給気用制御部312に送信する。
給気用制御部312は、屋外汚れ量検知部17から新たな屋外空気中の汚れ量の検知結果を受信する。ステップS760において給気用制御部312は、屋外汚れ量検知部17から新たに受信する屋外空気中の汚れ量の検知結果に基づいて、屋外空気中の汚れ量が第3の閾値以下であるか否かを判定する。
屋外空気中の汚れ量が第3の閾値より多い場合、すなわちステップS760においてNoの場合は、ステップS750に戻る。
一方、屋外空気中の汚れ量が第3の閾値以下である場合、すなわちステップS760においてYesの場合は、ステップS770に進む。ステップS770において給気用制御部312は、給気風量を、ステップS730において低減させる前の元の状態に戻す制御を行う。また給気用制御部312は、排気風量を、ステップS740において低減させる前の元の状態に戻す制御を行う。すなわち、給気用制御部312は、排気風量を、ステップS740において低減させる前の元の状態に戻す復帰指示信号を第1の排気用換気装置320の第1の排気用制御部322へ送信する。第1の排気用制御部322は、復帰指示信号に従って排気用送風機4の排気風量を元の状態に戻す制御を行う。これにより、給気風量と排気風量とが元の状態の同一の風量である換気運転が行われる。ステップS770の後は、ステップS710に戻る。
また、図12に示すように室内汚れ量検知部18をさらに備え、屋外空気中の汚れ量と室内空気中の汚れ量との比較結果に基づいて、室内に給気される屋外空気が室内を汚すおそれが有る場合に、給気風量と排気風量とを低減させてもよい。この場合、室内汚れ量検知部18が、第1の排気用制御部322に室内空気中の汚れ量の検知結果を送信する。第1の排気用制御部322は、室内汚れ量検知部18の検知結果を給気用制御部312に送信する。
図14は、本発明の実施の形態4にかかる換気システム400における換気運転の制御の手順を示すフローチャートである。
換気システム400の換気運転が開始されると、ステップS810においてステップS10に対応する処理が実施される。すなわち、屋外汚れ量検知部17が、電気集塵機14に流入する屋外空気中の汚れ量をあらかじめ決められた周期で検知する。屋外汚れ量検知部17は、検知結果を給気用制御部312に送信する。
また、ステップS820においてステップS320に対応する処理が実施される。すなわち、室内汚れ量検知部18は、室内側排気用ダクト16bを流れる室内空気中の汚れ量をあらかじめ決められた周期で検知する。室内汚れ量検知部18は、検知結果を第1の排気用制御部322に送信する。第1の排気用制御部322は、室内汚れ量検知部18の検知結果を給気用制御部312に送信する。
給気用制御部312は、屋外汚れ量検知部17で検知された屋外空気中の汚れ量の検知結果、および室内汚れ量検知部18で検知された室内空気中の汚れ量の検知結果を受信する。ステップS830において、給気用制御部312は、屋外空気中の汚れ量の検知結果と室内空気中の汚れ量の検知結果とを比較し、屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量以下であるか否かを判定する。
屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量以下である場合、すなわちステップS830においてYesの場合は、ステップS810に戻る。
屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量より多い場合、すなわちステップS830においてNoの場合は、ステップS840に進む。ステップS840において給気用制御部312は、給気風量を低減させる制御を行う。屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量より多い場合は、室内に給気される屋外空気が室内空気を汚すおそれがある。このため、給気用制御部312は、給気風量を低減させて、屋外空気が電気集塵機14内を通過する時間を給気風量の変更前よりも長くする制御を行う。これにより、換気システム400は、電気集塵機14を通過する屋外空気中の空気中浮遊物の集塵効率を給気風量の変更前よりも向上させて、より清浄された空気を室内へ供給することができる。
