JP2020131104A - 破砕処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】破砕処理能力を向上することができ、さらに、加工機械等で生じた破砕対象物を搬送する搬送装置の真横に配置することが可能で、工場内の装置レイアウトに要する最低限度必要な高さを減少することができる破砕処理装置を提供すること。【解決手段】側面に破砕対象物の投入口17が設けられ、底面に所定の大きさに破砕された破砕対象物が通過可能な排出口18が設けられた破砕室10と、破砕室内に、回転可能に配設された破砕ローラ33と、破砕ローラの外周面に設けられる複数の回転破砕刃40と、破砕室の底面に配設された底面固定破砕刃(底面板16)と、破砕室の投入口が設けられる側面と対向する側面に配設された側面固定破砕刃(側面プレート19)と、破砕室の上面に配設された上面固定破砕刃(上面プレート22)と、投入口の下部に回転可能に配設され、外部から搬送された破砕対象物Tを破砕室内に誘導する誘導ローラ52を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、機械加工などにより発生した切粉や、種々の廃棄物などの破砕対象物を短時間で破砕処理する破砕処理装置に関する。
従来、旋盤などの工作機械を用いる金属の切削加工などにより発生した切粉などの処理対象物を切断して減容処理する破砕処理装置が知られている。このような破砕処理装置に関する技術として、複数の孔を有する固定破砕部材が側壁に設けられた破砕室内に、複数の回転破砕刃が形成された回転破砕部材を設け、破砕室の上面に設けられた投入口から破砕対象物を投下し、回転破砕部材を駆動部材により回転することにより、回転破砕刃と固定破砕部材が協働して破砕対象物を破砕するものが知られている(特許文献1)。
特許第5480489号公報
しかし、特許文献1に記載のものは、破砕室の上面に破砕対象物を投入する投入口が設けられているため、投入口の上部に、例えば加工機械(たとえば、切削装置など)で生じた切粉などの破砕対象物を搬送する搬送装置(例えばコンベア装置など)を配置しなければならず、破砕処理装置の上部に高さ方向のスペースを要するため、工場内のスペースを効率的に利用することができないと共に、工場内の装置レイアウトが限定されるという問題点があった。
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、加工機械で生じた破砕対象物を搬送する搬送装置の真横に配置することが可能で、工場内の装置レイアウトに要する最低限度必要な高さを減少することができる破砕処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る破砕処理装置は、上面と側面と底面を備え、側面に破砕対象物の投入口が設けられ、底面に所定の大きさに破砕された上記破砕対象物が通過可能な排出口が設けられた破砕室と、上記破砕室内に、破砕対象物の投入方向の直交方向を軸方向として回転可能に配設された破砕ローラと、上記破砕ローラの外周面に設けられる複数の回転破砕刃と、上記破砕室の底面に配設され、上記回転破砕刃と協働して破砕対象物を破砕する底面固定破砕刃と、上記破砕室の上記投入口が設けられる側面と対向する側面に配設され、上記回転破砕刃と協働して、上記底面固定破砕刃により破砕された後の破砕対象物を破砕する側面固定破砕刃と、上記破砕室の上面に配設され、上記回転破砕刃と協働して、上記側面固定破砕刃により破砕された後の破砕対象物を破砕する上面固定破砕刃と、上記破砕ローラを、上記底面固定破砕刃から上記側面固定破砕刃の方向に回転駆動する第1駆動機構と、を備える、ことを特徴とする。
このように構成することによって、破砕室の側面に破砕対象物の投入口が設けられているため、加工機械で生じた破砕対象物を搬送する搬送装置の真横に配置することができる。
また、破砕室の底面に底面固定破砕刃、破砕室の側面に側面固定破砕刃、及び、破砕室の上面に上面固定破砕刃を配設することにより、破砕処理能力(例えば単位時間当たりの破砕処理量)を向上することができる。
