JP2020129030A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、残留トナーが感光体にピンホールを発生させ難く、かつ画像濃度及び耐かぶり性に優れるトナーの提供を目的とする。【解決手段】本発明のトナーは、トナー粒子を含む。前記トナー粒子は、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備える。前記トナー母粒子は、結着樹脂及び磁性粉を含有する。前記外添剤は、外添剤粒子を含む。前記外添剤粒子は、チタン酸ストロンチウムを含有する基体と、前記基体を被覆する導電層と、前記導電層を直接又は間接的に被覆する表面処理層とを備える。前記表面処理層は、疎水化処理剤に由来する成分を含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、トナーに関する。
電子写真法による画像形成においては、トナー粒子を含むトナーが用いられる。トナー粒子は、例えば、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備える。トナー粒子に用いる外添剤として、感光体(例えば、アモルファスシリコン感光体)表面の研磨を目的として、研磨粒子を用いる場合がある。このような外添剤としては、疎水化処理を行った導電性微粒子が提案されている(特許文献1)。
WO2007/114502
しかし、本発明者の検討により、特許文献1に記載の外添剤を用いたトナーは、以下の点で改善の余地があることが判明した。まず、特許文献1に記載の外添剤を用いたトナーは、残留トナー(転写されずに感光体上に残留したトナー)がクリーニングブレード等で除去される際に剥離放電して感光体にピンホールを発生させる傾向がある。また、特許文献1に記載の外添剤を用いたトナーは、帯電安定性が不十分であり、画像濃度低下及びかぶりが発生し易い傾向がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、残留トナーが感光体にピンホールを発生させ難く、かつ画像濃度及び耐かぶり性に優れるトナーを提供することである。
本発明に係るトナーは、トナー粒子を含むトナーである。前記トナー粒子は、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備える。前記トナー母粒子は、結着樹脂及び磁性粉を含有する。前記外添剤は、外添剤粒子を含む。前記外添剤粒子は、チタン酸ストロンチウムを含有する基体と、前記基体を被覆する導電層と、前記導電層を直接又は間接的に被覆する表面処理層とを備える。前記表面処理層は、疎水化処理剤に由来する成分を含有する。
本発明に係るトナーは、残留トナーが感光体にピンホールを発生させ難く、かつ画像濃度及び耐かぶり性に優れる。
本発明に係るトナーが含むトナー粒子の一例を示す模式的断面図である。 図1の外添剤粒子の一例を示す模式的断面図である。 図1の外添剤粒子の一例を示す模式的断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、トナーは、トナー粒子の集合体(例えば粉体)である。外添剤は、外添剤粒子の集合体(例えば粉体)である。粉体(より具体的には、トナー粒子の粉体、外添剤粒子の粉体等)に関する評価結果(形状、物性等を示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から粒子を相当数選び取って、それら粒子の各々について測定した値の個数平均である。
粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、ベックマン・コールター株式会社製「コールターカウンターマルチサイザー3」を用いてコールター原理(細孔電気抵抗法)に基づき測定した値である。
粉体の個数平均一次粒子径は、何ら規定していなければ、走査型電子顕微鏡を用いて測定した一次粒子の円相当径(ヘイウッド径:一次粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。粉体の個数平均一次粒子径は、例えば100個の一次粒子の円相当径の個数平均値である。なお、粒子の個数平均一次粒子径は、特に断りがない限り、粉体中の粒子の個数平均一次粒子径を指す。
帯電性は、何ら規定していなければ、摩擦帯電における帯電性を意味する。摩擦帯電における正帯電性の強さ(又は負帯電性の強さ)は、公知の帯電列などで確認できる。
材料の「主成分」は、何ら規定していなければ、質量基準で、その材料に最も多く含まれる成分を意味する。
疎水性の強さ(又は親水性の強さ)は、例えば水滴の接触角(水の濡れ易さ)で表すことができる。水滴の接触角が大きいほど疎水性が強い。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰り返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。
<トナー>
本発明の実施形態に係るトナーは、トナー粒子を含む。トナー粒子は、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備える。トナー母粒子は、結着樹脂及び磁性粉を含有する。外添剤は、外添剤粒子(以下、外添剤粒子(A)と記載することがある)を含む。外添剤粒子(A)は、チタン酸ストロンチウムを含有する基体と、基体を被覆する導電層と、導電層を直接又は間接的に被覆する表面処理層とを備える。表面処理層は、疎水化処理剤に由来する成分を含有する。
本発明に係るトナーは、例えば正帯電性を有する磁性トナー(一成分現像剤)として、静電潜像の現像に好適に用いることができる。
本発明に係るトナーは、上述の構成を備えることにより、残留トナーが感光体にピンホールを発生させ難く、かつ画像濃度及び耐かぶり性に優れる。その理由を以下に説明する。本発明に係るトナーが含む外添剤粒子(A)は、導電層を備えるため、トナー粒子に過剰な電荷が蓄積されることを抑制する。そのため、本発明に係るトナーは、残留トナーが感光体にピンホールを発生させ難い。また、外添剤粒子(A)は、疎水化処理剤により形成される表面処理層が導電層を直接又は間接的に被覆している。表面処理層は、導電層の剥離を抑制し、かつ高温高湿環境におけるトナーの帯電安定性を向上させる。更に、外添剤粒子(A)は、チタン酸ストロンチウムを含有する基体と、導電層及び表面処理層との帯電性が近似している傾向がある。そのため、外添剤粒子(A)は、使用に伴って表面処理層及び導電層が剥がれた場合においてもトナーの帯電性に影響を与え難い。これらにより、本発明に係るトナーは、帯電性が変化し難いため、画像濃度及び耐かぶり性に優れると判断される。
以下、トナーの詳細を更に説明する。なお、以下に記載する各成分については、特に断りのない限り、1種単独でも用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[トナー粒子]
図1は、トナーに含まれるトナー粒子1の一例を示す。図1に示すトナー粒子1は、トナー母粒子2と、トナー母粒子2の表面に付着した外添剤とを備える。外添剤は、外添剤粒子(A)3を含む。