また、給気風量のみを低減させた場合には、室内が負圧となり扉が開き難くなるといった問題が生じる。そこで、ステップS850において給気用制御部312は、給気風量を低減させると同時に、排気風量を給気風量と同じ風量に低減させる制御を行う。すなわち、給気用制御部312は、低減した給気用送風機3の風量の情報である低減した給気風量の情報を、給気用通信部311を介して第1の排気用換気装置320の第1の排気用制御部322へ送信する。
第1の排気用制御部322は、低減した給気風量の情報を受信すると、低減した給気風量の情報に基づいて、排気風量を給気風量と同じ風量に低減させる制御を行う。これにより、給気風量を低減させて換気運転を行う場合においても、室内の圧力を一定に保つことができ、扉が開き難くなるといった問題が生じない。
給気風量と排気風量とを低減させた後、ステップS860において屋外汚れ量検知部17が、電気集塵機14に流入する屋外空気中の汚れ量を検知する。すなわち、屋外汚れ量検知部17は、屋外側給気用ダクト15aの内部における電気集塵機14の上流側の領域を流れる屋外空気中の汚れ量を検知する。屋外汚れ量検知部17は、検知結果を給気用制御部312に送信する。
また、ステップS870において室内汚れ量検知部18が、室内側排気用ダクト16bを流れる室内空気中の汚れ量を検知する。室内汚れ量検知部18は、検知結果を第1の排気用制御部322に送信する。第1の排気用制御部322は、室内汚れ量検知部18の検知結果を給気用制御部312に送信する。
給気用制御部312は、屋外汚れ量検知部17で新たに検知された屋外空気中の汚れ量の検知結果、および室内汚れ量検知部18で新たに検知された室内空気中の汚れ量の検知結果を受信する。ステップS880において給気用制御部312は、新たに受信する屋外空気中の汚れ量の検知結果および新たに受信する室内空気中の汚れ量の検知結果に基づいて、屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量以下であるか否かを判定する。
屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量より多い場合、すなわちステップS880においてNoの場合は、ステップS860に戻る。
屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量以下である場合、すなわちステップS880においてYesの場合は、ステップS890に進む。ステップS890において給気用制御部312は、給気風量を、ステップS840において低減させる前の元の状態に戻す制御を行う。また、給気用制御部312は、排気風量を、ステップS850において低減させる前の元の状態に戻す制御を行う。すなわち、給気用制御部312は、排気風量を、ステップS850において低減させる前の元の状態に戻す復帰指示信号を第1の排気用換気装置320の第1の排気用制御部322へ送信する。第1の排気用制御部322は、復帰指示信号に従って排気風量を元の状態に戻す制御を行う。これにより、給気風量と排気風量とが元の状態の同一の風量である換気運転が行われる。ステップS890の後は、ステップS810に戻る。
なお、上記においては、屋外空気中の汚れ量と室内空気中の汚れ量との比較を給気用制御部312で行う場合について示したが、屋外空気中の汚れ量と室内空気中の汚れ量との比較を第1の排気用制御部322で行ってもよい。
また、上記においては、給気用制御部312により屋外汚れ量検知部17と給気用通信部311とを制御し、第1の排気用制御部322により室内汚れ量検知部18と第1の排気用通信部321とを制御する場合について説明したが、たとえば、HEMS(Home Energy Management System)のように、給気用換気装置310および第1の排気用換気装置320とは別に設けられて給気用換気装置310と第1の排気用換気装置320とを制御可能な制御部により、給気用換気装置310の給気風量と第1の排気用換気装置320の排気風量とを一括で制御および管理してもよい。
また、本実施の形態4にかかる換気システム400においても、上述した図4または図9に示すような条件設定表を設けて、室内における人の有無を考慮して給気風量および排気風量の風量制御を行ってもよい。
上述したように、本実施の形態4にかかる換気システム400は、給気部と排気部とが独立して設けられた換気装置を有する。このような換気システム400においても、実施の形態1にかかる換気システム100または実施の形態2にかかる換気システム200と同様の効果が得られる。
実施の形態5.