この場合、上記破砕室の上記投入口の下部に、上記破砕ローラの軸方向の平行方向を軸方向として回転可能に配設され、外部から搬送された上記破砕対象物を破砕室内に誘導すると共に、上記上面固定破砕刃により破砕された後の破砕対象物を破砕室内に再誘導する誘導ローラと、上記誘導ローラを、上記破砕ローラの回転方向と逆方向に回転駆動する第2駆動機構と、を備える方が好ましい。
このように構成することによって、加工機械で生じた破砕対象物を搬送する搬送装置から破砕対象物を破砕室内に円滑に誘導することができる。
この場合、上記破砕ローラの外周面と上記側面固定破砕刃の間の距離、上記破砕ローラの外周面と上記上面固定破砕刃の間の距離、及び、上記破砕ローラの外周面と上記底面固定破砕刃の間の距離が異なるように、上記側面固定破砕刃、上記上面固定破砕刃、及び、上記底面固定破砕刃が破砕室内に配設されている方が好ましい。
このように構成することによって、破砕室内で破砕対象物の滞留や目詰まりの発生を減少し、破砕処理能力を向上することができる。
この場合、上記破砕ローラの外周面と上記側面固定破砕刃の間の距離(距離Y)は、上記破砕ローラの外周面と上記上面固定破砕刃の間の距離(距離Z)、及び、上記破砕ローラの外周面と上記底面固定破砕刃の間の距離(距離X)より小さくなるように、上記側面固定破砕刃、上記上面固定破砕刃、及び、上記底面固定破砕刃が破砕室内に配設されている方がよい。
大きな破砕力が生じさせる処理の直後においては、切断された破砕物同士が絡み合って集合体を形成することがあり、集合体の大きさによっては排出口から落下することができず破砕処理能力が低下する不具合が生じる。そこで、最も大きな破砕力が生じる処理と、排出口から落下させる処理の間に、集合体を解して分解する処理を行うことが好ましい。
距離Yを最小にすれば、側面固定破砕刃における破砕処理を最も大きな破砕力が生じさせる処理とすることができる。距離Zを距離Yより大きくすれば、上面固定破砕刃の処理について、破砕処理に加えて集合体を解して分解する処理を行うことができる。距離Y<距離Zとすることにより、最も大きな破砕力が生じる処理と、排出口から落下させる処理の間に、集合体を解して分解する処理を行うことができる。この結果、破砕処理能力を向上することができる。
本発明の破砕処理装置によれば、破砕処理能力を向上することができ、さらに、加工機械で生じた破砕対象物を搬送する搬送装置の真横に配置することが可能で、工場内の装置レイアウトに要する最低限度必要な高さを減少することができる。
本発明における破砕処理装置を示す概略斜視図である。 破砕処理装置の概略分解斜視図である。 図2の概略分解斜視図を斜め下方向から見た際の状態を示す図である。 図3のβ部概略拡大図である。 図1のα−α矢視概略断面図である。 破砕処理装置の破砕処理を説明するための概略説明図である。
以下、本発明に係る破砕処理装置1について、図面を参照して説明する。ここでは、加工機械である金属切削装置(図示せず)で生じた金属切粉である破砕対象物Tを、第1コンベア装置2(図6参照)により破砕処理装置1に搬送し、破砕対象物Tを破砕処理装置1により破砕処理し、生じた破砕物Hを第2コンベア装置3(図6参照)により破砕物収容箱(図示せず)に搬送する場合について説明する。
(破砕処理装置1の説明)
図1,2,3を参照して、破砕処理装置1について説明する。図1は、破砕処理装置1を示す概略斜視図が示されている。図2,3は、破砕処理装置1の概略分解斜視図が示されている。破砕処理装置1は、破砕対象物Tを破砕処理する装置であって、破砕ローラユニット30と、破砕室10と、第1駆動機構60と、誘導ローラユニット50と、第2駆動機構70を主に備えている。
(破砕ローラユニット30の説明)
