JP2020127965A - 混練装置 - Google Patents

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【課題】中子砂の動粘度のばらつきを抑制可能な中子砂の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明にかかる中子砂の製造方法は、混練釜11と、混練釜11の内部に配設された撹拌子12と、を備える混練装置1を用いて、撹拌子12を回転させ原料を混練および混合し、中子砂を製造する中子砂の製造方法であって、混練釜11が水平方向に延在するように配置し、原料を第1速度で混練し発泡させる工程と、混練釜11が水平方向に対して所定の角度で傾斜するように配置し、混練した原料を第1速度よりも低速である第2速度で混合する工程と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は中子砂の製造方法に関する。
一般的な中子は、砂から成る骨材と、骨材同士を結合するバインダーとを含む原料を混練してなる混練砂(中子砂)を硬化させることで造形される。骨材とバインダーとの混練は、混練装置を用いて行われる。特許文献1には、混練釜と、混練釜の内部に配設された撹拌ピンとが水平方向に延在すると共に、水平方向に延在する撹拌子の回転軸線を中心に回転し、原料が混練釜の内壁面で練り叩かれることと、撹拌子の回転軸線より重力方向で上方の混練釜の内壁面に付着した原料が自重によって撹拌ピンの隙間から落下することと、を繰り返し、混練釜の内壁面に原料が付着し難く、混練の効率を高めることができる混練装置が開示されている。
特開2016−195990号公報
発明者らは、中子砂の原料の混練に、水平方向に延在する撹拌ピンを備える混練装置を用いた場合、混練釜に原料が偏った状態で投入されると、原料の混練の程度に偏りが生じるため、混練の結果得られた中子砂の動粘度のばらつきが大きくなるおそれがあるという問題を見出した。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、中子砂の動粘度のばらつきを抑制可能な中子砂の製造方法を提供するものである。
本発明に係る中子砂の製造方法は、
混練釜と、前記混練釜の内部に配設された撹拌子と、を備える混練装置を用いて、前記撹拌子を回転させ原料を混練および混合し、中子砂を製造する中子砂の製造方法であって、
前記混練釜が水平方向に延在するように配置し、前記原料を第1速度で混練し発泡させる工程と、
前記混練釜が水平方向に対して所定の角度で傾斜するように配置し、混練した前記原料を前記第1速度よりも低速である第2速度で混合する工程と、を備える。
本発明に係る中子砂の製造方法では、混練釜が水平方向に延在するように配置し、原料を第1速度で混練し発泡させる工程と、混練釜が水平方向に対して所定の角度で傾斜するように配置し、混練した原料を第1速度よりも低速である第2速度で混合する工程と、を備える。よって、中子砂の動粘度のばらつきを抑制できる。
本発明により、中子砂の動粘度のばらつきを抑制できる。
実施の形態にかかる中子砂の製造方法の一連の流れを示すフローチャートである。 実施の形態にかかる中子砂の原料を混練する工程を示す概略断面図である。 実施の形態にかかる混練した中子砂の原料を混合する工程を示す概略断面図である。 実施の形態にかかる中子砂が射出成形型に充填された状態を示す概略断面図である。 実施の形態にかかる中子砂を用いて成形された成形品を離型した状態を示す概略断面図である。
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、図に示した右手系xyz座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。特に言及のない限り、z軸プラス向きが鉛直上向きである。また、xy平面が水平面である。
<実施の形態>
本実施の形態で製造する中子砂の原料Mは、骨材及びバインダーであり、界面活性剤を含んでいてもよい。また、骨材は、例えば人工砂や珪砂等である。バインダーは、例えば水ガラスである。なお、界面活性剤を含む場合、水で希釈して用いてもよい。
図1は、実施の形態にかかる中子砂の製造方法の一連の流れを示すフローチャートである。まず、混練釜が水平方向に延在するように配置し、原料を第1速度で混練する(ステップS1)。次に、混練釜が水平方向に対して所定の角度で傾斜するように配置し、混練した原料を第1速度よりも低速である第2速度で混合する(ステップS2)。原料の混練及び混合の工程を経て製造された混練砂が、中子砂である。
ここで、本明細書における用語について説明する。
「混練」とは、原料を高速で練り叩くことにより、原料を発泡させることを意味する。
「混合」とは、原料の混練の程度が均一となるように、原料を低速で混ぜ合わせることを意味する。