図15は、本発明の実施の形態5にかかる換気システム500の構成を示す図である。図15は、図12に対応した図である。なお、図15においては、上述した実施の形態における換気システムと同様の構成については同じ符号を付している。実施の形態5では、換気システムが1台の給気用送風機3と2台の排気用送風機4とを備える場合について説明する。
本実施の形態5にかかる換気システム500は、給気用換気装置310と、第1の排気用換気装置320と、第2の排気用換気装置330と、電気集塵機14と、屋外汚れ量検知部17とを備える。換気システム500は、実施の形態4にかかる換気システム400に第2の排気用換気装置330が追加された構成を有する。
屋外空気を室内に給気する給気部を構成する給気用換気装置310と、給気用換気装置310から離れた位置に独立して設けられて室内空気を屋外に排気する排気部を構成する第1の排気用換気装置320と、給気用換気装置310および第1の排気用換気装置320から離れた位置に独立して設けられて室内空気を屋外に排気する排気部を構成する第2の排気用換気装置330と、により、給排気によって換気の対象空間である室内を換気する換気装置が構成されている。
第2の排気用換気装置330は、第1の排気用換気装置320と同様の構成を有し、第1の排気用換気装置320と同様の動作を行う。第2の排気用換気装置330は、本体を構成する筐体330aを備える。筐体330aの一方の側面には、屋外吹出口11が設けられている。筐体330aの他の側面には、室内吸込口12が設けられている。
室内吸込口12には、室内に連通した室内側排気用ダクト16bが接続されている。屋外吹出口11には、屋外に連通した屋外側排気用ダクト16aが接続されている。
筐体330aの内部には、排気用送風機4および排気側エアフィルター7が設けられている。筐体330aの内部には、排気側エアフィルター7および排気用送風機4を介して室内吸込口12と屋外吹出口11とを連通させ、排気流が流れる排気風路が形成されている。
排気風路における下流側には、排気用送風機モーターにより駆動されて排気風路の入口端から出口端へ向かう給気流の流れを生成する排気用送風機4が組み込まれている。
また、筐体330aには、第2の排気用通信部331と、第2の排気用換気装置330の動作を制御する制御部である第2の排気用制御部332と、が筐体330aにおける側面に配置されている。第2の排気用制御部332は、排気用送風機4および第2の排気用通信部331と通信可能とされており、排気用送風機4および第2の排気用通信部331の動作を制御する。
排気用送風機4および第2の排気用通信部331と、第2の排気用制御部332と、の通信は、赤外線通信、WiFi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)といった無線通信であってもよく、また有線通信であってもよい。
第2の排気用通信部331は、給気用換気装置310の給気用通信部311と通信可能であり、給気用換気装置310の給気用通信部311から給気用送風機3の風量の情報を受信する。第2の排気用通信部331は、給気用換気装置310の給気用通信部311から送信される、低減した給気風量の情報を受信する。第2の排気用通信部331は、受信した情報を第2の排気用制御部332に送信する。このように、低減した給気用送風機3の給気風量の情報が給気用換気装置310の給気用通信部311から第2の排気用通信部331を介して第2の排気用制御部332に送信される場合には、第2の排気用制御部332は、受信した給気風量を元に、排気風量と受信した給気風量との差を算出し、排気風量を低減する。また、給気用換気装置310の給気用通信部311から第2の排気用換気装置330の設定風量を第2の排気用通信部331に直接送信してもよい。第2の排気用通信部331は、受信した情報を第2の排気用制御部332に送信する。このように、第2の排気用換気装置330の設定風量が給気用換気装置310の給気用通信部311から第2の排気用通信部331を介して第2の排気用制御部332に送信される場合には、第2の排気用制御部332は、受信した第2の排気用換気装置330の設定風量に従って排気風量を制御する。したがって、第2の排気用制御部332での風量差の算出が不要である。