図1,2,3,5を参照して、破砕ローラユニット30について説明する。図1には、破砕室10内に配設され収容された状態の破砕ローラユニット30の斜視図が示されている。図2,3は、破砕ローラユニット30の斜視図が示されている。図5は、破砕ローラユニット30の概略断面図が示されている。破砕ローラユニット30は、後述する破砕室10内に配設された底面固定破砕刃(底面板16)、側面固定破砕刃(側面プレート19)及び上面固定破砕刃(上面プレート22)と協働して、破砕対象物Tを破砕するためのユニットであって、中心軸31と、破砕ローラ33と、回転破砕刃40を主に備えている。
破砕ローラ33は、軸方向の長さが長い円筒状金属により形成される金属円筒33Aと軸方向の長さが短い円筒状金属により形成される金属円筒33Bの2種類の金属円筒33A,33Bを並設したものである。本実施形態においては、金属円筒33A2個の間に金属円筒33Bを配置して並設している。金属製の中心軸31は、3つ併設された金属円筒33A,33Bの中心孔に嵌挿されており、中心軸31と金属円筒33Aは強固に連結されている。なお、本実施形態において、破砕ローラ33は2種類の金属円筒33A,33Bを3つ並設して構成したが、シームレスな一部材の円筒状金属で構成してもよい。
破砕ローラ33を構成する金属円筒33A,33Bの外周面には、前方視で三角形状、右方視で略台形状の回転破砕刃40が凸設されている。回転破砕刃40は、中心軸31の軸方向に整列するように複数凸設されており、一列に整列した複数の回転破砕刃40により刃列が形成されている。金属円筒33A,33Bには、刃列が宜間隔を空けて複数例えば4列形成されている。金属円筒33A,33Bを並設する際には、破砕室10内で破砕対象物Tの滞留や目詰まりの発生を減少するため、金属円筒33Aの刃列が金属円筒33Bの刃列に対して列を形成しないようにずれた位置になるように並設されている。
中心軸31は、後述する破砕室10の左側面板12、右側面板13に形成された軸受孔12A,13Aにより回転可能に支持されている。このため、破砕ローラユニット30は、投入口17と平行な方向を軸方向として回転可能に配設される。右側面板13から突出する中心軸31の右端部には、後述する第1駆動機構60を構成する第2ギア64が固定され、左側面板12から突出する中心軸31の左端部には、後述する第2駆動機構70を構成する第3ギア71が固定されている。
(破砕室10の説明)
図1〜5を参照して、破砕室10について説明する。図1には、破砕ローラユニット30収容された状態の破砕室10の斜視図が示されている。図2,3,4は、破砕室10の斜視図が示されている。図5は、破砕室10の概略断面図が示されている。破砕室10は、内部に底面固定破砕刃(底面板16)、側面固定破砕刃(側面プレート19)及び上面固定破砕刃(上面プレート22)を備えると共に破砕ローラユニット30を収容し、破砕対象物Tを破砕処理するためのスペースを提供する。
破砕室10は、刃物鋼の板状の部材で形成されており、左右方向に長い平面矩形形状の金属製中空箱体であって、上面板11、左側面板12、右側面板13、前側面板14、後側面板15、底面板16を備えている。前側面板14には、上端から下部にかけて矩形状の開口が形成されており、この開口が破砕室10の側面に設けられる破砕対象物Tの投入口17となる。また、前側面板14の下部内側には、室内方向に向かうにつれて低くなる傾斜面14Aが形成されており、破砕室10内の前側下角部に破砕対象物T,破砕物Hの滞留が発生するのを防止している。
底面板16には、打ち抜くことにより形成された複数の孔が設けられており、この孔が破砕処理された破砕物Hを排出するための排出口18となる。排出口18の大きさは任意に設定することができるので、所定の大きさまで破砕処理された破砕物Hのみを落下させることができる。排出口18は、軸方向に長径を有する複数の長孔を軸方向に並べて一列設け、長孔の後方に複数の丸孔を軸方向に並べて複数の列を設けている。長孔は、丸孔と比較して大きな開口面積を有する孔であり、破砕物Hのみならず破砕処理装置1では破砕できない異物、例えば金属切削装置の欠けた切削刃、破砕不可能な厚みを持つ破砕対象物T等を所定の大きさであれば排出することができる。