「発泡」とは、原料が混練釜内に存在する気体(空気)を取り込み、当該原料内に気泡が発生することを意味する。原料に界面活性剤を含む場合は、当該界面活性剤によって、原料内に泡が発生することも「発泡」の意味に含まれる。原料を発泡させることにより、中子砂の流動性を高めることができるため、当該中子砂を中子造形に用いる射出成形型に充填する際に、型内での偏りを抑制しつつ充填することができる。
以下、図1のフローチャートに対応する図2及び図3を参照しつつ、各ステップについて詳細に説明する。
<ステップS1:水平、第1速度で混練>
ステップS1では、中子砂の原料を、混練釜を水平方向に延在するように配置した状態で、第1速度で混練する。
図2は、実施の形態にかかる中子砂の原料を混練する工程を示す概略断面図である。図2に示すように、円筒状の混練釜11が水平方向に延在するように配置する。混練装置1の中に原料Mを投入し、水平方向に延在するように配置された複数の撹拌ピン12aを有する撹拌子12を、回転軸線L1を中心に回転させることで混練を行う。図2に示すように、複数の撹拌ピン12aは、回転ベース12bに固定されている。撹拌子12の回転に際し、まず、モータ13が駆動歯車14を回転させる。当該駆動歯車14が回転ベース12bを、回転軸線L1を中心に回転させることによって、撹拌子12が黒矢印で示す方向に回転する。なお、図2では撹拌子12の回転の向きを黒矢印で示しており、x軸負側から見て時計回りに回転しているが、黒矢印で示す方向とは逆の反時計回りの回転としてもよい。
撹拌子12が回転軸線L1を中心に回転することで、原料Mは撹拌子12による練りと自重落下とを繰り返し、混練される。より具体的には、原料Mが混練釜11の内壁面で練り叩かれることと、撹拌子12の回転軸線L1より重力方向で上方の混練釜11の内壁面に付着した原料Mが自重によって複数の撹拌ピン12aの隙間から落下することを繰り返すことで、混練される。混練によって、原料Mは発泡する。
原料Mを撹拌子12の回転によって混練する際の、撹拌子12の回転速度は、第1速度である。第1速度は、原料Mが発泡するような速度に設定することが好ましい。撹拌子12を高速回転させることで、原料Mを発泡させることができる。第1速度は、例えば、170rpm(rotations per minute)である。撹拌子12の回転速度を170rpmに設定する場合、例えば40秒混練することが好ましい。
なお、混練装置1は、中子造形に用いる射出成形用型に、製造した中子砂を注入するための構成を備えていてもよい。図2に示すように、リニアアクチュエータ15が備えるギアドモータ(不図示)によって、ボールネジ軸16が回転軸線L1に沿って進退する。これに伴って、射出ピストン17が回転軸線L1に沿って進退する。射出ピストン17が回転軸線L1に沿って進むことで、製造された中子砂が射出口11aを介して射出成形用型(不図示)に射出される。なお、混練及び混合時には、図2に示すように、射出口11aは閉じた状態である。
<ステップS2:傾斜、第2速度で混合>
ステップS2では、ステップS1で混練した中子砂の原料を、混練釜を水平方向に対して所定の角度で傾斜させた状態で、第1速度より低速の第2速度で混合する。すなわち、混練装置を水平方向に対して所定の角度で傾斜させた状態で混合する。
図3は、実施の形態にかかる混練した中子砂の原料を混合する工程を示す概略断面図である。図3に示すように、混練釜11が、水平方向に対して所定の角度θで傾斜するように配置されている。より具体的には、ステップS1で混練した原料Mが、混練釜11の傾斜によって重力方向下方(z軸負方向)に流下(移動)するような所定の角度θで混練釜11を配置する。所定の角度θは、0°<θ<90°であることが好ましく、一例として、30°であることが好ましい。
図3に示すように、撹拌子12が、回転軸線L1を中心に、第1速度より低速の第2速度で回転することで、原料Mは撹拌子12によるかき上げと自重落下とを繰り返し、撹拌され混合される。傾斜した混練釜11では、撹拌子12によってかき上げられた原料Mは、自重落下により混練釜11の重力方向下方(z軸負方向)に落下する。
撹拌子12の回転速度である第2速度は、原料Mが混練釜11の内壁に付着しない程度の低い速度に設定することが好ましい。第2速度は、例えば40rpmである。撹拌子12の回転速度を40rpmに設定する場合、例えば10秒混合することが好ましい。
上述の通り、ステップS1とステップS2とでは、混練釜11の傾斜角度及び撹拌子12の回転速度を変化させている。ステップS1の混練後、一旦撹拌子12の回転を停止させ、所望の所定の角度θに混練釜11を傾斜させた後、ステップS2の混合を開始することができるが、これに限定されない。例えば、混練釜11の傾斜角度及び撹拌子12の回転速度は、ステップS1からステップS2にかけて段階的に変化させることができる。より具体的には、例えば、ステップS1の混練後、撹拌子12の回転速度を、第1速度から第2速度にかけて連続的に徐々に落としつつ、混練釜11を段階的に傾斜させることができる。
ここで、「混練釜11を段階的に傾斜させる」とは、傾斜角度の変化を所望の所定の角度θまで連続的に行うことと、断続的に行うことの両者を含む。傾斜角度の変化を「断続的に行う」とは、傾斜角度を所望の所定の角度θより浅い角度に一旦変化させ、当該角度で一時停止させつつ、数段階の角度変化を経て所定の角度θまで変化させることを意味する。