第2の排気用制御部332には、第2の排気用制御部332と通信可能なリモートコントローラー27が接続されている。リモートコントローラー27は、第2の排気用換気装置330の各種制御についての指令を受け付ける。リモートコントローラー27は、ユーザから受け付けた第2の排気用換気装置330についての各種指令を、第2の排気用換気装置330に送信する。第2の排気用制御部332は、リモートコントローラー27から送信された各種指令に基づいて、第2の排気用換気装置330の排気動作等の制御を行う。
第2の排気用制御部332と、リモートコントローラー27との通信は、赤外線通信、WiFi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)といった無線通信であってもよく、また有線通信であってもよい。
つぎに、本実施の形態5にかかる換気システム500の動作について説明する。図16は、本発明の実施の形態5にかかる換気システム500における換気運転の制御の手順を示すフローチャートである。以下で説明する換気システム500における換気運転の制御の手順は、屋外空気中の汚れ量があらかじめ決められた閾値より多い場合に、給気風量と排気風量とを自動で低減させて電気集塵機14の集塵効率を向上させる処理を行う点は、上述した実施の形態4にかかる換気システム400と同様である。
ユーザがリモートコントローラー25を操作することにより、給気用換気装置310に運転指示信号が送られる。また、ユーザがリモートコントローラー26を操作することにより、第1の排気用換気装置320に運転指示信号が送られる。また、ユーザがリモートコントローラー27を操作することにより、第2の排気用換気装置330に運転指示信号が送られる。たとえば給気用換気装置310の給気用送風機3の風量が150m3/h、第1の排気用換気装置320の排気用送風機4の風量が80m3/h、第2の排気用換気装置330の排気用送風機4の風量が70m3/hで運転することにより、換気システム500の換気運転が開始される。
換気システム500の換気運転が開始されると、ステップS910において、ステップS810と同様の処理が実施される。また、給気用制御部312は、第1の排気用換気装置320の排気用送風機4の風量を、通信によって第1の排気用換気装置320の第1の排気用制御部322から取得する。また、給気用制御部312は、第2の排気用換気装置330の排気用送風機4の風量を通信によって第2の排気用換気装置330の第2の排気用制御部332から取得する。
給気用制御部312は、屋外空気中の汚れ量の検知結果を受信すると、ステップS920において、あらかじめ決められた第3の閾値と検知結果とに基づいて、屋外空気中の汚れ量が第3の閾値以下であるか否かを判定する。
屋外空気中の汚れ量が第3の閾値以下である場合、すなわちステップS920においてYesの場合は、ステップS910に戻る。
一方、屋外空気中の汚れ量が第3の閾値より多い場合、すなわちステップS920においてNoの場合は、ステップS930に進む。ステップS930において給気用制御部312は、給気風量を低減させる制御を行う。ここで、給気用制御部312は、給気用送風機3の風量を、たとえば150m3/hから120m3/hに低減して、電気集塵機14を通過する屋外空気中の空気中浮遊物の集塵効率を給気風量の変更前よりも向上させる。
また、給気用送風機3の給気風量のみを低減させた場合には、室内が負圧となり扉が開き難くなるといった問題が生じる。そこで、ステップS940において給気用制御部312は、給気風量を低減させると同時に、排気風量を給気風量と同じ風量に低減させる制御を行う。
給気用制御部312は、まず低減した給気風量と、現在の排気風量との風量差を計算する。給気用制御部312は、低減した給気用換気装置310の給気風量と、第1の排気用換気装置320の排気風量と、第2の排気用換気装置330の排気風量とから、低減した給気風量と現在の排気風量との風量差を計算する。低減した給気風量と現在の排気風量との風量差は以下のように計算される。
(低減した給気用送風機3の風量:120m3/h)−(第1の排気用換気装置320の排気用送風機4の風量:80m3/h)−(第2の排気用換気装置330の排気用送風機4の風量:70m3/h)=(−30m3/h)
すなわち、給気用換気装置310の給気風量を低減した状態では、第1の排気用換気装置320の排気風量と第2の排気用換気装置330の排気風量の合計である排気部の排気風量が、給気風量よりも30m3/hだけ多い。このため、給気用制御部312は、排気風量を30m3/h低減する旨の低減指示信号を、給気用通信部311を介して第1の排気用換気装置320の第1の排気用制御部322に送信する。
