JP2020126964A - 電解質、太陽電池及び太陽電池モジュール - Google Patents

電解質、太陽電池及び太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】銅錯体を含む太陽電池の耐久性をより高めることができる、電解質の提供。【解決手段】この電解質26は、光吸収層を有する光電極20と、光電極に向かい合うように配置された対極30とを備えた太陽電池40の光電極と対極との間に介在して用いられるものである。この電解質は、有機配位子を有し銅が複数の価数を有する銅錯体において、有機配位子の構造が異なる銅錯体を2種以上含有する。【選択図】図2

Description

本明細書では、電解質、太陽電池及び太陽電池モジュールを開示する。
従来、太陽電池としては、銅錯体を酸化還元対に用いた色素増感太陽電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この太陽電池では、一価及び二価の銅錯体を含むことにより白金対極を腐食することなく且つ良好な光電変換特性を有するとしている。また、太陽電池としては、銅(I)ビス(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)や銅(II)ビス(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)の銅錯体を固体電解質として用いた色素増感型太陽電池が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。この太陽電池では、発電効率を高めることができるとしている。
特開2006−302849号公報
Energy Environ.Sci.,2015,8,2634−2637
ところで、上述の特許文献1など、銅錯体を固体電解質とする太陽電池では、色素を吸着した多孔質TiO2電極に、銅錯体と溶媒とを含む電解液を注液後、溶媒を除去することで電解質の充填を行うことがある。しかしながら、このように作製した太陽電池では、時間の経過に伴い、太陽電池特性が低下するという耐久性の問題があった。銅錯体を含む電解質を備えた太陽電池において、太陽電池の耐久性をより高めることが求められていた。
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、銅錯体を含むものにおいて、太陽電池の耐久性をより高めることができる電解質、太陽電池及び太陽電池モジュールを提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、異なる有機配位子を有する銅錯体を2種以上含むものとすると、出力密度をより向上し、高温での耐久性をより向上するなど、太陽電池特性をより向上することができることを見いだし、本開示を完成するに至った。
即ち、本明細書で開示する電解質は、
光吸収層を有する光電極と、前記光電極に向かい合うように配置された対極とを備えた太陽電池の前記光電極と前記対極との間に介在して用いられる電解質であって、
有機配位子を有し銅が複数の価数を有する銅錯体において前記有機配位子の構造が異なる銅錯体を2種以上含有するものである。
本明細書で開示する太陽電池は、
光吸収層を有する光電極と、
前記光電極に向かい合うように配置された対極と、
前記光電極と前記対極との間に介在する上述の電解質と、
を備えたものである。
本明細書で開示する太陽電池モジュールは、上述した太陽電池を複数備えているものである。
この電解質、太陽電池及び太陽電池モジュールは、銅錯体を含むものにおいて、太陽電池特性をより高めることができる。このような効果が得られる理由は、以下のように推測される。例えば、銅錯体を固体電解質とする太陽電池では、上述のように、溶媒加えて電解質の充填を行うことがあるが、高い発電特性を得るには銅錯体が分子運動できる状態(非晶質状態)であることが望ましいことがわかった。即ち、銅錯体が結晶化せず、非晶質状態を維持することができるような組成を採用することが重要であると推察される。本開示では、異なる有機配位子を有する2種以上の銅錯体を含む、即ち、構造の異なる有機配位子を複数含むため、銅錯体の整列、即ち結晶化が構造的に阻害されやすく、銅錯体がより非晶質状態を維持しやすくなるものと推察される。このため、銅錯体が結晶化しにくく、初期特性における高出力密度を確保することができ、また、暗所60℃での高温放置などにおける高温耐久性などをより向上することができるものと推察される。
太陽電池モジュール10の構成の概略の一例を示す断面図。 太陽電池40の構成の概略の一例を示す断面図。 電解液注液後の測定時間とオープンセルのJscとの測定結果。 実験例1,2の評価セルの電解質組成の測定結果。 実験例2−5、2−6の評価セルの太陽電池特性。 実験例2−4〜2−6の評価セルの電解質組成の測定結果。 実験例2−4〜2−6の評価セルの電解質組成のNMR測定結果。 実験例3、4の高温暗所放置時の出力密度の測定結果。 実験例3、4の高温暗所放置時の出力維持率(%)の測定結果。 銅錯体に溶媒を加えたあとの写真。 実験例5〜8の初期出力密度。 実験例5〜8の初期の相対出力密度。 実験例5〜8の60℃暗所放置後の出力維持率。
(電解質)
本開示の電解質は、光吸収層を有する光電極と、光電極に向かい合うように配置された対極とを備えた太陽電池の光電極と対極との間に介在して用いられるものである。この電解質は、有機配位子の構造が異なる銅錯体を2種以上含有する。有機配位子を有し銅が複数の価数を有する銅錯体を含む。銅錯体は、価電子帯の位置が従来の無機系p型半導体(例えばCuI)に比べてかなり深いため、n型半導体層である酸化チタンの伝導帯下端CBMと電解質の価電子端上端VBMとの差で決定される理論上の開放電圧(Voc)が高くなる利点がある。この電解質は、溶媒を含むものとしてもよい。電解質に溶媒が存在すると、銅錯体の結晶化が更に抑制され、銅錯体を用いた太陽電池の特性をより向上することができる。