以上が、本実施の形態にかかる中子砂の製造方法の一連の流れである。
図4及び図5は、本実施の形態にかかる中子砂の製造方法を用いて製造した中子砂を射出成形型に射出し、中子を造形する一例を示す概略断面図である。図4及び図5では、混練装置1を混練釜11が水平方向に延在するように配置された状態(原位置、図2参照)から90°傾斜させ、横開きの射出成形型を用いて射出成形を行うものを示しているが、これに限定されない。例えば、中子砂の製造後、傾斜している混練装置1を、原位置に戻してから、縦開きの射出成形型を用いて射出成形を行ってもよい。射出成形を行う向きは、所望の中子の射出成形型の型開きの方向によって適宜選択可能である。
図4は、実施の形態にかかる中子砂が射出成形型に充填された状態を示す概略断面図である。図4に示すように、リニアアクチュエータ15によって白抜き矢印で示す方向(z軸負方向)に射出ピストン17が移動する。当該射出ピストン17の押し出しによって、射出口11aから射出された中子砂Sが、射出成形型2のキャビティ内に充填される。このような構成を用いた場合、混練釜11を開放せずに中子砂Sを射出成形型2内に直接射出することができるので、中子砂Sが外気に触れにくく、中子砂Sの乾燥を抑制し、成形時間の短縮を可能にする。さらに、図4に示すような横開きの射出成形型2を用いて射出成形を行った場合、中子砂Sを重力方向に沿って下方(z軸負方向)に押し出すことになるため、射出成形型2への充填の偏りを抑制することができる。
図5は、実施の形態にかかる中子砂を用いて成形された成形品を離型した状態を示す概略断面図である。図5に示すように、キャビティ内に充填された中子砂Sの硬化後、可動型21が白抜き矢印で示す方向(x軸負方向)へ移動することで、型開きが行われる。そして、固定型22が備えるピストンシリンダ機構23のピストン23aを、可動型21と同じくx軸負方向へ動かすことによって、成形品Pを押し出し、成形品Pを外部に取り出すことができる。
発明者らは、中子砂の原料の混練に、水平方向に延在する撹拌ピンを備える混練装置を用いた場合、混練釜に原料が偏った状態で投入されると、原料の混練の程度に偏りが生じるため、混練の結果得られた中子砂の動粘度のばらつきが大きくなるおそれがあるという問題を見出した。
これに対し、本実施の形態にかかる中子砂の製造方法では、混練釜が水平方向に延在するように配置し、原料を第1速度で混練し発泡させる工程と、混練釜が水平方向に対して所定の角度で傾斜するように配置し、混練した原料を第1速度よりも低速である第2速度で混合する工程と、を備える。混練時に混練釜に投入された原料が偏っている場合、原料は一部混練の程度に偏りが生じた状態で混練されるが、混合時に傾斜させた混練釜では、撹拌子によってかき上げられた原料が、自重落下により混練釜の重力方向下方に移動する。つまり、混練時に原料の混練の程度に偏りが生じている場合であっても、混練された原料は混合時に傾斜した混練釜の重力方向下方に移動し、撹拌され混合されるため、原料の混練の程度の偏りを抑制することができる。よって、中子砂の動粘度のばらつきを抑制することができる。
さらに、本実施の形態にかかる中子砂の製造方法では、混練及び混合の工程を、撹拌子の回転速度及び混練釜の傾斜角度を変化させることにより、同一の混練釜を用いて行うことができる。すなわち、混練と混合とで異なる混練釜を用いなくとも、混練及び混合を行うことができる。したがって、中子砂の製造効率を上げることができる。また、混練釜が水平方向に対して所定の角度で傾斜するように配置する際に、傾斜角度の変化を連続的に行った場合も、中子砂の製造効率を上げることができる。
また、本実施の形態にかかる中子砂の製造方法を用いて製造した中子砂は、動粘度のばらつきが抑制されているため、当該中子砂を用いて造形した中子の品質も向上させることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1 混練装置
11 混練釜
11a 射出口
12 撹拌子
12a 撹拌ピン
12b 回転ベース
13 モータ
14 駆動歯車
15 リニアアクチュエータ
16 ボールネジ軸
17 射出ピストン
2 射出成形型
21 可動型
22 固定型
23 ピストンシリンダ機構
23a ピストン

Claims (1)

  1. 混練釜と、前記混練釜の内部に配設された撹拌子と、を備える混練装置を用いて、前記撹拌子を回転させ原料を混練および混合し、中子砂を製造する中子砂の製造方法であって、
    前記混練釜が水平方向に延在するように配置し、前記原料を第1速度で混練し発泡させる工程と、
    前記混練釜が水平方向に対して所定の角度で傾斜するように配置し、混練した前記原料を前記第1速度よりも低速である第2速度で混合する工程と、を備える、
    中子砂の製造方法。
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