第1の排気用換気装置320の第1の排気用制御部322は、排気風量を30m3/h低減する旨の低減指示信号を受信すると、低減指示信号に基づいて、排気風量を30m3/h低減させる制御を行う。すなわち、第1の排気用制御部322は、排気風量を80m3/hから50m3/hに低減させる制御を行う。
これにより、給気部である給気用換気装置310の給気風量と、第1の排気用換気装置320の排気風量と第2の排気用換気装置330の排気風量の合計である排気部の排気風量が、共に120m3/hとなり、等しくなる。これにより、給気風量を低減させて換気運転を行う場合においても、室内の圧力を一定に保つことができ、扉が開き難くなるといった問題が生じない。
給気風量と排気風量とを低減させた後、ステップS950において屋外汚れ量検知部17が、電気集塵機14に流入する屋外空気中の汚れ量を検知する。すなわち、屋外汚れ量検知部17は、屋外側給気用ダクト15aの内部における電気集塵機14の上流側の領域を流れる屋外空気中の汚れ量を検知する。屋外汚れ量検知部17は、検知結果を給気用制御部312に送信する。
給気用制御部312は、屋外汚れ量検知部17から新たな屋外空気中の汚れ量の検知結果を受信する。ステップS960において給気用制御部312は、屋外汚れ量検知部17から新たに受信する屋外空気中の汚れ量の検知結果に基づいて、屋外空気中の汚れ量が第3の閾値以下であるか否かを判定する。
屋外空気中の汚れ量が第3の閾値より多い場合、すなわちステップS960においてNoの場合は、ステップS950に戻る。
一方、屋外空気中の汚れ量が第3の閾値以下である場合、すなわちステップS960においてYesの場合は、ステップS970に進む。ステップS970において給気用制御部312は、給気風量を、ステップS930において低減させる前の元の状態に戻す制御を行う。また給気用制御部312は、排気風量を、ステップS940において低減させる前の元の状態に戻す制御を行う。
すなわち、給気用制御部312は、排気風量を、ステップS940において低減させる前の元の状態に戻す復帰指示信号を第1の排気用換気装置320の第1の排気用制御部322へ送信する。第1の排気用制御部322は、復帰指示信号に従って排気用送風機4の排気風量を元の状態に戻す制御を行う。これにより、給気風量と排気風量とが元の状態の同一の風量である150m3/hでの換気運転が行われる。ステップS970の後は、ステップS910に戻る。
なお、上記においては、給気用制御部312が、低減指示信号を第1の排気用換気装置320の第1の排気用制御部322に送信する場合について説明したが、給気用制御部312は低減指示信号を第2の排気用換気装置330の第2の排気用制御部332へ送信してもよい。第2の排気用換気装置330の第2の排気用制御部332は、低減指示信号を受信すると、低減指示信号に従って排気風量を低減させる制御を行う。
また、給気用制御部312が、第1の排気用換気装置320の排気風量と、第2の排気用換気装置330の排気風量と、の両方を低減させる制御を行ってもよい。この場合、低減後の第1の排気用換気装置320の排気風量と、低減後の第2の排気用換気装置330の排気風量と、の合計が120m3/hとされる。
また、図15に示すように第1の排気用換気装置320の室内吸込口12に接続された室内側排気用ダクト16bに第1の室内汚れ量検知部182を備え、第2の排気用換気装置330の室内吸込口12に接続された室内側排気用ダクト16bに第2の室内汚れ量検知部183を備えてもよい。すなわち、第1の排気用換気装置320の排気側エアフィルター7の上流側と、第2の排気用換気装置330の排気側エアフィルター7の上流側に室内汚れ量検知部を備えてもよい。第1の室内汚れ量検知部182と第2の室内汚れ量検知部183とは、上述した室内汚れ量検知部18に対応する。
この場合、第1の排気用換気装置320の排気側エアフィルター7の上流側の第1の室内汚れ量検知部182が、第1の排気用制御部322に室内空気中の汚れ量の検知結果を送信する。第1の排気用制御部322は、第1の室内汚れ量検知部182の検知結果を給気用制御部312に送信する。
また、第2の排気用換気装置330の排気側エアフィルター7の上流側の第2の室内汚れ量検知部183が、第2の排気用制御部332に室内空気中の汚れ量の検知結果を送信する。第2の排気用制御部332は、第2の室内汚れ量検知部183の検知結果を給気用制御部312に送信する。