銅錯体は、例えば、有機配位子を有し、銅が価数変化するものである。有機配位子は、例えば、フェナントロリン系配位子、ビピリジルアルキル系配位子、ビピリジン系配位子、スパルテイン系配位子、ビスベンズイミダゾールイルチオメチルピリジン系配位子、ビスベンズイミダゾールイルチオメチルメチルアミン系配位子、ビスベンズイミダゾールイルピリジン系配位子、ビスエチルチオメチルピリジン系配位子のうち1以上であることが好ましい。フェナントロリン系配位子は、フェナントロリン構造やその誘導体を含む。ビピリジルアルキル系配位子は、アルキル鎖の端部にピリジル基が結合した構造を有し、ビピリジルエタン構造やその誘導体を含む。ビピリジン系配位子は、ビピリジン構造やその誘導体を含む。スパルテイン系配位子は、スパルテイン構造又はや誘導体を含む。ビスベンズイミダゾールイルチオメチルピリジン系配位子は、ベンズイミダゾールイルチオメチルピリジン構造やその誘導体を含む。ビスベンズイミダゾールイルチオメチルメチルアミン系配位子は、ベンズイミダゾールイルチオメチルメチルアミン構造やその誘導体を含む、ビスベンズイミダゾールイルピリジン系配位子は、ベンズイミダゾールイルピリジン構造やその誘導体を含む。ビスエチルチオメチルピリジン系配位子は、エチルチオメチルピリジン構造やその誘導体を含む。
この銅錯体は、化学式(1)〜(4)のうちいずれか1以上の構造を有するものとしてもよい。有機配位子としては、例えば、窒素を1又は2以上を有する複素環構造を有するものとしてもよい。この有機配位子としては、例えば、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン(dmp、化学式(1))や、1,1−ビス(2−ピリジル)エタン(bpye、化学式(2))、4,4’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビピリジン(tmby、化学式(3))、6,6’−ジメチル−2,2’−ビピリジン(dmby、化学式(4))などが挙げられる。また、この有機配位子としては、例えば、1,10−フェナントロリン(phen、化学式(5))、[(−)−スパルテイン−N,N’](SP、化学式(6))、2,6−ビス(ベンズイミダゾール−2’−イルチオメチル)ピリジン(bbtmp、化学式(7))、N,N−ビス(ベンズイミダゾール−2’−イルチオメチル)メチルアミン(bbtma、化学式(8))、2,6−ビス(ベンズイミダゾール−2’−イル)ピリジン(bzmpy、化学式(9))、2,6−ビス(エチルチオメチル)ピリジン(betmp、化学式(10))などが挙げられる。また、銅錯体は、他の配位子、例えば、1座配位子(1価のアニオン配位子)を1以上有するものとしてもよい。この配位子は、複数ある場合は、それぞれが同じ配位子であってもよいし、異なる配位子としてもよい。このうち、これらの配位子はすべて同じものとすることがより好ましい。この配位子は、例えば、−F、−Cl、−Br、−I、−OH、−CN、−SCN、−NCSから選択される1以上であるものとしてもよい。このうち、−SCN及び−NCSが好ましく、−NCSがより好ましい。この銅錯体は、有機配位子を有し銅を含むカチオンと、アニオンからなるものとしてもよい。アニオンとしては、例えば、トリフルオロメチルスルホン酸(CF3SO3)、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(TFSI)、ビス(フルオロスルホニル)イミド(FSI)、ヘキサフルオロリン酸(PF6)などが挙げられる。
このような銅錯体の具体例としては、例えば、銅(I)ビス(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド(Cu(dmp)2TFSI)、銅(II)ビス(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)ビス[ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド](Cu(dmp)2(TFSI)2)、銅(I)ビス(1,10−フェナントロリン)ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド(Cu(phen)2TFSI)、銅(II)ビス(1,10−フェナントロリン)ビス[ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド](Cu(phen)2(TFSI)2)、[(−)−スパルテイン−N,N’](マレオニトリルジチオラト−S,S’)銅([Cu(SP)(mmt)])、2,6−ビス(ベンズイミダゾール−2’−イルチオメチル)ピリジン硝酸塩([Cu(bbtmp)(NO3)]NO3)などが挙げられる。
この電解質は、有機配位子の構造が異なる銅錯体を2種以上含有する。銅錯体を2種以上含むものとすれば、銅錯体が結晶化しにくくなり、非晶質状態を維持しやすい。このため、銅錯体が結晶化して発生しうる太陽電池特性の低下をより抑制することができる。有機配位子の構造は、例えば、誘導体など基本構造が同じで置換基が異なるものとしてもよいし、基本構造が異なるものとしてもよいが、基本構造が異なることがより好ましい。基本構造が異なると、銅錯体の整列、即ち結晶化が構造的に阻害されやすいため、より非晶質状態を維持しやすくなりより好ましい。例えば、基本構造が同じ有機配位子としては、フェナントロリン系配位子とその誘導体との組合せや、ビピリジルアルキル系配位子とその誘導体との組合せ、ビピリジン系配位子とその誘導体の組合せなどが挙げられる。基本構造が異なる有機配位子としては、フェナントロリン系配位子とビピリジルアルキル系配位子との組合せや、フェナントロリン系配位子とビピリジン系配位子との組合せビピリジルアルキル系配位子とビピリジン系配位子との組合せなどが挙げられる。このような電解質としては、具体的には、ビス(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)銅錯体及びビス(4,4’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビピリジン)銅錯体の2種の組合せなどが好ましい。銅錯体の配合比は、例えば、有機配位子が異なる第1銅錯体と第2銅錯体とを少なくとも含むものとしたとき、第1銅錯体のモル数M1と銅錯体全体のモル数Maとの割合M1/Ma×100(mol%)が30mol%以上70mol%以下の範囲であることが好ましく、33mol%以上67mol%以下の範囲であることがより好ましく、40mol%以上60mol%以下の範囲であるものとしてもよい。また、2種の銅錯体のみを含む場合も上記と同様の範囲が好ましい。また、銅錯体は、銅(1価+2価)の全体に対する2価の銅のモル比率X(CuII/(CuI+CuII)が0≦X<0.2の範囲内にあるものとしてもよい。モル比率Xにおいて、2価の銅錯体の存在は、より少ないことが好ましい。なお、化学式(1)〜(4)などに示すように、銅の価数及びアニオンの数のみが異なる銅錯体や、化学式(1)、(1’)に示すようにアニオンの種別のみが異なる銅錯体は、上記「有機配位子の構造が異なる銅錯体」には含まれないものとする。