破砕室10に誘導された破砕対象物Tは、破砕ローラユニット30と底面板16との間に送り込まれる。破砕ローラユニット30と底面板16との間では、破砕ローラユニット30を構成する回転破砕刃40のそれぞれと、底面板16、特に、その排出口18との間で破砕が行なわれる。より詳細には、破砕対象物Tは、回転破砕刃40および排出口18の周囲に接触することにより、引っ張られ、或いは、折り曲げられ、細かく破砕される。このように、本実施形態における底面板16は、回転破砕刃40と協働して破砕対象物Tを破砕する底面固定破砕刃として機能する。
後側面板15の室内側の側面には、刃物鋼の板状の部材で形成された長板状の側面プレート19が固定されている。側面プレート19の室内側の側面には、前方視で菱形状凸部19Aが複数形成されている。菱形状凸部19Aは、軸方向に並べられて列をなしており列が2列設けられている。また、後側面板15の下部室内側には、室内方向に向かうにつれて低くなる傾斜面を備える傾斜材20が固定されており、破砕室10内の後下角部に破砕対象物T,破砕物Hの滞留が発生するのを防止している。また、後側面板15の上部室内側には、室内方向に向かうにつれて高くなる傾斜面を備える傾斜材21が固定されており、破砕室10内の後上角部に破砕対象物T,破砕物Hの滞留が発生するのを防止している。
破砕ローラユニット30と底面板16との間で破砕処理された破砕対象物Tは、破砕ローラユニット30に巻き上げられ、破砕ローラユニット30と側面プレート19との間に送り込まれる。破砕ローラユニット30と側面プレート19との間では、破砕ローラユニット30を構成する回転破砕刃40のそれぞれと、側面プレート19、特に、その菱形状凸部19Aとの間で破砕が行なわれる。より詳細には、破砕対象物Tは、回転破砕刃40および菱形状凸部19Aの周囲に接触することにより、引っ張られ、或いは、折り曲げられ、細かく破砕される。このように、本実施形態における側面プレート19は、回転破砕刃40と協働して破砕対象物Tを破砕する側面固定破砕刃として機能する。
上面板11の室内側の側面には、刃物鋼の板状の部材で形成された長板状の上面プレート22が固定されている。上面プレート22の室内側の側面には、下方視で菱形状凸部22Aが複数形成されている。菱形状凸部22Aは、軸方向に並べられて列をなしており列が1列設けられている。
破砕ローラユニット30と側面プレート19との間で破砕処理された破砕対象物Tは、破砕ローラユニット30に巻き上げられ、破砕ローラユニット30と上面プレート22との間に送り込まれる。破砕ローラユニット30と上面プレート22との間では、破砕ローラユニット30を構成する回転破砕刃40のそれぞれと、上面プレート22、特に、その菱形状凸部22Aとの間で破砕が行なわれる。より詳細には、破砕対象物Tは、回転破砕刃40および菱形状凸部22Aの周囲に接触することにより、引っ張られ、或いは、折り曲げられ、細かく破砕される。このように、本実施形態における上面プレート22は、回転破砕刃40と協働して破砕対象物Tを破砕する上面固定破砕刃として機能する。
図5を参照して、破砕ローラ33の外周面と上面固定破砕刃として機能する底面板16の間の距離X(図5参照)、破砕ローラ33の外周面と上面固定破砕刃として機能する側面プレート19の間の距離Y(図5参照)、破砕ローラ33の外周面と上面固定破砕刃として機能する上面プレート22の間の距離Z(図5参照)の関係について説明する。本実施形態においては、距離の大きさについて、距離Y<距離Z<距離Xの関係で構成されている。
大きな破砕力が生じさせる処理の直後においては、切断された破砕物H同士や破砕対象物Tと破砕物Hが絡み合い集合体を形成することがあり、集合体の大きさによっては排出口18から落下することができず破砕処理能力が低下する不具合が生じ得る。そこで、最も大きな破砕力が生じる処理と、排出口18から落下させる処理の間に、集合体を解して分解する処理を行うことが好ましい。