但し、本発明に係るトナーの含むトナー粒子は、図1に示すトナー粒子1とは異なる構造であってもよい。具体的には、トナー粒子は、外添剤として外添剤粒子(A)のみを含んでいてもよいが、その他の外添剤粒子(以下、その他の外添剤粒子と記載することがある)を含んでいてもよい。また、外添剤粒子(A)の断面形状は、矩形状(例えば、正方形状)であってもよい。更に、トナー粒子は、シェル層を備えるトナー粒子(以下、カプセルトナー粒子と記載することがある)であってもよい。カプセルトナー粒子では、トナー母粒子が、例えば結着樹脂及び磁性紛を含有するトナーコアと、トナーコアの表面を覆うシェル層とを備える。以上、本発明に係るトナーに含まれるトナー粒子の詳細について、図1を基に説明した。
[外添剤粒子(A)]
外添剤粒子(A)は、チタン酸ストロンチウムを含有する基体と、基体を被覆する導電層と、導電層を直接又は間接的に被覆する表面処理層とを備える。表面処理層は、疎水化処理剤に由来する成分を含有する。以下、外添剤粒子(A)の構造について、図面に沿って2つの例を挙げて説明する。
図2は、外添剤粒子(A)の第一の例である外添剤粒子(A)3aを示す。外添剤粒子(A)3aは、チタン酸ストロンチウムを含有する基体4と、基体4を被覆する導電層5と、導電層5を直接被覆する表面処理層6とを備える。外添剤粒子(A)3aは、後述する外添剤粒子(A)の第二の例である外添剤粒子(A)3bと比較し、低コストで調製することができる。
図3は、外添剤粒子(A)の第二の例である外添剤粒子(A)3bを示す。外添剤粒子(A)3bは、チタン酸ストロンチウムを含有する基体4と、基体4を被覆する導電層5と、導電層5を間接的に被覆する表面処理層6と、導電層5及び表面処理層6の間に設けられる保護層7とを備える。
外添剤粒子(A)3bは、外添剤粒子(A)3aと比較し、保護層7を更に備え、表面処理層6が保護層7を介して導電層5を間接的に被覆しているという点で異なる。外添剤粒子(A)3bは、外添剤粒子(A)3aと比較し、導電層5の剥離を保護層7によって効果的に抑制できる。そのため、外添剤粒子(A)3bを備えるトナーは、外添剤粒子(A)3aを備えるトナーと比較し、残留トナーが感光体にピンホールをより発生させ難く、かつ画像濃度及び耐かぶり性により優れる。
以上、外添剤粒子(A)の2つの例について図面に沿って説明した。但し、外添剤粒子(A)の構造は、図2及び図3に限定されない。具体的には、外添剤粒子(A)は、導電層、保護層及び表面処理層に加え、他の層を更に備えていてもよい。また、導電層は、基体を間接的に被覆していてもよい。更に、導電層、保護層及び表面処理層は、各々、単層であることが好ましいが、多層であってもよい。
外添剤粒子(A)の個数平均一次粒子径としては、60nm以上300nm以下が好ましく、75nm以上150nm以下がより好ましい。外添剤粒子(A)の個数平均一次粒子径を60nm以上300nm以下とすることで、トナー母粒子からの外添剤粒子(A)の脱離を抑制し、トナーの耐フィルミング性を向上できる。
トナー粒子における外添剤粒子(A)の含有量としては、トナー母粒子100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.5質量部以上2.0質量部以下がより好ましい。外添剤粒子(A)の含有量を0.1質量部以上5.0質量部以下とすることで、残留トナーが感光体にピンホールを発生させることをより効果的に抑制し、かつ画像濃度及び耐かぶり性をより向上できる。
(基体)
基体は、チタン酸ストロンチウムを含有する。基体におけるチタン酸ストロンチウムの含有割合としては、80質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、100質量%が更に好ましい。
基体の調製方法としては、特に限定されず、例えば、酸化チタン又はメタチタン酸と、炭酸ストロンチウムとを混合し、焼成する方法(焼成法)が挙げられる。
また、基体の調製方法としては、常圧加熱反応法を用いることもできる。常圧加熱反応法によれば、焼成法と比較し、個数平均一次粒子径の小さい基体を得られる傾向がある。常圧加熱反応法としては、例えば、チタン化合物の加水分解物とストロンチウム化合物とを、強アルカリ水溶液中で反応させる方法A、チタン化合物の加水分解物とストロンチウム化合物とを、過酸化水素の存在下で湿式反応させる方法B、溶液状態のストロンチウム化合物と、溶液状態又はスラリー状態のチタン化合物とを混合しながら加熱する方法C、及びチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品とストロンチウム源とを混合し、得られた混合物を50℃以上の温度に加熱しながら、混合物にアルカリ水溶液を添加する方法Dが挙げられる。
(導電層)
導電層は、導電性を有する酸化物を含有することが好ましく、導電性を有する金属酸化物を含有することがより好ましい。導電性を有する金属酸化物としては、例えば、酸化スズを含有する金属酸化物(例えば、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化インジウムスズ(ITO)及びフッ素ドープ酸化スズ(FTO))と、酸化亜鉛を含有する金属酸化物(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)及びガリウムドープ酸化亜鉛(GZO))とが挙げられる。導電層は、アンチモンドープ酸化スズを含有することが好ましい。導電層における導電性を有する酸化物の含有割合としては、80質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、100質量%が更に好ましい。
導電層がアンチモンドープ酸化スズを含有する場合、基体の質量に対する酸化スズ(SnO)の質量(詳しくは、導電層に含有される酸化スズ(SnO)の質量)の比(SnOの質量/基体の質量)としては、0.65以上1.55以下が好ましく、0.75以上1.15以下がより好ましく、0.75以上0.95以下が更に好ましい。ここで、酸化スズの質量の比は、外添剤粒子(A)における導電層の厚さを大まかに示す値である。酸化スズの質量の比を0.65以上とすることで、外添剤粒子(A)に充分な導電性を付与し、残留トナーが感光体にピンホールを発生させることをより効果的に抑制できる。酸化スズの質量の比を1.55以下とすることで、導電層の基体からの剥離を抑制できる。
導電層がアンチモンドープ酸化スズを含有する場合、導電層におけるスズ原子及びアンチモン原子の合計物質量に対するアンチモン原子の物質量の比(アンチモン原子の物質量/(スズ原子の物質量+アンチモン原子の物資量))としては、0.13以上0.28以下が好ましく、0.15以上0.25以下がより好ましい。アンチモンドープ酸化スズは、上述の比が0.13以上0.28以下の場合に導電性が特に高くなる傾向がある。そのため、上述の比を0.13以上0.28以下とすることで、外添剤粒子(A)により高い導電性を付与できる傾向がある。