この電解質は、有機溶媒及び/又はイオン液体を含む溶媒を含むものとしてもよい。この有機溶媒は、例えば、沸点が200℃以上であり比誘電率εrが30以上100以下の範囲であり25℃での粘度ηが0.5mPa・s以上10mPa・s以下の範囲であるものが好ましい(以下、単に有機溶媒と称する)。有機溶媒が揮発しにくく、電解質に残存することによって、銅錯体の結晶化をより抑制することができるからである。この有機溶媒は、沸点がより高いことが揮発性の観点から好ましく、例えば、220℃以上であることが好ましく、240℃以上であることがより好ましく、260℃以上であるものとしてもよい。有機溶媒の沸点は、例えば、400℃以下であるものとしてもよい。この有機溶媒は、比誘電率εrが35以上であることが好ましく、40以上であることがより好ましく、50以上であるものとしてもよい。また、有機溶媒は、比誘電率εrが90以下であるものとしてもよく、80以下としてもよい。この有機溶媒は、粘度がより低いことが好ましく、25℃の粘度が8mPa・s以下であることが好ましく、6mPa・s以下であることがより好ましく、5mPa・s以下であるものとしてもよい。また、有機溶媒は、25℃の粘度が0.5mPa・s以上であるものとしてもよく、1mPa・s以上としてもよい。
有機溶媒は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネートを含むカーボネート類、γ−ブチルラクトン及びγ−バレロラクトンを含む環状エステル類、アジポニトリルを含むニトリル類、N−メチルピロリドンを含むピロリドン類、3−メチル−2−オキサゾリドンを含むオキサゾリドン類、及びグルタロニトリルを含むジニトリル類のうち1以上であるものとしてもよい。このうち、オキサゾリドン類やジニトリル類などがより好ましく、3−メチル−2−オキサゾリドンやグルタロニトリルなどが、沸点や粘度、比誘電など観点からより好ましい。
溶媒には、25℃での粘度ηが300mPa・s以下であるイオン液体(以下、単にイオン液体とも称する)を含むものとしてもよい。このイオン液体は、粘度がより低いことが好ましく、25℃の粘度が250mPa・s以下であることが好ましく、160mPa・s以下であることがより好ましく、100mPa・s以下であることが更に好ましい。また、イオン液体は、25℃の粘度が10mPa・s以上であるものとしてもよく、20mPa・s以上としてもよい。このイオン液体は、比誘電率εrが5以上、30以下であることがより好ましく、8以上、20以下であるものとしてもよい。また、このイオン液体は、融点がより低いことが好ましく、20℃以下であることがより好ましく、15℃以下がより好ましく、10℃以下が更に好ましい。
このイオン液体は、イミダゾリウム系カチオンやピリジウム系カチオン、脂環式アミン系カチオン及び脂肪族アミン系カチオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオンなどうち1以上のカチオンを含むものとしてもよい。イミダゾリウム系カチオンは、イミダゾリウム構造やその誘導体を含む。ピリジウム系カチオンは、ピリジウム構造やその誘導体を含む。脂環式アミン系カチオンは、脂環式アミン構造やその誘導体を含む。脂肪族アミン系カチオンは、脂肪族アミン構造やその誘導体を含む。このイオン液体は、化学式(11)〜(17)のうち1以上のカチオンを含むことが好ましい。但し、化学式中、R、R1〜R4は、同じ基であってもよいし、異なる基であってもよく、炭素数1〜6の鎖状炭化水素基及びHのいずれかである。鎖状炭化水素基は、エーテル結合を含むものとしてもよいし、1以上の置換基を有するものとしてもよい。置換基は、例えば、炭素数3以下のアルキル基、ハロゲンなどを含むものとしてもよい。イミダゾリウム系カチオンとしては、化学式(11)のカチオンが挙げられる。ピリジウム系カチオンとしては、化学式(12)のカチオンが挙げられる。脂環式アミン系カチオンとしては、化学式(13)、(14)のカチオンが挙げられる。脂肪族アミン系カチオンとしては、化学式(15)のカチオンが挙げられる。スルホニウムイオンとしては、化学式(16)のカチオンが挙げられる。、ホスホニウムイオンとしては、化学式(17)のカチオンが挙げられる。また、このイオン液体は、Br-、Cl-、SCN-、HSO4 -、BF4 -、PF6 -、CF3SO3 -、CF3CO2 -、(C253PF3 -、(CF3SO22-及び(FSO22-のうち1以上のアニオンを含むものとしてもよい。このようなイオン液体としては、具体的に化学式(18)〜(38)のうち1以上のイオン液体が挙げられる。このうち、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラシアノボレート(EMITCB)などが好ましい。
この電解質は、有機溶媒及び/又はイオン液体を含むことによって、銅錯体の結晶化をより抑制することができる。この溶媒は、高沸点有機溶媒とイオン液体とを含むことがより好ましい。これら2種を含むものとすると、揮発性(沸点)や粘度、比誘電率などをより好適な範囲とすることができる。この溶媒は、有機溶媒のモル数Msに対するイオン液体のモル数Miの割合Mi/Ms×100(mol%)が10mol%以上50mol%以下の範囲であることが好ましい。この範囲では、揮発性や粘度、比誘電率などをより好適なものとすることができる。このモル割合は、15mol%以上が好ましく、20mol%以上がより好ましく、30mol%以上としてもよい。また、このモル割合は45mol%以下が好ましく、40mol%以下がより好ましく、35mol%以下としてもよい。
