JP2020132702A - ゴム組成物およびゴム成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、摩耗係数低減効果のある添加剤を配合し、耐摩耗性を向上させることも広く行われ、特に、シリコーンオイルやシリコーンポリマーの他、有機系・無機系の各種滑剤が使用されている。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100質量部と、
前記架橋超高分子量オレフィン系重合体1〜80質量部と、
を含有するゴム組成物の製造方法。
(i)示差走査熱量計で測定した融点が120℃以上
(ii)135℃のデカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が5.0dL/g以上
(iii)平均粒子径d50が5〜15μm
[4] 前記補強材がカーボンブラックを含む、[3]に記載のゴム組成物の製造方法。
本発明に係るゴム組成物の製造方法(以下「本方法」ともいう。)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(以下「共重合体(A)」ともいう。)100質量部と、架橋超高分子量オレフィン系重合体(以下「重合体(B)」ともいう。)1〜80質量部と、を含有するゴム組成物の製造方法であって、
照射線量20〜700kGyで放射線を照射し、下記要件(i)〜(iii)を満たす超高分子量オレフィン系重合体を架橋して架橋超高分子量オレフィン系重合体を調製する工程を含む。
(i)示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が120℃以上
(ii)135℃のデカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が5.0dL/g以上
(iii)平均粒子径d50が5〜15μm
通常、ゴム成形体の表面に粒子が存在することで、摺動性に優れる成形体が得られると考えられる。しかしながら、超高分子量オレフィン系重合体粒子は凝集および再凝集しやすいことが分かった。このように(再)凝集すると、成形体の全体に粒子が分散していない状態になり、一か所に粒子が集まってしまうため、同じ量の粒子を用いても、成形体表面に存在する粒子の数が相対的に減り、摺動性が低下し、表面の場所によって摺動性が異なる成形体になる傾向にあることが分かった。また、局所的に粒子の数が増える分、外観も不良になることが分かった。
前記ゴム組成物(以下「本組成物」ともいう。)は、共重合体(A)100質量部と、重合体(B)1〜80質量部とを含有すれば特に制限されず、一般にゴム製品の製造で用いられる各種公知のその他の成分を含有していてもよい。
前記共重合体(A)は、エチレンから導かれる構造単位、炭素数3以上、好ましくは3〜20のα−オレフィンから導かれる構造単位および非共役ポリエンから導かれる構造単位を含む共重合体ゴムである。
本組成物に用いる共重合体(A)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
前記α−オレフィンは、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記非共役ポリエンは、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
また、前記共重合体(A)中における非共役ポリエンに由来する構造単位の含有量は、好ましくは1.0〜20.0質量%、より好ましくは3.0〜15質量%、特に好ましくは4.0〜14質量%である。
該有機アルミニウム化合物としては、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。
この条件で重合することで、触媒の活性に優れ、好適に共重合体(A)を製造することができる。
前記重合体(B)は、前記要件(i)〜(iii)を満たす超高分子量オレフィン系重合体に、照射線量20〜700kGyで放射線を照射して架橋させることによって得られる。
本組成物に用いる重合体(B)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
重合体(B)の配合量が前記範囲にあると、硬度と摺動性にバランスよく優れるゴム成形体を容易に得ることができる。
一方、重合体(B)の配合量が、1質量部未満の場合、摺動性に優れるゴム成形体が得難くなり、80質量部を超えると、得られるゴム成形体の外観表面が悪くなり易くなる。
前記重合体(B1)のDSCで測定した融点は120℃以上であり、好ましくは125℃以上、より好ましくは130℃以上であり、好ましくは350℃程度以下である。
融点が120℃未満である重合体は、バンバリーミキサーなどの実用混練機を用いて混合する際に溶融し、冷却された後にゴム組成物を加工できなくなるおそれがある。また、融点が120℃未満の重合体を用いて得られたゴム成形体は、高温下での特性、例えば、圧縮永久歪が大きくなる等の熱的特性が悪化する場合がある。