アンチモンドープ酸化スズを含有する導電層で基体を被覆する方法について説明する。まず、基体を水系溶媒(例えば、水)に分散させる。次いで、基体を含む懸濁液に、塩化第二スズ五水和物(SnCl・5HO)と三塩化アンチモン(SbCl)とを塩酸に溶解させた酸水溶液と、アルカリ水溶液(例えば、アンモニア水溶液)とを添加する。これにより、基体の表面上に被覆層が形成される。その後、被覆層が形成された基体を焼成(例えば、加熱温度600℃以上800℃以下、加熱時間1時間以上4時間以下)することにより、アンチモンドープ酸化スズを含有する導電層で被覆された基体が得られる。上述の酸水溶液及びアルカリ水溶液の添加時には、懸濁液のpH及び温度を一定範囲(例えばpH6.5以上9.0以下、かつ60℃以上80℃以下)に維持するとよい。
(保護層)
保護層は、導電層の剥離を抑制する。保護層は、チタネートカップリング剤に由来する成分、含窒素樹脂又は水酸化アルミニウムを含有することが好ましい。即ち、保護層としては、チタネートカップリング剤により形成される層、又は含窒素樹脂若しくは水酸化アルミニウムを含有する層が好ましい。
チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、又はイソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネートが挙げられる。チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネートが好ましい。
含窒素樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アニリン樹脂、グアナミン樹脂、及びポリウレタン樹脂が挙げられる。含窒素樹脂としては、ウレタン樹脂又はメラミン樹脂が好ましい。
外添剤粒子(A)における保護層の質量としては、基体100質量部に対して、5質量部以上120質量部以下が好ましく、10質量部以上50質量部以下がより好ましい。保護層の質量を5質量部以上とすることで、導電層の剥離をより効果的に抑制できる。保護層の質量を150質量部以下とすることで、トナー粒子の電荷の過剰な蓄積をより効果的に抑制できる。
保護層を形成する方法としては、例えば、導電層で被覆された基体を含む溶液を攪拌しながら保護層の原料成分(例えば、チタネートカップリング剤、含窒素樹脂、又はポリ塩化アルミニウム及び水酸化ナトリウム)を滴下又は噴霧した後に加熱する第一の方法、及び保護層の原料成分を含む溶液を攪拌しながらその溶液中に導電層で被覆された基体を添加した後に加熱する第二の方法が挙げられる。第一の方法及び第二の方法における加熱条件としては、例えば、加熱温度70℃以上150℃以下、加熱時間30分以上5時間以下とすることができる。
(表面処理層)
表面処理層は、疎水化処理剤により形成される層であり、外添剤粒子(A)に疎水性を付与する。疎水化処理剤としては、チタネートカップリング剤、シランカップリング剤、シリコーンオイル、脂肪酸及び脂肪酸金属塩が挙げられる。疎水化処理剤としては、チタネートカップリング剤、シランカップリング剤、又はシリコーンオイルが好ましい。
チタネートカップリング剤としては、保護層で例示したチタネートカップリング剤と同様の化合物が挙げられる。チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネートが好ましい。
シランカップリング剤としては、アルキルアルコキシシランが挙げられる。アルキルアルコキシシランが有するアルキル基としては、炭素原子数3以上8以下のアルキル基が好ましい。
アルキルアルコキシシランとしては、例えば、プロピルトリメトキシシラン(より具体的には、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン等)、プロピルトリエトキシシラン(より具体的には、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン等)、ブチルトリメトキシシラン(より具体的には、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン等)、ブチルトリエトキシシラン(より具体的には、n−ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン等)、ヘキシルトリメトキシシラン(より具体的には、n−ヘキシルトリメトキシシラン等)、ヘキシルトリエトキシシラン(より具体的には、n−ヘキシルトリエトキシシラン等)、オクチルトリメトキシシラン(より具体的には、n−オクチルトリメトキシシラン等)、及びオクチルトリエトキシシラン(より具体的には、n−オクチルトリエトキシシラン等)が挙げられる。
シランカップリング剤としては、アルキルアルコキシシランが好ましく、モノアルキルトリアルコキシシランがより好ましく、イソブチルトリエトキシシランが更に好ましい。
シリコーンオイルとしては、ストレートシリコーンオイル(より具体的には、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、及びメチルハイドロジェンシリコーンオイル等)、反応性の変性シリコーンオイル(より具体的には、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、メタクリル酸変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、及びアルコール変性シリコーンオイル等)、及び非反応性の変性シリコーンオイル(より具体的には、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、及びメチルスチリル変性シリコーンオイル等)が挙げられる。シリコーンオイルとしては、ストレートシリコーンオイルが好ましく、メチルハイドロジェンシリコーンオイルがより好ましい。
外添剤粒子(A)における表面処理層の質量としては、基体100質量部に対して、5質量部以上100質量部以下が好ましく、10質量部以上40質量部以下がより好ましい。表面処理層の質量を5質量部以上100質量部以下とすることで、トナー粒子に適度な疎水性を付与できる。
表面処理の具体的な方法としては、例えば、表面処理前の粒子(導電層及び保護層で被覆された基体、又は導電層で被覆された基体)を含む溶液を攪拌しながら疎水化処理剤を滴下又は噴霧した後に加熱する第一の方法、及び疎水化処理剤の溶液を攪拌しながらその溶液中に表面処理前の粒子を添加した後に加熱する第二の方法が挙げられる。第一の方法及び第二の方法における加熱条件としては、例えば、加熱温度70℃以上150℃以下、加熱時間30分以上5時間以下とすることができる。
外添剤粒子(A)における保護層及び表面処理層の好ましい層構成について説明する。表面処理層が導電層を直接被覆する場合(即ち、外添剤粒子(A)が保護層を備えない場合)、表面処理層は、チタネートカップリング剤若しくはシランカップリング剤に由来する成分、又はシリコーンオイルを含有することが好ましい。
外添剤粒子(A)が導電層及び表面処理層の間に設けられる保護層を備える場合、保護層はチタネートカップリング剤に由来する成分、含窒素樹脂又は水酸化アルミニウムを含有することが好ましい。また、表面処理層は、シランカップリング剤に由来する成分又はシリコーンオイルを含有することが好ましい。