そこで、距離Yを最小にすれば、側面プレート19における破砕処理を最も大きな破砕力が生じさせる処理とすることができる。距離Zを距離Yより大きくすれば、上面プレート22の処理について、破砕処理に加えて集合体を解して分解する処理を行うことができる。距離Y<距離Zとすることにより、最も大きな破砕力が生じる処理と、排出口18から落下させる処理の間に、集合体を解して分解する処理を行うことができる。この結果、破砕処理能力を向上することができる。なお、破砕ローラ33の外周面と底面板16の間の距離Xは、破砕対象物Tを収容し投入口17からのオーバーフローを防止するためのスペースとしても機能するように、距離Yよりも大きい距離となっている。
(第1駆動機構60の説明)
図1,2,3を参照して、第1駆動機構60について説明する。図1,2,3は、第1駆動機構60を示す概略斜視図が示されている。第1駆動機構60は、破砕ローラユニット30を、回転する装置であって、筐体61と、モータ62と、第1ギア63と、第2ギア64と、チェーン65を主に備えている。筐体61は、破砕室10の上に積層された左右方向に長い平面矩形形状の金属製中空箱体であって、回転力を発生するモータ62の一部を収容している。第1ギア63は、筐体61の右側面外側に突出したシャフト(図示せず)の端部に固定されている。第2ギア64は、破砕室10の右側面外側から突出した中心軸31の端部に固定されている。チェーン65は、第1ギア63と第2ギア64に巻回され、モータ62が発生する回転力を第1ギア63を介して第2ギア64に伝達する。第1駆動機構60は、破砕ローラユニット30を底面板16から側面プレート19の方向に回転駆動する。
(誘導ローラユニット50の説明)
図1,2,3,5を参照して、誘導ローラユニット50について説明する。図1には、破砕室10に配設された状態の誘導ローラユニット50の斜視図が示されている。図2,3は、誘導ローラユニット50の斜視図が示されている。図5は、破砕ローラユニット30の概略断面図が示されている。誘導ローラユニット50は、外部から搬送された破砕対象物を破砕室内に誘導すると共に、上面プレート22により破砕された後の破砕対象物Tを破砕室10内に再誘導するためのユニットであって、中心軸51と、誘導ローラ52を主に備えている。
誘導ローラ52は、シームレスな一部材の円筒状金属である。誘導ローラ52の径は、破砕ローラ33の径と比較して小径に形成されており、誘導ローラ52の外周面には、軸方向に凹条52Aが複数形成されている。金属製の中心軸51は、誘導ローラ52の中心孔に嵌挿されており、中心軸51と誘導ローラ52は強固に連結されている。
中心軸51は、破砕室10の左側面板12、右側面板13に形成された軸受孔12B,13Bにより回転可能に支持されている。軸受孔12B,13Bが形成される位置は、破砕ローラユニット30の中心軸31を支持する軸受孔12A,13Aの形成される位置と比較して前方かつ下方である。このため、誘導ローラユニット50は、投入口17の下部に配設される。誘導ローラユニット50は、破砕ローラユニット30の軸方向と平行な方向を軸方向として回転可能に配設される。左側面板12から突出する中心軸51の左端部には、後述する第2駆動機構70を構成する第4ギア72が固定されている。
(第2駆動機構70の説明)
図1,2,3を参照して、第2駆動機構70について説明する。図1,2,3は、第2駆動機構70を示す概略斜視図が示されている。第2駆動機構70は、誘導ローラユニット50を回転する装置であって、第3ギア71と、第4ギア72を主に備えている。第3ギア71と第4ギア72の外周には歯溝が形成されている。第3ギア71は、破砕室10の左側面板12から突出する破砕ローラユニット30の中心軸31の左端部に固定されており、中心軸31の回転により回転する。第4ギア72は、第3ギア71の歯溝と第4ギア72の歯溝が係合する位置に並んで配設されている。第3ギア71が回転すると、第3ギア71の歯溝と第4ギア72の歯溝が係合することにより、第4ギア72が第3ギア71と逆方向に回転する。このため、誘導ローラユニット50は、第2駆動機構70により破砕ローラユニット30の回転方向と逆方向に回転駆動する。
(工場内の装置レイアウトの説明)