前記融点は、下記実施例に記載の方法で測定することができる。
前記重合体(B1)の、135℃のデカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]は、5.0dL/g以上であり、好ましくは10dL/g以上であり、好ましくは50dL/g以下、より好ましくは40dL/g以下、さらに好ましくは30dL/g以下である。
このような超高分子量の重合体を使用することにより、架橋時に重合体(B)がゴム組成物の流れ方向に偏平したりフローし難く、均一な表面状態のゴム成形体を容易に得ることができる。また、極限粘度が前記範囲にあると、耐摩耗性および自己潤滑性などに優れる重合体(B1)を容易に得ることができる。
前記重合体(B1)の平均粒子径d50は、5〜15μmであり、好ましくは7〜13μm、より好ましくは8〜12μmである。
このような平均粒子径を有する重合体(B1)を用いることによって、ハンドリングよくゴム成形体を製造することができ、表面の凹凸が微細になり良好な外観を有し、摺動性および耐衝撃強度に優れるゴム成形体を容易に得ることができる。
なお、前記平均粒子径d50は、コールターカウンター法による質量基準粒度分布の測定によって、粒子径分布の積算値が50質量%となる値である。
(1)国際公開第2006/054696号
(2)国際公開第2008/013144号
(3)国際公開第2009/011231号
(4)国際公開第2010/074073号
前記重合体(B)は、前記重合体(B1)に照射線量20〜700kGyで放射線を照射することにより調製される。
前記重合体(B1)に放射線を照射することによって、分子鎖の切断と架橋が生じ、その結果、分子鎖が架橋点で結び合わされると考えられ、これにより、ガラス転移温度または融点以上でも分子鎖が独自に流動することができなくなると考えられる。このような重合体(B)は、高温特性に優れ、応力を受けても形態を保つことができ、機械的特性を保持できる。
照射線量が前記範囲にあると、重合体(B1)の架橋反応が効率よく進行し、このようにして得られた重合体(B)を用いることで、重合体(B)同士の(再)凝集をより抑制することができる。
一方、照射線量が700kGyを超えると、重合体(B1)の劣化が激しくなり、また、照射線量が20kGy未満であると、重合体(B1)の架橋が進まない、または、遅くなってしまうため、好ましくない。
本組成物には、所望の用途、性能等に応じて、共重合体(A)および重合体(B)の他に、ゴム製品の製造で一般に用いられる各種公知の配合剤を、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選定し、適切な配合量で配合することができる。
前記その他の成分としては、例えば、補強材、架橋(加硫)剤、架橋(加硫)促進剤、架橋(加硫)助剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、アルコキシシラン化合物、活性剤、反応抑制剤、着色剤、分散剤、難燃剤、可塑剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、防カビ剤、素練り促進剤、粘着付与剤、分散染料や酸性染料を代表例とする各種染料、無機・有機顔料、界面活性剤、塗料、発泡剤、発泡助剤などの発泡のための化合物、脱泡剤が挙げられる。
これらその他の成分は、それぞれ1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記補強材としては、合成ゴムの補強材として使用されている補強材を用いることができる。かかる補強材としては、例えば、カーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ酸、タルク、クレー、これらの無機物の表面をシランカップリング剤等で処理したものが挙げられる。中でも、耐摩耗性により優れるゴム成形体を得ることができる等の点から、カーボンブラックが好ましい。
前記カーボンブラックとしては特に制限されず、例えば、SRF(Semi Reinforcing Furnace)、GPF(General Purpose Furnace)、FEF(Fast Extruding Furnace)、MAF(Medium Abrasion Furnace)、HAF(High Abrasion Furnace)、ISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace)、SAF(Super Abrasion Furnace)、FT(Fine Thermal)、MT(Medium Thermal)等のカーボンブラックが挙げられる。
平均粒径が前記範囲にあるカーボンブラックを用いると、加工性に優れる組成物を容易に得ることができ、また、より得られるゴム成形体を補強できる。
該カーボンブラックの平均粒径は、電子顕微鏡を用いて測定できる。