なお、チタネートカップリング剤に由来する成分を含有する層(チタネートカップリング剤により形成される層)は、保護層及び表面処理層の両方の機能を発揮する。但し、チタネートカップリング剤に由来する成分を含有する層は、保護層として特に優れた機能を発揮する傾向がある。
(その他の外添剤粒子)
その他の外添剤粒子としては、無機粒子が好ましく、シリカ粒子、又は金属酸化物(具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等)の粒子がより好ましく、シリカ粒子又は酸化チタン粒子が更に好ましい。但し、その他の外添剤粒子として、脂肪酸金属塩(具体的には、ステアリン酸亜鉛等)のような有機酸化合物の粒子、又は樹脂粒子を使用してもよい。
トナー粒子におけるその他の外添剤粒子の含有量としては、トナー母粒子からの脱離を抑制しながらその機能を十分に発揮させる観点から、トナー母粒子100質量部に対して、0.1質量部以上15.0質量部以下が好ましく、0.5質量部以上5.0質量部以下がより好ましい。
[トナー母粒子]
トナー母粒子は、結着樹脂及び磁性紛を含有する。トナー母粒子は、必要に応じて、内添剤(例えば、着色剤、離型剤及び電荷制御剤の少なくとも1つ)を更に含有してもよい。トナー母粒子の製造方法としては、粉砕法及び凝集法が挙げられ、粉砕法が好ましい。
良好な画像を形成する観点から、トナー母粒子の体積中位径(D50)としては、4μm以上9μm以下が好ましい。
(結着樹脂)
トナー母粒子は、例えば主成分として結着樹脂を含有する。低温定着性に優れたトナーを提供する観点から、トナー母粒子は、結着樹脂として熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂全体の85質量%以上の割合で熱可塑性樹脂を含有することがより好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰り返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等)も、結着樹脂として使用できる。結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好ましく、非晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
トナー母粒子における結着樹脂の含有割合としては、30質量%以上90質量%以下が好ましく、40質量%以上70質量%以下がより好ましい。
(磁性粉)
磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、及びこれら金属の1種以上を含む合金等)、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト及び二酸化クロム等)、及び強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)を好適に使用できる。
良好な画像を形成する観点から、トナー母粒子における磁性粉の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、40質量部以上120質量部以下が好ましく、60質量部以上90質量部以下がより好ましい。
磁性紛の個数平均一次粒子径としては、0.1μm以上1.0μm以下が好ましく、0.1μm以上0.3μm以下がより好ましい。
磁性粉からの金属イオン(例えば、鉄イオン)の溶出を抑制するためには、磁性粉を表面処理することが好ましい。トナー母粒子の表面に金属イオンが溶出すると、トナー母粒子同士が固着し易くなる。磁性粉からの金属イオンの溶出を抑制することで、トナー母粒子同士の固着を抑制できると考えられる。
(着色剤)
トナー母粒子は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質な画像を形成する観点から、着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下が好ましい。
トナー母粒子は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。黒色着色剤として、磁性粉を用いてもよい。すなわち、トナー母粒子は、磁性粉以外の着色剤を含まなくてもよい。
(離型剤)
トナー母粒子は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーに耐オフセット性を付与する目的で使用される。トナーに充分な耐オフセット性を付与する観点から、離型剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下が好ましい。
(電荷制御剤)
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、より優れた帯電安定性又は優れた帯電立ち上がり特性を有するトナーを提供する目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電させることができるか否かの指標になる。
トナー母粒子に負帯電性の電荷制御剤(より具体的には、有機金属錯体又はキレート化合物等)を含有させることで、トナー母粒子のアニオン性を強めることができる。また、トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤(より具体的には、ピリジン、ニグロシン、又は4級アンモニウム塩等)を含有させることで、トナー母粒子のカチオン性を強めることができる。ただし、トナーにおいて十分な帯電性が確保される場合には、トナー母粒子に電荷制御剤を含有させる必要はない。
(シェル層)
シェル層は、実質的に樹脂から構成される。シェル層は、実質的に熱硬化性樹脂から構成されていてもよく、実質的に熱可塑性樹脂から構成されていてもよく、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との両方を含有していてもよい。例えば、低温で溶融するトナーコアを、耐熱性に優れるシェル層で覆うことで、トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図ることが可能になる。シェル層を構成する樹脂中には、添加剤が分散していてもよい。シェル層は、トナーコアの全面を被覆していてもよく、トナーコアの表面を部分的に被覆していてもよい。
[トナーの製造方法]
本発明に係るトナーは、例えば、トナー母粒子の表面に外添剤粒子(A)を含む外添剤を付着させる工程(外添工程)を備える方法により製造することができる。トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる方法としては、特に限定されないが、例えば、トナー母粒子及び外添剤をミキサー等で攪拌する方法が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。しかし、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。
なお、実施例において、特定の原料を「TiO換算でXモル」と表現している場合、その原料を収率100%で反応させた際にXモルのTiOを含む生成物が得られることを示す。