また、この電解質は、添加剤を更に含むことが好ましい。添加剤としては、例えば、窒素を1以上含み2環以上を有する複素環式化合物や窒素を2以上有する単環の複素環式化合物のうち1以上の環式化合物などが挙げられる。環式化合物としては、イミダゾール構造、ピリジン構造、ピリミジン構造、オキサゾール構造及びチアゾール構造のうち1以上を有するものとしてもよい。この環式化合物は、塩基性を有することが好ましく、イミダゾール構造が好ましい。また、環式化合物は、その構造中に置換基、ヘテロ原子を有してもよいし、水素基、水素基を置換したアルキル基などを有してもよい。アルキル基としては、炭素数1以上6以下の範囲が好ましい。具体的には、環式化合物は、化学式(39)〜(46)のうちいずれか1以上であるものとしてもよい。この式において、Rは水素(H)及び炭素数1〜6のアルキル基であるものとしてもよい。アルキル基は、直鎖状でもよいし、分岐鎖を有していてもよい。化学式(39)〜(43)は、窒素を1以上含み2環以上を有する複素環式化合物である。化学式(39)は、ベンズイミダゾール及びその誘導体であり、例えば、N−メチルベンズイミダゾールやN−ブチルベンゾイミダゾールなどが挙げられる。化学式(40)は、ピリミジン塩基であり、例えば、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジンや、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1−メチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジンなどが挙げられる。化学式(41)は、キノリンであり、その誘導体であってもよい。化学式(42)は、ベンゾオキサゾールであり、その誘導体であってもよい。化学式(43)は、ベンゾチアゾールであり、その誘導体であってもよい。化学式(44)〜(46)は、窒素を2以上有する単環の複素環式化合物である。化学式(44)は、イミダゾール及びその誘導体である。化学式(45)は、ピラゾール及びその誘導体である。化学式(46)は、イミダゾリン及びその誘導体である。この環式化合物は、銅錯体のモル数に対する環式化合物のモル数の比率であるモル比率Xが0.4≦X≦4の範囲内で電解液に含まれることが好ましい。この範囲では、環式化合物の添加効果を十分発揮することができ、好ましい。このモル比率Xは、0.8以上であるものとしてもよいし、1.0以上であるものとしてもよい。あるいは、このモル比率Yは、3.0以下であるものとしてもよいし、2.0以下であるものとしてもよい。また、添加剤としては、例えば、TiO2などの光電極材料の伝導帯下端(CBM)を下げて色素からTiO2への電子注入効率を向上させ短絡電流密度Jscを増加させるものとして、LiTFSI、LiIなどが挙げられる。これらは、単独で、あるいは複数を混合して用いることができる。
(太陽電池)
本開示の太陽電池は、光吸収層を有する光電極と、光電極に向かい合うように配置された対極と、光電極と対極との間に介在する上述したいずれかの電解質と、を備えたものである。この光電極は、光吸収層で被覆されたn型半導体層(電子輸送層)を光透過導電性基板上に備えているものとしてもよい。図1は、太陽電池モジュール10の構成の概略の一例を示す断面図である。図1に示すように、太陽電池モジュール10は、光透過導電性基板14に複数の太陽電池40(以下セルとも称する)が順次配列した構成となっている。これらのセルは直列に接続されている。この太陽電池モジュール10では、各セルの間を埋めるように、シール材32が形成されており、光透過導電性基板14とは反対側のシール材32の面に平板状の保護部材34が形成されている。太陽電池40は、光吸収層とn型半導体層とを含む電子輸送層24を下地層22を介して光透過導電性基板14上に備えた光電極20と、光電極20に向かい合うように配置された対極30と、光電極20と対極30との間に介在する電解質層26と、セパレータ29とを備えている。光電極20は、光が透過する光透過基板11の表面に光が透過する光透過導電膜12が形成されている光透過導電性基板14と、光透過導電膜12に形成された電子輸送層24と、を備えている。電子輸送層24は、光透過基板11の受光面13の反対側の面に分離形成された光透過導電膜12に配設され受光に伴い電子を放出する層である。この太陽電池40は、電子輸送層24には、光を吸収する光吸収材が配設されている。
光透過導電性基板14は、光透過基板11と光透過導電膜12とにより構成され、光透過性及び導電性を有するものである。具体的には、フッ素ドープSnO2コートガラス、ITOコートガラス、ZnO:Alコートガラス、アンチモンドープ酸化スズ(SnO2−Sb)コートガラス等が挙げられる。また、酸化スズや酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした光透過電極、メッシュ状、ストライプ状など光が透過できる構造にした金属電極をガラス基板等の基板上に設けたものも使用できる。この光透過導電性基板14の光透過導電膜12側の両端には、集電電極16,17が設けられており、この集電電極16,17を介して太陽電池40で発電した電力を利用することができる。
光透過基板11としては、例えば、透明ガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などが挙げられ、このうち、透明ガラスが好ましい。この光透過基板11は、透明なガラス基板、ガラス基板表面を適当に荒らすなどして光の反射を防止したもの、すりガラス状の半透明のガラス基板など光を透過するものなどとしてもよい。光透過導電膜12は、例えば、光透過基板11上に酸化スズを付着させることにより形成することができる。特に、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)等の金属酸化物を用いれば、好適な光透過導電膜12を形成することができる。光透過導電膜12は、所定の間隔に溝18が形成されており、この溝18の幅に相当する間隔を隔てて複数の光透過導電膜12の領域が分離形成されている。
下地層22は、光透過導電性基板14から電解質層26へのリーク電流(逆電子移動)を抑制もしくは防止する層であり、例えば、透光性及び導電性のある材料が好ましく、例えば、酸化チタンや酸化亜鉛、酸化スズなどのn型半導体などが挙げられ、このうち酸化チタンがより好ましい。酸化チタンは、リーク電流を抑制・防止し、且つ電子輸送層24から光透過導電性基板14へ電子を流しやすいからである。下地層22では、電子輸送層24に比してより緻密な材料とすることが好ましい。なお、この下地層22を形成しないものとしても太陽電池40として十分機能することから、この下地層22を省略しても構わない。