図17は、本発明の実施の形態5にかかる換気システム500における他の換気運転の制御の手順を示すフローチャートである。
ユーザがリモートコントローラー25を操作することにより、給気用換気装置310に運転指示信号が送られる。また、ユーザがリモートコントローラー26を操作することにより、第1の排気用換気装置320に運転指示信号が送られる。また、ユーザがリモートコントローラー27を操作することにより、第2の排気用換気装置330に運転指示信号が送られる。たとえば給気用換気装置310の給気用送風機3の風量が150m3/h、第1の排気用換気装置320の排気用送風機4の風量が80m3/h、第2の排気用換気装置330の排気用送風機4の風量が70m3/hで運転することにより、換気システム500の換気運転が開始される。
換気システム500の換気運転が開始されると、ステップS1010においてステップS10に対応する処理が実施される。すなわち、屋外汚れ量検知部17が、電気集塵機14に流入する屋外空気中の汚れ量をあらかじめ決められた周期で検知する。屋外汚れ量検知部17は、検知結果を給気用制御部312に送信する。
また、ステップS1020において、2ヶ所の室内空気中の汚れ量が検知される。すなわち、第1の室内汚れ量検知部182は、第1の排気用換気装置320に接続された室内側排気用ダクト16bを流れる室内空気中の汚れ量をあらかじめ決められた周期で検知する。第1の室内汚れ量検知部182は、検知結果を第1の排気用制御部322に送信する。第1の排気用制御部322は、第1の室内汚れ量検知部182の検知結果を、第1の排気用通信部321を介して給気用制御部312に送信する。
また、第2の室内汚れ量検知部183は、第2の排気用換気装置330に接続された室内側排気用ダクト16bを流れる室内空気中の汚れ量をあらかじめ決められた周期で検知する。第2の室内汚れ量検知部183は、検知結果を第2の排気用制御部332に送信する。第2の排気用制御部332は、第2の室内汚れ量検知部183の検知結果を、第2の排気用通信部331を介して給気用制御部312に送信する。
給気用制御部312は、屋外汚れ量検知部17で検知された屋外空気中の汚れ量の検知結果、第1の室内汚れ量検知部182および第2の室内汚れ量検知部183で検知された室内空気中の汚れ量の検知結果を受信する。ステップS1030において、給気用制御部312は、屋外空気中の汚れ量の検知結果と室内空気中の汚れ量の検知結果とを比較し、屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量以下であるか否かを判定する。
屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量以下である場合、すなわちステップS1030においてYesの場合は、ステップS1010に戻る。屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量以下である場合は、屋外空気中の汚れ量が第1の室内汚れ量検知部182の検知結果以下であり、且つ屋外空気中の汚れ量が第2の室内汚れ量検知部183の検知結果以下である場合である。
屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量より多い場合、すなわちステップS1030においてNoの場合は、ステップS1040に進む。屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量より多い場合は、屋外空気中の汚れ量が第1の室内汚れ量検知部182の検知結果より多い、または屋外空気中の汚れ量が第2の室内汚れ量検知部183の検知結果より多い場合のうち、少なくとも一方の場合である。
ステップS1040において給気用制御部312は、給気風量を低減させる制御を行う。ここで、給気用制御部312は、給気用送風機3の風量を、たとえば150m3/hから120m3/hに低減して、電気集塵機14を通過する屋外空気中の空気中浮遊物の集塵効率を給気風量の変更前よりも向上させる。
また、給気用送風機3の給気風量のみを低減させた場合には、室内が負圧となり扉が開き難くなるといった問題が生じる。そこで、ステップS1050において給気用制御部312は、給気風量を低減させると同時に、第1の排気用換気装置320の排気風量と第2の排気用換気装置330の排気風量の合計の排気風量を給気風量と同じ風量に低減させる制御を行う。