[外添剤粒子の調製]
以下の方法により、外添剤粒子(A−1)〜(A−29)及び(a−1)〜(a−7)を調製した。まず、各外添剤粒子の調製に際して実施した「導電層の形成処理」、「チタネートカップリング剤処理」、「シランカップリング剤処理」、「シリコーンオイル処理」、「ウレタン樹脂による被覆処理」、「メラミン樹脂による被覆処理」及び「水酸化アルミニウムによる被覆処理」の詳細について説明する。
なお、各処理において、「原料粒子」とは、各処理を行う対象となる粒子を示す。「粉砕機」は、日本ニューマチック工業株式会社製「ジェットミル(登録商標)I−2型」を示す。この粉砕機は、衝突板としてセラミック製の平板を使用した。「攪拌装置」とは、モーター(アズワン株式会社販売「アズワントルネードモーター1−5472−04」)に攪拌羽根(アズワン株式会社販売「アズワン攪拌羽根R−1345型」)を取り付けた装置を示す。
(導電層の形成処理)
基体300gを、プライミクス株式会社製「ホモミクサーMARK II 2.5型」を用いて純水に分散させることにより、2リットルの懸濁液を調製した。得られた懸濁液を70℃に加熱した。別途用意した2.4N塩酸750ミリリットルに、塩化第二スズ・5水和物(SnCl・5HO)及び三塩化アンチモン(SbCl)を溶解させ、酸溶液を調製した。酸溶液の調製において、塩化第二スズ・5水和物及び三塩化アンチモンの添加量は、下記表1に示す通りとした。その後、上述の懸濁液に、5Nアンモニア水溶液及び酸溶液を1時間かけて並行滴下した。並行滴下においては、懸濁液を70℃に保持し、かつ懸濁液のpHが7〜8に保持されるように滴下量を調節した。その後、懸濁液をろ過した。得られたろ物に純水を添加した後、再度ろ過した(洗浄処理)。洗浄処理は、ろ液の導電率が50μS/cm以下になるまで繰り返し行った。洗浄後のろ物を110℃で12時間乾燥させた後、700℃の電気炉にて2時間焼成した。得られた焼成物を、粉砕機を用いて粉砕圧0.6MPaで粉砕した。これにより、導電層で被覆された基体を得た。
(チタネートカップリング剤処理)
原料粒子300gと、チタネートカップリング剤(味の素株式会社製「プレンアクト(登録商標)TTS」、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート)24gとを、混合装置(株式会社カワタ製「ナノパージョンピッコロ」)に投入し、80℃、6000rpmの条件で1時間混合した。その後、得られた混合物を110℃で12時間乾燥させた。その後、乾燥後の混合物を、粉砕機を用いて粉砕圧0.6MPaで粉砕した。これにより、チタネートカップリング剤に由来する成分を含有する層で被覆された原料粒子を得た。
(シランカップリング剤処理)
原料粒子300gと、シランカップリング剤(東京化成工業株式会社製「イソブチルトリエトキシシラン」)26gと、エタノール水溶液(エタノール90質量%)50gとを混合した。得られた混合液を、混合装置(株式会社カワタ製「ナノパージョンピッコロ」)に投入し、80℃、1時間、6000rpmの条件で混合した。その後、得られた混合物を110℃で12時間乾燥させた。その後、乾燥後の混合物を、粉砕機を用いて粉砕圧0.6MPaで粉砕した。これにより、シランカップリング剤に由来する成分を含有する層で被覆された原料粒子を得た。
(シリコーンオイル処理)
混合装置(プライミクス社製「T.K.ハイビスディスパーミックスHM−3D−5型」)に、n−ヘキサン(和光純薬工業株式会社製「n−ヘキサン一級」)1.5Lと、メチルハイドロジェンシリコーンオイル(信越化学株式会社製「KF−99」)21gとを投入して、メチルハイドロジェンシリコーンオイルをn−ヘキサンに溶解させた。次いで、混合装置内のn−ヘキサン溶液に、原料粒子300gを加えた。その後、常温にて30分間、30rpmの条件で、混合装置の内容物を攪拌した。攪拌後、混合装置の内容物を、温度計及び攪拌羽根を備えた3Lのセパラブルフラスコに移した。セパラブルフラスコの内容物を、攪拌装置を用いて300rpmの条件で攪拌しながら35℃から70℃まで5℃/15分の速度で昇温した。その後、セパラブルフラスコの内容物の温度を70℃に維持しつつ、減圧乾燥機にて乾燥させた(減圧乾燥処理)。減圧乾燥処理は、フラスコの内容物が完全に乾燥して質量が一定になるまで続けた。減圧乾燥処理後の内容物を電気炉に投入し、窒素雰囲気下、200℃で3時間の焼成を行った。焼成により得られた粗粉体を、粉砕機を用いて粉砕圧0.6MPaで粉砕した。これにより、シリコーンオイルを含有する層で被覆された原料粒子を得た。
(ウレタン樹脂による被覆処理)
混合装置(プライミクス社製「T.K.ハイビスディスパーミックスHM−3D−5型」)を用い、イオン交換水1.5Lと、原料粒子300gとを、常温にて30分間、30rpmの条件で攪拌することで分散液を調製した。得られた分散液に水溶性ウレタン樹脂(第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス(登録商標)170」、固形分濃度30質量%の水溶液)100gを投入し、常温にて5分間、30rpmの条件で攪拌して混合した。混合後、混合装置の内容物を、温度計及び攪拌羽根を備えた3Lのセパラブルフラスコに移した。セパラブルフラスコの内容物を、攪拌装置を用いて300rpmの条件で攪拌しながら35℃から70℃まで5℃/15分の速度で昇温させた。次いで、温度を70℃に維持しつつ、30分間、回転数90rpmの条件で、セパラブルフラスコの内容物を攪拌した。その後、セパラブルフラスコの内容物を、常温まで冷却した後、ブフナーロートを用いてろ取した。得られたウェットケーキ状のろ物をエタノール水溶液(エタノール50質量%)に分散させることでスラリーを調製した。得られたスラリーを連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)に供給し、スラリーを乾燥させることで粗粉体を得た。連続式表面改質装置を用いた乾燥条件は、熱風温度45℃、ブロアー風量2m/分とした。得られた粗粉体を、粉砕機を用いて粉砕圧0.6MPaで粉砕した。これにより、ウレタン樹脂を含有する層で被覆された原料粒子を得た。
(メラミン樹脂による被覆処理)
以下の点を変更した以外は、ウレタン樹脂による被覆処理と同様の方法により、メラミン樹脂による被覆処理を行った。メラミン樹脂による被覆処理では、水溶性ウレタン樹脂の代わりに、メチロールメラミン(日本カーバイド工業株式会社製「ニカレジン(登録商標)S−260」)25gを分散液に投入した。これにより、メラミン樹脂を含有する層で被覆された原料粒子を得た。
(水酸化アルミニウムによる被覆処理)