電子輸送層24は、光吸収材と、光吸収材を含む多孔質のn型半導体層とにより形成されている。n型半導体としては、金属酸化物半導体や金属硫化物半導体などが適しており、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)のうち少なくとも1以上であることが好ましく、このうち多孔質の酸化チタンがより好ましい。これらの半導体材料を微結晶又は多結晶状態にして薄膜化することにより、良好な多孔質のn型半導体層を形成することができる。特に、多孔質の酸化チタン層は、光電極20のn型半導体層として好適である。また、酸化チタンとしては、伝導帯の下端のエネルギー準位がより高く、開放電圧がより高いことから、ルチル型TiO2よりもアナターゼ型TiO2が好ましい。
光吸収層には、有機色素、金属錯体及び有機ハロゲン化金属化合物のうち1以上の光吸収材が含まれるものとしてもよい。この光吸収材は、有機色素としてもよい。有機色素は、例えば、BODIPY系色素(BODIPY−FLなど)、インドリン系色素(D131,D149,D205,D358など)、カルバゾール系色素(MK2など)、クマリン系色素(C343,NKX−2587,NKX−2677など)及びスクワリリウム系色素(SQ2など)などのうち1以上であるものとしてもよい。また、有機色素として、芳香族アミンをドナーに、π共役系分子を介してシアノカルボン酸アンカー基を持つものとしてもよい。このような色素としては、例えば、また、3-[6-[4-[bis(2',4'-dibutyloxybiphenyl-4yl)amino-]phenyl]-4,4-dihexyl-cyclopenta-[2,1-b;3,4-b']dithiophene-2-yl]-2-cyanoacylic acid色素(化学式(A))などが挙げられ、この色素を用いることが好ましい。また、光吸収材は、金属錯体であるものとしてもよい。金属錯体に含まれる金属は、例えば、Zn,Cu,Fe,Pd,Pt,Ni,Co,Ruなどが挙げられる。このうち、Ru錯体(Ruthenizer470(Ru470),N719,Z907など)、金属ポルフィリン系色素(PtTPTBP,PdTPTBP、DTBCなど)、金属フタロシアニン系色素(CuPc,ZnPcなど)及び金属ナフタロシアニン系色素(CuNc,ZnNcなど)などのうち1以上であるものとしてもよい。これらの光吸収材は、単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。このうち、色素としては、Ru錯体化合物(Z907、N719)、Znポルフィリン化合物(DTBC)、カルバゾール系色素(MK2)、及びインドリンダブルロダニン化合物(D149及びD358)などが好ましい。また、光吸収材としての有機ハロゲン化金属化合物としては、CH3NH3PbI3などのペロブスカイト結晶などが挙げられる。例示した化合物の構造式を下記の化学式に示す。なお、下記の化学式には示さなかったが、PdTPTBPはPtTPTBPのPtがPdになったもの、ZnPcはCuPcのCuがZnになったもの、ZnNcはCuNcのCuがZnになったものである。
電解質層26は、光電極20に隣接して形成されている。この電解質層26は、上述した電解質のいずれかが含まれている。電解質層26が固体を含むときに、この太陽電池モジュール10の構造を採用することができる。
セパレータ29は、下地層22、電子輸送層24が積層された光電極20及び電解質層26の1つの側面に隣接するように断面I字状に形成されている。セパレータ29の一端は光透過導電性基板14上の溝18と接触している。これにより、光電極20と対極30との直接接触が回避される。セパレータ29は、絶縁性の材料からなり、例えば、ガラスビーズ、二酸化ケイ素(シリカ)及びルチル型の酸化チタンなどで形成されていてもよい。このセパレータ29としては、シリカ粒子を焼結した絶縁体が好ましい。シリカ粒子は、屈折率が低く光散乱が小さく、良好な透明性を有するため、セパレータに好ましい。このセパレータ29は、良好な透明性を確保する観点から、平均粒径が5〜200nmであることが好ましい。また、セパレータは、空気や空気層としてもよい。
対極30は、セパレータ29の外面と電解質層26の裏面27とに接触するよう、断面L字状に形成されている。この対極30は、一端が電解質層26の裏面27に接続されていると共に、他端が接続部21を介して隣側の光透過導電膜12に接続されている。この対極30の裏面27と接触する面は、光電極20に対して所定の間隔を隔てて対向している。対極30としては、導電性及び電解質層26との接合性を有するものであれば特に限定されず、例えば、Pt,Au,カーボンなどが挙げられ、このうちカーボンが好ましい。
シール材32は、絶縁性の部材であれば特に限定されずに用いることができる。このシール材32としては、例えば、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂フィルム、あるいはエポキシ系接着剤を使用することができる。
保護部材34は、太陽電池40の保護を図る部材であり、例えば、防湿フィルムや保護ガラスなどとすることができる。
この太陽電池40に対して、光透過基板11の受光面13側から光を照射すると、光透過導電膜12の受光面15及び下地層22の受光面23を介して光が電子輸送層24へ到達し、光吸収材が光を吸収して電子が発生する。発生した電子は光電極20から光透過導電膜12、接続部21を経由して隣の対極30へ移動する。太陽電池40では、この電子の移動により起電力が発生し、電池の発電作用が得られる。この太陽電池モジュール10では、電解質層26に、有機配位子を有し銅が複数の価数を有する銅錯体において、この有機配位子の構造が異なる銅錯体を2種以上含有する。
この太陽電池モジュール10は、製造方法として、基板作製工程、電子輸送層形成工程、電解質層形成工程、セパレータ形成工程、対極形成工程及び保護部材形成工程を経て製造することができる。基板作製工程では、複数の光透過導電膜12の間に溝18を形成しつつ光透過導電膜12を光透過基板11上に形成する。電子輸送層形成工程では、光透過導電膜12上に下地層22を介してn型半導体層を形成し、光吸収材をn型半導体層に形成させ、電子輸送層24を形成する。n型半導体層として、多孔質の酸化チタンを用いるものとしてもよい。