たとえば、第1の室内汚れ量検知部182および第2の室内汚れ量検知部183で検知された室内空気中の汚れ量の検知結果において、第1の室内汚れ量検知部182で検知された室内空気中の汚れ量の検知結果が相対的に少なく、第2の室内汚れ量検知部183で検知された室内空気中の汚れ量の検知結果が相対的に多いとする。この場合、第1の排気用換気装置320が排気を行っている空間または部屋の空気は比較的きれいであるため、空気の排気量は少なくてよいと判断できる。また、第2の排気用換気装置330が排気を行っている空間または部屋の空気は比較的汚れていると判断できる。
そこで、ステップS1050において、給気用制御部312は、第1の排気用換気装置320の排気風量と第2の排気用換気装置330の排気風量の合計の排気風量を給気風量と同じ風量に低減させる場合に、第2の排気用換気装置330が排気を行っている空間または部屋の空気を早く入れ替える制御を行う。すなわち、給気用制御部312は、第1の排気用換気装置320の排気風量を低減させ、第2の排気用換気装置330の排気風量を増加させる制御を行う。これにより、第2の排気用換気装置330が排気を行っている空間または部屋の空気を早く入れ替えることが可能となる。
給気用制御部312は、まず低減した給気風量と、現在の排気風量との風量差を計算する。給気用制御部312は、低減した給気用換気装置310の給気風量と、第1の排気用換気装置320の排気風量と、第2の排気用換気装置330の排気風量とから、低減した給気風量と現在の排気風量との風量差を計算する。低減した給気風量と現在の排気風量との風量差は以下のように計算される。
(低減した給気用送風機3の風量:120m3/h)−(第1の排気用換気装置320の排気用送風機4の風量:80m3/h)−(第2の排気用換気装置330の排気用送風機4の風量:70m3/h)=(−30m3/h)
すなわち、給気用換気装置310の給気風量を低減した状態では、第1の排気用換気装置320の排気風量と第2の排気用換気装置330の排気風量の合計である排気部の排気風量が、給気風量よりも30m3/hだけ多い。また、第1の排気用換気装置320の排気風量と第2の排気用換気装置330の排気風量の合計の排気風量と、給気風量とを同一にする必要がある。
給気用制御部312は、第1の排気用換気装置320の排気風量を40m3/h低減する旨の低減指示信号を給気用通信部311を介して第1の排気用換気装置320の第1の排気用制御部322に送信する。また、給気用制御部312は、第2の排気用換気装置330の排気風量を10m3/h増加する旨の増加指示信号を、給気用通信部311を介して第2の排気用換気装置330の第2の排気用制御部332に送信する。
第1の排気用換気装置320の第1の排気用制御部322は、排気風量を40m3/h低減する旨の低減指示信号を受信すると、低減指示信号に基づいて、排気風量を40m3/h低減させる制御を行う。すなわち、第1の排気用制御部322は、排気風量を80m3/hから40m3/hに低減させる制御を行う。
第2の排気用換気装置330の第2の排気用制御部332は、排気風量を10m3/h増加する旨の増加指示信号を受信すると、増加指示信号に基づいて、排気風量を10m3/h増加させる制御を行う。すなわち、第2の排気用制御部332は、排気風量を70m3/hから80m3/hに増加させる制御を行う。
これにより、給気部である給気用換気装置310の給気風量と、第1の排気用換気装置320の排気風量と第2の排気用換気装置330の排気風量の合計である排気部の排気風量が、共に120m3/hとなり、等しくなる。これにより、給気風量を低減させて換気運転を行う場合においても、室内の圧力を一定に保つことができ、扉が開き難くなるといった問題が生じない。
給気風量と排気風量とを低減させた後、ステップS1060において屋外汚れ量検知部17が、電気集塵機14に流入する屋外空気中の汚れ量を検知する。すなわち、屋外汚れ量検知部17は、屋外側給気用ダクト15aの内部における電気集塵機14の上流側の領域を流れる屋外空気中の汚れ量を検知する。屋外汚れ量検知部17は、検知結果を給気用制御部312に送信する。
また、ステップS1070において、2ヶ所の室内空気中の汚れ量が検知される。すなわち、第1の室内汚れ量検知部182は、第1の排気用換気装置320に接続された室内側排気用ダクト16bを流れる室内空気中の汚れ量を検知する。第1の室内汚れ量検知部182は、検知結果を第1の排気用制御部322に送信する。第1の排気用制御部322は、第1の室内汚れ量検知部182の検知結果を、第1の排気用通信部321を介して給気用制御部312に送信する。