混合装置(プライミクス社製「T.K.ハイビスディスパーミックスHM−3D−5型」)を用い、イオン交換水1.5Lと、原料粒子300gとを、常温にて30分間、30rpmの条件で攪拌することで分散液を調製した。この分散液を45℃に加熱した後、100g/Lのポリ塩化アルミニウム(高杉製薬株式会社製)800gと、5N水酸化ナトリウム水溶液とを同時に滴下した。滴下においては、分散液を45℃に保ち、かつ分散液のpHが6.0に保たれるように滴下量を調節した。滴下後の分散液を30℃に冷却した後、ブフナーロートを用いてろ取した。得られたウェットケーキ状のろ物を、エタノール水溶液(エタノール50質量%)に分散させてスラリーを調製した。得られたスラリーを連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)に供給し、スラリーを乾燥させることで粗粉体を得た。連続式表面改質装置を用いた乾燥条件は、熱風温度45℃、ブロアー風量2m/分とした。得られた粗粉体を、粉砕機を用いて粉砕圧0.6MPaで粉砕した。これにより、水酸化アルミニウムを含有する層で被覆された原料粒子を得た。
[外添剤粒子(A−1)]
(基体の調製)
硫酸チタニル(米山薬品工業株式会社製)に、4N水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH9.0の溶液を調製した(脱硫処理)。この溶液に6N塩酸を添加してpH5.5に調節した後、濾過水洗を行った。洗浄後、ウェットケーキ状のろ物に水を加えてスラリーを調製した。水の添加量は、スラリーのTiO換算での濃度が1.25モル/Lとなる量とした。このスラリーに6N塩酸を添加し、pHを1.2に調節した(解膠処理)。解膠処理後のスラリーのうち、TiO換算で0.156モルのスラリーを3Lの反応容器に投入した。反応容器に、塩化ストロンチウム水溶液を添加した。添加後の反応液は、SrO/TiO換算でのモル比が1.15であり、かつTiO換算での濃度が0.156モル/Lであった。その後、反応容器に窒素ガスを流しながら20分間放置することで、反応容器内を窒素ガスで置換した。次に、この反応容器に窒素ガスを流しながら、反応容器内の混合溶液を300rpmの条件で攪拌混合しつつ13.5℃/分の条件で90℃に加熱した。その後、混合溶液を90℃に維持しつつ、300rpmの条件で攪拌混合を行いながら、2.5N水酸化ナトリウム水溶液143mLを添加した。2.5N水酸化ナトリウム水溶液の添加にかけた時間(添加時間A)は、下記表1に示す通りとした。その後、混合溶液を90℃、1時間、600rpmの条件で攪拌することで反応させた。反応後、混合溶液を40℃まで冷却した後、窒素雰囲気下で混合溶液の上澄み液を除去した。その後、窒素雰囲気下において、混合溶液に含まれていた沈殿物(生成物)に2.5Lの純水を加えた後、デカンテーションで上澄み液を除去するという一連の操作を2回行った。洗浄後、生成物をブフナー漏斗でろ過し、得られたウェットケーキ状のろ物(生成物)を110℃の大気中で8時間乾燥させた。これにより、基体(チタン酸ストロンチウム粒子)を得た。
得られた基体に対し、上述の導電層の形成処理を行った。その後、得られた基体及び導電層を備える粒子を原料粒子として用い、上述のチタネートカップリング剤処理(第一処理)を行った。これにより、基体と、導電層と、チタネートカップリング剤に由来する層とを備える外添剤粒子(A−1)を得た。
[外添剤粒子(A−2)〜(A−29)及び(a−1)〜(a−5)]
以下の点を変更した以外は、外添剤粒子(A−1)の調製と同様の方法により、外添剤粒子(A−2)〜(A−29)及び(a−1)〜(a−5)を調製した。
外添剤粒子(A−2)〜(A−29)及び(a−1)〜(a−5)の調製では、基体の調製の際の添加時間Aと、導電層の形成処理の際のSnCl・5HO及びSbClの添加量とをそれぞれ下記表1に示す通りとした。外添剤粒子(A−10)〜(A−15)、(A−18)、(A−19)、(A−28)、(A−29)及び(a−1)〜(a−5)の調製では、以下に示す点を更に変更した。
外添剤粒子(A−10)の調製においては、基体及び導電層を備える粒子に対し、第一処理としてシランカップリング剤処理を行った。
外添剤粒子(A−11)の調製においては、基体及び導電層を備える粒子に対し、第一処理としてシリコーンオイル処理を行った。
外添剤粒子(A−12)、(A−18)、(A−19)、(A−28)及び(A−29)の調製では、基体及び導電層を備える粒子に対し、チタネートカップリング剤処理(第一処理)を行い、その後、シランカップリング剤処理(第二処理)を行った。
外添剤粒子(A−13)の調製では、基体及び導電層を備える粒子に対し、メラミン樹脂による被覆処理(第一処理)を行い、その後、シランカップリング剤処理(第二処理)を更に行った。
外添剤粒子(A−14)の調製では、基体及び導電層を備える粒子に対し、ウレタン樹脂による被覆処理(第一処理)を行い、その後、シランカップリング剤処理(第二処理)を更に行った。
外添剤粒子(A−15)の調製では、基体及び導電層を備える粒子に対し、水酸化アルミニウムによる被覆処理(第一処理)を行い、その後、シランカップリング剤処理(第二処理)を更に行った。
外添剤粒子(a−1)の調製では、基体及び導電層を備える粒子に対し、メラミン樹脂による被覆処理(第一処理)を行った。
外添剤粒子(a−2)の調製では、基体及び導電層を備える粒子に対し、ウレタン樹脂による被覆処理(第一処理)を行った。
外添剤粒子(a−3)の調製では、基体及び導電層を備える粒子に対し、水酸化アルミニウムによる被覆処理(第一処理)を行った。
外添剤粒子(a−4)の調製では、基体及び導電層を備える粒子をそのまま外添剤粒子として用いた。
外添剤粒子(a−5)の調製では、基体(チタン酸ストロンチウム粒子)に対し、チタネートカップリング剤処理(第一処理)を行った。
[外添剤粒子(a−6)〜(a−7)]
塩素法によって得た四塩化チタンと、酸素ガスとの混合物を気相酸化反応器に導入し、気相にて温度1000℃で反応させることによってバルク状の酸化チタンを得た。このバルク状の酸化チタンをハンマーミルで粉砕し、得られた粉砕物を洗浄した後に110℃で乾燥させた。乾燥後の粉砕物を、超音速ジェット粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製「ジェットミルIDS−2」)を用いて解砕することで、酸化チタン粒子(個数平均一次粒子径:90nm、結晶型:ルチル型)を得た。なお、酸化チタン粒子の個数平均一次粒子径は、ハンマーミルの設定によって調節した。
得られた酸化チタン粒子に対し、導電層の形成処理を行った。これにより、基体(酸化チタン粒子)と、基体を被覆する導電層とを備える外添剤粒子(a−7)を得た。
また、外添剤粒子(a−7)を原料粒子として用い、チタネートカップリング剤処理(第一処理)を行った。これにより、基体(酸化チタン粒子)と、基体を被覆する導電層と、導電層を被覆するチタネートカップリング剤に由来する層とを備える外添剤粒子(a−6)を得た。
各外添剤粒子の調製方法を下記表1に示す。下記表1において、「−」は、該当する処理を行っていないことを示す。「TTS」は、味の素株式会社製「プレンアクト(登録商標)TTS」を示す。「iBTES」は、イソブチルトリエトキシシランを示す。「PAC」は、ポリ塩化アルミニウムを示す。
Figure 2020129030
[トナー母粒子の調製]