次に、電解質層形成工程では、電子輸送層24の裏面25へ上述した電解質を供給し、電解質層26を形成する。この工程では、有機配位子を有し銅が複数の価数を有する銅錯体を複数、溶媒に配合して混合し、この電解質溶液を塗布又は吐出し、光電極上に電解質を形成するものとしてもよい。銅錯体や高沸点の有機溶媒、イオン液体の種別やその含有量、配合比などは、上記電解質で説明したもののいずれかを適宜用いることができる。この電解質層形成工程では、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネートを含むカーボネート類を除いた有機溶媒を含む溶媒を含む電解質を大気中で前記光電極上に形成するものとしてもよい。この有機溶媒を用いたときは、例えば、大気中に存在する水による変質を抑制することができ、大気中で電解質層を作製することができる。一方、この電解質層形成工程では、カーボネート類の有機溶媒を含む溶媒を含む電解質を不活性雰囲気中で光電極上に形成するものとしてもよい。カーボネート類を用いるときでも、水の影響を与えないように不活性雰囲気で作製すればよい。また、この工程では、上記の有機溶媒とイオン液体以外に、沸点が200℃未満である低沸点の有機溶媒を含むものとし、この低沸点の有機溶媒を電解質層形成後に乾燥除去するものとしてもよい。このようにすれば、電解質溶液の粘度などを調節しやすく、光電極上に電解質層に形成しやすい。低沸点の有機溶媒としては、例えば、アセトニトリルやアセトン、アルコールなどが挙げられる。
続いて、セパレータ形成工程では、溝18に合わせて光電極20の側面にセパレータ29を形成する。対極形成工程では、セパレータ29と電解質層26とに接するように対極30を形成する。対極30は、例えばカーボンとしてもよい。保護部材形成工程では、各セルを覆うようにシール材32を形成すると共にシール材32に保護部材34を形成する。このようにして発電特性が向上した太陽電池40及び太陽電池モジュール10を作製することができる。
以上説明した本開示の電解質、太陽電池及び太陽電池モジュールでは、銅錯体を含むものにおいて、太陽電池特性をより高めることができる。このような効果が得られる理由は、以下のように推測される。例えば、銅錯体を固体電解質とする太陽電池では、上述のように、溶媒加えて電解質の充填を行うことがあるが、高い発電特性を得るには銅錯体が分子運動できる状態(非晶質状態)であることが望ましいことがわかった。即ち、銅錯体が結晶化せず、非晶質状態を維持することができるような組成を採用することが重要であると推察される。本開示では、異なる有機配位子を有する2種以上の銅錯体を含む、即ち、構造の異なる有機配位子を複数含むため、銅錯体の整列、即ち結晶化が構造的に阻害されやすく、銅錯体がより非晶質状態を維持しやすくなるものと推察される。このため、銅錯体が結晶化しにくく、初期特性における高出力密度を確保することができ、また、暗所60℃での高温放置などにおける高温耐久性などをより向上することができるものと推察される。
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば上述した実施形態では、太陽電池モジュール10としたが、特にこれに限定されず、図2に示す、太陽電池40としてもよい。図2は、太陽電池40の構成の概略の一例を示す断面図である。図2では、図1で説明した構成と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。図2に示すように、太陽電池40を単体とする場合は、対極30の断面をL字状ではなく平板状に形成するものとしてもよい。また、セパレータ29を省略するものとしてもよい。また、対極30は、例えば光透過導電性基板14と同じ構成を有するものを用いるものとしてもよいし、光透過導電膜12に白金を付着させたものや、白金などの金属薄膜などとしてもよい。
以下には、本開示の電解質及び太陽電池を具体的に作製した例を実験例として説明する。以下の実施例においては、実験例1、2が参考例に相当し、実験例3〜7が実施例に相当し、実験例8が比較例に相当する。
[電解質の検討]
従来の作製方法で評価セルを作製した。透明導電膜(SnO2)電極上に、原子層堆積法で緻密TiO2(10nm)を形成したあと、酸化チタン粒子(粒子径:数10nm〜400nm)を印刷後、500℃で焼結し、チタン化合物中への浸漬、500℃での加熱によりTiO2光電極を作製した。この光電極にルチル型TiO2層のセパレータを印刷したのち、その上に炭素電極を積層した3層構造電極を作製した。赤色系有機色素を吸着後、上記、電解質を充填後、溶媒を除去し、3層構造型の色素増感太陽電池を作製した。ここでは、光電極/透明導電膜(FTO)ガラスと、対極/ガラス基板とをシール剤によりはさみ、ガラス基板に設けた電解質の注液用の小孔から、減圧下で電解質の溶液を導入したあと、減圧乾燥を行い、溶媒を除去することにより電解質層を光電極に形成した(充填法)。用いた材料は、色素は、化学式(A)の化合物とした。銅錯体としてCu(dmp)2TFSI(1価:化学式(1))及びCu(dmp)2TFSI2(2価)とを用いた。これを密閉セルとしての実験例1とした。この価数の違う銅錯体の成分比は、2価の濃度を0.05Mとし、1価と2価との全体の濃度を0.25Mとした。また、銅錯体としてCu(tmby)2TFSI(化学式(3))も同様に用いた。また、添加剤として0.1MのLiTFSIと、0.5MのN−ブチルベンズイミダゾール(NBBI)とを溶媒としてのアセトニトリル(ACN)に添加した。これに上記銅錯体を加え、電解質の溶液とし、光電極上に形成した。
ここで、密閉しないオープンセルにより電解質の検討を行った。オープンセルは、後述する滴下法で作製し、シール材を用いずに開放した評価セルである。このオープンセルは、密閉セルである実験例1と同様の組成の原料(色素、添加剤など)を用いて作製した。銅錯体としてCu(dmp)2TFSIを用いたものをオープンセルの参考例1とし、銅錯体としてCu(tmby)2TFSIを用いたものをオープンセルの参考例2とした。図3は、参考例1、2のオープンセルの電解液注液後の測定時間(S)に対するJsc(mA/m2)の測定結果である。図3に示すように、オープンセルでは、参考例1,2共に初期には高いJscを示したが、時間の経過と共に低下した。これは、おそらく、初期には電解質層に溶媒が残存しているが、時間の経過と共に溶媒が揮発してオープンセルからなくなり、時間経過と共に銅錯体が結晶化してJscが低下したものと推察された。この結果から、電解質には、溶媒が存在することが望ましいと推察された。