図6を参照して、工場内の装置レイアウトについて説明する。図6は、工場内の装置群を水平方向から見た際の状態を示す概略説明図である。第1コンベア装置2は、金属切削装置(図示せず)で生じた金属切粉である破砕対象物Tを搬送する。破砕処理装置1は、第1コンベア装置2が破砕対象物Tを搬送する方向に投入口17を向けて、第1コンベア装置2の端部と破砕ローラユニット30が同じ高さになる位置、かつ、第1コンベア装置2の端部と誘導ローラユニット50の直上になる位置に配置する。第2コンベア装置3(図6参照)は、破砕処理装置1の直下に配置され、破砕処理装置1より落下した破砕物Hを破砕物収容箱(図示せず)に搬送する。
このように、本発明の破砕処理装置1によれば、破砕室10の側面に破砕対象物Tの投入口17が設けられているため、金属切削装置で生じた破砕対象物Tを搬送する第1コンベア装置2の真横に配置することが可能で、工場内の装置レイアウトに要する最低限度必要な高さを減少することができる。
(破砕処理装置1の処理の説明)
図6を参照して、破砕処理装置1の処理について説明する。図6は、破砕処理装置1の破砕処理を説明するための説明図である。第1コンベア装置2により搬送された破砕対象物Tは、誘導ローラユニット50上に落下し、反時計回りに回転する誘導ローラユニット50により破砕室10内に誘導される。
次いで、破砕室10に誘導された破砕対象物Tは、時計回りに回転する破砕ローラユニット30により、破砕ローラユニット30と底面板16との間に送り込まれる。破砕ローラユニット30と底面板16との間では、破砕ローラユニット30を構成する回転破砕刃40のそれぞれと、底面板16、特に、その排出口18との間で破砕が行なわれる。より詳細には、破砕対象物Tは、回転破砕刃40および排出口18の周囲に接触することにより、引っ張られ、或いは、折り曲げられる。この処理において、排出口18を通過可能な程度まで細かく破砕された破砕物Hは、排出口18から落下する。一方で、排出口18を通過可能な程度まで細かく破砕されなかった破砕対象物T1や、処理されなかった破砕対象物Tは、時計回りに回転する破砕ローラユニット30により巻き上げられ、破砕ローラユニット30と側面プレート19との間に送り込まれる。
次いで、破砕ローラユニット30と側面プレート19との間に送り込まれた破砕対象物T,T1は、破砕ローラユニット30と側面プレート19との間で、破砕ローラユニット30を構成する回転破砕刃40のそれぞれと、側面プレート19、特に、その菱形状凸部19Aとの間で破砕が行なわれる。より詳細には、破砕対象物T,T1は、回転破砕刃40および菱形状凸部19Aの周囲に接触することにより、引っ張られ、或いは、折り曲げられる。このような引っ張りおよび折り曲げにより、破砕対象物T,T1は細かく破砕される。上述したように、破砕ローラ33の外周面と側面プレート19の間の距離Yは最小であるため、側面プレート19における破砕処理を最も大きな破砕力が生じる処理である。この処理において、排出口18を通過可能な程度まで細かく破砕された破砕物H、排出口18を通過可能な程度まで細かく破砕されなかった破砕対象物T1、処理されなかった破砕対象物Tは、時計回りに回転する破砕ローラユニット30により巻き上げられ、破砕ローラユニット30と上面プレート22との間に送り込まれる。
次いで、破砕ローラユニット30と上面プレート22との間に送り込まれた破砕対象物T,T1は、破砕ローラユニット30と上面プレート22との間で、破砕ローラユニット30を構成する回転破砕刃40のそれぞれと、上面プレート22、特に、その菱形状凸部22Aとの間で破砕が行なわれる。より詳細には、破砕対象物T,T1は、回転破砕刃40および菱形状凸部19Aの周囲に接触することにより、引っ張られ、或いは、折り曲げられる。このような引っ張りおよび折り曲げにより、破砕対象物T,T1は細かく破砕される。上述したように、破砕ローラ33の外周面と上面プレート22の間の距離Zは距離Yより大きいため、破砕処理に加え、切断された破砕物H同士等が絡み合う集合体を解して分解する処理が行われる。この処理において、排出口18を通過可能な程度まで細かく破砕された破砕物H、排出口18を通過可能な程度まで細かく破砕されなかった破砕対象物T1、処理されなかった破砕対象物Tは、時計回りに回転する破砕ローラユニット30により巻き上げられた後に、破砕室10の底面板16もしくは誘導ローラユニット50上に落下する。誘導ローラユニット50上に落下した破砕物H等は、反時計回りに回転する誘導ローラユニット50により破砕室10内に再誘導される。