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10」)を用いて、結着樹脂としての非晶性ポリエステル樹脂(日本合成化学工業株式会社製「ポリエスター(登録商標)HP−313」)100質量部と、着色剤としてのカーボンブラック(三菱化学株式会社製「MA100」)6質量部と、電荷制御剤としてのニグロシン染料(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)N−71」)2質量部、及び藤倉化成株式会社製「アクリベ−ス(登録商標)FCA−201PS」(成分:4級アンモニウム塩由来の繰り返し単位を含むスチレン−アクリル酸系樹脂)4質量部と、離型剤としてのカルナバワックス(東亜化成株式会社製)4質量部と、磁性粉としてのマグネタイト粒子(三井金属株式会社製「TN−15」、個数平均一次粒子径0.17μm)77質量部とを混合した。
得られた混合物を、2軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM−26SS」)を用いて溶融混練した。その後、得られた混練物を冷却した。その後、冷却後の混練物を、粉砕機(旧東亜器械製作所製「ロートプレックス(登録商標)16/8型」)を用いて設定粒子径2mmで粗粉砕した。得られた粗粉砕物を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルRS型」)を用いて微粉砕した。得られた微粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。これにより、個数平均一次粒子径7.0μmのトナー母粒子を得た。
<トナーの製造>
外添剤(外添剤粒子(A−1)〜(A−29)及び(a−1)〜(a−7)の何れか)1.0質量部と、正帯電性シリカ粒子(キャボット社製「CAB−O−SIL(登録商標)TG−308F」)1.5質量部と、トナー母粒子100質量部とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10」)を用いて回転数3,500rpm、5分間の条件で混合した。これにより、実施例1〜29及び比較例1〜7のトナーを得た。
[外添剤粒子の分析]
実施例1〜29及び比較例1〜7のトナーの各外添剤粒子について、蛍光X線分析により「基体の質量に対する酸化スズ(SnO)の質量の比」及び「導電層におけるスズ原子及びアンチモン原子の合計物質量に対するアンチモン原子の物質量の比」を測定した。また、各外添剤粒子について、粒子径と、脱離スズ量と、粉体比抵抗とを測定した。測定結果を下記表2に示す。
(蛍光X線分析)
各外添剤粒子を蛍光X線で分析し、分析結果に基づいて「基体の質量に対する酸化スズの質量の比(SnO/基体)」及び「導電層におけるスズ原子及びアンチモン原子の合計物質量に対するアンチモン原子の物質量の比(Sb/(Sn+Sb))」を算出した。蛍光X線分析の条件は、以下の通りとした。なお、外添剤粒子(A−1)〜(A−29)及び(a−1)〜(a−5)の測定における検量線の作成には、チタン酸ストロンチウム、酸化スズ(SnO)及び五酸化アンチモンを特定の配合比率で混合した複数種の検量線用サンプルを用いた。また、外添剤粒子(a−6)及び(a−7)の測定における検量線の作成には、酸化チタン、酸化スズ(SnO)及び五酸化アンチモンを特定の配合比率で混合した複数種の検量線用サンプルを用いた。
(蛍光X線分析の条件)
・試料:外添剤粒子を圧力20MPa、加圧時間3秒間の条件で加圧成形した円柱状ペレット
・分析装置:走査型蛍光X線分析装置(株式会社リガク製「ZSX」)
・X線管球(X線源):Rh(ロジウム)
・励起条件:管電圧50kV、管電流50mA
・測定領域(X線照射範囲):直径30mm
・測定元素:ストロンチウム、アンチモン、チタン、スズ
(粒子径の測定)
走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製「JSM−6700F」)を用いてトナーの断面画像(倍率:3万倍)を撮影した。撮影した断面画像に基づき、100個の外添剤粒子(詳しくは、外添剤粒子(A−1)〜(A−29)及び(a−1)〜(a−7)の何れか)の円相当径を画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて解析し、その平均値を個数平均一次粒子径とした。
(脱離スズ量)
50mLガラス瓶に、外添剤粒子(詳しくは、外添剤粒子(A−1)〜(A−29)及び(a−1)〜(a−7)の何れか)5gと、エタノール25gとを投入し、沈降物がなくなるまでハンドシェイクした。得られた混合物を、超音波洗浄機(株式会社エスエヌディ製「US−2KS」)で1分間超音波処理(120W、38kHz)した。その後、混合物にエタノール10gを更に添加した後、沈降物がなくなるまで再びハンドシェイクした。その後、混合物を超音波プラスチックウエルダ(超音波工業株式会社製「UPW0128A1H」)で5分間超音波処理(100W、28kHz)した。その後、混合物を5mLの遠心チューブに移し、遠心分離(8000rpm、1分)を行った後、上澄みを採取した。ピペッターを用い、上澄み液1000μLを、X線測定用のフィルター状の微量粉末用容器(リガク製「試料板20ミリ(3399O053)」)に注ぎ、乾燥させた。その後、微量粉末用容器に含まれるSnの強度(脱離スズ量[kcps/mL])を蛍光X線分析装置にて測定した。蛍光X線分析の条件は、上述した外添剤粒子の蛍光X線分析における条件と同様とした。脱離スズ量が多い(導電層が剥離し易い)外添剤粒子を備えるトナーは、剥離した導電層が他の部材等に付着して帯電安定性が変動し易い傾向がある。
(粉体比抵抗)
電気抵抗計(株式会社アドバンテスト製「R6561」)の円筒状の測定セルに外添剤粒子5gを投入した。なお、測定セルは、底面が金属製の電極であり、筒部がフッ素樹脂製であった。続けて、測定セルに充填した外添剤粒子に電気抵抗計の電極を繋いだ。この電極に1kgの荷重をかけた。続けて、両電極間にDC電圧10Vを印加し、印加開始から1分後における外添剤粒子の電気抵抗を測定した。なお、印加開始から測定終了までの間は1kgの荷重を電極にかけ続けた。測定は、温度25℃、湿度50%RHの環境下で行った。そして、測定された電気抵抗の値と、電気抵抗測定時における外添剤粒子(詳しくは、測定セルに充填された外添剤粒子)の寸法とに基づき、下記式に基づいて外添剤粒子の粉体比抵抗(体積固有抵抗値)を求めた。
粉体比抵抗[Ω・cm]=電気抵抗値×電流路の断面積/電流路の長さ
下記表2には、各外添剤粒子の層構成を併せて示す。下記表2では、外添剤粒子が導電層よりも外側に1層の層を有する場合、その層を「表面処理層」としている。また、下記表2では、外添剤粒子が導電層よりも外側に2層の層を有する場合、2層のうち内側の層を「保護層」、外側の層を「表面処理層」としている。下記表2において、「粒径」は、個数平均一次粒子径を示す。
Figure 2020129030
<評価>
以下に示す方法により、実施例1〜29及び比較例1〜7のトナーの画像濃度、耐フィルミング性、感光体ピンホール及び耐かぶり性について評価した。評価結果を下記表3に示す。
[評価機]
評価機として、モノクロプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「ECOSYS(登録商標)LS−2100DN」)を使用した。評価機のブラック用現像装置にトナー(詳しくは、外添剤粒子(A−1)〜(A−29)及び(a−1)〜(a−7)のうち何れかを含むトナー)を投入した。また、評価機のブラック用トナーコンテナに、補給用トナー(詳しくは、ブラック用現像装置に投入したトナーと同一のトナー)を投入した。