また、第2の室内汚れ量検知部183は、第2の排気用換気装置330に接続された室内側排気用ダクト16bを流れる室内空気中の汚れ量を検知する。第2の室内汚れ量検知部183は、検知結果を第2の排気用制御部332に送信する。第2の排気用制御部332は、第2の室内汚れ量検知部183の検知結果を、第2の排気用通信部331を介して給気用制御部312に送信する。
給気用制御部312は、屋外汚れ量検知部17で検知された屋外空気中の汚れ量の検知結果、第1の室内汚れ量検知部182および第2の室内汚れ量検知部183で検知された室内空気中の汚れ量の検知結果を受信する。ステップS1080において給気用制御部312は、新たに受信する屋外汚れ量検知部17で検知された屋外空気中の汚れ量の検知結果、新たに受信する第1の室内汚れ量検知部182および第2の室内汚れ量検知部183で検知された室内空気中の汚れ量の検知結果に基づいて、屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量以下であるか否かを判定する。
屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量より多い場合、すなわちステップS1080においてNoの場合は、ステップS1060に戻る。
屋外空気中の汚れ量が室内空気中の汚れ量以下である場合、すなわちステップS1080においてYesの場合は、ステップS1090に進む。ステップS1090において給気用制御部312は、給気風量を、ステップS1040において低減させる前の元の状態に戻す制御を行う。また、給気用制御部312は、排気風量を、ステップS1050において低減させる前の元の状態に戻す制御を行う。
すなわち、給気用制御部312は、排気風量を、ステップS1050において低減させる前の元の状態に戻す復帰指示信号を第1の排気用換気装置320の第1の排気用制御部322へ送信する。第1の排気用制御部322は、復帰指示信号に従って排気用送風機4の排気風量を元の状態に戻す制御を行う。また、給気用制御部312は、排気風量を、ステップS1050において低減させる前の元の状態に戻す復帰指示信号を第2の排気用換気装置330の第2の排気用制御部332へ送信する。第2の排気用制御部332は、復帰指示信号に従って排気用送風機4の排気風量を元の状態に戻す制御を行う。これにより、給気風量と排気風量とが元の状態の同一の風量である150m3/hでの換気運転が行われる。ステップS1090の後は、ステップS1010に戻る。
上述したように、本実施の形態5にかかる換気システム500は、1台の給気部と2台の排気部とが独立して設けられた換気装置を有する。このような換気システム500においても、実施の形態1にかかる換気システム100または実施の形態2にかかる換気システム200と同様の効果が得られる。
また、換気システム500は、第1の排気用換気装置320の排気風量と第2の排気用換気装置330の排気風量との合計の排気風量を低減させる際に第2の排気用換気装置330の排気風量を増加させることにより、第2の排気用換気装置330が排気を行っている空間または部屋の空気を早く入れ替えることが可能となり、より効率的な空気の清浄化が可能となる。
また、たとえば、HEMSのように、給気用制御部312、第1の排気用制御部322および第2の排気用制御部332とは別に設けられて給気用制御部312、第1の排気用制御部322および第2の排気用制御部332とを制御可能な制御部により、給気用制御部312、第1の排気用制御部322および第2の排気用制御部332の風量とを一括で制御および管理してもよい。
また、図15では1台の給気用換気装置と2台の排気用換気装置とを換気システム500が備える場合について説明をしたが、給気部および排気部ともに台数の制約は無く、複数台設置することも可能である。
また、本実施の形態5にかかる換気システム500においても、上述した図4または図9に示すような条件設定表を設けて、室内における人の有無を考慮して給気風量および排気風量の風量制御を行ってもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、実施の形態の技術同士を組み合わせることも可能であるし、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。