次に、上記作製した密閉セルである実験例1の評価セルの電解質の組成を評価した。表1は、実験例1−1として評価セル作成時の組成(仕込み組成)、実験例1−2として、試験後のセル内部の成分を分析した結果をまとめた。また、図4Aに実験例1−1,1−2の組成を示した。表1及び図4Aでは、1価の銅錯体のモル比を0.25に規格化した他の成分のモル比を示した。また、実験例1−2のモル比は、NMR測定値から求めた。表1及び図4Aに示すように、溶媒であるアセトニトリルは、仕込み組成では、モル比が19であったが、発電後はモル比が3.4に減少していた。
次に、評価セルの作製方法と溶媒とを変更して検討した。ここでは、上述した充填法ではなく、大気中にて少量の電解質溶液を光電極上に滴下する滴下法を行い電解質を光電極上に形成した。光電極は、1cm×0.75cmのサイズであり、3μLの電解質溶液を滴下した。その後、ハイミランの枠シールで対極を重ね合わせたのち、セルの外周をエポキシ硬化樹脂によって密封する手法で評価セルを作製した。この滴下法で作製した評価セルにおいて、実験例1の電解質溶液を用いると、ほぼ発電しなかった。これは、仕込み組成の溶媒量が少ないうえ、作製中に溶媒が早く揮発し発電時に溶媒が存在しなくなっているためであると推察された。そこで、溶媒は、プロピレンカーボネート(PC)と、バレロニトリル(VALN)と、アセトニトリル(ACN)とを体積比で32:14:54で混合した混合溶媒とした。そして、電解質溶液を0.5MのCu(dmp)2TFSIと、1MのNBBI、0.4MのLiTFSIを溶媒に加えることにより調製した。表2は、滴下法で作製した評価セルの作成時の組成(仕込み組成)を実験例2−1とし、作製後の評価セル内部の成分を分析した結果を実験例2−1、2−2としてまとめた。実験例2−1は電解質溶液マイクロピペットで滴下して作製した評価セルであり、実験例2−2は電解質溶液を霧状に塗出して作製した評価セルである。表2では、1価の銅錯体のモル比を0.50に規格化した他の成分のモル比を示した。実験例2のモル比は、NMR測定値から求めた。図4は、実験例1,2の評価セルの電解質組成の測定結果であり、図4Aが実験例1−1,1−2の組成、図4Bが実験例2−1,2−2,2−3の組成である。図4や表2に示すように、実験例2の濃度が電解質の体積も含めて約1/2になっていると仮定すると、実験例1のCu錯体のモル数は実験例2の約6.8倍であり、実験例1は、実験例2の約16倍に見積もられる。即ち、滴下法で作製した実験例2では、実験例1に比してかなり少量の電解質および溶媒量であるものと見積もられた。
次に、実験例2−1のバレロニトリルをジメチルホルムアミド(DMF)に変更した電解質について検討した。PCと、DMFと、ACNとを混合した溶媒とした以外は実験例2−1と同様に作製した電解質を用いた評価セルを実験例2−4とした。また、室温暗所で実験例2−4を3週間放置したものを実験例2−5とした。また、60℃暗所で実験例2−4を300時間放置したものを実験例2−6とした。実験例2−5,2−6の評価セルをLED光源の1000(lux)を照射したときの太陽電池特性を測定した。また、実験例2−4〜2−6の電解質の組成を測定した。図5は、実験例2−5、2−6の評価セルの太陽電池特性である。図6は、実験例2−4〜2−6の評価セルの電解質組成の測定結果である。図6では、1価の銅錯体のモル比を0.50に規格化した他の成分のモル比を示した。図6,7に示すように、60℃で放置した実験例2−6の評価セルは、室温で放置した実験例2−5に比して、太陽電池特性が低く、PC変質物が多く生成していることがわかった。図7は、実験例2−4〜2−6の評価セルの電解質組成のNMR測定結果である。図7に示すように、実験例2−5,2−6では、新たな生成ピークがみられ、これはPCの加水分解物であるプロピレングリコールであるものと推察された。実験例2では、電解質溶液を大気中で滴下して作製したため、溶媒に水分が混入し、特に高温でPCの加水分解が促進されたものと推察された。
次に、以下の電解質を用い、滴下法で評価セルを作製し、出力密度及び出力維持率の時間経過について検討した。銅錯体としてCu(dmp)2TFSI(1価)を0.2M、Cu(tmby)2TFSI(1価)を0.1M、LiTFSIを0.24M、N−ブチルベンズイミダゾール(NBBI)を0.6Mとなるように下記溶媒に混合した。溶媒は、ACNとPCとイオン液体とを体積比で70:20:10で混合したものを用いた。この電解質溶液を用いて上記滴下法を窒素雰囲気のグローブボックス内で行い、光電極上に電解質層を形成した。このような工程を経て得られた評価セルを実験例3とした。また、銅錯体としてCu(dmp)2TFSI(1価)を0.3M、LiTFSIを0.24M、NBBIを0.6Mとなるように下記溶媒に混合した。溶媒は、ACNとPCとを体積比で70:30で混合したものを用いた。この電解質溶液を用いて上記実験例3と同様の工程を経て得られた評価セルを実験例4とした。実験例3,4の評価セルに対して所定時間経過ごとにLED光源による1000(lux)を照射し、太陽電池特性を測定した。図8は、実験例3、4の高温暗所放置時の出力密度の測定結果である。図9は、実験例3、4の高温暗所放置時の出力維持率(%)の測定結果である。また、表3に、実験例3,4の初期出力密度(mW/m2)、60℃暗所放置後の出力密度(mW/m2)、60℃暗所放置後の出力維持率(%)とをまとめて示した。図には示していないが、実験例1の電解質を用い、滴下法により作成した評価セルでは、初期発電量が得られなかった。一方、図8,9に示すように、滴下法により作製した実験例3,4は、高い初期出力密度を示すことがわかった。また、窒素中でセルを作製することによって水分の混入による有機溶媒のPCの加水分解は抑制しているが、実験例4では、高温耐久試験で時間の経過に伴い出力低下がみられた。これは加熱によって酸化チタンの細孔内からPCが徐々に揮発し、銅錯体の結晶化が進行することで発電特性が低下したことが要因と推察された。これに対し、異なる有機配位子を有する2種以上の銅錯体を含む実験例3では、初期の発電特性を低下させることなく、高温耐久性を大幅に向上できることがわかった。この理由は、例えば、実験例3では、構造の異なる有機配位子を含むことから、銅錯体の整列、即ち結晶化が構造的に阻害されやすく、銅錯体がより非晶質状態を維持しやすくなり、銅錯体が結晶化しにくくなるためであると推察された。