カーボンブラックの配合量が前記範囲にあると、硬度と加工性にバランスよく優れるゴム成形体を容易に得ることができる。
本組成物には、架橋剤を用いてもよく、本組成物を架橋させてゴム成形体を得る場合には、架橋剤を用いることが好ましい。
前記架橋剤としては、例えば、イオウ、イオウ化合物等の加硫剤、有機過酸化物が挙げられる。
イオウ化合物としては、具体的には、例えば、塩化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化物が挙げられる。また、加硫温度で活性イオウを放出して加硫可能なイオウ化合物、例えば、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレンも使用することができる。
これらの中でもイオウが好ましい。
前記架橋剤として、イオウやイオウ化合物を使用するときは、加硫促進剤を併用することが好ましい。
前記有機過酸化物としては、ゴムの過酸化物加硫に一般的に使用される化合物を用いることができる。
有機過酸化物としては、具体的には、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルヒドロパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシン)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。中でも、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましい。
架橋剤として有機過酸化物を使用するときは、架橋助剤を併用することが好ましい。
架橋助剤としては、具体的には、例えば、イオウ;p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメタクリレート等のメタクリレート系化合物;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等のアリル系化合物;その他マレイミド系化合物;ジビニルベンゼンが挙げられる。
前記軟化剤としては、ゴムに一般的に使用される軟化剤を用いることができる。
軟化剤としては、具体的には、例えば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;トール油;サブ;蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質が挙げられる。中でも石油系軟化剤が好ましく、プロセスオイルが特に好ましい。
前記老化防止剤を使用することで、長期にわたり所望の物性を有するゴム成形体を容易に得ることができる。
老化防止剤としては、具体的には、例えば、フェニルナフチルアミン、4,4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等の芳香族第二アミン系安定剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のフェノール系安定剤;ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィド等のチオエーテル系安定剤;2−メルカプトベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール系安定剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジチオカルバミン酸塩系安定剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系安定剤が挙げられる。
前記加工助剤としては、ゴムの加工に一般的に使用される化合物を用いることができる。
加工助剤としては、具体的には、例えば、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸塩、リシノール酸エステル、ステアリン酸エステル、パルチミン酸エステル、ラウリン酸エステル等の高級脂肪酸エステル類が挙げられる。
本発明に係るゴム成形体は、必要に応じて、ゴムに一般的に使用される、発泡剤、または、発泡剤および発泡助剤を、本組成物に配合し、成形、発泡、加硫を行うことで得ることもできる。
このような発泡助剤としては、例えば、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、しゅう酸などの有機酸、尿素またはその誘導体が挙げられる。
本組成物を架橋する場合、内包する水分により気泡ができたり、発泡度が異なったりすることがある。これらを防止するために、酸化カルシウム等の脱泡剤を用いてもよい。
脱泡剤を用いる場合、共重合体(A)100質量部に対する脱泡剤の配合量は、要求される物性等に応じて適宜最適量を決定することが望ましいが、通常20質量部以下、好ましくは10質量部以下である。
本方法は、重合体(B1)を架橋して重合体(B)を調製する工程を含めば特に制限されないが、通常、該工程の後、共重合体(A)、重合体(B)および、必要により用いられる前記その他の成分を混合し、ゴム組成物を調製する工程を含む。
バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー(密閉式混合機)等を用い、共重合体(A)、重合体(B)、および、必要に応じて、補強材、軟化剤(油展用)、加工助剤、加硫促進剤などを、80〜170℃の温度で2〜20分間混練する。次いで、得られたブレンド物に、必要に応じて、軟化剤、加硫剤(例:イオウ)、加硫促進剤、発泡剤、架橋剤等の添加剤を、オープンロールなどのロール類やニーダー等を使用して、必要に応じて、架橋助剤、発泡助剤、脱法剤を追加混合し、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることでゴム組成物を調製する工程が挙げられる。
本発明に係るゴム成形体の製造方法は、前記本組成物を架橋する工程を含めばよいが、具体的には、例えば、通常のゴムを加硫する方法と同様に、未架橋の本組成物を一度調製し、次に、この本組成物を意図する形状に成形した後に架橋する方法が挙げられる。
リボン状またはペレット状の本組成物をスクリュー等により予め設定した量だけポット等に供給する。次いで、予備加熱された本組成物をプランジャー等で金型内に1〜20秒で送り込み、射出した後、120〜270℃の温度で、30秒〜120分間加熱する。
予め秤量した本組成物をポット等に入れ、ピストン等により金型内に1〜20秒で注入する。その後、120〜270℃の温度で、30秒〜120分間加熱する。
該発泡成形体として、具体的には、例えば、ドアスポンジ用スポンジ、オープニングトリム用スポンジ、フードシール用スポンジ、トランクシール用スポンジ等のウェザーストリップ用スポンジ材、断熱スポンジ、ダムラバー等高発泡スポンジ材が挙げられる。
<架橋超高分子量エチレン重合体の製造>
(A)マグネシウム含有担体成分の調製
無水塩化マグネシウム95.2g(1.0mol)および2−エチルヘキシルアルコール390.6g(3.0mol)にデカンを加え、全体を1000mLとし、130℃で2時間反応を行い、均一溶液を得た。次に、充分に窒素置換した内容積1000mLのフラスコに、前記均一溶液100mL(マグネシウム原子換算で100mmol)、精製デカン50mLおよびクロロベンゼン560mLを装入し、エム・テクニック(株)製クレアミックスCLM−0.8Sを用い、回転数15000rpmの攪拌下、液温を0℃に保持しながら、精製デカンで希釈したトリエチルアルミニウム110mmolを、30分間にわたって滴下装入した。その後、液温を4時間かけて80℃に昇温し、1時間反応させた。次いで、80℃を保持しながら、再び、精製デカンで希釈したトリエチルアルミニウム202mmolを、30分間にわたって滴下装入し、その後さらに1時間加熱反応させた。反応終了後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、100mLのトルエンを加えてマグネシウム含有担体成分のトルエンスラリーを得た。
充分に窒素置換した内容積1000mLのフラスコに、前記(A)で得られたトルエンスラリーをマグネシウム原子換算で20mmolおよび精製トルエン600mLを装入し、攪拌下、室温に保持しながら、下記遷移金属化合物(I)のトルエン溶液(0.0001mmol/mL)38.9mLを20分にわたって滴下装入した。滴下装入後、1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、採取した固体部をトルエンにて充分洗浄し、精製デカンを加えて固体触媒成分(B)の200mLデカンスラリーを得た。
充分に窒素置換した内容積1LのSUS製オートクレーブに精製ヘプタン500mLを装入し、室温でエチレン100L/hrを15分間流通させ、液相および気相を飽和させた。続いて65℃に昇温した後、エチレンを12L/hrで流通させたまま、トリエチルアルミニウムのデカン溶液(Al原子で1.0mmol/mL)1.25mL、前記固体触媒成分(B)のデカンスラリーをZr原子換算で0.00008mmol加え、温度を維持したまま3分間攪拌し、次いで、エマルゲンE−108(花王(株)製)40mgを加えた後、水素を3.5mL加えて、すぐエチレン圧の昇圧を開始した。10分かけてエチレン圧を0.8MPa・Gに昇圧し、この圧力を維持するようエチレンを供給しながら70℃で2時間重合を行なった。その後、オートクレーブを冷却し、エチレンを脱圧した。得られたポリマースラリーを濾過後、ヘキサンで洗浄し、80℃で10時間減圧乾燥することにより、超高分子量エチレン重合体40.9gを得た。
示差走査熱量計RDC220(セイコーインスツル(株)製)を用い、測定用アルミパンに得られた超高分子量エチレン重合体約10mgを詰めて、50℃/分で200℃まで昇温し、200℃で10分間保持した後、10℃/分で−100℃まで降温し、次いで10℃/分で200℃まで昇温した吸熱曲線より求めた。
超高分子量エチレン重合体の融点は136℃であった。