次いで、破砕物H,破砕対象物T,T1は、時計回りに回転する破砕ローラユニット30により、破砕ローラユニット30と底面板16との間に送り込まれる。従前の処理により、排出口18を通過可能な程度まで細かく破砕された破砕物Hは、排出口18から落下する。一方で従前の処理後においても、排出口18を通過可能な程度まで細かく破砕されなかった破砕対象物T1や、処理されなかった破砕対象物Tは、最初に破砕室10内に誘導された後の手順で処理を繰り返し、引っ張りおよび折り曲げを繰り返すことにより、排出口18を通過可能な程度まで細かく破砕される。
このように、本発明の破砕処理装置1によれば、破砕室10の底面に底面板16、破砕室10の側面に側面プレート19、及び、破砕室10の上面に上面プレート22を配設することにより、破砕処理能力(例えば単位時間当たりの破砕処理量)を向上することができる。
本発明は上記の実施形態及び実施例の例示に限定されるものでなく、特許請求の範囲の技術的範囲には、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態が含まれる。
1 破砕処理装置
10 破砕室
16 底面板(底面固定破砕刃)
17 投入口
18 排出口
19 側面プレート(側面固定破砕刃)
22 上面プレート(上面固定破砕刃)
33 破砕ローラ
40 回転破砕刃
52 誘導ローラ
60 第1駆動機構
70 第2駆動機構
H 破砕物
T,T1 破砕対象物
X 破砕ローラの外周面と底面固定破砕刃(底面板16)の間の距離
Y 破砕ローラの外周面と側面固定破砕刃(側面プレート19)の間の距離
Z 破砕ローラの外周面と上面固定破砕刃(上面プレート22)の間の距離
上記課題を解決するために、本発明に係る破砕処理装置は、上面と側面と底面を備え、側面に金属切粉である破砕対象物の投入口が設けられ、底面に所定の大きさに破砕された上記破砕対象物が通過可能な排出口が設けられた破砕室と、上記破砕室内に、破砕対象物の投入方向の直交方向を軸方向として回転可能に配設された破砕ローラと、上記破砕ローラの外周面に設けられる複数の回転破砕刃と、上記破砕室の底面に配設され、上記回転破砕刃と協働して破砕対象物を破砕する底面固定破砕刃と、上記破砕室の上記投入口が設けられる側面と対向する側面に配設され、上記回転破砕刃と協働して、上記底面固定破砕刃により破砕された後の破砕対象物を破砕する側面固定破砕刃と、上記破砕室の上面に配設され、上記回転破砕刃と協働して、上記側面固定破砕刃により破砕された後の破砕対象物を破砕する上面固定破砕刃と、上記破砕ローラを、上記底面固定破砕刃から上記側面固定破砕刃の方向に回転駆動する第1駆動機構と、を備え、上記破砕ローラの外周面と上記側面固定破砕刃の間の距離、上記破砕ローラの外周面と上記上面固定破砕刃の間の距離、及び、上記破砕ローラの外周面と上記底面固定破砕刃の間の距離が異なるように、上記側面固定破砕刃、上記上面固定破砕刃、及び、上記底面固定破砕刃が破砕室内に配設されており上記破砕ローラの外周面と上記側面固定破砕刃の間の距離は、上記破砕ローラの外周面と上記上面固定破砕刃の間の距離、及び、上記破砕ローラの外周面と上記底面固定破砕刃の間の距離より小さくなるように、上記側面固定破砕刃、上記上面固定破砕刃、及び、上記底面固定破砕刃が破砕室内に配設されている、ことを特徴とする。
また、破砕室の底面に底面固定破砕刃、破砕室の側面に側面固定破砕刃、及び、破砕室の上面に上面固定破砕刃を配設することにより、破砕処理能力(例えば単位時間当たりの破砕処理量)を向上することができる。