[電解質の結晶性の検討]
銅錯体としてCu(dmp)2TFSI(1価,化学式(1))と、Cu(tmby)2TFSI(1価,化学式(3))とのいずれかを含む電解質の結晶性について検討した。図10は、銅錯体に溶媒を加えたあとの写真であり、図10Aが化学式(1)のみ、図10Bが化学式(1)、(3)を混合したもの、図10Cが化学式(3)のみの写真である。Cu(dmp)2TFSIを0.25M、LiTFSIを0.2M、NBBIを1.0Mとなるように、有機溶媒のACNと混合し、ガラスプレート上に滴下した(図10A)。また、Cu(tmby)2TFSIを0.25M、LiTFSIを0.2M、NBBIを1.0Mとなるように、有機溶媒のACNに混合し、ガラスプレート上に滴下した(図10C)。また、上記2種の溶液を体積比で1:1となるよう混合したものをガラスプレート上に滴下した(図10B)。その結果、1種の銅錯体のみ含まれる溶液では、有機溶媒の揮発に伴い、速やかに固体(結晶)が析出した。一方、2種の銅錯体を含む溶液では、数時間、ゲル状のウエットな状態を保持することができた。即ち、有機配位子の異なる2種の銅錯体を混合して用いると、結晶化が抑制されて非晶質状態を維持することができることがわかった。
[実験例5〜8の電解質の検討]
組成比を表4に記載したようにして作製した電解質を用い、実験例2と同様の工程を経て作製した評価セルを実験例5〜8とした。高沸点の有機溶媒として、3−メチル−2−オキサゾリン(NMO)を用いた。この評価セルを用い、初期発電特性と、60℃暗所に1000時間放置したあとの耐久後の太陽電池特性を測定した。ここでは、LED光源による1000luxを照射したときの太陽電池特性を測定した。測定結果を表5にまとめた。図11は、実験例5〜8の初期出力密度である。図12は、実験例5〜8の初期の相対出力密度である。図13は、実験例5〜8の60℃暗所放置後の出力維持率である。相対出力密度は、実験例8を100として他の測定結果を規格化した。表5や図11〜13に示すように、複数種別の銅錯体を含む実験例5〜7では、実験例8に比して、初期の出力密度や暗所60℃での高温放置における出力維持率を向上することができることがわかった。この理由は、上述したように、銅錯体の結晶化がより抑制されるため、初期の出力密度が向上し、更に銅錯体の非晶質状態をより保持できるため、出力維持率をより向上することができるものと推察された。特に、有機配位子の基本構造が異なる2種以上の有機配位子を有する銅錯体を用いることが、その構造阻害性の観点から、より好ましいものと推察された。
本開示は、太陽電池及び太陽電池モジュールに好適に利用可能である。
10 太陽電池モジュール、11 光透過基板、12 光透過導電膜、13 受光面、14 光透過導電性基板、15 受光面、16,17 集電電極、18 溝、20 光電極、21 接続部、22 下地層、23 受光面、24 電子輸送層、25 裏面、26 電解質層、27 裏面、29 セパレータ、30 対極、32 シール材、34 保護部材、40 太陽電池。

Claims (10)

  1. 光吸収層を有する光電極と、前記光電極に向かい合うように配置された対極とを備えた太陽電池の前記光電極と前記対極との間に介在して用いられる電解質であって、
    有機配位子を有し銅が複数の価数を有する銅錯体において前記有機配位子の構造が異なる銅錯体を2種以上含有する、電解質。
  2. 前記有機配位子が、フェナントロリン系配位子、ピリジルエタン系配位子、ビピリジン系配位子、スパルテイン系配位子、ビスベンズイミダゾールイルチオメチルピリジン系配位子、ビスベンズイミダゾールイルチオメチルメチルアミン系配位子、ビスベンズイミダゾールイルピリジン系配位子、ビスエチルチオメチルピリジン系配位子のうち1以上である前記銅錯体を含有する、請求項1に記載の電解質。
  3. 前記銅錯体は、化学式(1)〜(10)のうちいずれか2以上である、請求項1又は2に記載の電解質。
  4. ビス(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)銅錯体及びビス(4,4’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビピリジン)銅錯体の2種を少なくとも含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解質。
  5. 前記有機配位子が異なる、第1銅錯体と、第2銅錯体と、を少なくとも含み、前記第1銅錯体のモル数M1と銅錯体全体のモル数Maとの割合M1/Ma×100(mol%)が30mol%以上70mol%以下の範囲である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解質。
  6. 窒素を1以上含み2環以上を有する複素環式化合物、及び窒素を2以上有する単環の複素環式化合物のうち1以上の環式化合物を更に含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解質。
  7. 光吸収層を有する光電極と、
    前記光電極に向かい合うように配置された対極と、
    前記光電極と前記対極との間に介在する請求項1〜6のいずれか1項に記載の電解質と、
    を備えた太陽電池。
  8. 前記光電極は、有機色素、金属錯体及び有機ハロゲン化金属化合物のうち1以上を含む前記光吸収層を有する、請求項7に記載の太陽電池。
  9. 前記光電極は、前記光吸収層で被覆されたn型半導体層を光透過導電性基板上に備えている、請求項7又は8に記載の太陽電池。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項に記載の太陽電池を複数備えている、太陽電池モジュール。
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