得られた超高分子量エチレン重合体の極限粘度は、135℃、デカリン中で測定した。
超高分子量エチレン重合体の極限粘度[η]は13.0dL/gであった。
得られた超高分子量エチレン重合体の平均粒子径d50は、コールターカウンター法により測定した。
超高分子量エチレン重合体の平均粒子径d50は9.0μmであった。
前記(C)で得られた超高分子量エチレン重合体に、照射線量200kGyで電子線を照射することで、架橋超高分子量エチレン重合体を調製した。
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体[商品名:三井EPT 4045M、三井化学(株)製]100質量部と、加硫促進剤として亜鉛華5質量部と、加工助剤としてステアリン酸1質量部と、補強材としてHAFカーボンブラック[商品名:旭#70、旭カーボン(株)製]80質量部とを1.7リットル容量のバンバリーミキサーで5分間混練することで配合物を得た。
さらに、この配合物を表面温度が50℃の6インチロールに巻き付けた後、この配合物186質量部に対し、製造例1で得られた架橋超高分子量エチレン重合体5質量部およびジクミルパーオキサイド[商品名:カヤクミルDCP、化薬アクゾ(株)製]5.4質量部を加えて8分間混練し、得られた混合物を放冷した。
この混合物を、プレス成形機を用いて180℃で10分間加硫し、厚み2mmのゴムシートを製造した。
実施例1において、架橋超高分子量エチレン重合体の使用量を7.5質量部に変更した以外は実施例1と同様にしてゴムシートを製造した。
実施例1において、架橋超高分子量エチレン重合体の使用量を10質量部に変更した以外は実施例1と同様にしてゴムシートを製造した。
実施例1において、架橋超高分子量エチレン重合体の代わりに、製造例1で得られた超高分子量エチレン重合体を用いた以外は実施例1と同様にしてゴムシートを製造した。
実施例2において、架橋超高分子量エチレン重合体の代わりに、製造例1で得られた超高分子量エチレン重合体を用いた以外は実施例2と同様にしてゴムシートを製造した。
実施例3において、架橋超高分子量エチレン重合体の代わりに、製造例1で得られた超高分子量エチレン重合体を用いた以外は実施例3と同様にしてゴムシートを製造した。
前記のようにして得られたゴムシートを用い、下記引張試験、硬さ試験、グロス測定試験および動摩擦測定試験を行なった。結果を表1に示す。
前記ゴムシートをJIS K 6251に従い、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、破断時引張強さ(TB)および破断時伸び(EB)を測定した。
前記ゴムシートを重ねて厚さ12mmとし、JIS K 6253に従い、硬度(JIS−A)を測定した。
グロスメーター[グロスチェッカーIG−310、入射角60℃、受光角60℃:(株)堀場製作所製]を、前記ゴムシートの表面に当てることで、前記ゴムシートの表面光沢度を測定した。
表面性測定機[TRIBOGEAR TYPE:14FW:新東化学(株)製]を用い、下記条件で前記ゴムシートの動摩擦係数を測定し、測定した動摩擦係数の値に基づいて、動摩擦係数指数を算出した。
・圧子:幅方向、厚み方向それぞれを半円状に研磨したガラス板(45mm×20mm×厚さ3mm)
・荷重:500g
・引張速度:100mm/min
動摩擦係数指数=μd/μ[比較例1]×100
Claims (6)
- 照射線量20〜700kGyで放射線を照射し、下記要件(i)〜(iii)を満たす超高分子量オレフィン系重合体を架橋して架橋超高分子量オレフィン系重合体を調製する工程を含む、
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100質量部と、
前記架橋超高分子量オレフィン系重合体1〜80質量部と、
を含有するゴム組成物の製造方法。
(i)示差走査熱量計で測定した融点が120℃以上
(ii)135℃のデカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が5.0dL/g以上
(iii)平均粒子径d50が5〜15μm - 前記超高分子量オレフィン系重合体が超高分子量エチレン重合体である、請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記ゴム組成物が補強材を含む、請求項1または2に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記補強材がカーボンブラックを含む、請求項3に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記ゴム組成物が架橋剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム組成物の製造方法で得られたゴム組成物を架橋する工程を含む、ゴム成形体の製造方法。
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