また、破砕ローラの外周面と側面固定破砕刃の間の距離、破砕ローラの外周面と上面固定破砕刃の間の距離、及び、破砕ローラの外周面と底面固定破砕刃の間の距離が異なるように、側面固定破砕刃、上面固定破砕刃、及び、底面固定破砕刃が破砕室内に配設されていることにより、破砕室内で破砕対象物の滞留や目詰まりの発生を減少し、破砕処理能力を向上することができる。
また、破砕ローラの外周面と側面固定破砕刃の間の距離(距離Y)は、破砕ローラの外周面と上面固定破砕刃の間の距離(距離Z)、及び、破砕ローラの外周面と底面固定破砕刃の間の距離(距離X)より小さくなるように、側面固定破砕刃、上面固定破砕刃、及び、底面固定破砕刃が破砕室内に配設されていることにより、下記の理由により破砕処理能力を向上することができる。
大きな破砕力が生じさせる処理の直後においては、切断された破砕物同士が絡み合って集合体を形成することがあり、集合体の大きさによっては排出口から落下することができず破砕処理能力が低下する不具合が生じる。そこで、最も大きな破砕力が生じる処理と、排出口から落下させる処理の間に、集合体を解して分解する処理を行うことが好ましい。
距離Yを最小にすれば、側面固定破砕刃における破砕処理を最も大きな破砕力が生じさせる処理とすることができる。距離Zを距離Yより大きくすれば、上面固定破砕刃の処理について、破砕処理に加えて集合体を解して分解する処理を行うことができる。距離Y<距離Zとすることにより、最も大きな破砕力が生じる処理と、排出口から落下させる処理の間に、集合体を解して分解する処理を行うことができる。この結果、破砕処理能力を向上することができる。

Claims (4)

  1. 上面と側面と底面を備え、側面に破砕対象物の投入口が設けられ、底面に所定の大きさに破砕された上記破砕対象物が通過可能な排出口が設けられた破砕室と、
    上記破砕室内に、上記投入口と平行な方向を軸方向として回転可能に配設された破砕ローラと、
    上記破砕ローラの外周面に設けられる複数の回転破砕刃と、
    上記破砕室の底面に配設され、上記回転破砕刃と協働して破砕対象物を破砕する底面固定破砕刃と、
    上記破砕室の上記投入口が設けられる側面と対向する側面に配設され、上記回転破砕刃と協働して、上記底面固定破砕刃により破砕された後の破砕対象物を破砕する側面固定破砕刃と、
    上記破砕室の上面に配設され、上記回転破砕刃と協働して、上記側面固定破砕刃により破砕された後の破砕対象物を破砕する上面固定破砕刃と、
    上記破砕ローラを、上記底面固定破砕刃から上記側面固定破砕刃の方向に回転駆動する第1駆動機構と、を備える、
    ことを特徴とする破砕処理装置。
  2. 請求項1記載の破砕処理装置において、
    上記破砕室の上記投入口の下部に、上記破砕ローラの軸方向と平行な方向を軸方向として回転可能に配設され、外部から搬送された上記破砕対象物を破砕室内に誘導すると共に、上記上面固定破砕刃により破砕された後の破砕対象物を破砕室内に再誘導する誘導ローラと、
    上記誘導ローラを、上記破砕ローラの回転方向と逆方向に回転駆動する第2駆動機構と、を備える、
    ことを特徴とする破砕処理装置。
  3. 請求項1又は2記載の破砕処理装置において、
    上記破砕ローラの外周面と上記側面固定破砕刃の間の距離、上記破砕ローラの外周面と上記上面固定破砕刃の間の距離、及び、上記破砕ローラの外周面と上記底面固定破砕刃の間の距離が異なるように、上記側面固定破砕刃、上記上面固定破砕刃、及び、上記底面固定破砕刃が破砕室内に配設されている、ことを特徴とする破砕処理装置。
  4. 請求項3記載の破砕処理装置において、
    上記破砕ローラの外周面と上記側面固定破砕刃の間の距離は、上記破砕ローラの外周面と上記上面固定破砕刃の間の距離、及び、上記破砕ローラの外周面と上記底面固定破砕刃の間の距離より小さくなるように、上記側面固定破砕刃、上記上面固定破砕刃、及び、上記底面固定破砕刃が破砕室内に配設されている、ことを特徴とする破砕処理装置。

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