[画像濃度]
32.5℃、湿度80%RH環境下(HH環境下)にて、ソリッド画像を含む印字率4%の画像パターンを5000枚の印刷用紙に印刷した。最後に印刷した印刷物(5000枚目の印刷物)について、ソリッド画像の反射濃度(ID)を測定した。反射濃度の測定には、反射濃度計(X−Rite社製「RD914」)を用いた。画像濃度は、以下の基準で評価した。
(画像濃度の評価基準)
A(最も良好):IDが1.3以上
B(特に良好):IDが1.2以上1.3未満
C(良好):IDが1.1以上1.2未満
D(不良):IDが1.1未満
[耐フィルミング性及び感光体ピンホール]
画像濃度の評価後の評価機を用いて、23℃、湿度50%RH環境下(常温常湿下)で印字率4%の画像パターンを10万枚の印刷用紙に印刷した。得られた印刷物のうち、5万枚目、7.5万枚目及び10万枚目の印刷物を目視で観察し、フィルミングに起因する画像不良(ダッシュマーク)の有無と、感光体ピンホールに起因する画像不良の有無とを確認した。耐フィルミング性及び感光体ピンホールは、以下の基準で評価した。
(耐フィルミング性)
A(特に良好):フィルミングに起因する画像不良が、10万枚目の印刷物においても確認されない。
B(良好):フィルミングに起因する画像不良が、5万枚目の印刷物には確認されないが、10万枚目の印刷物には確認される。
C(不良):フィルミングに起因する画像不良が、5万枚目の印刷物に確認される。
(感光体ピンホール)
A(特に良好):感光体ピンホールに起因する画像不良が、10万枚目の印刷物においても確認されない。
B(良好):感光体ピンホールに起因する画像不良が、5万枚目の印刷物には確認されないが、10万枚目の印刷物には確認される。
C(不良):感光体ピンホールに起因する画像不良が、5万枚目の印刷物に確認される。
[耐かぶり性]
耐フィルミング性及び感光体ピンホールの評価後の評価機を用いて、24℃、湿度50%RH環境下で、印字率1%の画像パターンを1000枚の印刷用紙に印刷した後、印字率80%の画像パターンを100枚の印刷用紙に印刷した。その後、印字率80%で印刷した100枚の印刷物のそれぞれについて、非印刷部(白地部)の反射濃度Xを、反射濃度計(X−Rite社製「RD918」)を用いて測定した。また、未印刷の印刷用紙の反射濃度Yを、反射濃度計(X−Rite社製「RD918」)を用いて測定した。そして、100枚の印刷物(印字率80%)のそれぞれについて「反射濃度X−反射濃度Y」を算出し、その最大値をかぶり濃度の評価値(FD)とした。耐かぶり性は、以下の基準に基づいて評価した。
(耐かぶり性の評価基準)
A(最も良好):FDが0.0005以下
B(特に良好):FDが0.0005超0.010以下
C(良好):FDが0.010超0.015以下
D(不良):FDが0.015超
Figure 2020129030
実施例1〜29のトナーは、各々、トナー粒子を含んでいた。トナー粒子は、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えていた。トナー母粒子は、結着樹脂及び磁性粉を含有していた。外添剤は、外添剤粒子を含んでいた。外添剤粒子は、チタン酸ストロンチウムを含有する基体と、基体を被覆する導電層と、導電層を直接又は間接的に被覆する表面処理層とを備えていた。表面処理層は、疎水化処理剤に由来する成分を含有していた。表3に示すように、実施例1〜29のトナーは、各々、感光体にピンホールが発生することを抑制できた。また、実施例1〜29のトナーは、各々、耐かぶり性及び画像濃度が何れも良好であった。
更に、実施例1〜25のトナーは、外添剤粒子の個数平均一次粒子径が60nm以上300nm以下であったため、耐フィルミング性が特に良好であった。
一方、比較例1〜7のトナーは、各々、上述の構成を備えていなかったため、耐かぶり性、感光体ピンホール及び画像濃度のうち少なくとも1つが不良であった。
詳しくは、比較例1〜3のトナーに用いた外添剤粒子(a−1)〜(a−3)は、疎水化処理剤に由来する成分を含有する層を表面処理層として備えなかったため、帯電安定性が不十分であり、画像濃度が低下したと判断される。
比較例4のトナーに用いた外添剤粒子(a−4)は、表面処理層を備えなかったため、帯電安定性が不十分であり、画像濃度が低下したと判断される。
比較例5のトナーに用いた外添剤粒子(a−5)は、導電層を備えなかったため、過剰な帯電を抑制できず、残留トナーが感光体にピンホールを発生させたと判断される。
比較例6及び7のトナーに用いた外添剤粒子(a−6)及び(a−7)は、チタン酸ストロンチウムを含有する基体を備えなかったため、帯電安定性が不十分であり、かぶりが発生したと判断される。
本発明に係るトナーは、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。
1 トナー粒子
2 トナー母粒子
3、3a、3b 外添剤粒子
4 基体
5 導電層
6 表面処理層
7 保護層

Claims (7)

  1. トナー粒子を含むトナーであって、
    前記トナー粒子は、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備え、
    前記トナー母粒子は、結着樹脂及び磁性粉を含有し、
    前記外添剤は、外添剤粒子を含み、
    前記外添剤粒子は、チタン酸ストロンチウムを含有する基体と、前記基体を被覆する導電層と、前記導電層を直接又は間接的に被覆する表面処理層とを備え、
    前記表面処理層は、疎水化処理剤に由来する成分を含有する、トナー。
  2. 前記導電層は、アンチモンドープ酸化スズを含有する、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記外添剤粒子において、前記基体の質量に対する酸化スズ(SnO)の質量の比は、0.65以上1.55以下である、請求項2に記載のトナー。
  4. 前記導電層におけるスズ原子及びアンチモン原子の合計物質量に対するアンチモン原子の物質量の比は、0.13以上0.28以下である、請求項2又は3に記載のトナー。
  5. 前記表面処理層は、前記導電層を直接被覆し、
    前記表面処理層は、チタネートカップリング剤、シランカップリング剤又はシリコーンオイルに由来する成分を含有する、請求項1〜4の何れか一項に記載のトナー。
  6. 前記外添剤粒子は、前記導電層及び前記表面処理層の間に設けられる保護層を更に備え、
    前記保護層は、チタネートカップリング剤に由来する成分、含窒素樹脂又は水酸化アルミニウムを含有し、
    前記表面処理層は、シランカップリング剤又はシリコーンオイルに由来する成分を含有する、請求項1〜4の何れか一項に記載のトナー。
  7. 前記外添剤粒子の個数平均一次粒子径は、60nm以上300nm以下である、請求項1〜6の何れか一項に記載のトナー。
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